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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/02 20060101AFI20230314BHJP
   F01P 11/04 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
B60K11/02
F01P11/04 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020046389
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2021146795
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2021-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】都築 洋久
(72)【発明者】
【氏名】永野 良太
【審査官】西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-123760(JP,A)
【文献】特開2018-069746(JP,A)
【文献】特開2010-174855(JP,A)
【文献】特開2004-255984(JP,A)
【文献】特開2004-137976(JP,A)
【文献】特開2007-125912(JP,A)
【文献】特開2012-201158(JP,A)
【文献】特開2016-032996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 11/00-11/08
B62D 17/00-29/04,49/00
E02F 9/00
F01P 3/18,11/04,11/10
F02M 31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置と、作業機を連結する連結部とを有する走行車体を備え、
前記走行車体は、
前後に延在する左右一対の車体フレームと、
前記車体フレームに搭載され、前記走行装置および前記作業機の駆動源となるエンジンと、
前記車体フレーム上に設けられたベースプレートと、
前記ベースプレート上に設けられた冷却器と、
前記冷却器に接続されて配索されるホースと、
を備え、
前記ベースプレートは、前記ホースを挿通するホース挿通孔を有し、
前記ホースは、
前記ホース挿通孔を通過して前記ベースプレートの下方かつ前記左右一対の車体フレームの間に延伸するとともに、前記左右一対の車体フレームの間を通して配索されて前記エンジン側に向かって配索され
左右の前記車体フレーム間に前記ホースの配索領域を限定するガイド部材が架設された
ことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記ホースは、
前記走行装置を操舵するためのステアリングシリンダと、前記エンジンに設けられたクランクプーリとの間に配索されており、当該ホースと前記クランクプーリとの間にはホースカバーが配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記ガイド部材を、前記エンジンと前記ステアリングシリンダとの間に設け、
前記ホースは、前記ガイド部材と前記ホースカバーとの間に配索されている
ことを特徴とする請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記エンジンの側壁下部に配設され、前記ホースを中継して前記エンジンに接続する中継パイプを備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車両におけるオイルクーラと接続するホースの配索構造として、次のような構成のものが知られている。すなわち、左右の車体フレーム上に設けたベースプレート上にオイルクーラを配設し、このオイルクーラと接続するオイルホースを、ベースプレートの左右いずれか一方に偏在して設けられた孔から下方へ取り出し、フレームの外側に沿って配索したものである(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-174855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車体フレームの外側には、他にもバッテリに接続するメインハーネスやコンデンサに接続するエアコンホースなどが通されているため、配索の束が大きくなって取り回し難くなり、整然と配索することが困難になっている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ホースやハーネスなどの取り回しが容易で、外観を損なうこことのない適切な配索が可能な作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の作業車両は、走行装置(2)、(3)と、作業機を連結する連結部(7)とを有する走行車体(1)を備え、前記走行車体(1)は、前後に延在する左右一対の車体フレーム(13),(13)と、前記車体フレーム(13),(13)に搭載され、前記走行装置(2)、(3)および前記作業機の駆動源となるエンジン(4)と、前記車体フレーム(13),(13)上に設けられたベースプレート(14)と、前記ベースプレート(14)上に設けられた冷却器(15)と、前記冷却器(15)に接続されて配索されるホース(16)と、を備え、前記ベースプレート(14)は、前記ホース(16)を挿通するホース挿通孔(140)を有し、前記ホース(16)は、前記ホース挿通孔(140)を通過して前記ベースプレート(14)の下方かつ前記左右一対の車体フレーム(13)の間に延伸するとともに、前記左右一対の車体フレーム(13)の間を通して配索されて前記エンジン(4)側に向かって配索され、左右の前記車体フレーム(13)間に前記ホース(16)の配索領域を限定するガイド部材(65)が架設されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の作業車両によれば、冷却器と接続するホースの配索を左右の車体フレーム間を通すことができるため、外観を損なうことのない適切な配索が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る作業車両であるトラクタの側面図である。
図2図2は、エンジンルームの前方領域を示す説明図である。
図3図3は、バッテリを取り除いた状態のエンジンルームの前方領域を示す説明図である。
図4図4は、冷却器とエンジンとを接続するホースの配索状態を示す説明図である。
図5図5は、ステアリングシリンダ近傍におけるホースの配索状態を示す説明図である。
図6図6は、エンジンルームを斜め下方から見た説明図である。
図7図7は、一部省略したエンジンルーム内の右側面図である。
図8図8は、エンジンの左側におけるハーネス配索構造の一例を示す説明図である。
図9図9は、ハーネスをガイドするハーネスガイドの説明図である。
図10図10は、EGR装置にカバーを取付けた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本願の開示する作業車両の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
まず、図1を参照して実施形態に係る作業車両であるトラクタの全体構成について説明する。図1は、トラクタの側面図である。
【0011】
トラクタは、圃場などで自走しながら作業を行う農業用トラクタである。また、トラクタは、操縦者(作業者ともいう)が搭乗して圃場内を走行しながら所定の作業を実行することができる。
【0012】
なお、以下において、トラクタの前後方向とは、トラクタの直進方向を指す。そして、トラクタの前進方向とは、トラクタの直進方向において、操縦席8からステアリングハンドル9へ向かう方向へ進むことであり、その反対を後進(後退)方向とする。また、トラクタの前後は、前進方向を基準とする。
【0013】
また、左右方向とは、前後方向に対して水平に直交する方向である。ここでは、前後方向の「前」側へ向けて左右を規定する。すなわち、オペレータが操縦席8に着いて前方を向いた状態で、左手側が「左」、右手側が「右」である。さらに、上下方向とは、前後方向および左右方向に対して直交する方向である。したがって、前後方向、左右方向および上下方向は、互いに3次元で直交する。
【0014】
図1に示すように、トラクタは、駆動装置としての前輪2および後輪3と、作業機を連結する連結部7とを備える走行車体1を備える。また、走行車体1は、エンジン4と、エンジン4を収容するボンネット6と、操縦部を有するキャビン11とを備える。これらは、走行車体1のメインフレームとなる左右一対の車体フレーム13の上に組立てられている。前輪2と後輪3との間には、キャビン11への昇降用のステップ12が配設されている。ボンネット6は、走行車体1の前部において開閉自在に設けられており、閉じた状態でエンジン4を覆う。
【0015】
前輪2は、左右一対であり、走行車体1の前部に位置し、車軸2aに回転自在に連結され、操舵輪として機能する。後輪3は、左右一対であり、走行車体1の後部に位置し、車軸3aに回転自在に連結されている。
【0016】
本実施形態では、前輪2および後輪3が共に駆動輪となる四輪駆動(4WD)の走行装置としているが、後輪3のみを駆動輪とすることもできる。なお、トラクタは、走行装置として、後輪3に代えてクローラ式の履帯を有する構成としてもよい。
【0017】
エンジン4は、トラクタの駆動源であり、ディーゼル機関やガソリン機関などの熱機関である。ボンネット6に覆われたエンジン4から伝達される動力(回転動力)は、図示しないトランスミッション(変速機構)により適宜減速され、前輪2および後輪3や、図示しないPTO(Power Take-off)へ伝達される。
【0018】
また、図1に示すように、キャビン11は、走行車体1の上部に設けられており、内部に設けられた操縦部には、操縦者の座席である操縦席8や、操縦者が操作することで前輪2を操舵可能なステアリングハンドル9などを備える。ステアリングハンドル9は、各種情報を表示する表示部(メータパネル)が上面に設けられたダッシュボード10に立設されている。なお、操縦部には、ステアリングハンドル9の近傍に、図示しない主変速レバー、副変速レバー、前後進レバー、アクセルレバーなどの各種レバー類が設けられる。また、操縦席8の前方下部には、図示しないブレーキペダル、チルトペダル、アクセルペダルやクラッチペダルなどが設けられる。
【0019】
なお、本実施形態に係るトラクタの操縦部は、キャビン11内に設けられているが、キャビン11を備えない解放型であっても構わない。
【0020】
ところで、エンジン4は、排気ガスの一部をエンジン4の吸気側に還元するEGR(Exhaust Gas Recirculation)システム5を備えている。EGRシステム5は、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)低減や燃費向上を図るために設けられている。
【0021】
図2は、エンジンルームの前方領域を示す説明図である。また、図3は、図2からバッテリ61を取り除いた状態のエンジンルームの前方領域を示す説明図である。エンジンルームは、ボンネット6の内部に形成される。
【0022】
図2に示すように、エンジンルームの前方領域には、左右一対の車体フレーム13,13上にベースプレート14が設けられ、このベースプレート14の上に、前方からバッテリ61と、冷却器としての燃料クーラ15と、コンデンサ41およびラジエータ42が配置されている。
【0023】
燃料クーラ15は、エンジン4の燃焼状態を良好にするために軽油などの燃料を冷却するためのものであり、バッテリ61とコンデンサ41との間に配設されている。なお、コンデンサ41は、不図示のエアコンの冷媒を冷却する。ラジエータ42は、エンジン4の冷却水を冷却する。
【0024】
本実施形態では、燃料クーラ15として、機体幅方向に並列に配置された第1燃料クーラ151と第2燃料クーラ152とを備えている。第1燃料クーラ151は、図示しない燃料タンクからエンジン4に燃料を供給する側に設けられ、第2燃料クーラ152は、エンジン4に供給された燃料のうち余剰の燃料が燃料タンクに戻ってくる側に配置されている。
【0025】
エンジンルームの前方領域において、冷却器を上述のレイアウトとしたため、エンジンルーム内の限られたスペースを有効利用することができる。また、燃料クーラ15として、第1燃料クーラ151と第2燃料クーラ152とを備える構成としたため、燃料温度を所望する温度範囲内に維持することができ、所定の燃料温度基準を満足させることができる。
【0026】
なお、コンデンサ41およびラジエータ42のいずれも、第1燃料クーラ151および第2燃料クーラ152同様に、冷却器として機能する熱交換器ではあるが、便宜上、本実施形態における冷却器を燃料クーラ15と規定する。
【0027】
図3に示すように、ベースプレート14におけるバッテリ載置スペースの後方には、ホース挿通孔140が形成されている。すなわち、第1燃料クーラ151および第2燃料クーラ152それぞれに連結されて延伸する複数のホース16を、ホース挿通孔140から挿通してベースプレート14の下方へと延伸させている。そして、かかるホース16を、エンジン4側、すなわち、機体後方へ向けて配索している。こうして、ホース16は、左右の車体フレーム13,13の内側を、外方へはみ出すことなく配索される。
【0028】
このように、燃料クーラ15から延伸するホース16を、ホース挿通孔140を通過させて、高温となるエンジンルームから相対的にエンジンルーム内よりも温度の低い外部へと引き出すことで、燃料クーラ15で冷やされた燃料が無用に昇温することを防止している。また、ホース16が車体フレーム13,13の外側へはみ出すことがないため、外観を損なうこともない。
【0029】
さらに、図4図7を参照しながら、ホース16の配索態様について、より具体的に説明する。図4は、冷却器(燃料クーラ15)とエンジン4とを接続するホース16の配索状態を示す説明図である。図5は、ステアリングシリンダ近傍におけるホース16の配索状態を示す説明図である。また、図6は、エンジンルームを斜め下方から見た説明図、図7は、一部省略したエンジンルーム内の右側面図である。
【0030】
図4に示すように、燃料クーラ15から延伸するホース16は、ホース挿通孔140(図3参照)の下方に位置する補強フレーム130の上方を通り、操舵輪となる前輪2を操舵するためのステアリングシリンダ62と、エンジン4に設けられたクランクプーリ44との間を通過するように配索されている。なお、図4図7において、符号43は、クランクプーリ44の回転により、ベルトを介して回転されるラジエータファンを示す。
【0031】
ホース16とクランクプーリ44との間には、ホースカバー64が配設されている。このホースカバー64は、左右の車体フレーム13,13に取付けられたアクスルブラケット63,63の間に掛け渡されたプレートにより構成され、アクスルブラケット63,63の補強材としても機能する。
【0032】
また、図5および図6に示すように、エンジン4とステアリングシリンダ62との間に位置するように、左右の車体フレーム13,13間に丸棒により形成されたガイド部材65を架設している。そして、ホース16を、かかるガイド部材65とホースカバー64(図4参照)との間を通過するように配索している。
【0033】
かかる構成により、ホース16の配索領域が限定されることになり、ホース16の配索態様を安定させることができる。
【0034】
また、図4および図7に示すように、エンジン4の右側壁下部には、ホース16を中継してエンジン4に接続する中継パイプ45が配設されている。中継パイプ45は、一直線に延伸する第1パイプ451と、略L字状に折曲形成された第2パイプ452とから構成される。
【0035】
図示するように、第1パイプ451および第2パイプ452は、第1パイプ451を上側にして、縦方向に2列に並設されている。
【0036】
本実施形態では、一端(図において左側端)が燃料フィルタ(不図示)を介して燃料タンク(不図示)に接続される第1パイプ451の他端(図において右側端)に、第1燃料クーラ151のIN側に接続したホース16aを接続している。他方、第1パイプ451の下方に配置され、一端(図において左側端)が燃料ポンプ48(図4および図7参照)に接続される第2パイプ452の他端(図において右側端)には、第1燃料クーラ151のOUT側と接続したホース16bを接続している。
【0037】
また、第1パイプ451および第2パイプ452は、アクスルブラケット63の側面に固定されたパイプ支持ブラケット46に取付けられている。かかる構成とすることで、たとえば、フロントローダなどのようなトラクタの前側に取付ける作業機との干渉を防止することができる。
【0038】
このように、中継パイプ45を用いることで、ホース16の長さを短縮することができ、コストダウンを図ることができる。また、第2パイプ452は、同一部品で構成することができ、部品種類の削減を図ることができる。
【0039】
ところで、第1パイプ451および第2パイプ452は、燃料クーラ15と同じ材料で形成することが好ましい。こうすることで、燃料クーラ15とは別に、エンジンルーム外においても燃料の温度を降下させるのに寄与することができる。
【0040】
また、燃料フィルタ(不図示)から燃料ポンプ48(図4および図7参照)の間に接続されるホース16および中継パイプ45は、エンジン4の燃料ポンプ48の吸込口よりも可及的に低位置となるように配置することが望ましい。ホース16等の内部にエア溜まりが生じることを防止し、溜まったエアが噴射ポンプに吸引された際の回転変動を防止することができる。
【0041】
上述したホース16は、エンジン4の右側に配索されているが、エンジン4の左側に配索されるホース類やハーネス類は、アクスルブラケット63に沿わせて配索するとよい。なお、アクスルブラケット63にフロントローダ取付部49,49(図4および図7参照)を設けた場合は、フロントローダ取付部49,49の下方かつ内側に配索するとよい。このよう配索することで、フロントローダの取付時に邪魔になることなく、整然とした配索態様を安定的に維持することができる。
【0042】
なお、上記のホース類やハーネス類を、たとえばフロントローダ取付部の上方に取付けたガイドに沿わせて配索することもできる。この場合、ガイドに沿わせて配索したホース類やハーネス類を覆うカバーを設けることが好ましい。外側から押さえることで、整然と配索することが可能となる。なお、このとき、パワステホース(不図示)は、アクスルブラケット63の側面に設けた穴を通して配索すれば、配索時のふくらみを抑えることができる。
【0043】
図8は、エンジン4の左側におけるハーネス配索構造の一例を示す説明図である。図9は、ハーネスをガイドするハーネスガイドの説明図である。エンジン4の左側におけるハーネス配索構造の一例を示すと、図8および図9に示すように、底面471と左右の側面472とを有し、断面視略U字型とした樋状のホルダ47をアクスルブラケット63に沿わせた状態で取付けている。そして、かかるホルダ47の内側にホース類やハーネス類を配索する。
【0044】
ホルダ47は、図9に示すように、前後に2分割されているため、製作時やアクスルブラケット63に取付ける際の取り扱いが容易となる。なお、かかるホルダ47を用いる配索構造は、図示したようなエンジン4の左側のみならず、右側のホース類やハーネス類に適用することもできる。
【0045】
図10は、EGRシステム5にカバーを取付けた状態を示す説明図である。図1に示したEGRシステム5は、きわめて高温になる。そこで、EGRシステム5をEGRカバー500で覆っている。具体的には、EGRシステム5を構成するEGRバルブ51を覆うバルブカバー510と、EGRクーラ52を覆うクーラカバー520とを、連結プレート530を介して一体的に取付けてEGRカバー500を構成している。
【0046】
かかるEGRカバー500を設けることで、ホース16をはじめとする各種のホース類やハーネス類がEGRバルブ51やEGRクーラ52に直接触れてしまい、熱によって損傷することを防止することができる。また、作業者などが触れてしまって火傷したりすることも防止することができる。
【0047】
上述してきた実施形態により、以下のトラクタが実現する。
【0048】
(1)前輪2および後輪3と、作業機を連結する連結部7とを有する走行車体1を備え、走行車体1は、前後に延在する左右一対の車体フレーム13,13と、車体フレーム13,13に搭載され、前輪2、後輪3および作業機の駆動源となるエンジン4と、車体フレーム13,13上に設けられたベースプレート14と、ベースプレート14上に設けられた燃料クーラ15と、燃料クーラ15に接続されて配索されるホース16とを備え、ベースプレート14は、ホース16を挿通するホース挿通孔140を有し、ホース16は、ホース挿通孔140を通過してベースプレート14の下方に延伸するとともに、エンジン4側に向かって配索されているトラクタ。
【0049】
かかるトラクタによれば、燃料クーラ15と接続したホース16を左右の車体フレーム13,13の間を通して配索できるため、外観を損なうことのない適切な配索を容易に行うことができる。
【0050】
(2)上記(1)において、ホース16は、前輪2を操舵するためのステアリングシリンダ62と、エンジン4に設けられたクランクプーリ44との間に配索されており、当該ホース16とクランクプーリ44との間にはホースカバー64が配設されているトラクタ。
【0051】
かかるトラクタによれば、上記(1)の効果をより高めるとともに、クランクプーリ44の回転からホース16を保護することができ、ホース16の破損を防止することができる。
【0052】
(3)上記(2)において、左右の車体フレーム13,13間に架設されたガイド部材65を、エンジン4とステアリングシリンダ62との間に設け、ホース16は、ガイド部材65とホースカバー64との間に配索されているトラクタ。
【0053】
かかるトラクタによれば、上記(2)の効果をより高めることができるとともに、ホース16をエンジン4の近傍まで適切に配索することができる。
【0054】
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、エンジン4の側壁下部に配設され、ホース16を中継してエンジン4に接続する中継パイプ45を備えるトラクタ。
【0055】
かかるトラクタによれば、上記(1)から(3)のいずれかの効果をより高めるとともに、ホース16の長さを短縮することができ、コストダウンを図ることができる。
【0056】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 走行車体
2 前輪(走行装置)
3 後輪(走行装置)
4 エンジン
13 車体フレーム
14 ベースプレート
15 燃料クーラ(冷却器)
16 ホース
44 クランクプーリ
45 中継パイプ
62 ステアリングシリンダ
64 ホースカバー
65 ガイド部材
140 ホース挿通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10