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特許7236662バッテリーモジュール、バッテリーパック、および乗り物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、バッテリーパック、および乗り物
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/267 20210101AFI20230303BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20230303BHJP
   H01M 10/0562 20100101ALN20230303BHJP
   H01M 10/0566 20100101ALN20230303BHJP
【FI】
H01M50/267
H01M50/209
H01M10/0562
H01M10/0566
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019042344
(22)【出願日】2019-03-08
(65)【公開番号】P2020013775
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2018128467
(32)【優先日】2018-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】筒井 靖貴
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-039523(JP,A)
【文献】特開2015-125919(JP,A)
【文献】特開2013-044701(JP,A)
【文献】国際公開第2013/157049(WO,A1)
【文献】特開2003-282154(JP,A)
【文献】特開2019-003930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/267
H01M 50/209
H01M 10/0562
H01M 10/0566
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1液電池モジュールと、
第2液電池モジュールと、
前記第1液電池モジュールよりも大きい体積を有する第1固体電池モジュールと、を備え
前記第1液電池モジュール及び前記第2液電池モジュールは、有機物を含む電解液を備える液電池セルを前記第1固体電池モジュールよりも多く含み、
前記第1固体電池モジュールは、固体電解質を備える固体電池セルを前記第1液電池モジュール及び前記第2液電池モジュールよりも多く含み、
前記第1固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールと前記第2液電池モジュールの間に配置され、
前記第1液電池モジュール、前記第2液電池モジュール、及び、前記第1固体電池モジュールが並ぶ方向から見た場合、前記第1液電池モジュールは、前記第1固体電池モジュールに隠れるように配置されている、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記第1液電池モジュールおよび前記第1固体電池モジュールの形状は、直方体もしくは立方体である、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記第1固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールに接して配置される、請求項1または2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記第1液電池モジュールよりも大きい体積を有する第2固体電池モジュールをさらに備え、
前記第2固体電池モジュールは、前記固体電池セルを前記第1液電池モジュール及び前記第2液電池モジュールよりも多く含み、
前記第1液電池モジュールは、前記第1固体電池モジュールと前記第2固体電池モジュールとの間に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記第2固体電池モジュールの形状は、直方体もしくは立方体である、請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記第2固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールに接して配置される、請求項4または5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記第1液電池モジュール、前記第1固体電池モジュール、及び、前記第2固体電池モジュールを収容するバッテリーケースをさらに備え、
前記第1固体電池モジュール、前記第2固体電池モジュール、および前記バッテリーケースは、閉空間を画定し、
前記第1液電池モジュールは、前記閉空間内に配置される、請求項4から6のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記バッテリーケースは内面を有し、
前記第1固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールに対向する主面と、前記バッテリーケースの前記内面に接する側面と、を有し、
前記第2固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールに対向する主面と、前記バッテリーケースの前記内面に接する側面と、を有し、
前記第1液電池モジュールは、前記第1固体電池モジュールの前記主面、前記第2固体電池モジュールの前記主面、及び、前記バッテリーケースの前記内面によって囲まれた閉空間内に配置される、請求項7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記第2固体電池モジュールは、前記液電池セルを含まない、請求項4から8のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記第1液電池モジュールは、主面および少なくとも一つの側面と、を有し、
前記第1固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールの前記主面及び前記少なくとも一つの側面を覆う、請求項1からのいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
第3固体電池モジュールをさらに備え、
前記第3固体電池モジュールは、前記固体電池セルを前記第1液電池モジュール及び前記第2液電池モジュールよりも多く含み、
前記第1液電池モジュールは、主面および少なくとも一つの側面を有し、
前記第1固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールの前記主面を覆い、
前記第3固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールの前記少なくとも一つの側面を覆う、請求項1から10のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
前記第3固体電池モジュールの形状は、直方体もしくは立方体である、請求項11に記載のバッテリーモジュール。
【請求項13】
前記第3固体電池モジュールは、前記液電池セルを含まない、請求項11または12に記載のバッテリーモジュール。
【請求項14】
前記第1固体電池モジュールは、前記液電池セルを含まない、請求項1から13のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項15】
前記第1液電池モジュール及び前記第2液電池モジュールは、前記固体電池セルを含まない、請求項1から14のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項16】
前記第2液電池モジュールの形状は、直方体もしくは立方体である、請求項1から15のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項17】
前記第2液電池モジュールは、前記第1固体電池モジュールに接して配置される、請求項1から16のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールと、
前記バッテリーモジュールからの電力で駆動する電気モータと、を備える乗り物。
【請求項19】
第1液電池モジュールと、
第2液電池モジュールと、
前記第1液電池モジュールよりも大きい体積を有する第1固体電池モジュールと、を備え
前記第1液電池モジュール及び前記第2液電池モジュールは、有機物を含む電解液を備える液電池セルを前記第1固体電池モジュールよりも多く含み、
前記第1固体電池モジュールは、固体電解質を備える固体電池セルを前記第1液電池モジュール及び前記第2液電池モジュールよりも多く含み、
前記第1固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールと前記第2液電池モジュールの間に配置され、
前記第1液電池モジュール、前記第2液電池モジュール、及び、前記第1固体電池モジュールが並ぶ方向から見た場合、前記第1液電池モジュールは、前記第1固体電池モジュールに隠れるように配置されている、バッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液電池モジュール及び固体電池モジュールのハイブリッド構造を有するバッテリーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、液電池及び全固体電池が交互に配置された構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4075487号公報
【文献】特開2015-125919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液電池モジュール及び全固体電池モジュールを有するバッテリーモジュールは、一の液電池モジュールの発火により他の液電池モジュールが類焼してしまうことが課題である。
【0005】
本開示は、液電池モジュールの類焼を抑制することができるバッテリーモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るバッテリーモジュールは、第1液電池モジュールと、前記第1液電池モジュールよりも大きい体積を有する第1固体電池モジュールとを備える。本開示の包括的または具体的な態様は、バッテリーパック、乗り物、装置、システム、方法、またはこれらの任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、液電池モジュールの類焼を抑制することができる高い信頼性のバッテリーモジュールが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、実施の形態1に係るバッテリーモジュールをZ-X平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。
図1B図1Bは、実施の形態1に係るバッテリーモジュールのX-Y平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。
図1C図1Cは、実施の形態1に係るバッテリーモジュールのY-Z平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。
図2A図2Aは、実施の形態2に係るバッテリーモジュールをZ-X平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。
図2B図2Bは、実施の形態2に係るバッテリーモジュールのX-Y平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。
図2C図2Cは、実施の形態2に係るバッテリーモジュールのY-Z平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。
図3A図3Aは、実施の形態3に係るバッテリーモジュールをZ-X平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。
図3B図3Bは、実施の形態3に係るバッテリーモジュールのX-Y平面に平行 な平面で切断した場合の模式断面図である。
図3C図3Cは、実施の形態3に係るバッテリーモジュールのY-Z平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。
図4図4は、実施の形態3の変形例1に係るバッテリーモジュールをZ-X平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。
図5図5は、実施の形態3の変形例2に係るバッテリーモジュールをZ-X平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。
図6図6は、実施の形態4に係る乗り物の概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となった知見)
電解液、または、電解液及び高分子化合物からなるゲル状電解質が用いられた液電池は、燃えやすい。このため、複数の液電池を隣り合わせて配置すると類焼する恐れがある。一方、固体電解質を用いた電池は、電解液及びゲル状電解質が用いられていないため、燃えにくい。
【0010】
特許文献1及び2には、液電池及び全固体電池が交互に配置されている構造が開示されている。このような構造によれば、液電池に対して使用される安全装置群がなくても、安全性の高いバッテリーモジュールを提供することができる。しかしながら、一般的に、バッテリーモジュールにおいては、液電池及び全固体電池がバッテリーケースに収容されており、液電池及び全固体電池の周囲には空気が流れるスペースがある。そうすると、一の液電池が発火した場合に、炎が空気の流れに乗って全固体電池を超えてしまい、他の液電池が類焼する恐れがある。
【0011】
このような課題を鑑み、本開示の一態様に係るバッテリーモジュールは、第1液電池モジュールと、第1固体電池モジュールとを備え、前記第1固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールよりも大きい。
【0012】
これにより、第1液電池モジュールが発火したとしても第1固体電池モジュールが障壁となり、他の液電池モジュールの類焼が発生しにくい。つまり、信頼性の高いバッテリーモジュールが実現される。第1固体電池モジュールは、第1液電池モジュールよりも大きい体積を有する電池モジュールであってもよい。第1固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールに接していてもよく、接していなくてもよい。例えば、第1固体電池モジュールと第1液電池モジュールの間に空間があってもよい。第1固体電池モジュールを含む複数の固体電池モジュールが連続して並んでいてもよい。第1液電池モジュールを含む複数の液電池モジュールが連続して並んでいてもよい。第1固体電池モジュールは、無機の固体電解質を備えてもよく、また、有機の固体電解質を備えてもよい。第1固体電池モジュールの形状は、特に限定されない。例えば、第1固体電池モジュールの形状は、立方体であってもよく、また、直方体であってもよく、また、円筒であってもよい。第1液電池モジュールの形状は、特に限定されない。例えば、第1液電池モジュールの形状は、立方体であってもよく、また、直方体であってもよく、また、円筒であってもよい。
【0013】
また、例えば、第2固体電池モジュールをさらに備え、前記第2固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールに接して配置され、前記第2固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールよりも大きく、前記第1液電池モジュールは、前記第1固体電池モジュール及び前記第2固体電池モジュールに挟まれる。
【0014】
これにより、第1液電池モジュールが発火したとしても、第1液電池モジュールを挟む第1固体電池モジュール及び第2固体電池モジュールが障壁となり、他の液電池モジュールの類焼が発生しにくい。つまり、信頼性の高いバッテリーモジュールが実現される。なお、第2固体電池モジュールは第1液電池モジュールよりも大きい体積を有する電池モジュールであってもよい。第2固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールに接していなくてもよい。例えば、第2固体電池モジュールと第1液電池モジュールの間に空間があってもよい。第2固体電池モジュールを含む複数の固体電池モジュールが連続して並んでいてもよい。第2固体電池モジュールは、無機の固体電解質を備えてもよく、また、有機の固体電解質を備えてもよい。第2固体電池モジュールの形状は、特に限定されない。例えば、第2固体電池モジュールの形状は、立方体であってもよく、また、直方体であってもよく、また、円筒であってもよい。
【0015】
また、例えば、前記第1液電池モジュール、前記第1固体電池モジュール、及び、前記第2固体電池モジュールを収容するバッテリーケースをさらに備え、前記第1固体電池モジュールの側面、及び、前記第2固体電池モジュールの側面は、前記バッテリーケースの内面に接し、前記第1液電池モジュールは、前記第1固体電池モジュールの主面、前記第2固体電池モジュールの主面、及び、前記バッテリーケースの内面によって囲まれた閉空間に配置される。
【0016】
これにより、第1液電池モジュールが閉空間に配置されるため、第1液電池モジュールが発火した場合に他の液電池モジュールの類焼が発生しにくい。つまり、信頼性の高いバッテリーモジュールが実現される。
【0017】
また、例えば、前記第1固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールの主面及び側面を覆う。
【0018】
これにより、第1液電池モジュールの主面及び側面が発火しにくい第1固体電池モジュールによって覆われているため、第1液電池モジュールが発火した場合に他の液電池モジュールの類焼が発生しにくい。つまり、信頼性の高いバッテリーモジュールが実現される。
【0019】
また、例えば、第3固体電池モジュールをさらに備え、前記第1固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールの主面を覆い、前記第3固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュールの側面を覆う。
【0020】
これにより、第1液電池モジュールの主面及び側面が発火しにくい第1固体電池モジュール及び第3固体電池モジュールによって覆われているため、第1液電池モジュールが発火した場合に他の液電池モジュールの類焼が発生しにくい。つまり、信頼性の高いバッテリーモジュールが実現される。
【0021】
また、例えば、前記第1液電池モジュールは、有機物を含む電解液を備える液電池セルを前記第1固体電池モジュールよりも多く含み、前記第1固体電池モジュールは、固体電解質を備える固体電池セルを前記第1液電池モジュールよりも多く含む。
【0022】
これにより、第1液電池モジュールが発火したとしても、固体電解質を比較的多く含むことにより発火しにくい第1固体電池モジュールが障壁となり、他の液電池モジュールの類焼が発生しにくい。つまり、信頼性の高いバッテリーモジュールが実現される。
【0023】
また、例えば、前記第1固体電池モジュールは、前記液電池セルを含まない。
【0024】
これにより、第1液電池モジュールが発火したとしても、電解液を含まないために発火しにくい第1固体電池モジュールが障壁となり、他の液電池モジュールの類焼が発生しにくい。つまり、信頼性の高いバッテリーモジュールが実現される。
【0025】
また、例えば、前記第1液電池モジュールは、前記固体電池セルを含まない。
【0026】
これにより、固体電解質を含まない第1液電池モジュールが発火した場合に他の液電池モジュールの類焼が発生しにくい。つまり、信頼性の高いバッテリーモジュールが実現される。
【0027】
また、例えば、第2液電池モジュールをさらに備え、前記第1固体電池モジュールは、前記第1液電池モジュール及び前記第2液電池モジュールの間に、前記第1液電池モジュール及び前記第2液電池モジュールに接して配置される。
【0028】
これにより、第1液電池モジュールが発火したとしても第1固体電池モジュールが障壁となり、第2液電池モジュールの類焼が発生しにくい。つまり、信頼性の高いバッテリーモジュールが実現される。なお、第2液電池モジュールは素電池モジュールであってもよい。第1固体電池モジュールは、前記第2液電池モジュールに接していなくてもよい。例えば、第1固体電池モジュールと第2液電池モジュールの間に空間があってもよい。第2液電池モジュールを含む複数の液電池モジュールが連続して並んでいてもよい。第2液電池モジュールの形状は、特に限定されない。例えば、第2液電池モジュールの形状は、立方体であってもよく、また、直方体であってもよく、また、円筒であってもよい。
【0029】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0030】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0031】
また、以下の実施の形態で説明に用いられる図面においては座標軸が示される場合がある。座標軸におけるX軸方向は、例えば、固体電池モジュール及び液電池モジュールの厚み方向と記載される。また、Y軸方向は、固体電池モジュール及び液電池モジュールの横方向と記載され、Z軸方向は、固体電池モジュール及び液電池モジュールの縦方向と記載される。また、固体電池モジュール及び液電池モジュールのY-Z平面に平行な面は、主面と記載される。主面は、言い換えれば、上面または下面である。主面は、例えば、最も広い一対の面の一方である。固体電池モジュール及び液電池モジュールの主面以外の面は、側面と記載される。
【0032】
(実施の形態1)
[構成]
以下、実施の形態1に係るバッテリーモジュールの構成について図面を参照しながら説明する。図1Aは、実施の形態1に係るバッテリーモジュールをZ-X平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。図1Bは、実施の形態1に係るバッテリーモジュールのX-Y平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。図1Cは、実施の形態1に係るバッテリーモジュールのY-Z平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。
【0033】
図1A図1Cに示されるように、実施の形態1に係るバッテリーモジュール100は、複数の液電池モジュール10と、複数の固体電池モジュール20と、バッテリーケース30とを備える。バッテリーモジュール100は、液電池モジュール10及び固体電池モジュール20を少なくとも1つずつ備えればよい。バッテリーモジュール100が備える液電池モジュール10の数及び固体電池モジュール20の数は特に限定されない。
【0034】
液電池モジュール10は、第1液電池モジュール及び第2液電池モジュールの一例であり、有機物を含む液体の電解質(電解液)または高分子化合物からなるゲル状電解質を固体電池モジュール20よりも多く含む。言い換えれば、液電池モジュール10は、有機物を含む電解液または高分子化合物からなるゲル状電解質を備える液電池セルを固体電池モジュール20よりも多く含む。電解液としては、例えば、有機物からなる溶媒に電解質が溶解してなる液体が用いられる。溶媒として用いられる有機物としては、一般に公知の電池電解液用の有機溶媒材料が用いられる。電解質としては、一般に公知の電池電解液用の電解質材料が用いられる。なお、液電池モジュール10は、固体の電解質を一切含まなくてもよい。つまり、液電池モジュール10は、固体電池セルを含まなくてもよい。
【0035】
液電池モジュール10は、X軸方向を厚み方向とする平たい直方体状(矩形板状)である。液電池モジュール10のサイズは、例えば、Z軸方向(縦方向)の長さ約300mm、X軸方向(厚み方向)の長さ約68mm、Y方向(横方向)の長さ約222mmである。液電池モジュール10は、他の形状、大きさであってもよい。
【0036】
固体電池モジュール20は、第1固体電池モジュール及び第2固体電池モジュールの一例であり、固体の電解質を液電池モジュール10よりも多く含む。言い換えれば、固体電池モジュール20は、固体電解質を備える固体電池セルを液電池モジュール10よりも多く含む。固体の電解質としては、例えば、一般に公知の電池用の固体電解質材料が用いられる。固体の電解質は、無機であってもよく、また、有機であってもよい。なお、固体電池モジュール20は、液体の電解質を一切含まない全固体電池モジュールであってもよい。つまり、固体電池モジュール20は、液電池セルを含まなくてもよい。
【0037】
固体電池モジュール20は、X軸方向を厚み方向とする平たい直方体状(矩形板状)である。固体電池モジュール20のサイズは、例えば、Z軸方向(縦方向)の長さ約420mm、X軸方向(厚み方向)の長さ約50mm、Y方向(横方向)の長さ約300mmである。つまり、固体電池モジュール20は、液電池モジュール10よりも外形(体積)が大きい。固体電池モジュール20は、液電池モジュール10よりも体積が大きければ、他の形状、大きさであってもよい。
【0038】
液電池モジュール10及び固体電池モジュール20のそれぞれは、例えば、正極層、負極層、及び、電解質層からなる積層体が外装体に封止されてなる電池セルが更に積層され外装体に封止されることによって実現される。つまり、液電池モジュール10及び固体電池モジュール20のそれぞれは、電気的に接続された複数の電池セル(液電池セルまたは固体電池セル)を含む。液電池モジュール10及び固体電池モジュール20のそれぞれは、具体的には、例えば、リチウム二次電池モジュールとして実現される。
【0039】
液電池セルは、有機物を含む液体の電解質(電解液)を固体電池セルよりも多く含む電池である。電解液としては、例えば、有機物からなる溶媒に電解質が溶解してなる液体が用いられる。溶媒として用いられる有機物としては、一般に公知の電池電解液用の有機溶媒材料が用いられる。電解質としては、一般に公知の電池電解液用の電解質材料が用いられる。なお、液電池セルは、固体の電解質を一切含まなくてもよい。液電池セルは、素電池であってもよい。
【0040】
液電池セルは、X軸方向を厚み方向とする平たい直方体状(矩形板状)である。液電池セルのサイズは、例えば、Z軸方向(縦方向)の長さ約26.5mm、X軸方向(厚み方向)の長さ約1mm、Y方向(横方向)の長さ約148mmである。液電池セルは、他の形状、大きさであってもよい。
【0041】
固体電池セルは、固体の電解質を液電池セルよりも多く含む電池である。固体電池セルは、例えば、液体の電解質を一切含まない全固体電池である。固体の電解質としては、例えば、一般に公知の電池用の固体電解質材料が用いられる。固体の電解質は、無機であってもよく、また、有機であってもよい。固体電池セルは、素電池であってもよい。
【0042】
固体電池セルは、X軸方向を厚み方向とする平たい直方体状(矩形板状)である。固体電池セルのサイズは、例えば、Z軸方向(縦方向)の長さ約32.5mm、X軸方向(厚み方向)の長さ約1mm、Y方向(横方向)の長さ約154mmである。つまり、固体電池セルは、液電池セルよりも外形(体積)が大きい。固体電池セルは、他の形状、大きさであってもよい。
【0043】
なお、詳細については図示されないが、液電池セル及び固体電池セルのそれぞれは、電解質(電解液)が含まれる電解質層に加えて、正極層及び負極層を備える。電解質層は、正極層及び負極層の間に配置される。
【0044】
正極層は、金属イオン(例えば、リチウムイオン)を吸蔵及び放出できる正極活物質を含む。正極活物質としては、一般に公知の電池正極用の活物質材料が用いられる。
【0045】
負極層は、金属イオン(例えば、リチウムイオン)を吸蔵及び放出できる負極活物質を含む。負極活物質としては、一般に公知の電池負極用の活物質材料が用いられる。
【0046】
バッテリーケース30は、複数の液電池モジュール10及び複数の固体電池モジュール20を内部に収容する中空の筐体である。バッテリーケース30は、略直方体状である。バッテリーケース30は、金属材料によって形成されてもよいし、樹脂材料によって形成されてもよい。
【0047】
[液電池モジュール及び固体電池モジュールの配置]
バッテリーケース30内において、複数の液電池モジュール10及び複数の固体電池モジュール20は、主面同士が接触するように交互に配置されている。つまり、固体電池モジュール20は、液電池モジュール10に接して配置されている。例えば、1つの液電池モジュール10は、2つの固体電池モジュール20に挟まれている。1つの固体電池モジュール20は、2つの液電池モジュール10の間に、当該2つの液電池モジュール10の両方に接して配置される。なお、複数の液電池モジュール10の少なくとも一部が連続して並んでいてもよい。すなわち、2つの固体電池モジュール20に2以上の液電池モジュール10が挟まれていてもよく、また、電池モジュールの列の末端に2以上の液電池モジュール10が連続していてもよい。また、複数の固体電池モジュール20の少なくとも一部が連続して並んでいてもよい。すなわち、2つの液電池モジュール10に2以上の固体電池モジュール20が挟まれていてもよく、また、電池モジュールの列の末端に2以上の固体電池モジュール20が連続していてもよい。また、少なくとも一つの液電池モジュール10が固体電池モジュール20に接触していなくてもよい。バッテリーケース30内には、複数の液電池モジュール10及び複数の固体電池モジュール20を支える支持部材が設けられていてもよい。
【0048】
ここで、固体電池モジュール20は、液電池モジュール10よりも外形が一回り大きく、液電池モジュール10の側面からバッテリーケースの内面までの距離は、固体電池モジュール20の側面からバッテリーケースの内面までの距離よりも長い。したがって、図1Cに示されるように、主面に垂直な方向から見た場合、液電池モジュール10は、固体電池モジュール20に隠れるように配置されている。なお、液電池モジュール10の側面からバッテリーケース30の内面までの距離、及び、固体電池モジュール20の側面からバッテリーケース30の内面までの距離のそれぞれは、例えば、5mm以上である。
【0049】
以上の構成によれば、発火の可能性が高い液電池モジュール10の間に発火の可能性が低い固体電池モジュール20であって、液電池モジュール10よりも大きい固体電池モジュール20が配置されるため、固体電池モジュール20が防火壁として機能する。このため、液電池モジュール10の類焼が抑制された高い信頼性のバッテリーモジュール100を実現することができる。なお、固体電池モジュール20は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
【0050】
(実施の形態2)
[実施の形態2に係る、液電池モジュール及び固体電池モジュールの配置]
次に、実施の形態2に係るバッテリーモジュールについて説明する。図2Aは、実施の形態2に係るバッテリーモジュールをZ-X平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。図2Bは、実施の形態2に係るバッテリーモジュールのX-Y平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。図2Cは、実施の形態2に係るバッテリーモジュールのY-Z平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。なお、以下の実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明が行われ、既出事項についての説明は省略される。
【0051】
図2A図2Cに示されるように、実施の形態2に係るバッテリーモジュール101は、複数の液電池モジュール10と、複数の固体電池モジュール20と、複数の液電池モジュール10及び複数の固体電池モジュール20を収容するバッテリーケース30とを備える。バッテリーモジュール101は、液電池モジュール10及び固体電池モジュール20を少なくとも1つずつ備えればよい。バッテリーモジュール101が備える液電池モジュール10の数及び固体電池モジュール20の数は特に限定されない。
【0052】
バッテリーケース30内において、複数の液電池モジュール10及び複数の固体電池モジュール20は、主面同士が接触するように交互に配置されている。つまり、固体電池モジュール20は、液電池モジュール10に接して配置されている。例えば、1つの液電池モジュール10は、2つの固体電池モジュール20に挟まれている。
【0053】
ここで、固体電池モジュール20は、液電池モジュール10よりも一回り大きく、固体電池モジュール20の側面は、バッテリーケース30の内面に接している。なお、固体電池モジュール20は、バッテリーケース30と一体化されていてもよい。液電池モジュール10は、2つの固体電池モジュールの主面、及び、バッテリーケース30の内面によって囲まれた閉空間に配置される。なお、ここでの閉空間は、実質的に閉じた空間を意味し、密閉された空間であることは必須ではない。
【0054】
以上の構成によれば、発火の可能性が高い液電池モジュール10が発火の可能性が低い固体電池モジュール20及びバッテリーケース30によって形成された閉空間に配置されるため、一の液電池モジュール10が発火した場合に他の液電池モジュール10が類焼する可能性が非常に低い。つまり、液電池モジュール10の類焼が抑制された高い信頼性のバッテリーモジュール101を実現することができる。なお、複数の液電池モジュール10の少なくとも一部が連続して並んでいてもよい。すなわち、2つの固体電池モジュール20に2以上の液電池モジュール10が挟まれていてもよく、また、電池モジュールの列の末端に2以上の液電池モジュール10が連続していてもよい。この場合も、2以上の液電池モジュール10と他の液電池モジュール10との間の類焼が抑制できる。また、複数の固体電池モジュール20の少なくとも一部が連続して並んでいてもよい。すなわち、2つの液電池モジュール10に2以上の固体電池モジュール20が挟まれていてもよく、また、電池モジュールの列の末端に2以上の固体電池モジュール20が連続していてもよい。また、少なくとも一つの液電池モジュール10が固体電池モジュール20に接触していなくてもよい。バッテリーケース30内には、複数の液電池モジュール10及び複数の固体電池モジュール20を支える支持部材が設けられていてもよい。なお、固体電池モジュール20は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
【0055】
(実施の形態3)
[実施の形態3に係る、液電池モジュール及び固体電池モジュールの配置]
次に、実施の形態3に係るバッテリーモジュールについて説明する。図3Aは、実施の形態3に係るバッテリーモジュールをZ-X平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。図3Bは、実施の形態3に係るバッテリーモジュールのX-Y平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。図3Cは、実施の形態3に係るバッテリーモジュールのY-Z平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。なお、以下の実施の形態3では、実施の形態1及び2との相違点を中心に説明が行われ、既出事項についての説明は省略される。
【0056】
図3A図3Cに示されるように、実施の形態3に係るバッテリーモジュール102は、複数の液電池モジュール10と、固体電池モジュール22と、複数の液電池モジュール10及び固体電池モジュール22を収容するバッテリーケース30とを備える。バッテリーモジュール102は、液電池モジュール10を少なくとも1つ備えればよい。バッテリーモジュール102が備える液電池モジュール10の数は特に限定されない。
【0057】
固体電池モジュール22は、液電池モジュール10を包み込むように収容するための空間を形成しており、複数の液電池モジュール10のそれぞれは、空間に配置される。この空間は、液電池モジュール10の外形とほぼ等しい形状及び大きさである。この結果、固体電池モジュール22は、複数の液電池モジュール10のそれぞれの主面及び側面に接し、かつ、複数の液電池モジュール10のそれぞれの主面及び側面を覆っている。つまり、液電池モジュール10は、表面の全てを固体電池モジュール22によって覆われている。複数の液電池モジュール10は固体電池モジュール22に覆われているため、外部からは複数の液電池モジュール10を視認できない。なお、一の液電池モジュール10と他の液電池モジュール10との間には、固体電池モジュール22の一部が介在している。
【0058】
以上の構成によれば、発火の可能性が高い液電池モジュール10の全体が発火の可能性が低い固体電池モジュール22によって覆われているため、一の液電池モジュール10が発火した場合に他の液電池モジュール10が類焼する可能性が非常に低い。つまり、液電池モジュール10の類焼が抑制された高い信頼性のバッテリーモジュール102を実現することができる。なお、複数の液電池モジュール10の少なくとも一部が連続して並んでいてもよい。また、少なくとも一つの液電池モジュール10が固体電池モジュール20に接触していなくてもよい。バッテリーケース30内には、複数の液電池モジュール10及び固体電池モジュール20を支える支持部材が設けられていてもよい。固体電池モジュール20は、複数の素電池モジュールから構成されていてもよい。なお、固体電池モジュール22は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
【0059】
[実施の形態3に係るバッテリーモジュールの変形例]
バッテリーモジュール102においては、複数の液電池モジュール10のそれぞれの主面及び側面が1つの固体電池モジュール22に覆われたが、複数の液電池モジュール10のそれぞれの主面及び側面は、複数の固体電池モジュールによって覆われてもよい。図4は、このような実施の形態3の変形例1に係るバッテリーモジュールをZ-X平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。
【0060】
図4に示されるように、実施の形態3の変形例1に係るバッテリーモジュール102aは、複数の液電池モジュール10と、固体電池モジュール20と、複数の固体電池モジュール22aと、複数の液電池モジュール10、固体電池モジュール20、及び複数の固体電池モジュール22aを収容するバッテリーケース30とを備える。
【0061】
バッテリーモジュール102aにおいては、上記固体電池モジュール22は、複数の固体電池モジュール22a及び固体電池モジュール20によって実現されている。固体電池モジュール22aのそれぞれは、第1固体電池モジュール及び第2固体電池モジュールの一例であり、例えば、固体電池モジュール20と同様の電解質を有する。固体電池モジュール22aは、素電池モジュールであってもよい。
【0062】
固体電池モジュール22aのそれぞれは、液電池モジュール10が収容される凹部を有する。凹部は、液電池モジュール10の外形とほぼ等しい形状及び大きさである。一の固体電池モジュール22aの凹部に収容された液電池モジュール10の、当該一の固体電池モジュール22aに接していない主面は、他の固体電池モジュール22aの底面に接している。X軸方向においてX軸プラス側の端に位置する液電池モジュール10の固体電池モジュール22aに接していない主面は、直方体状の固体電池モジュール20の主面と接している。
【0063】
以上の構成によれば、発火の可能性が高い液電池モジュール10の全体が発火の可能性が低い固体電池モジュール20及び固体電池モジュール22aの少なくとも一方によって覆われているため、一の液電池モジュール10が発火した場合に他の液電池モジュール10が類焼する可能性が非常に低い。つまり、液電池モジュール10の類焼が抑制された高い信頼性のバッテリーモジュール102aを実現することができる。なお、複数の液電池モジュール10の少なくとも一部が連続して並んでいてもよい。すなわち、1つの固体電池モジュール22aの凹部に2以上の液電池モジュール10が収容されていてもよい。また、少なくとも一つの液電池モジュール10が固体電池モジュール22aに接触していなくてもよい。バッテリーケース30内には、複数の液電池モジュール10並びに複数の固体電池モジュール22a及び固体電池モジュール20を支える支持部材が設けられていてもよい。
【0064】
また、上記固体電池モジュール22は、バッテリーモジュール100に、液電池モジュール10の側面を覆う固体電池モジュールが追加されることによっても実現されてもよい。図5は、このような実施の形態3の変形例2に係るバッテリーモジュールをZ-X平面に平行な平面で切断した場合の模式断面図である。
【0065】
図5に示されるように、実施の形態3の変形例2に係るバッテリーモジュール102bは、複数の液電池モジュール10と、複数の固体電池モジュール20と、複数の固体電池モジュール22bと、複数の液電池モジュール10、複数の固体電池モジュール20、及び、複数の固体電池モジュール22bを収容するバッテリーケース30とを備える。
【0066】
バッテリーモジュール102bにおいては、複数の液電池モジュール10のそれぞれの側面が複数の固体電池モジュール22bによって覆われている。複数の固体電池モジュール22bのそれぞれは、第3固体電池モジュールの一例であり、例えば、固体電池モジュール20と同様の電解質を有する。固体電池モジュール22bは、素電池モジュールであってもよい。
【0067】
複数の固体電池モジュール22bのそれぞれは、2つの固体電池モジュール20の間であって、一の液電池モジュール10の側方に配置されている。固体電池モジュール22bは、1つの液電池モジュール10に対して、当該液電池モジュール10を四方から囲むように、四方に対応して4つ配置されているが、1つの液電池モジュール10に対して、当該液電池モジュール10の四方を囲む矩形環状の1つの固体電池モジュール22bが配置されてもよい。
【0068】
以上の構成によれば、発火の可能性が高い液電池モジュール10の全体が発火の可能性が低い固体電池モジュール20及び固体電池モジュール22bによって覆われているため、一の液電池モジュール10が発火した場合に他の液電池モジュール10が類焼する可能性が非常に低い。つまり、液電池モジュール10の類焼が抑制された高い信頼性のバッテリーモジュール102bを実現することができる。なお、複数の液電池モジュール10の少なくとも一部が連続して並んでいてもよい。すなわち、1つの固体電池モジュール22bが2以上の液電池モジュール10の側面を覆っていてもよい。また、少なくとも一つの液電池モジュール10が固体電池モジュール22bに接触していなくてもよい。バッテリーケース30内には、複数の液電池モジュール10並びに複数の固体電池モジュール22b及び複数の固体電池モジュール20を支える支持部材が設けられていてもよい。
【0069】
(実施の形態4)
図6は、実施の形態4係る乗り物の概略構成を示す説明図である。実施の形態4の乗り物160は、例えば、電気自動車である。乗り物160は、電気モータ161と、バッテリーモジュール162と、車輪163とを備えている。バッテリーモジュール162は、上述した実施の形態および変形例の何れかのバッテリーモジュールである。バッテリーモジュール162は、電気モータ161に電力を供給し、電気モータ161を駆動する。電気モータ161は車輪163を回転させ、これにより、乗り物160は移動する。乗り物160は、ハイブリッドカーなどの他の自動車であってもよい。また、乗り物160は、電車、飛行機、船など、他の乗り物であってもよい。
【0070】
以上の構成によれば、液電池モジュール10の類焼が抑制された高い信頼性のバッテリーモジュール162からの電力により電気モータ161を駆動するので、人や荷物を安全に移動させることができる。
【0071】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本開示は、このような実施の形態に限定されるものではない。その他、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、及び、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態1~4で説明された構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【0072】
例えば、本開示は、バッテリーパックとして実現されてもよい。バッテリーパックは、例えば、液電池モジュールまたは固体電池モジュールを2つ以上と、センサまたはコントローラ(言い換えれば、制御回路)等の周辺デバイスと、これらを収容するバッテリ-ケースとを備える。上記実施の形態において「バッテリーモジュール」の用語は、適宜、「バッテリーパック」に読み替えられてよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本開示は、信頼性の高いバッテリーモジュールとして有用である。
【符号の説明】
【0074】
10 液電池モジュール
20、22、22a、22b 固体電池モジュール
30 バッテリーケース
100、101、102、102a、102b、162 バッテリーモジュール
161 電気モータ
160 乗り物
163 車輪
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6