(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】データ収集装置、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/21 20110101AFI20230322BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20230322BHJP
【FI】
H04N21/21
H04N21/258
(21)【出願番号】P 2020157363
(22)【出願日】2020-09-18
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊池 匡晃
(72)【発明者】
【氏名】屋野 武秀
(72)【発明者】
【氏名】坪井 創吾
(72)【発明者】
【氏名】高木 周
(72)【発明者】
【氏名】片岡 秀夫
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-93393(JP,A)
【文献】特開2005-352754(JP,A)
【文献】特開2015-148920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン受像機に接続されている接続機器を示す機器情報、及び、前記接続機器が前記テレビジョン受像機を利用した利用時間を示す利用時間情報を取得する取得部と、
前記テレビジョン受像機に接続されている全ての接続機器のそれぞれの分類を示すタイプについて、各前記接続機器にかかる前記利用時間情報に基づいて、前記テレビジョン受像機単位での前記接続機器の利用傾向属性を示すカテゴリに分類する分類部と、
を有するデータ収集装置。
【請求項2】
前記利用時間情報を用いて前記接続機器による前記テレビジョン受像機の利用度を特定する特定部を備え、
前記分類部は、前記テレビジョン受像機に接続されている全ての接続機器のタイプ毎に、前記特定部で特定された前記利用度に対応する前記カテゴリに分類すること、
を特徴とする請求項1に記載のデータ収集装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記タイプ毎の前記接続機器の前記利用時間情報で示される利用時間と、複数の他のテレビジョン受像機に接続されている同じタイプの接続機器の平均的な利用時間との比を、前記利用度として算出する演算部であること
を特徴とする請求項2に記載のデータ収集装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記機器情報及び前記利用時間情報と共に、前記接続機器が前記テレビジョン受像機を利用した際に、前記テレビジョン受像機で設定されていた画質モードを示す画質モード情報を取得し、
前記分類部は、前記テレビジョン受像機に接続されている全ての接続機器のそれぞれの分類を示すタイプについて、各前記接続機器にかかる前記利用時間情報及び前記画質モード情報に基づいて、前記テレビジョン受像機単位での前記接続機器の利用傾向属性を示すカテゴリに分類すること
を特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか一項に記載のデータ収集装置。
【請求項5】
コンピュータを、
テレビジョン受像機に接続されている接続機器を示す機器情報、及び、前記接続機器が前記テレビジョン受像機を利用した利用時間を示す利用時間情報を取得する取得部と、
前記テレビジョン受像機に接続されている全ての接続機器のそれぞれの分類を示すタイプについて、各前記接続機器にかかる前記利用時間情報に基づいて、前記テレビジョン受像機単位での前記接続機器の利用傾向属性を示すカテゴリに分類する分類部として機能させること、
を特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1から請求項4のうち、いずれか一項に記載のデータ収集装置と、
前記データ収集装置から提供された前記テレビジョン受像機単位での前記接続機器の利用傾向属性を示す視聴実績データを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部で取得された前記視聴実績データで示される前記テレビジョン受像機単位での前記接続機器の利用傾向属性に基づいて、配信情報を選択する選択部と、
選択された前記配信情報を配信する配信部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
前記データ取得部は、前記視聴実績データと共に、前記接続機器が前記テレビジョン受像機を利用した際に、前記テレビジョン受像機で設定されていた画質モードを示す画質モード情報を取得し、
前記選択部は、前記視聴実績データで示される前記テレビジョン受像機単位での前記接続機器の利用傾向属性、及び、前記画質モード情報に基づいて、前記配信情報を選択すること
を特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記データ取得部は、前記視聴実績データと共に、前記テレビジョン受像機で視聴された放送番組に対応する視聴情報を取得し、
前記選択部は、前記視聴実績データで示される前記テレビジョン受像機単位での前記接続機器の利用傾向属性、及び、前記視聴情報に基づいて配信情報を選択すること
を特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、データ収集装置、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン受像機で視聴されたコンテンツの視聴履歴に基づいてユーザの嗜好を推測し、推測した嗜好に対応する広告(CM:Commercial Message)を提供する広告の配信形態が知られている。例えば、特許文献1(特開2009-147679号公報)には、ユーザの嗜好をより適切に反映し、かつバリエーションに富んだコンテンツの推薦を可能としたコンテンツ処理装置が開示されている。このように、ユーザの嗜好に対応する広告を提供することで、より大きな宣伝効果を期待できる。
【0003】
ここで、近年のテレビジョン受像機は、例えばゲーム機、パーソナルコンピュータ装置、レコーダ装置等の様々な外部機器が接続可能となっている。このため、テレビジョン受像機に接続された各接続機器の接続状況及び利用状況を検出し、利用者属性として広告配信等での活用が望まれている。しかしながら、テレビジョン受像機に接続された接続機器単位のデータでは、同種に分類される接続機器が多数ある場合において同種の接続機器での接続状況及び利用状況のバラツキが大きいとユーザの利用傾向属性を解釈することが困難となり、各種のデータ活用に不向きである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施の形態のデータ収集装置は、テレビジョン受像機に接続された接続機器単位ではなく、テレビジョン受像機単位での接続機器のタイプ別の利用傾向属性を算出することを可能として、上述の課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施の形態のデータ収集装置は、取得部と、分類部と、を有する。取得部は、テレビジョン受像機に接続されている接続機器を示す機器情報、及び、前記接続機器が前記テレビジョン受像機を利用した利用時間を示す利用時間情報を取得する。分類部は、前記テレビジョン受像機に接続されている全ての接続機器のそれぞれの分類を示すタイプについて、各前記接続機器にかかる前記利用時間情報に基づいて、前記テレビジョン受像機単位での前記接続機器の利用傾向属性を示すカテゴリに分類する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態のデータ収集システムのシステム構成図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態の広告配信システムに設けられているテレビジョン受像機の概略的なブロック図である。
【
図3】
図3は、テレビジョン受像機の機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態のデータ収集システムに設けられているデータ収集装置の概略的なブロック図である。
【
図5】
図5は、データ収集装置の機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、テレビジョン受像機の視聴実績データの送信動作の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、データ収集装置のテレビジョン受像機毎の利用傾向を示す情報の生成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、HDMI機器のタイプ判定結果の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、HDMI機器の利用度に基づくカテゴリ分類結果の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、テレビジョン受像機毎の利用傾向を示す情報を説明するための図である。
【
図11】
図11は、第2の実施の形態の広告配信システムのシステム構成図である。
【
図12】
図12は、広告配信装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図13】
図13は、広告配信装置のCPUが広告処理プログラムを実行することで実現される各機能の機能ブロック図である。
【
図14】
図14は、第2の実施の形態におけるテレビジョン受像機の機能ブロック図である。
【
図15】
図15は、第2の実施の形態におけるテレビジョン受像機の情報送信動作の流れを示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、広告配信装置における広告配信動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態のデータ収集装置、プログラム及び情報処理システムを、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施の形態]
(システムの構成)
図1は、第1の実施の形態となるデータ収集システムのシステム構成図である。この
図1に示すように、データ収集システムは、各ユーザの自宅等にそれぞれ設置されている複数のテレビジョン受像機1及びデータ収取装置2を、例えばインターネット等の所定のネットワーク3を介して相互に接続して構成されている。テレビジョン受像機1には、外部機器の一例として、第1~第n(nは2以上の自然数)の、複数のHDMI(登録商標)機器4(HDMI:High-Definition Multimedia Interface)が接続されている。HDMI機器4としては、OTT(Over The Top)、ゲーム機、パーソナルコンピュータ装置(PC)、レコーダ装置等の接続機器の一例となるHDMI機器がHDMIケーブルを介して相互に接続されている。
【0010】
(テレビジョン受像機のハードウェア構成)
図2は、テレビジョン受像機1のハードウェア構成を示す図である。この
図2に示すように、テレビジョン受像機1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、視聴実績データ収集ブロック14及びHDMIインターフェース(HDMII/F)15を備えている。また、テレビジョン受像機1は、受信情報処理部16、表示部17、タイマ18、スピーカ部19及び通信部20を備えている。
【0011】
受信情報処理部16は、アンテナ装置で受信された例えばデジタル放送の放送波を取得して、表示部17を介して映像を出力すると共に、スピーカ部19を介して音声を出力する。HDMII/F15は、複数のHDMI端子を備えており、上述のゲーム機及びレコーダ装置等のHDMI機器4が接続される。視聴実績データ収集部14は、各HDMI機器4の機器情報、及び、各HDMI機器がテレビジョン受像機1を利用していた利用時間を含む「視聴実績データ」を収集する。通信部20は、収集された「視聴実績データ」を、ネットワーク3を介してデータ収集装置2に送信する。
【0012】
(テレビジョン受像機の機能構成)
図3は、テレビジョン受像機1の機能構成を示す図である。テレビジョン受像機1のCPU11は、ROM12に記憶されているデータ収集プログラムを実行することで、この
図3に示す機器情報取得部31、利用時間検出部32、視聴実績データ収集制御部34及び通信制御部35として機能する。
【0013】
CPU11は、機器情報取得部31として機能することで、接続されているHDMI機器4の機器情報を取得する。
【0014】
CPU11は、利用時間検出部32として機能することで、各HDMI機器4がテレビジョン受像機1を利用した時間を示す時間情報を検出する。
【0015】
CPU11は、視聴実績データ収集制御部34として機能することで、視聴実績データを収集するように、視聴実績データ収集部14を制御する。
【0016】
CPU11は、通信制御部35として機能することで、収集された視聴実績データを、データ収集装置2に送信する。データ収集装置2は、各テレビジョン受像機1から収取した視聴実績データに基づいて、各テレビジョン受像機1に接続されている各HDMI機器4における、各テレビジョン受像機1の「利用傾向を示す情報」を生成して提供する。
【0017】
なお、機器情報取得部31、利用時間検出部32、視聴実績データ収集制御部34及び通信制御部35の各機能は、CPU12がデータ収集プログラムに基づいて、ソフトウェアで実現することとしたが、各機能のうち、一部又は全部をハードウェアで実現してもよい。また、上述のデータ収集プログラムを、コンピュータ読取可能な電子媒体に記憶しておき、この電子媒体からデータ収集プログラムをコンピュータに読み取らせることで、上述の各機能をコンピュータが実現するようにしてもよい。電子媒体としては、例えばCD-ROM等の記録媒体の他、フラッシュメモリ又はリムーバブルメディア等が含まれる。さらに、ネットワークを介して接続した異なるコンピュータに構成要素を分散して記憶し、各構成要素を機能させたコンピュータ間で通信することで実現してもよい。また、上述のデータ収集プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
【0018】
(データ収集装置のハードウェア構成)
図4は、データ収集装置2のハードウェア構成を示す図である。この
図4に示すように、データ収集装置2は、CPU41、通信部42、ROM43、HDD(Hard Disk Drive)44及びRAM45を備えている。なお、HDD44の代わりに、又は、HDD44と共に、SSD(Solid State Drive)を設けてもよい。
【0019】
HDD44には、「視聴実績データ処理プログラム」が記憶されている。また、HDD44には、HDMI機器4のタイプを判定するための機器判定条件データが記憶されている。なお、視聴実績データ処理プログラム及び機器判定条件データは、SSDに記憶してもよい。CPU41は、この機器判定条件データを参照することで、各テレビジョン受像機1に接続されているHDMI機器4のタイプを判定する。
【0020】
(データ収集装置の機能構成)
図5は、データ収集装置2のCPU41が視聴実績データ処理プログラムを実行することで実現される各機能の機能ブロック図である。この
図5に示すように、CPU41は、視聴実績データ処理プログラムを実行することで、通信制御部51、取得部52、判定部53、演算部54及び分類部55の各機能を実現する。
【0021】
CPU41は、視聴実績データ処理プログラムに基づいて通信制御部51~分類部55として機能することで、テレビジョン受像機1から受信した視聴実績データに基づいて、各テレビジョン受像機1の利用傾向を示す情報を生成して提供する。
【0022】
より詳細には、CPU41は、視聴実績データ処理プログラムに基づいて取得部52として機能することで、各テレビジョン受像機1から収集してHDD44等の記憶部に記憶されている視聴実績データを取得する。上述のように、視聴実績データには、テレビジョン受像機1に接続されているHDMI機器4の機器名又は機種を示す機器情報、及び、HDMI機器4がテレビジョン受像機1を利用した利用時間を示す利用時間情報が含まれている。
【0023】
CPU41は、判定部53として機能することで、視聴実績データに含まれる機器情報に基づいて、テレビジョン受像機1に接続されているHDMI機器4のタイプを判定する。
【0024】
また、CPU41は、各HDMI機器4が、テレビジョン受像機1を利用していた度合いを示す利用度を特定する特定部として機能する。この利用度としては、各HDMI機器4が、テレビジョン受像機1を利用していた度合いが特定できれば、どのような値を用いてもよいし、又はどのような演算手法を用いて算出した値を用いてもよい。
【0025】
例えば、CPU41が、計算を行わず、各HDMI機器4が、テレビジョン受像機1を利用していた利用時間情報(時間そのもの)を利用度として用いてもよい。この場合、利用時間=利用度となるため、演算処理を省略できる。
【0026】
また、CPU41を特定部の一例である演算部54として機能させることで、「利用時間の絶対値」又は「利用時間の平均値との差」等の別の指標を利用度として算出してもよい。
【0027】
また、CPU41を特定部の一例である演算部54として機能させ、HDMI機器の利用時間と、全国の他のテレビジョン受像機1に接続されている同じタイプのHDMI機器の平均的な利用時間との比を算出し、これを「利用度」として用いてもよい。なお、以下、一例として、CPU41は、演算部54として機能することで、このような比を算出して利用度として用いることとして説明を進める。
【0028】
また、CPU41は、分類部55として機能することで、各HDMI機器4を、それぞれの利用度に対応するカテゴリに分類する。そして、各テレビジョン受像機1の各HDMI機器のタイプ及び分類したカテゴリを示す情報を、各テレビジョン受像機1の利用傾向を示す情報として提供する。
【0029】
なお、通信制御部51~分類部55の各機能は、CPU41が視聴実績データ処理プログラムに基づいて、ソフトウェアで実現することとしたが、各機能のうち、一部又は全部をハードウェアで実現してもよい。また、視聴実績データ処理プログラムを、コンピュータ読取可能な電子媒体に記憶しておき、この電子媒体から視聴実績データ処理プログラムをコンピュータに読み取らせることで、上述の各機能をコンピュータが実現するようにしてもよい。電子媒体としては、例えばCD-ROM等の記録媒体の他、フラッシュメモリ又はリムーバブルメディア等が含まれる。さらに、ネットワークを介して接続した異なるコンピュータに構成要素を分散して記憶し、各構成要素を機能させたコンピュータ間で通信することで実現してもよい。また、視聴実績データ処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
【0030】
(テレビジョン受像機の情報送信動作)
図6は、テレビジョン受像機1の情報送信動作の流れを示すフローチャートである。テレビジョン受像機1のCPU11は、ROM12に記憶されているデータ収集プログラムに基づいて、この
図6のフローチャートに示す各処理を実行する。まず、ステップS1では、
図3に示す機器情報取得部31が、HDMII/F15にHDMI機器4が接続されているか否かを判別する。HDMII/F15にHDMI機器4が接続されていると判別された場合(ステップS1:Yes)、処理がステップS2に進む。ステップS2では、機器情報取得部31が、HDMII/F15に接続されているHDMI機器4の機器情報を取得する。
【0031】
一例ではあるが、HDMI-CEC(Consumer Electronics Control)規格に準拠したHDMI機器4の場合、プレイヤ又はレコーダ等のデバイスタイプを示す情報、例えば「プレイゲーム2」等の機器名を示す情報、及び、そのHDMI機器4を製造したメーカのメーカ名等が機器情報として取得可能となっている。機器情報取得部31は、各HDMI機器4から、このような機器情報を取得する。
【0032】
次に、ステップS3では、利用時間検出部32が、各HDMI機器4で、テレビジョン受像機1が利用された時間(テレビジョン受像機がそのHDMI機器4の映像を表示していた時間)を検出する。具体的には、利用時間検出部32は、いずれかのHDMI機器4でテレビジョン受像機1の表示部17が占有されると、そのHDMI機器4を特定可能とする機器情報と共に、表示部17を占有していた利用時間(利用時間情報)をカウントしてRAM13等の記憶部に記憶している。利用時間情報としては、利用開始時刻のみを記憶し、又は、利用終了時刻のみを記憶してもよい。また、利用開始時刻及び利用終了時刻の両方を記憶してもよい。ステップS3では、利用時間検出部32が、記憶部に記憶した各HDMI機器4の利用時間情報の読み出しを行う。
【0033】
次に、ステップS4では、視聴実績データ収集制御部34が、ステップS2で検出された、テレビジョン受像機1に接続されているHDMI機器4の機器情報、ステップS3で読みだされた利用時間情報を、視聴実績データとして収集するように視聴実績データ収集部14を制御する。そして、ステップS4では、通信制御部35が、収集された視聴実績データをデータ収集装置2に送信するように、通信部20を制御する。
【0034】
なお、通信制御部35は、上述の利用開始時刻が得られた際にデータ収集装置2に送信し、また、利用終了時刻が得られた際にデータ収集装置2に送信する等のように、データが得られたタイミングでそれぞれデータ収集装置2に送信を行うようにしてもよい。
【0035】
テレビジョン受像機1のCPU11は、このようなステップS1~ステップS4の処理を繰り返し実行することで、視聴実績データをデータ収集装置2に送信する。
【0036】
(利用傾向を示す情報の生成動作)
図7は、データ収集装置2におけるテレビジョン受像機1毎の利用傾向を示す情報の生成動作の流れを示すフローチャートである。データ収集装置2のCPU41は、各テレビジョン受像機1から送信される視聴実績データをHDD44等の記憶部に記憶する。これにより、記憶部には、各テレビジョン受像機1から送信される視聴実績データによるデータベースが形成される。
図7のフローチャートのステップS21では、取得部52が、HDD44等の記憶部から所定のテレビジョン受像機1から収集した視聴実績データを取得する。
【0037】
次に、ステップS22では、判定部53が、取得された視聴実績データに含まれる機器情報に基づいて、テレビジョン受像機1に接続されているHDMI機器4のタイプを判定する。
図8は、判定部53による、HDMI機器4のタイプ判定結果の一例を示す図である。テレビジョン受像機1から収集された視聴実績データに含まれる機器情報には、例えばレコーダ装置、プレイヤ装置等の「デバイスタイプ(device type)」を示す大分類情報、機器名(device name)、及び、ベンダ識別情報(vendor ID)等の各種情報が含まれている。
【0038】
また、データ収集装置2のROM43には、
図8に機器判定条件として示す機器判定条件データがタイプ名に関連付けされて記憶されている。この
図8は、ネットワークを介した映像コンテンツ等の視聴を可能とするスティック形状のHDMI機器であり、機器名(device name)がネットTVスティック又はPCTVスティックであるHDMI機器は、OTT(Over The Top)のHDMI機器4として判定される例を示している。同様に、この
図8は、テレビジョンゲームを可能とするHDMI機器であり、機器名(device name)がプレイゲーム2であるHDMI機器4は、ゲーム機として判定される例を示している。
【0039】
同様に、この
図8は、HDMI端子を備えるパーソナルコンピュータ装置(PC)であり、機器名(device name)がノートブックPCであるHDMI機器4は、パーソナルコンピュータ装置(PC)として判定される例を示している。同様に、この
図8は、機器名(device name)がTVレコーダであるHDMI機器4は、レコーダ装置として判定され、機器名(device name)がディスクプレイヤであるHDMI機器4は、プレイヤ装置として判定される例を示している。
【0040】
判定部53は、ステップS22において、取得された機器情報に含まれる機器名(device name)に基づいて機器判定条件データを参照し、合致する機器判定条件データに関連付けされているタイプ名を検出することで、取得された機器情報のHDMI機器4のタイプを判定する。
【0041】
なお、取得された機器情報に含まれる機器名(device name)が、機器判定条件データ内に存在しない場合(機器判定条件データのいずれにも合致しない場合)、判定部53は、そのHDMI機器4を「その他/不明」のタイプであると判定する。
【0042】
次に、ステップS23では、演算部54が、テレビジョン受像機1から収集された視聴実績データに含まれる利用時間情報に基づいて、HDMI機器4の利用度(リフト値)を算出する。具体的には、演算部54は、例えばOTTのタイプのHDMI機器の利用時間と、全国のOTTのタイプのHDMI機器の平均的な利用時間との比を、「リフト値(利用度)」として算出する。このリフト値(利用度)は、テレビジョン受像機1の単位での各HDMI機器4の利用傾向属性を示す指標となる。
【0043】
次に、ステップS24では、分類部55が、演算部54で算出された利用度に基づいて、各HDMI機器4を例えば5つのカテゴリに分類する。なお、この例では、各HDMI機器4を5つのカテゴリに分類することとして説明を進めるが、6つ又は9つ等の、任意の数のカテゴリに分類してもよい。また、演算部54で算出された利用度を、そのまま用いることで、無段階の分類としてもよい。
【0044】
図9は、5つのカテゴリの一例を示す図である。この
図9に示すように、分類部55は、利用されていないHDMI機器4(利用度が「0」のHDMI機器4)の場合、そのHDMI機器4を「0」のカテゴリに分類する。
【0045】
また、分類部55は、算出したリフト値が0.5未満の場合、そのHDMI機器4を「1」のカテゴリに分類し、算出したリフト値が0.5以上1.0未満の場合、そのHDMI機器4を「2」のカテゴリに分類する。また、分類部55は、算出したリフト値が1.0以上2.0未満の場合、そのHDMI機器4を「3」のカテゴリに分類し、算出したリフト値が2.0以上の場合、そのHDMI機器4を「4」のカテゴリに分類する。
【0046】
そして、分類部55は、
図10に示すように、テレビジョン受像機1毎に、接続されている各HDMI機器4のタイプと、各HDMI機器4のカテゴリとを関連付け、これを各テレビジョン受像機1の「利用傾向を示す情報」としてHDD44等の記憶部に記憶する。
【0047】
この
図10は、各テレビジョン受像機(device 1~device n)に、OTT,ゲーム機、PC,レコーダ、プレイヤ及び「その他/不明」の各タイプのHDMI機器4が接続されている例を示している。そして、この
図10は、第1のテレビジョン受像機(device 1)の場合、OTT、プレイヤ及び「その他/不明」の各タイプのHDMI機器4は、それぞれ利用されていないことで「0」のカテゴリに分類され、ゲーム機のタイプのHDMI機器4は、利用度が高いことを示す「3」のカテゴリに分類された例を示している。
【0048】
また、この
図10は、第1のテレビジョン受像機(device 1)の場合、PCのタイプのHDMI機器4及びレコーダのタイプのHDMI機器4は、利用度が低いことを示す「1」のカテゴリに分類された例を示している。
【0049】
同様に、この
図10は、第nのテレビジョン受像機(device n(nは4以上の自然数))の場合、OTT、ゲーム機、PCの各タイプのHDMI機器4は、それぞれ利用されていないことで「0」のカテゴリに分類された例を示している。また、この
図10は、第nのテレビジョン受像機(device n(nは4以上の自然数))の場合、レコーダのタイプのHDMI機器4は、中程度の利用度であるため、「2」のカテゴリに分類された例を示している。また、この
図10は、第nのテレビジョン受像機(device n(nは4以上の自然数))の場合、プレイヤのタイプのHDMI機器4は、利用度が高目であるため、「3」のカテゴリに分類された例を示している。また、この
図10は、第nのテレビジョン受像機(device n(nは4以上の自然数))の場合、「その他/不明」のタイプのHDMI機器4は、利用度が低いため、「1」のカテゴリに分類された例を示している。
【0050】
データ収集装置2は、このような各テレビジョン受像機1に接続されている各HDMI機器のタイプ及び分類したカテゴリを示す情報を、各テレビジョン受像機1の利用傾向を示す情報として提供する。
【0051】
このようなテレビジョン受像機1毎の利用傾向を示す情報は、企業又は放送局等に提供される。上述の利用傾向を示す情報は、テレビジョン受像機1毎の嗜好を示すため、利用傾向を示す情報が提供される企業等は、利用傾向を示す情報で示される嗜好に対応するコンテンツの推薦等に用いることができる。また、放送局側では、そのテレビジョン受像機1の視聴情報を参酌し、そのテレビジョン受像機1の視聴者が放送番組を視聴している時間帯に、利用傾向を示す情報で示される嗜好に対応する広告を配信することもできる。
【0052】
(第1の実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、第1の実施の形態のデータ収集システムは、テレビジョン受像機1に接続されている各HDMI機器4をタイプ別に分類し、タイプ毎の利用時間に基づいた利用度を算出する。また、各HDMI機器4を、各利用度に対応するカテゴリに分類する。そして、各テレビジョン受像機1に接続されている各HDMI機器のタイプ及び分類したカテゴリを示す情報を、各テレビジョン受像機1の利用傾向を示す情報として提供する。
【0053】
利用しているHDMI機器の組み合わせは、デバイスのバリエーションが豊富であり、HDMI機器の組み合わせには個性が出るため、HDMI機器の組み合わせから個人の特定が可能となる場合がある。このため、HDMI機器単位で網羅的な視聴データを外部提供すると、提供先での視聴データの個人特定が懸念される。
【0054】
例えばテレビジョン受像機にA,B,Cの各HDMI機器を接続して利用しているユーザが、SNS(Social Networking Service)等で自分が利用しているHDMI機器を紹介した場合、このSNSでのHDMI機器の紹介を介して個人の特定が可能となる場合がある。また、テレビジョン受像機に1台のみ、HDMI機器が接続されている場合でも、その接続されているHDMI機器がユニークなHDMI機器である場合、個人の特定が可能となる場合がある。
【0055】
しかし、第1の実施の形態のデータ収集システムの場合、HDMI機器4のタイプ別に分類し、タイプ毎にそれぞれのテレビジョン受像機1の利用度(利用時間)を算出し、各利用度に対応するカテゴリに各HDMI機器4を分類する。そして、各テレビジョン受像機1に接続されている各HDMI機器のタイプ及び分類したカテゴリを示す情報を、各テレビジョン受像機1の「利用傾向を示す情報」として提供する。
【0056】
このため、HDMI機器4自体の特定を困難とすることができ、各HDMI機器4の組み合わせに基づいて、個人が特定される不都合を防止できる。換言すると、第1の実施の形態のデータ収集システムは、個人情報の流出の虞の無い安全な形態で、利用価値の高い指標を容易に作成して提供できる。
【0057】
(変型例)
分類部55は、各HDMI機器4がテレビジョン受像機1を利用した利用時間情報に対応する利用度に基づいて、各HDMI機器4を所定のカテゴリに分類することとした。しかし、利用時間情報に対応する利用度、及び、そのHDMI機器4がテレビジョン受像機を利用していた際に、テレビジョン受像機に設定されていた画質モードに基づいて、各HDMI機器4を所定のカテゴリに分類してもよい。
【0058】
この場合、データ収集装置2には、各HDMI機器4がテレビジョン受像機1を利用した際に、テレビジョン受像機1で設定されていた画質モードを示す画質モード情報が、前記の視聴実績テータに含められて送信される。データ収集装置2の分類部55は、上述のように利用度を算出すると共に、この算出した利用度と共に、画質モード情報を参酌して上述のカテゴリ分類を行う。これにより、各HDMI機器4の利用傾向属性に、より対応するカテゴリに、各HDMI機器を分類することができる他、上述と同じ効果を得ることができる。
【0059】
[第2の実施の形態]
次に、第1の実施の形態で説明したデータ収集装置2を用いて広告の配信を行う第2の実施の形態の広告配信システムの説明をする。
【0060】
(システムの構成)
図11は、第2の実施の形態の広告配信システムのシステム構成図である。この
図11に示すように、第2の実施の形態の広告配信システムは、上述のテレビジョン受像機1及びデータ収集装置2が接続されたネットワーク3に、広告配信装置61及び通信機器62を接続して構成されている。
【0061】
(広告配信装置のハードウェア構成)
図12は、広告配信装置61のハードウェア構成を示す図である。この
図12に示すように、広告配信装置61は、CPU71、通信部72、ROM73、HDD74及びRAM75を備えている。ROM73には、「広告処理プログラム」が記憶されている。また、HDD74には、各種広告データが記憶されている。CPU71は、データ収集装置2からから受信した上述の利用傾向を示す情報(及び各テレビジョン受像機1の視聴情報等)に基づいて、最適な広告データ(配信情報)を選択して配信する。
【0062】
広告データの配信先としては、テレビジョン受像機1でもよいし、例えばスマートフォン、タブレット型端末装置、ノート型のパーソナルコンピュータ装置、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置、又は、クラウド上のサーバ装置等でもよい。
図11に示す通信機器62は、このような各種の通信機能を有する電子機器を示している。
【0063】
(広告配信装置の機能構成)
図13は、広告配信装置61のCPU71が広告処理プログラムを実行することで実現される各機能の機能ブロック図である。この
図13に示すように、CPU71は、広告処理プログラムを実行することで、通信制御部81、取得部82及び配信広告選択部83の各機能を実現する。
【0064】
CPU71は、広告処理プログラムに基づいて通信制御部81~配信広告選択部83として機能することで、データ収集装置2から受信した上述の利用傾向を示す情報に基づいて選択した広告データ(配信情報)を、テレビジョン受像機1又は通信機器62等に配信する。
【0065】
より詳細には、CPU71は、広告処理プログラムに基づいて取得部82として機能することで、データ収集装置2から上述したテレビジョン受像機1毎の利用傾向を示す情報を取得する。
【0066】
CPU41は、配信広告選択部83として機能することで、テレビジョン受像機1の利用傾向を示す情報に基づいて、広告データ(配信情報)を選択する。通信制御部81は、選択された広告データを、テレビジョン受像機1又は上述の通信機器62に配信するように、通信部72を通信制御する。
【0067】
なお、通信制御部81~配信広告選択部83の各機能は、CPU71が広告処理プログラムに基づいて、ソフトウェアで実現することとしたが、各機能のうち、一部又は全部をハードウェアで実現してもよい。また、上述の広告処理プログラムを、コンピュータ読取可能な電子媒体に記憶しておき、この電子媒体から広告処理プログラムをコンピュータに読み取らせることで、上述の各機能をコンピュータが実現するようにしてもよい。電子媒体としては、例えばCD-ROM等の記録媒体の他、フラッシュメモリ又はリムーバブルメディア等が含まれる。さらに、ネットワークを介して接続した異なるコンピュータに構成要素を分散して記憶し、各構成要素を機能させたコンピュータ間で通信することで実現してもよい。また、上述の広告処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
【0068】
(テレビジョン受像機の機能構成)
テレビジョン受像機1は、
図2に示したハードウェア構成を有している。第2の実施の形態の場合、テレビジョン受像機1は、
図2に示したROM12に記憶されているデータ収集プログラムをCPU11が実行することで、
図14に示すように、上述の機器情報取得部31、利用時間検出部32、視聴実績データ収集制御部34、通信制御部35と共に、画質モード検出部33及び広告出力制御部36の各機能を実現する。
【0069】
詳しくは、後述するが、CPU11は、画質モード検出部33として機能することで、各HDMI機器4がテレビジョン受像機1を使用していた際に設定されていた、テレビジョン受像機1の画質モードを検出する。
【0070】
また、広告配信装置61から広告が配信された場合、CPU11は、広告出力制御部36として機能し、配信された広告を表示部17等に出力制御する。
【0071】
(テレビジョン受像機の情報送信動作)
図15は、第2の実施の形態におけるテレビジョン受像機1の情報送信動作の流れを示すフローチャートである。テレビジョン受像機1のCPU11は、ROM12に記憶されている広告処理プログラムに基づいて、この
図15のフローチャートに示す各処理を実行する。まず、ステップS31では、
図14に示す機器情報取得部31が、HDMII/F15にHDMI機器4が接続されているか否かを判別する。HDMII/F15にHDMI機器4が接続されていると判別された場合、処理がステップS32に進む。ステップS32では、機器情報取得部31が、HDMII/F15に接続されているHDMI機器4の機器情報を取得する。
【0072】
一例ではあるが、HDMI-CEC(Consumer Electronics Control)規格に準拠したHDMI機器4の場合、プレイヤ又はレコーダ等のデバイスタイプを示す情報、例えば「プレイゲーム2」等の機器名を示す情報、及び、そのHDMI機器4を製造したメーカのメーカ名等が機器情報として取得可能となっている。機器情報取得部31は、各HDMI機器4から、このような機器情報を取得する。
【0073】
次に、ステップS33では、利用時間検出部32が、各HDMI機器4で、テレビジョン受像機1が利用された時間(テレビジョン受像機がそのHDMI機器4の映像を表示していた時間)を検出する。具体的には、利用時間検出部32は、いずれかのHDMI機器4でテレビジョン受像機1の表示部17が占有されると、そのHDMI機器4を特定可能とする機器情報と共に、表示部17を占有していた利用時間(利用時間情報)をカウントしてRAM13等の記憶部に記憶している。ステップS33では、利用時間検出部32が、記憶部に記憶した各HDMI機器4の利用時間情報の読み出しを行う。
【0074】
次に、ステップS34では、画質モード検出部33が、各HDMI機器4の映像をテレビジョン受像機1に表示した際に用いられた、テレビジョン受像機1の画質モードを検出する。具体的には、画質モード検出部33は、いずれかのHDMI機器4の映像がテレビジョン受像機1の表示部17に表示されると、その映像が表示された際に設定されていたテレビジョン受像機1の画質モードを示す画質モード情報を、HDMI機器4を特定可能とする機器情報と共にRAM13等の記憶部に記憶する。
【0075】
次に、ステップS32で検出されたテレビジョン受像機1に接続されているHDMI機器4の機器情報、及び、ステップS33で検出された利用時間情報は、それぞれ関連付けされてRAM13等の記憶部に記憶されている。ステップS35では、視聴実績データ収集制御部34が、各HDMI機器4の機器情報及び利用時間情報を、視聴実績データとして収集するように視聴実績データ収集部14を制御する。
【0076】
次に、視聴実績データ収集部14は、テレビジョン受像機1で放送番組の視聴が行われると、チャンネル及び視聴時間等の、視聴された番組及び視聴時間を特定するための視聴情報を生成し、RAM13等の記憶部に記憶する。ステップS36では、視聴実績データ収集制御部34が、RAM13等の記憶部に記憶された視聴情報を記憶部から読み出す。
【0077】
次に、ステップS37では、通信制御部35が、上述の視聴実績データ、画質モード情報、及び、視聴情報を、ネットワーク3を介してデータ収集装置2に送信するように通信部20を通信制御する。テレビジョン受像機1のCPU11は、このようなステップS31~ステップS37の処理を繰り返し実行することで、各種情報をデータ収集装置2に送信する。
【0078】
なお、この例では、ステップ32~ステップS36で取得した各種の情報を、ステップS37で一度にデータ収集装置2に送信することとしたが、各種の情報を一つずつ(又は複数でもよい)、データ収集装置2に送信してもよい。
【0079】
データ収集装置2は、各テレビジョン受像機1から取得した視聴実績データに基づいて、各テレビジョン受像機1の利用傾向を示す情報を生成する。データ収集装置2の通信制御部51は、この利用傾向を示す情報に、そのテレビジョン受像機1から取得した画質モード情報及び視聴情報を付加して、広告配信装置61に送信するように、通信部42を通信制御する。
【0080】
(広告配信装置の広告配信動作)
図16は、広告配信装置61における広告配信動作の流れを示すフローチャートである。ステップS41では、
図13に示す取得部82が、データ収集装置2から送信されたテレビジョン受像機1の利用傾向を示す情報、画質モード情報及び視聴情報を取得する。
【0081】
ステップS42では、配信広告選択部83が、各テレビジョン受像機1の利用傾向を示す情報(
図10参照)、画質モード情報及び視聴情報を参酌して、配信する広告を選択する。そして、ステップS43において、選択された広告が、通信制御部81により、テレビジョン受像機1又は通信機器62等に配信制御される。
【0082】
配信された広告を受信したテレビジョン受像機1は、
図14に示す広告出力制御部36が、例えばメニュー画面に重畳して、又は、ユーザに表示が指定された際に、表示部17に表示制御する。このように表示される広告は、そのユーザのテレビジョン受像機1から得られた利用傾向を示す情報に対応する広告となる。このため、ユーザの嗜好に、より合致した広告を提供できる。例えば、広告配信としては、機能のお知らせや、OTTを良く利用しているユーザに対して、コンテンツのレコメンドなどが挙げられる。
【0083】
(画質モード情報を考慮した広告データの選択動作の詳細)
ここで、テレビジョン受像機1は、通常、鮮明な画質を得るために、画像信号に対して所定の信号処理を施して表示する。しかし、アクションゲーム等のように、瞬時の反応が必要なゲームの場合、ゲームの画像信号に対して上述した所定の信号処理を施すと、コントローラのボタンを操作したタイミングと、ゲーム画像が表示されるタイミングとの間にタイムラグを生ずる。
【0084】
このため、テレビジョン受像機の中には、ゲームの画像信号に対しては、所定の信号処理を施さずに表示するゲーム専用の表示モードが設けられているものも多い。そして、このようなゲーム専用の表示モードを使用しているということは、好んでアクションゲームをプレイするユーザである可能性が高い。また、
図10に示す、第1のテレビジョン受像機(device 1)のように、ゲーム機に対する利用度が高いテレビジョン受像機のユーザは、アクションゲームをプレイするユーザである可能性が高い。
【0085】
このようなことから、配信広告選択部83は、テレビジョン受像機1の利用傾向を示す情報と共に、画質モード情報を参酌して広告データの選択を行う。これにより、ユーザの嗜好に、より合致した広告を提供できる。例えば、ゲームの広告配信としては、新たなゲームのお知らせなどが挙げられる。
【0086】
(視聴実績データを考慮した広告データの選択動作の詳細)
また、配信広告選択部83は、上述のようにテレビジョン受像機1の利用傾向を示す情報(及び画質モードを含んでも良い)と共に、視聴情報を参酌して広告データの選択を行う。例えば、
図10に示す、第1のテレビジョン受像機(device 1)のように、ゲーム機に対する利用度が高いテレビジョン受像機であり、視聴情報から歴史に関連する番組の視聴が多いことが検出された場合、配信広告選択部83は、歴史に関連するゲームの広告データを選択して、対応するテレビジョン受像機1等に配信する。これにより、ユーザの嗜好に、より合致する可能性の高い広告を提供できる。
【0087】
なお、通信制御部81は、広告データを配信する際に、そのテレビジョン受像機1の視聴情報に基づいて、例えば歴史に関連する番組の視聴時間を検出し、この歴史に関連する番組中に、歴史に関連するゲームの広告データを選択して配信する。これにより、広告データの、より効果的な配信を可能とすることができる。
【0088】
(第2の実施の形態の効果)
このような第2の実施の形態の広告配信システムは、各テレビジョン受像機1の利用傾向を示す情報と共に、画質モード情報及び視聴実績データのうち、いずれか一方又は両方を参酌して、広告を選択して配信する。これにより、ユーザの嗜好に、より合致した広告の提供を可能とすることができる他、上述の第1の実施の形態と同じ効果を得ることができる。
【0089】
このような実施の形態は、一例であり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
1…テレビジョン受像機、2…データ収集装置、3…ネットワーク、4…HDMI機器、11…テレビジョン受像機のCPU、14…視聴実績データ収集部、15…HDMII/F、16…受信情報処理部、17…表示部、31…機器情報取得部、32…利用時間検出部、33…画質モード検出部、34…視聴実績データ収集制御部、35…通信制御部、36…広告出力制御部、41…データ収集装置のCPU、42…通信部、43…ROM、51…通信制御部、52…取得部、53…判定部、54…演算部、55…分類部、56…配信広告選択部、61…広告配信装置、62…通信機器、71…広告配信装置のCPU、73…ROM,74…HDD、81…通信制御部、82…取得部、83…配信広告選択部。