(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】デジタルコンテンツ送信方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/434 20110101AFI20230320BHJP
H04H 60/35 20080101ALI20230320BHJP
【FI】
H04N21/434
H04H60/35
(21)【出願番号】P 2019121938
(22)【出願日】2019-06-28
【審査請求日】2021-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣田 敦志
【審査官】篠塚 隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/070244(WO,A1)
【文献】特開2006-033252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00ー21/858
H04H 60/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ(放送番組)を構成するコンポーネントデータや制御情報データを抽出、編集してパーシャルTLVストリームを生成して送信するデジタルコンテンツ送信方法であって、
コンテンツ(放送番組)を構成するコンポーネントデータや制御情報データを受信し、
コンテンツ(放送番組)を構成するコンポーネントデータや制御情報データを抽出、編集してパーシャルTLVストリームを生成し、
上記パーシャルTLVストリームに関する制御情報として他のサービスからサービスを識別するためのservice_idを含むMH-SIT(Selection Information Table)を生成し、
上記MH-SIT(Selection Information Table)にコンテンツ(放送番組)の元の分配システムのネットワーク識別のためのnetwork-idを記述したMH-ネットワーク識別記述子を配置し、
上記コンテンツ(放送番組)と上記MH-SITを含む制御情報が多重化されたパーシャルTLVストリームを送信するデジタルコンテンツ送信方法。
【請求項2】
コンテンツ(放送番組)を構成するコンポーネントデータや制御情報データを抽出、編集してパーシャルTLVストリームを生成して送信するデジタルコンテンツ送信方法であって、
上記パーシャルTLVストリームに関する制御情報として他のサービスからサービスを識別するためのservice_id、元の分配システムのネットワーク識別のためのnetwork-id、当該
パーシャルTLVストリームを識別する番号tlv_stream_idを含むMH-SIT(Selection Information Table)を生成し、
上記コンテンツ(放送番組)と上記MH-SITを含む制御情報が多重化されたパーシャ
ルTLVストリームを送信するデジタルコンテンツ送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、デジタルコンテンツ送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の衛星デジタル放送および地上デジタル放送では、対応テレビ受信装置のIPインターフェースなど高速デジタルインターフェースを通じて入出力するコンテンツ形式として、MPEG-2 TS方式に基づくパーシャルトランスポートストリーム(以下、パーシャルTS)の仕様をARIB-STD-B21で規定している。
【0003】
上記パーシャルTSは、テレビ受信装置が受信したトランスポートストリーム(以降、TSと称する)から特定の番組や番組内のコンポーネントを選択抽出して得られるTSである。このパーシャルTSは、前記テレビ受信装置が受信したコンテンツを他のテレビ受信装置やタブレット端末など周辺の電子機器に伝送する際の形式(コンテンツ形式)として用いられる。
【0004】
このようにパーシャルTSの送受信によって周辺のタブレット端末などでコンテンツを利用できることから、著作権保護などを目的として、パーシャルTS生成の基になった番組がどこで放送されていたかの所在を明らかにするため、network_id、transport_stream_id、service_idといった識別子をパーシャルTS内に記載することが必須となっている。
【0005】
2018年12月から開始された高度広帯域衛星デジタル放送についても同様に、対応テレビ受信装置から周辺電子機器にコンテンツを伝送するニーズがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】ARIB STD-B21 5.10版「デジタル放送用受信装置 標準規格」
【文献】ARIB STD-B63 1.7版「高度広帯域衛星デジタル放送用受信装置 標準規格」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、高度広帯域衛星デジタル放送では、MMT/TLV方式に基づく新しい多重化方式が採用されており、高速デジタルインターフェースの入出力コンテンツ形式として従来のパーシャルTSの規定をそのまま踏襲したパーシャルストリームの仕様では、タブレット端末など周辺の電子機器で放送番組の所在(情報源)を明らかにすることができない。
【0008】
そこで本発明が解決しようとする課題は、MMT/TLV方式に基づいて送信される放送番組の所在を明らかにするパーシャルストリームのコンテンツ形式を採用するデジタルコンテンツ送信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、コンテンツ(放送番組)を構成するコンポーネントデータや制御情報データを抽出、編集してパーシャルTLVストリームを生成して送信するデジタルコンテンツ送信方法であって、コンテンツ(放送番組)を構成するコンポーネントデータや制御情報データを受信し、コンテンツ(放送番組)を構成するコンポーネントデータや制御情報データを抽出、編集してパーシャルTLVストリームを生成し、上記パーシャルTLVストリームに関する制御情報として他のサービスからサービスを識別するためのservice_idを含むMH-SIT(Selection Information Table)を生成し、上記MH-SIT(Selection Information Table)にコンテンツ(放送番組)の元の分配システムのネットワーク識別のためのnetwork-idを記述したMH-ネットワーク識別記述子を配置し、上記コンテンツ(放送番組)と上記MH-SITを含む制御情報が多重化されたパーシャルTLVストリームを送信するデジタルコンテンツ送信方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るMMT/TLV方式に基づくデジタル放送対応のテレビ受信装置と電子機器の例を示す図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係るMMT/TLV方式に基づくデジタル放送対応のテレビ受信装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係るMMT/TLV方式に基づくデジタル放送対応の電子機器の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係るMMT/TLV方式に基づくデジタル放送対応のテレビ受信装置のソース側の電子機器としての処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、同実施形態に係るパーシャルTLVストリームで伝送するMH-SITの構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、同実施形態に係るパーシャルTLVストリームで伝送する記述子の構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、同実施形態に係るシンク側の電子機器の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、変形例1に係る高度広帯域衛星デジタル放送のネットワークの例を示す図である。
【
図9】
図9は、変形例2に係る高度広帯域衛星デジタル放送のネットワークにおけるテレビ受信装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、同変形例に係るテレビ受信装置がパーシャルTLVストリームを送信する際の動作例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、同変形例において、パーシャルTLVストリームを受信するテレビ受信装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、同変形例において、テレビ受信装置がパーシャルTLVストリームを受信する際の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0012】
(実施形態)
図1は、本実施形態に係るMMT/TLV方式に基づくデジタル放送対応のテレビ受信装置と電子機器の例を示す図である。
【0013】
テレビ受信装置1は、MMT/TLV方式に基づくデジタル放送の放送信号を受信し、放送信号で送信されてきたコンテンツを得る。電子機器2A、2B、2C(特に区別の必要ない場合は電子機器2と称する)は、テレビ受信装置1とそれぞれ通信可能なインターフェース3A,3B、3C(特に区別の必要ない場合はインターフェース3と称する)を持ち、インターフェース3を介して放送信号で送信されてきたコンテンツを得て、表示出力する。また、本実施形態では電子機器2を3つとするが、テレビ受信装置1が有するインターフェースによっては、1つ以上の任意の数とすることができる。
【0014】
電子機器2はMMT/TLV方式に基づいて送信されるコンテンツ(放送番組)を利用可能な能力(解像度、フレームレート、その他)を有している。電子機器2は、例えば、タブレット端末、モニタ、テレビ受信装置などでもよい。
【0015】
テレビ受信装置1と電子機器2のインターフェース3は有線でも無線でもよい。また、テレビ受信装置1と電子機器2とによりDLNA(商標登録)(Digital Living Network Alliance)もしくはその拡張方式に準拠したネットワークを形成し、通信可能としても良い。また、テレビ受信装置1と通信可能なインターフェースを有していれば電子機器2をスマートフォンとしてもよい。
【0016】
図2は、同実施形態に係るMMT/TLV方式に基づくデジタル放送対応のテレビ受信装置の機能構成の一例を示す図である。
【0017】
テレビ受信装置1は、MMT/TLV方式に基づくデジタル放送の放送信号をアンテナ11で受信し、チューナ部12で放送信号を復調してTLV(Type Length Value)形式のデジタルデータ(TLVストリーム)を取得する。取得したTLVストリームはデスクランブル部13でスクランブルデータがデスクランブルされ、デマルチプレクサ部14にて、TLVストリームからIP/UDPストリーム、さらにはMMT(Mpeg Media Transport)ストリームへと変換され、コンポーネントデータ(例えば、符号化された映像データや音声データ、文字データなど)と制御情報データであるSI(Signaling Information)データに分離される。コンポーネントデータはデコーダ15によって映像信号、音声信号、文字データなどのサービスデータに復号再生される。サービスデータは出力処理部16に入力されて、出力タイミング、表示方法などが調整されて、表示装置やスピーカーなどの出力部17から出力される。SIデータは、放送番組に関する情報や、IPパケットの多重に関する制御情報といった放送システムに関する制御情報である。なお、特に図示していないが、デマルチプレクサ部14ではTLVストリームにIP/UDP形式で格納されているNTP形式の時刻情報データも分離して、クロック同期信号を再生し、デコーダ15や出力処理部16でのタイミング制御に利用される。
【0018】
パーシャルTLVストリーム生成部18A、18B、18C(特に区別の必要ない場合はパーシャルTLVストリーム生成部18と称する)は、デマルチプレクサ部14にて分離取得されたTVLストリーやMMTストリームから、選択されたコンテンツ(放送番組)を構成するコンポーネントデータや制御情報データを抽出、編集してパーシャルTLVストリームを生成する。TVLストリームは、MMTストリームにIP情報などを付加したストリームである。従って、MMTストリームは、TVLストリームに含まれるため、以降、双方を表す場合をMMT/TLVストリームと称する。
【0019】
パーシャルTLVストリームはMPEG-2 TS方式に基づくパーシャルTSを参考にしている。MPEG-2 TS方式に基づくパーシャルTSは、放送信号から得られるトランスポートストリーム(以降、TSと称するが、特にパーシャルと区別する場合はフルTSと称する)から、特定の番組や番組内のコンポーネントを選択抽出して得られるTSであり、ARIB-STD-B21で仕様が規定されている。
【0020】
本実施形態では、MPEG-2 TS方式に基づくパーシャルTSを参考にして、高度広帯域衛星デジタル放送向けのコンテンツの形式であるパーシャルTLVストリームを定義する。パーシャルTLVストリームについては後述する。パーシャルTLVストリームはインターフェース19から送信される。
【0021】
テレビ受信装置1は、1つ以上のインターフェースを備えることができ、
図2においてはインターフェース19A,19B,19C(特に区別しない場合は
インターフェース19と称する)を備えた例について示している。19A,19B,19Cは、それぞれ予め決められた通信規約に応じたフレームデータの生成および分解を行い、有線や無線といった媒体による送信受信を行う。インターフェース19は、スクランブルなどの暗号化及び暗号化復号機能を有していても良い。
【0022】
制御部110は、例えばCPUを含み、テレビ受信装置1の各機能の制御を実施する。例えば、制御部110は、インターフェース19を含む各種インターフェースを介した外部通信の接続確立や、パーシャルTLVストリーム生成部18の動作制御などを実施する。また制御部110は、テレビ受信装置1が有するリモコンなどのユーザインターフェース111から制御信号により、テレビ受信装置1の各機能を制御する。
【0023】
図3は、同実施形態に係るMMT/TLV方式に基づく映像音声再生対応の電子機器の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
電子機器2は、テレビ受信装置1が送信するパーシャルTLVストリームをインターフェース21で受信する。インターフェース21は、インターフェース19との有線や無線といった媒体による送信受信や、通信規約に応じたフレームデータの生成および分解などを行う。また、インターフェース19に対応する暗号化及び暗号化復号機能を有する。
【0025】
パーシャルTLVストリーム処理部22は、受信したパーシャルTLVストリームを処理し、コンポーネントデータやSIデータを得る。コンポーネントデータはSIデータとともにデコーダ23に入力されて、サービスデータに変換されて、出力処理部24に出力される。サービスデータは、出力処理部24で出力タイミング、表示方法などが調整されて、信号表示装置やスピーカーなどの出力部25から映像やオーディオ、文字などとして出力される。
【0026】
また、パーシャルTLVストリーム処理部22から出力されるSIデータは、情報源検出部26に入力される。情報源検出部26では、SIデータに含まれる関連データ(参照情報とも称す)を抽出し、関連データから番組の放送事業者などのコンテンツの所在を検出する。検出されたコンテンツの所在は、出力処理部24に入力されて、例えば、放送されている番組にコンテンツの所在に関する文字情報を必要に応じて適宜、重畳表示する。なお、文字情報でなく、例えば、放送事業者のロゴを表示させることでもよい。また、SIデータに含まれる関連データと対応するロゴとの対応関係を、予め電子機器2のメモリなどに設定しておき、表示に利用することでもよい。また、その対応関係を放送信号に含めて、テレビ受信装置1が受信した放送信号からその対応関係を取得し、電子機器2に転送することでも良いし、電子機器2が放送信号を受信可能な場合は、直接取得することでも良いし、インターネット経由で取得してもよい。
【0027】
また、情報源検出部26では、SIデータから抽出した関連データをログデータとしてメモリに保存することも可能であるし、インターネットに接続されている場合は、インターネットで外部に出力することも可能である。
【0028】
制御部27は、例えばCPUを含み、電子機器2の各機能の制御を実施する。例えば、制御部27は、インターフェース21を含む各種インターフェースを介した外部通信の接続確立や、情報源検出部26の動作制御を実施する。また制御部27は、電子機器2が有するリモコンなどのユーザインターフェース28から制御信号により、電子機器2の各機能を制御する。
【0029】
本実施形態に係るシステムの動作例を説明する。
【0030】
テレビ受信装置1と電子機器2は、ソースとシンク(もしくはサーバとクライアント)との関係とみなすこともできる。例えば、ソース(もしくはサーバ)であるテレビ受信装置1はパーシャルTVLストリームを出力し、シンク(もしくはクライアント)である電子機器2はソースが出力したパーシャルTVLストリームを受信する。本実施形態では、シンクである電子機器2からユーザがコンテンツ(番組)を指定して、電子機器2が、ソースであるテレビ受信装置1から送信されたSIデータに含まれる関連データを取得して、コンテンツの所在を明らかにする例を示す。
【0031】
以下、1つの電子機器2(例えば電子機器2A)とテレビ受信装置1との処理について示すが、他の電子機器2(例えば電子機器2B、2C)についても同様の処理を実施することが可能である。
【0032】
電子機器2からユーザがコンテンツ(番組)を指定すると、電子機器2からのトリガにより、テレビ受信装置1のインターフェース19と電子機器2のインターフェース21は通信接続を確立する。本実施形態においては、テレビ受信装置1はコンテンツが指定された場合、自動的に番組の所在を明らかにする関連データを送信する例を示す。
【0033】
図4は、同実施形態に係るMMT/TLV方式に基づくデジタル放送対応のテレビ受信装置のソース側の電子機器としての処理動作の一例を示すフローチャートである。
テレビ受信装置1の制御部110は、電子機器2から送信されてくる電子機器2の指定コンテンツ(特定の番組や番組内のコンポーネントなど)を認識する(ステップS11)。制御部110は指定コンテンツをパーシャルTLVストリーム生成部18に出力する。パーシャルTLVストリーム生成部18は、デマルチプレクサ部14からMMT/TLVストリームを受信したら、制御部110から受け取った指定コンテンツに係るコンポーネントデータおよび関連SIデータをMMT/TLVストリームから抽出する(ステップS12のYES、ステップS13)。抽出したSIデータから、関連データを抽出する(ステップS14)。具体的には、SIデータからネットワーク識別子であるnetwork_id、tlvストリーム識別子であるtlv_stream_id、サービス識別子であるservice_idの3つの関連データを抽出する。この3つの関連データについては、
図5、
図6の説明にて詳述する。この3つの関連データからMMT/TLV方式に基づくデジタル放送(例えば高度広帯域衛星デジタル放送)における放送番組の所在は一般的に一意に特定可能である。従って、電子機器2から指定コンテンツに係る放送番組の所在を明らかにするためには、3つの関連データnetwork_id、tlv_stream_id、service_idをテレビ受信装置1が電子機器2に送信する必要がある。そこで、3つの関連データを含むパーシャルTLVストリームを生成する(ステップS15)。
【0034】
ここでパーシャルTLVストリームについて詳細を説明する。パーシャルTLVストリームは、MPEG-2方式に基づくパーシャルTSを参考に定義する高度広帯域衛星デジタル放送向けのコンテンツの形式である。
【0035】
パーシャルTSは、通常、少なくとも1つのHD(High Definition)あるいはSD(Standard Definition)の番組がTS方式で多重された放送信号から特定の番組や番組内のコンポーネントを選択抽出して得られる。TS方式においても、放送番組の所在は一般に、network_idとtransport_stream_id、service_idで一意に特定可能である。従って、パーシャルTSにも、通常、放送信号から抽出した関連データとして、network_idとtransport_stream_id、service_idが含められる。パーシャルTSには、それらの関連データを送信するために、伝送制御情報であるPAT、PMT、また番組関連情報であるSITといった制御情報テーブルが必須で含まれる。transport_stream_idはPATに、service_idはPMTに、network_idはSITにそれぞれ記載されている。
【0036】
ところでMMT/TLVストリームには、PATに相当するPLT、PMTに相当するMPTが規定上存在するが、SITに相当する制御情報テーブルは存在しない。また、パーシャルTLVストリームにはPLT、MPTを必須で使用することが想定されるが、PLT、MPTにはservice_idのフィールドしか存在しない。
【0037】
そこで、本実施形態では、パーシャルTLVストリームに含めるためのSITに相当するMH-SITを新たに定義し、service_idを記述し、さらにMH-SIT内に配置するMH-ネットワーク識別記述子にnetwork_id、tlv_stream_idを設定する。従って、MH-SITのみで、一意にサービスデータ(番組)の出所を判断することが可能な参照情報であるnetwork_id、tlv_stream_id、service_idを設定可能である。なお、参照情報を入れる制御情報テーブルは1つの制御情報テーブル内のみにではなく、複数の制御情報テーブルに分けて入れることで複数の参照情報を独立して処理できるようにしてもよい。また、参照情報を送信できれば、制御情報テーブルで送信することに限定されない。
【0038】
パーシャルTSで定義されているSITは送信頻度が小さく通信負荷も小さいことから、パーシャルTSを参考にMH-SITを定義して、そこに3つの関連データを設定することで、通信に大きな負荷を与えずにパーシャルTLVストリームを送信することが可能となる。
【0039】
図5は、同実施形態に係るパーシャルTLVストリームで伝送する制御情報テーブルであるMH-SITの構成の一例を示す図である。
図5において、識別子51にservice_idを設定する。
【0040】
service_idは、16ビットフィールドで、TLVストリーム内の他のサービスからこのサービスを識別するためのラベルの役割をする。サービス識別はMMTパッケージテーブル内のパッケージID(MMT_package_id_byte)に等しい。
下記に、
図5に示す他の識別子の意味を示す。
・section_syntax_indicator(セクションシンタクス指示)
セクションシンタクス指示は1ビットのフィールドで、常に「1」とする。
・section_length(セクション長)
これは12ビットフィールドとする。section_lengthはこのフィールドの直後からCRCを含むセクションの最後までのセクションのバイト数を規定する。全セクション長が最大4096バイトを越えないために、セクション長は4093バイトを越えてはならない。
・version_number(バージョン番号)
この5ビットフィールドはテーブルのバージョン番号である。バージョン番号はテーブル内の情報に変化があった場合に1加算される。その値が31になった場合は、0に戻る。カレントネクスト指示が「1」の場合は、バージョン番号は現在のテーブルのバージョン番号になる。カレントネクスト指示が「0」の場合は、バージョン番号は次のテーブルのバージョン番号になる。
・current_next_indicator(カレントネクスト指示)
この1ビットの指示が「1」の場合、テーブルが現在のテーブルであることを示し、「0」の場合は、送られるテーブルはまだ適応されず、次のテーブルとして使用されることを示す。
・section_number(セクション番号)
この8ビットフィールドはセクションの番号を示す。セクション番号は、0x00である。
・last_section_number(最終セクション番号)
この8ビットフィールドは最終のセクション番号を示す。最終セクション番号は、0x00である。
・transmission_info_loop_length(伝送情報ループ長)
この12ビットフィールドはパーシャルTLVストリームの伝送パラメータを記述するデスクリプタの全バイト数を表わす。
・running_status(進行状態)
この3ビットフィールドは元のストリームのイベントの進行状態を表す。これは、元のストリームの現在のイベントの進行状態である。もし元のストリームに現在のイベントが存在しなければ、状態は非実行中と考えられる。走行状態の値の意味はARIB STD-B60に定義されている。
・service_loop_length(サービスループ長)
この12ビットフィールドは以下に続くパーシャルTLVストリームに含まれるサービスとイベントのSI関連情報を含むデスクリプタループの全バイト長を規定する。
・CRC_32(CRC)
ITU-T勧告H.222.0に従うものとする。
【0041】
図6は、同実施形態に係るパーシャルTLVストリームで伝送する記述子の構成の一例を示す図である。
【0042】
MH-ネットワーク識別記述子として定義し、この記述子の中に識別子61にnetwork_id、識別子62にtlv_stream_idを設定する。また、この記述子は
図5の記述子領域52に配置される。
【0043】
network_idは、16ビットのフィールドで、パーシャルTLVストリームの生成された分配システムのネットワーク識別の値が記述される。オリジナルの分配システムでは、TLV-NITにこの値が記述されており、そのフィールド値の割り当ては標準化機関の指定による。
【0044】
tlv_stream_idは当該TLVストリームの識別番号を示す。
下記に、
図6に示す他の記述子の意味を示す。
・country_code(国コード)
この24ビットのフィールドは、ISO3166で規定されるアルファベット3文字コードを使用して国名を表わす。この記述子に使用された場合は、パーシャルTLVストリームの生成された分配システムの国を表わす。各文字は、ISO8859-1に従って8ビットで符号化され、その順で24ビットフィールドに挿入される。日本の3文字コードは「JPN」であり、次のように符号化される。
「0100 1010 0101 0000 0100 1110」
・media_type(メディア分類)
この16ビットのフィールドは、アルファベット2文字が挿入され、その2文字によってメディアのタイプを表わす。この記述子に使用された場合は、パーシャルTLVストリームの生成された分配システムのメディアタイプを表わす。各文字は、ISO8859-1に従って8ビットで符号化され、その順で16ビットフィールドに挿入される。メディアの種類は、下記による。
(値、意味):(0x4142、高度BS/高度広帯域CS)
・network_id(ネットワーク識別):これは16ビットのフィールドで、パーシャルTLVストリームの生成された分配システムのネットワーク識別の値が記述される。オリジナルの分配システムでは、TLV-NITにこの値が記述されており、そのフィールド値の割り当ては標準化機関の指定による。
・private_data(プライベートデータ)
これは8×Nビットのフィールドで、個別に定義された値を持つ。
【0045】
図4のステップS15に戻り、パーシャルTLVストリーム生成部18は、MH-SITに3つの関連データを設定した後、少なくともMH-SITを含めてパーシャルTLVストリーム向けのSIデータ(以降、パーシャルSIデータと称する)を生成する。PLT、MPTにservice_idが含まれるため、MH-SITにnetwork_id、tlv_stream_idを含めて、少なくともPLT、MPT、MH-SITを含めてパーシャルSIデータを生成する。
パーシャルTLVストリーム生成部18は、指定コンテンツに係るコンポーネントデータからパーシャルTLVストリーム向けのコンポーネントデータ(以降、パーシャルコンポーネントデータと称する)を生成し、パーシャルSIデータと、パーシャルコンポーネントデータとからパーシャルTLVストリームを生成する(ステップS15)。
【0046】
なお、本実施形態では、定義したMH-SITにservice_id、network_id、tlv_stream_idを記載する例を示したが、関連データである識別子を他の制御情報テーブルであるMPTに記載してもよい。
【0047】
また、本実施形態では、MH-ネットワーク識別記述子にnetwork_id、tlv_stream_idを記載する例を示したが、例えばtlv_stream_idをMH-ネットワーク識別記述子に記載するフィールドを設ける代わりにMH-SITのreserved_future_use(16)に記載してもよい。
【0048】
パーシャルTLVストリームをインターフェース19から送信する(ステップ16)。パーシャルTLVストリーム生成部18は、デマルチプレクサ部14からMMT/TLVストリームを受信されなくなったら、処理を終了する(ステップS12のNO)。
【0049】
図7は、同実施形態に係るシンク側の電子機器の処理動作の一例を示すフローチャートであり、電子機器2をシンク側の電子機器とする。
【0050】
電子機器2のパーシャルTLVストリーム処理部22は、インターフェース21からパーシャルTLVストリームを受信すると、パーシャルTLVストリームに対してデマルチプレクサなどの処理を実施してパーシャルコンポーネントデータやパーシャルSIデータを出力する(ステップS21のYES、ステップS22)。例えばステップ22において、パーシャルTLVストリーム処理部22は、テレビ受信装置1がMMT/TLVストリームを受信する場合と同様に、デスクランブル処理(パーシャルTLVストリームにスクランブル処理が施されて暗号化復号が必要な場合)やデマルチプレクサ処理を実施する。デマルチプレクサ処理では、パーシャルTLVストリームからパーシャルコンポーネントデータやパーシャルSIデータを取得する。パーシャルTLVストリーム処理部22が出力したパーシャルコンポーネントデータやパーシャルSIデータはデコーダ23に入力され、デコーダ23にてデコード処理が実施されて、映像信号、音声信号、文字データなどのサービスデータに変換される(ステップ23)。サービスデータは出力処理部24に入力されて、出力タイミング、表示方法などが調整されて(ステップS24)、表示装置やスピーカーなどの出力部25から出力される(ステップS25)。
【0051】
一方、ステップ22においてパーシャルTLVストリーム処理部22が出力したパーシャルSIデータは、情報源抽出部26に入力されて、情報源抽出部26はパーシャルSIデータから関連データを抽出する。具体的には、パーシャルSIデータからnetwork_id、tlv_stream_id、service_idの3つの関連データを抽出する。情報源抽出部26は抽出した3つの関連データから、例えば、高度広帯域衛星デジタル放送における放送番組の所在を特定し、出力処理部24へ出力する(ステップS26)。出力処理部24は、デコーダ23から入力されたサービスデータとともに情報源抽出部26から入力された放送番組の所在情報の出力タイミング、表示方法などを調整した後、出力部25へ出力し(ステップS24)、出力部25は放送番組の所在情報を出力する(ステップS25)。
【0052】
上記した処理を電子機器2A、2B、2Cごとに並列に実施することで、同時に電子機器2A、2B、2Cとテレビ受信装置1とのやり取りが可能であり、例えば、電子機器2A、2B、2Cは、同じ時間に、同じコンテンツを得ることもできるし、電子機器2A、2B、2Cからそれぞれ異なる指定コンテンツを指定すれば、それぞれが異なるコンテンツを得ることもできる。
【0053】
本実施形態では、
図5、
図6に示したように定義したMH-SITとMH-ネットワーク識別記述子を、パーシャルTLVストリームに含めることによって、シンク側である電子機器2が受信したコンテンツの出所を判断することが可能となる。
【0054】
また、TS方式によるパーシャルTSストリームでは、PAT、PMT、SITの3つのテーブルに3つの関連データを含めていたが、本実施形態の例では、MH-SITに3つの関連データを入れることで、処理負荷が低減し、処理速度が向上する。また、パーシャルTSストリームにおけるSIT同様、MH-SITの特性上、他のPLT,MPTといった制御情報テーブルよりも送信頻度が小さくなることから、PLT,MPTを入れた場合に比べて処理負荷が低減する効果もある。
【0055】
このように本実施形態によれば、MMT/TLV方式に基づいて送信される放送番組の所在を明らかにするパーシャルストリームのコンテンツ形式を採用するデジタルコンテンツ送信装置、送信方法を提供することができる。
【0056】
(変形例1)
図8~
図12は、上記した実施形態に係る変形例を示した図であり、上記実施形態で示した各ブロックの対応部分、類似部分には同一若しくは類似する符号を付している。
【0057】
図8は、変形例1に係る高度広帯域衛星デジタル放送のネットワークの例を示す図であり、DIRD10Aが、
図1におけるデスクランブル部13、デマルチプレクサ部14、デコーダ部15、出力処理部16、パーシャルTLVストリーム生成部18、インターフェース19、制御部110の機能を担っている例を示している。この変形例は、家庭内ネットワークにおいて、テレビ受信装置1Aをソース側電子機器として、またスマートフォン2BA、タブレット2CAをシンク側の電子機器2とした場合の例を示している。
【0058】
テレビ受信装置1Aと各電子機器2BA、2CAとの間では暗号化・復号機能が介在してもよい。また、テレビ受信装置1Aでは、パーシャルTLVストリームを配信した場合、その配信情報(配信回数、配信先など)を管理するストリーム配信管理部を備えてもよい。さらにこのストリーム配信管理部の管理情報が課金管理部へ伝達されるようにしてもよい。
【0059】
(変形例2)
図9は、変形例2に係る高度広帯域衛星デジタル放送対応のテレビ受信装置の機能構成の一例を示すブロック図であり、
図2に示したテレビ受信装置の機能と対応する箇所には同一若しくは類似する符号を付している。
【0060】
図9のテレビ受信装置1Aにおいては、
図2のパーシャルTLVストリーム生成部18に相当する機能を制御部110A、多重部18に分けた例を示している。また、
図2のデマルチプレクサ部14、デコーダ15は、それぞれMMT多重分離部14A、映像復号部、オーディオ復号部、EPG・マルチメディアデコーダ15Aに対応している。映像復号部から得られた映像復号信号は、出力部の表示器に供給され、オーディオ復号部から出力されたオーディオ信号は、出力部のオーディオシステム(スピーカシステム)に供給される。
【0061】
図10は、
図9のテレビ受信装置1Aが制御部110Aの制御に基づいて動作する動作例を示している。第2のテレビ受信装置2AA(TV2)から、パーシャルストリームを要求する信号を検知すると(SA11)、パーシャルTLVストリームの処理を開始する(SA12)。パーシャルTLVストリームは、MMT多重分離部14Aから取り出されて準備され、多重部18Aに入力される(SA00,SA16)。
【0062】
制御部110Aは、
図5、
図6で説明したような参照情報を生成しており(SA13,SA14)、多重部18Aに参照情報が出力されて、多重部18AにてパーシャルTLVストリームとして多重される(SA15)。これにより、参照情報を含むMH-SITを多重したパーシャルTLVストリームが、テレビ受信装置2Bへ伝送される(SA17)。
【0063】
なお、出所を判断するためのnetwork_id、tlv_stream_id、service_idは、パーシャルTLVストリームに対してどのような位置やパターンで挿入多重されてもよい。また送信されるタイミングも変形が可能であり、パーシャルTLVストリームの送信開始であってもよい。
【0064】
図11は、同変形例において、テレビ受信装置1Aが伝送したパーシャルTLVストリームを受信する、テレビ受信装置2AAの構成例を示している。
【0065】
このテレビ受信装置2AAの機能構成は、
図9に示したテレビ受信装置1Aと同じ機能構成であり、お互いに対応する機能ブロックに対しては、類似する符号を付している。
図12に示したテレビ受信装置1Aの符号12A,13A,14A・・・に対して、テレビ受信装置2AAの符号は、2A12,2A13,2A14・・・のように記載している。
テレビ受信装置1Aから送られてきたパーシャルTLVストリームは、インターフェース21Aを介して多重分離部2A18に入力され、先の参照情報が制御部2A110において解析されることで、パーシャルTLVストリームのコンテンツの出所が明確となる。MMT/TLVストリームは、MMT多重分離部2A14に入力されて、パケットの映像符号化データ、オーディオ符号化データが取り出され、それぞれ映像復号部、オーディオ復号部において、復号される。
【0066】
図12は、
図11のテレビ受信装置2AAの動作例を示すフローチャートである。パーシャルTLVストリームの受信指令又は受信要求があると、パーシャルTLVストリームの受信処理を開始する(SB11,SB12)。パーシャルTLVストリームに多重されている参照情報は制御部2A110において解析され、当該ストリームに多重されているコンテンツの出所が判断される(SB13,SB14,SB15)。一方、当該ストリームに多重されているコンテンツは、出力処理部2A15にて処理され、表示用、音声出力用データとして出力される(SB20)。パーシャルTLVストリームの受信停止が無ければ、当該ストリームに多重されているコンテンツの表示が継続される。しかし、受信装置のスイッチオフ或いは受信停止などの操作がなされると上記の動作は停止する(SB21)。
【0067】
以上、本変形例によれば、コンテンツを提供するソース側において異なった機能構成で、異なったシンク側の情報端末に対して、MMT/TLV方式に基づいて送信される放送番組の所在を明らかにするパーシャルストリームのコンテンツ形式を採用するデジタルコンテンツ送信装置、送信方法を提供することができる。
【0068】
また、以上の実施形態及び変形例では、チューナから受信した放送信号から取得したMMT/TLVストリームを利用する場合の例を示したが、例えば、インターネット経由で取得したMMT/TLV方式に基づくMMT/TLVストリームを使用してもよい。また、一旦MMT/TLVストリームを図示せぬ記憶装置などに保存して、そのデータを例えば
図2のデマルチプレクサ部14に入力して、パーシャルTLVストリームを生成することでも良い。
上記した本システムにおける要点は以下のように記載することもできる。
(A1)送信装置として、コンテンツ形式としてMMT/TLV方式を採用している放送信号を受信する受信部と、前記放送信号から所望のTLVストリームを選択するチューナと、制御信号である前記SI(Signaling Information)から、少なくともネットワーク識別子(network_id)、tlvストリーム識別子(tlv_stream_id)、及びサービス識別子(service_id)を抽出する抽出部と、前記ネットワーク識別子(network_id)、前記tlvストリーム識別子(tlv_stream_id)、及び前記サービス識別子(service_id)を含む参照情報と、前記チューナで選択した前記TLVストリームとを含むパーシャルTLVストリームを生成する、パーシャルTLVストリーム生成部と、を備える送信装置。
(A2)送信方法として、コンテンツ形式としてMMT/TLV方式を採用している放送信号を受信する受信部と、前記放送信号から所望のTLVストリームを選択するチューナと、制御部を有する送信装置の送信方法において、
前記制御部の制御に基づき、制御信号である前記SI(Signaling Information)から、少なくともネットワーク識別子(network_id)、tlvストリーム識別子(tlv_stream_id)、及びサービス識別子(service_id)を抽出し、前記ネットワーク識別子(network_id)、前記tlvストリーム識別子(tlv_stream_id)、及び前記サービス識別子(service_id)を含む参照情報と、前記チューナで選択した前記TLVストリームとを含むパーシャルTLVストリームを生成し出力する、送信装置の送信方法。
(B1)受信装置として、パーシャルTLVストリームに含まれる前記TLVストリームは、コンテンツ形式としてMMT/TLV方式を採用している放送信号から選択されたTLVストリームに対応し、
ネットワーク識別子(network_id)、tlvストリーム識別子(tlv_stream_id)、及びサービス識別子(service_id)は、前記放送信号に含まれる制御信号であるSI(Signaling Information)から抽出された識別子であって、
1つのテーブルには、前記パーシャルTLVストリーム用として定義された参照情報が含まれ、
参照情報内に、少なくとも出所を判断するためのnetwork_id、tlv_stream_id、service_idが挿入されており、
前記パーシャルTLVストリームは、前記参照情報及び前記TLVストリームを含むストリームとして送信されるものであり、
前記パーシャルTLVストリームを受信する受信部と、
前記参照情報に含まれているnetwork_id、tlv_stream_id、service_idを解析して、前記パーシャルTLVストリームのコンテンツの出所を判定する判定部と、を備える受信装置。
(B2)受信方法として、パーシャルTLVストリームに含まれる前記TLVストリームは、コンテンツ形式としてMMT・TLV方式を採用している放送信号から選択されたTLVストリームに対応し、
ネットワーク識別子(network_id)、tlvストリーム識別子(tlv_stream_id)、及びサービス識別子(service_id)は、前記放送信号に含まれる制御信号であるSI(Signaling Information)から抽出された識別子であって、
前記パーシャルTLVストリーム用として定義された参照情報内に、少なくとも出所を判断するためのnetwork_id、tlv_stream_id、service_idが挿入されており、
前記パーシャルTLVストリームは、前記参照情報及び前記TLVストリームを含むストリームとして送信されるものであり、
受信部と、制御部とを有する受信装置が、
前記パーシャルTLVストリームを受信し、前記参照情報に含まれている前記ネットワーク識別子(network_id)、tlvストリーム識別子(tlv_stream_id)、及び前記サービス識別子(service_id)を解析して、前記パーシャルTLVストリームのコンテンツの出所を判定する受信装置の受信方法
(C)送信側と受信側との間には、セキュリティーのための暗号化・復号機能が設けられていてもよい。
(D)前記パーシャルTLVストリームの出所が判明した場合、さらに当該出所のロゴデータを表示部に出力する手段を有してもよい、及び又は前記パーシャルTLVストリームの出所が判明した場合、さらに当該出所の特有のオーディオデータをオーディオ出力部に出力する手段を有してもよい。
(E)テレビ受信装置が、前記パーシャルTLVストリームを配信した場合、その配信情報(配信回数、配信先など)を管理するストリーム配信管理部を備えてもよい。さらにこのストリーム配信管理部の管理情報が課金管理部へ伝達されるようにしてもよい。
(E1)本システムでは、MMT・TLV方式を採用している放送信号に多重されているセレクションインフォメーションテーブル(SIT)に相当するMH-SITを定義し、このMH-SITを送受信する手段を含むシステムである。
【0069】
ここでMH-SITは、前記ネットワーク識別子(network_id)、tlvストリーム識別子(tlv_stream_id)、及びサービス識別子(service_id)をすべて含む参照情報であり、前記3つの識別子により、前記パーシャルTLVストリームに含まれるコンテンツの出所を判断可能な情報である。
【0070】
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、MMT/TLV方式に基づいて送信される放送番組の所在を明らかにするパーシャルストリームのコンテンツ形式を採用するデジタルコンテンツ送信装置、送信方法を提供することができる。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらにまた、請求項の各構成要素において、構成要素を分割して表現した場合、或いは複数を合わせて表現した場合、或いはこれらを組み合わせて表現した場合であっても本発明の範疇である。また、複数の実施形態を組み合わせてもよく、この組み合わせで構成される実施例も発明の範疇である。
【0072】
また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0073】
1・・・テレビ受信装置、2・・・電子機器、14・・・デマルチプレクサ、18・・・パーシャルTLVストリーム生成部、19・・・インターフェース、21・・・インターフェース、22・・・パーシャルTLVストリーム処理部、23・・・デコーダ、24・・・出力処理部、25・・・出力部、26・・・情報源検出部、27・・・制御部、28・・・ユーザインターフェース、110・・・制御部