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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】照明装置及び照明装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/58 20100101AFI20230303BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20230303BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20230303BHJP
   F21K 9/232 20160101ALI20230303BHJP
   F21K 9/237 20160101ALI20230303BHJP
   F21K 9/61 20160101ALI20230303BHJP
   F21K 9/90 20160101ALI20230303BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20230303BHJP
   H01L 33/52 20100101ALI20230303BHJP
【FI】
H01L33/58
H01L33/50
H01L33/62
F21K9/232
F21K9/237
F21K9/61
F21K9/90
H01L33/00 L
H01L33/52
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019006737
(22)【出願日】2019-01-18
(65)【公開番号】P2020115529
(43)【公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅人
(72)【発明者】
【氏名】仕田 智
(72)【発明者】
【氏名】中村 康一
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0051061(US,A1)
【文献】特開2011-048371(JP,A)
【文献】特開2005-353816(JP,A)
【文献】特開2007-243052(JP,A)
【文献】特開2007-142279(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0169204(US,A1)
【文献】特開2006-012824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
F21K 9/00
F21V 1/00-15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から出射した光が入射する光入射面であって前記光源を覆う光入射面を有し、第1透光性材料によって構成された光学部材と、
前記光源と前記光入射面との間の隙間に充填され、第2透光性材料によって構成された充填部材とを備え、
前記光学部材は、柱状であり、
前記光学部材は、当該光学部材の外部空間と前記隙間とを連通する連通孔を有し、
前記連通孔には、前記充填部材が充填されている、
照明装置。
【請求項2】
前記光学部材は、前記光入射面から入射した前記光源の光の配光を制御するレンズである、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光入射面は、前記光学部材の長手方向の一端側の面に形成されている、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記連通孔は、前記光学部材の長手方向の一端側の面と前記光学部材の長手方向の他端側の面とを連通している、
請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1透光性材料の屈折率と前記第2透光性材料の屈折率とは異なる、
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1透光性材料及び前記第2透光性材料は、いずれも透光性樹脂材料である、
請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記第2透光性材料は、紫外線硬化型樹脂である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記充填部材は、さらに、蛍光体を含む、
請求項1~7のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記充填部材は、さらに、光拡散材を含む、
請求項1~8のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記光源は、白色光を出射する白色光源である、
請求項1~9のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項11】
光源と、
前記光源から出射した光を入射する光入射面であって前記光源を覆う光入射面を有し、第1透光性材料によって構成された光学部材と、
前記光源と前記光入射面との間の隙間に充填され、第2透光性材料によって構成された充填部材とを備え、
前記光学部材は、柱状であり、
前記光学部材は、フラットな平坦面である第1光出射面と、内側に凹むように湾曲する湾曲面である第2光出射面とを含み、
前記光源は、白色光を出射する白色光源である、
照明装置。
【請求項12】
前記光学部材を覆うグローブと、
前記光源を発光させるための電力を受電する口金と、
前記口金で受電した電力をもとに前記光源を発光させるための電力を生成する電源回路とを備える、
請求項1~11のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項13】
前記グローブは、透明である、
請求項12に記載の照明装置。
【請求項14】
前記光源は、発光ダイオードによって構成されている、
請求項1~13のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項15】
光源と前記光源から出射した光を入射する光入射面であって前記光源を覆う光入射面を有する光学部材とを備える照明装置の製造方法であって、
前記光源と前記光入射面との間に隙間が存在し、
前記光学部材は、柱状であり、
前記光学部材は、前記光学部材の外部空間と前記隙間とを連通する連通孔を有し、
前記照明装置の製造方法は、
透光性材料からなる液状の充填材料を前記連通孔から注入することで前記隙間及び前記連通孔に前記充填材料を充填する工程と、
前記隙間及び前記連通孔に充填した前記充填材料を硬化させる工程とを含む、
照明装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子によって構成された光源を有する照明装置及び照明装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LED等の半導体発光素子は、小型、高効率及び長寿命であることから、様々な製品の光源として利用されている。例えば、LEDを用いたLED照明が実用化されている。
【0003】
LED照明としては、従来から知られる電球形蛍光灯や白熱電球に代替する電球形LEDランプ(LED電球)、又は、直管形蛍光灯に代替する直管LEDランプ等の口金付きのランプが知られている。その他にも、LED照明として、シーリングライト、ダウンライト又はスポットライト等の照明器具も知られている。
【0004】
例えば、従来のLED電球は、LEDによって構成されたLED光源と、LED光源を覆うグローブと、電源回路が収納された筐体と、交流電力を受電する口金とを備える(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-076281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
LED電球等のLED照明では、LED光源から出射する光の配光制御を行うために、LED光源の上又は下にレンズ等の光学部材を配置する場合がある。この場合、LED光源と光学部材との間には空気層が存在しており、LED光源から出射した光は空気層を介して光学部材に入射する。
【0007】
しかしながら、LED光源と光学部材との間に空気層が存在すると、空気層と光学部材との屈折率差によって、LED光源から出射した光が光学部材を通って光学部材から出射する際に光学ロスが大きくなり、光取り出し効率が低下するという課題がある。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、光の取り出し効率を向上させることができる照明装置及び照明装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る照明装置の一態様は、光源と、前記光源から出射した光が入射する光入射面であって前記光源を覆う光入射面を有し、第1透光性材料によって構成された光学部材と、前記光源と前記光入射面との間の隙間に充填され、第2透光性材料によって構成された充填部材とを備え、前記光学部材は、当該光学部材の外部空間と前記隙間とを連通する連通孔を有し、前記連通孔には、前記充填部材が充填されている。
【0010】
また、本発明に係る照明装置の製造方法の一態様は、光源と前記光源から出射した光を入射する光入射面であって前記光源を覆う光入射面を有する光学部材とを備える照明装置の製造方法であって、前記光源と前記光入射面との間に隙間が存在し、前記光学部材は、前記光学部材の外部空間と前記隙間とを連通する連通孔を有し、前記照明装置の製造方法は、透光性材料からなる液状の充填材料を前記連通孔から注入することで前記隙間及び前記連通孔に前記充填材料を充填する工程と、前記隙間及び前記連通孔に充填した前記充填材料を硬化させる工程とを含む。
【発明の効果】
【0011】
光の取り出し効率を向上させることができる照明装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態に係る照明装置の外観斜視図である。
図2】実施の形態に係る照明装置の断面図である。
図3A】実施の形態に係る照明装置の製造方法における充填工程(充填開始時)を説明するための図である。
図3B】実施の形態に係る照明装置の製造方法における充填工程(充填途中)を説明するための図である。
図3C】実施の形態に係る照明装置の製造方法における硬化工程を説明するための図である。
図4】充填工程の変形例を説明するための図である。
図5】比較例の照明装置の断面図である。
図6】変形例1に係る照明装置の断面図である。
図7】変形例2に係る照明装置の断面図である。
図8】変形例3に係る照明装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0014】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の機能を有する構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0015】
(実施の形態)
[照明装置の構成]
まず、実施の形態に係る照明装置1の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る照明装置1の外観斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明装置1の断面図である。
【0016】
本実施の形態における照明装置1は、LEDを用いたLED照明である。具体的には、照明装置1は、電球形蛍光灯又は白熱電球の代替品となるLED電球(電球形LEDランプ)である。
【0017】
図1及び図2に示すように、照明装置1は、発光モジュール10と、光学部材20と、充填部材30と、基台40と、筐体50と、口金60と、グローブ70と、電源回路80とを備える。本実施の形態において、照明装置1は、筐体50と口金60とグローブ70とによって外囲器が構成されている。つまり、筐体50、口金60及びグローブ70は、いずれも照明装置1の外郭を構成する外郭部材である。
【0018】
以下、照明装置1の各構成部材について、図1及び図2を用いて詳細に説明する。
【0019】
発光モジュール10は、照明光として所定の色の光を放出する。本実施の形態において、発光モジュール10は、LEDによって構成されたLEDモジュールであり、白色光を放出する。発光モジュール10は、電源回路80から供給される電力によって発光する。発光モジュール10から出射した光は、光学部材20に入射する。
【0020】
図2に示すように、発光モジュール10は、グローブ70の内方に配置されている。つまり、発光モジュール10は、グローブ70に覆われている。
【0021】
本実施の形態において、発光モジュール10は、基板11と、基板11に配置された光源12とを有する。したがって、基板11及び光源12がグローブ70に覆われている。また、発光モジュール10は、基台40に支持されている。本実施の形態では、発光モジュール10の基板11が基台40に支持されている。具体的には、基板11は、基台40の上に配置されており、例えばねじ又はホルダ等によって基台40に固定されている。なお、基板11と基台40との間には、熱伝導シート又は絶縁シート等が挿入されていてもよい。
【0022】
基板11は、光源12を実装するための実装基板である。本実施の形態において、基板11には、1つの光源12が配置されている。具体的には、1つの光源12が基板11の中央部に実装されている。なお、光源12は、1つに限るものではなく、複数であってもよい。例えば、複数の光源12を基板11に環状の配列で実装してもよい。
【0023】
基板11としては、例えば、アルミニウム又は銅等の金属材料からなる基材に絶縁被膜を施すことで得られるメタルベース基板、アルミナ等のセラミック材料の焼結体であるセラミックス基板、又は、樹脂材料からなる樹脂基板等が用いられる。本実施の形態において、基板11は、リジッド基板であるが、フレキシブル基板であってもよい。また、基板11は、例えば平面視において全体として略円形の板状の基板であるが、基板11の形状は、これに限るものではなく、矩形状等の多角形であってもよい。
【0024】
なお、図示しないが、基板11には、金属配線が形成されているとともに、コネクタ端子又は電極端子等の給電部が設けられている。この給電部は、基板11に形成された金属配線を介して、基板11に実装された光源12と電気的に接続されている。また、基板11の給電部と電源回路80とはリード線等を介して電気的に接続されている。
【0025】
光源12は、光を発する発光素子の一例であり、電源回路80から供給される電力によって発光する。本実施の形態において、光源12は、白色光を出射する白色光源である。具体的には、光源12は、LEDがパッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED素子であり、容器(パッケージ)と、容器内に実装されたLEDチップと、LEDチップを封止する封止部材とを有する。
【0026】
LEDチップは、所定の直流電力により発光する半導体発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。LEDチップは、例えば、通電されると青色光を発する青色LEDチップである。
【0027】
封止部材は、シリコーン樹脂等の透光性の絶縁性樹脂材料である。本実施の形態における封止部材は、LEDチップからの光の波長を変換する波長変換材として蛍光体を含む。つまり、封止部材は、透光性樹脂に蛍光体が含有された蛍光体含有樹脂であり、LEDチップからの光を所定の波長に波長変換(色変換)する。封止部材は、容器の凹部に充填されている。
【0028】
封止部材としては、例えばLEDチップが青色LEDチップである場合、白色光を得るために、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子をシリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。これにより、黄色蛍光体粒子は青色LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出するので、封止部材からは、黄色蛍光体粒子からの黄色光と青色LEDチップからの青色光との合成光として白色光が放出される。なお、封止部材には、シリカ等の光拡散材及びフィラー等が分散されていても構わない。
【0029】
光源12から出射した光は、発光モジュール10が発する光として、光学部材20に入射する。光学部材20は、光源12(発光モジュール10)から出射した光が入射する光入射面21と、光入射面21から入射した光が光学部材20から出射する出射する光出射面22とを有する。
【0030】
また、光学部材20は、光入射面21から入射した光を導光する導光部材である。したがって、光入射面21から光学部材20に入射した光は、光学部材20の内部を導光して光出射面22から出射する。
【0031】
本実施の形態において、光学部材20は、光入射面21から入射した光源12の光の配光を制御するレンズである。したがって、光源12から出射した光は、光学部材20によって配光制御される。
【0032】
本実施の形態において、光学部材20は、柱状の柱状体である。具体的には、光学部材20は、中央部分がくびれた長尺状の略鼓形状の導光柱である。長尺状の光学部材20は、発光モジュール10の基板11からグローブ70の内部に向かって延在している。本実施の形態において、光学部材20は、グローブ70の中央部付近まで延在している。つまり、光学部材20の長手方向の一端(前端)は、グローブ70の中央付近に位置し、光学部材20の長手方向の他端(後端)は、発光モジュール10の基板11に位置している。
【0033】
光入射面21は、光学部材20の光源12に対向する部分に設けられている。本実施の形態において、光入射面21は、光学部材20の長手方向の一端側の面に形成されている。具体的には、光入射面21は、光学部材20の長手方向の一端に設けられた凹部の底面であり、光源12を覆っている。一例として、光入射面21は、光源12から離れる方向に凸となる湾曲面である。本実施の形態において、光学部材20は、発光モジュール10(光源12)から出射した光の全てが光入射面21に入射するように構成されている。つまり、発光モジュール10(光源12)から出射した光の全てが光学部材20に入光する。
【0034】
そして、光入射面21から入射した光は、光学部材20の露出面である外面の全体から出射する。つまり、光出射面22は、光学部材20の外面全面である。具体的には、光出射面22は、光学部材20の長手方向の他端側の面(頂面)である第1光出射面22aと、光学部材20の胴部の側面である第2光出射面22bとを含む。第1光出射面22aは、例えば、光学部材20の中心軸を法線とするフラットな平坦面である。第2光出射面22bは、例えば、内側に凹むように湾曲する湾曲面である。
【0035】
光学部材20は、アクリル(PMMA)やポリカーボネート(PC)等の透光性樹脂材料又は透明なガラス材料等からなる透光性材料(第1透光性材料)によって構成されている。本実施の形態において、光学部材20は、透光性樹脂材料によって構成されている。
【0036】
このように構成される光学部材20は、発光モジュール10の基板11に配置されている。具体的には、光学部材20の長手方向の一端側の面の一部が基板11の表面に接触するようにして光学部材20が基板11に載置されて固定されている。なお、光学部材20を基板11に固定するのではなく、光学部材20を基台40に固定してもよい。この場合、光学部材20は、光入射面21が基板11の全体を覆うように基台40に載置される。
【0037】
本実施の形態において、光学部材20の中心軸は、光源12の光軸と一致している。また、光学部材20の中心軸は、グローブ70の中心軸と一致している。したがって、光学部材20の中心軸、光源12の光軸及びグローブ70の中心軸が互いに一致している。なお、光学部材20の中心軸が照明装置1の光軸となっている。
【0038】
光学部材20の光入射面21と発光モジュール10の光源12との間には隙間Sが存在する。本実施の形態において、隙間Sは、光入射面21と光源12と基板11の表面とで囲まれる空間領域であり、この隙間Sには、充填部材30が充填されている。
【0039】
また、光学部材20は、光学部材20の外部空間と隙間Sとを連通する連通孔23を有する。連通孔23は、光学部材20の長手方向の一端側の面と光学部材20の長手方向の他端側の面とを連通している。具体的には、連通孔23は、光入射面21と第1光出射面22aとを連通している。一例として、連通孔23は、細い円柱状に形成されている。このように形成された連通孔23は、充填部材30となる充填材料を隙間Sに注入するための注入孔である。本実施の形態において、連通孔23における充填材料を注入する注入口は、第1光出射面22a側の開口である。
【0040】
充填部材30は、隙間Sだけではなく、連通孔23にも充填されている。具体的には、隙間Sに充填部材30となる充填材料を充填することで、連通孔23にも充填部材30が充填される。
【0041】
充填部材30は、透光性材料(第2透光性材料)によって構成されている。具体的には、充填部材30は、シリコーン樹脂等の透光性樹脂材料によって構成されている。本実施の形態において、光学部材20を構成する透光性材料と充填部材30を構成する透光性材料とは、いずれも透光性樹脂材料であるが、屈折率が異なっている。なお、光学部材20を構成する透光性材料の屈折率と充填部材30を構成する透光性材料の屈折率とは同じであってもよい。
【0042】
また、充填部材30は、紫外線等の光によって硬化する光硬化型樹脂又は熱によって硬化する熱硬化型樹脂等の硬化型樹脂によって構成されている。本実施の形態において、充填部材30は、紫外線硬化型樹脂によって構成されている。紫外線硬化型樹脂のベース樹脂としては、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂又はウレタン系樹脂等を用いることができる。
【0043】
なお、充填部材30は、光拡散材を含んでいてもよい。充填部材30に光拡散材を含ませることで、充填部材30を通過する光を拡散させることができる。また、充填部材30は、さらに、その他の機能性を有する添加剤を含んでいてもよい。
【0044】
基台40は、発光モジュール10を支持する支持部材である。具体的には、基台40のグローブ70側の面には、発光モジュール10の基板11が配置される。
【0045】
基台40は、グローブ70の開口端部71を塞ぐように構成されている。つまり、グローブ70の開口端部71は、基台40によって塞がれている。また、基台40は、筐体50のグローブ70側の第1開口部51を塞ぐように構成されている。つまり、筐体50のグローブ70側の第1開口部51は、基台40によって塞がれている。本実施の形態において、基台40の側面は、筐体50の内面に接触している。なお、詳細は図示されていないが、基台40は、筐体50に固定されている。
【0046】
また、基台40は、グローブ70の開口部の開口端部71に接続されている。具体的に、基台40は、周縁に段差部41を有する円盤状部材で構成されており、その段差部41にグローブ70の開口端部71が当接されている。そして、この段差部41において、基台40と筐体50とグローブ70の開口端部71とが接着剤90によって固着されている。接着剤90は、例えばシリコーン樹脂等によって構成されており、段差部41を埋めるように設けられている。
【0047】
基台40は、発光モジュール10で発生する熱を効率良く放熱するために、熱伝導率の高い材料によって構成されているとよい。例えば、基台40は、アルミニウム等の金属材料、セラミック等の無機材料又は熱伝導率が高い樹脂材料によって構成されているとよい。本実施の形態において、基台40は、アルミニウム合金によって構成されている。
【0048】
筐体50は、上記のように、外郭部材である。つまり、筐体50は、外郭筐体であり、筐体50の外面は露出している。
【0049】
筐体50は、グローブ70側に設けられた第1開口部51と口金60側に設けられた第2開口部52とを有する筒状の筒体である。第1開口部51には、グローブ70及び基台40が配置され、第2開口部52には口金60が配置される。
【0050】
筐体50は、電源回路80を収納するケースである。つまり、電源回路80は、筐体50によって囲まれている。筐体50は、金属材料又は樹脂材料等によって構成されている。なお、電源回路80が絶縁ケースに別途収納されている場合には、発光モジュール10及び電源回路80で発生する熱を放熱するために、筐体50は、アルミニウム合金等の金属材料又は高熱伝導樹脂材料等の熱伝導率が高い材料によって構成されているとよい。
【0051】
口金60は、発光モジュール10(光源12)を発光させるための電力を外部から受電する受電部である。口金60は、筐体50の第2開口部52側の外面に設けられた螺合部にねじ込まれることで筐体50に外嵌される。
【0052】
口金60が照明器具等のソケットに装着されることで、口金60には、外部電力が供給される。口金60には、例えば商用電源から交流電力が供給される。本実施の形態において、口金60は二接点によって交流電力を受電し、口金60で受電した電力は、一対のリード線等を介して電源回路80に供給される。
【0053】
口金60は、例えば、金属製の有底筒形状であって、外周面が螺合部となっているシェル部と、シェル部に絶縁部を介して装着されたアイレット部とを有する。口金60の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、ねじ込み式のエジソンタイプ(E型)の口金を用いている。具体的には、口金60として、E26形、E17形又はE16形等が挙げられる。なお、口金60は、エジソンタイプに限るものではなく、スワンタイプ(差し込み式)であってもよい。
【0054】
グローブ70は、開口部を有する中空部材である。グローブ70は、発光モジュール10及び光学部材20を覆っている。具体的には、グローブ70は、光学部材20を収納している。つまり、グローブ70の内部に光学部材20が存在しており、光学部材20の全体がグローブ70に覆われている。
【0055】
グローブ70は、透光性を有する透光カバーである。したがって、グローブ70の内面に入射した光は、グローブ70を透過してグローブ70の外部へと取り出される。本実施の形態では、グローブ70は光学部材20を覆っているので、発光モジュール10から出射して光学部材20内を導光して光学部材20から出射する光がグローブ70を透過する。具体的には、グローブ70には、光学部材20で配光制御された発光モジュール10の光が入射する。
【0056】
グローブ70の材料としては、可視光に対して透明なシリカガラス等のガラス材料、又は、アクリル(PMMA)やポリカーボネート(PC)等の透光性樹脂材料等の透光性材料を用いることができる。
【0057】
本実施形態において、グローブ70は、シリカガラス製の透明ガラス(クリアガラス)によって構成されている。したがって、グローブ70内に収納された光学部材20は、グローブ70の外側から視認することができる。このように、グローブ70を透明にすることにより、光学部材20から出射する光がグローブ70によって損失することを抑制することができる。また、グローブ70をガラス製にすることにより、高耐熱性のLED電球を実現することができる。
【0058】
なお、グローブ70は透明でなくてもよく、半透明又は乳白色であってもよい。具体的には、グローブ70には、光を拡散(散乱)させるための拡散処理が施されていてもよい。例えば、グローブ70の内面又は外面に光拡散膜(光拡散層)を形成することでグローブ70に光拡散機能を持たせることができる。一例として、シリカや炭酸カルシウム等の光拡散材を含有する樹脂や白色顔料等をグローブ70の内面又は外面の全面に塗布することによって乳白色の光拡散膜を形成することができる。また、グローブ70そのものが、シリカや炭酸カルシウム等の光拡散材が分散された樹脂によって構成されていてもよい。このように、グローブ70に光拡散機能を持たせることにより、光学部材20からグローブ70に入射する光を拡散させることができるので配光角を広くすることができる。
【0059】
グローブ70は、略円形の開口面を構成する開口部を有している。本実施の形態において、グローブ70の全体形状は、開口部から長細く膨出するような長球形状である。なお、グローブ70の形状としては、長球形状に限るものではなく、JISに規定される、A形、G形又はE形等の形状であってもよい。
【0060】
グローブ70は、基台40及び筐体50に固定される。具体的には、グローブ70の開口端部71は、上述のように、接着剤90によって基台40及び筐体50に固着される。
【0061】
電源回路80は、口金60で受電した電力をもとに発光モジュール10(光源12)を発光させるための電力を生成する電源ユニットである。具体的には、電源回路80は、口金60から供給される交流電力を直流電力に変換している。電源回路80で生成された直流電力は、リード線等を介して光源12に供給される。
【0062】
電源回路80は、回路基板81と、回路基板に実装された複数の回路素子82とを有する。回路基板81は、銅箔等の金属配線が形成されたプリント回路基板(PCB)である。複数の回路素子82は、例えば、電解コンデンサやセラミックコンデンサ等の容量素子、チョークコイルやチョークトランス等のコイル素子(インダクタ)、FET等のトランジスタ素子、抵抗器等の抵抗素子、又は、ダイオード等である。なお、発光モジュール10の発光状態を制御するために、電源回路80には、調光回路や調色回路などの光制御回路、又は、無線通信回路などが組み合わされていてもよい。
【0063】
[照明装置1の製造方法]
次に、実施の形態に係る照明装置1の製造方法について、図3A図3Cを用いて説明する。図3A図3Cは、実施の形態に係る照明装置1の製造方法を説明するための図である。図3Aは、同製造方法における充填工程(充填開始時)、図3Bは、同製造方法における充填工程(充填途中)、図3Cは、同製造方法における硬化工程を示している。
【0064】
本実施の形態に係る照明装置1の製造方法では、まず、液状の充填材料30aを光学部材20の連通孔23から注入することで、光源12と光学部材20の光入射面21との間の隙間Sと光学部材20の連通孔23とに液状の充填材料30aを充填する(充填工程)。
【0065】
具体的には、図3Aに示すように、光源12と光学部材20の光入射面21との間の隙間Sに充填する充填材料30aを吐出するディスペンサ装置(不図示)のディスペンサノズル100を光学部材20の連通孔23に挿入する。例えば、ディスペンサノズル100の先端が隙間Sと連通孔23との境界付近に位置するようにディスペンサノズル100を連通孔23に挿入する。そして、ディスペンサノズル100から充填材料30aを吐出させることで、充填材料30aの注入を開始する。本実施の形態では、充填材料30aとして、シリコーン樹脂からなる紫外線硬化型樹脂を用いた。
【0066】
続いて、図3Bに示すように、ディスペンサノズル100から充填材料30aを吐出しながらディスペンサノズル100を上方に引き上げていく。これにより、隙間Sに充填材料30aを注入させた後に続いて連通孔23の下方から上方にかけて連通孔23に充填材料30aを注入させていくことができる。これにより、隙間Sに空隙を発生させることなく充填材料30aを隙間Sに充填させることができる。
【0067】
次に、隙間S及び連通孔23に充填した充填材料30aを硬化させる(硬化工程)。本実施の形態では、充填材料30aが紫外線硬化型樹脂によって構成されているので、図3Cに示すように、光学部材20全体にUV光(紫外線)を照射する。これにより、光学部材20を透過したUV光によって隙間S及び連通孔23に充填された充填材料30aが硬化する。この結果、隙間S及び連通孔23に充填部材30を充填させることができるとともに、光学部材20と発光モジュール10とを接合することができる。
【0068】
その後、図示しないが、接合した光学部材20及び発光モジュール10を基台40に固定するとともに配線接続を行うことで、図1及び図2に示される照明装置1を作製することができる。
【0069】
なお、本実施の形態では、ディスペンサノズル100を上方に引き上げながら隙間Sに充填材料30aを注入したが、隙間Sへの充填材料30aの注入方法は、これに限らない。例えば、図4に示すように、ディスペンサノズル100を連通孔23の上部に配置し、ディスペンサノズル100を動かすことなく、連通孔23の上部から下方に向けて充填材料30aを連通孔23に注入することで隙間Sに充填材料30aを注入してもよい。
【0070】
また、本実施の形態では、充填材料30aとして紫外線硬化型樹脂を用いたが、これに限らない。例えば、充填材料30aとして熱硬化型樹脂を用いてもよい。この場合、隙間S及び連通孔23に充填した充填材料30aを硬化させる硬化工程では、所定の温度で加熱する加熱処理を行うことで充填材料30aを硬化させてもよいが、自然乾燥によって充填材料30aを硬化させてもよい。
【0071】
[照明装置1の作用効果等]
次に、本実施の形態における照明装置1の作用効果について、本発明に至った経緯を含めて、図5に示される比較例の照明装置1Xと比較して説明する。図5は、比較例の照明装置1Xの断面図である。
【0072】
図5に示すように、比較例の照明装置1Xは、上記実施の形態における照明装置1と異なり、光学部材20Xに連通孔23が設けられておらず、また、充填部材30が設けられていない。つまり、比較例の照明装置1Xは、光学部材20Xに連通孔23が設けられていない点と充填部材30が存在しない点を除いて、上記実施の形態における照明装置1と同じ構成である。したがって、比較例の照明装置1Xでは、光学部材20の光入射面21と光源12との間の隙間Sが空気層となっている。
【0073】
このように構成される比較例の照明装置1Xでは、発光モジュール10(光源12)から出射した光は、空気層である隙間Sを通って光学部材20に入光して光学部材20から出射する。このとき、比較例の照明装置1Xについて、発光モジュール10(光源12)から出射した光について光学ロスを算出したところ、光学ロスは20%程度にもなることが分かった。
【0074】
そこで、本願発明者らは、光学部材20と発光モジュール10との間の隙間Sに透光性材料を充填して空気層を無くすということを考えた。具体的には、図2に示すように、光学部材20の光入射面21と光源12との間の隙間Sに充填部材30を充填した構成の照明装置1を着想した。このとき、隙間Sに充填部材30を注入するための注入孔として光学部材20に連通孔23を設けるとともに、この連通孔23にも充填部材30を充填した。これにより、隙間Sに充填部材30を容易に充填することを可能としつつ、連通孔23を設けたことで光学部材20に新たな空気層が存在してしまうことを解消した。
【0075】
このように構成される本実施の形態における照明装置1では、発光モジュール10(光源12)から出射した光は、空気層を介することなく光学部材20に入光して光学部材20から出射する。このとき、本実施の形態における照明装置1について、発光モジュール10(光源12)から出射した光について光学ロスを算出したところ、光学ロスは5%程度にとどまることが分かった。
【0076】
この結果は、本発明者らの予想を大きく超えるものであった。つまり、隙間Sの空気層を無くすことによって光学ロスをある程度抑制できることは予想してはいたが、光学ロスを20%から5%に大幅に軽減できたことは、想定の範囲を大きく超えて、予想を大きく上回るものであった。
【0077】
以上、本実施の形態における照明装置1によれば、比較例の照明装置1Xに対して、光学ロスを大幅に軽減することができる。これにより、光取り出し効率を向上させることができる照明装置1を実現することができる。
【0078】
また、本実施の形態における照明装置1において、光学部材20は、光入射面21から入射した光源12の光の配光を制御するレンズである。
【0079】
これにより、光源12から出射した光の配光を制御することができるので、例えば、高配光角のLED電球等を実現することができる。
【0080】
また、本実施の形態における照明装置1において、光学部材20は、柱状であり、光入射面21は、光学部材20の長手方向の一端側の面に形成されている。
【0081】
この構成により、柱状の光学部材20の長手方向の一端側の面に形成された光入射面21から光学部材20に入射した光は、光学部材20の長手方向に導光しながら光学部材20の表面から出射する。つまり、柱状の光学部材20全体から光が出射する。これにより、光源12から出射した光の配光角を容易に大きくすることができる。しかも、柱状の光学部材20の全体から光が出射するので、柱状の光学部材20全体を光輝かせることができる。したがって、グローブ70を透明にすることで、光輝く光学部材20をユーザに視認させることができる。装飾性に優れた照明装置1を実現することができる。
【0082】
また、本実施の形態における照明装置1において、連通孔23は、光学部材20の長手方向の一端側の面と光学部材20の長手方向の他端側の面とを連通している。
【0083】
この構成により、充填部材30の充填材料30aを隙間Sに充填する際に、柱状の光学部材20の上から充填材料30aを注入することができる。これにより、光学部材20と発光モジュール10とを接合した後でも、隙間Sに容易に充填材料30aを充填させることができる。
【0084】
また、本実施の形態における照明装置1において、光学部材20を構成する第1透光性材料の屈折率と充填部材30を構成する第2透光性材料の屈折率とは、異なっていてもよい。また、光学部材20を構成する第1透光性材料及び充填部材30を構成する第2透光性材料は、いずれも透光性樹脂材料である。
【0085】
このように、光学部材20を構成する第1透光性材料と充填部材30を構成する第2透光性材料との屈折率を異ならせることで、光源12から出射した光を光学部材20と充填部材30との界面で屈折させて配光制御することができる。
【0086】
また、本実施の形態における照明装置1において、充填部材30を構成する第2透光性材料は、紫外線硬化型樹脂であってもよい。つまり、隙間S及び連通孔23に注入する充填材料30aは紫外線硬化型樹脂によって構成されていてもよい。
【0087】
これにより、光学部材20は透光性を有するため、隙間S及び連通孔23に充填材料30aを充填させたときに、光学部材20に紫外線を照射することで充填材料30aを硬化させることができる。つまり、光学部材20が透光性材料によって構成されていることを利用して、隙間S及び連通孔23に充填された充填材料30aに容易に紫外線を照射させることができる。
【0088】
また、本実施の形態における照明装置1において、充填部材30は、さらに、光拡散材を含んでいてもよい。
【0089】
これにより、光源12から出射した光を充填部材30で拡散させて光学部材20に入光させることができる。また、連通孔23に充填されている充填部材30に光拡散材が含まれていることで、光学部材20にきらめき感を持たせることができる。したがって、柱状の光学部材20を一層光輝かせることができる。
【0090】
また、本実施の形態における照明装置1において、光源12は、白色光を出射する白色光源である。
【0091】
この構成により、照明光として白色光を照射する照明装置1を実現することができる。
【0092】
(変形例)
以上、本発明に係る照明装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0093】
例えば、上記実施の形態において、光学部材20に設けられた連通孔23は、光入射面21と第1光出射面22aとを連通していたが、これに限らない。具体的には、図6に示される照明装置1Aのように、光学部材20Aに設けられた連通孔23Aは、光入射面21と第2光出射面22bとを連通していてもよい。つまり、連通孔23Aにおける充填材料30aを注入する注入口は、第1光出射面22aではなく、第2光出射面22bに設けられていてもよい。
【0094】
また、上記実施の形態では、光学部材20の光入射面21と発光モジュール10の基板11との間の隙間Sには充填部材30のみが充填されていたが、これに限らない。例えば、図7に示される照明装置1Bのように、隙間Sには、充填部材30(第1充填部材)以外に充填部材30B(第2充填部材)が設けられていてもよい。この場合、充填部材30Bは、光源12から出射する光を遮光しない位置に形成されているとよい。具体的には、充填部材30Bは、光源12の側面を囲むように設けられているとよい。この場合、充填部材30Bの高さは、光源12のパッケージの高さ以下にするとよい。これにより、光源12から出射する光が充填部材30Bで遮光されてしまうことを抑制できる。また、充填部材30Bは、空気よりも熱伝導率の高い材料によって構成されているとよい。これにより、光源12で発生した熱を効率的に熱伝導させて分散させることができる。また、充填部材30Bは、高反射率の材料によって構成されていてもよい。これにより、光源12から出射する光の取り出し効率を向上させることができる。例えば、充填部材30Bは、光源12のパッケージの反射率及び/又は基板11の反射率よりも高い反射率を有する材料によって構成されているとよい。
【0095】
また、上記実施の形態において、光学部材20は、アスペクト比が大きい形状であったが、これに限らない。例えば、図8に示される照明装置1Cのように、光学部材20Cは、アスペクト比が小さい形状であってもよい。このため、照明装置1Cでは、グローブ70Cの形状は、扁平な略球状となっている。
【0096】
また、上記実施の形態において、充填部材30には、蛍光体が含まれていなかったが、充填部材30は、蛍光体を含んでいてもよい。これにより、光源12の光によって隙間S及び連通孔23に充填された充填部材30に含まれる蛍光体を蛍光発光させることができる。なお、この場合、上記実施の形態のように、光源12には蛍光体含有樹脂を含んでいてもよいが、光源12は蛍光体含有樹脂を含んでいなくてもよい。具体的には、光源12は、基板11に実装されたLEDチップそのものであってもよい。これにより、基板11に実装されたLEDチップは隙間Sに充填された充填部材30によって封止されるとともに、LEDチップの光によって充填部材30に含まれる蛍光体が蛍光発光してLEDチップの光と蛍光体の光とによって白色光等の所定の照明光を得ることができる。
【0097】
また、上記実施の形態において、光学部材20には連通孔23が設けられていたが、これに限らない。つまり、光学部材20には連通孔23が設けられていなくてもよい。光学部材20に連通孔23を設けない場合、光学部材20の光入射面21に充填材料30aを塗布した後に、発光モジュール10と光学部材20とを接合して充填材料30aを硬化させることで隙間Sに充填部材30を充填させることができる。あるいは、光源12を覆うように基板11に充填材料30aを塗布した後に、発光モジュール10に光学部材20をかぶせて充填材料30aを硬化させることで隙間Sに充填部材30を充填させることができる。なお、このように光学部材20に連通孔23を設けない場合、光源12は、LEDチップそのものではなく、上記実施の形態のように、白色光を出射する白色光源であるとよい。
【0098】
また、上記実施の形態において、発光モジュール10は、光源12としてSMD型LED素子を用いたSMDタイプのLEDモジュールであったが、これに限らない。例えば、発光モジュール10として、封止部材によって封止された1つ又は複数のLEDチップ(ベアチップ)が基板11上に直接実装(1次実装)されたCOB(Chip On Board)型のLEDモジュールを用いてもよい。この場合、LEDチップを封止する封止部材には、黄色蛍光体等の波長変換材が含有されていてもよい。なお、複数のLEDチップを用いる場合、封止部材は、複数のLEDチップを一括又は個別に封止することができる。
【0099】
また、上記実施の形態において、光源12は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するB-Yタイプの白色LED素子としたが、これに限らない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップと組み合わせることによりに白色光を放出するように構成してもよい。また、演色性を高める目的で、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜても構わない。また、青色以外の色を発するLEDチップを用いてもよく、例えば、青色LEDチップが放出する青色光よりも波長が短い紫外光を放出する紫外LEDチップを用いて、主に紫外光により励起されて青色光、赤色光及び緑色光を放出する青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体によって白色光を放出するように構成してもよい。
【0100】
また、上記実施の形態において、発光モジュール10は、調光制御可能及び/又は調色制御可能に構成されていてもよい。例えば、発光モジュール10が、赤色光を発する赤色LED光源、緑色光を発する緑色LED光源及び青色光を発する青色LED光源を備えることで、RGB制御を行うことができる。これにより、調色制御可能なLEDモジュールを実現できる。
【0101】
また、上記実施の形態において、光源12はLEDチップを用いて構成されていたが、これに限らない。例えば、光源12は、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等、その他の固体発光素子を用いて構成されていてもよい。
【0102】
また、本発明は、照明用光源であるLED電球として実現できるだけではなく、LED電球と当該LED電球が取り付けられる照明器具とを備える照明器具装置として実現することもできる。照明器具装置の器具本体には、例えば、LED電球の口金が装着されるソケットが設けられている。また、照明器具装置は、LED電球を覆う透光性のランプカバーを備えていてもよい。
【0103】
また、本発明は、LED電球ではなく、シーリングライト、スポットライト、ダウンライト、ベースライト又は直管形ランプ等のその他の照明装置にも適用することができる。
【0104】
その他、上記の実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記の各実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0105】
1、1A、1B 照明装置
12 光源
20、20A、20B 光学部材
21 光入射面
23、23A 連通孔
30 充填部材
30a 充填材料
60 口金
70 グローブ
80 電源回路
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8