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  • 特許-制御システム、プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】制御システム、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230310BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20230310BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
H02J7/00 Q
H01M10/44 P
H01M10/48 P
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019010418
(22)【出願日】2019-01-24
(65)【公開番号】P2020120517
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】小田 政志
(72)【発明者】
【氏名】寺本 祐一郎
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-220334(JP,A)
【文献】特開2011-200023(JP,A)
【文献】特開2007-179968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 -10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池と、前記蓄電池を充放電させる充放電回路とを備える蓄電システムを制御する制御システムであって、
前記充放電回路を動作させることによって、前記蓄電池の容量を測定する容量測定処理を実行する制御部と、
気象警報の発令を取得する取得部とを備え、
前記制御部における前記容量測定処理は、前記蓄電池を放電させて、前記蓄電池の残量を実質的にゼロにする第1ステップと、残量が実質的にゼロである前記蓄電池を満充電まで充電させる第2ステップとを含み、
前記制御部は、前記容量測定処理の第1ステップの実行中に、前記取得部が気象警報の発令を取得した場合、前記容量測定処理の実行を中止することによって、蓄電池の放電を中止するように充放電回路を制御し、前記容量測定処理の第2ステップの実行中に、前記取得部が気象警報の発令を取得した場合、前記容量測定処理の実行を継続することによって、蓄電池を充電するように充放電回路を制御し続ける、
制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記容量測定処理を中止した後、前記取得部が気象警報の解除を取得した場合、一定期間経過後に前記容量測定処理を新たに実行する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
蓄電池と、前記蓄電池を充放電させる充放電回路とを備える蓄電システムを制御する制御システムにおいて実行されるプログラムであって、
前記充放電回路を動作させることによって、前記蓄電池の容量を測定する容量測定処理を実行するステップと、
気象警報の発令を取得するステップとを備え、
前記容量測定処理は、前記蓄電池を放電させて、前記蓄電池の残量を実質的にゼロにする第1ステップと、残量が実質的にゼロである前記蓄電池を満充電まで充電させる第2ステップとを含み、
前記容量測定処理を実行するステップは、前記容量測定処理の第1ステップの実行中に気象警報の発令を取得した場合、前記容量測定処理の実行を中止することによって、蓄電池の放電を中止するように充放電回路を制御し、前記容量測定処理の第2ステップの実行中に気象警報の発令を取得した場合、前記容量測定処理の実行を継続することによって、蓄電池を充電するように充放電回路を制御し続けることをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電池の容量を測定する制御システム、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
家庭内あるいはオフィスなどに配置された電気機器に蓄電池が接続される。この接続により、停電の発生時に蓄電池に充電されている電力が電気機器に提供されるので、停電時にも電気機器が使用可能になる。そのため、停電の可能性がある場合には、蓄電池に充電される電力量を増加させることが望まれる。これに対応するために、気象情報をもとに蓄電池の充電が開始される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第16/185760号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電池が例えばリチウムイオン蓄電池である場合、蓄電池の使用とともに、蓄電池に充電可能な容量は低下していく。そのため、蓄電池の充放電の制御の正確性を向上させるために、蓄電池の容量を把握する必要がある。蓄電池の容量を把握するために、蓄電池の容量を測定するための容量測定処理が実行される。容量測定処理においては、蓄電池の残量が実質的にゼロにされる。残量が実質的にゼロである場合に停電が発生すると、蓄電池による電力の供給が不可能になる。そのため、停電の発生の可能性が高い場合に、容量測定処理を実行することは望ましくない。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、停電の発生の可能性が高い場合に蓄電池の容量測定処理を中止させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の制御システムは、蓄電池と、蓄電池を充放電させる充放電回路とを備える蓄電システムを制御する制御システムであって、充放電回路を動作させることによって、蓄電池の容量を測定する容量測定処理を実行する制御部と、気象警報の発令を取得する取得部とを備える。制御部における容量測定処理は、蓄電池を放電させて、蓄電池の残量を実質的にゼロにする第1ステップと、残量が実質的にゼロである蓄電池を満充電まで充電させる第2ステップとを含み、制御部は、容量測定処理の第1ステップの実行中に、取得部が気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理の実行を中止することによって、蓄電池の放電を中止するように充放電回路を制御し、容量測定処理の第2ステップの実行中に、取得部が気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理の実行を継続することによって、蓄電池を充電するように充放電回路を制御し続ける
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、またはコンピュータプログラムを記録した記録媒体などの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、停電の発生の可能性が高い場合に蓄電池の容量測定処理を中止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例に係る配電システムの構成を示す図である。
図2図1の制御システムの構成を示す図である。
図3図2の制御部による容量測定処理の概要を示す図である。
図4図2の制御システムによる容量測定処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施例を具体的に説明する前に、本実施例の概要を説明する。実施例は、蓄電池を電力系統に接続させた配電システムに関する。配電システムは、電力系統からの電力を蓄電池に充電させたり、電力系統、蓄電池からの電力を負荷機器に供給させたりする。この蓄電池の充放電は制御システムにより制御されており、制御システムは、停電時に蓄電池を放電させたり、ピークシフトのために、電気料金の単価の安い夜間に蓄電池を充電させ、電気料金の単価の高いに昼間に蓄電池を放電させたりする。このような蓄電システム、制御システム、負荷機器は、例えば、電力系統からの電力の供給を受ける施設(以下、「需要家」という)に設置される。
【0011】
前述のごとく、蓄電池が例えばリチウムイオン蓄電池である場合、蓄電池の使用とともに、蓄電池に充電可能な容量は低下していく。このような状況下において、過去の容量をもとに蓄電池の充放電を制御しても、制御の正確性は低下する。蓄電池の充放電の制御の正確性を向上させるために、蓄電池の容量を定期的に把握する必要がある。蓄電池の容量は、蓄電池の容量を測定するための容量測定処理を実行することによって把握される。容量測定処理では、例えば、蓄電池の残量が実質的にゼロになるまで蓄電池を放電させる第1ステップがなされた後に、蓄電池を満充電まで充電させる第2ステップがなされる。ここで、第2ステップで充電された電力量が蓄電池の容量を示す。容量測定処理によって蓄電池の残量が実質的にゼロである場合に停電が発生すると、蓄電池から負荷機器への電力の提供が不可能になる。そのため、停電の発生の可能性が高い場合に、容量測定処理の実行によって蓄電池を放電することは望ましくない。
【0012】
これに対応するために、本実施例に係る制御システムは、ネットワークを介してサーバに接続される。サーバは気象情報を提供しており、気象情報の1つが気象警報である。気象警報が発令される場合は、雨が強かったり、風が強かったりするので、停電の可能性が高くなる。制御システムは、ネットワークを介してサーバから警報情報の発令を取得すると、容量測定処理の実行を中止する。
【0013】
図1は、配電システム100の構成を示す。配電システム100は、電力系統10に接続されるとともに、分電盤12、負荷機器14、蓄電システム20、制御システム30を含み、蓄電システム20は、充放電回路22、蓄電池24を含む。また、制御システム30は、ネットワーク40、サーバ42に接続される。充放電回路22と蓄電池24は、別の装置であってもよいが、1つの装置として一体化されてもよい。分電盤12、負荷機器14、蓄電システム20、制御システム30は、需要家内に設置される。需要家は、例えば、一戸建ての住宅、マンションなどの集合住宅、コンビニエンスストアまたはスーパーマーケットなどの店舗、ビルなどの商用施設、工場である。需要家は、電力会社等からの電力の供給を受けている施設である。
【0014】
電力系統10は、電力会社等の設備であり、需要家に商用電力を提供する。分電盤12は、電力系統10に接続される。また、分電盤12は、負荷機器14を接続し、負荷機器14に電力を供給する。負荷機器14は分電盤12から供給される電力を消費する機器である。負荷機器14は、空調機器(エアコン)、テレビジョン受信装置(テレビ)、照明装置、冷蔵庫等の機器を含む。ここでは、分電盤12に1つの負荷機器14が接続されているが、分電盤12に複数の負荷機器14が接続されてもよい。
【0015】
蓄電池24は、電力を充放電可能であり、直列または直並列接続された複数の蓄電池セルにより構成される。蓄電池セルには、リチウムイオン蓄電池、ニッケル水素蓄電池、鉛蓄電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等が使用される。蓄電池24として、電気二重層コンデンサが使用されてもよい。ここでは、リチウムイオン蓄電池であるとする。
【0016】
充放電回路22は、分電盤12と蓄電池24との間に配置される。充放電回路22は、蓄電池24を充放電させる。具体的に説明すると、充放電回路22は、分電盤12からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池24に充電させるとともに、蓄電池24から放電された直流電力を交流電力に変換して分電盤12に出力させる。分電盤12に出力した交流電力は、負荷機器14において消費される。
【0017】
制御システム30は、充放電回路22に接続され、充放電回路22と蓄電池24とを備える蓄電システム20を制御する。制御システム30の構成は後述する。制御システム30は、通信機能を有し、ネットワーク40に接続される。ネットワークは、有線ネットワークでもよく、無線ネットワークでもよく、それらの組合せでもよい。サーバ42は、需要家外に設置される。サーバ42は、例えば、気象庁の発表する気象情報を管理する。気象情報には、大雨あるいは暴風などのカテゴリごとに特別警報、警報、注意報が設定される。ここで、特別警報、警報が気象警報に相当するが、気象警報に注意報が含まれてもよい。サーバ42は、気象情報を送信する。ここでは、気象警報が気象情報に含まれたり、気象警報が気象情報に含まれなくなったりする場合に着目する。
【0018】
図2は、制御システム30の構成を示す。制御システム30は、制御部50、監視部52、取得部54を含む。図示のごとく、制御システム30は、制御部50、監視部52、取得部54を含んだ1つの装置であってもよく、制御部50、監視部52、取得部54が複数の装置に含まれてもよい。後者の場合、例えば、制御部50と監視部52が充放電回路22に含まれ、取得部54が別の装置に含まれる。
【0019】
監視部52は、図1の蓄電池24の電圧を測定する。監視部52は、測定した電圧(以下、「電圧情報」という)を制御部50に出力する。また、監視部52は、制御部50によって指定される期間において、蓄電池24から出力される積算電流量、蓄電池24に入力される積算電流量を測定する。監視部52は、測定した積算電流量(以下、「積算電流量情報」と意宇を制御部50に出力する。
【0020】
制御部50は、監視部52から電圧情報を受けつける。制御部50は、電圧情報をもとに充放電回路22の動作を制御する。これは、蓄電池24の充放電を制御することに相当する。例えば、電圧がしきい値よりも少ない場合に、制御部50は、充放電回路22に対して、蓄電池24を充電させる。電圧がしきい値よりも少ない場合は、蓄電池24の残量が少ない場合に相当する。また、制御部50は、時間帯に応じて充放電を実行させてもよい。例えば、制御部50は、電気料金の単価の安い夜間に蓄電池24を充電させ、電気料金の単価の高い昼間に蓄電池24を放電させるように、充放電回路22を動作させる。このような制御部50による充放電の制御には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
【0021】
これに加えて、制御部50は、定期的に、例えば、1年あるいは1ヶ月に一度の頻度で、充放電回路22を動作させることによって、蓄電池24の容量を測定する容量測定処理を実行する。これは、前述のごとく、蓄電池24がリチウムイオン蓄電池である場合、蓄電池24の使用とともに、蓄電池24に充電可能な容量は低下していく。そこで、蓄電池24の容量を正確に把握するために、容量測定処理がなされる。
【0022】
図3は、制御部50による容量測定処理の概要を示す。横軸は時間を示し、縦軸は蓄電池24に充電される電力量を示す。制御部50は、容量測定処理においてまず第1ステップを実行する。制御部50は、第1ステップにおいて、蓄電池24を放電させて、蓄電池24の残量を実質的にゼロにするように充放電回路22を制御する。充放電回路22は、制御部50からの指示に応じて蓄電池24を放電させる。その際、蓄電池24から放電された電力は負荷機器14において消費される。制御部50は、監視部52から受けつけた電圧情報を確認し、容量測定開始と判定される電圧しきい値よりも電圧が小さい場合に第1ステップを終了する。
【0023】
第1ステップの終了後、制御部50は、第2ステップを実行する。制御部50は、第2ステップにおいて、残量が実質的にゼロである蓄電池24を満充電まで充電させるように充放電回路22を制御する。充放電回路22は、制御部50からの指示に応じて蓄電池24を充電させる。制御部50は、監視部52から受けつけた電圧情報を確認し、満充電に対応した値を電圧が示す場合に第2ステップを終了する。
【0024】
第2ステップの間にわたって、制御部50は、監視部52に対して、蓄電池24に入力される積算電流量を測定させる。第2ステップの終了後、制御部50は、監視部52から積算電流量情報を受けつける。具体的に説明すると、制御部50は、第2ステップを開始する際に、積算電流量の測定開始を監視部52に指示し、第2ステップを終了する際に、積算電流量の測定終了を監視部52にする。監視部52は、測定開始を指示されてから、測定終了を指示されるまでの間にわたって、積算電流量を測定する。その結果、制御部50は、積算電流量を蓄電池24の容量として取得する。図2に戻る。制御部50は、蓄電池24の容量に関する情報を制御システム30の外部に出力してもよい。
【0025】
取得部54は、通信機能を有し、図1のネットワーク40を介してサーバ42に接続される。取得部54は、サーバ42からの気象情報を受信する。特に、気象情報に気象警報が示されていない状態から、気象情報に気象警報が示されている状態に遷移した場合、取得部54は、気象警報の発令を取得するといえる。取得部54は、気象情報を制御部50に出力する。
【0026】
制御部50は、取得部54からの気象情報を取得することによって、気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理を中止する。例えば、制御部50は、容量測定処理の開始前に、気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理の開始時刻が到来しても、容量測定処理を開始しない。これは、容量測定処理の開始を中止することに相当する。
【0027】
また、制御部50は、容量測定処理の実行中、特に容量測定処理の第1ステップの実行中に、取得部54が気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理の実行を中止する。つまり、制御部50は、蓄電池24の放電を中止するように充放電回路22を制御する。これに続いて、制御部50は、蓄電池24を充電するように充放電回路22を制御してもよい。制御部50は、容量測定処理の第2ステップの実行中に、取得部54が気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理の実行を継続する。つまり、制御部50は、蓄電池24を充電するように充放電回路22を制御し続ける。
【0028】
取得部54が受信した気象情報に気象警報が示されている状態から、気象情報に気象警報が示されていない状態に遷移した場合、取得部54は、気象警報の解除を取得するといえる。制御部50は、容量測定処理を中止した後、気象警報の解除を取得した場合、一定期間経過後に容量測定処理を新たに実行する。つまり、容量測定処理の開始を中止した場合であっても、容量測定処理の第1ステップの実行を中止した場合であっても、制御部50は、容量測定処理の第1ステップを新たに実行する。
【0029】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0030】
以上の構成による配電システム100の動作を説明する。図4は、制御システム30による容量測定処理の手順を示すフローチャートである。取得部54は、気象警報の発令を取得する(S10)。容量測定処理の開始前であれば(S12のY)、制御部50は容量測定処理の開始を中止する(S14)。容量測定処理の開始前でなく(S12のN)、第1ステップを実行中であれば(S16のY)、制御部50は容量測定処理を中止する(S18)。第1ステップを実行中でない場合(S16のN)、制御部50は容量測定処理を続行する(S20)。
【0031】
本実施例によれば、気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理を中止するので、停電の発生の可能性が高い場合に蓄電池の容量測定処理を中止できる。また、容量測定処理の開始前に、気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理の開始を中止するので、容量測定処理の実行を回避できる。また、容量測定処理の実行中に、取得部54が気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理の実行を中止するので、容量測定処理の続行を回避できる。また、容量測定処理は、蓄電池24を放電させて、蓄電池24の残量を実質的にゼロにする第1ステップと、残量が実質的にゼロである蓄電池24を満充電まで充電させる第2ステップとを備えるので、容量の測定精度を向上できる。また、容量測定処理の第1ステップの実行中に、気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理の実行を中止するので、蓄電池24の放電を中止できる。また、容量測定処理の第2ステップの実行中に、気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理の実行を継続するので、蓄電池24の充電を続行できる。また、容量測定処理を中止した後、気象警報の解除を取得した場合、一定期間経過後に容量測定処理を新たに実行するので、容量を取得できる。
【0032】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の制御システム30は、蓄電池24と、蓄電池24を充放電させる充放電回路22とを備える蓄電システム20を制御する制御システム30であって、充放電回路22を動作させることによって、蓄電池24の容量を測定する容量測定処理を実行する制御部50と、気象警報の発令を取得する取得部54とを備える。制御部50は、取得部54が気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理を中止する。
【0033】
制御部50は、容量測定処理の開始前に、取得部54が気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理の開始を中止する。
【0034】
制御部50は、容量測定処理の実行中に、取得部54が気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理の実行を中止する。
【0035】
制御部50における容量測定処理は、蓄電池24を放電させて、蓄電池24の残量を実質的にゼロにする第1ステップと、残量が実質的にゼロである蓄電池24を満充電まで充電させる第2ステップと、を備えてもよい。
【0036】
制御部50は、容量測定処理の第1ステップの実行中に、取得部54が気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理の実行を中止し、容量測定処理の第2ステップの実行中に、取得部54が気象警報の発令を取得した場合、容量測定処理の実行を継続する。
【0037】
制御部50は、容量測定処理を中止した後、取得部54が気象警報の解除を取得した場合、一定期間経過後に容量測定処理を新たに実行する。
【0038】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0039】
本実施例における容量測定処理では、第1ステップを実行した後に、第2ステップを実行している。しかしながらこれに限らず例えば、容量測定処理では、第2ステップを実行した後に、第1ステップを実行してもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【0040】
本実施例における配電システム100は、蓄電システム20を含む。しかしながらこれに限らず例えば、配電システム100は、蓄電システム20に加えて太陽電池等の再生可能エネルギー発電装置を含んでもよい。本変形例によれば、太陽電池において発電された電力を蓄電池24に充電させることができる。また、太陽電池において発電された電力を分電盤12に出力できる。
【符号の説明】
【0041】
10 電力系統、 12 分電盤、 14 負荷機器、 20 蓄電システム、 22 充放電回路、 24 蓄電池、 30 制御システム、 40 ネットワーク、 42 サーバ、 50 制御部、 52 監視部、 54 取得部、 100 配電システム。
図1
図2
図3
図4