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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】単焦点レンズ系、および、カメラ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/04 20060101AFI20230317BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
G02B13/04
G02B13/18
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019535099
(86)(22)【出願日】2018-07-27
(86)【国際出願番号】 JP2018028173
(87)【国際公開番号】W WO2019031266
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】P 2017153367
(32)【優先日】2017-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】岩下 勉
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-145839(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0176049(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0107376(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0124183(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0045713(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0268446(US,A1)
【文献】米国特許第9557534(US,B1)
【文献】米国特許第9715088(US,B1)
【文献】特開2004-354572(JP,A)
【文献】特開2005-10521(JP,A)
【文献】特開2017-173807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へと順に、
物体側に凸面を向けた負のパワーを有する第1レンズ素子と、
物体側に凹面を向けた正のパワーを有する第2レンズ素子と、
正のパワーを有する第3レンズ素子と、
負のパワーを有する第4レンズ素子と、
正のパワーを有する第5レンズ素子と、
を備え、
半画角が50度以上で、
前記第1レンズ素子の物体側の凸面形状は、光軸外で少なくとも1つの変曲点を有し、
前記第4レンズ素子は、像側に凸面を有する負メニスカスレンズ素子であり、
以下の条件(1)を満足し、
1.7< (L1R1+L1R2)/(L1R1-L1R2) <5.0・・・(1)
ここで、
L1R1:前記第1レンズ素子の物体側の面の曲率半径、
L1R2:前記第1レンズ素子の像側の面の曲率半径、
である、
単焦点レンズ系。
【請求項2】
以下の条件(5)及び条件(6)を同時に満足し、
nL1 > 1.6 ・・・(5)
νL1 > 30 ・・・(6)
ここで、
nL1:前記第1レンズ素子のd線における屈折率、
νL1:前記第1レンズ素子のアッベ数、
である、
請求項1に記載の単焦点レンズ系。
【請求項3】
物体側から像側へと順に、
物体側に凸面を向けた負のパワーを有する第1レンズ素子と、
物体側に凹面を向けた正のパワーを有する第2レンズ素子と、
正のパワーを有する第3レンズ素子と、
負のパワーを有する第4レンズ素子と、
正のパワーを有する第5レンズ素子と、
負のパワーを有する第6レンズ素子と、
からなり、
半画角が50度以上で、
前記第1レンズ素子の物体側の凸面形状は、光軸外で少なくとも1つの変曲点を有し、
以下の条件(5)及び条件(6)を同時に満足し、
nL1 > 1.6 ・・・(5)
νL1 > 30 ・・・(6)
ここで、
nL1:前記第1レンズ素子のd線における屈折率、
νL1:前記第1レンズ素子のアッベ数、
である、
単焦点レンズ系。
【請求項4】
以下の条件(1)を満足し、
1.7< (L1R1+L1R2)/(L1R1-L1R2) <5.0・・・(1)
ここで、
L1R1:前記第1レンズ素子の物体側の面の曲率半径、
L1R2:前記第1レンズ素子の像側の面の曲率半径、
である、
請求項3に記載の単焦点レンズ系。
【請求項5】
以下の条件(2)を満足し、
2.1< f2/f <8.0・・・(2)
ここで、
f2:前記第2レンズ素子のd線における焦点距離、
f :全系のd線における焦点距離、
である、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の単焦点レンズ系。
【請求項6】
以下の条件(3)を満足し、
-5.0< f4/f <-1.0・・・(3)
ここで、
f4:前記第4レンズ素子のd線における焦点距離、
f :全系のd線における焦点距離、
である、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の単焦点レンズ系。
【請求項7】
以下の条件(4)を満足し、
1.0< f5/f <5.0・・・(4)
ここで、
f5:前記第5レンズ素子のd線における焦点距離、
f :全系のd線における焦点距離、
である、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の単焦点レンズ系。
【請求項8】
以下の条件(7)を満足し、
0.15< f/TTL <0.30・・・(7)
ここで、
f :全系のd線における焦点距離、
TTL:単焦点レンズ系の光学全長、
である、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の単焦点レンズ系。
【請求項9】
前記第6レンズ素子の像側の面形状は、光軸外で少なくとも1つの変曲点を有する、
請求項に記載、または請求項を引用する請求項から請求項のいずれか1項に記載の単焦点レンズ系。
【請求項10】
物体の光学的な像を形成する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の単焦点レンズ系と、
前記単焦点レンズ系により形成された光学的な像を電気的な画像信号に変換する撮像素子と、
を備える、カメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、単焦点レンズ系、および、カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、物体側から像側へと順に負のパワーを有する第1レンズ、正のパワーを有する第2レンズ、正のパワーを有する第3レンズ、負のパワーを有する第4レンズ、パワーを有する第5レンズからなる広角かつ小型な撮像レンズを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-18086号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示における単焦点レンズ系は、物体側から像側へと順に、物体側に凸面を向けた負のパワーを有する第1レンズ素子と、物体側に凹面を向けた正のパワーを有する第2レンズ素子と、正のパワーを有する第3レンズ素子と、負のパワーを有する第4レンズ素子と、正のパワーを有する第5レンズ素子を含む。さらに、半画角は50度以上で、第1レンズ素子の物体側の凸面形状は、光軸外で少なくとも1つの変曲点を有し、第4レンズ素子は、像側に凸面を有する負メニスカスレンズ素子である。そして、以下の条件(1)を満足する。
1.7< (L1R1+L1R2)/(L1R1-L1R2) <5.0・・・(1

0.15< f/TTL <0.30・・・(7)
ここで、
L1R1:第1レンズ素子の物体側の面の曲率半径、
L1R2:第1レンズ素子の像側の面の曲率半径、
である。
また、本開示における単焦点レンズ系は、物体側から像側へと順に、物体側に凸面を向けた負のパワーを有する第1レンズ素子と、物体側に凹面を向けた正のパワーを有する第2レンズ素子と、正のパワーを有する第3レンズ素子と、負のパワーを有する第4レンズ素子と、正のパワーを有する第5レンズ素子を含む。さらに、半画角は50度以上で、第1レンズ素子の物体側の凸面形状は、光軸外で少なくとも1つの変曲点を有し、第4レンズ素子は、像側に凸面を有する負メニスカスレンズ素子である。そして、以下の条件(7)を満足する。
0.15< f/TTL <0.30・・・(7)
ここで、
f :全系のd線における焦点距離、
TTL:単焦点レンズ系の光学全長、
である。
また、本開示における単焦点レンズ系は、物体側から像側へと順に、物体側に凸面を向けた負のパワーを有する第1レンズ素子と、物体側に凹面を向けた正のパワーを有する第2レンズ素子と、正のパワーを有する第3レンズ素子と、負のパワーを有する第4レンズ素子と、正のパワーを有する第5レンズ素子と、負のパワーを有する第6レンズ素子と、からなる。さらに、半画角は50度以上で、第1レンズ素子の物体側の凸面形状は、光軸外で少なくとも1つの変曲点を有し、以下の条件(5)及び条件(6)を同時に満足する。
nL1 > 1.6 ・・・(5)
νL1 > 30 ・・・(6)
ここで、
nL1:第1レンズ素子のd線における屈折率、
νL1:第1レンズ素子のアッベ数、
である。
【0005】
また、本開示におけるカメラは、物体の光学的な像を形成する前述のいずれかの単焦点レンズ系と、単焦点レンズ系により形成された光学的な像を電気的な画像信号に変換する撮像素子を備える。
【0006】
本開示によれば、明るくかつ諸収差を良好に補正できる単焦点レンズ系、および、カメラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施の形態1に係る単焦点レンズ系の無限遠合焦状態を示すレンズ配置図である。
図2図2は、実施の形態1の数値実施例1に係る単焦点レンズ系の無限遠合焦状態の縦収差図である。
図3図3は、実施の形態2に係る単焦点レンズ系の無限遠合焦状態を示すレンズ配置図である。
図4図4は、実施の形態2の数値実施例2に係る単焦点レンズ系の無限遠合焦状態の縦収差図である。
図5図5は、実施の形態3に係る単焦点レンズ系の無限遠合焦状態を示すレンズ配置図である。
図6図6は、実施の形態3の数値実施例3に係る単焦点レンズ系の無限遠合焦状態の縦収差図である。
図7図7は、実施の形態4に係る単焦点レンズ系の無限遠合焦状態を示すレンズ配置図である。
図8図8は、実施の形態4の数値実施例4に係る単焦点レンズ系の無限遠合焦状態の縦収差図である。
図9図9は、実施の形態5に係る単焦点レンズ系の無限遠合焦状態を示すレンズ配置図である。
図10図10は、実施の形態5の数値実施例5に係る単焦点レンズ系の無限遠合焦状態の縦収差図である。
図11図11は、実施の形態1に係る単焦点レンズ系を備えた車載カメラの概略図である。
図12図12は、車載カメラを車両の前側位置に備えた自動車の概略図である。
図13図13は、車載カメラを車両の室内前方位置に備えた自動車の室内から前方を見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0009】
なお、発明者は、当業者が本開示を充分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらにより、請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0010】
(実施の形態1~5:単焦点レンズ系)
図1図3図5図7および図9は、実施の形態1~5に係る単焦点レンズ系のレンズ配置図である。
【0011】
各図において、特定の面に付されたアスタリスク*は、その面が非球面であることを示している。また、各図において、最も右側に記載された直線は、像面Sの位置を示す像面Sの物体側には、平行平板Pが設けられる。なお、各図において、縦横比は一致している。
【0012】
(実施の形態1)
以下に、実施の形態1に係る単焦点レンズ系について、図1を用いて、説明する。
【0013】
図1は、実施の形態1に係る単焦点レンズ系のレンズ配置図である。
【0014】
実施の形態1の単焦点レンズ系は、物体側から像側へと順に、負のパワーを有する第1レンズ素子L1と、正のパワーを有する第2レンズ素子L2と、開口絞りAと、正のパワーを有する第3レンズ素子L3と、負のパワーを有する第4レンズ素子L4と、正のパワーを有する第5レンズ素子L5と、平行平板Pなどで構成される。なお、物体側とは第1レンズ素子L1側に対応し、像側とは、像面S側に対応する。
【0015】
以下、各レンズ素子について、説明する。
【0016】
第1レンズ素子L1は、ガラスからなる物体側に凸面を有するメニスカスレンズである。第1レンズ素子L1は、光軸方向の両面に非球面形状を有する。第1レンズ素子L1の物体側の面は、近軸では凸面を有する。さらに、第1レンズ素子L1の物体側の面は、光軸外で少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状である。これにより、第1レンズ素子L1の物体側の面は、光軸外に向かってパワーが弱まるように構成される。
【0017】
第2レンズ素子L2は、ガラスからなる像側に凸面を有するメニスカスレンズである。第2レンズ素子L2は、光軸方向の両面に非球面形状を有する。
【0018】
第3レンズ素子L3は、ガラスからなる両凸レンズである。
【0019】
第4レンズ素子L4は、ガラスからなる像側に凸面を有するメニスカスレンズである。
【0020】
第5レンズ素子L5は、ガラスからなる物体側に凸面を有するメニスカスレンズである。第5レンズ素子L5は、光軸方向の両面に非球面形状を有する。
【0021】
以上のように、実施の形態1の単焦点レンズ系は構成される。
【0022】
(実施の形態2)
以下に、実施の形態2に係る単焦点レンズ系について、図3を用いて、説明する。
【0023】
図3は、実施の形態2に係る単焦点レンズ系のレンズ配置図である。
【0024】
実施の形態2の単焦点レンズ系は、物体側から像側へと順に、負のパワーを有する第1レンズ素子L1と、正のパワーを有する第2レンズ素子L2と、開口絞りAと、正のパワーを有する第3レンズ素子L3と、負のパワーを有する第4レンズ素子L4と、正のパワーを有する第5レンズ素子L5と、負のパワーを有する第6レンズ素子L6と、平行平板Pなどから構成される。
【0025】
以下、各レンズ素子について、説明する。
【0026】
第1レンズ素子L1は、ガラスからなる物体側に凸面を有するメニスカスレンズである。第1レンズ素子L1は、光軸方向の両面に非球面形状を有する。第1レンズ素子L1の物体側の面は、近軸では凸面を有する。さらに、第1レンズ素子L1の物体側の面は、光軸外で少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状である。これにより、第1レンズ素子L1の物体側の面は、光軸外に向かってパワーが弱まるように構成される。
【0027】
第2レンズ素子L2は、ガラスからなる像側に凸面を有するメニスカスレンズである。
【0028】
第3レンズ素子L3は、ガラスからなる両凸レンズである。
【0029】
第4レンズ素子L4は、ガラスからなる像側に凸面を有するメニスカスレンズである。
【0030】
第5レンズ素子L5は、ガラスからなる両凸レンズである。
【0031】
第6レンズ素子L6は、ガラスからなる両凹レンズである。
【0032】
以上のように、実施の形態2の単焦点レンズ系は構成される。
【0033】
(実施の形態3)
以下に、実施の形態3に係る単焦点レンズ系について、図5を用いて、説明する。
【0034】
図5は、実施の形態3に係る単焦点レンズ系のレンズ配置図である。
【0035】
実施の形態3の単焦点レンズ系は、物体側から像側へと順に、負のパワーを有する第1レンズ素子L1と、正のパワーを有する第2レンズ素子L2と、開口絞りAと、正のパワーを有する第3レンズ素子L3と、負のパワーを有する第4レンズ素子L4と、正のパワーを有する第5レンズ素子L5と、負のパワーを有する第6レンズ素子L6と、平行平板Pなどから構成される。
【0036】
以下、各レンズ素子について、説明する。
【0037】
第1レンズ素子L1は、ガラスからなる物体側に凸面を有するメニスカスレンズである。第1レンズ素子L1は光軸方向の両面に非球面形状を有する。第1レンズ素子L1の物体側の面は、近軸では凸面を有し、光軸外に向かってパワーが弱まり、光軸外で少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状である。
【0038】
第2レンズ素子L2は、ガラスからなる像側に凸面を有するメニスカスレンズである。第2レンズ素子L2は光軸方向の両面に非球面形状を有する。
【0039】
第3レンズ素子L3は、ガラスからなる両凸レンズである。
【0040】
第4レンズ素子L4は、ガラスからなる像側に凸面を有するメニスカスレンズである。
【0041】
第5レンズ素子L5は、ガラスからなる物体側に凸面を有するメニスカスレンズである。
【0042】
第6レンズ素子L6は、ガラスからなる像側に凸面を有するメニスカスレンズである。
【0043】
以上のように、実施の形態3の単焦点レンズ系は構成される。
【0044】
(実施の形態4)
以下に、実施の形態4に係る単焦点レンズ系について、図7を用いて、説明する。
【0045】
図7は、実施の形態4に係る単焦点レンズ系のレンズ配置図である。
【0046】
実施の形態4の単焦点レンズ系は、物体側から像側へと順に、負のパワーを有する第1レンズ素子L1と、正のパワーを有する第2レンズ素子L2と、開口絞りAと、正のパワーを有する第3レンズ素子L3と、負のパワーを有する第4レンズ素子L4と、正のパワーを有する第5レンズ素子L5と、負のパワーを有する第6レンズ素子L6と、平行平板Pなどから構成される。
【0047】
以下、各レンズ素子について、説明する。
【0048】
第1レンズ素子L1は、ガラスからなる物体側に凸面を有するメニスカスレンズである。第1レンズ素子L1は光軸方向の両面に非球面形状を有する。第1レンズ素子L1の物体側の面は、近軸では凸面を有し、光軸外に向かってパワーが弱まり、光軸外で少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状である。
【0049】
第2レンズ素子L2は、ガラスからなる像側に凸面を有するメニスカスレンズである。第2レンズ素子L2は光軸方向の両面に非球面形状を有する。
【0050】
第3レンズ素子L3は、ガラスからなる両凸レンズである。
【0051】
第4レンズ素子L4は、ガラスからなる像側に凸面を有するメニスカスレンズである。
【0052】
第5レンズ素子L5は、ガラスからなる両凸レンズである。第5レンズ素子L5は光軸方向の両面に非球面形状を有する。
【0053】
第6レンズ素子L6は、ガラスからなる両凹レンズである。第6レンズ素子L6は光軸方向の両面に非球面形状を有する。第6レンズ素子L6の像側の面は、近軸では凹面を有し、光軸外に向かってパワーが弱まり、光軸外で少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状である。
【0054】
以上のように、実施の形態4の単焦点レンズ系は構成される。
【0055】
(実施の形態5)
以下に、実施の形態5に係る単焦点レンズ系について、図9を用いて、説明する。
【0056】
図9は、実施の形態5に係る単焦点レンズ系のレンズ配置図である。
【0057】
実施の形態5の単焦点レンズ系は、物体側から像側へと順に、負のパワーを有する第1レンズ素子L1と、正のパワーを有する第2レンズ素子L2と、開口絞りAと、正のパワーを有する第3レンズ素子L3と、負のパワーを有する第4レンズ素子L4と、正のパワーを有する第5レンズ素子L5と、平行平板Pなどから構成される。
【0058】
以下、各レンズ素子について、説明する。
【0059】
第1レンズ素子L1は、ガラスからなる物体側に凸面を有するメニスカスレンズである。第1レンズ素子L1は光軸方向の両面に非球面形状を有する。第1レンズ素子L1の物体側の面は、近軸では凸面を有し、光軸外に向かってパワーが弱まり、光軸外で少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状である。
【0060】
第2レンズ素子L2は、ガラスからなる像側に凸面を有するメニスカスレンズである。第2レンズ素子L2は光軸方向の両面に非球面形状を有する。
【0061】
第3レンズ素子L3は、ガラスからなる両凸レンズである。
【0062】
第4レンズ素子L4は、ガラスからなる像側に凸面を有するメニスカスレンズである。
【0063】
第5レンズ素子L5は、ガラスからなる物体側に凸面を有するメニスカスレンズである。第5レンズ素子L5は光軸方向の両面に非球面形状を有する。
【0064】
以上のように、実施の形態5の単焦点レンズ系は構成される。
【0065】
(条件および効果)
以下、実施の形態1から実施の形態5に係る単焦点レンズ系の構成を満足することが有益な条件について、説明する。
【0066】
つまり、各実施の形態に係る単焦点レンズ系に対しては、複数の有益な条件が規定される。この場合、複数の条件すべてを満足する単焦点レンズ系の構成が最も効果的である。
【0067】
しかしながら、以下で述べる個別の条件を満足することにより、それぞれに対応する効果を奏する単焦点レンズ系を得ることも可能である。
【0068】
実施の形態1から実施の形態5に係る単焦点レンズ系は、物体側から像側へと順に、物体側に凸面を向けた負のパワーを有する第1レンズ素子L1と、物体側に凹面を向けた正のパワーを有する第2レンズ素子L2と、両凸形状で正のパワーを有する第3レンズ素子L3と、物体側に凹面を向けた負のパワーを有する第4レンズ素子L4と、物体側に凸面を向けた正のパワーを有する第5レンズ素子L5などを備える。
【0069】
そして、第1レンズ素子L1の物体側の凸面形状は、光軸外で少なくとも1つの変曲点を有し、半画角は50度以上である。
【0070】
これにより、結像領域中心部では球面収差を良好に補正しながら、結像領域周辺部では非点収差を良好に補正できる。そのため、明るく、かつ諸収差を良好に補正できる広角な単焦点レンズ系を提供できる。
【0071】
以下、上記レンズ構成を、各実施の形態の基本構成とする。
【0072】
基本構成を有する単焦点レンズ系は、例えば以下の条件(1)を満足することが望ましい。
【0073】
1.7< (L1R1+L1R2)/(L1R1-L1R2) <5.0・・・(1)
ここで、L1R1は第1レンズ素子L1の物体側の面の曲率半径、L1R2は第1レンズ素子L1の像側の面の曲率半径、である。
【0074】
つまり、条件(1)は、第1レンズ素子L1のシェイプファクターを規定する。
【0075】
条件(1)の下限値(1.7)以下の場合、第1レンズ素子L1の物体側の面の曲率半径が、像側の面の曲率半径に対して相対的に大きくなりすぎる。そのため、単焦点レンズ系において、近軸付近を通る光線の球面収差を良好に補正できなくなり、解像性能の低下を招く。
【0076】
また、条件(1)の上限値(5.0)以上の場合、第1レンズ素子L1の物体側の面の曲率半径が、像側の面の曲率半径に対して相対的に小さくなりすぎる。そのため、単焦点レンズ系において、第1レンズ素子L1の製造難易度が高くなる。これにより、単焦点レンズ系のコストがアップする。
【0077】
このとき、条件(1)の範囲内で、以下の条件(1a)、条件(1b)のいずれか一方、または両方を満足すれば、より好ましい。
【0078】
2.0< (L1R1+L1R2)/(L1R1-L1R2)・・(1a)
(L1R1+L1R2)/(L1R1-L1R2) <4.0・・(1b)
これにより、前述の効果が、より向上する。
【0079】
また、条件(1)の範囲内で、以下の条件(1c)、条件(1d)のいずれか一方、または両方を満足すれば、さらに好ましい。
【0080】
2.2≦ (L1R1+L1R2)/(L1R1-L1R2)・・(1c)
(L1R1+L1R2)/(L1R1-L1R2) <3.6・・(1d)
これにより、前述の効果が、さらに向上する。
【0081】
また、本開示における基本構成を有する単焦点レンズ系は、例えば以下の条件(2)を満足することが望ましい。
【0082】
2.1< f2/f <10.0・・・(2)
ここで、f2は第2レンズ素子L2のd線における焦点距離、fは全系のd線における焦点距離、である。
【0083】
つまり、条件(2)は、第2レンズ素子L2のd線における焦点距離と、基本構成を有する単焦点レンズ系全系のd線における焦点距離との比を規定する。
【0084】
条件(2)の下限値(2.1)以下の場合、第2レンズ素子L2の正のパワーが強くなりすぎる。そのため、単焦点レンズ系において、諸収差、特に、軸外光束のコマ収差が増大し、解像性能の低下を招く。
【0085】
また、条件(2)の上限値(10.0)以上の場合、第2レンズ素子L2の正のパワーが弱くなりすぎる。そのため、単焦点レンズ系において、諸収差、特に、近軸付近を通る光線の球面収差を良好に補正できなくなる。これにより、単焦点レンズ系において、解像性能の低下を招く。
【0086】
このとき、条件(2)の範囲内で、以下の条件(2a)、(2b)のいずれか一方、または両方を満足すれば、より好ましい。
【0087】
2.3< f2/f・・・(2a)
f2/f <8.0・・・(2b)
これにより、前述の効果が、より向上する。
【0088】
また、条件(2)の範囲内で、以下の条件(2c)、条件(2d)のいずれか一方、または両方を満足すれば、さらに好ましい。
【0089】
2.5< f2/f・・・(2c)
f2/f <7.5・・・(2d)
これにより、前述の効果が、さらに向上する。
【0090】
また、本開示における基本構成を有する単焦点レンズ系は、例えば以下の条件(3)を満足することが望ましい。
【0091】
-5.0< f4/f <-1.0・・・(3)
ここで、f4は第4レンズ素子L4のd線における焦点距離、fは全系のd線における焦点距離、である。
【0092】
つまり、条件(3)は、第4レンズ素子L4のd線における焦点距離と、基本構成を有する単焦点レンズ系全系のd線における焦点距離との比を規定する。
【0093】
条件(3)の下限値(-5.0)以下の場合、第4レンズ素子L4の負のパワーが弱くなりすぎる。そのため、単焦点レンズ系において、諸収差、特に、近軸付近を通る光線の球面収差を良好に補正できなくなる。これにより、単焦点レンズ系において、解像性能の低下を招く。
【0094】
また、条件(3)の上限値(-1.0)以上の場合、第4レンズ素子L4の負のパワーが強くなりすぎる。そのため、単焦点レンズ系において、諸収差、特に、軸外光束の非点収差が増大し、解像性能の低下を招く。
【0095】
このとき、条件(3)の範囲内で、以下の条件(3a)、(3b)のいずれか一方、または両方を満足すれば、より好ましい。
【0096】
-4.0< f4/f・・・(3a)
f4/f <-1.3・・・(3b)
また、条件(3)の範囲内で、以下の条件(3c)、条件(3d)のいずれか一方、または両方を満足すれば、さらに好ましい。
【0097】
-3.7< f4/f・・・(3c)
f4/f <-1.6・・・(3d)
これにより、前述の効果が、さらに向上する。
【0098】
また、本開示の基本構成を有する単焦点レンズ系は、例えば以下の条件(4)を満足することが望ましい。
【0099】
1.0< f5/f <5.0・・・(4)
ここで、f5は第5レンズ素子L5のd線における焦点距離、fは全系のd線における焦点距離、である。
【0100】
つまり、条件(4)は、第5レンズ素子L5のd線における焦点距離と、基本構成を有する単焦点レンズ系全系のd線における焦点距離との比を規定する。
【0101】
条件(4)の下限値(1.0)以下の場合、第5レンズ素子L5の正のパワーが強くなりすぎる。そのため、単焦点レンズ系において、諸収差、特に、軸外光束のコマ収差が増大し、解像性能の低下を招く。
【0102】
また、条件(4)の上限値(5.0)以上の場合、第5レンズ素子L5の正のパワーが弱くなりすぎる。そのため、単焦点レンズ系において、諸収差、特に、近軸付近を通る光線の球面収差を良好に補正できなくなる。これにより、単焦点レンズ系において、解像性能の低下を招く。
【0103】
このとき、条件(4)の範囲内で、以下の条件(4a)、(4b)のいずれか一方、または両方を満足すれば、より好ましい。
【0104】
1.3< f5/f・・・(4a)
f5/f <3.5・・・(4b)
これにより、前述の効果が、より向上する。
【0105】
また、条件(4)の範囲内で、以下の条件(4c)、条件(4d)のいずれか一方、または両方を満足すれば、さらに好ましい。
【0106】
1.5< f5/f・・・(4c)
f5/f <2.5・・・(4d)
これにより、前述の効果が、さらに向上する。
【0107】
また、本開示の基本構成を有する単焦点レンズ系は、例えば以下の条件(5)および条件(6)を同時に満足することが望ましい。
【0108】
1.6 < nL1・・・(5)
30 < νL1・・・(6)
ここで、nL1:第1レンズ素子L1のd線における屈折率、νL1:第1レンズ素子L1のアッベ数、である。
【0109】
つまり、条件(5)は、第1レンズ素子L1のd線における屈折率を規定する。条件(6)は、第1レンズ素子L1のアッベ数を規定するための条件である。
【0110】
条件(5)の下限値(1.6)以下の場合、第1レンズ素子L1の像側の面の曲率半径が小さくなりすぎる。そのため、単焦点レンズ系において、諸収差、特に、軸外光束の非点収差が増大し、解像性能の低下を招く。
【0111】
また、条件(6)の下限値(30)以下の場合、単焦点レンズ系において、諸収差、特に、倍率色収差が増大し、解像性能の低下を招く。
【0112】
このとき、以下の条件(5a)、(6a)のいずれか一方、または両方を満足すれば、より好ましい。
【0113】
1.7 < nL1・・・(5a)
35 < νL1・・・(6a)
これにより、前述の効果が、より向上する。
【0114】
また、以下の条件(5b)、条件(6b)のいずれか一方、または両方を満足すれば、さらに好ましい。
【0115】
1.8 < nL1・・・(5b)
40 < νL1・・・(6b)
これにより、前述の効果が、さらに向上する。
【0116】
また、本開示の基本構成を有する単焦点レンズ系は、例えば以下の条件(7)を満足することが望ましい。
【0117】
0.15< f/TTL < 0.30・・・(7)
ここで、f:全系のd線における焦点距離、TTL:単焦点レンズ系の光学全長、である。
【0118】
つまり、条件(7)は、基本構成を有する単焦点レンズ系全系のd線における焦点距離と、基本構成を有する単焦点レンズ系の光学全長との比を規定する。
【0119】
条件(7)の下限値(0.15)以下の場合、単焦点レンズ系の光学全長が大きくなりすぎる。そのため、光学系の大型化を招く。
【0120】
また、条件(7)の上限値(0.30)以上の場合、単焦点レンズ系の光学全長が小さくなりすぎる。そのため、諸収差を良好に補正できなくなり、解像性能の低下を招いてしまう。
【0121】
このとき、条件(7)の範囲内で、以下の条件(7a)、(7b)のいずれか一方、または両方を満足すれば、より好ましい。
【0122】
0.18< f/TTL ・・・(7a)
f/TTL < 0.27・・・(7b)
これにより、前述の効果が、より向上する。
【0123】
また、条件(7)の範囲内で、以下の条件(7c)、条件(7d)のいずれか一方、または両方を満足すれば、さらに好ましい。
【0124】
0.20< f/TTL ・・・(7c)
f/TTL < 0.25・・・(7d)
これにより、前述の効果が、さらに向上する。
【0125】
また、本開示の基本構成を有する単焦点レンズ系は、負のパワーを有する第6レンズ素子L6を、さらに有することが望ましい。これにより、レンズ系の主点位置を物体側に移動させることができる。そのため、小型な単焦点レンズ系を提供できる。
【0126】
また、本開示の基本構成を有する単焦点レンズ系は、負のパワーを有する第6レンズ素子L6を、さらに有する。そして、第6レンズ素子L6の像側の面形状は、光軸外で少なくとも1つの変曲点を有することが望ましい。これにより、単焦点レンズ系において、結像領域中心部では球面収差を良好に補正しながら、結像領域周辺部では非点収差を良好に補正できる。そのため、明るく、かつ諸収差を良好に補正できる単焦点レンズ系を提供できる。
【0127】
(実施の形態6:カメラ)
以下、実施の形態6に係る、実施の形態1の単焦点レンズ系を備えるカメラについて、図11から図13を用いて、説明する。カメラとして、車載カメラを例に挙げて説明する。
【0128】
なお、車載カメラにおいて、実施の形態1に係る単焦点レンズ系の代わりに、実施の形態2から実施の形態5に係る単焦点レンズ系のいずれか1つを適用してもよい。
【0129】
図11は、実施の形態6に係る、実施の形態1の単焦点レンズ系を備える車載カメラの概略構成図である。
【0130】
車載カメラ100は、単焦点レンズ系201と、撮像素子202などを備える。単焦点レンズ系201は、物体の光学的な像を形成する。撮像素子202は、単焦点レンズ系201により形成された光学的な像を、電気的な画像信号に変換する。
【0131】
撮像素子202は、図1に示す、実施の形態1の単焦点レンズ系における像面Sの位置に配置される。
【0132】
以上のように、単焦点レンズ系201を備える車載カメラ100は構成される。
【0133】
以下、上記車載カメラ100を、自動車などの車両500に搭載した構成について、図12および図13を用いて、説明する。
【0134】
図12は、車載カメラ100を車両500の室内前方位置に備えた自動車の概略図である。図13は、車載カメラ100を車両500の室内前方位置に備えた自動車の室内から前方を見た概略図である。
【0135】
車載カメラ100は、車両500のルームミラー(図示せず)付近に、設置される。つまり、車載カメラ100は、センシングカメラまたはビューカメラとして用いられる。
【0136】
具体的には、センシングカメラとして使用される場合、撮像した画像は、他の車両との車間距離などをチェックするために用いられる。また、ビューカメラとして使用される場合、撮像した画像は、車内のモニタに表示され、運転者が車両前方や車両後方、および車両側方などを確認するために用いられる。
【0137】
撮像素子202によって得られた画像信号は、例えば車両500の室内前方に配置される、表示装置401、表示装置402や表示装置403などに表示される。さらに、画像信号は、例えば画像データとして、メモリなどに記録される。
【0138】
なお、表示装置401は、例えば電子ルームミラーなどで例示される。表示装置402および表示装置403は、例えばナビゲーションシステムや、フロントパネルなどの表示装置で例示される。
【0139】
上記構成により、単焦点レンズ系201を有する車載カメラ100を用いて、後方の映像を、車両500の表示装置401や表示装置402などに表示できる。そのため、運転者などの搭乗者は、車両500の後部の状況を、表示装置401や表示装置402を介して、容易に視認できる。
【0140】
つまり、本開示の単焦点レンズ系は、センシングカメラ、ビューカメラどちらのレンズ系においても、有効となる。
【0141】
以上のように、本出願に開示する技術について、実施の形態1から実施の形態6を例に、説明した。
【0142】
しかしながら、本開示の技術は、これらに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。
【0143】
例えば、実施の形態1から実施の形態5の単焦点レンズ系に、実質的にパワーを有しないレンズ素子を、適宜、追加してもよい。
【0144】
また、実施の形態1から実施の形態5の単焦点レンズ系が有するレンズ素子の非球面形状は、例えば研磨加工やモールド成型で形成してもよい。さらに、球面レンズの表面に被膜の非球面を形成させる、いわゆるレプリカレンズ(ハイブリッドレンズ)で形成してもよい。
【0145】
なお、本実施の形態6では、実施の形態1から実施の形態5の単焦点レンズ系を、センシングカメラまたはビューカメラである車載カメラに適用した構成を例に説明したが、これに限られない。本開示の単焦点レンズ系を、例えばスマートフォンや携帯電話に搭載されるカメラ、監視システムにおける監視カメラ、Webカメラなどに適用してもよい。この場合、上述した効果と、同様の効果が得られる。
【0146】
(数値実施例)
以下、実施の形態1から実施の形態5に係る単焦点レンズ系の構成において、具体的に実施した数値実施例1から数値実施例5について、図2図4図6図8および図10を参照しながら説明する。
【0147】
なお、各数値実施例において、表中の長さの単位はすべて「mm」で、画角の単位はすべて「°」である。なお、表中に示す「画角」は、対角半画角を意味する。また、各数値実施例において、rは曲率半径、dは面間隔、ndはd線に対する屈折率、νd(vdとも記す)はd線に対するアッベ数である。さらに、各数値実施例において、*印を付した面は非球面である。そして、非球面形状は、次式で定義される。
【0148】
【数1】
【0149】
ここで、Zは光軸からの高さがhの非球面上の点から、非球面頂点の接平面までの距離、hは光軸からの高さ、rは頂点曲率半径、Κは円錐定数、Aはn次の非球面係数、である。
【0150】
図2図4図6図8および図10は、実施の形態1から実施の形態5に対応する数値実施例1から数値実施例5に係る単焦点レンズ系の無限遠合焦状態における縦収差図である。
【0151】
各縦収差図は、上側から順に、球面収差(SA:Spherical Aberration(mm))、非点収差(AST:Astigmatism(mm))、歪曲収差(DIS:Distortion(%))を示している。
【0152】
球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、「F」で示す)を表し、実線はd線(d-line)、短破線はF線(F-line)、長破線はC線(C-line)に対する特性を示している。
【0153】
非点収差図において、縦軸は像高を表し、実線はサジタル平面(図中、「s」で示す)、破線はメリディオナル平面(図中、「m」で示す)に対する特性を示している。なお、wは半画角を示している。
【0154】
歪曲収差図において、縦軸は像高を表し、wは半画角を示している。
【0155】
ディストーションの実線は、Y=f・tan(ω)を理想像高とした場合の収差を示している(Yは像高、fは全系の焦点距離)。
【0156】
(数値実施例1)
以下に、図1に示す実施の形態1に対応する単焦点レンズ系の数値実施例1を示す。具体的には、単焦点レンズ系の数値実施例1として、面データを(表1)、非球面データを(表2)、各種データを(表3)、単レンズデータを(表4)に示す。
【0157】
(数値実施例2)
以下に、図3に示す実施の形態2に対応する単焦点レンズ系の数値実施例2を示す。具体的には、単焦点レンズ系の数値実施例2として、面データを(表5)、非球面データを(表6)、各種データ(表7)、単レンズデータ(表8)に示す。
【0158】
(数値実施例3)
以下に、図5に示す実施の形態3に対応する単焦点レンズ系の数値実施例3を示す。具体的には、単焦点レンズ系の数値実施例3として、面データを(表9)、非球面データを(表10)、各種データ(表11)、単レンズデータ(表12)に示す。
【0159】
(数値実施例4)
以下に、図7に示す実施の形態4に対応する単焦点レンズ系の数値実施例4を示す。具体的には、単焦点レンズ系の数値実施例4として、面データを(表13)、非球面データを(表14)、各種データ(表15)、単レンズデータ(表16)に示す。
【0160】
(数値実施例5)
以下に、図9に示す実施の形態5に対応する単焦点レンズ系の数値実施例5を示す。具体的には、単焦点レンズ系の数値実施例5として、面データを(表17)、非球面データを(表18)、各種データ(表19)、単レンズデータ(表20)に示す。
【0161】
(条件の対応値)
以上のように、実施の形態1から実施の形態5に係る単焦点レンズ系について、数値実施例1から数値実施例5に基づいて、具体的に実施した。
【0162】
以下に、各数値実施例における上記条件(1)~条件(7)に対応する値を、(表1)に示す。
【0163】
【表1】
【0164】
(表1)に示すように、各数値実施例で実施した単焦点レンズ系は、上記条件(1)から条件(7)を満たすことがわかる。
【0165】
これにより、諸収差の良好な単焦点レンズ系、単焦点レンズ系を備えるカメラを提供できる。
【0166】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0167】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0168】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本開示は、車載カメラ、監視カメラ、Webカメラなどに用いる単焦点レンズ系に適用可能である。特に、本開示は、車載カメラなど高画質化が求められているカメラに用いる単焦点レンズ系において有益である。
【符号の説明】
【0170】
L1 第1レンズ素子
L2 第2レンズ素子
L3 第3レンズ素子
L4 第4レンズ素子
L5 第5レンズ素子
L6 第6レンズ素子
P 平行平板
A 開口絞り
S 像面
100 車載カメラ
201 単焦点レンズ系
202 撮像素子
401 表示装置
402 表示装置
403 表示装置
500 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13