IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オプト エレクトロニクス ソリューションズの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】マルチチャネル双方向光通信モジュール
(51)【国際特許分類】
   H04J 14/02 20060101AFI20230309BHJP
   H04B 10/50 20130101ALI20230309BHJP
   H04B 10/67 20130101ALI20230309BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
H04J14/02
H04B10/50
H04B10/67
G02B6/42
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021527938
(86)(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 KR2018015035
(87)【国際公開番号】W WO2020105779
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2018-0143601
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516151564
【氏名又は名称】オプト エレクトロニクス ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】シン,ドンジン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ギヨン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ミンス
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョンジェ
(72)【発明者】
【氏名】マ,ヘス
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-319905(JP,A)
【文献】特表2013-521683(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107046444(CN,A)
【文献】特開平11-072747(JP,A)
【文献】特表2000-515988(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0018670(KR,A)
【文献】特開平11-311754(JP,A)
【文献】ZHOU Y. et al.,An Architecture of Wavelength-Utilizing Rate Doubled WDM-PON,2008 China-Japan Joint Microwave Conference,IEEE,2008年,pages 729-732
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
G02B 6/26-6/27
G02B 6/30-6/34
G02B 6/42-6/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャネルごとの光送信信号を送信する送信部;
送信された前記複数のチャネルごとの光送信信号を多重化して1つのマルチチャネル光送信信号を出力するマルチプレクサ;
前記マルチプレクサから出力された前記マルチチャネル光送信信号を通過させて光ファイバーに伝送し、前記光ファイバーから受信したマルチチャネル光受信信号を反射させるサーキュレーター;
前記サーキュレーターで反射された1つのマルチチャネル光受信信号を逆多重化して複数のチャネルごとの光受信信号を出力するデマルチプレクサ;
前記出力された複数のチャネルごとの光受信信号を受信して複数のチャネルごとの電気信号に変換する受信部;及び
前記送信部、前記マルチプレクサ、前記サーキュレーター、前記デマルチプレクサ、前記受信部が内部に配置される胴体部;
を含み、前記複数のチャネルごとの光送信信号それぞれの波長は、前記複数のチャネルごとの光受信信号それぞれの波長と同一であり、
前記サーキュレーターは、一面に入射したマルチチャネル光送信信号を通過させ、他面に入射したマルチチャネル光受信信号を反射させる第1光学フィルターと、前記第1光学フィルターと並んで配置され、前記第1光学フィルターから反射されたマルチチャネル光受信信号を前記デマルチプレクサに反射させる第2光学フィルターを含む、マルチチャネル双方向光通信モジュール。
【請求項2】
前記第1光学フィルターの一面にはAR(Anti-Reflection)物質がコーティングされ、他面にはHR(High-Reflection)物質がコーティングされ、
前記第2光学フィルターの一面には前記AR物質がコーティングされた、請求項1に記載のマルチチャネル双方向光通信モジュール。
【請求項3】
前記サーキュレーターは、前記マルチプレクサから出力されたマルチチャネル光送信信号を前記第1光学フィルターに伝達する光アイソレーターをさらに含む、請求項1に記載のマルチチャネル双方向光通信モジュール。
【請求項4】
前記送信部は、
送信しようとする複数のチャネルごとの電気信号を生成するLDD(Laser diode Driver)チップ;及び
前記生成された複数のチャネルごとの電気信号を前記複数のチャネルごとの光送信信号に変換して送信する複数のLD(Laser Diode)を含む、請求項1に記載のマルチチャネル双方向光通信モジュール。
【請求項5】
前記送信部は、
前記複数のLDそれぞれの出力側に一定の距離離隔して配置され、前記複数のLDそれぞれから出射された光を集光させる複数のコリメーティングレンズをさらに含む、請求項4に記載のマルチチャネル双方向光通信モジュール。
【請求項6】
前記受信部は、
前記デマルチプレクサから出力された複数のチャネルごとの光受信信号をそれぞれ受信して前記複数のチャネルごとの電気信号に変換する複数のPD(Photo Diode); 及び
前記変換された複数のチャネルごとの電気信号を処理するTIA(trans-Impedance Amplifier)チップを含む、請求項1に記載のマルチチャネル双方向光通信モジュール。
【請求項7】
前記受信部は、
前記複数のPDそれぞれの入力側に一定の距離離隔して配置され、前記デマルチプレクサから出射された光を集光させる複数のコリメーティングレンズをさらに含む、請求項6に記載のマルチチャネル双方向光通信モジュール。
【請求項8】
前記胴体部の内部に配置される熱電素子をさらに含む、請求項1に記載のマルチチャネル双方向光通信モジュール。
【請求項9】
複数のチャネルごとの光送信信号を送信する送信部;
送信された前記複数のチャネルごとの光送信信号を多重化して1つのマルチチャネル光送信信号を出力するマルチプレクサ;
前記マルチプレクサから出力された前記マルチチャネル光送信信号を通過させて光ファイバーに伝送し、前記光ファイバーから受信したマルチチャネル光受信信号を反射させるサーキュレーター;
前記サーキュレーターで反射された1つのマルチチャネル光受信信号を逆多重化して複数のチャネルごとの光受信信号を出力するデマルチプレクサ;
前記出力された複数のチャネルごとの光受信信号を受信して電気的信号に変換する受信部;及び
前記送信部、前記マルチプレクサ、前記サーキュレーター、前記デマルチプレクサ、前記受信部が内部に配置される胴体部;
を含み、前記複数のチャネルごとの光送信信号それぞれの波長は、前記複数のチャネルごとの光受信信号それぞれの波長と同一であり、
前記サーキュレーターは、一面に入射したマルチチャネル光送信信号を通過させ、他面に入射したマルチチャネル光受信信号を反射させるスプリッターと、前記スプリッターと並んで配置され、前記スプリッターから反射されたマルチチャネル光受信信号を前記デマルチプレクサに反射させる反射ミラーを含む、マルチチャネル双方向光通信モジュール。
【請求項10】
前記スプリッターの一面にはAR(Anti-Reflection)物質がコーティングされ、他面にはHR(High-Reflection)物質がコーティングされた、請求項9に記載のマルチチャネル双方向光通信モジュール。
【請求項11】
前記サーキュレーターは、前記マルチプレクサから出力されたマルチチャネル光送信信号を前記スプリッターに伝達する光アイソレーターをさらに含む、請求項9に記載のマルチチャネル双方向光通信モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、光通信モジュールに関し、より詳しくは、送信チャネルと受信チャネルそれぞれを、同一波長を用いる複数のマルチチャネルから構成し、複数のマルチチャネルごとの光信号を、マルチプレクサとデマルチプレクサを用いて多重化及び逆多重化して送受信するようにしたマルチチャネル双方向光通信モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、光通信モジュールとは、各種の光通信機能を1つのパッケージ内に収容して光ファイバーと連結が可能になるようにモジュール化したものをいう。最近、電力の消費が少なく、長距離に活用可能なレーザーダイオードを光源として用いた光送信器(Transmitter Optical Sub-Assembly:TOSA)と、ポートダイオードを用いて光通信を行う光受信器(Receiver Optical Sub-Assembly:ROSA)を1つにモジュール化した双方向光通信モジュールが主に用いられている。
【0003】
しかし、従来の光通信モジュールは、TOSAとROSAに分けられているため、伝送時に必要となる光ファイバーが2倍に用いられ、コスト負担が加重される形態の構造を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国登録特許公報第10-0848136号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施例は、送信チャネルと受信チャネルそれぞれを、同一波長を用いる複数のマルチチャネルから構成し、複数のマルチチャネルごとの光信号を、マルチプレクサとデマルチプレクサを用いて多重化及び逆多重化して送受信するようにしたマルチチャネル双方向光通信モジュールを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例によるマルチチャネル双方向光通信モジュールは、複数のチャネルごとの光送信信号を送信する送信部;送信された前記複数のチャネルごとの光送信信号を多重化して1つのマルチチャネル光送信信号を出力するマルチプレクサ;前記マルチプレクサから出力された前記マルチチャネル光送信信号を通過させて光ファイバーに伝送し、前記光ファイバーから受信したマルチチャネル光受信信号を反射させるサーキュレーター;前記サーキュレーターで反射された1つのマルチチャネル光受信信号を逆多重化して複数のチャネルごとの光受信信号を出力するデマルチプレクサ;前記出力された複数のチャネルごとの光受信信号を受信して複数のチャネルごとの電気信号に変換する受信部;及び前記送信部、前記マルチプレクサ、前記サーキュレーター、前記デマルチプレクサ、前記受信部が内部に配置される胴体部を含み、前記複数のチャネルごとの光送信信号それぞれの波長は、前記複数のチャネルごとの光受信信号それぞれの波長と同一であり、前記サーキュレーターは、一面に入射したマルチチャネル光送信信号を通過させ、他面に入射したマルチチャネル光受信信号を反射させる第1光学フィルターと、前記第1光学フィルターと並んで配置され、前記第1光学フィルターから反射されたマルチチャネル光受信信号を前記デマルチプレクサに反射させる第2光学フィルターを含んでいてもよい。
【0007】
前記第1光学フィルターの一面にはAR(Anti-Reflection)物質がコーティングされ、他面にはHR(High-Reflection)物質がコーティングされ、前記第2光学フィルターの一面には前記AR物質がコーティングされてもよい。
【0008】
前記サーキュレーターは、前記マルチプレクサから出力されたマルチチャネル光送信信号を前記第1光学フィルターに伝達する光アイソレーターをさらに含んでいてもよい。
【0009】
前記送信部は、送信しようとする複数のチャネルごとの電気信号を生成するLDD(Laser diode Driver)チップ;及び前記生成された複数のチャネルごとの電気信号を前記複数のチャネルごとの光送信信号に変換して送信する複数のLD(Laser Diode)を含んでいてもよい。
【0010】
前記送信部は、前記複数のLDそれぞれの出力側に一定の距離離隔して配置され、前記複数のLDそれぞれから出射された光を集光させる複数のコリメーティングレンズをさらに含んでいてもよい。
【0011】
前記受信部は、前記デマルチプレクサから出力された複数のチャネルごとの光受信信号をそれぞれ受信して前記複数のチャネルごとの電気信号に変換する複数のPD(Photo Diode);及び前記変換された複数のチャネルごとの電気信号を処理するTIA(trans-Impedance Amplifier)チップを含んでいてもよい。
【0012】
前記受信部は、前記複数のPDそれぞれの入力側に一定の距離離隔して配置され、前記デマルチプレクサから出射された光を集光させる複数のコリメーティングレンズをさらに含んでいてもよい。
【0013】
前記胴体部の内部に配置される熱電素子をさらに含んでいてもよい。
【0014】
本発明の他の実施例によるマルチチャネル双方向光通信モジュールは、複数のチャネルごとの光送信信号を送信する送信部;送信された前記複数のチャネルごとの光送信信号を多重化して1つのマルチチャネル光送信信号を出力するマルチプレクサ;前記マルチプレクサから出力された前記マルチチャネル光送信信号を通過させて光ファイバーに伝送し、前記光ファイバーから受信したマルチチャネル光受信信号を反射させるサーキュレーター;前記サーキュレーターで反射された1つのマルチチャネル光受信信号を逆多重化して複数のチャネルごとの光受信信号を出力するデマルチプレクサ;前記出力された複数のチャネルごとの光受信信号を受信して電気的信号に変換する受信部;及び前記送信部、前記マルチプレクサ、前記サーキュレーター、前記デマルチプレクサ、前記受信部が内部に配置される胴体部を含み、前記複数のチャネルごとの光送信信号それぞれの波長は、前記複数のチャネルごとの光受信信号それぞれの波長と同一であり、前記サーキュレーターは、一面に入射したマルチチャネル光送信信号を通過させ、他面に入射したマルチチャネル光受信信号を反射させるスプリッターと、前記スプリッターと並んで配置され、前記スプリッターから反射されたマルチチャネル光受信信号を前記デマルチプレクサに反射させる反射ミラーを含んでいてもよい。
【0015】
前記スプリッターの一面にはAR(Anti-Reflection)物質がコーティングされ、他面にはHR(High-Reflection)物質がコーティングされてもよい。
【0016】
前記サーキュレーターは、前記マルチプレクサから出力されたマルチチャネル光送信信号を前記第1光学フィルターに伝達する光アイソレーターをさらに含んでいてもよい。
【0017】
本発明のさらに他の実施例によるマルチチャネル双方向光通信モジュールは、複数のチャネルごとの光送信信号を送信する送信部;送信された前記複数のチャネルごとの光送信信号を多重化して1つのマルチチャネル光送信信号を出力するマルチプレクサ;前記マルチプレクサから出力された前記マルチチャネル光送信信号を通過させて光ファイバーに伝送し、前記光ファイバーから受信したマルチチャネル光受信信号を反射させるサーキュレーター;前記サーキュレーターで反射された1つのマルチチャネル光受信信号を逆多重化して複数のチャネルごとの光受信信号を出力するデマルチプレクサ;前記出力された複数のチャネルごとの光受信信号を受信して複数のチャネルごとの電気信号に変換する受信部;及び前記送信部、前記マルチプレクサ、前記サーキュレーター、前記デマルチプレクサ、前記受信部が内部に配置される胴体部;を含み、前記複数のチャネルごとの光送信信号それぞれの波長は、前記複数のチャネルごとの光受信信号それぞれの波長と同一であり、前記サーキュレーターは、第1ポート、第2ポート、第3ポートを含み、前記第1ポートに入力されたマルチチャネル光送信信号を、前記第2ポートを介して前記光ファイバーに出力し、前記光ファイバーから前記第2ポートに入力されたマルチチャネル光受信信号を、前記第3ポートを介して前記デマルチプレクサに出力することができる。
【発明の効果】
【0018】
実施例によると、送信チャネルと受信チャネルそれぞれを、同一波長を用いる複数のマルチチャネルから構成し、複数のマルチチャネルごとの光信号を、マルチプレクサとデマルチプレクサを用いて多重化及び逆多重化して送受信するようにすることで、1つの光通信モジュールを用いてマルチチャネル双方向光通信を行うことができる。
【0019】
実施例によると、同一波長を用いて送信と受信が行われるため、光経路を別々に使用する従来のモジュールに比べて、部品の減少、入出力損失の減少、体積の減少が可能となる。
【0020】
実施例によると、サーキュレーターを用いて同一波長を用いる送受信経路が分配されるため、入出力損失が減少し、カップリング効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1a図1aは、本発明の一実施例によるマルチチャネル双方向光通信モジュールを示す図である。
図1b図1bは、本発明の一実施例によるマルチチャネル双方向光通信モジュールを示す図である。
図2図2は、本発明の一実施例による送信部の詳細な構成を説明するための図である。
図3図3は、本発明の一実施例による受信部の詳細な構成を説明するための図である。
図4a図4aは、マルチプレクサとデマルチプレクサを示す図である。
図4b図4bは、マルチプレクサとデマルチプレクサを示す図である。
図5図5は、本発明の一実施例によるサーキュレーターの詳細な構成を示す図である。
図6図6は、本発明の他の実施例によるサーキュレーターの詳細な構成を示す図である。
図7a図7aは、光信号を1つの光経路で伝送する原理を説明するための図である。
図7b図7bは、光信号を1つの光経路で伝送する原理を説明するための図である。
図8図8は、本発明の一実施例による光通信モジュールの光経路を比較して説明するための図である。
図9図9は、本発明の一実施例による光パワーレベルの測定原理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例について詳しく説明する。
【0023】
ただし、本発明の技術思想は、説明される一部の実施例に限定されず、互いに異なる多様な形態に具現されることができ、本発明の技術思想範囲内であれば、実施例間のその構成要素の中の1つ以上を選択的に結合、置き換えして用いることができる。
【0024】
また、本発明の実施例で用いられる用語(技術及び科学的用語を含む)は、明白に特に定義して記述されていない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が一般に理解可能な意味として解釈でき、予め定義された用語のように一般に用いられている用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができるであろう。
【0025】
また、本発明の実施例で用いられた用語は、実試例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。
【0026】
本明細書において、単数型は文具で特に言及しない限り複数型も含むことができ、「A及び(と)B、Cの中で少なくとも1つ(または1つ以上)」と記載される場合は、 A、B、Cで組み合わせられるすべての組み合わせのうち、1つ以上を含み得る。
【0027】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いることができる。
【0028】
このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけであり、その用語によって該当構成要素の本質や手順または順序などに限定されない。
【0029】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合だけでなく、その構成要素と他の構成要素との間のさらに他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0030】
また、各構成要素の「上または下」に形成または配置されると記載される場合、上または下は、2つの構成要素が互いに直接接触される場合だけでなく、1つ以上のさらに他の構成要素が2つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上または下」と表現される場合、1つの構成要素を基準に上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
【0031】
実施例では、送信パートと受信パートを1つのモジュールにパッケージングし、同一波長を用いる送信チャネルと受信チャネルそれぞれを複数のマルチチャネルから構成し、複数のマルチチャネルごとの光信号を、マルチプレクサとデマルチプレクサを用いて多重化及び逆多重化して送受信するようにした新しい光通信モジュールを提案する。
【0032】
図1aないし図1bは、本発明の一実施例によるマルチチャネル双方向光通信モジュールを示す図である。
【0033】
図1aないし図1bを参照すると、本発明の一実施例によるマルチチャネル双方向光通信モジュール(10)は、胴体部(100)、送信部(200)、受信部(300)、マルチプレクサ(Multiplexer)(400)、デマルチプレクサ(DeMultiplexer)(500)、サーキュレーター(circulator)(600)を含んでいてもよい。
【0034】
胴体部(100)は、金属(metal)またはセラミック(ceramic)から形成され、内部に送信部(200)、受信部(300)、マルチプレクサ(400)、デマルチプレクサ(500)、サーキュレーター(600)が配置されることで、送受信が可能な1つの光通信モジュールにパッケージングすることができる。また胴体部(100)は、金属またはセラミックから形成され、品質及び信頼性を向上させることができる。
【0035】
胴体部(100)内に送信側、すなわち送信部(200)、マルチプレクサ(400)と、受信側、すなわち受信部(300)、デマルチプレクサ(500)とを並んで配置し、サーキュレーター(600)を通じて光分配するため、効率的な空間活用を通じて光源素子及び受光素子と主要ICとの間の距離を減らし、高速光信号の送受信性能が向上するように密閉したパッケージに組み立てられる。
【0036】
送信部(200)は、送信しようとする複数のチャネルごとの光送信信号を送信することができる。
【0037】
図2は、本発明の一実施例による送信部の詳細な構成を説明するための図である。
【0038】
図2を参照すると、本発明の一実施例による送信部(200)は、LDD(Laser diode Driver)チップ(210)、複数のLD(Laser diode)(220)、複数のコリメーティングレンズ(collimating lens)(230)、熱電素子(Thermoelectric Cooler;TEC)(240)を含んでいてもよい。
【0039】
LDDチップ(210)は、送信しようとする複数のチャネルごとの電気信号を生成することができる。
【0040】
複数のLD(220)は、LDDチップ(210)から生成された複数のチャネルごとの電気信号それぞれを複数のチャネルごとの光送信信号に変換して送信することができる。
【0041】
複数のコリメーティングレンズ(230)は、複数のLD(220)それぞれの出力側に一定の距離離隔して配置され、複数のLD(220)それぞれから出射された光をマルチプレクサの各入力端で集光させることができる。このように複数のコリメーティングレンズ(230)を複数のLD(220)ごとに配置することで、マルチプレクサ(400)への光アラインメント(optic alignment)が可能となる。
【0042】
熱電素子(240)は胴体部の内部に配置され、光信号伝送によって発生する高い温度を下げることができる。このとき、熱電素子(240)は、複数のLD(220)と隣接した位置に配置され、複数のLD(220)の光信号伝送による温度変化の影響を減少させることができる。このような温度変化に対する影響が減少し、製品の寿命と品質を向上させることができる。
【0043】
受信部(300)は送信部(200)と並んで配置され、複数のチャネルごとの光受信信号を受信することができる。
【0044】
図3は、本発明の一実施例による受信部の詳細な構成を説明するための図である。
【0045】
図3を参照すると、本発明の一実施例による受信部(300)は、TIA(trans-Impedance Amplifier)チップ(310)、複数のPD(Photo Diode)(320)、複数のコリメーティングレンズ(330)を含んでいてもよい。
【0046】
複数のコリメーティングレンズ(330)は、複数のPDそれぞれの入力側に一定の距離離隔して配置され、デマルチプレクサ(500)から出射された光を複数のPDそれぞれに集光させることができる。このように複数のコリメーティングレンズを複数のPD(320)ごとに配置して用いることで、デマルチプレクサ(500)への光アラインメント(optic alignment)が可能となる。
【0047】
複数のPD(320)は、デマルチプレクサ(500)から出力された複数のチャネルごとの光受信信号をそれぞれ受信して複数のチャネルごとの電気信号に変換することができる。
【0048】
TIAチップ(310)は、複数のPD(320)から変換された複数のチャネルごとの電気信号を処理することができる。
【0049】
マルチプレクサ(400)は、複数のチャネルごとの光送信信号を多重化してマルチチャネル光送信信号を出力することができる。
【0050】
デマルチプレクサ(500)は、マルチチャネル光受信信号を逆多重化して複数のチャネルごとの光受信信号を出力することができる。
【0051】
図4aないし図4bは、マルチプレクサとデマルチプレクサを示す図である。
【0052】
図4aを参照すると、本発明の実施例によるマルチプレクサ(400)は、それぞれの入力端に入力されたλ1、λ2、λ3、λ4波長を多重化してマルチチャネル光送信信号を出力端に出力する。
【0053】
このとき、それぞれのλ1、λ2、λ3、λ4波長が入力される入力端にはフィルターが配置されてもよい。ここで、フィルターは、バンドパスフィルター(BPF,Band Pass Filter)であってもよい。また、それぞれのλ1、λ2、λ3、λ4波長が移動する導波管のうち、λ2、λ3、λ4波長が移動するガラスブロックの末端面にはHR(High-Reflection)物質がコーティングされ、λ1波長が移動するガラスブロックの末端面にはAR(Anti-Reflection)物質がコーティングされてもよい。
【0054】
このとき、使用に適する波長を有するフィルターとチャネル間隔(channel spacing or pitch)が選択されてもよい。このような構造を有するマルチプレクサに入力された信号は、各波長ごとのフィルターに沿ってガラスブロック(glass block)を透過及び反射しながら進行して1つの出力に多重化されてもよい。
【0055】
図4bを参照すると、本発明の実施例によるデマルチプレクサ(500)は、入力端に入力されたマルチチャネル光受信信号を逆多重化してそれぞれの出力端にλ1、λ2、λ3、λ4波長を出力する。
【0056】
このとき、使用に適する波長を有するフィルターとチャネル間隔(channel spacing or pitch)が選択されてもよい。このような構造を有するデマルチプレクサに入力された信号は、ガラスブロックを透過及び反射しながら進行し、各波長ごとのガラスブロックを通じて複数の出力に逆多重化されてもよい。
【0057】
サーキュレーター(600)は、上向き及び下向き時に1つの光線路を用いるように、マルチプレクサ(400)から出力されたマルチチャネル光送信信号を通過させて光ファイバーに伝送し、光ファイバーから受信したマルチチャネル光受信信号を反射させてデマルチプレクサ(500)に伝送することができる。
【0058】
図5は、本発明の一実施例によるサーキュレーターの詳細な構成を示す図である。
【0059】
図5の(a)を参照すると、本発明の一実施例によるサーキュレーターは3つのポートから構成され、第1ポートに入力された信号は第2ポートのみに出力され、第2ポートに入力された信号は第3ポートのみに出力されることができる。
【0060】
図5の(b)では、第1ポートに入力された信号、すなわちマルチチャネル光送信信号が第2ポートを介して光ファイバーに出力される場合を示し、図5の(c)では、光ファイバーから第2ポートに入力された信号、すなわちマルチチャネル光受信信号が第3ポートに出力される場合を示す。ここで、1はビーム-スプリッティング偏光器(beam-splitting polarizer)、2は反射プリズム(reflection prism(mirror))、3、6は複屈折クリスタル(birefringent crystals)、4はファラデー回転子(faraday rotator)、5は半波長板(half waveplate)を示す。
【0061】
図6は、本発明の他の実施例によるサーキュレーターの詳細な構成を示す図である。
【0062】
図6の(a)を参照すると、本発明の一実施例によるサーキュレーターは、2つの光学フィルターから構成されてもよく、第1光学フィルター(610)、第2光学フィルター(620)を含み、送信側、すなわちマルチプレクサから入射する光を第1光学フィルター(610)に伝達し、光経路上で反射されて送信側に再入射することを防止する役割をする光アイソレーター(optical isolator)(630)をさらに含んでいてもよい。
【0063】
このとき、第1光学フィルター(610)と第2光学フィルター(620)は45度光学フィルターであってもよい。
【0064】
第1光学フィルター(610)は、マルチプレクサ(400)から出力されたマルチチャネル光送信信号を通過させて光ファイバーに伝送し、光ファイバーから受信したマルチチャネル光受信信号を反射させることができる。このために、第1光学フィルター(610)のマルチチャネル光送信信号が入射する一面(S1)と、マルチチャネル光受信信号が入射する他面(S2)とには所定の物質がコーティングされてもよい。
【0065】
例えば、第1光学フィルター(610)の一面(S1)にはAR(Anti-Reflection)物質がコーティングされてもよく、他面(S2)にはHR(High-Reflection)物質がコーティングされてもよい。ここで、AR物質の反射率R1は、0%≦R1<0.2%の範囲を有し、HR物質の反射率R2は、99%<R2≦100%の範囲を有してもよい。
【0066】
第2光学フィルター(620)は、第1光学フィルター(610)から反射されたマルチチャネル光受信信号をデマルチプレクサに反射させることができる。このために、第2光学フィルター(620)のマルチチャネル光受信信号が入射する一面(S3)には所定の物質がコーティングされてもよい。例えば、第2光学フィルター(620)の一面(S3)にはHR(High-Reflection)物質がコーティングされてもよい。
【0067】
このとき、第1光学フィルター(610)と第2光学フィルター(620)は並んで配置されてもよい。すなわち、光ファイバーから第1光学フィルター(610)に入射する光信号と第1光学フィルター(610)で反射される光信号とは垂直になり、第1光学フィルター(610)で反射される光信号と第2光学フィルター(620)から反射される光信号とは垂直になってもよい。
【0068】
このように、第1光学フィルター(610)と第2光学フィルター(620)が並んで配置されたサーキュレーター(600)を構成することで、光信号の送信と受信が1つの光ファイバーを通じて可能となる。
【0069】
図6の(b)を参照すると、本発明の他の実施例によるサーキュレーター(600’)は、2つの光学フィルターの代わりに、スプリッター(splitter)(610’)、反射ミラー(mirror)(620’)を含み、送信側、すなわちマルチプレクサから入射する光をスプリッター(610’)に伝達し、光経路上で反射されて送信側に再入射することを防止する役割をする光アイソレーター(630’)をさらに含んでいてもよい。
【0070】
スプリッター(610’)は、マルチプレクサ(400)から出力されたマルチチャネル光送信信号を通過させて光ファイバーに伝送し、光ファイバーから受信したマルチチャネル光受信信号を反射させることができる。このために、スプリッター(610’)のマルチチャネル光送信信号が入射する一面(S1’)と、マルチチャネル光受信信号が入射する他面(S2’)とには所定の物質がコーティングされてもよい。
【0071】
例えば、スプリッター(610’)の一面(S1’)にはAR物質がコーティングされてもよく、他面(S2’)にはHR物質がコーティングされてもよい。
【0072】
反射ミラー(620’)は、スプリッター(610’)から反射されたマルチチャネル光受信信号をデマルチプレクサに反射させることができる。
【0073】
このとき、スプリッター(610’)と反射ミラー(620’)は並んで配置されてもよい。すなわち、光ファイバーから第1光学フィルター(610)に入射する光信号と第1光学フィルター(610)で反射される光信号とは垂直になり、第1光学フィルター(610)で反射される光信号と第2光学フィルター(620)から反射される光信号とは垂直になることができる。
【0074】
このようにスプリッター(610’)と反射ミラー(620’)が並んで配置されたサーキュレーター(600’)を構成することで、光信号の送信と受信が1つの光ファイバーを通じて可能となる。
【0075】
このようなサーキュレーター(600,600’)を用いて送受信チャネルで同一波長を用いる光を分配するため、入出力損失を減少させることができ、カップリング効率を向上させることができる。
【0076】
図7aないし図7bは、光信号を1つの光経路で伝送する原理を説明するための図である。
【0077】
図7aを参照すると、複数のLDそれぞれから、複数のチャネルごとに異なる波長λ1、λ2、λ3、λ4を有する光送信信号が複数のコリメーティングレンズを経て、マルチプレクサを通してマルチチャネル光送信信号に多重化されてサーキュレーターの第1光学フィルターの一面に入射する。
【0078】
このように第1光学フィルターの一面(S1)に入射したマルチチャネル光送信信号は、第1光学フィルターを通過し、第1光学フィルターの他面(S2)に出射されて光ファイバーに伝送されることができる。
【0079】
図7bを参照すると、光ファイバーから伝送されたマルチチャネル光受信信号が、サーキュレーターの第1光学フィルターの他面(S2)に入射し、第1光学フィルターの他面(S2)で反射されて第2光学フィルターの一面(S3)に入射する。
【0080】
このように第2光学フィルターの一面(S3)に入射したマルチチャネル光受信信号は反射され、デマルチプレクサ(500)を通じて複数のチャネルごとに異なる波長λ1、λ2、λ3、λ4を有する光受信信号に逆多重化され、複数のコリメーティングレンズを経て複数のPDそれぞれに伝送されることができる。
【0081】
このように、送信される光信号と受信される光信号とのチャネルごとの波長が同一であってもよい。
【0082】
図8は、本発明の一実施例による光通信モジュールの光経路を比較して説明するための図である。
【0083】
図8を参照すると、本発明の一実施例による光通信モジュールは、マルチチャネル双方向光通信が可能なモジュールであって、長距離送受信が可能であり、大容量伝送に符合するように多チャネルマルチプレクサ、デマルチプレクサを適用して光結合及び整列が可能な構造である。
【0084】
(a)のように、従来は送受信する全てのチャネルごとの波長が異なり、チャネル数だけの光ファイバーが必要であるが、(b)のように、本発明では送受信するチャネルごとの波長が同一であるため、マルチプレクサとデマルチプレクサを用いて1つの光ファイバーのみを用いることができる。
【0085】
図9は、本発明の一実施例による光パワーレベルの測定原理を説明するための図である。
【0086】
図9を参照すると、本発明の一実施例によるマルチチャネル双方向光通信モジュール(10)の胴体部内に送信部、受信部、マルチプレクサ、デマルチプレクサ、サーキュレーターを配置するように具現し、サーキュレーターを用いて1つの光ファイバーを通じて光信号の送信と受信が行われるため、パワーメートル(power meter)で1つの光ファイバーを用いる送信チャネルと受信チャネルそれぞれの光パワーレベル(optic power level)の測定が可能となる。
【0087】
上記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当の技術分野の熟練した当業者であれば下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更できることを理解すべきである。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6(a)】
図6(b)】
図7a
図7b
図8
図9