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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】音楽照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/175 20200101AFI20230303BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20230303BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20230303BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
H05B47/175
H04R3/00 310
H04R1/02 103F
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019005755
(22)【出願日】2019-01-17
(65)【公開番号】P2020113522
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】万波 寛明
(72)【発明者】
【氏名】密島 康一
(72)【発明者】
【氏名】山原 大輔
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-199407(JP,A)
【文献】特開2015-149710(JP,A)
【文献】特開2017-080290(JP,A)
【文献】特開2014-093204(JP,A)
【文献】特開2017-212096(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0302286(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
F21V 23/00-99/00
H04R 1/00-1/14
1/42-1/46
3/00-3/14
H03J 9/00-9/06
H04Q 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明シーンに対応する照明光を出射可能な照明器具と、
音楽を出力するスピーカーと、
前記照明シーンを切り替えるための操作装置と、
前記操作装置の操作に基づく前記照明シーンの切り替えと連動して、前記スピーカーから出力される前記音楽を変更または停止させるように構成された制御部と、
を備え、
前記操作装置が、照明シーンの切り替え操作および消灯操作を行うことができる専用リモコンを含み、
前記照明シーンの切り替えを、人に操作される操作部及び前記照明器具に操作信号を送信する送信部を有する操作端末でも行うことができるようになっており、
前記操作端末は、前記専用リモコンと異なると共に前記操作装置に含まれ、
前記専用リモコンには、消灯ボタンおよび前記照明シーンの切り替えボタンが設けられ、
前記専用リモコンにより操作可能な前記照明器具のグループが複数存在し、
前記消灯ボタンの通常操作と異なる前記消灯ボタンの特定操作が実行されたときは、全ての前記グループの前記照明器具を一括で消灯させる、あるいは前記切り替えボタンの通常操作と異なる前記切り替えボタンの特定操作が実行されたときは、全ての前記グループの前記照明器具の前記照明シーンの切り替えを一括で行うように構成されたリモコン制御部を備える、音楽照明システム。
【請求項2】
複数の照明シーンに対応する照明光を出射可能な照明器具と、
音楽を出力するスピーカーと、
前記照明シーンを切り替えるための操作装置と、
前記操作装置の操作に基づく前記照明シーンの切り替えと連動して、前記スピーカーから出力される前記音楽を変更または停止させるように構成された制御部と、
を備え、
前記操作装置が、照明シーンの切り替え操作および消灯操作を行うことができる専用リモコンを含み、
前記照明シーンの切り替えを、人に操作される操作部及び前記照明器具に操作信号を送信する送信部を有する操作端末でも行うことができるようになっており、
記操作端末は、前記専用リモコンと異なると共に前記操作装置に含まれ、
前記操作端末が表示した前記照明シーン毎に曲を設定するための操作画面を用いた人の前記照明シーン毎の前記曲の設定に基づいて前記照明シーン毎の前記曲の設定ができるようになっている、音楽照明システム。
【請求項3】
複数の照明シーンに対応する照明光を出射可能な照明器具と、
音楽を出力するスピーカーと、
前記照明シーンを切り替えるための操作装置と、
前記操作装置の操作に基づく前記照明シーンの切り替えと連動して、前記スピーカーから出力される前記音楽を変更または停止させるように構成された制御部と、
を備え、
前記操作装置が、照明シーンの切り替え操作および消灯操作を行うことができる専用リモコンを含み、
前記照明シーンの切り替えを、人に操作される操作部及び前記照明器具に操作信号を送信する送信部を有する操作端末でも行うことができるようになっており、
記操作端末は、前記専用リモコンと異なると共に前記操作装置に含まれ、
前記照明シーンの切り替えと連動して前記スピーカーから出力される前記音楽が自動的に変更される連動モードを実行させるか否かを、人が前記操作部による設定操作に基づいて選択できるようになっている、音楽照明システム。
【請求項4】
前記スピーカーは、前記照明器具に搭載されている、請求項1から3のいずれか1つに記載の音楽照明システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記照明器具が消灯状態とされたとき、あるいは前記照明シーンが特定のシーンに切り替えられたときに、前記音楽の出力を停止させる、請求項1から4のいずれか1つに記載の音楽照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、音楽照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リラックスし易い照明シーン、映画の視聴に適した照明シーン、勉強に適した照明シーンなど、複数の照明シーンに対応する照明光を出射可能に構成された照明装置が知られている。また、音楽を出力するスピーカーを備えた照明装置も知られている。例えば、特許文献1には、天井等に取り付けられる装置であって、スピーカーに照明手段が一体化されたオーディオ装置が開示されている。また、特許文献1には、照明を暗くした場合に、照明の光量に応じてスピーカーの音量を下げる手段が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-35133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スピーカーを備えた照明装置、或いは照明手段を備えたオーディオ装置において、再生される音楽はユーザーの操作により任意に変更できる。照明シーンの切り替えが可能である場合、ユーザーは照明シーンを切り替えた際に、スピーカーから流れる音楽をそのシーンに合った音楽に変更することが想定される。このとき、従来の装置では、照明シーンの切り替え操作と、音楽の再生操作を行わなければならず、使い勝手が悪い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様である音楽照明システムは、複数の照明シーンに対応する照明光を出射可能な照明器具と、音楽を出力するスピーカーと、照明シーンを切り替えるための操作装置と、操作装置の操作に基づく照明シーンの切り替えと連動して、スピーカーから出力される音楽を変更または停止させるように構成された制御部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る音楽照明システムによれば、照明シーンの切り替えによって、そのシーンに合った音楽が自動再生される。或いは、照明シーンの切り替えによって、音楽の再生が自動的に停止される。このため、照明シーンの切り替え操作の度に、そのシーンに合った音楽を選択して再生または停止の操作を行う必要がなく、ユーザーの負担が大きく軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の一例である音楽照明システムを示す図である。
図2】実施形態の一例である音楽照明システムの変形例を示す図である。
図3】実施形態の一例である音楽照明システムの構成を示すブロック図である。
図4】実施形態の一例である音楽照明システムにおいて、照明シーンの切り替えに関する制御手順を示すフローチャートである。
図5】実施形態の一例である音楽照明システムにおいて、専用リモコンによる消灯操作に関する制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る音楽照明システムの実施形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下で説明する実施形態に限定されない。
【0009】
本開示の装置およびシステムの主体は、コンピュータを備える。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示の装置およびシステムの主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって上記機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、集積回路(IC)または大規模集積回路(LSI)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されていてもよく、複数のチップに設けられていてもよい。複数のチップは、1つの機器に集約されていてもよく、複数の機器に備えられていてもよい。また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記憶媒体に記憶される。プログラムは、記憶媒体に予め格納されていてもよく、インターネット等を含む広域通信網を介して記憶媒体に供給されてもよい。
【0010】
図1は、実施形態の一例である音楽照明システム10を示す図である。図1に例示するように、音楽照明システム10は、複数の照明シーンに対応する照明光を出射可能な照明器具11と、照明シーンを切り替えるための操作装置とを備える。また、音楽照明システム10は、音楽を出力するスピーカーを備える。図1に例示する形態では、操作装置として、操作端末20および専用リモコン30を備え、スピーカーとして、照明器具11に搭載されたスピーカー13を備える。
【0011】
音楽照明システム10は、照明シーンの切り替えと連動して、スピーカー13から出力される音楽を変更または停止するように構成された制御部を備える。本実施形態では、操作端末20に当該機能を有する制御部23(後述の図3参照)が設けられている。なお、当該制御部の機能は、照明器具11に設けられていてもよく、専用リモコン30に設けられていてもよい。
【0012】
音楽照明システム10は、さらに、照明器具40,41を備える。照明器具11,40,41は、例えば部屋の天井に設置される。図1に示す例では、照明器具11がスピーカー13付きのシーリングライト、照明器具40が天井に埋め込まれたダウンライト、照明器具41がダクトレールを備えたスポットライトまたはペンダントライトである。なお、音楽照明システム10を構成する照明器具は、照明器具11,40,41に限定されず、例えばラインライトやフロアライト、アッパーライトなどであってもよい。
【0013】
音楽照明システム10には、操作端末20および専用リモコン30により操作可能な照明器具のグループが複数含まれていてもよい。各グループを構成する照明器具は1つであってもよく、複数であってもよく、グループ毎にまたは照明器具毎に操作可能である。また、操作端末20および専用リモコン30により操作可能な照明器具のグループは、リビング、ダイニング、キッチン、寝室など、複数の場所に存在してもよい。照明器具11,40,41は、共同して照明シーンを演出する1つのグループを構成していてもよく、別々のグループを構成していてもよい。音楽照明システム10では、照明器具11のみにスピーカー13が搭載されているが、照明器具40,41にスピーカーが搭載されていてもよい。
【0014】
図2は、音楽照明システム10の変形例である音楽照明システム10Xを示す図である。図2に例示する音楽照明システム10Xでは、照明器具40,41,42のいずれにもスピーカーが搭載されておらず、照明器具と別の機器としてスピーカー43が設けられている。スピーカー43は、音楽照明システム10Xの専用スピーカーであってもよく、他の機器またはシステムのスピーカーとして兼用されるものであってもよい。この場合も、制御部23の機能により、操作端末20の操作に基づく照明シーンの切り替えと連動して、スピーカー43から出力される音楽が自動的に変更または停止される。
【0015】
以下、図3図5をさらに参照しながら、音楽照明システム10を構成するスピーカー13付きの照明器具11、操作端末20、および専用リモコン30について、詳説する。図3は、音楽照明システム10の構成を示すブロック図である。なお、以下で説明する構成は、音楽照明システム10Xにも適用できる。
【0016】
図3に例示するように、照明器具11は、光源ユニット12と、スピーカー13と、操作端末20および専用リモコン30の操作信号を受信する受信部14とを備える。また、照明器具11は、光源ユニット12に電力を供給する点灯回路15と、スピーカー13に伝送される電気信号(音源信号)を増幅するアンプ16と、器具側制御部17(以下、単に「制御部17」とする)とを備える。操作端末20および専用リモコン30の操作信号は、例えばブルートゥース(登録商標)通信、ZigBee(登録商標)通信、Wi-Fi(登録商標)通信、赤外線通信等の近距離無線通信により送信される。
【0017】
光源ユニット12は、複数の照明シーンに対応する照明光を出射可能に構成され、一般的に複数の光源で構成される。光源ユニット12は、例えば半導体発光素子で構成される。好適な半導体発光素子は、LED(Light Emitting Diode)である。照明器具11は、例えば略直方体形状の器具本体、および器具本体の幅方向両側から張り出した2枚のパネルを有し、器具本体からセンター光を、パネルからパネル光をそれぞれ出射可能である。点灯回路15は、例えば抵抗素子、容量素子等を含む定電流回路である。点灯回路15は、制御部17から出力される制御信号に基づいて作動し、各照明シーンに対応する点灯モード、明るさ等に基づき光源ユニット12に供給する電力を制御する。
【0018】
スピーカー13には、フルレンジスピーカーを用いることが好ましい。スピーカー13は、例えば、ネオジウムマグネットを用いたスピーカーユニットを有する。スピーカー13は、バスレフポートを有するバスレフ型であってもよい。照明器具11には、器具本体の長手方向両側に2つのスピーカー13が設置されているが、スピーカー13の数や配置、仕様は特に限定されない。アンプ16は、目的とする出力等に応じて適宜選定でき、その仕様等は特に限定されない。
【0019】
制御部17は、受信部14を介して取得した操作信号に基づいて制御信号を生成し、当該信号を点灯回路15およびアンプ16に出力するように構成されている。つまり、制御部17は、操作端末20および専用リモコン30の操作信号に基づき、点灯回路15を介して光源ユニット12を制御し、アンプ16を介してスピーカー13を制御する。なお、アンプ16には、制御信号と共に音源信号が出力される。受信部14および後述の送信部22は、上記近距離無線通信方式を用いて無線データ通信を行うための無線モジュールである。スピーカー13およびアンプ16を含むスピーカーモジュールは、操作端末20から直接、音源信号を受信する無線モジュールを有していてもよい。
【0020】
制御部17は、例えばマイクロコンピュータで構成され、演算処理部であるプロセッサ(CPU)、RAM、ROM等で構成される記憶部、および入出力ポートなどを有する。CPUは、記憶部に予め記憶された制御プログラムを読み出して実行する機能を有する。一般的に、制御部17の機能は制御プログラムを実行することで実現される。記憶部は、CPUの処理に使用される情報等を一時的に記憶する機能と、制御プログラム、各種設定情報等を記憶する機能とを有する。
【0021】
操作端末20は、ユーザーにより操作される操作部21と、照明器具11,40,41に操作信号を送信する送信部22と、操作部21の操作に基づく操作信号を生成する制御部23とを備える。制御部23で生成された操作信号は、送信部22を介して照明器具11等に送信される。制御部23は、制御部17と同様にマイクロコンピュータで構成され、CPU、記憶部27等を有する。制御部23は、例えば、操作部21の操作によりONとなるスイッチのトリガー信号を処理して当該操作に対応する操作信号を生成する。
【0022】
操作端末20の好適な一例は、スマートフォンである。操作端末20は、タッチパネル28(図1参照)を備え、操作部21は音楽照明システム10を起動して操作画面を開いたときにタッチパネル28に表示される。操作部21は、例えば操作画面に表示される、各照明シーンを表す複数のアイコンである。なお、操作端末20はスマートフォンに限定されず、タブレット端末、パソコンなどであってもよい。本実施形態では、スピーカー13から出力される音楽の再生、停止は操作端末20によって操作され、専用リモコン30は照明シーンの切り替え操作のみを行うことができる。
【0023】
制御部23は、照明シーンを切り替えるための照明シーン切り替え手段24と、スピーカー13から音楽を出力する、またはスピーカー13から出力されている音楽を停止させるための音楽再生停止手段25とを備える。スピーカー13から出力される音楽のデータ(音源)は、例えば操作端末20に記憶されている。制御部23の各手段の機能は、操作端末20にインストールされたアプリケーションソフトウェア(応用ソフト、または単にアプリとも呼ばれる)により実行されることが好ましい。
【0024】
照明シーン切り替え手段24は、操作部21による照明シーンの切り替え操作に基づいて、当該操作に対応する操作信号(以下、「操作信号S1」とする)を生成し、送信部22を介して照明器具11,40,41に出力する。タッチパネル28は、操作部21(アイコン)を押下することでONになるスイッチを有する。照明シーン切り替え手段24は、照明シーンの切り替え操作が実行されたときに、当該操作によりONとなるスイッチのトリガー信号を処理し、操作信号S1を生成する。
【0025】
照明シーンの例としては、リラックスし易い照明シーン(くつろぎ)、映画の視聴に適した照明シーン(シアター)、勉強に適した照明シーン(勉強)、食事や会話、読書、テレビの視聴等に適した照明シーン(だんらん)などが挙げられる。シーリングライト、ラインライト、およびフロアライトを含むグループ1において、各照明シーンにおける各照明器具の点灯モードの一例を表1に示す。なお、ユーザーによる照明シーンの設定が可能であってもよい。
【0026】
【表1】
【0027】
制御部23は、さらに、照明シーン毎に再生する音楽を設定するための音楽設定手段26を備える。音楽設定手段26は、例えば、操作端末20のタッチパネル28に照明シーン毎に曲を設定するための設定画面を表示させる。ユーザーは当該設定画面で照明シーン毎に再生したい曲を設定でき、音楽設定手段26はユーザーの設定操作に基づく音楽設定情報を記憶部27に記憶させる。音楽設定情報には、照明シーン毎に再生される曲だけでなく、音量、音質等の情報が含まれていてもよい。
【0028】
音楽設定手段26によって設定される照明シーン毎の音楽設定情報の一例を表2に示す。1つの照明シーンに複数の曲が設定されてもよく、異なる照明シーンにおいて同じ曲が設定されてもよい。また、消灯状態(シーン番号6:消灯専用)では音楽の再生を停止するものとし、音楽設定手段26による任意の設定ができない構成としてもよい。一方で、任意に設定できるシーン(例えば、シーン番号2)を消灯に設定し、曲Aの再生を行ってもよい。この場合、日中、消灯状態で音楽を再生したい時にはシーン番号2を選択し、外出時や就寝時に音楽再生を停止したい時はシーン番号6を選択する等、消灯を使い分けることができる。
【0029】
【表2】
【0030】
音楽照明システム10では、制御部23の機能により、照明シーンの切り替えと連動してスピーカー13から出力される音楽(曲)が自動的に変更されるが、当該制御モード(以下、「連動モード」とする)の実行はユーザーにより選択可能であることが好ましい。制御部23は、例えば、操作部21による制御モードの設定操作に基づいて、連動モードのON/OFFを実行するように構成されていてもよい。
【0031】
音楽再生停止手段25は、操作部21による音楽の再生や停止、音量変更等の操作に基づいて、当該操作に対応する操作信号を生成し、送信部22を介して照明器具11に出力する。さらに、音楽再生停止手段25は、照明シーンの切り替えと連動して、スピーカー13から出力される音楽を変更または停止させる。音楽再生停止手段25は、例えば、照明シーンの切り替え操作に基づく信号(スイッチONによるトリガー信号)、または照明シーン切り替え手段24により操作信号S1が生成されたときに、照明シーン毎に予め定められた音楽を再生させるための操作信号(以下、「操作信号S2」とする)を生成する。
【0032】
音楽再生停止手段25は、上記連動モードがONである場合に、操作信号S2を生成、出力するように構成されていてもよい。即ち、連動モードがONである場合は、照明シーンの切り替えと連動して、スピーカー13から出力される音楽が自動的に変更または停止される。他方、連動モードをOFFにすれば、照明シーンの切り替えと、スピーカー13からの音楽の再生等を独立に操作することができる。
【0033】
音楽再生停止手段25は、照明シーンの切り替え操作に基づいて、音楽設定手段26によって予め設定された音楽設定情報を読み出し、切り替えられた照明シーンに対応する音楽を再生させる操作信号S2を生成、出力する。音源が操作端末20に記憶されている場合、音楽再生停止手段25は、送信部22を介して操作信号S2と共に音源信号を照明器具11に送信する。なお、音源は、音楽設定手段26による曲の設定時等において照明器具11に送信され、照明器具11に予め記憶されていてもよい。
【0034】
音楽再生停止手段25は、例えば照明シーンがくつろぎシーンからだんらんシーンに切り替えられる場合、当該切り替え操作に基づくトリガー信号、または操作信号S1を取得したことを条件として、スピーカー13から出力されていた曲Aを曲Bに変更する。具体的には、曲Bを再生するための操作信号S2を生成し、曲Bの音源信号と共に送信部22を介して照明器具11に出力する。
【0035】
制御部23は、照明器具11等が消灯状態とされたとき、および照明シーンが特定のシーンに切り替えられたときに、音楽の出力を停止させることが好ましい。音楽再生停止手段25は、例えば照明シーンが勉強シーン、シアターシーン等の特定のシーンに切り替えられるときに音楽が再生されている場合、その音楽を停止させるための信号を出力する。また、音楽再生停止手段25は、照明器具11等の消灯操作に基づいて、当該操作時に音楽が再生されている場合、その音楽を停止させるための信号を出力する。
【0036】
専用リモコン30は、照明シーンの切り替え操作および消灯操作のみを行う操作装置であって、照明シーン切り替えボタン31および消灯ボタン32を備える。また、専用リモコン30は、照明シーン切り替えボタン31および消灯ボタン32の操作に基づく操作信号を生成、出力するためのリモコン制御部33および送信部(図示せず)を備える。照明シーン切り替えボタン31は、例えば設定可能な照明シーンの数と同数設けられる。専用リモコン30は、操作対象の照明グループを選択するためのグループ選択ボタン(図示せず)を備えていてもよい。
【0037】
リモコン制御部33は、消灯ボタン32の通常操作と異なる特定操作が実行されたときに、全てのグループの照明器具を消灯させるように構成されていてもよい。ここで、通常操作とは一般的に行われる操作態様(短押し操作)を意味し、特定操作とは所定時間を超える長押し操作、所定時間内の複数回操作など、通常操作と区別される特殊な操作態様を意味する。リモコン制御部33は、例えば消灯ボタン32の通常操作に基づいて、選択された特定のグループの照明器具を消灯させるための操作信号を出力し、特定操作に基づいて、全てのグループの照明器具を消灯させるための操作信号を出力する。この場合、グループ毎に消灯操作を行わなくても、1回の操作で全てのグループの照明器具を一括消灯できる。
【0038】
また、リモコン制御部33は、照明シーン切り替えボタン31の通常操作と異なる特定操作が実行されたときに、全てのグループの照明シーンを切り替えるように構成されていてもよい。リモコン制御部33は、例えば照明シーン切り替えボタン31の通常操作に基づいて、選択された特定のグループの照明シーンを切り替える操作信号を出力し、特定操作に基づいて、全てのグループの照明シーンを切り替える操作信号を出力する。この場合、グループ毎に照明シーンの切り替え操作を行わなくても、1回の操作で全てのグループの照明シーンを一括で変更できる。
【0039】
なお、音楽照明システム10は、専用リモコン30による照明シーンの切り替え操作と連動して、スピーカー13から出力される音楽を変更または停止させるように構成されていてもよい。例えば、操作端末20が専用リモコン30による照明シーンの切り替え操作の信号を取得し、制御部23が、当該切り替え操作の信号に基づき、送信部22を介して操作信号S2と共に音源信号を照明器具11に送信してもよい。
【0040】
図4は、上述の構成を備えた音楽照明システム10において、照明シーンの切り替えに関する制御手順を示すフローチャートである。
【0041】
音楽照明システム10では、上述の通り、照明シーンの切り替えと連動して、スピーカー13から出力される音楽が自動的に変更または停止される。この制御を実行するためには、まず照明シーン毎に再生する音楽(曲)を設定する必要がある(S10)。この手順は、音楽設定手段26の機能により実行される。音楽設定手段26は、ユーザーの設定操作に基づいて、スピーカー13から出力される音楽設定情報を照明シーン毎に記憶する。このとき、各照明シーンで使用される音源を予め照明器具11に送信して記憶させてもよい。
【0042】
制御部23は、照明シーンの切り替え操作によるトリガー信号を取得したときに(S11)、照明シーンを切り替えるための操作信号S1を生成すると共に、スピーカー13から出力される音楽を変更するための操作信号S2を生成する(S12,S13)。S12は照明シーン切り替え手段24の機能により実行され、S13は音楽再生停止手段25の機能により実行される。操作信号S1は送信部22を介して照明器具11,40,41に出力され、操作信号S2は送信部22を介して照明器具11に出力される。
【0043】
制御部23は、例えば照明シーンがくつろぎシーンからだんらんシーンに切り替えられる場合、曲Aに代えて曲Bを再生するための操作信号S2を生成し、曲Bの音源信号と共に送信部22を介して照明器具11に出力する(上記表1,2参照)。他方、制御部23は、例えば照明シーンがくつろぎシーンから、勉強シーン、シアターシーン等の特定のシーンに切り替えられる場合、または照明器具11等を消灯させる場合、曲Aの再生を停止するための操作信号S2を生成、出力する。なお、上記連動モードがOFFである場合、S12のみが実行され、S13は実行されない。
【0044】
図5は、専用リモコン30による消灯操作に関する制御手順を示すフローチャートである。図5に例示するように、専用リモコン30において消灯ボタン32の特定操作が実行されたときに(S20)、全てのグループの照明器具を消灯させる(S21)。一方、消灯ボタン32の通常操作が実行された場合は、選択された1つのグループの照明器具のみが消灯される(S22)。リモコン制御部33は、例えば特定操作に基づくトリガー信号を取得したときに、全てのグループの照明器具を消灯させるための信号を生成し、送信部を介して全てのグループの照明器具に出力する。
【0045】
以上のように、音楽照明システム10によれば、照明シーンの切り替えによって、そのシーンに合った音楽が自動再生されるか、または音楽の再生が自動的に停止される。このため、ユーザーは照明シーンの切り替え操作の度に、そのシーンに合った音楽を選択して再生または停止の操作を行う必要がない。また、専用リモコン30の特定操作により、グループ毎に消灯操作または照明シーンの切り替え操作を行わなくても、1回の操作で全てのグループの一括消灯または照明シーンの一括変更が可能である。
【符号の説明】
【0046】
10,10X 音楽照明システム、11,40,41,42 照明器具、12 光源ユニット、13,43 スピーカー、14 受信部、15 点灯回路、16 アンプ、17 器具側制御部、20 操作端末、21 操作部、22 送信部、23 制御部、24 照明シーン切り替え手段、25 音楽再生停止手段、26 音楽設定手段、27 記憶部、28 タッチパネル、30 専用リモコン、31 照明シーン切り替えボタン、32 消灯ボタン、33 リモコン制御部
図1
図2
図3
図4
図5