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特許7245999制御情報取得システム、及び、制御情報取得方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】制御情報取得システム、及び、制御情報取得方法
(51)【国際特許分類】
   G10L 15/00 20130101AFI20230317BHJP
【FI】
G10L15/00 200N
G10L15/00 200S
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018024290
(22)【出願日】2018-02-14
(65)【公開番号】P2019139156
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】城戸 清規
(72)【発明者】
【氏名】田中 敬一
【審査官】山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-32258(JP,A)
【文献】特開2015-153187(JP,A)
【文献】特表2009-525677(JP,A)
【文献】特開2001-184310(JP,A)
【文献】特開2017-83526(JP,A)
【文献】国際公開第2014/171144(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L 15/00-17/26
H04L 9/00
H04M 3/00,11/00
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に入力された情報に基づいて機器を制御するための制御情報を出力する制御システムから公衆通信網を介して前記制御情報および前記制御情報の認証に用いられる第一認証情報を取得する第一取得部と、
前記公衆通信網を含まないローカル通信ネットワークを介して前記認証に用いられる第二認証情報を取得する第二取得部とを備える
制御情報取得システム。
【請求項2】
さらに、取得された前記第一認証情報および取得された前記第二認証情報に基づいて、前記制御情報に基づく機器制御を行う制御部を備える
請求項1に記載の制御情報取得システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第一認証情報、及び、前記第二認証情報が対応する関係にある場合、前記制御情報に基づく機器制御を行う
請求項2に記載の制御情報取得システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第二認証情報が取得されてから所定期間内に前記第一取得部が前記第二認証情報に対応する前記第一認証情報を取得した場合に、前記制御情報に基づく機器制御を行う
請求項3に記載の制御情報取得システム。
【請求項5】
前記制御部は、取得された前記第二認証情報に関連する情報、前記第一認証情報、および、前記第二認証情報に基づいて、前記制御情報に基づく機器制御を行う
請求項2~4のいずれか1項に記載の制御情報取得システム。
【請求項6】
前記第一取得部は、第一通信範囲内で通信を行うことにより前記制御情報および前記第一認証情報を取得し、
前記第二取得部は、前記第一通信範囲よりも通信範囲が狭い第二通信範囲内で通信を行うことにより前記第二認証情報を取得する
請求項1~5のいずれか1項に記載の制御情報取得システム。
【請求項7】
前記端末に入力された情報は、音声であり、
前記制御システムは、前記音声に基づいて前記制御情報を出力する
請求項1~6のいずれか1項に記載の制御情報取得システム。
【請求項8】
端末に入力された情報に基づいて機器を制御するための制御情報を出力する制御システムから公衆通信網を介して前記制御情報および前記制御情報の認証に用いられる第一認証情報を取得し、
前記公衆通信網を含まないローカル通信ネットワークを介して前記認証に用いられる第二認証情報を取得する
制御情報取得方法。
【請求項9】
請求項8に記載の制御情報取得方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公衆通信網を介して機器制御を行うための制御情報取得システム、及び、制御情報取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
VPA(Virtual Personal Assistance)と呼ばれる、音声で機器を操作するサービスが普及し始めている。ネットワークに接続可能な集音機器が音声情報を収集し、収集した音声情報に基づいて、ネットワークを介して家電機器を制御する家電機器制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2014/171144号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
音声制御システムなどの制御システムにおいて、インターネットなどの公衆通信網を介して機器を制御するための制御情報が送信される場合、不正な制御情報に基づいて機器が遠隔制御されてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、制御情報の認証を行うことができる制御情報取得システム、及び、制御情報取得方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る制御情報取得システムは、端末に入力された情報に基づいて機器を制御するための制御情報を出力する制御システムから公衆通信網を介して前記制御情報および前記制御情報の認証に用いられる第一認証情報を取得する第一取得部と、前記公衆通信網を介さずに前記認証に用いられる第二認証情報を取得する第二取得部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係る制御情報取得方法は、端末に入力された情報に基づいて機器を制御するための制御情報を出力する制御システムから公衆通信網を介して前記制御情報および前記制御情報の認証に用いられる第一認証情報を取得し、前記公衆通信網を介さずに前記認証に用いられる第二認証情報を取得する。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記制御情報取得方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、制御情報の認証を行うことができる制御情報取得システム、及び、制御情報取得方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態1に係る音声認識システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態1に係る音声認識システムの動作例のシーケンス図である。
図3図3は、実施の形態1に係る認証・機器制御のフローチャートである。
図4図4は、第二認証情報が宅外の音声入力端末から送信される場合のシーケンス図である。
図5図5は、実施の形態1の変形例に係る認証・機器制御のフローチャートである。
図6図6は、実施の形態2に係る音声認識システムの機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態1)
[構成]
まず、実施の形態1に係る音声認識システムの構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る音声認識システムの機能構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示されるように、実施の形態1に係る音声認識システム10は、音声制御システム20と、機器制御システム30と、ルータ70とを備える。宅内には、音声制御システム20の音声入力端末21、機器制御システム30の制御対象機器50、及び、ルータ70が設置されている。音声制御システム20の音声認識サーバ22、及び、機器制御システム30の機器制御サーバ40は、クラウド(クラウドサーバ)として実現される。また、図1では、宅外に配置された音声入力端末80も図示されている。
【0015】
[音声制御システムの構成]
音声制御システム20は、音声を入力として制御対象機器を制御するためのシステムである。音声制御システム20は、制御システムの一例である。音声制御システム20は、音声入力端末21と、音声認識サーバ22とを備える。音声制御システム20は、音声入力端末21以外の音声入力端末(例えば、音声入力端末80)を備えてもよい。
【0016】
音声入力端末21は、宅内のユーザ等の音声を取得する音声入力インターフェース装置である。音声入力端末21は、音声取得部の一例である。音声入力端末21は、例えば、スマートスピーカ等の据え置き型の端末であり、人がいると推定される空間に設置されている。音声入力端末21は、スマートフォンなどの携帯端末であってもよい。音声入力端末21は、マイクロフォンなどの集音装置、及び、取得した音声の音声信号を音声認識サーバ22に送信する通信回路等を備えているのであれば、どのような装置であってもよい。
【0017】
ルータ70は、宅内のローカル通信ネットワークと、宅外の広域通信ネットワーク(例えば、インターネット等の公衆ネットワーク)を中継する中継装置である。ルータ70は、例えば、音声入力端末21によって取得された音声の音声信号をクラウド上の音声認識サーバ22に送信する。
【0018】
音声認識サーバ22は、音声入力端末21から送信される音声信号に対して音声認識処理を行うサーバである。音声認識サービスを提供する事業者は、音声認識サーバ22を用いて当該音声認識サービスを提供する。音声認識サーバ22は、例えば、音声入力端末21から送信される音声信号をテキスト情報に変換し、テキスト情報を当該テキスト情報に対応するコマンドに変換する。コマンドは、音声入力端末21によって取得された音声に基づいて機器を制御するための音声制御情報の一例である。例えば、テキスト情報が「エアコンをつけて」というテキストを示す場合、このようなテキスト情報は、エアコンの動作を開始させるためのコマンドに変換される。また、音声認識サーバ22は、コマンドを機器制御システム30の機器制御サーバ40に送信する。
【0019】
[機器制御システムの構成]
機器制御システム30は、音声制御システム20と連携して宅内に設置された制御対象機器を制御するシステムである。機器制御システム30は、制御情報取得システムの一例である。機器制御システム30は、機器制御サーバ40と、制御対象機器50とを備える。
【0020】
機器制御サーバ40は、音声認識サーバ22から送信されるコマンドに基づいて宅内の制御対象機器50の制御を行うサーバである。機器制御サービスを提供する事業者は、機器制御サーバ40を用いて当該機器制御サービスを提供する。機器制御サーバ40は、第一通信部41と、第一制御部42と、第一記憶部43とを備える。
【0021】
第一通信部41は、音声制御システム20と通信を行う。第一通信部41は、第一取得部の一例である。第一通信部41は、具体的には、インターネットなどの公衆通信網を介して音声制御システム20から音声制御情報を取得する。音声制御情報は、制御情報の一例である。上述のように、音声制御情報は、例えば、音声認識サーバ22によって送信されたコマンドである。第一通信部41は、例えば、通信回路によって実現される。
【0022】
第一制御部42は、第一通信部41によって取得されたコマンドを、宅内の制御対象機器50を制御するための個別コマンドに変換する。また、第一制御部42は、第一通信部41を用いて個別コマンドを制御対象機器50に送信する。なお、音声認識サーバ22からは音声制御情報としてテキスト情報が送信され、第一制御部42がテキスト情報のコマンドへの変換、及び、コマンドの個別コマンドへの変換の両方を行ってもよい。第一制御部42は、例えば、マイクロコンピュータまたはプロセッサによって実現される。
【0023】
第一記憶部43は、第一制御部42が実行するプログラムが記憶される記憶装置である。第一記憶部43は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0024】
制御対象機器50は、機器制御サーバ40の第一通信部41によって送信される個別コマンドを受信し、受信された個別コマンドにしたがって動作する機器である。制御対象機器50は、例えば、エアコンなどの家電機器であるが、建具(例えば、玄関のドア)の施錠装置など家電機器以外の機器であってもよい。また、機器制御システム30の制御対象機器には、制御対象機器50だけでなく、音声入力端末21が含まれてもよい。
【0025】
このように音声認識システム10においては、音声認識サーバ22及び機器制御サーバ40などのクラウドサーバが介在することにより、制御対象機器50の遠隔制御が実現される。このようなクラウドサーバを介した機器制御では、機器間の連携の柔軟性及び拡張性が向上される。
【0026】
一方で、クラウドサーバを介した機器制御では、制御対象機器50は、上記個別コマンドなどの制御指示が同じ宅内または同じローカル通信ネットワーク内の音声入力端末21に入力された音声に基づくものなのか、宅外の音声入力端末80に入力された音声に基づくものなのかを判断することが難しいことが課題である。例えば、音声入力端末21を物理的に外部に持ち出した第三者、または、音声入力端末21になりすました音声入力端末21を使用する第三者によって、宅内の制御対象機器50を制御されてしまうといった問題が起こり得る。
【0027】
そこで、音声入力端末21は、音声を取得すると、音声信号に加えて第一認証情報を音声認識サーバ22に送信する。第一認証情報は、音声制御システム20から機器制御システム30に送信される音声制御情報の認証に用いられる情報である。第一認証情報は、インターネットなどの公衆通信網を含む広域通信ネットワークを介して機器制御システム30に送信される。機器制御サーバ40の第一通信部41は、インターネットなどの公衆通信網を介して音声制御システム20から第一認証情報を取得する。このときの取得経路は、図1の取得経路r1である。
【0028】
一方、音声入力端末21は、音声制御情報の認証に用いられるもう1つの情報として第二認証情報を送信する。第二認証情報は、第一認証情報と対になる情報である。第二認証情報は、インターネットなどの公衆通信網を含まないローカル通信ネットワークを介して機器制御システム30に送信される。このときの取得経路は、図1の取得経路r2または取得経路r3である。
【0029】
機器制御システム30は、第一認証情報及び第二認証情報を取得し、第一認証情報及び第二認証情報が対応する関係であるか否かを判定する。機器制御システム30は、第一認証情報及び第二認証情報が対応する関係にある場合、宅内の音声入力端末21への音声入力に基づくものであり、信頼できるものであると推定されるため、音声制御情報に基づく制御対象機器50の制御を行う。
【0030】
一方、機器制御システム30は、第一認証情報及び第二認証情報が対応する関係でない場合、または、機器制御システム30が第二認証情報を取得できない場合には、一定の制限の下で音声制御情報に基づく制御対象機器50の制御を行う。あるいは、このような場合、機器制御システム30は、音声制御情報に基づく制御対象機器50の制御を行わない。
【0031】
これにより、機器制御システム30は、クラウドサーバを介した機器制御の利点である機器間の連携の柔軟性及び拡張性を維持しつつ、安全に制御対象機器50の制御を行うことができる。
【0032】
[制御対象機器の具体的構成]
実施の形態1では、制御対象機器50において第一認証情報、及び、第二認証情報を用いた認証が行われる。以下、制御対象機器50の具体的構成について引き続き図1を参照しながら説明する。制御対象機器50は、第二通信部51と、第二制御部52と、第二記憶部53とを備える。
【0033】
第二通信部51は、機器制御サーバ40の第一通信部41によって送信される個別コマンド、及び、第一認証情報を、ルータ70を介して受信する。また、第二通信部51は、第二取得部の一例であり、インターネットなどの公衆通信網を介さずに上記認証に用いられる第二認証情報を取得する。第二通信部51は、例えば、通信回路によって実現される。
【0034】
第二制御部52は、取得された第一認証情報および取得された第二認証情報に基づいて、音声制御情報に基づく機器制御を行う。例えば、制御対象機器50が空調機器である場合、第二制御部52は、空調制御を行う。第二制御部52は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0035】
第二記憶部53は、第二制御部52によって実行されるプログラムなどが記憶される記憶装置である。また、第二記憶部53には、第二通信部51によって取得された第二認証情報が記憶される。第二記憶部53は、具体的には、半導体メモリなどによって実現される。
【0036】
[音声認識システムの動作例]
次に、音声認識システムの動作例について説明する。図2は、音声認識システムの動作例のシーケンス図である。
【0037】
まず、音声入力端末21は、第二認証情報を送信する(S11)。第二認証情報は、例えば、ワンタイムの認証識別情報(認証ID)であり、所定期間のみ有効な使い捨ての情報である。第二認証情報は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)のプロトコルを用いた直接無線通信によって送信される。つまり、第二認証情報は、通信範囲が限られた無線通信によって送信される。なお、第二認証情報は、公衆通信網を介さずに送信されればよく、有線または無線のどのような通信によって送信されてもよい。
【0038】
制御対象機器50の第二通信部51は第二認証情報を取得し(S12)、第二制御部52は第二認証情報を第二記憶部53に記憶する(S13)。第一通信部41が公衆通信網等を用いた広大な第一通信範囲内で通信を行うことにより音声制御情報および第一認証情報を取得するのに対し、第二通信部51は、第一通信範囲よりも通信範囲が狭い第二通信範囲内で通信を行うことにより第二認証情報を取得する。これにより、第二認証情報が改ざんされることが抑制され、第二認証情報の信頼性を高めることができる。
【0039】
なお、第二通信範囲が第一通信範囲よりも狭いとは、例えば、第二認証情報が伝送可能な物理的な距離が第一認証情報を伝送可能な物理的な距離よりも短いことを意味する。第二通信範囲は、例えば、第二認証情報の取得に用いられる無線通信の電波の到達範囲である。
【0040】
その後、音声入力端末21は、マイクロフォンによって音声を取得し(S14)、取得した音声の音声信号と、第一認証情報とを送信する(S15)。第一認証情報は、例えば、第二認証情報と同一の認証識別情報である。
【0041】
音声認識サーバ22は、音声入力端末21によって送信された音声信号及び第一認証情報を受信する(S16)。音声認識サーバ22は、音声信号をテキスト情報に変換し、テキスト情報をテキスト情報に対応するコマンド(つまり、音声制御情報)に変換する。そして、音声認識サーバ22は、音声制御情報、及び、第一認証情報を機器制御サーバ40に送信する(S17)。第一認証情報は、音声制御情報に埋め込まれていてもよいし、音声制御情報とは別に送信されてもよい。
【0042】
機器制御サーバ40の第一通信部41は、音声制御情報、及び、第一認証情報を取得する(S18)。第一制御部42は、取得した音声制御情報を個別コマンドに変換する。そして、第一通信部41は、個別コマンド、及び、第一認証情報を制御対象機器50に送信する(S19)。
【0043】
制御対象機器50の第二通信部51は、個別コマンド、及び、第一認証情報を取得する(S20)。第二制御部52は、取得した第一認証情報、及び、第二記憶部53に記憶された第二認証情報を用いて認証を行い、認証結果に基づいて機器制御を行う(S21)。図3は、ステップS21の認証・機器制御の詳細を示すフローチャートである。
【0044】
[認証・機器制御の詳細]
図3に示されるように、第二制御部52は、第二認証情報が取得されてから所定期間内であるか否かを判定する(S22)。第二制御部52は、第二認証情報が取得されてから所定期間内であると判定すると(S22でYes)、第一認証情報と第二認証情報とが一致するか否かを判定する(S23)。
【0045】
第二制御部52は、第一認証情報と第二認証情報とが一致すると判定すると(S23でYes)、ステップS18で取得された音声制御情報(より詳細には、ステップS20で取得された個別コマンド)に基づく機器制御を行う(S24)。例えば、制御対象機器50が空調機器であり、音声制御情報によって指示される制御が空調機器をオンする制御であれば、第二制御部52は、空調をオン(開始)する。
【0046】
一方、第二制御部52は、上記ステップS22において、第二認証情報が取得されてから所定期間以上が経過していると判定された場合(S22でNo)、及び、上記ステップS23において、第一認証情報と第二認証情報とが一致しないと判定された場合(S23でNo)には、一定の制限の下で音声制御情報に基づく機器制御を行う(S25)。ステップS25では、音声制御情報に基づく機器制御が行われなくてもよい。つまり、第二制御部52は、音声制御情報にしたがわず、音声制御情報を無視してもよい。
【0047】
なお、上述のように、第二認証情報は、例えば、通信範囲が限られた無線通信によって送信される。そうすると、図4に示されるように、宅外の音声入力端末80から送信される第二認証情報が制御対象機器50に届かず、第二通信部51が第二認証情報を取得できない場合がある。図4は、第二認証情報が宅外の音声入力端末80から送信される場合のシーケンス図である。このような場合も、ステップS25と同様に一定の制限の下で音声制御情報に基づく機器制御が行われる。
【0048】
このケースにおいて、制御対象機器50が空調機器であり、音声制御情報によって指示される制御が空調機器を25℃で冷房動作させる制御である場合、一定の制限の下で行われる制御は、空調機器を28℃で冷房動作させる制御である。つまり、第二制御部52は、音声制御情報の元となる音声を発したユーザが宅内にいないと推定されることから過度な冷房を避ける(消費電力を下げる)ように制御に制限をかける。言い換えれば、第二制御部52は、音声制御情報によって指示された制御と異なる制御を行う。
【0049】
なお、第一認証情報及び第二認証情報は、認証識別情報に限定されず、第一認証情報及び第二認証情報の一方が暗号化情報であり、第一認証情報及び第二認証情報の他方は、暗号化情報を復号するための鍵であってもよい。また、第一認証情報及び第二認証情報の一方は、第一認証情報及び第二認証情報の他方が改ざんされていないかを確認するためのハッシュ値であってもよい。つまり、ステップS23では、第一認証情報、及び、第二認証情報が対応する関係にあるか否かが判定されればよい。第二制御部52は、第一認証情報、及び、第二認証情報が対応する関係にある場合、音声制御情報に基づく機器制御を行う。
【0050】
以上説明したように、機器制御システム30は、第一認証情報及び第二認証情報を用いて音声制御情報の認証を行うことができる。第二認証情報は、公衆通信網を介さずに取得されるため、改ざん等を受けにくい。このため、機器制御システム30は、音声制御情報の認証を行うことができる。
【0051】
機器制御システム30は、具体的には、上記認証により、音声制御情報が信頼できるものか否かを判定することができる。また、機器制御システム30は、上記認証により、音声制御情報が制御対象機器50の近くに位置する音声入力端末21への音声入力に基づくものであるか否かを推定することもできる。
【0052】
[認証・機器制御の詳細の変形例]
上記認証においては、取得された第二認証情報に関連する情報がさらに用いられてもよい。例えば、認証においては、第二認証情報の受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)がさらに用いられてもよい。図5は、変形例に係る認証・機器制御のフローチャートである。
【0053】
図5の例では、第二制御部52は、ステップS22の判定、及び、ステップS23の判定に加えて、第二認証情報の受信強度が所定値以上であるか否かの判定を行う(S26)。受信強度は、第二認証情報に関連する情報の一例であり、より具体的には、第二認証情報の受信状態を示す情報である。この場合、第二通信部51は、第二認証情報を受信したときの受信強度を計測し、第二記憶部53に記憶する。ステップS26において、第二制御部52は、第二記憶部53に記憶された受信強度を参照し、当該受信強度が所定値以上であるか否かの判定を行う。
【0054】
第二制御部52は、受信強度が所定値以上であると判定すると(S26でYes)、ステップS18で取得された音声制御情報に基づく機器制御を行う(S24)。一方、第二制御部52は、受信強度が所定値未満であると判定すると(S26でYes)、一定の制限の下で音声制御情報に基づく機器制御を行う(S25)。
【0055】
例えば、制御対象機器50が宅内の1階に設置された照明機器であり、宅内の1階及び2階のそれぞれに音声入力端末21が設置されており、1階に設置された音声入力端末21への音声入力のみを有効にしたい場合が考えられる。しかしながら、2階に設置された音声入力端末21からの第二認証情報が制御対象機器50に届いてしまうと、制御対象機器50が制御されてしまう。
【0056】
ここで、図5のフローチャートのように受信強度の判定が行われれば、同じ宅内に設置された音声入力端末21のうち制御対象機器50の近くに位置する音声入力端末21への音声入力を選択的に有効にすることができる。
【0057】
なお、特定の制御対象機器50のみが第一認証情報、及び、第二認証情報の両方を取得できる方法として、送信先を変更する手法も考えられる。例えば、第一認証情報、及び、第二認証情報がどちらも有線LAN、もしくは無線LANを通じて送信される場合に、第一認証情報がユニキャスト通信でサーバに送信され、第二認証情報がマルチキャスト通信またはブロードキャスト通信で宅内LAN向けに送信されれば、宅内にある制御対象機器50のみが第一認証情報、及び、第二認証情報の両方を取得できる。
【0058】
(実施の形態2)
[構成]
次に、実施の形態2に係る音声認識システムの構成について説明する。図6は、実施の形態2に係る音声認識システムの機能構成を示すブロック図である。なお、図6では、機器制御サーバ40及び制御対象機器50の機能構成は簡略化されている。
【0059】
図6に示されるように、実施の形態2に係る音声認識システム10aが備える機器制御システム30aは、機器制御サーバ40と、制御装置90と、制御対象機器50とを備える。実施の形態2では、制御装置90において第一認証情報及び第二認証情報を用いた認証が行われる。
【0060】
制御装置90は、宅内の機器を制御する装置である。制御装置90は、例えば、HEMS(Home Energy Management System)コントローラ(言い換えれば、ホームゲートウェイ)である。制御装置90は、第三通信部91と、第三制御部92と、第三記憶部93とを備える。
【0061】
第三通信部91は、機器制御サーバ40の第一通信部41によって送信される個別コマンド、及び、第一認証情報を、ルータ70を介して受信する。また、第三通信部91は、第二取得部の一例であり、第二認証情報を音声制御システム20の音声入力端末21から取得する。第三通信部91は、例えば、通信回路によって実現される。
【0062】
第三制御部92は、取得された第一認証情報および取得された第二認証情報に基づいて、音声制御情報に基づく機器制御を行う。第三制御部92は、具体的には、取得された第一認証情報および取得された第二認証情報に基づいて、制御対象機器50を制御するための制御コマンドを第三通信部91に送信させる。制御対象機器50は、制御コマンド受信すると、受信された制御コマンドに基づいて動作する。第三制御部92は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0063】
第三記憶部93は、第三制御部92によって実行されるプログラムなどが記憶される記憶装置である。第三記憶部93には、第三通信部91によって取得された第二認証情報が記憶される。また、第三記憶部93は、具体的には、半導体メモリなどによって実現される。
【0064】
以上説明したように、音声認識システム10aでは、制御対象機器50ではなく、制御装置90において第一認証情報及び第二認証情報を用いた認証が行われる。つまり、制御装置90の導入により、音声制御情報の認証が実現される。
【0065】
(効果等)
以上説明したように、機器制御システム30は、音声入力端末21に入力された音声に基づいて機器を制御するための音声制御情報を出力する音声制御システム20から公衆通信網を介して音声制御情報および音声制御情報の認証に用いられる第一認証情報を取得する第一通信部41と、公衆通信網を介さずに認証に用いられる第二認証情報を取得する第二通信部51とを備える。音声入力端末は、端末の一例であり、音声は、端末に入力される情報の一例である。音声制御情報は、制御情報の一例であり、音声制御システム20は、制御システムの一例であり、機器制御システム30は、制御情報取得システムの一例である。
【0066】
このような機器制御システム30は、第一認証情報及び第二認証情報を用いて音声制御情報の認証を行うことができる。
【0067】
また、例えば、機器制御システム30は、さらに、取得された第一認証情報および取得された第二認証情報に基づいて、音声制御情報に基づく機器制御を行う第二制御部52を備える。
【0068】
このような機器制御システム30は、第一認証情報及び第二認証情報を用いた認証の結果に応じて機器制御を行うことができる。
【0069】
また、例えば、第二制御部52は、第一認証情報、及び、第二認証情報が対応する関係にある場合、音声制御情報に基づく機器制御を行う。
【0070】
このような機器制御システム30は、第一認証情報及び第二認証情報を用いた認証が成功した場合に、機器制御を行うことができる。
【0071】
また、例えば、第二制御部52は、第二認証情報が取得されてから所定期間内に第一通信部41が第二認証情報に対応する第一認証情報を取得した場合に、音声制御情報に基づく機器制御を行う。
【0072】
このような機器制御システム30は、第一認証情報の取得に時間的な期限を設けることで、信頼性の高い認証を行うことができる。
【0073】
また、例えば、第二制御部52は、取得された第二認証情報に関連する情報、第一認証情報、および、第二認証情報に基づいて、制御情報に基づく機器制御を行う。
【0074】
このような機器制御システム30においては、第二認証情報に関連する情報についての制限が認証成功の条件として追加されることにより、信頼性の高い認証を行うことができる。
【0075】
また、例えば、第一通信部41は、第一通信範囲内で通信を行うことにより制御情報および第一認証情報を取得し、第二通信部51は、第一通信範囲よりも通信範囲が狭い第二通信範囲内で通信を行うことにより第二認証情報を取得する。
【0076】
このような機器制御システム30においては、音声入力端末21の遠くに位置する制御対象機器50が第二認証情報を取得できない。言い換えれば、音声入力端末21の近くに位置する制御対象機器50は第二認証情報を取得することができ、音声制御情報に基づく機器制御を行うことができる。
【0077】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0078】
例えば、上記実施の形態では、端末に入力された情報は、音声であり、制御システムは、音声に基づいて制御情報を出力した。しかしながら、制御システムが備える端末は、音声入力端末に限定されない。制御システムが備える端末は、例えば、ユーザのボタン操作を入力とする端末であってもよい。つまり、制御システムが備える端末は、音声入力機能を有していない端末であってもよい。制御システムは、ユーザのボタン操作によって端末に入力された情報に基づいて制御情報を出力してもよい。また、本発明は、スマートフォン用アプリケーションなど、汎用の携帯端末にインストールされるソフトウェアとして実現されてもよい。このようなソフトウェアは、汎用の携帯端末を制御システムに対応する端末として動作させる。
【0079】
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。装置間では、無線通信が行われてもよいし、有線通信が行われてもよい。また、装置間では、無線通信及び有線通信が組み合わされてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0081】
また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0082】
また、制御部などの構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、制御部などの構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0083】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0084】
例えば、本発明は、制御対象機器、または、制御装置として実現されてもよい。また、本発明は、制御情報取得方法として実現されてもよいし、制御情報取得方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録された非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0085】
また、上記実施の形態で説明された各システムは、単一の装置として実現されてもよいし、複数の装置によって実現されてもよい。システムが複数の装置によって実現される場合、上記実施の形態で説明されたシステムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0086】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
20 音声制御システム(制御システム)
21 音声入力端末(端末)
22 音声認識サーバ
30、30a 機器制御システム(制御情報取得システム)
41 第一通信部(第一取得部)
50 制御対象機器
51 第二通信部(第二取得部)
91 第三通信部(第二取得部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6