(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】位置管理システムおよび位置管理方法
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20230303BHJP
G01S 5/04 20060101ALN20230303BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
G01S5/04
(21)【出願番号】P 2018169754
(22)【出願日】2018-09-11
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今泉 賢
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/131168(WO,A1)
【文献】特開2003-042776(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0349674(US,A1)
【文献】特開平06-213991(JP,A)
【文献】特開2011-211336(JP,A)
【文献】特開2012-002734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00- 5/14,
G01S 19/00-19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に保持させた移動機と測位エリアに設置された固定機との間で測位用の電波を送受信することにより移動体の位置を測定する屋内測位システムによる測位結果を管理する位置管理システムであって、
位置管理装置を備え、
この位置管理装置は、
前記屋内測位システムで測定された各時刻の測定位置情報を記憶部に蓄積し、
前記移動機が配置された評価地点の位置に関する評価位置情報を取得し、
前記移動機が評価地点に配置されていた
、評価開始時刻から評価終了時刻までの期間である評価時間に関する評価時間情報を取得し、
前記評価時間情報に基づいて、前記記憶部に蓄積された各時刻の前記測定位置情報から、前記評価時間に含まれる時刻の前記測定位置情報を評価地点の測定位置情報として抽出し、
評価地点の測定位置情報と前記評価位置情報とを比較して、測定誤差を取得し、
その測定誤差に基づいて、各時刻の前記測定位置情報の異常を判定し、
その判定結果に基づいて、評価地点での異常出現率を算出し、
その異常出現率に基づいて、評価地点が測位不良地点か否かを判定することにより、評価地点における測位結果の信頼性に関する評価結果情報
として、評価地点が測位不良地点か否かに関する情報を生成することを特徴とする位置管理システム。
【請求項2】
さらに、前記移動体としての作業者が所持する評価条件入力装置を備え、
前記評価条件入力装置は、
測位エリアの地図を表示し、
その地図上で評価地点の位置を入力する作業者の操作を応じて、前記評価位置情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の位置管理システム。
【請求項3】
前記評価条件入力装置は、
評価地点ごとに前記評価時間を入力する作業者の操作を応じて、前記評価時間情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の位置管理システム。
【請求項4】
前記評価条件入力装置は、
タブレット端末であり、評価条件入力アプリケーションがインストールされることを特徴とする請求項2に記載の位置管理システム。
【請求項5】
前記位置管理装置は、
前記評価結果情報に基づいて、測位エリアの地図上に測位不良エリアを表示する評価結果画面を生成して、その評価結果画面を表示装置に表示させることを特徴とする請求項1に記載の位置管理システム。
【請求項6】
移動体に保持させた移動機と測位エリアに設置された固定機との間で測位用の電波を送受信することにより移動体の位置を測定する屋内測位システムによる測位結果を管理する位置管理方法であって、
前記屋内測位システムで測定された各時刻の測定位置情報を記憶部に蓄積し、
前記移動機が配置された評価地点の位置に関する評価位置情報を取得し、
前記移動機が評価地点に配置されていた
、評価開始時刻から評価終了時刻までの期間である評価時間に関する評価時間情報を取得し、
前記評価時間情報に基づいて、前記記憶部に蓄積された各時刻の前記測定位置情報から、前記評価時間に含まれる時刻の前記測定位置情報を評価地点の測定位置情報として抽出し、
評価地点の測定位置情報と前記評価位置情報とを比較して、測定誤差を取得し、
その測定誤差に基づいて、各時刻の前記測定位置情報の異常を判定し、
その判定結果に基づいて、評価地点での異常出現率を算出し、
その異常出現率に基づいて、評価地点が測位不良地点か否かを判定することにより、評価地点における測位結果の信頼性に関する評価結果情報
として、評価地点が測位不良地点か否かに関する情報を生成することを特徴とする位置管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内測位システムで測定された位置情報を管理する位置管理システムおよび位置管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System)などの衛星測位システムを利用して、人物などの移動体の現在位置を測定する技術が広く普及している。また、衛星測位システムは、屋外で利用できるが、衛星電波が届かない屋内では利用できないため、様々な測定原理による屋内測位システムが提案されている。
【0003】
このような屋内測位システムに関する技術として、人物が所持する受信機と、測位エリアに設置された発信機との間で、測位用の電波を送受信することにより、人物の現在位置を測定して、端末(スマートフォン)において、地図上に人物の現在位置を表示する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、移動体としての人物の位置情報を定期的に取得すると、その位置情報に基づいて人物の動線を取得することができ、この動線に基づいて人物の行動に関する分析を行うことができる。例えば、従業員、作業者、顧客などの人物の動線を取得して、その人物の行動に関する分析を行うと、その分析結果を業務の効率化やマーケティングなどに活用することができる。
【0006】
一方、測位エリア内に存在する壁、柱、棚などの障害物により、測位用の電波の反射や遮蔽が発生すると、測位用の電波を適切に受信できなくなり、十分な精度の測位結果が得られない測位不良が発生することがある。この場合、正確な動線を取得できないため、誤った分析結果が得られ、分析に支障が生じる。特に、測位用の電波の反射や遮蔽の状況は地点ごとに異なり、どこで測位不良が発生しているかわからない。そこで、各地点の測位結果の信頼性を評価して、どこで測位不良が発生しているかを把握できるようにする技術が望まれる。
【0007】
しかしながら、前記従来の技術では、屋内測位システムの測位結果の信頼性に関する考慮はなんらなされておらず、屋内測位システムの測位結果の信頼性を評価できないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、屋内測位システムによる各地点の測位結果の信頼性を効率よく評価することができる位置管理システムおよび位置管理方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の位置管理システムは、移動体に保持させた移動機と測位エリアに設置された固定機との間で測位用の電波を送受信することにより移動体の位置を測定する屋内測位システムによる測位結果を管理する位置管理システムであって、位置管理装置を備え、この位置管理装置は、前記屋内測位システムで測定された各時刻の測定位置情報を記憶部に蓄積し、前記移動機が配置された評価地点の位置に関する評価位置情報を取得し、前記移動機が評価地点に配置されていた、評価開始時刻から評価終了時刻までの期間である評価時間に関する評価時間情報を取得し、前記評価時間情報に基づいて、前記記憶部に蓄積された各時刻の前記測定位置情報から、前記評価時間に含まれる時刻の前記測定位置情報を評価地点の測定位置情報として抽出し、評価地点の測定位置情報と前記評価位置情報とを比較して、測定誤差を取得し、その測定誤差に基づいて、各時刻の前記測定位置情報の異常を判定し、その判定結果に基づいて、評価地点での異常出現率を算出し、その異常出現率に基づいて、評価地点が測位不良地点か否かを判定することにより、評価地点における測位結果の信頼性に関する評価結果情報として、評価地点が測位不良地点か否かに関する情報を生成する構成とする。
【0010】
また、本発明の位置管理方法は、移動体に保持させた移動機と測位エリアに設置された固定機との間で測位用の電波を送受信することにより移動体の位置を測定する屋内測位システムによる測位結果を管理する位置管理方法であって、前記屋内測位システムで測定された各時刻の測定位置情報を記憶部に蓄積し、前記移動機が配置された評価地点の位置に関する評価位置情報を取得し、前記移動機が評価地点に配置されていた、評価開始時刻から評価終了時刻までの期間である評価時間に関する評価時間情報を取得し、前記評価時間情報に基づいて、前記記憶部に蓄積された各時刻の前記測定位置情報から、前記評価時間に含まれる時刻の前記測定位置情報を評価地点の測定位置情報として抽出し、評価地点の測定位置情報と前記評価位置情報とを比較して、測定誤差を取得し、その測定誤差に基づいて、各時刻の前記測定位置情報の異常を判定し、その判定結果に基づいて、評価地点での異常出現率を算出し、その異常出現率に基づいて、評価地点が測位不良地点か否かを判定することにより、評価地点における測位結果の信頼性に関する評価結果情報として、評価地点が測位不良地点か否かに関する情報を生成する構成とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、屋内測位システムによる各地点の測位結果の信頼性を効率よく評価することができる。そして、その評価結果情報を分析者に提示することで、誤った分析が行われることを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る屋内測位システムおよびその位置管理システムの全体構成図
【
図2】作業者の評価条件入力作業の状況を示す説明図
【
図5】タブレット端末5の概略構成を示すブロック図
【
図6】タブレット端末5に表示される評価条件入力画面を示す説明図
【
図9】管理サーバ6で処理される各種の情報を示す説明図
【
図10】管理者端末7に表示される評価結果画面を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0013】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、移動体に保持させた移動機と測位エリアに設置された固定機との間で測位用の電波を送受信することにより移動体の位置を測定する屋内測位システムによる測位結果を管理する位置管理システムであって、位置管理装置を備え、この位置管理装置は、前記屋内測位システムで測定された各時刻の測定位置情報を記憶部に蓄積し、前記移動機が配置された評価地点の位置に関する評価位置情報を取得し、前記移動機が評価地点に配置されていた、評価開始時刻から評価終了時刻までの期間である評価時間に関する評価時間情報を取得し、前記評価時間情報に基づいて、前記記憶部に蓄積された各時刻の前記測定位置情報から、前記評価時間に含まれる時刻の前記測定位置情報を評価地点の測定位置情報として抽出し、評価地点の測定位置情報と前記評価位置情報とを比較して、測定誤差を取得し、その測定誤差に基づいて、各時刻の前記測定位置情報の異常を判定し、その判定結果に基づいて、評価地点での異常出現率を算出し、その異常出現率に基づいて、評価地点が測位不良地点か否かを判定することにより、評価地点における測位結果の信頼性に関する評価結果情報として、評価地点が測位不良地点か否かに関する情報を生成する構成とする。
【0014】
これによると、屋内測位システムによる各地点の測位結果の信頼性を効率よく評価することができる。そして、その評価結果情報を分析者に提示することで、誤った分析が行われることを避けることができる。また、管理者が、どこで測位不良が発生しているかを把握することができる。さらに、評価地点が測位不良地点か否かを精度よく判定することができる。
【0015】
また、第2の発明は、さらに、前記移動体としての作業者が所持する評価条件入力装置を備え、前記評価条件入力装置は、測位エリアの地図を表示し、その地図上で評価地点の位置を入力する作業者の操作を応じて、前記評価位置情報を取得する構成とする。
【0016】
これによると、評価位置情報を効率よく取得することができる。なお、この場合、作業者は、移動機とともに評価条件入力装置を所持して評価地点の位置で立ち止まり、現在位置を評価地点の位置として入力する操作を行えばよい。
【0017】
また、第3の発明は、前記評価条件入力装置は、評価地点ごとに前記評価時間を入力する作業者の操作を応じて、前記評価時間情報を取得する構成とする。
【0018】
これによると、評価時間情報を効率よく取得することができる。なお、この場合、作業者は、評価地点の位置で立ち止まったままで、現在時刻を評価時間(例えば、評価開始時刻および評価終了時刻)として入力する操作を行えばよい。
【0019】
また、第4の発明は、前記評価条件入力装置は、タブレット端末であり、評価条件入力アプリケーションがインストールされる構成とする。
【0020】
これによると、汎用的なタブレット端末で必要な操作および情報生成を行うことができる。
【0025】
また、第5の発明は、前記位置管理装置は、前記評価結果情報に基づいて、測位エリアの地図上に測位不良エリアを表示する評価結果画面を生成して、その評価結果画面を表示装置に表示させる構成とする。
【0026】
これによると、管理者が、どこで測位不良が発生しているかを容易に把握することができる。
【0027】
また、第6の発明は、移動体に保持させた移動機と測位エリアに設置された固定機との間で測位用の電波を送受信することにより移動体の位置を測定する屋内測位システムによる測位結果を管理する位置管理方法であって、前記屋内測位システムで測定された各時刻の測定位置情報を記憶部に蓄積し、前記移動機が配置された評価地点の位置に関する評価位置情報を取得し、前記移動機が評価地点に配置されていた、評価開始時刻から評価終了時刻までの期間である評価時間に関する評価時間情報を取得し、前記評価時間情報に基づいて、前記記憶部に蓄積された各時刻の前記測定位置情報から、前記評価時間に含まれる時刻の前記測定位置情報を評価地点の測定位置情報として抽出し、評価地点の測定位置情報と前記評価位置情報とを比較して、測定誤差を取得し、その測定誤差に基づいて、各時刻の前記測定位置情報の異常を判定し、その判定結果に基づいて、評価地点での異常出現率を算出し、その異常出現率に基づいて、評価地点が測位不良地点か否かを判定することにより、評価地点における測位結果の信頼性に関する評価結果情報として、評価地点が測位不良地点か否かに関する情報を生成する構成とする。
【0028】
これによると、第1の発明と同様に、屋内測位システムによる各地点の測位結果の信頼性を効率よく評価することができる。
【0029】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係る屋内測位システムおよびその位置管理システムの全体構成図である。
【0031】
屋内測位システムは、測位対象となる移動体(人物や各種の装置)の位置を測定するものであり、発信機1(移動機)と、受信機2(固定機)と、測位サーバ3(測位装置)と、を備えている。
【0032】
発信機1は、移動体に保持される。この発信機1は、測位用の電波(ビーコン)を発信する。
【0033】
受信機2は、測位エリア内の適所に複数設置される。この受信機2は、発信機1から送信される測位用の電波を受信する。
【0034】
測位サーバ3は、PC(情報処理装置)で構成される。この測位サーバ3は、受信機2による測位用の電波の受信状況に基づいて、移動体(発信機1)の位置を測定する。
【0035】
位置管理システムは、タブレット端末5(評価条件入力装置)と、管理サーバ6(位置管理装置)と、管理者端末7(表示装置)と、を備えている。
【0036】
タブレット端末5は、作業者(移動体)が発信機1とともに所持する。このタブレット端末5には、作業者が現在位置を評価位置として入力する評価条件入力アプリケーションがインストールされる。なお、タブレット端末5の代わりにスマートフォンやノート型PCなどを用いるようにしてもよい。
【0037】
管理サーバ6は、PC(情報処理装置)で構成される。この管理サーバ6は、測位サーバ3から取得した作業者(移動体)の測定位置情報と、タブレット端末5から取得した評価位置情報とに基づいて、測位エリア内の各地点における測位結果の信頼性(精度)を評価する処理を行う。
【0038】
管理者端末7は、管理者が操作するものである。この管理者端末7では、測位結果の信頼性に関する評価結果情報が管理サーバ6から配信され、管理者が評価結果を確認することができる。なお、管理者端末7は、PCやタブレット端末とすればよいが、管理サーバ6に接続されるモニタに評価結果を表示するようにしてもよい。
【0039】
次に、
図2も用いて作業者の評価条件入力作業について説明する。
図2は、作業者の評価条件入力作業の状況を示す説明図である。
【0040】
作業者は、発信機1とタブレット端末5とを所持する。タブレット端末5には、測位エリア(現場)の地図が表示される。作業者は、タブレット端末5に表示された地図を参照して測定エリア内を移動し、評価地点に到達すると、その位置で立ち止まり、タブレット端末5で現在位置を評価位置として入力する操作を行う。また、作業者は、評価時間(評価開始時刻および評価終了時刻)を入力する操作を行う。このとき、作業者は、評価時間の間、評価地点に静止したままとする。作業者は、複数の評価地点に順次移動しながら、評価地点ごとに、評価位置および評価時間を入力する操作を繰り返す。タブレット端末5では、作業者の入力操作で取得した評価位置情報および評価時間情報を管理サーバ6に送信する。
【0041】
なお、評価地点は、所定間隔(例えば1m)をおいて設定すればよい。また、障害物が多く電波状況が悪いと想定される地点を評価地点に設定するようにしてもよい。
【0042】
また、測位エリアには、受信機2が設置されている。受信機2は、作業者が所持する発信機1からの測位用の電波を受信すると、電波情報(測位用の電波の受信状況に関する情報)を測位サーバ3に送信し、測位サーバ3では、電波情報に基づいて作業者(発信機1)の位置情報を取得して、その位置情報を管理サーバ6に送信する。
【0043】
管理サーバ6では、タブレット端末5から受信した評価時間情報に基づいて、評価時間に測定された発信機1の位置情報(測定位置情報)、すなわち、発信機1が評価地点に配置された状態で測定された位置情報を、測位サーバ3から取得した発信機1の位置情報の中から抽出する。そして、タブレット端末5から取得した評価位置情報と測定位置情報とを比較して測定誤差を算出して、その測定誤差に基づいて、各評価地点での測位結果の信頼性を評価し、各評価地点が測位不良地点か否かを判定する。
【0044】
次に、屋内測位システムの測位原理について説明する。
図3は、屋内測位システムの測位原理を示す説明図である。
【0045】
測位エリアには複数の受信機2が設置されており、各受信機2において、移動体に保持された発信機1が発信する電波を受信する。このとき、各受信機2で電波到来方向を検出して、その電波到来方向と基準方向とのなす電波到来角度α,βを算出すると、この電波到来角度α,βは発信機1の位置に応じて変化することから、電波到来角度α,βと、受信機2の位置情報とに基づいて、発信機1の位置を推定することができる。
【0046】
このような屋内測位システムでは、発信機1から直接到来する電波(直接波)を受信機2が受信する他に、壁や柱などで反射した電波(反射波)を受信機2が受信する場合があり、受信機2では直接波と反射波とを識別できないため、反射波に基づいて測位が行われると、誤った測位結果が得られる。
【0047】
また、発信機1と受信機2と間に障害物があると、受信機2で発信機1の電波を受信できないため、測位ができなくなる。また、発信機1の近傍にある受信機2で発信機1の電波を受信できない場合でも、発信機1から遠く離れた受信機2で発信機1の電波を受信することで、測位ができる場合もあるが、この場合、電波到来角度の精度が低くなるため、精度の高い測位結果が得られない。
【0048】
なお、本実施形態では、屋内測位システムにおいて、発信機1が発信する測位用の電波を受信機2で受信したときの電波到来角度に基づいて測位を行うようにしたが、このような測位原理に限定されるものではなく、公知の測位原理を採用すればよい。また、本実施形態では、発信機1(移動機)が移動体(人物など)に保持され、受信機2(固定機)が測位エリア内の適所に複数設置されるが、発信機と受信機とが逆となる場合がある。すなわち、発信機が測位エリア内の適所に複数設置され、受信機が移動体に保持される場合がある。
【0049】
次に、測位サーバ3の概略構成について説明する。
図4は、測位サーバ3の概略構成を示すブロック図である。
【0050】
測位サーバ3は、入出力部11と、通信部12と、記憶部13と、制御部14と、を備えている。
【0051】
入出力部11は、受信機2に接続される。本実施形態では、受信機2から出力される電波情報(電波到来角度など)が入力される。
【0052】
通信部12は、管理サーバ6との間で通信を行う。本実施形態では、制御部14で取得した測定位置情報を管理サーバ6に送信する。
【0053】
記憶部13は、受信機2の位置情報を記憶する。また、記憶部13は、制御部14を構成するプロセッサで実行されるプログラムなどを記憶する。
【0054】
制御部14は、測位部21を備えている。この制御部14は、プロセッサで構成され、測位部21は、記憶部13に記憶されたプログラムをプロセッサで実行することで実現される。
【0055】
測位部21は、受信機2から取得した電波情報(電波到来角度など)と、記憶部13に記憶された受信機2の位置情報とに基づいて、発信機1の位置を推定して、発信機1の位置情報(測定位置情報)を取得する。
【0056】
次に、タブレット端末5の概略構成について説明する。
図5は、タブレット端末5の概略構成を示すブロック図である。
【0057】
タブレット端末5は、通信部31と、表示入力部32と、記憶部33と、制御部34と、を備えている。
【0058】
通信部31は、管理サーバ6との間で通信を行う。本実施形態では、制御部34で取得した評価位置情報(評価地点の位置情報)および評価時間情報(評価開始時刻および評価終了時刻)を管理サーバ6に送信する。
【0059】
表示入力部32は、表示パネル35とタッチパネル36とを一体化したタッチパネルディスプレイで構成される。
【0060】
記憶部33は、測位エリアの地図情報および座標情報を記憶する。また、記憶部33は、制御部34を構成するプロセッサで実行されるプログラムなどを記憶する。
【0061】
制御部34は、地図登録部41と、表示制御部42と、入力制御部43と、評価位置取得部44と、評価時間取得部45と、を備えている。この制御部34は、プロセッサで構成され、制御部34の各部は、記憶部33に記憶されたプログラム(評価条件入力アプリケーション)をプロセッサで実行することで実現される。
【0062】
地図登録部41は、測定エリアの地図情報および座標情報を評価条件入力アプリケーションに登録する。地図情報は、測定エリアのレイアウトを表す配置図などの画像情報である。座標情報は、表示パネル35に表示された地図上の位置を表す座標と、測定エリア(現場)内の位置を表す座標とを対応付ける情報である。この地図登録処理は、事前に行われ、地図情報および座標情報が記憶部33に記憶される。
【0063】
表示制御部42は、評価条件入力画面(
図6参照)を表示パネル35に表示する。このとき、記憶部33に記憶された地図情報に基づいて、測定エリアの地図を評価条件入力画面に表示する。
【0064】
入力制御部43は、タッチパネル36上で作業者がタッチ操作した位置(タッチ位置)を検出して、そのタッチ位置に基づいて、作業者による画面操作を検知する。本実施形態では、評価地点の位置を入力する操作や、評価時間(評価開始時刻および評価終了時刻)を入力するボタン操作を検知する。
【0065】
評価位置取得部44は、入力制御部43において評価地点の位置を入力する操作を検知すると、そのときのタッチ位置に基づいて、評価地点の位置情報(評価位置情報)を取得する。このとき、記憶部33に記憶された座標情報に基づいて、画面上のタッチ位置の座標から、測定エリア(現場)内の評価地点の座標を取得する。
【0066】
評価時間取得部45は、入力制御部43において評価時間を入力するボタン操作を検知すると、そのボタン操作に応じて、評価時間情報(評価開始時刻および評価終了時刻)を取得する。
【0067】
次に、タブレット端末5に表示される評価条件入力画面について説明する。
図6は、タブレット端末5に表示される評価条件入力画面を示す説明図である。
【0068】
タブレット端末5では、評価条件入力画面が表示パネル35に表示される。この評価条件入力画面は、作業者が評価条件として、評価地点の位置および評価時間(評価開始時刻および評価終了時刻)を入力するものであり、この評価条件入力画面には、地図表示部51と、評価開始ボタン52と、評価終了ボタン53と、経過時間表示部54と、が設けられている。
【0069】
地図表示部51には、測定エリアの地図(現地マップ)が表示される。地図上の任意の位置をタッチ操作すると、その位置(タッチ位置)が評価地点の位置として入力され、評価地点の位置を表すマーク55が地図上に表示される。また、マーク55の近傍には、評価地点の座標が記載された表示枠56が表示される。これにより、入力した評価地点の位置に誤りがないかを作業者が確認することができる。
【0070】
評価開始ボタン52を操作すると、現在時刻が評価開始時刻に設定され、評価開始時刻からの経過時間の計時が開始される。評価終了ボタン53を操作すると、経過時間の計時を終了して、現在時刻が評価終了時刻に設定される。なお、経過時間の計時を開始すると、評価開始ボタン52がグレーアウト表示されて操作不能となり、経過時間の計時を終了すると、評価終了ボタン53がグレーアウト表示されて操作不能となる。
【0071】
経過時間表示部54には、評価開始ボタン52を操作した時点(評価開始時刻)からの経過時間が表示される。作業者は、経過時間表示部54に表示される時間が評価時間に達すると、評価終了ボタン53を操作する。これにより、作業者が任意の長さの評価時間を入力することができる。
【0072】
なお、本実施形態では、評価終了ボタン53を操作するタイミングにより、評価時間(評価開始時刻から評価終了時刻までの時間)を調整することができる。また、評価時間が一定である場合には、評価開始ボタン52を操作した時点(評価開始時刻)から評価時間が経過した時点を評価終了時刻としてもよい。この場合、評価終了ボタン53を省略することができる。また、地図上で評価地点の位置を入力した時点を評価開始時刻としてもよい。この場合、評価開始ボタン52を省略することができる。
【0073】
次に、タブレット端末5の動作手順について説明する。
図7は、タブレット端末5の動作手順を示すフロー図である。
【0074】
タブレット端末5では、まず、作業者が評価条件入力アプリケーションを起動する操作を行うと、表示制御部42において、評価条件入力画面(
図6参照)を表示パネル35に表示する(ST101)。このとき、記憶部33に記憶された地図情報に基づいて、評価条件入力画面上に測位エリアの地図を表示する。作業者は、評価条件入力画面に表示された測位エリアの地図を参照して、評価地点まで移動し、評価地点に到着すると、地図上の評価地点の位置をタッチ操作して、評価地点の位置を入力する。
【0075】
ここで、入力制御部43において、作業者による評価地点の位置を入力する操作を検知すると(ST102でYes)、評価位置取得部44において、作業者が入力した評価地点の位置情報(評価位置情報)を取得する(ST103)。
【0076】
次に、表示制御部42において、評価地点の位置を表すマーク55を評価条件入力画面上に表示する(ST104)。ここで、作業者は、評価位置に誤りがないかを確認する。
【0077】
次に、入力制御部43において、作業者による評価開始ボタン52(
図6参照)の操作を検知すると(ST105でYes)、評価時間取得部45において、現在時刻を評価開始時刻として取得する(ST106)。このとき、評価時間取得部45において、評価開始ボタン52を操作した時点(評価開始時刻)からの経過時間の計時を開始し、表示制御部42において、評価条件入力画面上に経過時間を表示する。
【0078】
次に、入力制御部43において、作業者による評価終了ボタン53の操作を検知すると(ST107でYes)、評価時間取得部45において、現在時刻を評価終了時刻として取得する(ST108)。このとき、作業者は、評価条件入力画面に表示された経過時間を確認して、経過時間が評価時間に達したタイミングで評価終了ボタン53を操作する。
【0079】
次に、通信部31において、評価位置取得部44で取得した評価位置情報と、評価時間取得部45で取得した評価時間情報(評価開始時刻および評価終了時刻)とを管理サーバ6に送信する(ST109)。
【0080】
以上の処理は、全ての評価地点での処理が完了するまで繰り返される。
【0081】
次に、管理サーバ6の概略構成について説明する。
図8は、管理サーバ6の概略構成を示すブロック図である。
図9は、管理サーバ6で処理される各種の情報を示す説明図である。
【0082】
図8に示すように、管理サーバ6は、通信部61と、記憶部62と、制御部63と、を備えている。
【0083】
通信部61は、測位サーバ3、タブレット端末5、および管理者端末7との間で通信を行う。本実施形態では、測位サーバ3から常時定期的に送信される各時刻の測定位置情報を受信する(
図9(A)参照)。また、タブレット端末5から送信される評価位置情報および評価時間情報(評価開始時刻および評価終了時刻)を受信する(
図9(B)参照)。また、制御部63で生成した評価結果画面(
図10参照)の表示情報を管理者端末7に送信する。
【0084】
記憶部62は、測位サーバ3から受信した測定位置情報を逐次蓄積する。また、記憶部62は、タブレット端末5から受信した評価位置情報および評価時間情報(評価開始時刻および評価終了時刻)を記憶する。また、記憶部62は、制御部63を構成するプロセッサで実行されるプログラムなどを記憶する。
【0085】
制御部63は、測定位置情報抽出部71と、信頼性評価部72と、評価結果提示部73と、を備えている。この制御部63は、プロセッサで構成され、制御部63の各部は、記憶部62に記憶されたプログラムをプロセッサで実行することで実現される。
【0086】
測定位置情報抽出部71は、評価時間情報に基づいて、記憶部62に蓄積された各時刻の測定位置情報の中から、評価時間に含まれる時刻の測定位置情報を、評価地点の測定位置情報として抽出する。この評価地点の測定位置情報は、発信機1が評価地点に配置された状態で測定された発信機1の位置情報である。
【0087】
信頼性評価部72は、評価地点ごとの測位結果の信頼性を評価するものであり、測定誤差取得部81と、測定異常判定部82と、統計処理部83と、測位不良地点判定部84と、を備えている。
【0088】
測定誤差取得部81は、測定位置情報抽出部71で取得した評価地点の測定位置情報と、タブレット端末5から取得した評価位置情報とに基づいて、各時刻の測定位置情報の測定誤差を取得する。具体的には、次式のように、測定誤差ε、すなわち、測定位置(X
M,Y
M)と評価位置(X
E,Y
E)とのずれ量を算出する。これにより、
図9(C)に示すように、各時刻の測定位置情報の測定誤差が得られる。
【数1】
【0089】
測定異常判定部82は、測定誤差取得部81で取得した各時刻の測定位置情報の測定誤差に基づいて、各時刻の測定位置情報が異常か否かを判定する。具体的には、測定誤差を所定のしきい値と比較して、測定誤差がしきい値以上となる場合に、異常と判定する。これにより、
図9(C)に示すように、各時刻の測定位置情報が異常か否かの判定結果が得られる。
【0090】
なお、この測定位置情報の異常の判定基準となるしきい値は、適宜に設定すればよいが、例えば、しきい値を通常誤差の4倍とすると、通常誤差が0.5mである場合には、しきい値は2mに設定される。
【0091】
統計処理部83は、測定異常判定部82の判定結果に基づいて、評価時間に含まれる全ての時刻の測定位置情報のうち、異常と判定された測定位置情報の占める割合(異常出現率)を評価地点ごとに算出する。これにより、
図9(D)に示すように、評価地点ごとの異常出現率が得られる。この異常出現率は、評価地点の測位結果の信頼性を評価する評価基準となる。
【0092】
測位不良地点判定部84は、統計処理部83で取得した評価地点ごとの異常出現率に基づいて、評価地点の測位結果の信頼性を評価する。本実施形態では、測位結果の信頼性に関する評価として、各評価地点が、信頼性の高い測位結果が得られる地点(測位良好地点)か、信頼性の高い測位結果が得られない地点(測位不良地点)かを判定する。具体的には、異常出現率を所定のしきい値と比較して、異常出現率がしきい値以上となる場合に、測位不良地点と判定する。これにより、
図9(D)に示すように、評価地点ごとの評価結果が得られる。
【0093】
なお、この測位不良地点の判定基準となるしきい値は、適宜に設定すればよいが、例えば30%とする。ここで、例えば、評価時間を1分間とし、測定間隔を1秒間とした場合、評価時間内に測定が60回行われ、60個の測定位置情報が得られるが、このうちの20個の測定位置情報が異常とすると、異常出現率は33.3%となり、しきい値の30%以上となるため、測位不良地点と判定する。
【0094】
また、本実施形態では、測位エリアを格子状に分割した評価単位エリア(
図10参照)ごとに測位結果の信頼性を評価する。すなわち、各評価単位エリアが、信頼性の高い測位結果が得られるエリア(測位良好エリア)か、信頼性の高い測位結果が得られないエリア(測位不良エリア)かを判定する。これにより、
図9(E)に示すように、評価単位エリアごとの評価結果が得られる。
【0095】
このとき、1つの評価単位エリアに1つの評価地点がある場合には、その評価地点の異常出現率を評価単位エリアの異常出現率に採用する。一方、1つの評価単位エリアに複数の評価地点がある場合には、評価地点ごとの異常出現率を平均化して、評価単位エリアの異常出現率を取得すればよい。また、評価地点ごとの異常出現率のうちの最大値を評価単位エリアの異常出現率に採用するようにしてもよい。
【0096】
評価結果提示部73は、信頼性評価部72の評価結果に基づいて、評価結果画面(
図10参照)を生成して、その評価結果画面の表示情報を通信部61から管理者端末7に送信する。これにより、管理者端末7で評価結果画面が表示され、管理者が評価結果を確認することができる。
【0097】
次に、管理者端末7に表示される評価結果画面について説明する。
図10は、管理者端末7に表示される評価結果画面を示す説明図である。
【0098】
管理者端末7では、管理サーバ6から配信される評価結果画面が表示される。この評価結果画面では、測位エリアの地図上に評価単位エリアごとの評価結果が表示される。
図10に示す例では、信頼性の高い測位結果が得られるエリア(測位良好エリア)と、信頼性の高い測位結果が得られないエリア(測位不良エリア)とが、色分けして表示される。これにより、管理者が、測位良好エリアと測位不良エリアとを即座に判別することができる。
【0099】
なお、本実施形態では、評価単位エリアごとの評価結果を測位エリアの地図上に表示するようにしたが、評価結果の一覧表(
図9(E)参照)を表示するようにしてもよい。
【0100】
次に、管理サーバ6の動作手順について説明する。
図11は、管理サーバ6の動作手順を示すフロー図である。
【0101】
管理サーバ6では、
図11(A)に示すように、通信部61において、測位サーバ3から送信される測定位置情報を受信すると(ST201)、その測定位置情報を記憶部62に蓄積する(ST202)。このとき、測位サーバ3では、常時、所定の時間間隔で定期的に発信機1の測位を行って、各時刻の測定位置情報を順次送信し、管理サーバ6では、各時刻の測定位置情報を逐次受信する。
【0102】
また、管理サーバ6では、
図11(B)に示すように、通信部61において、タブレット端末5から送信される各評価地点の評価位置情報および評価時間情報(評価開始時刻および評価終了時刻)を受信すると(ST211)、その評価位置情報および評価時間情報を記憶部62に蓄積する。
【0103】
なお、各評価地点の評価位置情報および評価時間情報は、各評価地点での作業者の入力操作に応じてタブレット端末5から管理サーバ6に逐次送信されるようにしてもよいが、全ての評価地点での作業者の入力操作が終了した後に、全ての評価地点の評価位置情報および評価時間情報をまとめて送信するようにしてもよい。また、評価位置情報および評価時間情報を適宜な記憶媒体を介してタブレット端末5から管理サーバ6に転送するようにしてもよい。
【0104】
次に、測定位置情報抽出部71において、評価時間情報に基づいて、記憶部62に蓄積された各時刻の測定位置情報の中から、評価時間に含まれる時刻の測定位置情報を、評価地点の測定位置情報として抽出する(ST212)。
【0105】
次に、測定誤差取得部81において、評価地点ごとに、各時刻の測定位置情報と評価位置情報とに基づいて、各時刻の測定位置情報の測定誤差を取得する(ST213)。
【0106】
次に、測定異常判定部82において、評価地点ごとに、各時刻の測定位置情報の測定誤差に基づいて、各時刻の測定位置情報が異常か否かを判定する(ST214)。
【0107】
次に、統計処理部83において、評価地点ごとに、異常な測定位置情報が出現する割合(異常出現率)を算出する(ST215)。この異常出現率は、評価時間に含まれる全ての時刻の測定位置情報のうち、異常と判定された測定位置情報の占める割合である。
【0108】
次に、測位不良地点判定部84において、評価地点ごとの異常出現率に基づいて、各評価地点が測位不良地点か否かを判定する(ST216)。このとき、測位エリアを格子状に分割した評価単位エリアごとの評価結果を提示する場合には、各評価単位エリアに含まれる評価地点ごとの異常出現率に基づいて、各評価単位エリアが測位不良エリアか否かを判定する。
【0109】
次に、評価結果提示部73において、評価地点(評価単位エリア)ごとの評価結果を表示する評価結果画面(
図10参照)を生成して、その評価結果画面の表示情報を通信部61から管理者端末7に送信する(ST217)。これにより、管理者端末7に評価結果画面が表示され、管理者が評価結果を確認することができる。
【0110】
このように本実施形態では、屋内測位システムの測位結果の信頼性に関する評価結果を、管理者や分析者に提示することができる。このため、評価結果を考慮して分析を行う、例えば、測位不良地点の測位結果を分析対象から除外することで、誤った分析が行われることを避けることができる。また、屋内測位システムを導入して、その運用を開始する際に、各地点の測位結果の信頼性を評価することで、受信機2の増設や設置位置の変更などの屋内測位システムの見直しが可能になり、測位不良地点が少ない屋内測位システムを構築することができる。
【0111】
ところで、本実施形態では、作業者が評価地点に立ち止まって、現在位置を評価位置としてタブレット端末5に入力するようにしたが、タブレット端末5により、評価位置で立ち止まるように作業者に指示するようにしてもよい。具体的には、評価位置の順番を予め設定しておき、順番にしたがってタブレット端末5で評価位置を指示し、作業者は、指示された評価位置で立ち止まって評価時間(評価開始時刻および評価終了時刻)を入力する操作を行う。このようにしても、評価位置ごとの評価時間の情報を取得することができる。
【0112】
また、タブレット端末5により、予め設定された評価時間(評価開始時刻から評価終了時刻までの間)に評価位置で立ち止まるように作業者に指示するようにしてもよい。この場合、評価時間(評価開始時刻および評価終了時刻)をタブレット端末5に表示するとともに、タブレット端末5に現在時刻を表示し、作業者は、指示された評価位置で立ち止まり、現在時刻を見ながら、指示された評価時間の間中、その位置に立ち止まったままの状態を保持する。
【0113】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明に係る位置管理システムおよび位置管理方法は、屋内測位システムによる各地点の測位結果の信頼性を効率よく評価することができる効果を有し、屋内測位システムで測定された位置情報を管理する位置管理システムおよび位置管理方法などとして有用である。
【符号の説明】
【0115】
1 発信機(移動機)
2 受信機(固定機)
3 測位サーバ(測位装置)
5 タブレット端末(評価条件入力装置)
6 管理サーバ(位置管理装置)
7 管理者端末(表示装置)
11 入出力部
12 通信部
13 記憶部
14 制御部
21 測位部
31 通信部
32 表示入力部
33 記憶部
34 制御部
61 通信部
62 記憶部
63 制御部