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特許7237885装置コンテクスト情報を使用してページングメカニズムを最適化するための方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】装置コンテクスト情報を使用してページングメカニズムを最適化するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 68/02 20090101AFI20230306BHJP
   H04W 8/22 20090101ALI20230306BHJP
【FI】
H04W68/02
H04W8/22
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020096877
(22)【出願日】2020-06-03
(62)【分割の表示】P 2017228711の分割
【原出願日】2010-10-27
(65)【公開番号】P2020156095
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2020-07-03
(31)【優先権主張番号】12/610,145
(32)【優先日】2009-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】ビーナス マイク
(72)【発明者】
【氏名】チョイ ヒュン-ナム
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-235732(JP,A)
【文献】特開2009-232277(JP,A)
【文献】特開2001-332994(JP,A)
【文献】特表2008-532440(JP,A)
【文献】特表2006-509382(JP,A)
【文献】特開2008-072683(JP,A)
【文献】CATT,Considerations on Paging in Carrier Aggregation,3GPP TSG-RAN WG2♯67bis R2-095486,2009年10月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークへの接続を確立するように構成されたトランシーバと、
動作を実行するように構成されたプロセッサと、
を備えたユーザ装置(UE)であって、
前記動作は、
前記ネットワークのベースステーションにコンテクスト情報を送信することと、
記コンテクスト情報に基づいて前記ベースステーションからページング合意を受信することであって、前記ページング合意に関する動作は、コアネットワークの関与なしに実行され、前記ページング合意は、前記ベースステーションから前記UEに送信されたコンテクスト情報を含む第1の更新メッセージから生成される、ことと、
前記ベースステーションにメッセージを送信することと、
前記UEから前記ベースステーションに送信された前記メッセージに基づいて前記ベースステーションからリフレッシュされたページング合意を受信することと、
を含む、
ユーザ装置。
【請求項2】
前記ページング合意は、前記UEと前記ベースステーションとの間のページング合意のパラメータに対応する、
請求項1記載のユーザ装置。
【請求項3】
前記ページング合意は、前記UEと前記ベースステーションとの間で使用されるアクティブなコンポーネントキャリアを識別する、
請求項1記載のユーザ装置。
【請求項4】
前記コンテクスト情報は、移動装置アイデンティティ情報、ハードウェアバージョン、示唆された無線リソース及び受信データの少なくとも1つを含む、
請求項1記載のユーザ装置。
【請求項5】
ユーザ装置(UE)により、前記ネットワークのベースステーションにコンテクスト情報を送信することと、
記コンテクスト情報に基づいて前記ベースステーションからページング合意を受信することであって、前記ページング合意に関する動作は、コアネットワークの関与なしに実行され、前記ページング合意は、前記ベースステーションから前記UEに送信されたコンテクスト情報を含む第1の更新メッセージから生成される、ことと、
前記ベースステーションにメッセージを送信することと、
前記UEから前記ベースステーションに送信された前記メッセージに基づいて前記ベースステーションからリフレッシュされたページング合意を受信することと、
を含む、
方法。
【請求項6】
前記ページング合意は、前記UEと前記ベースステーションとの間のページング合意のパラメータに対応する、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記ページング合意は、前記UEと前記ベースステーションとの間で使用されるアクティブなコンポーネントキャリアを識別する、
請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記コンテクスト情報は、移動装置アイデンティティ情報、ハードウェアバージョン、示唆された無線リソース及び受信データの少なくとも1つを含む、
請求項5記載の方法。
【請求項9】
ネットワークへの接続を確立するように構成されたトランシーバと、
動作を実行するように構成されたプロセッサと、
を備えたユーザ装置(UE)であって、
前記動作は、
記ベースステーションからページング合意を受信することであって、前記ページング合意に関する動作は、コアネットワークの関与なしに実行され、前記ページング合意は、前記ベースステーションから前記UEに送信されたコンテクスト情報を含む第1の更新メッセージから生成される、ことと、
前記ベースステーションにメッセージを送信することと、
前記UEから前記ベースステーションに送信された前記メッセージに基づいて前記ベースステーションからリフレッシュされたページング合意を受信することと、
を含む、
ユーザ装置。
【請求項10】
前記ページング合意は、前記UEと前記ベースステーションとの間で使用されるアクティブなコンポーネントキャリアを識別する、
請求項9記載のユーザ装置。
【請求項11】
前記ページング合意は、ページング送信のため前記ベースステーションにより利用される無線リソースを識別する、
請求項9記載のユーザ装置。
【請求項12】
前記ベースステーションは、追跡エリアの複数のベースステーションのうちの1つである、
請求項9記載のユーザ装置。
【請求項13】
前記メッセージは、心臓鼓動メッセージ又はサービスパルスメッセージのうちの1つである、
請求項9記載のユーザ装置。
【請求項14】
前記動作は、
移動装置アイデンティティ情報、ハードウェアバージョン、示唆された無線リソース及び受信データの少なくとも1つを含むコンテクスト情報を前記ベースステーションに送信することを更に含む、
請求項9記載のユーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、ワイヤレス通信及びデータネットワークの分野に係る。より詳細には、1つの規範的な態様において、本発明は、ワイヤレス通信及びデータネットワークにおけるページング送信を移動装置のコンテクスト情報に基づいて最適化するための方法及び装置に関する。
【0002】
優先権及び関連出願:本願は、2009年10月30日に出願された同じ名称の米国特許出願第12/610,145の優先権を主張するもので、これは、2009年3月23日に出願された“Methods and Apparatus for Optimizing Paging Mechanisms and Publication of Dynamic Paging Mechanisms”と題する共通所有の同時係争中の米国特許出願第12/409,398号に関連し、各出願は、参考としてここにそのまま援用される。
【0003】
著作権:本特許文書の開示の一部分は、著作権保護を受ける資料を含む。著作権所有者は、特許商標庁の特許ファイル又は記録に現れるように特許文書又は特許開示を誰かが複写再現することに異議を唱えるものではなく、著作権の全ての権利は何であれ保存されるものとする。
【背景技術】
【0004】
ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)は、「第三世代」又は「3G」セルラー電話技術で規範的に実施されものである。UMTS規格は、第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)と称される協力団体によって指定されている。3GPPは、インターナショナルテレコミュニケーションズユニオン(ITU)により規定された要求に応じて、とりわけ、ヨーロッパ市場をターゲットとする3Gセルラー無線システムとしてUMTSを採用した。ITUは、国際無線及びテレコミュニケーションを標準化し規制している。UMTSに対する改善は、第四世代(4G)技術への将来の進化をサポートすることである。
【0005】
現在関心がもたれている話題は、改良されたシステム容量及びスペクトル効率を通してパケットデータ送信に最適化された移動無線通信システムに向かってUMTSを更に開発することである。3GPPの環境では、この点に関する活動が一般的な用語「LTE」(長期進化)のもとで要約されている。その目的は、他のものの中でも、最大正味送信レートを将来的に著しく高めることであり、即ち、ダウンリンク送信方向には300Mbps程度のそしてアップリンク送信方向には75Mbps程度の速度にすることである。
【0006】
3GPPの更なる進歩は、LTEの中で、「LTE進歩型」又は「LTE-A」と称されるIMT進歩型無線インターフェイス技術に向かって研究されている。LTE進歩型の研究の範囲及び目的に関する詳細が、とりわけ、NTT DoCoMo等の“Further advancements for E-UTRA (LTE-Advanced)”と題するRP-080137に述べられており、その内容は、参考としてここにそのまま援用される。IMT進歩型の活動が開始され、そしてITU-R(インターナショナルテレコミュニケーションズユニオン-無線通信セクタ)によって案内されている。候補のIMT進歩型システムによりサポートされるべき重要な特徴は、ITU-Rにより設定され、他のものの中で、(1)高クオリティの移動サービス、(2)ワールドワイドローミング能力、並びに(3)高移動度環境については100Mbpsそして低移動度環境については1Gbpsのピークデータレートを含む。
【0007】
LTE-Aに関連した3GPPの現在の説明は、3GPP TS 36.913:“Requirement for further advancements for E-UTRA (LTE-Advanced)”の要求に基づいて、スペクトル効率、セルエッジスループット、カバレージ、及び待ち時間に関してLTEを更に進化させるための技術に焦点が置かれ、その内容は、参考としてここにそのまま援用される。その候補技術は、(1)マルチホップリレー、(2)ダウンリンクネットワークマルチ入力マルチ出力(MIMO)アンテナ技術、(3)スペクトルの集合による20MHzより大きな帯域巾のサポート、(4)柔軟なスペクトル使用/スペクトル共有、及び(5)セル間干渉管理。又、レガシーLTEネットワークとの後方互換性も、将来のLTE-Aネットワークの重要な要求であり、即ちLTE-Aネットワークは、LTEユーザ装置(UE)もサポートし、そしてLTE-A UEは、LTEネットワークで動作することができる。
【0008】
従来のページングメカニズム
UMTS及びLTEのような多くの従来のセルラー移動無線通信システムには、ページングメカニズムが使用される。ページングメカニズムは、移動装置が、不使用の間に減少又は「アイドル」状態で動作することにより電力消費を最小にすることができる。UEは、ページング通知を受信すると、「ウェイクアップ」して通知に応答する。
【0009】
従来技術では、ワイヤレスシステム内のページングメカニズムに対する種々の解決策が証明されている。例えば、ほとんどのセルラーネットワーク内で、ネットワークオペレータは、アイドルの移動装置のおおよその位置又は「追跡エリア」(TA)を維持する。各TAは、多数のセルより成る。移動装置がページングされるとき、TA内の全ての指定セルがページング通知を送信する。おそらく、移動装置は、それがTAから出ない限り、ページング通知を受信しなければならない。不都合なことに、良好なページングカバレージを与える追跡エリアが大きいほど、比例的に大きな無線スペクトル及びリソースも消費し、従って、従来の解決策は、リソース利用のためにカバレージエリアを取り引きする。
【0010】
初期のLTE-Aネットワークは、スペクトル帯域巾を自由に柔軟に分断及び/又は集合させる。しかしながら、残念なことに、そのようなスペクトルの柔軟性は、ページングを著しく複雑なものにし、即ちUEが追跡エリアを通過するときに、帯域巾の使用が大幅に変化し得る。例えば、UEは、一般的に、ページングメッセージに使用されるリソース構成を知らない。同様に、ネットワークは、UEがページングチャンネル受信のためにどのリソースを監視しているか知らない。従って、既存のネットワークは、移動装置との連絡が再確立されるまで、TAの各セルに対して全セル帯域巾を経てページングチャンネルメッセージを送信する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、分断マルチ帯域動作能力及び柔軟なリソースを有するネットワークに特に対処するための適当なページングメカニズムが要望される。そのような改良された解決策は、既存の無線装置及び他のワイヤレス装置に対するユーザの経験に悪影響を及ぼすことなく(即ち、後方互換性を保ちながら)、シームレスに動作するのが理想的である。
【0012】
又、新規なLTE進歩型アーキテクチャーの複雑さに特に対処するページングメカニズムのための改良された装置及び方法も要望される。LTE進歩型システムアーキテクチャーは、分断マルチ帯域能力と、OFDMアクセスと、レガシーUE及び新規UEの混合ポピュレーションとを結合する。このアーキテクチャー内でページングするための既存のメカニズムは、最適には達しないものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ワイヤレスネットワークにおいてページングするための改良された装置及び方法を提供することにより前記要望を満足する。本発明の1つの態様において、ワイヤレスネットワークのベースステーションから移動装置をページングする方法が開示される。一実施形態において、ページングは、ページングチャンネルを受信するために移動装置により使用される選択されたリソースに基づくものであり、そしてこの方法は、移動装置により使用されるリソースに関する情報を、移動装置がそのリソースを選択するときに受信し、そして使用されるリソースのページングチャンネルのみを使用してベースステーションから移動装置へページング情報を送信することを含む。使用されるリソースの情報が存在しない場合には、ページング情報が移動装置へ送信されない。
【0014】
1つの変形例において、ベースステーションは、LTE準拠のeNodeBを含み、移動装置は、LTE準拠のUEであり、選択されたリソースは、少なくとも1つのコンポーネントキャリア(CC)を含む。
【0015】
別の変形例において、ベースステーションは、現存のLTE装置との後方互換性を維持するために少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対して20MHzの最大帯域巾をサポートするよう構成されたLTE-A(長期進化進歩型)準拠のeNodeBである。ページングチャンネルを受信するために移動装置により使用される選択されたリソースは、アイドル(非接続)モードで使用される。
【0016】
本発明の第2の態様において、ベースステーション装置が開示される。一実施形態において、この装置は、デジタルプロセッサと、プロセッサとデータ通信する無線インターフェイスと、プロセッサとデータ通信する記憶装置とを備え、記憶装置は、デジタルプロセッサにより実行されたときに、(i)移動装置から無線インターフェイスを経て更新メッセージを受信するのに応答して、移動装置とのページング合意をネゴシエーションしそしてタイミング機能をスタートさせ、(ii)無線インターフェイスを経て指示を受信するのに応答して、タイミング機能をリセットし、そして(iii)タイミング機能が満了になるのに応答して、ページング合意を削除する、というコンピュータ実行可能なインストラクションを含むものである。
【0017】
1つの変形例において、前記装置は、更に、プロセッサとデータ通信する広帯域インターフェイスを備え、その広帯域インターフェイスを経て移動装置にアドレスされたネットワークページを受信するのに応答して、前記装置は、更に、ページング合意の存在を決定し、ページング合意が存在しない場合には、ネットワークページを無視し、そしてページング合意が存在する場合には、ページング合意に基づいて移動装置へページングチャンネルメッセージを送信する。
【0018】
別の変形例において、前記指示は、実質的に周期的な心臓鼓動メッセージを含み、そして前記タイミング機能は、ウオッチドッグタイマーである。
【0019】
更に別の変形例では、ベースステーション装置及び移動装置は、各々、LTE-A(長期進化進歩型)準拠である。
【0020】
本発明の第3の態様において、移動通信装置が開示される。一実施形態において、この装置は、デジタルプロセッサと、プロセッサとデータ通信するワイヤレスインターフェイスと、プロセッサとデータ通信する記憶装置とを備え、記憶装置は、コンピュータ実行可能なインストラクションを含む。このインストラクションは、デジタルプロセッサにより実行されたときに、更新メッセージを送信させ、更新メッセージは、その受信者がページング合意を発生しそして第1スケジュールを有するタイミング機能を呼び出すようにさせる構成とされ;更に、第1スケジュールとは異なる第2スケジュールを有する第2メッセージを送信させ、この第2メッセージは、ページング合意を拡張させるよう構成される。
【0021】
1つの変形例において、第2メッセージは、更に、受信側ベースステーションがタイミング機能を再スタートさせるように構成される。
【0022】
別の変形例において、ページング合意は、少なくとも、(i)移動装置をページングするのに使用されるコンポーネントキャリアと、(ii)第2メッセージを周期的に送信するのに使用される少なくとも1つのタイミングパラメータと、の仕様を含む。
【0023】
本発明の第4の態様において、ページングメッセージを効率的に送信する方法が開示される。一実施形態において、メッセージがワイヤレスネットワークの複数のベースステーションから移動装置へ送信され、前記方法は、ベースステーションのサブセット内で、少なくとも1つのベースステーションと移動装置との間にページング合意を発生し、少なくとも1つのベースステーションは、サブセットの一部分であり、少なくとも1つのベースステーションにコンテクスト情報を記憶し、複数のベースステーションのサブセットにおいて移動装置のためのデータを受信し、そして前記発生されたページング合意を有する少なくとも1つのベースステーションのみからページングメッセージを送信することを含む。
【0024】
1つの変形例において、コンテクスト情報は、移動装置に利用できる少なくとも1つのリソースの記述を含む。
【0025】
別の変形例において、移動装置は、非接続のアイドルモードで動作する。
【0026】
本発明の第5の態様において、マルチセルネットワークでページング動作を行う方法が開示される。一実施形態において、この方法は、複数のベースステーションに関連した追跡エリアを指定し、移動装置を追跡エリアに関連付けし、そして少なくとも移動装置を使用して、移動装置のページングを行うための複数のベースステーションのサブセットのみを指定することを含む。
【0027】
1つの変形例において、ネットワークは、複数のベースステーションと動作通信するコアネットワークを備え、このコアネットワークは、ベースステーションの指定されたサブセットについて知らされていない。移動装置及びベースステーションは、長期進化進歩型(LTE-A)準拠であり、コアネットワークは、LTE準拠であるが、長期進化進歩型(LTE-A)準拠ではない。
【0028】
本発明の第6の態様において、コンピュータ読み取り可能な装置が開示される。一実施形態において、この装置は、少なくとも1つのコンピュータプログラムを有する記憶媒体を備え、その少なくとも1つのプログラムは、セルラーネットワーク内の移動装置に対する電力効率の良いページング動作を可能にするように構成される。
【0029】
本発明の第7の態様において、ワイヤレスネットワークが開示される。一実施形態において、このネットワークは、LTE準拠のセルラーネットワークであり、ネットワークの各部分(即ち、ベースステーション及びUE)は、LTE-A準拠であって、LTE-Aの利点を、電力及びリソース効率の良いページングモード動作で実現することができる。
【0030】
本発明の他の特徴及び効果は、添付図面及び規範的実施形態の以下の詳細な説明を参照することにより当業者に直ちに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A】典型的な従来の時分割多重アクセス(TDMA)実施の時間及び周波数プロットである。
図1B】典型的な従来の周波数分割多重アクセス(FDMA)実施の時間及び周波数プロットである。
図1C】典型的な従来のコード分割多重アクセス(CDMA)実施の時間及び周波数プロットである。
図1D】TDMAと組み合わせて使用される典型的な従来の直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)実施の時間及び周波数プロットである。
図2】全デュープレックスFDD、半デュープレックスFDD及びTDDを含む種々の従来のデュープレックス方法のグラフ表示である。
図3】従来のLTE FDDシステムのための規範的フレーム構造タイプのグラフ表示である。
図4】従来のLTE2段階ページングメカニズムのタイミングのグラフ表示である。
図5】従来のLTE-A2段階ページングメカニズムのタイミングのグラフ表示である。
図6】移動装置へページング通知を送信する従来のセルラーシステムのグラフ表示である。
図7】本発明の一実施形態により移動装置へページング通知を送信する規範的セルラーシステムのグラフィック表示である。
図8】本発明によりページング合意を確立して維持するための一般的な方法の1つの規範的実施形態を示す論理フローチャートである。
図9図8の一般的方法に基づいてセルラー無線システムにおいて複数の当事者間にページング合意を確立する方法を更に述べる梯子図である。
図10】本発明によりコンテクスト情報を効率的に使用してページングチャンネルメッセージを送信するための一般的方法の1つの規範的実施形態を示す論理的フローチャートである。
図11図10の一般的方法に基づきコンテクスト情報を使用して移動装置をページングする方法を更に述べる梯子図である。
図12】本発明の方法を実施するためのベースステーション装置の一実施形態を示す機能的ブロック図である。
図13】本発明の原理によりコンテクスト情報を含む更新メッセージフォーマットの一実施形態のグラフ表示である。
図14】本発明の原理によりページング合意を含む確認メッセージフォーマットの一実施形態のグラフ表示である。
図14A】本発明の原理により1つの規範的なeNBに記憶されるページング合意エントリーの一実施形態のグラフ表示である。
図15】本発明の方法を実施するためのクライアント装置(例えば、UE)の一実施形態を示す機能的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
全体にわたって同様の部分が同じ番号で示された添付図面を参照する。
【0033】
概略
1つの態様において、本発明は、ワイヤレス通信システム内のページングチャンネル動作をコンテクスト情報に基づいて変更するための方法及び装置を開示する。この特徴は、例えば、ページング動作に使用される帯域巾をベースステーションが著しく減少できるようにする。一実施形態において、追跡エリアのベースステーションと移動装置との間でページング合意が交換される。ベースステーション及び移動装置は、将来のページングチャンネルトランザクション(例えば、適当なコンポーネントキャリア、タイミング、等)のためにページング合意に従う。ページング合意の有効性を自動的に保証するための付加的な特徴が開示される。
【0034】
そのような方法及び装置は、とりわけ、LTE進化型アーキテクチャーのように、分断マルチ帯域動作能力及び柔軟なリソース割り当て/利用を有するネットワーク内のページング能力の管理に対処するのに特に有用である。
【0035】
本発明の1つの具現化において、移動装置コンテクスト情報は、移動装置アイデンティティ、ハードウェアバージョン、デフォールトリフレッシュタイマー周期、1つ以上の示唆された無線リソース、ベースステーション受信情報、等、の1つ以上を含む。コンテクスト情報は、ページング合意を決定するためにベースステーションによって評価される。ある実施形態では、移動装置は、複数のベースステーションとの複数のページング合意を同時に維持することができる。
【0036】
本発明の別の態様において、移動装置又はベースステーションのいずれかによりページング合意を周期的にリフレッシュする方法及び装置が開示される。ある実施形態では、リフレッシュされないページング合意が終了される。別の実施形態では、リフレッシュされないページング合意がリバイバル手順をトリガーし、元のページング合意を回復させる。より一般的には、ページング合意の予期しない振舞いに対する幅広い解決策が開示される。ある具現化では、(ページング合意に対して)矛盾したページング振舞いは、ページング合意を終了させる。同様に、矛盾したページング振舞いも、ページングメッセージ配信のための再試みのようなリバイバル又は回復アクションをトリガーする。
【0037】
規範的実施形態の詳細な説明
本発明の規範的な実施形態を以下に詳細に説明する。これらの実施形態は、主として、UMTSワイヤレスネットワークについて説明し、より特定すれば、第四世代(4G)のUMTS、LTE及びLTE-Aネットワークに対する変形例について説明するが、当業者であれば、本発明がそれに限定されないことが明らかであろう。実際に、本発明の種々の態様は、ここに述べるページングメカニズムから利益が得られるいかなるワイヤレスシステム(例えば、セルラーネットワーク、ワイヤレスローカルエリアネットワーク、アドホック接続、等)にも有用である。そのようなワイヤレスシステムは、例えば、Wi-FiTM、WiMAXTM、BluetoothTM、等を含む。
【0038】
本発明の規範的な実施形態の以下の説明において、セルラー無線システムは、セルサイト又はベースステーションとして知られている送信側ステーションによって各々サービスされる無線セルのネットワークを備えている。無線ネットワークは、複数のトランシーバ(ほとんどの場合移動)に対してワイヤレス通信サービスを提供する。協力して動作するベースステーションのネットワークは、単独でサービスするベースステーションによって提供される無線カバレージより大きなワイヤレスサービスを許す。個々のベースステーションは、リソース管理のための及びある場合には(インターネットのような)他のネットワークシステム又はMANへのアクセスのための付加的なコントローラを含む別のネットワーク(多くの場合はワイヤードネットワーク)によって接続される。
【0039】
LTEでは、2つの異なるタイプのベースステーション、即ちeNodeB(eNB)及びホームeNodeB(HNB)、がある。従来のセルラーネットワークでは、ベースステーションのネットワークが、単一のネットワークオペレータエンティティにより所有され及び/又は制御される。3GPPは、「ホームノードB」(HNB)として知られた新規なネットワーク要素を導入した。ホームベースステーション(又は3GPPの用語ではホームNodeB(HNB)又はホームeNodeB(HeNB)は、住居、会社、又は同様の環境(例えば、個人の家庭、公共のレストラン、小さなオフィス、企業、病院、等、従って、「ホーム」という語は、住居用途に限定されない)に使用するのに最適なベースステーションである。ここでは、「ホームベースステーション」、(UMTSの場合の)「ホームNodeB」、(LTEの場合の)「ホームeNodeB」という語は、一般的に、「フェムトセル」を指す。又、ここでは、ベースステーション、「NodeB」及び(LTEの場合の)「eNodeB」という語は、一般的に、「マクロセル」を指す。
【0040】
長期進化進歩型(LTE)アクセス方法
現在のLTE仕様は、潜在的な送信レートを高めるようにエアインターフェイスを経ての送信を改善するための多数の柔軟なマルチアクセス方法を規定している。LTEは、ダウンリンクアクセスのために直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)と時分割多重アクセス(TDMA)との組み合わせを指定している。この混成アクセス技術は、以下OFDMA/TDMAとも称されるが、周波数スペクトルにおける規定数のサブキャリアと、データ送信のための規定の送信時間とが加入者に与えられるマルチキャリアマルチアクセス方法である。LTEは、更に、アップリンクアクセスのためにSC-FDMA(単一キャリア周波数分割多重アクセス)とTDMAとの組み合わせも指定している。更に、LTEは、全デュープレックスFDD(周波数分割デュープレックス)、半デュープレックスFDD及びTDD(時分割デュープレックス)をサポートする。最後に、LTEは、1.4、3、5、10、15及び20MHzの拡張可能な帯域巾セグメントもサポートする。
【0041】
簡単に述べると、図1A-1Dは、ワイヤレス送信の分野で良く理解されそして本開示を通じて使用される基本的なマルチアクセス方法を概略的に示す。これらの図において、時間は、時間軸(t)の方向に増加し、そして周波数は、周波数軸(F)の方向に増加することを認識されたい。
【0042】
図1Aは、TDMA(時分割多重アクセス)システムを示す第1の時間-周波数図である。TDMAでは、各移動無線ターミナルは、移動無線ターミナルにより使用するために設けられた全周波数帯域を使用する。しかしながら、各移動無線装置には、その移動無線装置が有用なデータを送信及び受信する規定の送信時間インターバル(TTI)しか割り当てられない。送信時間インターバル102の間に、無線セルでは1つの移動無線装置だけがアクティブである。
【0043】
図1Bは、FDMA(周波数分割多重アクセス)システムを示す第2の時間-周波数図である。FDMAでは、各移動無線装置は、時間ドメインを自由に使用するが、有用なデータを送信し及び受信するのに、全周波数帯域内の規定の(狭い)周波数帯域104しか利用できない。所与の時間に無線セルの各狭い周波数帯域では1つの移動無線装置だけがアクティブである。
【0044】
図1Cは、CDMA(コード分割多重アクセス)システムを示す第3の時間-周波数図である。CDMA(いわゆる「直接シーケンス」又はDSシステムの亜種)では、各移動無線ターミナルは、任意の期間中に有用なデータを送信及び受信し、そして利用可能な全周波数帯域を使用する。異なる送信者により送信されるデータ間の干渉を回避するため、各移動無線装置には、バイナリ擬似ノイズコードパターン106が割り当てられる。異なる移動無線ターミナルに割り当てられるコードパターンは、理想的には、直交するものであり、そして移動無線ターミナルにより送信されるか又は移動無線ターミナルにより受信されるデータは、移動無線ターミナルに割り当てられたコードパターンによってコード化(拡散)される。
【0045】
図1Dは、TDMAと組み合わされるOFDMA(直交周波数分割多重アクセス)システムを示す。OFDMAは、FDMAの特殊なケースであり、帯域巾Bをもつ全周波数帯域がM個の直交サブキャリア108に細分化されるマルチキャリア方法である。従って、M個の(狭い)周波数帯域があり、その各々は、F=B/Mの帯域巾をもつ。OFDMAでは、送信されるべきデータストリームは、多数のサブキャリアにわたって分割され、そして(一般的に)並列に送信される。従って、各サブキャリアのデータレートは、全体的なデータレートより低い。各移動無線ターミナルに対して、規定数のサブキャリア108がデータ送信のために割り当てられる。例えば、CDMAの柔軟なコード割り当てに勝る、OFDMAの柔軟な時間-周波数リソース割り当ての主たる効果は、スペクトル効率が高い(即ち、単位周波数帯域当たりの単位時間当たりのビットが多い)ことである。
【0046】
LTEでは、OFDMA/TDMAデータストリームに基づくダウンリンクアクセスが時間的に一定時間インターバル又はフレームに細分化される。各フレームは、更に、スロット及びサブフレームに細分化される。全てのサブフレームを使用する必要がなく(ネットワークは充分に活用されず)、サブフレームは、トランシーバとのデータ送信/受信に使用されるべき最小時間増分である。トランシーバがベースステーションのタイミングを取得すると、スケジュール機能で各トランシーバにサブフレームが割り当てられる。
【0047】
図2は、上述した従来技術による全デュープレックスFDD、半デュープレックスFDD及びTDDを示す。全デュープレックスFDDは、アップリンク送信222及びダウンリンク送信220に対して2つの別々の周波数帯域を使用し、両送信は、同時に行うことができる。FDDとは異なり、TDDは、アップリンク222及びダウンリンク220の両送信に対して同じ周波数帯域を使用するが、所与の時間フレーム内では、送信の方向がダウンリンク220とアップリンク222との間で交互に切り換えられる。半デュープレックスFDDは、全デュープレックスFDDと同様に、アップリンク送信222及びダウンリンク送信220に対して2つの別々の周波数帯域を使用するが、アップリンク及びダウンリンク送信は、時間的に重畳しない(TDDと同様に)。
【0048】
LTEネットワークは、全デュープレックス及び半デュープレックスFDDの両方に使用される標準フレーム構造タイプ1 300(図3に示す)を使用する。各無線フレーム302は、巾が10msであり、そして0から19まで番号付けされた0.5msの長さ間隔の20個のスロット304で構成される。サブフレーム306は、2つの連続するスロット304として定義される。FDDの場合に、各10msの間隔においてダウンリンク送信に10個のサブフレームが利用されそしてアップリンク送信に10個のサブフレームが利用される。アップリンク及びダウンリンク送信は、周波数ドメインにおいて分離される。スロットのフォーマットに基づいて、サブフレームは、ダウンリンクでは14又は12個のOFDMA記号より成り、そしてアップリンクでは14又は12個のSC-FDMA記号より成る。フレーム構造及びタイミングの詳細は、“E-UTRA Physical channels and modulation”と題する3GPP TS 36.211に述べられており、その内容は、参考としてここにそのまま援用される。
【0049】
図4を参照すれば、従来のLTEネットワークのための2段階ページングチャンネルメッセージ400が示されている。LTEネットワークでは、3種類の「コントロールチャンネル」、即ちPCFICH、PDCCH、及びPHICHを送信するために第1のOFDMA記号が使用される。「物理的コントロールフォーマットインジケータチャンネル」(PCFICH)は、物理的ダウンリンクコントロールチャンネル(PDCCH)のフォーマットを指示する。PDCCHは、とりわけ、リソース指定及びページング指定を搬送する。物理的HARQインジケータチャンネル(PHICH)は、物理的アップリンク共有チャンネル(PUSCH)において移動装置から受信される確認又は否確認(ACK/NACK)データのために使用される。これらコントロールチャンネルの各々は、4つのサブキャリアのグループに分割され、そして全LTEシステム帯域巾にわたって拡散される。
【0050】
図示されたように、UEは、規定の時間(即ち、長さ1msの規定のサブフレーム)に物理的ダウンリンクコントロールチャンネル(PDCCH)402を監視する。ページング識別子がネットワークによりUEに指定される。指定のページング識別子がPDCCHにおいてデコードされると、UEは、それに関連した物理的ダウンリンク共有チャンネル(PDSCH)404をデコードする。図示されたように、PDCCHは、サブフレーム#i+2において送信され、第1スロットの1つ、2つ又は3つのOFDMA記号を占有し、記号の数は、ネットワークによって動的に調整される。PDSCH404は、サブフレーム#i+2の残部において送信され、そしてPDCCH、PCFICH又はPHICHにより使用されないサブフレームにおいてOFDMA記号を占有する。
【0051】
長期進化進歩型(LTE-A)に対する改善
既存のLTEアーキテクチャー及びアクセス方法のフレームワーク内で、初期のLTE-A提案は、スペクトル集合で100MHzまでの帯域巾を与えることにより既存のLTE動作の多様性を拡張し続ける。例えば、LTE-Aセルの帯域巾は、以下「コンポーネントキャリア」(CC)と称される多数のスペクトルスライスで構成される。しかしながら、LTEとLTE-Aネットワークとの間の後方互換性を維持するために(即ち、LTE-A eNodeBは、LTEユーザ装置もサポートしなければならない)、各CCは、最大限、20MHz(LTE限界)に制限される。
【0052】
図5は、周波数及び時間に関して示された2段階ページングチャンネルメッセージ500の従来の1つのLTE-Aスケジュールのグラフ表示である。LTE-Aでは、LTE-Aのコンポーネントキャリアは、LTEシステムの全システム帯域巾と同等である。例えば、LTE-Aにおいて、各CC502の帯域巾は、20MHzまでの帯域巾に及ぶ。多数のCCがLTE-Aセルにより同時に与えられて、非常に大きな集合帯域巾をカバーする。LTE-A UEは、多数のCCを同時に使用できるが、LTE UEは、一度に1つのCCと同等のものしか使用できない。このチャンネル構造は、LTE UEのための完全な後方互換性を保持しつつ、LTE-A UEのための非常に大きな帯域巾の可能性を与える。
【0053】
LTE-Aについて提案された改善は、進行中の接続をもつUEにとっては非常に有益であるが、これらの同じ改善が非接続のUEにとって望ましからぬ影響を及ぼす。「アイドル」モードの間に(即ち、UEがネットワークに接続されないときに)、UEは、ページングチャンネルを状態更新、例えば、保留中コール、ショートメッセージングサービス(SMS)、データ更新、等について周期的にチェックしなければならない。しかしながら、アイドルモード中にはUEと無線アクセスネットワークとの間に確立される進行中のダイヤログはないので、UE及びeNBは、必ずしもページングチャンネルパラメータに合意しなくてもよい。従って、UEは、考えられる全てのCCスライスに対して全てのページングチャンネルをチェックしなければならない。同様に、無線アクセスネットワークの追跡エリアのeNBは、ページングチャンネルメッセージを適当なCCにアクティブに放送しなければならない。これらのCCは、以下「アクティブなコンポーネントキャリア」(CC)と称される。ある具現化において、CCは、ページング動作から除外されてもよい(eNBがLTE-A UEにリソースを指定する場合には非アクティブなCCだけが使用される)。除外されたCCは、LTE UEとの互換性はない。明らかに、スペクトルの大きな広がりを経て簡単なページングメッセージの受信及び送信の両方を行うことは最適ではない。
【0054】
図6は、従来技術のページングチャンネル送信600の上述した欠点を更に示す。図示されたように、追跡エリア(TA)は、3つのeNB602、即ちeNB1、eNB2、及びeNB3より成る。3つのeNBは、移動管理エンティティ(MME)604へのバックホール接続を有し、MMEは、(UE1 606を含む)TA内の現在知られている全てのUEのリストを維持する。データ送信を開始するために、MMEは、バックホールを経てTAの各eNBにネットワークページ610を送信する。それに応答して、各eNBは、アクティブなCCを経てUEへページング通知を送信する(エアインターフェイスページングチャンネルメッセージ612)。
【0055】
少し脇へそれるが、「ページングメッセージ」「ページング通知」「ページングチャンネルメッセージ」等の語は、一般的に、これまで交換可能に使用されてきた。従来の用語は、ページングメッセージの種々の形を区別するものではない(コアネットワーク内の発生からユーザ装置での受信まで)。しかしながら、以下の説明では、上述した解釈は、正確なものではなく、潜在的に混同を招く。従って、以下に使用される「ページング要求」及び「ネットワークページ」という語は、中央ネットワークエンティティ(例えば、MME)と仲介サービス装置(例えば、eNB)との間のページ関連メッセージを指す。対照的に、「ページングメッセージ」「ページング通知」「ページングチャンネル」「ページング送信」という語は、仲介サービス装置からエアインターフェイスを経て移動装置へ送られるページ関連メッセージを指す。「ページングメカニズム」「ページング」及び「ページド」という語は、全体的なページングプロセスを指し、ネットワーク又はエアインターフェイスへの限定を意味するものではない。
【0056】
図6に戻ると、従来のページング送信システム600では、UE1 606は、eNB1 602からページングチャンネルメッセージ612を受信する。他のeNB(eNB2、eNB3)により送信されたページングチャンネルメッセージは、無駄となり、貴重な無線リソースを消費する。eNB1のカバレージ内でも、UEは、eNB1の各CCを経てページングメッセージを受信する。UEは、単一のページングチャンネルメッセージを受け取るだけでよく、従って、複製のページングチャンネルメッセージは、余計なものとなる。
【0057】
動作例
以下の説明は、ユーザコンテクスト情報に基づいてページングメカニズムを最適化するための本発明の種々の有用な態様を示す。
【0058】
図7は、本発明によるページングシステム700の1つの規範的な実施形態を示す。図示されたように、追跡エリア(TA)は、3つのeNB 1200:eNB4、eNB5及びeNB6より成る。3つのeNBは、移動管理エンティティ(MME)604へのバックホール接続を有し、MMEは、(本発明でイネーブルされる(the invention-enabled)UE2 1500を含む)TA内の現在知られている全てのUEのリストを維持する。
【0059】
近傍の適当なeNB4 1200が最初に検出されると、或いはその後のコンテクスト情報の変更の間に、UE2 1500は、第1の更新メッセージをeNB4へ送信し、この更新メッセージは、ページング合意を生成するのに有用なコンテクスト情報(例えば、種々のサポートされるオプション、タイマーオプション、等)を含む。更新メッセージに応答して、eNB4は、確認メッセージ(例えば、1つ以上のオプション、タイマー設定、等の選択)を送信する。確認メッセージを受信すると、2つの当事者は、特にネットワークの支援なしにページング合意を完成させる(上位のコアネットワークの関与を必要とせずにUE2とeNB4との間のみで全トランザクションが行われる)。ページング合意は、eNB4及びUE2がページングチャンネルメッセージに対して使用するアクティブなCCを識別する。
【0060】
ページング合意の有効性を保証するために、UE2及びeNB4は、1つの変形例では「心臓鼓動」又は「サービスパルス」メッセージを使用してページング合意を周期的にリフレッシュする。「ウオッチドッグ」タイマーは、心臓鼓動が欠落した場合に修正アクションをトリガーし、欠落した心臓鼓動は、瞬間的な無線リンク干渉を指示するか、或いはページング合意の終了を指示する。このシナリオでは、UE(UE2)がタイマーをリフレッシュしない場合、eNB4は、UE2がTA内の別のeNB(eNB5、eNB6)へ移動したと仮定し、UE2のレコードを削除する。
【0061】
以下に詳細に説明するように、コンテクスト情報は、任意に変更できる。コンテクスト情報の変更は、ページング合意に影響しても、しなくてもよい。コンテクスト変更の通知は、ここに述べる更新又は確認メッセージを経てシグナリングされる。eNB4は、各UE2のためのコンテクスト情報を記憶し、そして必要に応じて、ページング合意を変更する。そのような変更は、eNB4によりトリガーされるか(例えば、CCがアイドルモードにおいてUEによりもはや使用されない場合、等)、又はUE2によりトリガーされる(例えば、より適当なものであるCCをそれが検出した場合、等)。
【0062】
ページの間に、MME604は、バックホールを経てTAの本発明の各eNBへネットワークページ610を送信する。図6の従来のスキーム600とは対照的に、本発明でイネーブルされる各eNB 1200は、それらのカバレージエリア(一般的に追跡エリアのサブセット)内にあるUE1500に関するコンテクスト情報及びページング合意をローカルに保持する。その結果、ネットワークページを受信すると、各eNBは、現在コンテクスト情報についてその内部データベースを調べる。ページングされるUEが、記録されたUEのいずれにも一致しない場合には、ネットワークページ610が無視される。eNBが首尾よく一致する場合には、eNBは、ページングチャンネルメッセージ702を送信する。従って、eNB4だけが、適切なCCを経て、本発明でイネーブルされるUE2 1500へページングチャンネルメッセージ702を送信し、他の全てのeNB無線リソースは、他のタスクのために空いており、全体的なネットワーク効率を改善することができる。
【0063】
更に、前記実施形態は、好都合にも、既存のLTE及び/又はLTE-Aネットワークとの完全な後方互換性解決策である。例えば、既存のMME604及びそれに関連したメッセージングインターフェイスは、不変のままとすることができる。又、本発明でイネーブルされるeNB 1200は、レガシーeNB 602と共に自由に散在させることができる。というのは、ここに述べるページングスキームは、ベースステーション間の協働を要求しない(それにもかかわらず、必要に応じてそれを利用できる)からである。同様に、本発明により構成されたeNB1200及びUE1500は、(一実施形態においてコンテクスト情報レコードに含まれた)改訂情報を使用することによりそれらのレガシー対応物と自由に混在してもよい。
【0064】
方法
図8及び10は、本発明の規範的実施形態によりコンテクスト情報に基づくワイヤレスページングの2つの個別の態様を示す論理フローチャートである。図8は、一般的に、ワイヤレスネットワーク内で動作するワイヤレス装置のコンテクスト情報及び/又はページング合意を更新するためのプロセスを示す。図10は、ページング合意を利用するページングメカニズムを広く特徴付けるものである。
【0065】
ページング合意の確立及び維持
図8は、セルラー無線システムの複数の当事者間のページング合意を維持する一般的な方法を示す。より詳細には、図8の方法800に示すように、ステップ802において、関与する当事者が最初に識別される。1つの規範的な実施形態では、第1の移動装置が、1つ以上の第2のベースステーション装置を識別する。そのような識別は、パイロットチャンネル、放送チャンネル、等の公共放送信号に基づく。例えば、LTE無線アクセスネットワークは、システム情報ブロック(SIB)又はマスター情報ブロック(MIB)においてシステム情報を公共放送する。イネーブルされたUE1500は、近傍のeNB(1200、602)のSIBをデコードする。eNBが(本発明による)改善されたページングチャンネル動作をサポートする場合には、UEは、ステップ804に進む。さもなければ、UEは、レガシーアイドルモード手順を再開する。同様の方法をeNBに対して適用することができ、例えば、UEから改善メッセージ(例えば、「追跡エリア更新」)を受信するeNBは、改善ページング手順に対してそれ自身を構成することができる。eNBは、UEからレガシーメッセージを受信した場合に、レガシーページング手順に復帰する。
【0066】
更に、ある混雑したネットワークでは、移動装置は、多数の候補ベースステーションを検出する。多分、候補ベースステーションは、他のページングチャンネル動作の、レガシーから、改善型、そしておそらく将来の形までの種々の等級に及ぶ多様な能力を有する。従って、ある具現化では、移動装置は、コンテクスト情報交換及びページング合意のために候補ベースステーションの1つ以上を選択することができる(ステップ804)。
【0067】
他の実施形態では、1つ以上の第2のベースステーション装置が第1の移動装置を識別する。そのような識別は、1つ以上の装置属性をチェックすることにより遂行される。例えば、ベースステーションのカバレージ内の移動装置は、改善ページングチャンネル能力について問合せされる。同様に、他の変形例では、ベースステーションは、他の方法、例えば、帯域外シグナリング、ネットワーク管理エンティティとの通信、等を経て改善移動装置動作を発見する。
【0068】
ネットワークリソースの最も効率的な使用は、ページングメッセージを移動装置へ頑健に送信するように最低数の無線リソース(例えば、CC)に指令する。従って、一実施形態では、識別された当事者は、ページング送信のために多数の無線リソースに合意する。例えば、非常に明瞭な受信の場合には、おそらく、単一のCCに単一のeNBがページングメッセージを送信するだけで充分である。対照的に、(例えば、高フェージング環境、非常に高いユーザ密度、等のために)混乱した受信の場合には、複数のベースステーションが1つ以上のCCを使用してページング通知を送信することが要求される。
【0069】
ステップ804において、識別された当事者がコンテクスト情報及び/又はページング合意を交換する。LTEネットワークにおいて、コンテクスト情報の信頼性ある交換が、確立された接続を経て行われる。LTEネットワークは、いずれのUEについても一度に1つの無線リソース接続(RRC)しかサポートしない。ほとんどのセルラーシステムでは、接続を確立するのに、認証、許可、登録、等を含む著しい量のコントロールレイヤシグナリングが要求される。これらネットワークトランザクションの各々は、移動装置がコンテクスト情報を交換するところのベースステーションごとに繰り返される。従って、本発明の別の実施形態では、装置は、接続確立せずに、コンテクスト情報を含む簡単な更新メッセージを追跡エリア(TA)の各メンバーに送信する。このような実施形態は、コントロールレイヤシグナリングに必要な要求を緩和する。
【0070】
ある無線アクセス技術では、ネットワーク接続が非常に簡単である。従って、ある実施形態では、ネットワーク接続を使用してコンテクスト情報を交換するのが好ましい。例えば、アドホックネットワークは、一般的に、複雑な登録手順を必要とせずに、IPベースネットワーク(インターネットプロトコル)への無線接続を与える。同様に、将来のホームネットワークアプリケーションは、共存する多数のワイヤレスプロトコルに勝るIPベースサービス(インターネットプロトコル)であり、従って、同じIPユーザアイデンティティ(例えば、Bluetooth、WiFi、等)が無線プラットホームにわたって共有される共通のアイデンティティをもつことはない。このような異種環境では、上位のIPベースユーザアイデンティティを下位の無線レイヤ属性にリンクするための接続を確立しなければならない。
【0071】
コンテクスト情報は、UEのアイデンティティ、無線リソース(例えば、コンポーネントキャリア(CC)、周波数帯域、タイムスロット、等)、ページングチャンネル能力、最後に接続されたeNB(TA内の)、近傍のeNBのリスト、TAのeNBのリスト、地理的データ、受信信号クオリティ指示子、近傍セルの識別、等を含むが、これに限定されない。ある最小ケースでは、コンテクスト情報は、UEのアイデンティティ及びアクティなCCより成る。
【0072】
規範的な実施形態において、移動装置は、そのコンテクスト情報をベースステーションに与えるが、他の無線ネットワーク技術は、両方向コンテクスト情報交換を行うことができる。又、他の形式のコンテクスト情報に置き換えてもよく、前記説明は、例示に過ぎないことが明らかであろう。置き換えられるコンテクスト情報のタイプ及び仕方は、本開示の内容が与えられれば、当業者によって容易に決定される。
【0073】
一実施形態において、コンテクスト情報は、内部データベースを使用してベースステーション内に記憶される。移動装置に対して相補的なデータベースが使用される。別の実施形態では、コンテクスト情報は、近傍のベースステーション、中央ネットワーク管理エンティティ、等を含む他のネットワークエンティティへ転送されるか又はメッセージングされる。コンテクスト情報は、一般的に、スタティックであるが、あるシナリオでは、種々のコンテクスト情報が動的に変化し、更新を必要とする(例えば、周期的に、又は特定事象の発生に応答して)。コンテクスト情報は、ページング合意を決定し及び/又は更新するために各装置によって使用され監視される。例えば、ベースステーションは、複数のUEのコンテクスト情報を追跡し、その無線リソース利用を常時最適化する。そのような変形例では、eNBがCC間のUEのコンテクストバランスを追跡することができる。又、移動装置は、複数のeNBに対してコンテクスト情報を追跡し、そして他のベースステーションとの合意に選択的に入ることができる。
【0074】
1つの具現化において、コンテクスト情報について全当事者が合意であることを保証するために確認情報が応答として送信される。例えば、ベースステーションは、移動装置からコンテクスト情報を受信すると、コンテクスト情報の受信を指示し且つページング合意を完了する確認メッセージを送信する。ある変形例では、確認は、メッセージコンテンツの受け容れを指示し、或いは又、1つ以上のコンテクストオプションの選択を指示する。
【0075】
ステップ804は、ページング通知メカニズムの関係当事者がページング合意について最初に合意した(暗黙に又は明確に)ときに終了となる。
【0076】
ステップ806において、関係当事者は、期間について継続合意を保証するためにページング合意をリフレッシュする。1つの規範的な実施形態では、周期的なリフレッシュメッセージを使用してページング合意がリフレッシュされる。予想される期間内にリフレッシュメッセージが受信される場合には、ページング合意が延長される。しかしながら、予想される期間内にリフレッシュメッセージが受信されない場合には、ページング合意が無効であると考えられる。1つのそのような変形例では、ページング合意がその後に中断され、プロセスは、自動的に、ステップ808へ続き、関連レコードを削除する。別のそのような変形例では、ページング合意が回復され、プロセスは、ステップ806を繰り返す。又、ページング合意は、肯定的に中断されてもよい(例えば、必要に応じて理由又はコードを含む明確なメッセージで)。
【0077】
上述したように、本発明の一実施形態では、ページング合意が周期的に又は既知の間隔又はタイムスロットでリフレッシュされた。例えば、前記シナリオでは、第2のベースステーションは、第1のリフレッシュ周期Nを有する簡単な「ウオッチドッグ」カウントダウンタイマーをセットする。第1の移動装置は、ウオッチドッグタイマーが時間切れする前にリフレッシュメッセージを送信する。第1の移動装置は、第2の周期Oを有する周期的「心臓鼓動」タイマーを有する。或いは又、移動装置は、非周期的リフレッシュスキームを使用してもよい(非周期的メッセージがN周期制約を満足するならば)。
【0078】
種々のシステムは、リフレッシュ周期Nを更に動的に更新してもよい。例えば、動的に変化する無線環境において、周期Nは、高ノイズ環境では短くされ、一方、低ノイズ又は安定環境では、周期Nが長くされる。接続を維持しないシステムでは、変化パラメータ(N周期のような)が他の放送コントロールチャンネル(例えば、システム情報ブロック(SIB)、マスター情報ブロック(MIB)、等に埋め込まれた)を経て放送される。
【0079】
一般的に、リフレッシュ周期Nを短縮したり延長したりすると、第2の周期Oにも影響が及ぶ。影響の仕方は、直接関係することもあるし、しないこともある。例えば、移動装置は、値OをNより短く選択するが、電力消費に対して最適であるようにする(例えば、送信されるリフレッシュメッセージの数を最小にする)。対照的に、移動装置は、ベースステーションのタイマー周期Nが満了になる前に複数のリフレッシュの試みを与えるように頑健さのために値Oを選択してもよい。
【0080】
他の実施形態では、移動装置は、事象でトリガーされるように、不規則に又は非周期的にリフレッシュメッセージを送信することもできる。例えば、1つの規範的なシステムでは、移動装置は、ベースステーションによりトリガーされるか又は問合せされたときだけリフレッシュメッセージを送信する。ベースステーションは、リフレッシュ要求メッセージを周期的に放送し、それに応答して、範囲内の各ベースステーションがリフレッシュメッセージを送信する。或いは又、ベースステーション及び移動ステーションがアクティブな無線リンク接続を保持するページング通知システムでは、ベースステーションがリフレッシュ要求メッセージを送信し、そして移動ステーションがリフレッシュメッセージを送信する。
【0081】
他の変形例では、リフレッシュメッセージは、環境チャンネル状態、移動装置のポピュレーション、等の他のファクタに基づいてトリガーされる。例えば、移動装置は、放送チャンネル(パイロットチャンネルのような)を受動的に監視する。パイロットチャンネルの受信が変動するときには、リフレッシュメッセージが再送される。別の例では、ベースステーションは、移動装置による接近の数を考慮する。移動装置の数が増加又は減少するときには、ベースステーションが近傍の移動装置からのリフレッシュを要求し、受信しなかった装置を取り除く。
【0082】
更に別の変形例では、ページングチャンネルメッセージが欠落しない限り、ページング合意が有効であると仮定される。従って、移動装置及びベースステーションは、ページング合意に合意し、これは、そうでないことが判明されるまで有効と仮定される。移動装置がページングチャンネルメッセージに応答しない場合には、ベースステーションがページング合意を無効にする。
【0083】
上述したように、予想される期間内にリフレッシュメッセージが受信されない場合には、ページング合意が無効となる。しかしながら、ある実施形態では、任意のステップ807においてリバイバル手順が実行される。システムがリバイバルをサポートしない場合には、プロセスは、直ちにステップ808へスキップする。更に、一般的に、送信側当事者(例えば、ベースステーション)にとって(欠落ページ、等のために)ページング合意が無効であると決定することは容易であるが、これは、受信側当事者(例えば、移動装置)を、ページング合意が無効であるとの決定から除外するものではない。例えば、移動装置は、近傍のパイロットチャンネルを監視することができる。移動装置は、それがパイロットチャンネルの受信を見失うと、安全のため、ページングチャンネルも失われたと仮定する(パイロットチャンネルは、典型的に最も受信が容易なチャンネルである)。移動装置は、パイロットチャンネルを再取得しなければならない場合に、ステップ807へ進み、先を見越してページング合意を回復させる。
【0084】
ステップ807において、以前に失われた又は無効のページング合意を回復させるための試みが任意に行われる。一実施形態では、ベースステーションは、複数のページメッセージング再試みを行う。ウオッチドッグタイマーが時間切れすると、ベースステーションは、第2のページングチャンネルメッセージを送信し、そして再スタートタイマーPを再スタートさせる。Pタイマーが時間切れすると、別の再試みが行われる。ページングチャンネルの再試みが任意の回数行われるが、最大再試み数で過剰なネットワーク混雑を防止する。
【0085】
別の実施形態において、ベースステーションのコミュニティがレガシーページングモードへスイッチする。例えば、第1のベースステーションが移動装置をページングできない場合には、ベースステーションは、追跡エリアの他のベースステーションにフラグを立てる。その後、全追跡エリアがレガシーページング動作を再開する。
【0086】
移動装置で開始される実施形態では、移動装置は、既に知られているベースステーションと再契約するときにリフレッシュ又は更新メッセージを送信する。ベースステーションは、順序誤り(out-of-sequence)メッセージを受信した場合に、ページング合意動作を再開する。
【0087】
回復が成功すると、関与者は、ステップ806へ戻る。回復の試みが成功でないと、最終的に、ステップ808へ進む。回復のための更に別の方法及びスキームは、本開示の内容が与えられると、当業者に直ちに明らかであろう。
【0088】
ステップ808において、ページング合意が中断される。一実施形態では、ページング合意の1つ以上の当事者がページング合意を削除する。例えば、ベースステーションは、移動装置からページング合意を削除する。その後、移動装置は、ベースステーションとのページング合意を再開しなければならない。他の実施形態では、考えられる回復のためにコンテクスト情報が予約される。例えば、ベースステーションが既に無効となったコンテクスト情報を検索できる場合には、たとえ現在ページング合意が存在しなくても、移動装置はベースステーションとの接続を回復することができる。
【0089】
セルラー無線システム内の複数の当事者間のページング合意を更に示す1つの規範的なページング合意トランザクション900が図9に示されている。図示されたように、規範的なシステムは、第1のUE A1500、第1のeNB1 1200及び第2のeNB2 1200を備えている。第1のUE Aは、第1の時間902に、近傍のセルラーベースステーション(例えば、パイロット署名、等に基づく)を識別する。図示された例では、UE Aは、コンテクスト情報及びページング合意を交換するために第1のeNB1を優先的に選択する。
【0090】
UE A1500は、コンテクスト情報を含む第1の更新メッセージを第1のeNB11200へ送信する(904)。eNB1は、コンテクスト情報を記憶し、ページング合意を発生し、そして(周期T2を有する)ウオッチドッグタイマーをスタートさせる。又、第1のeNB1は、第1のUE Aに確認を送信して、ページング合意を公式化する。周期的に(T1ごとに、但し、T1は、ベースステーションのウオッチドッグタイマーより短い)、UE Aは、リフレッシュメッセージを送信する(906)。
【0091】
その後の時間908に、第1のUE Aは、第2のベースステーションeNB2を検出する(又は第2のベースステーションが第1のベースステーションより望ましいものであることを決定する)。UE Aは、第2のeNB2とのページング合意を開始する(1200)。その少し後で、UE Aは、ページング合意のリフレッシュを停止する。ウオッチドッグタイマーが時間切れすると、第1のベースステーションeNB1は、コンテクスト情報及びページング合意を終了する。
【0092】
コンテクスト情報ベースのページング
図10は、装置コンテクスト情報を利用するページングチャンネル動作方法を特に特徴付ける本発明の一実施形態を示す。以下の説明において、1つ以上の第2のベースステーション装置は、ネットワークエンティティ(移動管理エンティティ(MME)604のような)からネットワークページを受信する。それに応答して、ベースステーションの各々は、ページングチャンネルメッセージを移動装置へ送信すべきかどうか個々に決定する。ある具現化において、移動装置は、複数のベースステーションからページングチャンネルメッセージを受信する。第1の独特のページングメッセージは、応答されるが、その後に繰り返されるページングメッセージは無視される。別の実施形態では、移動装置は、受信したページングメッセージの1つに選択的に優先的に応答する(例えば、信号クオリティを改善し、装置の事柄をマッチングさせ、サービスの事柄を最適化し、等のために)。
【0093】
ネットワークページ及びネットワークエンティティは、ここに開示するベースステーションとの動作のために変更されるのも任意である。一実施形態では、ベースステーションは、外部ネットワークエンティティに更に相談することなく適当な応答を決定する。対照的に、ベースステーションは、ネットワークの動作を更に改善するために補足的なインターフェイス又は変更されたインターフェイスを有することが明らかである。
【0094】
更に、以下のプロセスは、セルラーネットワークに関して説明するが、このプロセスは、他のワイヤレスプロトコル及びシステムにも等しく適用できることが明らかである。実際に、異種のネットワーク構造は、複数の無線アクセス技術に応答する独特のアイデンティティをサポートするように構成されることが考えられる。以下のプロセスは、アクセスポイントの混合体の各々がページングメッセージを装置へ独自に適切に送信できるようにする。
【0095】
図10の方法1000のステップ1002において、1つ以上のページ送信装置が中央ネットワーク当局からネットワークページを受信する。1つの規範的実施形態では、指定の追跡エリアの各eNB1200は、MME604からネットワークページを受信する。或いは又、ネットワークページは、ピアエンティティから転送される(例えば、リルートメカニズムと同様に)。例えば、追跡エリアの第1ベースステーションは、(最近のコンテクスト情報をほとんど持たない)他のベースステーションが二次的なページング送信再試みを行えるようにする。
【0096】
ステップ1004において、ページ送信装置は、コンテクスト情報の内部データベースを参照してネットワークページを考慮する。コンテクスト情報の内部データベースは、それに対応するコンテクスト情報(もし得られれば)及びページング合意(もし有効であれば)を、装置特有の識別子が与えられたときに、返送する。その結果、ネットワークページが、有効なページング合意を有する装置特有の識別子をアドレスする場合に、ベースステーションは、コンテクスト情報に基づいてページングチャンネルメッセージを発生する(ステップ1006)。ネットワークページが現在のページング合意を返送しない場合には、ページ送信装置がネットワークページを無視する(ステップ1008)。
【0097】
ステップ1006において、ページ送信装置は、ページングチャンネルメッセージを送信する。一実施形態では、ページングチャンネルメッセージに対する成功応答(即ち、ページ受信装置の返答)は、ページング合意をリフレッシュする。成功応答は、ウオッチドッグタイマーを再スタートさせる。他の実施形態では、ページングチャンネルメッセージに対する成功応答は、ページング合意をリフレッシュするものとは異なる。不成功のページ送信も、レガシーページング動作への復帰のための前提条件又はトリガーとして使用されるか、或いは又ページング合意の回復をトリガーする。
【0098】
ステップ1006とは対照的に、ステップ1008の間に、ページ送信装置は、ネットワークページを無視する。一実施形態では、ネットワークページは、故障の際に後で送信するために待ち行列に入れられる。例えば、一次ベースステーションによる初期の試みが失敗した場合には、他の二次ベースステーションが、同じページングメッセージを送信して、一次ベースステーションを増強させる。別の例では、本発明のページングメカニズムは、そのページングメカニズムが失敗した場合に、レガシー動作に復帰する(TAの全てのベースステーション)。
【0099】
本発明による1つの規範的なページングチャンネルトランザクション1100が、セルラー無線システムの複数のベースステーションを使用する移動装置のページングチャンネルトランザクションを示す図11に示されている。図示されたように、規範的なシステムは、第1のUE A1500、第1のeNB1 1200A、第2のeNB2 1200B、第3のeNB3 1200C、及び中央ネットワーク当局MMEを備えている。第1、第2及び第3のベースステーションは、追跡エリアとしてアドレスされる。最初に、UE Aは、第1のeNB1とのページング合意をネゴシエーションする(例えば、図9の手順900を参照)。
【0100】
MME604は、第1のUE Aにアドレスされたデータを受信する。MME604は、UE A1500のためのネットワークページを発生し、そしてそのネットワークページ610を現在追跡領域(eNB1、eNB2、eNB3)へ送信し、追跡領域の各ベースステーションは、ページング要求を受信する。それに応答して、各ベースステーションは、有効なページング合意をチェックし、そしてそれに対応するコンテクスト情報を使用して、ページングチャンネルメッセージ612を発生する。図11に示すように、第1のeNB1 1200Aだけがページングチャンネルメッセージ612を送信する。メッセージの交換中に、UE A及びeNB1は、アクティブなダイヤログを有し、従って、この例では、ウオッチドッグタイマーを保留にすることができる(即ち、ページング合意は有効のままである)。接続が解除されると、ページング合意のウオッチドッグタイマーが再開される。
【0101】
規範的なベースステーション装置
図12を参照して、上述した機能を具現化するのに有用な規範的なベースステーション装置1200について説明する。図示された実施形態のベースステーション装置1200は、一般的に、セルラーネットワークに使用するためのスタンドアローン装置のフォームファクタをとるが、他のフォームファクタ(例えば、フェムトセル、ピコセル、アクセスポイント、他のホスト装置内のコンポーネント、等)も考えられる。図12の装置は、1つ以上の基板1202を備え、この基板は、更に、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、PLD又はゲートアレイ、或いは複数の処理コンポーネントのような処理サブシステム1204、RFトランシーバ、並びにベースステーション1200に電力を供給する電源管理サブシステム1206を含む複数の集積回路を備えている。
【0102】
処理サブシステム1204は、一実施形態では、内部キャッシュメモリ又は複数のプロセッサ(又はマルチコアプロセッサ)を含む。処理サブシステム1204は、ハードディスクドライブ(HDD)のような不揮発性メモリ1208、並びにSRAM、フラッシュ、SDRAM、等を含むメモリサブシステムに接続されるのが好ましい。メモリサブシステムは、高速データアクセスを容易にするために1つ以上のDMAタイプのハードウェアで実施されるものである。
【0103】
規範的な装置1200は、ある実施形態では、ある形式の広帯域アクセスを実施する。ここに示す実施形態では、広帯域アクセスは、DSL接続により(即ち、DSLサブシステム1210を経て)行われるが、ここに示すDSLサブシステム1210に代わって、又はそれと組み合わせて、有線であるか無線であるかに関わらず他のインターフェイスを使用することもできる。DSL処理のデジタル部分は、プロセッサ1204において遂行されてもよいし、或いは個別のDSLプロセッサ(図示せず)において遂行されてもよい。更に、DSL広帯域接続が示されているが、当業者であれば、DOCSISケーブルモデム、T1ライン、WiMAX(即ち、IEEE規格802.16)、ISDN、FiOS、マイクロ波リンク、衛星リンク、等の他の広帯域アクセススキームを、上述したDSLインターフェイスに容易に置き換えでき、又はそれとタンデムに使用できることが認識されよう。DSLは、コストが低く且つ一般的に遍在し、そして全人口にわたって現在広く分布されている銅をベースとする電話インフラストラクチャーを経て搬送されるという効果を有する。
【0104】
1つの規範的実施形態では、ベースステーションは、コアネットワークのレガシーMME装置604とシームレスに動作しなければならない。1つのそのような実施形態では、ベースステーション及びMMEは、広帯域タイプのインターフェイス1210を経て接続される。
【0105】
又、ベースステーション装置1200は、1つ以上のRFモデムサブシステムも備えている。このモデムサブシステム1212は、ベースステーションが1つ以上の加入者装置にサービスを提供できるようにする。本発明のある具現化では、複数のサブシステムが要求されることが容易に明らかであろう。例えば、ベースステーションは、とりわけ、複数の異なるエアインターフェイスを経てマルチモードオペレーション(例えば、GSM(登録商標)、GPRS、UMTS及びLTE)行うための複数のRFモデムサブシステムを提供する。モデムサブシステム1212は、デジタルモデム、RFフロントエンド、及び1つ以上のアンテナを備えている。
【0106】
更に、ある実施形態では、ここに図示されている幾つかのコンポーネント(RFフロントエンドのような)を除去するか、或いは図示された個別のコンポーネントを互いに合体して単一のコンポーネントを形成することが望ましいことに注意されたい。
【0107】
上述したように、本発明の規範的な具現化は、ページングチャンネル動作を最適化するためにページング合意及びコンテクスト情報を使用する。1つのそのような具現化において、1つ以上のコンテクスト情報詳細を含むページング合意は、独特の又は半独特のユーザアイデンティティを参照する。例えば、ベースステーションは、ワイヤレスインターフェイスを経て更新メッセージを受信する。図13は、1つの規範的な更新メッセージ1300を示すもので、これは、(i)移動装置アイデンティティ1302、(ii)ハードウェアバージョン1304、(iii)1つ以上の示唆されたコンポーネントキャリア1306、等を含む。
【0108】
ベースステーションは、コンテクスト情報からのパラメータのセットを選択することによりページング合意を発生する。他の変形例では、ベースステーションは、デフォールトパラメータを受け容れ又は無効化する。
【0109】
図14は、1つの規範的な確認メッセージを示し、これは、(ii)ページング合意バージョン1402、(iii)リフレッシュタイマー周期1404、(iv)1つ以上のコンポーネントキャリア1406、(v)意図された移動装置ID 1408、等を含む。図14Aは、eNBに記憶される1つの規範的なページング合意エントリー1450を示す。ページング合意エントリーは、(i)UE ID1452、(ii)セルID1454(多数のセルがeNBによって動作される場合)、(iii)選択されたCC1456、(iv)ウオッチドッグタイマー周期1458、及び(v)任意のリフレッシュ期間1460を含む。
【0110】
ある簡単な変形例では、確認メッセージは、コンテクスト情報の受け容れ又は拒絶である。ベースステーション装置は、移動装置アイデンティティにより参照される内部データベース内のページング合意及びその関連コンテクスト情報を記憶する。データベースのエントリーは、(リフレッシュ期間にセットされた)ウオッチドッグタイマーに基づき使用のために有効である。ウオッチドッグタイマーの動作は、関連移動装置からの「心臓鼓動」メッセージに応答してセット及びリセットされる。ある構成では、ウオッチドッグタイマーが時間切れした場合に、エントリーが削除される。別の構成では、タイマーが時間切れすると、回復の試みがトリガーされる。
【0111】
図12のベースステーション装置1200は、更に、内部データベースの有効性及びコンテンツに基づいて移動装置の条件付きページング送信を行う装置も備えている。(ネットワークインターフェイス1210に結合された)MME604からネットワークページを受信するのに応答して、ベースステーション装置は、同じ独特の又は半独特の移動装置識別子を有する現在有効なレコードについて内部データベースを参照する。適当なレコードが存在する場合には、ベースステーション装置は、適当なコンテクスト情報(例えば、指定のコンポーネントキャリア、等)に基づいてページングチャンネルメッセージを発生して送信する。
【0112】
内部データベースの動作、タイマーの具現化、コンテクスト情報、及び条件付きページング送信の他の変形例は、本開示が与えられれば、当業者により容易に具現化される。
【0113】
規範的な移動装置
図15を参照すれば、本発明の方法を具現化する規範的なクライアント又はUE装置1500が示されている。ここで使用する「クライアント」及び「UE」という語は、セルラー電話、スマートホン(例えば、本譲受人により製造されるiPhoneTM装置)、パーソナルコンピュータ(PC)、例えば、iMacTM、Mac ProTM、Mac MiniTM又はMacBookTM、及びデスクトップ、ラップトップ、等に関わらずミニコンピュータ、並びに移動装置、例えば、ハンドヘルドコンピュータ、PDA、パーソナルメディア装置(PMD)、例えば、iPodTM、或いはそれらの組み合わせを含むが、これに限定されない。ページングチャンネル受信の構成は、ソフトウェアで遂行されるのが好ましいが、ファームウェア及び/又はハードウェア実施形態も考えられる。
【0114】
UE装置1500は、1つ以上の基板1504にマウントされたデジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又は複数の処理コンポーネントのようなプロセッササブシステム1502を備えている。プロセッササブシステムは、内部キャッシュメモリも含む。プロセッササブシステム1502は、例えば、SRAM、フラッシュ及びSDRAMコンポーネントを含むメモリより成るメモリサブシステム1506に接続される。このメモリサブシステムは、良く知られたようにデータアクセスを容易にするために1つ以上のDMAタイプのハードウェアで実施される。
【0115】
無線/モデムサブシステム1508は、デジタル基本帯域、アナログ基本帯域、TXフロントエンド及びRXフロントエンドを含む。装置1500は、更に、アンテナアッセンブリも備え、選択コンポーネントは、特定の周波数レンジ又は特定のタイムスロットに対して種々のアンテナ動作モードを可能にするための複数のスイッチを含む。特定のアーキテクチャーについて述べるが、ある実施形態では、本開示が与えられると当業者に明らかなように、あるコンポーネントが除去されるか、さもなければ、互いに合体されてもよい(3GデジタルRFに使用されるタイプの、結合されたRF RX、RF TX及びABBのように)。
【0116】
アナログ基本帯域は、典型的に、無線フロントエンドの動作を制御し、それ故、デジタル基本帯域モデムは、ページングチャンネルメッセージを受信するためのパラメータをアナログ基本帯域にロードする。選択コンポーネントは、そのような制御機能をデジタル基本帯域モデムからオフロードするためにページングチャンネルメッセージを受信するようアナログ基本帯域により制御される。
【0117】
ここに示す電力管理サブシステム(PMS)1510は、UEに電力を供給するものであり、集積回路及び/又は複数の個別の電気的コンポーネントで構成される。1つの規範的なポータブルUE装置では、電力管理サブシステム1006は、好都合にも、バッテリとインターフェイスする。
【0118】
ユーザインターフェイスシステム1512は、多数の良く知られたI/Oを備え、これは、キーパッド、タッチスクリーン、LCDディスプレイ、バックライト、スピーカ及びマイクロホンを含むが、これに限定されない。しかしながら、ある用途では、これらコンポーネントの1つ以上を除去できることが認識される。例えば、PCMCIAカードタイプのUE実施形態では、ユーザインターフェイスがなくてもよい(それらが物理的及び/又は電気的に結合された装置のユーザインターフェイスに便乗できるからである)。
【0119】
装置1500は、更に、任意の付加的な周辺装置1514も備え、これは、1つ以上のGPSトランシーバ、又はネットワークインターフェイス、例えば、IrDAポート、Bluetoothトランシーバ、USB、Firewire、等を含むが、これに限定されない。しかしながら、これらのコンポーネントは、本発明の原理によるUEの動作には要求されないことが認識される。
【0120】
ここに示す実施形態では、モデムサブシステム1508は、更に、ページング合意を要求し、ページング合意をリフレッシュし、そしてページング合意に基づいてページングメッセージを選択的に受信するためのサブシステム又はモジュールも備えている。これらのサブシステムは、ソフトウェア又はハードウェアで具現化され、無線モデムサブシステムに結合される。或いは又、別の変形例では、サブシステムは、プロセッササブシステム1502に直結されてもよい。
【0121】
規範的なUEは、現在コンテクスト情報を含む更新メッセージを送信するように構成され、この更新メッセージは、ページング合意の発生を容易にする。その後、UEは、送信されたコンテクスト情報に基づいて、ページング合意を受信する。受け容れられたページング合意は、更なる動作に使用される(上述した図13及び14を参照されたい)。
【0122】
1つの規範的な実施形態において、UE装置は、ページング合意及びそれに関連したコンテクスト情報に基づいてページングチャンネル受信を構成する。UE装置がページング合意を受信すると、リフレッシュメッセージを周期的に送信して現在ページング合意を延長するように「心臓鼓動」タイマーがセットされる。UEがページング合意の終了を希望する場合には、UEは、単に心臓鼓動の送信を拒絶する。更に別の実施形態では、心臓鼓動メッセージは、ベースステーションの内部データベースに対する他のコンテクスト情報又は補足的更新を含む。
【0123】
動作中に、UE装置は、ページング合意のリソース及びスケジューリングに対してページングチャンネル受信を最適化することができる。1つの規範的な具現化では、UEは、考えられる全てのコンポーネントキャリアのサブセットをチェックするだけである。タイマー具現化、コンテクスト情報及び条件付きページングチャンネル受信の他の変形例は、本開示が与えられれば、当業者によって容易に具現化されよう。
【0124】
ビジネス方法及びルール
以上のネットワーク装置及び方法は、種々のビジネスモデルに容易に適応されることが認識される。
【0125】
1つのビジネスパラダイムにおいて、適当に構成されたユーザ装置(例えば、UE1500)は、改善されたページングメッセージを受信し、そして既存のページングチャンネルを効率的に監視し、従って、知覚される全体的な経験のクオリティを高める。1つのそのような実施形態では、ページングチャンネルの専用サブセットが、イネーブルされたUEに割り当てられる。従って、レガシー装置は、全てのページングチャンネルを(比較的非効率的な仕方で)広く監視し続けるが、本発明によるUE装置1500は、ページングチャンネルの指定のサブセットしか監視しない。この解決策は、著しく効率的であり、そして電力消費を大幅に改善し、それにより、ユーザ経験の改善及び競合製品に対する区別化を導く。
【0126】
又、上述したネットワーク装置及び方法は、基礎となるビジネスルールアルゴリズム又は「エンジン」に基づき動作に容易に適応される。このビジネスルールエンジンは、例えば、ソフトウェアアプリケーション(及び/又はファームウェア又はハードウェア態様)を含み、そして一実施形態では、ベースステーションにおいて個別のエンティティとして具現化される。ビジネスルールエンジンは、フェムトセル配備において特に有益である(例えば、小さな会社による改善された提案又は住居用装置の一部として)。ルールエンジンは、実際には、上位レイヤの監視プロセスで、財務的観点、ユーザ経験の改善、等の重要な基準に基づいて動作上の判断又はリソース割り当てを行う上でベースステーションのオペレータ(又は関心のある他の当事者)の助けとなる。
【0127】
一実施形態において、ビジネスルールエンジンは、1人以上のユーザにリソースを与えることに関連した収入及び/又は利益の影響を考慮するよう構成される。従って、規範的なビジネスルールエンジンは、システムのページングチャンネル振舞いを変更して、広い底辺のユーザをサポートし(例えば、ユーザ当たりより少数のCCスライスを使用して)、或いは又、レガシーサポート又は頑健な動作を行うことができる(例えば、ユーザ当たりより多くのCCスライスを割り当てて)。
【0128】
例えば、1つの例において、リソース(例えば、周波数スペクトル)についての一群のユーザからの要求を評価することは、種々の割り当てオプションに関連した増分的コスト、収入、及び/又は利益の分析を含む。あるケースでは、ネットワークプロバイダーは、新たなサービス要求が普通でなく、従って、ページングの重要度が低いことを決定する。他のケースでは、ネットワークプロバイダーは、新たなユーザ及びサービスが頻繁にセルに出入りすることを決定し、従って、より多くのページングリソースの割り当てを要求する。これらの「ビジネスルール」は、例えば、リソース要求時に課せられ、次いで、ある期間中(又は再評価をトリガーする事象が生じるまで)維持されるか、或いは周期的モデルに従って維持される。
【0129】
本開示が与えられれば、リソースの動的な割り当てを具現化する他の多数のスキームが当業者によって認識されよう。
【0130】
本発明の幾つかの態様を方法ステップの特定シーケンスに関して説明したが、これらの説明は、本発明の広い方法を単に例示するものに過ぎず、特定の用途で要求されるように変更できることが認識される。あるステップは、ある環境のもとでは不要とされ又は任意とされる。更に、ここに開示された実施形態に幾つかのステップ又は機能を追加することもできるし、或いは2つ以上のステップの実行順序を入れ替えることもできる。このような変更は、全て、特許請求の範囲内に包含されると考えられる。
【0131】
本発明の新規な特徴を種々の実施形態に適用して、以上に詳細に説明したが、当業者であれば、本発明から逸脱せずに、ここに示す装置又はプロセスの形態及び細部に種々の省略、置き換え及び変更がなされ得ることが理解されよう。又、以上の説明は、本発明を実施するのに現在意図された最良の態様である。この説明は、これに限定されるものではなく、本発明の一般的な原理を例示するに過ぎない。本発明の範囲は、特許請求の範囲に基づいて決定されるべきである。
【符号の説明】
【0132】
604:移動管理エンティティ(MME)
610:ネットワークページ
700:ページングシステム
702:ページングチャンネルメッセージ
1200:eNB
1202:基板
1204:処理サブシステム
1206:電源
1208:ハードドライブ
1210:DSLサブシステム
1212:モデムサブシステム
1214:内部データベース
1302:移動装置ID
1304:ハードウェアバージョン
1306:コンポーネントキャリア選択
1402:ページング合意バージョン
1404:リフレッシュタイマー
1406:コンポーネントキャリア
1408:行先移動装置ID
1452:UE ID
1454:セルID
1456:選択されたコンポーネントキャリア
1458:ウオッチドッグタイマー
1460:リフレッシュタイマー
1500:UE2
1502:処理サブシステム
1504:基板
1506:メモリサブシステム
1508:無線モデムサブシステム
1510:電源管理サブシステム
1512:ユーザインターフェイスシステム
1514:付加的な周辺装置
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図14A
図15