(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】表示装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20230303BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20230303BHJP
G08B 13/08 20060101ALI20230303BHJP
E05B 41/00 20060101ALI20230303BHJP
G08B 21/24 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
G09G5/00 510C
G08B25/04 E
G08B13/08
E05B41/00 F
G08B21/24
G09G5/00 550C
(21)【出願番号】P 2019106383
(22)【出願日】2019-06-06
【審査請求日】2022-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】吉川 彩衣
(72)【発明者】
【氏名】藤原 洋子
(72)【発明者】
【氏名】向山 文祥
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特許第6389976(JP,B1)
【文献】特開平09-071240(JP,A)
【文献】特開2015-149664(JP,A)
【文献】特開2016-057979(JP,A)
【文献】特開2014-139744(JP,A)
【文献】特開平07-134790(JP,A)
【文献】特開2001-273573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
G08B 25/04
G08B 13/08
E05B 41/00
G08B 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設けられた複数の開閉部材のそれぞれに、戸締まり状態を検知可能
であり、かつ検知内容が互いに異なる複数の第1種センサと複数の第2種センサが設置されており、
複数の前記第1種センサのそれぞれにおける第1検知結果を受けつけるとともに、複数の前記第2種センサのそれぞれにおける第2検知結果を受けつける入力部と、
前記入力部において受けつけた複数の前記第1検知結果を表示部の第1領域の第1部分に表示させるとともに、前記入力部において受けつけた複数の前記第2検知結果を前記表示部の前記第1領域の第2部分に表示させる表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、前記入力部において受けつけた複数の前記第1検知結果のうち、1つ以上の前記第1検知結果が不完全な戸締まり状態を示す場合に、不完全な戸締まり状態の存在を知らせるための第1通知であって、かつ不完全な戸締まり状態を示す1つ以上の前記第1検知結果をまとめた第1通知を前記表示部の第2領域の第1部分に表示させ、
前記表示制御部は、前記入力部において受けつけた複数の前記第2検知結果のうち、1つ以上の前記第2検知結果が不完全な戸締まり状態を示す場合に、不完全な戸締まり状態の存在を知らせるための第2通知であって、かつ不完全な戸締まり状態を示す1つ以上の前記第2検知結果をまとめた第2通知を前記表示部の前記第2領域の第2部分に表示させ、
前記第2領域は、前記第1領域とは異なった領域である、
表示装置。
【請求項2】
前記第1種センサは、前記開閉部材の施錠状態あるいは解錠状態を検知可能な施解錠センサであり、
前記第2種センサは、前記開閉部材の開状態あるいは閉状態を検知可能な開閉センサであり、
前記表示制御部は、1つ以上の前記第1検知結果が解錠状態を示す場合に、解錠状態を知らせるための
前記第1通知を前記表示部の前記第2領域の第1部分に表示させ、
前記表示制御部は、1つ以上の前記第2検知結果が開状態を示す場合に、開状態を知らせるための
前記第2通知を前記表示部の前記第2領域の第2部分に表示させる、
請求項
1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1種センサは、前記開閉部材である扉の電気錠の施錠状態あるいは解錠状態を検知可能な電気錠センサであり、
前記第2種センサは、前記開閉部材である窓のクレセント錠の施錠状態あるいは解錠状態を検知可能な窓鍵センサであり、
前記表示制御部は、1つ以上の前記第1検知結果が解錠状態を示す場合に、解錠状態を知らせるための
前記第1通知を前記表示部の前記第2領域の第1部分に表示させ、
前記表示制御部は、1つ以上の前記第2検知結果が解錠状態を示す場合に、解錠状態を知らせるための
前記第2通知を前記表示部の前記第2領域の第2部分に表示させる、
請求項
1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記入力部は、複数の前記第1種センサのそれぞれにおける第1電池残量を受けつけるとともに、複数の前記第2種センサのそれぞれにおける第2電池残量を受けつけ、
前記表示制御部は、前記入力部において受けつけた複数の前記第1電池残量のうち、1つ以上の前記第1電池残量がしきい値よりも少ない場合に、前記1つ以上の前記第1電池残量のそれぞれに対して、前記第1電池残量がしきい値よりも少ないことを知らせるための通知を前記第1領域の第1部分に表示させるとともに、しきい値よりも少ない前記第1電池残量の存在を知らせるための通知を前記表示部の前記第2領域の第1部分に表示させ、
前記表示制御部は、前記入力部において受けつけた複数の前記第2電池残量のうち、1つ以上の前記第2電池残量がしきい値よりも少ない場合に、前記1つ以上の前記第2電池残量のそれぞれに対して、前記第2電池残量がしきい値よりも少ないことを知らせるための通知を前記第1領域の第2部分に表示させるとともに、しきい値よりも少ない前記第2電池残量の存在を知らせるための通知を前記表示部の前記第2領域の第2部分に表示させる、
請求項
2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記入力部は、複数の前記第1種センサのそれぞれにおける第1通信状態を受けつけるとともに、複数の前記第2種センサのそれぞれにおける第2通信状態を受けつけ、
前記表示制御部は、前記入力部において受けつけた複数の前記第1通信状態のうち、1つ以上の前記第1通信状態が通信不可能を示す場合に、前記1つ以上の前記第1通信状態のそれぞれに対して、前記第1通信状態が通信不可能を示すことを知らせるための通知を前記第1領域の第1部分に表示させるとともに、通信不可能を示す前記第1通信状態の存在を知らせるための通知を前記表示部の前記第2領域の第1部分に表示させ、
前記表示制御部は、前記入力部において受けつけた複数の前記第2通信状態のうち、1つ以上の前記第2通信状態が通信不可能を示す場合に、前記1つ以上の前記第2通信状態のそれぞれに対して、前記第2通信状態が通信不可能を示すことを知らせるための通知を前記第1領域の第2部分に表示させるとともに、通信不可能を示す前記第2通信状態の存在を知らせるための通知を前記表示部の前記第2領域の第2部分に表示させる、
請求項
1から4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記第1領域と、前記第2領域とを同一の画面に表示させる、
請求項1から
5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記第1領域と、前記第2領域とを別の画面に表示させる、
請求項1から
5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
施設に設けられた複数の開閉部材のそれぞれに、戸締まり状態を検知可能
であり、かつ検知内容が互いに異なる複数の第1種センサと複数の第2種センサが設置されており、
複数の前記第1種センサのそれぞれにおける第1検知結果を受けつけるとともに、複数の前記第2種センサのそれぞれにおける第2検知結果を受けつけるステップと、
受けつけた複数の前記第1検知結果を表示部の第1領域の第1部分に表示させるとともに、受けつけた複数の前記第2検知結果を前記表示部の前記第1領域の第2部分に表示させるステップと、
受けつけた複数の前記第1検知結果のうち、1つ以上の前記第1検知結果が不完全な戸締まり状態を示す場合に、不完全な戸締まり状態の存在を知らせるための第1通知であって、かつ不完全な戸締まり状態を示す1つ以上の前記第1検知結果をまとめた第1通知を前記表示部の第2領域の第1部分に表示させるステップと、
受けつけた複数の前記第2検知結果のうち、1つ以上の前記第2検知結果が不完全な戸締まり状態を示す場合に、不完全な戸締まり状態の存在を知らせるための第2通知であって、かつ不完全な戸締まり状態を示す1つ以上の前記第2検知結果をまとめた第2通知を前記表示部の前記第2領域の第2部分に表示させるステップと、
を備え、
前記第2領域は、前記第1領域とは異なった領域であることをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術に関し、特に検知結果を表示する表示装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
防犯センサがネットワークを介して制御装置に接続され、防犯センサの検知結果が制御装置に送信される。制御装置は、防犯センサが異常を示す場合に、異常を示す通知を表示してユーザに知らせる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
住宅等の施設における防犯に対する検知性能を向上させるためには、施設に設けられた窓、扉等の複数の開閉部材のそれぞれにセンサが設置される方が好ましい。複数のセンサのそれぞれにおける検知結果を表示すると、それらの中に、不完全な戸締まり状態が含まれていても、不完全な戸締まり状態を認識しにくくなる可能性がある。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、複数のセンサのそれぞれにおける検知結果を容易に認識させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の表示装置は、施設に設けられた複数の開閉部材のそれぞれに、戸締まり状態を検知可能であり、かつ検知内容が互いに異なる複数の第1種センサと複数の第2種センサが設置されており、複数の第1種センサのそれぞれにおける第1検知結果を受けつけるとともに、複数の第2種センサのそれぞれにおける第2検知結果を受けつける入力部と、入力部において受けつけた複数の第1検知結果を表示部の第1領域の第1部分に表示させるとともに、入力部において受けつけた複数の第2検知結果を表示部の第1領域の第2部分に表示させる表示制御部とを備える。表示制御部は、入力部において受けつけた複数の第1検知結果のうち、1つ以上の第1検知結果が不完全な戸締まり状態を示す場合に、不完全な戸締まり状態の存在を知らせるための第1通知であって、かつ不完全な戸締まり状態を示す1つ以上の第1検知結果をまとめた第1通知を表示部の第2領域の第1部分に表示させ、表示制御部は、入力部において受けつけた複数の第2検知結果のうち、1つ以上の第2検知結果が不完全な戸締まり状態を示す場合に、不完全な戸締まり状態の存在を知らせるための第2通知であって、かつ不完全な戸締まり状態を示す1つ以上の第2検知結果をまとめた第2通知を表示部の第2領域の第2部分に表示させ、第2領域は、第1領域とは異なった領域である。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、またはコンピュータプログラムを記録した記録媒体などの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、複数のセンサのそれぞれにおける検知結果を容易に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施例に係る制御システムの構成を示す図である。
【
図2】
図1の記憶部に記憶される状態テーブルのデータ構造を示す図である。
【
図3】
図3(a)-(b)は、
図1の表示部に表示される画面を示す図である。
【
図4】
図1の表示部に表示される画面を示す図である。
【
図5】
図1の制御システムによる表示手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図1の制御システムによる別の表示手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図1の制御システムによるさらに別の表示手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施例を具体的に説明する前に、本実施例の概要を説明する。実施例は、住宅等の施設に設置された複数のセンサのそれぞれにおける検知結果を表示する制御システムに関する。複数のセンサは、施設の複数の開口部のそれぞれに設けられた扉、窓等の開閉部材に設置されており、例えば、開閉センサ、窓鍵センサ、電気錠である。これらは、戸締まり状態を検知可能なセンサであるといえる。複数のセンサは、施設に設置された制御装置に接続され、検知結果を制御装置に送信する。また、制御装置は、ネットワークを介して施設外のサーバに接続され、検知結果をサーバに送信する。サーバには、スマートフォン等の情報端末装置からアクセス可能である。
【0011】
情報端末装置あるいは制御装置は、表示装置であり、複数の検知結果のそれぞれを表示可能である。複数の検知結果の中に、不完全な戸締まり状態が含まれている場合、不完全な戸締まり状態を示す検知結果が表示される。不完全な戸締まり状態とは、窓が開状態であったり、窓鍵あるいは電気錠が解錠状態であったりすることである。検知結果の表示数が増加するほど、ユーザにとっては、不完全な戸締まり状態を認識しにくくなる。
【0012】
複数のセンサのそれぞれにおける検知結果を容易に認識するために、本実施例に係る表示装置は、センサの種類毎、例えば、開閉センサ、窓鍵センサ、電気錠毎に検知結果をまとめて表示する。また、1種類のセンサにおける検知結果の中に、不完全な戸締まり状態が含まれている場合に、表示装置は、不完全な戸締まり状態の存在を知らせるための通知を検知結果とは別に表示する。具体的には、複数の電気錠のそれぞれにおける検知結果が第1領域の第1部分に表示されるとともに、それらの中に解錠状態が含まれている場合に通知が第2領域の第1部分に表示される。また、複数の窓鍵センサのそれぞれにおける検知結果が第1領域の第2部分に表示されるとともに、それらの中に解錠状態が含まれている場合に通知が第2領域の第2部分に表示される。さらに、複数の開閉センサのそれぞれにおける検知結果が第1領域の第3部分に表示されるとともに、それらの中に開状態が含まれている場合に通知が第2領域の第3部分に表示される。
【0013】
図1は、制御システム1000の構成を示す。制御システム1000は、開閉センサ200と総称される第1開閉センサ200a、第2開閉センサ200b、窓鍵センサ220と総称される第1窓鍵センサ220a、第2窓鍵センサ220b、電気錠制御システム240と総称される第1電気錠制御システム240a、第2電気錠制御システム240b、電気錠260と総称される第1電気錠260a、第2電気錠260b、制御装置300、ルータ400、ネットワーク420、サーバ440、携帯端末装置500を含む。ここで、開閉センサ200、窓鍵センサ220、電気錠制御システム240、電気錠260の数はそれぞれ「2」とされているが、それに限定されない。また、制御システム1000には、開閉センサ200、窓鍵センサ220、電気錠制御システム240、電気錠260がすべて含まれていなくてもよい。例えば、開閉センサ200だけ、あるいは窓鍵センサ220だけ、あるいは電気錠制御システム240と電気錠260だけが含まれていてもよい。また、開閉センサ200と窓鍵センサ220、あるいは開閉センサ200と電気錠制御システム240と電気錠260、あるいは窓鍵センサ220と電気錠制御システム240と電気錠260が含まれていてもよい。
【0014】
また、開閉センサ200は、検知部202、制御部204、通信部206を含み、窓鍵センサ220は、検知部222、制御部224、通信部226を含み、電気錠制御システム240は、制御部242、操作部244、記憶部246、通信部248を含む。制御装置300は、第1通信部310、第2通信部312、記憶部314、操作部316、表示部318、処理部330を含み、処理部330は、入力部340、表示制御部342を含む。携帯端末装置500は、通信部510、記憶部514、操作部516、表示部518、処理部530を含み、処理部530は、入力部540、表示制御部542を含む。
【0015】
開閉センサ200、窓鍵センサ220、電気錠制御システム240、電気錠260、制御装置300、ルータ400は、施設100に設置され、ネットワーク420、サーバ440は、施設100の外部に設置される。施設100は、制御システム1000による制御の対象となる建物であり、例えば戸建て住宅である。施設100は戸建て住宅に限定されず、集合住宅の住戸でもよいし、オフィスビル、商業施設などでもよい。施設100の複数の開口部のそれぞれには、扉、窓等の開閉部材が設けられる。各開閉部材には、当該開閉部材の戸締まり状態を検知可能なセンサとして、開閉センサ200、窓鍵センサ220、電気錠制御システム240のいずれかが設置される。開閉センサ200、窓鍵センサ220、電気錠制御システム240は、制御装置300との間で無線通信を実行する。無線通信として、例えば、特定小電力無線が使用されるが、これに限定されず、さらに有線通信が実行されてもよい。
【0016】
開閉センサ200は、施設100の開口部に設けられた開閉部材の開閉状態(開状態あるいは閉状態)を検知可能なセンサである。開閉センサ200は、例えば、開閉部材に取り付けられた磁石と、開口部の周囲に設けられた磁気センサとを有する。開閉センサ200の検知部202は、磁気センサによって検出される磁気の大きさに基づいて開閉部材が開状態であるか閉状態であるかを検知する。制御部204は、検知部202において検知された開閉部材の開閉状態(開状態あるいは閉状態)が変化すると、開閉部材の開閉状態を示す検知結果を通信部206から制御装置300に送信させる。
【0017】
また、検知部202は、開閉センサ200を駆動させる電池の残量を検知する。電池残量の検知には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。電池残量は、例えば、80%、50%のように示される。制御部204は、検知部202において検知された電池残量が変化すると、電池残量を通信部206から制御装置300に送信させる。ここで、電池残量の送信は、電池残量が変化する度ではなく、5%のような所定の量だけ変化した場合になされてもよい。
【0018】
窓鍵センサ220は、施設100の開口部に設けられた開閉部材の施解錠状態(施錠状態あるいは解錠状態)を検知可能な施解錠センサである。開閉部材が窓である場合、窓鍵センサ220は、クレセント錠センサとも呼ばれ、例えば、クレセント錠のハンドルに取り付けられた磁石と、クレセント錠のハンドルが施錠位置にある場合に磁石に対向する磁気センサとを有する。窓鍵センサ220の検知部222は、磁気センサによって検出される磁気の大きさに基づいて開閉部材が施錠状態であるか解錠状態であるかを検知する。制御部224は、検知部222において検知された開閉部材の施解錠状態(施錠状態あるいは解錠状態)が変化すると、開閉部材の施解錠状態を示す検知結果を通信部226から制御装置300に送信させる。また、検知部222は、検知部202と同様に、窓鍵センサ220を駆動させる電池の残量を検知する。制御部224は、検知部222において検知された電池の残量が変化すると、電池の残量が示された電池残量を通信部226から制御装置300に送信させる。
【0019】
電気錠制御システム240は、施設100の開口部に設けられた開閉部材を施錠または解錠する電気錠260を制御する。開閉部材は例えば扉である。電気錠制御システム240の操作部244は、例えば、施設100の外側に露出するように設けられた屋外側押釦スイッチと、施設100の内側に露出するように設けられた屋内側押釦スイッチとを含む。屋外側押釦スイッチは、施設100の外側(屋外)からの操作入力を受付可能であり、屋内側押釦スイッチは、施設100の内側(屋内)からの操作入力を受付可能である。操作部244は、例えば玄関扉のような開閉部材に備わっているドアハンドル(取っ手)に設けられてもよいし、ユーザがドアハンドルに触れる操作を検知するタッチセンサ等であってもよい。操作部244は、ユーザによる操作入力を受け付けると、操作入力に応じた操作信号を制御部242に出力する。
【0020】
記憶部246は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような電気的に書き換え可能な不揮発性メモリを備える。記憶部246には、電気錠制御システム240のコンピュータシステムが実行するプログラムが記憶される。
【0021】
制御部242は、例えば、プロセッサおよびメモリを有するマイクロコンピュータで構成される。プロセッサが、記憶部246に記録されたプログラムを実行することにより、コンピュータシステムによって制御部242の各種の機能が実現される。制御部242は、操作部244から受けつけた操作信号をもとに、電気錠260を施錠したり、解錠したりする。制御部242は、電気錠260の施錠あるいは解錠を設定するが、設定した電気錠260の施解錠状態(施錠状態あるいは解錠状態)を検知可能であるので、電気錠センサであるともいえる。制御部242は、電気錠260の安全性を向上させるための処理、例えば、制御装置300から受信した操作信号による電気錠260の施錠あるいは解錠の処理をさらに実行してもよいが、ここではそのような処理の説明を省略する。制御部242は、検知した電気錠260の施解錠状態(施錠状態あるいは解錠状態)が変化すると、電気錠260の施解錠状態を示す検知結果を通信部248から制御装置300に送信させる。
【0022】
つまり、開閉センサ200、窓鍵センサ220、電気錠制御システム240は、検知内容が互いに異なるセンサである。以下では、開閉センサ200、窓鍵センサ220、電気錠制御システム240を「センサ」と総称することもある。電気錠制御システム240が「第1種センサ」と呼ばれる場合、窓鍵センサ220が「第2種センサ」と呼ばれ、開閉センサ200が「第3種センサ」と呼ばれる。また、電気錠制御システム240が「第1種センサ」と呼ばれる場合、開閉センサ200が「第2種センサ」と呼ばれ、窓鍵センサ220が「第2種センサ」と呼ばれてもよい。さらに、電気錠制御システム240が「第2種センサ」あるいは「第3種センサ」と呼ばれてもよい。
【0023】
制御装置300の第1通信部310は、前述のごとく、例えば特定小電力無線に対応し、開閉センサ200、窓鍵センサ220、電気錠制御システム240のそれぞれから検知結果を受信する。検知結果には、送信元になるセンサを識別するための識別情報(以下、「センサ識別情報」という)が含まれる。第1通信部310は、検知結果を処理部330に出力する。第1通信部310は、開閉センサ200、窓鍵センサ220のそれぞれから電池残量を受信する。電池残量にもセンサ識別情報が含まれる。第1通信部310は、電池残量を処理部330に出力する。
【0024】
処理部330は、受けつけた検知結果あるいは電池残量を記憶部314に記憶する。記憶部314は、検知結果および電池残量をセンサ識別情報毎に記憶する。これは、検知結果および電池残量をセンサ毎に記憶することに相当する。
図2は、記憶部314に記憶される状態テーブルのデータ構造を示す。第1開閉センサ200aと第2開閉センサ200bに対して、検知結果として「閉状態」あるいは「開状態」が示されるとともに、電池残量の値が示される。第1窓鍵センサ220aと第2窓鍵センサ220bに対して、検知結果として「施錠状態」あるいは「解錠状態」が示されるとともに、電池残量の値が示される。第1電気錠制御システム240aと第2電気錠制御システム240bに対して、検知結果として「施錠状態」あるいは「解錠状態」が示される。ここで、「開状態」あるいは「解錠状態」が、不完全な戸締まり状態であるといえる。
図1に戻る。
【0025】
処理部330は、開閉センサ200、窓鍵センサ220、電気錠制御システム240のそれぞれに対して、接続を確認するための確認信号を第1通信部310から定期的に送信させる。開閉センサ200、窓鍵センサ220、電気錠制御システム240のそれぞれは、確認信号を受信すると、確認信号に対する応答を示すための応答信号を制御装置300に送信する。応答信号にもセンサ識別情報が含まれる。制御装置300の第1通信部310は、応答信号を受信すると、応答信号を処理部330に出力する。このような処理によって、処理部330は、確認信号に対する応答信号を受信したセンサとの通信が可能であると判定する。一方、処理部330は、確認信号に対する応答信号を一定期間受信しないセンサとの通信が不可能であると判定する。処理部330は、通信可能であるか通信不可能であるかを示す通信状態をセンサ識別情報毎に記憶する。
図2に示される状態テーブルにおいて、各センサに対する通信状態として「通信可能」あるいは「通信不可能」が示される。
【0026】
以下では、各センサにおける情報を表示する画面を、(1)携帯端末装置500に表示される画面、(2)携帯端末装置500に表示される画面の変形例、(3)制御装置300に表示される画面の順に説明する。本実施例では、これらの画面のうち、少なくとも1つの画面が表示されればよい。
【0027】
(1)携帯端末装置500に表示される画面
第2通信部312は、例えば、無線通信あるいは有線通信を実行し、ルータ400、ネットワーク420を介してサーバ440に接続される。無線通信として、例えば、無線LAN(Local Area Network)が使用されるが、これに限定されない。第2通信部312は、記憶部314に記憶した検知結果、電池残量、通信状態のいずれかが変化したタイミングにおいて、変化した情報をサーバ440に送信する。第2通信部312から送信される情報には、センサ識別情報に加えて、施設100を識別するための施設識別情報も含まれる。サーバ440は、情報を受信すると、検知結果、電池残量、通信状態のいずれかを、施設識別情報毎およびセンサ識別情報毎に記憶する。このような処理によって、サーバ440の状態テーブルは記憶部314の状態テーブルに所定の期間遅延してから同期する。
【0028】
携帯端末装置500は、例えば、スマートフォン、タブレット端末装置、携帯電話装置であり、施設100に居住するユーザによって使用される。携帯端末装置500の通信部510は、無線通信を実行することによって、ネットワーク420を介してサーバ440に接続される。無線通信として、例えば、LTE(Long Term Evolution)等の携帯電話システムあるいは無線LANが使用されるが、これに限定されない。記憶部514には、携帯端末装置500において実行可能なプログラム、例えば、アプリケーションプログラムが記憶される。本実施例では、制御システム1000における処理を実行可能なアプリケーションプログラム(以下、「制御システムアプリケーション」という)に着目する。
【0029】
操作部516は、例えば、タッチパネルであり、ユーザによる操作入力を受付可能である。操作部516は、ユーザによる操作入力を受け付けると、操作入力に応じた操作信号を処理部530に出力する。表示部518は、表示制御部342において生成された画面を表示する。表示部518は、操作部516と一体的に構成されてもよく、ボタンが含まれた画面を表示部518が表示し、ユーザがボタンに触れることによる操作入力を操作部516が受けつける。
【0030】
処理部530は、例えば、プロセッサおよびメモリを有するマイクロコンピュータで構成される。プロセッサが、記憶部514に記録されたプログラムを実行することにより、コンピュータシステムによって処理部530の各種の機能が実現される。本実施例における処理部530は、制御システムアプリケーションを実行する。処理部530は、通信部510、ネットワーク420を介してサーバ440に対して接続を要求するための信号(以下、「接続要求信号」という)を送信する。接続要求信号には、携帯端末装置500を識別するための識別情報(以下、「端末識別情報」という)が含まれる。
【0031】
サーバ440は、接続要求信号を受信すると、接続要求信号に含まれた端末識別情報をもとに認証処理を実行する。サーバ440は、認証処理が成功した場合、携帯端末装置500との接続を許可し、ネットワーク420を介して携帯端末装置500に許可信号を送信する。一方、サーバ440は、認証処理が失敗した場合、携帯端末装置500との接続を拒否し、ネットワーク420を介して携帯端末装置500に拒否信号を送信する。接続を許可した場合、サーバ440は、状態テーブルをネットワーク420を介して携帯端末装置500に送信する。状態テーブルを送信した後、サーバ440は、状態テーブルに含まれる情報が更新されると、ネットワーク420を介して携帯端末装置500に、更新された情報を逐次送信する。
【0032】
携帯端末装置500の通信部510は、ネットワーク420を介してサーバ440からの許可信号あるいは拒否信号を受信する。また、許可信号を受信した場合、通信部510は、サーバ440からの状態テーブルを受信するとともに、状態テーブルの後に更新された情報を逐次受信する。処理部530は、通信部510が拒否信号を受信した場合に処理を終了し、通信部510が許可信号を受信した場合に処理を続行する。処理を続行する場合、処理部530は、通信部510が受信した状態テーブルを記憶部514に記憶させる。それに続いて、処理部530は、通信部510が逐次受信した情報によって、記憶部514の状態テーブルを更新する。
【0033】
処理部530の入力部540は、開閉センサ200、窓鍵センサ220、電気錠制御システム240のそれぞれにおける検知結果を記憶部514から受けつける。また、入力部540は、開閉センサ200、窓鍵センサ220のそれぞれにおける電池残量を記憶部514から受けつける。さらに、入力部540は、開閉センサ200、窓鍵センサ220、電気錠制御システム240のそれぞれにおける通信状態を受けつける。入力部540における情報の受付は、記憶部514に記憶された情報が更新されるタイミングで逐次なされる。
【0034】
表示制御部542は、入力部540において受けつけた情報を表示部518に表示するための画面を生成する。ここでは、表示制御部542において生成される画面を説明するために、
図3(a)-(b)を使用する。
図3(a)-(b)は、表示部518に表示される画面を示す。表示制御部542は、
図3(a)のごとく、第2領域第1部分610、第1領域第1部分600、第2領域第2部分612、第1領域第2部分602、第2領域第3部分614、第1領域第3部分604を同一の画面に含めるように、画面を生成する。
【0035】
第1領域第1部分600と第2領域第1部分610は「第1部分620」と総称され、第1領域第2部分602と第2領域第2部分612は「第2部分622」と総称され、第1領域第3部分604よ第2領域第3部分614は「第3部分624」と総称される。第1部分620は、電気錠制御システム240に関する情報(以下、「第1グループ」という)を示すための部分であり、第2部分622は、窓鍵センサ220に関する情報(以下、「第2グループ」という)を示すための部分である。また、第3部分624は、開閉センサ200に関する情報(以下、「第3グループ」という)を示すための部分である。つまり、センサの種類毎に情報がグループ化され、グループ毎に異なった画面の部分に情報が示される。
【0036】
第1領域第1部分600と第1領域第2部分602と第1領域第3部分604は「第1領域626」と総称され、また、第2領域第1部分610と第2領域第2部分612と第2領域第3部分614は「第2領域628」と総称される。第1領域626は、各センサにおける情報、つまりセンサの個別情報を示すための領域であり、第2領域628は、センサの種類毎に各センサにおける情報をまとめた情報、つまりセンサの代表情報を示すための領域である。
【0037】
以下では、
図3(a)について、(i)第2グループに対する表示、(ii)第1グループに対する表示、(iii)第3グループに対する表示の順番に説明する。
(i)第2グループに対する表示
表示制御部542は、第1領域第2部分602に第1窓鍵センサ表示欄710と第2窓鍵センサ表示欄712とを設ける。第1窓鍵センサ表示欄710には、第1窓鍵センサ220aである「リビング・窓鍵センサ」の検知結果640が示され、第2窓鍵センサ表示欄712には、第2窓鍵センサ220bである「ダイニング・窓鍵センサ」の検知結果640が示される。特に、表示制御部542は、施錠状態である検知結果640として「施錠中」を表示させ、解錠状態である検知結果640として「解錠中」を表示させる。ここでは、第2窓鍵センサ220bが施錠状態であるので、第2窓鍵センサ表示欄712に「施錠中」が検知結果640として示される。
【0038】
表示制御部542は、通信状態が通信不可能であるかを確認する。通信不可能な窓鍵センサ220に対して、表示制御部542は、検知結果640の代わりに第1通信不可能通知670を第1領域第2部分602に表示させる。ここでは、第1窓鍵センサ220aが通信不可能であるので、第1窓鍵センサ表示欄710に第1通信不可能通知670が示される。
【0039】
表示制御部542は、電池残量と比較すべきしきい値、例えば、第1しきい値、第2しきい値(第1しきい値>第2しきい値)を保持する。一例として、第1しきい値が「20%」であり、第2しきい値が「10%」である。表示制御部542は、電池残量が第1しきい値より少なく、かつ第2しきい値以上である場合、電池消耗と判定し、電池残量が第2しきい値より少ない場合、電池切れと判定する。表示制御部542は、電池消耗と判定された窓鍵センサ220に対して第1電池消耗通知650を第1領域第2部分602に表示させ、電池切れと判定した窓鍵センサ220に対して第1電池切れ通知660を第1領域第2部分602に表示させる。第1電池消耗通知650は電池消耗を知らせるための通知であり、第1電池切れ通知660は電池切れを知らせるための通知である。ここでは、第2窓鍵センサ220bの電池残量が第2しきい値より少ないので、第2窓鍵センサ表示欄712に第1電池切れ通知660が示される。
【0040】
第1電池消耗通知650と第1電池切れ通知660は「第1電池残量通知」と総称され、第1電池残量通知は、電池残量がしきい値よりも少ないことを知らせるための通知であるといえる。ここで、第1窓鍵センサ220aは通信不可能であるので、表示制御部542は、第1窓鍵センサ220aに対して電池残量に関する処理を実行しない。
【0041】
表示制御部542は、第1領域第2部分602に示した検知結果640のうち、1つ以上の検知結果640が解錠状態を示す場合、解錠状態の存在を知らせるための不完全通知630を第2領域第2部分612に表示させる。一方、表示制御部542は、第1領域第2部分602に示した検知結果640のすべてが解錠状態を示さない場合、不完全通知630を第2領域第2部分612に表示させない。また、表示制御部542は、第1領域第2部分602に1つ以上の第1通信不可能通知670を示す場合、1つ以上の第1通信不可能通知670の存在を知らせるための通知として不完全通知630を第2領域第2部分612に表示させる。一方、表示制御部542は、第1領域第2部分602に1つ以上の第1通信不可能通知670を示さない場合、通信状態に対する通知を第2領域第2部分612に表示させない。ここでは、第1領域第2部分602に第1通信不可能通知670が示されるので、第2領域第2部分612に不完全通知630が示される。
【0042】
表示制御部542は、第1領域第2部分602に1つ以上の第1電池残量通知を示す場合、1つ以上の第1電池残量通知の存在を知らせるための第2電池残量通知を第2領域第2部分612に表示させる。第1領域第2部分602に第1電池消耗通知650だけが示される場合、第2領域第2部分612には第2電池消耗通知652が示され、第1領域第2部分602に第1電池切れ通知660だけが示される場合、第2領域第2部分612には第2電池切れ通知662が示される。つまり、第1領域第2部分602に示される第1電池残量通知と、第2領域第2部分612に示される第2電池残量通知は同一である。仮に、第1領域第2部分602に第1電池消耗通知650と第1電池切れ通知660が示される場合、第2領域第2部分612には第2電池切れ通知662が示される。一方、表示制御部542は、第1領域第2部分602に1つ以上の第1電池残量通知を示さない場合、第2電池残量通知を第2領域第2部分612に表示させない。ここでは、第1領域第2部分602に第1電池切れ通知660が示されるので、第2領域第2部分612に第2電池切れ通知662が示される。第2領域第2部分612に表示可能な不完全通知630、第2電池残量通知は、窓鍵センサ220の代表情報である。
【0043】
(ii)第1グループに対する表示
表示制御部542は、第1領域第1部分600に第1電気錠制御システム表示欄720と第2電気錠制御システム表示欄722とを設ける。第1電気錠制御システム表示欄720には、第1電気錠制御システム240aである「玄関・電気錠」の検知結果640が示され、第2電気錠制御システム表示欄722には、第2電気錠制御システム240bである「勝手口・電気錠」の検知結果640が示される。検知結果640については、これまでと同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0044】
表示制御部542は、通信状態が通信不可能であるかを確認する。ここでは、第1電気錠制御システム240aおよび第2電気錠制御システム240bがいずれも通信可能であるので、表示制御部542は、第1通信不可能通知670を第1領域第1部分600に表示させない。一方、表示制御部542は、通信不可能である電気錠制御システム240が存在する場合、これまでと同様に、電気錠制御システム240の検知結果640の代わりに第1通信不可能通知670を第1領域第1部分600に表示させる。
【0045】
表示制御部542は、第1領域第1部分600に示した検知結果640のうち、1つ以上の検知結果640が解錠状態を示す場合に、不完全通知630を第2領域第1部分610に表示させる。一方、表示制御部542は、第1領域第1部分600に示した検知結果640のすべてが解錠状態を示さない場合、不完全通知630を第2領域第1部分610に表示させない。また、表示制御部542が第1領域第1部分600に1つ以上の第1通信不可能通知670を示す場合の処理について、ここでは説明を省略する。第2領域第1部分610に表示可能な不完全通知630は、電気錠制御システム240の代表情報である。
【0046】
(iii)第3グループに対する表示
表示制御部542は、第1領域第3部分604に第1開閉センサ表示欄700を第2開閉センサ表示欄702とを設ける。第1開閉センサ表示欄700には、第1開閉センサ200aである「キッチン・開閉センサ」の検知結果640が示され、第2開閉センサ表示欄702には、第2開閉センサ200bである「寝室・開閉センサ」の検知結果640が示される。特に、表示制御部542は、閉状態である検知結果640として「閉」を表示させ、開状態である検知結果640として「開」を表示させる。ここでは、第1開閉センサ200aと第2開閉センサ200bが閉状態であるので、第1開閉センサ表示欄700と第2開閉センサ表示欄702に「閉」が検知結果640として示される。
【0047】
表示制御部542は、通信状態が通信不可能であるかを確認する。ここでは、第1開閉センサ200aおよび第2開閉センサ200bがいずれも通信可能であるので、表示制御部542は、第1通信不可能通知670を第1領域第3部分604に表示させない。一方、表示制御部542は、通信不可能である開閉センサ200が存在する場合、これまでと同様に、当該窓鍵センサ220の検知結果640の代わりに第1通信不可能通知670を第1領域第3部分604に表示させる。
【0048】
表示制御部542は、電池残量が第1しきい値より少なく、かつ第2しきい値以上である場合、電池消耗と判定し、電池残量が第2しきい値より少ない場合、電池切れと判定する。表示制御部542は、電池消耗と判定された開閉センサ200に対して第1電池消耗通知650を第1領域第3部分604に表示させ、電池切れと判定した開閉センサ200に対して第1電池切れ通知660を第1領域第3部分604に表示させる。ここでは、第1開閉センサ200aの電池残量が第1しきい値より少なく、かつ第2しきい値以上であるので、第1開閉センサ表示欄700に第1電池消耗通知650が示される。
【0049】
表示制御部542は、第1領域第3部分604に示した検知結果640のうち、1つ以上の検知結果640が開状態を示す場合、開状態の存在を知らせるための不完全通知630を第2領域第3部分614に表示させる。一方、表示制御部542は、第1領域第3部分604に示した検知結果640のすべてが開状態を示さない場合、不完全通知630を第2領域第3部分614に表示させない。また、表示制御部542は、第1領域第3部分604に1つ以上の第1通信不可能通知670を示す場合、不完全通知630を第2領域第3部分614に表示させる。一方、表示制御部542は、第1領域第3部分604に1つ以上の第1通信不可能通知670を示さない場合、通信状態に対する通知を第2領域第3部分614に表示させない。
【0050】
表示制御部542は、第1領域第3部分604に1つ以上の第1電池残量通知を示す場合、第2電池残量通知を第2領域第3部分614に表示させる。第2領域第3部分614に示す第2電池残量通知については、これまでと同一であるので、ここでは説明を省略する。第2領域第3部分614に表示可能な不完全通知630、第2電池残量通知は、開閉センサ200の代表情報である。
図1に戻る。表示制御部542は、生成した画面を表示部518に表示させる。
【0051】
(2)携帯端末装置500に表示される画面の変形例
図3(b)は、表示制御部542において生成される画面の別の一例を示す。表示制御部542は、第2領域第1部分610、第1領域第1部分600、第2領域第2部分612、第1領域第2部分602を同一の画面に含めるように、画面を生成する。ここで、第1部分620には第1グループが示され、第2部分622には、第2グループと第3グループが示される。つまり、変形例においては、第2グループと第3グループが第2部分622にまとめられる。表示制御部542は、第1領域第1部分600に第1電気錠制御システム表示欄720と第2電気錠制御システム表示欄722とを設ける。また、表示制御部542は、第1領域第2部分602に第1窓鍵センサ表示欄710、第2窓鍵センサ表示欄712、第1開閉センサ表示欄700、第2開閉センサ表示欄702を設ける。
【0052】
さらに、表示制御部542は第2領域第1部分610、第2領域第2部分612において、不完全通知630として解錠状態あるいは開状態等のセンサの台数、第2通信不可能通知672を示す。第2通信不可能通知672は、通信不可能なセンサの台数を示す。これらは、電気錠制御システム240の代表情報、窓鍵センサ220および開閉センサ200の代表情報である。これ以外については、
図3(a)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
図1に戻る。表示制御部542は、生成した画面を表示部518に表示させる。
【0053】
(3)制御装置300に表示される画面
これまでは、各種センサの情報を示す画面を携帯端末装置500の表示部518に表示させる場合を説明した。このような画面は、制御装置300の表示部318に表示されてもよい。表示部518に表示される画面として、横方向よりも縦方向に長い画面を想定していたが、ここでは、表示部318に表示される画面として、縦方向よりも横方向に長い画面を想定する。また、処理部330の処理速度は、処理部530の処理速度よりも遅い場合を想定する。これにより、表示部318における画面の縦方向のスクロール速度は、表示部518における画面の縦方向のスクロール速度よりも遅い。
【0054】
入力部340は、入力部540と同様の処理を実行する。表示制御部342は、入力部340において受けつけた情報を表示部318に表示するための画面を生成する。ここでは、表示制御部342において生成される画面を説明するために、
図4を使用する。
図4は、表示部318に表示される画面を示す。表示制御部342は、第2領域第1部分610、第1領域第1部分600、第2領域第2部分612、第1領域第2部分602を同一の画面に含めるように、画面を生成する。具体的には、表示制御部342は、第1部分620と第2部分622とを横方向に並べ、第1部分620において第2領域第1部分610、第1領域第1部分600を縦方向に並べ、第2部分622において第2領域第2部分612、第1領域第2部分602を縦方向に並べる。第1部分620には第1グループが示され、第2部分622には第2グループと第3グループが示される。表示制御部342は、第1領域第1部分600に第1電気錠制御システム表示欄720と第2電気錠制御システム表示欄722とを設ける。また、表示制御部342は、第1領域第2部分602に第1窓鍵センサ表示欄710、第2窓鍵センサ表示欄712、第1開閉センサ表示欄700、第2開閉センサ表示欄702を設ける。
【0055】
表示制御部342における処理のうち、表示制御部542と同様の処理については、説明を省略する。表示制御部342は、複数のセンサにおける情報を第1領域第1部分600に配置する際に、上から順に、第1通信不可能通知670、「解錠」、「開」となるように複数のセンサにおける情報をソートする。第1領域第2部分602についても同様である。また、第2領域第1部分610、第2領域第2部分612において、不完全通知630として解錠状態あるいは開状態等のセンサの台数、第2通信不可能通知672として通信不可能なセンサの台数が示される。これらは、電気錠制御システム240の代表情報、窓鍵センサ220および開閉センサ200の代表情報である。
【0056】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0057】
以上の構成による制御システム1000の動作を説明する。ここでは、説明を明瞭にするために、複数種類のセンサのうち、開閉センサ200を説明の対象にする。
図5は、制御システム1000による表示手順を示すフローチャートである。これは、検知結果に対する処理を示す。入力部340あるいは入力部540は、各開閉センサ200からの検知結果を受けつける(S10)。表示制御部342あるいは表示制御部542は、各検知結果を第1領域626に表示する(S12)。検知結果の中に開状態がある場合(S14のY)、表示制御部342あるいは表示制御部542は、不完全通知630を第2領域628に表示する(S16)。検知結果の中に開状態がない場合(S14のN)、ステップ16はスキップされる。
【0058】
図6は、制御システム1000による別の表示手順を示すフローチャートである。これは、電池残量に対する処理を示す。入力部340あるいは入力部540は、各開閉センサ200からの電池残量を受けつける(S50)。しきい値より少ない電池残量がある場合(S52のY)、表示制御部342あるいは表示制御部542は、該当する開閉センサ200のそれぞれに対して第1電池残量通知を第1領域626に表示する(S54)。また、表示制御部342あるいは表示制御部542は、1つの第2電池残量通知を第2領域628に表示する(S56)。しきい値より少ない電池残量がない場合(S52のN)、ステップ54とステップ56はスキップされる。
【0059】
図7は、制御システム1000によるさらに別の表示手順を示すフローチャートである。これは、通信状態に対する処理を示す。入力部340あるいは入力部540は、各開閉センサ200からの通信状態を受けつける(S100)。通信不可能の通信状態がある場合(S102のY)、表示制御部342あるいは表示制御部542は、該当する開閉センサ200のそれぞれに対して第1通信不可能通知670を第1領域626に表示する(S104)。また、表示制御部342あるいは表示制御部542は、1つの不完全通知630あるいは第2通信不可能通知672を第2領域628に表示する(S106)。通信不可能の通信状態がない場合(S102のN)、ステップ104とステップ106はスキップされる。
【0060】
本実施例によれば、複数の検知結果を第1領域に表示させ、複数の検知結果のうち、1つ以上の検知結果が不完全な戸締まり状態を示す場合に、不完全な戸締まり状態の存在を知らせるための不完全通知630を第2領域に表示させるので、複数のセンサのそれぞれにおける検知結果を容易に認識させることができる。また、センサの種類毎に情報を表示させる部分を分けるので、センサの種類毎の検知結果を容易に認識させることができる。また、1つの種類のセンサにおける情報として施錠状態あるいは解錠状態を表示し、別の種類のセンサにおける情報として開状態あるいは閉状態を表示するので、窓鍵センサ220あるいは電気錠制御システム240における情報と、開閉センサ200における情報とを表示できる。また、1つの種類のセンサにおける情報として、扉の電気錠の施錠状態あるいは解錠状態を表示し、別の種類のセンサにおける情報として、窓のクレセント錠の施錠状態あるいは解錠状態を表示するので、電気錠制御システム240における情報と、窓鍵センサ220における情報とを表示できる。
【0061】
また、しきい値よりも少ない1つ以上の電池残量のそれぞれに対して、第1電池残量通知を第1領域に表示させ、1つの第2電池残量通知を第2領域に表示させるので、電池残量がしきい値より少ないことを容易に認識させることができる。また、通信不可能を示す1つ以上の通信状態のそれぞれに対して、第1通信不可能通知670を第1領域に表示させ、1つの不完全通知630あるいは第2通信不可能通知672を第2領域に表示させるので、通信不可能であることを容易に認識させることができる。また、第1領域626と第2領域628とを同一の画面に表示させるので、情報の一覧性を向上できる。また、表示部318において、上から順に、第1通信不可能通知670、「解錠」、「開」となるように複数のセンサにおける情報をソートするので、上下方向のスクロール回数を低減できる。また、上下方向のスクロール回数が低減されるので、処理部330の処理速度が遅くても、情報を閲覧しやすくできる。
【0062】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の表示装置(300、500)は、施設(100)に設けられた複数の開閉部材のそれぞれに、戸締まり状態を検知可能なセンサが設置されており、複数のセンサのそれぞれにおける検知結果を受けつける入力部(340、540)と、入力部(340、540)において受けつけた複数の検知結果を表示部(318、518)の第1領域に表示させる表示制御部(342、542)とを備える。表示制御部(342、542)は、入力部(340、540)において受けつけた複数の検知結果のうち、1つ以上の検知結果が不完全な戸締まり状態を示す場合に、不完全な戸締まり状態の存在を知らせるための通知を表示部(318、518)の第2領域であって、かつ第1領域とは異なった第2領域に表示させる。
【0063】
複数のセンサは、検知内容が互いに異なる複数の第1種センサと複数の第2種センサとを含んでもよい。入力部(340、540)は、複数の第1種センサのそれぞれにおける第1検知結果を受けつけるとともに、複数の第2種センサのそれぞれにおける第2検知結果を受けつけ、表示制御部(342、542)は、入力部(340、540)において受けつけた複数の第1検知結果を表示部(318、518)の第1領域の第1部分に表示させるとともに、入力部(340、540)において受けつけた複数の第2検知結果を表示部(318、518)の第1領域の第2部分に表示させ、表示制御部(342、542)は、入力部(340、540)において受けつけた複数の第1検知結果のうち、1つ以上の第1検知結果が不完全な戸締まり状態を示す場合に、通知を表示部(318、518)の第2領域の第1部分に表示させ、表示制御部(342、542)は、入力部(340、540)において受けつけた複数の第2検知結果のうち、1つ以上の第2検知結果が不完全な戸締まり状態を示す場合に、通知を表示部(318、518)の第2領域の第2部分に表示させる。
【0064】
第1種センサは、開閉部材の施錠状態あるいは解錠状態を検知可能な施解錠センサであり、第2種センサは、開閉部材の開状態あるいは閉状態を検知可能な開閉センサであり、表示制御部(342、542)は、1つ以上の第1検知結果が解錠状態を示す場合に、解錠状態を知らせるための通知を表示部(318、518)の第2領域の第1部分に表示させ、表示制御部(342、542)は、1つ以上の第2検知結果が開状態を示す場合に、開状態を知らせるための通知を表示部(318、518)の第2領域の第2部分に表示させる。
【0065】
第1種センサは、開閉部材である扉の電気錠の施錠状態あるいは解錠状態を検知可能な電気錠センサであり、第2種センサは、開閉部材である窓のクレセント錠の施錠状態あるいは解錠状態を検知可能な窓鍵センサであり、表示制御部(342、542)は、1つ以上の第1検知結果が解錠状態を示す場合に、解錠状態を知らせるための通知を表示部(318、518)の第2領域の第1部分に表示させ、表示制御部(342、542)は、1つ以上の第2検知結果が解錠状態を示す場合に、解錠状態を知らせるための通知を表示部(318、518)の第2領域の第2部分に表示させる。
【0066】
入力部(340、540)は、複数の第1種センサのそれぞれにおける第1電池残量を受けつけるとともに、複数の第2種センサのそれぞれにおける第2電池残量を受けつけ、表示制御部(342、542)は、入力部(340、540)において受けつけた複数の第1電池残量のうち、1つ以上の第1電池残量がしきい値よりも少ない場合に、1つ以上の第1電池残量のそれぞれに対して、第1電池残量がしきい値よりも少ないことを知らせるための通知を第1領域の第1部分に表示させるとともに、しきい値よりも少ない第1電池残量の存在を知らせるための通知を表示部(318、518)の第2領域の第1部分に表示させ、表示制御部(342、542)は、入力部(340、540)において受けつけた複数の第2電池残量のうち、1つ以上の第2電池残量がしきい値よりも少ない場合に、1つ以上の第2電池残量のそれぞれに対して、第2電池残量がしきい値よりも少ないことを知らせるための通知を第1領域の第2部分に表示させるとともに、しきい値よりも少ない第2電池残量の存在を知らせるための通知を表示部(318、518)の第2領域の第2部分に表示させる。
【0067】
入力部(340、540)は、複数の第1種センサのそれぞれにおける第1通信状態を受けつけるとともに、複数の第2種センサのそれぞれにおける第2通信状態を受けつけ、表示制御部(342、542)は、入力部(340、540)において受けつけた複数の第1通信状態のうち、1つ以上の第1通信状態が通信不可能を示す場合に、1つ以上の第1通信状態のそれぞれに対して、第1通信状態が通信不可能を示すことを知らせるための通知を第1領域の第1部分に表示させるとともに、通信不可能を示す第1通信状態の存在を知らせるための通知を表示部(318、518)の第2領域の第1部分に表示させ、表示制御部(342、542)は、入力部(340、540)において受けつけた複数の第2通信状態のうち、1つ以上の第2通信状態が通信不可能を示す場合に、1つ以上の第2通信状態のそれぞれに対して、第2通信状態が通信不可能を示すことを知らせるための通知を第1領域の第2部分に表示させるとともに、通信不可能を示す第2通信状態の存在を知らせるための通知を表示部(318、518)の第2領域の第2部分に表示させる。
【0068】
表示制御部(342、542)は、第1領域と、第2領域とを同一の画面に表示させる。
【0069】
表示制御部(342、542)は、第1領域と、第2領域とを別の画面に表示させる。
【0070】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0071】
本実施例において、表示制御部342あるいは表示制御部542は、第1領域626と第2領域628を同一の画面に表示させている。しかしながらこれに限らず例えば、表示制御部342あるいは表示制御部542は、第1領域626と第2領域628を別の画面に表示させてもよい。この場合、第1領域626が含まれる画面と、第2領域628が含まれる画面との間で遷移がなされる。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【符号の説明】
【0072】
100 施設、 200 開閉センサ、 202 検知部、 204 制御部、 206 通信部、 220 窓鍵センサ、 222 検知部、 224 制御部、 226 通信部、 240 電気錠制御システム、 242 制御部、 244 操作部、 246 記憶部、 248 通信部、 260 電気錠、 300 制御装置(表示装置)、 310 第1通信部、 312 第2通信部、 314 記憶部、 316 操作部、 318 表示部、 330 処理部、 340 入力部、 342 表示制御部、 400 ルータ、 420 ネットワーク、 440 サーバ、 500 携帯端末装置(表示装置)、 510 通信部、 514 記憶部、 516 操作部、 518 表示部、 530 処理部、 540 入力部、 542 表示制御部、 1000 制御システム。