(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】熱交換形換気装置
(51)【国際特許分類】
F24F 7/08 20060101AFI20230324BHJP
【FI】
F24F7/08 101K
F24F7/08 101L
(21)【出願番号】P 2018237260
(22)【出願日】2018-12-19
【審査請求日】2021-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】広川 雅之
(72)【発明者】
【氏名】清本 訓央
(72)【発明者】
【氏名】樋口 智之
(72)【発明者】
【氏名】東条 匠
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-065429(JP,U)
【文献】特開平09-287794(JP,A)
【文献】実開平04-008034(JP,U)
【文献】実開昭60-063727(JP,U)
【文献】特開平08-233329(JP,A)
【文献】実開昭54-144770(JP,U)
【文献】米国特許第05070934(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、給気ファンと、排気ファンと、熱交換素子とを備えた熱交換形換気装置であって、
前記本体ケースは、室内空気を吸い込む室内吸込口と、吸い込んだ室内空気を外部に排出する排気口と、外気を吸い込む外気吸込口と、吸い込んだ外気を室内に供給する給気口と、を有し、
前記給気ファンにより前記外気吸込口から前記給気口へ屋外の空気が送風される給気風路と、
前記排気ファンにより前記室内吸込口から前記排気口へ室内の空気が送風される排気風路と、
前記本体ケースの側面に取り付けられるフロントパネルと、
前記給気風路
と前記排気風路とを仕切る第1風路仕切り部材と、
前記フロントパネルから突出した
第1押さえ部と、を備え、
前記熱交換素子は、前記給気風路と前記排気風路とが交差する位置に設けられ、
前記フロントパネルを前記本体ケースに取り付けた状態において、前記
第1押さえ部は、
前記排気風路の中に配置され、前記第1風路仕切り部材を前記熱交換素子に向かって付勢
し、
前記第1押さえ部は、開口を有し、
前記室内吸込口から前記排気口へ室内の空気が前記開口を通過することを特徴とする熱交換形換気装置。
【請求項2】
前記熱交換素子は、前記フロントパネルと対向する第1側面と、前記第1側面と隣接する第2側面と、を有し、
前記第1風路仕切り部材は、前記第1側面における第2側面側端部と当接し、
前記
第1押さえ部は、
第1支柱部分と、
第1当接面と、を含み、
前記
第1支柱部分は、前記フロントパネルから前記熱交換素子に向かって突出し、
前記
第1当接面は、前記
第1支柱部分の熱交換素子側端部から前記第1側面に平行な方向に延設され、
前記開口は、前記
第1支柱部分に設けられ、
前記
第1当接面は、前記第1風路仕切り部材と当接することを特徴とする請求項
1に記載の熱交換形換気装置。
【請求項3】
前記給気風路と前記排気風路とを仕切る第2風路仕切り部材を備え、
前記熱交換素子は、前記フロントパネルと対向する第1側面と、前記第1側面と隣接する第2側面と、前記第2側面と対向する第3側面と、を有し、
前記フロントパネルから突出した第2押さえ部、を備え、
前記第1押さえ部は、第1支柱部分と、第1当接面と、を含み、
前記第2押さえ部は、第2支柱部分と、第2当接面と、を含み、
前記第1支柱部分および前記第2支柱部分は、前記フロントパネルから前記熱交換素子に向かって突出し、
前記第1当接面は、前記第1支柱部分の熱交換素子側端部から前記第1側面に平行な方向に延設され、
前記第2当接面は、前記第2支柱部分の熱交換素子側端部から前記第1側面に平行な方向に延設され、
前記開口は、前記第1支柱部分に設けられ、
前記第1風路仕切り部材は、前記第1側面における第2側面側端部と当接し、
前記第2風路仕切り部材は、前記第1側面における第3側面側端部と当接し、
前記第1当接面は、前記第1風路仕切り部材と当接し、
前記第2当接面は、前記第2風路仕切り部材と当接し、
前記第2押さえ部は、前記第2風路仕切り部材を前記熱交換素子に向かって付勢すること
を特徴とする請求項1に記載の熱交換形換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外気と室内空気を熱交換する熱交換形換気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の熱交換形換気装置として、床置型の本体に熱交換素子を搭載した構造が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
従来の熱交換形換気装置について、
図9を参照しながら説明する。
【0004】
従来の熱交換形換気装置は、室内の床面に設置される、いわゆる床置型であって、ケーシング110内に、給気ファン、排気ファン、第1熱交換エレメント161、第2熱交換エレメント162を有する。
【0005】
給気ファンおよび排気ファンを運転すると、室外空気が室外吸込口121内に流入し、室内空気が室内吸込口122内に流入する。室外吸込口121よりケーシング110内に流入した室外空気は、室外吸込通路、上部給気通路、中間部給気通路を通過し、フィルタ部材171を上方に流通した後、第2熱交換エレメント162と第1熱交換エレメント161とを順に通過する。室内吸込口122よりケーシング110内に流入した室内空気は、室内吸込通路を通過した後、第1熱交換エレメント161を通過し、第2熱交換エレメント162を通過する。
【0006】
各熱交換エレメント161、162では、外気流路を流れる室外空気と内気流路を流れる室内空気との間で熱と水分の授受が行われる。
【0007】
従来の熱交換形換気装置ではこのようにして熱交換気運転を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の熱交換形換気装置においては、熱交換素子の周囲において、各風路間を気密することが難しいため、空気漏れにより熱交換効率が低下しやすいという課題を有していた。
【0010】
そこで本発明は、熱交換効率を向上した熱交換形換気装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そして、この目的を達成するために、本発明の一態様に係る熱交換形換気装置は、本体ケースと、給気ファンと、排気ファンと、熱交換素子とを備えた熱交換形換気装置であって、前記本体ケースは、室内空気を吸い込む室内吸込口と、吸い込んだ室内空気を外部に排出する排気口と、外気を吸い込む外気吸込口と、吸い込んだ外気を室内に供給する給気口と、を有し、前記給気ファンにより前記外気吸込口から前記給気口へ屋外の空気が送風される給気風路と、前記排気ファンにより前記室内吸込口から前記排気口へ室内の空気が送風される排気風路と、前記本体ケースの側面に取り付けられるフロントパネルと、風路を仕切る第1風路仕切り部材と、前記フロントパネルから突出した押さえ部と、を備え、前記熱交換素子は、前記給気風路と前記排気風路とが交差する位置に設けられ、前記フロントパネルを前記本体ケースに取り付けた状態において、前記押さえ部は、前記第1風路仕切り部材を前記熱交換素子に向かって付勢することにより、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、熱交換効率を向上した熱交換形換気装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る熱交換形換気装置の概要を示す斜視図
【
図2】同熱交換形換気装置の内部風路を示す上面断面図
【
図3】同熱交換形換気装置のフロントパネルを外した状態を示す斜視図
【
図5】同熱交換形換気装置のフロントパネルを示す斜視図
【
図6】同熱交換形換気装置のフロントパネルの開口部を示す斜視図
【
図7】同熱交換形換気装置の内部構成を示す上面断面図
【
図8】同熱交換形換気装置に第2押さえ部を設けた状態示す上面断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一態様に係る熱交換形換気装置は、本体ケースと、給気ファンと、排気ファンと、熱交換素子とを備えた熱交換形換気装置であって、前記本体ケースは、室内空気を吸い込む室内吸込口と、吸い込んだ室内空気を外部に排出する排気口と、外気を吸い込む外気吸込口と、吸い込んだ外気を室内に供給する給気口と、を有し、前記給気ファンにより前記外気吸込口から前記給気口へ屋外の空気が送風される給気風路と、前記排気ファンにより前記室内吸込口から前記排気口へ室内の空気が送風される排気風路と、前記本体ケースの側面に取り付けられるフロントパネルと、風路を仕切る第1風路仕切り部材と、前記フロントパネルから突出した押さえ部と、を備え、前記熱交換素子は、前記給気風路と前記排気風路とが交差する位置に設けられ、前記フロントパネルを前記本体ケースに取り付けた状態において、前記押さえ部は、前記第1風路仕切り部材を前記熱交換素子に向かって付勢するという構成を有する。
【0015】
この構成によれば、フロントパネルを本体ケースに取り付けると、押さえ部が第1風路仕切り部材を熱交換素子に向かって付勢する。すなわち、押さえ部が第1風路仕切り部材を熱交換素子に押し付ける状態となる。これにより、第1風路仕切り部材と熱交換素子との密着性を向上することができるので、熱交換素子周辺からの空気漏れを抑えて熱交換効率を向上できるという効果を奏する。また、押さえ部をフロントパネルから突出させた構成により、新たな部材を設けることなく気密性および熱交換効率を向上させることができる。
【0016】
また、前記押さえ部は、開口を有し、前記室内吸込口から前記排気口へ室内の空気が前記開口を通過する構成にしてもよい。
【0017】
これにより、風路の断面積を拡大することができるので、圧力損失を低減できるという効果を奏する。
【0018】
また、前記熱交換素子は、前記フロントパネルと対向する第1側面と、前記第1側面と隣接する第2側面と、を有し、前記第1風路仕切り部材は、前記第1側面における第2側面側端部と当接し、前記押さえ部は、支柱部分と、当接面と、を含み、前記支柱部分は、前記フロントパネルから前記熱交換素子に向かって突出し、前記当接面は、前記支柱部分の熱交換素子側端部から前記第1側面に平行な方向に延設され、前記開口は、前記支柱部分に設けられ、前記当接面は、前記第1風路仕切り部材と当接する構成にしてもよい。
【0019】
この構成によれば、第1風路仕切り部材が熱交換素子の角部(第1側面における第2側面側端部)と当接する。これにより、熱交換素子角部からの空気漏れを抑制することができる。さらに、面で第1風路仕切り部材を付勢することにより、第1風路仕切り部材と熱交換素子との密着性をさらに向上することができる。この結果、空気漏れを抑えて熱交換効率を向上できるという効果を奏する。
【0020】
また、風路を仕切る第2風路仕切り部材を備え、前記熱交換素子は、前記フロントパネルと対向する第1側面と、前記第1側面と隣接する第2側面と、前記第2側面と対向する第3側面と、を有し、前記押さえ部は、第1押さえ部と、第2押さえ部と、を含み、前記第1押さえ部は、第1支柱部分と、第1当接面と、を含み、前記第2押さえ部は、第2支柱部分と、第2当接面と、を含み、前記第1支柱部分および前記第2支柱部分は、前記フロントパネルから前記熱交換素子に向かって突出し、前記第1当接面は、前記第1支柱部分の熱交換素子側端部から前記第1側面に平行な方向に延設され、前記第2当接面は、前記第2支柱部分の熱交換素子側端部から前記第1側面に平行な方向に延設され、前記開口は、前記第1支柱部分に設けられ、前記第1風路仕切り部材は、前記第1側面における第2側面側端部と当接し、前記第2風路仕切り部材は、前記第1側面における第3側面側端部と当接し、前記第1当接面は、前記第1風路仕切り部材と当接し、前記第2当接面は、前記第2風路仕切り部材と当接する構成にしてもよい。
【0021】
この構成によれば、第1風路仕切り部材だけでなく、第2風路仕切り部材も第2押さえ部によって付勢することで、熱交換素子と風路仕切り部材との密着性が向上する。これにより、さらに空気漏れを抑えて熱交換効率を向上できるという効果を奏する。
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】
(実施の形態1)
本発明に係る熱交換形換気装置の構成について、
図1~
図4を用いて説明する。
【0024】
図1に示すように、熱交換形換気装置は、箱形の本体ケース1を有する。
【0025】
本体ケース1の内部には、排気ファン2、給気ファン3、および熱交換素子10が設けられている。このとき、熱交換素子10は例えば排気ファン2と給気ファン3の下方に設けられる。
【0026】
本体ケース1の例えば天面には、外気吸込口5、給気口6、室内吸込口7、および排気口4が設けられている。
【0027】
外気吸込口5、給気口6、室内吸込口7、および排気口4には、それぞれダクト(図示せず)が接続できる形状となっている。外気吸込口5と排気口4に接続したダクトは建物外壁面まで引き回して建物外の屋外空気と連通する。給気口6と室内吸込口7に接続したダクトは居室の天井面または壁面と連通されて室内空気と連通する。
【0028】
給気風路8は、新鮮な屋外の空気(給気空気)を外気吸込口5から吸い込み、熱交換素子10を通って給気口6から室内に供給する風路である。
【0029】
排気風路9は、汚染された室内の空気(排気空気)を室内吸込口7から吸い込み、熱交換素子10を通って排気口4から室外に排気する風路である。
【0030】
熱交換素子10は、排気される空気の熱量を給気される空気に供給する、または、給気される空気の熱量を排気される空気の熱量に供給する、熱回収の機能を有している。熱交換素子10は、給気風路8と排気風路9とが交差する位置に配設される。
【0031】
給気風路8および排気風路9は、熱交換素子10の周囲に設けられた第1風路仕切り部材30、第2風路仕切り部材31、本体ケース1およびフロントパネル20により形成される。すなわち、第1風路仕切り部材30および第2風路仕切り部材31は風路を仕切る役割を果たす。
【0032】
図2に示すように、熱交換素子10は、第1側面11と、第2側面12と、第3側面13と、第4側面14と、を有する。
【0033】
第1側面11と第4側面14は対向し、第2側面12と第3側面13は対向する。また、第1側面11は、フロントパネル20と対向する。第1側面11は、第2側面12および第3側面13と隣接している。
【0034】
第1側面11は第2側面側端部11aと、第3側面側端部11bとを有する。第1側面11において、フロントパネル側から見たときの例えば左側端部を第2側面側端部11a、右側端部を第3側面側端部11bとする。このとき、第1側面11に対する左側側面は第2側面12、第1側面に対する右側側面は第3側面13である。
【0035】
図3および
図4に示すように、熱交換形換気装置は、第1風路仕切り部材30と、第2風路仕切り部材31と、を有する。
【0036】
第1風路仕切り部材30は、例えば柱状の形状で、熱交換素子10の高さに対応する高さを有する。
【0037】
第1風路仕切り部材30は、熱交換素子10の第1側面11とフロントパネル20との間および熱交換素子10の第2側面12と本体ケース1との間を仕切るように(空間を塞ぐように)設けられる。つまり、第1風路仕切り部材30は、第1側面11および第2側面12と接する。なお、第1風路仕切り部材30は、第2側面側端部11aと当接する構成であってもよい。第2側面側端部11aに密着することで、熱交換素子10周辺からの排気風路9と給気風路8の間の空気漏れを抑制する。
【0038】
また、第1風路仕切り部材30は、熱交換素子10の角部とより当接しやすくするために、上面から見て断面が略T字である部分を有していてもよい。
【0039】
第2風路仕切り部材31は、例えば柱状の形状で、熱交換素子10の高さに対応する高さを有する。
【0040】
第2風路仕切り部材31は、熱交換素子10の第1側面11とフロントパネル20との間および熱交換素子10の第3側面13と本体ケース1との間を仕切るように(空間を塞ぐように)設けられる。つまり、第2風路仕切り部材31は、第1側面11および第3側面13と接する。なお、第2風路仕切り部材31は、第3側面側端部11bと当接する構成であってもよい。第3側面側端部11bに密着することで、熱交換素子10周辺からの排気風路9と給気風路8の間の空気漏れを抑制する。
【0041】
ここで、第1風路仕切り部材30と第2風路仕切り部材31は、例えば発泡スチロールのような発泡プラスチックにより構成されることが、断熱性の観点から望ましい。
【0042】
また、第1風路仕切り部材30、第2風路仕切り部材31、フロントパネル20はそれぞれ本体ケース1から着脱可能であることが、熱交換素子10のメンテナンス性の観点から好ましい。
【0043】
熱交換形換気装置は、フロントパネル20を有する。
図3および
図4に示すように、フロントパネル20は本体ケース1の一側面を構成しており、本体ケース1から着脱可能である。また、フロントパネル20は、例えばメンテナンス等のための開口部であるメンテナンス開口25を有する。さらに、フロントパネル20は、押さえ部21を有する。押さえ部21の構成の詳細については後述する。
【0044】
次に、本願発明の特徴部分である押さえ部について
図5~7を用いて説明する。
【0045】
図5に示すように、フロントパネル20には、第1風路仕切り部材30に向かって押さえ部21が設けられる。言い換えると、押さえ部21は、フロントパネル20から熱交換素子10に向かって突出して設けられる。
【0046】
押さえ部21は、第1風路仕切り部材30に接するように設けられる。フロントパネル20が本体ケース1に取り付けられると、押さえ部21が第1風路仕切り部材30を熱交換素子10に向かって付勢する。これにより、第1風路仕切り部材30と熱交換素子10の第2側面側端部11aとの密着性を向上し、排気風路9と給気風路8の間の空気漏れを抑制する。
【0047】
ここで、フロントパネル20および押さえ部21は、板金によって構成されることが固定強度の観点から好ましいが、樹脂等による構成であっても構わない。
【0048】
また、押さえ部21を、熱交換素子10の第2側面12の延長上に設けることで、空気漏れをさらに抑制できる。この構成によれば、フロントパネル20が本体ケース1に取り付けられると、押さえ部21が第2側面側端部11aを付勢する。これにより、押さえ部21は、空気漏れが発生しやすい熱交換素子10の角部の周辺に当接する第1風路仕切り部材30を付勢するため、空気漏れをさらに抑制できる。
【0049】
また、第1風路仕切り部材と熱交換素子10との間にシール部材(図示せず)を挟むことで、空気漏れをさらに抑制できる。このとき、押さえ部21が第1風路仕切り部材30を付勢することで第1風路仕切り部材30とシール部材とが密着し、シール部材と熱交換素子10とが密着する。これにより、熱交換素子10周辺からの空気漏れをより抑制することができる。
【0050】
また、
図5に示すように、押さえ部21は、支柱部分23と当接面24とを有する構成にしてもよい。
【0051】
支柱部分23は、フロントパネル20から熱交換素子10に向かって突出する。すなわち、フロントパネル20が本体ケース1に取り付けられている状態において、本体ケース1内側に向かって突出するように設けられる。また、当接面24は、支柱部分23の熱交換素子側端部から第1側面11に平行な方向に延設される。
【0052】
このように、熱交換素子10の第1側面に対して、支柱部分23は垂直に、当接面24は並行に設けられることが、固定強度の観点から好ましい。また、当接面24の面積は、熱交換素子10の第1側面11の通気を阻害しない範囲で大きくとることが、固定強度の観点から好ましい。すなわち、第1側面11の面積の20%以下であることが好ましい。
【0053】
また、
図5および
図6に示すように、押さえ部に開口22を設けてもよい。このとき、室内吸込口7から排気口4へ送風される室内の空気が開口22を通過する。開口22は、押さえ部21の任意の位置に設けられる。本実施の形態では、開口22は支柱部分23上方に設けられる。開口22の面積は、押さえ部21の強度を損なわない範囲で大きくとることが、圧損低減の観点から好ましい。すなわち、押さえ部21の面積の10~70%の範囲であることが好ましい。
【0054】
次に、
図7を用いて、押さえ部の作用について説明する。
【0055】
本体ケース1にフロントパネル20を取り付けると、押さえ部21(特に、当接面24)が第1風路仕切り部材30を熱交換素子10に向かって(
図7の破線矢印で示す方向に)付勢する。言い換えると、押さえ部21(特に、当接面24)が第1風路仕切り部材30を熱交換素子10に押し付ける。これにより、熱交換素子10と第1風路仕切り部材30の気密性が向上し、空気漏れが抑制される。その結果、熱交換形換気装置の熱交換効率が向上する。
【0056】
また、押さえ部21は、第1押さえ部26と第2押さえ部27とを有していてもよい。すなわち、
図8に示すように、フロントパネル20には、第1押さえ部26と第2押さえ部27が設けられていてもよい。
【0057】
第1押さえ部26および第2押さえ部27は、押さえ部21と同様の構成を有する。具体的には、第1押さえ部26は、第1支柱部分23aと第1当接面24aを有する。また、第2押さえ部27は、第2支柱部分23bと第2当接面24bを有する。
【0058】
第1押さえ部26は、第1風路仕切り部材30に接するように設けられる。本体ケース1にフロントパネル20を取り付けると、第1当接面24aは第1風路仕切り部材30を熱交換素子10に向かって付勢する。
【0059】
第2押さえ部27は、第2風路仕切り部材31に接するように設けられる。本体ケース1にフロントパネル20を取り付けると、第2当接面24bは第2風路仕切り部材31を熱交換素子10に向かって付勢する。
【0060】
第1押さえ部26に加えて第2押さえ部27を設けることで、第2風路仕切り部材31も付勢されることになり、第2風路仕切り部材31と熱交換素子10との間の気密性が向上する。その結果、熱交換形換気装置の熱交換効率がさらに向上する。
【0061】
ここで、第1支柱部分23aおよび第2支柱部分23bは、それぞれ熱交換素子10の第1側面11と垂直に設けられることが好ましい。
【0062】
また、第1当接面24aおよび第2当接面24bは、それぞれ熱交換素子10の第1側面11と並行に設けられることが好ましい。
【0063】
なお、押さえ部の形状等については図示したものに限られず、適宜設定できるものとする。また、本実施の形態では第2押さえ部27は、押さえ部21と同様の構成を有することとしたが、第2押さえ部27は、開口を有していなくてもよい。
【0064】
以上、本発明に係る熱交換形換気装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明に係る熱交換形換気装置は、外気と室内空気の熱交換を目的とするダクト式の換気装置、ダクト式の空気調和装置等として有用である。
【符号の説明】
【0066】
1 本体ケース
2 排気ファン
3 給気ファン
4 排気口
5 外気吸込口
6 給気口
7 室内吸込口
8 給気風路
9 排気風路
10 熱交換素子
11 第1側面
11a 第2側面側端部
11b 第3側面側端部
12 第2側面
13 第3側面
14 第4側面
20 フロントパネル
21 押さえ部
22 開口
23 支柱部分
23a 第1支柱部分
23b 第2支柱部分
24 当接面
24a 第1当接面
24b 第2当接面
25 メンテナンス開口
26 第1押さえ部
27 第2押さえ部
30 第1風路仕切り部材
31 第2風路仕切り部材