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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】被処理物の預渡システム
(51)【国際特許分類】
   G07F 17/12 20060101AFI20230308BHJP
   D06F 95/00 20060101ALI20230308BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20230308BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20230308BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230308BHJP
【FI】
G07F17/12
D06F95/00
E05B65/00 D
E05B49/00 F
G06Q50/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021099523
(22)【出願日】2021-06-15
(62)【分割の表示】P 2017201440の分割
【原出願日】2017-10-17
(65)【公開番号】P2021166063
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2021-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】317013094
【氏名又は名称】龍 大次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156959
【弁理士】
【氏名又は名称】原 信海
(72)【発明者】
【氏名】龍 大次郎
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-217040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 17/12
G06Q 50/10
D07F 93/00-95/00
E05B 49/00-49/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の店舗それぞれに配設され、利用者との間で被処理物を預け渡すための預渡装置と、作業員を介して被処理物を処理する処理工場と、各店舗の預渡装置における被処理物の預け渡しを管理する管理装置と、識別情報及び予め納められた予納額情報を記憶する複数の会員カードと、前記各店舗それぞれに配設され、前記会員カードへの予納を行う予納器とを備え、前記各店舗の預渡装置に預け入された被処理物が回収されて前記処理工場で処理が実施され、処理済の被処理物を対応する店舗の預渡装置に収納されて引き渡し可能にされる被処理物の預渡システムであって、
前記預渡装置は被処理物を預入する預入部と、処理済の被処理物を収納する複数の収納部と、前記会員カードに記憶された情報を読み取るカード読取部と、表示した画像上で入力操作を可能にした表示入力部とを具備し、
前記預入部には施錠・開錠可能な第1扉が設けてあり、また、前記各収納部にはそれぞれ施錠・開錠可能な第2扉がそれぞれ設けてあり、
更に、前記預渡装置は、前記カード読取部によって会員カード内の情報が読み取られた場合、前記表示入力部に預入か引渡かを入力させる画像を表示させる手段と、預入が入力された場合、前記会員カードから読み取った予納額情報の額が予め定めた額以上であるか否かを判断する手段と、予め定めた額以上であると判断した場合は前記第1扉を開錠させる手段と、予め定めた額以上でないと判断した場合は前記表示入力部に不足額を表示させる手段と、予め定めた額以上であると判断して前記第1扉を開錠させた場合、預入伝票番号を発行する預入伝票番号発行手段と、発行した預入伝票番号を前記会員カードから読み取った情報と共に前記管理装置へ送信する手段とを有し、
前記処理工場には、被処理物を撮像する撮像器と、撮像器によって撮像された被処理物の画像、並びに入力された被処理物の処理費、処理の可否、及び入力された預入伝票番号を前記管理装置へ送信する工場用端末器とが配置してあり、
一方、前記管理装置には、各会員カードの識別情報別に利用者の携帯端末器に係る携帯端末器情報が、前記預入伝票番号発行手段が発行した預入伝票番号及び前記工場用端末器から送信された預入伝票番号に基づいて、前記工場用端末器から送信された被処理物の画像並びに入力された被処理物の処理費及び処理の可否と紐付けされて登録されるようになっており、
管理装置は、工場用端末器から被処理物の画像並びに入力された被処理物の処理費及び処理の可否が送信されると、対応する携帯端末器情報を用いて当該携帯端末器へ被処理物の画像並びに入力された被処理物の処理費及び処理の可否に係る情報を送信する携帯端末器用情報送信手段と、処理を許可する情報が返信されたか否かを判断する手段と、処理を許可する情報が返信されたと判断した場合、前記工場用端末器へ処理開始情報を送信する手段とを有し、
前記工場用端末器が前記処理開始情報を受信すると、当該工場用端末器のモニタにそれが表示される一方、対応する進捗情報が工場用端末器に入力されるようになっており、前記工場用端末器は、前記処理工場において被処理物の処理が実施されて、その進捗情報が入力されると、当該進捗情報を前記管理装置へ送信するようになしてある
ことを特徴とする被処理物の預渡システム。
【請求項2】
前記管理装置には、前記工場用端末器から被処理物の引渡日及び/又は被処理物を引き渡す店舗に係る情報が送信されるようになっており、
前記携帯端末器用情報送信手段は、被処理物の画像及び被処理物の処理費に係る情報に加えて、被処理物の引渡日及び/又は被処理物を引き渡す店舗に係る情報を当該携帯端末器へ送信するようになっている請求項1記載の被処理物の預渡システム。
【請求項3】
前記管理装置には、被処理物の引渡日及び/又は被処理物を引き渡す店舗を変更する変更情報が送信され得るようになっており、
前記管理装置は、変更情報が送信されたか否かを判断する手段と、送信されたと判断した場合、当該変更情報を工場用端末器へ送信する手段と、被処理物の引渡日及び/又は被処理物を引き渡す店舗を前記変更情報に従って更新する更新情報が工場用端末器から送信されたかを判断する手段とを更に有し、更新情報が送信されたと判断した場合、前記携帯端末器用情報送信手段に更新情報を該当する携帯端末器へ送信させるようになしてある
請求項2記載の被処理物の預渡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング業における洗濯物というように、利用者から被処理物を預かり、適宜の処理が施こされた被処理物を当該利用者へ返却する預け渡しを行うための被処理物の預渡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
クリーニング業にあっては、複数の取次店を配して、各取次店を介して複数の利用者から預かった大量の洗濯物を、工場で一括してクリーニングすることによってクリーニング代を廉価にした事業が展開されている。しかし、そのような事業では各取次店にそれぞれ人員を配置しなければならないため、次のような問題が生起されていた。即ち、核家族化の拡大及び共稼ぎ世帯の増大により、早朝又は深夜の時間帯に洗濯物を取次店に預けることができる需要が増大しているにもかかわらず、そのような時間帯に多くの取次店それぞれに人員を配置することは困難であり、仮に人員を配置することができたとしても、時間外手当を含めたコストが増大するため、クリーニング代が高騰してしまう。そのため、後述する特許文献1には次のようなシステムが提案されている。
【0003】
図12は、特許文献1に開示されたクリーニング営業システムを形成する取次店の内部構成を説明する説明図であり、図中、200は、取次店内に設置されたカウンタである。カウンタ200上には、利用者に預入情報等を入力させるための受付側コンピュータ160、利用者の会員カード等を挿入させるためのリーダ188、及び決済に必要な現金受取機170が載置してある。受付側コンピュータ160はネットワークを介してセンター側コンピュータ(いずれも図示せず)に接続してあり、リーダ188及び現金受取機170は受付側コンピュータ160によって制御されている。前記カウンタ200の側縁近傍には洗濯物たる被処理物を投入する投入口185が開設してあり、カウンタ200の近傍には、回転コンベアを内蔵する品物受取機180が配設してある。この品物受取機180には自動扉183が取り付けてあり、クリーニング済みの被処理物は自動扉183から排出され、品物受取口から受け取れるようになっている。一方、取次店の内部にはカウンタ200及びカウンタ200前の利用者を撮像するカメラ144が配設してあり、また、センター側コンピュータから送られるモニター画面を表示するモニタ120も配設してある。
【0004】
前述した受付側コンピュータ160には会員カード作成手段が入力してあり、利用者がモニタ120に表示される画面に従って受付側コンピュータ160にて登録情報を入力し、更に、現金受取機170に所定額以上の現金を入れると、入力された登録情報を用いて会員カード作成手段が会員カード情報及び予納額情報を作成してそれをセンター側コンピュータへ送り、後日、センターから利用者へICチップを内蔵する会員カードが送付されるようになっている。
【0005】
会員カードが送付された利用者が、当該会員カードを取次店内の前記リーダ188に挿入すると、受付側コンピュータ160はセンター側コンピュータと送受信して、会員カードから読み取った情報が利用者情報に含まれるか否かを判断し、含まれる場合、預かり明細を作成する作成用画面をモニタ120に表示させる。利用者がモニタ120に表示された画面及びセンターに配属されたオペレータからの音声に従って受付側コンピュータ160に被処理物の種類及び着数等を入力すると、受付側コンピュータ160は、自身のモニタに料金を表示し、利用者がEnterキー等、所定キー操作による入力があると、預かり明細情報を作成してそれをセンター側コンピュータへ送信するとともに、会員カードから相当する料金を差し引いた後、伝票番号、被処理物の種類、着数、及び仕上がり期日等が記載れた預入伝票を2枚発行する。利用者には予め集配用袋が送付されており、利用者は1枚の預入伝票と、被処理物とを集配用袋に入れて、当該集配用袋を投入口185に投入する。
【0006】
投入口185に投入された集配用袋は回収員によって回収され、図示しない工場にて一括してクリーニングされる。クリーニング処理された被処理物は同じ集配用袋に収納され品物受取機180内の回転コンベアの空いている位置に載置されるようになっている。
【0007】
クリーニング処理された被処理物を受け取るには、利用者は取次店のリーダ188に会員カードを挿入し、次いで図示しないバーコード読み取り器等によって前記伝票から伝票番号を読み取る。受付側コンピュータ160はセンター側コンピュータと送受信して、会員カードの情報及び伝票番号を確認し、両情報が正確である場合、更に仕上がり期日を徒過しているか否かを判断し、徒過していない場合、品物受取機180内の回転コンベアを駆動させて該当する集配袋を自動扉183の位置まで回転させた後、自動扉183を開放して当該集配袋を自動扉183から排出させる。
【0008】
一方、仕上がり期日を徒過している場合、受付側コンピュータ160は自身のモニタに徒過日数に応じた追加料金を表示し、利用者から所定キー操作による入力があると、会員カードから相当する料金を差し引いた後、前同様、品物受取機180をして対応する集配袋を自動扉183から排出させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2007-115199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような従来のシステムにあっては、被処理物の預け渡し管理が不十分であるため、例えば、廃棄衣類等であっても投入することができ、衛生上の問題も生じる虞があった。また、従来のシステムにあっては、被処理物がクリーニングできない種類である場合の対応、及び被処理物に染み抜き作業が必要な場合の追加料金の請求等々に支障を来すという問題もあった。
【0011】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、被処理物の預け渡しを十分に管理することができる被処理物の預渡システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明に係る被処理物の預渡システムは、複数の店舗それぞれに配設され、利用者との間で被処理物を預け渡すための預渡装置と、作業員を介して被処理物を処理する処理工場と、各店舗の預渡装置における被処理物の預け渡しを管理する管理装置と、識別情報及び予め納められた予納額情報を記憶する複数の会員カードと、前記各店舗それぞれに配設され、前記会員カードへの予納を行う予納器とを備え、前記各店舗の預渡装置に預け入された被処理物が回収されて前記処理工場で処理が実施され、処理済の被処理物を対応する店舗の預渡装置に収納されて引き渡し可能にされる被処理物の預渡システムであって、前記預渡装置は被処理物を預入する預入部と、処理済の被処理物を収納する複数の収納部と、前記会員カードに記憶された情報を読み取るカード読取部と、表示した画像上で入力操作を可能にした表示入力部とを具備し、前記預入部には施錠・開錠可能な第1扉が設けてあり、また、前記各収納部にはそれぞれ施錠・開錠可能な第2扉がそれぞれ設けてあり、更に、前記預渡装置は、前記カード読取部によって会員カード内の情報が読み取られた場合、前記表示入力部に預入か引渡かを入力させる画像を表示させる手段と、預入が入力された場合、前記会員カードから読み取った予納額情報の額が予め定めた額以上であるか否かを判断する手段と、予め定めた額以上であると判断した場合は前記第1扉を開錠させる手段と、予め定めた額以上でないと判断した場合は前記表示入力部に不足額を表示させる手段とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明の被処理物の預渡システムにあっては、複数の店舗それぞれに配設され、利用者との間で被処理物を預け渡すための預渡装置と、被処理物を処理する処理工場と、各店舗の預渡装置における被処理物の預け渡しを管理する管理センタに配設された管理装置と、会員カード番号といった相異なる識別情報及び予め納められた予納額情報を記憶する複数の会員カードと、各店舗それぞれに配設され、会員カードへの予納を行う予納器とを備えており、各店舗の預渡装置に預け入された被処理物が回収されて前記処理工場で処理が実施され、処理済の被処理物を対応する店舗の預渡装置に収納されて引き渡し可能にされるようになっている。
【0014】
前述した預渡装置は、被処理物を預け入れする預入部と、処理済の被処理物を収納する複数の収納部とを具備しており、また、前記会員カードに記憶された情報を読み取るカード読取部、及び、表示した画像上で入力操作を可能にした表示入力部が設けてある。ここで、預入部には施錠・開錠可能な第1扉が設けてあり、また、収納部にはそれぞれ施錠・開錠可能な第2扉がそれぞれ設けてある。第1扉及び各第2扉は利用者によって後述する操作が行われない場合は施錠してあり、これによって不要物等が預渡装置内に放置される等の虞がない。
【0015】
また、預渡装置は、前記カード読取部によって会員カード内の情報が読み取られた場合、預入か引渡かを入力させる画像を表示入力部に表示させ、預入が入力された場合、前記会員カードから読み取った予納額情報の額が予め定めた額以上であるか否かを判断する。そして、予め定めた額以上であると判断した場合は預入部の第1扉を開錠させる。これに対して、予め定めた額以上でないと判断した場合は表示入力部に不足額を表示させて、前述した予納器による会員カードへの予納を促す一方、預入部の第1扉を開錠させない。一方、預渡装置は、予め定めた額以上であると判断して前記第1扉を開錠させた場合、預入伝票番号を発行し、発行した預入伝票番号を前記会員カードから読み取った情報と共に管理装置へ送信する。
【0016】
前金の予納をした上で、不要物を預け入れる利用者は殆ど存在しないため、不要物の預渡装置への預け入れを回避することができる。従って、預渡装置に衛生上の問題が生じることを防止することができる。一方、仮にそのような利用者が存在した場合であっても、預け入れされた不要物の廃棄費用を前金で処理することができる。更に、不要物の廃棄費用を前金で処理した場合、該当する会員カードの今後の使用を不可とすべく、当該会員カード番号を無効にする処理を行うこともできる。
【0017】
更に、前述した本発明に係る被処理物の預渡システムは、前記処理工場には、被処理物を撮像する撮像器と、撮像器によって撮像された被処理物の画像、並びに入力された被処理物の処理費、処理可否、及び入力された預入伝票番号を前記管理装置へ送信する工場用端末器とが配置してあり、一方、前記管理装置には、各会員カードの識別情報別に利用者の携帯端末器に係る携帯端末器情報が、前記預入伝票番号発行手段が発行した預入伝票番号及び前記工場用端末器から送信された預入伝票番号に基づいて、前記工場用端末器から送信された被処理物の画像並びに入力された被処理物の処理費及び処理の可否と紐付けされて登録されるようになっており、管理装置は、工場用端末器から被処理物の画像並びに入力された被処理物の処理費及び処理の可否が送信されると、対応する携帯端末器情報を用いて当該携帯端末器へ被処理物の画像並びに入力された被処理物の処理費及び処理の可否に係る情報を送信する携帯端末器用情報送信手段と、処理を許可する情報が返信されたか否かを判断する手段と、処理を許可する情報が返信されたと判断した場合、前記工場用端末器へ処理開始情報を送信する手段とを有することを特徴とする。
【0018】
即ち、本発明の被処理物の預渡システムにあっては、被処理物の処理を行う処理工場には、被処理物を撮像する撮像器と、工場用端末器とが配置してあり、工場用端末器には、処理工場に搬入された被処理物の処理費用、処理可否、及び預入伝票番号が入力されるようになっている。
【0019】
例えば、被処理物の処理がクリーニング処理である場合、処理工場の作業員は、被処理物に染みが付着しているか否かを確認し、染みが付着している場合、撮像器を用いて、該当部分が分かるように被処理物の複数箇所を撮像する。一方、ボタン又は被処理物の素材によって、当該被処理物がクリーニングできない場合があり得るが、かかる場合、作業員は当該被処理物に係る処理の可否を工場用端末器に入力する。また、作業員は、被処理物の素材、染み抜き処理の有無及び染み抜き処理の程度等並びに予め設定された料金表に基づいて当該被処理物の処理費を求め、それを工場用端末器に入力する。更に、作業員は、当該被処理物に対して発行された預入伝票番号を工場用端末器に入力する。
【0020】
工場用端末器は、撮像器によって撮像された被処理物の画像、並びに入力された被処理物の処理費、処理可否、及び入力された預入伝票番号を前記管理装置へ送信する。
【0021】
管理装置には、各会員カードの識別情報別に利用者の携帯端末器のメールアドレスといった携帯端末器に係る携帯端末器情報が、前記預入伝票番号発行手段が発行した預入伝票番号及び前記工場用端末器から送信された預入伝票番号に基づいて、前記工場用端末器から送信された被処理物の画像並びに入力された被処理物の処理費及び処理の可否と紐付けされて登録されるようになっている。そして、管理装置は、工場用端末器から被処理物の画像並びに入力された被処理物の処理費及び処理の可否が送信されると、対応する携帯端末器情報を用いて当該携帯端末器へ被処理物の画像並びに入力された被処理物の処理費及び処理の可否に係る情報を送信し、使用者の携帯端末器から処理を許可する情報が返信されたか否かを判断し、処理を許可する情報が返信されたと判断した場合、工場用端末器へ処理開始情報を送信する。そして、前記工場用端末器が前記処理開始情報を受信すると、当該工場用端末器のモニタにそれが表示される一方、対応する進捗情報が工場用端末器に入力されるようになっており、前記工場用端末器は、前記処理工場において被処理物の処理が実施されて、その進捗情報が入力されると、当該進捗情報を前記管理装置へ送信する。
【0022】
このように、被処理物の処理を詳細に分析した結果及び処理費を利用者の携帯端末器へ送信し、当該利用者から処理を許可する情報が返信された場合に、当該被処理物の処理を開始するように構成されているため、被処理物の管理が十分に実施される。従って、被処理物が処理できない種類である場合の対応、及び被処理物に染み抜き作業といった付加作業が必要な場合の追加料金の請求等々に支障を来さず、円滑に行うことができる。
【0023】
(2)本発明に係る被処理物の預渡システムは、前記管理装置には、前記工場用端末器から被処理物の引渡日及び/又は被処理物を引き渡す店舗に係る情報が送信されるようになっており、前記携帯端末器用情報送信手段は、被処理物の画像及び被処理物の処理費に係る情報に加えて、被処理物の引渡日及び/又は被処理物を引き渡す店舗に係る情報を当該携帯端末器へ送信するようになっていることを特徴とする。
【0024】
本発明の被処理物の預渡システムにあっては、前述した管理装置には、工場用端末器から被処理物の引渡日及び/又は被処理物を引き渡す店舗に係る情報が送信されるようになっている。そして、管理装置の携帯端末器用情報送信手段は、被処理物の画像及び被処理物の処理費に係る情報に加えて、被処理物の引渡日及び/又は被処理物を引き渡す店舗に係る情報を当該携帯端末器へ送信する。
【0025】
これによって、利用者は、被処理物の画像並びに入力された被処理物の処理費及び処理の可否に加えて、被処理物の引渡日及び/又は被処理物を引き渡す店舗を報知され、処理済の被処理物を確実に引き渡されることができる。
【0026】
(3)本発明に係る被処理物の預渡システムは、前記管理装置には、被処理物の引渡日及び/又は被処理物を引き渡す店舗を変更する変更情報が送信され得るようになっており、前記管理装置は変更情報が送信されたか否かを判断する手段と、送信されたと判断した場合、当該変更情報を工場用端末器へ送信する手段と、被処理物の引渡日及び/又は被処理物を引き渡す店舗を前記変更情報に従って更新する更新情報が工場用端末器から送信されたかを判断する手段とを更に有し、更新情報が送信されたと判断した場合、前記携帯端末器用情報送信手段に更新情報を該当する携帯端末器へ送信させるようになしてあることを特徴とする。
【0027】
本発明の被処理物の預渡システムにあっては、管理装置には、被処理物の引渡日及び/又は被処理物を引き渡す店舗を変更する変更情報が送信され得るようになっている。例えば、利用者は携帯端末器を用いて管理装置に変更情報を送信することができる。また、利用者は音声通信又は伝票等を用いて変更情報を通知し、作業員が本システムに係る端末器に入力することによって、当該端末器から管理装置へ変更情報を送信することもできる。
【0028】
管理装置は変更情報を工場用端末器へ送信する手段を更に有しており、変更情報が送信されると、管理装置は当該変更情報を工場用端末器へ送信する。そして、管理装置は、被処理物の引渡日及び/又は被処理物を引き渡す店舗を前記変更情報に従って更新する更新情報が工場用端末器から送信されたかを判断し、更新情報が送信された場合、前述した携帯端末器用情報送信手段に、変更後の被処理物の引渡日及び/又は被処理物を引き渡す店舗に係る情報を当該携帯端末器へ送信させる。
【0029】
これによって、利用者は処理済の被処理物の引渡日及び/又は引き渡しする店舗を変更でき、生活スケジュールに応じて、処理済の被処理物を確実に引き渡されることができる。
【0030】
なお、これら以外にも、課題を解決するための他の手段も包含する。
即ち、被処理物の預渡システムは、1又は複数の被処理物を収納する収納体及び会員カードを備える複数のセットを販売する複数の販売機を更に備え、前記各店舗に少なくとも1台の前記販売機が配置してあることを特徴とする。
【0031】
この被処理物の預渡システムにあっては、1又は複数の被処理物を収納する収納体及び会員カードを備える複数のセットを販売する販売機が前記各店舗に少なくとも1台配置してある。適宜の店舗に入った利用者は、販売機からセットを購入し、購入したセットに含まれるバッグといった収納体に被処理物を収納する。また、利用者は当該店舗に配置された予納器を用いて、購入した会員カードに予納した後、当該店舗に配置された預渡装置のカード読取部に会員カードを読み取らせ、預渡装置の預入部の第1扉を開錠させて、被処理物を収納した収納体を預入部に投入する。これによって、店舗に入った利用者は直ぐに被処理物を預渡装置に預け入れることができる。
【0032】
また、本被処理物の預渡システムは、前記店舗は、外部から入室可能になした第1室と、第1室との間で入退室可能になした第2室とを備え、第1室と第2室との間に入退室するための開閉扉が配設してあり、前記第1室には、前記販売機、及び前記開閉扉を開するための会員カード読取器が配設してあり、前記第2室には、前記預渡装置及び予納器が配設してあることを特徴とする。
【0033】
この被処理物の預渡システムにあっては、前述した店舗は、外部から入室可能になした第1室と第2室とに分けてあり、第1室を経て第2室に入室できるようになっている。第1室と第2室との間には、入退室するための開閉扉が配設してある。そして、第1室には、前述した販売機、及び前記開閉扉を開するための会員カード読取器が配設してあり、第2室には、預渡装置及び予納器が配設してある。
【0034】
被処理物を預け入れる利用者は、外部から第1室に入り、そこに配設された販売機から前述したセットを購入し、購入したセットに含まれる会員カードを会員カード読取器に読み取らせて開閉扉を開させ、第2室へ入る。そして、利用者は前述した如く、会員カードへの予納を行い、被処理物を収納した収納体を預渡装置の預入部に預け入れる。このように、第2室内へは会員カードを所持する者だけが入れるため、利用者による被処理物の預け渡しを更に管理することができる。
【0035】
更に、前記被処理物の預渡システムは、前記第2室には更に、会員登録を行うための店舗用端末器が配置してあることを特徴とする。
【0036】
この被処理物の預渡システムにあっては、前記第2室には更に、会員登録を行うための店舗用端末器が配置してあり、利用者は店舗用端末器を用いて会員登録を行うことができる。これによって、店舗に訪れた利用者は、その場で直ぐに会員登録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明に係る被処理物の預渡システムの構成を示すブロック図である。
図2図1に示した店舗内の構成例を示す模式図である。
図3図2に示した預渡装置の一例を模式的に示す正面図である。
図4】被処理物の預渡システムによって行われる被処理物の預け渡しの処理手順を示すフローチャートである。
図5】被処理物の預渡システムによって行われる被処理物の預け渡しの処理手順を示すフローチャートである。
図6】被処理物の預渡システムによって行われる被処理物の預け渡しの処理手順を示すフローチャートである。
図7】被処理物の預渡システムによって行われる被処理物の預け渡しの処理手順を示すフローチャートである。
図8】被処理物の預渡システムによって行われる被処理物の預け渡しの処理手順を示すフローチャートである。
図9】被処理物の預渡システムによって行われる被処理物の預け渡しの処理手順を示すフローチャートである。
図10】被処理物の預渡システムによって行われる被処理物の預け渡しの処理手順を示すフローチャートである。
図11】被処理物の預渡システムによって行われる被処理物の預け渡しの処理手順を示すフローチャートである。
図12】特許文献1に開示されたクリーニング営業システムを形成する取次店の内部構成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明に係る被処理物の預渡システムを図面に基づいて詳述する。
なお、本実施の形態で説明する被処理物の預渡システムは、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含むことはいうまでもない。
【0039】
図1は本発明に係る被処理物の預渡システムの構成を示すブロック図であり、図中、Sは、利用者との間で被処理物の預け渡しを行うための店舗である。複数の店舗S,S,…が所要の地域にそれぞれ配してあり、各店舗S,S,…はネットワークNを介して、複数の利用者、被処理物の預け渡し、被処理物の処理状況等を管理する管理センタ1に設置された管理装置11との間で、後述する各種管理に要する情報を送受信し得るようになっている。
【0040】
また、各店舗S,S,…はネットワークNを介して、コールセンタ2に設置された複数の端末器21,21,…の中のいずれかの端末器21と接続し得るようになっており、各店舗S,S,…内の利用者は、接続した端末器21に配置されたオペレータと通信できるようになっている。
【0041】
一方、各店舗S,S,…には適宜の時間間隔で作業員が巡回するようになっており、作業員は各店舗S,S,…で利用者から受け取った被処理物を回収して処理工場3へ運送し、処理工場3で相当の処理が施された被処理物を対応する店舗S,S,…へ配送するようになっている。処理工場3には、運送された被処理物を撮像する撮像器32が配設してあり、処理工場3内の作業員は撮像器32を用いて運送された各被処理物を撮像する。例えば、クリーニング処理を行う場合、作業員は、被処理物に染みが付着しているか否かを確認し、染みが付着している場合は、付加情報として工場用端末器31に入力するとともに、該当部分が分かるように被処理物の複数箇所を撮像する。一方、ボタン又は被処理物の素材によって、当該被処理物がクリーニングできない場合があり得るが、かかる場合、作業員は後述する工場用端末器31に付加情報として入力する。
【0042】
撮像器32は処理工場3に設置された工場用端末器31に接続されており、工場用端末器31は撮像器32から与えられた画像を処理前状態情報として一時記憶するようになっている。更に、前記作業員は収納体に収納された被処理物の数、処理不可能な被処理物の特徴、処理内容、被処理物の処理費用及び預入伝票番号等を工場用端末器31に入力するようになっており、工場用端末器31は、入力された各情報を前記処理前状態情報及び預入伝票番号等と紐付けて、前述した管理装置11へ送信する。
【0043】
かかる処理工場3には、例えばクリーニング処理を行う場合にあってはクリーニング機、乾燥機及びプレス機等、所要の処理装置33が設置してあり、各店舗S,S,…から運送された被処理物は適宜の処理装置33によって処理されるようになっている。かかる処理装置33による被処理物の処理の進捗情報は工場用端末器31に逐次与えられるようになっており、工場用端末器31はネットワークNを介して、前記管理装置11へ送信する。また、例えばクリーニング処理を行う場合にあっては、被処理物を最終的なプレス処理する前のタイミングで、作業員が前記撮像器32を用いてクリーニング済の被処理物の状態を撮像するようになっており、工場用端末器31はそれを処理後状態情報として、作業員によって入力された会員番号と紐付けて、前述した管理装置11へ送信する。
【0044】
前述した管理センタ1の管理装置11には、後述する会員カードに付与された会員番号と利用者の氏名、住所及びメールアドレス等の利用者情報とが対応付けで登録される会員情報用データベース15と、各店舗別及び会員番号別に被処理物の数、処理不可能な被処理物の特徴、処理内容、処理前状態情報、付加情報、処理後状態情報、進捗情報、処理費用、預入伝票番号等が登録される被処理物用データベース16とを具備している。
【0045】
管理装置11は、前述した如く工場用端末器31から処理費用、処理前状態情報、付加情報及び預入伝票番号が送信されると、それらを被処理物用データベース16に登録する一方、会員情報用データベース15を検索して該当する会員番号のメールアドレスを抽出し、当該メールアドレスの携帯端末器Mへ処理費用、処理不可能な被処理物の特徴、処理前状態情報、付加情報及び預入伝票番号、並びに処理進行の可否を求める処理進行可否情報等を送信するようになっている。管理装置11は、送信したメールアドレスから処理進行を可とする返信メールが返信されるまで待機し、当該返信メールを受信した場合、処理工場3の工場用端末器31へ預入伝票番号及び処理進行命令を送信する。
【0046】
このように本発明に係る被処理物の預渡システムにあっては、処理対象の特定、処理内容、処理費用、付加情報、被処理物の処理前の状態を、利用者と店舗S側とで共有した後に被処理物の処理を開始し、更に、後述するように処理後の被処理物を撮像し、処理後状態情報として管理するようになっている。これによって、被処理物の預け渡しを十分に管理することができ、被処理物の預け渡しに際してトラブルの発生を可及的に回避することができる。
【0047】
工場用端末器31によって預入伝票番号及び処理進行命令が受信されると、処理工場3の作業員は工場用端末器31のモニタによってそれを確認して、作業スケジュールに応じて当該被処理物の処理開始日時及び処理終了日時を入力して作業スケジュールを更新し、更新した作業スケジュールに従って、預入伝票番号に係る被処理物を順次処理し、各処理工程が終了する都度、進捗情報として工場用端末器31に入力するようになっている。そして、被処理物に対する処理が終了すると、各店舗S,S,…を巡回する作業員が処理済の被処理物を処理工場3から収容し、各店舗S,S,…を巡回する間に、該当する店舗Sに予め設置された預渡装置内の適宜領域に処理済の被処理物を収納する。
【0048】
一方、工場用端末器31内の作業スケジュールはそれが更新される都度、管理センタ1の管理装置11へ送信され、管理装置11は更新された作業スケジュールに係る預入伝票番号に係る利用者のメールアドレスへ店舗Sの名称、預入伝票番号及び受取日時等の受取情報を送信しておくようになっている。
【0049】
利用者は、受信した受取情報に従って、該当する日時に該当する店舗Sへ出向き、後述するように会員カードを用いて、当該店舗Sに設置された受取用収納器から被処理物を取り出し、帰宅する。
【0050】
図2は、図1に示した店舗S内の構成例を示す模式図であり、店舗Sは外部との間で入退が可能な第1室R1と、外部との入退が制限された第2室R2とに仕切られている。第1室R1の適宜位置には第1扉D1が設けてあり、外部からの利用者は特段の制限を受けることなく、第1扉D1を通って第1室R1内へ入り、また第1扉D1を通って外部へ退出し得るようになっている。
【0051】
第1室R1内には、被処理物の預け渡しを行うのに必要な複数の用品をパッケージした複数の預渡セットが収納された預渡セット販売機(販売機)5が設置されており、第1室R1内に入った利用者が予め設定された額の代金を預渡セット販売機5で精算すると、預渡セット販売機5は預渡セットを排出口から排出するようになっている。ここで、預渡セットには、洗濯物等の被処理物を収納するためのバッグといった収納体、チャージ機能及びカードキー機能を有する会員カードK、被処理物の預渡システムに関する規約及び注意事項等が記載された案内書、会員登録するための会員登録書等が含まれている。
【0052】
第1室R1と第2室R2との間には第2扉(開閉扉)D2が設けてあり、第1室R1内の利用者は第2扉D2を通って第2室R2内へ入り、また第2扉D2を通って第1室R1へ退出し得るようになっている。ここで、第2扉D2は通常、施錠してあり、また、第1室R1の第2扉D2近傍の位置にはカードキー読取器41が配設してある。そして、利用者が会員カードKをカードキー読取器41にかざして、当該カードキー読取器41が当該会員カードKに予め付されたカード番号を読み取った場合、第2扉D2が開錠され、利用者によって第2扉D2が開された後に閉されると、第2扉D2が再度施錠されるようになっている。なお、第2扉D2は自動ドアで構成することもできる。
【0053】
このように、第2室R2内へは会員カードKを所持している利用者しか入室できないようになっており、会員カードKによる会員制が採用されている。第2室R2内には、後述するように店舗用端末器6、チャージ器7及び預渡装置8等が設置してあり、会員カードKを所持していない第三者による第2室R2への侵入を防止することによって、第2室R2の安全性を高くすることができ、また、第2室R2を利用したい者だけが第2室R2内へ入室されるため、被処理物の預け渡し管理も向上する。
【0054】
第2室R2内には、図1に示した管理装置1との間で通信を行うための店舗用端末器6、予納の受付操作及び予納額情報の更新等を行うチャージ器(予納器)7、前述した収納体に収納された被処理物を利用者が預け入れするとともに処理済の被処理物が収納された収納体を利用者へ渡すための預渡装置8等が配設してあり、これら店舗用端末器6、チャージ器7及び預渡装置8には利用者を撮像する撮像器69,79,89がそれぞれ設けてある。また、店舗用端末器6、チャージ器7及び預渡装置8は図1に示した管理センタ1の管理装置11に接続してあり、撮像器69,79,89が撮像した画像情報及び予め設定した情報を送信するようになっている。
【0055】
一方、第2室R2内には、店舗S内の状況を管理すべくサーバといった店舗用管理器9が設置してあり、店舗用管理器9には前述した預渡セット販売機5の販売情報、第2扉D2の開閉情報、並びに店舗用端末器6、チャージ器7及び預渡装置8の作動情報等が経時的に蓄積されるようになっている。なお、店舗用管理器9には、店舗用端末器6、チャージ器7及び預渡装置8から、そこに設置された撮像器69,79,89が撮像した画像情報及び予め設定した情報が与えられるようにしておき、管理センタ1の管理装置11に送信する情報を店舗用管理器9にも記憶させるように構成してもよい。
【0056】
更に、第2室R2には室内の利用者を撮像しズームを行うことができる撮像器44、利用者からの音声が入力されるマイクロフォン43及び利用者へ音声を出力するスピーカ42等が配設してあり、これらは図1に示したコールセンタ2のいずれかの端末器21に接続し得るようになっている。なお、撮像器44、マイクロフォン43及びスピーカ42に加えて前記コールセンタ2からの画像を表示するためのモニタを更に設けてもよい。
【0057】
前述した店舗用端末器6にはカード読取機61が設けてある。第2室R2内へ進入した利用者は、所持する会員カードKについて会員登録していない場合、以下の会員登録を行う。即ち、当該利用者が会員カードKを店舗用端末器6のカード読取機61に装着すると、カード読取機61が当該会員カードに予め付与されたカード番号を読み取る一方、店舗用端末器6のモニタ69に会員登録用画像が表示されるようになっており、利用者が当該会員登録用画像を用いて名前、住所、電話番号、メールアドレス等の利用者情報を入力すると、店舗用端末器6は、撮像器69にて利用者を撮像し、読み取ったカード番号と入力された利用者情報及び撮像器69にて撮像された利用者の画像とを紐付けて、図1に示した管理センタ1の管理装置11へ送信し、管理装置11は受信したカード番号並びに利用者情報及び利用者の画像を紐付けて会員情報用データベース15に与えてそこに記憶させる。なお、このような店舗用端末器6の各機能は後述する預渡装置8に設けて、店舗用端末器6を省略することもできる。
【0058】
ここで、店舗用端末器6による会員登録の仕方が良く分からない場合、利用者がその旨の音声を発すると、第2室R2内のマイクロフォン43を介して当該音声がコールセンタ2の各端末器21,21,…へ送信され、手の空いているオペレータが自身の端末器21を用いて当該店舗Sとの通信を確保した後、当該店舗Sに配設してあるスピーカ42及び撮像器44等も用いて、前記利用者からの問い合わせに回答し得るようになっている。
【0059】
なお、前述したように預渡セットには会員登録書が予め含まれており、利用者は、店舗用端末器6による会員登録以外に、会員登録書に前述した如き利用者情報を記入した後、当該会員登録書を被処理物及び後述する預入伝票と共に収納体内に収納し、当該収納体を預渡装置8に投入してもよい。
【0060】
この収納体は前述したように処理工場3へ運搬されるが、記入済みの会員登録書が収納体に収納されていた場合、処理工場3の作業員は、会員登録書に記入された利用者情報、預入伝票に記載された預入伝票番号及び処理情報を工場用端末器31を用いて入力して、それらの情報を管理センタ1の管理装置11へ送信する。後述するように、預渡装置8は預入伝票を発行する際、預入伝票番号及び会員カード番号を管理装置11へ送信するようになっており、管理装置11は預入伝票番号及び会員カード番号を被処理物用データベース16に登録してある。そして、管理装置11は、工場用端末器31から前述した利用者情報、預入伝票番号及び処理情報が送信されると、預入伝票番号に基づいて被処理物用データベース16から会員カード番号を抽出し、得られた会員カード番号と利用者情報とを紐付けて会員情報用データベース15に登録する。これによって、管理装置11への会員登録手続きが完了する。
【0061】
次に、会員カードKには前述したチャージ器7を用いて所定額の代金が予納額情報として記録されるようになっている。即ち、本発明のシステムにあっては、前述した会員カードによる会員制に加え、所定額の代金を予め払い込む、所謂前金制を採用している。そのため、新規の利用者にあっては、第1室R1で購入した会員カードKをチャージ器7の挿入口71内へ挿入した後、紙幣投入口72から所定額以上の紙幣を投入するようになっている。
【0062】
チャージ器7には、例えば千円、二千円、三千円というように予納したい金額を指定するための複数のボタン、及び会員カードKに現在予納されている額を表示する表示部等が設けてあり、チャージ器7は適宜のボタンが操作されると、対応する予納を会員カードKに実施し、予納額情報としてそこに記憶させる。なお、投入された紙幣の総額より予納した額が少ない場合、チャージ器7はその差額をおつりとして返却口73から返却する。なお、チャージ器7はコインも取り扱えるように構成してもよいが、紙幣のみを取り扱う構成にした場合、故障が生じ難くメンテナンスが容易になるため好適である。なお、かかるチャージ器7は、実際に予納することなく、利用者が所持する会員カードK内の予納額情報を確認するために用いることもできる。
【0063】
ここで、前述した如くチャージ器7には撮像器79が設けてあり、撮像器79は会員カードKに予納が実施される都度、利用者を撮像し、チャージ器7は会員カードKから読み込んだ会員カード番号と紐付けして管理センタ1の管理装置11(何れも図1参照)へ送信するようになっている。
【0064】
被処理物を預け渡す預渡装置8には、後述するように被処理物を預け入れるための開閉扉及び会員カードK内の情報を読み取るカード読取部及びタッチパネル(表示入力部)等が設けてあり、カード読取部によって会員カードK内の会員カード番号及び予納額情報を読み取ると、預渡装置8はタッチパネルに「預入」か「引取」かを入力させるための画像を表示するようになっている。預渡装置8は、利用者の指等がタッチパネル上の「預入」の位置に接触したことを検出すると、読み取った予納額情報に予め設定された額を超えるチャージを有するか否かを判断し、予め設定された額を超えるチャージを有する場合、撮像器89にて当該利用者を撮像し、それを会員カード番号と共に管理装置11(図1参照)へ送信するとともに、前記開閉扉を開錠し、開錠してから所定時間経過後に開閉扉を施錠する。
【0065】
従って、会員カードK内に所定額の予納額を有する利用者は被処理物を預渡装置8に預けることができる一方、会員カードK内に所定額の予納額を有さない利用者は被処理物を預渡装置8に預けることができない。前金を支払った上で、不要物を預け入れる利用者は殆ど存在しないため、不要物の預渡装置8への預け入れを可及的に回避することができる。一方、仮にそのような利用者が存在した場合であっても、預け入れされた不要物の廃棄費用を前金で処理することができる。なお、不要物の廃棄費用を前金で処理した場合、図1に示した管理装置11は、該当する会員カードKの今後の使用を不可とすべく、当該会員カード番号を無効にする処理を各店舗S,S,…の預渡装置8,8,…に実行し得るようになっている。
【0066】
図3は、図2に示した預渡装置8の一例を模式的に示す正面図であり、図中、80は矩形の筐体である。筐体80の一側側には他の部分から縦長長方形状に仕切って、内部を空洞になした仕切り領域が形成してあり、この仕切り領域の正面壁であって適宜高さの位置には、種々の画像を表示するとともに指等の接触を検出して対応する処理を行うためのタッチパネル(表示入力部)86が配設してある。前記正面壁のタッチパネル86より低い位置には、被処理物を収納した収納体を投入するための投入口が開設してあり、該投入口は図示しない施錠手段を設けてなる開閉扉(第1扉)81によって開閉されるようになっている。前述した仕切り領域の開閉扉81に対向する高さ位置から筐体80の底部に亘る領域は収納体を預け入れる預入部になっている。
【0067】
前記正面壁のタッチパネル86と開閉扉81との間には預入伝票といった印刷物を排出するための排出口87が開設してあり、仕切り領域内の前記排出口87に対応する部分には図示しない印刷部が配設してある。また、正面壁の排出口87の隣には、前述した撮像器89、及び会員カードからそこに記録された情報を読み取るカード読取部88が互いに適宜の距離を隔てて配設してある。
【0068】
一方、筐体80の他側側の領域には処理済の被処理物を収納させるべく例えばロッカー形式になした複数の収納部83,83,…が配設してあり、各収納部83,83,…にはそれぞれ、施錠扉(第2扉)84,84,…及び収納状態を知らせるためのランプ85,85,…が設けてある。なお、図3に示したように、大小の収納部83,83,…を設けておくと、被処理物の大きさに応じて使い分けすることができるため好適である。
【0069】
前述した処理工場3(図1参照)では処理済の被処理物がそれが収納されていた収納体に、対応する預入伝票及び被処理物の処理に係る仕上伝票と共に収納してある。各店舗S,S,…(図1参照)を巡回する作業員は各店舗S,S,…から被処理物及び預入伝票が収納され収納体を回収して処理工場3へ搬入するとともに、処理工場3から処理済の被処理物、預入伝票及び仕上伝票が収納された収納体を搬出し、対応する店舗Sに搬送するようになっている。
【0070】
前述した仕上伝票には、会員カード番号、預入伝票番号及び受取期限等の情報が設定されたバーコード又はマトリックス型二次元コード等の情報設定部が設けてあり、一方、預渡装置8には仕上伝票の情報設定部を読み取る伝票用読取部(図示せず)が設けてある。なお、伝票用読取部は前述したタッチパネル86にその機能を保持させることもできる。作業員は該当する店舗Sに設置された預渡装置8の伝票用読取部に、該当する収納体に収納された仕上伝票の情報設定部を読み取らせる。預渡装置8は、仕上伝票の情報設定部に設定された各情報を読み取ると、それらの情報を会員カード番号及び預入伝票番号別に記憶する一方、処理済の被処理物が収納されていない空きの収納部83,83,…に係る情報をタッチパネル86に表示し、作業員がタッチパネル86上の適宜の収納部83に係る表示の部分に指等で接触すると、それを認識して指定された施錠扉84を開錠する。作業員は、当該施錠扉84を開して、対応する処理済の被処理物が収納された収納体を当該収納部83内へ収納し、施錠扉84を閉し、タッチパネル86上の所定位置に接触すると、預渡装置8はそれを認識して当該施錠扉84を施錠するとともに、施錠した収納部83の識別情報を仕上伝票から読み取った各情報と対応付けて記憶するようになっている。
【0071】
ところで、前述したように利用者の携帯電話又はスマートフォン等の携帯端末器Mには、管理センタ1の管理装置11(何れも図1参照)から預入伝票番号、受取日及び受取店舗を含む受取情報が送信されており、利用者は当該受取日に当該店舗Sへ行き、自身の会員カードKを用いて第2室R2(何れも図2参照)内へ入り、預渡装置8のカード読取部88に会員カードKを読み取らせる。
【0072】
カード読取部88が会員カードKから会員カード番号及び予納額情報等の情報を読み取ると、預渡装置8は、前同様タッチパネル86に「預入」か「引取」かを入力させるための画像を表示し、利用者の指等がタッチパネル86の「引取」の位置に接触したことを検出すると、読み取った会員カード番号を含む全ての預入伝票番号に係る情報をタッチパネル86に表示させる。タッチパネル86上に表示されたいずれかの預入伝票番号に係る部分に利用者の指等の接触を検出すると、預渡装置8は、当該預入伝票番号に対応付けされた受取日から延滞して延滞金が発生していないか、及び会員カードKから読み取った予納額情報が預入伝票番号に係る処理費用の額以上であるか否か等を判断し、予納額情報を構成するチャージの額がこれらの額の合計以上である場合、撮像器89にて当該利用者を撮像し、それを会員カード番号と共に管理装置11(図1参照)へ送信し、また、会員カードK内の予納額情報から相当する額を減じて精算するとともに、該当する収納部83のランプ85を点灯させ、施錠扉84を開錠する。そして、利用者は、ランプ85が点灯している施錠扉84を開して、そこに収納されている処理済の被処理物が収納された収納体を持ち帰るようになっている。
【0073】
なお、予納額情報を構成するチャージの額が合計額未満である場合、預渡装置8は、タッチパネル86に不足額及びチャージを促す画像を表示する。かかる画像が表示されると、利用者は、図2に示したチャージ器7にて会員カードKに所要額以上の金額を予納した後、預渡装置8にて前同様の操作を繰り返し、該当する収納部83から被処理物が収納された収納体を持ち帰る。
【0074】
なお、預渡装置8は被処理物の預入を行う部分と、処理済の被処理物を渡す部分とを一体的に構成してあるが、本発明はこれに限らず、両者を各別に設けてもよいことは言うまでもない。また、会員カード番号以外に、会員番号を会員カード番号に対応付けて付与するようになし、前述した預け渡しの管理において会員カード番号に替えて、会員番号を使用するように構成してもよい。
【0075】
次に、このような被処理物の預渡システムによって行われる被処理物の預け渡し手順について説明する。
【0076】
図4から図11は、被処理物の預渡システムによって行われる被処理物の預け渡しの処理手順を示すフローチャートであり、図4から図7図1に示した店舗Sに設置された預渡装置8における預け渡しの処理手順を、図8から図10は、管理センタ1に設置された管理装置11における預け渡しの処理手順を、また、図11は処理工場3の工場用端末器31における預け渡しの処理手順をそれぞれ示している。
【0077】
図4から図7に示したように、預渡装置8は、カード読取部88によって会員カードK内の会員カード番号及び予納額情報が読み取られるまで待機し(ステップS1)、それらの情報が読み取られたと判断すると、タッチパネル86に「預入」か「引取」かを入力させるための選択画像を表示させる(ステップS2)。なお、「預入」及び「引取」の表示については、同意語であれば他の文言を表示してもよいことは言うまでもない。預渡装置8は、利用者の指等がタッチパネル上に接触したことを検出すると、「預入」の位置であるのか否かを判断し(ステップS3)、「預入」の位置であると判断した場合は、後述する預入処理を実施する(ステップS4)一方、「預入」の位置でない場合は、「引取」の位置であると判断して、後述する引取処理を実施する(ステップS5)。
【0078】
図5に示したように預入処理において、預渡装置8は、カード読取部88が会員カードKから読み取った予納額情報に予め設定された額を超える予納額を有するか否かを判断し(ステップS41)、予め設定された額を超える予納額を有する場合、撮像器89にて当該利用者を撮像する(ステップS43)。また、預渡装置8は、被処理物を預け入れるための預入情報入力用画像をタッチパネル86に表示させる(ステップS44)。
【0079】
前述したように預入情報入力用画像には、例えば、年月日、店舗名、カード読取部88によって会員カードKから読み取った会員カード番号等が表示されており、更に被処理物の種類を選定するための複数の種類選定ボックスが設けてあり、各種類選定ボックス別に、処理コースの種類を選択するためのコース選択ボックス、及び、染みといった付加要因の有無を選定するための付加要因選定ボタンが設けてある。そして、利用者は種類選定ボックス及びコース選択ボックスを用いて、預け入れる被処理物の種類及び処理コースを選択し、更に、付加要因が存在する場合は、付加要因選定ボタンをオンにすることによって、預け入れる被処理物に係る預入情報を入力する。預入情報入力用画像には、確認ボタン等、預入情報の入力を終了するための終了ボタンも表示されるようになっており、利用者は、預入情報の入力が終了すると、終了ボタンを操作する。
【0080】
預渡装置8は、預入情報が入力されるまで待機し(ステップS45)、それが入力されると、入力された預入情報を用いて、会員カード番号、預入年月日、被処理物の数、種類、処理コース、付加情報有無、預入伝票番号等が記載された預入伝票を印刷してそれを排出口87から排出する発行作業を実施する(ステップS46)一方、ステップS43で撮像した利用者の画像及び預入情報を預入伝票番号に紐付けして管理装置11へ送信する(ステップS47)。
【0081】
そして、預渡装置8は、開閉扉81を開錠して利用者が開できるように開放し(ステップS48)、予め設定された時間が経過するまで待機した(ステップS49)後、開閉扉81を再び施錠する(ステップS50)。開閉扉81が開放されると、画像、光又は音等によって利用者に報知されるようになっており、利用者は開閉扉81を開けて、被処理物を収納した収納体を投入する。
【0082】
一方、預渡装置8は、ステップS41にて、カード読取部88が会員カードKから読み取った予納額情報に予め設定された額を超える予納額を有しないと判断した場合、タッチパネル86に不足額及び予納を促す画像を表示する(ステップS42)。
【0083】
ところで、預渡装置8は、ステップS3にて「引取」の位置であると判断した場合、次のような引取処理を実施する。なお、前述したように預渡装置8には、当該預渡装置8の収納部83,83,…別に、そこに収納されている被処理物の預入伝票番号、会員カード番号、当該収納部83に収納された年月日、処理費用等の情報が管理装置11から与えられるようになっており、預渡装置8はそれらの情報を内部記録媒体に更新記録している。
【0084】
図6に示した如く、預渡装置8は、カード読取部88が読み取った会員カード番号を含む全ての預入伝票番号に係る情報を内部記録媒体から抽出し(ステップS61)、抽出した各情報を預入伝票番号別にタッチパネル86に表示させる(ステップS62)。預渡装置8は、タッチパネル86上に表示されたいずれかの預入伝票番号に係る部分に利用者の指等の接触を検出するまで待機し(ステップS63)、接触を検出すると、収納部83に収納された年月日から延滞金を算出し(ステップS64)、処理費用と延滞金とを合算して総費用を算出する(ステップS65)。
【0085】
預渡装置8は、会員カードKから読み取った予納額情報の額が算出した総費用の額以上であるか否かを判断し(ステップS66)、予納額情報の額が算出した総費用の額未満であった場合、不足額及び予納を要求する画像をタッチパネル86に表示させて(ステップS67)引取処理を終了する。
【0086】
一方、ステップS66で予納額情報の額が総費用の額以上であると判断した場合、預渡装置8は、撮像器89にて当該利用者を撮像する(ステップS68)。また、預渡装置8は、会員カードK内の予納額情報から相当する額を減じて精算処理を行い(ステップS69)、精算処理の結果、精算日時、預入伝票番号、引取伝票番号、会員カード番号等を含む引取情報を作成し(ステップS70)、作成した引取情報及びステップS68で撮像した利用者の画像を管理装置11に送信し(ステップS71)てそこに記録させるとともに、前記引取情報を印刷して仕上伝票として排出口87から排出させる発行処理を実施する(ステップS72)。
【0087】
そして、預渡装置8は、選択された預入伝票番号の被処理物が収納された収納部83のランプ85を点灯させ(ステップS73)、施錠扉84を開錠し(ステップS74)、開錠してから所定時間経過するまで待機した(ステップS75)後、当該施錠扉84を再度施錠する(ステップS76)。利用者は、ランプ85が点灯している施錠扉84を開して、そこに収納されている処理済の被処理物が入った収納体を持ち帰る。
【0088】
次に、管理センタ1に設置された管理装置11は次のようにして預け渡しの処理を実施する。
【0089】
即ち、図8に示した如く、管理装置11は店舗用端末器6又は工場用端末器31から、会員カード番号又は預入伝票番号、氏名、住所、携帯端末器のメールアドレス等を含む会員登録に係る情報が送信されたか否かを判断し(ステップS80)、それが送信されたと判断した場合、送信された情報を、預渡装置8から送信されている会員カード番号及び利用者の画像と紐付けて会員情報用データベース15に与えてそこに記憶させる会員登録処理を実施する(ステップS81)。また、管理装置11は、各店舗S,S,…の預渡装置8,8,…から、会員カード番号、預入伝票番号、被処理物の数及び付加処理の要否等を含む預入情報が送信されたか否かも判断し(ステップS82)ており、それが送信された場合、送信された預入情報を被処理用データベース16に与えてそこに記憶させる(ステップS83)。
【0090】
また、管理装置11は工場用端末器31から、預入伝票番号、処理前の被処理物を撮像して得られる処理前状態情報、被処理物の処理の可否、被処理物の処理費、被処理物の引渡日、被処理物を引き渡す店舗等、処理前の被処理物に係る情報が送信されたか否かを判断し(ステップS84)、それが送信された場合、当該情報を前述した預入情報と紐付けて被処理用データベース16に与えてそこに記憶させる(ステップS85)一方、工場用端末器31から送信された各情報を該当するメールアドレスの携帯端末器Mへ送信する(ステップS86)。
【0091】
利用者は、管理装置11から自身の携帯端末器Mに送信された前記各情報を確認し、確認した情報の内容でよければ、処理を開始させるべく、承諾するメールを管理装置11へ返送するようになっている。具体的には、管理装置11から利用者の携帯端末器Mに送信される情報内に承諾か非承諾かを入力する部分が設けられており、利用者は当該部分に承諾か非承諾かを入力した後、返信することによって実施される。これによって利用者は、処理前の被処理物を撮像して得られた画像、被処理物の処理の可否、被処理物の処理費、被処理物の引渡日、被処理物を引き渡す店舗等を確認することができ、利用者からの承諾を管理装置11が受信してから被処理物の処理が開始されるため、被処理物の処理を適切に実施することができるともに、利用者との間にトラブルの発生することを可及的に抑制することができる。
【0092】
一方、被処理物の引渡日を送信された利用者にあっては自身のスケジュールに応じて、被処理物の引渡日を変更し得ると好都合である。そこで、前述した管理装置11から利用者の携帯端末器Mに送信される情報内に更に、引渡日、及び被処理物を引き渡す店舗を変更するための部分を設けておき、返信メールによって、管理装置11が引渡日及び/又は引渡店舗が変更された変更情報が送信されたか否かを判断し得るようにしておく。
【0093】
図9に示したように、管理装置11は、該当する携帯端末器Mから返信メールが送信されたか否かを判断し(ステップS87)、返信メールが送信されたと判断した場合、変更情報が含まれているか否かを判断し(ステップS88)、それが含まれている場合、当該変更情報を工場用端末器31へ送信して(ステップS89)、処理工場3の作業員に変更が可能か否かを判断させる。変更が可能な場合、処理工場3の作業員は工場用端末器31に、該当する被処理物の引渡日及び/又は引渡店舗に係る情報を変更情報に係る引渡日及び/又は引渡店舗への更新を入力し、工場用端末器31は入力された引渡日及び/又は引渡店舗の更新情報を管理装置11へ送信する。管理装置11は、工場用端末器31から更新情報が送信されたか否かを判断し(ステップS90)、それが送信されたと判断した場合、被処理物用データベース16内の対応する情報を更新する更新処理を実施し(ステップS91)、また、該当するメールアドレスの携帯端末器Mへ引渡日及び/又は引渡店舗の変更が完了した旨の通知を送信する(ステップS92)。
【0094】
一方、管理装置11は送信された返信メールに、承諾する情報が含まれているか否かを判断し(ステップS93)、承諾が含まれていない場合は、被承諾であるので、対応する旨と共に当該返信メールをコールセンタ2の各端末器21,21,…へ転送し(ステップS94)、オペレータに対応させる。
【0095】
承諾が含まれていると判断した場合、管理装置11は、被処理物の処理を開始させるべく、処理開始指令を工場用端末器31へ送信する(ステップS95)。管理装置11には工場用端末器31から、各被処理物を処理する都度、その進捗情報が送信されるようになっている。管理装置11は進捗情報が送信されたか否かを判断し(ステップS96)、それが送信された場合、被処理物用データベース16の該当する情報を更新する(ステップS97)。
【0096】
また、管理装置11には工場用端末器31から、各被処理物の処理が終了する都度、処理済の被処理物を撮像して得られる処理後状態情報が送信されるようになっている。管理装置11は処理後状態情報が送信されたか否かを判断し(ステップS98)、それが送信された場合、被処理物用データベース16の該当する情報に追加する(ステップS99)。
【0097】
ところで、管理装置11には各店舗S,S,…に設置した預渡装置8,8,…から処理済の被処理物を収納した収納体を収納部83に納めた配達情報が送信されるようになっており、管理装置11は、配達情報が送信されたか否かを判断し(ステップS100)、それが送信された場合、被処理物用データベース16の該当する情報に追加する(ステップS101)。
【0098】
各店舗S,S,…に設置した預渡装置8,8,…は、いずれかの収納部83から処理済の被収納物が引き渡された場合、会員カード番号、利用者の画像、預入伝票番号、引渡日時等を含む引取情報を管理装置11へ送信するようになっている。管理装置11は、引取情報が送信されたか否かを判断し(ステップS102)、それが送信された場合、被処理物用データベース16の該当する情報に追加する(ステップS103)。
【0099】
次に、処理工場3に設置された工場用端末器31は次のようにして預け渡しの処理に関与する。
【0100】
即ち、図11に示した如く、工場用端末器31は、作業員によって、会員カード番号又は預入伝票番号、氏名、住所、携帯端末器のメールアドレス等を含む会員登録に係る情報が入力されたか否かを判断し(ステップS110)、それが入力された場合、当該情報を管理装置11へ送信する(ステップS120)。また、工場用端末器31は、作業員によって、処理前の被処理物を撮像して得られる処理前状態情報、被処理物の処理の可否、染み抜き処理といった付加情報、被処理物の処理費、被処理物の引渡日、被処理物を引き渡す店舗等、処理前の被処理物に係る情報が入力されたか否かを判断し(ステップS111)、それが入力された場合、ステップS120へ移って、当該情報を管理装置11へ送信する。
【0101】
一方、工場用端末器31には管理装置11から引渡日及び/又は引渡店舗を変更する変更情報が送信されるようになっており、工場用端末器31は変更情報が送信されたか否かを判断し(ステップS112)、それが送信された場合、表示器に変更情報を表示する(ステップS113)。工場用端末器31は作業員によって、現在の引渡日及び/又は引渡店舗を変更情報の引渡日及び/又は引渡店舗に更新する更新情報が入力されたか否かを判断し(ステップS114)、それが入力された場合、ステップS120へ移って、管理装置11へ送信する。
【0102】
また、工場用端末器31には作業員によって、被処理物を処理する都度、その進捗情報が入力されるようになっており、工場用端末器31は進捗情報が入力されたか否かを判断し(ステップS115)、それが入力された場合、ステップS120へ移って、当該情報を管理装置11へ送信する。更に、工場用端末器31には作業員によって、各被処理物の処理が終了する都度、処理済の被処理物を撮像して得られる処理後状態情報が入力されるようになっており、工場用端末器31は処理後状態情報が入力されたか否かを判断し(ステップS116)、それが入力された場合、ステップS120へ移って、当該情報を管理装置11へ送信する。
【符号の説明】
【0103】
1 管理センタ
2 コールセンタ
3 処理工場
5 預渡セット販売機(販売機)
6 店舗用端末器
7 チャージ器(予納器)
8 預渡装置
11 管理装置
15 会員情報用データベース
16 被処理物用データベース
21 端末器
31 工場用端末器
81 開閉扉(第1扉)
83 収納部
84 施錠扉(第2扉)
85 ランプ
86 タッチパネル(表示入力部)
89 撮像器
S 店舗
N ネットワーク
図1
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図4
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