IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イーライ リリー アンド カンパニーの特許一覧

特許7241910糖尿病患者の運動のためのインスリン投与ガイダンスおよび意思決定支援のための方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】糖尿病患者の運動のためのインスリン投与ガイダンスおよび意思決定支援のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20230310BHJP
【FI】
G16H20/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021557359
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-06
(86)【国際出願番号】 US2020024835
(87)【国際公開番号】W WO2020205393
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-09-24
(31)【優先権主張番号】62/827,350
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ,ステファニー スミス
(72)【発明者】
【氏名】カッツ,ミッシェル リン
(72)【発明者】
【氏名】リデル,マイケル チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ウォルパート,ハワード アラン
【審査官】玉木 宏治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-181708(JP,A)
【文献】特開2017-225602(JP,A)
【文献】国際公開第2016/061550(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0372017(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスが行う、糖尿病を有する患者に1つ以上の運動タイプを推奨するための方法であって、前記方法は、
前記コンピューティングデバイスによって、(i)前記患者が運動を開始することを意図する将来の運動開始時刻、および(ii)前記患者の現在のグルコース値、を示す、入力データを受信することと、
前記コンピューティングデバイスによって、現在の時刻と前記将来の運動開始時刻との間の時間量を判定することと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記患者の前記現在のグルコース値および前記時間量に基づいて、1つ以上の推奨される運動タイプを判定することと、
前記コンピューティングデバイスのディスプレイを介して、前記1つ以上の推奨される運動タイプを表示することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記1つ以上の推奨される運動タイプを表示することは、
前記時間量が最小継続時間閾値未満である場合、前記現在のグルコース値が第1のグルコース閾値未満であるかどうかを判定することと、
前記現在のグルコース値が前記第1のグルコース閾値未満である場合、第1の運動カテゴリからの第1の複数の運動タイプを表示することと、
前記現在のグルコース値が前記第1のグルコース閾値以上である場合、第2のカテゴリからの第2の複数の運動タイプを表示することと、を含み、前記第1の複数の運動タイプは、前記第2の複数の運動タイプとは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記時間量が前記最小継続時間閾値未満であるときに、前記現在のグルコース値が第2のグルコース閾値~第3のグルコース閾値である場合、第3の運動カテゴリからの第3の複数の運動タイプを、前記ディスプレイを介して表示することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記時間量が前記最小継続時間閾値以上であるときに、前記第1の運動カテゴリからの前記第1の複数の運動タイプおよび前記第2の運動カテゴリからの前記第2の複数の運動タイプの両方を、前記ディスプレイを介して表示することをさらに含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記時間量が前記最小継続時間閾値以上であるときに、前記第1の運動カテゴリからの前記第1の複数の運動タイプ、前記第2の運動カテゴリからの前記第2の複数の運動タイプ、および前記第3の運動カテゴリからの前記第3の複数の運動タイプを、前記ディスプレイを介して表示することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記最小継続時間閾値が、1時間である、請求項2~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の運動カテゴリが、無酸素運動を含み、前記第2の運動カテゴリが、有酸素運動を含む、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第3の運動カテゴリが、有酸素運動と無酸素運動との混合を含む、請求項3~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のグルコース閾値が、130mg/dL~160mg/dLである、請求項2~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のグルコース閾値が、140mg/dL~150mg/dLである、請求項2~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のグルコース閾値が、80mg/dL~120mg/dLであり、前記第3のグルコース閾値が、140~180mg/dLである、請求項3~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のグルコース閾値が、95mg/dL~105mg/dLであり、前記第3のグルコース閾値が、155mg/dL~165mg/dLである、請求項3~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記コンピューティングデバイスは、接続されたグルコース測定器および手動ユーザ入力のうちの少なくとも1つから、前記患者の前記現在のグルコース値を受信する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記患者のインシュリンオンボード(IOB)量を示す第2の入力データを受信することをさらに含み、前記1つ以上の推奨される運動タイプが、前記第2の入力データに少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、コンピューティングデバイス上の1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサに、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法を実行させるように動作可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
命令を格納するメモリと、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法を実施するために前記命令を実行するように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
膵臓は人のグルコースレベルを調節するが、糖尿病を有する人は通常、自身のグルコースレベルを調節する能力が低下している。グルコースレベルが下がりすぎると、患者は低血糖症と呼ばれる危険な状態に陥るおそれがある。グルコースレベルが上がりすぎると、患者は高血糖症と呼ばれる別の危険な状態に陥るおそれがある。したがって、糖尿病を有する人は、インスリンを投与する(グルコースレベルを下げる)か、炭水化物を摂取するか、および/またはグルカゴンを投与する(グルコースレベルを上げる)ことによって、グルコースレベルを理想的な目標範囲内に維持する必要がある。インスリンは、注射および/またはポンプの使用を含む様々な形で投与できる。例えば、インスリンは、一度に注射される個別の用量(例えば、長時間作用型の基礎用量、またはボーラス用量)として、またはポンプを使用して数分間もしくは数時間にわたって注入される安定した細流を通して投与することができる。インスリンが多すぎると、グルコース値が下がりすぎて、患者が低血糖に陥るおそれがある。インスリンが少なすぎると、グルコース値が高いままになり、患者が高血糖に陥るおそれがある。したがって、糖尿病患者は、適切な量のインスリンを適切なタイミングで投与する必要がある。
【0003】
運動は糖尿病患者にとって重要だが、糖尿病患者のグルコースレベルに複雑なやり方で影響を与える可能性がある。例えば、有酸素運動(例えば、軽いジョギング)は、患者のグルコースレベルを低下させる可能性がある。正確にどれだけの低下が見込まれるか、およびいつこの低下が起こると予想されるかは、運動の強度およびタイプなどの様々な要因に依存し得る。逆に、無酸素運動(例えば、ウェイトリフティング、スプリント)は、短期的に患者のグルコースレベルを上昇させる可能性がある。正確にどれだけの上昇が起こるかについてもまた、運動の強度およびタイプなどの様々な要因に依存し得る。患者のグルコースレベルに対する運動の影響は、運動の終了中と終了後の両方で、時には何時間も後に発生する場合がある。したがって、糖尿病を有する患者の場合、運動することには、インスリン投与量をいつ頃どのように調整するか、グルコースレベルの低下を相殺するために追加の炭水化物を摂取するかどうかおよびいつ摂取するか、および/またはグルコースレベルをいつチェックするか、などの複雑な決定が含まれ得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、糖尿病を有するユーザ(例えば、本明細書では互換的に「ユーザ」および/または「患者」と呼ばれる)のための運動を計画および実施するための技術に関する。本技術は、1つ以上の運動を推奨することと、一連の指導付き状況確認(check-in)を通して運動を計画し、運動時または運動の数時間前の推奨に対応することと、運動の実施を通してユーザを指導および/または監視することと、が含まれ得る。本技術は、ユーザの選好(例えば目標)に基づいたり、以前の運動に対するユーザの反応に基づいたりするなど、ユーザ毎にカスタマイズすることができる。
【0005】
一実施形態では、本技術は、コンピューティングデバイスを使用して、糖尿病を有する患者に1つ以上の運動タイプを推奨するための方法を提供する。本方法は、コンピューティングデバイスによって、(i)患者が運動を開始することを意図する将来の運動開始時刻、および(ii)患者の現在のグルコース値を示す入力データを受信することを含む。コンピューティングデバイスは、現在の時間と将来の運動開始時刻との間の時間量を決定する。コンピューティングデバイスは、患者の現在のグルコース値および時間量に基づいて、1つ以上の推奨される運動タイプを決定する。コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスのディスプレイを介して、1つ以上の推奨される運動タイプを表示する。
【0006】
一実施形態では、本技術は、コンピューティングデバイスを使用して、計画された運動セッションに基づいて糖尿病を有する患者の治療への調整を推奨するための方法を提供する。この方法は、コンピューティングデバイスによって、(i)患者が運動を開始することを意図する将来の運動開始時刻、(ii)患者が行うことを意図する運動タイプ、および(iii)患者の初期グルコース値、を示す、入力データを受信することを含む。コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスのディスプレイを介して、計画されたインスリンボーラス用量に対する調整および計画されたインスリン基礎レートに対する調整のうちの少なくとも1つを含む、ユーザへの第1の推奨を提示し、第1の推奨は、受信された運動タイプおよび受信された初期グルコース値のうちの少なくとも1つに基づく。現在時刻が運動開始時刻の第1の期間内にあるときに、コンピューティングデバイスは、患者の第1の予定されたグルコース値を示す入力を提供するように、ディスプレイを介して、ユーザに促す。コンピューティングデバイスは、患者の第1の予定されたグルコース値を示す入力データを受信する。コンピューティングデバイスは、受信した第1の予定されたグルコース値に基づいて、患者に対する第2の推奨を決定する。コンピューティングデバイスは、ディスプレイを介して第2の推奨を提示する。
【0007】
一実施形態では、本技術は、コンピューティングデバイスを使用して、糖尿病を有する患者のための運動計画を立てるためのコンピュータ化された運動計画ツールをカスタマイズするための方法を提供する。この方法は、コンピューティングデバイスによって、糖尿病を有する患者の運動計画を立てるための運動計画ツールに関連付けられた、デフォルト規則セットを格納することを含む。コンピューティングデバイスは、運動計画ツールに対するユーザ選好を示す入力データを受信する。コンピューティングデバイスは、入力データに基づいて患者の運動計画ツールをカスタマイズするために、デフォルト規則セットを修正することによって、運動計画ツールの態様を修正する。コンピューティングデバイスは、運動計画ツールの修正された態様に基づいて患者の運動計画を生成し、運動計画は、未修正のデフォルト規則セットを使用して生成されたであろう第2の運動計画とは異なる。
【0008】
一実施形態では、本技術は、コンピューティングデバイスを使用して、糖尿病を有する患者のための運動計画を立てるためのコンピュータ化された運動計画ツールをカスタマイズするための方法を提供する。この方法は、コンピューティングデバイスによって、糖尿病を有する患者の運動計画を立てるための運動計画ツールに関連付けられた、デフォルト規則セットを格納することを含む。コンピューティングデバイスは、運動計画ツールを使用して、患者のための運動計画セットを計画し、各運動計画は運動に関連付けられている。コンピューティングデバイスは、運動計画セット内の各運動計画について、(i)患者の治療的態様、(ii)患者の生理学的態様、またはその両方を示すデータを監視する。コンピューティングデバイスは、監視されたデータに基づいて、患者の運動計画ツールをカスタマイズするために、デフォルト規則セットを修正する。コンピューティングデバイスは、修正されたデフォルト規則セットに基づいて、患者の新たな運動計画を生成し、新たな運動計画は、未修正のデフォルト規則セットを使用して生成されたであろう運動計画とは異なる。
【0009】
一実施形態では、本技術は、コンピューティングデバイスを使用して、運動中に、糖尿病を有する患者に推奨を提供するための方法を提供する。この方法は、コンピューティングデバイスによって、(i)患者によって行われている運動、および(ii)運動を行っている間の患者の現在のグルコース値、を示す入力データを受信することを含む。コンピューティングデバイスは、現在のグルコース値に基づいて、1つ以上の推奨を決定する。コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスのディスプレイを介して、1つ以上の推奨を表示する。
【0010】
本開示のさらなる実施形態、ならびにその特徴および利点は、添付の図面と併せて本明細書の説明を参照することによってより明らかになるであろう。図中の構成要素は必ずしも縮尺通りではない。さらに、図面において、同様の参照番号は、異なる図を通して対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】いくつかの実施形態による、1つ以上の運動タイプをユーザに推奨するための、例示的なコンピュータ化された方法である。
図2】いくつかの実施形態による、有酸素運動、無酸素運動、および有酸素運動と無酸素運動との混合運動への、例示的な運動タイプのグループ化を示す。
図3A】いくつかの実施形態による、コンピューティングデバイスのディスプレイ上に示される、一連の例示的なスクリーンショットを示す。
図3B】いくつかの実施形態による、コンピューティングデバイスのディスプレイ上に示される、一連の例示的なスクリーンショットを示す。
図3C】いくつかの実施形態による、コンピューティングデバイスのディスプレイ上に示される、一連の例示的なスクリーンショットを示す。
図3D】いくつかの実施形態による、コンピューティングデバイスのディスプレイ上に示される、一連の例示的なスクリーンショットを示す。
図3E】いくつかの実施形態による、コンピューティングデバイスのディスプレイ上に示される、一連の例示的なスクリーンショットを示す。
図3F】いくつかの実施形態による、コンピューティングデバイスのディスプレイ上に示される、一連の例示的なスクリーンショットを示す。
図3G】いくつかの実施形態による、コンピューティングデバイスのディスプレイ上に示される、一連の例示的なスクリーンショットを示す。
図3H】いくつかの実施形態による、コンピューティングデバイスのディスプレイ上に示される、一連の例示的なスクリーンショットを示す。
図3I】いくつかの実施形態による、コンピューティングデバイスのディスプレイ上に示される、一連の例示的なスクリーンショットを示す。
図4】いくつかの実施形態による、1つ以上の期間でユーザに状況確認するための、例示的なコンピュータ化された方法を示す。
図5A】いくつかの実施形態による、有酸素運動の第1の推奨を提供するための、例示的なコンピュータ化された方法を示す。
図5B】いくつかの実施形態による、有酸素運動の第1の推奨を提供するための、例示的なコンピュータ化された方法を示す。
図5C】いくつかの実施形態による、有酸素運動のための基礎調整の第1の推奨を決定するために使用され得る、例示的な論理を示す表を示す。
図5D】いくつかの実施形態による、有酸素運動のための基礎調整の第1の推奨を決定するために使用され得る、例示的な論理を示す表を示す。
図5E】いくつかの実施形態による、有酸素運動に対するボーラス調整の第1の推奨を決定するために使用され得る、例示的な論理を示す表を示す。
図6】いくつかの実施形態による、無酸素運動に対する第1の推奨を決定および提供するために使用され得る、例示的な論理を示す表を示す。
図7A】いくつかの実施形態による、有酸素運動と無酸素運動との混合に対する第1の推奨を提供するための、例示的なコンピュータ化された方法を示す。
図7B】いくつかの実施形態による、有酸素運動と無酸素運動との混合に対する第1の推奨を提供するための、例示的なコンピュータ化された方法を示す。
図7C】いくつかの実施形態による、有酸素運動と無酸素運動との混合に対する基礎調整の第1の推奨を決定するための、例示的な論理を示す表を示す。
図7D】いくつかの実施形態による、有酸素運動と無酸素運動との混合に対する基礎調整の第1の推奨を決定するための、例示的な論理を示す表を示す。
図7E】いくつかの実施形態による、有酸素運動と無酸素運動との混合に対する基礎調整の第1の推奨を決定するための、例示的な論理を示す表を示す。
図7F】いくつかの実施形態による、有酸素運動と無酸素運動との混合に対するボーラス調整を決定するための、例示的な論理を示す表を示す。
図8A】いくつかの実施形態による、有酸素運動の1時間前の炭水化物摂取の推奨を決定および提供するために使用され得る、論理を示す例示的な表を示す。
図8B】いくつかの実施形態による、無酸素運動の1時間前に推奨を決定および提供するために使用され得る、論理を示す例示的な表を示す。
図8C】いくつかの実施形態による、有酸素運動と無酸素運動との混合の1時間前に、炭水化物摂取の推奨を決定および提供するために使用され得る、論理を示す例示的な表を示す。
図9A】いくつかの実施形態による、有酸素運動のためのワークアウトの前の15分の状況確認の例を提供する。
図9B】いくつかの実施形態による、有酸素運動のためのワークアウトの前の15分の状況確認の例を提供する。
図9C】いくつかの実施形態による、有酸素運動のためのワークアウトの前の15分の状況確認の例を提供する。
図9D】いくつかの実施形態による、有酸素運動のためのワークアウトの前の15分の状況確認の例を提供する。
図10】いくつかの実施形態による、無酸素運動のためのワークアウトの前の15分の状況確認の例を提供する。
図11A】いくつかの実施形態による、有酸素運動と無酸素運動との混合運動のためのワークアウトの前の15分の状況確認の例を提供する。
図11B】いくつかの実施形態による、有酸素運動と無酸素運動との混合運動のためのワークアウトの前の15分の状況確認の例を提供する。
図11C】いくつかの実施形態による、有酸素運動と無酸素運動との混合運動のためのワークアウトの前の15分の状況確認の例を提供する。
図12A】いくつかの実施形態による、有酸素運動に対するユーザのグルコースレベルに基づいて推奨を提供するために使用され得る、論理を示す例示的な表を示す。
図12B】いくつかの実施形態による、無酸素運動に対するユーザのグルコースレベルに基づいて推奨を提供するために使用され得る、論理を示す例示的な表を示す。
図12C】いくつかの実施形態による、混合運動に対するユーザのグルコースレベルに基づいて推奨を提供するために使用され得る、論理を示す例示的な表を示す。
図13A】いくつかの実施形態による、1時間を超えて離れたジョギング運動を計画するための、別の例示的な一連のディスプレイを示す。
図13B】いくつかの実施形態による、1時間を超えて離れたジョギング運動を計画するための、別の例示的な一連のディスプレイを示す。
図13C】いくつかの実施形態による、1時間を超えて離れたジョギング運動を計画するための、別の例示的な一連のディスプレイを示す。
図13D】いくつかの実施形態による、1時間を超えて離れたジョギング運動を計画するための、別の例示的な一連のディスプレイを示す。
図14】いくつかの実施形態による、運動中にユーザを監視するための、例示的なコンピュータ化された方法を示す。
図15】いくつかの実施形態による、糖尿病を有する患者の運動計画をカスタマイズするための、例示的なコンピュータ化された方法を示す。
図16】いくつかの実施形態による、ユーザ固有の情報に基づいて運動計画ツールをカスタマイズするための、例示的なコンピュータ化された方法を示す。
図17】実施形態の態様のうちのいずれかを実施するために使用され得る、コンピュータシステムの例示的な実装を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の原理の理解を促進するために、次に、図面に例示された実施形態を参照し、特定の言語を使用して、これを説明する。しかしながら、これによって本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されるだろう。
【0013】
本開示は、糖尿病患者のための運動を計画および実施するための、コンピュータ実装技術に関する。運動は、例えば、それが患者にもたらし得る様々な心臓代謝および他の利益のために、糖尿病(例えば、1型糖尿病)を有する人のライフスタイル管理の重要な部分となり得る。しかしながら、運動中および運動後の正常グルコースの維持には課題があり、安全な運動への参加が複雑になる可能性がある。例えば、患者は、運動中の低血糖症または高血糖症、運動後24時間の低血糖症などのリスクが高くなる可能性がある。
【0014】
糖尿病患者を運動で導くためのガイドラインが利用可能である。ただし、このようなガイドラインは通常、複雑で実装が難しく、効果的に使用するには個別化が必要である。
【0015】
本明細書に記載の技術は、糖尿病患者にワークアウトの準備および実施する能力を提供するコンピュータ実装技術(例えば、携帯電話アプリケーションなどのコンピュータアプリケーション)を提供する。技術は、そうでなければ複雑で従うのが難しい、運動のための手動ガイドラインを適応させ、ユーザの目標、好み、現在の代謝状態、個人の生理学、過去の成功した治療などに基づいて、それらを各ユーザに合わせることができる。本技術により、ユーザが、低血糖症および高血糖症などの厄介で時には危険な状態を制限しながら、運動を計画および/または運動に参加することを可能にする。
【0016】
いくつかの実施形態では、本技術を使用して、将来発生するであろう予想される運動を計画することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、終日にわたって計画ツールと対話することができる。例えば、ユーザは、現在のグルコース状態およびインスリン状態に関する情報を提供することができ、本技術はこれを使用して、例えば、ユーザが最適なグルコースレベルおよびインスリン状態で運動を開始して、ユーザの好みの運動形式に参加することを可能にするために、調整された推奨を終日にわたってユーザに提供することができる。推奨は、例えば、運動タイプ(例えば、無酸素または有酸素)、運動の強度、運動の継続時間、ユーザの履歴および/または監視された履歴データ、インスリン投与の調整、炭水化物の補給、および/または同様のものに対して調整され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、本技術を使用して、ユーザに基づいて、好みの活動または運動活動を識別および/または推奨することができる。例えば、システムは、ユーザのグルコース状態、インスリン状態および/または同様のものに基づいて運動活動を決定することができる。システムは、ユーザが運動を計画する時間、ユーザの現在のグルコースレベル、および/または同様のものに基づいて、特定の活動を決定および推奨することができ、それによりユーザは、その運動中にグルコース変動を最小限に抑えるような運動を行うことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、本技術は、運動中に使用され得る。本技術は、患者が運動を行っている間、現在のグルコースレベル、グルコース傾向、心拍数、および/または同様のものを示すデータを監視して、(例えば運動関連の低血糖または高血糖を制限するために)運動中の潜在的な介入の通知を提供することができる。本技術は、手動で、および/または持続グルコース監視(continuous glucose monitoring、CGM)などのグルコース監視と組み合わせて、グルコース情報を取得することができる。このような通知の例として、活動タイプの変更、炭水化物の摂取、追加のインスリンの服用、および/または同様のものが挙げられる。
【0019】
いくつかの実施形態では、本技術は、ユーザの履歴を監視および分析して、各ユーザに対する本技術をさらにカスタマイズする。例えば、本技術は、患者の治療的態様(例えば、ボーラス用量、基礎レートなど)、患者の生理学的態様(例えば、心拍数、グルコースレベル、1つ以上の加速度計またはジャイロスコープなどによって測定される活動データ)、好ましい運動活動、活動に対する心拍数応答、運動タイプに対するグルコース応答、運動後の人の感じ方、および/または同様のものを監視して、各ユーザに対する本技術をカスタマイズすることを含むことができる。本技術は、将来の推奨(例えば運動、運動計画など)を改善するために、各ユーザの固有の履歴の係る態様を監視できる。本明細書で説明するこれらおよび他の特徴は、ユーザ固有の生理機能、好み、履歴、および/または同様のものに基づいてガイドラインを個別化するやり方で、糖尿病を有する患者が現在の最良の訓練および運動を自身のライフスタイルに取り入れることを可能にするという、補完的な方法で連携することができる。
【0020】
様々な実施形態を説明してきたが、さらに多くの実施形態および実装が可能であることが当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載の実施形態は例であり、唯一の可能な実施形態および実装ではない。さらに、上述の利点は必ずしも唯一の利点ではなく、記載された利点のすべてが各実施形態で達成されるとは必ずしも予想されない。
【0021】
いくつかの実施形態では、本技術は、計画されたワークアウトのためにどの運動および/または運動タイプを行うかをユーザ(例えば、糖尿病患者)に推奨する。一般に、本明細書でさらに説明するように、デバイス(例えば、コンピュータ、携帯電話、または他のコンピューティングデバイス)は、運動の計画に関連する情報をユーザに要求および/またはユーザから受信し、入力データ、運動時間、および/またはその他の関連情報に基づいて、ユーザにとって最適な1つ以上の推奨される活動を決定することができる。
【0022】
図1は、いくつかの実施形態による、1つ以上のタイプの運動をユーザに推奨するための例示的なコンピュータ化された方法100である。ステップ102で、コンピューティングデバイスは、運動を計画するための入力データを受信する。ステップ104で、コンピューティングデバイスは、将来の運動開始時刻までの時間量を決定する。ステップ106で、コンピューティングデバイスは、ユーザ入力データに基づいて、1つ以上の推奨される運動タイプを決定する。ステップ108で、コンピューティングデバイスは、例えば、コンピューティングデバイスのディスプレイを介して、1つ以上の推奨される運動タイプを表示する。
【0023】
ステップ102を参照すると、入力データは、ユーザが運動を開始することを意図する将来の運動開始時刻を示すデータ、患者の現在のグルコース値、所望の運動カテゴリ、および/または運動を計画することに関連する他のデータを含むことができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、1つ以上の入力をユーザに促すことができる。例えば、コンピューティングデバイスは、ユーザがいつトレーニングする予定であるかをユーザに尋ねることができる(例えば、午後3時より後、3時間後など)。別の例として、コンピューティングデバイスは、ユーザの現在の血中グルコース測定値をユーザに尋ねることができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、コンピューティングデバイスに入力データを提供する監視デバイスに接続されている。例えば、ユーザは、ユーザの血中グルコース測定値をコンピューティングデバイスに提供する、接続グルコース計(connected glucose meter、CGM)に接続されることができる。いくつかの実施形態では、入力データはまた、患者のインスリンオンボード(IOB)量を示すデータを含むことができ、これは、患者が以前に摂取し、依然として彼/彼女の体を循環している活性インスリンの量を示すことができる。患者のIOBは、運動の計画に使用できる。患者のIOBは、以前に摂取したインスリン投与量から推測または計算するか、患者が手動でIOBの量を入力することができる。
【0024】
ステップ104を参照すると、コンピューティングデバイスは、例えば、ユーザが受信した現在の時刻と将来の運動開始時刻との差を決定することによって、将来の運動開始時刻までの時間量を判定することができる。コンピューティングデバイスは、時間を決定するため、タイマーサーバと相互作用するため、および/または同様の目的で、例えばオンボードクロックを使用することができる。別の例として、コンピューティングデバイスは、運動時間を推奨し、現在の時刻と推奨される運動時間との間の差を決定することができる。
【0025】
ステップ106を参照すると、コンピューティングデバイスは、患者の現在のグルコース値、運動までの時間量、所望の運動タイプ、IOBの量、および/または同様のものに基づくなどの、ユーザ入力データに基づいて、1つ以上の推奨される運動タイプを判定することができる。例えば、コンピューティングデバイスは、患者が将来どのくらい運動する予定であるか、および患者の現在の血中グルコースレベルを考慮して、1つ以上の推奨される運動を決定することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、異なる運動グループ間を区別し、異なる運動カテゴリに従って運動を格納すること、および/または同様のことが可能である。図2は、いくつかの実施形態による、有酸素運動204、無酸素運動206、および有酸素運動と無酸素運動との混合運動208への、例示的な運動タイプ202のグループ化200を示す。有酸素運動204の非限定的な例示的リストは、ウォーキング、ハイキング、サイクリング、ジョギング、水泳、ボート漕ぎ、カーディオクラス、エリプティカルマシンの使用、ステアクライマーの使用、ダンス、クロスカントリースキー、縄跳び、ゴルフ、および/または同様のもののうちの1つ以上を含むことができる。無酸素運動206の非限定的な例示的なリストは、高負荷レジスタンストレーニング(例えば、フリーウェイト、ウェイトマシン、レジスタンスバンド、および/または同様のもの)、自体重レジスタンストレーニング(例えば、プッシュアップ、ランジ、スクワット)、スプリント、ヨガ、ピラティス、ロッククライミング、および/または同様のものを含むことができる。有酸素運動と無酸素運動との混合208の非限定的な例示的リストは、ラケットスポーツ、バスケットボール、サッカー、サーキットトレーニングまたはインターバルトレーニング、ボクシング、武道トレーニング、および/または同様のものを含むことができる。
【0027】
コンピューティングデバイスはまた、運動の基準、運動の説明、注射情報、運動ヒント、および/または同様のものを格納、提示、検討、または適用することができる。例えば、ウォーキングは、速い歩調ではあるがユーザが歩きながら話すことができる歩行としてカテゴライズまたは説明することができる。ウォーキングに関連付いた注射情報は、ユーザの腹部への注射の投与を推奨することを含むことができる。ウォーキングに関する運動ヒントは、アドレナリン反応がないためにウォーキングによってユーザのグルコースが急速に低下するおそれがあるから、ユーザは散歩のために必ず低血糖治療対策(例えば、グルコース錠剤、またはグルカゴン)を持参する必要がある、というヒントを含むことができる。ハイキングは、困難な地形(例えば森の中)を長距離歩くこととしてカテゴライズまたは説明することができる。ハイキングに関連付いた注射情報は、ユーザの腹部または腕のいずれかへの注射の投与を推奨することを含むことができる。ハイキングに関する運動ヒントは、(a)ユーザがハイキングまたは1時間以上を計画している場合は、ボリュームのあるスナックおよび水を必ず持参すること、(b)ユーザが事前に(例えばボーラスを減らして)食事を食べる必要があり得ること、(c)ユーザが丘または山をハイキング中の場合は、ユーザはつまずかないように途中でグルコースレベルの低下に注意する必要があること、および(d)ユーザがより疲れると症状を認識するのがより困難になる場合があること、を含むことができる。
【0028】
サイクリングは、固定型の、道路での、トラックでの、またはトレイルでの自転車に乗ることとしてカテゴライズまたは説明することができる。サイクリングに関連付いた注射情報には、腕への注射の投与を推奨することを含むことができる。サイクリングに関する運動ヒントは、乗車前に、ゆっくりと消化される炭水化物を含む(および、例えばボーラスを減らして)食事を食べるためのヒントを含むことができる。ジョギングは、一定のペースでのスローランとしてカテゴライズまたは説明することができる。ジョギングに関連付いた注射情報には、腹部への注射の投与を推奨することを含むことができる。ジョギングに関する運動ヒントは、ジョギング中に食べ物を携帯するのは難しいため、ヒップバンドまたはポケットを運動器具に組み込む方法を事前に検討するように、というヒントを含むことができる。水泳は、水中での往復または他の一定の繰り返される活動としてカテゴライズまたは説明することができる。水泳に関連付いた注射情報には、腹部への注射の投与を推奨することを含むことができる。水泳に関する運動ヒントは、頻繁に泳ぐ人については、ユーザがCGMを装着している場合、送信機の上にスポーツテープまたは医療用テープを追加で重ねて貼ることを検討する必要があり得るというヒントを含めることができる。ボート漕ぎは、ボート用のオールまたは機械を使用して前方に推進する動作としてカテゴライズまたは説明することができる。ボート漕ぎに関連付いた注射情報には、ユーザの背中上部への注射の投入を推奨することを含むことができる。ボート漕ぎのための運動ヒントは、ユーザが屋外で漕ぐ場合は、必需品および低血糖治療対策用の防水キャリアの入手を検討するというヒントを含めることができる。
【0029】
カーディオクラスは、最大90分間の一定の持続的な運動を伴うグループクラスとしてカテゴライズまたは説明することができる。カーディオクラスに関連付いた注射情報には、ユーザの背中上部への注射の投与を推奨することを含むことができる。カーディオクラスに関する運動ヒントには、クラスがインストラクターによって異なる可能性があるため、運動の準備としてインスリンおよび/または間食を減らすためのより保守的なアプローチから始めるというヒントを含めることができる。エリプティカルマシン活動は、シートのないエアロバイク(登録商標)のような運動マシンを使用した活動としてカテゴライズまたは説明することができる。エリプティカルマシン活動に関連付いた注射情報には、ユーザの腕への注射の投与を推奨することを含むことができる。エリプティカルマシン活動に関する運動ヒントには、このマシンの使用中に足またはつま先のしびれを防ぐために、ユーザがペダル上で足を平らに保つためのヒントを含めることができる。ステアクライマーは、ユーザが調整可能な速度で階段を登る動作を実行できる運動マシンとしてカテゴライズまたは説明することができる。ステアクライマーに関連する注射情報には、腕への注射の投与を推奨することを含むことができる。ステアクライマーに関する運動ヒントには、ステアクライマーを活用して、カロリーを素早く燃焼する、負担の少ないワークアウトを作成するためのヒントを含めることができる。ダンスは、多くの異なる速度およびスタイルの音楽への持続的な動きとしてカテゴライズまたは説明することができる。ダンスに関連付いた注射情報には、背中上部への注射の投与を推奨することを含むことができる。ダンスに関する運動ヒントには、ユーザの気分および体の健康を改善するための音楽およびスタイルを選択することのヒントを含むことができる。
【0030】
クロスカントリースキーは、ユーザが一歩踏み出すと後ろに持ち上げられるスキーブーツを着用した、比較的平坦な地形を滑るスキーとしてカテゴライズまたは説明することができる。クロスカントリースキーに関連付いた注射情報には、ユーザの腕への注射の投与を推奨することを含むことができる。クロスカントリースキーに関する運動ヒントには、特にユーザが氷点下の屋外にいる場合に、ユーザがインスリンの温度を監視することを確認するためのヒントを含めることができる。縄跳びは、ロープが持続的で一定のパターンで振り回されるときに、ロープを飛び越えるものとしてカテゴライズまたは説明することができる。縄跳びに関連付いた注射情報には、腕への注射の投与を推奨することを含むことができる。縄跳びに関する運動ヒントには、縄跳びがホテルの部屋でまたは旅行中に運動するのに最適な任意的選択であるというヒントを含めることができる。ゴルフは、グループで、小さな穴のできるだけ近くにクラブを用いてボールを打とうとすることを含む、広い屋外コースでプレイされるゲームとしてカテゴライズまたは説明することができる。ゴルフに関連付いた注射情報には、背中上部への注射の投与を推奨することを含むことができる。ゴルフに関する運動ヒントには、ユーザがコースに何時間滞在するかを事前に見積もり、それに応じて軽食を計画するためのヒントを含めることができる。
【0031】
荷重ベースのレジスタンストレーニングは、フリーウェイト、マシン、またはバンドからの高負荷を使用して、特定の筋肉群を動かすものとしてカテゴライズまたは説明することができる。荷重ベースの筋力トレーニングに関連付いた注射情報には、ユーザが対象としている筋肉から離れた場所への注射の投与を推奨することを含むことができる。荷重ベースのレジスタンストレーニングに関する運動ヒントには、純粋な無酸素運動によってグルコースレベルが上昇する可能性があるというヒントを含むことができる。自体重レジスタンストレーニングは、プッシュアップ、ランジ、スクワットなど、自身の体重を使って特定の筋肉群に挑む活動としてカテゴライズまたは説明することができる。自体重レジスタンストレーニングに関連付いた注射情報には、ユーザが対象としている筋肉から離れた場所への注射の投与を推奨することを含めることができる。自体重レジスタンストレーニングに関する運動ヒントには、これらの運動のほんの一部を通常の有酸素運動ルーチンに追加することで、グルコースレベルを安定させ、ルーチンを有酸素運動と無酸素運動の両方にすることができるというヒントを含めることができる。スプリントは、400m以下で可能な限り速く走ることにカテゴライズまたは説明することができる。スプリントに関連付いた注射情報には、背中上部への注射の投与を推奨することを含むことができる。スプリントに関する運動ヒントには、(a)スプリントがジョギングに変わった場合、グルコースレベルが下がる可能性があること、(b)無酸素スプリントは激しいランニングの短いバーストとしてとどめるべきであること、というヒントを含めることができる。
【0032】
ヨガは、様々な体の姿勢と意識的な深い呼吸によって筋力と柔軟性を構築する試みとしてカテゴライズまたは説明することができる。ヨガに関連付いた注射情報には、任意の場所への注射の投与を推奨することを含むことができる。ヨガに関する運動ヒントには、ユーザがホットヨガのクラスに参加している場合は、吐き気を避けるために、クラスの前に水分補給して少量の食事をとることを忘れないためのヒントを含めることができる。ピラティスは、コアマッスルの強度と柔軟性に焦点を当てた、時には特別な機器を使用する運動としてカテゴライズまたは説明することができる。ピラティスに関連付いた注射情報には、腕または脚への注射の投与を推奨することを含むことができる。ピラティスに関する運動ヒントには、ユーザがマット上でピラティスをしている場合、床に横たわっているときに快適となるであろう場所にあなたのCGMおよび/または注入部位を取り付けることを考慮するように、というヒントを含めることができる。ロッククライミングは、手と足を使って一連の岩の階段(屋内または屋外など)を登ることにカテゴライズまたは説明することができる。ロッククライミングに関連付いた注射情報には、背中上部への注射の投与を推奨することを含むことができる。ロッククライミングに関する運動ヒントには、クライミングの直前に指先でグルコースレベルをチェックすることを検討するためのヒントを含めることができる。ラケットスポーツは、ゲームの過程を通して、短いバーストのスプリントおよびより一定した動きが含まれる、テニス、ラケットボール、スカッシュなどとしてカテゴライズまたは説明することができる。ラケットスポーツに関連付いた注射情報には、背中上部への注射の投与を推奨することを含むことができる。ラケットスポーツに関する運動ヒントには、ユーザが特に激しいゲームをしている場合、有酸素運動のグルコース降下効果が見られない可能性があるというヒントを含めることができる。
【0033】
バスケットボールは、持続的なジョギングおよび対戦相手側のバスケットでボールをシュートしている間のスプリントとしてカテゴライズまたは説明することができる。バスケットボールに関連付いた注射情報には、ユーザの背中上部への注射の投与を推奨することを含むことができる。バスケットボールに関する運動ヒントには、屋内と屋外でのプレイに対して異なるグルコース効果がある可能性があることを覚えておくためのヒントを含めることができる。サッカーは、相手のゴールにボールを蹴り込むことを含む、持続的なランニングを伴うゲームとしてカテゴライズまたは説明することができる。サッカーに関連付いた注射情報には、ユーザの腕への注射の投与を推奨することを含むことができる。サッカーに関する運動ヒントには、ユーザが芝生、砂、舗装などでプレイするときの、様々なグルコース効果に注意するためのヒントを含めることができる。
【0034】
サーキットトレーニングまたはインターバルトレーニングは、それぞれ30秒~5分間の一連の高強度の運動を完了するものとしてカテゴライズまたは説明することができる。サーキットトレーニングまたはインターバルトレーニングに関連付いた注射情報には、任意の場所への注射の投与を推奨することを含むことができる。サーキットトレーニングまたはインターバルトレーニングに関する運動ヒントには、ユーザが有酸素活動と無酸素活動をずらしてグルコースレベルを安定させるためのヒントを含めることができる。ボクシングは、拳を使った攻撃と防御を伴うスポーツとしてカテゴライズまたは説明することができる。ボクシングに関連付いた注射情報には、脚または背中上部への注射の投与を推奨することを含むことができる。ボクシングに関する運動ヒントには、トレーニングとスパーリング間のグルコースレベルの違いに注意するためのヒントを含めることができる。スパーリングにはアドレナリンが関わるため、ユーザのレベルが上がる可能性があるためである。武道トレーニングは、攻撃と防御のいくつかの鍛錬としてカテゴライズまたは説明することができる。武道トレーニングに関連付いた注射情報には、任意の場所への注射の投与を推奨することを含むことができる。武道トレーニングに関する練習ヒントには、ユーザのクラスが夕方の場合は、夜間の低血糖を防ぐために就寝前に軽食をとることを検討するというヒントを含めることができる。
【0035】
図1のステップ106に戻って参照すると、コンピューティングデバイスは、ステップ104で判定された時間量、ステップ102からのユーザ入力データ、および/またはそれらの何らかの組み合わせに基づいて、1つ以上の運動を推奨するように構成することができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、閾値時間量に基づいて、推奨する1つ以上の運動を決定するように構成することができる。例えば、ユーザが閾値時間量を超えて(例えば、現在時刻から1時間を超えて)ワークアウトすることを計画する場合、コンピューティングデバイスは、第1の運動カテゴリからの1つ以上の運動タイプの第1のセット、ならびに第2の運動カテゴリからの1つ以上の第2のセットを推奨することができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスはまた、運動タイプの第1のセットおよび第2のセットに加えて、第3の運動カテゴリからの1つ以上の運動タイプの第3のセットを、任意選択的に推奨してもよい。いくつかの実施形態では、第1の運動カテゴリは有酸素運動であり得、第2の運動カテゴリは無酸素運動であり得、および任意選択の第3の運動カテゴリは有酸素運動と無酸素運動との混合であり得る。コンピューティングデバイスはまた、本明細書でさらに説明されるように、ユーザの以前の運動活動に基づいて決定された、さらに詳細化されたカテゴリなど、他の運動カテゴリを検討および/または推奨してもよい)。
【0036】
本技術は、ユーザの運動の選好に対応するように構成できるが、時間に応じて(例えば、運動時間が近づくにつれて)所望の運動が安全な選択ではない場合、本技術は、ユーザに1つ以上の代替的な運動を提供するように構成されてもよい。例えば、ユーザが閾値時間量に満たない時間でワークアウトすることを計画している場合(例えば、ユーザが現在時刻から1時間以内で運動することを計画している場合)、コンピューティングデバイスは、ユーザの血中グルコース(BG)の測定値に基づいた様々な運動を提示することができる。いくつかの実施形態では、システムは、どの運動をユーザに推奨するかを決定するために、1つ以上の閾値を使用することができる。例えば、ユーザのグルコースが第1の閾値未満である場合、コンピューティングデバイスは、第1のカテゴリからの運動を提供するように構成されることができ、ユーザのグルコースが第1の閾値以上である場合、コンピューティングデバイスは、第2の(異なる)カテゴリからの運動を提供するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第1の閾値は、130mg/dL~160mg/dL、140mg/dL~150mg/dL、および/または同様の範囲内にある。
【0037】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、どの運動をユーザに推奨するかを決定するために、閾値間の1つ以上の範囲を使用することができる。例えば、ユーザのグルコースが第1の閾値範囲の間(例えば、144mg/dL~350mg/dLの間)にある場合、コンピューティングデバイスは、1つ以上の有酸素運動を推奨することができる。別の例として、ユーザのグルコースが第2の閾値範囲の間(例えば、90mg/dL~144mg/dLの間)にある場合、コンピューティングデバイスは、1つ以上の無酸素運動を推奨することができる。さらなる例として、ユーザのグルコースが第3の閾値範囲の間(例えば、100mg/dL~160mg/dLの間)にある場合、コンピューティングデバイスは、1つ以上の有酸素運動と無酸素運動との混合を推奨することができる。別の例として、閾値範囲の下側閾値は、80mg/dL~120mg/dLの範囲、95mg/dL~105mg/dLの範囲、および/または同様の値であり得る。閾値範囲の上側閾値は、140mg/dL~180mg/dL、155mg/dL~165mg/dL、および/または同様の値であり得る。
【0038】
ステップ108で、コンピューティングデバイスは、ユーザに1つ以上の決定された運動を提示することができる。例えば、コンピューティングデバイスは、推奨される身体運動タイプのメニューをユーザに提示することができる。次に、ユーザは、本明細書で議論される技術を使用して計画するためにユーザが行うことを意図している身体運動タイプを選択するか、そうでなければ入力することができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、1つ以上の安全応答を、(例えば、運動の代わりに、または運動に加えて)提供してもよい。例えば、ユーザのグルコースが50mg/dL以下である場合、コンピューティングデバイスは、ユーザのグルコースが低すぎる(例えば、ユーザが重度の低血糖症にある)と判断することができる。コンピューティングデバイスは、任意の運動を提示しなくてもよく、および/または警告メッセージを提示してもよい。例えば、コンピューティングデバイスは、ユーザに、グルコースレベルが低すぎて安全な身体活動ができないため注意するよう警告すること、およびユーザが自身の医療専門家のアドバイスに従って、即効性のグルコースまたはグルカゴンですぐに治療すべきであることを警告することができる。別の例として、ユーザのグルコースが270mg/dL以上である場合、コンピューティングデバイスは、任意の運動を提示しなくてもよく、および/または警告メッセージを提示してもよい。例えば、コンピューティングデバイスは、ユーザにケトンのチェックを要求することができ、ケトンが存在しない場合、または低濃度しかない場合は、穏やかな運動を開始できる。そうでない場合、ユーザのケトン濃度が高い場合は、ユーザは、自身の医療専門家のアドバイスによる手続きに従う必要がある。別の例として、ユーザがケトンテストを実施できない場合、ユーザは、(例えば、自身の医療専門家のアドバイスに従って)時間をかけて高血糖レベルを修正し、所望の運動活動を再スケジュールすることができる。コンピューティングデバイスは、運動の推奨および/または計画を続行するために、リマインダを設定して、ユーザが将来(例えば、15分、30分、または60分)グルコース値を再確認するようにできる。
【0039】
図3A図3Iは、いくつかの実施形態による、コンピューティングデバイス(例えば、この例ではモバイルアプリケーション)のディスプレイの一連の例示的なスクリーンショットを示す。図3Aは、ユーザに対して自身の活動をスケジュールするように促す、例示的なディスプレイ300を示している。現在時刻302は午後1時30分であり、患者は、304に示されるように、午後2時~午後2時45分の運動セッションを予定している。患者は、「時間を設定」ボタン306を選択することができ、これにより、コンピューティングデバイスは、図3Bに示されるディスプレイ310に移行する。ディスプレイ310は、ユーザに現在のグルコースレベルを入力するように促す。本明細書で議論されるように、いくつかの実施形態では、ユーザがCGMを装着している場合、画面310は、(例えば、ユーザのグルコースレベルが自動的に提供され得るため)省略される場合がある。図3Cは、(例えば、ユーザがディスプレイ310を使用して入力した、またはCGMから受信された)現在のグルコースレベル150mg/dLをユーザに確認させるために、ボタン「グルコースを確認」322を押すようにユーザに要求する、ディスプレイ320を示している。
【0040】
スクリーン320を使用してグルコースレベルを確認後、ユーザには、図3Dに示されるスクリーン330が提示される。画面330により、患者は運動タイプを選択することができる。画面330は、例えば、図1と併せて議論されたコンピュータ化された方法100を使用して決定された、1つ以上の運動を提示することができる。本例では、ディスプレイ330で6つの運動332のみがユーザに提示されるため、ユーザは、(例えば、システムがユーザに対して6つを超える運動を決定する場合は)スクロールしてより多くの運動タイプを明らかにすることができる。本明細書で議論されるように、提示される運動タイプは、例えば、患者がどれだけ早くワークアウトすることを計画しているか、患者の現在のグルコースレベル、および/または同様のものに応じて変化し得る。「スケジュールする」ボタン334は、ユーザが運動332を選択していないため、利用できない(例えば、灰色で表示されている)。図3Eは、ディスプレイ340を示しており、ユーザが運動332Aを選択したために、運動332A(水泳)が強調表示されている。「スケジュールする」ボタン334は、ここではユーザによって選択されることができ、選択されると、本明細書でさらに議論されるように、運動332Aを計画のために選択する。
【0041】
いくつかの実施形態では、本技術は、運動の準備および/または運動の完了後にユーザに指導するため、1つ以上の時点(例えば、運動のスケジュール時、スケジュールされた運動の1時間前、スケジュールされた運動の15分前、スケジュールされた運動の15分後、および/または同様の時点)でユーザの状況確認をすることができる。各チェックポイントで、ユーザは、各チェックポイントにおけるグルコースレベルなどのデータを提供できる。システムは、入力データを使用して、食物の摂取に対する推奨、ボーラスレート、基礎量の調整に対する推奨、および/または同様のものなど、ユーザに対して1つ以上の推奨をすることができる。ユーザに提供される推奨は、ユーザへの状況確認に基づいて、終日にわたって動的に変更できる。例えば、本明細書でさらに説明されるように、ユーザが最初に午後5時に5マイル走ることを計画している場合に、午後5時にユーザが安全に5マイル走ることができない可能性が高い場合、本技術は、ユーザが他の活動を行うことを示すことができる。別の例として、1つの状況確認の結果は、その状況確認に応じて提供される推奨、および/または他の状況確認の推奨に影響を与える可能性がある。
【0042】
図4は、いくつかの実施形態による、運動を計画するための1つ以上の推奨を提供するために、1つ以上の期間にユーザに状況確認するための例示的なコンピュータ化された方法400を示す。ステップ402で、コンピューティングデバイスは、運動を計画するための入力データ(例えば、本明細書で議論される技術による、将来の運動開始時刻、運動タイプ、および/または初期グルコース値)を受信する。ステップ404で、コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスのディスプレイを介して、ユーザに初期推奨を提示する。ステップ406で、コンピューティングデバイスは、(例えば、さらなる推奨を表示するかどうかを決定するなどのために)運動のために更新された分析を実施する時間であるかどうかを判定する。更新された分析を実施する時間である場合、方法400はステップ408に進み、そうでない場合、方法400は、別の時間チェックを実施するまで待機する。ステップ408で、コンピューティングデバイスは、ユーザに追加の入力データを要求し、ユーザから受信する。ステップ410で、コンピューティングデバイスは、受信した追加の入力データ(例えば、コンピューティングデバイスがディスプレイを介してユーザに提示するもの)に基づいて、患者に対する第2の推奨を決定する。方法400は、ステップ406に戻って、追加の状況確認を提供してもよい。
【0043】
方法400を使用して、1つ以上の計画された推奨を提供することができ、その結果、ユーザは、一日の後半(例えば、仕事の後)の運動活動を計画することができ、コンピューティングデバイス(例えば、電話アプリケーション)は、運動活動に至るまでの複数の時点、運動活動中、および/または運動活動後における、複数のグルコースレベル状況確認および複数の推奨(例えば、ボーラスまたは基礎レートの調整、炭水化物の摂取など)を用いて、終日にわたってユーザを導くことができる。本明細書で議論されるように、推奨は、運動、時間、ユーザの目標、および/または同様のものに基づいて調整することができる。例えば、運動前の特定の期間に応じて、コンピューティングデバイスは、ユーザに状況確認し、追加の推奨を提供するためにさらなる情報を要求することができる。本明細書でさらに議論されるように、推奨を使用して反復調整を行うことができる。例えば、ユーザのグルコースレベルが変動すると、コンピューティングデバイスは、状況確認時に推奨値を調整して、ユーザが運動時に目標範囲を思い出させるようにすることができる。本明細書でさらに説明するように、本技術は、活動開始時のグルコースレベルに対応するために、有酸素、無酸素、または混合タイプの運動のいずれかの中の特定の活動を推奨することができる。
【0044】
ステップ402を参照すると、入力データは、患者が運動を開始することを意図する将来の運動開始時刻、患者が行うことを意図する運動タイプ、患者の初期グルコース値、および/または同様のものを示すデータを含むことができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、図1の方法100と併せて議論されるように、ユーザが実施しようとしている運動を決定するときに、入力データの一部(またはすべて)を受信する。したがって、いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、すでに一部のデータを受信している可能性があり、したがって、(例えば、データがまだ最新である限りは)そのデータを再度取得する必要はない。
【0045】
ステップ404を参照すると、第1の推奨は、計画されたインスリンボーラス用量に対する調整、計画されたインスリン基礎レートに対する調整、炭水化物をとることの推奨、および/または他の推奨を含むことができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、運動タイプ、ユーザの初期グルコース値、および/または同様のものに基づいて、第1の推奨を決定する。いくつかの実施形態では、第1の推奨は、運動をスケジュールするときに決定される。
【0046】
図5A図5Bは、いくつかの実施形態による、有酸素運動の第1の推奨を提供するための例示的なコンピュータ化された方法500を示している。以下の議論が、コンピュータ化された方法500、またはコンピューティングデバイスが事実、量、もしくは他の何らかのデータの一部を「判定すること」に言及する場合、この判定は、ユーザに問い合わせを促し、その問い合わせに応答したユーザ入力を受信することによって行われる場合がある。場合によっては、この判定は、コンピュータ化された方法またはコンピューティングデバイスによって、ユーザの選好または治療レジメンに関する事前に保存されたパラメータまたは規則を参照することによっても行われ得る。場合によっては、この判定は、CGMセンサもしくはユーザが装着する身体装着型輸液ポンプのような、外部センサもしくは外部デバイスと通信することによるコンピューティングデバイスによる場合がある。場合によっては、この判定は、少なくとも部分的に、患者の治療のログまたは生理学的データ、例えば、ユーザの最近のグルコースレベルまたはインスリン投与量の記録に基づく場合もある。
【0047】
例えば、運動が、運動期間の閾値内(例えば1時間以内に)にスケジュールされている場合、方法500は、図5Aのステップ502で開始する。ステップ502で、コンピューティングデバイスは、ユーザが運動開始前の3時間以内にボーラスインスリンを服用するかどうかを判定する。いいえ(NO)の場合、本方法はステップ504に進み、そうでない場合、本方法はステップ506に進む。ステップ504で、コンピューティングデバイスは、ユーザがインスリンポンプを装着しているかどうかを判定する。はい(YES)の場合、本方法はステップ508に進み、図5Cと併せて本明細書でさらに議論される、基礎低減(basal reduction)(A)の推奨を提供する。いいえの場合、本方法はステップ510に進み、炭水化物摂取の推奨を提供する。
【0048】
ステップ506に戻ると、ユーザがまだボーラス投与を受けていない場合、本方法はステップ512に進み、図5Eと併せてさらに議論されるように、ボーラス低減の推奨を提供する。ユーザがすでにボーラス投与を受けている場合、本方法はステップ514に進み、ユーザがインスリンポンプを装着しているかどうかを判定する。ユーザがインスリンポンプを装着している場合、本方法はステップ516に進み、基礎低減(A)を推奨する。ユーザがインスリンポンプを装着していない場合、本方法はステップ518に進み、炭水化物摂取を推奨する。
【0049】
例えば、運動が、運動期間の閾値内(例えば1時間以内に)にスケジュールされていない場合、方法500は、図5Bのステップ520で開始する。ステップ520で、コンピューティングデバイスは、ユーザが運動開始前の3時間以内にボーラスインスリンを服用するかどうかを判定する。いいえの場合、本方法はステップ522に進み、ユーザがインスリンポンプを装着しているかどうかを判定する。いいえの場合、本方法は第1の推奨を提供しない。そうでない場合、本方法はステップ524に進み、図5Dと併せてさらに議論される、基礎低減(C)を推奨する。ステップ520に戻ると、はいの場合、本方法はステップ526に進み、ユーザがすでにボーラス投与を受けたかどうかを判定する。いいえの場合、本方法はステップ528に進み、ユーザが、ワークアウトの1時間以内に予定されたボーラスを有するかどうかを判定する。いいえの場合、本方法はステップ530に進み、ボーラス低減を推奨する。はいの場合、本方法はステップ532に進み、ボーラス低減を推奨する(これは例えば、図5Eと併せて議論されるように、運動までの時間量に応じて変化し得る)。ステップ526に戻って参照すると、ユーザがすでにボーラス投与を受けている場合、ステップ534で、システムは、ユーザがインスリンポンプを装着しているかどうかをチェックまたは判定する。例えば、患者が、この患者がインスリンポンプを装着しているかどうかを示す情報をコンピューティングデバイスに提供していてもよく、および/またはコンピューティングデバイスが、係る情報をユーザに要求してもよい。いいえの場合、コンピューティングデバイスは、第1の推奨を提供しない。はいの場合、コンピューティングデバイスは、ステップ536に進み、図5Dと併せてさらに議論される、基礎低減(B)を推奨する。
【0050】
図5Cは、基礎調整(A)の第1の推奨を決定するために使用され得る、例示的な論理を示す表540を示す。基礎調整(A)は、関連する推奨544を提供するためにユーザのグルコース542に基づいて決定される。例えば、ユーザのグルコースが90mg/dL以下の場合、コンピューティングデバイスは、16gのグルコース錠剤を摂取すること、および今から運動継続時間を通して基礎レートを80%減らすことの、第1の推奨を提供する。図5Dは、基礎調整(B)を示すことを決定するために使用され得る例示的な論理を示す表560、および基礎調整(C)を決定するために使用され得る例示的な論理を示す表570を示す。図5Eは、運動強度582に基づいて、および運動が現在時刻から30~60分以内か(584)もしくは60分を超えるか(586)に基づいて決定される、ボーラス調整を決定するために使用され得る例示的な論理示す表580を示す。
【0051】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、無酸素運動に対する第1の推奨を決定および提供するように構成される。例えば、コンピューティングデバイスは、図6の表600に示される例示的な論理を使用して、推奨を決定および提供することができる。コンピューティングデバイスは、ユーザのグルコース読み取り値602、およびユーザがインスリンポンプを装着しているか(604)もしくは装着していないか(606)に基づいて、推奨を決定することができる。例えば、ユーザのグルコースが151~250mg/dLであり、かつユーザがポンプを装着している場合、コンピューティングデバイスは、ユーザのグルコースが120~150mg/dLになるまで一時的にユーザの基礎レートを20%増やすことを推奨し、そうでない場合、ユーザがポンプを装着していない場合は、コンピューティングデバイスは推奨を提供しない。
【0052】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、有酸素運動と無酸素運動との混合に対する第1の推奨を決定および提供するように構成される。図7A~7Bは、いくつかの実施形態による、有酸素運動と無酸素運動の混合のための第1の推奨を提供するための、例示的なコンピュータ化された方法700を示している。例えば、運動が、運動期間の閾値内(例えば1時間以内に)にスケジュールされる場合、本方法700は、図7Aのステップ702で開始する。ステップ702で、コンピューティングデバイスは、ユーザが運動開始前の3時間以内にボーラスインスリンを服用するかどうかを判定する。いいえの場合、方法はステップ704に進み、そうでない場合、方法はステップ706に進む。ステップ704で、コンピューティングデバイスは、ユーザがインスリンポンプを装着しているかどうかを判定する。はいの場合、方法はステップ708に進み、図7Dと併せて本明細書でさらに説明される、基礎低減(B)の推奨を提供する。いいえの場合、本方法はステップ710に進み、炭水化物摂取の推奨を提供する。
【0053】
ステップ706に戻ると、ユーザがまだボーラス投与を受けていない場合、本方法はステップ712に進み、図7Fと併せてさらに議論されるように、ボーラス低減の推奨を提供する。ユーザがすでにボーラス投与を受けている場合、本方法はステップ714に進み、ユーザがインスリンポンプを装着しているかどうかを判定する。ユーザがインスリンポンプを装着している場合、コンピューティングデバイスは、ステップ716に進み、図7Cと併せてさらに説明される、基礎低減(A)を推奨する。ユーザがインスリンポンプを装着していない場合、本方法はステップ718に進み、炭水化物摂取を推奨する。
【0054】
例えば、運動が、運動期間の閾値内(例えば1時間以内に)にスケジュールされていない場合、方法700は、図7Bのステップ720で開始する。ステップ720で、コンピューティングデバイスは、ユーザが運動開始前の3時間以内にボーラスインスリンを服用するかどうかを判定する。いいえの場合、本方法はステップ722に進み、ユーザがインスリンポンプを装着しているかどうかを判定する。いいえの場合、本方法は第1の推奨を提供しない。そうでない場合、本方法はステップ724に進み、図7Eと併せてさらに議論される、基礎低減(D)を推奨する。ステップ720に戻ると、はいの場合、本方法はステップ726に進み、ユーザがすでにボーラス投与を受けたかどうかを判定する。いいえの場合、本方法はステップ728に進み、ユーザが、ワークアウトの1時間以内に予定されたボーラスを有するかどうかを判定する。いいえの場合、本方法はステップ730に進み、ボーラス低減を推奨する。はいの場合、本方法はステップ732に進み、ボーラス低減を推奨する(例えば図7Fで議論されるように、これは、ワークアウトまでの時間量に応じて変化し得る推奨を示す)。ステップ726に戻って参照すると、ユーザがすでにボーラス投与を受けている場合、ステップ734で、システムは、ユーザがインスリンポンプを装着しているかどうかを判定する。いいえの場合、コンピューティングデバイスは、第1の推奨を提供しない。はいの場合、コンピューティングデバイスは、ステップ736に進み、図7Eと併せてさらに議論される、基礎低減(C)を推奨する。
【0055】
図7Cは、基礎調整(A)の第1の推奨を決定するために使用され得る、例示的な論理を示す表740を示す。基礎調整(A)は、関連する推奨744を提供するためにユーザのグルコース742に基づいて決定される。例えば、ユーザのグルコースが90mg/dL以下の場合、コンピューティングデバイスは、16gのグルコース錠剤を摂取すること、および今から運動継続時間を通して基礎レートを50%減らすことの、第1の推奨を提供する。図7Dは、基礎調整(B)を決定するために使用され得る、例示的な論理を示す表750を示す。基礎調整(B)は、関連する推奨754を提供するためにユーザのグルコース752に基づいて決定される。図7Eは、基礎調整(C)を決定するために使用され得る例示的な論理を示す表760、および基礎調整(D)を決定するために使用され得る例示的な論理を示す表770を示す。図7Fは、運動強度782に基づいて、および運動が30~60分以内離れているか(784)もしくは60分を超えて離れているか(786)に基づいて決定される、ボーラス調整を決定するために使用され得る例示的な論理示す表780を示す。
【0056】
図4に戻ると、ステップ406で、コンピューティングデバイスは、運動のために更新された分析を実施する時間であるかどうかを判定する(例えば、さらなる推奨を表示するかどうかの決定など)。例えば、コンピューティングデバイスは、運動前および/または運動後の特定の期間(運動の1時間前、運動の15分前、運動の15分後、および/または同様の期間)に追加の推奨を提供するかどうかを決定するように構成することができる。
【0057】
コンピューティングデバイスは、運動前の時間および/または運動タイプに基づいて、追加の推奨を提供するように構成することができる。例えば、図8Aは、いくつかの実施形態による、有酸素運動の1時間前の炭水化物摂取の推奨を決定および提供するために使用することができる論理を示す例示的な表800を示す。コンピューティングデバイスは、ユーザのグルコースレベル802に基づいて推奨を決定し、対応する推奨804を提供する。例えば、ユーザのグルコースが91~150mg/dLの場合、コンピューティングデバイスは推奨を提供しない(例えば、ユーザのグルコースがワークアウトに向けて順調であるため)。図8Bは、いくつかの実施形態による、無酸素運動の運動の1時間前に推奨を決定および提供するために使用することができる、論理を示す例示的な表810を示す。コンピューティングデバイスは、ユーザのグルコースレベル822、およびユーザがポンプを装着しているか(814)もしくはポンプを装着していないか(816)に基づいて、推奨を決定する。例えば、ユーザのグルコースが151~250mg/dLの間であり、かつユーザがポンプを装着している場合、コンピューティングデバイスは、グルコースが120~150mg/dLになるまで、ユーザが一時的に基礎レートを20%増やすことを推奨する。図8Cは、いくつかの実施形態による、有酸素運動と無酸素運動との混合の1時間前に、炭水化物摂取の推奨を決定および提供するために使用され得る、論理を示す例示的な表820を示す。コンピューティングデバイスは、ユーザのグルコースレベル822に基づいて推奨を決定し、対応する推奨824を提供する。例えば、ユーザのグルコースが90mg/dL未満の場合、コンピューティングは、ユーザに対して直ちに16gの炭水化物を摂取することを推奨する。
【0058】
いくつかの実施形態では、システムは、運動の15分前など、さらなる状況確認および潜在的な新規の推奨を提供するように構成されることができる。本明細書で議論されるように、推奨は、運動タイプおよび/または他の要因に依存する場合がある。図9A図9Dは、いくつかの実施形態による、有酸素運動のためのワークアウトの前の15分の状況確認の例を提供する。図9A図9Dの各々は、有酸素運動のためのワークアウトの前15分の状況確認を実施するための、異なる例示的な論理を表す。場合によっては、システムは、患者または治療の特性に応じて、図9A図9Dのうちの1つによって描かれる論理スキームのうちの1つを選択することができる。係る特性として、ユーザがインスリンポンプを装着しているかどうか、運動に至るまでにユーザがボーラス用量を減らしてもしくは彼/彼女の基礎レートを減らして投与したか、および/または運動に至るまでに食物または炭水化物を摂取したかどうか、が挙げられ得る(が、これらに限定されない)。システムは、本明細書で議論される技術に従って、運動に至るまでの患者および/または彼/彼女の治療についての以前の決定に基づいて、適用する論理スキームの選択を行うことができる。例えば、システムは、患者に第1の推奨を提供するときに、図5A図5Bに描かれ説明されたステップ間に行われた決定に基づいて、選択を行うことができる。図10は、いくつかの実施形態による、無酸素運動のためのワークアウトの前の15分の状況確認の例を提供する。
【0059】
図11A図11Cは、いくつかの実施形態による、有酸素運動と無酸素運動の混合運動のためのワークアウト前の15分の状況確認の例を提供する。図9A図9Dと同様に、図11A図11Cは、有酸素運動と無酸素運動との混合のためのワークアウト前に15分の状況確認を実施するための、異なる例示的な論理を表す。システムはまた、前述の患者または治療特性に応じて、図11A図11Cのうちの1つによって描かれる論理スキームのうちの1つを選択することができる。例えば、システムは、患者に第1の推奨を提供するときに、図7A図7Bに描かれ説明されたステップ間に行われた、患者および/または彼/彼女の治療に関する決定に基づいて、選択を行うことができる。
【0060】
図9A図9Dを参照すると、図9Aは、ユーザのグルコースレベル902、ならびに運動が軽度(904)、中強度(906)または高強度(908)であるかどうかに基づいて推奨を決定するために使用され得る、例示的な論理を示す表900を示す。表900によって表される論理は、例えば、本明細書で議論される技術による、以前の決定に基づいて到達される場合がある。例えば、論理は、図5Aのステップ516、518および510から到達される場合がある(したがって、方法500に図5Aのこれらのステップを実施させるであろう結果となる論理である)。
【0061】
図9Bは、ユーザのグルコースレベル912、ならびに運動が軽度(914)、中強度(916)または高強度(918)であるかどうかに基づいて推奨を決定するために使用され得る、例示的な論理を示す表910を示す。表910によって表される論理は、例えば、本明細書で議論される技術による、以前の決定に基づいて到達される場合がある。例えば、本論理は、図5Bのステップ536から到達される場合がある。
【0062】
図9Cは、ユーザのグルコースレベル922に基づいて推奨924を決定するために使用され得る、例示的な論理を示す表920を示す。表920によって表される論理は、例えば、本明細書で議論される技術による、以前の決定に基づいて到達される場合がある。例えば、本論理は、図5A図5Bのステップ508、512、524、530、532、および/またはステップ522の「いいえ」から到達される場合がある。
【0063】
図9Dは、ユーザのグルコースレベル932、ならびに運動が軽度(934)、中強度(936)または高強度(938)であるかどうかに基づいて推奨を決定するために使用され得る、例示的な論理を示す表930を示す。表930によって表される論理は、例えば、本明細書で議論される技術による、以前の決定に基づいて到達される場合がある。例えば、論理は、図5Bのステップ534の「いいえ」から到達される場合がある。
【0064】
図10を参照すると、ユーザのグルコースレベル1002、ならびにユーザがポンプを装着しているか(1004)またはポンプを装着していないか(1006)に基づいて推奨を決定するために使用され得る、例示的な論理を示す表1000が示されている。
【0065】
図11A図11Cを参照すると、図11Aは、ユーザのグルコースレベル1102に基づいて推奨1104を決定するために使用され得る、例示的な論理を示す表1100を示し、図11Bは、ユーザのグルコースレベル1112に基づいて推奨1114を決定するために使用され得る、例示的な論理を示す表1110を示す。図11Cは、ユーザのグルコースレベル1122に基づいて推奨1124を決定するために使用され得る、例示的な論理を示す表1120を示す。表1100、1110および1120によって表される論理は、例えば、本明細書で議論される技術による、以前の決定に基づいて到達される場合がある。例えば、表1100は、図7A図7Bのステップ710、716、またはステップ722の「いいえ」から到達される場合があり、表1110は、図7A図7Bのステップ718、またはステップ734の「いいえ」から到達される場合があり、表1120は、図7A図7Bのステップ708、712、724、730、732または736から到達される場合がある。
【0066】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるように、コンピューティングデバイスは、運動後15分などの、運動後のさらなる状況確認および潜在的な新規の推奨(例えば、有酸素クールダウン)を提供するように構成することができる。例えば、コンピューティングデバイスは、ユーザ(例えば、心拍数)を監視して運動の終了を決定し、ユーザに運動の終了を示すように要求し、および/またはユーザに運動の推定終了時刻を入力するように求めることができる。図12A図12B、および図12Cは、それぞれ、有酸素、無酸素、および混合運動に対するユーザのグルコースレベルに基づいて推奨を提供するために使用され得る論理を示す、例示的な表1200、1210、および1220を示す。
【0067】
いくつかの実施形態では、この運動後の状況確認および潜在的な推奨は、プッシュ通知の形態でユーザに提供することができる。例えば、ユーザが一日の間にアクティブであった場合(例えば、運動セッションを完了したとき、または最小の強度または継続期間閾値を満たす運動セッションを完了したときに)、ユーザはアクティブであったために何らかの調整が必要な場合があるため、ユーザはプッシュ通知を提供されることができる。場合によっては、このプッシュ通知は、運動セッション後に睡眠中に低血糖を回避するための推奨をユーザに提供してもよい。このプッシュ通知は、ユーザのスマートフォン画面にメッセージまたはダイアログボックスとして表示されてもよく、運動セッション後の指定された時間間隔で(例えば、運動セッションの直後、または15分、30分、もしくは運動セッションの1時間後)、または指定された時刻に(例えば、ユーザが睡眠の準備をしていると予想される午後9時に)、ユーザに提供されてもよい。いくつかの実施形態では、プッシュ通知は、摂取する炭水化物の量、投薬の推奨(例えば、インスリンをカットするため)、および/または同様の、ユーザ用に調整した推奨を提供することができる。別の例として、プッシュ通知は、運動セッション後にユーザのインスリン感受性が増加する可能性があることをユーザに通知し得、その結果、ユーザが運動しなかった他の日と比較して、ユーザに必要なインスリンがより少なくなる可能性がある。別の例として、ユーザがCGMを装着している場合、プッシュ通知では、CGMアラームを調整して感度を上げ、運動後または夜間の低血糖の場合にアラームが確実にトリガされるようにすることを推奨する場合がある。これは、例えば、ユーザにグルコースレベルの閾値(CGMは、この閾値で低血糖エピソードの可能性をユーザに警告する)を上げることを推奨することによって行うことができる。別の例として、ユーザがフィンガースティックを使用している場合、プッシュ通知は、ユーザが運動セッション後の深夜に血中グルコース測定を行うようにアラームを設定することを推奨してもよい。さらに別の例として、プッシュ通知は、ユーザが就寝前にタンパク質および/または脂肪を摂取すること(例えば、就寝前に一杯のミルクを飲むこと)を推奨して、ユーザが就寝中の低血糖エピソードの可能性を軽減または低減することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、ユーザは、可視的ディスプレイにより、状況確認プロセスを通したユーザへの指導を提示されることができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、ユーザが(例えばスケジュールされたグルコース測定値の)入力データを提供するように促される1つ以上の時刻の各々を示す可視的インジケータ、および将来の運動開始時刻を示す別個の可視的インジケータを含む、可視的タイムラインを提示され得る。例えば、タイムラインは、ユーザが第1の予定されたグルコース値を提供するように促される時刻(例えば運動から1時間)を示す可視的インジケータ、ユーザが別の予定されたグルコース値を提供するように促される第2の時刻(例えば運動から15分)示す可視的インジケータ、運動開始時刻を示す可視的インジケータ、およびユーザが運動後のグルコース値を提供するように促される時刻(例えば運動後15分)を示す可視的インジケータを含むことができる。
【0069】
さらに図3A図3Iを参照すると、図3Fは、コンピューティングデバイスの第1の推奨を示すディスプレイ350を含む。この例では、患者のグルコースは目標を達成しているため、患者はいかなる動作も行う必要はない。例えば、患者のグルコースが高かったかまたは低かった場合、コンピューティングデバイスは、本明細書で議論されるように、患者のボーラスまたは基礎レートを調整することを推奨することができる。ディスプレイ350は、「タイムラインを表示」ボタン352を含み、これが選択されると、ユーザを図3Gのディスプレイ360に導き、これは、本明細書で説明されるように、運動セッションに至る状況確認イベントのタイムライン362、セッション自体(タイムライン曲線の強調部分で示されているように)、およびセッション後の状況確認インイベントを示すことができる。ユーザは、スケジュールされた運動に至るまでの、終日にわたって行われるすべてのイベントを確認できる。この例では、運動セッションは約30分しか離れていない(携帯電話の時刻が午後1時32分で、運動は午後2時にスケジュールされている)ため、状況確認364は、366で示される運動開始の15分前の1回のみである。運動セッションが、1時間以上離れているなどさらに離れている場合は、(例えば図13Aに関して説明されるような)運動開始の1時間前にタイムラインに示される別の状況確認などの、追加の状況確認が行われる場合もある。ユーザはタイムライン上の各記号をタッチして、ディスプレイの下部に詳細を表示できる。例えば、状況確認364にタッチすると、活動を開始する前に実施する必要があるのは、午後1時45分のグルコース状況確認であることを示す。
【0070】
図3Hは、ユーザが運動セッション記号366にタッチしたときにディスプレイ360がどのように変化するかを示すディスプレイ370を示し、ここでは、午後2時に開始され午後2時45分に終了するようスケジュールされた活動(ここでもタイムライン曲線の強調部分によって示される)、およびユーザが運動のために125~160mg/dLの目標グルコース値を有することを示す。図3Iは、ユーザが運動後の状況確認アイコン382を選択したときにディスプレイがどのように更新されるかを示すディスプレイ380を示し、これにより、ディスプレイは、午後3時に予定されている活動後フィードバックを示す。
【0071】
図13A図13Dは、いくつかの実施形態による、1時間より多く離れているジョギング運動を計画するための、別の例示的な一連のディスプレイを示す。図13Aは、1時間の状況確認アイコン1304、15分の状況確認アイコン1306、および運動アイコン1308を含むタイムライン1302を備えたディスプレイ1300を示している。ディスプレイ1300において、1時間の状況確認アイコン1304が選択されているため、ディスプレイは、画面の下部に、運動から1時間後にグルコース状況確認が必要であることを要約している。図13Bは、15分の状況確認アイコン1306が選択されたときのディスプレイ1310を示し、テキストは、運動から15分にグルコース状況確認が必要であることを示すように更新される。図13Cは、スケジュールされた活動に対して運動アイコン1308が選択されたときのディスプレイ1320を示す。図13Dは、運動後アイコン1332が選択されたときのディスプレイ1330を示し、ここでは、ディスプレイを更新して、その時点でワークアウト後の状況確認が予定されていることを示す。
【0072】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される技術は、カスタマイズのために医学的および/または生理学的データを追跡し続けるため、ユーザにさらなる推奨を提供するためなど、運動中に患者を監視することを提供する。図14は、いくつかの実施形態による、運動中にユーザを監視するための例示的なコンピュータ化された方法1400を示している。ステップ1402で、コンピューティングデバイスは、運動に関する入力データを受信する。ステップ1404で、コンピューティングデバイスは、入力データに基づいて、1つ以上の推奨を決定する。ステップ1406で、コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスのディスプレイを介して、1つ以上の推奨を表示する。
【0073】
ステップ1402を参照すると、入力データは、患者によって行われている運動を示すデータ、運動を行っている間の患者の1つ以上の現在のグルコース値、心拍数データ、ならびに/または患者および/もしくは運動に関する他の情報を含むことができる。本明細書で説明されるように、データは、患者によって手動で入力されてもよく、別のデバイスから(例えば、CGMから、またはウェアラブルセンサから送信されて)受信されてもよく、および/または同様であってもよい。
【0074】
ステップ1404を参照して、コンピューティングデバイスは、入力データに基づいて、1つ以上の推奨を決定する。これらの推奨は、ステップ1406でユーザに表示される。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、ユーザのグルコースレベルが理想的なグルコース範囲外にあるときを認識し、または運動中のユーザのグルコース値の傾向を導き出し、それに応じて1つ以上の推奨を決定することができる。本技術は、活動全体を通してユーザのグルコースレベルを目標範囲内に維持するように構成することができる。例えば、ユーザが有酸素運動を行っており、ユーザのグルコースレベルが、特定の最小閾値を下回って低下したか、もしくは患者が近い将来に低血糖を経験する可能性があるような低下傾向にあることが観察された場合、コンピューティングデバイスは、ユーザが炭水化物を摂取すること、グルカゴンを投与すること、または無酸素活動を実施してユーザのグルコースレベルを上げることを推奨することができる。別の例として、ユーザが無酸素運動を行っており、ユーザのグルコースレベルが、特定の最大閾値を超えて増加したか、もしくは患者が近い将来に高血糖を経験する可能性があるような上昇傾向にあることが観察された場合、コンピューティングデバイスは、ユーザにインスリンを投与すること、または新規の有酸素運動を実施してユーザのグルコースレベルを下げることを提案することができる。さらなる例として、ユーザが混合活動を行っており、ユーザのグルコースレベルが上昇または低下し始めた場合、コンピューティングデバイスは、それに応じて適切な新規の推奨を行うことができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、本技術は、心拍数データを使用して、ユーザの運動の強度を監視することができる。本技術は、ユーザの心拍数とグルコースレベルの両方を考慮に入れて推奨を決定するように構成することができる。例えば、コンピューティングデバイスは、特定の心拍数レベルに到達するとユーザのグルコース値がどのように低下するかを判定するなど、ユーザの心拍数レベルとユーザのグルコースレベルを相互に関連付けることができる。別の例として、コンピューティングデバイスは、ユーザのピーク心拍数の始まりとグルコース低下との間の時間量を判定することができる。
【0076】
ユーザの心拍数は、活動の性質(例えば、有酸素および/または無酸素活動)と相関させることができ、これを使用して、ユーザのグルコースレベルに関する推論を引き出すことができる。例えば、人がスプリントを行った場合、彼らの心拍数が急速に上昇し、グルコースレベルも上昇する可能性がある。対照的に、ユーザが活動のペースを遅くすると、彼らの心拍数は同様に低下するはずであり、グルコース値も低下する可能性がある。本技術では、ユーザの活動の実施に基づいて、(例えば、ジョギングとスプリントとのミックスを使用してグルコースレベルを維持するために)監視および/または推奨を行うために、心拍数を使用することができる。例えば、毎分120回の心拍数でユーザのグルコースが低下していることをシステムが検出した場合、コンピューティングデバイスは、ユーザの心拍数を上げるために、ユーザがより速いペースまでスピードアップし、それにより無酸素運動を行いユーザのグルコースレベルを上げることを推奨できる。別の例として、システムは、ユーザに、荷重トレーニング運動を行ってユーザの心拍数を上げ、それによってユーザのグルコースレベルを上げるように勧めることができる。したがって、心拍数情報は、活動のタイプ(例えば、有酸素および/または無酸素)を判定してユーザにカスタム推奨を提供するために使用され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、閾値は、ユーザに基づく運動中の推奨のために調整することができる。例えば、低血糖に気付かない(例えば、ユーザが発汗、青ざめなど、低血糖につながる典型的な症状を示さない場合)など、運動にはユーザ固有の問題があり得る。したがって、運動の推奨をトリガするために使用される閾値は、ユーザ毎に変更できる。例えば、低血糖に気付いていないユーザのために、本技術は、潜在的に高い最小グルコース閾値および/またはより短い検出時間ウィンドウを考慮に入れて、低血糖の兆候を検出するように設計されることができる。コンピューティングデバイスを修正してユーザにカスタム推奨を提供することは、図16と併せて以下でさらに議論される。
【0078】
いくつかの実施形態では、本技術は、運動に関するユーザ目標(例えば、体重を減らす、筋肉を構築、および/または同様のもの)などのユーザ選好に基づいて、本明細書で議論される運動計画機能をカスタマイズするように構成される。図15は、いくつかの実施形態による、糖尿病患者の運動計画をカスタマイズするための例示的なコンピュータ化された方法1500を示している。ステップ1502で、コンピューティングデバイスは、運動計画ツールに関連付けられたデフォルト規則セットを格納する。ステップ1504で、コンピューティングデバイスは、運動計画ツールに対するユーザ選好を示す入力データを受信する。ステップ1506で、コンピューティングデバイスは、入力データに基づいて患者の運動計画ツールをカスタマイズするために、デフォルト規則セットを修正することによって、運動計画ツールの態様を修正する。ステップ1508で、コンピューティングデバイスは、運動計画ツールの修正された態様に基づいて、患者の運動計画を生成する。運動計画ツールをカスタマイズすることにより、運動計画は、そうでなければ未修正のデフォルト規則のセットを使用して生成されたであろうものとは異なる場合があるため、ユーザ選好に合わせてカスタマイズされる。
【0079】
ステップ1502を参照すると、デフォルト規則は、糖尿病を有する患者の運動計画を立てるためなど、本明細書に記載される技術の1つ以上の態様を実装するために使用される、1つ以上の規則および/または関連する構成データを含むことができる。
【0080】
ステップ1504を参照すると、ユーザ選好は、運動を行うためのユーザの目標を含み得る。目標の例として、体重を減らすこと、ユーザの体重を維持すること、筋肉を構築すること、筋肉を維持すること、特定のイベント(例えばハーフマラソン、マラソンなど)のためのトレーニング、運動(安全に実施するためにユーザが取り組む必要のある運動など)を実施すること、柔軟性の向上、柔軟性の維持などが挙げられる。ユーザ選好には、特定の運動タイプが他の運動タイプよりも好ましいというユーザからの指示も含まれる場合がある。例えば、ユーザは、有酸素運動の方が無酸素運動より好みであること(またはその逆)、または特定の運動タイプの方が同じカテゴリの別の運動タイプよりも好みであることを示す入力を提供できる(例えば、ウォーキングの有酸素運動の方がエリプティカルトレーニングの有酸素運動よりも好みであるなど)。
【0081】
ステップ1506を参照すると、コンピューティングデバイスは、例えば、運動を計画および/または監視するために使用されるツールの1つ以上の態様を修正することによって、運動計画ツールを監視することができる。例えば、コンピューティングデバイスは、(例えば、ルールおよび/または計画ツールの他の態様、および/または同様のものによって使用される)1つ以上の規則または構成データを監視することができる。修正は、ステップ1508に関連して説明されるように、ユーザに提供される推奨を修正することができる。
【0082】
ステップ1508を参照すると、カスタム運動計画は、カスタマイズされた推奨を含むことができ、これは、運動前、運動中、および/または運動後に提供され得る本明細書で議論される推奨のような、デフォルトの推奨とは異なる。コンピューティングデバイスは、入力データを使用して、運動タイプ、運動時間、グルコースレベル、心拍数、および/または同様の、本明細書で説明されるカスタム運動計画を計画することができる。いくつかの実施形態では、ユーザの所望のカスタマイズを使用して、本明細書で議論される技術のアルゴリズムの全体的な意思決定を制御することができる。例えば、ユーザが運動を使用して体重を減らすことを望んでいる場合、コンピューティングデバイスは、ツールを修正して、ユーザの体重を減らす能力を低下させる可能性のある活動を推奨しないようにすることができる。例えば、低血糖を回避するために炭水化物の摂取を推奨するのではなく、代わりに、アプリケーションは、無酸素運動、混合活動運動を実施すること、運動前または運動中のボーラスインスリン用量を、アプリケーションが他の方法で推奨したであろう量よりもさらに減らすこと、運動前または運動中のユーザの基礎レートを、アプリケーションが他の方法で推奨したであろう量よりもさらに減らすこと、および/または同様の、低血糖を回避するための他の推奨を提案し得る。別の例として、システムは、ユーザ選好に基づいて、他のより好適でない運動の前に好適な運動のセットを提供するために、推奨された運動のセットの元の順序をソートするように構成され得る(一方で、例えば、コンピューティングデバイスは、そうでなければ推奨される運動の元の順序で提供し得る)。好適な運動は、ユーザが以前に表明した好みに基づいて(例えば、ユーザがウェイトリフティングよりもランニングを好むことを示した場合)、ユーザが表明した目標に基づいて(例えば、ユーザが体重を減らすことを試みていると示している場合は、ランニングまたはジョギングが好適な運動として識別され得る)、以前の運動セッションへのユーザのフィードバックに基づいて(例えば、ユーザが水泳中に良い運動セッションを行ったと示した場合は、水泳が好適な運動として識別され得る)、または以前の運動セッション中のユーザのグルコースレベルに基づいて(例えば、ウェイトリフティング中よりもランニング中にユーザのグルコースレベルが理想的な範囲内に一貫して留まることが観察された場合は、ランニングが好適な運動として識別され得、あるいは、1回以上の水泳セッション中にユーザのグルコースレベルが理想的な範囲内に留まることが観察された場合は、水泳が好適な運動として識別され得る)、識別され得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、本技術は、ユーザ固有の治療的態様、生理学的態様などに基づくなど、ユーザ固有の情報に基づいて運動計画機能をカスタマイズすることを含むことができる。例えば、本技術は、ほとんどのユーザに広く適用されるように設計された万能型(one-size-fits-all)の初期推奨セットとして設計された、所定の一般的な推奨のセットおよび/またはガイドラインのセット(例えば、「基礎レートを80%減らす」または「ボーラス用量を50%減らす」など)を含むことができる。時間経過とともに、コンピューティングデバイスは、係る介入に対するユーザの過去のグルコース応答に基づくなど、ユーザに本技術を適応させることができる。例えば、前回ユーザが運動を行う前にインスリン基礎レートまたはボーラス用量を80%削減したときにユーザが高血糖になった場合、コンピューティングデバイスは代わりに、次回の運動セッション時には、インスリンの基礎レートまたはボーラス用量を(例えば70%)減らすことを推奨する場合がある。逆に、前回ユーザが運動を行う前にインスリン基礎レートまたはボーラス用量を80%削減したときにユーザが低血糖になった場合、コンピューティングデバイスは代わりに、次回の運動セッション時には、インスリンの基礎レートまたはボーラス用量を(例えば90%)増やすことを推奨する場合がある。介入に対するユーザの過去のグルコース反応のログを維持することにより、コンピューティングデバイスは、過去の介入に対するユーザの特定のグルコース反応に対する推奨および/またはガイドラインの一般的なセットをカスタマイズすることができる。したがって、いくつかの実施形態では、本技術は、安全なグルコースレベルを有する可能性が高いことに加えて、ユーザが楽しむ可能性が高い活動をユーザが容易に選択できるように設計されることができる。
【0084】
図16は、いくつかの実施形態による、ユーザ固有の情報に基づいて運動計画ツールをカスタマイズするための、例示的なコンピュータ化された方法1600を示している。ステップ1602で、コンピューティングデバイスは、運動計画を立てるための運動計画ツールに関連付けられた、デフォルト規則セットを格納する。ステップ1604で、コンピューティングデバイスは、ユーザのための運動計画セットを計画する。ステップ1606で、各運動計画について、コンピューティングデバイスは、ユーザ固有のデータを示すデータを監視する。ステップ1608で、コンピューティングデバイスは、監視されたデータに基づいて患者の運動計画ツールをカスタマイズするために、デフォルト規則セットを修正することによって、運動計画ツールの態様を修正する。
【0085】
ステップ1604~1606を参照すると、各運動計画について監視されるユーザ固有のデータは、患者の治療的態様、患者の生理学的態様、および/または他のユーザ固有のデータを含むことができる。治療的態様は、ボーラスインスリン用量、基礎レート、および/または同様のものを監視することなど、ユーザの糖尿病治療に関連する1つ以上の態様を監視することを含むことができる。生理学的態様としては、心拍数測定値セット、グルコース測定値セット、食物摂取セット、発汗、ユーザの体温(例えばユーザの皮膚の)、環境温度(例えば運動の場所の)、ユーザの水分補給(例えば、ユーザによって報告された、またはユーザの心拍数に基づく)、ユーザの脳または心臓の活動(例えば、脳波(EEG)または心電図(EKG)などによる)、ユーザの活動または動き(例えば、ユーザの体に装着された加速度計またはジャイロスコープによって測定されたもの)、ユーザが前夜にどれだけよく眠ったか、コルチゾールレベル、ケトンレベル、および/または同様のものを、監視することが挙げられ得る。いくつかの実施形態では、本技術は、ユーザの開始グルコースレベル(例えば、運動開始時)、運動の持続時間、運動の強度(例えば、心拍数情報、運動カテゴリ、運動時間、および/または同様のものに基づく)、ユーザの運動中のグルコースレベル、ユーザの運動終了時の終了グルコースレベル、運動後のユーザフィードバック(例えば、「良い」「悪い」など運動後のユーザの感じ方を理解するためのもの、および/または運動に対するユーザの満足度を示す数値評価、および/または運動中または運動後の彼または彼女のグルコースレベルなど)、および/または同様のものを監視することができる。いくつかの実施形態では、本技術は、ユーザが薬物を服用しているかどうか、ユーザの月経周期フェーズ、ユーザがステロイドを服用しているかどうか(例えば、喘息、他の健康上の理由で)、ユーザが病気かどうか、ユーザがストレスを感じているかどうか、ユーザが身体的損傷に苦しんでいるかどうか、および/または他の健康要因を監視することができる。
【0086】
ステップ1608を参照すると、図15に関連して議論されたように、コンピューティングデバイスは、規則を修正すること、構成データを変更すること、および/または同様のことによって、様々な方法で規則を変更することができる。したがって、次の運動が計画されるとき、運動計画は、ステップ1608で実施される修正に基づいて、患者に合わせてカスタマイズされる。本明細書で議論されるように、運動計画は、ボーラス用量、基礎レート、摂取する炭水化物の量を調整するための推奨、本明細書で議論されるような運動の推奨、および/または本明細書で議論される同様のものなど、様々な推奨を含むことができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、推奨は、運動に至るまで、運動中、および/または運動後の様々なフェーズで得られた情報に基づいてカスタマイズすることができる。例えば、運動の開始に至るまでの期間中(例えば、運動に至るまでの時間)、ユーザは監視され得、および/または推奨を提供され得る。この期間を監視して、運動に至るまでのインスリンおよび/または炭水化物の摂取量を管理する方法に関するユーザへの推奨をカスタマイズして、彼または彼女が目標の理想的な範囲内のグルコースレベルで運動を開始することを確実にすることができる。ユーザは、運動の第1のフェーズ中(例えば、最初の10分、最初の30分などの間)に、監視および/または推奨を提供されることもできる。例えば、一部の運動中にユーザのグルコースレベルが第1のフェーズ中に急速に低下する可能性があるため、その期間を監視および/または使用して、ユーザに推奨を提供することができる。ユーザは、運動の第2のフェーズ中(例えば、最初の10分の後、または最初の30分の後、運動が終了するまで)に監視されることもできる。ユーザのグルコースレベルは、運動のこの第2のフェーズ中に異なる動作を示す可能性があるため、運動の第2のフェーズは、推奨を提供するための別個の規則またはプロセスのセットを使用して監視および/または分析され得る。別の例として、ユーザは、運動後の最初の30分、運動後の40分などのような、運動後の第1の期間について監視され、および/または推奨を提供され得る。例えば、運動後のフェーズにユーザのグルコースレベルが急速に増加する可能性があるため、その期間は監視され得る。さらなる例として、ユーザは、運動後のより長い期間(例えば、運動後8~12時間、または24時間)について監視され、および/または推奨を提供されることができる。例えば、係る、より長い運動後の期間中、ユーザはインスリン感受性が高くなる可能性があるため、ユーザはより少ないインスリンを摂取する必要がある(例えば、基礎調整または炭水化物の摂取に関する推奨を提供され得る)。例えば、運動後の期間については、次のボーラス用量をパーセンテージで削減すること、次の基礎量をパーセンテージで削減すること、夕食後の用量をパーセンテージで削減すること、および/または同様の推奨が提示され得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される運動のデータ、関連する推奨、および/または他の使用データは、本明細書に記載される技術をさらに開発するためにアプリケーションと対話するときに、ユーザから収集することができる。例えば、本明細書に記載される推奨(例えば、運動前の推奨、運動中に提示される推奨、運動後に提示される推奨など)は、本明細書に記載される技術の開始ベースラインとして確立された初期の規則セットに基づくことができる。この初期の規則セットは、予想されるユーザの母集団内の平均的なユーザに適用されると予想されるベースラインの推奨に基づいて決定できるが、これらの初期の規則は、上述したデータを分析することによって、特定のユーザにより適したものにカスタマイズされ得る。上記で議論された期間(例えば、運動に至るまでの期間、運動の第1のフェーズ、運動の第2のフェーズ、運動後の第1の期間、および運動後のより長い期間)の各々からのデータを分析して、特定のユーザへの将来の推奨をより良くカスタマイズすることができる。例えば、ユーザデータは、運動に至るまでに作成された推奨(例えば、基礎推奨、ボーラス推奨、グルコースチェック、炭水化物摂取量など)用に蓄積され得る。システムは、活動データ、グルコース測定値、心拍数などを含むユーザの相互作用のデータベースおよび/またはレポートセット、ならびに人々が運動を行ったときの応答(例えば、ユーザが問題なく運動を実施したか、問題があったかどうかなどに関するもの)を構築することができる。情報を分析して使用することで、現実的な運動データを考慮して本技術をより堅牢にすることができる。
【0089】
特定のユーザ向けにツールをカスタマイズするために、運動計画ツールの態様を修正する様々な方法が可能である。このカスタマイズがどのように行われるかについての、いくつかの非限定的な例を以下に説明する。
【0090】
いくつかの実施形態では、システムは、監視されたユーザ治療または生理学的データに基づいて、他のより好適でない運動の前に好適な運動のセットを提供するために、推奨された運動のセットの元の順序をソートするように構成され得る。例えば、特定のタイプの運動を行ったときに、ユーザのグルコースレベルがより一貫して理想的な範囲内にあることをシステムが観察した場合(おそらく、運動中の治療介入が最小限であるか、まったくない、すなわちインスリンまたはグルカゴンの投与を必要としない場合)、システムは、それらの運動を好適な運動として識別し、それらの好適な運動を優先させるために、推奨される運動セットをソートするように構成することができる。あるいは、システムが、ユーザが特定のタイプの運動を実施している間に良好なグルコースパフォーマンスを示した(すなわち、ユーザのグルコースレベルが理想的な範囲内に留まった)ことを観察した場合、その運動は好適な運動として識別され得る。さらに別の代替手段として、システムが、ユーザが特定のタイプの運動を実施している間にグルコースパフォーマンスが低いことを観察した場合、その運動は好適ではない運動として識別され得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、患者の運動を分類および/またはさらに分類するように構成され得る。例えば、コンピューティングデバイスは、運動の分類の元のセット(例えば、有酸素、無酸素、および/または混合)を格納することができる。コンピューティングデバイスは、運動の下位分類および/または異なる分類など、運動の分類の新しいセットを生成することができる。例えば、コンピューティングデバイスは、ランニングを、デフォルトで有酸素運動として分類するように構成され得る。しかし、数回の運動セッションの後、コンピューティングデバイスは、ユーザの心拍数が有酸素運動の特定の最大閾値を超えて一貫して増加したこと、および/またはユーザのグルコースレベルがランニング中に減少するのではなく増加したことを観察する場合がある。この経験に基づいて、コンピューティングデバイスは、ランニングを無酸素運動として再分類して、特定のユーザの選好またはフィットネスレベルに合わせて運動ツールをカスタマイズすることができる。別の例として、コンピューティングデバイスは、分類のデフォルトセットを、より細かい下位分類に細分するように構成され得る。例えば、運動ツールは、水泳とジョギングの両方がデフォルトで有酸素運動として分類されているが、ユーザのグルコースレベルは、ジョギング中よりも水泳中の方が大幅に低下する傾向があることを観察する場合がある。その結果、運動ツールは、水泳を、ジョギングとは別の下位分類に分類する場合がある。どちらの運動タイプも有酸素運動として分類されたままだが、その後、運動ツールは、ジョギングよりも水泳の方がグルコース値の大幅な減少につながる可能性があるという事実を認識し、考慮に入れる場合がある。このことに応じて、運動ツールは、ジョギングではなく水泳の準備をするときに、インスリン用量を大幅に減らすことを推奨してもよい。同様の再分類、または他のデフォルトの運動カテゴリのより細かい細分化も可能である。
【0092】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、以前の運動セッションにおけるユーザの治療的態様または生理学的態様を示す監視されたデータに基づいて、ボーラス/基礎レートの推奨、および/または炭水化物摂取の推奨を修正することができる。例えば、運動ツールは、特定の状況下で(例えば、特定の計画された運動セッションが与えられ、特定の開始グルコースレベルの下で)、インスリン基礎レートまたはボーラス用量を50%減らすことを推奨するように構成され得る。しかしながら、ツールが、前回ユーザがそのような状況下で基礎レートまたはボーラス用量を50%削減してこのユーザが低血糖になったことを観察した場合、このツールは代わりに、将来の同様の状況下で、基礎レートまたはボーラス用量をさらに(例えば、80%または90%)削減することを推奨し得る。このツールは、将来の同様の状況下で、炭水化物の摂取(またはデフォルトの推奨より多いかまたは少ない炭水化物の摂取)を推奨する場合もある。同様に、ツールが、ユーザが高血糖になったことを観察した場合、このツールは代わりに、将来の同様の状況下で基礎レートまたはボーラス用量をより少なく(例えば、20%)削減することを推奨する場合もある。
【0093】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、以前の運動セッション中に監視されたユーザの心拍数データに基づいて、その推奨をカスタマイズすることができる。例えば、コンピューティングデバイスは、1つ以上の運動セッションの過程で、ユーザの心拍数が特定のレベルを超えるときに(例えば、無酸素運動の場合)、ユーザのグルコースレベルが増加すること、またはユーザの心拍数が特定の範囲内にあるときに(例えば、有酸素運動の場合)、ユーザのグルコースレベルが減少することを観察し得る。これらの観察された心拍数レベルおよび/または心拍数範囲に基づいて、コンピューティングデバイスは、ユーザの心拍数に基づいて、特定の運動に対するユーザのグルコース応答を予測するように構成され得る。そして、これらの予測に基づいて、コンピューティングデバイスは、任意の実際のグルコース応答がグルコースセンサ(例えばCGM)から観察される前に、インスリンのボーラス用量の投与、ある量の炭水化物の摂取、および/またはこの予測されたグルコース応答に基づいて修正された運動の、少なくとも1つを推奨するように構成され得る。これにより、運動によるグルコースレベルの潜在的な変動に対するコンピューティングデバイスの応答時間を改善できる。
【0094】
さらに他の実施形態では、コンピューティングデバイスは、運動後の状況確認をカスタマイズするか、または運動後のユーザの治療的もしくは生理学的データに基づいて通知をプッシュすることができる。例えば、コンピューティングデバイスは、運動後にインスリンの基礎用量またはボーラス用量を、特定の量(例えば50%)減らすように患者に指示するように構成され得る。この量は、予想されるユーザの母集団内の平均的なユーザに一般的に適用される、デフォルトのガイドラインに基づいていてもよい。しかしながら、コンピューティングデバイスは、1回以上の運動セッションの後に、運動セッション後の数時間のユーザのグルコースレベルの観察に基づいて、ユーザが運動後のインスリンをより多くまたはより少なく減らしたことによる利益を得るであろうことを観察し得る。したがって、コンピューティングデバイスは、ユーザの観察された治療的または生理学的態様に基づいて、運動後の推奨を調整するように構成され得る。
【0095】
図17に、本明細書に開示される技術および実施形態の態様のうちのいずれかを実施するために使用され得る、コンピュータシステム1700の例示的な実装が示されている。コンピュータシステム1700は、1つ以上のプロセッサ1710および1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ1720および1つ以上の不揮発性記憶媒体1730)、ならびにディスプレイ1740を含み得る。本明細書に記載される本発明の態様はこの点に関して限定されないため、プロセッサ1710は、任意の適切な方法で、メモリ1720および不揮発性記憶デバイス1730へのデータの書き込みおよび不揮発性記憶デバイス1730からのデータの読み取りを制御することができる。本明細書に記載される機能および/または技術を実施するために、プロセッサ1710は、プロセッサ1710によって実行するための命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体として機能し得る、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ1720、記憶媒体など)に格納された1つ以上の命令を実行することができる。
【0096】
本明細書に記載の技術に関連して、例えば、糖尿病患者が運動を計画するためのツールを提供するために使用されるコードは、コンピュータシステム1700の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納され得る。プロセッサ1710は、係るコードを実行して、本明細書に記載されるような運動を計画するための任意の技術を提供することができる。本明細書に記載されている他のソフトウェア、プログラム、または命令もまた、コンピュータシステム1700によって格納および実行され得る。コンピュータコードは、本明細書に記載される方法および技術の任意の態様に適用され得ることが理解されよう。例えば、コンピュータコードを適用して、オペレーティングシステムと対話し、従来のオペレーティングシステムプロセスを通じて糖尿病ユーザの運動を計画することができる。
【0097】
本明細書で概説される様々な方法またはプロセスは、様々なオペレーティングシステムまたはプラットフォームのうちのいずれか1つを使用する1つ以上のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとして、コード化され得る。さらに、係るソフトウェアは、多数の適切なプログラミング言語および/またはプログラミングツールもしくはスクリプトツールのいずれかを使用して記述され得、また、仮想マシンまたは適切なフレームワーク上で実行される実行可能機械語コードまたは中間コードとしてコンパイルされ得る。
【0098】
この点で、様々な発明概念は、1つ以上のコンピュータまたは他のプロセッサ上で実行されると本発明の様々な実施形態を実施する、1つ以上のプログラムで符号化された、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、コンピュータメモリ、1つ以上のフロッピーディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイもしくは他の半導体デバイスにおける回路構成、など)として具体化され得る。非一時的コンピュータ可読媒体または複数の媒体は、移動可能であり得、その結果、そこに格納された1つ以上のプログラムは、上記で議論されているような本発明の様々な態様を実装するため任意のコンピュータリソースにロードされ得る。
【0099】
「プログラム」、「ソフトウェア」、および/または「アプリケーション」という用語は、本明細書では、一般的な意味で使用され、上記で議論されているような実施形態の様々な態様を実施するためにコンピュータまたは他のプロセッサをプログラムするために採用される、任意のタイプのコンピュータコードまたはコンピュータ実行可能命令のセットを指す。さらに、一態様によれば、実行されると本発明の方法を実施する1つ以上のコンピュータプログラムは、単一のコンピュータまたはプロセッサ上に存在する必要はないが、本発明の様々な態様を実施するため、異なるコンピュータまたはプロセッサ間でモジュール方式で配布され得ることを理解されたい。
【0100】
コンピュータ実行可能命令は、プログラムモジュールなど、1つ以上のコンピュータまたは他のデバイスによって実行される多くの形式であり得る。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実施したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などが含まれる。典型的には、プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において所望されるように組み合わされ、または分散され得る。
【0101】
また、データ構造は、任意の適切な形式で、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に格納され得る。データ構造には、そのデータ構造内の場所によって関連付けられたフィールドが含まれる場合がある。係る関係は、同様に、フィールド間の関係を伝達する非一時的コンピュータ可読媒体内の場所を備えたフィールドに、記憶域を割り当てることによって達成することができる。ただし、任意の適切なメカニズムを使用して、データ要素間の関係を確立するポインタ、タグ、または他のメカニズムの使用を介することを含む、データ構造のフィールド内の情報間の関係を確立することができる。
【0102】
様々な発明概念は、1つ以上の方法として具体化することができ、その例が提供されている。方法の一部として実施される動作は、任意の適切な方法で順序付けられてもよい。したがって、例示的な実施形態では順次動作として示されているが、いくつかの動作を同時に実行することを含み得る、図示されたものと異なる順序で動作が実行される実施形態が構築され得る。
【0103】
本明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される不定冠詞「a」および「an」は、明確に反すると示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。本明細書の明細書および特許請求の範囲において使用される場合、1つ以上の要素のリストに関連する「少なくとも1つ(at least one)」という句は、要素のリスト内の要素のうちの任意の1つ以上から選択された少なくとも1つを意味すると理解されるべきであり、要素のリスト内に具体的にリストされている各要素およびすべての要素の少なくとも1つを含む必要はなく、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外するものでもない。これにより、「少なくとも1つ」という句が参照する要素のリスト内で具体的に識別される要素以外の要素は、具体的に識別されるこれらの要素に関連するか関連しないかにかかわらず、任意選択的に存在することができる。
【0104】
本明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される「および/または(and/or)」という句は、そのように結合された要素、すなわち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素の「いずれか一方または両方(either or both)」を意味すると理解されるべきである。「および/または」を用いてリストされた複数の要素は、同じ形式で解釈する必要があり、すなわち、そのように結合された要素の「1つ以上(one or more)」である。「および/または」節によって具体的に識別される要素以外の他の要素は、具体的に識別されるこれらの要素に関連するかどうかにかかわらず、任意選択的に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む(comprising)」などの制限のない言語と組み合わせて使用される場合、一実施形態では、Aのみ(任意選択的にB以外の要素を含む)についての言及、別の実施形態では、Bのみ(任意選択的にA以外の要素を含む)についての言及、さらに別の実施形態では、AとBの両方(任意選択的に他の要素を含む)についての言及などであり得る。
【0105】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「または」は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「または」または「および/または」は包括的であると解釈されるものとする。すなわち、複数の要素または要素のリストうちの少なくとも1つだけでなく複数を含むものと解釈され、任意選択的に、追加のリストされていない項目も含むものと解釈されるものとする。「のうちの1つのみ(only one of)」または「のうちの正確に1つ(exactly one of)」、または特許請求の範囲で使用される場合、「からなる(consisting of)」など、反対に明確に示される用語のみが、複数の要素または要素のリストうちの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、「いずれか(either)」、「のうちの1つ(one of)」、「のうちの1つのみ」、または「のうちの正確に1つ」などの排他的な用語が続く場合、排他的選択(すなわち、「一方または他方であるが両方ではない(one or the other but not both)」)を示すと解釈されるべきである。「本質的にからなる(consisting essentially of)」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0106】
請求項においてクレーム要素を変形させるための「第1」、「第2」、「第3」などの序数用語の使用は、それ自体では、いかなる優先順位、先行順、またはあるクレーム要素の別のクレーム要素に対する順序もしくは(ある方法の動作がこの順番で実施される)時間的順序を意味するものではない。係る用語は、特定の名前を有する1つのクレーム要素を、同じ名前を有する別の要素から区別するためのラベルとしてのみ使用される(ただし、序数用語の使用による)。
【0107】
本明細書で使用される語法および専門用語は、説明目的のためであって、限定と見なされるべきではない。「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、およびそれらの変形の使用は、その後にリストされる項目および追加の項目を包含することを意味する。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明してきたが、当業者には、様々な修正および改良が容易に生じるであろう。そのような修正および改良は、本発明の趣旨および範囲内にあることが意図されている。したがって、前述の説明は単なる例示にすぎず、限定を意図するものではない。
【0109】
以下の態様を含むがこれらに限定されない様々な態様が、この開示に記載されている。
【0110】
1.コンピューティングデバイスを使用して、糖尿病患者に1つ以上のタイプの運動を推奨するための方法であって、該方法は、コンピューティングデバイスによって、(i)患者が開始する予定の将来の運動開始時刻、および(ii)患者の現在のグルコース値、を示す入力データを受信することと、コンピューティングデバイスによって、現在の時刻と将来の運動開始時刻との間の時間量を決定することと、コンピューティングデバイスによって、患者の現在のグルコース値および上記時間量に基づいて、1つ以上の推奨される運動タイプを決定することと、コンピューティングデバイスのディスプレイを介して、1つ以上の推奨される運動タイプを表示することと、を含む。
【0111】
2.1つ以上の推奨される運動タイプを表示することは、上記時間量が最小継続時間閾値未満の場合、現在のグルコース値が第1のグルコース閾値未満かどうかを判定することと、現在のグルコース値が第1のグルコース閾値未満の場合、第1の運動カテゴリからの第1の複数の運動タイプを表示することと、現在のグルコース値が第1のグルコース閾値より大きい場合、第2のカテゴリからの第2の複数の運動タイプを表示することと、を含み、第1の複数の運動タイプは第2の複数の運動タイプとは異なる、態様1に記載の方法。
【0112】
3.時間量が最小継続時間閾値未満であるときに、現在のグルコース値が第2のグルコース閾値~第3のグルコース閾値である場合、第3の運動カテゴリからの第3の複数の運動タイプを、ディスプレイを介して表示することをさらに含む、態様2に記載の方法。
【0113】
4.時間量が最小継続時間閾値以上であるときに、第1の運動カテゴリからの第1の複数の運動タイプおよび第2の運動カテゴリからの第2の複数の運動タイプの両方を、ディスプレイを介して表示することをさらに含む、態様2または3に記載の方法。
【0114】
5.時間量が最小継続時間閾値以上であるときに、第1の運動カテゴリからの第1の複数の運動タイプ、第2の運動カテゴリからの第2の複数の運動タイプ、および第3の運動カテゴリからの第3の複数の運動タイプを、ディスプレイを介して表示することをさらに含む、態様3に記載の方法。
【0115】
6.最小継続時間閾値が、1時間である、態様2~5のいずれか1つに記載の方法。
【0116】
7.第1の運動カテゴリが、無酸素運動を含み、第2の運動カテゴリが、有酸素運動を含む、態様2~6のいずれか1つに記載の方法。
【0117】
8.第3の運動カテゴリが、有酸素運動と無酸素運動との混合を含む、態様3~7のいずれか1つに記載の方法。
【0118】
9.第1のグルコース閾値が、130mg/dL~160mg/dLである、態様2~8のいずれか1つに記載の方法。
【0119】
10.第1のグルコース閾値が、140mg/dL~150mg/dLである、態様2~9のいずれか1つに記載の方法。
【0120】
11.第2のグルコース閾値が、80mg/dL~120mg/dLであり、第3のグルコース閾値が、140~180mg/dLである、態様3~10のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
12.第2のグルコース閾値が、95mg/dL~105mg/dLであり、第3のグルコース閾値が、155mg/dL~165mg/dLである、態様3~11のいずれか1つに記載の方法。
【0122】
13.コンピューティングデバイスは、接続されたグルコース測定器および手動ユーザ入力のうちの少なくとも1つから、患者の現在のグルコース値を受信する、態様1~12に記載の方法。
【0123】
14.患者のインシュリンオンボード(IOB)量を示す第2の入力データを受信することをさらに含み、1つ以上の推奨される運動タイプが、第2の入力データに少なくとも部分的に基づいて決定される、態様1~13のいずれか1つに記載の方法。
【0124】
15.命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、該命令が、コンピューティングデバイス上の1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、1つ以上のプロセッサに、態様1~14のいずれか1つに記載の方法を実行させるように動作可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0125】
16.命令を格納するメモリと、態様1~14のいずれか1つに記載の方法を実施するために命令を実行するように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【0126】
17.コンピューティングデバイスを使用して、計画された運動セッションに基づいて、糖尿病を有する患者のための治療に対する調整を推奨するための方法であって、該方法は、コンピューティングデバイスによって、(i)患者が運動を開始することを意図する予定の将来の運動開始時刻、(ii)患者が行うことを意図する予定の運動タイプ、および(iii)患者の初期グルコース値、を示す、入力データを受信することと、コンピューティングデバイスのディスプレイを介して、計画されたインスリンボーラス用量に対する調整および計画されたインスリン基礎レートに対する調整のうちの少なくとも1つを含む、ユーザへの第1の推奨を提示することであって、第1の推奨は、受信された運動タイプおよび受信された初期グルコース値のうちの少なくとも1つに基づく、提示することと、現在時刻が運動開始時刻の第1の期間内にあるときに、コンピューティングデバイスによって、患者の第1の予定されたグルコース値を示す入力を提供するように、ディスプレイを介して、ユーザに促すことと、コンピューティングデバイスによって、患者の第1の予定されたグルコース値を示す入力データを受信することと、コンピューティングデバイスによって、受信された第1の予定されたグルコース値に基づいて、患者に対する第2の推奨を判定することと、ディスプレイを介して、第2の推奨を提示することと、を含む。
【0127】
18.第2の推奨を判定することは、受信された第1の予定されたグルコース値に基づいて、患者が摂取する推奨炭水化物量と、計画されたインスリンボーラス用量に対する調整と、計画されたインスリン基礎レートに対する調整と、計画外のボーラス投与のための新たなインスリンボーラス用量と、のうちの少なくとも1つを判定することを含む、態様17に記載の方法。
【0128】
19.コンピューティングデバイスのオンボードクロックを監視して、現在時刻を判定することをさらに含む、態様17または18に記載の方法。
【0129】
20.現在時刻が運動開始時刻の第2の期間内にあり、第2の期間が第1の期間よりも短いときに、患者の第2の予定されたグルコース値を示す入力を提供するように、ディスプレイを介してユーザに促すことと、コンピューティングデバイスにおいて、患者の第2の予定されたグルコース値を示す入力を受信することと、第2の予定されたグルコース値の受信時に、受信された第2の予定されたグルコース値に基づいて、患者に対する第3の推奨を決定することであって、第3の推奨が、患者が摂取する推奨炭水化物量、計画されたインスリンボーラス用量に対する調整、計画されたインスリン基礎レートに対する調整、および計画外のボーラス投与のための新たなインスリンボーラス用量のうちの少なくとも1つを含む、決定することと、ディスプレイを介して、第3の推奨を患者に提示することと、をさらに含む、態様17~19のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
21.コンピューティングデバイスにおいて、患者が運動を停止する予定の運動終了時刻を示す入力を受信することと、現在時刻が運動終了時刻後の第3の期間以降にある場合、患者の第3の予定されたグルコース値を示す入力を提供するように、ディスプレイを介してユーザに促すことと、コンピューティングデバイスにおいて、患者の第3の予定されたグルコース値を示す入力を受信することと、第3の予定されたグルコース値の受信時に、第3の予定されたグルコース値に基づく患者が摂取する推奨炭水化物量、計画されたインスリンボーラス用量に対する推奨調整、計画されたインスリン基礎レートの推奨調整のうちの少なくとも1つを、ディスプレイを介して提示することと、をさらに含む、態様17~20のいずれか1つに記載の方法。
【0131】
22.第1の期間は1時間であり、第2の期間は15分であり、第3の期間は15分である、態様21に記載の方法。
【0132】
23.ディスプレイを介して、第1の予定されたグルコース値を示す入力を提供するようにユーザが促されるであろう時刻を示す可視的インジケータを含む可視的タイムライン、および将来の運動開始時刻を示す別個の可視的インジケータを提示することをさらに含む、態様17~22のいずれか1つに記載の方法。
【0133】
24.ディスプレイを介して、第1の予定されたグルコース値を示す入力を提供するようにユーザが促されるであろう時刻を示す可視的インジケータと、第2の予定されたグルコース値を示す入力を提供するようにユーザが促されるであろう時刻を示す可視的インジケータと、運動開始時刻を示す可視的インジケータと、第3の予定されたグルコース値を示す入力を提供するようにユーザが促されるであろう時刻を示す可視的インジケータと、を含む可視的タイムラインを提示することをさらに含む、態様21~23のいずれか1つに記載の方法。
【0134】
25.運動セッション後の睡眠中の低血糖を回避するために、ユーザに推奨を提供するプッシュ通知を、運動セッション後にユーザに提供することをさらに含む、態様17~24のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
26.プッシュ通知は、睡眠中のグルコースセンサの低血糖アラームの感度を高めるための推奨、タンパク質および脂肪のうちの少なくとも1つを摂取するための推奨、ならびに運動セッション後のインスリンをより少なく摂取するための推奨のうちの少なくとも1つを含む、態様25に記載の方法。
【0136】
27.第1の予定されたグルコース値の受信時に、患者が運動を有酸素運動に限定するという、受信された第1の予定されたグルコース値に基づく推奨を、ディスプレイを介して提示することをさらに含む、態様17~26のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
28.第3の予定されたグルコース値の受信時に、患者が有酸素クールダウンを実施するという、受信された第3の予定されたグルコース値に基づく推奨を、ディスプレイを介して提示することをさらに含む、態様21~27のいずれか1つに記載の方法。
【0138】
29.命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、該命令が、コンピューティングデバイス上の1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、1つ以上のプロセッサに、態様17~28のいずれか1つに記載の方法を実行させるように動作可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0139】
30.命令を格納するメモリと、態様17~28のいずれか1つに記載の方法を実施するために命令を実行するように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【0140】
31.コンピューティングデバイスを使用して、糖尿病を有する患者のための運動計画を立てるためのコンピュータ化された運動計画ツールをカスタマイズするための方法であって、該方法は、コンピューティングデバイスによって、糖尿病を有する患者の運動計画を立てるための運動計画ツールに関連付けられた、デフォルト規則セットを格納することと、コンピューティングデバイスによって、運動計画ツールに対するユーザ選好を示す入力データを受信することと、コンピューティングデバイスによって運動計画ツールの態様を修正することであって、入力データに基づいて患者の運動計画ツールをカスタマイズするための、デフォルト規則セットを修正することを含む、修正することと、コンピューティングデバイスによって、運動計画ツールの修正された態様に基づいて患者の運動計画を生成することと、を含み、運動計画は、未修正のデフォルト規則セットを使用して生成されたであろう第2の運動計画とは異なる、方法。
【0141】
32.患者の運動計画を生成することは、(i)患者が運動を開始することを意図する将来の運動開始時刻、(ii)患者が行うことを意図する運動タイプ、および(iii)患者の初期グルコース値のうちの1つ以上を示す第2の入力データと、を受信することであって、ユーザ選好を示す入力データには、(i)、(ii)、または(iii)のいずれも含まれていない、受信することと、受信された第2の入力データおよび運動計画ツールの修正された態様に基づいて運動計画を生成することと、を含む、態様31に記載の方法。
【0142】
33.入力データを受信することは、運動計画のユーザ目標を示すデータを受信することを含む、態様31または32に記載の方法。
【0143】
34.ユーザ目標は、体重を減らす目標、体重を維持する目標、筋肉を付ける目標、筋肉を維持する目標、特定のイベントのために訓練する目標、運動を実施する目標、柔軟性を向上させる目標、柔軟性を維持する目標、またはこれらの何らかの組み合わせ、のうちの1つ以上を含む、態様33に記載の方法。
【0144】
35.修正することは、運動の準備中にカスタマイズされた推奨を提供するためにデフォルト規則セットを修正することを含み、カスタマイズされた推奨がデフォルトの推奨とは異なる、態様31~34のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
36.修正することは、運動の実施中にカスタマイズされた推奨を提供するためにデフォルト規則セットを修正することを含み、カスタマイズされた推奨がデフォルトの推奨とは異なる、態様31~35のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
37.カスタマイズされた推奨を提供することは、運動の実施中に、患者のグルコース値を示す第2の入力データを受信することと、第2の入力データおよび運動計画ツールの修正された態様に基づいて、患者のためにカスタマイズされた推奨を決定することと、コンピューティングデバイスのディスプレイを介して、カスタマイズされた推奨を提示することと、を含む、態様36に記載の方法。
【0147】
38.カスタマイズされた推奨を決定することは、第2の入力データに基づいて患者が低血糖症のリスクにあることを判定することを含み、カスタマイズされた推奨は、運動の修正を含み、デフォルトの推奨は、炭水化物を摂取するための推奨を含む、態様37に記載の方法。
【0148】
39.デフォルトの推奨は、デフォルトのボーラス用量、デフォルトの基礎レート、またはこれらの何らかの組み合わせを含み、カスタマイズされた推奨は、デフォルトのボーラス用量とは異なるカスタマイズされたボーラス用量、デフォルトの基礎レートとは異なるカスタマイズされた基礎レート、またはこれらの何らかの組み合わせを含む、態様37に記載の方法。
【0149】
40.運動計画ツールの修正された態様に基づいて、患者の運動計画を生成することは、推奨される運動セットの元の順序をソートして、ソートされた推奨セットの開始時に好みの運動セットを提供して、推奨される運動セット内の他の運動の前に、好みの運動が患者に提示されるようにすることを含み、未修正のデフォルト規則セットを使用して生成されたであろう第2の運動計画は、推奨される運動セットの元の順序に従って推奨される運動セットを提供することを含む、態様31~39のいずれか1つに記載の方法。
【0150】
41.命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、該命令が、コンピューティングデバイス上の1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、1つ以上のプロセッサに、態様31~40のいずれか1つに記載の方法を実行させるように動作可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0151】
42.命令を格納するメモリと、態様31~40のいずれか1つに記載の方法を実施するために命令を実行するように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【0152】
43.コンピューティングデバイスを使用して、糖尿病を有する患者のための運動計画を立てるためのコンピュータ化された運動計画ツールをカスタマイズするための方法であって、該方法は、コンピューティングデバイスによって、糖尿病を有する患者の運動計画を立てるための運動計画ツールに関連付けられたデフォルト規則セットを格納することと、コンピューティングデバイスによって、運動計画ツールを使用して、患者のための運動計画セットを計画することであって、各運動計画は、運動に関連付けられている、計画することと、コンピューティングデバイスによって、運動計画セット内の各運動計画について、(i)患者の治療的態様、(ii)患者の生理学的態様、またはこれらの両方を示すデータを監視することと、コンピューティングデバイスによって、監視されたデータに基づいて、患者の運動計画ツールをカスタマイズするために、デフォルト規則セットを修正することと、コンピューティングデバイスによって、修正されたデフォルト規則セットに基づいて、患者の新たな運動計画を生成することと、を含み、新たな運動計画は、未修正のデフォルト規則セットを使用して生成されたであろう運動計画とは異なる、方法。
【0153】
44.患者の治療的態様を示す監視データは、インスリン用量セットを示す監視データを含む、態様43に記載の方法。
【0154】
45.患者の生理学的態様を示す監視データは、心拍数測定値のセット、グルコース測定値のセット、活動測定値のセット、食物摂取のセット、またはこれらの何らかの組み合わせを監視することを含む、態様43または44に記載の方法。
【0155】
46.新たな運動計画は、未修正のデフォルト規則セットを使用して生成されたであろう運動計画のボーラス用量とは異なるボーラス用量、および未修正のデフォルト規則セットを使用して生成されたであろう運動計画の基礎レートとは異なる基礎レートのうちの、少なくとも1つを含む、態様43~45のいずれか1つに記載の方法。
【0156】
47.新たな運動計画を生成することは、未修正のデフォルト規則セットを使用して生成されたであろう運動計画によって推奨される炭水化物量とは異なる、患者が摂取する推奨炭水化物量を生成することを含む、態様43~46のいずれか1つに記載の方法。
【0157】
48.新たな運動計画を生成することは、患者の現在の運動中の心拍数に基づいて、患者が現在行っている現在の運動に対する患者のグルコース応答を予測することと、インスリンのボーラス投与、炭水化物量の摂取、および予測されたグルコース応答に基づいた現在の運動とは異なる修正された運動、のうちの少なくとも1つを推奨することと、を含む、態様43~47のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
49.新たな運動計画を生成することは、運動の元の分類セットを格納することと、運動の新たな分類セットを生成することであって、新たな分類セットは元の分類セットよりも多くの分類を含む、生成することと、新たな分類セットに基づいて新たな運動計画を生成することと、を含む、態様43~48のいずれか1つに記載の方法。
【0159】
50.新たな運動計画を生成することは、推奨される運動セットの元の順序をソートして、ソートされた推奨セットの開始時に好みの運動セットを提供して、推奨される運動セット内の他の運動の前に好みの運動が患者に提示されるようにすることを含む、態様43~49のいずれか1つに記載の方法。
【0160】
51.新たな運動計画を生成することは、監視されたデータに基づいて、利用可能な運動のグループから推奨される運動を選択することを含む、態様43~50のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
52.命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、該命令がコンピューティングデバイス上の1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、1つ以上のプロセッサに、態様43~51のいずれか1つに記載の方法を実行させるように動作可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0162】
53.命令を格納するメモリと、態様43~51のいずれか1つに記載の方法を実施するために該命令を実行するように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【0163】
54.コンピューティングデバイスを使用して、運動中に、糖尿病を有する患者に推奨を提供するための方法であって、該方法は、コンピューティングデバイスによって、(i)患者によって行われている運動、および(ii)運動を行っている間の前記患者の現在のグルコース値、を示す入力データを受信することと、コンピューティングデバイスによって、現在のグルコース値に基づいて1つ以上の推奨を決定することと、コンピューティングデバイスのディスプレイを介して、1つ以上の推奨を表示することと、を含む、方法。
【0164】
55.1つ以上の推奨を決定することは、入力データに基づいて、運動が有酸素運動であると判定することと、現在のグルコース値に基づいて、患者のグルコースレベルが最小閾値未満であることを判定することと、1つ以上の無酸素運動を実施するように、患者への推奨を生成することと、を含む、態様54に記載の方法。
【0165】
56.1つ以上の推奨を決定することは、入力データに基づいて、運動が無酸素運動であると判定することと、現在のグルコース値に基づいて、患者のグルコースレベルが最大閾値より大きいことを判定することと、1つ以上の有酸素運動を実施するように、患者への推奨を生成することと、を含む、態様54に記載の方法。
【0166】
57.1つ以上の推奨を決定することは、入力データに基づいて、運動が有酸素運動と無酸素運動との混合であると判定することと、現在のグルコース値に基づいて、以前のグルコース値と比較した患者のグルコースレベルの変化を判定することと、患者のグルコースレベルの判定された変化に基づいて、患者への推奨を生成することと、を含む、態様54に記載の方法。
【0167】
58.命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、該命令が、コンピューティングデバイス上の1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、1つ以上のプロセッサに、態様54~57のいずれか1つに記載の方法を実行させるように動作可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0168】
59.命令を格納するメモリと、態様54~57のいずれか1つに記載の方法を実施するために該命令を実行するように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
図15
図16
図17