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特許7244550フラッシュメモリシステム用の改良されたセンスアンプ
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  • 特許-フラッシュメモリシステム用の改良されたセンスアンプ 図1
  • 特許-フラッシュメモリシステム用の改良されたセンスアンプ 図2
  • 特許-フラッシュメモリシステム用の改良されたセンスアンプ 図3A
  • 特許-フラッシュメモリシステム用の改良されたセンスアンプ 図3B
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  • 特許-フラッシュメモリシステム用の改良されたセンスアンプ 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】フラッシュメモリシステム用の改良されたセンスアンプ
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/28 20060101AFI20230314BHJP
   G11C 7/06 20060101ALI20230314BHJP
   G11C 7/12 20060101ALI20230314BHJP
   G11C 7/14 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
G11C16/28
G11C7/06 130
G11C7/12
G11C7/14
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020569844
(86)(22)【出願日】2019-05-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-11
(86)【国際出願番号】 US2019030765
(87)【国際公開番号】W WO2019240892
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】16/117,987
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】201810619270.9
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】キアン、シャオゾウ
(72)【発明者】
【氏名】ユエ、カイ マン
(72)【発明者】
【氏名】ピ、シャオ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ビアン、リ ファン
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0194055(US,A1)
【文献】特表2019-500713(JP,A)
【文献】特開2016-115389(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0020624(US,A1)
【文献】特開2009-211733(JP,A)
【文献】特開2003-157674(JP,A)
【文献】特表2011-522348(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0043886(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/28
G11C 7/06
G11C 7/12
G11C 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラッシュメモリシステムであって、該フラッシュメモリシステムは、
選択されたフラッシュメモリセルと、前記選択されたフラッシュメモリセルに結合された第1のビット線と、第1のコンデンサと、第1のスイッチと、を含む読み出し回路であって、読み出し動作の開始時に、前記第1のスイッチが閉じられ、前記第1のコンデンサが前記第1のビット線を充電し、次いで、前記第1のスイッチが開かれ、前記第1のビット線が前記選択されたフラッシュメモリセルを介して放電する、読み出し回路と、
基準フラッシュメモリセルと、前記基準フラッシュメモリセルに結合された第2のビット線と、第2のコンデンサと、第2のスイッチと、を含む基準回路であって、読み出し動作の開始時に、前記第2のスイッチが閉じられ、前記第2のコンデンサが前記第2のビット線を充電し、次いで、前記第2のスイッチが開かれ、前記第2のビット線が前記基準フラッシュメモリセルを介して放電する、基準回路と、
前記第1のビット線の電圧が、読み出し動作中に前記第2のビット線の電圧よりも前に電圧閾値を下回ったときに、第1の値を出力し、前記第2のビット線の電圧が、読み出し動作中に前記第1のビット線の電圧よりも前に前記電圧閾値を下回ったときに、第2の値を出力するためのタイミング比較回路であって、前記第1の値及び第2の値がそれぞれ、前記選択されたフラッシュメモリセルに記憶された値を示す、タイミング比較回路と、を備える、フラッシュメモリシステム。
【請求項2】
前記第1のコンデンサは可変コンデンサであり、前記第2のコンデンサは可変コンデンサである、請求項1に記載のフラッシュメモリシステム。
【請求項3】
前記タイミング比較回路は、フリップフロップを含む、請求項1に記載のフラッシュメモリシステム。
【請求項4】
前記タイミング比較回路は、フリップフロップを含む、請求項2に記載のフラッシュメモリシステム。
【請求項5】
前記タイミング比較回路は、R-Sラッチを含む、請求項1に記載のフラッシュメモリシステム。
【請求項6】
前記タイミング比較回路は、R-Sラッチを含む、請求項2に記載のフラッシュメモリシステム。
【請求項7】
フラッシュメモリシステムであって、該フラッシュメモリシステムは、
選択されたフラッシュメモリセルと、前記選択されたフラッシュメモリセルに結合された第1のビット線と、第1の可変コンデンサと、第1のスイッチと、を含む読み出し回路であって、読み出し動作の開始時に、前記第1のスイッチが閉じられ、前記第1の可変コンデンサが前記第1のビット線を充電し、次いで、前記第1のスイッチが開かれ、前記第1のビット線が前記選択されたフラッシュメモリセルを介して放電する、読み出し回路と、
基準フラッシュメモリセルと、前記基準フラッシュメモリセルに結合された第2のビット線と、第2の可変コンデンサと、第2のスイッチと、を含む基準回路であって、読み出し動作の開始時に、前記第2のスイッチが閉じられ、前記第2の可変コンデンサが前記第2のビット線を充電し、次いで、前記第2のスイッチが開かれ、前記第2のビット線が前記基準フラッシュメモリセルを介して放電する、基準回路と、
前記第1のビット線の電圧が、読み出し動作中に前記第2のビット線の電圧よりも前に電圧閾値を下回ったときに、第1の値を出力し、前記第2のビット線の電圧が、読み出し動作中に前記第1のビット線の電圧よりも前に前記電圧閾値を下回ったときに、第2の値を出力するためのタイミング比較回路であって、前記第1の値及び第2の値がそれぞれ、前記選択されたフラッシュメモリセルに記憶された値を示す、タイミング比較回路と、
較正プロセス中に、前記第1の可変コンデンサの静電容量及び前記第2の可変コンデンサの静電容量を調整するためのトリムコントローラと、を備える、フラッシュメモリシステム。
【請求項8】
前記トリムコントローラは、前記較正プロセス中に、前記基準回路及び前記読み出し回路の電圧源を調整するように構成されている、請求項7に記載のフラッシュメモリシステム。
【請求項9】
前記タイミング比較回路は、フリップフロップを含む、請求項7に記載のフラッシュメモリシステム。
【請求項10】
前記タイミング比較回路は、フリップフロップを含む、請求項8に記載のフラッシュメモリシステム。
【請求項11】
前記タイミング比較回路は、R-Sラッチを含む、請求項7に記載のフラッシュメモリシステム。
【請求項12】
前記タイミング比較回路は、R-Sラッチを含む、請求項8に記載のフラッシュメモリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、「Improved Sense Amplifier for a Flash Memory System」と題する、2018年6月15日に出願された中国特許出願第201810619270.9号及び2018年8月30日に出願された米国特許出願第16/117,987号に対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
フラッシュメモリシステムで使用するための改良された低電力センスアンプが開示される。
【背景技術】
【0003】
フラッシュメモリシステムは周知である。典型的なフラッシュメモリシステムにおいて、センスアンプは、フラッシュメモリセルからデータを読み出すために使用される。
【0004】
図1は、従来技術のセンスアンプ100を示す。センスアンプ100は、読み出し対象セルである、選択されたフラッシュメモリセル102を含む。センスアンプ100はまた、選択されたフラッシュメモリセル102が比較される基準フラッシュメモリセル122を含む。PMOSトランジスタ104、106、124、及び126、並びにNMOSトランジスタ108、110、112、128、及び130は、図示のように配置される。PMOSトランジスタ104は、CASREF(カラムアドレスセンシング基準)により制御され、PMOS106は、SEN_B(センスアンプイネーブル、アクティブロー)により制御され、NMOSトランジスタ108、112、及び128は、ATD(受信したアドレスの変更を検出する、アドレス遷移検出)によって制御され、NMOSトランジスタ110及び130は、BL(ビット線)をアクティブにするYMUX(Yマルチプレクサ)によって制御される。選択されたフラッシュメモリセル102は、WL(ワード線)及びSL(ソース線)を受信し、基準メモリセル122は、SL(ソース線)を受信する。コンパレータ130は、選択されたフラッシュメモリセル102及び基準メモリセル122によって引き込まれた電流に直接関係する2つの入力を受信し、出力SOUTは、選択されたフラッシュメモリセル102に記憶されたデータ値を直接示す。
【0005】
従来技術のセンスアンプ100の1つの欠点は、メモリセル102及びその関連する回路機構によって一定の電流が引き込まれることであり、それによって著しい電力消費が生じる。加えて、基準メモリセル122とその関連する回路機構は、典型的には、選択されたメモリセル102が位置する読み出しバンクとは別の読み出しバンク内に設けられ、追加のY復号のために大きなダイ面積及びより多くの消費電力を必要とする。また、CASREF信号もノイズに敏感であり、CASREF回路も著しく待機電流を消費する。
【0006】
図2図3A、及び図3Bは、出願人によって以前に設計された改良されたセンスアンプ200を示し、参照により本明細書に組み込まれる、2015年12月31日に出願された「Low Power Sense Amplifier for a Flash Memory System」と題する中国特許出願第201511030454.4号に記載されている。
【0007】
図2を参照して、センスアンプ200は、基準回路280及び読み出し回路290を含む。
【0008】
基準回路280は、基準メモリセル206、NMOSトランジスタ202、204、及び220、PMOSトランジスタ212、基準ビット線208、レベルシフタ214、インバータ218、並びにNORゲート216を含み、すべて図示のように構成される。NMOSトランジスタ202は、ATD(アドレス遷移検出)により制御され、NMOSトランジスタ204はYMUX(Yマルチプレクサ)により制御され、NMOSトランジスタ220はバイアス信号により制御される。NORゲート216は、その入力のうちの1つとしてATDを受信する。
【0009】
読み出し回路290は、選択されたメモリセル236、NMOSトランジスタ232、234、及び250、PMOSトランジスタ242、ビット線238、レベルシフタ244、インバータ248、並びにNORゲート246を含み、すべて図示のように構成される。NMOSトランジスタ232は、ATD(アドレス遷移検出)により制御され、NMOSトランジスタ234はYMUX(Yマルチプレクサ)により制御され、NMOSトランジスタ250はバイアス信号により制御される。NORゲート246は、その入力のうちの1つとしてATDを受信する。このように、基準回路280及び読み出し回路290は、基準回路280が基準メモリセル206を含み、読み出し回路290が選択されたメモリセル236を含む点以外は同一である。
【0010】
動作時に、センスアンプ200は以下のように機能する。読み出し動作に先立ち、バイアス信号はハイであり、インバータ218及び248の出力で電圧をNMOSトランジスタ220及び250を介して接地に引き寄せ、それにより、ROUT及びSOUTがハイになる。読み出し動作の開始時に、ATDはハイになり、メモリシステムで受信されたアドレスの変更の検出を表すが、これは、読み出し動作の開始と同時に発生する。NMOSトランジスタ202及び232は、YMUXによるNMOSトランジスタ204及び234と同時にオンになる。これにより、基準セル206及び選択されたメモリセル236は、電流を引き込むことが可能になる。同時に、基準ビット線208及びビット線238は、充電を開始する。バイアスはまた、読み出し動作の開始時にローになる。この段階で、PMOSトランジスタ212及び242がオフになり、ゲートの電圧はハイになる。
【0011】
次いで、ATDがローになり、NMOSトランジスタ202及び232が遮断される。基準ビット線208は、基準セル206を介して放電を開始する。そのため、基準ビット線208の電圧は低下し、ある時点でPMOSトランジスタ212がオンになる程度の低さ(VREFより下)まで下がる。これにより、ROUTがローに下がる。一方、ビット線238も、選択されたメモリセル236を介して放電される。そのため、ビット線238の電圧は低下し、ある時点でPMOS242トランジスタがオンになる程度の低さ(VREFより下)まで下がる。これにより、SOUTがローに下がる。ROUT/SOUTがローに下がると、それぞれのセンスアンプは、そのバイアス電流を遮断するためのローカルフィードバック(216、218、又は246、248)を有し、それによって消費電力を低減させる。
【0012】
本質的には、基準回路280と読み出し回路290との間に競合状態が存在する。選択されたメモリセル236が基準セル206より多くの電流を引き込む場合(選択されたメモリセル236が値「1」を記憶している場合がこれに当てはまる)、SOUTは、ROUTがローに下がる前にローに下がる。しかし、選択されたメモリセル236が基準セル206より少ない電流を引き込む場合(選択されたメモリセル236が値「0」を記憶している場合がこれに当てはまる)、SOUTは、ROUTがローに下がった後にローに下がる。このように、SOUT及びROUTがローに下がるタイミングは、選択されたメモリセル236に記憶されている値を示す。
【0013】
SOUT及びROUTは、タイミング比較回路260への入力であり、その出力は、選択されたメモリセル236に記憶されている値を示すDOUTとなる。
【0014】
図3Aは、タイミング比較回路260の第1の実施形態を示す。ここで、タイミング比較回路260は、SOUTをD入力とし、ROUTをアクティブロークロックCKとし、DOUTを出力とした、フリップフロップ310を含む。ROUTがSOUTより前にローになると、DOUTは「0」を出力し、選択されたメモリセル236は「0」を記憶していることを示す。ROUTがSOUTよりも後にローになると、DOUTは「1」を出力し、選択されたメモリセル236は「1」を記憶していることを示す。
【0015】
図3Bは、タイミング比較回路260の第2の実施形態を示し、タイミング比較回路260はR-Sラッチを含む。タイミング比較回路260は、図示のように構成されたインバータ320及び322並びにNANDゲート324及び326を含み、SOUT及びROUTを入力とし、DOUTを出力とする。ROUTがSOUTより前にローになると、DOUTは「0」を出力し、選択されたメモリセル236は「0」を記憶していることを示す。ROUTがSOUTよりも後にローになると、DOUTは「1」を出力し、選択されたメモリセル236は「1」を記憶していることを示す。
【0016】
図2図3A、及び図3Bのシステムは、図1の先行技術システムに対する改良であるが、図2図3A及び図3Bのシステムは、基準ビット線208及び選択されたビット線238のプリチャージプロセス中に、依然として、かなりの量の電力を消費する。
【0017】
必要とされるのは、基準ビット線及び選択されたビット線のためのプリチャージプロセス中の電力消費を低減することにより、図1図2図3A及び図3Bのシステムと比較して電力消費を低減する改良されたセンスアンプである。
【発明の概要】
【0018】
フラッシュメモリシステムで使用するための改良された低電力センスアンプが開示される。基準ビット線及び選択されたビット線は、限られた期間の間に限られた電力を消費してプリチャージされる。プリチャージ回路は、プリチャージ動作中の電力消費を更に最適化するために、構成プロセス中にトリミングすることができる。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】フラッシュメモリシステム内の従来技術のセンスアンプを示す。
図2】以前に出願人が開示したフラッシュメモリシステム用の低電力センスアンプの一実施形態を示す。
図3A】センスアンプで使用するためのタイミング回路の一実施形態を示す。
図3B】センスアンプで使用するためのタイミング回路の別の実施形態を示す。
図4】フラッシュメモリシステム用の低電力センスアンプの別の実施形態を示す。
図5図4のセンスアンプのトリミング動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図4は、センスアンプ400を示す。センスアンプ400は、基準回路410及び読み出し回路430を含む。
【0026】
基準回路410は、基準メモリセル411、NMOSトランジスタ412、416、及び419を含む。PMOSトランジスタ418、スイッチ414、ノード415、基準ビット線417、インバータ420、及び可変コンデンサ413は全て、図示のように構成される。NMOSトランジスタ412は、VBによって制御され、NMOSトランジスタ416はYMUX(基準メモリセル411を含むカラムを選択するためのカラムデコーダの一部)によって制御され、NMOSトランジスタ419はバイアスによって制御され、スイッチ414はATD(アドレス遷移検出)によって制御され、PMOSトランジスタ418はノード415によって制御される。
【0027】
読み出し回路430は、選択されたメモリセル431、NMOSトランジスタ432、436、及び439を含む。PMOSトランジスタ438、スイッチ434、ノード435、選択されたビット線437、インバータ440、及び可変コンデンサ433は、すべて図示のように構成される。NMOSトランジスタ432は、VBによって制御され、NMOSトランジスタ436はYMUX(選択されたメモリセル431を含むカラムを選択するためのカラムデコーダの一部)によって制御され、NMOSトランジスタ439はバイアスによって制御され、スイッチ434はATD(アドレス遷移検出)によって制御され、PMOSトランジスタ438はノード435によって制御される。
【0028】
動作時に、センスアンプ400は以下のように機能する。読み出し動作の前に、バイアス信号はハイであり、NMOSトランジスタ419及び439をオンにし、インバータ420及び440の入力を接地に引き寄せ、これによってROUT及びSOUTがハイになる。読み出し動作の開始時に、ATDはハイになり、メモリシステムで受信されたアドレスの変更の検出を表すが、これは、読み出し動作の開始と同時に発生する。ATDがハイになると、スイッチ414及び434が閉じられる。NMOSトランジスタ416及び436は、YMUXによってオンになる。これにより、基準セル411及び選択されたメモリセル431は、電流を引き込むことが可能になる。最初に、可変コンデンサ413及び433は、スイッチ414及び434が閉じられる前に電圧NMOSトランジスタ412及び432によって充電プロセス中に生成された電圧を記憶することになる。スイッチ414及び434が閉じられた後、コンデンサ413及び433の電荷は、それぞれノード415及び435に短期間で共有される。一方、基準セル411は、可変コンデンサ413から電流を引き込み、選択されたセル431は、可変コンデンサ433から電流を引き込む。
【0029】
次いで、ATDがローになり、それによりスイッチ414及び434が開く。ノード415及び基準ビット線417は、基準セル411を介して放電を継続する。これが発生すると、ノード415の電圧が低下し、ある時点で、PMOSトランジスタ418がオンになるように十分に低く(VDDS-Vthp(VDDSはPMOSトランジスタ418及び438に提供される電圧ソース、VthpはPMOSトランジスタ418及び438の閾値電圧)未満に)低下する。これにより、ROUTがローに下がる。一方、ノード435及び選択されたビット線437もまた、選択されたメモリセル431を介して放電している。これが発生すると、ノード435の電圧が低下し、ある時点で、PMOSトランジスタ438がオンになるように十分に低く(VDDS-Vthp未満に)低下する。これにより、SOUTはローに下がる。
【0030】
本質的には、基準回路410と読み出し回路430との間に競合状態が存在する。選択されたメモリセル431が基準セル411より多くの電流を引き込む場合(選択されたメモリセル431が値「1」を記憶している場合がこれに当てはまる)、SOUTは、ROUTがローに下がる前にローに下がる。しかし、選択されたメモリセル431が基準セル411より少ない電流を引き込む場合(選択されたメモリセル431が値「0」を記憶している場合がこれに当てはまる)、SOUTは、ROUTがローに下がった後にローに下がる。このように、SOUT及びROUTがローに下がる相対的タイミングは、選択されたメモリセル431に記憶されている値を示す。
【0031】
SOUT及びROUTは、タイミング比較回路260への入力であり、その出力は、選択されたメモリセル236に記憶されている値を示すDOUTとなる。タイミング比較回路260は、図3A又は図3Bに関して先に説明した構造を含むことができるか、又は別のタイミング回路を含むことができる。
【0032】
図5は、基準回路410及び読み出し回路430の構成フェーズを示す。トリムコントローラ510は、任意選択的に、既知の技術を使用して電圧VDDSを調整することができる。同様に、トリムコントローラ510は、ATDがハイになって、スイッチ414及び434が閉じられるときにノード415及び435に最初に提供される電圧を変化させるために、可変コンデンサ413及び433の静電容量を調整することができる。
【0033】
本明細書における本発明に対する言及は、いかなる特許請求項又は特許請求項の用語の範囲も限定することを意図するものではなく、代わりに特許請求項の1つ以上によって包含されることがある1つ以上の特徴に言及することを意図するにすぎない。上記で説明した材料、プロセス、及び数値の実施例は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲を限定するものとみなされるべきではない。本明細書で使用される、用語「の上方に(over)」及び「に(on)」は共に、「に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されない)及び「の上に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設される)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、用語「隣接する」は、「直接隣接する」(中間の材料、要素、又は間隙が間に配設されない)及び「間接的に隣接する」(中間の材料、要素、又は間隙が間に配設される)を含む。例えば、「基板の上方に」要素を形成することは、中間材料/要素が介在せずに直接基板にその要素を形成することも、1つ以上の中間材料/要素が介在して間接的に基板の上にその要素を形成することも含み得る。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5