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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230303BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20230303BHJP
   F21V 17/10 20060101ALI20230303BHJP
   F21V 17/02 20060101ALI20230303BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20230303BHJP
   F21Y 105/16 20160101ALN20230303BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230303BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20230303BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20230303BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20230303BHJP
【FI】
F21S2/00 355
F21V17/00 200
F21V17/10 203
F21V17/10 205
F21V17/02
F21Y101:00 100
F21Y101:00 300
F21Y105:16
F21Y115:10 300
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y115:30
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019015532
(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公開番号】P2020123531
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三輪 竜也
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-162502(JP,A)
【文献】特開2018-073593(JP,A)
【文献】実公昭08-004859(JP,Y1)
【文献】特開2012-243713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 17/00
F21Y 101/00
F21Y 105/16
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/20
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部を有する内周面を含む筐体と、
前記筐体内に配置される光源と、
筒状部、及び径方向に弾性変形可能であって前記筒状部から前記径方向の外方に突出して前記凹部に嵌り込んでいる1以上の突出部を有し、少なくとも一部が前記筐体内に収容される筒構造と、を備え
前記筒構造が、
前記径方向に延びる2以上の貫通孔を有する筒状部材と、
周方向に延在する3以上の円弧状部、及び前記3以上の円弧状部において前記周方向に隣り合う一対の端部間を連結すると共に略U字形状を有して前記円弧状部から前記径方向の外方に突出する2以上の凸部を含み、前記周方向の一箇所に間隙が存在するリング部材と、を有し、
前記各凸部が、前記貫通孔を突き抜けており、
前記突出部が、前記凸部において前記貫通孔から前記径方向の外方側に突出している部分に含まれ、
前記凸部が前記筐体に対して前記筐体の周方向に回転可能になっている、照明装置。
【請求項2】
凹部を有する内周面を含む筐体と、
前記筐体内に配置される光源と、
筒状部、及び径方向に弾性変形可能であって前記筒状部から前記径方向の外方に突出して前記凹部に嵌り込んでいる1以上の突出部を有し、少なくとも一部が前記筐体内に収容される筒構造と、を備え、
前記筒構造が、前記筒状部及び前記突出部を含む一体の筒状部材に含まれ、
前記筒状部は、周方向に延在する貫通孔を有し、
前記筒状部材には、前記筒状部から突出すると共に前記径方向から見たときに先端部が前記貫通孔に重なる周方向突出部が含まれ、
前記突出部は、前記先端部に含まれる、照明装置。
【請求項3】
前記筐体が、前記光源から出射される出射光の光軸方向における前記光源側とは反対側の端から前記光軸方向の前記光源側に行くにしたがって前記径方向の内方側に傾斜する傾斜面を有する1以上の傾斜凹部を有し、
前記1以上の突出部が存在する前記周方向の範囲が前記1以上の傾斜凹部が存在する前記周方向の範囲に含まれるように前記筒構造を前記筐体の前記光軸方向の片側に配置可能である、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
外力が作用していない状態の前記突出部の最大外径が、前記傾斜凹部の最大内径よりも小さいと共に、前記傾斜凹部の最小内径よりも大きい、請求項に記載の照明装置。
【請求項5】
外力が作用していない状態の前記突出部の最大外径が、前記筐体の前記凹部における最大内径以上である、請求項1乃至のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項6】
外力が作用していない状態の前記突出部の最大外径が、前記筐体の前記凹部における最大内径よりも小さい、請求項1乃至のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項7】
前記筒構造に保持されている光学部材を備える、請求項1乃至のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項8】
レンズを含む光学ブロックを備え、
前記凹部が周方向に延在する溝であって、前記突出部の前記凹部内での前記周方向の位置が変動可能であり、前記筒構造が、前記光源から出射される出射光の光軸方向の位置が略変わらずに前記筐体に対して回転可能になっている、請求項1乃至のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項9】
前記光学ブロックは、前記筐体に対する相対回転が制限され、
前記筒構造は、前記光軸方向に対して傾斜する傾斜溝を有し、
前記光学ブロックは、前記傾斜溝に嵌り込んで前記筒構造が前記筐体に対して回転すると前記傾斜溝内における存在位置が変動する嵌合部を有する、請求項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明装置としては、特許文献1に記載されているものがある。この照明装置は、筒状部を含む筐体と、筐体内に配置される光源と、筐体内の光出射側にねじ止めされる筒状の反射部材を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-207369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記照明装置では、反射部材がねじ止めされるので筐体に対する反射部材の正確な位置合わせや、位置合わせ状態での筐体及び反射部材の保持が必要になり、反射部材の固定を円滑に行いにくい。更には、照明装置には、筐体に対してレンズを回転させて配光を変更するものが存在する。このような構造の場合、例えば、筐体の内周面に周方向に延在する溝を設け、レンズを保持するレンズホルダの外周側に経方向外方に突出する突起を設ける。そして、突起を溝内に収容し、突起が溝内を周方向に移動することで、レンズホルダが筐体に対して周方向に移動する。このような構造では、突起を溝内に収容するため、筐体を分割構造にする必要があり、筐体を構成するのに複数の部材をねじ止め等で一体にする必要がある。したがって、筐体に対して回転する部材を筐体に固定する場合、特に施工を円滑に行いにくく、美観も良好なものにしにくくなる。
【0005】
そこで、本開示の目的は、筐体に筒構造を円滑に保持させ易くて筒構造の脱落防止を容易に実行でき、施工性を向上できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本開示に係る照明装置は、凹部を有する内周面を含む筐体と、筐体内に配置される光源と、筒状部、及び径方向に弾性変形可能であって筒状部から径方向の外方に突出して凹部に嵌り込んでいる1以上の突出部を有し、少なくとも一部が筐体内に収容される筒構造と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る照明装置によれば、筐体に筒構造を円滑に保持させ易くて筒構造の脱落防止を容易に実行でき、施工性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態に係る照明装置の斜視図である。
図2】上記照明装置の本体部の主要部の分解斜視図である。
図3】上記照明装置の筐体を光出射側から見たときの斜視図である。
図4】上記照明装置の光源アッセンブリの斜視図である。
図5】上記光源アッセンブリから固定レンズ及びレンズ取付部材を取り外した状態を示す斜視図であり、光源が視認可能になっている状態を示す斜視図である。
図6】上記照明装置の移動レンズアッセンブリの斜視図である。
図7】上記移動レンズアッセンブリの主要部の分解斜視図である。
図8】上記照明装置の光学ブロックの分解斜視図であり、レンズホルダと、移動レンズを示す拡大斜視図である。
図9】筒構造の斜視図である。
図10】上記照明装置のリング部材の平面図である。
図11】筐体の光出射側の端部を表す斜視図である。
図12】筐体の光出射側の端部の一部の断面図である。
図13】筐体に対する筒構造の嵌め込みについて説明する図である。
図14】照明装置の一部の模式断面図である。
図15】変形例の筒状部材の斜視図である。
図16】筐体に対する変形例の筒構造の嵌め込みについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、複数の図面には、模式図が含まれ、異なる図間において、各部材における、縦、横、高さ等の寸法比は、必ずしも一致しない。また、図面、及び以下の説明において、R方向は、筐体30の径方向であり、移動レンズ63(図8参照)の径方向に一致する。また、θ方向は、筐体30の周方向であり、移動レンズ63の径方向に一致する。また、Z方向は、光軸方向であり、筐体30の高さ方向に一致し、また、移動レンズ63の中心軸の延在方向にも一致する。R方向、θ方向、及びZ方向は、互いに直交する。また、以下の説明では、光軸方向の光出射側とは反対側を単に光出射側とは反対側といい、光軸方向の光出射側を単に光出射側という。なお、光軸方向は、鉛直方向と一致してもよいが、必ずしも鉛直方向と一致する必要はない。また、以下で説明する傾斜溝を、Z方向に対して傾斜すると共に互いに対向する一対の内側壁面を有する構造であって、一対の内側壁面の間に位置する嵌合部の少なくとも一部を一対の内側壁面でガイドすることで、嵌合部が、一対の内側壁面の延在方向に沿って移動することを可能とする構造として定義する。したがって、傾斜溝は、底部が存在する構造でもよいが、以下で説明する傾斜溝64cのように、光軸方向に対して傾斜する細長い長孔形状を有する貫通孔の構造を有して、光学ブロック(レンズアッセンブリ)の側壁を厚さ方向に貫通してもよい。また、以下で説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態に係る照明装置1の斜視図である。この照明装置1は、所謂スポットライトであり、取付部を兼ねた電源部5と、支持部10と、本体部15を備える。電源部5は、図示しない配線ダクトに取り付けられる。電源部5は、収容部6と、収容部6内に収容された電源回路(図示せず)を有する。電源回路には、商用電源等の外部電源からの交流電力が配線ダクトを介して供給される。電源回路は、例えば、供給された交流電力に整流処理や平滑化を施すことで交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力を後述の光源に供給する。また、詳述しないが、支持部10は、例えば、長尺形状の収容部6の長手方向の片側端部に取り付けられ、該長手方向に略直交する方向に延びる。本体部15は、光源43(図5参照)を内蔵する。本体部15は、光源43から出射される出射光の光軸方向を変更可能に支持部10に取り付けられる。
【0011】
なお、本開示の照明装置は、スポットライトに限らず如何なる灯具でもよく、例えば、ダウンライトでもよい。したがって、取付部は、図1に示すような略直方体の長尺形状でなくてもよく、建物の天井に設けられた埋込孔に係止する取付ばねでもよい。取付部は、建物等に取り付け可能な構造であれが如何なる形状でもよい。
【0012】
図2は、本体部15の主要部20の分解斜視図である。図2に示すように、主要部20は、筐体30、光源アッセンブリ40、移動レンズアッセンブリ60、及びフード95を備える。光源アッセンブリ40は、筐体30内にねじ止めされ、移動レンズアッセンブリ60は、筐体30に対して回転可能に筐体30に取り付けられる。フード95は、筒状の部材で、移動レンズアッセンブリ60に図示しないばね部材を用いて係止される。フード95は、出射光の照射領域を制限する役割等を担う。以後、光源アッセンブリ40と移動レンズアッセンブリ60の構造と、その取り付け方法について詳細に説明し、フード95の取付方法について簡単に述べる。
【0013】
図3は、筐体30を光出射側から見たときの斜視図である。図3に示すように、筐体30は、光出射側が開口する筒状部31を有し、その主面32(光出射側の端面)に基板当接部33を含む。この主面32には、光源アッセンブリ40(図2参照)が固定される。図4は、光源アッセンブリ40の斜視図である。また、図5は、光源アッセンブリ40から固定レンズ48及びレンズ取付部材50を取り外した状態を示す斜視図であり、光源43が視認可能になっている状態を示す斜視図である。
【0014】
図4に示すように、光源アッセンブリ40は、光源モジュール41、基板ホルダ45、固定レンズ48、レンズ取付部材50を備える。光源モジュール41は、平面視が略矩形の基板42を有し、基板ホルダ45は、基板42の平面視形状に対応する形状の開口を光出射側に有する基板固定凹部を有する。図5に示すように、光源モジュール41は、基板42と、光源43を有する。基板42は、平面視で略矩形の形状を有し、光源43は、円板状の形状を有し、基板42の実装面の略中央に配設される。
【0015】
例えば、光源43が光出射側に位置するように光源モジュール41を光出射側から基板固定凹部46に挿入する。その後、図4を参照して、固定レンズ48をその本体部48aが光源43の光出射側を覆うように配置した後、固定レンズ48を円環状部50aと取付部50bを有するレンズ取付部材50に対して位置決めする。その後、基板ホルダ45のレンズ位置決め部(図示せず)対しても固定レンズ48を位置決めすると共に、基板ホルダ45において光出射側に延びる係止部45aにレンズ取付部材50の取付部50bを係止して固定する。その固定で、光源モジュール41、基板ホルダ45、固定レンズ48、及びレンズ取付部材50が、一体に統合され、光源アッセンブリ40が構成される。
【0016】
光源アッセンブリ40は、そのねじ孔55、及び筐体30の主面32に設けられたねじ孔35(図3参照)を用いて主面32に固定され、筒状部31内に配置される。なお、この固定は、ボルトを、基板保持部材(図示せず)のねじ孔、光源アッセンブリ40のねじ孔55、主面32のねじ孔35にその順に締め込むことで実行される。基板保持部材は、基板42の光出射側の面の周縁部における一部を光出射側とは反対側に押圧する。光源アッセンブリ40が、主面32に固定された状態で、基板42の光出射側とは反対側の面が基板当接部33(図3参照)と接触することで光源43で発生した熱の熱引きを効率的に実行できる。
【0017】
固定レンズ48は、アクリル、ポリカーボネート、シリコーン等の透明樹脂材料、又は、ガラス材料によって形成されると好ましく、耐熱性が高い透光性材料、例えば、シリコーン材料やガラスで構成されると更に好ましい。固定レンズ48は、光源43から出射された出射光が径方向に広がることを抑制し、仮に固定レンズ48が存在しなければ、後述する移動レンズ63(図8参照)のZ方向位置によっては生じることがある中落現象、すなわち、出射光の中心位置が暗くなる現象を抑制するため等に設けられる。なお、固定レンズ48及びレンズ取付部材50は、存在しなくてもよい。
【0018】
次に、図5を参照して、光源モジュール41について更に詳細に説明する。光源モジュール41は、例えば、COB(Chip On Board)構造を有し、光源43は、基板42に実装された複数のLED(light emitting diode)と、複数のLEDを封止する封止部材を含む。
【0019】
基板42は、例えば、セラミックス基板、樹脂基板、又はメタルベース基板等で構成される。詳述しないが、基板42には、一対の電極端子と、所定パターンの金属配線が形成される。一対の電極端子は、LEDを発光させるための直流電力を外部から受電するために設けられる。また、所定パターンの金属配線は、LED同士を電気的に接続するために設けられる。
【0020】
LEDは、発光素子の一例である。LEDは、例えば、単色の可視光を発するベアチップで構成され、通電されれば青色光を発する青色LEDチップで構成される。複数のLEDは、例えば基板42にマトリクス状に配置される。なお、LEDは、基板に1つのみ実装されてもよい。封止部材は、例えば、透光性樹脂で構成され、蛍光体を含む。蛍光体は、LEDからの光を波長変換する役割を果たす。封止部材は、例えば、シリコーン樹脂に蛍光体粒子を分散させた蛍光体含有樹脂で構成される。光源モジュール41が白色光を出射し、LEDが青色光を発光する青色LEDチップである場合、蛍光体粒子は、例えばYAG系の黄色蛍光体で構成される。
【0021】
なお、封止部材は、例えば、全てのLEDを一括封止してもよく、複数のLEDを列ごとにライン状に封止してもよく、各LEDを1つずつ個別に封止してもよい。また、光源は、LED以外の発光素子で構成されてもよく、半導体レーザ素子や、有機EL(Electro Luminescence)素子若しくは無機EL素子等の固体発光素子等で構成されてもよい。又は、光源は、白熱灯や蛍光灯で構成されてもよい。
【0022】
次に、移動レンズアッセンブリ60の構造について詳細に説明する。図6は、移動レンズアッセンブリ60の斜視図であり、図7は、移動レンズアッセンブリ60の主要部の分解斜視図である。図6及び図7に示すように、移動レンズアッセンブリ60は、光学ブロック61、及び筒構造65を備える。光学ブロック61は、レンズホルダ62、及び光学部材の一例としての移動レンズ63を有する。また、筒構造65は、筒状部材64、及びリング部材67を有する。
【0023】
先ず、光学ブロック61について説明する。図8は、光学ブロック61の分解斜視図であり、レンズホルダ62と、移動レンズ63を示す拡大斜視図である。図8に示すように、レンズホルダ62は、環状部材であり、その内周面62aからR方向内方に突出する複数の突出部62bを含む。複数の突出部62bは、θ方向に間隔をおいて位置する。他方、移動レンズ63は、外周縁部63aにR方向内方に窪む複数の嵌合凹部63bを含み、複数の嵌合凹部63bは、θ方向に間隔をおいて位置する。レンズホルダ62の各突出部62bを、移動レンズ63の各嵌合凹部63bに、圧入等で嵌め込むことで、移動レンズ63をレンズホルダ62に固定する。
【0024】
移動レンズ63は、例えば、アクリル、ポリカーボネート、又はシリコーン等の透明樹脂材料、又は、ガラス材料によって形成されることができる。また、図8に示すように、レンズホルダ62は、R方向外方の外面がR方向内方側に凹の凹面62eになっている複数の柱状部62cを含み、複数の柱状部62cは、θ方向に間隔をおいて位置している。この柱状部62cの役割については後で説明する。
【0025】
次に、筒構造65について説明する。図9は、筒構造65の斜視図である。図9に示すように、筒状部材64は、筒状部としての円筒部64aと、円筒部64aと一体に成形される操作部69を含む。円筒部64aは、θ方向に間隔をおいて位置すると共にR方向に延在する複数の貫通孔64bを含む。また、操作部69は、フランジ形状(円板形状)を有し、筒状部材64の光出射側の端部に位置する。操作部69の外周面は、人が掴んで操作部69を回転させるための把持部69aになっている。操作部69の役割については後で説明する。
【0026】
図10は、リング部材67の平面図である。図10に示すように、リング部材67は、θ方向に延在する3以上の円弧状部67aと、2以上の凸部67bを含み、各凸部67bは、3以上の円弧状部67aにおいてθ方向に隣り合う一対の端部間を連結すると共に略U字形状を有して円弧状部67aからR方向の外方に突出する。
【0027】
リング部材67は、θ方向の一箇所に間隙67cが存在する形状を有する。より詳しくは、リング部材67は、C型リングとの比較において間隔をおいて径方向の外方側に突出するU字状の凸部67bが設けられた点のみが違う形状を有する。なお、この明細書では、U字形状を、対向配置される柱部(必ずしも平行に配置されなくてもよい)と、各柱部の片側端部同士を連結する連結部を有する構造の形状とする。
【0028】
リング部材67は、ばね性に富んだ材質で構成されるだけでなく、θ方向の一箇所に間隙67cが存在する形状を有するので、その弾性によりR方向内側に縮径するように変形し易い。リング部材67をR方向内側に縮径するように変形させた状態で筒状部材64の内側に収容し、図9に示すように、各凸部67bを筒状部材64の内側から貫通孔64bに嵌め込む。このようにして、リング部材67を筒状部材64に固定する。リング部材67が筒状部材64に固定された状態で凸部67bの先端側は、貫通孔64bからR方向外方側に突出し、結果として円筒部64aからR方向外方側に突出する。凸部67bにおいて円筒部64aからR方向外方側に突出している部分は、突出部70を構成する。
【0029】
図8に示すように、レンズホルダ62は、外周側に2つの嵌合爪62dを有する。嵌合爪62dは、嵌合部の一例である。2つの嵌合爪62dは、R方向に対向するように配置され、各嵌合爪62dは、Z方向に対向する一対の傾斜面を有する板形状を有し、各傾斜面は、Z方向に対して傾斜する方向に延在する。なお、嵌合部が嵌合爪62dである場合について説明したが、嵌合部は円柱形状(ピン形状)でもよい。
【0030】
一方、図9に示すように、筒状部材64は、略円筒状の部材であり、θ方向に間隔をおいて配置される2つの傾斜溝64cを有する。傾斜溝64cは、螺旋溝の一部からなる形状を有する。傾斜溝64cは、Z方向に対して傾斜し、θ方向一方側に行くにしたがって筒状部材64のZ方向下側からZ方向上側まで延在する。傾斜溝64cは、筒状部材64を厚さ方向に貫通する細長い長孔形状の貫通孔の構造を有し、Z方向に対向する一対の内壁面(傾斜面)を含む。
【0031】
図6に示すように、光学ブロック61においてR方向外方に突出する嵌合爪62dを、筒状部材64の傾斜溝64cに嵌合させることで、光学ブロック61と筒構造65が一体に統合され、移動レンズアッセンブリ60が構成される。嵌合爪62dは、傾斜溝64c内を傾斜溝64cの延在方向に移動可能になっている。光学ブロック61が、図6に示す状態から筒状部材64に対してθ1に示す方向に相対回転すると、移動レンズ63が筒状部材64に対してZ方向の光出射側に移動する。このように、傾斜溝64c内における嵌合爪62dの存在位置を調整することで、筒状部材64に対する移動レンズ63のZ方向位置を調整できる。
【0032】
図2を再度参照して、フード95は、光出射側とは反対側にR方向外方に広がる円環状のフランジ部95aを有する。また、図示しないが、筒状部材64は、R方向内側にR方向内側に広がる円環状のフランジ部を有する。詳述しないが、フランジ部95aを筒状部材64のフランジ部の光出射側とは反対側の端面に当接させ、フード95の外周面の光出射側とは反対側の一部を筒状部材64に固定されたリング状の付勢部材でR方向内方側に押圧することでフード95を筒状部材64に脱落不可能に係止する。
【0033】
次に、筐体30に対する移動レンズアッセンブリ60の取付構造について説明する。図11は、筐体30の光出射側の端部を表す斜視図であり、図12は、筐体30の光出射側の端部の一部の断面図である。図11及び図12に示すように、筐体30の内周面36は、複数の傾斜凹部36aと、凹部の一例としての環状溝36bを有する。傾斜凹部36aは、筐体30の光出射側の端から光源43側に行くにしたがってR方向内方側に傾斜する傾斜面36cを有する。
【0034】
図12に示すように、傾斜凹部36aのZ方向の光源43側の端は、円筒内周面部36dに繋がり、環状溝36bと傾斜凹部36aは、円筒内周面部36dを介して繋がっている。なお、本実施例では、環状溝36bと傾斜凹部36aは、円筒内周面部36dを介して繋がっているが、傾斜凹部の最小内径が、環状溝の底の外径よりも小さければよく、傾斜凹部は、環状溝に直接つながっていてもよい。また、筐体30の内周面36が、環状溝36bを有する場合について説明した。しかし、筐体の内周面は、Z方向の同じ位置に形成された複数の周方向に延在する非環状の周方向延在溝を有してもよい。
【0035】
図13を参照して、複数の凸部67bの先端部で構成される複数の突出部70が存在するθ方向の範囲が複数の傾斜凹部36aが存在するθ方向の範囲に含まれるように筒構造65を筐体30のZ方向の片側に配置可能になっている。また、図10にRaで示すリング部材67に外力が作用していない状態における凸部67bの最大外径は、図12にRcで示す傾斜凹部36aの最大内径よりも小さくなっており、図12にReで示す傾斜凹部36aの最小内径(円筒内周面部36dの内径と同一)よりも大きくなっている。また、凸部67bの最大外径Raは、環状溝36bの最大内径(底の内径)Rdと同一か、又は当該最大内径Rdよりも僅かに大きくなっている。また、環状溝36bのZ方向寸法は、リング部材67の軸方向厚さよりも僅かに大きくなっている。
【0036】
再度、図13を参照して、上述のように、各突出部70の周方向位置が、傾斜凹部36aの周方向位置に含まれる状態、かつ、移動レンズアッセンブリ60の中心軸が筐体30の中心軸に略一致している嵌込準備状態とできる。また、リング部材67は、弾性に富み、R方向内側に縮径するように変形し易い。よって、上記嵌込準備状態で筒構造65を筐体30に対して矢印Aで示す光出射側とは反対側に相対移動させると、突出部70を傾斜凹部36aに円滑に挿入でき、その後、各突出部70を、縮径するように変形させることができる。そして、図14、すなわち、照明装置1の一部の模式断面図に示すように、各突出部70を、円筒内周面部36d(図12参照)を乗り越えさせた後に、環状溝36b内に円滑に嵌り込ませることができる。
【0037】
凸部67bの最大外径Raが、環状溝36bの最大内径(底の内径)Rdと同一か、又は当該最大内径Rdよりも僅かに大きくなっているので、凸部67bが環状溝36bから抜け出ることはない。したがって、移動レンズアッセンブリ60が筐体30から離脱することを防止でき、移動レンズアッセンブリ60を筐体30と統合することができる。更には、環状溝36bのZ方向寸法がリング部材67の軸方向厚さよりも僅かに大きくなっているので、リング部材67のZ方向位置が殆ど変化せず、ひいては、筒構造65のZ方向位置も殆ど変化することがない。また、図1に示すように、移動レンズアッセンブリ60が筐体30に統合された状態で、筒構造65の操作部69が、筐体30から外部に露出し、人が把持部69aを掴むことができるようになっている。
【0038】
更には、筐体30に対する移動レンズアッセンブリ60の嵌め込みは、光学ブロック61のθ方向の相対移動を制限するように実行する。詳しくは、図3に示すように、筐体30は、内周面38からR方向内方側に突出すると共にθ方向に間隔をおいて配置される柱部39を有し、そのR方向内方側の端面は、R方向内方側に凸の凸面39aとなっている。また、上述のように、図8を参照して、レンズホルダ62は、R方向外方の外面がR方向内方側に凹の凹面62eになっている複数の柱状部62cを含み、複数の柱状部62cは、θ方向に間隔をおいて位置している。移動レンズアッセンブリ60を筐体30に嵌め込む際、レンズホルダ62の各凹面62eを筐体30の凸面39aに係止する。この係止により、レンズホルダ62が筐体30に対してθ方向に相対移動することを防止でき、ひいては、レンズホルダ62に固定された移動レンズ63が筐体30に対してθ方向に相対移動することを防止できる。
【0039】
上記構成において、人が把持部69aを用いて筐体30に対して筒構造65を回転させたとする。すると、光学ブロック61が、その柱状部62cの凹面62eにおける筐体30の柱部39の凸面39aへの係止によって筐体30に対して回転できない状態となっているため、筒構造65の回転と共に連れ回りすることがなく、筒構造65が、光学ブロック61に対して相対回転する。したがって、この相対回転によって、嵌合爪62dが、傾斜溝64c内を移動し、その結果、光学ブロック61が筒構造65に対してZ方向に相対移動する。よって、上述のように、筒構造65が回転しても、筒構造65のZ方向位置が殆ど変化しないので、光学ブロック61のZ方向位置を自在に変動させることができる。したがって、光学ブロック61に含まれる移動レンズ63のZ方向位置も自在に変動させることができるので、光源モジュール41に対する移動レンズ63のZ方向位置を適切に調整でき、出射光の狭角制御を実行できる。更には、凸部67bの最大外径Raが、環状溝36bの最大内径Rdと同一か、又は当該最大内径Rdよりも僅かに大きくなっているので、僅かな摩擦力が、環状溝36bと凸部67bの間に作用する。したがって、移動レンズ63が適切なZ方向位置に設定されて、筒構造65が筐体30に対して静止すると、筒構造65が筐体30に対してθ方向に相対移動することがなく、移動レンズ63のZ方向位置が変動することを防止できる。
【0040】
以上、照明装置1は、環状溝(凹部)36bを有する内周面を含む筐体30と、筐体30内に配置される光源43を備える。また、照明装置1は、円筒部(筒状部)64a、及びR方向(径方向)に弾性変形可能であって円筒部64aからR方向外方に突出して環状溝36bに嵌り込んでいる1以上の突出部70を有する筒構造65を備える。筒構造65の少なくとも一部は、筐体30内に収容される。
【0041】
したがって、円筒部64aからR方向外方に突出する各突出部70が、R方向(径方向)に弾性変形可能であるので、突出部70をR方向内方側に歪ませるように変形させてZ方向の環状溝36bの存在位置まで円滑に移動させることができる。また、突出部70が環状溝36bの存在位置に到達した後、突出部70の弾性エネルギーを開放するように突出部70を拡径させることができ、突出部70を環状溝36b内に円滑に収容させることができる。したがって、筐体30を分割構造にしなくても、突出部70を環状溝36b内に円滑に収容でき、筒構造65のZ方向位置が略変わらず、かつ、筐体30に対する筒構造65のθ方向の相対回転が可能な構造を格段に容易に実現できる。よって、筐体30に筒構造65を円滑に保持させ易くて、筐体30に対する筒構造65の落下防止を容易に実現でき、施工性を大きく向上できる。
【0042】
また、筒構造65は、R方向に延びる2以上の貫通孔64bを有する筒状部材64と、θ方向の一箇所に間隙が存在するリング部材67を有してもよい。また、リング部材67は、θ方向に延在する3以上の円弧状部67a、及び3以上の円弧状部67aにおいてθ方向に隣り合う一対の端部間を連結すると共に略U字形状を有して円弧状部67aからR方向外方に突出する2以上の凸部67bを含んでもよい。そして、各凸部67bが、貫通孔64bを突き抜けてもよく、突出部70が、凸部67bにおいて貫通孔64bからR方向外方側に突出している部分に含まれてもよい。
【0043】
上記構成によれば、筒構造65が、筒状部材64と、リング部材67を含んでいるので、リング部材67を筒状部材64から分離させることができ、リング部材67を筒状部材64から外すことができる。照明装置1は、後で出射光の変更が所望される場合があり、光源43の取り換えが所望される場合がある。このようなとき、図9を参照して、円弧状部67aと筒状部材64の内周面との間に工具等を挿入して、円弧状部67aにR方向内方側の力を付与することで、リング部材67を筒状部材64から外すことができる。よって、照明装置1を破壊せずに、光源43を取り換えることができ、照明装置1の利便性を向上できる。
【0044】
また、筐体30が、光源側とは反対側の端からZ方向の光源側に行くにしたがってR方向の内方側に傾斜する傾斜面36cを有する1以上の傾斜凹部38aを有してもよい。そして、1以上の突出部70が存在するθ方向の範囲が1以上の傾斜凹部38aが存在するθ方向の範囲に含まれるように筒構造65を筐体30のZ方向の片側に配置可能でもよい。
【0045】
上記構成によれば、突出部70を、傾斜凹部38aを介して筐体30内に挿入できる。したがって、突出部70を、その外径を徐々に縮径するように円滑に縮めることができる。よって、突出部70を環状溝36bに円滑に収容でき、照明装置1の組立の作業性を良好なものにできる。
【0046】
また、外力が作用していない状態の突出部70の最大外径Ra(凸部67bの最大外径に一致)は、傾斜凹部36aの最大内径Rcよりも小さくてもよく、傾斜凹部36aの最小内径Reよりも大きくてもよい。
【0047】
上記構成によれば、上記最大外径Raが、傾斜凹部36aの最大内径Rcよりも小さいので、突出部70を円滑に傾斜凹部36aに挿入できる。また、上記最大外径Raが、傾斜凹部36aの最小内径Reよりも大きいので、突出部70を環状溝36b内に収容した後、突出部70が筐体30内から離脱することを確実に防止できる。
【0048】
また、外力が作用していない状態の突出部70の最大外径Raが、筐体30の環状溝36bにおける最大内径Rd以上でもよい。
【0049】
上記構成によれば、突出部70と環状溝36bとの間に摩擦力が生じる。したがって、移動レンズ63のZ方向位置を決定した後に、移動レンズ63が環状溝36bに対して相対回転することを略防止できる。よって、移動レンズ63のZ方向位置を決定した後に、移動レンズ63のZ方向位置が変動することを略防止でき、所望の出射光の狭角制御を実行できる。
【0050】
なお、上記実施形態とは異なり、外力が作用していない状態の突出部の最大外径が、筐体の凹部における最大内径よりも小さくしてもよい。この変形例によれば、突出部が筐体の凹部から力を受けないようにでき、突出部が凹部との接触で劣化することを防止できる。よって、突出部の耐久性を上げることができ、照明装置1の寿命を長くできる。
【0051】
また、照明装置1は、筒構造65に保持されている移動レンズ(光学部材)63を備えてもよい。
【0052】
上記構成によれば、移動レンズ63を筐体に円滑に取り付けできる。なお、光学部材が、移動レンズ63である場合について説明したが、光学部材は、透光性を有する材料で構成されると共にレンズ機能を有さない透光性カバー等でもよい。また、移動レンズ63をレンズホルダ62に固定し、レンズホルダ62を筒構造65に保持させる場合について説明したが、レンズホルダを省略して、レンズを筒構造に直接保持させる構成でもよい。又は、筒構造は、光学部材を保持していなくてもよい。
【0053】
また、照明装置1は、移動レンズ63を含む光学ブロック61を備えてもよい。また、筐体30に設けられる凹部が、θ方向に延在する環状溝36bであって、突出部70の環状溝36b内でのθ方向の位置が変動可能でもよい。また、筒構造65が、Z方向の位置が略変わらずに筐体30に対して回転可能になっていてもよい。また、光学ブロック61は、筐体30に対する相対回転が制限されていてもよい。また、筒構造65は、Z方向に対して傾斜する傾斜溝64cを有してもよい。そして、光学ブロック61は、傾斜溝64cに嵌り込んで筒構造65が筐体30に対して回転すると傾斜溝64c内における存在位置が変動する嵌合爪(嵌合部)62dを有してもよい。
【0054】
上記構成によれば、筒構造65のZ方向位置を略変動させずに、移動レンズ63のZ方向位置を自在に変動させることができる。したがって、照明装置1のZ方向寸法を変えずに出射光の狭角制御を実行できるので、出射光の狭角制御を実行できるだけでなく、照明装置1の美観も良好なものにできる。
【0055】
なお、レンズを含む光学ブロックは、筐体に対して相対回転可能でもよく、筒構造は、Z方向に対して傾斜する傾斜溝を有さなくてもよい。また、光学ブロックは、傾斜溝に嵌り込んで筒構造が筐体に対して回転すると傾斜溝内における存在位置が変動する嵌合部を有さなくてもよい。照明装置には、レンズの回転制御で配光を変更できるものが存在する。この変形例によれば、そのような照明装置を、筐体を分割構造にしなくても容易に実現できる。
【0056】
なお、本開示は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
【0057】
例えば、上記実施形態では、筒構造65が、筒状部を含む筒状部材64、及び突出部を含むリング部材67を備える場合について説明したが、筒状部と突出部が共に筒状部材に含まれる構成でもよい。
【0058】
より詳しくは、図15、すなわち、変形例の筒状部材164の斜視図に示すように、一体の筒状部材164が、筒状部169及び突出部170を含む筒構造165を含んでいてもよい。また、筒状部169は、θ方向に延在する貫通孔169aを有してもよい。また、筒状部材164には、筒状部169から突出すると共にR方向から見たときに先端部177が貫通孔169aに重なる周方向突出部175が含まれてもよい。そして、突出部170が、先端部177に含まれてもよい。
【0059】
筒状部材164は、弾性を有する樹脂材料で構成されると好ましい。本変形例によれば、周方向突出部175が、筒状部169からθ方向に延在する貫通孔169aの方に延びているので、周方向突出部175をR方向内方側に撓ませるように変形させることができる。したがって、突出部170を径方向に円滑に弾性変形させることができる。
【0060】
本変形例においても、図16に示すように、突出部170のθ方向の延在位置を筐体30の傾斜凹部136aの存在位置に一致させた状態で筒状部材164を筐体30のZ方向の光出射側に配置する。そして、筒状部材164を筐体30に対して矢印Bで示す光出射側とは反対側に相対移動させることで、図13に示す実施形態と同様に、突出部170を傾斜凹部136aに円滑に挿入でき、その後、環状溝36b(図11参照)に円滑に挿入できる。
【0061】
また、上記実施形態では、筐体30に設ける凹部が、周方向に延在する溝であって、筒構造65が筐体30に対して相対回転可能な場合について説明した。しかし、筐体に設ける凹部は、周方向に延在していなくてもよく、筒構造は筐体に対して相対回転不可能でもよい。この場合でも、従来技術で説明した構造とは異なり、筒構造を、ねじを用いずに筐体に固定できる。したがって、筒構造を筐体に格段に容易に固定でき、施工性を格段に向上できる。
【符号の説明】
【0062】
1 照明装置、 30 筐体、 36b 環状溝、 36c 傾斜面、 38a 傾斜凹部、 43 光源、 61 光学ブロック、 62 レンズホルダ、 62d 嵌合爪(嵌合部)、 63 移動レンズ(光学部材)、 64,164 筒状部材、 64a 円筒部(筒状部)、 64b 貫通孔、 64c 傾斜溝、 65,165 筒構造、 67 リング部材、 67a 円弧状部、 67b 凸部、 70 突出部、 169 筒状部、 169a 周方向に延在する貫通孔、 170 突出部、 175 周方向突出部、 177 先端部、 Ra 外力が作用していない状態の突出部の最大外径、 Rc 傾斜凹部の最大内径、 Rd 筐体の環状溝における最大内径、 Re 傾斜凹部の最小内径、 R方向 筐体の径方向、 θ方向 筐体の周方向、 Z方向 光軸方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16