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特許7249570管理システム、管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】管理システム、管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20230324BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20230324BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20230324BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20230324BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
G06Q10/20
G08B21/00 A
G08B25/10 A
G08B25/04 H
H04Q9/00 311J
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018226080
(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2020087371
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀晃
(72)【発明者】
【氏名】珍坂 舞
(72)【発明者】
【氏名】田中 敬一
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-203309(JP,A)
【文献】特開2017-076331(JP,A)
【文献】特開2013-069044(JP,A)
【文献】特開2008-009990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G08B 21/00
G08B 25/10
G08B 25/04
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の電気機器の各々から動作状態に関する機器情報を取得する取得部と、
複数の前記電気機器の各々の保守作業に関する保守計画を記憶する記憶部と、
前記取得部が複数の前記電気機器の各々から取得した前記機器情報に含まれる、複数の前記電気機器の各々において異常が発生しているか否かを示す第1情報および前記異常の前駆症状に関する第2情報の少なくとも一方に基づいて、前記保守計画に含まれる前記保守作業の内容および前記保守作業の実施時期のうち少なくとも一方を更新可能な保守計画作成部と、
前記保守計画と、前記複数の設置場所を訪問する訪問計画とに基づいて、前記複数の設置場所のうち訪問先の設置場所で行う作業内容を指示する指示情報を作成する指示情報作成部と、
前記指示情報作成部が作成した前記指示情報を通知する通知部と、を備え、
複数の前記電気機器は、防災の対象となる事象を検知する検知器と家電機器を含む、
管理システム。
【請求項2】
複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の電気機器の各々から動作状態に関する機器情報を取得する取得部と、
複数の前記電気機器の各々の保守作業に関する保守計画を記憶する記憶部と、
前記取得部が複数の前記電気機器の各々から取得した前記機器情報に含まれる、複数の前記電気機器の各々において異常が発生しているか否かを示す第1情報および前記異常の前駆症状に関する第2情報の少なくとも一方に基づいて、前記保守計画に含まれる前記保守作業の内容および前記保守作業の実施時期のうち少なくとも一方を更新可能な保守計画作成部と、
前記保守計画と、前記複数の設置場所を訪問する訪問計画とに基づいて、前記複数の設置場所のうち訪問先の設置場所で行う作業内容を指示する指示情報を作成する指示情報作成部と、
前記指示情報作成部が作成した前記指示情報を通知する通知部と、を備え、
前記電気機器は、自機の異常を検知すると前記機器情報として異常発生情報を出力し、
前記取得部が前記異常発生情報を取得すると、前記指示情報作成部は、前記異常発生情報を出力した前記電気機器の点検を指示する前記指示情報を作成する、
管理システム。
【請求項3】
前記取得部は、複数の前記電気機器の各々に、前記機器情報の送信を要求する要求信号を定期的に出力する、
請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記電気機器は、自機の異常を検知すると前記機器情報として異常発生情報を出力し、
前記取得部が前記異常発生情報を取得すると、前記指示情報作成部は、前記異常発生情報を出力した前記電気機器の点検を指示する前記指示情報を作成する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項5】
前記取得部は、前記電気機器から中継器を介して前記機器情報を取得する、
請求項1~4のいずれかに記載の管理システム。
【請求項6】
前記複数の設置場所のうち1の設置場所に複数の前記電気機器が設置されている場合、前記指示情報作成部は、前記1の設置場所に設置された複数の前記電気機器から、前記機器情報の内容に基づいて選択した通知対象の前記電気機器について、前記指示情報を作成する、
請求項1~5のいずれかに記載の管理システム。
【請求項7】
前記指示情報作成部は、前記電気機器の使用履歴に関する履歴情報に基づいて前記指示情報を作成する、
請求項1~6のいずれかに記載の管理システム。
【請求項8】
前記複数の設置場所のうち2以上の設置場所で、前記2以上の設置場所に設置された前記電気機器に対する作業が必要になった場合、前記指示情報作成部は、前記2以上の設置場所に設置された前記電気機器にそれぞれ対応する2以上の前記指示情報に対して優先順位を設定し、
前記通知部は、前記2以上の指示情報と、前記2以上の指示情報に対して設定した優先順位とを、前記2以上の設置場所で作業を行う作業主体に通知する、
請求項1~7のいずれかに記載の管理システム。
【請求項9】
前記通知部が複数の作業主体に対して前記指示情報を通知する場合、前記通知部は、前記複数の作業主体での作業内容が均等になるように前記複数の作業主体から選択された作業主体に対して前記指示情報を通知する、
請求項1~8のいずれかに記載の管理システム。
【請求項10】
コンピュータシステムが実行する管理方法であって、
複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の電気機器の各々から動作状態に関する機器情報を取得する取得処理と、
複数の前記電気機器の各々の保守作業に関する保守計画を記憶部に記憶させる記憶処理と、
前記取得処理で複数の前記電気機器の各々から取得した前記機器情報に含まれる、複数の前記電気機器の各々において異常が発生しているか否かを示す第1情報および前記異常の前駆症状に関する第2情報の少なくとも一方に基づいて、前記保守計画に含まれる前記保守作業の内容および前記保守作業の実施時期のうち少なくとも一方を更新する保守計画作成処理と、
前記保守計画と、前記複数の設置場所を訪問する訪問計画とに基づいて、前記複数の設置場所のうち訪問先の設置場所で行う作業内容を指示する指示情報を作成する指示情報作成処理と、
前記指示情報作成処理で作成した前記指示情報を通知する通知処理と、を含み、
複数の前記電気機器は、防災の対象となる事象を検知する検知器と家電機器を含む、
管理方法。
【請求項11】
コンピュータシステムが実行する管理方法であって、
複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の電気機器の各々から動作状態に関する機器情報を取得する取得処理と、
複数の前記電気機器の各々の保守作業に関する保守計画を記憶部に記憶させる記憶処理と、
前記取得処理で複数の前記電気機器の各々から取得した前記機器情報に含まれる、複数の前記電気機器の各々において異常が発生しているか否かを示す第1情報および前記異常の前駆症状に関する第2情報の少なくとも一方に基づいて、前記保守計画に含まれる前記保守作業の内容および前記保守作業の実施時期のうち少なくとも一方を更新する保守計画作成処理と、
前記保守計画と、前記複数の設置場所を訪問する訪問計画とに基づいて、前記複数の設置場所のうち訪問先の設置場所で行う作業内容を指示する指示情報を作成する指示情報作成処理と、
前記指示情報作成処理で作成した前記指示情報を通知する通知処理と、を含み、
前記電気機器は、自機の異常を検知すると前記機器情報として異常発生情報を出力し、
前記取得処理で前記異常発生情報を取得すると、前記指示情報作成処理で、前記異常発生情報を出力した前記電気機器の点検を指示する前記指示情報を作成する、
管理方法。
【請求項12】
コンピュータシステムに、
請求項10又は11に記載の管理方法を実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理システム、管理方法、及びプログラムに関する。より詳細には、本開示は、複数の電気機器の動作状態を管理する管理システム、管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として、特許文献1に記載の火災警報器(電気機器)を例示する。この火災警報器は、動作時間のカウントが火災警報器の交換時期に達したことを検出すると、表示音や音声によって警報を行う警報部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-87883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された火災警報器では、当該火災警報器の動作時間が交換時期に達すると、警報部が警報を発しているが、火災警報器のユーザが警報に気付かなければ、火災警報器が交換されない可能性があった。
【0005】
本開示の目的は、電気機器の保守作業のし忘れを抑制可能な管理システム、管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の管理システムは、取得部と、記憶部と、保守計画作成部と、指示情報作成部と、通知部と、を備える。前記取得部は、複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の電気機器の各々から動作状態に関する機器情報を取得する。前記記憶部は、複数の前記電気機器の各々の保守作業に関する保守計画を記憶する。前記保守計画作成部は、前記取得部が複数の前記電気機器の各々から取得した前記機器情報に含まれる、複数の前記電気機器の各々において異常が発生しているか否かを示す第1情報および前記異常の前駆症状に関する第2情報の少なくとも一方に基づいて、前記保守計画に含まれる前記保守作業の内容および前記保守作業の実施時期のうち少なくとも一方を更新可能である。前記指示情報作成部は、前記保守計画と、前記複数の設置場所を訪問する訪問計画とに基づいて、前記複数の設置場所のうち訪問先の設置場所で行う作業内容を指示する指示情報を作成する。前記通知部は、前記指示情報作成部が作成した前記指示情報を通知する。複数の前記電気機器は、防災の対象となる事象を検知する検知器と家電機器を含む。
本開示の一態様の管理システムは、取得部と、記憶部と、保守計画作成部と、指示情報作成部と、通知部と、を備える。前記取得部は、複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の電気機器の各々から動作状態に関する機器情報を取得する。前記記憶部は、複数の前記電気機器の各々の保守作業に関する保守計画を記憶する。前記保守計画作成部は、前記取得部が複数の前記電気機器の各々から取得した前記機器情報に含まれる、複数の前記電気機器の各々において異常が発生しているか否かを示す第1情報および前記異常の前駆症状に関する第2情報の少なくとも一方に基づいて、前記保守計画に含まれる前記保守作業の内容および前記保守作業の実施時期のうち少なくとも一方を更新可能である。前記指示情報作成部は、前記保守計画と、前記複数の設置場所を訪問する訪問計画とに基づいて、前記複数の設置場所のうち訪問先の設置場所で行う作業内容を指示する指示情報を作成する。前記通知部は、前記指示情報作成部が作成した前記指示情報を通知する。前記電気機器は、自機の異常を検知すると前記機器情報として異常発生情報を出力する。前記取得部が前記異常発生情報を取得すると、前記指示情報作成部は、前記異常発生情報を出力した前記電気機器の点検を指示する前記指示情報を作成する。
【0007】
本開示の一態様の管理方法は、コンピュータシステムが実行する管理方法であり、取得処理と、記憶処理と、保守計画作成処理と、指示情報作成処理と、通知処理と、を含む。前記取得処理では、複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の電気機器の各々から動作状態に関する機器情報を取得する。前記記憶処理では、複数の前記電気機器の各々の保守作業に関する保守計画を記憶部に記憶させる。前記保守計画作成処理では、前記取得処理で複数の前記電気機器の各々から取得した前記機器情報に含まれる、複数の前記電気機器の各々において異常が発生しているか否かを示す第1情報および前記異常の前駆症状に関する第2情報の少なくとも一方に基づいて、前記保守計画に含まれる前記保守作業の内容および前記保守作業の実施時期のうち少なくとも一方を更新する。前記通知処理では、前記指示情報作成処理で作成した前記指示情報を通知する。複数の前記電気機器は、防災の対象となる事象を検知する検知器と家電機器を含む。
本開示の一態様の管理方法は、コンピュータシステムが実行する管理方法であり、取得処理と、記憶処理と、保守計画作成処理と、指示情報作成処理と、通知処理と、を含む。前記取得処理では、複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の電気機器の各々から動作状態に関する機器情報を取得する。前記記憶処理では、複数の前記電気機器の各々の保守作業に関する保守計画を記憶部に記憶させる。前記保守計画作成処理では、前記取得処理で複数の前記電気機器の各々から取得した前記機器情報に含まれる、複数の前記電気機器の各々において異常が発生しているか否かを示す第1情報および前記異常の前駆症状に関する第2情報の少なくとも一方に基づいて、前記保守計画に含まれる前記保守作業の内容および前記保守作業の実施時期のうち少なくとも一方を更新する。前記通知処理では、前記指示情報作成処理で作成した前記指示情報を通知する。前記電気機器は、自機の異常を検知すると前記機器情報として異常発生情報を出力する。前記取得処理で前記異常発生情報を取得すると、前記指示情報作成処理で、前記異常発生情報を出力した前記電気機器の点検を指示する前記指示情報を作成する。
【0008】
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータシステムに、上記管理方法を実行させるためのプログラムである
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、電気機器の保守作業のし忘れを抑制可能な管理システム、管理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る管理システムを含めた全体システムのブロック図である。
図2図2は、同上の管理システムの管理対象である検知器のブロック図である。
図3図3は、同上の管理システムの管理対象である電気機器のブロック図である。
図4図4は、同上の管理システムに用いられる中継器のブロック図である。
図5図5は、同上の管理システムに用いられる出力先端末のブロック図である。
図6図6は、同上の管理システムの動作を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する実施形態は、本開示の種々の実施形態の一つに過ぎない。本開示の実施形態は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外も含み得る。また、下記の実施形態は、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(実施形態)
(1)概要
本実施形態の管理システム1は、図1に示すように、複数の設置場所L1にそれぞれ設置された電気機器2の機能を維持するための保守作業(例えば、点検、修理、代替品への交換等の作業)を行う事業者による保守作業を支援するためのシステムである。
【0013】
管理システム1は、取得部111と、保守計画作成部112と、指示情報作成部114と、通知部115と、を備える。取得部111は、複数の設置場所L1にそれぞれ設置された複数の電気機器2の各々から動作状態に関する機器情報を取得する。保守計画作成部112は、取得部111が取得した機器情報に基づいて複数の電気機器2の保守作業に関する保守計画を作成する。指示情報作成部114は、保守計画と、複数の設置場所L1を訪問する訪問計画とに基づいて、複数の設置場所L1のうち訪問先の設置場所L1で行う作業内容を指示する指示情報を作成する。通知部115は、指示情報作成部114が作成した指示情報を通知する。
【0014】
ここにおいて、複数の設置場所L1の各々は、電気機器2が設置された施設であり、以下の実施形態では複数の設置場所L1の各々が戸建て住宅である場合を例に説明する。なお、複数の設置場所L1の各々は戸建て住宅に限定されず、集合住宅の各住戸でもよい。また、設置場所L1は住宅用の施設に限定されず、非住宅の施設、例えば、オフィスビル、商業ビル、公共施設、工場等でもよい。なお、以下の説明において、複数の設置場所L1のそれぞれを特定して説明する場合、設置場所L11,L12,L13と記載する場合もある。
【0015】
電気機器2は、複数の設置場所L1のそれぞれに設置されて使用される。本実施形態では、電気機器2は、設置場所L1において防災の対象となる事象(例えば火事等)が発生したことを検知する検知器20と、照明器具、冷蔵庫、洗濯機、空調機器、暖房器具、電気調理器具、映像・音響機器等の家電機器30と、を含む。電気機器2の機器情報は、電気機器2の動作状態に関する情報であり、例えば、電気機器2において異常が発生しているか否かを示す第1情報と、異常の前駆症状に関する第2情報とを含む。第1情報は、電池を電源とする電気機器2において電池切れが発生したことを示す情報、電気機器2の累積の使用時間が使用期限に達したことを示す情報、及び、電気機器2で発生した各種の異常の異常内容を示す情報(例えばエラーコード等)の少なくとも1つを含む。第2情報は、異常に至るまでの前駆症状に関する情報であり、例えば、電気機器2の累積の使用時間に関する情報、電池を電源とする電気機器2において電池電圧に関する情報、及び異常の原因となる事象の発生を示すコード番号の少なくとも1つを含む。
【0016】
電気機器2の保守作業は、電気機器2の機能を維持するために、電気機器2の保守サービスを行う事業者B1が行う作業であり、例えば、電気機器2の点検、修理、代替品の提案・販売、及び代替品への交換のうち少なくとも1つの作業を含む。保守作業の保守計画は、事業者B1が保守作業を行う対象の電気機器2について、保守作業の内容と保守作業の実施時期とを見積もった計画であり、保守作業に必要な費用及び作業時間を合わせて見積もってもよい。
【0017】
複数の設置場所L1を訪問する訪問計画とは、複数の設置場所L1に設置された電気機器2の保守作業を行う事業者B1の担当者が、各設置場所L1を訪問する予定を予め決めておいた計画である。事業者B1の担当者は、電気機器2の機器情報と無関係に各設置場所L1を訪問する予定を決めてもよいし、電気機器2の機器情報に基づいて各設置場所L1を訪問する予定を変更してもよい。訪問先の設置場所で行う作業内容は、事業者B1が、複数の設置場所L1のうち訪問対象の設置場所L1において、当該設置場所L1に設置された電気機器2に対して行う作業の作業内容である。
【0018】
本実施形態の管理システム1では、保守計画作成部112が、取得部111が取得した機器情報に基づいて保守計画を作成する。そして、指示情報作成部114が、保守計画と訪問計画とに基づいて訪問先の設置場所L1で行う作業内容を指示する指示情報を作成し、通知部115が指示情報を通知する。したがって、保守作業を行う担当者(例えば事業者B1の担当者)は、通知部115から通知された指示情報に基づいて、訪問先の設置場所L1での保守作業を行うことができ、保守作業のし忘れを抑制可能な管理システム(1)を提供できる。
【0019】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る管理システム1を含めた全体システムを図1図5に基づいて説明する。
【0020】
管理システム1は、複数の設置場所L1(L11~L13)に設置された複数の電気機器2から動作状態に関する機器情報を取得し、各設置場所L1で行う作業内容を指示する指示情報を作成して、保守作業を行う作業主体(例えば事業者B1)に通知する。以下、管理システム1を含む全体システムの各部の構成について説明を行う。
【0021】
(2.1)電気機器
本実施形態では、保守作業の作業対象である電気機器2が、検知器20と、家電機器30とを含む。
【0022】
(2.1.1)検知器
検知器20は、設置場所L1に設置され、設置場所L1において検知対象の物理量を検出する。本実施形態では、検知器20は、例えば防災の対象となる事象が発生したことを検知する。検知器20は、例えば、設置場所L1である施設内の部屋の天井又は壁の上部等に設置される。本実施形態の検知器20は、例えば、防災の対象となる事象として火災が発生したことを検知する検知機能と、火災の発生を検知した場合に報知する警報機能とを有した、火災警報器である。検知器20は、例えば、火災の発生時に警報音等の音を出力する。ただし、防災の対象となる事象は、火災に限定されず、水害、地震等でもよい。また防災の対象となる事象は、ガス漏れ、又は不完全燃焼によるCO(一酸化炭素)の発生等でもよい。
【0023】
検知器20は、図2に示すように、制御部21と、送受信部22と、検知部23と、警報部24と、電池25とを備える。
【0024】
制御部21は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部21として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。なお、制御部21のメモリには、検知器20に割り当てられた識別情報が記憶されている。
【0025】
送受信部22は、設置場所L1に設けられた中継器40との間で無線通信を行う通信インタフェースを有している。ここにおいて、送受信部22と中継器40との間の通信方式は、例えば、920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信である。
【0026】
検知部23は、検知対象の事象である火災に関する情報を検知する。検知部23は、一例として、煙を検知する光電式のセンサである。したがって、火災に関する上記情報とは、例えば、煙に関する情報を含む。ただし、検知部23は、光電式のセンサに限定されず、例えば熱を検知する定温式のセンサでもよい。
【0027】
警報部24は、検知器20が火災の発生を検知した場合に、火災の発生を例えば音により報知する。警報部24は、音(音声)を出力するスピーカを有している。警報部24は、検知器20が火災の発生を検知した場合に、火災の発生を報知するための警報音と音声メッセージとの少なくとも一方をスピーカから出力させる。なお、警報部24は、火災の発生を光により報知してもよい。例えば、警報部24が発光ダイオードなどの光源を備え、検知器20が火災の発生を検知した場合に、警報部24が光源を点灯又は点滅させることで、火災の発生を報知してもよい。また、警報部24は、火災の発生を音と光との両方で報知してもよい。
【0028】
電池25は、例えばリチウム電池等の電池である。電池25は、制御部21、送受信部22、検知部23、及び警報部24等に動作に必要な電力を供給する。
【0029】
なお、1つの設置場所L1に1つの検知器20が設置されていてもよいが、1つの設置場所L1に複数の検知器20が設置されていてもよい。1つの設置場所L1に複数の検知器20が設置される場合、例えば、複数の検知器20のうちの1つが親機、複数の検知器20のうち親機以外の検知器20が子機となるように各検知器20が構成されていてもよい。複数の検知器20の各々は、各検知器20に割り当てられた識別情報を用いて送信先及び送信元を特定することによって相互に無線通信を行う。
【0030】
例えば、親機である検知器20が火災の発生を検知した場合、親機である検知器20の制御部21は、警報部24を制御して火災の発生を報知し、送受信部22から子機である検知器20に検知信号を送信する。子機である検知器20の送受信部22が、親機である検知器20から検知信号を受信すると、子機である検知器20の制御部21は警報部24を制御して火災の発生を報知する。
【0031】
また、子機である検知器20が火災の発生を検知した場合、子機である検知器20の制御部21は、警報部24を制御して火災の発生を報知し、送受信部22から親機である検知器20に検知信号を送信する。親機である検知器20の送受信部22が、子機である検知器20から検知信号を受信すると、親機である検知器20の制御部21は警報部24を制御して火災の発生を報知し、送受信部22から発報元以外の子機である検知器20に検知信号を送信する。発報元以外の子機である検知器20の送受信部22が、親機である検知器20から検知信号を受信すると、発報元以外の子機である検知器20の制御部21は警報部24を制御して火災の発生を報知する。
【0032】
このように、1つの設置場所L1に複数の検知器20が設置されている場合に、複数の検知器20のいずれかで火災の発生を検知すると、当該設置場所L1に設置された複数の検知器20の全てが火災の発生を報知することができる。
【0033】
また、本実施形態の検知器20では、制御部21は、管理システム1から機器情報の送信要求を受け取ると、送受信部22から管理システム1へ機器情報を送信させる。ここで、機器情報とは、検知器20の動作状態に関わる情報であり、例えば、検知部23の検知結果を示す情報、及び、検知器20での保守作業に関する保守関連情報のうちの少なくとも一方を含む。また、保守関連情報は、検知器20において異常が発生しているか否かを示す第1情報と、異常の前駆症状に関する第2情報とを含む。第1情報は、検知器20の電源である電池25が電池切れとなったことを示す情報、検知器20の累積の使用時間が使用期限に達したことを示す情報、及び、検知器20で発生した各種の異常の異常内容を示す情報(例えばエラーコード等)の少なくとも1つを含む。第2情報は、異常に至るまでの前駆症状に関する情報であり、例えば、検知器20の累積の使用時間に関する情報、検知器20の電源である電池25の電池電圧に関する情報、及び異常の原因となる事象の発生を示すコード番号の少なくとも1つを含む。
【0034】
ここで、各設置場所L1で、親機となる検知器20が子機となる検知器20から機器情報を収集している場合、管理システム1は、中継器40を介して親機となる検知器20から、親機となる検知器20及び子機となる検知器20の機器情報を取得すればよい。親機となる検知器20は、親機となる検知器20の機器情報と子機となる検知器20の機器情報とに、各検知器20の識別情報と、親機となる検知器20の場所情報とを対応付けて管理システム1に送信すればよい。この場合、親機となる検知器20のメモリには、親機となる検知器20の場所情報と、同じ設置場所L1に設置された子機の検知器20の識別情報とが記憶されていればよい。場所情報が、設置場所L1内の部屋等のより細かい場所を示す情報を含む場合、親機となる検知器20のメモリには、親機となる検知器20の場所情報とは別に、子機となる検知器20の場所情報が記憶されていてもよい。
【0035】
なお、管理システム1は、中継器40を介して複数の検知器20の各々から機器情報を取得してもよい。また、管理システム1が、1つの設置場所L1内にある複数の検知器20の全てから中継器40を介して機器情報を所得することは必須ではない。管理システム1は、複数の検知器20の少なくとも一部の検知器20から中継器40を介して機器情報を取得すればよい。これにより、複数の検知器20の各々が管理システム1と通信する通信インタフェースを備える必要がないという利点がある。
【0036】
(2.1.2)家電機器
家電機器30は、設置場所L1に設置され、設置場所L1の施設を利用する施設利用者によって使用される。本実施形態では、家電機器30は、例えば、照明器具、冷蔵庫、洗濯機、空調機器、暖房器具、電気調理器具、映像・音響機器等の家庭電化製品である。図1では1の設置場所L1に1つの家電機器30しか図示していないが、1の設置場所L1に複数の家電機器30が設置されていてもよい。
【0037】
家電機器30は、図3に示すように、制御部31と、送受信部32と、機能部33とを備える。家電機器30は、例えば商用電源等の交流電源から電力の供給を受けて動作する。
【0038】
制御部31は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部31として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。なお、制御部31のメモリには、家電機器30に割り当てられた識別情報が記憶されている。
【0039】
送受信部32は、設置場所L1に設けられた中継器40との間で無線通信を行う通信インタフェースを有している。ここにおいて、送受信部32と中継器40との間の通信方式は、例えば、920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信である。
【0040】
機能部33は、家電機器30の種類に応じた機能を有する。例えば家電機器30が照明器具であれば、機能部33は、光源を点灯させる点灯回路を有する。
【0041】
本実施形態の家電機器30では、制御部31は、管理システム1から機器情報の送信要求を受け取ると、送受信部32から管理システム1へ機器情報を送信させる。ここで、機器情報とは、家電機器30の動作状態に関わる情報であり、例えば、家電機器30での保守作業に関する保守関連情報を含む。保守関連情報は、家電機器30において異常が発生しているか否かを示す第1情報と、異常の前駆症状に関する第2情報とを含む。
【0042】
(2.2)管理システム
管理システム1は、図1に示すように、複数の設置場所L1に設置された複数の電気機器2を管理する管理事業者が運用するサーバ10によって実現される。
【0043】
管理システム1を構成するサーバ10は、制御部11と、送受信部12と、記憶部13とを備える。
【0044】
制御部11は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部11として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0045】
制御部11は、例えば取得部111、保守計画作成部112、訪問計画作成部113、指示情報作成部114、及び通知部115等の機能を有する。
【0046】
取得部111は、複数の設置場所L1に設置された複数の電気機器2(検知器20及び家電機器30)の各々から動作状態に関する機器情報を取得する。取得部111は、送受信部12から複数の電気機器2の各々に、機器情報の送信を要求する要求信号を定期的に送信させ、要求信号に応じて電気機器2から送信された機器情報を取得する。なお、取得部111は、所定のイベントの発生をトリガとして、送受信部12から電気機器2に機器情報を要求する要求信号を送信させ、要求信号に応じて電気機器2から送信された機器情報を取得してもよい。
【0047】
また、本実施形態では、取得部111は、複数の設置場所L1に設置された複数の電気機器2から中継器40を介して機器情報を取得している。例えば、1つの設置場所L1内で、電気機器2として複数の検知器20が設置されている場合に、親機となる検知器20が子機となる検知器20から機器情報を収集してもよい。この場合、取得部111は、中継器40を介して親機となる検知器20から、親機となる検知器20及び子機となる検知器20の機器情報を取得する。なお、取得部111は、中継器40を介して複数の検知器20の各々から機器情報を取得してもよい。また、取得部111が、1つの設置場所L1内にある複数の検知器20の全てから中継器40を介して機器情報を所得することは必須ではない。取得部111は、複数の検知器20の少なくとも一部の検知器20から中継器40を介して機器情報を取得すればよい。これにより、複数の検知器20の各々が管理システム1と通信する通信インタフェースを備える必要がないという利点がある。
【0048】
なお、電気機器2が管理システム1と通信する通信インタフェースを備えていれば、管理システム1は電気機器2と直接通信して機器情報を取得してもよく、この場合は中継器40を省略できる。例えば、1つの設置場所L1内で、親機となる検知器20が子機となる検知器20から機器情報を収集する場合、親機となる検知器20が、親機となる検知器20の機器情報と子機となる検知器20の機器情報とを管理システム1に送信すればよい。なお、管理システム1の取得部111が、親機となる検知器20から、親機となる検知器20及び子機となる検知器20の機器情報を取得することは必須ではない。管理システム1の取得部111は、1つの設置場所L1内にある複数の検知器20から機器情報を直接取得してもよい。
【0049】
保守計画作成部112は、取得部111が取得した機器情報に基づいて複数の電気機器2のそれぞれについて保守作業に関する保守計画を作成する。例えば、複数の電気機器のそれぞれには、保守作業の内容と保守作業を行う時期とを規定した保守計画(以下、初期計画とも言う。)が用意されており、記憶部13には、複数の電気機器2の初期計画のデータが電気機器2の識別情報と対応付けて保存されている。保守計画作成部112は、取得部111が取得した電気機器2から機器情報を取得すると、当該電気機器2の初期計画を記憶部13から読み出す。保守計画作成部112は、取得部111が取得した機器情報に基づいて、当該電気機器2について初期計画で計画されている保守作業の時期を変更したり、新たな保守作業を追加したりすることで、保守計画を更新する。そして、保守計画作成部112は、更新した保守計画を当該電気機器2の識別情報と対応付けて記憶部13に記憶させる。例えば、電気機器2が、電池25を電源とする火災感知器のような検知器20である場合、保守計画作成部112は、機器情報をもとに電池25の電池電圧が所定のレベルよりも低下したと判断すると、電池電圧の低下に応じて保守計画を変更する。すなわち、保守計画作成部112は、検知器20の電池25又は検知器20自体を交換したり、交換を勧めるための案内を行うために、電池切れが発生するまでの間に検知器20の設置場所L1を訪問するよう保守計画を変更する。
【0050】
訪問計画作成部113は、保守計画作成部112によって作成された保守計画に基づいて、複数の設置場所L1のそれぞれで計画された保守作業を行わせるために、複数の設置場所L1に保守作業の実行主体(例えば、複数の事業者B1の担当者)を訪問させるための訪問計画を作成する。訪問計画作成部113は、取得部111が取得した機器情報、又は、保守計画作成部112によって更新された保守計画に基づいて訪問計画を適宜更新し、記憶部13に記憶させる。ここで、訪問計画作成部113は、複数の作業主体(複数の事業者B1)に複数の設置場所L1を訪問させて、複数の設置場所L1にある電気機器2の保守作業を行わせており、複数の作業主体での作業内容が均等になるように訪問計画を決定する。
【0051】
指示情報作成部114は、保守計画と、複数の設置場所を訪問する訪問計画とに基づいて、複数の設置場所L1のうち訪問先の設置場所で行う作業内容を指示する指示情報を作成する。例えば、指示情報作成部114は、保守計画に基づいて保守作業を行う作業対象の電気機器2と当該電気機器2に対して行う保守作業の内容を特定する。また、指示情報作成部114は、訪問計画に基づいて作業対象の電気機器2が設置されている設置場所L1を訪問する事業者B1を特定し、当該事業者B1の担当者が使用する出力先端末50に対して通知する指示情報を作成する。
【0052】
通知部115は、指示情報作成部114が作成した指示情報を、送受信部12から、作業主体である事業者B1の担当者が使用する出力先端末50に送信させる。なお、本実施形態では、訪問計画作成部113は、複数の作業主体(事業者B1)での作業内容(例えば作業量)が均等になるように訪問計画を決定している。したがって、通知部115が複数の作業主体に対して指示情報を通知する場合、通知部115は、複数の作業主体での作業内容が均等になるように、複数の作業主体から選択された作業主体に対して指示情報を通知する。このように、複数の作業主体での作業内容が均等になるように、通知部115は、指示情報を複数の作業主体に振り分けているので、特定の作業主体に指示情報が集中しにくくなり、複数の作業主体に作業内容を分散させることができる。
【0053】
送受信部12は、例えば、イーサネット(登録商標)の通信規格に準拠した通信インタフェースを備える。送受信部12は、インターネットのような通信ネットワークN1を介して、事業者B1が備える出力先端末50、及び、複数の設置場所L1にそれぞれ設置された中継器40と通信を行う。
【0054】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。記憶部13は、複数の設置場所L1にそれぞれ設置された複数の電気機器2から取得した機器情報を、各電気機器2の識別情報及び設置場所を示す場所情報と対応付けて記憶する。また、記憶部13は、電気機器2の使用履歴に関する履歴情報電気機器2の識別情報と対応付けて記憶する。履歴情報は、例えば電気機器2の保守作業を行う事業者B1の出力先端末50から入力される。ここで、履歴情報は、電気機器2で発生した異常又は異常の前駆症状の内容及び発生時期と、電気機器2について行われた保守作業の内容及び実施時期と、電気機器2を交換した場合の交換時期の情報とのうち、少なくとも1つの情報を含む。
【0055】
(2.3)中継器
複数の設置場所L1の各々には中継器40が設置されている。中継器40は、当該中継器40と同じ設置場所L1に設置された電気機器2(検知器20及び家電機器30)と管理システム1との間の通信を中継する中継機能を有している。本実施形態では、中継器40は、当該中継器40が設置された設置場所L1の施設で使用されるエネルギーを管理するHEMS(home energy management system)のコントローラによって構成されている。中継器40は、当該中継器40が設置されている設置場所L1の施設を利用する施設利用者によって使用される。
【0056】
中継器40は、図4に示すように、制御部41と、第1送受信部42と、第2送受信部43と、表示部44と、操作部45と、記憶部46とを備える。
【0057】
制御部41は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部41として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0058】
第1送受信部42は、設置場所L1に設けられた電気機器2との間で無線通信を行う通信インタフェースを有している。第1送受信部42は、検知器20及び家電機器30の送受信部22,32と同じ通信方式で無線通信を行う。
【0059】
第2送受信部43は、例えば、イーサネット(登録商標)の通信規格に準拠した通信インタフェースを備える。第2送受信部43は、設置場所L1に設けられたブロードバンドルータを介して、インターネットのような通信ネットワークN1に接続される。第2送受信部43は、ブロードバンドルータ及び通信ネットワークN1を介して、管理システム1のサーバ10と通信を行う。
【0060】
表示部44は、液晶ディスプレイ等の表示ディスプレイである。表示部44は、設置場所L1である施設でのエネルギーの使用量等を表示する。
【0061】
操作部45は、表示部44を構成する表示ディスプレイに設けられたタッチスイッチを有する。操作部45は、ユーザ(例えば設置場所L1を使用する施設利用者)の操作を受け付け、操作に応じた信号を制御部41に出力する。
【0062】
記憶部46は、ROM、RAM、又はEEPROM等から選択されるデバイスで構成される。記憶部46は、当該中継器40が設置された設置場所L1を示す場所情報、及び当該中継器40と同じ設置場所L1の施設に設置された電気機器2(検知器20及び家電機器30)の識別情報等を記憶する。
【0063】
(2.4)出力先端末
出力先端末50は、検知器20の保守サービス事業を行う事業者B1が備える端末である。出力先端末50は、事業者B1の担当者(例えば、保守サービスを行う担当者等)によって使用される端末であり、例えばスマートフォン又は通信機能を有するタブレット型のコンピュータ端末である。
【0064】
出力先端末50は、図5に示すように、制御部51と、送受信部52と、表示部53と、操作部54と、記憶部55とを備える。
【0065】
制御部51は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部51として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0066】
送受信部52は、例えば、イーサネット(登録商標)の通信規格に準拠した通信インタフェースを備える。送受信部52は、例えばブロードバンドルータを介して、インターネットのような通信ネットワークN1に接続され、ブロードバンドルータ及び通信ネットワークN1を介して、管理システム1のサーバ10と通信を行う。
【0067】
表示部53は、液晶ディスプレイ等の表示ディスプレイである。表示部53は、例えば管理システム1の通知部115から出力された出力対象の検知器情報等を表示する。
【0068】
操作部54は、表示部53を構成する表示ディスプレイに設けられたタッチスイッチを有する。操作部54は、出力先端末50を使用する担当者の操作を受け付け、操作に応じた信号を制御部51に出力する。
【0069】
記憶部55は、ROM、RAM、又はEEPROM等から選択されるデバイスで構成される。記憶部55は、管理システム1の通知部115から出力された出力対象の検知器情報等を記憶する。
【0070】
(3)動作
(3.1)電気機器の登録
設置場所L1に設置される電気機器2を管理システム1に登録する動作について説明する。ここでは、検知器20を例に、検知器20を管理システム1に登録する動作について説明する。家電機器30を管理システム1に登録する動作は、検知器20を管理システム1に登録する動作と同様であるので、その説明は省略する。
【0071】
例えば、検知器20を設置場所L1に設置する際に、検知器20に電池25を入れて、電池25から制御部21への電力供給を開始すると、制御部21が、当該検知器20を管理システム1に登録する登録モードで動作する。
【0072】
検知器20の制御部21は、登録モードで動作を開始すると、管理システム1への登録を要求する登録要求と、自機の識別情報とを含む無線信号を送受信部22から送信する。検知器20の送受信部22から送信された登録要求と識別情報とを含む無線信号は、検知器20と同じ設置場所L1に設置された中継器40によって受信される。中継器40の第1送受信部42が、検知器20から送信された登録要求と識別情報とを含む無線信号を受信すると、中継器40の制御部31は、当該検知器20の識別情報を記憶部46に記憶する。また、中継器40の制御部31は、検知器20から受信した登録要求と当該検知器20の識別情報と当該検知器20が設置された設置場所L1の場所情報とを含む信号を、第2送受信部43から通信ネットワークN1を介して管理システム1に送信する。管理システム1の送受信部12が、中継器40から送信された信号(検知器20からの登録要求と当該検知器20の識別情報及び場所情報を含む信号)を受信すると、制御部11は、当該検知器20を管理対象として登録する。具体的には、管理システム1の制御部11は、管理対象として登録する検知器20の識別情報及び場所情報を記憶部13に記憶する。
【0073】
これにより、管理システム1のサーバ10に、設置場所L1に設置された検知器20が管理対象として登録される。
【0074】
なお、上述した検知器20の登録方法は一例であり、適宜変更が可能である。例えば、中継器40の操作部45を操作して中継器40の動作モードを登録モードに設定した状態で、検知器20に電池25を入れると、検知器20を中継器40及び管理システム1に登録する処理が行われてもよい。
【0075】
また、電気機器2の設置場所を示す場所情報は、設置場所L1である施設の場所を示す情報でもよいし、設置場所L1である施設内の部屋などのより細かい場所を示す情報でもよい。例えば、施工作業者が電気機器2を中継器40に登録する際に、施工作業者が、中継器40の操作部45を用いて、設置場所L1内のより細かい場所を特定する場所情報を入力すると、操作部45を用いて入力された場所の場所情報が中継器40に登録される。中継器40の制御部41は、当該電気機器2の識別情報と場所情報と登録要求とを管理システム1に送信することで、当該電気機器2を管理対象として管理システム1に登録することができる。
【0076】
(3.2)保守作業の指示情報の通知動作
管理システム1に、保守作業の対象として設置場所L11,L12,L13に設置された電気機器2が登録されている場合に、管理システム1が、電気機器2についての保守作業の指示情報を通知する動作について図6に基づいて説明する。
【0077】
管理システム1の取得部111が各電気機器2から機器情報を前回取得した時点から所定の周期T1が経過すると(S1)、取得部111は、複数の電気機器2の各々に機器情報の送信を要求する要求信号を送受信部12から送信させる(S2)。ここで、管理システム1の送受信部12から送信された要求信号は、通信ネットワークN1と中継器40とを介して、送信対象の電気機器2、例えば検知器20によって受信される(S3,S4)。すなわち、取得部111は、複数の電気機器2の各々に、機器情報の送信を要求する要求信号を定期的に出力する。
【0078】
送信対象の検知器20の送受信部22が管理システム1から送信された要求信号を受信すると、検知器20の制御部21は、当該検知器20の動作状態に関する機器情報を送受信部22から送信させる(S5)。ここにおいて、制御部21は、検知器20の保守作業に関する保守関連情報(例えば、検知器20において異常が発生しているか否かを示す第1情報、及び、異常の前駆症状に関する第2情報を含む)を作成する。制御部21は、当該保守関連情報を含む機器情報を送受信部22から送信させる。検知器20の送受信部22から送信された機器情報は中継器40を介して管理システム1に入力される(S6,S7)。管理システム1の送受信部12が、要求信号に応じて検知器20から送信された機器情報を受信すると、取得部111は、送受信部12が受信した検知器20の機器情報を、当該検知器20の識別情報及び場所情報と対応付けて記憶部13に記憶させる。これにより、取得部111によって、保守作業の対象の検知器20から機器情報が取得される(S8)。なお、図6では1つの設置場所L1にある中継器40及び検知器20のみを図示しているが、管理システム1は、保守作業の対象の全ての電気機器2(検知器20及び家電機器30)に対して要求信号を送信し、保守作業の対象の全ての電気機器2から機器情報を取得する。
【0079】
以上のように、管理システム1の取得部111は、周期T1が経過するごとに、複数の設置場所L1に設置された複数の電気機器2(検知器20及び家電機器30)から機器情報を取得する取得処理を行う。管理システム1の取得部111は、複数の電気機器2から取得した機器情報と識別情報と場所情報とを対応付けて記憶部13に蓄積する。
【0080】
取得部111が複数の電気機器2の各々から機器情報を取得すると、保守計画作成部112は、取得部111が取得した機器情報に基づいて複数の電気機器2の保守作業に関する保守計画を作成し、記憶部13に記憶する(S9)。ここで、電気機器2から取得した機器情報に含まれる保守関連情報が、当該電気機器2で異常又は異常の前駆症状に関する情報でなければ、保守計画作成部112は、当該電気機器2についての保守計画を変更しない。一方、電気機器2から取得した機器情報に含まれる保守関連情報が、当該電気機器2で異常又は異常の前駆症状に関する情報であれば、保守計画作成部112は、当該電気機器2で発生した異常又は異常の前駆症状に対応するために保守計画を変更する。保守計画作成部112は、当該電気機器2で発生した異常又は異常の前駆症状に対応するための保守作業の内容とその実施時期を決定し、決定した保守作業の内容及び実施時期を保守計画に反映させる。
【0081】
また、取得部111が各電気機器2から機器情報を取得すると、訪問計画作成部113が、取得部111が取得した機器情報と、ステップS9で作成された保守計画とに基づいて、事業者B1の担当者が複数の設置場所L1を訪問する訪問計画を作成する(S10)。ステップS9で保守計画が変更された場合、訪問計画作成部113は、追加した保守作業を実行する事業者B1を決定し、保守作業の対象の電気機器2が設置されている設置場所L1を、保守作業を実行する事業者B1に訪問させるように訪問計画を作成する。訪問計画作成部113は、訪問計画を変更すると、変更後の方面計画を記憶部13に記憶させる。
【0082】
その後、訪問計画で決定された訪問予定(訪問日時)が近づくと、指示情報作成部114は、保守計画と訪問計画とに基づいて、複数の設置場所L1のうち訪問先の設置場所L1で行う作業内容を指示する指示情報を作成する(S11)。そして、通知部115は、送受信部12から通信ネットワークN1を介して、保守作業を実行する事業者B1の担当者が使用する出力先端末50に、ステップS11で作成された指示情報を送信(通知)させる(S12)。
【0083】
送受信部12から送信された指示情報は通信ネットワークN1を介して出力先端末50に送信され(S13)、出力先端末50の送受信部52によって受信される。出力先端末50の送受信部52が管理システム1から送信された指示情報を受信すると、制御部51が、送受信部52が受信した指示情報を表示部53に表示させる(S14)。これにより、出力先端末50を使用する事業者B1の担当者は、出力先端末50の表示部53に表示された指示情報をもとに、保守作業の対象の電気機器2の設置場所L1と、この設置場所L1を訪問する訪問日時と、保守作業の内容とを確認することができる。これにより、電気機器2の保守作業を行う事業者B1の担当者は、保守作業の対象である電気機器2の保守作業を忘れにくくなり、電気機器2の保守作業を確実に実行させることができる。
【0084】
ところで、本実施形態では、取得部111は、中継器40を介して、中継器40と同じ設置場所L1にある電気機器2から当該電気機器2の動作状態に関する機器情報を取得しているが、取得部111は、電気機器2から不定期に機器情報を取得してもよい。例えば、取得部111は、所定のイベントの発生をトリガとして電気機器2に機器情報の送信を要求する要求信号を送信してもよく、任意のタイミングで機器情報を取得できる。なお、所定のイベントとは、例えば、出力先端末50から保守作業の指示情報の送信を要求する要求信号が送信されたこと等である。
【0085】
(4)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、管理システム1と同様の機能は、管理方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る管理方法は、取得処理と、保守計画作成処理と、指示情報作成処理と、通知処理と、を含む。取得処理では、複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の電気機器の各々から動作状態に関する機器情報を取得する。保守計画作成処理では、取得処理で取得した機器情報に基づいて複数の電気機器の保守作業に関する保守計画を作成する。指示情報作成処理では、保守計画と、複数の設置場所を訪問する訪問計画とに基づいて、複数の設置場所のうち訪問先の設置場所で行う作業内容を指示する指示情報を作成する。通知処理では、指示情報作成処理で作成した指示情報を通知する。また、一態様に係る(コンピュータ)プログラムは、コンピュータシステムに、取得処理と、出力処理と、を実行させるためのプログラムである。
【0086】
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。なお、以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
【0087】
本開示における管理システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における管理システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0088】
また、管理システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは管理システム1に必須の構成ではなく、管理システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、管理システム1の少なくとも一部の機能、例えば、管理システム1が備える取得部111、保守計画作成部112、訪問計画作成部113、指示情報作成部114、及び通知部115の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0089】
上記の基本例では、出力先端末50を使用する事業者B1が、電気機器2の保守作業を行う保守サービス事業者であったが、事業者B1は保守サービス事業者に限定されない。
【0090】
事業者B1はハウスメーカでもよく、ハウスメーカの担当者は、出力先端末50を用いて、当該ハウスメーカが建てた施設に設置されている電気機器2の保守作業に関する指示情報を受け取ることができる。
【0091】
また、事業者B1は電気機器2を販売する販売事業者でもよく、販売事業者の担当者は、出力先端末50を用いて、当該販売事業者が販売した電気機器2の保守作業に関する指示情報を受け取ることができる。販売事業者の担当者は、管理システム1から送信された指示情報を出力先端末50を用いて確認することによって、電気機器2の点検を提案したり、電気機器2の交換又は代替品の購入を提案したりすることができる。
【0092】
また、上記の実施形態において、電気機器2が、セルフチェック機能により自機の異常(例えば故障等)を検知した場合、電気機器2は、機器情報(第1情報)として異常の発生を示す異常発生情報を出力する。取得部111が電気機器2から機器情報として異常発生情報を取得すると、保守計画作成部112は、異常発生情報を出力した電気機器2を最優先で点検するように保守計画を作成してもよい。また、訪問計画作成部113は、保守計画の変更に伴い、異常発生情報を出力した電気機器2を最優先で訪問するように、複数の事業者B1による各設置場所L1への訪問計画を変更する。そして、指示情報作成部114は、変更後の保守計画と訪問計画とに基づいて、異常発生情報を出力した電気機器2の点検を指示する指示情報を作成し、送受信部12から点検作業を行う事業者B1の出力先端末50へ送信させる。これにより、管理システム1では、異常が発生した電気機器2の点検をいずれかの事業者B1に指示することができ、異常が発生した電気機器2の点検等を事業者B1に行わせることができる。
【0093】
また、上記の実施形態において、複数の設置場所L1のうち1の設置場所L1に複数の電気機器2が設置されている場合、指示情報作成部114は、複数の電気機器2から選択した通知対象の電気機器2についての指示情報を作成してもよい。ここで、指示情報作成部114は、機器情報の内容に基づいて複数の電気機器2から通知対象の電気機器2を選択してもよい。1の設置場所L1に複数の電気機器2が設置されている場合、複数の電気機器2の中でも設置場所L1の訪問時に保守作業が不要なものもある。指示情報作成部114は、機器情報の内容に基づいて複数の電気機器2から通知対象の電気機器2を選択しているので、保守作業が必要な電気機器2についての指示情報を事業者B1に通知させることができる。したがって、1の設置場所L1に複数の電気機器2が設置されている場合でも、事業者B1は、保守作業が必要な電気機器2についての保守作業を忘れずに実施できる。
【0094】
また、上記の実施形態において、指示情報作成部114は、電気機器2の使用履歴に関する履歴情報に基づいて指示情報を作成してもよい。指示情報作成部114は、電気機器2の使用履歴(例えば、異常又は異常の前駆症状の発生履歴、保守作業の履歴等)に基づいて、電気機器2の修理と交換のいずれを勧めるかを決定したり、電気機器2に対する保守作業の項目を決定したりすることができる。これにより、管理システム1では、電気機器2の使用履歴を考慮して適切な対応を事業者B1の出力先端末50に出力することができる。
【0095】
また、上記の実施形態において、複数の設置場所L1のうち2以上の設置場所で、2以上の設置場所L1に設置された電気機器2に対する作業が必要になった場合、管理システム1は事業者B1に出力する指示情報に優先順位を設定してもよい。すなわち、指示情報作成部114は、2以上の設置場所L1に設置された電気機器2にそれぞれ対応する2以上の指示情報に対して優先順位を設定する。そして、通知部115は、2以上の指示情報と、2以上の指示情報に対して設定した優先順位とを、2以上の設置場所L1で作業を行う作業主体(事業者B1)に通知する。ここで、指示情報作成部114は、電気機器2から取得した機器情報の内容に基づいて各指示情報に優先順位を設定すればよく、保守作業の内容が重要なほど優先順位を高めに設定し、また保守作業を行うまでの時間的余裕が少ないほど優先度合いを高めに設定する。例えば、電気機器2で漏電が発生した場合と、電気機器2に過電流が流れた場合とでは、電気機器2での漏電に対応する指示情報の優先順位を、電気機器2での過電流に対応する指示情報の優先順位よりも高めに設定する。これにより、2以上の設置場所L1で作業を行う事業者B1の担当者は、通知部115から出力先端末50に通知された指示情報とその優先度とに基づいて、優先的に保守作業を行うべき設置場所L1の電気機器2を判断できるという利点がある。よって、同時期に2以上の設置場所L1で保守作業を行う場合でも、事業者B1の担当者は、優先順位が高い順番に指示情報に基づく保守作業を実施することができる。
【0096】
上記の基本例において、各設置場所L1に設置された中継器40が、同じ設置場所L1に設置された検知器20から定期的又は不定期に機器情報を収集し、検知器20から収集した機器情報を記憶部46に蓄積してもよい。ここで、中継器40は、親機となる検知器20から親機となる検知器20及び子機となる検知器20の機器情報を収集してもよいし、複数の検知器20の各々から機器情報を収集してもよい。そして、中継器40が、管理システム1から機器情報の送信を要求する要求信号を受信すると、記憶部36に蓄積している機器情報を管理システム1に送信してもよい。この場合、管理システム1の取得部111は、中継器40が収集していた機器情報を、中継器40から取得することによって、各検知器20の機器情報を取得する。取得部111は、中継器40が予め収集していた機器情報を取得するので、機器情報を短時間で取得できる。すなわち、管理システム1が中継器40に要求信号を送信すると、中継器40が、既に検知器20から収集している機器情報、もしくは要求信号の受信をトリガにして検知器20から収集した機器情報を管理システム1に送信すればよい。
【0097】
なお、各設置場所L1に設置された中継器40は、同じ設置場所L1に設置された家電機器30から定期的又は不定期に機器情報を収集し、家電機器30から収集した機器情報を記憶部46に蓄積してもよい。そして、中継器40が、管理システム1から機器情報の送信を要求する要求信号を受信すると、記憶部46に蓄積している機器情報を管理システム1に送信してもよい。すなわち、管理システム1が中継器40に要求信号を送信すると、中継器40が、既に家電機器30から収集している機器情報、もしくは要求信号の受信をトリガにして家電機器30から収集した機器情報を管理システム1に送信すればよい。
【0098】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る管理システム(1)は、取得部(111)と、保守計画作成部(112)と、指示情報作成部(114)と、通知部(115)と、を備える。取得部(111)は、複数の設置場所(L1)にそれぞれ設置された複数の電気機器(2)の各々から動作状態に関する機器情報を取得する。保守計画作成部(112)は、取得部(111)が取得した機器情報に基づいて複数の電気機器(2)の保守作業に関する保守計画を作成する。指示情報作成部(114)は、保守計画と、複数の設置場所(L1)を訪問する訪問計画とに基づいて、複数の設置場所(L1)のうち訪問先の設置場所(L1)で行う作業内容を指示する指示情報を作成する。通知部(115)は、指示情報作成部(114)が作成した指示情報を通知する。
【0099】
この態様によれば、保守計画作成部(112)が、取得部(111)が取得した機器情報に基づいて保守計画を作成する。そして、指示情報作成部(114)が、保守計画と訪問計画とに基づいて訪問先の設置場所(L1)で行う作業内容を指示する指示情報を作成し、通知部(115)が指示情報を通知している。したがって、保守作業を行う担当者は、通知部(115)から通知された指示情報に基づいて、訪問先の設置場所(L1)での保守作業を行うことができ、保守作業のし忘れを抑制可能な管理システム(1)を提供できる。
【0100】
第2の態様に係る管理システム(1)では、第1の態様において、取得部(111)は、複数の電気機器(2)の各々に、機器情報の送信を要求する要求信号を定期的に出力する。
【0101】
この態様によれば、取得部(111)は、複数の電気機器(2)の各々から機器情報を定期的に取得することができる。
【0102】
第3の態様に係る管理システム(1)では、第1又は第2の態様において、電気機器(2)は、自機の異常を検知すると機器情報として異常発生情報を出力する。取得部(111)が異常発生情報を取得すると、指示情報作成部(114)は、異常発生情報を出力した電気機器(2)の点検を指示する指示情報を作成する。
【0103】
この態様によれば、通知部(115)からの通知を受けた担当者は、指示情報に基づいて異常発生情報を出力した電気機器(2)の点検を行うことができる。
【0104】
第4の態様に係る管理システム(1)では、第1~第3のいずれかの態様において、取得部(111)は、電気機器(2)から中継器(40)を介して機器情報を取得する。
【0105】
この態様によれば、取得部(111)は、電気機器(2)から中継器(40)を介して機器情報を取得することができる。
【0106】
第5の態様に係る管理システム(1)では、第1~第4のいずれかの態様において、複数の設置場所(L1)のうち1の設置場所(L1)に複数の電気機器(2)が設置されている場合、指示情報作成部(114)は第1処理を行う。第1処理では、指示情報作成部(114)は、1の設置場所(L1)に設置された複数の電気機器(2)から、機器情報の内容に基づいて選択した通知対象の電気機器(2)について、指示情報を作成する。
【0107】
この態様によれば、指示情報作成部(114)は、1の設置場所(L1)に設置されている複数の電気機器(2)から、機器情報の内容に基づいて選択した通知対象の電気機器(2)について指示情報を作成することができる。したがって、通知部(115)からの通知を受けた担当者は、1の設置場所(L1)にある複数の電気機器(2)のうち、指示情報作成部(114)によって選択された通知対象の電気機器(2)について保守作業を行うことができる。
【0108】
第6の態様に係る管理システム(1)では、第1~第5のいずれかの態様において、指示情報作成部(114)は、電気機器(2)の使用履歴に関する履歴情報に基づいて指示情報を作成する。
【0109】
この態様によれば、指示情報作成部(114)は、電気機器(2)の履歴情報(例えば、故障、修理等の履歴)に基づいて作業内容を決定し、作業内容を指示する指示情報を作成することができる。
【0110】
第7の態様に係る管理システム(1)では、第1~第6のいずれかの態様において、複数の設置場所(L1)のうち2以上の設置場所(L1)で、2以上の設置場所(L1)に設置された電気機器(2)に対する作業が必要になった場合、指示情報作成部(114)は第2処理を行う。第2処理では、指示情報作成部(114)は、2以上の設置場所(L1)に設置された電気機器(2)にそれぞれ対応する2以上の指示情報に対して優先順位を設定する。通知部(115)は、2以上の指示情報と、2以上の指示情報に対して設定した優先順位とを、2以上の設置場所(L1)で作業を行う作業主体に通知する。
【0111】
この態様によれば、作業主体は、2以上の指示情報に対して設定された優先順位に基づいて、2以上の設置場所(L1)にそれぞれ設置された電気機器(2)に対する作業を順番に行うことができる。
【0112】
第8の態様に係る管理システム(1)では、第1~第7のいずれかの態様において、通知部(115)が複数の作業主体に対して指示情報を通知する場合、通知部(115)は第3処理を行う。第3処理では、通知部(115)は、複数の作業主体での作業内容が均等になるように複数の作業主体から選択された作業主体に対して指示情報を通知する。
【0113】
この態様によれば、通知部(115)は、複数の作業主体のうち特定の作業主体に作業が偏らないように、各作業主体に対して指示情報を通知することができる。
【0114】
第9の態様に係る管理方法は、取得処理と、保守計画作成処理と、指示情報作成処理と、通知処理と、を含む。取得処理では、複数の設置場所(L1)にそれぞれ設置された複数の電気機器(2)の各々から動作状態に関する機器情報を取得する。保守計画作成処理では、取得処理で取得した機器情報に基づいて複数の電気機器(2)の保守作業に関する保守計画を作成する。指示情報作成処理では、保守計画と、複数の設置場所(L1)を訪問する訪問計画とに基づいて、複数の設置場所(L1)のうち訪問先の設置場所(L1)で行う作業内容を指示する指示情報を作成する。通知処理では、指示情報作成処理で作成した指示情報を通知する。
【0115】
この態様によれば、保守計画作成処理では、取得処理で取得した機器情報に基づいて保守計画を作成する。そして、指示情報作成処理では、保守計画と訪問計画とに基づいて訪問先の設置場所(L1)で行う作業内容を指示する指示情報を作成し、通知処理で指示情報を通知している。したがって、保守作業を行う担当者は、通知処理で通知された指示情報に基づいて、訪問先の設置場所(L1)での保守作業を行うことができ、保守作業のし忘れを抑制可能な管理方法を提供できる。
【0116】
第10の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、取得処理と、保守計画作成処理と、指示情報作成処理と、通知処理と、を実行させるためのプログラムである。取得処理では、複数の設置場所(L1)にそれぞれ設置された複数の電気機器(2)の各々から動作状態に関する機器情報を取得する。保守計画作成処理では、取得処理で取得した機器情報に基づいて複数の電気機器(2)の保守作業に関する保守計画を作成する。指示情報作成処理では、保守計画と、複数の設置場所(L1)を訪問する訪問計画とに基づいて、複数の設置場所(L1)のうち訪問先の設置場所(L1)で行う作業内容を指示する指示情報を作成する。通知処理では、指示情報作成処理で作成した指示情報を通知する。
【0117】
この態様によれば、保守計画作成処理では、取得処理で取得した機器情報に基づいて保守計画を作成する。そして、指示情報作成処理では、保守計画と訪問計画とに基づいて訪問先の設置場所(L1)で行う作業内容を指示する指示情報を作成し、通知処理で指示情報を通知している。したがって、保守作業を行う担当者は、通知処理で通知された指示情報に基づいて、訪問先の設置場所(L1)での保守作業を行うことができ、保守作業のし忘れを抑制可能なプログラムを提供できる。
【0118】
上記態様に限らず、上記の実施形態に係る管理システム(1)の種々の構成(変形例を含む)は、管理方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化可能である。
【0119】
第2~第8の態様に係る構成については、管理システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0120】
1 管理システム
2 電気機器
40 中継器
111 取得部
112 保守計画作成部
114 指示情報作成部
115 通知部
L1 設置場所
図1
図2
図3
図4
図5
図6