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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】蓄電モジュールおよび蓄電ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/284 20210101AFI20230324BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20230324BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230324BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20230324BHJP
   H01G 11/06 20130101ALI20230324BHJP
   H01G 11/12 20130101ALI20230324BHJP
   H01G 11/76 20130101ALI20230324BHJP
   H01G 11/18 20130101ALI20230324BHJP
   H01M 50/51 20210101ALI20230324BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20230324BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20230324BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20230324BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20230324BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20230324BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20230324BHJP
【FI】
H01M50/284
H01M50/507
H01M10/48 301
H01M10/42 P
H01G11/06
H01G11/12
H01G11/76
H01G11/18
H01M50/51
H01M50/296
H01M50/213
H01M50/55 201
H01M50/569
H01M50/204 401D
H01M50/516
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2019520284
(86)(22)【出願日】2018-05-23
(86)【国際出願番号】 JP2018019825
(87)【国際公開番号】W WO2018216728
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】P 2017103060
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017103059
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017103063
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017103067
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018064500
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】田代 佑一
(72)【発明者】
【氏名】清水 俊明
(72)【発明者】
【氏名】其田 右司
(72)【発明者】
【氏名】中路 正宏
【審査官】多田 達也
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205863576(CN,U)
【文献】特開2016-081795(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0249278(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0021107(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0086846(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0154539(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0197315(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0030566(US,A1)
【文献】特開2014-220128(JP,A)
【文献】実開平01-129764(JP,U)
【文献】特開2011-253641(JP,A)
【文献】特開2005-317457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20 - 50/298
H01M 50/50 - 50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電モジュールにおいて、
蓄えられた電力を放出可能な複数の蓄電デバイスと、
前記複数の蓄電デバイスが保持されるデバイス保持部と、
前記複数の蓄電デバイスと電気的に接続される、互いに極性の異なる第1の出力端子および第2の出力端子と、
一端部に前記第1の出力端子が装着され、他端部に前記第2の出力端子が装着される端子装着部と、を備え、
前記第1の出力端子は、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とが並ぶ方向に前記端子装着部の外側に突出する第1の端子部を含み、
前記第2の出力端子は、前記端子装着部の内側において外部端子または前記第1の端子部と接続可能な第2の端子部を含む、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記第1の出力端子は、前記端子装着部の内側において外部端子と接続可能な第3の端子部を含む、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項3】
請求項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記端子装着部または前記デバイス保持部には、前記端子装着部に装着された前記第2の端子部および前記第3の端子部に重なる位置に、それぞれ金属製のナットが組み込まれ、
前記第2の端子部および前記第3の端子部には、前記ナットに固定される固定ボルトが通される挿通孔が形成される、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項4】
請求項またはに記載の蓄電モジュールにおいて、
前記第2の端子部と前記第3の端子部とは、前記端子装着部上での高さが等しく、
前記第1の出力端子は、前記第1の端子部と前記第3の端子部との間に、前記第2の端子部の厚み分、前記第1の端子部を前記第3の端子部より高くする段差部を有する、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項5】
請求項1ないしの何れか一項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記端子装着部の表面に対して凹み、当該表面に沿う方向への前記第1の出力端子の動きが規制されるように、前記第1の出力端子を収容する第1の収容部と、
前記端子装着部の表面に対して凹み、当該表面に沿う方向への前記第2の出力端子の動きが規制されるように、前記第2の出力端子を収容する第2の収容部と、
前記第1の出力端子を前記第1の収容部内に固定する第1の固定具と、
前記第2の出力端子を前記第2の収容部内に固定する第2の固定具と、
を備えることを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項6】
請求項1に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記デバイス保持部は、前記蓄電デバイスの周面に対応する形状の内面を有し前記蓄電デバイスの少なくとも一部が収納される収納部を含み、
前記蓄電デバイスは、有底筒状の容器内にデバイス素子が収納され、前記容器の開口が封口体によって封止される構造を有し、
前記容器の周面には、前記封口体を固定するために、前記封口体の外周の部分が内側に絞られた絞り部が形成され、
前記収納部の内面は、前記絞り部に対応する第1領域と、当該第1領域以外の領域である第2領域とを含み、
前記第1領域と前記第2領域との間には、前記第1領域での前記収納部の収納空間が前記第2領域での前記収納部の収納空間より広くなるように段差が形成され、
前記蓄電デバイスの周面は、少なくとも前記第2領域において、前記収納部の内面と接合材により接合される、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項7】
請求項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記接合材は、両面粘着テープを含み、
前記両面粘着テープは、アクリル系の粘着剤がシート状に形成された構成を有する、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項8】
請求項またはに記載の蓄電モジュールにおいて、
前記デバイス保持部は、前記蓄電デバイスが前記収納部から離脱する方向に動かないよう、前記第2領域において前記蓄電デバイスの周面を支える支え部をさらに含む、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項9】
請求項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記支え部は、前記接合材によって前記収納部の内面に接合された側とは反対側の前記蓄電デバイスの内面に両側から接触する一対の爪部により構成され、
前記一対の爪部は、前記収納部に収納された前記蓄電デバイスの周面によって外側に拡げられるよう弾性変形させられ、前記蓄電デバイスの周面を前記収納部の内面に押しつける力を発生させる、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項10】
請求項ないしの何れか一項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを含み、前記複数の蓄電デバイスを電気的に接続するための接続端子をさらに備え、
前記蓄電デバイスは、前記デバイス素子に接続された正極リード端子と負極リード端子とが前記封口体から引き出される構造を有し、
前記正極リード端子と前記負極リード端子とが、前記接続端子に接続固定される、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項11】
請求項1に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記蓄電デバイスは、外部に延び出す一対のリード端子を含み、
前記端子装着部は、前記デバイス保持部に保持された前記蓄電デバイスからの前記リード端子の延出方向に配置され、
前記リード端子は、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを含む、前記端子装着部に装着された接続端子に電気的に接続され、
前記延出方向において、前記デバイス保持部と前記端子装着部との間に、前記リード端子が電気的に接続される電子回路部を有する回路基板が配置される、
を備えることを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項12】
請求項11に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記回路基板は、前記リード端子毎に設けられ、前記端子装着部へと向かう前記リード端子が通される貫通孔を含み、
前記リード端子は、前記貫通孔の部分において前記電子回路部と電気的に接続される、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項13】
請求項12に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記複数の蓄電デバイスは、一方向に配列された状態で前記デバイス保持部に保持され、
配列された前記複数の蓄電デバイスを前記延出方向から見たとき、
各前記蓄電デバイスの前記一対のリード端子を結ぶ結び線は、前記複数の蓄電デバイスの配列方向に対して傾き、
隣り合う前記蓄電デバイスの間では、前記結び線が互いに前記配列方向に対して反対側に傾く、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項14】
請求項12または13に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記回路基板には、少なくとも一つの前記蓄電デバイスの一方の前記リード端子が通される前記貫通孔に対して、当該貫通孔と他方の前記リード端子が通される前記貫通孔との距離よりも近い位置に、温度センサが配置される、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項15】
請求項12または13に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記回路基板には、前記貫通孔に通された前記リード端子の温度を検出する温度センサが配置され、
前記電子回路部は、発熱素子を含み、
前記発熱素子と前記リード端子との距離が前記温度センサと前記リード端子との距離よりも長い、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項16】
請求項15に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記温度センサは、前記一対のリード端子のうち、前記温度センサに近い一方のリード端子の温度を検出し、
前記発熱素子と前記一方のリード端子との距離が前記温度センサと前記一方のリード端子との距離よりも長い、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項17】
請求項16に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記発熱素子は、前記回路基板において、前記一方のリード端子と前記温度センサから遠い他方のリード端子とを通る線上で、かつ前記他方のリード端子に対して前記一方のリード端子と反対側に配置される、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項18】
請求項15ないし17の何れか一項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記発熱素子は、前記複数の蓄電デバイス間の電圧バランスを調整するためのバランス抵抗である、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項19】
請求項11ないし18の何れか一項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記端子装着部は、前記デバイス保持部に固定される、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項20】
請求項1に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記蓄電デバイスは、外部に延び出す一対のリード端子を含み、
前記端子装着部は、前記デバイス保持部に保持された前記蓄電デバイスからの前記リード端子の延出方向に配置され、
前記リード端子は、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを含む、前記端子装着部に装着された接続端子に電気的に接続され、
前記接続端子は前記延出方向に沿って延びる端子接続部を含み、当該端子接続部に前記リード端子の周面が接続される、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項21】
請求項20に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記端子装着部は、前記リード端子が通される挿通部を含み、
前記接続端子は、前記端子装着部において、前記挿通部を通された前記リード端子が突き出す面に装着される、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項22】
請求項21に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記端子接続部には突起部が設けられ、
前記突起部に前記リード端子の周面が接合される、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項23】
請求項22に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記挿通部は、前記リード端子毎に設けられる端子挿通孔を含み、
前記端子装着部を前記延出方向から見たとき、前記端子挿通孔が前記突起部に重ならない、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項24】
蓄電ユニットにおいて、
第1の蓄電モジュールと、
前記第1の蓄電モジュールと隣り合う第2の蓄電モジュールと、を備え、
前記第1の蓄電モジュールおよび前記第2の蓄電モジュールは、
蓄えられた電力を放出可能な複数の蓄電デバイスと、
前記複数の蓄電デバイスが保持されるデバイス保持部と、
前記複数の蓄電デバイスと電気的に接続される、互いに極性の異なる第1の出力端子および第2の出力端子と、
一端部に前記第1の出力端子が装着され、他端部に前記第2の出力端子が装着される端子装着部と、を含み、
前記第1の蓄電モジュールの前記第1の出力端子は、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とが並ぶ方向であって前記第2の蓄電モジュールに向かって前記端子装着部の外側に突出する第1の端子部を有し、
前記第2の蓄電モジュールの前記第2の出力端子は、前記端子装着部の内側において前記第1の端子部と接続可能な第2の端子部を有する、
ことを特徴とする蓄電ユニット。
【請求項25】
請求項24に記載の蓄電ユニットにおいて、
前記第1の蓄電モジュールおよび前記第2の蓄電モジュールの互いに向き合う側面にそれぞれ設けられる第1の連結部および第2の連結部と、
前記第1の連結部と前記第2の連結部とを連結する連結部材と、をさらに備え、
前記第1の連結部および前記第2の連結部は、前記第1の蓄電モジュールと前記第2の蓄電モジュールとの並び方向から見て互いの位置がずらされることにより、前記並び方向と直交する方向から見て互いに重なっている、
ことを特徴とする蓄電ユニット。
【請求項26】
請求項24または25に記載の蓄電ユニットにおいて、
前記第1の端子部が前記第2の端子部に接続された状態において、前記第1の蓄電モジュールの前記端子装着部と前記第2の蓄電モジュールの端子装着部との間に隙間が設けられる、
ことを特徴とする蓄電ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電デバイスにより構成される蓄電モジュールに関する。また、本発明は、複数の蓄電モジュールにより構成される蓄電ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電池ブロックを直列または並列に接続することにより構成される電池ユニットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。電池ユニットでは、たとえば、電池ブロックにおいて、複数の電池が列をなすようにして配置され、それら電池の両端部が2つの電池ホルダにより固定される。複数の電池は、正極端子が正極金属板に電気的に接続され、負極端子が負極金属板に接続される。各電池ブロックでは、正極金属板の先端部に設けられた接続部(電池ブロックの正極側の出力端子)が電池ブロックの一側面において外側に突出し、負極金属板の先端部に設けられた接続部(電池ブロックの負極側の出力端子)が電池ブロックの一側面と反対側の側面において外側に突出する。電池ユニットにおいて、隣り合う2つの電池ブロックは、正極金属板の接続部および負極金属板の接続部が突出する方向と直交する方向に並ぶ。一つの電池ブロックの正極金属板の接続部とその隣の電池ブロックの負極金属板の接続部とが隣り合い、これら2つ接続部が接続金属板により電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-253641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の蓄電ユニットにおける電池ブロックの構成では、隣り合う2つの電池ブロックが、一つの電池ブロックの正極金属板の接続部とその隣の電池ブロックの負極金属板の接続部とが隣り合うように、上記突出方向(2つの接続部が並ぶ方向)に並べられ、2つ接続部が接続金属板により電気的に接続された場合、隣り合う2つの電池ブロックが2つ接続部のサイズ分だけ離れることになる。これにより、電池ユニットのサイズが大きくなる虞がある。
【0005】
かかる課題に鑑み、本発明は、複数の蓄電モジュールを組み合わせて蓄電ユニットを構成したときに、当該蓄電ユニットをコンパクトにできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、蓄電モジュールに関する。本態様に係る蓄電モジュールは、蓄えられた電力を放出可能な複数の蓄電デバイスと、前記複数の蓄電デバイスが保持されるデバイス保持部と、前記複数の蓄電デバイスと電気的に接続される、互いに極性の異なる第1の出力端子および第2の出力端子と、一端部に前記第1の出力端子が装着され、他端部に前記第2の出力端子が装着される端子装着部と、を備える。ここで、前記第1の出力端子は、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とが並ぶ方向に前記端子装着部の外側に突出する第1の端子部を含み、前記第2の出力端子は、前記端子装着部の内側において外部端子または前記第1の端子部と接続可能な第2の端子部を含む。
【0007】
本発明の第2の態様は、蓄電ユニットに関する。本態様に係る蓄電ユニットは、第1の蓄電モジュールと、前記第1の蓄電モジュールと隣り合う第2の蓄電モジュールと、を備える。ここで、前記第1の蓄電モジュールおよび前記第2の蓄電モジュールは、蓄えられた電力を放出可能な複数の蓄電デバイスと、前記複数の蓄電デバイスが保持されるデバイス保持部と、前記複数の蓄電デバイスと電気的に接続される、互いに極性の異なる第1の出力端子および第2の出力端子と、一端部に前記第1の出力端子が装着され、他端部に前記第2の出力端子が装着される端子装着部と、を含む。前記第1の蓄電モジュールの前記第1の出力端子は、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とが並ぶ方向であって前記第2の蓄電モジュールに向かって前記端子装着部の外側に突出する第1の端子部を有し、前記第2の蓄電モジュールの前記第2の出力端子は、前記端子装着部の内側において前記第1の端子部と接続可能な第2の端子部を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の蓄電モジュールを組み合わせて蓄電ユニットを構成したときに、当該蓄電ユニットをコンパクトにできる。
【0009】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る、蓄電モジュールの斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る、蓄電モジュールの分解斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る、端子ホルダ、第1外部出力端子、第2外部出力端子および中継接続端子の分解斜視図である。
図4図4(a)は、実施の形態に係る、4つの蓄電デバイスを、図2におけるデバイスホルダ側から見た図であり、図4(b)は、実施の形態に係る、4つの蓄電デバイスを、図4(a)に示すP方向から見た図である。
図5図5(a)は、実施の形態に係る、デバイスホルダの正面図であり、図5(b)は、実施の形態に係る、デバイスホルダの底面図であり、図5(c)は、実施の形態に係る、蓄電デバイスが装着されたデバイスホルダの底面図である。
図6図6(a)は、実施の形態に係る、デバイスホルダの側面断面図であり、図6(b)は、実施の形態に係る、蓄電デバイスが装着されたデバイスホルダの側面断面図である。
図7図7は、実施の形態に係る、蓄電デバイスが装着されたデバイスホルダの平面図である。
図8図8は、実施の形態に係る、回路基板の平面図である。
図9図9(a)は、実施の形態に係る、正極リード端子および負極リード端子が通された状態の回路基板の平面図であり、図9(b)は、実施の形態に係る、正極リード端子および負極リード端子が通された状態の端子ホルダの平面図である。
図10図10(a)ないし(c)は、実施の形態に係る、端子ホルダを、左端の蓄電デバイスの正極リード端子が通される端子挿通孔の位置で前後方向に切断した要部の断面図である。
図11図11は、実施の形態に係る、蓄電ユニットの正面図である。
図12図12(a)および(b)は、それぞれ、実施の形態に係る、第1蓄電モジュールの第1外部出力端子と第2蓄電モジュールの第2外部出力端子との接続部分を示す蓄電ユニットの要部平面図および要部背面図である。
図13図13(a)は、実施の形態に係る、連結部材の斜視図であり、図13(b)は、実施の形態に係る、連結部材の正面図である。
図14図14(a)は、実施の形態に係る、デバイスホルダの右側面図であり、図14(b)は、実施の形態に係る、デバイスホルダの左側面図である。
図15図15(a)は、変更例1に係る、デバイスホルダの要部拡大図であり、図15(b)は、変更例1に係る、蓄電デバイスが装着されたデバイスホルダの要部拡大図である。
図16図16(a)は、変更例2に係る、蓄電モジュールの上部の正面図であり、図16(b)は、変更例2に係る、蓄電モジュールの上部の正面図である。
図17図17は、変更例2に係る、蓄電モジュールの上部の分解斜視図である。
図18図18は、変更例2に係る、端子ホルダ、第1外部出力端子、第2外部出力端子および中継接続端子の分解斜視図である。
図19図19(a)は、変更例2に係る、回路基板の平面図であり、図19(b)は、変更例2に係る、回路基板が装着されたデバイスホルダの平面図である。
図20図20(a)は、変更例3に係る、正極リード端子および負極リード端子が通された状態の回路基板の平面図であり、図20(b)は、変更例3に係る、回路基板の他の構成例を示す図である。
図21図21(a)は、変更例4に係る、蓄電デバイスが装着されたデバイスホルダの下部の正面図であり、図21(b)は、変更例4に係る、蓄電デバイスが装着されたデバイスホルダの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態に係る蓄電モジュール1および蓄電ユニット10について図面を参照して説明する。便宜上、各図には、適宜、前後、左右および上下の方向が付記されている。なお、図示の方向は、あくまで蓄電モジュール1の相対的な方向を示すものであり、絶対的な方向を示すものではない。
【0012】
本実施の形態において、第1蓄電モジュール1Aおよび第2蓄電モジュール1Bが、それぞれ、請求の範囲に記載の「第1の蓄電モジュール」および「第2の蓄電モジュール」に対応する。また、正極リード端子140および負極リード端子150が、請求の範囲に記載の「リード端子」に対応する。さらに、デバイスホルダ200が、請求の範囲に記載の「デバイス保持部」に対応する。さらに、一対の爪部215が、請求の範囲に記載の「支え部」に対応する。さらに、第1連結部230および第2連結部240が、それぞれ、請求の範囲に記載の「第1の連結部」および「第2の連結部」に対応する。さらに、スルーホール301が、請求の範囲に記載の「貫通孔」に対応する。さらに、端子ホルダ400が、請求の範囲に記載の「端子装着部」に対応する。さらに、第1端子取付部410および第2端子取付部420が、それぞれ、請求の範囲に記載の「第1の収容部」および「第2の収容部」に対応する。さらに、端子挿通孔460が、請求の範囲に記載の「挿通部」に対応する。さらに、第1外部出力端子500が、請求の範囲に記載の「第1の出力端子」および「接続端子」に対応する。さらに、第2外部出力端子600が、請求の範囲に記載の「第2の出力端子」および「接続端子」に対応する。さらに、中継接続端子700が、請求の範囲に記載の「接続端子」に対応する。さらに、連結端子部550が、請求の範囲に記載の「第1の端子部」に対応する。さらに、外部接続端子部610が、請求の範囲に記載の「第2の端子部」に対応する。さらに、外部接続端子部510が、請求の範囲に記載の「第3の端子部」に対応する。さらに、リード端子接続部520、620、720が、請求の範囲に記載の「端子接続部」に対応する。さらに、端子固定ネジ930が、請求の範囲に記載の「第1の固定具」および「第2の固定具」に対応する。
【0013】
ただし、上記記載は、あくまで、請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【0014】
<蓄電モジュールの構成>
図1は、蓄電モジュール1の斜視図である。図2は、蓄電モジュール1の分解斜視図である。図3は、端子ホルダ400、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700の分解斜視図である。図4(a)は、4つの蓄電デバイス100を、図2におけるデバイスホルダ200側から見た図であり、図4(b)は、4つの蓄電デバイス100を、図4(a)に示すP方向から見た図である。図5(a)は、デバイスホルダ200の正面図であり、図5(b)は、デバイスホルダ200の底面図であり、図5(c)は、蓄電デバイス100が装着されたデバイスホルダ200の底面図である。図6(a)は、デバイスホルダ200の側面断面図であり、図6(b)は、蓄電デバイス100が装着されたデバイスホルダ200の側面断面図である。図7は、蓄電デバイス100が装着されたデバイスホルダ200の平面図である。図8は、回路基板300の平面図である。図9(a)は、正極リード端子140および負極リード端子150が通された状態の回路基板300の平面図であり、図9(b)は、正極リード端子140および負極リード端子150が通された状態の端子ホルダ400の平面図である。なお、図6(b)では、デバイスホルダ200のみが断面で示されている。
【0015】
蓄電モジュール1は、4つの蓄電デバイス100と、デバイスホルダ200と、回路基板300と、端子ホルダ400と、第1外部出力端子500と、第2外部出力端子600と、3つの中継接続端子700と、を備える。また、蓄電モジュール1は、各蓄電デバイス100をデバイスホルダ200に固定するための両面粘着テープ800と、回路基板300をデバイスホルダ200に固定するための2つの基板固定ネジ910と、端子ホルダ400をデバイスホルダ200に固定するための3つのホルダ固定ネジ920と、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および3つの中継接続端子700を端子ホルダ400に固定するための5つの端子固定ネジ930と、第1外部出力端子500および第2外部出力端子600に外部端子(図示せず)を接続する際に用いられる固定ボルト940と、を備える。
【0016】
蓄電デバイス100としては、例えば、正極の活物質がコバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物であり、負極の活物質が炭素材料であるリチウムイオン二次電池を挙げることができる。なお、蓄電デバイス100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよく、また、一次電池であってもよい。
【0017】
蓄電デバイス100は、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタであってもよい。また、蓄電デバイス100の正極の活物質として導電性高分子を用いたのもであってもよい。導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロールまたはポリチオフェンおよびこれらの誘導体等が挙げられ、複数種の導電性高分子を用いてもよい。
【0018】
各蓄電デバイス100は、細長い有底円筒状の容器110と、容器110内に収納されたデバイス素子120と、容器110の開口を封止する封口体130と、封口体130から外部に引き出される正極リード端子140および負極リード端子150とを含む。また、各蓄電デバイス100は、図示しない非水系電解液を含む。
【0019】
デバイス素子120は、正極と負極とを、それらの間にセパレータを介在させて巻回することにより形成される。デバイス素子120は、上記のような巻回型でなく、積層型とすることもできる。
【0020】
封口体130は、たとえば、ゴム成分を含む弾性材料により形成され、容器110内に充填された非水電解液が漏れないように容器110の開口を塞ぐ。正極リード端子140はデバイス素子120の正極と電気的に接続され、負極リード端子150はデバイス素子120の負極と電気的に接続される。
【0021】
容器110の開口端部には、封口体130を固定するために、絞り加工が施される。これにより、容器110の周面には、封口体130の外周の部分が内側に絞られた絞り部111が形成される。なお、容器110の周面は、蓄電デバイス100の周面ということになる。
【0022】
各蓄電デバイス100には、デバイスホルダ200に装着される前に、予め両面粘着テープ800が貼り付けられる。両面粘着テープ800は、所定サイズの長方形状を有し、図4(a)に示すように、蓄電デバイス100の軸方向において、蓄電デバイス100の周面の絞り部111からやや離れた位置から底部の近傍位置までを覆い、図4(b)に示すように、蓄電デバイス100の周方向において、蓄電デバイス100の周面のほぼ半分を覆う。両面粘着テープ800は、アクリル系の粘着剤がシート状に形成された構成を有し、セロハン、ポリプロピレン、アクリル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルムや不織布などの基材を含まない。両面粘着テープ800の厚みは、たとえば、50μm~200μm程度が好ましい。
【0023】
デバイスホルダ200は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの樹脂材料により形成される。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ化合物、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ジアリルフタレート、不飽和ポリエステルなどが挙げられる。また、樹脂材料に加えて、フィラー、軟化剤などを含んでいてもよい。フィラーとしては、例えば、絶縁性の粒子および/または繊維などが好ましい。フィラーを構成する絶縁性材料としては、たとえば、シリカ、アルミナなどの絶縁性の化合物(酸化物など)、ガラス、鉱物材料(タルク、マイカ、クレーなど)などの無機質材料が挙げられる。デバイスホルダ200は、これらのフィラーを一種含んでもよく、二種以上組み合わせて含んでもよい。デバイスホルダ200中のフィラーの含有量は、例えば、10~90質量%である。また、デバイスホルダ200に耐熱性を高めるために添加剤を加えてもよい。樹脂材料として硬化性樹脂を用いる場合は、硬化剤、重合開始剤、触媒などが、硬化性樹脂の種類に応じて適宜添加されてもよい。
【0024】
デバイスホルダ200は、4つの蓄電デバイス100を左右方向に並んだ状態で保持するため、左右方向に連続する4つの収納部210を備える。各収納部210は、正面側から蓄電デバイス100のほぼ全体が収納できるように、両端が開放した断面U字の細長い筒状に形成される。各収納部210の内面211は、半円弧状の面212(以下、「半円弧面212」と称する)と、半円弧面212の両端から続く直線状の面213(以下、「直線面213」と称する)とを含む。半円弧面212の径の設定には、蓄電デバイス100の外径と、両面粘着テープ800の厚みとが考慮される。たとえば、半円弧面212の径は、蓄電デバイス100の外径よりも両面粘着テープ800の厚みだけ大きくされる。
【0025】
各収納部210の内面211は、収納部210の上端部に存在する第1領域211aと、第1領域211a以外の領域である第2領域211bとを含む。図6(a)に示すように、第1領域211aと第2領域211bとの間には、第1領域211aでの収納部210の収納空間S1が第2領域211bでの収納部210の収納空間S2より広くなるように段差214が形成される。
【0026】
各収納部210には、第2領域211bにおいて、その上部と下部とに一対の爪部215が設けられる。各爪部215は、左右両側の直線面213の部分にそれぞれ形成され、半円弧面212と同じ曲率を有するように湾曲し、収納部210の内側に張り出す。なお、左端の収納部210の上部の一対の爪部215は、デバイスホルダ200の底面からの高さ位置が各爪部215において異なるが、その他の一対の爪部215は、各爪部215の高さ位置が同じである。また、左端の収納部210の上部の一対の爪部215において、一方の爪部215は第1領域211aに設けられる。
【0027】
隣り合う2つの収納部210では、上部および下部の一対の爪部215の位置が、上下方向にずらされている。これにより、デバイスホルダ200は、隣り合う収納部210の側面部分を共有するような形状にできるので、デバイスホルダ200の左右方向のサイズをコンパクトにできる。
【0028】
デバイスホルダ200には、4つの収納部210の上方に、回路基板300および端子ホルダ400が取り付けられるほぼ長方形状の取付板220が、4つの収納部210と一体に設けられる。取付板220には、左前側の角部、右前側の角部および中央の後部に、端子ホルダ400を取り付けるための取付ボス221が形成される。各取付ボス221は、四角柱状に形成され、取付穴221aを有する。また、取付板220には、各収納部210の上方位置にそれぞれ開口部222が形成される。開口部222は、前方から蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150が挿入できるように、その前側が開放されている。さらに、取付板220には、中央後部の取付ボス221の左方と右方とに、回路基板300を取り付けるための取付穴223が形成される。
【0029】
デバイスホルダ200の右側面および左側面には、それぞれ、2つの蓄電モジュール1を左右方向に連結する際に用いられる第1連結部230および第2連結部240が設けられる。2つ以上の蓄電モジュール1が連結されることにより、蓄電ユニットが構成される。
【0030】
第1連結部230および第2連結部240は、上側に位置し下向きの鈎状を有する上爪部231、241と、下側に位置し上向きの鈎状を有する下爪部232、242とにより構成される。上爪部231、241および下爪部232、242の前後方向の幅は、デバイスホルダ200の側面の前後方向の幅よりやや小さくされる。上爪部231、241の先端部と下爪部232、242の先端部には、デバイスホルダ200の側面側に突出する突条231a、241a、232a、242aが形成される。第1連結部230は、他の蓄電モジュール1を連結したときに、他の蓄電モジュール1の第2連結部240と干渉しないよう、第2連結部240よりも低い位置に設けられる。
【0031】
回路基板300は、左右方向(蓄電デバイス100の配列方向)に長い形状を有する。回路基板300には、各蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150が通されるとともに電気的に接続される一対のスルーホール301が形成される。スルーホール301には、内側に金属のメッキがなされる。また、回路基板300には、コネクタ302の他、各蓄電デバイス100の電圧を検出する電圧検出回路(図示せず)および電圧検出回路が検出した電圧に応じて各蓄電デバイス100の電圧を揃えるバランス回路(図示せず)を含む電子回路部303が配置される。一対のスルーホール301は、導電パターン(図示せず)により電子回路部303に繋がる。また、回路基板300には、4組の一対のスルーホール301に関し、それぞれ、一方のスルーホール301の近傍の位置、即ち、一方のスルーホール301に対して、このスルーホール301に対する他方のスルーホール301の位置よりも近い位置に温度センサ304が配置される。温度センサ304は、たとえば、チップ型のサーミスタである。温度センサ304は、蓄電デバイス100の容器110の温度が伝播することにより容器110の温度に追従した温度となる正極リード端子140や負極リード端子150の温度を検出するためのものである。各温度センサ304の検出温度によって、対応する蓄電デバイス100が過熱状態となっていないかを監視できる。なお、各温度センサ304は、回路基板300の表面(上面)でなく、裏面(下面)に配置されてもよい。
【0032】
さらに、回路基板300には、基板固定ネジ910が通される2つの挿通孔305が形成される。
【0033】
端子ホルダ400は、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および3つの中継接続端子700を保持する。端子ホルダ400は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などデバイスホルダ200と同様な樹脂材料により形成され、上下方向に薄く左右方向(蓄電デバイス100の配列方向)に長いほぼ直方体の形状を有する。
【0034】
図3に示すように、端子ホルダ400には、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700の装着面である表面(上面)に、第1端子取付部410と、第2端子取付部420と、3つの第3端子取付部430とが形成される。第1端子取付部410は、端子ホルダ400の右端部に形成され、第1外部出力端子500の形状に対応する形状を有し、端子ホルダ400の表面よりも第1外部出力端子500の厚み分だけ凹む。第2端子取付部420は、端子ホルダ400の左端部に形成され、第2外部出力端子600の形状に対応する形状を有し、端子ホルダ400の表面よりも第2外部出力端子600の厚み分だけ凹む。3つの第3端子取付部430は、第1端子取付部410と第2端子取付部420との間に、左右方向に並ぶように形成され、長方形状を有し、端子ホルダ400の表面よりも中継接続端子700の厚み分だけ凹む。
【0035】
第1端子取付部410および第2端子取付部420には、四角形の凹部411、421が形成され、この凹部411、421に金属製の四角形のナット440が埋め込まれる。また、第1端子取付部410には、第1外部出力端子500を取り付けるための第1取付穴412が形成され、第2端子取付部420には、第2外部出力端子600を取り付けるための第2取付穴422が形成される。さらに、3つの第3端子取付部430には、中継接続端子700を取り付けるための第3取付穴431が形成される。第1端子取付部410の第1取付穴412は、右側の第3端子取付部430の第3取付穴431と、左右方向において同じ位置に形成され、第2端子取付部420の第2取付穴422は、左側の第3端子取付部430の第3取付穴431と、左右方向において同じ位置に形成される。
【0036】
さらに、端子ホルダ400には、第1端子取付部410内であって右前側の角部の位置と、第2端子取付部420内であって左前側の角部の位置と、中央の第3端子取付部430の後方の位置に、ホルダ固定ネジ920が通される挿通孔450が形成される。端子ホルダ400の挿通孔450の裏側は、デバイスホルダ200の取付ボス221が収まるよう凹まされている。なお、中央の第3端子取付部430の第3取付穴431は、中央の挿通孔450と、左右方向において同じ位置に形成される。
【0037】
さらに、端子ホルダ400には、第1端子取付部410、第2端子取付部420および第3端子取付部430における2つの端子取付部間に、各蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150が通される一対の端子挿通孔460が形成される。
【0038】
第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および3つの中継接続端子700は、導電性の金属板、たとえば、銅板を所定形状に切り抜き、折り曲げることにより形成される。第1外部出力端子500および第2外部出力端子600には、電力の供給対象となる外部機器からの外部端子(図示せず)が接続される。本実施の形態では、第1外部出力端子500が正極側の出力端子とされ、第2外部出力端子600が負極側の出力端子とされる。3つの中継接続端子700は、第1外部出力端子500と第2外部出力端子600の間で、4つの蓄電デバイス100を直列に接続する。
【0039】
第1外部出力端子500は、外部接続端子部510と、リード端子接続部520と、第1固定部530と、第2固定部540と、連結端子部550と、段差部560とを含む。外部接続端子部510は、ほぼ正方形状に形成され、固定ボルト940が通される挿通孔511を有する。リード端子接続部520は、外部接続端子部510の前側に設けられる。リード端子接続部520は、外部接続端子部510に対して略垂直に立ち上がるように形成され、蓄電デバイス100から正極リード端子140および負極リード端子150が延び出す延出方向に沿って延びる。リード端子接続部520の接続面521には、その中央部が外部接続端子部510側に膨らむことにより突起部522が形成される。第1固定部530は、外部接続端子部510におけるリード端子接続部520の右側部分から前方に延び、その先端部にホルダ固定ネジ920が通される挿通孔531を有する。第2固定部540は、外部接続端子部510から左方に延び、その先端部に端子固定ネジ930が通される挿通孔541を有する。
【0040】
連結端子部550は、段差部560を介して外部接続端子部510に繋がる。複数の蓄電モジュール1によって蓄電ユニットが構成された場合に、連結端子部550が固定ボルト940によって右隣の蓄電モジュール1の第2外部出力端子600に連結される。連結端子部550には、固定ボルト940が通される挿通孔551が形成される。段差部560は、外部接続端子部510と連結端子部550との間に第2外部出力端子600の板厚分だけ連結端子部550が高くなる段差が生じるように、外部接続端子部510から連結端子部550に向かって斜め上方に延びる。
【0041】
第2外部出力端子600は、外部接続端子部610と、リード端子接続部620と、第1固定部630と、第2固定部640とを含む。外部接続端子部610は、ほぼ正方形状に形成され、固定ボルト940が通される挿通孔611を有する。リード端子接続部620は、外部接続端子部610の前側に設けられる。リード端子接続部620は、外部接続端子部610に対して略垂直に立ち上がるように形成され、正極リード端子140および負極リード端子150の延出方向に沿って延びる。リード端子接続部620の接続面621には、その中央部が外部接続端子部610側に膨らむことにより突起部622が形成される。第1固定部630は、外部接続端子部610におけるリード端子接続部620の左側部分から前方に延び、その先端部にホルダ固定ネジ920が通される挿通孔631を有する。第2固定部640は、外部接続端子部610から右方に延び、その先端部に端子固定ネジ930が通される挿通孔641を有する。
【0042】
各中継接続端子700は、端子本体部710と、2つのリード端子接続部720とを含む。端子本体部710の中央部には、その前後方向の幅を拡げることにより、ほぼ正方形状の固定部711が設けられる。固定部711には、端子固定ネジ930が通される挿通孔712が形成される。リード端子接続部720は、端子本体部710の左右方向における両端部であって前後方向における一端縁に、端子本体部710に対して略垂直に立ち上がるように形成され、正極リード端子140および負極リード端子150の延出方向に沿って延びる。リード端子接続部720の接続面721には、その中央部が端子本体部710と反対側に膨らむことにより突起部722が形成される。
【0043】
端子ホルダ400において、第1外部出力端子500が、端子固定ネジ930によって第1端子取付部410に固定される。この際、第1外部出力端子500は、凹んだ第1端子取付部410内に収容される。そして、端子固定ネジ930が、第2固定部540の挿通孔541に通されて第1端子取付部410の第1取付穴412に止められる。第1端子取付部410は、第1外部出力端子500における第1端子取付部410に収容される部分の形状に模られており、第1端子取付部410に嵌り込んだ第1外部出力端子500は、前後左右方向、即ち端子ホルダ400の表面に沿う方向への動きが規制され、端子固定ネジ930を締め付ける際や端子固定ネジ930が緩んだ際に前後左右方向に動きにくい。第1外部出力端子500が第1端子取付部410に固定された状態において、外部接続端子部510の挿通孔511がナット440のボルト孔441に整合する。また、第1外部出力端子500の外部接続端子部510と第2外部出力端子600の外部接続端子部610は、端子ホルダ400の内側に収まるが、第1外部出力端子500の連結端子部550は、第1外部出力端子500と第2外部出力端子600とが並ぶ方向(左右方向)において、端子ホルダ400の外側(右側)に突出した状態となる。
【0044】
同様に、第2外部出力端子600が、端子固定ネジ930によって第2端子取付部420に固定される。この際、第2外部出力端子600は、凹んだ第2端子取付部420内に収容される。そして、端子固定ネジ930が、第2固定部640の挿通孔641に通されて第2端子取付部420の第2取付穴422に止められる。第2端子取付部420は、第2外部出力端子600の形状に模られており、第2端子取付部420に嵌り込んだ第2外部出力端子600は、前後左右方向への動きが規制され、端子固定ネジ930を締め付ける際や端子固定ネジ930が緩んだ際に前後左右方向に動きにくい。第2外部出力端子600が第2端子取付部420に固定された状態において、外部接続端子部610の挿通孔611がナット440のボルト孔441に整合する。
【0045】
同様に、各中継接続端子700が、端子固定ネジ930によって各第3端子取付部430に固定される。この際、中継接続端子700は、凹んだ第3端子取付部430内に収容される。そして、端子固定ネジ930が、固定部711の挿通孔712に通されて第3端子取付部430の第3取付穴431に止められる。第3端子取付部430は長方形状を有し、その前後および左右の寸法が、それぞれ、中継接続端子700の端子本体部710の前後および左右の最大寸法とほぼ等しくされている。よって、第3端子取付部430に嵌り込んだ中継接続端子700は、前後左右方向への動きが規制され、端子固定ネジ930を締め付ける際や端子固定ネジ930が緩んだ際に前後左右方向に動きにくい。なお、中央の中継接続端子700は、左右の中継接続端子700とは前後方向に反対向きに固定される。
【0046】
第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700が端子ホルダ400に取り付けられると、これら第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700の各リード端子接続部520、620、720が、一対の端子挿通孔460の近傍に位置する状態となる。
【0047】
蓄電モジュール1を組み立てる際には、まず、4つの蓄電デバイス100が、デバイスホルダ200に装着される。この際、デバイスホルダ200に装着された蓄電デバイス100から引き出された正極リード端子140および負極リード端子150と、デバイスホルダ200に装着された回路基板300の一対のスルーホール301およびデバイスホルダ200に装着された端子ホルダ400の一対の端子挿通孔460との位置が合うように、各蓄電デバイス100の周方向の角度が調整される。
【0048】
各蓄電デバイス100の周面に貼り付けられた両面粘着テープ800は、各蓄電デバイス100の角度が調整された状態で、デバイスホルダ200の各収納部210の正面を向く。図5(c)および図6(b)に示すように、各蓄電デバイス100が、対応する収納部210に収納されると、収納部210の内面211の第2領域211bにおける半円弧面212のほぼ全体に両面粘着テープ800が密着する。これにより、第2領域211bにおける半円弧面212と、半円弧面212に対面する蓄電デバイス100の周面とが両面粘着テープ800によって接合(接着)される。
【0049】
ここで、図6(b)に示すように、蓄電デバイス100の周面、即ち、容器110の周面では、絞り加工によって絞り部111が形成されるときに、絞り部111の上下の周辺部分112が歪むことによって、この周辺部分112が容器110の周面の他の部分よりも僅かに膨らむ状態となる。蓄電デバイス100が収納部210に収納されたとき、絞り部111とその周辺部分112は、収納部210の内面211における第1領域211aに対面する。第1領域211aと第2領域211bとの間には、周辺部分112の膨らみ分以上の大きさの段差214が設けられており、図6(a)のように、第1領域211aによる収納部210の収納空間S1は、第1領域211aと第2領域211bとの段差214の分だけ第2領域211bによる収納部210の収納空間S2よりも広くなっている。これにより、第2領域211bにおける半円弧面212に対して蓄電デバイス100の周面が傾くことを抑制できる。よって、蓄電デバイス100の周面と収納部210の内面211(半円弧面212)との間で両面粘着テープ800をしっかりと密着させることができる。
【0050】
さらに、図5(c)に示すように、蓄電デバイス100は、収納部210の内面211(半円弧面212)と接合された周面部分と反対側の周面部分が一対の爪部215によって支えられるので、収納部210から離脱する方向への蓄電デバイス100の動きが止められる。なお、蓄電デバイス100が収納部210に収納される際、一対の爪部215は、蓄電デバイス100の周面で前方から押さえ付けられると弾性変形し外側に拡がる。これにより、蓄電デバイス100を、一対の爪部215を通過させて収納部210に収納させることができる。
【0051】
さらに、図7に示すように、本実施の形態においては、4つの蓄電デバイス100は、上下方向、即ち、正極リード端子140および負極リード端子150の延出方向から見たときに、正極リード端子140と負極リード端子150とを結ぶ結び線Lがこれら蓄電デバイス100の配列方向Dに対して所定角度(たとえば、鋭角側の角度が45度)だけ傾くとともに、隣り合う2つの蓄電デバイス100における結び線Lが互いに配列方向Dに対して反対側に傾くように、その周方向の角度が調整されてデバイスホルダ200に装着される。これにより、図9(a)に破線で示すように、回路基板300において、隣り合う蓄電デバイス100の結び線L同士の間に、配列方向Dと垂直な方向に幅の広い領域を確保できるので、回路基板300上で電子回路部303等を構成する電子部品の配置が行いやすくなる。また、図9(b)に破線で示すように、端子ホルダ400において、隣り合う蓄電デバイス100の結び線L同士の間に、配列方向Dと垂直な方向に幅の広い領域を確保できるので、端子ホルダ400上で中継接続端子700等の配置が行いやすくなる。
【0052】
さらに、図7に示すように、デバイスホルダ200では、取付板220に形成された各開口部222の形状が、それら後端縁222aが、各蓄電デバイス100の結び線Lに沿うような形状とされている。これにより、蓄電デバイス100をデバイスホルダ200に装着するときに、正極リード端子140および負極リード端子150が開口部222の後端縁222aに沿わされることで、蓄電デバイス100の周方向の角度が装着時の角度に適正に調整される。
【0053】
次に、デバイスホルダ200の取付板220に、基板固定ネジ910によって回路基板300が固定される。このとき、基板固定ネジ910は、回路基板300の挿通孔305に通されて取付板220の取付穴223に止められる。各蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150は、対応する一対のスルーホール301に通され、半田付けによって一対のスルーホール301に電気的に接続される。これにより、正極リード端子140および負極リード端子150が回路基板300の電子回路部303と電気的に接続される。
【0054】
次に、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および3つの中継接続端子700が装着された端子ホルダ400が、デバイスホルダ200の取付板220に、ホルダ固定ネジ920によって固定される。このとき、端子ホルダ400の右端では、ホルダ固定ネジ920が、第1外部出力端子500の第1固定部530の挿通孔531と端子ホルダ400の挿通孔450とに通されて取付板220の取付ボス221に止められる。これにより、第1外部出力端子500は、ホルダ固定ネジ920によっても端子ホルダ400に固定されることとなる。同様に、端子ホルダ400の左端では、ホルダ固定ネジ920が、第2外部出力端子600の第1固定部630の挿通孔631と端子ホルダ400の挿通孔450とに通されて取付板220の取付ボス221に止められる。これにより、第2外部出力端子600は、ホルダ固定ネジ920によっても端子ホルダ400に固定されることとなる。端子ホルダ400の中央部では、ホルダ固定ネジ920が、端子ホルダ400の挿通孔450に通されて取付板220の取付ボス221に止められる。各蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150は、対応する一対の端子挿通孔460に通され、それらの先端部が、端子ホルダ400の表面(上面)から上方に突き出す。このようにして、図1に示すように、蓄電モジュール1が組み立てられる。
【0055】
図10(a)ないし(c)は、本実施の形態に係る、端子ホルダ400を、左端の蓄電デバイス100の正極リード端子140が通される端子挿通孔460の位置で前後方向に切断した要部の断面図である。図10(a)は、正極リード端子140が端子挿通孔460に通される前の状態を示し、図10(b)は、正極リード端子140が端子挿通孔460に通され、端子ホルダ400の表面から上方に突出した状態を示し、図10(c)は、正極リード端子140が中継接続端子700のリード端子接続部720に接合された状態を示す。
【0056】
中継接続端子700におけるリード端子接続部720は、その接続面721が端子ホルダ400の表面に対して垂直となる状態、即ち、正極リード端子140が蓄電デバイス100から延び出す延出方向に沿う状態にある。このとき、図10(a)の破線で示すように、端子挿通孔460側に突出する接続面721の突起部722は、端子ホルダ400を上下方向、即ち、延出方向から見たとき、端子挿通孔460が突起部722に重ならない。このため、正極リード端子140の先端部を突起部722よりも上方まで突き出させる際に、正極リード端子140の先端部が突起部722に衝突しにくく、正極リード端子140の移動が妨げられにくい。図10(b)に示すように、端子ホルダ400の表面から突き出した正極リード端子140は、その周面が接続面721の突起部722に近接する状態となる。
【0057】
この他のリード端子接続部720とそれらに対応する端子挿通孔460、第1外部出力端子500のリード端子接続部520とそれに対応する端子挿通孔460、および第2外部出力端子600のリード端子接続部620とそれに対応する端子挿通孔460についても同様であり、端子挿通孔460が突起部722、522、622に重ならず、正極リード端子140および負極リード端子150の移動が突起部722、522、622によって妨げられにくい。そして、端子ホルダ400の表面から上方に突き出した正極リード端子140および負極リード端子150は、その周面が突起部722、522、622に近接する状態となる。
【0058】
突起部722、522、622側に押し付けるようにして、プロジェクション溶接のための電極棒が、正極リード端子140や負極リード端子150に当てられ、突起部722、522、622と、それに接触する正極リード端子140や負極リード端子150の周面との間でプロジェクション溶接が行われる。たとえば、左端の蓄電デバイス100の正極リード端子140と、それに対応するリード端子接続部720との間では、図10(c)に示すように、正極リード端子140の内側に突起部722が僅かに入り込んだ状態で、両者の接触部分が溶解し接合される。このとき、突起部722は、先端部分が溶解することにより、その突出量が少なくなる。その他の正極リード端子140および負極リード端子150と、それらに対応するリード端子接続部520、620、720との間も同様な接合状態となる。このようにして、正極リード端子140および負極リード端子150が、対応するリード端子接続部520、620、720に接続固定される。正極リード端子140や負極リード端子150の内側に突起部522、622、722の先端部が入り込むことにより、アンカー効果が期待され、延出方向における正極リード端子140および負極リード端子150とリード端子接続部520、620、720との接続が強固になることが期待される。
【0059】
ここで、第1外部出力端子500の外部接続端子部510は、右側の中継接続端子700における右側のリード端子接続部720よりも右側に位置しているのに対し、第1外部出力端子500を端子固定ネジ930で止める位置は、外部接続端子部510の近傍ではなく、右側の中継接続端子700を端子固定ネジ930で止める位置と左右方向において同じにされている。即ち、第1外部出力端子500を固定する端子固定ネジ930が右側のリード端子接続部720と前後方向に重ならないようにされている。このため、右側の中継接続端子700の右側のリード端子接続部720と右端の蓄電デバイス100の負極リード端子150とを溶接にて接合する際に第1外部出力端子500を固定する端子固定ネジ930が妨げとならない。同様に、第2外部出力端子600を固定する端子固定ネジ930が左側の中継接続端子700の左側のリード端子接続部720と前後方向に重ならないようにされている。このため、左側の中継接続端子700の左側のリード端子接続部720と左端の蓄電デバイス100の正極リード端子140とを溶接にて接合する際に第2外部出力端子600を固定する端子固定ネジ930が妨げとならない。
【0060】
なお、図1では、第1外部出力端子500および第2外部出力端子600に固定ボルト940が締められているが、第1外部出力端子500および第2外部出力端子600に外部端子が接続されていないときには、固定ボルト940が取り外されていてもよい。端子ホルダ400に取り付けられた第1外部出力端子500側の固定ボルト940は、第1外部出力端子500のリード端子接続部520の後方において、リード端子接続部520と前後方向に重なる。また、端子ホルダ400に取り付けられた第2外部出力端子600側の固定ボルト940は、第2外部出力端子600のリード端子接続部620の後方において、リード端子接続部620と前後方向に重なる。リード端子接続部520と蓄電デバイス100の正極リード端子140との接合およびリード端子接続部620と蓄電デバイス100の負極リード端子150との接合は後方から行われる。よって、外部端子の接続前から端子ホルダ400へ固定ボルト940を取り付けておく場合、リード端子接続部520と正極リード端子140との接合の妨げとならないよう、これらの接合が行われた後に、第1外部出力端子500側の固定ボルト940の取付けが行われ、リード端子接続部620と負極リード端子150の接合の妨げとならないよう、これらの接合が行われた後に、第2外部出力端子600側の固定ボルト940の取付けが行われる。
【0061】
このようにして、蓄電モジュール1が完成する。蓄電モジュール1が外部機器に搭載されると、外部機器からの正極側の外部端子が、第1外部出力端子500の外部接続端子部510に固定ボルト940によって接続され、外部機器からの負極側の外部端子が第2外部出力端子600の外部接続端子部610に固定ボルト940によって接続される。各蓄電デバイス100に蓄えられた電力が、第1外部出力端子500および第2外部出力端子600を通じて外部機器に供給される。
【0062】
<蓄電ユニットの構成>
複数の蓄電モジュール1を組み合わせることにより、蓄電ユニットを構成することができる。以下、一例として、2つの蓄電モジュール1により構成された蓄電ユニット10について説明する。なお、蓄電ユニット10と同じように各蓄電モジュール1を連結していくことにより、3つ以上の蓄電モジュール1を組み合わせた蓄電ユニットが実現できる。
【0063】
図11は、蓄電ユニット10の正面図である。
【0064】
蓄電ユニット10は、2つの蓄電モジュール1と、これら蓄電モジュール1を連結するための連結部材20とを備える。以下、説明の便宜上、図11に示す右側の蓄電モジュール1および左側の蓄電モジュール1を、それぞれ、第1蓄電モジュール1Aおよび第2蓄電モジュール1Bと称する。第1蓄電モジュール1Aおよび第2蓄電モジュール1Bは、4つの蓄電デバイス100が列をなす方向であって第1外部出力端子500と第2外部出力端子600とが並ぶ方向に並べられる。
【0065】
図12(a)および(b)は、それぞれ、第1蓄電モジュール1Aの第1外部出力端子500と第2蓄電モジュール1Bの第2外部出力端子600との接続部分を示す蓄電ユニット10の要部平面図および要部背面図である。
【0066】
第1蓄電モジュール1Aの第1外部出力端子500の連結端子部550が、第2蓄電モジュール1Bの第2外部出力端子600の外部接続端子部610に上方から重ねられる。これにより、連結端子部550の挿通孔551と外部接続端子部610の挿通孔611とが整合する。固定ボルト940が、2つの挿通孔551、611に通されてナット440に止められる。これにより、連結端子部550と外部接続端子部610とが接続される。ここで、蓄電モジュール1において、第1外部出力端子500の外部接続端子部510と第2外部出力端子600の外部接続端子部610とは、端子ホルダ400上での高さが等しくされており、また、第1外部出力端子500の連結端子部550は、段差部560によって外部接続端子部510よりも外部接続端子部610の厚み分高くされている。つまり、連結端子部550の下面と外部接続端子部610の上面とは上下方向において同じ高さ位置にある。このため、連結端子部550が外部接続端子部610に接続された状態では、図11のように、第1蓄電モジュール1Aと第2蓄電モジュール1Bとの高さが等しくなる。また、第1蓄電モジュール1Aの端子ホルダ400と、第2蓄電モジュール1Bの端子ホルダ400との間には、たとえば1mm程度の僅かな隙間Cが生じている。
【0067】
なお、図11ないし図12(b)では、第1蓄電モジュール1Aの第1外部出力端子500の外部接続端子部510に固定ボルト940が止められているが、この固定ボルト940は外されていてもよい。
【0068】
連結部材20は、第1蓄電モジュール1Aの第1連結部230と第2蓄電モジュール1Bの第2連結部240とを連結させる。
【0069】
図13(a)は、連結部材20の斜視図であり、図13(b)は、連結部材20の正面図である。図14(a)は、デバイスホルダ200の右側面図であり、図14(b)は、デバイスホルダ200の左側面図である。
【0070】
図13(a)および(b)に示すように、連結部材20は、金属材料により形成され、方形状の第1差込板21と、第1差込板21と平行に配置された方形状の第2差込板22と、これら第1差込板21と第2差込板22を繋ぐ繋ぎ板23とを含む。第1差込板21と第2差込板22の位置は、第1蓄電モジュール1Aの第1連結部230と第2蓄電モジュール1Bの第2連結部240とに対応するよう、上下方向にずらされている。即ち、第2差込板22の位置が第1差込板21の位置より高くされている。第1差込板21および第2差込板22には、それぞれ、上下方向における中央部であって繋ぎ板23側に寄った位置に円形の第1穴部21aおよび第2穴部22aが形成される。
【0071】
図14(a)に示すように、デバイスホルダ200の右側面には、第1連結部230の上爪部231と下爪部232との中間であって前寄りの位置に、円形の第1突部233が形成される。第1突部233の外径は、第1穴部21aの内径よりも僅かに小さくされている。また、第1連結部230では、上爪部231および下爪部232が、それぞれ、後方に向かって傾斜する上傾斜面231bおよび下傾斜面232bを有する。同様に、図14(b)に示すように、デバイスホルダ200の左側面には、第2連結部240の上爪部241と下爪部242との中間であって前寄りの位置に、円形の第2突部243が形成される。第2突部243の外径は、第2穴部22aの内径よりも僅かに小さくされている。また、第2連結部240では、上爪部241および下爪部242が、それぞれ、後方に向かって傾斜する上傾斜面241bおよび下傾斜面242bを有する。
【0072】
図11に示すように、連結部材20の第1差込板21が、第1蓄電モジュール1Aの第1連結部230の上爪部231と下爪部232との間に差し込まれ、連結部材20の第2差込板22が、第2蓄電モジュール1Bの第2連結部240の上爪部241と下爪部242との間に差し込まれる。この際、第1連結部230の上爪部231の突条231aと下爪部232の突条232aとが第1差込板21により外側に押され、上爪部231と下爪部232とが外側に弾性変形する。同様に、第2連結部240の上爪部241の突条241aと下爪部242の突条242aとが第2差込板22により外側に押され、上爪部241と下爪部242とが外側に弾性変形する。これら弾性変形により生じる力で、第1差込板21は第1蓄電モジュール1Aのデバイスホルダ200の側面に強く押し付けられ、第2差込板22は第2蓄電モジュール1Bのデバイスホルダ200の側面に強く押し付けられる。また、デバイスホルダ200の右側面の第1突部233が第1差込板21の第1穴部21aに嵌め込まれ、デバイスホルダ200の左側面の第2突部243が第2差込板22の第2穴部22aに嵌め込まれる。これにより、第1連結部230および第2連結部240から連結部材20が外れ難くなる。
【0073】
なお、第1連結部230には、上爪部231および下爪部232に上傾斜面231bおよび下傾斜面232bが形成されることにより、第1差込板21を、上爪部231の突条231aと下爪部232の突条232aとを押し拡げながら上爪部231と下爪部232との間に差し込むときに、第1差込板21が差し込みやすくなる。同様に、第2連結部240には、上爪部241および下爪部242に上傾斜面241bおよび下傾斜面242bが形成されることにより、第2差込板22を、上爪部241の突条241aと下爪部242の突条242aとを押し拡げながら上爪部241と下爪部242との間に差し込むときに、第2差込板22が差し込みやすくなる。
【0074】
このようにして、第1連結部230と第2連結部240とが連結部材20で連結されることにより、第1蓄電モジュール1Aと第2蓄電モジュール1Bとが連結される。
【0075】
ここで、第1蓄電モジュール1Aの第1連結部230および第2蓄電モジュール1Bの第2連結部240は、第1蓄電モジュール1Aと第2蓄電モジュール1Bとの並び方向(左右方向)から見て互いの位置が上下にずらされることにより、この並び方向と直交する方向(上下方向)から見て第1連結部230と第2連結部240の一部が互いに重なっている。即ち、第1連結部230の上爪部231と下爪部232との間に第2連結部240の下爪部242が位置し、第2連結部240の上爪部241と下爪部242との間に第1連結部230の上爪部231が位置するようになされている。これにより、並び方向の小さなスペースにおいて、第1蓄電モジュール1Aと第2蓄電モジュール1Bとを連結できる。
【0076】
蓄電ユニット10において、外部機器からの正極側の外部端子が第2蓄電モジュール1Bの第1外部出力端子500の外部接続端子部510に固定ボルト940により接続され、外部機器からの負極側の外部端子が第1蓄電モジュール1Aの第2外部出力端子600の外部接続端子部610に固定ボルト940により接続される。第1蓄電モジュール1Aおよび第2蓄電モジュール1Bの合計8個の蓄電デバイス100による電力が、第2蓄電モジュール1Bの第1外部出力端子500および第1蓄電モジュール1Aの第2外部出力端子600を通じて外部機器に供給される。1つの蓄電モジュール1からは、たとえば、12Vの電圧が出力される。よって、たとえば、24Vの電圧が外部機器に必要な場合に、2つの蓄電モジュール1による蓄電ユニット10が使用される。
【0077】
なお、蓄電モジュール1が単体で使用される場合においても、第1外部出力端子500の連結端子部550が設けられていてもよい。また、蓄電モジュール1が単体で使用される場合に、第1外部出力端子500の連結端子部550が切除されてもよい。また、蓄電ユニット10において、隣の蓄電モジュール1の第2外部出力端子600と接続されずに外部端子が接続される第1外部出力端子500では、連結端子部550が切除されてもよい。
【0078】
<実施の形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、以下の効果が奏される。
【0079】
複数、たとえば2つの蓄電モジュール1を組み合わせて蓄電ユニット10を構成する場合に、一方の蓄電モジュール1(第1蓄電モジュール1A)の第1外部出力端子500における端子ホルダ400の外側に突出した連結端子部550が、他方の蓄電モジュール1(第2蓄電モジュール1B)の第2外部出力端子600における端子ホルダ400の内側に収まった外部接続端子部610に接続されるので、隣り合う2つの蓄電モジュール1の間隔を小さくすることができる。これにより、複数の蓄電モジュール1が並ぶ方向において、蓄電ユニット10のサイズをコンパクトにできる。
【0080】
また、第1外部出力端子500に外部機器からの外部端子を接続する際には、端子ホルダ400から突出した連結端子部550ではなく、端子ホルダ400の内側に収まった外部接続端子部510に外部端子を接続できるので、外部端子を第1外部出力端子500にしっかりと接続することができる。
【0081】
さらに、端子ホルダ400には、第2外部出力端子600の外部接続端子部610が装着された位置にナット440が埋め込まれているので、固定ボルト940をナット440に締め付けることにより、外部端子や第1外部出力端子500の連結端子部550を外部接続端子部610に強固に固定することができる。同様に、端子ホルダ400には、第1外部出力端子500の外部接続端子部510が装着された位置にもナット440が埋め込まれているので、固定ボルト940をナット440に締め付けることにより、外部端子を外部接続端子部510に強固に固定することができる。
【0082】
さらに、第1外部出力端子500の連結端子部550は、段差部560によって外部接続端子部510よりも外部接続端子部610の厚み分高くされており、連結端子部550が外部接続端子部610に接続された状態では、第1蓄電モジュール1Aと第2蓄電モジュール1Bとの高さが等しくなる。これにより、蓄電ユニット10が、所定の設置部に設置されたときに設置部の設置面に対して傾きにくい。
【0083】
さらに、隣り合う2つの蓄電モジュール1の端子ホルダ400同士の間に、隙間Cが生じるよう、蓄電モジュール1同士が連結されているので、端子ホルダ400同士が接触する場合と違って、蓄電ユニット10に振動等が生じても2つの端子ホルダ400の間で異音が発生する虞がない。
【0084】
さらに、第1連結部230と第2連結部240が、2つの蓄電モジュール1の並び方向に重なることが可能な構成とされているで、これら第1連結部230および第2連結部240と連結部材20とにより、並び方向の小さなスペースにおいて、第1蓄電モジュール1Aと第2蓄電モジュール1Bとを連結できる。これにより、複数の蓄電モジュール1が並ぶ方向において、蓄電ユニット10のサイズをコンパクトにできる。
【0085】
さらに、デバイスホルダ200には、収納部210の内面211において、第1領域211aと第2領域211bとの間に段差214が設けられており、第1領域211aによる収納部210の収納空間S1が第2領域211bによる収納部210の収納空間S2よりも広くされている。このため、第2領域211bにおける内面211に対して蓄電デバイス100の周面が傾きにくく、蓄電デバイス100の周面と収納部210の内面211との間で両面粘着テープ800をしっかりと密着させることができ、両面粘着テープ800による強固な接合が可能となる。よって、デバイスホルダ200によって蓄電デバイス100をしっかりと保持することが可能となる。
【0086】
特に、蓄電デバイス100は、正極リード端子140および負極リード端子150により電力を引き出す構造であり、これら正極リード端子140および負極リード端子150は、導電性の細い線材からなり、その強度があまり高くはない。このため、正極リード端子140および負極リード端子150の先端部が第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700に固定された状態で、振動等が生じたときに蓄電デバイス100が動き易いと、正極リード端子140および負極リード端子150が折れたり切断したりし易くなる。上記のようにデバイスホルダ200によって蓄電デバイス100がしっかりと保持されることで、このような正極リード端子140および負極リード端子150の破損を生じにくくすることができる。
【0087】
さらに、両面粘着テープ800は、アクリル系の粘着剤がシート状に形成された構成とされている。よって、アクリル系の粘着剤による高い粘着力により、蓄電デバイス100の周面と収納部210の内面211との間で両面粘着テープ800による強固な接合が可能となる。また、ゴム系の粘着剤と違ってアクリル系の粘着剤は環境劣化が生じにくいので、使用期間の経過に伴って接合力が低下しにくい。さらに、基材を有さない分、両面粘着テープ800を薄くできるので、蓄電デバイス100とデバイスホルダ200との間に一体感が得られやすく、蓄電デバイス100をより動きにくくすることができ、耐振動性を高められ得る。
【0088】
さらに、デバイスホルダ200は、蓄電デバイス100を、収納部210から離脱する方向に動かないように支える一対の爪部215を備えているので、両面粘着テープ800の粘着力(接合力)が経年変化により低下しても、蓄電デバイス100を収納部210内に保持できる。
【0089】
さらに、デバイスホルダ200に保持された各蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150を、これらリード端子140、150の延出方向において、端子ホルダ400に装着された第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700に電気的に接続できるとともに回路基板300に配置された、バランス回路等を含む電気回路部303に電気的に接続することができる。この際、回路基板300と端子ホルダ400の多くの領域が延出方向に重なるようにすることで延出方向と垂直な方向の蓄電モジュール1のサイズをコンパクトにできる。この場合に、回路基板300とデバイスホルダ200との間に端子ホルダ400が配置される構成とされると、これら三者を組み立てた後に正極リード端子140および負極リード端子150と第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700との接合作業を行うためのスペース(たとえば、プロジェクション溶接のための電極棒を挿入するスペース等)として、端子ホルダ400の第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700とその上に重なる回路基板300との間に大きなスペースが必要となり、延出方向の蓄電モジュール1のサイズが大きくなる虞がある。これに対し、本実施の形態では、端子ホルダ400とデバイスホルダ200との間に回路基板300が配置される構成とされているので、回路基板300に配置された電子回路部303等とその上に重なる端子ホルダ400との間のスペースを、前者の構成の場合に必要なスペースに比べて小さくできるので、延出方向の蓄電モジュール1のサイズをコンパクトにすることができる。
【0090】
なお、回路基板300のコネクタ302については、端子ホルダ400の第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700と違って、コネクタ302が占める回路基板300上の領域は小さいため、本実施の形態のように、コネクタ302の領域に対する端子ホルダ400の重なりを避けることで、回路基板300と端子ホルダ400との間に必要なスペースとして、コネクタ302に対して外部からのコネクタを抜き差しするためのスペースを考慮する必要はなくなる。
【0091】
さらに、回路基板300には、正極リード端子140毎および負極リード端子150毎に、これらリード端子140、150が通されるスルーホール301が設けられ、正極リード端子140および負極リード端子150がスルーホール301において電子回路部303と電気的に接続される構成とされているので、正極リード端子140および負極リード端子150を、それらの中間部分において回路基板300の電子回路部303と良好に接続することができる。
【0092】
さらに、4つの蓄電デバイス100は、正極リード端子140および負極リード端子150の延出方向から見たときに、正極リード端子140と負極リード端子150とを結ぶ結び線Lがこれら蓄電デバイス100の配列方向Dに対して傾くとともに、隣り合う2つの蓄電デバイス100における結び線Lが互いに配列方向Dに対して反対側に傾くように、デバイスホルダ200内で配列され保持されているので、回路基板300において、隣り合う蓄電デバイス100の結び線L同士の間に、配列方向Dと垂直な方向に幅の広い領域を確保できる。これにより、回路基板300上で電子回路部303等を構成する電子部品の配置が行いやすくなり、回路基板300の不要なサイズ増加を抑制できる。
【0093】
さらに、回路基板300のスルーホール301の近傍位置に温度センサ304を配置することで、簡素な構成にて、蓄電デバイス100の過熱状態の有無を監視することが可能となる。
【0094】
さらに、端子ホルダ400は、回路基板300ではなく、回路基板300よりも堅牢なデバイスホルダ200に固定されるので、端子ホルダ400を強固に固定することができ、耐振動性の向上が期待できる。
【0095】
さらに、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700は、それぞれ、端子ホルダ400の表面に沿う方向への動きが規制されるように第1端子取付部410、第2端子取付部420および第3端子取付部430に収容され、これら端子取付部410、420、430内に端子固定ネジ930で固定される構成とされているので、振動等により端子固定ネジ930が緩むようなことが生じても、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700が、それぞれ、第1端子取付部410、第2端子取付部420および第3端子取付部430内で動きにくい。よって、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700が動くことで正極リード端子140や負極リード端子150がそれらの接続面521、621、721から外れてしまう、というようなことが生じにくい。
【0096】
さらに、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700は、それらのリード端子接続部520、620、720が、蓄電デバイス100からの正極リード端子140および負極リード端子150の延出方向に沿って延びるような構成とされているので、正極リード端子140および負極リード端子150を、それらの周面を延出方向に長く活用してリード端子接続部520、620、720と接続させることできる。これにより、正極リード端子140および負極リード端子150と、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700との間で安定した接続を行うことができ、4つの蓄電デバイス100による電力を、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700を通じて外部へ安定して供給することが可能となる。また、耐振動性の向上が期待できる。
【0097】
さらに、リード端子接続部520、620、720に突起部522、622、722が形成され、正極リード端子140および負極リード端子150の周面が突起部522、622、722に接合される構成とされているので、正極リード端子140および負極リード端子150の周面に突起部522、622、722の先端部が入り込むことによるアンカー効果が期待され、延出方向における正極リード端子140および負極リード端子150とリード端子接続部520、620、720との接続が強固になることが期待され、耐振動性の向上が期待される。
【0098】
さらに、端子ホルダ400を延出方向から見たとき、各端子挿通孔460が、対応するリード端子接続部520、620、720の突起部522、622、722に重ならない構成とされているので、端子挿通孔460を貫通させた正極リード端子140および負極リード端子150の先端部を突起部522、622、722よりも先まで突き出させる際に、それら先端部が突起部522、622、722に衝突しにくく、正極リード端子140および負極リード端子150移動が妨げられにくい。
【0099】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、また、本発明の適用例も、上記実施の形態の他に、種々の変更が可能である。
【0100】
<変更例1>
図15(a)は、変更例1に係る、デバイスホルダ200の要部拡大図であり、図15(b)は、変更例1に係る、蓄電デバイス100が装着されたデバイスホルダ200の要部拡大図である。
【0101】
図15(a)に示すように、本変更例のデバイスホルダ200では、一対の爪部215の先端部に、収納部210の内側に突出する突起部215aが形成される。図15(b)に示すように、蓄電デバイス100が収納部210に収納されると、一対の爪部215が収納部210に収納された蓄電デバイス100の周面に接するとともに、一対の爪部215よって外側に拡げられるように弾性変形する。これにより、蓄電デバイス100の周面を収納部210の内面211に押しつける力が発生するので、蓄電デバイス100の周面および収納部210の内面211と両面粘着テープ800の馴染みを良くさせることができ、粘着力(接合力)を高めることができる。また、両面粘着テープ800の粘着力および一対の爪部215の突起部215aと蓄電デバイス100の周面との間に働く摩擦力によって、蓄電デバイス100が自重によって収納部210の内面211を滑り落ちていくクリープ現象を発生しにくくさせることができる。
【0102】
<変更例2>
図16(a)は、変更例2に係る、蓄電モジュール2の上部の正面図であり、図16(b)は、変更例2に係る、蓄電モジュール2の上部の正面図である。図17は、変更例2に係る、蓄電モジュール2の上部の分解斜視図である。図18は、変更例2に係る、端子ホルダ400A、第1外部出力端子500A、第2外部出力端子600Aおよび中継接続端子700Aの分解斜視図である。図19(a)は、変更例2に係る、回路基板300Aの平面図であり、図19(b)は、変更例2に係る、回路基板300Aが装着されたデバイスホルダ200Aの平面図である。なお、これら各図面において、上記実施の形態と同じ構成については、同じ符号を付している。
【0103】
本変更例の蓄電モジュール2は、4つの蓄電デバイス100と、上記実施の形態のデバイスホルダ200、回路基板300、端子ホルダ400、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700とは一部の構成が異なるデバイスホルダ200A、回路基板300A、端子ホルダ400A、第1外部出力端子500A、第2外部出力端子600Aおよび中継接続端子700Aと、端子カバー1000とを備える。
【0104】
デバイスホルダ200Aは、4つの収納部210の上方に設けられた取付板220Aの構成が、上記実施の形態のデバイスホルダ200の取付板220の構成と異なる。取付板220Aには、取付板220と同様、左前側の角部、右前側の角部および中央の後部に、取付穴221aを有する取付ボス221が設けられ、中央の後部の取付ボス221の左方と右方とに、取付穴223が形成される。また、取付板220Aには、各収納部210の上方位置にそれぞれ開口部224が形成される。開口部224は、上記実施の形態の開口部222のような形状でなく、後部側が円弧となった形状を有する。さらに、取付板220Aには、左右の角部の取付ボス221の後方に、取付ボス221より大きな四角柱状のナット取付部225が形成される。ナット取付部225と取付ボス221は、2つの連結リブ226で連結されている。右側のナット取付部225は、その一部が右端の開口部224内に僅かに張り出し、左側のナット取付部225は、その一部が左端の開口部224内に僅かに張り出す。ナット取付部225には四角形の凹部225aが形成され、この凹部225aに金属製の四角形のナット227が埋め込まれる。さらに、左側のナット取付部225の右隣には、端子カバー1000を取り付けるための取付ボス228が形成される。取付ボス228は、四角柱状に形成され、取付穴228aを有する。
【0105】
回路基板300Aは、上記実施の形態の回路基板300と、外形の形状が僅かに異なるだけであり、上記実施の形態の回路基板300と同様、4組の一対のスルーホール301と、2つの挿通孔305とを備える。さらに、回路基板300Aには、コネクタ302や電子回路部303が配置される。
【0106】
上記実施の形態の回路基板300とは異なり、本変更例の回路基板300Aでは、左から2組目の一対のスルーホール301における一方のスルーホール301の近傍のみに温度センサ304が配置されている。このように、本変更例では、熱のこもりやすい中央部の蓄電デバイス100の過熱状態の有無を温度センサ304により監視することで、4つの蓄電デバイス100の過熱状態の有無を監視するようにしている。これにより、温度センサ304の個数を減らすことができる。温度センサ304は、回路基板300Aの表面(上面)でなく、裏面(下面)に配置されてもよい。また、全てあるいは何れか1つの蓄電デバイス100に対応して温度センサ304が配置されるような構成の他、何れか2つあるいは3つの蓄電デバイス100に対応して温度センサ304が配置されるような構成が採られてもよい。
【0107】
図19(b)に示すように、回路基板300Aがデバイスホルダ200Aの取付板220Aに装着された状態において、回路基板300Aは、その左右両端部300aの後部が左右のナット取付部225の内側の側面225bとほぼ接する状態となる。これにより、回路基板300Aは、その左右両側を十分にガードされた状態となるので、基板固定ネジ910で回路基板300Aを取付板220Aへ締め付け固定した際に、その締付トルクで回路基板300Aが回転して取付板220A上で傾いてしまう、というようなことが生じにくい。
【0108】
端子ホルダ400Aは、上記実施の形態の端子ホルダ400と同様、第3取付穴431を有する3つの第3端子取付部430と、3つの挿通孔450と、4組の一対の端子挿通孔460を備える。また、端子ホルダ400Aは、上記実施の形態の端子ホルダ400の第1端子取付部410および第2端子取付部420と、それぞれ構成が異なる第1端子取付部470および第2端子取付部480を備える。第1端子取付部470には、上記実施の形態の第1端子取付部410の第1取付穴412と同様の第1取付穴472が形成されるが凹部411が形成されず、凹部411に替わって固定ボルト940が通される第1挿通孔471が形成される。また、第2端子取付部480には、上記実施の形態の第2端子取付部420の第2取付穴422と同様の第2取付穴482が形成されるが凹部421が形成されず、凹部421に替わって固定ボルト940が通される第2挿通孔481が形成される。さらに、第1端子取付部470および第2端子取付部480の深さは、第3端子取付部430の深さより大きく、たとえば、約2倍の深さとされ得る。
【0109】
第1外部出力端子500Aは、上記実施の形態の第1外部出力端子500の外部接続端子部510、リード端子接続部520、第1固定部530、第2固定部540および段差部560の構成とほぼ同様な構成の外部接続端子部515、リード端子接続部525、第1固定部535、第2固定部545および段差部565を含む。また、第1外部出力端子500Aは、上記実施の形態の第1外部出力端子500の連結端子部550とは形状が異なり、その先端部が円弧状に形成された連結端子部555を含む。外部接続端子部515には挿通孔516が形成され、第1固定部535には挿通孔536が形成され、第2固定部545には挿通孔546が形成され、連結端子部555には挿通孔556が形成される。また、リード端子接続部525には、その接続面526に突起部527が形成される。
【0110】
第2外部出力端子600Aは、上記実施の形態の第2外部出力端子600の外部接続端子部610、リード端子接続部620、第1固定部630および第2固定部640の構成とほぼ同様な構成の外部接続端子部615、リード端子接続部625、第1固定部635および第2固定部645を含む。外部接続端子部615には挿通孔616が形成され、第1固定部635には挿通孔636が形成され、第2固定部645には挿通孔646が形成される。また、リード端子接続部625には、その接続面626に突起部627が形成される。
【0111】
各中継接続端子700Aは、端子本体部715と、2つのリード端子接続部725とを含む。端子本体部715は、上記実施の形態の中継接続端子700の端子本体部710と同様、挿通孔717を有する固定部716を含むが、固定部716の右側と左側の部位の前後方向の幅が、端子本体部710における固定部711の右側と左側の部位の前後方向の幅より大きくされている。リード端子接続部725の構成は、上記実施の形態の中継接続端子700のリード端子接続部720の構成とほぼ同様であり、その接続面726に突起部727が形成される。
【0112】
端子ホルダ400Aにおいて、第1外部出力端子500A、第2外部出力端子600Aおよび3つの中継接続端子700Aは、端子固定ネジ930によって、それぞれ、第1端子取付部470、第2端子取付部480および3つの第3端子取付部430に固定される。第1外部出力端子500Aの外部接続端子部515における挿通孔516が第1端子取付部470の第1挿通孔471に整合し、第2外部出力端子600Aの外部接続端子部615における挿通孔616が第2端子取付部480の第2挿通孔481に整合する。第1外部出力端子500Aの連結端子部555は、第1外部出力端子500Aと第2外部出力端子600Aとが並ぶ方向(左右方向)において、端子ホルダ400Aの外側(右側)に突出した状態となる。なお、第1端子取付部470、第2端子取付部480および第3端子取付部430にそれぞれ嵌り込んだ第1外部出力端子500A、第2外部出力端子600Aおよび中継接続端子700Aは、前後左右方向への動きが規制され、端子固定ネジ930を締め付ける際や端子固定ネジ930が緩んだ際に前後左右方向に動きにくい。
【0113】
ここで、第1外部出力端子500Aおよび第2外部出力端子600Aは、それら厚みが、上記実施の形態の第1外部出力端子500および第2外部出力端子600の厚みよりも大きく、たとえば、約2倍の厚さとされる。中継接続端子700Aの厚みは、上記実施の形態の中継接続端子700と同じであるため、第1外部出力端子500Aおよび第2外部出力端子600Aの厚みは、中継接続端子700Aの厚みよりも大きくなる。これにより、第1外部出力端子500Aおよび第2外部出力端子600Aは、その強度が高くなるため、固定ボルト940を用いて、第1外部出力端子500Aおよび第2外部出力端子600Aに、それぞれに対応する外部端子を締め付け固定したとき、第1外部出力端子500Aおよび第2外部出力端子600Aに破損等が生じにくくなる。
【0114】
端子カバー1000は、端子ホルダ400Aおよび回路基板300Aを上方から覆うカバー本体1100と、カバー本体1100の前縁から垂下し、端子ホルダ400Aおよび回路基板300Aを前方から覆う前面板1200とを含む。カバー本体1100は、右端部の後部が第1外部出力端子500Aの外部接続端子部515を覆わないように内側に凹み、左端部の後部が第2外部出力端子600Aの外部接続端子部615を覆わないように内側に凹み、前端部の中央部が回路基板300Aのコネクタ302を覆わないように内側に凹む。前面板1200は、コネクタ302に対応する部分には形成されていない。
【0115】
カバー本体1100には、左右両端部の前部に、挿通孔1111を有する第1取付タブ1110が設けられ、後端部の左端に、挿通孔1121を有する第2取付タブ1120が設けられる。また、カバー本体1100の上面には、右端の位置に第1外部出力端子500Aの極性を表すプラスマーク1131が形成され、左端の位置に第2外部出力端子600Aの極性を表すマイナスマーク1132が形成される。
【0116】
蓄電モジュール2を組み立てる際には、まず、4つの蓄電デバイス100が、デバイスホルダ200Aに装着される。各蓄電デバイス100の周方向の角度は、上記実施の形態と同様である。各蓄電デバイス100の周面と各収納部210の内面とが両面粘着テープ800で接合される。
【0117】
次に、デバイスホルダ200Aの取付板220Aに、基板固定ネジ910によって回路基板300Aが固定される。この際、各蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150が、対応する一対のスルーホール301に通され、半田付けによって一対のスルーホール301に電気的に接続される。
【0118】
次に、第1外部出力端子500A、第2外部出力端子600Aおよび3つの中継接続端子700Aが装着された端子ホルダ400Aが、デバイスホルダ200Aの取付板220Aに、ホルダ固定ネジ920によって固定される。このとき、取付板220Aの中央後部の取付ボス221のみにホルダ固定ネジ920が止められ、右端と左端の取付ボス221には未だホルダ固定ネジ920が止められない。
【0119】
端子ホルダ400Aが取付板220Aの上に固定されると、ナット227が収容された左右両側のナット取付部225の凹部225aが端子ホルダ400Aで塞がれる。端子ホルダ400Aの第1挿通孔471が、右側のナット227のボルト孔227aと整合し、端子ホルダ400Aの第2挿通孔481が、左側のナット227のボルト孔227aと整合する。
【0120】
各蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150は、対応する一対の端子挿通孔460に通され、それらの先端部が、端子ホルダ400Aの表面(上面)から上方に延び出す。第1外部出力端子500A、第2外部出力端子600Aおよび中継接続端子700Aにおける各リード端子接続部525、625、725の接続面526、626、726は、対応する正極リード端子140および負極リード端子150の先端部の延出方向に沿っており、このため、それら接続面526、626、726の突起部527、627、727が、対応する正極リード端子140および負極リード端子150の先端部に近接する状態となる。本変更例においても、正極リード端子140および負極リード端子150の延出方向から見たときに、各突起部527、627、727が、対応する端子挿通孔460に重ならない。このため、正極リード端子140および負極リード端子150の先端部を突起部522、622、722よりも上方まで突き出させる際に、正極リード端子140および負極リード端子150の移動が突起部522、622、722によって妨げられにくい。
【0121】
このようにして、図16(b)に示すように、蓄電モジュール2が、端子ホルダ400Aおよび回路基板300Aが端子カバー1000で覆われる前の状態まで組み立てられる。その後、上記実施の形態と同様、プロジェクション溶接により、正極リード端子140および負極リード端子150が、対応するリード端子接続部525、625、725に接続固定される。
【0122】
最後に、端子ホルダ400Aおよび回路基板300Aが端子カバー1000で覆われる。ホルダ固定ネジ920が、端子カバー1000の右側の第1取付タブ1110の挿通孔1111と、第1外部出力端子500Aの第1固定部535の挿通孔536と、端子ホルダ400Aの右側の挿通孔450との三者に通された後、取付板220Aの右端の取付ボス221に止められる。同様に、ホルダ固定ネジ920が、端子カバー1000の左側の第1取付タブ1110の挿通孔1111と、第2外部出力端子600Aの第1固定部635の挿通孔636と、端子ホルダ400Aの左側の挿通孔450との三者に通された後、取付板220Aの左端の取付ボス221に止められる。これにより、端子ホルダ400Aの左右の両端部が取付板220Aに固定される。また、端子カバー1000が端子ホルダ400に固定される。さらに、第1外部出力端子500Aおよび第2外部出力端子600Bが、ホルダ固定ネジ920によっても端子ホルダ400Aに固定されることとなる。なお、端子カバー1000は、カバー固定ネジ950が第2取付タブ1120の挿通孔1121を通され取付ボス228に止められることによって、取付板220Aにも固定される。
【0123】
このようにして、図16(a)に示すように、蓄電モジュール2が完成する。第1外部出力端子500Aの外部接続端子部515、第2外部出力端子600Aの外部接続端子部615および回路基板300Aのコネクタ302は、端子カバー1000によって覆われず、外部に露出する。外部機器からの正極側の外部端子が、外部接続端子部515に固定ボルト940によって接続され、外部機器からの負極側の外部端子が外部接続端子部615に固定ボルト940によって接続される。このとき、第1外部出力端子500A側の固定ボルト940は、端子ホルダ400Aの第1挿通孔471を通されて取付板220Aの右側のナット227に締結され、第2外部出力端子600A側の固定ボルト940は、端子ホルダ400Aの第2挿通孔481を通されて取付板220Aの左側のナット227に締結される。
【0124】
上記実施の形態では、端子ホルダ400に設けた凹部411、421内にナット440を装着し、開放した状態の凹部411、421の上方に直接、第1外部出力端子500や第2外部出力端子600を取り付ける構成とした。これに対し、本変更例では、デバイスホルダ200A(取付板220A)のナット取付部225に設けた凹部225a内にナット227を装着し、その凹部225aを端子ホルダ400Aで塞ぐようにして、凹部225aの上方に端子ホルダ400Aを介して第1外部出力端子500Aや第2外部出力端子600Aを配置する構成としている。このため、凹部225aに装着されたナット227は、その上面が端子ホルダ400Aで押さえられ、ナット取付部225と端子ホルダ400Aとによって強固に保持されることになる。よって、固定ボルト940とナット227との間の締付強度を高くできるので、第1外部出力端子500Aや第2外部出力端子600Aと外部端子とを強固に締結することが可能となる。
【0125】
本変更例においても、上記実施の形態と同様、複数の蓄電モジュール2を組み合わせることによって蓄電ユニットを構成することができる。この場合、一方の蓄電モジュール2の第1外部出力端子500Aの連結端子部555が、他方の蓄電モジュール2の第2外部出力端子600Aの外部接続端子部615に上方から重ねられ、固定ボルト940で固定される。また、一方の蓄電モジュール2の第1連結部230と他方の蓄電モジュール2の第2連結部240とが連結部材20で連結される。
【0126】
本変更例の蓄電モジュール2および複数の蓄電モジュール2により構成される蓄電ユニットにおいても、上記実施の形態の蓄電モジュール1および蓄電ユニット10と同様な作用効果を奏することができる。
【0127】
<変更例3>
図20(a)は、変更例3に係る、正極リード端子140および負極リード端子150が通された状態の回路基板300Bの平面図である。
【0128】
上記実施の形態の回路基板300または上記変更例2の回路基板300Aに替えて、本変更例の回路基板300Bを用いることができる。なお、図20(a)では、本変更例の回路基板300Bにおいて、回路基板300および回路基板300Aと同じ構成については、同じ符号が付されている。
【0129】
本変更例において、バランス抵抗311、312が、請求の範囲に記載の「発熱素子」に対応する。また、正極リード端子140が、請求の範囲に記載の「一方のリード端子」に対応し、負極リード端子150が請求の範囲に記載の「他方のリード端子」に対応に対応する。
【0130】
回路基板300Bには、各一対のスルーホール301の周囲に、各蓄電デバイス100に対応するように、電子回路部である電圧検出・バランス調整回路310(以下、「バランス調整回路310」と略す)が設けられる。バランス調整回路310は、並列接続された2つのバランス抵抗311、312を含み、そのバランス調整回路310に対応する蓄電デバイス100の電圧が高い場合に、2つのバランス抵抗311、312に電流を流し、その蓄電デバイス100の電圧を低下させる。このように、各バランス調整回路310によって各蓄電デバイス100の電圧が調整されることで、各蓄電デバイス100間での電圧バランスが維持される。
【0131】
回路基板300Bには、上記変更例2の回路基板300Aと同様、左から2組目の一対のスルーホール301における一方のスルーホール301の近傍のみに温度センサ304が配置される。温度センサ304は、一方のスルーホール301に通された正極リード端子140の温度を検出する。これにより、左から2番目の蓄電デバイス100の過熱状態が監視され、以て、4つの蓄電デバイス100の過熱状態が監視される。
【0132】
ここで、バランス抵抗311、312に電流が流れた場合、バランス抵抗311、312が発熱する。本変更例では、左から2番目のバランス調整回路310において、温度センサ304により温度が検出される正極リード端子140とバランス抵抗311、312との距離D1、D2が、その正極リード端子140と温度センサ304との距離D3よりも大きくされる。このため、バランス抵抗311、312の発熱が正極リード端子140および温度センサ304に及びにくい。よって、正極リード端子140、即ち蓄電デバイス100の温度を温度センサ304により正確に測定することが可能となる。
【0133】
なお、本変更例では、各バランス抵抗311、312の耐電力の関係から、一つのバランス回路310に2つのバランス抵抗311、312が設けられているが、一つのバランス回路310に耐電力が大きなバランス抵抗が1つだけ設けられるようにしてもよい。
【0134】
図20(b)は、変更例3に係る、回路基板300Bの他の構成例を示す図である。
【0135】
左から2番目の、温度センサ304により温度が監視される蓄電デバイス100に対応するバランス回路310において、バランス抵抗311、312の配置を、図20(b)の構成例のように変更できる。即ち、この構成例では、2つのバランス抵抗311、312が、回路基板300Bにおいて、正極リード端子140と負極リード端子150とを通る線L1上であって負極リード端子150に対して正極リード端子140と反対側に配置される。
【0136】
このような構成とされた場合、バランス抵抗311、312から正極リード端子140へ向かう熱が負極リード端子150により遮られるので、正極リード端子140に、バランス抵抗311、312の発熱がより一層及びにくくなる。
【0137】
なお、本構成例において、2つのバランス抵抗311、312のうち、何れか一方のみが、正極リード端子140と負極リード端子150とを通る線L1上であって負極リード端子150に対して正極リード端子140と反対側に配置されるようにされてもよい。
【0138】
本変更例では、温度センサ304による温度検出対象が正極リード端子140であったが、これに替えて、負極リード端子150が温度検出対象となってもよい。この場合は、負極リード端子150とバランス抵抗311、312との距離が、負極リード端子150と温度センサ304との距離よりも大きくされる。さらに、本変更例において、バランス回路310にバランス抵抗311、312以外の発熱素子が含まれる場合、その発熱素子と温度検出対象のリード端子140、150との距離が、温度センサ304と温度検出対象のリード端子140、150との距離よりも大きくされる構成が採られてもよい。
【0139】
また、本変更例では、回路基板300において、正極リード端子140に近接するように温度センサ304が配置されたが、正極リード端子140と負極リード端子150のそれぞれから等しい距離に温度センサ304が配置されてもよい。この場合、正極リード端子140と負極リード端子150の温度が温度センサ304によって検出される。また、バランス抵抗311、312から正極リード端子140と負極リード端子150との何れの距離も正極リード端子140と負極リード端子150と温度センサ304との何れの距離よりも大きくされる。
【0140】
<変更例4>
図21(a)は、変更例4に係る、蓄電デバイス100が装着されたデバイスホルダ200の下部の正面図であり、図21(b)は、変更例4に係る、蓄電デバイス100が装着されたデバイスホルダ200の底面図である。
【0141】
図21(a)および(b)に示すように、本変更例のデバイスホルダ200では、各収納部210を補強するため、各収納部210の底面にU字状のリブ216が形成される。収納部210に収納された蓄電デバイス100の底面とリブとの間には、隙間C1が設けられる。これにより、経年劣化により蓄電デバイス100の内部でガスが発生して内圧が高まり、蓄電デバイス100の底面が下方に膨らむようなことが生じても、隙間C1により膨らみを吸収できるので、膨らんだ蓄電デバイス100の底面でリブ216が押されにくく、リブ216に破損等が生じにくい。
【0142】
<その他の変更例>
上記実施の形態では、第1外部出力端子500の外部接続端子部510と連結端子部550との間に段差部560が設けられているが、外部接続端子部510と連結端子部550との端子ホルダ400上での高さが等しくされることにより、段差部560がなくされてもよい。この場合、第2外部出力端子600の外部接続端子部610の端子ホルダ400上での高さは、外部接続端子部510の高さよりも連結端子部550の厚み分低くされる。これにより、連結端子部550の下面と外部接続端子部610の上面とは上下方向において同じ高さ位置となる。
【0143】
また、蓄電モジュール1が、外部端子と強固な接続が求められない環境下において使用されるものであるような場合には、第1外部出力端子500に外部接続端子部510が設けられず、連結端子部550に外部端子が接続される構成とされてもよい。
【0144】
さらに、上記本実施の形態において、第1外部出力端子500の連結端子部550は、第1外部出力端子500と第2外部出力端子600とが並ぶ方向において端子ホルダ400の外側に突出した状態であるが、第1外部出力端子500と第2外部出力端子600とが並ぶ方向と垂直な方向(前後方向)において突出していてもよい。この場合、第1蓄電モジュール1Aと第2蓄電モジュール1Bとで蓄電ユニット10を構成するときには、たとえば、第1蓄電モジュール1Aの第1外部出力端子500と第2蓄電モジュール1Bの第2外部出力端子600とが隣接するように第1蓄電モジュール1Aと第2蓄電モジュール1Bとが前後方向に並べられる。
【0145】
さらに、上記実施の形態では、蓄電デバイス100の容器110は円筒状とされたが、四角筒状など、他の形状としてもよい。
【0146】
さらに、上記実施の形態では、蓄電モジュール1に4つの蓄電デバイス100が用いられたが、これに限られることなく、1個の場合も含め、その他の個数の蓄電デバイス100が蓄電モジュール1に用いられてもよい。また、蓄電モジュール1は、これら複数個の蓄電デバイス100が、直列接続されるのではなく、並列接続される構成であってもよい。
【0147】
さらに、上記実施の形態では、第1外部出力端子500が正極側の出力端子とされ、第2外部出力端子600が負極側の出力端子とされた。しかしながら、これとは反対に、第1外部出力端子500が負極側の出力端子とされ、第2外部出力端子600が正極側の出力端子とされてもよい。この場合、蓄電デバイス100は、正極リード端子140および負極リード端子150が上記実施の形態と反対となる向きで、デバイスホルダ200に保持される。
【0148】
さらに、上記実施の形態では、端子ホルダ400は、デバイスホルダ200と別体に設けられ、ホルダ固定ネジ920によりデバイスホルダ200に固定され、デバイスホルダ200と一体化された。しかしながら、デバイスホルダ200と端子ホルダ400とは、一体形成により一体化されていてもよい。
【0149】
さらに、上記実施の形態では、第2外部出力端子600は完全に端子ホルダ400の内側に設けられているが、接続を妨げない部分においては、端子ホルダ400から突出していてもよい。
【0150】
さらに、上記実施の形態では、デバイスホルダ200の収納部210の内面211の第1領域211aにおいては、これに対面する蓄電デバイス100の周面に絞り部111が形成されているとともにその周辺部分112が膨らんでおり、両面粘着テープ800の粘着力が十分に発揮されにくいため、両面粘着テープ800による収納部210の内面211(半円弧面212)と蓄電デバイス100の周面との接合が行われていない。しかしながら、蓄電デバイス100をより強固に収納部210に固定する必要があれば、第1領域211aにおいても、両面粘着テープ800による接合が行われてもよい。
【0151】
また、上記実施の形態では、両面粘着テープ800は、アクリル系の粘着剤がシート状に形成された構成を有し、基材が含まれないものとされた。しかしながら、このような構成の両面粘着テープ800が用いられることが望ましいものの、蓄電デバイス100とデバイスホルダ200の収納部210との間に十分な強度の接合力が得られるのであれば、両面粘着テープ800に、アクリル系以外の粘着剤、たとえば、シリコーン系やゴム系の粘着剤が使用されていてもよいし、基材が含まれていてもよい。
【0152】
さらに、上記実施の形態では、蓄電デバイス100は、正極リード端子140および負極リード端子150により電力を引き出すような構造とされたが、板状の正極端子や負極端子により電力を引き出すような構造とされてもよい。
【0153】
さらに、上記の実施の形態では、デバイスホルダ200の収納部210は、蓄電デバイス100のほぼ全体が収納される構成とされたが、蓄電デバイス100の少なくとも一部が収納される構成であればよい。
【0154】
上記実施の形態では、正極リード端子140および負極リード端子150と、対応するリード端子接続部520、620、720とがプロジェクション溶接により接合された。しかしながら、正極リード端子140および負極リード端子150と、対応するリード端子接続部520、620、720とがプロジェクション溶接以外の溶接により固定接続されてもよく、溶接以外の接合方法により接続固定されてもよい。同様に、上記変更例2の構成において、正極リード端子140および負極リード端子150とリード端子接続部525、625、725とがプロジェクション溶接以外の溶接により固定接続されてもよく、溶接以外の接合方法により接続固定されてもよい。
【0155】
さらに、上記実施の形態では、内側に金属のメッキがなされたスルーホール301が回路基板300に形成された。しかしながら、内側に金属のメッキがなされないスルーホールが回路基板300に形成され、回路基板300の表面におけるスルーホールの周囲に半田付けのためのランドが形成されるような構成が採られてもよい。
【0156】
さらに、上記変更例1では、一対の爪部215に突起部215aが設けられたが、これに限らず、一対の爪部215を、蓄電デバイス100の周面の曲率よりも小さな曲率で湾曲させるようにすることによって、収納部210に収納された蓄電デバイス100の周面によって外側に拡げられるよう一対の爪部215を弾性変形させ、蓄電デバイス100の周面を収納部210の内面211に押しつける力を発生させるようにしてもよい。
【0157】
この他、本発明の実施の形態は、請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【0158】
なお、上記実施の形態の説明において「上方」「下方」等の方向を示す用語は、構成部材の相対的な位置関係にのみ依存する相対的な方向を示すものであり、鉛直方向、水平方向等の絶対的な方向を示すものではない。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明は、各種電子機器、電気機器、産業機器、車両の電装等に使用される蓄電モジュールおよび蓄電ユニットに有用である。
【符号の説明】
【0160】
1 蓄電モジュール
1A 第1蓄電モジュール(第1の蓄電モジュール)
1B 第2蓄電モジュール(第2の蓄電モジュール)
10 蓄電ユニット
20 連結部材
100 蓄電デバイス
110 容器
111 絞り部
120 デバイス素子
130 封口体
140 正極リード端子(リード端子)
150 負極リード端子(リード端子)
200 デバイスホルダ(デバイス保持部)
210 収納部
211 内面
211a 第1領域
211b 第2領域
214 段差
215 一対の爪部(支え部)
230 第1連結部(第1の連結部)
240 第2連結部(第2の連結部)
300 回路基板
301 スルーホール(貫通孔)
303 電子回路部
304 温度センサ
400 端子ホルダ(端子装着部)
410 第1端子取付部(第1の収容部)
420 第2端子取付部(第2の収容部)
440 ナット
460 端子挿通孔(挿通部)
500 第1外部出力端子(第1の出力端子、接続端子)
510 外部接続端子部(第3の端子部)
511 挿通孔
520 リード端子接続部(端子接続部)
522 突起部
550 連結端子部(第1の端子部)
560 段差部
600 第2外部出力端子(第2の出力端子、接続端子)
610 外部接続端子部(第2の端子部)
611 挿通孔
620 リード端子接続部(端子接続部)
622 突起部
700 中継接続端子(接続端子)
720 リード端子接続部(端子接続部)
800 両面粘着テープ(接合材)
S1 収納空間
S2 収納空間
930 端子固定ネジ(第1の固定具、第2の固定具)
940 固定ボルト
C 隙間
L 結び線
D 配列方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
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