(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】ヘッドアップディスプレイ装置およびヘルメット
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20230302BHJP
G02B 27/01 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
H04M1/00 V
G02B27/01
(21)【出願番号】P 2018238271
(22)【出願日】2018-12-20
【審査請求日】2021-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】591182112
【氏名又は名称】NSウエスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田島 元樹
(72)【発明者】
【氏名】松岡 直哉
(72)【発明者】
【氏名】松本 悠祐
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206576374(CN,U)
【文献】特開2002-261907(JP,A)
【文献】特開2008-065593(JP,A)
【文献】特開2005-292622(JP,A)
【文献】特開2015-166232(JP,A)
【文献】国際公開第2017/086380(WO,A1)
【文献】特開2014-098564(JP,A)
【文献】特開平10-122885(JP,A)
【文献】特開2008-014783(JP,A)
【文献】特開2000-221050(JP,A)
【文献】特開2018-046461(JP,A)
【文献】特開2003-087359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B27/00-30/60
G09G5/00-5/36
5/377-5/42
H04M1/00
1/24-1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメットに搭載されるヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記ヘルメットを着用したユーザに対し、光透過性と光反射性を兼ね備えた被投射体越しに表示像を表示する表示モジュールと、
前記ヘルメットを着用したユーザに対し、通話機能を有する電子機器と通信することにより、音声情報を入出力する入出力機器を用いて音声通話を提供する通話モジュールと、
前記表示モジュールによる表示に関する操作および前記通話モジュールによる音声通話に関する操作を受け付ける複数のスイッチを含む操作ユニットと、
前記スイッチの操作に応じて、前記表示モジュールによる表示機能を制御し、または前記通話モジュールによる通話機能を制御する制御モジュールと、を備え、
前記制御モジュールは、前記電子機器に着信があるときに、前記通話モジュールを介して受信した着信信号に基づいてユーザに当該着信を報知すると共に、前記複数のスイッチのうち少なくとも2つ以上の前記スイッチに対し、当該着信に応じて受話する受話機能を割り当てる
ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたヘッドアップディスプレイ装置において、
前記制御モジュールは、前記電子機器に着信があるときに、前記複数のスイッチのそれぞれに対し、当該着信に応じて受話する受話機能を割り当てる
ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載されたヘッドアップディスプレイ装置において、
前記複数のスイッチは、前記電子機器に着信がないときに、前記表示モジュールの表示に関する操作を受け付ける表示操作機能が割り当てられる表示操作スイッチを含み、
前記制御モジュールは、前記電子機器に着信があるときには前記表示操作スイッチに対して前記受話機能を割り当て、前記通話モジュールによる通話中には前記表示操作スイッチに対して通話を終了させる終話機能を割り当て、前記通話モジュールによる通話が終了した後に所定の時間が経過するまでは前記表示操作スイッチに対して前記表示操作機能を割り当てない
ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載されたヘッドアップディスプレイ装置において、
前記表示モジュールによって所定の情報を表す表示像について表示を行う表示モードと表示を行わない非表示モードとが切り替え可能とされ、
前記複数のスイッチは、前記電子機器に着信がないときに、前記表示モジュールの表示に関する操作を受け付ける表示操作機能が割り当てられる表示操作スイッチを含み、
前記制御モジュールは、前記非表示モードであるときにおいて、前記表示操作スイッチの操作により、前記表示モジュールによって前記所定の情報を表す表示像を所定の時間に亘って一時的に表示させる
ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項5】
ヘッドアップディスプレイ装置が搭載されたヘルメットであって、
前記ヘッドアップディスプレイ装置は、
前記ヘルメットを着用したユーザに対し、光透過性と光反射性を兼ね備えた被投射体越しに表示像を表示する表示モジュールと、
前記ヘルメットを着用したユーザに対し、通話機能を有する電子機器と通信することにより、音声情報を入出力する入出力機器を用いて音声通話を提供する通話モジュールと、
前記表示モジュールによる表示に関する操作および前記通話モジュールによる音声通話に関する操作を受け付ける複数のスイッチを含む操作ユニットと、
前記スイッチの操作に応じて、前記表示モジュールによる表示機能を制御し、または前記通話モジュールによる通話機能を制御する制御モジュールと、を備え、
前記制御モジュールは、前記電子機器に着信があるときに、前記通話モジュールを介して受信した着信信号に基づいてユーザに当該着信を報知すると共に、前記複数のスイッチのうち少なくとも2つ以上の前記スイッチに対し、当該着信に応じて受話する受話機能を割り当てる
ことを特徴とするヘルメット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヘルメットに搭載されるヘッドアップディスプレイ装置およびヘッドアップディスプレイ装置が搭載されたヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動二輪車を運転する際に着用されるヘルメットにヘッドアップディスプレイ(Head Up Display)装置(以下「HUD装置」と称する)を搭載することにより、当該ヘルメットを着用したユーザ(運転者)に対し、車速などの車両情報、ナビゲーションシステムによる地図情報、警告情報といった各種情報を虚像として視界前方に視認させるようにして、車両運転時の利便性や安全性を高めることが知られている。
【0003】
ヘルメットに搭載されるHUD装置は、表示する情報に応じた表示光を投射する投射モジュールと、投射モジュールによって投射された表示光をヘルメットの着用者であるユーザの眼に向けて反射するコンバイナとを備える。コンバイナは、ハーフミラーからなり、ヘルメットの前部に設けられた窓開口内でユーザの前方視界に入る位置に配置され、ユーザの前方からの光を透過させる。したがって、ユーザは、コンバイナ越しに風景と重畳した状態で表示光による虚像(表示像)を視認できる。このようなHUD装置の一例は、特許文献1に開示されている。
【0004】
また、音声情報の入出力を行うマイクロフォンおよびスピーカなどからなる入出力機器(ヘッドセット)をヘルメットに搭載し、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)などの近距離無線通信規格での通信機能を有する通信部を介して携帯電話機と通信することにより、車両運転中において携帯電話機に着信があった場合にもハンズフリーで通話できるようにして、ユーザの利便性を高めることが知られている。このような通話機能を持たせたヘルメットの一例は、特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-030530号公報
【文献】特開2004-104684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したようなヘルメットに搭載されるHUD装置に通話機能を持たせる場合、HUD装置の表示に関する操作と音声通話に関する操作とを受け付ける複数のスイッチを纏めて操作ユニットとしてヘルメットの外面に設けることが考えられる。操作ユニットが具備するスイッチとしては、例えば、HUD装置の電源のオンとオフを切り替えるスイッチ、HUD装置の表示のオンとオフを切り替えるスイッチ、受話および終話を行うスイッチ、通話時などの音量をアップさせるスイッチ、音量をダウンさせるスイッチが挙げられる。
【0007】
しかし、このような操作ユニットでは、小型化の点から個々のスイッチを比較的小さくせざるを得ず、スイッチがヘルメットの外面に設けられていることでユーザがスイッチの位置を視認できない。このため、ユーザは目的のスイッチを手探りで探すことになり、所望のスイッチ操作を行うまでに時間がかかり、意図しないスイッチを誤って操作するおそれがある。特に、相手方から着信があるときには、ユーザが受話のためのスイッチ操作を急ぐ余り、スイッチを誤操作しやすく、携帯電話機の着信に応じて受話できないことがあり得る。況してや、運転者が手袋(グローブ)を着用していると、受話機能を持たせたスイッチを探すのがよりいっそう困難となり、他の機能を持たせたスイッチを誤操作する可能性が高くなる。
【0008】
本開示の技術は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ヘルメットに搭載される通話機能を持たせたHUD装置において、相手方から着信があるときに、当該着信に応じて受話するための受話操作を容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本開示の技術では、相手方から着信があるときに、操作ユニットに含まれる複数のスイッチのうち2つ以上のスイッチに受話する機能を割り当てるようにした。
【0010】
具体的には、本開示の技術は、ヘルメットに搭載されるHUD装置を対象とする。
【0011】
本開示の技術に係るHUD装置は、ヘルメットを着用したユーザに対し、光透過性と光反射性を兼ね備えた被投射体越しに表示像を表示する表示モジュールと、ヘルメットを着用したユーザに対し、通話機能を有する電子機器と通信することにより、音声情報を入出力する入出力機器を用いて音声通話を提供する通話モジュールと、表示モジュールによる表示に関する操作および通話モジュールによる音声通話に関する操作を受け付ける複数のスイッチを含む操作ユニットと、スイッチの操作に応じて、表示モジュールによる表示機能を制御し、または通話モジュールによる通話機能を制御する制御モジュールとを備える。そして、制御モジュールは、電子機器に着信があるときに、通話モジュールを介して受信した着信信号に基づいてユーザに当該着信を報知すると共に、複数のスイッチのうち少なくとも2つ以上のスイッチに対し、当該着信に応じて受話する受話機能を割り当てる。
【0012】
この構成によると、電子機器に着信があるときに、操作ユニットに含まれる複数のスイッチのうち2つ以上のスイッチに受話機能を割り当てるようにしたので、受話機能を割り当てた2つ以上のスイッチのうちいずれかを操作すれば、当該着信に応じて受話することができる。それによって、他の機能を持たせたスイッチを誤操作する可能性が低くなり、電子機器の着信に応じて受話できない事態に陥り難くすることができる。したがって、ヘルメットに搭載される通話機能を持たせたHUD装置において、相手方から着信があるときに、当該着信に応じて受話するための受話操作を容易にすることができる。
【0013】
上記HUD装置において、制御モジュールは、電子機器に着信があるときに、複数のスイッチのそれぞれに対し、当該着信に応じて受話する受話機能を割り当てることが好ましい。
【0014】
この構成によると、電子機器に着信があるときに、複数のスイッチのうちいずれかのスイッチを操作すれば、当該着信に応じて受話することができるので、他の機能を持たせたスイッチを誤操作するおそれがなくなり、着信に応じて受話できない事態に陥るのを回避することができる。
【0015】
また、複数のスイッチは、電子機器に着信がないときに、表示モジュールの表示に関する操作を受け付ける表示操作機能が割り当てられる表示操作スイッチを含んでいてもよい。そして、制御モジュールは、電子機器に着信があるときに、表示操作スイッチに対して受話機能を割り当ててもよい。この場合、制御モジュールは、通話モジュールによる通話中には表示操作スイッチに対して通話を終了させる終話機能を割り当て、通話モジュールによる通話が終了した後に所定の時間が経過するまでは表示操作スイッチに対して表示操作機能を割り当てないことが好ましい。
【0016】
通話モジュールによる通話が終了した直後に表示操作スイッチに対して表示操作機能を割り当てる場合、ヘルメットを着用したユーザが通話を終了させるべく、終話機能が割り当てられた表示操作スイッチを操作しようとしたとき、その操作前に通話相手が先だって終話操作を行うと、ユーザが表示操作スイッチを操作するときには表示操作スイッチに表示操作機能が割り当てられているため、表示に関する操作が意図せず行われる。このような終話操作に伴うHUD装置の意図しない動作に起因して、ユーザに不安感を与えてしまう懸念がある。
【0017】
これに対し、上記の構成によると、通話モジュールによる通話が終了した後に所定の時間が経過するまでは表示操作スイッチに対して表示操作機能を割り当てないようにしたので、ユーザが通話を終了させようとして通話相手が終話操作を行った後に表示操作スイッチを操作してしまっても、表示に関する操作が意図せず行われるのを防止することができる。それにより、終話操作に伴うHUD装置の意図しない動作を防止して、ユーザに不安感を与えないようにすることができる。
【0018】
また、HUD装置は、表示モジュールによって所定の情報を表す表示像について表示を行う表示モードと表示を行わない非表示モードとが切り替え可能とされていてもよい。
【0019】
この構成によると、所定の情報を表す表示像について表示を行う表示モードと表示を行わない非表示モードとを切り替えられるようにしたので、当該表示像の表示が必要ないときには非表示モードとすることにより、HUD装置を動作させるための電力の消費を抑えることができる。
【0020】
この場合、制御モジュールは、非表示モードであるときにおいて、複数のスイッチのうち電子機器に着信がないときに表示モジュールの表示に関する操作が割り当てられる表示操作スイッチの操作により、表示モジュールによって所定の情報を表す表示像を所定の時間に亘って一時的に表示させることが好ましい。
【0021】
HUD装置に上記のような表示モードの切り替え機能を持たせても、表示像の表示が必要ないときに非表示モードに切り替え忘れることがあり得る。また、表示像で表される所定の情報が、車両運転中は常時見ておく必要のない情報であったり、ユーザがチェックしたいときだけに見られればよいものであったりする場合、当該所定の情報を見る都度、表示モードと非表示モードの切り替え操作を行うのが煩わしいことから、表示像の表示が必要なくても、表示モードのままHUD装置を使用し続けることがあり得る。
【0022】
これに対し、上記の構成によると、HUD装置が非表示モードであるときにおいても、表示操作スイッチの操作を行うことで、表示モジュールによって所定の情報を表す表示像を一時的に表示させるようにしたので、表示モードと非表示モードの切り替え操作を省いて、必要なときに表示像を一時的に表示させることができる。このようにすれば、表示像の表示を消し忘れることもない。そうした表示操作スイッチの操作による表示像の一時的な表示を活用することにより、HUD装置を作動させるための電力の消費を抑えることができる。
【0023】
また、本開示の技術は、HUD装置が搭載されたヘルメットを対象とする。
【0024】
本開示の技術に係るヘルメットでは、HUD装置は、ヘルメットを着用したユーザに対し、光透過性と光反射性を兼ね備えた被投射体越しに表示像を表示する表示モジュールと、ヘルメットを着用したユーザに対し、通話機能を有する電子機器と通信することにより、音声情報を入出力する入出力機器を用いて音声通話を提供する通話モジュールと、表示モジュールによる表示に関する操作および通話モジュールによる音声通話に関する操作を受け付ける複数のスイッチを含む操作ユニットと、スイッチの操作に応じて、表示モジュールによる表示機能を制御し、または通話モジュールによる通話機能を制御する制御モジュールとを備える。そして、制御モジュールは、電子機器に着信があるときに、通話モジュールを介して受信した着信信号に基づいてユーザに当該着信を報知すると共に、複数のスイッチのうち少なくとも2つ以上のスイッチに対し、当該着信に応じて受話する受話機能を割り当てる。
【0025】
この構成によると、電子機器に着信があるときに、操作ユニットに含まれる複数のスイッチのうち2つ以上のスイッチに受話機能を割り当てるようにしたので、受話機能を割り当てた2つ以上のスイッチのうちいずれかを操作すれば、当該着信に応じて受話することができる。それによって、他の機能を持たせたスイッチを誤操作する可能性が低くなり、電子機器の着信に応じて受話できない事態に陥り難くすることができる。したがって、ヘルメットに搭載された通話機能を有するHUD装置において、相手方から着信があるときに、当該着信に応じて受話するための受話操作を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本開示の技術に係るHUD装置およびそれを搭載したヘルメットによれば、相手方から着信があるときに、当該着信に応じて受話するための受話操作を容易にすることができる。これにより、通話機能を持たせたHUD装置のユーザビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報提示システムの概略的な全体構成図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報提示システムの概略的なブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るHUD装置が搭載されたヘルメットの正面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るHUD装置が搭載されたヘルメットの側面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るHUD装置の通話機能による着信通話の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、便宜上、ヘルメットおよびヘルメットに搭載されるHUD装置について、ヘルメットを着用したユーザの顔の上下に相当する方向における上側を「上」、下側を「下」と称し、ヘルメットを着用したユーザの顔の前後に相当する方向における前側を「前」、後側を「後」と称し、ヘルメットを着用したユーザの顔の前方を向いてその顔の左右に相当する方向における左側を「左」、右側を「右」と称する。
【0029】
<情報提示システムの構成>
図1は、この実施形態に係る情報提示システム1の概略的な全体構成図である。
図2は、情報提示システム1の概略的なブロック図である。なお、
図1において、二点鎖線の矢印は、表示光の経路および進行方向を示している。情報提示システム1は、自動二輪車のライダー(ユーザ)に向けて運転支援に寄与する情報を提示するシステムであって、
図1および
図2に示すように、自動二輪車のヘルメット101に搭載されたHUD装置3と、HUD装置3に対して表示され得る各種情報を提供する情報端末5とを備えている。
【0030】
- 情報端末の構成 -
情報端末5としては、スマートフォンと呼ばれる小型の多機能携帯電話機が用いられる。この情報端末5は、通話機能を有する電子機器であって、GPS衛星Sからの電波を受信して測位情報を生成するGPS(Global Positioning System)受信機7と、外部との無線通信を行う無線通信モジュール9と、音声情報を入出力する入出力機器13と、タッチパネル付き表示装置15と、当該情報端末5の動作を総合的に制御するマイクロコンピュータ17と、当該情報端末5を動作させるのに必要な電力を供給する電源19とを備えている。
【0031】
GPS受信機7は、図示しないGPSアンテナなどを備えて構成されている。GPSアンテナは、地球軌道に打ち上げられた複数のGPS衛星Sから送信されるGPS信号を受信する。GPS受信機7は、GPSアンテナで受信したGPS信号に基づいて、情報端末5の現在位置(例えば緯度、経度および高度)の情報を取得する。このGPS受信機7は、マイクロコンピュータ17からの要求に応じて、測位した情報端末5の位置情報をマイクロコンピュータ17に含まれるメモリ31に保存し、逐次更新する。
【0032】
無線通信モジュール9は、インターネットや電話網などの広域通信網である外部ネットワークNと通信を行うネットワーク通信部21と、HUD装置3と近距離で無線通信を行う近距離通信部23とを備えている。
【0033】
ネットワーク通信部21は、WiFi(Wireless Fidelity;登録商標)などの無線LAN(Local Area Network)の機能やLTE(Long Time Evolution;登録商標)といったモバイル通信規格での通信機能を有している。このネットワーク通信部21は、マイクロコンピュータ17からの要求に応じて、外部ネットワークNから地図情報や、工事や渋滞などに関する道路情報、GPS受信機7で取得された現在位置に基づく周辺施設の情報、災害情報などのネット情報を受信して、マイクロコンピュータ17に含まれるメモリ31に一時的に蓄積する。
【0034】
また、ネットワーク通信部21は、マイクロコンピュータ17からの要求に応じて、外部ネットワークNの利用により、他の携帯電話機や固定電話機といった通話機能を有する外部機器との間で音声データを送受信する。
【0035】
近距離通信部23は、ブルートゥースなどの近距離無線通信規格での通信機能を有している。この近距離通信部23は、マイクロコンピュータ17からの要求に応じて、GPS受信機7で取得された情報端末5の位置情報や、ネットワーク通信部21で取得されたネット情報、後述する各種のアプリケーションソフトウェア(以下「アプリ」と称する)により取得されるアプリ情報、HUD装置3によって表示する表示像についての表示項目や明るさなどの表示設定の情報を含む種々の情報をメモリ31から読み出して、無線通信によりHUD装置3へと送信する。
【0036】
また、近距離通信部23は、情報端末5をHUD装置3と連携させ、HUD装置3の通話機能を利用して通話を行う場合には、マイクロコンピュータ17からの要求に応じて、HUD装置3との間で音声データを送受信する。
【0037】
入出力機器13は、マイクロフォン25およびスピーカ27を有している。マイクロフォン25は、入力された音声を電気信号に変換する。変換された電気信号は、ネットワーク通信部21の機能により外部ネットワークN(電話網)へ音声データとして送信される。スピーカ27は、情報端末5の通話機能をHUD装置3と連携させずに単独で使用しているときには、ネットワーク通信部21の機能により外部ネットワークN(電話網)から受信した音声データとしての電気信号を音声に変換して出力する。
【0038】
タッチパネル付き表示装置15は、情報端末5の画面29に画像を表示する表示装置と、ユーザがタッチした画面29内の位置(触れた位置)を検出するタッチパネルとが一体化された電子装置であって、画像の出力機能とユーザ操作の入力機能とを兼ね備えている。情報端末5では、このタッチパネル付き表示装置15へのタッチ操作により、各種アプリの実行や、後述の連携アプリ43の実行時においてはHUD装置3での表示設定を行えるようになっている。
【0039】
マイクロコンピュータ17は、メモリ31およびCPU(Central Processing Unit)33を含んでいる。メモリ31は、情報端末5を動作させるためのプログラムを含む様々な情報を一時的または恒久的に保存する。このメモリ31は、典型的には、RAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)の組合せによって実現される。当該メモリ31に記憶される各種のプログラムには、モバイルOS(Operating System)や、モバイルOS上で特定機能を実現すべく動作する複数のアプリが含まれている。
【0040】
複数のアプリには、時刻アプリ35、速度アプリ37、ナビゲーションアプリ(以下「ナビアプリ」と称する)39、通話アプリ41および連携アプリ43が含まれている。これら複数のアプリ35,37,39,41,43は、情報端末5に予めインストールされてメモリ31に保存されている。
【0041】
時刻アプリ35は、現在時刻を取得するソフトウェアである。この時刻アプリ35では、例えば、基地局との通信で取得されるタイムスタンプやGPS受信機7で取得される時刻情報に基づき、さらにはNITZ(Network Identity and Time Zone)やNTP(Network Time Protocol)といった時刻同期技術を用いて、現在時刻を取得する。
【0042】
速度アプリ37は、情報端末5の移動速度を検出するソフトウェアである。この速度アプリ37では、例えば、GPS受信機7で取得される情報端末5の位置情報に基づいて、情報端末5の移動速度を検出する。
【0043】
ナビアプリ39は、ユーザによって設定された目的地への経路案内を行うソフトウェアである。このナビアプリ39では、例えば、ネットワーク通信部21で取得された、またはメモリ31に予め保存された地図情報と、GPS受信機7で取得される情報端末5の位置情報とに基づいて、目的地への経路案内を行う。
【0044】
通話アプリ41は、情報端末5で通話を行うためのソフトウェアである。この通話アプリ41は、ネットワーク通信部21の機能により、所定の通信プロトコルに従い音声データをやり取りすることで、マイクロフォン25から入力された音声データを外部ネットワークN(電話網)に送信し、且つ外部ネットワークN(電話網)から受信した音声データに基づく音声をスピーカ27から出力する。
【0045】
連携アプリ43は、近距離通信部23による無線通信を用いてHUD装置3と連携し、HUD装置3へアプリ情報やネット情報、HUD装置3での表示設定の情報などの各種情報を送信して、HUD装置3での表示機能を実現するためのソフトウェアである。
【0046】
この連携アプリ43では、HUD装置3の表示設定を行えるようになっている。具体的には、表示設定として、HUD装置3で表示する項目を現在時刻、移動速度および経路案内情報(ナビゲーション情報)を含む複数の項目から設定したり、HUD装置3によって表示される表示像の明るさを設定したりできる。
【0047】
また、この連携アプリ43では、HUD装置3の表示機能に関するモードの設定も行えるようになっている。表示機能に関するモードは、所定の情報(設定した表示項目の情報)を表す表示像について表示を行う表示モードと、表示を行わない非表示モードとであり、当該連携アプリ43で択一的に選択できる。連携アプリ43で設定された表示設定の情報は、メモリ31に保存される。
【0048】
また、連携アプリ43は、ユーザが情報端末5を手に持たなくてもHUD装置3で通話を可能とするハンズフリーの通話機能を実現するためのソフトウェアでもある。
【0049】
この連携アプリ43では、通話アプリ41と連携し、HUD装置3におけるスイッチ操作に応じて、着信に応じた受話、通話中の音量のアップおよびダウン、ならびに通話を終了させる終話といった通話に関する処理が行われる。この連携アプリ43は、通話アプリ41の機能を利用して、通話中においては、通話相手の外部機器からネットワーク通信部21を介して受信した音声データを近距離通信部23による無線通信を用いてHUD装置3に転送すると共に、HUD装置3から近距離通信部23を介して受信した音声データを、ネットワーク通信部21による無線通信を用い、外部ネットワークN(電話網)を経由して通話相手の外部機器に送信する。
【0050】
また、連携アプリ43は、情報端末5の着信をHUD装置3に転送するようになっている。具体的には、情報端末5の着信があるか否かを監視し、情報端末5に着信があるときに、近距離通信部23による無線通信を用いてHUD装置3に情報端末5に着信があることを示す着信信号を送信する。また、連携アプリ43は、通話中において相手方の外部機器との通信状態を監視し、通話相手による終話操作により相手方の外部機器との通信が切断されたときに、近距離通信部23による無線通信を用いてHUD装置3に終話したことを示す終話信号を送信する。
【0051】
CPU33は、典型的には、IC(Integrated Circuit)やLSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integration Circuit)などによって実現される。このCPU33は、各種データを処理するための演算を行い、無線通信モジュール9、入出力機器13およびタッチパネル付き表示装置15の動作と各種アプリ35,37,39,41,43の実行とを制御する。
【0052】
マイクロコンピュータ17は、CPU33の機能により、GPS受信機7に現在位置の情報を取得させ、ネットワーク通信部21に外部ネットワークNとの接続を確立させてネット情報を収集すると共に、連携アプリ43の実行により、近距離通信部23にHUD装置3との接続を確立させ、時刻アプリ35、速度アプリ37およびナビアプリ39の実行に応じた種々の処理によって取得したアプリ情報やネット情報、表示設定の情報をHUD装置3に送信する。また、マイクロコンピュータ17は、連携アプリ43の実行により、情報端末5の着信をHUD装置3に転送し、HUD装置3におけるスイッチ操作に応じて上記通話に関する処理を行う。
【0053】
電源19は、リチウムイオンバッテリなどの二次電池によって構成されている。当該電源19は、無線通信モジュール9、入出力機器13、タッチパネル付き表示装置15およびマイクロコンピュータ17に配線を介して電気的に接続されている。情報端末5は、図示しない電源スイッチで電源を入れる操作がされると、電源19から無線通信モジュール9、入出力機器13、タッチパネル付き表示装置15およびマイクロコンピュータ17に電力を供給して、ユーザの操作に応じた所定の動作をするようになっている。
【0054】
- HUD装置の構成 -
図3は、HUD装置3が搭載されたヘルメット101の正面図である。
図4は、HUD装置3が搭載されたヘルメット101の側面図である。なお、
図3において、二点鎖線の矢印は、
図1と同様に表示光の経路および進行方向を示している。HUD装置3は、ヘルメット101(ヘルメット本体105)を着用したユーザの視野に視覚情報を映し出す投射型表示装置であって、情報端末5と連携することによりハンズフリーな着信通話を実現する通話機能を備えている。
【0055】
この実施形態に係るHUD装置3が搭載されるヘルメット101は、フルフェイス型のヘルメットであって、着用したユーザに視界を提供するための窓開口103が前部に形成されたヘルメット本体105と、ヘルメット本体105に対し取り替え可能に装着されて窓開口103を開閉し得る透明なシールド107とを備えている。
【0056】
ヘルメット本体105は、図示しないが、その外殻を構成するシェル(帽体)の内側に、発泡ポリスチレンなどからなる衝撃を吸収する緩衝体としてのライナー(不図示)が設けられた構造を有している。シールド107は、ヘルメット本体105における窓開口103の左右両側に留め具109などを用いて所定の角度範囲だけ回転可能に取り付けられており、上下方向への回動動作を以て窓開口103を開閉するようになっている。
【0057】
シールド107は、窓開口103を閉じた状態で、窓開口103を通して飛び込む塵埃などの異物や風、紫外線などをブロックする機能を有している。このシールド107は、留め具109を外して取り外せるようになっている。当該シールド107には、天候や昼夜などによる外部環境の明るさに合わせて、無色透明なシールド、スモークシールドなどの色付き透明なシールド、ミラーシールドなどの光透過率の異なる様々なシールドが採用され得る。
【0058】
HUD装置3は、
図1~
図4に示すように、外部との無線通信を行う無線通信モジュール45と、表示光を生成して投射する投射モジュール47と、投射モジュール47から投射された表示光による表示像を虚像としてユーザに視認させるためのコンバイナユニット49と、音声情報を入出力する入出力機器51と、当該HUD装置3へのユーザによる操作を入力するための操作ユニット53と、当該HUD装置3での表示機能および通話機能を制御する制御モジュール55と、当該HUD装置3を動作させるのに必要な電力を供給する電源57とを備えている。
【0059】
無線通信モジュール45、投射モジュール47、コンバイナユニット49および制御モジュール55は、ヘルメット101を着用したユーザに対し、コンバイナユニット49に含まれるコンバイナ89越しに表示像を表示する表示モジュール59を構成している。また、無線通信モジュール45、入出力機器51および制御モジュール55は、ヘルメット101を着用したユーザに対し、入出力機器51に含まれるマイクロフォン65およびスピーカ67を用いて音声通話を提供する通話モジュール61を構成している。
【0060】
無線通信モジュール45は、ブルートゥースなどの近距離無線通信規格での通信機能を有している。この無線通信モジュール45は、制御モジュール55に含まれるマイクロコンピュータ79からの要求に応じて、情報端末5の近距離通信部23から送信されたネット情報やアプリ情報、表示設定の情報を受信し、マイクロコンピュータ79に含まれるメモリ75に保存する。この無線通信モジュール45は、制御モジュール55と共にPCB上に設けられ、PCBモジュール63としてヘルメット本体105の顎部113左側に内蔵されている。
【0061】
入出力機器51は、マイクロフォン65およびスピーカ67を有している。マイクロフォン65は、ヘルメット本体105の顎部113においてユーザの口と対向する部位またはその周辺に内蔵されている。このマイクロフォン65では、変換した電気信号を、制御モジュール55に含まれるマイクロコンピュータ79からの要求に応じて、無線通信モジュール45の機能により通信が確立された情報端末5に音声データとして送信する。スピーカ67は、ヘルメット本体105の左右両側部においてユーザの耳と対向する部位またはその周辺に内蔵されている。このスピーカ67では、制御モジュール55に含まれるマイクロコンピュータ79からの要求に応じて、ネットワーク通信部21の機能により上記通話機能を有する外部機器から受信した音声データとしての電気信号を音声に変換して出力する。
【0062】
操作ユニット53は、ヘルメット本体105において顎部113左側でスピーカ67の下側部位に設けられている。このように、操作ユニット53は、ヘルメット101を着用したユーザが視認できない位置に配置されている。この操作ユニット53は、平面視で概略三角形に近い六角形状に形成されたケース69と、それぞれケース69内に設けられた、押しボタン式(プッシュタイプ)の複数のスイッチ71A,71B,71C,71D、およびこれら各スイッチ71A,71B,71C,71Dの入力操作に応じた信号を処理する信号処理回路73とを備えている。
【0063】
操作ユニット53は、例えば、ケース69の裏面を両面テープによりヘルメット本体105の外面に貼り付けるなどして固定されている。複数のスイッチ71A,71B,71C,71Dは、表示モジュール59による表示に関する操作と、通話モジュール61による音声通話に関する操作とを受け付けるスイッチである。この実施形態における例では、複数のスイッチ71A,71B,71C,71Dは、多機能スイッチ71A、電源スイッチ71B、プラススイッチ71C、マイナススイッチ71Dおよびの4つである。
【0064】
多機能スイッチ71Aには、HUD装置3によって表示される所定の情報を表す表示像について表示内容を切り替える表示切り替え機能(表示操作機能)が、メイン機能として割り当てられている。また、多機能スイッチ71Aには、HUD装置3の通話機能により発信する発信機能がメイン機能として割り当てられている。これら表示切り替え機能と発信機能とは、多機能スイッチに対する操作の仕方(後述の短押し操作と長押し操作)によって使い分けられる。
【0065】
また、電源スイッチ71Bには、HUD装置3の電源のオンとオフを切り替える機能がメイン機能として割り当てられている。この電源スイッチ71Bには、HUD装置3の表示のオンとオフを切り替える機能がサブ機能として割り当てられている。プラススイッチ71Cには、通話時などにスピーカ67から出力される音量をアップさせる機能がメイン機能として割り当てられている。マイナススイッチ71Dには、通話時などにスピーカ67から出力される音量をダウンさせる機能がメイン機能として割り当てられている。
【0066】
信号処理回路73は、これら多機能スイッチ71A、電源スイッチ71B、プラススイッチ71Cおよびマイナススイッチ71Dの押し込みによる入力操作を検知し、入力操作に応じた操作信号を制御モジュール55に含まれるマイクロコンピュータ79のCPU77に出力する。この信号処理回路73は、多機能スイッチ71Aおよび電源スイッチ71Bの入力操作については、所定の時間(例えば2秒~5秒程度に設定される)よりも短い時間だけ押し込み動作がされた短押し操作と、当該所定の時間以上の時間に亘って押し込み動作がされた長押し操作とを区別して、それら両操作で異なる操作信号をCPU77に出力するようになっている。
【0067】
制御モジュール55は、メモリ75およびCPU77を含むマイクロコンピュータ79と、画像表示に関する処理を担当する集積回路であるGDC(Graphics Display Controller)81とを有している。
【0068】
メモリ75は、HUD装置3を動作させるためのプログラムを含む様々な情報を一時的または恒久的に保存する。このメモリ75には、無線通信モジュール45で受信したネット情報やアプリ情報、表示設定の情報も保存される。当該メモリ75は、典型的には、RAMとROMの組合せによって実現される。
【0069】
CPU77は、典型的には、ICやLSI、ASICなどによって実現される。このCPU77は、各種データを処理するための演算を行い、無線通信モジュール45、投射モジュール47に含まれる光出射器83、入出力機器51およびGDC81の動作を制御する。
【0070】
GDC81は、メモリ75に保存されたネット情報やアプリ情報、表示設定の情報に基づき、コンバイナユニット49に含まれるコンバイナ89を介してユーザに視認させる表示像のデータを生成する。このGDC81で生成される表示像のデータは、情報端末5の連携アプリ43の表示設定で設定された項目の情報を表す画像データである。マイクロコンピュータ79は、CPU77の機能により、GDC81に表示像のデータを生成させ、その画像信号を投射モジュール47に含まれる光出射器83に出力させる。
【0071】
投射モジュール47は、ヘルメット本体105の顎部113に内蔵されている。この投射モジュール47は、GDC81から入力される画像信号に基づいて表示像に対応する表示光を生成して出射する光出射器83と、光出射器83から出射された表示光をコンバイナユニット49に含まれるコンバイナ89に向けて反射する凹面ミラー85とを備えている。これら光出射器83と凹面ミラー85とは、ヘルメット101の顎部113における左右両側に分けて設けられている。
【0072】
光出射器83は、ヘルメット本体105の顎部113左側でPCBモジュール63の近傍位置に内蔵されている。この光出射器83は、図示しないが、LED(Light Emitting Diode)などの光源およびLCOS(Liquid Crystal On Silicon)などの反射型表示パネルからなる表示素子と、凸レンズや凹レンズなどの光学レンズ、拡散板、TIR(Total Internal Reflection)プリズムといった複数の光学部材とを組み合わせて構成されている。当該光出射器83は、HUD装置3によって表示される表示像が情報端末5で設定された明るさレベルとなる光の強さで表示光を生成し、生成した表示光を凹面ミラー85に向けて出射する。
【0073】
凹面ミラー85は、ヘルメット本体105の顎部113右側に内蔵されている。この凹面ミラー85は、回転対称性を持たない自由曲面形状の反射面87(図示では平面状)を有している。当該凹面ミラー85は、光出射器83から受けた表示光を、その反射面87により、上方あるコンバイナユニット49に含まれるコンバイナ89に向けて反射すると共に、ユーザに視認される表示像が運転中の表示に適したサイズおよび位置となるように整形する。
【0074】
コンバイナユニット49は、凹面ミラー85により反射された表示光を下方から受けてユーザが視認可能な方向に反射するコンバイナ89と、コンバイナ89をヘルメット101の着用者であるユーザの眼前に位置させるように支持する支持機構91とを備えている。
【0075】
コンバイナ89は、透明または半透明な板状部品であって、回転対称性を持たない自由曲面形状の半透過反射面93(図示では平面状)を有している。コンバイナ89は、閉じた状態にあるシールド107の内側に位置するように配置される。当該コンバイナ89は、光透過性と光反射性を兼ね備えた被投射体であって、ハーフミラーによって構成されている。ハーフミラーは、入射した光の一部を反射させて一部を透過させる性質を有している。
【0076】
支持機構91は、ヘルメット本体105の前部に設けられた窓開口103内でユーザの前方視界に入る位置にコンバイナ89を支持する。コンバイナ89は、ユーザの右眼Eの前方位置に配置され、支持機構91により、半透過反射面93をユーザの顔側に配置させ、後端が上方に位置する一方で前端が下方に位置する前傾姿勢で支持される。
【0077】
支持機構91は、上下方向に延びるステー95を有している。ステー95の上側部は、ヘルメット本体105の額部115に内蔵された図示しない保持具に保持されている。ステー95の下端部には、左右方向に延びる回転軸97を介してコンバイナ89が連結されている。支持機構91は、コンバイナ89の回転軸97周りの回転動作を以て、半透過反射面93の向きを調整可能とされている。
【0078】
制御モジュール55は、メモリ75に保存された表示設定の情報に含まれるHUD装置3の表示機能に関するモードに基づいて、つまりHUD装置3が表示モードであるかまたは非表示モードであるかに応じて、表示モジュール59に所定の表示動作を行わせる。
【0079】
制御モジュール55は、HUD装置3が表示モードであるときにおいては、連携アプリ43の表示設定で設定された項目の情報を所定の情報として表示し、情報端末5から着信信号を受信したときには、着信があることを示すアイコンや着信相手の情報を表示像として表示する。他方、制御モジュール55は、HUD装置3が非表示モードであるときにおいては、連携アプリ43の表示設定で設定された項目の情報は表示せず、情報端末5から着信信号を受信したときには、着信があることを示すアイコンや着信相手の情報を表示像として表示する。
【0080】
また、制御モジュール55は、操作ユニット53に含まれる多機能スイッチ71Aの入力操作に応じて、表示モジュール59による表示機能を制御する。
【0081】
制御モジュール55は、HUD装置3が表示モードであるときにおいては、多機能スイッチ71Aに短押し操作が行われることにより、HUD装置3によって表示される所定の情報を表す表示像について表示内容を切り替える。例えば、情報端末5にて連携アプリ43で設定された表示項目が複数ある場合、HUD装置3により表示像として表示される表示項目が、多機能スイッチ71Aで短押し操作が行われる毎に、連携アプリ43で設定された全ての表示項目とするか、またはいずれか1つの表示項目とするかで切り替えられる。
【0082】
制御モジュール55は、HUD装置3が非表示モードであるときにおいては、多機能スイッチ71Aで短押し操作が行われることにより、表示モジュール59によって所定の情報を表す表示像を所定の時間(例えば10秒~15秒程度)に亘って一時的に表示させる。HUD装置3では、このような一時的な表示機能を多機能スイッチ71Aに持たせることにより、表示モードと非表示モードの切り替え操作を省いて、必要なときに表示像を一時的に表示させられるようになっている。このようにすれば、表示像の表示を不要なときに消し忘れることもない。
【0083】
また、制御モジュール55は、操作ユニット53に含まれる各スイッチ71A,71B,71C,71Dの操作に応じて、通話モジュール61による通話機能を制御する。
【0084】
制御モジュール55は、情報端末5に着信があるときには、多機能スイッチ71A、電源スイッチ71B、プラススイッチ71Cおよびマイナススイッチ71Dのそれぞれに対し、着信に応じて受話する受話機能を割り当てる。これにより、情報端末5に着信があるときには、それら4つのスイッチ71A,71B,71C,71Dのうちいずれかのスイッチを操作すれば、当該着信に応じて受話し、通話モジュール61による通話を開始することができる。
【0085】
さらに、制御モジュール55は、通話モジュール61による通話中においては、プラススイッチ71Cおよびマイナススイッチ71Dの機能をメイン機能に割り当てて復帰させる。そのことで、通話中においても、スピーカ67から出力される音量を調整することが可能とされている。このとき、制御モジュール55は、多機能スイッチ71Aに対し、通話を終了させる終話機能を割り当てる。これにより、通話を終了させたいときには、多機能スイッチ71Aを操作すれば通話を終了させることができる。なお、電源スイッチ71Bの機能は、着信に応じて受話した後にメイン機能に割り当てて復帰させる。
【0086】
そして、制御モジュール55は、通話モジュール61による通話が終了した後に所定の時間が経過するまでは、終話機能を継続して持たせ、多機能スイッチ71Aに対して表示操作機能を割り当てない。このことで、ユーザが通話を終了させようとして、通話相手が終話操作を行った後に多機能スイッチ71Aを操作してしまっても、表示の切り替え操作が意図せず行われるのを防止することができる。それにより、終話操作に伴うHUD装置3の意図しない表示の切り替え動作に起因してユーザに不安感を与えないようになっている。
【0087】
なお、制御モジュール55は、情報端末5に着信がないときにおいて、電源スイッチ71Bのメイン機能およびサブ機能を有効にする。このとき、電源スイッチ71Bのメイン機能(電源のオン/オフ切替え機能)は長押し操作が行われたときに機能し、電源スイッチ71Bのサブ機能(表示のオン/オフ切替え機能)は短押し操作が行われたときに機能する。また、制御モジュール55は、情報端末5に着信がないときにおいて、プラススイッチ71Cおよびマイナススイッチ71Dのメイン機能を有効にする。これにより、スピーカから出力される音量は、プラススイッチ71Cの入力操作によりアップされ、マイナススイッチ71Dの入力操作によりダウンされる。
【0088】
電源57は、ヘルメット本体105の後頭部に内蔵されている。この電源57は、リチウムイオンバッテリなどの二次電池によって構成されている。当該電源57は、無線通信モジュール45、入出力機器51、光出射器83および制御モジュール55と電気的に接続されている。HUD装置3は、操作ユニット53にて電源スイッチ71Bの電源を入れる入力操作(長押し操作)がされると、電源57から無線通信モジュール45、制御モジュール55および光出射器83に電力を供給して、多機能スイッチ71Aの操作による表示内容の切り替えに応じて所定の表示動作をするようになっている。
【0089】
<情報提示システムの動作>
- HUD装置の表示動作 -
上記構成の情報提示システム1では、HUD装置3の電源が入れられて、情報端末5で連携アプリ43が実行されると、ネット情報やアプリ情報、表示設定の情報がHUD装置3で受信される。そして、受信したネット情報やアプリ情報に基づいて、表示設定の情報に含まれる予め設定された項目に対応する表示像のデータがGDC81にて生成される。
【0090】
このとき、HUD装置3が表示モードであると、投射モジュール47の光出射器83において、GDC81で生成された表示像のデータに対応する表示光が、情報端末5で設定された表示像の明るさレベルに対応する光の強さで生成される。この表示光は、光出射器83から出射された後に凹面ミラー85で反射されて、投射モジュール47からコンバイナ89に投光され、コンバイナ89でユーザの視界に入るようにさらに反射される。これにより、ユーザは、コンバイナ89越しに前方視界の風景に重畳した状態で、表示光による表示像を虚像として視認させられる。
【0091】
- HUD装置の通話動作 -
また、情報提示システム1では、情報端末5に着信があると、当該着信をHUD装置3による表示像の表示によりユーザに報知し、ユーザがHUD装置3で操作ユニット53を操作することにより、車両運転中において情報端末5に着信があった場合にも、当該着信に応じて受話し、相手方と通話し、その後に通話を終了する終話を行え、ハンズフリーで着信通話が行える。
【0092】
以下に、この情報提示システム1によるHUD装置3での着信通話を行うための処理について、
図5を参照しながら説明する。
図5は、HUD装置3の通話機能による着信通話の流れを示すフロー図である。
【0093】
図5に示すように、HUD装置3での着信通話を行うための処理では、制御モジュール55は、まず、情報端末5に着信があるか否かを判断する(ステップST01)。具体的には、制御モジュール55が無線通信モジュール45を通じて情報端末5から送信される着信信号を受信している場合には、情報端末5に着信があると判断し、着信信号を受信していない場合には、情報端末5に着信がないと判断する。
【0094】
このとき、情報端末5に着信がないと判断した場合(ステップST01でNOの場合)には、制御モジュール55が着信信号を受信するまで、情報端末5での着信の有無を引き続き判断する。また、情報端末5に着信があると判断した場合(ステップST01でYESの場合)には、情報端末5に着信があることを示すアイコンや着信相手の情報を表示像として表示することで、ユーザに着信を報知すると共に、操作ユニット53にある4つのスイッチ(多機能スイッチ71A、電源スイッチ71B、プラススイッチ71C、マイナススイッチ71D)全てに受話機能を割り当てる(ステップST02)。
【0095】
次いで、それら4つのスイッチ71A、71B,71C,71Dのうち何れかのスイッチが操作されたか否かを判断する(ステップST03)。具体的には、制御モジュール55が操作ユニット53の信号処理回路73から何らかの操作信号を受信した場合には、操作ユニット53でスイッチ操作が行われたと判断し、制御モジュール55が操作ユニット53の信号処理回路73から制御信号を受信しない場合には、操作ユニット53でスイッチ操作が行われていないと判断する。
【0096】
このとき、操作ユニット53でスイッチ操作が行われていないと判断した場合、つまり4つのスイッチ71A,71B,71C,71Dがどれも操作されていない場合(ステップST03でNOの場合)には、情報端末5に着信が継続しているか否かを判断する(ステップST04)。情報端末5に着信が継続しているか否かは、制御モジュール55が着信信号の受信を継続しているか否かで判断する。
【0097】
ここで、情報端末5に着信が継続していないと判断した場合(ステップST04でNOの場合)は、リターンして、再び情報端末5に着信があるか否かを判断する最初のステップ(ステップST01)に戻る。また、情報端末5に着信が継続していると判断した場合(ステップST04でYESの場合)は、4つのスイッチ71A,71B,71C,71Dのうちいずれかのスイッチが操作されるまで、スイッチ操作の有無を引き続き判断する。
【0098】
4つのスイッチ71A,71B,71C,71Dのうち何れかのスイッチが操作されたと判断した場合(ステップST03でYESの場合)には、HUD装置3では、制御モジュール55が無線通信モジュール45を介して情報端末5に着信に応じて受話するための制御信号を送信する。そして、情報端末5では、その制御信号に基づき、連携アプリ43の機能により着信に応じて受話することで、通話が開始される(ステップST05)。
【0099】
このように着信に応じて受話した後、つまり通話中においては、多機能スイッチ71Aに通話を終了させる終話機能を割り当てると共に、それ以外の電源スイッチ71B、プラススイッチ71Cおよびマイナススイッチ71Dの機能をメイン機能に割り当てて復帰させる(ステップST06)。
【0100】
次に、通話が終了(終話)したか否かを判断する(ステップST07)。通話は、外部ネットワークNを通じた通話相手との通信状態が正常であれば、ユーザが多機能スイッチ71Aを操作するか、または通話相手によって終話操作が行われることで終了する。ここでは、制御モジュール55が、操作ユニット53の信号処理回路73から多機能スイッチ71Aの入力操作による操作信号を受信したか、または無線通信モジュール45を通じて終話信号を受信した場合には、終話したと判断し、制御モジュール55がそれら操作信号も終話信号も受信していない場合には、終話していないと判断する。
【0101】
このとき、終話しておらず通話中であると判断した場合(ステップST07でNOの場合)には、終話したことが判断されるまで、終話しているか否かを引き続き判断する。また、終話したと判断した場合(ステップST07でYESの場合)には、続いて、終話後に所定の時間(例えば2秒~5秒程度)が経過したか否かを判断する(ステップST08)。
【0102】
そして、終話後に所定の時間が経過していないと判断した場合(ステップST08でNOの場合)には、終話後に所定の時間が経過するまで、当該終話後における所定の時間の経過を引き続き判断する。また、終話後に所定の時間が経過したと判断した場合(ステップST08でYESの場合)には、多機能スイッチ71Aの機能にメイン機能(表示モード切り替え機能)を割り当てて復帰させる(ステップST09)。しかる後、リターンする。このようにして、HUD装置3の通話機能による着信通話が行われる。
【0103】
この実施形態に係るHUD装置3およびそれが搭載されたヘルメット101によると、情報端末5に着信があるときに、操作ユニット53に含まれる多機能スイッチ71A、電源スイッチ71B、プラススイッチ71C、マイナススイッチ71Dのそれぞれに受話機能を割り当てるようにしたので、いずれかのスイッチを操作すれば、当該着信に応じて受話することができる。それによって、他の機能を持たせたスイッチを誤操作するおそれがなくなり、着信に応じて受話できない事態に陥るのを回避することができる。
【0104】
また、この実施形態に係るHUD装置3およびそれが搭載されたヘルメット101によると、情報端末5での表示設定により、所定の情報を表す表示像について表示を行う表示モードと表示を行わない非表示モードとを切り替えられるようにしたので、当該表示像の表示が必要ないときには非表示モードとすることにより、HUD装置3を動作させるための電力の消費を抑えることができる。
【0105】
さらに、この実施形態に係るHUD装置3およびそれが搭載されたヘルメット101によると、HUD装置3が非表示モードであるときにおいても、多機能スイッチ71Aに短押し操作を行うことで、表示モジュール59によって所定の情報を表す表示像を一時的に表示させるようにしたので、表示モードと非表示モードの切り替え操作を省いて、必要なときに表示像を一時的に表示させることができる。このようにすれば、表示像の表示を消し忘れることもない。そうした多機能スイッチ71Aの短押し操作による表示像の一時的な表示を活用することにより、HUD装置3を作動させるための電力の消費を抑えることができる。
【0106】
以上のように、本開示の技術の例示として、好ましい実施形態について説明した。しかし、本開示の技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須でない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることを以て、直ちにそれらの必須でない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0107】
例えば、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0108】
上記実施形態では、HUD装置3が情報端末5に着信があることを表示像の表示によりユーザに報知するとしたが、本開示の技術はこれに限らない。情報端末5に着信があることは、スピーカ67から着信音を出力するなどして音でユーザに報知するようになっていてもよいし、ヘルメット101に小型振動機を内蔵して振動(バイブレーション)でユーザに報知するようになっていても構わない。
【0109】
上記実施形態では、操作ユニット53が備えるスイッチが多機能スイッチ71A、電源スイッチ71B、プラススイッチ71C、マイナススイッチ71Dおよびの4つであるとしたが、本開示の技術はこれに限らない。操作ユニット53が備えるスイッチの数は、2つ以上であれば3つ以下であってもよいし、5つ以上であっても構わない。
【0110】
上記実施形態では、HUD装置3について、ヘルメット101のシールド107とは別に被投射体として設けられたコンバイナ89に対し、投射モジュール47から表示光を投射する構成を例に挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限らない。HUD装置3は、コンバイナ89に代えてヘルメット101のシールド107を被投射体として用い、シールド107に対して投射モジュール47から表示光を投射することで、シールド107越しに前方視界の風景に重畳した状態で表示光による表示像を虚像として表示するようになっていてもよい。
【0111】
上記実施形態では、HUD装置3と連携する情報端末5としてスマートフォンを例示したが、本開示の技術はこれに限らない。当該情報端末5は、スマートウォッチやタブレット端末、PDA(Personal Data Assistant)などのスマートフォンに類する機能を備えた端末であってもよく、外部ネットワークNに接続する機能やGPS受信機7を備え、HUD装置3と通信できるものあれば、その他の携帯型の情報端末であっても構わない。また、HUD装置3は、情報端末5に代え、または情報端末5に加えて、自動二輪車と通信して同車に搭載された各種センサによる検知情報を受信して表示像とするようになっていてもよい。
【0112】
上記実施形態では、光出射器83に用いる表示素子としてLCOS(Liquid Crystal On Silicon)などの反射型表示パネルを例示したが、本開示の技術はこれに限らない。光出射器83の表示素子には、例えば、有機EL(Electro Luminescence)表示パネルやVFD(Vacuum Fluorescent Display)などの自発光型の表示素子が用いられてもよい。
【0113】
上記実施形態では、投射モジュール47が凹面ミラー85を有しているとしたが、本開示の技術はこれに限らない。投射モジュール47は、凹面ミラー85に代えて、凸面ミラーまたは平面ミラーを有していてもよい。
【0114】
上記実施形態では、HUD装置3によりユーザに表示像として提示される情報が現在時刻、速度、経路案内の情報であるとしたが、本開示の技術はこれに限らない。これら現在時刻、速度、経路案内の情報は、HUD装置3により提示し得る情報の一例に過ぎず、それら以外の自動二輪車の運転に寄与する情報であってもよく、情報端末5の連携アプリ43で設定するなどして、走行地域の周辺施設の情報などといったユーザにとって有用なその他の情報がHUD装置3で表示する項目とされていても構わない。
【0115】
上記実施形態では、HUD装置3が搭載されるヘルメット101としてフルフェイス型のヘルメットを例に挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限らない。フルフェイス型のヘルメット101は、HUD装置3が搭載されるヘルメット101の一例に過ぎず、投射モジュール47を内蔵し得る部位を備えているものであれば、オープンフェイス型(ジェット型)やセミジェット型(スリークォーターズ型)など、任意のタイプのヘルメットをHUD装置3が搭載されるヘルメット101として採用することが可能である。
【0116】
上記実施形態では、HUD装置3が搭載されたヘルメット101として、自動二輪車を運転する際に着用されるヘルメット101を例に挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限らない。HUD装置3は、水上バイクや自転車などの二輪車、スノーモービル(雪上バイク)などの他の乗物において着用されるヘルメットにも勿論適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0117】
以上説明したように、本開示の技術は、ヘルメットに搭載されるHUD装置およびHUD装置が搭載されたヘルメットについて有用である。
【符号の説明】
【0118】
E…ユーザの眼
N…外部ネットワーク
S…GPS衛星
1…情報提示システム
3…HUD装置
5…情報端末
7…GPS受信機
9…無線通信モジュール
13…入出力機器
15…タッチパネル付き表示装置
17…マイクロコンピュータ
19…電源
21…ネットワーク通信部
23…近距離通信部
25…マイクロフォン
27…スピーカ
29…画面
31…メモリ
33…CPU
35…時刻アプリ
37…速度アプリ
39…ナビアプリ
41…通話アプリ
43…連携アプリ
45…無線通信モジュール
47…投射モジュール
49…コンバイナユニット
51…入出力機器
53…操作ユニット
55…制御モジュール
57…電源
59…表示モジュール
61…通話モジュール
63…PCBモジュール
65…マイクロフォン
67…スピーカ
69…ケース
71A…多機能スイッチ
71B…電源スイッチ
71C…プラススイッチ
71D…マイナススイッチ
73…信号処理回路
75…メモリ
77…CPU
79…マイクロコンピュータ
81…GDC
83…光出射器
85…凹面ミラー
87…反射面
89…コンバイナ
91…支持機構
93…半透過反射面
95…ステー
97…回転軸
101…ヘルメット
103…窓開口
105…ヘルメット本体
107…シールド
109…留め具
113…顎部
115…額部