(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/52 20060101AFI20230303BHJP
H01Q 21/28 20060101ALI20230303BHJP
H01Q 21/08 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
H01Q1/52
H01Q21/28
H01Q21/08
(21)【出願番号】P 2019061474
(22)【出願日】2019-03-27
【審査請求日】2021-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥田 敏浩
(72)【発明者】
【氏名】津村 晃一
(72)【発明者】
【氏名】飯田 雄貴
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-101334(JP,A)
【文献】特表2006-527941(JP,A)
【文献】特開2011-151560(JP,A)
【文献】米国特許第07391375(US,B1)
【文献】特表2016-523491(JP,A)
【文献】特開2017-041879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1以上の平板状のエレメントを有する第1のアンテナと、
少なくとも1以上の平板状のエレメントを有する第2のアンテナと、
前記第1のアンテナが第1の給電点を介して接続され、かつ、前記第2のアンテナが第2の給電点を介して接続される地板と、を備え、
前記第1のアンテナを構成するエレメントの平板面に対する前記第2のアンテナを構成するエレメントの平板面のなす角度は略直角であ
り、
前記第1の給電点は、前記地板の第1の長辺に設けられ、前記第2の給電点は、前記地板の第2の長辺の角部または角部近傍に設けられ、前記第1の長辺における前記第1の給電点の位置は、前記第2の長辺における前記第2の給電点の位置よりも前記第1の長辺の中央側に設けられることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記第1のアンテナは、平板状の第1のエレメントと平板状の第2のエレメントとを備え、前記第2のアンテナは、平板状の第3のエレメントと平板状の第4のエレメントとを備え、前記第1のエレメントの平板面に対する前記第3のエレメントの平板面、および、前記第4のエレメントの平板面のなす角度は略直角であり、かつ、前記第2のエレメントの平板面に対する前記第3のエレメントの平板面、および、前記第4のエレメントの平板面のなす角度は略直角であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記第3のエレメントは一方の端部において前記地板と接続され、前記第3のエレメントの他方の端部は、前記地板の存在する領域と重なる位置にないことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記地板は略矩形形状を有し、前記第1のアンテナに対する第1の給電点は、前記地板の第1の長辺において前記第1のエレメント、および、前記第2のエレメントとの間の位置に設けられ、前記第2のアンテナに対する第2の給電点は、前記地板の第2の長辺において前記第3のエレメント、および、前記第4のエレメントとの間の位置に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記地板は、前記第2の長辺が伸びる方向に凸部を備え、前記第2の給電点は、前記凸部に設けられることを特徴とする請求項
1に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記第1の給電点と前記第2の給電点との間の距離は、前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナが放射する電波の波長をλとしたとき、0.07λ以上0.09λ以下であることを特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線システムにおいて通信速度を向上させる技術の一つとして、複数のアンテナを用いて通信を行うMIMO(Multiple Input Multiple Output)の技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、矩形の基板と、基板の1つの短辺に配置された2つの逆Fアンテナと、基板の両長辺にそれぞれ配置された2つのスリット型モノポールアンテナを備えたMIMOアンテナ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示されるアンテナ装置では、同一の基板のグラウンド面に複数のアンテナが配置されるため、アンテナ間の相互結合によりアンテナ効率が低下し、相関係数を小さくできない可能性がある。
【0006】
これを防止するため、例えば、基板を大きくすることが考えられるが、この場合はアンテナ装置が大きくなり、装置の小型化が困難となる。
【0007】
本開示は、小型化を実現しつつ、アンテナ性能を高めることが可能なアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係るアンテナ装置は、少なくとも1以上の平板状のエレメントを有する第1のアンテナと、少なくとも1以上の平板状のエレメントを有する第2のアンテナと、第1のアンテナが第1の給電点を介して接続され、かつ、第2のアンテナが第2の給電点を介して接続される地板と、を備え、第1のアンテナを構成するエレメントの平板面に対する第2のアンテナを構成するエレメントの平板面のなす角度は略直角であり、前記第1の給電点は、前記地板の第1の長辺に設けられ、前記第2の給電点は、前記地板の第2の長辺の角部または角部近傍に設けられ、前記第1の長辺における前記第1の給電点の位置は、前記第2の長辺における前記第2の給電点の位置よりも前記第1の長辺の中央側に設けられる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、小型化を実現しつつ、アンテナ性能を高めることが可能なアンテナ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】左右対称な構成を有するアンテナ装置の構成の一例を示す図
【
図1B】左右対称ではない本実施の形態にかかるアンテナ装置の構成の一例を示す図
【
図3】2つのアンテナ装置におけるアンテナ間の相関係数と電波の周波数との間の関係を示す図
【
図4】2つのアンテナ装置における第1のアンテナのアンテナ効率と電波の周波数との間の関係を示す図
【
図5】2つのアンテナ装置における第2のアンテナのアンテナ効率と電波の周波数との間の関係を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1Aは、左右対称な構成を有するアンテナ装置1の構成の一例を示す図、
図1Bは、左右対称ではない本実施の形態にかかるアンテナ装置10の構成の一例を示す図である。また、
図2は、本実施の形態にかかるアンテナ装置10の平面図である。
【0013】
図1Aに示すアンテナ装置1は、第1のアンテナ2、第2のアンテナ3、および、地板4を備える。
【0014】
地板4は、略矩形状の形状を有しており、第1の長辺6a、第2の長辺6b、第1の短辺7a、および、第2の短辺7bで囲まれている。
【0015】
そして、第1のアンテナ2は、地板4の第1の長辺6aの側に、第2のアンテナ3は、地板4の第2の長辺6bの側に設けられている。
【0016】
また、第1のアンテナ2は、第1のエレメント2aと第2のエレメント2bとを備える。第1のエレメント2aは、第1の長辺6aの第1の短辺7aの側に設けられ、第2のエレメント2bは、第1の長辺6aの第2の短辺7bの側に設けられる。
【0017】
第1のエレメント2aおよび第2のエレメント2bは、平板状のアンテナエレメントである。第1のエレメント2aは、第1の短辺7aの側にある端部が折れ曲がり、L字状となっている。また、第1のエレメント2aと第2のエレメント2bとは同一平面上に配置されている。
【0018】
また、第1のエレメント2aと第2のエレメント2bとは、蛇行する導体部分を含む第1の接続部材4aを介して接続されている。この導体部分は、第1のエレメント2aと第2のエレメント2bとが位置する同一平面内で蛇行している。
【0019】
そして、第1のアンテナ2に対する第1の給電点5aは、第1の長辺6aにおいて第1のエレメント2a、および、第2のエレメント2bとの間の位置に設けられている。
【0020】
また、第2のアンテナ3は、第3のエレメント3aと第4のエレメント3bとを備える。第3のエレメント3aは、第2の長辺6bの第1の短辺7aの側に設けられ、第4のエレメント3bは、第2の長辺6bの第2の短辺7bの側に設けられる。
【0021】
第3のエレメント3aおよび第4のエレメント3bは、平板状のアンテナエレメントである。第3のエレメント3aは、第1の短辺7aの側にある端部が折れ曲がり、L字状となっている。また、第3のエレメント3aと第4のエレメント3bとは同一平面上に配置されている。
【0022】
また、第3のエレメント3aと第4のエレメント3bとは、蛇行する導体部分を含む第2の接続部材4bを介して接続されている。この導体部分は、第3のエレメント3aと第4のエレメント3bとが位置する同一平面内で蛇行している。
【0023】
そして、第2のアンテナ3に対する第2の給電点5bは、第2の長辺6bにおいて第3のエレメント3a、および、第4のエレメント3bとの間の位置に設けられている。
【0024】
このアンテナ装置1は、地板4の中心線に関して左右対称となっている。
【0025】
一方、
図1Bおよび
図2に示すアンテナ装置10は、第1のアンテナ11、第2のアンテナ12、および、地板13を備える。なお、
図2では、地板13の形状がわかるように、第2のアンテナ12により隠れている部分が点線で示されている。
【0026】
図1Bに示すアンテナ装置10は、第1のアンテナ11、第2のアンテナ12、および、地板13を備える。
【0027】
地板13は、略矩形状の形状を有しており、第1の長辺16a、第2の長辺16b、第1の短辺17a、および、第2の短辺17bで囲まれている。
【0028】
そして、第1のアンテナ11は、地板13の第1の長辺16aの側に、第2のアンテナ12は、地板13の第2の長辺16bと第2の短辺17bの側に設けられている。
【0029】
また、第1のアンテナ11は、第1のエレメント11aと第2のエレメント11bとを備える。第1のエレメント11aは、第1の長辺16aの第1の短辺17aの側に設けられ、第2のエレメント11bは、第1の長辺16aの第2の短辺17bの側に設けられる。
【0030】
第1のエレメント11aおよび第2のエレメント11bは、平板状のアンテナエレメントである。第1のエレメント11aは、第1の短辺17aの側にある端部が折れ曲がり、L字状となっている。また、第1のエレメント11aと第2のエレメント11bとは同一平面上に配置されている。
【0031】
また、第1のエレメント11aと第2のエレメント11bとは、蛇行する導体部分を含む第1の接続部材14aを介して接続されている。この導体部分は、第1のエレメント11aと第2のエレメント11bとが位置する同一平面内で蛇行している。
【0032】
そして、第1のアンテナ11に対する第1の給電点15aは、第1の長辺16aにおいて第1のエレメント11aと第2のエレメント11bとの間の位置に設けられている。
【0033】
また、第2のアンテナ12は、第3のエレメント12aと第4のエレメント12bとを備える。第3のエレメント12aは、第2の長辺16bの第2の短辺17bの側に設けられ、第4のエレメント12bは、第2の短辺17bの側に設けられる。
【0034】
第3のエレメント12aは、平板状のアンテナエレメントである。第3のエレメント12aは、第1のアンテナ11の第1のエレメント11a、および、第2のエレメント11bの平板面と第3のエレメント12aの平板面との間のなす角度が直角になるように配置されている。
【0035】
なお、必ずしも厳密に直角に配置されていなければ本発明の作用効果が得られないというものではなく、一定の誤差は許容され得ることは言うまでもない。すなわち、第1のエレメント11a、および、第2のエレメント11bの平板面と第3のエレメント12aの平板面との間のなす角度は略直角に設けられていればよい。
【0036】
第4のエレメント12bも、平板状のアンテナエレメントである。第4のエレメント12bは、第1のアンテナ11の第1のエレメント11a、および、第2のエレメント11bの平板面と第4のエレメント12bの平板面との間のなす角度が直角になるように配置されている。
【0037】
すなわち、第1のエレメント11a、および、第2のエレメント11bの平板面と第4のエレメント12bの平板面との間のなす角度も厳密に直角に配置されている必要はなく、略直角に設けられていればよい。なお、以下で用いられる直角という表現についても同様である。
【0038】
図1Bの例では、第3のエレメント12aは、第3のエレメント12aの平板面が地板13と平行となっており、第4のエレメント12bは、第1のエレメント11a、第2のエレメント11b、地板13、および、第3のエレメント12aの平板面と直角になるよう配置されている。
【0039】
また、第3のエレメント12aと第4のエレメント12bとは、蛇行する導体部分を含む第2の接続部材14bを介して接続されている。この導体部分は、第1のエレメント11aおよび第2のエレメント11bと平行で、第3のエレメント12aおよび第4のエレメント12bと直交する平面内で蛇行している。
【0040】
なお、これは、アンテナ装置の構成の一例であって、例えば、第1のアンテナ11における第2のエレメント11bを備えていない構成や第2のアンテナ12における第4のエレメント12bを備えていない構成であってもよい。
【0041】
そして、第2のアンテナ12に対する第2の給電点15bは、地板13の第2の長辺16bにおいて第3のエレメント12aと第4のエレメント12bとの間の位置に設けられている。
【0042】
このアンテナ装置10は、地板13の中心線に関して左右対称となっていない。
【0043】
一般的にアンテナ装置を大型化させることができればアンテナ性能を向上させることは容易だが、アンテナ装置10をこのような構成とすることにより、
図1Aに示したアンテナ装置1と比べて、アンテナ装置1のサイズを維持したまま、アンテナ性能の性能を高めることが可能となる。以下に、本実施形態にかかるアンテナ装置10のアンテナ性能について説明する。
【0044】
図3は、2つのアンテナ装置1,10におけるアンテナ間の相関係数と電波の周波数との間の関係を示す図である。
図4は、2つのアンテナ装置1,10における第1のアンテナのアンテナ効率と電波の周波数との間の関係を示す図である。
図5は、2つのアンテナ装置1,10における第2のアンテナのアンテナ効率と電波の周波数との間の関係を示す図である。
【0045】
図3~
図5において、記号Aは、
図1Aに示したアンテナ装置1のシミュレーション結果を示しており、記号Bは、
図1Bに示したアンテナ装置10のシミュレーション結果を示している。
【0046】
図3に示すように、788~880MHzの帯域では、アンテナ装置1の相関係数よりもアンテナ装置10の相関係数が小さくなる。
【0047】
また、
図4に示すように、788~880MHzの帯域では、アンテナ装置10の方がアンテナ装置1よりも第1のアンテナ2,11のアンテナ効率はよくなるか、おおよそ同等となる。
【0048】
さらに、
図5に示すように、788~880MHzの帯域では、高い周波数領域においてアンテナ装置10よりもアンテナ装置1の方が、第2のアンテナ3,12のアンテナ効率がよくなるものの、低い周波数領域においてはアンテナ装置10の方がアンテナ装置1よりも第2のアンテナ12のアンテナ効率がよくなる。
【0049】
このように、全体としてみれば、アンテナ装置10の方がアンテナ装置1よりもアンテナ性能が高まっているといえる。
【0050】
図1Bに示したアンテナ装置10の性能が改善される理由は、第1のアンテナ11の平板面に対する第2のアンテナ12の平板面のなす角度が直角であることにより、アンテナ装置10の電流分布および放射パターンの対称性が、
図1Aに示したような左右対称な構成を有するアンテナ装置1の電流分布および放射パターンの対称性よりも崩れるためである。
【0051】
アンテナ装置10をこのような構成とすることにより、
図1Aに示したアンテナ装置1よりも大きさが大きくなることを防ぎつつ、アンテナ性能を高めることができる。
【0052】
なお、
図2に示すように、地板13が第2の長辺16bが伸びる方向に凸部を備えており、第2の給電点15bがその凸部に設けられることとしてもよい。これによりアンテナ性能をさらに向上させることができる。
【0053】
また、
図2に示した平面図おいて、地板13と接続されている第3のエレメント12aの端部と反対側の端部は、地板13が存在する領域と重なる位置にないように配置されている。
【0054】
この端部が地板13の存在する領域と重なると、地板13に第3のエレメント12aに流れる電流と逆相の電流が生じ、アンテナ性能の向上を妨げることになる。
【0055】
そのため、
図2に示すように、第3のエレメント12aは、地板13と接続されている端部と反対側の他方の端部が地板13の存在する領域と重なる位置にないように設けるようにしてもよい。これにより、アンテナ性能をさらに向上させることができる。
【0056】
さらに、
図2に示すように、第2の給電点15bは、地板13の第2の長辺16bの角部に設けられ、第1の長辺16aにおける第1の給電点15aの位置は、第2の長辺16bにおける第2の給電点15bの位置よりも第1の長辺16aの中央側に設けられることとしてもよい。
【0057】
なお、第2の給電点15bが設けられる位置は、必ずしも厳密に角部に配置されていなければ本発明の作用効果が得られないというものではなく、一定の誤差が許容されることは言うまでもない。すなわち、第2の給電点15bは、地板13の第2の長辺16bの角部近傍に設けられていればよい。
【0058】
ここで、例えば、第1の給電点15aと第2の給電点15bとを地板13の略対角上に配置した場合のシミュレーション結果において、第1のアンテナ11のアンテナ効率が劣化することが判明している。この結果から、第1の給電点15aと第2の給電点15bとを、その間の距離が所定の範囲内の位置関係となるように配置した場合に著しく性能が向上するといえる。
【0059】
より具体的には、第1のアンテナ11、および、第2のアンテナ12が放射する周波数が700MHzから900MHzの電波の波長をλとしたとき、第1の給電点15aと第2の給電点15bとの間の距離Dは、0.07λ以上0.09λ以下であることとしてもよい。
【0060】
また、第1のアンテナ11、および、第2のアンテナ12が放射する周波数が700MHzから900MHzの電波の波長をλとしたとき、距離Dは、地板13の矩形状の部分の長さLの略0.4倍としてもよい。
【0061】
また、第1のアンテナ11、および、第2のアンテナ12が放射する周波数が700MHzから900MHzの電波の波長をλとしたとき、距離Dは、地板13の矩形状の部分の幅Wの略1.5倍としてもよい。
【0062】
また、第1のアンテナ11、および、第2のアンテナ12が放射する周波数が700MHzから900MHzの電波の波長をλとしたとき、距離Dは、第2の短辺17bから第1の給電点15aまでの距離Xの略2倍としてもよい。
【0063】
これらのいずれかの構成を採用することにより、さらにアンテナ性能を向上させることができる。
【0064】
なお、上記実施の形態では、アンテナ装置10の第1のエレメント11aがL字状に折れ曲がっていることとしたが、第1のエレメント11aは折れ曲がりのない平板であってもよい。
【0065】
また、第1のアンテナ11は、第1のエレメント11aと第2のエレメント11bとを備え、第2のアンテナ12は、第3のエレメント12aと第4のエレメント12bとを備えることとしたが、第2のエレメント11bおよび第4のエレメント12bはなくてもよい。
【0066】
さらに、第1のエレメント11aと第2のエレメント11bとは、蛇行する導体部分を含む第1の接続部材14aを介して接続されていることとしたが、蛇行する導体部分を含まなくともよい。
【0067】
同様に、第3のエレメント12aと第4のエレメント12bとは、蛇行する導体部分を含む第2の接続部材14bを介して接続されていることとしたが、蛇行する導体部分を含まなくともよい。
【0068】
また、第3のエレメント12aと第4のエレメント12bとは、蛇行する導体部分を含む第2の接続部材14bを介して接続されており、この導体部分が、第1のエレメント11aおよび第2のエレメント11bと平行で、第3のエレメント12aおよび第4のエレメント12bと直交する平面内で蛇行していることとしたが、第4のエレメント12bと平行で、第1のエレメント11a、第2のエレメント11b、および、第3のエレメント12aと直交する平面内で蛇行することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本開示に係るアンテナ装置は、複数のアンテナを用いて通信を行うアンテナ装置に適用するのに好適である。
【符号の説明】
【0070】
1,10 アンテナ装置
2,11 第1のアンテナ
2a,11a 第1のエレメント
2b,11b 第2のエレメント
3,12 第2のアンテナ
3a,12a 第3のエレメント
3b,12b 第4のエレメント
4,13 地板
5a,15a 第1の給電点
5b,15b 第2の給電点
6a,16a 第1の長辺
6b,16b 第2の長辺
7a,17a 第1の短辺
7b,17b 第2の短辺