(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】重付加シリコーン配合物用接着促進剤
(51)【国際特許分類】
C09J 183/07 20060101AFI20230306BHJP
C09J 183/05 20060101ALI20230306BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
C09J183/07
C09J183/05
C09J11/06
(21)【出願番号】P 2020507738
(86)(22)【出願日】2018-02-19
(86)【国際出願番号】 EP2018054019
(87)【国際公開番号】W WO2018197072
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-02-18
(32)【優先日】2017-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【氏名又は名称】森住 憲一
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン・ラノー
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ・グラウゾ
(72)【発明者】
【氏名】アレッシオ・ファッジャネッリ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジョ・ザッファローニ
【審査官】澤村 茂実
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-208120(JP,A)
【文献】特開2006-348119(JP,A)
【文献】特開2015-003986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのビニル末端ポリシロキサンポリマーおよび少なくとも1つのヒドロシリル基含有架橋剤を含む、第1成分(A);および
少なくとも1つの-Si(OR
a)
3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマー、ヒドロシリル化触媒、および少なくとも1つのビニル末端ポリシロキサンポリマーを含む第2成分(B)、ここで、前記少なくとも1つの-Si(OR
a)
3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーの量は、前記成分(B)の重量に基づいて、
1.5~30重量%の範囲内である
を含む2成分シリコーン系接着剤組成物であり、
ここで、OR
aは加水分解性基であり、各R
aは独立してアルキルまたはアシルであり、前記-Si(OR
a)
3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーは、水素末端ポリオルガノシロキサンとビニル基および-Si(OR
a)
3基含有シランとを、触媒の存在下で反応させることにより得られ、ここで、前記水素末端ポリオルガノシロキサンは、反応性水素原子の前記ビニル基および-Si(OR
a)
3基含有シランのビニル基に対する比に対してモル過剰で使用される、2成分シリコーン系接着剤組成物。
【請求項2】
前記-Si(OR
a)
3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーは、-Si(OR
a)
3末端ポリ(ジオルガノシロキサン)プレポリマーである、請求項1に記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
【請求項3】
前記-Si(OR
a)
3末端ポリ(ジアルキルシロキサン)のアルキル基は、それぞれ独立して、メチルおよびエチルからなる群から選択される、請求項2に記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
【請求項4】
前記-Si(OR
a)
3末端ポリ(ジアルキルシロキサン)は、-Si(OR
a)
3末端ポリ(ジメチルシロキサン)である、請求項2または3に記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
【請求項5】
OR
aは、アルコキシ基またはアシルオキシ基である、請求項1~4のいずれかに記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
【請求項6】
前記-Si(OR
a)
3基は、トリアルコキシシリル基またはトリアセトキシシリル基である、請求項1~5のいずれかに記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
【請求項7】
前記ビニル基および-Si(OR
a)
3基含有シランは、トリアルコキシシランである、請求項1~6のいずれかに記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1つの-Si(OR
a)
3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーの形成に使用される前記触媒は、白金ヒドロシリル化触媒である、請求項1~7のいずれかに記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
【請求項9】
2つ以上の基材を接着するための、請求項1~
8のいずれかに記載の2成分シリコーン系接着剤組成物の使用。
【請求項10】
水素末端ポリオルガノシロキサンと、ビニル基および-Si(OR
a)
3基含有シランとを、触媒の存在下で反応させることにより得られる-Si(OR
a)
3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーの使用であり、前記水素末端ポリオルガノシロキサンは、反応性水素原子のビニル基に対する比に対してモル過剰である、2成分シリコーン系重付加硬化性接着剤組成物中の接着促進剤としての使用。
【請求項11】
前記-Si(OR
a)
3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーは、-Si(OR
a)
3末端ポリ(ジオルガノシロキサン)プレポリマーである、請求項
10に記載の使用。
【請求項12】
-前記-Si(OR
a)
3末端ポリ(ジアルキルシロキサン)のアルキル基は、それぞれ独立して、メチルおよびエチルからなる群から選択される;および/または
-前記ビニル基および-Si(OR
a)
3基含有シランのOR
a基は、アルコキシ基である、
請求項
11に記載の使用。
【請求項13】
-前記-Si(OR
a)
3末端ポリ(ジアルキルシロキサン)は、-Si(OR
a)
3末端ポリ(ジメチルシロキサン)である;および/または
-前記ビニル基および-Si(OR
a)
3基含有シランは、トリアルコキシシランである、
請求項
11または
12に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着促進剤を含む2成分(2K)シリコーン系接着剤組成物、およびそのような組成物の使用に関する。さらに、本発明は、シリコーン系接着剤組成物の接着特性を改善するための、本明細書に記載の-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーの使用を対象とする。
【背景技術】
【0002】
シリコーン系重付加硬化システムは、優れた機械的特性、優れた耐熱性および耐薬品性、低収縮性、副産物がないなど、いくつかの利点があることがよく知られており、また、いくつかの適用分野(食品、歯科、成形)で使用されている。しかしながら、現在まで、そのようなシステムは、全体的に接着性が不十分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、金属表面およびプラスチック表面を含む様々な表面上で改善された接着特性を有するシリコーン系重付加硬化システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、第1の態様では、本発明は、少なくとも1つのビニル末端ポリシロキサンポリマーおよび少なくとも1つのヒドロシリル基含有架橋剤を含む第1成分(A)と、少なくとも1つの-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマー、ヒドロシリル化触媒、および少なくとも1つのビニル末端ポリシロキサンポリマーを含む第2成分(B)とを含む2成分シリコーン系接着剤組成物に関し、ここで、ORaは加水分解性基であり、前記-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーは、水素末端ポリオルガノシロキサンとビニル基および-Si(ORa)3基含有シランとを、触媒の存在下で反応させることにより得られ、前記水素末端ポリオルガノシロキサンは、反応性水素原子のビニル基および-Si(ORa)3基含有シランのビニル基に対する比に対してモル過剰で使用される。
【0005】
別の態様では、本発明は、2以上の基材を接着するための本明細書に記載のシリコーン系接着剤組成物の使用に関する。
【0006】
さらに別の態様では、本発明は、水素末端ポリオルガノシロキサンとビニル基および-Si(ORa)3基含有シランとを、触媒の存在下で反応させることにより得られる-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーのシリコーン系重付加硬化性接着剤組成物中の接着促進剤としての使用に関し、ここで、前記水素末端ポリオルガノシロキサンは、反応性水素原子のビニル基に対する比に対してモル過剰である。
【0007】
さらなる実施形態は、添付の特許請求の範囲において定義される。
【0008】
本明細書で使用される「1つ(種)以上(one or more)」は、少なくとも1つ(種)(at least one)に関し、参照された種の1、2、3、4、5、6、7、8、9以上を含む。同様に、「少なくとも1つ(種)(at least one)」は、1つ(種)以上、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9以上を意味する。本明細書で任意の成分に関して使用される「少なくとも1つ(種)(at least one)」は、化学的に異なる分子の数、すなわち、参照される種の異なる種類の数を指し、分子の総数を指すのではない。
【0009】
本明細書において、用語「a」および「an」および「少なくとも1つ(種)(at least one)」は、用語「1つ(種)以上(one or more)」と同じであり、交換可能に使用され得る。
【0010】
本発明の文脈で使用される「約」という用語は、与えられた特定の値の+/-10%、好ましくは+/-5%の範囲と定義する。
【0011】
組成物または配合物に関して本明細書で示されるすべてのパーセンテージは、特に明記しない限り、それぞれの組成物または配合物の総重量に対する重量%に関する。
【0012】
驚くべきことに、本発明の発明者らは、本明細書に開示されるシリコーン系接着剤組成物における反応性-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーの使用により、異なる種類の表面、特に金属系の表面上の各硬化接着剤製品の接着特性が改善されることを見出した。
【0013】
したがって、本発明の目的は、接着促進剤を含む2成分シリコーン系接着剤組成物を提供することである。本発明によれば、前記接着促進剤は、水素末端ポリオルガノシロキサンと、ビニル基および-Si(ORa)3基含有シランとを、触媒の存在下で反応させることにより得られる-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明によれば、前記水素末端ポリオルガノシロキサンは、反応性水素原子のビニル基に対する比に対してモル過剰で使用される。すなわち、前記水素末端ポリオルガノシロキサンの前記反応性水素基は、前記ビニル基および-Si(ORa)3基含有シラン中に存在する前記ビニル基に対してモル過剰である。このようにして、反応性水素基、すなわちヒドロシリル基を有する-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーを含む混合物が得られる。例えば、SiH末端PDMSを、アリル-Si(ORa)3と反応させることにより、ヒドロシリル基および-Si(ORa)3基で終端された(terminated)ポリオルガノシロキサン(「HSi-PDMS-エチレン-Si(ORa)3」)、2つのヒドロシリル基で終端されたポリオルガノシロキサン(「HSi-PDMS-SiH」)、および2つのSi(ORa)3基で終端されたポリオルガノシロキサン(「(ORa)3Si-エチレン-PDMS-エチレン-Si(ORa)3」)の混合物が得られる。
【0015】
本発明によれば、前記接着剤組成物は、少なくとも1つのビニル末端ポリシロキサンポリマーおよび少なくとも1つのヒドロシリル基含有架橋剤を含む第1成分(A);および、少なくとも1つの-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマー、ヒドロシリル化触媒、および少なくとも1つのビニル末端ポリシロキサンポリマーを含む第2成分(B)を含む、2成分(2K)シリコーン接着剤組成物である。
【0016】
本発明の文脈中で使用される「反応性水素原子」または「反応性水素基」という用語は、ケイ素原子に直接結合した水素原子に関する。
【0017】
本明細書で使用される「ビニル基含有」という用語は、少なくとも1つのビニル部分を含む化合物を指す。1つのビニル部分を含む、本明細書で定義されるビニル基含有基の例としては、例えば、限定されず、ビニル(エテニル)、アリル(2-プロペニル)、および3-ブテニルが挙げられる。本明細書で定義される2つのビニル部分を含むビニル基含有基の例としては、例えば、限定されず、ヘキサ-3,5-ジエニルおよびオクタ-4,6-ジエニルが挙げられる。前記ビニル基および-Si(ORa)3基含有シランは、上記で定義されるビニル基および-Si(ORa)3基を含む分子である。したがって、そのような分子に関連して使用される「シラン」という用語は、ケイ素含有基のみとしての-Si(ORa)3基を含む化合物に及ぶ。
【0018】
特定の実施形態によれば、前記-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーは、-Si(ORa)3末端ポリ(ジオルガノシロキサン)プレポリマー、好ましくは-Si(ORa)3末端ポリ(ジアルキルシロキサン)プレポリマーである。したがって、好ましい実施形態によれば、-Si(ORa)3末端ポリ(ジオルガノシロキサン)プレポリマーは、水素末端ポリ(ジオルガノシロキサン)と、ビニル基および-Si(ORa)3基含有シランとを、触媒の存在下で反応させることにより得られ、より好ましい実施形態によれば、-Si(ORa)3末端ポリ(ジアルキルシロキサン)プレポリマーは、水素末端ポリ(ジアルキルシロキサン)と、ビニル基および-Si(ORa)3基含有シランとを、触媒の存在下で反応させることにより得られる。
【0019】
本発明の文脈中で使用される「アルキル」は、1~20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状炭化水素基に関する。それの非限定的な例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、n-ペンチル、およびイソペンチルが挙げられ得る。
【0020】
前記シリル末端ポリ(ジオルガノシロキサン)プレポリマーは-Si(ORa)3末端ポリ(ジアルキルシロキサン)プレポリマーであることが好ましいが、別の実施形態では、前記ポリ(ジオルガノシロキサン)の有機部分は、アリール部分、好ましくはフェニル、または、上記で定義されたアルキル基およびフェニルなどのアルキル部分およびアリール部分であってもよい。一般に、前記有機部分(「オルガノ」)は、したがって、本明細書で定義されるように、アルキル部分およびアリール部分から選択されてもよいが、アルキルが通常好ましい。
【0021】
本明細書で使用される「アリール」は、6~20個の炭素原子を有する芳香族基に関する。その非限定的な例として、フェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリルなどが挙げられ、フェニルが最も好ましい。
【0022】
本明細書で使用される「ORa」は加水分解性基を表す。様々な実施形態において、各Raは、独立して、アルキルまたはアシル(-C(=O)-アルキル)であり、「アルキル」は上記で定義されたとおりである。好ましい実施形態では、前記ORa基はアルコキシ基である。本発明の文脈中で使用される「アルコキシ」は、1~20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の-O-アルキル基に関し、ここで、前記アルキル基は上記で定義された通りである。アルコキシ基の非限定的な例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、およびtert-ブトキシが挙げられ得る。好ましいのはC1-4アルコキシなどの短鎖アルコキシ基であり、好ましくはメトキシ、エトキシおよびプロポキシ、より好ましくはメトキシおよびエトキシ、最も好ましくはメトキシである。好ましい実施形態では、ORaはアルコキシ基であり、前記-Si(ORa)3基含有化合物はトリアルコキシシリル基含有化合物である。別の実施形態において、1つ以上のORa基はアシルオキシ基である。本発明の文脈中で使用される「アシルオキシ」は、2~20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の-O-C(O)-アルキル基に関し、ここで、前記アルキル基は上記定義の通りである。好ましいアシルオキシ基はアセトキシ基である。
【0023】
特定の実施形態によれば、前記水素末端ポリ(ジアルキルシロキサン)のアルキル基は、それぞれ独立して、メチルおよびエチルからなる群から選択され、好ましくはメチルである。
【0024】
好ましい実施形態によれば、前記水素末端ポリ(ジアルキルシロキサン)は水素末端ポリ(ジメチルシロキサン)である。本明細書で使用される「水素末端」は、式Si-Hの末端ヒドロシリル基を指す。
【0025】
特定の実施形態によれば、前記ビニル基含有シランのORa基は、独立して、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、およびtert-ペントキシからなる群から選択される。好ましいのは、C1-4アルコキシなどの短鎖アルコキシ基、好ましくはメトキシ、エトキシおよびプロポキシ、より好ましくはメトキシおよびエトキシ、最も好ましくはメトキシである。したがって、前記ビニル基含有シランは、好ましくはトリアルコキシシランであり、より好ましくはトリエトキシまたはトリメトキシシランであり、後者が特に好ましい。
【0026】
好ましい実施形態によれば、前記ビニル基含有シランは、トリアルコキシまたはトリアセトキシ、好ましくはビニル基を含むC2-6炭化水素部分を有するトリアルコキシシランである。より好ましい実施形態では、前記ビニル基含有シランは、アリルトリメトキシシランまたはビニルトリメトキシシランである。この文脈中で使用される「アリル」は、H2C=CH-CH2-基を指し、「ビニル」はH2C=CH-基を指す。
【0027】
前記水素末端ポリオルガノシロキサン、好ましくは前記水素末端ポリ(ジオルガノシロキサン)、より好ましくは前記水素末端ポリ(ジアルキルシロキサン)と、ビニル基および-Si(ORa)3基含有シラン、好ましくはビニル基を含むC2-6炭化水素部分を有するトリアルコキシシラン、より好ましくはビニルトリメトキシシランまたはアリルトリメトキシシランとの反応は、触媒の存在下で実施される。本発明によれば、前記触媒は、上記で定義された2つの化合物の付加反応を促進するヒドロシリル化触媒である。通常、触媒は、前記-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーの総重量に基づいて、0.01~3重量%、好ましくは0.05~2.5重量%の量で使用してよい。
【0028】
前記触媒は、白金族金属、白金族金属を含有する化合物、またはマイクロカプセル化した白金族金属含有触媒を含む周知のヒドロシリル化触媒のいずれでもよい。白金族金属には、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、およびイリジウムが含まれる。好ましくは、前記白金族金属は、ヒドロシリル化反応におけるその高い活性に基づいて、白金である。したがって、特定の実施形態によれば、前記プレポリマー、すなわち、本発明による、前記少なくとも1つの-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマー、好ましくは前記少なくとも1つの-Si(ORa)3末端 ポリ(ジオルガノシロキサン)プレポリマー、より好ましくは、前記少なくとも1つの-Si(ORa)3末端ポリ(ジアルキルシロキサン)プレポリマーの合成に使用される少なくとも1つのヒドロシリル化触媒は、白金ヒドロシリル化触媒である。
【0029】
好適なヒドロシリル化触媒としては、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,419,593号にウィリング(Willing)によって開示されている塩化白金酸と特定のビニル含有オルガノシロキサンとの錯体が挙げられる。この種類の好ましい触媒は、塩化白金酸と1,3-ジエテニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンとの反応生成物、すなわち、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-白金(0)である。好ましい触媒としては、それぞれエボニックインダストリーズから触媒512および520として入手可能な、ジビニルテトラメチルジシロキサン白金(0)錯体またはメチルビニルシクロシロキサン白金(0)錯体が挙げられる。
【0030】
特定の実施形態によれば、本発明の文脈において特に有用なプレポリマーを得るために、前記水素末端ポリオルガノシロキサン、好ましくは前記水素末端ポリ(ジオルガノシロキサン)、より好ましくは前記水素末端ポリ(ジアルキルシロキサン)の反応性水素基は、ビニル基含有トリアルコキシシランのビニル基に対してモル過剰、好ましくは1.5倍以上モル過剰、より好ましくは約2倍モル過剰であることが重要である。したがって、特定の実施形態によれば、前記水素末端ポリオルガノシロキサン、好ましくは前記水素末端ポリ(ジオルガノシロキサン)、より好ましくは前記水素末端ポリ(ジアルキルシロキサン)は、反応性水素原子のビニル基に対する比に関して、モル過剰、好ましくは1.5倍以上モル過剰、より好ましくは約2倍モル過剰で使用される。
【0031】
本発明によるシリコーン系接着剤組成物は、前記プレポリマー、すなわち、前記少なくとも1つの-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマー、好ましくは前記少なくとも1つの-Si(ORa)3末端ポリ(ジオルガノシロキサン)プレポリマー、より好ましくは前記少なくとも1つの-Si(ORa)3末端ポリ(ジアルキルシロキサン)プレポリマーを、前記2成分系シリコーン系接着剤の総重量に基づいて、0.5~20重量%、好ましくは1~10重量%の範囲の量で含有する。
【0032】
他の実施形態によれば、前記プレポリマー、すなわち、前記少なくとも1つの-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマー、好ましくは前記少なくとも1つの-Si(ORa)3末端ポリ(ジオルガノシロキサン)プレポリマー、より好ましくは前記少なくとも1つの-Si(ORa)3末端ポリ(ジアルキルシロキサン)プレポリマーは、本発明による前記接着剤組成物の前記第2成分(B)(「パートB」とも呼ばれる)中に、前記シリコーン系接着剤組成物の前記成分(B)の重量に基づいて、1.5~30重量%、好ましくは2~20重量%の量で存在する。
【0033】
本発明の文脈において有用なビニル末端ポリシロキサンポリマーは、当技術分野で知られており、例えば、下記式(I)で表される化合物から選択してよい。
【化1】
【0034】
式(I)中、RおよびR1は、独立して、1~20個の炭素原子、好ましくは1~8個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基からなる群から選択され、Aは、独立して、1~10個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキレンからなる群から独立して選択される、または存在せず、nは0または1~1500の整数、例えば1~500の整数である。特に、nは、式(I)による化合物の粘度が25℃で1~165,000mPa.sの範囲になるように選択される。好ましい実施形態によれば、RおよびR1は、独立して、メチル、エチル、n-プロピルおよびイソプロピルからなる群から選択される。特定の実施形態によれば、Aは存在しない、またはメチレンから選択される。ビニル末端ポリシロキサンポリマーの特に好ましい例は、ビニル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS)ポリマーである。前記ビニル末端ポリシロキサンポリマーのビニル含有量は変化してよく、異なる反応性および粘度のポリマーをもたらす。ビニル末端ポリジメチルシロキサンポリマーの特に好ましい例には、これに限定されず、エボニックインダストリーズのポリマーVSシリーズが挙げられる。
【0035】
本発明の文脈において有用なさらなるビニル末端ポリマーとしては、少なくとも1つのRまたはR1が-O-Si(R)2-[Si(R1)2-O]n-A-CH=CH2であり、上記で定義したnおよびA、ならびに、RおよびR1は、独立して、1~20炭素原子、好ましくは1~8炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基からなる群から選択される、または、-O-Si(R)2-[Si(R1)2-O]n-A-CH=CH2である上記式(I)のものが挙げられる。一般に、M単位、D単位、T単位および/またはQ単位を含むビニル官能化シロキサンが使用され得る。ビニル官能化MQ樹脂は、例えば、エボニックインダストリーズから市販されている。
【0036】
上記のような前記ビニル末端ポリシロキサンポリマーは、そのまま使用してもよく、または前述のポリマーの2つ以上の混合物であってもよい。特に好ましいのは、エボニックインダストリーズからVQMポリマーとして市販されている、直鎖状ビニル末端PDMSポリマーおよびビニル官能性MQ樹脂(三次元PDMS、ビニル官能化)の混合物である。
【0037】
本発明によれば、本明細書に記載の前記シリコーン系接着剤組成物中の前記ビニル末端ポリシロキサンポリマーの量は、前記2成分シリコーン系接着剤組成物の総重量に基づいて、1~90重量%、好ましくは10~80重量%、より好ましくは20~80重量%、特に30~80重量%の範囲であり得る。
【0038】
本発明によれば、本明細書に記載の前記シリコーン系接着剤組成物の第2組成物(B)(「パートB」とも呼ばれる)中の前記ビニル末端ポリシロキサンポリマーの量は、前記シリコーン系接着剤組成物の成分(B)の重量に基づいて、10~90重量%、好ましくは10~80重量%、より好ましくは20~80重量%、特に30~80重量%の範囲であり得る。本明細書に記載の前記シリコーン系接着剤組成物の第1組成物(A)(「パートA」とも呼ばれる)中の前記ビニル末端ポリシロキサンポリマーの量は、前記成分(B)と同様の範囲、すなわち、前記シリコーン系接着剤組成物の成分(A)の重量に基づいて、10~90重量%、好ましくは10~80重量%、より好ましくは20~80重量%、特に30~80重量%の範囲であり得る。
【0039】
本発明による前記2成分シリコーン系接着剤組成物において、本明細書に記載の前記プレポリマーは、上記のように、少なくとも1つのビニル末端ポリシロキサンポリマーと混合することができ、前記ビニル末端ポリシロキサンポリマーは、前記ビニル基を基準として、前記プレポリマーのヒドロシリル基に対してモル過剰で使用される。混合すると、前記プレポリマーおよび前記ビニル末端ポリシロキサンポリマーはさらに付加重合を受け、前記プレポリマーの前記ヒドロシリル基は前記ビニル末端ポリシロキサンポリマーの前記ビニル基と反応する。得られたポリマーは、ヒドロシリル化架橋剤とのさらなる付加重合反応に利用可能なビニル基と、最終的に硬化したシステムのさまざまな表面への接着を促進および改善するトリアルコキシシラン末端キャッピング基との両方を示す。前記混合は、成分(B)内ですでに行われているため、成分(A)と接触する前に前記プレポリマーが反応する。いずれの場合でも、前記成分(B)(すなわち、パートB)の配合物は、ビニル基が常に前記プレポリマーの水素基と比較してモル過剰になるように行われる。
【0040】
本発明の文脈において有用なヒドロシリル化触媒は当技術分野で知られており、例えば、本発明による前記プレポリマーの調製に関して上述したヒドロシリル化触媒から選択してよい。
【0041】
前記ヒドロシリル化触媒は、前記シリコーン系接着剤組成物中に、前記2成分シリコーン系接着剤組成物の成分(B)の総重量に基づいて、0.01~5重量%、好ましくは0.02~4.5重量%の量で存在してよい。
【0042】
本発明の文脈において適切な架橋剤(crosslinking agents)(「架橋剤(crosslinker)」とも呼ばれる)は、当技術分野で知られており、例えば、少なくとも2つ、好ましくは2つ以上のヒドロシリル基を含む化合物を含み得る。好ましいのは、末端に、場合により、鎖内にもSiH基を有する修飾PDMSポリマーである。
【0043】
一般に、前記2成分シリコーン系接着剤組成物の成分(A)の総重量に基づいて、0.1~8重量%、好ましくは0.2~7.5重量%の架橋剤が使用され得る。
【0044】
本発明によるシリコーン系接着剤組成物は、シリコーン系接着剤組成物に使用するための当該技術分野で知られている1つ以上のさらなる添加剤を任意に含んでもよい。例えば、本発明の文脈における使用に適した1つ以上の添加剤は、充填剤および顔料からなる群から選択され得る。
【0045】
本発明の文脈において有用であり得る顔料としては、ウィリアムズからのLB-1011Cカーボンブラックなどのカーボンブラック、ハークロスG-6099などの酸化クロム顔料、およびデュポンから入手可能なものなどの二酸化チタンが挙げられる。
【0046】
この文脈に適した前記充填剤は、当技術分野で知られており、例えば、1以上の粉砕石英、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、タルク、珪藻土、酸化鉄、炭酸カルシウム、クレイ、チタニア、ジルコニア、シリカ、ヒュームドシリカ、マイカ、ガラス、砂、カーボンブラック、グラファイト、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、木粉、コルク、フルオロカーボンポリマーパウダーなどから選択され得る。前記充填剤は、当技術分野で周知の従来の有機ケイ素処理剤で処理してよい。
【0047】
もちろん、本発明によるシリコーン系接着剤組成物は、この文脈において既知で有用なさらなる添加剤、例えばそのモノマー化合物およびポリマー化合物を含む他のシランまたはシロキサン系化合物を含み得ることが予想される。
【0048】
本明細書に記載されるように、前記少なくとも1つのビニル末端ポリシロキサンポリマーが前記プレポリマーに対してモル過剰で使用される場合、これらの2つの成分の重付加反応により、ヒドロシリル化架橋剤とのさらなる付加重合反応に利用可能なビニル基と、上記のように最終的に硬化したシステムのさまざまな表面への接着を促進および改善するトリアルコキシシランエンドキャッピング基との両方を有するポリマーが得られる。本発明による2成分シリコーン系接着剤組成物の場合、そのようなポリマーの形成は、第2成分(B)の調製において、すなわち成分(A)と成分(B)との混合の前に起こる。本明細書に記載の成分(A)および本明細書に記載の成分(B)の両方の調製方法は、当技術分野で知られている。
【0049】
前記2つの成分(A)および成分(B)は、使用するまで別々に保管される。使用のために、前記2つの成分はそれ自体既知の方法で一緒に混合される。分離された形態では、2つの成分(A)および成分(B)は貯蔵安定である。
【0050】
本発明のシリコーン系接着剤組成物は、適用温度で液体であってよい。本発明のシリコーン系接着剤組成物は室温で液体であることが好ましい。様々な実施形態では、本発明による接着剤組成物は、25℃の温度で、Haake PK100(RV20またはRV30)、RT20、Physica MCR301または同等のレオメーターで測定される、50~200,000mPas、特に1,000~100,000mPasの粘度を有する。本明細書で使用される「液体」には、ゲルおよびペーストが含まれる。
【0051】
前記接着剤は、すべての既知の技術により基材に適用することができる。例えば、デュアルカートリッジおよび空圧ガンを使用してディスペンスされ得る。前記混合は、静的ミキサーを使用して行われ得る。
【0052】
したがって、本発明の別の実施形態は、本発明によるシリコーン系接着剤組成物の使用方法である。様々な実施形態において、そのような方法は、接着剤が上記のシリコーン系接着剤組成物である前記接着剤組成物を、基材表面に塗布するプロセスを包含する。本明細書に記載の2成分シリコーン系接着剤組成物の場合、前記接着剤の2つの成分(A)および成分(B)は、塗布の直前に混合される。続いて、前記接着剤組成物は前記基材表面に塗布される。
【0053】
本明細書に記載のように、-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーが様々な表面に対するポリシロキサン系接着剤組成物の接着を促進および改善するという驚くべき発見を考慮すると、本発明のさらなる目的は、水素末端ポリオルガノシロキサンを、上記のビニル基および-Si(ORa)3基含有シランと反応させることにより得られる-Si(ORa)3末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーのシリコーン系接着剤組成物の接着促進剤としての使用にある。
【0054】
方法に関して本明細書に開示されるすべての実施形態は、開示される分散液、組成物、および使用に同様に適用可能であり、逆もまた同様であることが理解される。
【実施例】
【0055】
以下の実施例は、本発明を例示するために与えられる。これらの例は、例示の目的でのみ与えられているため、本発明はそれに限定されると見なされるべきではない。
【0056】
【0057】
前記成分を混合し、室温で反応させる。前記反応は発熱性である(80℃まで)。
【0058】
実施例2
表2による各パートBを、表3によるパートA1と混合し、得られた2K配合物を試験した。結果を表4に示す。
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
実施例3
表5による各パートBを表6によるパートA2と混合し、こうして得られた2K配合物を試験した。結果を表7に示す。
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
<引張せん断強度>
Alu/alu 7dは、2つのアルミニウム基材が接着され、7日後に重ねせん断強度(lap shear strength)が測定されたことを意味する。スチール/スチール 7dは同じ意味だが、スチール基材上である。重ねせん断強度は、DIN EN 1465に従って決定された。以下の寸法:長さ100mm、幅25mm、322.6mm2の重なり、および1mmのギャップの重ねせん断試験片を用いた。
【0067】
手順:前記配合物を十分な量1つの重ねせん断試験片に塗り(spread on)、前記重ねせん断試験片を合わせたときに322.6mm2(0.5 in.2)の面積が完全に覆われるようにする。必要に応じて、適切な器具(アプリケータースティック、舌圧子など)を使用して前記接着剤を広げて、前記接着領域が完全に覆われるようにする。各測定に5つの試験片を使用した。前記集合重ねせん断(The assembled lap shear)は、通常の条件(23+/-2℃、相対湿度50+/-5%)で7日間硬化された。前記テストは通常の条件(23+/-2℃、相対湿度50+/-5%)で行われ、前記測定は、硬化の7日後に行った。前記試験片は、測定が行われる温度と同じでなければならない。前記試験片の長軸がグリップ集成部品(grip assembly)の中心線を介して加えられる張力の方向と一致するように、前記試験片を試験機のグリップに配置する。次いで、前記重ねせん断試験片を50mm/分の速度で<0.1MPaまで引き伸ばす。次いで、前記荷重-ジョイント変位曲線(force-joint deplacement curve)を50mm/分のライン速度で記録する。
【0068】
<引張強度/伸び/弾性率>
引張強度および破断点伸びは、DIN 53504に従って決定された。次の寸法のダンベル試験片を使用した。厚さ:2+/-0.2mm;バーの幅:10+/-0.5mm;バーの長さ:約45mm;全長9cm。
【0069】
手順:前記プレポリマー混合物(配合物)を平らな表面に広げて、厚さ2mmのフィルムを形成した。前記フィルムを通常の条件(23+/-2℃、相対湿度50+/-5%)で7日間硬化させた後、ダンベル試験片を打ち抜いた。各測定に5つの試験片を使用した。前記テストは通常の条件(23+/-2℃、相対湿度50+/-5%)で行われ、前記測定は、硬化の7日後に行った。前記試験片は、測定が行われる温度と同じでなければならない。前記測定の前に、前記試験片の厚さは、キャリパーを使用して、少なくとも3つの異なる位置、中央および端で決定される。前記平均値は、前記測定ソフトウェアに導入される。前記試験片を引張試験機に固定して、長手軸が引張試験機の機械軸と一致し、中間バーを固定せずにロッドヘッドの最大表面(the largest possible surface)を含むようにする。次いで、前記ダンベルを50mm/分の速度で<0.1MPaまで引き伸ばす。次いで、
荷重-伸び曲線を500mm/分のライン速度で記録する。
【0070】
評価:次の値、破断荷重[N/mm2]、破断点伸び[%]、および100%伸び時の弾性率[N/mm2]が決定される。
【0071】
<ショア硬度>
ショア硬度はISO 868に従って測定された。
本発明の好ましい態様は、以下を包含する。
[1] 少なくとも1つのビニル末端ポリシロキサンポリマーおよび少なくとも1つのヒドロシリル基含有架橋剤を含む、第1成分(A);および
少なくとも1つの-Si(OR
a
)
3
末端ポリオルガノシロキサンプレポリマー、ヒドロシリル化触媒、および少なくとも1つのビニル末端ポリシロキサンポリマーを含む第2成分(B)
を含む2成分シリコーン系接着剤組成物であり、
ここで、OR
a
は加水分解性基であり、各R
a
は好ましくは独立してアルキルまたはアシルであり、前記-Si(OR
a
)
3
末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーは、水素末端ポリオルガノシロキサンとビニル基および-Si(OR
a
)
3
基含有シランとを、触媒の存在下で反応させることにより得られ、ここで、前記水素末端ポリオルガノシロキサンは、反応性水素原子の前記ビニル基および-Si(OR
a
)
3
基含有シランのビニル基に対する比に対してモル過剰で使用される、2成分シリコーン系接着剤組成物。
[2] 前記-Si(OR
a
)
3
末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーは、-Si(OR
a
)
3
末端ポリ(ジオルガノシロキサン)プレポリマー、好ましくは-Si(OR
a
)
3
末端ポリ(ジアルキルシロキサン)プレポリマーである、[1]に記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
[3] 前記-Si(OR
a
)
3
末端ポリ(ジアルキルシロキサン)のアルキル基は、それぞれ独立して、メチルおよびエチルからなる群から選択される、好ましくはメチルである、[2]に記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
[4] 前記-Si(OR
a
)
3
末端ポリ(ジアルキルシロキサン)は、-Si(OR
a
)
3
末端ポリ(ジメチルシロキサン)である、[2]または[3]に記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
[5] OR
a
は、アルコキシ基またはアシルオキシ基であり、前記アルコキシ基は、好ましくはメトキシ、エトキシおよびプロポキシ、より好ましくはメトキシおよびエトキシからなる群から選択され、最も好ましくはメトキシである、[1]~[4]のいずれかに記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
[6] 前記-Si(OR
a
)
3
基は、トリアルコキシシリル基またはトリアセトキシシリル基、好ましくはトリエトキシシリル基またはトリメトキシシリル基、より好ましくはトリメトキシシリル基である、[1]~[5]のいずれかに記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
[7] 前記ビニル基および-Si(OR
a
)
3
基含有シランは、トリアルコキシシラン、好ましくはビニル基を含むC
2-6
炭化水素部分を有するトリアルコキシシラン、より好ましくはビニルトリメトキシシランまたはアリルトリメトキシシランである、[1]~[6]のいずれかに記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
[8] 前記少なくとも1つの-Si(OR
a
)
3
末端ポリオルガノシロキサンプレポリマー、好ましくは前記少なくとも1つの-Si(OR
a
)
3
末端ポリ(ジオルガノシロキサン)プレポリマー、より好ましくは前記少なくとも1つの-Si(OR
a
)
3
末端ポリ(ジアルキルシロキサン)プレポリマーの形成に使用される前記触媒は、白金ヒドロシリル化触媒である、[1]~[7]のいずれかに記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
[9] 前記少なくとも1つの-Si(OR
a
)
3
末端ポリオルガノシロキサンプレポリマー、好ましくは前記少なくとも1つの-Si(OR
a
)
3
末端ポリ(ジオルガノシロキサン)プレポリマー、より好ましくは前記少なくとも1つの-Si(OR
a
)
3
末端ポリ(ジアルキルシロキサン)プレポリマーの量は、前記シリコーン系接着剤組成物の前記成分(B)の重量に基づいて、1.5~30重量%、好ましくは2~20重量%の範囲内である、[1]~[8]のいずれかに記載の2成分シリコーン系接着剤組成物。
[10] 2つ以上の基材を接着するための、[1]~[9]のいずれかに記載の2成分シリコーン系接着剤組成物の使用。
[11] 水素末端ポリオルガノシロキサンと、ビニル基および-Si(OR
a
)
3
基含有シランとを、触媒の存在下で反応させることにより得られる-Si(OR
a
)
3
末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーの使用であり、前記水素末端ポリオルガノシロキサンは、反応性水素原子のビニル基に対する比に対してモル過剰である、2成分シリコーン系重付加硬化性接着剤組成物中の接着促進剤としての使用。
[12] 前記-Si(OR
a
)
3
末端ポリオルガノシロキサンプレポリマーは、-Si(OR
a
)
3
末端ポリ(ジオルガノシロキサン)プレポリマー、好ましくは-Si(OR
a
)
3
末端ポリ(ジアルキルシロキサン)プレポリマーである、[11]に記載の使用。
[13] -前記-Si(OR
a
)
3
末端ポリ(ジアルキルシロキサン)のアルキル基は、それぞれ独立して、メチルおよびエチルからなる群から選択される、好ましくはメチルである;および/または
-前記ビニル基および-Si(OR
a
)
3
基含有シランのOR
a
基は、アルコキシ基である、好ましくはメトキシ、エトキシおよびプロポキシ、より好ましくはメトキシおよびエトキシからなる群から選択される、最も好ましくはメトキシである、
[12]に記載の使用。
[14] -前記-Si(OR
a
)
3
末端ポリ(ジアルキルシロキサン)は、-Si(OR
a
)
3
末端ポリ(ジメチルシロキサン)である;および/または
-前記ビニル基および-Si(OR
a
)
3
基含有シランは、トリアルコキシシラン、好ましくはビニル基を含むC
2-6
炭化水素部分を有するトリアルコキシシラン、より好ましくはビニルトリメトキシシランまたはアリルトリメトキシシランである、
[12]または[13]に記載の使用。