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特許7245133表示システム、プログラム、及び、表示機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】表示システム、プログラム、及び、表示機器
(51)【国際特許分類】
   G08C 17/00 20060101AFI20230315BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20230315BHJP
   G04G 21/00 20100101ALI20230315BHJP
【FI】
G08C17/00 Z
G08C15/00 E
G04G21/00 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019143521
(22)【出願日】2019-08-05
(65)【公開番号】P2021026476
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】植村 隆太郎
(72)【発明者】
【氏名】松王 大輔
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-222119(JP,A)
【文献】特開2006-81838(JP,A)
【文献】特開2018-174209(JP,A)
【文献】特開2018-109581(JP,A)
【文献】特開昭58-195296(JP,A)
【文献】特開2016-31382(JP,A)
【文献】特開2013-187737(JP,A)
【文献】特開2013-3882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00-19/48
G01D 21/00-21/02
G06Q 50/06
G05B 23/00
G04G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を検出可能である複数の検出機器と、
前記複数の検出機器と通信可能であり、前記検出機器から前記物理量に関する検出物理量情報を受信し当該受信した前記検出物理量情報を表示可能である表示機器とを備え、
前記表示機器は、予め決められた条件に基づいて、前記複数の検出機器のうち特定の前記検出機器から受信した前記検出物理量情報を選択して表示する物理量表示処理、及び、当該表示機器の操作に応じて、前記予め決められた条件を変更する処理を実行可能であることを特徴とする、
表示システム。
【請求項2】
前記予め決められた条件は、前記表示機器と最後に通信した前記検出機器を前記特定の検出機器とすることであり、
前記表示機器は、当該表示機器と最後に通信した前記検出機器を前記特定の検出機器として前記物理量表示処理を実行する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記予め決められた条件は、前記表示機器に対する操作に応じて指定された前記検出機器を前記特定の検出機器とすることであり、
前記表示機器は、当該表示機器に対する操作に応じて指定された前記検出機器を前記特定の検出機器として前記物理量表示処理を実行する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記表示機器は、前記特定の検出機器において前記物理量を検出することができない期間があった場合、当該期間において、他の前記検出機器から受信した前記検出物理量情報によって補完して前記物理量表示処理を実行する、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項5】
前記予め決められた条件は、予め定められた単位期間ごとに、検出した前記物理量が最も大きかった前記検出機器を前記特定の検出機器とすることであり、
前記表示機器は、前記単位期間ごとに、検出した前記物理量が最も大きかった前記検出機器を前記特定の検出機器として前記物理量表示処理を実行する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項6】
前記複数の検出機器は、指針によって時刻を表示する電子時計を含む、
請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項7】
複数の検出機器から当該検出機器によって検出された物理量に関する検出物理量情報を受信し当該受信した前記検出物理量情報を表示機器の表示部に表示させる物理量表示処理であって、予め決められた条件に基づいて、前記複数の検出機器のうち特定の前記検出機器から受信した前記検出物理量情報を選択して表示する物理量表示処理、及び、
前記表示機器の操作に応じて、前記予め決められた条件を変更する処理、
をコンピュータに実行させることを特徴とする、
プログラム。
【請求項8】
物理量を検出可能である複数の検出機器と通信可能であり、前記検出機器から前記物理量に関する検出物理量情報を受信可能である通信部と、
前記通信部によって受信した前記検出物理量情報を表示可能である表示部と、
予め決められた条件に基づいて、前記複数の検出機器のうち特定の前記検出機器から受信した前記検出物理量情報を選択して表示する物理量表示処理、及び、操作に応じて、前記予め決められた条件を変更する処理を実行可能である処理部とを備えることを特徴とする、
表示機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、プログラム、表示機器、及び、ウェアラブル機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の表示システムとして、例えば、特許文献1には、所定の物理量を測定する複数の測定ユニットと、各測定ユニットにて測定された測定データを所定に処理する測定器本体とを含む測定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-026639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような通信制御システムは、例えば、複数の機器で検出された物理量のより適正な表示の点で更なる改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、検出した物理量を適正に表示することができる表示システム、プログラム、表示機器、及び、ウェアラブル機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る表示システムは、物理量を検出可能である複数の検出機器と、前記複数の検出機器と通信可能であり、前記検出機器から前記物理量に関する検出物理量情報を受信し当該受信した前記検出物理量情報を表示可能である表示機器とを備え、前記表示機器は、予め決められた条件に基づいて、前記複数の検出機器のうち特定の前記検出機器から受信した前記検出物理量情報を選択して表示する物理量表示処理を実行可能であることを特徴とする。
【0007】
また、上記表示システムでは、前記予め決められた条件は、前記表示機器と最後に通信した前記検出機器を前記特定の検出機器とすることであり、前記表示機器は、当該表示機器と最後に通信した前記検出機器を前記特定の検出機器として前記物理量表示処理を実行するものとすることができる。
【0008】
また、上記表示システムでは、前記予め決められた条件は、前記表示機器に対する操作に応じて指定された前記検出機器を前記特定の検出機器とすることであり、前記表示機器は、当該表示機器に対する操作に応じて指定された前記検出機器を前記特定の検出機器として前記物理量表示処理を実行するものとすることができる。
【0009】
また、上記表示システムでは、前記表示機器は、前記特定の検出機器において前記物理量を検出することができない期間があった場合、当該期間において、他の前記検出機器から受信した前記検出物理量情報によって補完して前記物理量表示処理を実行するものとすることができる。
【0010】
また、上記表示システムでは、前記予め決められた条件は、予め定められた単位期間ごとに、検出した前記物理量が最も大きかった前記検出機器を前記特定の検出機器とすることであり、前記表示機器は、前記単位期間ごとに、検出した前記物理量が最も大きかった前記検出機器を前記特定の検出機器として前記物理量表示処理を実行するものとすることができる。
【0011】
また、上記表示システムでは、前記表示機器は、当該表示機器の操作に応じて、前記予め決められた条件を変更する処理を実行可能であるものとすることができる。
【0012】
また、上記表示システムでは、前記複数の検出機器は、指針によって時刻を表示する電子時計を含むものとすることができる。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明に係るプログラムは、複数の検出機器から当該検出機器によって検出された物理量に関する検出物理量情報を受信し当該受信した前記検出物理量情報を表示部に表示させる物理量表示処理であって、予め決められた条件に基づいて、前記複数の検出機器のうち特定の前記検出機器から受信した前記検出物理量情報を選択して表示する物理量表示処理、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明に係る表示機器は、物理量を検出可能である複数の検出機器と通信可能であり、前記検出機器から前記物理量に関する検出物理量情報を受信可能である通信部と、前記通信部によって受信した前記検出物理量情報を表示可能である表示部と、予め決められた条件に基づいて、前記複数の検出機器のうち特定の前記検出機器から受信した前記検出物理量情報を選択して表示する物理量表示処理を実行可能である処理部とを備えることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明に係るウェアラブル機器は、物理量を検出可能である物理量検出部を備えた複数の機器から前記物理量に関する検出物理量情報を受信可能であり、予め決められた条件に基づいて前記複数の機器のうち特定の機器から受信した前記検出物理量情報を選択して表示する物理量表示処理を実行可能である表示機器と通信可能である通信部と、前記物理量検出部とを備え、前記通信部は、前記物理量検出部によって検出された前記物理量に関する前記検出物理量情報を前記表示機器に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る表示システム、プログラム、表示機器、及び、ウェアラブル機器は、表示機器によって、予め決められた条件に基づいて、複数の検出機器のうち特定の検出機器から受信した検出物理量情報を選択して表示する表示処理を実行することができる。この結果、表示システム、プログラム、表示機器、及び、ウェアラブル機器は、検出した物理量を適正に表示することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態に係る表示システムの概略構成を表すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る表示システムが備える検出機器の概略構成を表すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る表示システムが備える表示機器の概略構成を表すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る表示システムの物理量表示処理において表示部に表示される表示画面の一例を表す図である。
図5図5は、実施形態に係る表示システムにおいて物理量表示処理を実行する際に実行される一連の処理の一例を表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0019】
[実施形態]
<表示システムの概要>
図1に示す本実施形態の表示システムSys1は、複数の検出機器10と、表示機器20とを備える。本実施形態の表示システムSys1は、典型的には、複数の検出機器10によって検出された物理量に関する検出物理量情報を、表示機器20において予め決められた条件に基づいて表示させるシステムである。これにより、表示システムSys1は、例えば、検出機器10を所持する人物(以下、「ユーザ」という場合がある。)の活動等に即したより分かり易い表示を実現するものである。
【0020】
本実施形態の表示システムSys1は、複数の検出機器10と表示機器20とが相互に通信可能に構成される。また、本実施形態の表示システムSys1は、複数の検出機器10、表示機器20に加えて、さらに、表示機器20と相互に通信可能な外部機器30を備えるものとして説明する。典型的には、表示機器20は、ネットワークNを介して外部機器30と相互に通信を行う主たる通信端末を構成する。一方、検出機器10は、近距離無線通信を介して表示機器20と相互に通信を行う従たる通信端末を構成する。ネットワークNは、Wi-Fi(登録商標)、4G、5G等を用いた無線通信、通信線を用いた有線通信を問わず任意の通信網によって構成され、表示機器20と外部機器30とを通信可能に接続する。近距離無線通信の方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)、W-LAN、Wi-Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等である。ただし、検出機器10は、近距離無線通信に限らずネットワークNを介して表示機器20、外部機器30と相互に通信可能な構成であってもよい。本実施形態の表示システムSys1は、アプリケーションプログラムが実行され、複数の検出機器10、表示機器20、外部機器30が相互に通信し連携することで、上記のような分かり易い表示を実現する連携システムを構成する。以下、各図を参照して表示システムSys1の各構成について詳細に説明する。
【0021】
<検出機器の基本構成>
検出機器10は、物理量を検出可能な電子機器である。検出機器10は、典型的には、ユーザが携帯可能な電子機器である。検出機器10は、表示機器20と相互に通信し連携することで当該表示機器20と共に様々なサービスを受けることができる。本実施形態の検出機器10は、種々のペアリング操作に応じて、表示機器20と通信可能にペアリングされる。検出機器10は、例えば、スマートフォン、タブレット型PC、ノート型PC、PDA、携帯ゲーム機器等によって構成することができるが、ここでは、表示機器20より小型で、かつ、人体に装着可能なウェアラブル機器によって構成されることが好ましい。ウェアラブル機器としては、例えば、リストバンド型、眼鏡型、指輪型、靴型、ペンダント型等の機器が挙げられる。図1の例では、検出機器10は、腕に装着されるリストバンド型のウェアラブル機器であり時刻を表示する電子時計(腕時計)であるものとして図示している。図1に示す検出機器10は、物理的な指針1(秒針1a、分針1b、時針1c)によって文字板のインデックス(目盛)を指し示すことで時刻を表示するアナログ電子時計(アナログクオーツ時計)である。なお、検出機器10は、これに限らず、時刻をデジタル表示するデジタル電子時計(デジタルクオーツ時計)、アナログ指針表示と共に一部にデジタル表示を含むコンビネーション電子時計(コンビネーションクオーツ時計)等であってもよい。また、表示システムSys1を構成する複数の検出機器10は、電子時計以外の携帯端末機器を含んで構成されてもよい。本実施形態の複数の検出機器10は、典型的には、一人のユーザに紐づいているものであり、表示システムSys1において一人のユーザに紐づいた共通のユーザIDで管理されているものとする。
【0022】
具体的には、検出機器10は、図2に示すように、電源部11と、通信部12と、計時部13と、駆動部14と、操作部15と、検出部16と、出力部17と、記憶部18と、処理部19とを有する。
【0023】
電源部11は、検出機器10の電力源である。電源部11は、リチウムイオン電池等の充放電可能な二次電池11aや電力を発電可能な発電部11bを含んで構成され、検出機器10内の各部に対して電力を供給する。発電部11bは、光起電力効果を利用し光エネルギを電気エネルギに変換することで電力を発電可能なソーラーセル等の発電素子によって構成される。なお、発電部11bは、その他、圧電素子、熱電変換素子、振動発電素子等によって構成されてもよい。
【0024】
通信部12は、検出機器10の外部と通信可能な通信モジュールである。通信部12は、近距離無線通信を介して表示機器20と通信を行う。なお、通信部22は、無線通信、有線通信を問わずネットワークNと通信可能に接続され、当該ネットワークNを介して表示機器20、外部機器30、と通信を行う構成であってもよい。
【0025】
計時部13は、指針1によって表示させる時刻(時計内部時刻)を計時する回路である。計時部13は、例えば、発振器、発振回路、補償回路、分周回路等を含んで構成され、検出機器10の内部での計時の基準となる所定の周波数を有するクロック信号を生成し、当該クロック信号に含まれるパルスをカウントすることで計時する。
【0026】
駆動部14は、指針1を回転駆動する回路である。駆動部14は、電源部11から供給される電力によってモータ(例えば、ステッピングモータ)14aを動作させる。モータ14aが発生させた回転力は、輪列等を介して指針1に伝達され、当該指針1が回転駆動する。モータ14aは、複数の指針1(秒針1a、分針1b、時針1c)に対して個別に設けられてもよいし、いくつかの指針1で兼用されてもよい。
【0027】
操作部15は、検出機器10に対する種々の入力として、外部操作を受け付ける部分である。言い換えれば、操作部15は、ユーザによる操作入力を受け付ける入力部を構成するものである。操作部15は、外装ケースの外周面から突出して設けられるリューズ15a、プッシュボタン15b、15c等によって構成される(図1も参照)。操作部15は、リューズ15aに対する引き出し・回転操作やプッシュボタン15b、15cに対する押下操作に応じて外装ケース内の各部が連動し種々の操作を受け付ける。操作部15は、この他、レジスタリング等を含んで構成されてもよい。また、操作部15は、タッチパネル、音声入力装置等を含んで構成されてもよい。
【0028】
検出部16は、検出機器10において種々の情報を検出する部分である。検出部16は、少なくとも検出機器10において種々の物理量を検出する物理量検出部16aを含んで構成される。本実施形態では、物理量検出部16aによって検出される物理量は、例えば、検出機器10に照射される光の照度(受光量)や紫外線量、検出機器10の内部温度あるいは近傍の温度、電源部11の電源電圧、発電量、電池残量、検出機器10に作用する加速度等やこれらから派生する物理量である。物理量検出部16aは、上記の物理量を検出する種々のセンサ、検出器であり、例えば、照度センサ、温度センサ、電圧/電流センサ、加速度センサ等を含んで構成されてもよい。
【0029】
出力部17は、検出機器10において時刻以外の種々の出力を行う部分である。出力部17は、例えば、表示灯、スピーカ/アラームブザー、バイブレータ等を含んで構成されてもよい。なお、出力部17は、検出機器10がデジタル電子時計、コンビネーション電子時計である場合には、物理的な指針1にかえて、デジタル式で時刻や機能選択を含む画像を表示するディスプレイを含んで構成されてもよい。
【0030】
記憶部18は、検出機器10に内蔵されるROM、RAM、半導体メモリ等の記憶装置である。典型的には、記憶部18は、後述する表示機器20の記憶部26と比較して記憶容量が相対的に小さい。記憶部18は、検出機器10での各種処理に必要な条件や情報、検出機器10で実行する各種アプリケーションプログラム、制御データ等が格納されている。また、記憶部18は、通信部12によって受信された各種情報、計時部13によって計時された計時情報、検出部16によって検出された各種情報、出力部17によって出力される各種情報等を記憶することができる。本実施形態の記憶部18は、少なくとも検出物理量情報を記憶する。検出物理量情報とは、物理量検出部16aによって検出された物理量に関する情報であり、後述するように通信部12を介して表示機器20に送信される情報である。検出物理量情報は、例えば、上述した照度、紫外線量、温度、電源電圧、発電量、電池残量、加速度等の情報を含む。さらに、検出物理量情報は、物理量検出部16aによって検出された物理量から派生する物理量として、物理量検出部16aによって検出された物理量に基づいて算出される各種情報、例えば、加速度に応じて算出される歩数、消費カロリー、活動量等の情報を含んでいてもよい。記憶部18は、処理部19等によってこれらの情報が必要に応じて読み出される。
【0031】
処理部19は、検出機器10の各部と電気的に接続され、検出機器10の各部を統括的に制御するものである。処理部19は、CPU等の中央演算処理装置を含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。処理部19は、検出機器10の各部と通信可能に接続され、各部との間で相互に各種信号を授受可能である。処理部19は、記憶部18に記憶されている各種アプリケーションプログラムを実行し、当該プログラムが動作することにより検出機器10の各部を動作させ各種機能を実現するための種々の処理を実行する。処理部19は、例えば、計時部13によって計時した時刻に基づいて駆動部14によってモータ14aを制御し、指針1を回転させ運針し、計時された時刻を、現在時刻として指針1に表示させる処理を実行する。また、処理部19は、例えば、ユーザが操作部15(リューズ15a、プッシュボタン15b、15c)に対して行った操作内容に応じて各種処理を実行する。また、処理部19は、例えば、物理量検出部16aによって検出された物理量に関する検出物理量情報を、通信部12を介して、表示機器20に送信する処理を実行可能である。つまり、本実施形態の通信部12は、物理量検出部16aによって検出された物理量に関する検出物理量情報を表示機器20に送信可能である。
【0032】
<表示機器の基本構成>
表示機器20は、複数の検出機器10と通信可能であり、検出機器10から物理量に関する検出物理量情報を受信し当該受信した検出物理量情報を表示可能な電子機器である。表示機器20は、典型的には、ユーザが携帯可能な電子機器である。表示機器20は、検出機器10と相互に通信し連携することで当該表示機器20と共に様々なサービスを受けることができる。本実施形態の表示機器20は、種々のペアリング操作に応じて、複数の検出機器10とそれぞれ通信可能にペアリングされる。表示機器20は、例えば、スマートフォン、タブレット型PC、ノート型PC、PDA、携帯ゲーム機器等によって構成することができるがこれに限らず、ユーザによって携帯されない据え付け型の電子機器によって構成されてもよい。図1の例では、表示機器20は、スマートフォンであるものとして図示している。
【0033】
具体的には、表示機器20は、図3に示すように、電源部21と、通信部22と、入力部23と、検出部24と、出力部25と、記憶部26と、処理部27とを有する。
【0034】
電源部21は、表示機器20の電力源である。電源部21は、リチウムイオン電池等の充放電可能な二次電池21a等を含んで構成され、表示機器20内の各部に対して電力を供給する。
【0035】
通信部22は、表示機器20の外部と通信可能な通信モジュールである。通信部22は、無線通信、有線通信を問わずネットワークNと通信可能に接続され、当該ネットワークNを介して外部機器30と通信を行う。また、通信部22は、近距離無線通信を介して検出機器10との通信も行う。通信部22は、典型的には、複数の検出機器10のうちいずれか1つと通信接続されている場合、他の検出機器10とは通信接続できない構成となっている。
【0036】
入力部23は、表示機器20に対する種々の入力を受け付ける部分である。入力部23は、例えば、表示機器20に対する操作入力を受け付けるタッチパネル23a、表示機器20に対する音声入力を受け付ける音声入力装置23b等を含んで構成される。入力部23は、この他、操作ボタン、キーボード、マウスポインタ等の入力装置を含んで構成されてもよい。
【0037】
検出部24は、表示機器20において種々の情報を検出する部分である。検出部24は、例えば、表示機器20において位置を検出する位置検出部24aを含んで構成される。位置検出部24aは、表示機器20の現在位置を測定する測位器である。位置検出部24aは、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される電波を受信するGPS受信器等を用いることができる。位置検出部24aは、GPS衛星から送信される電波を受信し表示機器20の現在位置を表す情報(緯度経度座標等のGPS情報)を取得することで、表示機器20において位置を検出することができる。検出部24は、この他、例えば、表示機器20に作用する加速度を検出する加速度センサ、表示機器20に照射される光の照度を検出する照度センサ、表示機器20近傍の温度を検出する温度センサ、電源部21の電源電圧、電流等を検出する電圧/電流センサ等を含んで構成されてもよい。
【0038】
出力部25は、表示機器20において種々の出力を行う部分である。出力部25は、少なくとも画像を表示する表示部25aを含んで構成される。表示部25aは、例えば、画像を表示する液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置等によって構成される。上述したタッチパネル23aは、この表示部25aの表面に重畳させて設けられている。出力部25は、この他、例えば、表示灯、スピーカ/アラームブザー、バイブレータ等を含んで構成されてもよい。
【0039】
記憶部26は、表示機器20に内蔵されるROM、RAM、半導体メモリ等の記憶装置である。記憶部26は、表示機器20での各種処理に必要な条件や情報、表示機器20で実行する各種アプリケーションプログラム、制御データ等が格納されている。また、記憶部26は、通信部22によって受信された各種情報、入力部23によって入力された各種情報、検出部24によって検出された各種情報(例えば、位置検出部24aによって検出された位置に関する検出位置情報等を含む)、出力部25によって出力される各種情報等を記憶することができる。記憶部26は、処理部27等によってこれらの情報が必要に応じて読み出される。
【0040】
処理部27は、表示機器20の各部と電気的に接続され、表示機器20の各部を統括的に制御するものである。処理部27は、CPU等の中央演算処理装置を含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。処理部27は、表示機器20の各部と通信可能に接続され、各部との間で相互に各種信号を授受可能である。処理部27は、記憶部26に記憶されている各種アプリケーションプログラムを実行し、当該プログラムが動作することにより表示機器20の各部を動作させ各種機能を実現するための種々の処理を実行する。処理部27は、少なくとも表示部25aを制御し画像を表示させる処理を実行可能である。また、処理部27は、例えば、検出機器10、外部機器30等から通信部22を介して各種情報を取得し記憶部26に格納する処理を実行可能である。また、処理部27は、例えば、ユーザが入力部23(タッチパネル23a、音声入力装置23b)に対して行った操作内容に応じて各種処理を実行する。また、処理部27は、例えば、検出機器10から通信部22を介して検出物理量情報を受信する処理を実行可能である。つまり、本実施形態の通信部22は、検出機器10から物理量に関する検出物理量情報を受信可能である。ここでは、本実施形態の通信部22は、物理量を検出可能である複数の検出機器10と個別に通信可能であり、複数の検出機器10それぞれから検出物理量情報を受信可能である。そして、本実施形態の処理部27は、表示部25aを制御し、上記のように通信部22によって受信した検出物理量情報を表示可能である。つまり、本実施形態の表示部25aは、上記のように通信部22によって受信した検出物理量情報を表示可能である。なお、検出物理量情報の表示については、後で詳細に説明する。
【0041】
<外部機器の基本構成>
外部機器30は、ネットワークN上に実装されるクラウドサービス機器(クラウドサーバ)を構成するものである。外部機器30は、CPU等の中央演算処理装置を含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路、各種記憶装置等を含んで構成される。外部機器30は、既知のPCやワークステーションなどのコンピュータシステムに種々の処理を実現させるプログラムをインストールすることで構成することもできる。外部機器30は、単体の機器によって構成されてもよいし、複数の機器を相互通信可能に組み合わせることで構成されてもよい。また、外部機器30は、表示システムSys1の一部を構成するものとして説明するがこれに限らず、例えば、他のシステムの一部を構成するものによって兼用されてもよい。外部機器30は、表示機器20との間で送受信する情報を記憶し、管理する。また、外部機器30は、表示システムSys1における様々なサービスに必要な種々の情報も記憶し、管理する。外部機器30は、ネットワークN等を介して必要に応じてこれらの情報が読み出される。
【0042】
<表示機器と外部機器との連携>
本実施形態の表示システムSys1においては、表示機器20の処理部27は、検出機器10から受信した検出物理量情報を、通信部22を介して外部機器30に送信し、一旦外部機器30に格納する処理を実行可能である。この場合、本実施形態の外部機器30は、表示機器20から送信された上述の検出物理量情報を記憶し、管理する。そして、処理部27は、外部機器30に格納された検出物理量情報を、通信部22を介して読み出し、ダウンロードし、表示部25aに検出物理量情報を表示させる処理を実行可能である。
【0043】
なお、表示機器20は、上記で説明したように検出機器10から受信した検出物理量情報を一旦外部機器30に記憶させた後、再度読み出して表示することで、当該検出機器10から受信した検出物理量情報を間接的に表示部25aに表示することができる。また、表示機器20は、検出機器10から受信した検出物理量情報を外部機器30には送信せず直接的に表示部25aに表示することもできる。いずれの場合でも、表示機器20は、自身が検出機器10から受信した検出物理量情報を表示させている点では同様である。
【0044】
<物理量表示処理の概要>
上記のように構成される表示システムSys1において、表示機器20の処理部27は、表示部25aを制御して物理量表示処理を実行可能である。ここで、物理量表示処理とは、図4に示すように、表示部25aを制御し、予め決められた条件に基づいて、複数の検出機器10のうち特定の検出機器10から受信した検出物理量情報を選択して表示する処理である。図4は、物理量表示処理によって表示部25aに表示される表示画面100の一例を表している。表示画面100は、処理部27によって物理量表示処理が実行されることで、予め決められた条件に基づいて、複数の検出機器10のうち特定の検出機器10から受信した検出物理量情報を選択して表示部25aに表示させた画面である。図4に例示する表示画面100は、検出物理量情報を表す画像として、特定の検出機器10において検出された1週間分の歩数(物理量)を、1日ごとに棒グラフで表した物理量画像101が表示されている。
【0045】
本実施形態の処理部27は、後述するような予め決められた条件に基づいて、複数の検出機器10から特定の検出機器10を特定する。そして、処理部27は、外部機器30に記憶されている多数の検出物理量情報から当該特定の検出機器10において検出された検出物理量情報を選択し、当該検出物理量情報を、通信部22を介して読み出す。そして、処理部27は、通信部22を介して読み出した特定の検出機器10の検出物理量情報を表示部25aに表示させる。この構成により、表示システムSys1は、例えば、ユーザが同時に複数の検出機器10を携帯していたり、複数の検出機器10を使い回したりするような場合等、種々の使用状態に応じて、ユーザの実際の活動に即した検出物理量情報の表示を実現することができる。以下、複数の検出機器10から特定の検出機器10を特定するために予め決められた条件(特定条件)の具体例を説明する。
【0046】
<特定条件の第1具体例>
第1具体例において、予め決められた特定条件は、表示機器20と最後に通信した検出機器10を特定の検出機器10とすることである。この場合、処理部27は、表示機器20と相互に通信可能な複数の検出機器10から、この特定条件に従って、表示機器20と最後に通信した検出機器10を特定の検出機器10とする。そして、処理部27は、当該表示機器20と最後に通信した検出機器10を特定の検出機器10として物理量表示処理を実行する。すなわち、処理部27は、外部機器30に記憶されている多数の検出物理量情報から、当該表示機器20と最後に通信した特定の検出機器10において検出された検出物理量情報を選択し、当該検出物理量情報を、通信部22を介して読み出す。そして、処理部27は、読み出した特定の検出機器10の検出物理量情報を表示部25aに表示させる。
【0047】
これにより、表示システムSys1は、例えば、ユーザが同時に複数の検出機器10を携帯していたような場合に、表示機器20と最後に通信した特定の検出機器10によって検出された物理量の検出物理量情報のみを表示部25aに表示することができる。この結果、表示システムSys1は、例えば、複数の検出機器10で検出された物理量が合算された状態で検出物理量情報として表示されてしまうことを防止することができ、ユーザの実際の活動に即した検出物理量情報の表示を実現することができる。例えば、表示システムSys1は、一人のユーザが携帯する2つの検出機器10によってそれぞれ歩数(物理量)として「1000歩」を検出した場合に、これらが重複されて「2000歩」として表示されてしまうことを抑制することができる。
【0048】
<特定条件の第1具体例の変形例>
なお、処理部27は、上記のような特定の検出機器10において物理量を検出することができない期間があった場合、当該期間において、他の検出機器10から受信した検出物理量情報によって補完して物理量表示処理を実行するようにしてもよい。検出機器10において物理量を検出することができない期間は、例えば、検出機器10において電池残量が低下し電力消費を制限するパワーセーブモード、パワーブレークモードや充電警告状態となることで、物理量検出部16aを含む各部の機能が制限された場合等に発生する場合がある。このような場合に、処理部27は、特定の検出機器10において物理量を検出することができなかった期間についての検出物理量情報に限り、他の検出機器10から受信した検出物理量情報によって補完して表示部25aに表示することができる。これにより、表示システムSys1は、例えば、表示機器20と最後に通信した特定の検出機器10において物理量を検出することができなかった期間に、ユーザが携帯していた他の検出機器10において検出された物理量に関する検出物理量情報で補完することができる。この結果、表示システムSys1は、上記のように、複数の検出機器10で検出された物理量が合算された状態で検出物理量情報として表示されてしまうことを防止した上で、検出物理量情報の表示がない期間を極力低減することができる。
【0049】
なお、処理部27は、特定の検出機器10において物理量を検出することができない期間として、上記に加えて、例えば、表示機器20と最後に通信した当該特定の検出機器10がユーザに携帯されていなかったことで物理量を検出することができなかった期間を含めるようにしてもよい。処理部27は、例えば、ユーザが5月1日においては第1の検出機器10を携帯し、5月2日においては第2の検出機器10を携帯していた場合において、表示機器20と最後に通信した検出機器10が第2の検出機器10であった場合、当該第2の検出機器10を特定の検出機器10とする。この場合、処理部27は、5月2日の検出物理量情報については、特定の検出機器10である第2の検出機器10の検出物理量情報を表示部25aに表示させることとなるが、その際、第2の検出機器10では検出されていない5月1日の検出物理量情報については、他の検出機器10である第1の検出機器10の検出物理量情報で補完して表示部25aに表示させるようにしてもよい。この場合であっても、表示システムSys1は、上記のように、複数の検出機器10で検出された物理量が合算された状態で検出物理量情報として表示されてしまうことを防止した上で、検出物理量情報の表示がない期間を極力低減することができる。
【0050】
<特定条件の第2具体例>
第2具体例において、予め決められた特定条件は、表示機器20に対する操作に応じて指定された検出機器10を特定の検出機器10とすることである。この場合、処理部27は、表示機器20と相互に通信可能な複数の検出機器10から、この特定条件に従って、ユーザによる入力部23への操作によって指定された検出機器10を特定の検出機器10とする。そして、処理部27は、当該表示機器20に対する操作に応じて指定された検出機器10を特定の検出機器10として物理量表示処理を実行する。すなわち、処理部27は、外部機器30に記憶されている多数の検出物理量情報から、ユーザによる入力部23への操作によって指定された特定の検出機器10において検出された検出物理量情報を選択し、当該検出物理量情報を、通信部22を介して読み出す。そして、処理部27は、読み出した特定の検出機器10の検出物理量情報を表示部25aに表示させる。
【0051】
これにより、表示システムSys1は、例えば、ユーザが同時に複数の検出機器10を携帯していたような場合に、ユーザによる任意に指定された特定の検出機器10によって検出された物理量の検出物理量情報のみを表示部25aに表示することができる。この結果、表示システムSys1は、第1具体例と同様に、複数の検出機器10で検出された物理量が合算された状態で検出物理量情報として表示されてしまうことを防止することができ、その上で、ユーザが希望する任意の検出物理量情報の表示を実現することができる。
【0052】
<特定条件の第2具体例の変形例>
なお、処理部27は、第2具体例の場合も、第1具体例の場合と同様に、特定の検出機器10において物理量を検出することができない期間があった場合、当該期間において、他の検出機器10から受信した検出物理量情報によって補完して物理量表示処理を実行するようにしてもよい。これにより、表示システムSys1は、例えば、ユーザによる任意に指定された特定の検出機器10において物理量を検出することができなかった期間に、ユーザが携帯していた他の検出機器10において検出された物理量に関する検出物理量情報で補完することができる。この結果、表示システムSys1は、上記のように、複数の検出機器10で検出された物理量が合算された状態で検出物理量情報として表示されてしまうことを防止した上で、検出物理量情報の表示がない期間を極力低減することができる。
【0053】
<特定条件の第3具体例>
第3具体例において、予め決められた条件は、予め定められた単位期間ごとに、検出した物理量が最も大きかった検出機器10を特定の検出機器10とすることである。ここで、予め定められた単位期間は、物理量検出部16aによる物理量のサンプリング周期等に応じて予め定められてもよいし、入力部23等を介してユーザの任意で設定されてもよい。例えば、図4に例示した表示画面100の物理量画像101は、単位期間を「1日」として検出物理量情報を表示した例であるが、これに限らず、単位期間は、例えは、1時間単位や5分単位等であってもよい。この場合、処理部27は、表示機器20と相互に通信可能な複数の検出機器10から、この特定条件に従って、単位期間ごと(図4の例では、例えば1日ごと)に、検出した物理量が最も大きかった検出機器10を特定の検出機器10とする。そして、処理部27は、単位期間ごとに、検出した物理量が最も大きかった検出機器10を特定の検出機器10として物理量表示処理を実行する。すなわち、処理部27は、外部機器30に記憶されている多数の検出物理量情報から、単位期間ごとに、検出した物理量が最も大きかった特定の検出機器10において検出された検出物理量情報を選択し、当該検出物理量情報を、通信部22を介して読み出す。そして、処理部27は、読み出した特定の検出機器10の検出物理量情報を表示部25aに表示させる。
【0054】
これにより、表示システムSys1は、例えば、ユーザが同時に複数の検出機器10を携帯していたような場合に、それぞれの単位期間において、検出した物理量が最も大きかった特定の検出機器10によって検出された物理量の検出物理量情報のみを表示部25aに表示することができる。この結果、表示システムSys1は、第1具体例、第2具体例と同様に、複数の検出機器10で検出された物理量が合算された状態で検出物理量情報として表示されてしまうことを防止することができる。
【0055】
またこの構成により、この表示システムSys1は、一人のユーザが複数の検出機器10を使い回したりするような場合に、使い回された複数の検出機器10によって検出された物理量の検出物理量情報を重複させずに適正に組み合わせて表示部25aに表示することができる。例えば、検出機器10は、検出した物理量が図4で例示したような歩数(活動量)である場合、ユーザによって携帯されていたものは、ユーザによって携帯されなかったものと比較して、検出した歩数が相対的に大きな値になる傾向にある。このことを利用して、表示システムSys1は、単位期間ごとに、検出した物理量が最も大きかった特定の検出機器10によって検出された物理量の検出物理量情報のみを表示部25aに表示することで、第1の検出機器10を携帯していた際に検出された物理量の検出物理量情報と、第2の検出機器10を携帯していた際に検出された物理量の検出物理量情報とを、単位期間ごとに組み合わせて表示部25aに表示することができる。これにより、この表示システムSys1は、複数の検出機器10で検出された物理量が合算された状態で検出物理量情報として表示されてしまうことを防止した上で、検出物理量情報の表示がない期間を極力低減し、よりユーザの実際の活動に即した検出物理量情報の表示を実現することができる。
【0056】
<特定条件の任意選択>
なお、上記のように予め決められた特定条件は、表示機器20の入力部23に対するユーザの操作に応じて選択可能に構成されてもよい。つまり、処理部27は、表示機器20の入力部23に対するユーザの操作に応じて、予め決められた特定条件をユーザの任意に選択し、変更する処理を実行可能に構成されてもよい。例えば、処理部27は、ユーザの操作に応じて、上述した第1具体例、第2具体例、第3具体例から選択された特定条件に基づいて物理量表示処理を実行してもよいし、上述した単位期間ごとに、特定条件を変更してもよい。
【0057】
<処理フローの一例>
本実施形態の表示システムSys1は、例えば、図5に示すように、物理量検出処理(ステップS1)、情報送信処理(ステップS2)、情報蓄積処理(ステップS3)、情報読み出し処理(ステップS4)、表示画像生成処理(ステップS5)、及び、物理量表示処理(ステップS6)を実行することで、図4で例示したような表示を実現する。処理部19、27は、記憶部18、26に記憶されているプログラムを実行することで、上記各処理を実行する。当該プログラムは、処理部19、27によって実行されることで、コンピュータとしての検出機器10、表示機器20に、上記各処理を実行させる。
【0058】
<物理量検出処理>
まず、検出機器10の処理部19は、物理量検出処理を実行する(ステップS1)。物理量検出処理とは、所定のサンプリング周期(例えば、5分)で、物理量検出部16aによって物理量を検出する処理である。
【0059】
<情報送信処理>
次に、処理部19は、通信部12を介して情報送信処理を実行する(ステップS2)。情報送信処理とは、通信部12を介して、物理量検出処理で検出された物理量に関する検出物理量情報を表示機器20に送信する処理である。処理部19は、例えば、表示機器20と検出機器10とが通信部22、32を介して近距離無線通信が可能となったタイミングで、未送信の検出物理量情報について情報送信処理を実行する。本実施形態の処理部19は、情報送信処理では、送信する検出物理量情報が表す物理量を検出した時刻に関する検出時刻情報、及び、当該物理量を検出した検出機器10を識別するための検出機器識別情報(例えば、複数の検出機器10にそれぞれ個別に付与された識別情報)もあわせて表示機器20に送信する。
【0060】
なお、処理部19は、検出機器10において、パワーセーブモード、パワーブレークモード、充電警告状態等の状態では物理量を検出する物理量検出部16aを停止するため、この期間では物理量を検出することができない場合がある。処理部19は、例えば、検出機器10が上記のようなパワーセーブモードや充電警告状態等の状態であって場合には、送信するデータの一部を、予め定められたフラグを付したコードで送信し、表示機器20に記憶させるようにしてもよい。検出機器10が物理量を検出できない期間においては、上述したような補完を行わなければ、表示機器20の表示部25aに表示される検出物理量情報が表す物理量は原則0となるが、この場合、ユーザは、物理量が0となっている理由については把握することができない。これに対して、検出機器10のメーカ等の事業者は、例えば、後述するように外部機器30に収集された情報に含まれる上記のコードを解析することで、物理量を検出できなかった理由を把握することができ、これにより、検出機器10のユーザの使用状況を把握することも可能となる。
【0061】
また、検出機器10から表示機器20に送信され記憶部26に記憶されるコードとしては、例えば、以下のように設定することができる。一般に、物理量を検出できない原因は、検出する物理量の種類に応じて異なる傾向にある。例えば、検出する物理量が光の照度(受光量)、温度、電源電圧等の場合、物理量を検出できない原因は、典型的には、検出機器10が充電警告状態になったことのみであるため、この場合のコードは、例えば、「0xff」とすればよい。一方、検出する物理量が加速度の場合、物理量を検出できない原因は、典型的には、検出機器10が充電警告状態になったことに加えて、加速度センサの状態に起因して検出できないこともあるので、この場合のコードは、これらの原因を区別できるように設定しておくとよい。例えば、この場合のコードは、検出機器10が充電警告状態となったことが原因である場合には「0xfffd」とし、加速度センサがスリープ状態(所定期間加速度の検出が出来なかった状態)であったことが原因である場合には「0xffff」とし、加速度センサの電源がOFFの状態(スリープの状態が所定期間続いた状態)であったことが原因である場合には「0xfffe」として、それぞれの原因を区別したコードとする。つまりこの場合、処理部19は、コードの冒頭を「0xff」として共通とした上で、検出できない原因が複数ある場合には冒頭の「0xff」にさらにコードを付加し、末尾の部分で種類分けをすることで、原因を区別してコードを設定するようにしてもよい。
【0062】
<情報蓄積処理>
次に、表示機器20の処理部27は、通信部22を介して検出機器10から検出物理量情報、検出時刻情報、検出機器識別情報を受信すると、通信部22を介して情報蓄積処理を実行する(ステップS3)。情報蓄積処理とは、検出機器10から受信した検出物理量情報、検出時刻情報、検出機器識別情報を、通信部22を介して、外部機器30に送信する処理である。処理部27は、情報蓄積処理では、検出機器10から受信した検出物理量情報を、検出時刻情報、検出機器識別情報と共に外部機器30に送信する。この場合、処理部27は、検出物理量情報と、当該検出物理量情報が表す物理量が検出された時刻を表す検出時刻情報と、当該検出物理量情報が表す物理量が検出された検出機器10の検出機器識別情報とを関連付け(紐付け)て外部機器30に格納し、蓄積させる。
【0063】
<情報読み出し処理>
次に、処理部27は、通信部22を介して、情報読み出し処理を実行する(ステップS4)。情報読み出し処理とは、外部機器30に記憶されている多数の検出物理量情報等から、予め決められた特定条件に基づいて特定された特定の検出機器10に応じた検出機器識別情報、及び、これに関連付けられた検出物理量情報、検出時刻情報を、通信部22を介して、外部機器30から読み出す処理である。この場合、処理部27は、例えば、特定の検出機器10について、物理量表示処理を行う対象期間内(例えば、図4の例では4/1(4月1日)からの1週間)の検出機器識別情報、検出物理量情報、検出時刻情報の組み合わせをすべて外部機器30から読み出す。また、処理部27は、上記の特定の検出機器10において物理量を検出することができない期間があった場合には、この期間の検出物理量情報を補完すべく、情報読み出し処理において、表示機器20と相互に通信可能な他の検出機器10についての検出機器識別情報、検出物理量情報、検出時刻情報を外部機器30から読み出しておいてもよい。物理量表示処理を行う対象期間は、予め定められていてもよいし、入力部23等を介してユーザの任意で設定されてもよい。
【0064】
<表示画像生成処理>
次に、処理部27は、表示画像生成処理を実行する(ステップS5)。表示画像生成処理とは、情報読み出し処理で読み出した検出機器識別情報、検出物理量情報、検出時刻情報に基づいて、物理量表示処理で表示する表示画面(例えば、図4で例示した物理量画像101を含む表示画面100)を生成する処理である。
【0065】
<物理量表示処理>
そして、処理部27は、表示画像生成処理で生成された表示画像に基づいて表示部25aを制御し物理量表示処理を実行し(ステップS6)、一連の処理を終了する。物理量表示処理とは、上述したように、複数の検出機器10から当該検出機器10によって検出された物理量に関する検出物理量情報を受信し当該受信した検出物理量情報を表示部25aに表示させる処理である。より詳細には、本実施形態の物理量表示処理とは、表示画像生成処理で生成された表示画像を表示部25aに表示することで、上記のように予め決められた条件に基づいて、複数の検出機器10のうち特定の検出機器10から受信した検出物理量情報を選択して表示する処理である。
【0066】
<実施形態の作用効果>
以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、表示機器20によって、予め決められた条件に基づいて、複数の検出機器10のうち特定の検出機器10から受信した検出物理量情報を選択して表示する表示処理を実行することができる。この構成により、表示システムSys1は、例えば、ユーザが同時に複数の検出機器10を携帯していたり、複数の検出機器10を使い回したりするような場合等、種々の使用状態に応じて、ユーザの実際の活動に即した検出物理量情報の表示を実現することができる。これにより、表示システムSys1、及び、プログラムは、例えば、検出された物理量とユーザの行動範囲との因果関係を把握させ易くすることができる。この結果、表示システムSys1、プログラム、表示機器20、及び、ウェアラブル機器としての検出機器10は、複数の検出機器10によって検出した物理量を適正に表示することができる。
【0067】
例えば、この表示システムSys1、及び、プログラムは、表示機器20において、予め決められた条件として、表示機器20と最後に通信した検出機器10を特定の検出機器10として物理量表示処理を実行することができる。この場合、表示システムSys1、プログラム、表示機器20、及び、ウェアラブル機器としての検出機器10は、複数の検出機器10でそれぞれ検出した物理量に関する検出物理量情報を重複して表示部25aに表示してしまうことを抑制することができ、よりユーザの活動に即した表示を行うことができる。
【0068】
また、表示システムSys1、及び、プログラムは、例えば、表示機器20において、予め決められた条件として、表示機器20に対する操作に応じて指定された検出機器10を特定の検出機器10として物理量表示処理を実行することができる。この場合、表示システムSys1、プログラム、表示機器20、及び、ウェアラブル機器としての検出機器10は、複数の検出機器10でそれぞれ検出した物理量に関する検出物理量情報を重複して表示部25aに表示してしまうことを抑制することができ、その上で、ユーザが希望する任意の表示を行うことができる。
【0069】
上記のような構成において、表示システムSys1、及び、プログラムは、特定の検出機器10において物理量を検出することができない期間があった場合、当該期間において、他の検出機器10から受信した検出物理量情報によって補完して物理量表示処理を実行することもできる。この場合、表示システムSys1、及び、プログラムは、複数の検出機器10で検出された物理量が合算された状態で検出物理量情報として表示されてしまうことを防止した上で、検出物理量情報の表示がない期間を極力低減することができる。この結果、表示システムSys1、プログラム、表示機器20、及び、ウェアラブル機器としての検出機器10は、よりユーザの活動に即した表示を行うことができる。
【0070】
また、表示システムSys1、及び、プログラムは、例えば、表示機器20において、予め決められた条件として、単位期間ごとに、検出した物理量が最も大きかった検出機器10を特定の検出機器10として物理量表示処理を実行することができる。この場合、表示システムSys1、及び、プログラムは、複数の検出機器10でそれぞれ検出した物理量に関する検出物理量情報を重複させず、その上で、適正に組み合わせて表示部25aに表示することができる。この結果、表示システムSys1、プログラム、表示機器20、及び、ウェアラブル機器としての検出機器10は、よりユーザの実際の活動に即した検出物理量情報の表示を実現することができる。
【0071】
また、表示システムSys1、及び、プログラムは、表示機器20の操作に応じて、予め決められた条件を変更する処理を実行可能である。この結果、表示システムSys1、プログラム、表示機器20、及び、ウェアラブル機器としての検出機器10は、ユーザの希望や状況に応じて任意に特定条件を設定することができるので、よりユーザの希望や状況にあわせた検出物理量情報の表示を実現することができる。
【0072】
ここでは、以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、複数の検出機器10がウェアラブル機器を構成する電子時計を含んで構成される。したがって、表示システムSys1、プログラム、表示機器20、及び、ウェアラブル機器としての検出機器10は、ユーザに装着され、ユーザにより近接した状況下で検出された物理量を適正に表示することができる。
【0073】
なお、上述した本発明の実施形態に係る表示システム、プログラム、表示機器、及び、ウェアラブル機器は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係る表示システム、プログラム、表示機器、及び、ウェアラブル機器は、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【0074】
以上の説明では、表示システムSys1は、外部機器30を備えるものとして説明したがこれに限らない。表示システムSys1は、外部機器30を備えず、表示機器20が複数の検出機器10から受信した全ての検出物理量情報を自身の記憶部26に記憶するようにしてもよい。この場合、表示システムSys1は、例えば、1つの表示機器20で物理量表示処理を含む各処理が完結するものであってもよい。
【0075】
また、表示システムSys1は、検出機器10として、3つ以上の検出機器10を含んで構成されてもよい。
【0076】
また、以上で説明した予め決められた特定条件は、上記のものに限られない。
【0077】
以上の説明では、検出機器10、表示機器20、外部機器30は、それぞれ単体の機器として構成されるものとして説明したがこれに限らない。検出機器10、表示機器20、外部機器30の機能分散の形態は、上記に限られず、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。また、以上で説明したプログラム、各種データ等は、適宜、更新されてもよいし、検出機器10、表示機器20、外部機器30に対して任意のネットワークNを介して接続された他のサーバに記憶されていてもよい。以上で説明したプログラム、各種データ等は、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。また、例えば、処理部19、27や外部機器30が備える各処理機能については、その全部又は任意の一部を、例えば、CPU等及び当該CPU等にて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジック等によるハードウェアとして実現してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 指針
1a 秒針
1b 分針
1c 時針
10 検出機器(ウェアラブル機器、電子時計)
11、21 電源部
11a、21a 二次電池
11b 発電部
12、22 通信部
13 計時部
14 駆動部
14a モータ
15 操作部
15a リューズ
15b プッシュボタン
16、24 検出部
16a 物理量検出部
17、25 出力部
18、26 記憶部
19、27 処理部
20 表示機器
23 入力部
23a タッチパネル
23b 音声入力装置
24a 位置検出部
25a 表示部
30 外部機器
100 表示画面
101 物理量画像
N ネットワーク
Sys1 表示システム
図1
図2
図3
図4
図5