(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】配管固定構造、及び空気調和装置の室外機
(51)【国際特許分類】
F25B 41/40 20210101AFI20230310BHJP
F24F 1/30 20110101ALI20230310BHJP
F24F 13/20 20060101ALI20230310BHJP
F16L 3/08 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
F25B41/40 B
F24F1/30
F24F13/20 202
F16L3/08 D
(21)【出願番号】P 2018142374
(22)【出願日】2018-07-30
【審査請求日】2021-07-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永富 吉成
(72)【発明者】
【氏名】小山 浩司
(72)【発明者】
【氏名】茂木 伸明
(72)【発明者】
【氏名】津野 勝之
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-110861(JP,A)
【文献】特開2014-070584(JP,A)
【文献】特開2003-240162(JP,A)
【文献】特開平11-351487(JP,A)
【文献】特開2011-174653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 41/00-41/48
F24F 1/26
F16L 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機を駆動した場合に前記圧縮機の振動が伝わる配管と、前記圧縮機が載置される底板に前記配管を固定する平板状の固定部材と、を備え、
前記固定部材の一端部は、前記配管を保持し、
前記固定部材の他端部は、底板に固定され
、
前記底板には、上方に立ち上げられて規制面を構成するフランジ部を備えた補強部材が設けられ、
前記固定部材は、前記補強部材を介して底板に固定されており、
前記補強部材は、結合部を備え、
前記フランジ部は、前記結合部の両側から上方に立ち上げられており、
前記固定部材の他端部は、前記結合部に固定され、
前記固定部材の厚さ方向に交差する方向である幅方向に位置する両側縁部は、前記底板に設けられた一対の前記フランジ部にそれぞれ接している
ことを特徴とする配管固定構造。
【請求項2】
前記底板は、複数枚の板状部材から成り、
前記補強部材は、前記複数枚の板状部材同士を固定する部材である
ことを特徴とする請求項
1に記載の配管固定構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の配管固定構造を備えている
ことを特徴とする空気調和装置の室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管固定構造、及び空気調和装置の室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和装置の室外機が備える圧縮機が作動すると、当該室外機が備える配管が振動し、当該配管に応力が作用する。このため、配管の振動を抑制し、当該配管に生じる応力を緩和するために、配管の近くに位置する固定物に、固定部材を用いて当該配管を固定する固定構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、外径が大きい配管では、振動を抑制するために、固定部材を用いて室外機の底板に固定される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、外径が大きい配管を室外機の底板に固定する場合、固定部材に十分な剛性を持たせるために、当該固定部材を大型化することや、フランジ部を設ける必要があり、コストが増大することがあった。
本発明は、簡易な構成で配管に生じる応力を緩和できる配管固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、圧縮機を駆動した場合に前記圧縮機の振動が伝わる配管と、前記圧縮機が載置される底板に前記配管を固定する平板状の固定部材と、を備え、前記固定部材の一端部は、前記配管を保持し、前記固定部材の他端部は、底板に固定され、前記固定部材の厚さ方向に交差する方向である幅方向に位置する少なくとも一方の側縁部は、前記底板に設けられた規制面に接していることを特徴とする。
【0006】
これによれば、固定部材が溝部によって補強され、簡易な構成の固定部材で配管の振動が抑制される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡易な構成で配管に生じる応力を緩和できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る空気調和装置の室外機のカバー部材を外した状態の概略を示す斜視図
【
図3】各圧縮機と、各第2アキュムレータとに接続する配管の構成を示す図
【
図4】第1アキュムレータの下部の構成を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の発明は、圧縮機を駆動した場合に圧縮機の振動が伝わる配管と、圧縮機が載置される底板に配管を固定する平板状の固定部材と、を備え、固定部材の一端部は、配管を保持し、固定部材の他端部は、底板に固定され、固定部材の幅方向における少なくとも一方の側縁部は、底板に設けられた規制面に接していることを特徴とする配管固定構造である。
これによれば、固定部材の側縁部は、規制面によって支持されている。このため、固定部材にフランジ部などを設けることなく、当該固定部材の幅方向における振動に対する剛性を高めることができ、簡易な構造で配管の振動を抑制できる。
【0010】
第2の発明は、底板には、上方に立ち上げられて規制面を構成するフランジ部を備えた補強部材が設けられ、固定部材の幅方向における少なくとも一方の側縁部は、フランジ部に接していることを特徴とする配管固定構造である。
これによれば、固定部材の側縁部は、底面に設けられた補強部材のフランジ部によって支持されている。このため、固定部材にフランジ部などを設けることなく、当該固定部材の幅方向における振動に対する剛性を高めることができる。
【0011】
第3の発明は、固定部材は、補強部材を介して底板に固定されており、補強部材は、結合部を備え、フランジ部は、結合部の両側から上方に立ち上げられており、固定部材の他端部は、結合部に固定され、固定部材の両側縁部は、一対のフランジ部にそれぞれ接していることを特徴とする配管固定構造である。
これによれば、固定部材は、幅方向における両側を一対のフランジ部によって支持されている。このため、固定部材にフランジ部などを設けることなく、当該固定部材の幅方向における振動に対する剛性を高めることができる。
【0012】
第4の発明は、底板は、複数枚の板状部材から成り、補強部材は、複数枚の板状部材同士を固定する部材であることを特徴とする配管固定構造である。
これによれば、補強部材は、室外機の輸送時に底板がそれぞれたわむことを防ぐ部材であり、当該補強部材は、底板を補強している。この補強部材を用いて固定部材を補強するため、簡易な構造で配管の振動を抑制できる。
【0013】
第5の発明は、第1から第4の発明のいずれか1つの配管固定構造を備えていることを特徴とする空気調和装置の室外機である。
これによれば、簡易な構成で配管の振動を抑制できる配管固定構造を備えた空気調和装置の室外機を得ることができる。
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る空気調和装置の室外機のカバー部材を外した状態の概略を示す斜視図であり、
図2は、室外機1の内部の構造を示す斜視図である。
本実施形態の室外機1は、空気調和装置の冷凍サイクルに用いられるものである。室外機1は、
図1に示すように、筐体2を備えており、筐体2は、当該筐体2の下部を支持する一対のベースフレーム3を備えている。ベースフレーム3は、筐体2の互いに対向する辺に設置されている。
図1に示す筐体2の正面である一側面は、図示していないが、カバー部材で被覆される。
筐体2の下部には、底板4が取り付けられており、筐体2の上部には、天板5が取り付けられている。天板5には、格子状の排気口6が形成されている。
室外機1の下部には、筐体2の外形に沿い、所定の高さを有する木枠7が設けられている。
【0015】
筐体2の内部は、熱交換室8と、機械室9とに分けられている。
熱交換室8は、筐体2の内部の上方に設けられており、不図示の熱交換器と、送風ファン10と、電装箱11とを備えている。
不図示の熱交換器は、筐体2の内面に沿うように平面視コ字状に形成されている。
送風ファン10は、筐体2の内部の上方に、排気口6に対向するように設置されている。本実施形態の室外機1は、送風ファン10を回転駆動させることで、筐体2の側面から空気を取り入れ、不図示の熱交換器を通って熱交換した後の空気を上部の排気口6から排出するいわゆるトップフロー式の室外機となっている。
電装箱11は、所定の電子回路基板などを備え、筐体2の正面側の上方に配置されている。
【0016】
機械室9は、筐体2の内部下方に設けられている。本実施形態においては、機械室9には、2つの圧縮機12、14、第1アキュムレータ16、2つの第2アキュムレータ18、20、オイルセパレータ22、2つの四方弁24等が収められており、これらを各冷媒配管でつなぐことで、空気調和装置の冷凍サイクル回路が構成される。
【0017】
図3は、各圧縮機12、14と、各第2アキュムレータ18、20とに接続する配管の構成を示す図である。なお、
図3では、各圧縮機12、14と、各第2アキュムレータ18、20とを省略している。また、
図4は、第1アキュムレータ16の下部の構成を示す側面図である。なお、
図4では、第1アキュムレータ16の一方の足部44を省略している。
各圧縮機12、14は、互いに隣接して底板4に載置されている。各圧縮機12、14は、冷媒を圧縮して吐出し、上記冷凍サイクルにおいて冷媒を循環させる。各圧縮機12、14は、上記冷凍サイクル回路内で並列に接続されている。
【0018】
各圧縮機12、14の吸込側には、当該圧縮機12、14に冷媒を供給する不図示の吸込配管の一端がそれぞれ接続されており、これらの吸込配管は、上流側でそれぞれ第2アキュムレータ18、20に接続されている。
各圧縮機12、14の吐出側には、圧縮された冷媒が流れる一対の第1吐出配管28、30の一端が接続され、これら第1吐出配管28、30は、
図3に示すように、下流側で合流して一本の第2吐出配管32に接続されている。この第2吐出配管32は、オイルセパレータ22を経由して四方弁24に他端が接続されている。上記した熱交換器は、キャピラリーチューブ34や、不図示のレシーバタンク等を介して、この第2吐出配管32に接続されている。
なお、本実施形態では、各圧縮機12、14に接続する吸込配管の外径は、第1吐出配管28、30の外径よりも大きくなっている。
【0019】
第1アキュムレータ16は、ガス冷媒と、液冷媒とを分離する気液分離器であり、当該第1アキュムレータ16は、縦長の中空体に形成されている。第1アキュムレータ16は、不図示の入り口側配管と、出口側配管36を備えており、いずれも第1アキュムレータ16の内部から外部に延出している。
入り口側配管は、冷媒を第1アキュムレータ16に供給する冷媒配管であり、この入り口側配管の他端は、四方弁24に接続されている。
【0020】
出口側配管36は、
図4に示すように、第1アキュムレータ16の底部から、底板4に向かって延出している。出口側配管36は、一端が第1アキュムレータ16に接続され、底板4に略平行になるように延びる平行部36Aと、当該平行部36Aの他端から上方に向かって立ち上がる立ち上がり部36Bと、立ち上がり部36Bが接続される分岐部38とを備えている。
平行部36Aは、第1アキュムレータ16から2つの圧縮機12、14に向かうように底板4に沿って延びており、出口側配管36において底板4に最も接近した箇所となっている。
【0021】
立ち上がり部36Bが接続される分岐部38の他端には、一対の分岐配管40、42が接続されている。各分岐配管40、42は、第1アキュムレータ16よりも小さい2つの第2アキュムレータ18、20にそれぞれ接続している。本実施形態の第2アキュムレータ18、20は、第1アキュムレータ16により分離しきれなかった冷媒の液分を再度分離する気液分離器である。
なお、本実施形態では、出口側配管36が備える平行部36Aと、立ち上がり部36Bとの外径は、分岐配管40、42の外径よりも大きくなっている。
【0022】
また、第1アキュムレータ16の底部(下部)は、内部がガス状の冷媒から分離されたオイル、及び冷媒の液分を溜めるオイル溜まり16Aとなっている。そして、第1アキュムレータ16の底部には、オイル戻し回路50が設けられている。
オイル戻し回路50は、オイル戻し管52と、電磁弁54とを備えている。
オイル戻し管52は、第1アキュムレータ16の底部から延びており、出口側配管36に接続されている。すなわち、オイル戻し管52は、第1アキュムレータ16のオイル溜まり16Aと、出口側配管36とを接続する。また、オイル戻し管52の途中箇所には、ストレーナ56が設けられている。
【0023】
電磁弁54は、オイル戻し管52において、第1アキュムレータ16の底部とストレーナ56との間に設けられており、当該電磁弁54が開閉することによって、オイル戻し管52の流路を開閉自在としている。また、電磁弁54は、第1アキュムレータ16を支持する一対の足部44の一方にビス固定されている。
電磁弁54が解放され、オイル戻し管52の流路を開放することにより、オイル溜まり16Aに溜められたオイル、及び冷媒の液分が出口側配管36に導入される。
なお、オイル戻し管が出口側配管36に戻すオイル、及び冷媒の液分は、少量でよく、オイル戻し管52は、入口側配管や出口側配管36などの冷媒配管の外径に比べて、小さい外径のものを用いている。
また、本実施形態のオイル戻し回路50は、出口側配管36の平行部36Aの延出方向から見て、平行部36Aの側方に位置しており、また、平行部36Aの側面視で、オイル戻し回路50は、第1アキュムレータ16と、立ち上がり部36Bとの間に位置している。
【0024】
四方弁24は、上記入り口側配管及び第2吐出配管32を、室内機に接続する各冷媒配管、または室外熱交換器にそれぞれ連通するように切り換えられ、これにより、冷房及び暖房が切り替えられる。
【0025】
次いで、底板4の構造について説明する。
本実施形態の底板4は、複数の板状部材45が一対のベースフレーム3に掛け渡されることによって設けられている。また、これらの板状部材は、複数の補強部材46によって互いに固定されている。
図2に示すように、板状部材45Aと、板状部材45Bとは、補強部材46A、46Bによって互いに固定されている。各補強部材46A、46Bは、板金を断面コ字状となるように折り曲げて成形したものである。各補強部材46A、46Bは、板状部材45A、45Bに接する当接部46A1、46B1と、当該当接部46A1、46B1の短手方向の両端から上方に向かって延びる一対のフランジ部46A2、46B2(規制面)とを備える。各補強部材46A、46Bは、長手方向が板状部材45A、45Bの短手方向に沿うように配置され、両端の2箇所で板状部材45A、45Bにビス固定されている。
【0026】
これによって、空気調和装置の室外機1を運搬する場合に、運搬に伴う振動によって各板状部材同士がねじれることを防ぐことができ、底板4の強度を確保ことが可能となる。
また、板状部材45Aと、板状部材45Bとの間に位置する箇所には、下方に向かって凹状に窪んだ溝部4Cが設けられている。この溝部4Cは、所定の幅を有し、板状部材45A、45Bの長手方向に沿って延びている。
【0027】
また、圧縮機12、14と第1アキュムレータ16とは、いずれも重量が重く、さらに、これらの圧縮機12、14と、第1アキュムレータ16とは、冷媒配管の中でも比較的外径が大きく、重量が重い配管によって接続されている。これによって、底板4において、2つの圧縮機12、14の間、及びこれらの圧縮機12、14と第1アキュムレータ16との間に位置する箇所には、重量が集中しやすくなっている。このため、補強部材46Aは、
図2、
図3に示すように、2つの圧縮機12、14の間、及びこれらの圧縮機12、14と第1アキュムレータ16との間に位置するように配置されている。
また、本実施形態の補強部材46Aは、長手方向が出口側配管36の平行部36Aが延びる方向に略平行となるように延びている。
【0028】
次いで、出口側配管36の固定構造について説明する。
図5は、出口側配管36の固定構造を示す斜視図であり、
図6は、支持部材49の構成を示す斜視図である。
出口側配管36は、
図5に示すように、固定部材47によって底板4に、詳しくは、底板4に設けられた補強部材46Aに固定されている。
固定部材47は、サドル48と、支持部材49とを備えている。
サドル48は、環状部材であり、当該サドル48は、立ち上がり部36Bの平行部36Aに近い箇所で出口側配管36の外周を覆っている。これによって、固定部材47は、底板4に近い箇所で出口側配管36を固定することができ、後述する支持部材49の長手方向が長くなることを抑制することが可能となる。
なお、本実施形態の固定部材47は、配管の固定や、交換をする場合の作業性を向上させるため、立ち上がり部36Bの平行部36Aに近い箇所で出口側配管36を固定している。しかしながら、これに限らず、固定部材47は、底板4により近い平行部36Aで出口側配管36を固定してもよい。
【0029】
支持部材49は、平板状の部材を当該部材の幅方向に沿って、3箇所を折り曲げることによって成形されており、固定部49Aと、足部49Bと、折り曲げ部49Cと、を備えている。
固定部49Aは、サドル48と接続する箇所であり、当該固定部49Aは、ねじ穴49A1を備えている。固定部49Aと、サドル48とは、ねじ穴49A1に挿通されるビス58によって固定されている。
【0030】
足部49Bは、支持部材49の幅方向に沿って、当該支持部材49の厚さ方向に折り曲げられることによって設けられており、補強部材46Aが備える一対のフランジ部46A2の間に挿入されている。足部49Bは、2つのねじ穴49B1を備えており、これらのねじ穴49B1にそれぞれ挿通される2つのビス59によって、補強部材46Aが備える当接部46A1に固定される。
なお、本実施形態においては、当接部46A1の足部49Bが固定される個所は、溝部4Cに掛け渡されている箇所となっている。このため、底板4の側において、2つのビス59が挿通される2つのねじ穴は、底板4には設けられず、補強部材46Aが備える当接部46A1にのみ設けられている。
また、支持部材49の幅方向における両側の側縁部49Dは、それぞれ一対のフランジ部46A2に接している。すなわち、支持部材49は、幅方向における両側をフランジ部46A2によって支持されている。
【0031】
折り曲げ部49Cは、固定部49Aと、足部49Bとの間に位置しており、側縁部49Dの側から見て、傾斜している。詳述すると、折り曲げ部49Cは、固定部49Aの側の端部よりも、足部49Bの側の端部がオイル戻し管52から遠ざかっている。
この折り曲げ部49Cが設けられることによって、支持部材49をオイル戻し管52に接触させずに設けることが可能である。すなわち、折り曲げ部49Cは、支持部材49と、オイル戻し管52や他の冷媒配管との接触を避けるために設けられている。
なお、配管レイアウトによって、支持部材49がオイル戻し管52や、他の冷媒配管に接触しない場合、折り曲げ部49Cは、設けられていなくてもよい。
【0032】
次に、本実施形態の作用について説明する。
空気調和装置の暖房運転の場合、室外機1が作動を開始すると、各圧縮機12、14が駆動される。各圧縮機12、14は、第1アキュムレータ16、第2アキュムレータ18、20、キャピラリーチューブ34、不図示の室内熱交換器、室外機1が備える不図示の熱交換機、及び各冷媒配管等から構成される冷凍サイクルの内部に封入された冷媒を圧縮し、各冷媒配管を経由して冷媒を送り出す。
この冷媒は、室内熱交換器で熱を放出した後、配管を通って膨張弁に流入し、当該膨張弁によって減圧され、さらに配管を通って熱交換器に流入する。
室外機1は、各圧縮機12、14を駆動すると同時に、送風ファン10を回転させる。回転駆動する送風ファン10は、空気を室外機1の下方側から排気口6に送り出す。
送り出される空気は、熱交換器を通過し、熱交換器内を流れる冷媒と、空気との熱交換が促進される。空気と熱交換された冷媒は、凝縮される。その後冷媒は、熱交換器から流出し、配管を通って各圧縮機12、14に流入した後、再び圧縮される。
一方、冷媒と熱交換された空気は、送風ファン10によって、排気口6から筐体2の外部に排出される。
この動作を繰り返すことで、室外機1は、室外の空気から冷凍サイクルに熱を吸収し、室内に放出する。
なお、空気調和装置の冷房運転の場合、冷凍サイクルの冷媒の循環方向は、暖房運転の場合の逆向きとなる。
【0033】
ここで、各圧縮機12、14が駆動すると、これに伴って各圧縮機12、14が振動し、この振動が各冷媒配管や、室外機1が備える他の機器に伝播する。
これらの冷媒配管の内、出口側配管36は、長さが比較的短く、最も大きい外径を有しているため、伝播した振動が減衰しにくく、強い力で振動する。
本実施形態では、出口側配管36は、固定部材47によって、当該出口側配管36が底板4に接近している箇所において、底板4に固定されている。詳しくは、固定部材47は、補強部材46Aを介して、出口側配管36を底板4に固定されている。
これによって、固定部材47が備える支持部材49の全長が必要以上に長くならず、剛性の低下を抑制することが可能である。
また、支持部材49の足部49Bは、補強部材46Aの当接部46A1に固定されており、支持部材49は、幅方向における両側を、それぞれ各フランジ部46A2によって支持されている。
これによって、出口側配管36が振動するときに、支持部材49の幅方向における振動は、当該支持部材49の各側縁部49Dが各フランジ部46A2に突き当たることによって抑制される。すなわち、各フランジ部46A2が固定部材47の規制面として作用し、当該固定部材47の幅方向に沿った振動を抑制することができる。このため、一対のフランジ部46A2によって、固定部材47の幅方向における剛性を高めることができる。
このため、新たな部材の導入や、固定部材47の支持部材49にフランジ部などを設ける必要がなく、また、各冷媒配管のレイアウトを変更せずに、簡易な構造で出口側配管36の振動を抑制できる。
【0034】
上述した実施形態によれば、次のような効果を奏する。
本実施形態では、室外機1は、出口側配管36と、底板4に当該出口側配管36を固定する固定部材47とを備えている。固定部材47が備えるサドル48は、出口側配管36を保持し、固定部材47が備える支持部材49の足部49Bは、底板4に設けられた補強部材46Aの当接部46A1に固定される。そして、支持部材49の幅方向における両側の側縁部49Dは、それぞれ補強部材46Aが備える一対のフランジ部46A2に接している。
これによって、固定部材47が備える支持部材49は、幅方向における両側を、それぞれ各フランジ部46A2によって支持される。このため、固定部材47にフランジ部などを設けることなく、当該固定部材47の幅方向における出口側配管36の振動に対する剛性を高めることができ、簡易な構成で当該出口側配管36の振動を抑制できる。
【0035】
本実施形態では、底板4は、複数枚の板状部材から成り、補強部材46Aは、板状部材45Aと、板状部材45Bとを互いに固定する部材である。これによって、既存の補強部材46Aを用いて、固定部材47を補強することができる。このため、新たな部材の導入や、固定部材47の支持部材49にフランジ部などを設ける必要がなく、コストを抑えた簡易な構造で出口側配管36の振動を抑制できる。
【0036】
上述した実施形態は、本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0037】
例えば、本実施形態の補強部材46Aは、当接部の両側にフランジ部46A2を備えていたが、これに限らず、当該フランジ部46A2は、どちらか一方のみに設けられていてもよい。
また例えば、本実施形態の支持部材49は、幅方向における両側を補強部材46Aが備える一対のフランジ部46A2によってそれぞれ支持される構成とした。しかしながらこれに限らず、オイルセパレータ22や、第2アキュムレータ18、20等が備える足部に上方に延びるフランジ部を設け、側縁部49Dが当該フランジ部に接するように、支持部材49を当該足部に固定してもよい。
また、側縁部49Dが底板の溝部4Cが備える側壁に接するように、支持部材49を当該溝部4Cに固定してもよい。
【0038】
また例えば、本実施形態の室外機1は、2つの圧縮機12、14を備えていたが、これに限らず、3つ、あるいは1つのみ圧縮機を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 室外機
4 底板
12、14 圧縮機
16 第1アキュムレータ
18、20 第2アキュムレータ
24 四方弁
28、30 第1吐出配管
32 第2吐出配管
36 出口側配管
36A 平行部
36B 立ち上がり部
38 分岐部
40、42 分岐配管
45、45A、45B 板状部材
46、46A、46B 補強部材
46A1、46B1 当接部
46A2、46B2 フランジ部(規制面)
47 固定部材
48 サドル
49 支持部材
49A 固定部
49A1、49B1 ねじ穴
49B 足部
49C 折り曲げ部
49D 側縁部
58、59 ビス