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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20230324BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
H05K13/02 C
H05K13/04 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019093455
(22)【出願日】2019-05-17
(65)【公開番号】P2020188220
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】角 英樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 圭介
(72)【発明者】
【氏名】馬渡 道明
(72)【発明者】
【氏名】石本 憲一郎
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-084862(JP,A)
【文献】特開平10-150294(JP,A)
【文献】特開平11-040993(JP,A)
【文献】特開平02-012999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパーツフィーダから成るフィーダ群を複数有し、これら複数のフィーダ群のそれぞれによって同一種類の部品を供給する部品供給部と、
前記複数のフィーダ群のうちのひとつが供給する部品をピックアップして基板に装着する装着ヘッドとを備え、
前記装着ヘッドは、前記複数のフィーダ群のうちの一のフィーダ群が供給する部品を繰り返しピックアップし、前記一のフィーダ群を構成する全てのテープフィーダが部品切れとなった場合に、前記複数のフィーダ群のうちの他の一のフィーダ群が供給する部品をピックアップする部品実装装置。
【請求項2】
前記パーツフィーダはテープフィーダである請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記複数のフィーダ群はそれぞれ、2つで一組のパーツフィーダから成るダブルフィーダを備える請求項1または2に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーツフィーダが供給する部品を装着ヘッドがピックアップして基板に装着する部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーツフィーダが供給する部品を装着ヘッドがピックアップして基板に装着する部品実装装置が知られている。このような部品実装装置の中には、装着ヘッドが複数のノズルを備えており、それら複数のノズルにより複数の部品を一括してピックアップすることで作業の効率化を図るようにしたものがある。このような部品実装装置では、複数のノズルの配置に応じた配置で複数の部品を供給する必要があり、このため複数のパーツフィーダをひとつのフィーダ群とし、フィーダ群全体として装着ヘッドに複数の部品を供給するようにしている。
【0003】
また、このようなフィーダ群を複数用意しておき、装着ヘッドが複数のフィーダ群のうちの一のフィーダ群から部品をピックアップして基板に装着する動作を繰り返し、これから生産する基板において使用する部品数がそのフィーダ群が供給し得る部品の残数を上回っている場合には、部品のピックアップ対象を他のフィーダ群に切り替えるようにしたものが知られている(例えば、下記の特許文献1)。このような部品実装装置では、部品のピックアップ中にフィーダ群が部品切れとなってパーツカセット(パーツフィーダがテープフィーダである場合にはキャリアテープが巻き付けられたリール)の交換作業(部品補充作業)が生じる事態を防止できるうえ、パーツカセットの交換を、部品のピックアップ対象のフィーダ群が切り替わった後にゆっくり行うことができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-134814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の部品実装装置では、部品切れとなったフィーダ群には、部品切れになったパーツフィーダと部品切れになっていないパーツフィーダとが混在することとなり、作業者はどのパーツフィーダが部品切れとなったものであるかを調べてからパーツカセットの交換作業を行う必要があり、部品補充作業における作業者の負担が大きいという問題点があった。
【0006】
そこで本発明は、部品補充作業における作業者の作業負担を軽減することができる部品実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の部品実装装置は、複数のパーツフィーダから成るフィーダ群を複数有し、これら複数のフィーダ群のそれぞれによって同一種類の部品を供給する部品供給部と、前記複数のフィーダ群のうちのひとつが供給する部品をピックアップして基板に装着する装着ヘッドとを備え、前記装着ヘッドは、前記複数のフィーダ群のうちの一のフィーダ群が供給する部品を繰り返しピックアップし、前記一のフィーダ群を構成する全てのテープフィーダが部品切れとなった場合に、前記複数のフィーダ群のうちの他の一のフィーダ群が供給する部品をピックアップする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、部品補充作業における作業者の作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態における部品実装装置の要部側面図
図2】本発明の一実施の形態における部品実装装置の要部平面図
図3】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備えるフィーダベースにアタッチメントを介してテープフィーダを取り付ける様子を示す斜視図
図4】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備えるフィーダ群を構成するテープフィーダを装着ヘッドとともに示す斜視図
図5】(a)~(f)本発明の一実施の形態における部品実装装置が装着ヘッドにより部品を一括してピックアップする手順を示す図
図6】本発明の一実施の形態における部品実装装置の制御系統を示すブロック図
図7】本発明の一実施の形態における部品実装装置が実行する装着ターンの手順を示すフローチャート
図8】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置の一部の平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1および図2は本発明の一実施の形態における部品実装装置1を示している。部品実装装置1は、上流工程側から搬入した基板KBに部品BHを装着して下流工程側に搬出する一連の部品実装動作を繰り返し実行する。本実施の形態では、作業者OPから見た部品実装装置1の左右方向をX軸方向とし、作業者OPから見た部品実装装置1の前後方向をY軸方向とする。また、上下方向をZ軸方向とする。
【0011】
図1および図2において、部品実装装置1は基台11、基板搬送部12、部品供給部13、ヘッド移動機構14および装着ヘッド15を備えている。基板搬送部12はX軸方向に延びた一対のコンベア機構12aによって基板KBをX軸方向に搬送し、所定の作業位置に位置決めする。
【0012】
部品供給部13は、フィーダ台車21、複数のテープフィーダ22および複数のリール23を備えて構成される。フィーダ台車21は上部にフィーダベース21Bを有しており、作業者OPによって床面上を走行操作されて基台11に連結される。
【0013】
図3において、フィーダベース21Bには複数のスロット21SがX軸方向に並んで設けられており(図2も参照)、各スロット21Sにはアタッチメント21Aを介してテープフィーダ22が取り付けられている。本実施の形態では、ひとつのアタッチメント21Aに2つのテープフィーダ22を取り付けることができるようになっている。
【0014】
図2において、本実施の形態では、フィーダベース21Bの左右のそれぞれに、アタッチメント21Aを介してテープフィーダ22が8つずつ取り付けられている。これら左右8つずつのテープフィーダ22はそれぞれフィーダ群30を形成しており、部品供給部13はフィーダベース21B上に左右のフィーダ群30を有した構成となっている。以下、フィーダベース21Bの左側のフィーダ群30を左側フィーダ群31と称し、フィーダベース21Bの右側のフィーダ群30を右側フィーダ群32と称する。
【0015】
図1において、リール23はテープフィーダ22に対応して配置され、フィーダ台車21によって回転自在に支持されている。リール23にはキャリアテープ24が巻き付けられている。リール23から引き出されたキャリアテープ24は、テープフィーダ22の後端部からテープフィーダ22内に挿入される。キャリアテープ24には、部品BHを収納するための多数の部品収納部(図示せず)が長手方向に並んで設けられている。リール23は、テープフィーダ22のパーツカセットとして機能する。
【0016】
図1および図3において、各テープフィーダ22は、前後方向に延びたテープ通路41とスプロケット42を備えている。各テープフィーダ22は、リール23から引き出されてテープ通路41に挿入されたキャリアテープ24をスプロケット42によって前方に向けて進行させる。これによりキャリアテープ24に収納されている部品BHがひとつずつ部品供給位置22K(図1および図4)に位置し、部品供給位置22Kに部品BHが供給される。本実施の形態では、部品供給部13が備える複数のフィーダ群30(左側フィーダ群31と右側フィーダ群32)はそれぞれ同一種類の部品BHを供給する。
【0017】
図2において、左右のフィーダ群30(左側フィーダ群31および右側フィーダ群32)は、それぞれ8つのテープフィーダ22によって、そのフィーダ群30に固有の部品供給領域30R(図4も参照)のX軸方向に一列に並んだ箇所に、8個の部品BHを供給する。具体的には、図2に示すように、左側フィーダ群31は左側部品供給部31Rに8個の部品BHを供給し、右側フィーダ群32は右側部品供給部32Rに8個の部品BHを供給する。
【0018】
このように本実施の形態において、部品供給部13は複数のパーツフィーダ(テープフィーダ22)から成るフィーダ群30を複数有し、これら複数のフィーダ群30のそれぞれによって同一種類の部品BHを供給するものとなっている。なお、図2では、左側フィーダ群31と右側フィーダ群32はフィーダベース21B上で左右に離れた位置に位置しているが、左側フィーダ群31と右側フィーダ群32は必ずしも離れて位置していなければならないわけではない。
【0019】
ヘッド移動機構14は例えばXY軸ガントリー機構から成り、装着ヘッド15を水平面内方向に移動させる。図1において、装着ヘッド15は、下方に延びた複数のノズル15Nを備えている。複数のノズル15Nは、X軸方向に8本ずつ並んだノズル15Nの列が前後(Y軸方)に2つ配置され、前方の8本のノズル15Nと後方の8本のノズル15Nの合計で16本のノズル15Nから成っている。
【0020】
装着ヘッド15は、内蔵した図示しないノズル駆動機構により、16本のノズル15Nそれぞれを装着ヘッド15に対して昇降させることができ、またZ軸まわりに回転させることができる。また装着ヘッド15は、図示しない真空圧制御部の作動により、16本のノズル15Nそれぞれの下端に、部品BHを吸着する真空吸引力を発生させることができる。
【0021】
装着ヘッド15は、フィーダ群30がその部品供給領域30Rに供給する部品BHを16本のノズル15Nによって一括してピックアップ(一括吸着)する場合には、先ず、図4に示すように、後方の8本のノズル15Nを部品供給位置22Kの上方に位置させる。そして、後方の8本のノズル15Nを下降させ、これら後方の8本のノズル15Nに部品BHを吸着させる(図5(a)→図5(b))。部品BHを吸着させたら8本のノズル15Nを上昇させたうえで(図5(b)→図5(c))、装着ヘッド15を後方へ移動させる。
【0022】
装着ヘッド15を後方へ移動させたら、前方の8本のノズル15Nを部品供給位置22Kの上方に位置させる(図5(c)→図5(d))。そして、前方の8本のノズル15Nを下降させ、これら前方の8本のノズル15Nに部品BHを吸着させる(図5(d)→図5(e))。部品BHを吸着させたら8本のノズル15Nを上昇させる(図5(e)→図5(f))。これにより装着ヘッド15は16本のノズル15Nによって16個の部品BHを一括してピックアップした状態となる。
【0023】
図1において、部品実装装置1は制御装置50を備えている。制御装置50は、図6に示すように、記憶部51、へッド動作制御部52、部品残数計測部53および部品切れ検出部54を備えている。記憶部51には、部品実装装置1が部品装着作業を実行するための実装プログラムと種々のデータが記憶されている。種々のデータには、各テープフィーダ22が取り付けられているスロット21Sの位置のデータ(スロット番号)、各テープフィーダ22が供給する部品BHの種類や形状のデータ等が含まれる。ヘッド動作制御部52は、記憶部51に記憶された実装プログラムに基づいて、基板搬送部12、各テープフィーダ22、ヘッド移動機構14および装着ヘッド15を作動させる。
【0024】
図1に示すように、各テープフィーダ22には、部品通過検出センサ22Sが設けられている。部品通過検出センサ22Sはテープフィーダ22のテープ通路41に臨んだ位置(計測位置と称する)に設けられており、キャリアテープ24がテープ通路41を進行することによって計測位置を通過する部品BHの個数を計測し、その計測した部品BHの個数の情報を部品残数計測部53に送信する。
【0025】
部品残数計測部53は、部品通過検出センサ22Sから送信されるテープフィーダ22の計測位置を通過した部品BHの個数の情報と、そのテープフィーダ22がキャリアテープ24の搬送を開始した時点における部品BHの個数(初期個数)との差から、そのテープフィーダ22における部品BHの残数を計測する。部品切れ検出部54は、部品残数計測部53によって計測される各テープフィーダ22の部品BHの残数に基づいて、左右のフィーダ群30のそれぞれについて、そのフィーダ群30を構成する8つのテープフィーダ22の全てが部品切れとなった状態を検出する。
【0026】
部品実装装置1が基板KBに部品BHを装着する場合、基板搬送部12が作動して上流工程側から送られてきた基板KBを受け取り、部品実装装置1内に搬入して所定の作業位置に位置決めする。基板KBが作業位置に位置決めされたらヘッド移動機構14が作動し、装着ヘッド15をテープフィーダ22の上方領域と基板KBの上方領域との間で往復させる装着ターンを繰り返し実行する。
【0027】
装着ヘッド15がひとつの装着ターンを実行するときには、先ず、制御装置50によって、左右のフィーダ群30のうちのいずれか一方が部品BHのピックアップ対象として設定される。そして、装着ヘッド15は、部品BHのピックアップ対象として設定されたフィーダ群30から供給される16個の部品BHを16本のノズル15Nにより吸着してピックアップした後、そのピックアップした16個の部品BHを基板KB上の所定位置に装着する。装着ヘッド15がこのような装着ターンを繰り返すことによって、基板KBに装着されるべき全ての部品BHが基板KBに装着されたら、基板搬送部12が作動して、基板KBを部品実装装置1の下流工程側に搬出する。
【0028】
装着ヘッド15は上記装着ターンにおいて、前述したように、16本のノズル15Nによって16個の部品BHを一括してピックアップすることができるが、部品BHのピックアップ対象となっているフィーダ群30の一部のテープフィーダ22が部品切れとなっていた場合には、前述の一括吸着動作において、部品BHをピックアップできなかったノズル15Nが現れる。この場合には、一括吸着動作の後、部品BHを吸着できなかったノズル15Nに、同じフィーダ群30内の、部品切れとなっていない他のテープフィーダ22から供給される部品BHを個別に吸着させることで、16本のノズル15Nの全てに部品BHを吸着させる。
【0029】
また、一括吸着において部品BHを吸着できなかったノズル15Nに部品BHを個別に吸着させるにおいて、部品切れとなっていないテープフィーダ22が同じフィーダ群30内になかった場合(すなわち、フィーダ群30を構成する8つのテープフィーダ22の全てが部品切れとなっていた場合)には、部品BHのピックアップ対象とするフィーダ群30を他のフィーダ群30に切り替えて、個別吸着を続行する。そして、これにより16本のノズル15Nの全てが部品BHを吸着した状態となったら、装着ヘッド15を基板KBの上方に移動させて、16本のノズル15Nに吸着させた16個の部品BHを基板KBに装着させる。そして、次の装着ターンでは、切り替えられた先のフィーダ群30から部品BHを一括してピックアップさせる一括吸着を実行する。
【0030】
このように、本実施の形態では、フィーダ群30を構成する複数(ここでは8つ)のテープフィーダ22の全てが部品切れとなるまで部品BHの吸着が行われ、複数のテープフィーダ22の全てが部品切れとなった場合には、部品BHのピックアップ対象とするフィーダ群30が切り替えられるようになっている。作業者OPは、部品BHのピックアップ対象が切り替わった後は、部品切れとなった側のフィーダ群30に対して部品補充作業を行う。この部品補充作業はテープフィーダ22に対するリール23の交換作業となる。リール23の交換作業は、部品BHの供給を終えてキャリアテープ24が抜け出た(すなわち空になった)リール23をフィーダ台車21から取り外し、フィーダ台車21に新たなリール23を取り付けたうえで、その新たなリール23からキャリアテープ24を引き出してテープフィーダ22にセットすることによって行う。
【0031】
上述した装着ヘッド15の装着ターンの流れを図7のフローチャートに基づいて説明する。装着ターンを始めるときは、制御装置50は先ず、部品BHのピックアップ対象となるフィーダ群30を左右のフィーダ群30のうちの一方に設定する(ステップST1)。ステップST1では、左側フィーダ群31と右側フィーダ群32のいずれをピックアップ対象に設定することもできるが、ここでは左側フィーダ群31を部品BHのピックアップ対象に設定するものとする。
【0032】
制御装置50は、ステップST1で部品BHのピックアップ対象を左側フィーダ群31に設定したら、前述の要領で、左側フィーダ群31から16個の部品BHの一括吸着をすることを試みる(ステップST2)。そして、装着ヘッド15が備える16本のノズル15Nの中に、部品BHを吸着できなかった(部品BHが供給されなかった)ノズル15Nがあるかどうかを調べる(ステップST3)。ここで、制御装置50は、部品BHを吸着できなかった(部品BHが供給されなかった)ノズル15Nがあるかどうかを、部品残数計測部53を通じて各テープフィーダ22の部品残数を把握することで判断する。
【0033】
制御装置50は、ステップST3で、部品BHを吸着できなかったノズル15Nがないと判断した場合には(ステップST3で「N」)、部品BHのピックアップが完了したと判断し、装着ヘッド15を基板KBの上方に移動させたうえで、16本のノズル15Nに吸着された16個の部品BHを基板KBに装着させる(図8(a)中に示す矢印F1。ステップST4)。これによりひとつの装着ターンは終了となり、次の装着ターンのために新たに部品BHをピックアップすべく、ステップST2に戻る。
【0034】
制御装置50は、ステップST3で、部品BHを吸着していないノズル15Nがあると判断した場合には(ステップST3で「Y」)、左側フィーダ群31を構成する8つのテープフィーダ22の中に、部品BHの供給が可能なテープフィーダ22があるかどうかを調べる(ステップST5)。制御装置50は、ステップST5で、部品BHの供給が可能なテープフィーダ22があると判断した場合には(ステップST5で「Y」)、その部品BHの供給が可能なテープフィーダ22から供給される部品BHを、ステップST2で部品BHを吸着できなかったノズル15N(複数本ある場合はそのうちの1本のノズル15N)に個別に吸着させる(ステップST6)。そして、まだ部品BHを吸着できていないノズル15Nがあるかどうかを調べる(ステップST7)。制御装置50は、ステップST7で、まだ部品BHを吸着できていないノズル15Nはない(全てのノズル15Nが部品BHを吸着した)と判断した場合には(ステップST7で「N」)、部品BHのピックアップが完了したとしてステップST4に進み、16個の部品BHを基板KBに装着したうえで(図8(a)中に示す矢印F1)、ステップST2に戻る。
【0035】
制御装置50は、ステップST7で、まだ部品BHを吸着できていないノズル15Nがあると判断したした場合には(ステップST7で「Y」)、左側フィーダ群31を構成する8つのテープフィーダ22のなかに部品BHの供給が可能なテープフィーダ22があるかどうかを調べる(ステップST8)。そして、部品BHの供給が可能なテープフィーダ22があると判断した場合には(ステップST8で「Y」)、ステップST6に戻って一連のステップST6~ステップST8を繰り返す。そして、その繰り返しの中の途中のステップST7において、まだ部品BHを吸着できていないノズル15Nはない(全てのノズル15Nが部品BHを吸着した)と判断した場合には(ステップST7で「N」)、部品BHのピックアップが完了したとしてステップST4に進み、16個の部品BHを基板KBに装着して(図8(a)中に示す矢印F1)、ステップST2に戻る。
【0036】
制御装置50は、ステップST5またはステップST8で、左側フィーダ群31を構成する8つのテープフィーダ22の中に部品BHの供給が可能なテープフィーダ22がないと判断した場合(すなわち、8つのテープフィーダ22の全てが部品切れになっていることを検知した場合)には(ステップST5またはステップST8で「N」)、部品BHのピックアップ対象を左側フィーダ群31から右側フィーダ群32に切り替える(ステップST9)。
【0037】
制御装置50は、部品BHのピックアップ対象を右側フィーダ群32に切り替えたら、まだ部品BHを吸着できていないノズル15N(複数本ある場合はそのうちの1本のノズル15N)に、右側フィーダ群32を構成する複数のテープフィーダ22のいずれかから供給される部品BHを個別に吸着させる(ステップST10)。そして、まだ部品BHを吸着できていないノズル15Nがあるかどうかを調べた結果(ステップST11)、まだ部品BHを吸着できていないノズル15Nはない(全てのノズル15Nが部品BHを吸着した)と判断した場合には(ステップST11で「N」)、部品BHのピックアップが完了したとしてステップST4に進み、16個の部品BHを基板KBに装着したうえで(図8(b)中に示す矢印F2)、ステップST2に戻る。
【0038】
一方、制御装置50は、ステップST11で、まだ部品BHを吸着できていないノズル15Nがあると判断した場合には(ステップST11で「Y」)、右側フィーダ群32を構成する8つのテープフィーダ22の中に、部品BHの供給が可能なテープフィーダ22があるかどうかを調べる(ステップST12)。そして、部品BHの供給が可能なテープフィーダ22があると判断した場合には(ステップST12で「Y」)、ステップST10に戻って一連のステップST10~ステップST12を繰り返す。そして、その繰り返しの中のステップST11において、まだ部品BHを吸着できていないノズル15Nはない(全てのノズル15Nが部品BHを吸着した)と判断した場合には(ステップST11で「N」)、部品BHのピックアップが完了したとしてステップST4に進み、16個の部品BHを基板KBに装着したうえで(図8(b)中に示す矢印F2)、ステップST2に戻る。
【0039】
制御装置50は、ステップST12で、右側フィーダ群32を構成する8つのテープフィーダ22の中に部品の供給が可能なテープフィーダ22がないと判断した場合(すなわち、8つのテープフィーダ22の全てが部品切れになっていることを検知した場合)には(ステップST12で「N」)、部品BHのピックアップ対象を右側フィーダ群32から左側フィーダ群31に切り替える(ステップST9)。そして、続く一連のステップST10~ステップST12を繰り返すなかで、途中のステップST11において、まだ部品BHを吸着できていないノズル15Nはない(全てのノズル15Nが部品BHを吸着した)と判断した場合には(ステップST11で「N」)、部品BHのピックアップが完了したとしてステップST4に進み、16個の部品BHを基板KBに装着して(図8(a)中に示す矢印F1)、ステップST2に戻る。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態における部品実装装置1では、装着ヘッド15が、複数(左右)のフィーダ群30のうちの一のフィーダ群30が供給する部品BHを繰り返しピックアップし(ステップST2およびステップST6)、その一のフィーダ群30を構成する全てのテープフィーダ22が部品切れとなった場合に(ステップST5、ステップST8またはステップST12で「N」)、複数(左右)のフィーダ群30のうちの他の一のフィーダ群30が供給する部品BHをピックアップするようになっている(ステップST10)。このように、本実施の形態では、一のフィーダ群30から他の一のフィーダ群30に移行するタイミングは、一のフィーダ群30を構成する複数のテープフィーダ22が全て部品切れの状態となったときである。このため、作業者OPは、部品切れとなった一のフィーダ群30に対する部品BHの補充作業として、そのフィーダ群30を構成する全てのテープフィーダ22に対してパーツカセット(リール23)の交換作業を行えばよく、従来のように、どのテープフィーダ22が部品切れとなったものであるかを調べてからパーツカセットの交換作業を行う必要がない。このため本実施の形態における部品実装装置1によれば、部品補充作業における作業者OPの作業負担を軽減することができる。
【0041】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、上述の実施の形態では、部品供給部13が有する複数のフィーダ群30は、左側フィーダ群31と右側フィーダ群32の2つであったが、フィーダ群30の数は2つ以上であればよい。また、フィーダ群30を構成するパーツフィーダはテープフィーダ22に限られず、パーツカセットの交換によって部品BHの補充を行うものであれば、他の種類のもの(例えばバルクフィーダ)であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
部品補充作業における作業者の作業負担を軽減することができる部品実装装置を提供する。
【符号の説明】
【0043】
1 部品実装装置
13 部品供給部
15 装着ヘッド
22 テープフィーダ(パーツフィーダ)
30 フィーダ群
BH 部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8