(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】レコメンド商品決定装置、レコメンド商品決定システム及びレコメンド商品決定方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/015 20230101AFI20230317BHJP
【FI】
G06Q30/015
(21)【出願番号】P 2021509043
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(86)【国際出願番号】 JP2020011040
(87)【国際公開番号】W WO2020195929
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2019063045
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小川 祐輝
(72)【発明者】
【氏名】久郷 明義
【審査官】山崎 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-250537(JP,A)
【文献】特開2011-255106(JP,A)
【文献】特開2003-299623(JP,A)
【文献】特開2007-272284(JP,A)
【文献】特開2016-103211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レコメンド商品決定装置であって、
対象者が発する音声を示す音声データを取得する取得部と、
前記音声データに基づいて、前記対象者の認知機能を評価する評価部と、
前記評価部が評価した前記認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記レコメンド商品に関するレコメンド情報を出力する出力部とを備え、
前記レコメンド商品決定装置は、店舗に設置され、
さらに、前記レコメンド商品を購入するための操作を受付ける受付部と、
前記操作の受付結果を前記店舗の従業者に通知する通知部とを備える
レコメンド商品決定装置。
【請求項2】
さらに、前記評価結果と、前記レコメンド商品との関係を示す参照データが記憶された記憶部を備え、
前記決定部は、前記評価結果と前記記憶部に記憶されている前記参照データとを照合することにより、前記レコメンド商品を決定する
請求項1に記載のレコメンド商品決定装置。
【請求項4】
前記レコメンド商品が前記店舗内に存在する場合、
前記操作は、前記店舗の従業者に前記レコメンド商品購入の補助を要請するための操作を含む
請求項1又は2に記載のレコメンド商品決定装置。
【請求項5】
前記対象者が前記補助を要請しない場合、
前記出力部は、前記店舗内において、前記レコメンド商品が陳列される場所を示す地図情報を出力する
請求項4に記載のレコメンド商品決定装置。
【請求項6】
前記レコメンド商品が前記店舗内に存在しない場合、
前記操作は、前記対象者の居住地へ、前記レコメンド商品の配送を要請するための操作を含む
請求項4又は5に記載のレコメンド商品決定装置。
【請求項7】
前記評価結果は、前記対象者の属性を表す個人プロパティ情報と結びつけられる
請求項1、2、4~6のいずれか1項に記載のレコメンド商品決定装置。
【請求項8】
前記レコメンド商品は、食品である
請求項1、2、4~7のいずれか1項に記載のレコメンド商品決定装置。
【請求項9】
請求項1、2、4~8のいずれか1項に記載のレコメンド商品決定装置と、
前記対象者の前記音声を検出し、前記音声データを出力する集音装置と、
前記出力部が出力した前記レコメンド情報を表示する表示装置とを備える
レコメンド商品決定システム。
【請求項10】
レコメンド商品決定装置によるレコメンド商品決定方法であって、
対象者が発する音声を示す音声データを取得する取得ステップと、
前記音声データに基づいて、前記対象者の認知機能を評価する評価ステップと、
前記評価ステップで評価した認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定したレコメンド商品に関するレコメンド情報を出力する出力ステップとを含み、
前記レコメンド商品決定装置は、店舗に設置され、
さらに、前記レコメンド商品を購入するための操作を受付ける受付ステップと、
前記操作の受付結果を前記店舗の従業者に通知する通知ステップとを含む
レコメンド商品決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象者の認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定することができるレコメンド商品決定装置、レコメンド商品決定システム及びレコメンド商品決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、発話者の音声データから抽出される韻律特徴量に基づいて、発話者について認知機能障害の危険度を算出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、算出された認知機能障害の危険度は、表示装置に表示される。これにより、発話者は、自らの認知機能障害の危険度を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-255106号公報
【文献】特許第6337362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、発話者は、認知機能に関する具体的な改善行動を知ることはできない。
【0005】
そこで、本発明は、認知機能に関する具体的な改善行動を提案することができる装置等の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るレコメンド商品決定装置は、対象者が発する音声を示す音声データを取得する取得部と、前記音声データに基づいて、前記対象者の認知機能を評価する評価部と、前記評価部が評価した前記認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記レコメンド商品に関するレコメンド情報を出力する出力部とを備える。
【0007】
また、本発明の一態様に係るレコメンド商品決定システムは、上記レコメンド商品決定装置と、前記対象者の前記音声を検出し、前記音声データを出力する集音装置と、前記出力部が出力した前記レコメンド情報を表示する表示装置とを備える。
【0008】
また、本発明の一態様に係るレコメンド商品決定方法は、対象者が発する音声を示す音声データを取得する取得ステップと、前記音声データに基づいて、前記対象者の認知機能を評価する評価ステップと、前記評価ステップで評価した認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定する決定ステップと、前記決定ステップで決定したレコメンド商品に関するレコメンド情報を出力する出力ステップとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明のレコメンド商品決定装置等によれば、認知機能に関する具体的な改善行動を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るレコメンド商品決定システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係るレコメンド商品決定装置の特徴的な機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るレコメンド商品決定装置が対象者へのレコメンド商品を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、レコメンド商品に関するレコメンド情報に対応する画像の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係るレコメンド商品決定装置が対象者へのレコメンド商品を決定し、レコメンド商品を購入するための操作を受付ける処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請するための画像の一例を示す図である。
【
図7A】
図7Aは、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請することを表す画像の一例を示す図である。
【
図7B】
図7Bは、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請しないことを表す画像の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、レコメンド商品が陳列される場所を示す地図情報に対応する画像の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、対象者の居住地へ、レコメンド商品の配送を要請するための画像の一例を示す図である。
【
図10A】
図10Aは、対象者の居住地へ、レコメンド商品の配送を要請することを表す画像の一例を示す図である。
【
図10B】
図10Bは、対象者の居住地へ、レコメンド商品の配送を要請しないことを表す画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[レコメンド商品決定システムの構成]
本実施の形態に係るレコメンド商品決定システム1000の構成に関して説明する。
図1は、本実施の形態に係るレコメンド商品決定システム1000の構成を示す図である。
【0014】
レコメンド商品決定システム1000は、対象者Uが発した音声から、対象者Uの認知機能を評価し、認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定するためのシステムである。認知機能とは、認識したり、記憶したり、判断したりする能力を示す。一具体例として、レコメンド商品決定装置100は、認知症である人(認知症患者)かどうかを評価し、その評価結果に基づいて、レコメンド商品を決定する。
【0015】
認知症とは、上述した認知機能の低下が見られる症状を示す。認知症の一具体例としては、アルツハイマー型認知症(AD:Alzheimer’s disease)が挙げられる。
【0016】
ところで、認知症患者と、認知症ではない人(健常者)とでは、発話した単語が同じ単語であっても音声に違いがあることが知られている。例えば、発明者らは、対象者の音声データから特徴量(例えば、母音部分のスペクトルから得られるフォルマント)を用いて、対象者Uの認知機能を評価する技術を開示している(特許文献2)。本実施の形態に係るレコメンド商品決定装置100においても、同技術が用いられている。
【0017】
レコメンド商品決定システム1000は、対象者Uの音声を解析することで、対象者Uの認知機能を評価し、認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定することができる。すなわち、レコメンド商品決定装置100は、対象者Uに、認知機能に関する具体的な改善行動を提案することができるシステムである。
【0018】
また、上記商品とは、財及びサービスを含む。財とは、目に見える有形の商品であり、サービスとは、目に見えない無形の商品である。また、レコメンド商品決定システム1000は、対象者Uに、レコメンドするレコメンド商品を決定するシステムであるため、対象者Uとは、商品を購入する購入者(すなわち客)である。
【0019】
図1に示されるように、レコメンド商品決定システム1000は、レコメンド商品決定装置100と、集音装置200と、表示装置300とを備える。
【0020】
レコメンド商品決定装置100は、集音装置200によって、対象者Uが発した音声を示す音声データを取得し、取得した音声データから対象者Uの認知機能を評価する。さらに、レコメンド商品決定装置100は、その評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定するコンピュータである。
【0021】
集音装置200は、対象者Uが発した音声を検出して、検出した音声を示す音声データをレコメンド商品決定装置100へ出力するマイクである。対象者Uが発した音声を精度良く検出するために、集音装置200の周囲には、遮音壁210及び/又はポップガード220が配置されていてもよい。
【0022】
表示装置300は、レコメンド商品決定装置100から出力される画像データに基づいた画像を表示する。表示装置300は、具体的には、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネルなどによって構成されるモニタ装置である。表示装置300として、テレビ、スマートフォン又はタブレット端末などが用いられてもよい。
【0023】
レコメンド商品決定装置100と、集音装置200及び表示装置300とは、音声データ又は画像データを送受信可能であればよく、有線で接続されていてもよいし、無線通信可能に接続されていてもよい。
【0024】
レコメンド商品決定装置100は、集音装置200によって検出された音声データに基づいて対象者Uの音声を分析し、分析した結果から対象者Uの認知機能を評価する。さらに、レコメンド商品決定装置100は、認知機能の評価結果に基づいて、レコメンド商品を決定する。次にレコメンド商品決定装置100は、レコメンド商品に関するレコメンド情報を示す画像を表示するための画像データを表示装置300へ出力する。また、レコメンド商品は、具体的には、認知機能の改善に関する商品である。
【0025】
これにより、レコメンド商品決定システム1000は、対象者Uの音声を解析することで、対象者Uの認知機能を評価し、認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定することができる。すなわち、レコメンド商品決定システム1000は、対象者Uに、認知機能に関する具体的な改善行動を提案することができる。レコメンド情報が画像として表示されることで、認知機能が低下した対象者Uは、認知機能の改善に関する商品を知ることができる。すなわち、対象者Uは、具体的な改善行動を知ることができるため、安心感を得ることができる。
【0026】
なお、レコメンド商品決定装置100は、例えば、パーソナルコンピュータであるが、サーバ装置であってもよい。
【0027】
また、レコメンド商品決定装置100が設置される場所は、特に限らないが、本実施の形態においては、レコメンド商品決定装置100は、店舗に設置される。店舗は、商品を実際に並べて販売する実店舗である。店舗の業態は、例えば、コンビニエンスストア、ドラッグストア又はスーパーマーケットなどであるが、これらに限らない。
【0028】
レコメンド商品決定装置100が店舗に設置されることで、レコメンド商品決定装置100は、当該店舗への来客数の増加に寄与することができる。
【0029】
次に、本実施の形態に係るレコメンド商品決定装置100の機能構成を具体的に説明する。
【0030】
図2は、本実施の形態に係るレコメンド商品決定装置100の特徴的な機能構成を示すブロック図である。レコメンド商品決定装置100は、取得部110と、評価部120と、決定部130と、出力部140と、受付部150と、通知部160と、記憶部170とを備える。
【0031】
取得部110は、対象者Uが発する音声を示す音声データを取得する。取得部110は、具体的には、集音装置200によって検出された音声データを取得する。取得部110は、例えば、有線通信又は無線通信を行う通信インターフェースである。
【0032】
評価部120は、取得部110が取得した音声データに基づいて、対象者Uの認知機能を評価する。評価部120は、例えば、取得部110が取得した対象者Uの音声データを解析し、対象者Uの認知機能を評価する処理部である。評価部120は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路によって実現される。
【0033】
評価部120は、取得部110が取得した音声データから特徴量を算出する。ここで、特徴量とは、評価部120が対象者Uの認知機能を評価するために用いる音声データから算出される対象者Uの音声の特徴を示す数値である。例えば、特徴量は、取得部110によって取得された音声データの母音部分から得られるフォルマントに基づく。特徴量は、より具体的には、第一フォルマントのばらつき、第二フォルマントのばらつき、第一フォルマント及び第二フォルマントの比率のばらつきなどである。また、評価部120は、得られた特徴量に基づいて、対象者Uの認知機能を評価する。
【0034】
決定部130は、評価部120が評価した認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定する。決定部130は、例えば、評価部120が評価した評価結果と、記憶部170に記憶されている参照データ171とを照合し、レコメンド商品を決定する。決定部130は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路によって実現される。
【0035】
上述のように、レコメンド商品は、具体的には、認知機能の改善に関する商品である。レコメンド商品は、例えば、食品又は飲料などの人間が食事で摂取する物である。レコメンド商品は、例えば、食品であってもよい。より具体的には、レコメンド商品は、DHA(Docosahexaenoic acid:ドコサヘキサエン酸)を含む鯖、鮪、鰻などの魚類である。また、レコメンド商品は、健康器具などの装置であってもよく、さらに、フィットネスクラブで提供される運動などのサービスであってもよい。
【0036】
特に、食品は、対象者Uが日々容易に摂取できる商品である。つまり、レコメンド商品決定装置100は、対象者Uが簡易に利用できる商品をレコメンド商品として決定することができる。
【0037】
出力部140は、決定部130が決定したレコメンド商品に関するレコメンド情報を出力する。出力部140は、決定部130が決定したレコメンド商品に関するレコメンド情報を表示装置300へ出力してもよい。出力部140は、例えば、有線通信又は無線通信を行う通信インターフェースである。レコメンド情報には、具体的なレコメンド商品及びレコメンド商品の活用方法などが含まれる。より詳細には、
図4を用いて後述する。
【0038】
また、出力部140は、評価部120が評価した認知機能の評価結果を出力してもよい。出力部140は、例えば、評価部120が評価した認知機能の評価結果を表示装置300へ出力する。
【0039】
受付部150は、レコメンド商品を購入するための操作を受付ける。受付部150は、例えば、タッチパネル又はハードウェアボタン等の受付装置を介して、対象者Uから操作を受付ける。また、受付装置であるタッチパネルは、表示装置300に備えられてもよい。受付部150は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路によって実現される。
【0040】
また、受付部150は、レコメンド商品が店舗内に存在するか否かに関する情報を得ることができる。受付部150は、例えば、店舗が備えるサーバ装置と通信回路を介して通信することで、上記情報を得ることができてもよい。受付部150と、サーバ装置との間で行われる通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格は、特に限定されない。
【0041】
レコメンド商品が店舗内に存在する場合、受付部150が受付ける操作は、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請するための操作を含む。つまり、対象者Uは、必要に応じて、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請するための操作を行うことができる。例えば、上記補助とは、店舗の従業者がレコメンド商品を探索して対象者Uへ渡すなどの行為をさす。
【0042】
以上のように、レコメンド商品決定装置100は、店舗の従業者に、レコメンド商品購入の補助の要否を通知することができる。そのため、店舗の従業者は、効率よくレコメンド商品購入の補助を実行できるため、レコメンド商品決定装置100は、店舗の従業者の業務効率を向上させることができる。
【0043】
さらに、レコメンド商品が店舗内に存在し、かつ、対象者Uが上記補助を要請しない場合、出力部140は、店舗内において、レコメンド商品が陳列される場所を示す地図情報を出力する。対象者Uは、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請しないため、対象者U自らがレコメンド商品を探索して入手することが求められる。そこで、出力部140がレコメンド商品が陳列される場所を示す地図情報を出力することにより、対象者Uは、レコメンド商品が陳列される場所を、容易に理解できる。つまり、レコメンド商品決定装置100は、対象者Uが容易にレコメンド商品を購入することを可能にする。
【0044】
レコメンド商品が店舗内に存在しない場合、上記操作は、対象者Uの居住地へ、レコメンド商品の配送を要請するための操作を含む。つまり、対象者Uは、必要に応じて、レコメンド商品を対象者Uの居住地へ配送することを要請できる。
【0045】
以上のように、レコメンド商品決定装置100は、店舗の従業者に、対象者Uの居住地へ、レコメンド商品の配送の要否を通知することができる。そのため、店舗の従業者は、効率よくレコメンド商品の配送を実行できるため、レコメンド商品決定装置100は、店舗の従業者の業務効率を向上させることができる。
【0046】
通知部160は、上記操作の受付結果を店舗の従業者に通知する。つまり、通知部160は、受付部150が受付けた操作の受付結果を店舗の従業者に通知する。通知部160は、例えば、通知装置を介して店舗の従業者に通知する。通知装置は、例えば、光を発する回転灯又は音声を発するスピーカーでもよく、本実施の形態に係る通知装置は、タブレット端末又はスマートフォンなどの情報端末装置400である。通知部160は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路によって実現される。通知部160は、例えば、店舗が備える情報端末装置400と通信回路を介して通信することで、上記通知を行ってもよい。通知部160と、情報端末装置400との間で行われる通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格は、特に限定されない。また、通知部160は、評価部120が評価した評価結果を店舗の従業者に通知してもよい。通知部160が評価結果を店舗の従業者に通知する方法は、通知部160が操作の受付結果を店舗の従業者に通知する方法と同じであってもよい。
【0047】
記憶部170は、認知機能の評価結果と、認知機能に応じたレコメンド商品との関係を示す参照データ171が記憶された記憶装置である。参照データ171は、レコメンド商品が決定されるときに決定部130によって参照される。記憶部170は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)等によって実現される。
【0048】
また、記憶部170には、評価部120、決定部130、受付部150、通知部160が実行するプログラム及び対象者Uにレコメンド情報を出力する際に用いられる当該レコメンド情報を示す画像データも記憶されている。また、記憶部170には、後述するその他の画像データも記憶される。
【0049】
これにより、レコメンド商品決定装置100は、機械学習等による多量のデータの分析及び蓄積が必要なく、簡便に対象者Uへのレコメンド商品を決定することが可能となる。
【0050】
なお、評価部120、決定部130、受付部150及び通知部160は、それぞれの機能を併せ持つ1つのプロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路で実現されてもよい。また、評価部120、決定部130、受付部150及び通知部160は、プロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路のうちの2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。
【0051】
[レコメンド商品決定方法の処理手順]
続いて、レコメンド商品決定装置100が実行するレコメンド商品決定方法における具体的な処理手順について説明する。
図3は、実施の形態に係るレコメンド商品決定装置100が対象者Uへのレコメンド商品を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【0052】
取得部110は、集音装置200を介して対象者Uの音声データを取得する(ステップS101)。ステップS101において、例えば、対象者Uは、「ありがとう」等の、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」のうち、複数の母音を含む単語を集音装置200に向けて発する。取得部110は、集音装置200を介して、対象者Uが発した「ありがとう」等の音声を、音声データとして取得する。
【0053】
次に、評価部120は、ステップS101で取得部110が取得した音声データから特徴量を算出し、得られた母音に関する特徴量に基づいて、対象者Uの認知機能を評価する(ステップ102)。
【0054】
さらに、決定部130は、評価部120が評価した評価結果と、記憶部170に記憶されている参照データ171とを照合し、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定する(ステップS103)。
【0055】
ステップS103において、決定部130は、例えば、ステップS102で評価部120が評価した対象者Uの認知機能の評価結果と、記憶部170に記憶された参照データ171とから、レコメンド商品を決定する。
【0056】
次に、出力部140は、決定部130が決定したレコメンド商品に関するレコメンド情報を出力する(ステップS104)。ステップS104において、出力部140は、例えば、ステップS103で決定部130が決定したレコメンド商品に関するレコメンド情報に対応する画像の画像データを記憶部170から取得して、表示装置300へ取得した画像データを送信する。
【0057】
また、ステップS104において、出力部140は、評価部120が評価した認知機能の評価結果を出力してもよい。出力部140は、例えば、ステップS102で評価部120が評価した認知機能の評価結果に対応する画像の画像データを記憶部170から取得して、表示装置300へ取得した画像データを送信する。
【0058】
表示装置300は、出力部140が出力した画像データを取得して、当該画像データに基づいて画像を表示する。
図4は、レコメンド商品に関するレコメンド情報に対応する画像の一例を示す図である。
図4に示される画像は、対象者Uの認知機能が低下傾向にあることと、レコメンド商品が鯖缶であることとを示す。
【0059】
このように、レコメンド情報が画像として表示されることで、対象者Uは、認知機能の改善に関するレコメンド商品を知ることができるため、安心感を得ることができる。
【0060】
ここで、より詳細なレコメンド商品決定方法の処理手順の一例について、
図5から
図10Bを用いて説明する。ここでは、レコメンド商品が店舗内に存在する場合又は存在しない場合について、レコメンド商品決定装置100が実行するレコメンド商品決定方法における具体的な処理手順について説明する。
【0061】
図5は、本実施の形態に係るレコメンド商品決定装置100が対象者Uへのレコメンド商品を決定し、レコメンド商品を購入するための操作を受付ける処理手順を示すフローチャートである。なお、ステップS101からステップS104までの処理は、
図3で説明した処理と同じである。
【0062】
ステップS104において、出力部140がレコメンド商品に関するレコメンド情報を出力した後、受付部150は、レコメンド商品が店舗内に存在するか否かに関する情報を得る(ステップS105)。本実施の形態においては、受付部150は、例えば、店舗が備えるサーバ装置と通信回路を介して通信することで、上記情報を得ることができる。店舗が備えるサーバ装置は、例えば、店舗の商品在庫を管理する情報管理機能を有する装置である。また、受付部150は、上記情報を出力部140に通知する。
【0063】
次に、レコメンド商品が店舗内に存在する場合(ステップS105でyes)、出力部140は、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請するための情報を出力する(ステップS106)。出力部140は、例えば、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請するための画像データを、記憶部170から取得して、表示装置300へ取得した画像データを送信する。表示装置300は、出力部140が出力した画像データを取得して、当該画像データに基づいて画像を表示する。
【0064】
図6は、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請するための画像の一例を示す図である。
図6に示される画像は、レコメンド商品である鯖缶が店舗内にあることを示し、さらに、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請するか否かを、対象者Uが選択できることを示している。
図6に示される画像は、より具体的には、上記補助として、店舗の従業者がレコメンド商品を探索して対象者Uへ渡すなどの行為が選択できることを示している。
図6に示される画像は、さらに、対象者U自身がレコメンド商品を探して入手するなどの行為が選択できることを示している。また、
図6に示される画像は、レコメンド商品を購入しない行為が選択できることを示している。
【0065】
次に、受付部150は、対象者Uから、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請するための操作を受付ける(ステップS107)。本実施の形態においては、受付部150は、表示装置300に備えられた受付装置であるタッチパネルを介して上記の操作を受付ける。つまり、本実施の形態においては、表示装置300は、受付装置であり、すなわち、タッチパネルである。また、レコメンド商品購入の補助を要請するための操作には、レコメンド商品購入の補助を要請する操作と、レコメンド商品購入の補助を要請しない操作とが含まれる。
【0066】
対象者Uは、
図6に示される画像に応じて、受付装置であるタッチパネルを用いることで、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請するための操作を行うことができる。対象者Uは、例えば、タッチパネルが表示する
図6に示される画像において、点線で囲まれる表示部分に触れることで、操作を行う。また、受付部150は、当該操作を受付ける。
【0067】
ここで、補助要請がある場合(ステップS107でyes)、通知部160は、操作の受付結果である補助要請がある旨を店舗の従業者に通知する(ステップS108)。本実施の形態においては、通知部160は、通知装置である情報端末装置400を介して店舗の従業者に通知する。情報端末装置400は、通知された内容に従い、画像を表示する。
【0068】
図7Aは、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請することを表す画像の一例を示す図である。また、通知部160は、評価部120が評価した評価結果を店舗の従業者に通知してもよい。そのため、
図7Aが示すように、情報端末装置400は、対象者Uの認知機能の評価結果と、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助が要請されていることとを表示する。
【0069】
さらに、補助要請がない場合(ステップS107でno)、通知部160は、操作の受付結果である補助要請がない旨を店舗の従業者に通知する(ステップS109)。本実施の形態においては、通知部160は、通知装置である情報端末装置400を介して店舗の従業者に通知する。情報端末装置400は、通知された内容に従い、画像を表示する。
【0070】
図7Bは、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請しないことを表す画像の一例を示す図である。
図7Bが示すように、情報端末装置400は、対象者Uの認知機能の評価結果と、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請しないこととを表示する。
【0071】
また、ステップS109において、出力部140は、店舗内において、レコメンド商品が陳列される場所を示す地図情報を出力する。出力部140は、例えば、レコメンド商品が陳列される場所を示す地図情報に対応する画像の画像データを記憶部170から取得して、表示装置300へ取得した画像データを送信する。さらに、ステップS109において、表示装置300は、出力部140が出力した画像データを取得して、当該画像データに基づいて画像を表示する。
図8は、レコメンド商品が陳列される場所を示す地図情報に対応する画像の一例を示す図である。
図8に示される画像は、対象者Uの現在位置と、レコメンド商品が陳列される場所とを示す。
【0072】
さらに、レコメンド商品が店舗内に存在しない場合(ステップS105でno)、出力部140は、対象者Uの居住地へ、レコメンド商品の配送を要請するための情報を出力する(ステップS110)。出力部140は、例えば、対象者Uの居住地へ、レコメンド商品の配送を要請するための画像データを記憶部170から取得して、表示装置300へ取得した画像データを送信する。表示装置300は、出力部140が出力した画像データを取得して、当該画像データに基づいて画像を表示する。
【0073】
図9は、対象者Uの居住地へ、レコメンド商品の配送を要請するための画像の一例を示す図である。
図9に示される画像は、レコメンド商品である鯖缶が店舗内にないことを示し、さらに、対象者Uの居住地へ、レコメンド商品の配送を要請するか否かを選択できることを示している。
【0074】
次に、受付部150は、対象者Uから、対象者Uの居住地へ、レコメンド商品の配送を要請するための操作を受付ける(ステップS111)。本実施の形態においては、受付部150は、表示装置300に備えられた受付装置であるタッチパネルを介して上記の操作を受付ける。また、レコメンド商品の配送を要請するための操作には、レコメンド商品の配送を要請する操作と、レコメンド商品の配送を要請しない操作とが含まれる。
【0075】
対象者Uは、
図9に示される画像に応じて、受付装置であるタッチパネルを用いることで、対象者Uの居住地へ、レコメンド商品の配送を要請するための操作を行うことができる。対象者Uは、例えば、タッチパネルが表示する
図9に示される画像において、点線で囲まれる表示部分に触れることで、操作を行う。また、受付部150は、当該操作を受付ける。
【0076】
ここで、配送要請がある場合(ステップS111でyes)、通知部160は、操作の受付結果である配送要請がある旨を店舗の従業者に通知する(ステップS112)。本実施の形態においては、通知部160は、通知装置である情報端末装置400を介して店舗の従業者に通知する。情報端末装置400は、通知された内容に従い、画像を表示する。
【0077】
図10Aは、対象者Uの居住地へ、レコメンド商品の配送を要請することを表す画像の一例を示す図である。
図10Aが示すように、情報端末装置400は、対象者Uの認知機能の評価結果と、対象者Uの居住地へ、レコメンド商品の配送が要請されていることとを表示する。
【0078】
ここで、配送要請がない場合(ステップS111でno)、通知部160は、操作の受付結果である配送要請がない旨を店舗の従業者に通知する(ステップS113)。本実施の形態においては、通知部160は、通知装置である情報端末装置400を介して店舗の従業者に通知する。情報端末装置400は、通知された内容に従い、画像を表示する。
【0079】
図10Bは、対象者Uの居住地へ、レコメンド商品の配送を要請しないことを表す画像の一例を示す図である。
図10Bが示すように、情報端末装置400は、対象者Uの認知機能の評価結果と、対象者Uの居住地へ、レコメンド商品の配送を要請しないことを表示する。
【0080】
このように、レコメンド商品決定装置100は、対象者Uの音声を解析することで、対象者Uの認知機能を評価し、認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定することができる。すなわち、レコメンド商品決定装置100は、対象者Uに、認知機能に関する具体的な改善行動を提案することができる。レコメンド情報が画像として表示されることで、認知機能が低下した対象者Uは、認知機能の改善に関する商品を知ることができる。すなわち、対象者Uは、具体的な改善行動を知ることができるため、安心感を得ることができる。
【0081】
また、評価部120が評価した評価結果は、対象者Uの属性を表す個人プロパティ情報と結びつけられてもよい。また、評価結果は、個人プロパティ情報と結びつけられ、記憶部170によって記憶されてもよい。個人プロパティ情報とは、具体的には、対象者Uの名前、個人識別番号、生年月日及び住所などの対象者Uを識別するための情報である。また、個人プロパティ情報には、過去の評価結果履歴及び過去のレコメンド情報履歴などの情報が含まれてもよい。レコメンド商品決定装置100は、例えば、対象者Uがタッチパネル又はハードウェアボタン等の受付装置を操作することで、個人プロパティ情報を入手する。また、受付部150は、得られた個人プロパティ情報を記憶部170に格納し、評価部120は、評価結果を記憶部170に格納することで、記憶部170は、個人プロパティ情報と評価結果とを結びつけて記憶してもよい。
【0082】
これにより、レコメンド商品決定装置100は、対象者Uが複数回店舗に来店したときに、当該対象者Uの識別が容易になる。
【0083】
さらに、レコメンド商品決定装置100は、撮像装置を備えてもよい。撮像装置は、対象者Uの顔を認識するための画像を撮像する。撮像装置は、例えば、カメラである。また、上記個人プロパティ情報は、対象者Uの顔を認識するための画像データを含んでもよい。
【0084】
これにより、レコメンド商品決定装置100は、対象者Uが複数回店舗に来店したときに、より当該対象者Uの識別が容易になる。
【0085】
[効果など]
以上説明したように、レコメンド商品決定装置100は、対象者Uが発する音声を示す音声データを取得する取得部110と、音声データに基づいて、対象者Uの認知機能を評価する評価部120とを備える。また、レコメンド商品決定装置100は、さらに、評価部120が評価した認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定する決定部130を備える。また、レコメンド商品決定装置100は、さらに、決定部130が決定したレコメンド商品に関するレコメンド情報を出力する出力部140とを備える。
【0086】
これにより、レコメンド商品決定装置100は、対象者Uの音声を解析することで、対象者Uの認知機能を評価し、認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定することができる。すなわち、レコメンド商品決定装置100は、対象者Uに、認知機能に関する具体的な改善行動を提案することができる。
【0087】
また、レコメンド商品決定装置100は、さらに、評価結果と、レコメンド商品との関係を示す参照データ171が記憶された記憶部170を備える。また、決定部130は、評価結果と記憶部170に記憶されている参照データ171とを照合することにより、レコメンド商品を決定する。
【0088】
これにより、レコメンド商品決定装置100は、機械学習等による多量のデータの分析及び蓄積が必要なく、簡便に対象者Uへのレコメンド商品を決定することが可能となる。
【0089】
また、レコメンド商品決定装置100は、店舗に設置される。
【0090】
これにより、レコメンド商品決定装置100は、当該店舗への来客数の増加に寄与することができる。
【0091】
また、レコメンド商品決定装置100は、さらに、レコメンド商品を購入するための操作を受付ける受付部150と、操作の受付結果を店舗の従業者に通知する通知部160とを備える。また、レコメンド商品が店舗内に存在する場合、上記操作は、店舗の従業者にレコメンド商品購入の補助を要請するための操作を含む。
【0092】
これにより、レコメンド商品決定装置100は、店舗の従業者に、レコメンド商品購入の補助の要否を通知することができる。そのため、店舗の従業者は、効率よくレコメンド商品購入の補助を実行できるため、レコメンド商品決定装置100は、店舗の従業者の業務効率を向上させることができる。
【0093】
また、レコメンド商品決定装置100においては、対象者Uが補助を要請しない場合、出力部140は、店舗内において、レコメンド商品が陳列される場所を示す地図情報を出力する。
【0094】
これにより、対象者Uは、レコメンド商品が陳列される場所を、容易に理解できるため、レコメンド商品決定装置100は、対象者Uが容易にレコメンド商品を購入することを可能にする。
【0095】
また、レコメンド商品決定装置100においては、レコメンド商品が店舗内に存在しない場合、上記操作は、対象者Uの居住地へ、レコメンド商品の配送を要請するための操作を含む。
【0096】
これにより、レコメンド商品決定装置100は、店舗の従業者に、対象者Uの居住地へ、レコメンド商品の配送の要否を通知することができる。そのため、店舗の従業者は、効率よくレコメンド商品の配送を実行できるため、レコメンド商品決定装置100は、店舗の従業者の業務効率を向上させることができる。
【0097】
また、レコメンド商品決定装置100においては、評価結果は、対象者Uの属性を表す個人プロパティ情報と結びつけられる。
【0098】
これにより、レコメンド商品決定装置100は、対象者Uが複数回店舗に来店したときに、当該対象者Uの識別が容易になる。
【0099】
また、レコメンド商品決定装置100においては、レコメンド商品は、食品である。
【0100】
これにより、レコメンド商品決定装置100は、対象者Uが簡易に利用できる商品をレコメンド商品として決定することができる。
【0101】
また、実施の形態に係るレコメンド商品決定システム1000は、上記のレコメンド商品決定装置100と、対象者Uの音声を検出し、音声データを出力する集音装置200と、出力部140が出力したレコメンド情報を表示する表示装置300とを備える。
【0102】
これにより、レコメンド商品決定システム1000は、対象者Uの音声を解析することで、対象者Uの認知機能を評価し、認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定することができる。すなわち、レコメンド商品決定システム1000は、対象者Uに、認知機能に関する具体的な改善行動を提案することができる。レコメンド情報が画像として表示されることで、認知機能が低下した対象者Uは、認知機能の改善に関する商品を知ることができる。すなわち、対象者Uは、具体的な改善行動を知ることができるため、安心感を得ることができる。
【0103】
また、実施の形態に係るレコメンド商品決定方法は、対象者Uが発する音声を示す音声データを取得する取得ステップと、音声データに基づいて、対象者Uの認知機能を評価する評価ステップとを含む。また、レコメンド商品決定方法は、さらに、評価ステップで評価した認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定する決定ステップを含む。また、レコメンド商品決定方法は、さらに、決定ステップで決定したレコメンド商品に関するレコメンド情報を出力する出力ステップとを含む。
【0104】
これにより、レコメンド商品決定方法は、対象者Uの音声を解析することで、対象者Uの認知機能を評価し、認知機能の評価結果に基づいて、認知機能を改善するために、レコメンドするレコメンド商品を決定することができる。すなわち、レコメンド商品決定方法は、対象者Uに、認知機能に関する具体的な改善行動を提案することができる。
【0105】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係るレコメンド商品決定装置等について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0106】
上記実施の形態では、店舗は、コンビニエンスストア、ドラッグストア又はスーパーマーケットなどであった。しかしながら、店舗は、上記形態に限られない。例えば、店舗は、上記形態に加え、介護事業又はフィットネスクラブ事業など他の形態の店舗と提携する店舗であってもよい。この場合、レコメンド商品は、コンビニエンスストア、ドラッグストア又はスーパーマーケットなどの店舗内に存在する商品に限らず、他の形態の店舗内にある商品であってもよい。レコメンド商品は、例えば、フィットネスクラブで提供される運動に関するサービスである。
【0107】
なお、上述の実施の形態の記載にあっては、店舗に設置されたパソコン又はネットワークに接続された別の場所のサーバ装置の類がレコメンド商品決定装置100である形態が示された。しかし、本発明はこれに限らず、レコメンド商品決定装置100は、携帯式移動通信端末(代表的な例としてスマートフォン又はタブレット)を利用する移動式の通信機器であってもよい。
【0108】
この場合、集音装置200と取得部110と評価部120と決定部130と出力部140と受付部150と通知部160と記憶部170とのうち、少なくとも集音装置200と取得部110とは上記携帯式移動通信端末によって実現される。また、それ以外の構成要素(ここでは、評価部120と決定部130と出力部140と受付部150と通知部160と記憶部170とである)は、やはり上記携帯式移動通信端末によって実現されてもよい。また、それ以外の構成要素は、店舗側の都合や本通信システムの提供者の都合に応じて、選択的に、別置のサーバ装置によって実現されていてもよいし、同サーバ装置と上記携帯式移動通信端末との連携通信によって実現される設計になっていてもよい。
【0109】
ただし、上記携帯式移動通信端末のように移動体通信を利用する形態であると、集音装置200すなわちマイクが、いったい、どの店舗に設置されてあるのか?という設定を追加しておく必要がある。
【0110】
そこで、レコメンド商品決定装置100は、以下のように構成されている。取得部110、評価部120、決定部130、出力部140、受付部150、通知部160及び記憶部170の少なくとも1つが、集音装置200が個別に与えられたID(識別番号)とその集音装置200が設置された店舗との対応情報を、参照可能に記憶している。よって、取得部110、評価部120、決定部130、出力部140、受付部150、通知部160及び記憶部170の少なくとも1つが、集音装置200の設置された店舗の用意可能なレコメンド商品のラインナップデータを参照可能とするよう、構成されている。
【0111】
このように移動体通信を利用する形態であれば、集音装置200が店舗設置式である形態に比べて、複数の集音装置200を同時に複数箇所で利用されている状態を作り出せる。そのため、同一の時間帯に一人だけに限らず多数の利用者を評価部120または情報端末装置400および表示装置300と接続させることが可能となり、レコメンド商品決定装置100の利用頻度を上げることができるようになる。
【0112】
また、上記実施の形態では、出力部140は、決定部130が決定したレコメンド商品に関するレコメンド情報を出力した。しかしながら、出力部140が出力する内容は、レコメンド情報に限らない。例えば、出力部140は、レコメンド商品に関する割引クーポン情報を出力してもよい。具体的には、出力部140は、レコメンド商品に関する割引クーポン情報に対応する画像の画像データを記憶部170から取得して、表示装置300へ取得した画像データを送信する。表示装置300は、出力部140が出力した画像データを取得して、当該画像データに基づいて画像を表示する。さらに、表示された画像は、例えば、プリンターなどの印刷機能を備える印刷装置を介して、紙面上に印刷される。例えば、対象者Uは、レコメンド商品に関する割引クーポン情報が印刷された紙面を提示することで、レコメンド商品をより安く購入することができる。
【0113】
また、上記実施の形態では、通知部160は、操作の受付結果を店舗の従業者に通知した。しかしながら、通知部160が通知する内容は、上記に限らない。通知部160は、例えば、出力部140がレコメンド情報を出力した頻度や時間を、レコメンド商品を提供する提供会社に通知する。通知部160は、例えば、上記提供会社のパーソナルコンピュータ、サーバ装置、スマートフォン又はタブレット端末などに通知する。上記提供会社は、レコメンド情報を出力した頻度や時間に応じて料金を支払う。つまり、レコメンド商品決定装置100は、上記提供会社の識別情報と、請求金額とに基づいた課金処理を行う。
【0114】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0115】
100 レコメンド商品決定装置
110 取得部
120 評価部
130 決定部
140 出力部
150 受付部
160 通知部
170 記憶部
171 参照データ
200 集音装置
300 表示装置
1000 レコメンド商品決定システム
U 対象者