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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】細胞培養容器
(51)【国際特許分類】
   C12M 3/00 20060101AFI20230327BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
C12M3/00 Z
C12M1/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020501483
(86)(22)【出願日】2018-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 US2018042133
(87)【国際公開番号】W WO2019014621
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】62/532,639
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/532,648
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/532,681
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/642,427
(32)【優先日】2018-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】レイシー,ウィリアム ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,グレゴリー ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】パルド,アナ マリア デル ピラール
(72)【発明者】
【氏名】タナー,アリソン ジーン
【審査官】小田 浩代
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/047735(WO,A1)
【文献】特表2017-532974(JP,A)
【文献】米国特許第05374557(US,A)
【文献】米国特許第05398837(US,A)
【文献】特開平10-210966(JP,A)
【文献】特開平10-179137(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02653531(EP,A1)
【文献】特開2004-129558(JP,A)
【文献】特表2009-502685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 1/00-7/08
C12N 5/00-5/28
C12M 1/00-3/10
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞培養容器であって、
平らではない正弦波形状を有する複数のマイクロキャビティを含む細胞培養表面と、
前記細胞培養表面に取り付けられた壁と、
首付き開口と、
前記首付き開口に備えられたダムと
を備え、
前記細胞培養表面および前記壁の内面がこの容器の細胞培養チャンバを画成し、
前記細胞培養表面が平らな区域を含まない、細胞培養容器。
【請求項2】
前記複数のマイクロキャビティの各マイクロキャビティが、凹形底部および開口を含む、請求項1記載の細胞培養容器。
【請求項3】
蓋をさらに備える、請求項1または2記載の細胞培養容器。
【請求項4】
前記蓋がヒンジ式開口を含む、請求項3記載の細胞培養容器。
【請求項5】
前記蓋がスライド式開口を含む、請求項3記載の細胞培養容器。
【請求項6】
前記首付き開口が曲げ部を含む、請求項1、4、および5のいずれか1項記載の細胞培養容器。
【請求項7】
前記壁が凹部を含み、前記細胞培養表面が該凹部に取り付けられている、請求項1~3のいずれか1項記載の細胞培養容器。
【請求項8】
前記壁が突起部を含み、前記細胞培養表面が該突起部に取り付けられている、請求項1~3のいずれか1項記載の細胞培養容器。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、ここに全てが引用される、「Cell Culture Container and Methods of Culturing Cells」と題する、2018年3月18日に出願された米国仮特許出願第62/642427号;「Cell Culture Container and Methods of Culturing Cells」と題する、2017年7月14日に出願された米国仮特許出願第62/532681号;「Cell Culture Container and Methods of Culturing Cells」と題する、2017年7月14日に出願された米国仮特許出願第62/532639号;「Cell Culture Container and Methods of Culturing Cells」と題する、2017年7月14日に出願された米国仮特許出願第62/532648号;および「Cell Culture Container and Methods of Culturing Cells」と題する、2017年7月14日に出願された米国仮特許出願第62/532671号の優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、広く、細胞培養容器および細胞を培養する方法に関し、より詳しくは、三次元細胞を収容するための細胞培養容器およびその細胞培養容器内で三次元細胞を培養する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
細胞培養容器内に三次元細胞を収容することが公知である。細胞培養容器内で三次元細胞を培養することも公知である。
【発明の概要】
【0004】
以下は、詳細な説明に記載されたいくつかの例示の実施の形態の基本的な理解を与えるために、本開示の簡単な概要を提示するものである。
【0005】
いくつかの実施の形態において、細胞培養容器は側壁および底面を有する。実施の形態において、その底面は、複数のマイクロキャビティを有する細胞培養表面である。実施の形態において、その細胞培養表面は、その側壁に取り付けられた基体である。実施の形態において、その側壁は、細胞培養表面の周囲に平らな表面がないようにその基体に取り付けられている。
【0006】
実施の形態において、前記容器は、上部、底部、側壁、首付き開口または開口部およびその首付き開口と反対にある端部壁を備え得る。もしくは、実施の形態において、細胞培養容器は、蓋を有することがある。もしくは、実施の形態において、細胞培養容器は、容器の上部であることがある、蓋、および首付き開口または開口部を有することがある。容器の底部の内部表面は、実施の形態において、細胞培養表面である。その細胞培養表面は、細胞培養チャンバの長さに亘り得る。容器は、その開口部から細胞培養表面まである角度で延在する壁の内面の首部分を含み得る。その細胞培養容器内で細胞を培養する方法は、容器の外部から細胞培養チャンバ中へと液体を開口部に通し、それによって、所定量の液体を細胞培養チャンバに供給する工程を含み得る。
【0007】
実施の形態において、複数のマイクロキャビティの各マイクロキャビティは、凹形底面および上部にある開口を有する。液体は、各マイクロキャビティの上部にある開口を通じて、各マイクロキャビティに入る。
【0008】
実施の形態において、前記容器は、キャップで閉じることのできる首付き開口または開口部を有し得る。実施の形態において、容器の上部壁は蓋であることがある。実施の形態において、その蓋は、スライド式開口、またはヒンジ式開口、または任意の他の公知の開口機構によって、開けることができる。実施の形態において、その容器は、首付き開口を持たず、その代わりに、蓋を有する。
【0009】
前記細胞培養容器内で細胞を培養する方法は、細胞を含有する、液体培地などの所定量の液体を細胞培養チャンバに導入する工程、および複数のマイクロキャビティの少なくとも1つのマイクロキャビティ内にその所定量の液体の少なくとも一部を堆積させる工程を含み得る。その方法は、その少なくとも1つのマイクロキャビティ内にその所定量の液体の少なくとも一部を堆積させた後、その複数のマイクロキャビティの少なくとも1つのマイクロキャビティ内で細胞を培養する工程をさらに含み得る。
【0010】
先の実施の形態は、例示であり、本開示の範囲から逸脱せずに、ここに与えられたどの1つ以上の実施の形態と、どの組合せで提供しても、または単独で提供しても差し支えない。さらに、先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、本開示の実施の形態を提示しており、記載され、請求項に定義されたような実施の形態の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供する意図があることを理解すべきである。添付図面は、その実施の形態のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、本開示の様々な実施の形態を示しており、説明と共に、その原理および作動を説明する働きをする。
【0011】
本開示のこれらと他の特徴、実施の形態、および利点は、添付図面を参照して読んだときに、さらに理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施の形態による細胞培養容器の側面図
図2】本開示の実施の形態による図1の線2-2に沿った細胞培養容器の平面図
図3】本開示の実施の形態による図2の線3-3に沿った細胞培養容器の断面図
図4】本開示の実施の形態による図1の線4-4に沿った細胞培養容器の断面図
図5】本開示の実施の形態による、複数のマイクロキャビティを有する細胞培養表面を含む、図4の区域5でとられた細胞培養容器の拡大概略図
図6】本開示の実施の形態による図5の線6-6に沿った、複数のマイクロキャビティを有する細胞培養表面を有する細胞培養容器の断面図
図7】本開示の実施の形態による図6の複数のマイクロキャビティを有する細胞培養表面を含む細胞培養容器の代わりの実施の形態の断面図
図8】本開示の実施の形態による、蓋部分および溝を備えた、図2の線8-8に沿った細胞培養容器の部分断面図
図9】本開示の実施の形態による、蓋およびヒンジを備えた、図2の線9-9に沿った細胞培養容器の部分断面図
図10】本開示の実施の形態による、共に積み重ねられた3つの細胞培養容器の側面図
図11】本開示の実施の形態による、第5の例示の細胞培養容器内で細胞を培養する方法を含む、図3の細胞培養容器の代わりの実施の形態の断面図
図12】本開示の実施の形態による図11の細胞培養容器内で細胞を培養する方法の工程を示す断面図
図13】本開示の実施の形態による、複数のマイクロキャビティを有する細胞培養表面を含む図12の区域13でとられた細胞培養容器の拡大概略図
図14】本開示の実施の形態による図11の細胞培養容器内で細胞を培養する方法の工程を示す断面図
図15】本開示の実施の形態による、複数のマイクロキャビティを有する細胞培養表面を備えた図14の区域15でとられた細胞培養容器、およびその複数のマイクロキャビティの内の少なくとも1つのマイクロキャビティ内で細胞を培養する方法の拡大概略図
図16】本開示の実施の形態による図4の細胞培養容器内で細胞を培養する方法の工程を示す断面図
図17】本開示の実施の形態による細胞培養容器の側面図
図18】本開示の実施の形態による図17の線18-18に沿った細胞培養容器の平面図
図19】本開示の実施の形態による、凹部を備えた図18の線19-19に沿った細胞培養容器の実施の形態の断面図
図20】本開示の実施の形態による、凹部を備えた図19の細胞培養容器の代わりの実施の形態の断面図
図21】本開示の実施の形態による、凹部内に配置された複数のマイクロキャビティを含む細胞培養表面を備えた図19の区域21でとられた第3の例示の細胞培養容器の一部の拡大概略図
図22】本開示の実施の形態による、階段状部分を備えた図21の凹部内に配置された複数のマイクロキャビティを有する細胞培養表面を有する細胞培養容器の一部の代わりの実施の形態の拡大概略図
図23】本開示の実施の形態による、細胞培養表面の周囲面を含む図21に凹部内に配置された複数のマイクロキャビティを含む細胞培養表面を有する細胞培養容器の代わりの実施の形態の拡大概略図
図24】本開示の実施の形態による、凹部を備えた図17の線24-24に沿った第3の例示の細胞培養容器の例示の実施の形態の断面図
図25】本開示の実施の形態による、突起部を備えた図19の例示の細胞培養容器の断面図
図26】本開示の実施の形態による、図25の突起部を備えた細胞培養容器の断面図
図27】本開示の実施の形態による、突起部上に配置された複数のマイクロキャビティを含む細胞培養表面を備えた図25の区域28でとられた細胞培養容器の一部の実施の形態の拡大概略図
図28】本開示の実施の形態による、階段状部分を備えた図27の突起部上に配置された複数のマイクロキャビティを有する細胞培養表面を含む細胞培養容器の一部の実施の形態の拡大概略図
図29】本開示の実施の形態による、突起部を備えた図24の細胞培養容器の断面図
図30】本開示の実施の形態による、所定量の液体を含む図19の細胞培養容器の断面図
図31】本開示の実施の形態による、図30の所定量の液体を含む細胞培養容器の断面図
図32】本開示の実施の形態による、容器の水没面を含む図30の区域32でとられた細胞培養容器の一部の実施の形態の拡大概略図
図33】本開示の実施の形態による、凹部を備えた図32の容器の水没面を含む細胞培養容器の一部の代わりの実施の形態の拡大概略図
図34】本開示の実施の形態による、突起部を備えた図32の容器の水没面を含む細胞培養容器の一部の代わりの例示の実施の形態の拡大概略図
図35A】マイクロキャビティ内でスフェロイドとして増殖する細胞および細胞培養容器内の平らな表面上において不規則な形状で増殖する細胞を示す概略図
図35B】マイクロキャビティ内でスフェロイドとして増殖する細胞および細胞培養容器内の平らな表面上において不規則な形状で増殖する細胞を示す概略図
図36A】マイクロキャビティのアレイ内のスフェロイドの写真
図36B】不規則な細胞集合体で増殖する細胞の写真
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、本開示の例示の実施の形態が示されている添付図面を参照して、特徴構造を下記により十分に記載する。できるときはいつでも、同じまたは同様の部分を称するために、図面に亘り同じ参照番号が使用される。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具体化することができ、ここに述べられた実施の形態に限定されると解釈すべきではない。
【0014】
細胞培養容器(例えば、フラスコ)は、細胞を培養するための無菌細胞培養チャンバを提供することができる。いくつかの実施の形態において、細胞培養は、疾患と毒物学の研究、薬物と治療の効果、腫瘍の特徴、有機体、遺伝学、並びに細胞のおよび細胞に関連する他の科学、生物学、および化学原理に関連する情報を提供することができる。
【0015】
いくつかの実施の形態において、三次元細胞培養は、二次元細胞培養と比べて、より生理学的に正確であり、研究室内での模擬条件と比べて、実生活用途で細胞が存在し、成長できる環境をより実現的に表す多細胞性構造を生じることができる。例えば、三次元細胞培養は、「インビボ」(すなわち、実生活の環境内の生き物内)細胞増殖をシミュレーションする現実的環境をより厳密に提供することが分かっており、一方で、二次元細胞培養は、研究室の外部で生じる現実的環境をそれほど表していない「インビトロ」(すなわち、研究室環境におけるガラス内)細胞増殖をシミュレーションする環境を提供することが分かっている。三次元細胞培養物と相互作用し、その性質と挙動を観察することによって、例えば、疾患と毒物学の研究、薬物と治療の効果、腫瘍、有機体の特徴、遺伝学、並びに細胞のおよび細胞に関連する他の科学、生物学、および化学原理に関連する細胞の理解の向上を成し遂げることができる。特定の条件下では、細胞は互いに群がって、スフェロイドまたはオルガノイドと呼ばれる三次元の「ボール」を形成する。
【0016】
これらのタイプの研究と使途について、スフェロイドの制御された均質集団を提供することが望ましい。細胞培養容器は、細胞が培養中にスフェロイドを形成するのに適した環境を提供するように構造を作り、配置することができる。細胞培養容器は、複数のマイクロキャビティ(例えば、マイクロキャビティ、微小サイズのウェル、ミリリットル未満のサイズのウェル)を含む細胞培養表面を備えることができる。これらのマイクロキャビティがアレイ状に配列され、1つの細胞培養容器内に多数のマイクロキャビティを提供する場合、多数のスフェロイドを培養することが可能になり、したがって、多数の細胞についての検定および実験を行うことが可能になる。
【0017】
しかしながら、スフェロイドを増殖させる目的の細胞培養容器内に平らな表面が存在すると、細胞は、これらの平らな表面上に積もり、不規則な細胞集合体を形成し得る。これらは望ましくない。実施の形態において、本開示は、細胞がその上に積もり、不規則な多細胞形態で増殖し得る平らな表面を持たない細胞培養容器を提供する。すなわち、その容器の細胞培養表面は、マイクロキャビティから実質的になる。
【0018】
実施の形態において、その細胞培養表面は、フラスコ内に配置された挿入物であり得る、または細胞培養表面は、細胞培養容器の壁に結合され得る。マイクロキャビティのアレイを有する細胞培養表面は、例えば、接着、レーザ溶接、超音波溶接、またはいくつかの他の方法によって、細胞培養容器の壁に結合することができる。その細胞培養表面は、複数のマイクロキャビティを形成する波状の(例えば、正弦波)表面を含む上部側および/または底部側を備えることができる。
【0019】
細胞を培養するときに、その容器に、三次元細胞培養物(例えば、細胞集合体、スフェロイド)の増殖を促進させる材料(例えば、培地、固体、液体、気体)を充填することができる。例えば、液体中に懸濁された細胞を含む培地を容器の細胞培養チャンバに加えることができる。懸濁された細胞は、その複数のマイクロキャビティ内に集まることができ、細胞の集団または塊を形成する(例えば、増殖する)ことができる。これらの集団または塊がスフェロイドまたはオルガノイドである。
【0020】
例えば、いくつかの実施の形態において、1つのスフェロイドが、少なくとも重力に基づいて複数のマイクロキャビティの各々のマイクロキャビティ中に形成し、液体中に懸濁された1つ以上の細胞が、その液体を通って落下し、各マイクロキャビティ内に堆積し始め得る。マイクロキャビティの形状(例えば、ウェルを画成する凹状表面または底部)、および細胞が表面に付着するのを防ぐマイクロキャビティの表面コーティングも、各マイクロ内での三次元細胞培養物の増殖を促進することができる。すなわち、その細胞はスフェロイドを形成し、マイクロキャビティの寸法によって、特定のサイズに増殖するように制約される。培養中、スフェロイドは、培地(例えば、食物、栄養素)を消費し、副生成物として代謝産物(例えば、老廃物)を産生し得る。それゆえ、いくつかの実施の形態において、食物培地を培養中に細胞培養チャンバに加えることができ、培養中に、細胞培養チャンバから廃棄培地を除去することができる。培地を追加および除去する際に、スフェロイドをマイクロキャビティから移動させることを避け、スフェロイドの所望の細胞培養を促進させる試みを行うことができる。
【0021】
ここで、図1~37を参照して、細胞培養容器100および細胞培養容器100内で細胞を培養する方法の実施の形態を記載する。図1は、細胞培養容器100の実施の形態の側面図を示しており、図2は、図1の線2-2に沿った容器100の平面図を示している。いくつかの実施の形態において、細胞培養容器100は、上部101、底部108、首付き開口112およびキャップ104で覆われているのが図1に示されているポートを含むことができる。平面図の図2は、細胞培養表面115を取り囲む壁107を示している。上部101、底部108、および壁107(図2に示されている)並びに首付き開口112のこれらの特徴構造の各々は、内部表面を有する。すなわち、上部101は内部表面201を有し、壁107は内部表面207を有し、底部108は内部表面208を有し、首付き開口112は内部表面212を有する。これらの内部表面が細胞培養チャンバ103を画成する。容器100の底部108の内部表面208は細胞培養表面115である。この細胞培養表面115は、スフェロイドを収容し、培養するためのマイクロキャビティのアレイ(図5~7参照)を有する。図2に示されるように、前記壁の内部表面は細胞培養表面115に当接している。実施の形態において、細胞培養表面115と壁107の内部表面207との間に、平らな表面はない。すなわち、細胞培養表面115は、平らな表面を実質的に含まない。言い方を変えれば、細胞培養表面115は、完全にマイクロキャビティから作られている。その細胞培養表面はマイクロキャビティから実質的になる。
【0022】
その容器は、以下に限られないが、高分子、ポリカーボネート、ガラス、およびプラスチックを含む材料から製造することができる。図面において、容器100は、透き通った(例えば、透明)材料から製造されていると示されている;しかしながら、いくつかの実施の形態において、容器100は、もう一つの方法として、本開示の範囲から逸脱せずに、半透明の、ほとんど不透明の、または不透明の材料から製造されることがある。図3は、図2の線3-3に沿った容器100の断面図を示している。いくつかの実施の形態において、細胞培養表面115および壁107の内部表面207は、容器100の細胞培養チャンバ103を画成し、開口部105が、壁107を通って、細胞培養チャンバ103と流体連通している。例えば、いくつかの実施の形態において、細胞培養チャンバ103は、容器100の内部空間体積を含み得る。
【0023】
図1および図2に戻ると、いくつかの実施の形態において、容器100は、開口部105を覆って開口部105を密封するか塞ぐかの少なくとも一方を行い、それによって、開口部105を通る容器100の外側からの細胞培養チャンバ103への通路を遮るように正しく置かれたキャップ104を備えることができる。明確にするために、キャップ104は取り除かれ、したがって、他の図面には示されていないが、いくつかの実施の形態において、本開示の範囲から逸脱せずに、キャップ104を設け、容器100の開口部105に選択的に加えたり、取り外したりできることを理解すべきである。いくつかの実施の形態において、キャップ104は、容器100の細胞培養チャンバ103中へのおよび/またはそこからの気体の移動を可能にするフィルタを備えることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、キャップ104は、細胞培養チャンバ103内の気体の圧力を調整し、それによって、容器100の外部の環境の圧力(例えば、大気圧)に対して細胞培養チャンバ103の加圧(例えば、過圧)を防ぐように正しく置かれたガス透過性フィルタを備えることができる。
【0024】
図2の線3-3に沿った断面図を示す図3、および図1の線4-4に沿った断面図を示す図4に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面115は、軸510に沿って延在する細胞培養チャンバの長さ「L1」に亘ることができる。図5は、図4の区域5でとられた細胞培養表面115の一部の拡大概略図を示している。さらに、図6は、図5の線6-6に沿った細胞培養表面115の一部の断面図を示しており、図7は、図6の断面図の代わりの実施の形態を示している。図5に示されるように、いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティ120は、対角配列で配列させることができるが、他の実施の形態において、他の配置を設けても差し支えない。さらに、いくつかの実施の形態において、各マイクロキャビティ120a、120b、120cは、ウェル122a、122b、122cを画成する凹形底部121a、121b、121c(図6および7参照)を備えることができる。さらに、各マイクロキャビティ120a、120b、120cは、各マイクロキャビティ120の上部に開口123a、123b、123cを備えることができる。図6に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面115の第一面125は、非線形(例えば、波状、正弦波)プロファイルを備えることができ、細胞培養表面115の第二面126は平らであり得る。同様に、図7に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面115の第一面125および第二面126の両方とも、非線形(例えば、波状、正弦波)プロファイルを備えることができる。
【0025】
いくつかの実施の形態において、細胞培養表面115、並びに容器100(図1~16に述べられるような)および300(図17~34に述べられるような)は、以下に限られないが、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスチレン共重合体、フルオロポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレンブタジエン共重合体、完全に水素化されたスチレン重合体、ポリカーボネートPDMS共重合体、およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン共重合体および環状オレフィン共重合体などのポリオレフィンを含む高分子材料を含み得る。それに加え、いくつかの実施の形態において、凹形底部121a、121b、121cにより画成されたウェル122a、122b、122cの少なくとも一部を超低結合性コーティングで被覆し、それによって、ウェル122a、122b、122cのその少なくとも一部を、細胞に対して非接着性にすることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、ペルフルオロ高分子、オレフィン、アガロース、ポリアクリルアミドなどの非イオン性ヒドロゲル、ポリエチレンオキシドなどのポリエーテル、ポリビニルアルコールなどのポリオールまたはその混合物の1種類以上を、凹形底部121a、121b、121cにより画成されたウェル122a、122b、122cの少なくとも一部に施すことができる。
【0026】
さらに、いくつかの実施の形態において、複数のマイクロキャビティ120(図1~16に述べられるような)および320(図17~34に述べられるような)の各マイクロキャビティ120a、120b、120cは、本開示の範囲から逸脱せずに、様々な特徴構造およびそれらの特徴構造の変種を含むことができる。例えば、いくつかの実施の形態において、複数のマイクロキャビティ120は、直線配列(図示の)、対角配列、長方形配列、円形配列、放射状配列、六方最密配置などを含むアレイで配列することができる。それに加え、いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cは、様々な形状を含むことができる。いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cは、円形、卵形、長方形、四辺形、六角形、および他の多角形の1つ以上を含むことができる。それに加え、いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cは、約100マイクロメートル(μm)から約5000μmの寸法(例えば、直径、幅、正方形または長方形の対角線など)を含むことができる。例えば、いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cは、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、950μm、1000μm、1500μm、2000μm、2500μm、3000μm、3500μm、4000μm、4500μm、5000μmの寸法、および約100μmから約5000μmの範囲内に含まれる任意の寸法または寸法の範囲を含むことができる。
【0027】
いくつかの実施の形態において、凹形底部121a、121b、121cにより画成されたウェル122a、122b、122c(図1~16に述べられるような)および322(図17~34に述べられるような)は、様々な形状を含むことができる。いくつかの実施の形態において、凹形底部121a、121b、121cにより画成されたウェル122a、122b、122cは、円形、楕円形、放物形、双曲形、山形、傾斜、または他の断面プロファイル形状の1つ以上を含むことができる。それに加え、いくつかの実施の形態において、ウェル122a、122b、122cの深さ(例えば、開口123a、123b、123cにより画成される平面から、凹形底部121a、121b、121cまでの深さ)は、約100マイクロメートル(μm)から約5000μmまでの寸法を含むことができる。例えば、いくつかの実施の形態において、ウェル122a、122b、122cの深さは、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、950μm、1000μm、1500μm、2000μm、2500μm、3000μm、3500μm、4000μm、4500μm、5000μmの寸法、および約100μmから約5000μmの範囲内に含まれる任意の寸法または寸法の範囲を含むことができる。
【0028】
いくつかの実施の形態において、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で培養できる三次元細胞150(例えば、スフェロイド、オルガノイド150a、150b、150c)(図16参照)(図1~16に述べられるような)および350(図17~34に述べられるような)は、約50μmから約5000μmの寸法(例えば、直径)、および約50μmから約5000μmの範囲内に含まれる任意の寸法または寸法の範囲を含むことができる。いくつかの実施の形態において、開示された明確な寸法より大きいまたは小さい寸法を提供することができ、したがって、特に明記のない限り、開示された明確な寸法より大きいまたは小さい寸法は、本開示の範囲内にあると考えられる。例えば、いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cの1つ以上の寸法、ウェル122a、122b、122cの深さ、および三次元細胞150(例えば、スフェロイド150a、150b、150c)の寸法は、本開示の範囲から逸脱せずに、開示された明確な寸法より大きくても、小さくても差し支えない。
【0029】
図1~4に戻ると、いくつかの実施の形態において、容器100は、開口部105から細胞培養表面115まで延在する首部555を備え得る。いくつかの実施の形態において、首部555は、傾斜(例えば、斜め)プロファイル、開口部105に向かうおよび/またはそこから離れる方向に狭くなるプロファイル、および細胞培養表面115に向かうおよび/またはそこから離れる方向に広がるプロファイルの1つ以上を含むことができる。図3に示されるように、いくつかの実施の形態において、首部555は、細胞培養チャンバ103に対して角度が付けられている。さらに、いくつかの実施の形態において、容器の首部555は、曲げ部158を有し得る。いくつかの実施の形態において、曲げ部158は、細胞培養表面115より高い。しかしながら、いくつかの実施の形態において、その曲げ部はどの形状のものであっても差し支えないことを理解すべきである。例えば、曲げ部158は、湾曲、または傾斜、または角度付き、または階段状であり得る。
【0030】
それに加え、またはそれに代えて、図3および図4に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養容器100は、首部112の内部表面212から延在するダム130を備えることができる。いくつかの実施形態において、ダム130は、開口部105と細胞培養表面115との間で画成される通路を遮るポートに面する表面131を備え得る。いくつかの実施の形態において、ダム130のポートに面する表面131は、容器100の軸510に対して実質的に垂直であり得る。さらに、図3に示されるように、いくつかの実施の形態において、ダム130の自由端135の少なくとも一部は、上部101の内面201から距離「d10」だけ距離をあけて配置することができる。いくつかの実施の形態において、ダム130の自由端135の少なくとも一部を内面201から距離をあけて配置することによって、いくつかの実施の形態において、容器100の後方部分(例えば、開口部105と反対側)へのアクセスを設けることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、1つ以上の器具(図示せず)を、ダム130を越えて(例えば、距離「d10」を通って)容器100の開口部105中に挿入して、ダム130の背後に配置された細胞培養チャンバ103のある領域に到達することができる。したがって、例えば、第1の例示の細胞培養容器100のダム130に関して開示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養容器100のダム130は、同様に、容器100に流入する材料(例えば、食物、栄養素)および/または容器100から流出する材料(例えば、老廃物)の速度を遅くすること、およびそれを遮ることの少なくとも一方を行いつつ、容器100の細胞培養チャンバ103中へのバルクアクセスも可能にすることができる。
【0031】
図1に示されるように、いくつかの実施の形態において、容器100は蓋137を備えることができる。いくつかの実施の形態において、蓋137は、閉じているときに、容器100の上部101であり得る(図3も参照のこと)。いくつかの実施の形態において、第1の主面538が細胞培養チャンバ103の少なくとも一部を画成することができる。それに加え、いくつかの実施の形態において、蓋137は、開けたり閉じたり、またはある程度開けたり(またはある程度閉じたり)することができる。蓋137は、容器100にスライド式に取り付けることができ、または、いくつかの実施の形態において、蓋137は、容器100にヒンジで取り付けることができる。いくつかの実施の形態において、開口部536は、細胞培養チャンバ103と流体連通することができる。
【0032】
さらに、図3に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面115から上部101または蓋137までの第1の距離「d11」は、細胞培養表面115から開口部105の開口507までの第2の距離「d12」より小さいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、細胞培養表面115から開口部105の開口507までの第2の距離「d12」は、開口507のどの位置で定義されても差し支えない。しかしながら、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面115から開口部105の開口507までの第2の距離「d12」は、細胞培養表面115に対する開口部105の開口507の最も近い位置として定義することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、軸510が重力「g」の方向(図16参照)に対して垂直な方向に延在するように容器100が向けられている場合、細胞培養表面115から開口部105の開口507までの第2の距離「d12」は、重力「g」の方向に対して開口部105の開口507の最も低い位置として定義することができる。
【0033】
したがって、いくつかの実施の形態において、例えば、細胞培養表面115から蓋137の部分まで延在する距離が、細胞培養表面115から開口部105の開口507までの第2の距離より大きい比較容器と比べて、容器100の1つ以上の特徴構造が、単独または組合せで、材料を収容できるより大きい容積を含む細胞培養チャンバ103を提供することができる。すなわち、軸510が重力「g」の方向に対して垂直な方向に延在するように容器100が向けられている場合、細胞培養表面115から開口部105の開口507までの第2の距離「d12」(重力「g」の方向に対して開口部105の開口507の最も低い位置として定義される)は、容器100の細胞培養チャンバ103内に収容できる材料の体積に関する最大充填ラインを定義することができる。例えば、第2の距離「d12」が第1の距離「d11」より小さく、軸510が重力「g」の方向に対して垂直な方向に延在するように容器100が向けられている場合、細胞培養チャンバ103内に収容される材料の体積の最大充填ラインは、蓋137からの距離に相応するであろう。何故ならば、細胞培養チャンバ103に加えられるどの追加の材料も、細胞培養チャンバ103内に収容されずに、開口部105の開口から流出するであろうからである。それゆえ、第2の距離「d12」が第1の距離「d11」より小さく、軸510が重力「g」の方向に対して垂直な方向に延在するように容器100が向けられている場合、容器100は、収容している材料に関して利用されない細胞培養チャンバ103の部分を含む体積を含み得る。したがって、いくつかの実施の形態において、第1の距離「d11」より大きい第2の距離「d12」を含む、本開示の実施の形態による容器100を提供することによって、細胞培養チャンバ103の全体積を利用して、材料を収容することができ、より大きい体積の材料を細胞培養チャンバ103内に収容することができ、材料の効率的な配分、および容器100の空間の全体利用を達成することができる。同様に、いくつかの実施の形態において、第2の距離「d12」は、本開示の範囲から逸脱せずに、第1の距離「d11」と等しくても差し支えない。
【0034】
さらに、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面115の単位面積(例えば、1種類以上の細胞を培養できるそれぞれの表面を提供する単位面積)に関して、三次元細胞培養は、例えば、比較の二次元細胞培養よりも、多くの培地(例えば、食物、栄養素)を消費し、副生成物として多くの培地(例えば、老廃物)を生じ得る。それゆえ、いくつかの実施の形態において、例えば、比較の二次元細胞培養と比べて、本開示の実施の形態による三次元細胞培養は、同等の期間で、より頻繁な培地交換(例えば、食物、栄養素の追加、および/または老廃物の除去)を含み得る。それに加え、またはそれに代えて、いくつかの実施の形態において、例えば、比較の二次元細胞培養と比べて、本開示の実施の形態による三次元細胞培養は、同等の期間で、より大きい培地体積(例えば、より多くの食物、栄養素を消費する、および/またはより多くの老廃物を生じる)を含み得る。したがって、いくつかの実施の形態において、細胞培養容器100の1つ以上の特徴構造、および細胞培養容器100内で細胞150を培養する方法は、培地交換の頻度、並びに容器100の細胞培養チャンバ103内に収容できるもの、細胞培養チャンバ103に加えられるもの、および細胞培養チャンバ103から除去できるものの1つ以上であり得る培地の体積に関する利点を提供し、それによって、三次元細胞を培養するのに望ましい効果的な環境を提供することができる。
【0035】
図2の線8-8に沿った容器100の部分断面図を示す図8に示されるように、いくつかの実施の形態において、上部壁101は溝180を備えることができ、蓋137は、例えば、開口部136の開口を通じて、細胞培養チャンバ103へのアクセスを選択的に提供するために、溝180内で摺動可能であり得る(図2に矢印181で示されるように)。それに加え、またはそれに代えて、図2の線9-9に沿った容器100の部分断面図を示す図9に示されるように、いくつかの実施の形態において、容器100は、蓋137を壁101に接続するヒンジ182を備えることができる。いくつかの実施の形態において、蓋137は、例えば、開口部136の開口を通じて、細胞培養チャンバ103へのアクセスを選択的に提供するために、ヒンジ182の周りで回転可能であり得る(矢印183で示されるように)。さらに、いくつかの実施の形態において、蓋137は、例えば、開口部136の開口を通じて、細胞培養チャンバ103へのアクセスを選択的に提供するために、再利用可能な接着剤および再利用できない接着剤を含む接着剤(図示せず)および/または1つ以上の特徴構造(図示せず)で壁101に接続されても差し支えない。
【0036】
それに加え、いくつかの実施の形態において、ポート105から端部壁107まで容器の軸510に沿って測定される、容器100の長さ「L2」は、細胞培養表面115の長さ「L1」以上であり得る。したがって、いくつかの実施の形態において、例えば、複数の容器100が占める表面積(例えば、研究室の表面積、テーブルの表面積)を減少させるために、複数の容器100を積み重ねることができる(例えば、重力の方向に対して垂直に)。例えば、図10は、本開示の実施の形態にしたがって互いに積み重ねられた複数の容器100、100a、100bの側面図を概略示している。
【0037】
図10に概略示されているように、いくつかの実施の形態において、壁101a、キャップ104a、首部555a、蓋137a、および底部108aを備えた容器100aを、他のものの上部に1つ、積み重ねることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、容器100bの底部108bは、壁101、101a、101bに関して、重力の方向に垂直な主面を画成する水平面(図示せず)上に配置することができる。いくつかの実施の形態において、容器100の底部108は、容器100bの蓋137b上に(例えば、面するように)配置することができる。同様に、いくつかの実施の形態において、容器100aの底部108aを容器100の蓋137上に(例えば、面するように)配置することができる。本開示の実施の形態にしたがって複数の容器100、100a、100bを配置する(例えば、積み重ねる)ことによって、複数の容器100、100a、100bは、例えば、容器100、100a、100bに関する貯蔵、洗浄、および培養の1つ以上の最中に、容器100、100a、100bが提供される空間(例えば、面積、体積)を効率的に利用することができる。3つの積み重ねられた容器100、100a、100bが複数として示されているが、本開示の範囲から逸脱せずに、本開示の実施の形態にしたがって、2つの容器または4つ以上の容器を積み重ねられることを理解すべきである。さらに、いくつかの実施の形態において、複数の容器100、100a、100bは、本開示の範囲から逸脱せずに、本開示に明白に開示されていない配置を含む様々な配置で、別々に、および/または一緒に(例えば、積み重ねられて)配置することができる。
【0038】
実施の形態において、前記容器は積み重ねられる。さらに、首部112における曲げ部158の1つ以上の特徴構造に少なくとも部分的に基づいて、本開示の実施の形態にしたがって積み重ねられた場合、ポート105、105a、105bへのアクセスは、複数の容器100、100a、100bが積み重ねられている間に(例えば、固定された)、例えば、それぞれの細胞培養チャンバ103、103a、103bに材料(例えば、食物、栄養素)を追加する、および/またはそこから材料(例えば、老廃物)を除去するために、維持することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、本開示の1つ以上の特徴構造を備えていない容器を積み重ねると、開口部の開口へのアクセスを制限する、遮る、および妨げるの1つ以上が行われ得る。いくつかの実施の形態において、アクセスが制限される、遮られる、および妨げられるの1つ以上が行われる開口部の開口を含む積み重ねられた容器は、例えば、開口部の開口へのアクセスを提供するために、培養過程中に互いに対して動かされることがある(例えば、平行移動および回転の少なくとも一方)。しかしながら、いくつかの実施の形態において、培養過程中に互いに対して容器が動かされると、その容器内で培養されている細胞が押しのけられる、および乱されるの1つ以上が行われ、それによって、細胞培養過程に悪影響が及ぶであろう。したがって、容器100、100a、100bの首部555、555a、555bの曲げ部158、158a、158bの1つ以上の特徴構造に少なくともある程度基づいて、本開示の実施の形態にしたがって積み重ねられた場合、ポートの開口へのアクセスが達成され、細胞培養過程に関する利点を得ることができる。
【0039】
ここで、図11~16を参照して、細胞培養容器100内で細胞を培養する方法を記載する。図11に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養容器100内で細胞150(図15参照)を培養する方法は、開口部105を通じて容器100の外部から細胞培養チャンバ103中に液体を通し(例えば、矢印106で示される)、それによって、細胞培養チャンバ103内に所定量の液体140を提供する工程を含み得る。実施の形態において、その方法は、随意的なダム130の有無にかかわらずに、容器内で行うことができる。
【0040】
また、容器100の首部112の曲げ部158も示されている。いくつかの実施の形態において、前記方法は、曲げ部158が首部112において最下点を形成するように容器100を傾ける工程を含み得る。その容器に導入された液体140は、曲げ部158で首部112内に蓄積し得る。すなわち、その容器は、液体140がマイクロキャビティのアレイ115と接触せずに、首部112の曲げ部158内に所定量の液体140を収容することができる。下記により詳しく述べられるように、前記方法のこの段階で、液体140がマイクロキャビティ120のアレイを含有する細胞培養表面115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触するのを防ぐことにより、例えば、細胞150(図15参照)の改善された培養を促進するいくつかの利点を提供することができる。次に、軸510が重力「g」に対して垂直となり、液体140が、マイクロキャビティ120のアレイを有する細胞培養表面115を横断してゆっくりと流れ、その液体がマイクロキャビティ120をゆっくりと満たすように、容器をゆっくりと傾けることができる。この工程が、図12に概略示されている。
【0041】
例えば、図13は、図12の区域13でとられた細胞培養容器100の拡大概略図を示しており、液体140の少なくとも一部が、首部112から細胞培養チャンバ103の長さ「L1」に沿って細胞培養表面115上に流れ、マイクロキャビティ120のアレイのマイクロキャビティ120a、120b、120cに入るのを示している。いくつかの実施の形態において、液体を流す容器100の動作は、制御することができ、遅いことがあり得る(例えば、およそ数分の期間で行われる)。例えば、複数のマイクロキャビティ120のマイクロキャビティ120a、120b、120cに液体を直接充填する(例えば、本開示の方法に基づかない)と、マイクロキャビティ内で気泡が形成され得ることが観察された。マイクロキャビティ120に液体をこのようにゆっくりと導入すると、気泡の形成が減少して、液体がマイクロキャビティに流入することができる。気泡は、細胞増殖を妨害する。液体培地は、高い表面張力を有し得(液体培地は粘度が高くあり得)、マイクロキャビティ120は非常に小さい。理論で束縛する意図はないが、マイクロキャビティ120a、120b、120cに液体を直接かつ急速に(例えば、およそ数秒の期間で行われる)充填しようとした場合、表面張力のために、気泡がマイクロキャビティ内に捕捉されると考えられる。しかしながら、本開示の方法の1つ以上の特徴構造を利用することによって、例えば、首部112の曲げ部158に液体を導入し、次いで、容器100をその細胞培養位置(細胞培養表面が重力「g」に対して垂直である)にゆっくりと傾けることによって、気泡の形成を減少させることができることが観察される。
【0042】
それに加え、長期の細胞培養について、細胞が栄養素の新鮮な供給を維持することを確実にするために、培地を交換しなければならない。これには、各マイクロキャビティ120内にスフェロイドが適所にある間に、培地を除去し、培地を補給する必要がある。培地の交換中にマイクロキャビティ120からスフェロイドを押しのけないことが重要である。スフェロイド150がそのマイクロキャビティ120から「飛び出た」場合、それは、別の既に占有されたマイクロキャビティ中に沈み得る。スフェロイドが互いに触れたときに、それらは不規則な細胞集合体801(図35および36参照)を形成し、不均質細胞培養がもたらされる。
【0043】
いくつかの実施の形態において、首部112の曲げ部158は細胞培養表面115に当接し得、液体140が首部112の曲げ部158から流れ、制御された流動で(例えば、液体の飛沫が減少しているかまたはなく、乱流が減少しているかまたはない)、マイクロキャビティ120a、120b、120c中に堆積し、それによって、気体をウェル122a、122b、122cから移動させつつ、マイクロキャビティ120a、120b、120cのそれぞれの開口部123a、123b、123cの一部を通ってマイクロキャビティ120a、120b、120cのウェル122a、122b、122c中に堆積する液体の定常流を与えることができる。実施の形態において、細胞培養表面115は、壁107から壁107まで延在する。実施の形態において、細胞培養表面115は、どのような平らな区域も持たない。すなわち、その細胞培養表面は、細胞培養表面と壁107との間に縁も、平らな区域もない、壁から壁までマイクロキャビティのアレイである。実施の形態において、細胞培養表面は複数のマイクロキャビティから実質的になる。実施の形態において、細胞が定着する平らな区域が細胞培養チャンバ内にない。このことは、細胞が、マイクロウェルの外部の細胞培養チャンバ内に定着しないことを確実するために重要である。細胞がマイクロウェルの外部で細胞培養表面の外の平らな区域に定着すると、細胞は不規則な細胞集合体として増殖し、その容器内で多細胞3D構造の不均質集団を形成し得る。実施の形態において、細胞培養表面は複数のマイクロキャビティから実質的になる。細胞がマイクロウェルの外部で細胞培養表面の外の平らな区域に定着すると、細胞は不規則な細胞集合体801(図35Aと35B、36Aと36B参照)として増殖し、その容器内で多細胞3D構造の不均質集団を形成し得る。実施の形態において、細胞培養表面は複数のマイクロキャビティから実質的になる。
【0044】
実施の形態において、細胞培養表面115は壁107から壁107まで延在する。実施の形態において、細胞培養表面115は、どのような平らな区域も持たない。すなわち、その細胞培養表面は、細胞培養表面と壁107との間に縁も、平らな区域もない、壁から壁まで延在するマイクロキャビティ120のアレイである。実施の形態において、細胞培養表面は複数のマイクロキャビティから実質的になる。実施の形態において、細胞が定着する平らな区域が細胞培養チャンバ内にない。このことは、細胞が、マイクロウェルの外部の細胞培養チャンバ内に定着しないことを確実するために重要である。細胞がマイクロウェルの外部で細胞培養表面の外の平らな区域に定着すると、細胞は不規則な細胞集合体801(図35Aと35B、36Aと36B参照)として増殖し、その容器内で多細胞3D構造の不均質集団を形成し得る。実施の形態において、細胞培養表面は複数のマイクロキャビティから実質的になる。
【0045】
図14に示されるように、いくつかの実施の形態において、少なくとも容器100の動きに基づいて、液体140を、細胞培養表面115の全面に亘り首部112から流すことができる。それに加え、図15は、細胞培養容器100内で細胞150を培養する方法を含む、図14の区域15でとられた細胞培養容器100の拡大概略図を示している。例えば、いくつかの実施の形態において、その方法は、少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内に所定量の液体140の少なくとも一部を堆積させた後、複数のマイクロキャビティ115の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で細胞150(例えば、スフェロイド150a、スフェロイド150b、スフェロイド150c)を培養する工程を含むことができる。図14および図15に示されるように、いくつかの実施の形態において、容器100の軸510は、マイクロキャビティ120内で細胞150を培養している間、重力「g」の方向に対して実質的に垂直であり得る。
【0046】
図16に概略示されるように、いくつかの実施の形態において、前記方法は、細胞培養チャンバ103に追加の液体培地140を加える工程をさらに含むことができる(矢印508で示されるように)。例えば、いくつかの実施の形態において、細胞培養容器100内で細胞150(図15参照)を培養している間に、液体培地140(細胞の食物、栄養素を含有する液体)を細胞培養チャンバ103に加えることができる。ポート150は、隆起しており、上に向いているので、液体140を、ポート150の開口部507の最下点からの距離「d13」まで、容器に加えることができる。すなわち、実施の形態において、その容器は、容器100の蓋137または上部101に至るまで充填することができる。このようにして、細胞培養チャンバ103は、ポートが容器100の上部101より低く配置されている場合に収容できるであろうよりも大きい体積の液体140を収容することができる。
【0047】
ここで、図17~34を参照して、細胞培養容器300および細胞培養容器300内で細胞を培養する方法の追加の実施の形態を記載する。図17~34に示された実施の形態は、首付き開口またはポートを持たない実施の形態を示しているが、図17~34に示された実施の形態を、ポートを持つ容器である、図1~16に示された実施の形態に組み込めることが理解されよう。例えば、図17は、細胞培養容器300の側面図を概略示しており、図18は、図17の線18-18に沿った容器300の平面図を概略示している。いくつかの実施の形態において、細胞培養容器300は、壁301および蓋304を備えることができる。図面において、容器300は、透き通った(例えば、透明)材料から製造されていると示されている;しかしながら、いくつかの実施の形態において、容器300は、もう一つの方法として、本開示の範囲から逸脱せずに、半透明の、ほとんど不透明の、または不透明の材料から製造することができる。いくつかの実施の形態において、蓋304は、容器300の開口を覆って開口を密封するか塞ぐかの少なくとも一方を行い、それによって、開口を通る容器300の外側からの細胞培養チャンバ303への通路を遮るように正しく置くことができる。明確にするために、蓋304は取り除かれ、したがって、他の図面には示されていないが、いくつかの実施の形態において、本開示の範囲から逸脱せずに、蓋304を設け、容器300の開口に選択的に加えたり、取り外したりできることを理解すべきである。いくつかの実施の形態において、蓋304は、容器300の細胞培養チャンバ303中へのおよび/またはそこからの気体の移動を可能にするフィルタ(図19参照)を備えることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、蓋304は、細胞培養チャンバ303内の気体の圧力を調整し、それによって、容器300の外部の環境の圧力(例えば、大気圧)に対して細胞培養チャンバ303の加圧(例えば、過圧)を防ぐように正しく置かれたガス透過性フィルタを備えることができる。
【0048】
図19は、図18の線19-19に沿った細胞培養容器300の例示の実施の形態の断面図を示しており、図20は、図19の細胞培養容器300の代わりの例示の実施の形態の断面図を示している。それに加え、図25は、図18の細胞培養容器300の代わりの例示の実施の形態の断面図を示しており、図26は、図25の細胞培養容器300の代わりの例示の実施の形態の断面図を示している。いくつかの実施の形態において、壁301は内面302を備えることができ、容器300は、複数のマイクロキャビティ320を含む細胞培養表面315を備えることができる。図19および図25に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面315および壁301の内面302が容器300の細胞培養チャンバ303を画成する。あるいは、図20および図26に示されるように、いくつかの実施の形態において、壁301の内面302が、例えば、第1の領域303aおよび第2の領域303bを含む容器300の細胞培養チャンバ303を画成することができ、細胞培養表面315は、細胞培養チャンバ303内で、第1の領域303aと第2の領域303bとの間に位置付けることができる。
【0049】
図19および図20に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面315の外周330は、複数のマイクロキャビティ320を取り囲むことができ、その外周330の少なくとも一部331は、容器300の壁301の内面302の凹部335内に位置付けることができる。例えば、図24は、図17の線24-24に沿ってとられた容器300の例示の断面図を示しており、ここで、全外周330は複数のマイクロキャビティ320を側面に沿って囲んでおり、その全外周330は凹部335内に位置付けられている。あるいは、図25および図26に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面315の外周330は複数のマイクロキャビティ320を取り囲むことができ、その外周330の少なくとも一部331は、容器300の壁301の内面302の突起部337上に位置付けることができる。例えば、図29は、図24の第3の例示の細胞培養容器300の代わりの例示の実施の形態の断面図を示しており、ここで、全外周330は複数のマイクロキャビティ320を側面に沿って囲んでおり、その全外周330は突起部337上に位置付けられている。本開示の全体に亘り、「取り囲む」とは、細胞培養表面315の主要な特徴構造に対して垂直な方向の上面図または底面図において、例えば、第1の特徴構造により画成される外周が、第2の特徴構造により画成される外周を取り囲むことを意味する。それゆえ、例えば、図24および図29の図に示されるように、細胞培養表面315の外周(外周330により画成される)は、細胞培養表面315の外周(複数のマイクロキャビティ320により画成される)を取り囲んでいる。
【0050】
実施の形態において、細胞培養表面315は、壁301から壁301まで延在する。実施の形態において、細胞培養表面315は、どのような平らな区域も有していない。すなわち、その細胞培養表面は、細胞培養表面と壁301との間に縁も、平らな区域もない、壁から壁まで延在するマイクロキャビティ320のアレイである。実施の形態において、細胞培養表面は複数のマイクロキャビティから実質的になる。実施の形態において、細胞が定着する平らな区域が細胞培養チャンバ内にない。このことは、細胞が、マイクロウェルの外部の細胞培養チャンバ内に定着しないことを確実するために重要である。細胞がマイクロウェルの外部で細胞培養表面の外の平らな区域に定着すると、細胞は不規則な細胞集合体801(図35Aと35B、36Aと36B参照)として増殖し、その容器内で多細胞3D構造の不均質集団を形成し得る。実施の形態において、細胞培養表面は複数のマイクロキャビティから実質的になる。
【0051】
図21~23は、凹部335内に位置付けられた細胞培養表面315の外周330の少なくとも一部331を含む、図19の区域21でとられた容器300の一部の例示の実施の形態の拡大図を示している。同様に、図27および図28は、突起部337上に位置付けられた外周330の少なくとも一部331を含む、図25の区域28でとられた容器300の一部の例示の実施の形態の拡大図を示している。いくつかの実施の形態において、複数のマイクロキャビティ320の各マイクロキャビティ320a、320b、320cは、ウェル322a、322b、322cを画成する凹面321a、321b、321cおよび開口323a、323b、323cを備えることができる。液体は、開口323a、323b、323cを通じてそれらのマイクロキャビティに出入りする。いくつかの実施の形態において、細胞培養表面315は、容器300の壁301に取り付けることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面315は、接着剤(図示せず)、溶剤(図示せず)、留め具(図示せず)により、または溶接(レーザ溶接または超音波溶接)で、容器300の壁301に取り付けることができる、もしくはその壁および細胞培養表面315は、一緒に成形することができる。それに加え、またはそれに代えて、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面315は、少なくとも一部には、例えば、プラスチック溶接過程、レーザ溶接過程、超音波溶接過程の操作に基づいて、容器300の壁301の内面302に取り付けることができる。いくつかの実施の形態において、壁301および外周330の少なくとも一方は、少なくとも一部にはプラスチック溶接過程の操作に基づいて、容器300の壁301への細胞培養表面315の結合を促進するためにエネルギーディレクタ(図示せず)を含み得る。
【0052】
それに加え、図22に示されるように、いくつかの実施の形態において、容器300は、細胞培養表面315から外側に広がり、凹部335を形成する階段状部分306を備えることができる。いくつかの実施の形態において、階段状部分306は、細胞培養チャンバ303の体積およびその細胞培養チャンバ303内の複数のマイクロキャビティ320のマイクロキャビティ320a、320b、320cの数量の少なくとも一方を増加させることができる。それに加え、またはそれに代えて、階段状部分306は、例えば、図21に示された対応する凹部335と壁301の厚さと比べて、容器300の壁301の厚さを増加させずに、比較的大きい凹部335を提供することができる。いくつかの実施の形態において、階段状部分306により形成された凹部335は、凹部335内に位置付けられた細胞培養表面315の外周330の少なくとも一部331を収容するように向けることができる。同様に、図28に示されるように、いくつかの実施の形態において、容器300は、細胞培養表面315に向けて内側に延在し、突起部337を形成する階段状部分308を備えることができる。いくつかの実施の形態において、階段状部分308は、例えば、図27に示された対応する突起部337と壁301の厚さと比べて、容器300の壁301の厚さを増加させずに、比較的大きい突起部337を提供することができる。いくつかの実施の形態において、階段状部分308により形成された突起部337は、突起部337上に位置付けられた細胞培養表面315の外周330の少なくとも一部331を収容するように向けることができる。
【0053】
実施の形態において、細胞培養表面315は、壁301から壁301まで延在する。実施の形態において、細胞培養表面315は、どのような平らな区域も持たない。すなわち、その細胞培養表面は、細胞培養表面と壁301との間に縁も、平らな区域もない、壁から壁まで延在するマイクロキャビティ320のアレイである。実施の形態において、細胞培養表面は複数のマイクロキャビティから実質的になる。実施の形態において、細胞が定着する平らな区域が細胞培養チャンバ内にない。このことは、細胞が、マイクロウェルの外部の細胞培養チャンバ内に定着しないことを確実するために重要である。細胞がマイクロウェルの外部で細胞培養表面の外の平らな区域に定着すると、細胞は不規則な細胞集合体801(図35Aと35B、36Aと36B参照)として増殖し、その容器内で多細胞3D構造の不均質集団を形成し得る。実施の形態において、細胞培養表面は複数のマイクロキャビティから実質的になる。
【0054】
それに加え、図23図25、および図28に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面315の外周330の少なくとも一部331は、複数のマイクロキャビティ320の各マイクロキャビティ320a、320b、320cの凹面321a、321b、321cから離れる方向に、マイクロキャビティ320a、320b、320cの開口323a、323b、323cを含む細胞培養表面315の部分から間隔を置いて配置することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面315は、外周330の少なくとも一部331から、開口323a、323b、323cを含む細胞培養表面315の部分まで延在する外周面332を備えることができる。いくつかの実施の形態において、外周面332は、垂直の向き(例えば、重力の方向に延在する)を備えることができる;しかしながら、いくつかの実施の形態において、外周面332は、重力の方向に対して傾斜して、例えば、マイクロキャビティ320a、320b、320cの開口323a、323b、323cに細胞を向けることができる。
【0055】
さらに、細胞培養表面315の外周330の少なくとも一部331を凹部335内に位置付けることによって、いくつかの実施の形態において、例えば、マイクロキャビティ320aの開口323aを、凹部335の位置で壁301の内面302に当接するように位置付けることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、例えば、いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティ320aの開口323aは、液体中に懸濁された細胞が、容器300の表面上に定着せずにまたは接着せずに、マイクロキャビティ320aのウェル322a中に落下する(例えば、少なくとも重力に基づいて)および/または内面302により向けられるように壁301の内面302と同一平面にあり得る。同様に、細胞培養表面315の外周330の少なくとも一部331を突起部337上に位置付けることによって、いくつかの実施の形態において、例えば、突起部337で外周330を支持して、マイクロキャビティ320aの開口323aを細胞培養表面315の外周面332と当接するように位置付けることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティ320aの開口323aは、液体中に懸濁された細胞が、容器300のどの他の表面上にも定着せずにまたは接着せずに、マイクロキャビティ320aのウェル322a中に落下する(例えば、少なくとも重力に基づいて)および/または外周面332により向けられるように細胞培養表面315の外周面332と同一平面にあり得る。実施の形態において、細胞培養表面315は壁301から壁301まで延在する。実施の形態において、細胞培養表面315は、どのような平らな区域も持たない。すなわち、その細胞培養表面は、細胞培養表面と壁301との間に縁も、平らな区域もない、壁から壁まで延在するマイクロキャビティ320のアレイである。実施の形態において、細胞培養表面は複数のマイクロキャビティから実質的になる。実施の形態において、細胞が定着する平らな区域が細胞培養チャンバ内にない。このことは、細胞が、マイクロウェルの外部の細胞培養チャンバ内に定着しないことを確実するために重要である。細胞がマイクロウェルの外部で細胞培養表面の外の平らな区域に定着すると、細胞は不規則な細胞集合体801(図35Aと35B、36Aと36B参照)として増殖し、その容器内で多細胞3D構造の不均質集団を形成し得る。実施の形態において、細胞培養表面は複数のマイクロキャビティから実質的になる。
【0056】
いくつかの実施の形態において、容器300の表面上に定着するまたは接着する細胞は、マイクロキャビティ320a、320b、320cの外部で蓄積し、成長し(例えば、増殖し)、マイクロキャビティ320a、320b、320c内の三次元細胞の所望の増殖に関して問題を生じ得る。図35Aおよび図35Bは、マイクロキャビティの外周の平らな区域に蓄積している細胞の概略図である。例えば、いくつかの実施の形態において、ウェル322a、322b、322c中に落下(少なくとも重力に基づいて)せず、容器300の他の表面に蓄積するまたは接着する細胞は、ウェル322a、322b、322cの外部で増殖し得る。細胞がマイクロウェルの外部で細胞培養表面の外の平らな区域に定着すると、細胞は、望ましくない不規則な細胞集合体801として増殖し得る。それに加え、これらの不規則な細胞集合体801は、隣接するマイクロキャビティ中に入り込み、ウェル322a、322b、322c内の三次元細胞の所望の増殖を乱し(例えば、阻止し、変更し、遅くし、または妨げ)得る。同様に、いくつかの実施の形態において、容器300の他の表面に蓄積するまたは接着する細胞は、増殖し、ウェル322a、322b、322c内の三次元細胞を押しのけ、それによって、ウェル322a、322b、322c内の三次元細胞の所望の増殖を乱しまたは損ない、細胞の所望の大きさの均一性を変え得る。したがって、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面315の外周330の少なくとも一部331を凹部335内または突起部337上に位置付けることにより、液体内に懸濁された全ての細胞を、ウェル322a、322b、322c中に向け、それゆえ、ウェル322a、322b、322cの外部の容器300の表面に細胞が接着した場合にそうしなければ起こり得る問題を低下させる、またはなくすことができる。
【0057】
細胞培養容器300の別の例示の実施の形態が、図30の断面図に示されている。いくつかの実施の形態において、細胞培養容器300および細胞培養表面315は、同じ材料から製造することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、複数のマイクロキャビティ320を備えた細胞培養表面315は、容器300の壁301の一体部分として製造(例えば、造形、機械加工、プレス、押出し、成形、3Dプリントの操作によってプリントなど)することができ、よって、細胞培養表面315と容器300の壁301との間に直接的な境界がない。図30に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面315および壁301の内面302(共に一体に形成された)は、容器300の細胞培養チャンバ303を画成することができる。あるいは、図31に示されるように、いくつかの実施の形態において、壁301の内面302は、第1の領域303aおよび第2の領域303bを含む、容器300の細胞培養チャンバ303を画成することができ、細胞培養表面315(壁301と一体に形成された)は、第1の領域303aと第2の領域303bとの間の細胞培養チャンバ303内に位置付けることができる。いくつかの実施の形態において、共に一体に製造された壁301および細胞培養表面315を含む容器300は、非透過性である材料を含み得る。あるいは、いくつかの実施の形態(例えば、細胞培養表面315が容器300の壁301に取り付けられている場合)において、容器300の壁301は、非透過性材料から製造することができ、細胞培養表面315は、壁301と一体に形成された、非透過性材料、非多孔質材料、ガス透過性材料、または多孔質材料の1つ以上から製造することができる。
【0058】
細胞培養表面315および壁301が単一部品として製造されている、この実施の形態において、細胞培養表面315は壁301から壁301まで延在する。実施の形態において、細胞培養表面315は、どのような平らな区域も有していない。すなわち、その細胞培養表面は、細胞培養表面と壁301との間に縁も、平らな区域もない、壁から壁まで延在するマイクロキャビティ320のアレイである。実施の形態において、細胞培養表面は複数のマイクロキャビティから実質的になる。実施の形態において、細胞が定着する平らな区域が細胞培養チャンバ内にない。このことは、細胞が、マイクロウェルの外部の細胞培養チャンバ内に定着しないことを確実するために重要である。細胞がマイクロウェルの外部で細胞培養表面の外の平らな区域に定着すると、細胞は不規則な細胞集合体801(図35Aと35B、36Aと36B参照)として増殖し、その容器内で多細胞3D構造の不均質集団を形成し得る。実施の形態において、細胞培養表面は複数のマイクロキャビティから実質的になる。
【0059】
したがって、いくつかの実施の形態において、容器300は、所定量の液体370を含むことができ、細胞培養容器300内で細胞を培養する方法は、複数のマイクロキャビティ320の少なくとも1つのマイクロキャビティ320a、320b、320c内に液体370を堆積させる工程、および少なくとも1つのマイクロキャビティ320a、320b、320c内に液体370を堆積させた後、少なくとも1つのマイクロキャビティ320a、320b、320c内で細胞を培養する工程を含むことができる。
【0060】
図30の区域32での容器300の一体に形成された細胞培養表面315および壁301の拡大図を示す図32に示されるように、所定量の液体370が、容器300の水没する表面325と接触し、容器300の細胞培養チャンバ303のある領域を占めることができる。図33は、容器300の壁301の凹部335内に位置付けられた細胞培養表面315の外周330の少なくとも一部331の特徴を含む、図32の代わりの例示の実施の形態を示しており、その所定量の液体は、細胞培養表面315の外周面332を含む、容器300の水没する表面325と接触し、容器300の細胞培養チャンバ303のある領域を占めている。同様に、図34は、容器300の壁301の突起部337上に位置付けられた細胞培養表面315の外周330の少なくとも一部331の特徴を含む、図32の代わりの例示の実施の形態を示しており、その所定量の液体370は、細胞培養表面315の外周面332を含む、容器300の水没する表面325と接触し、容器300の細胞培養チャンバ303のある領域を占めている。
【0061】
説明目的のためだけに、いくつかの実施の形態において、水没する表面325は、所定量の液体370と接触している容器300の表面を含むことができるという了解の下で、図32~34における極太線の太さで、水没する表面325が示されている。いくつかの実施の形態において、水没する表面325は、容器300内で細胞を培養する方法の特定の工程での、またはその最中に重力「g」の方向に対して定義することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、所定量の液体370は、液面371を画成することができ、ここで、水没する表面325は、重力「g」の方向に対して、液面371より下に位置し、したがって、所定量の液体370中に沈んだ、所定量の液体370と接触している容器300の表面を含む。いくつかの実施の形態において、所定量の液体370の液面371は、細胞培養表面315の一部分375からある距離だけ間隔が置かれた所定量の液体370の平らな自由表面を画成することができる。例えば、細胞培養表面315の一部分375は、開口323a、323b、323cを含むことができ、所定量の液体370の液面371により画成された平らな自由表面は、複数のマイクロキャビティ320の各マイクロキャビティ320a、320b、320cの凹面321a、321b、321cから離れる方向に一部分375からある距離だけ間隔を空けることができる。
【0062】
それに加え、いくつかの実施の形態において、容器300の水没する表面325は、所定量の液体370の平らな自由表面に対して平行な平らな表面部分を含まない。所定量の液体370の液面371の平らな自由表面に対して平行な平らな表面部分を含まない水没する表面325を設けることによって、液体370中に懸濁された細胞は、細胞が定着できる、または細胞が接着できる水没する表面325がないので、マイクロキャビティ320a、320b、320cのウェル322a、322b、322c中に落下する(例えば、少なくとも重力に基づいて)および/または水没する表面325により向けられる。上述したように、いくつかの実施の形態において、容器300の表面に定着するまたは接着する細胞は、マイクロキャビティ320a、320b、320cの外部で蓄積し、成長し(例えば、増殖し)、マイクロキャビティ320a、320b、320c内の三次元細胞の所望の増殖に関して問題を生じ得る。例えば、いくつかの実施の形態において、ウェル322a、322b、322c中に落下(少なくとも重力に基づいて)せず、容器300の他の表面に蓄積するまたは接着する細胞は(例えば、水没する表面325が、所定量の液体370の平らな自由表面に対して平行な平らな表面部分を含む場合)、ウェル322a、322b、322cの外部で増殖し得、ウェル322a、322b、322c内の三次元細胞の所望の増殖を乱し(例えば、阻止し、変更し、遅くし、または妨げ)得る。同様に、いくつかの実施の形態において、水没する表面325が、所定量の液体370の平らな自由表面に対して平行な平らな表面部分を含む場合、細胞は、その平らな表面部分上に蓄積または接着し得、増殖し、ウェル322a、322b、322c内の三次元細胞を押しのけ、それによって、ウェル322a、322b、322c内の三次元細胞の所望の増殖を乱しまたは損ない得る。したがって、いくつかの実施の形態において、所定量の液体370の液面371の平らな自由表面に対して平行な平らな表面部分を含まない水没する表面325を設けることにより、液体370内に懸濁された全ての細胞を、ウェル322a、322b、322c中に向け、それゆえ、ウェル322a、322b、322cの外部の容器300の表面に細胞が接着した場合にそうしなければ起こり得る問題を低下させる、またはなくすことができる。
【0063】
図33に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面315の外周330の少なくとも一部331は、複数のマイクロキャビティ320の各マイクロキャビティ320a、320b、320cの凹面321a、321b、321cから離れる方向に細胞培養表面315の一部分375から距離「d4」だけ間隔を空けることができる。それに加え、細胞培養表面315は、外周330の少なくとも一部331から細胞培養表面315の一部分375まで延在する外周面332を含むことができる。いくつかの実施の形態において、前記方向に沿った、平らな自由表面を画成する液面371から、細胞培養表面315の一部分375までの所定量の液体370の深さ「d5」は、距離「d4」より小さくすることができる。同様に、図34に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養表面315の外周330の少なくとも一部331は、複数のマイクロキャビティ320の各マイクロキャビティ320a、320b、320cの凹面321a、321b、321cから離れる方向に細胞培養表面315の一部分375から距離「d6」だけ間隔を空けることができる。細胞培養表面315は、外周330の少なくとも一部331から細胞培養表面315の一部分375まで延在する外周面332を含むことができる。いくつかの実施の形態において、前記方向に沿った、平らな自由表面を画成する液面371から、細胞培養表面315の一部分375までの所定量の液体370の深さ「d7」は、距離「d6」より小さくすることができる。
【0064】
したがって、いくつかの実施の形態において、単独で、または組合せで、所定量の液体370の液面371の平らな自由表面に対して平行な平らな表面部分を含まない水没する表面325を設けることによって、前記方向に沿った、平らな自由表面を画成する液面371から、細胞培養表面315の一部分375までの所定量の液体370の深さ「d5」は、距離「d4」より小さくすることができ(例えば、凹部335を含む、図33)、前記方向に沿った、平らな自由表面を画成する液面371から、細胞培養表面315の一部分375までの所定量の液体370の深さ「d7」は、距離「d6」より小さくすることができ(例えば、突起部337を含む、図34)、液体370内に懸濁された全ての細胞を、ウェル322a、322b、322c中に向け、それゆえ、ウェル322a、322b、322cの外部の容器300の表面に細胞が接着した場合にそうしなければ起こり得る問題を低下させる、またはなくすことができる。さらに、明白に示されていないが、いくつかの実施の形態において、容器300内で細胞(図16参照)を培養する方法は、複数のマイクロキャビティ320a、320b、320cの少なくとも1つのマイクロキャビティ320a、320b、320c内に所定量の液体370の一部を堆積させる工程、および少なくとも1つのマイクロキャビティ320a、320b、320c内に所定量の液体370の一部を堆積させた後、少なくとも1つのマイクロキャビティ320a、320b、320c内で細胞を培養する工程を含むことができる。
【0065】
図32~34を参照すると、いくつかの実施の形態において、細胞培養容器300内で細胞を培養する方法は、容器300の細胞培養チャンバ303のある領域に所定量の液体370を充填する工程を含むことができる。いくつかの実施の形態において、細胞培養チャンバ303は、容器300の壁301の内面302により少なくとも部分的に画成することができ、前記方法は、細胞培養表面315の複数のマイクロキャビティ320の少なくとも1つのマイクロキャビティ320a、320b、320c内に所定量の液体370の一部を堆積させる工程を含むことができる。細胞培養表面315はその領域の少なくとも一部331を画成することができ、複数のマイクロキャビティ320の各マイクロキャビティ320a、320b、320cは、ウェル322a、322b、322cを画成する凹面321a、321b、321cおよびウェル322a、322b、322cへの通路を画成する細胞培養表面315の一部分375内の開口323aを含むことができる。いくつかの実施の形態において、その方法は、少なくとも1つのマイクロキャビティ320a、320b、320c内に所定量の液体370の一部を堆積させた後、所定量の液体370が容器300の水没する表面325に接触しつつ、少なくとも1つのマイクロキャビティ320a、320b、320c内で細胞を培養する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施の形態において、少なくとも1つのマイクロキャビティ320a、320b、320c内で細胞を培養する間に、水没する表面325は、重力「g」の方向と反対の表面法線を含む平らな表面部分を含まない。必要に応じて、いくつかの実施の形態において、複数のマイクロキャビティ320の少なくとも1つのマイクロキャビティ320a、320b、320c内で細胞を培養する間に、所定量の液体370の液面371は、重力「g」の方向に対して垂直な、所定量の液体370の平らな自由表面を画成することができる。
【0066】
重力「g」の方向と反対の表面法線を含む平らな表面部分を含まない水没する表面325を設けることによって、液体370中に懸濁された細胞は、細胞が定着できる、または細胞が接着できる水没する表面325がないので、マイクロキャビティ320a、320b、320cのウェル322a、322b、322c中に落下する(例えば、少なくとも重力に基づいて)および/または水没する表面325により向けられる。上述したように、いくつかの実施の形態において、容器300の表面に定着するまたは接着する細胞は、マイクロキャビティ320a、320b、320cの外部で蓄積し、成長し(例えば、増殖し)、マイクロキャビティ320a、320b、320c内の三次元細胞の所望の増殖に関して問題を生じ得る。例えば、いくつかの実施の形態において、ウェル322a、322b、322c中に落下(少なくとも重力に基づいて)せず、容器300の他の表面に蓄積するまたは接着する細胞は(例えば、水没する表面325が、重力「g」の方向と反対の表面法線を含む平らな表面部分を含む場合)、ウェル322a、322b、322cの外部で増殖し得、ウェル322a、322b、322c内の三次元細胞の所望の増殖を乱し(例えば、阻止し、変更し、遅くし、または妨げ)得る。同様に、いくつかの実施の形態において、水没する表面325が、重力「g」の方向と反対の表面法線を含む平らな表面部分を含む場合、細胞は、その平らな表面部分上に蓄積または接着し得、増殖し、ウェル322a、322b、322c内の三次元細胞を押しのけ、それによって、ウェル322a、322b、322c内の三次元細胞の所望の増殖を乱しまたは損ない得る。したがって、いくつかの実施の形態において、重力「g」の方向と反対の表面法線を含む平らな表面部分を含まない水没する表面325を設けることにより、液体370内に懸濁された全ての細胞を、ウェル322a、322b、322c中に向け、それゆえ、ウェル322a、322b、322cの外部の容器300の表面に細胞が定着または接着した場合にそうしなければ起こり得る問題を低下させる、またはなくすことができる。
【0067】
さらに、本開示の目的のために、特に明記のない限り、「平らな表面部分」は、約5マイクロメートル超の平面寸法を含む任意の平らな表面部分を意味することを目的としている。例えば、いくつかの実施の形態において、所定量の液体370の液面371の平らな自由表面に対して平行な平らな表面部分を含まない水没する表面325は、所定量の液体370の液面371の平らな自由表面に対して平行な、約5マイクロメートル超の平面寸法を含む平らな表面部分を含まない水没する表面325と定義することができる。同様に、いくつかの実施の形態において、重力「g」の方向と反対の表面法線を含む平らな表面部分を含まない水没する表面325は、重力「g」の方向と反対の表面法線を含む、約5マイクロメートル超の平面寸法を含む平らな表面部分を含まない水没する表面325と定義することができる。
【0068】
例えば、いくつかの実施の形態において、水没する表面325は、平面の部分を含み得る;しかしながら、平らな表面部分の平面寸法が、例えば、5マイクロメートル以下である場合、いくつかの実施の形態において、その平らな表面部分は、細胞が無理なく蓄積または接着するのに小さすぎると考えられる。したがって、いくつかの実施の形態において、約5マイクロメートル超の平面寸法を含む平らな表面部分を含まない水没する表面325を設けることによって、液体370内に懸濁された全ての細胞を、ウェル322a、322b、322c中に向け、それゆえ、ウェル322a、322b、322cの外部の容器300の表面に細胞が定着または接着した場合にそうしなければ起こり得る問題を低下させる、またはなくすことができる。しかしながら、いくつかの実施の形態において、水没する表面325は、その平らな表面部分を画成する閾値寸法にかかわらず、平らな表面部分を完全になくすことができる。
【0069】
図35Aおよび図35Bは、マイクロキャビティ内でスフェロイドとして増殖する細胞および不規則な細胞集合体801として増殖する細胞を示す概略図である。これらの不規則な細胞集合体は、容器内で平らな表面が生じる所で、図1~16に示された実施の形態(細胞培養表面115)または図17~34に示された実施の形態(細胞培養表面315)において生じ得る。これらの不規則な細胞集合体を避けるために、細胞培養チャンバ103または303内で平らな表面を避けることが重要である。
【0070】
図36Aは、容器内にスフェロイドの均質集団を提供する適切な条件下にあるマイクロキャビティのアレイ内のスフェロイドの写真である。図36Bは、細胞培養チャンバ103、303内に平らな表面を有する容器から単離された不規則な細胞集合体801の写真である。これらの不規則な細胞集合体801の産生を回避するために、細胞培養表面に平らな表面を持たない、または細胞培養表面の水没する領域に平らな表面を持たない細胞培養容器の実施の形態が提供される。すなわち、細胞培養容器の実施の形態において、細胞培養表面は、マイクロキャビティのアレイから実質的になり、望ましくない不規則な細胞集合体801を産生し得る平らな表面を提供しない。
【0071】
本開示の全体に亘り、「材料」、「液体」、および「気体」という用語は、例えば、細胞培養容器内で細胞を培養するときに用いられる材料の性質を記載するために使用することができる。特に明記のない限り、本開示の目的のために、「材料」は、流体材料(例えば、液体または気体)を含むことができる。それに加え、材料は、液体中に懸濁された固体粒子(例えば、細胞)を含む液体を含む培養液または培地を含むことができる。特に明記のない限り、本開示の目的のために、「液体」は、例えば、細胞培養チャンバを洗浄するため、細胞培養表面と容器の1つ以上の特徴構造を殺菌するため、細胞増殖および液体の他の使途のために細胞培養表面を準備するために容器に添加できる、または容器から除去できる、洗浄液または濯ぎ液、水溶液、または他の液体を含むことができる。それに加え、液体は、液体中に懸濁された固体粒子(例えば、細胞)を含む液体を含む培養液または培地を含むことができる。特に明記のない限り、本開示の目的のために、「気体」は、空気、濾過または処理空気、もしくは他の気体を含むことができる。
【0072】
本開示の全体に亘り、「非透過性」、「ガス透過性」、および「多孔質」という用語は、細胞培養表面の1つ以上の特徴構造の性質(例えば、材料特性、特徴、パラメータ)を記載するために使用することができる。
【0073】
特に明記のない限り、本開示の目的のために、「非透過性」細胞培養表面(例えば、非透過性細胞培養表面の材料)は、標準状態(例えば、以下に限られないが、圧力および力を含む外部からの影響のない)で固体、液体、および気体に対して不透過性であると考えられ、したがって、標準状態でその非透過性細胞培養表面中に、その中を通じて、またはそこから外に、固体、液体、または気体の移動を可能にしない。いくつかの実施の形態において、非透過性細胞培養表面は、その容器の壁の一部を形成することができる。それに加え、その容器の細胞培養チャンバは、非透過性細胞培養表面がその容器の壁の一部を形成する場合、例えば、細菌がその非透過性細胞培養表面を通過できないので、無菌であると考えられる。しかしながら、その細胞培養表面の複数のマイクロキャビティに材料を充填した場合、気体が、その液体の表面張力に基づいて、非透過性細胞培養表面のマイクロキャビティ内に捕捉され、それによって、いくつかの実施の形態において、材料がマイクロキャビティを充填するのを妨げ、スフェロイドの増殖を妨げることがあり得る。
【0074】
特に明記のない限り、本開示の目的のために、「ガス透過性」細胞培養表面(例えば、ガス透過性細胞培養表面の材料)は、標準状態で固体と液体に対して不透過性であり、気体に対して透過性であると考えられる。したがって、ガス透過性細胞培養表面は、そのガス透過性細胞培養表面中に、その中を通じて、またはそこから外に、固体と液体の移動を可能にせず、そのガス透過性細胞培養表面中に、その中を通じて、またはそこから外に、気体の移動を可能にする。いくつかの実施の形態において、ガス透過性細胞培養表面は、その容器の壁の一部を形成することができる。それに加え、その容器の細胞培養チャンバは、ガス透過性細胞培養表面がその容器の壁の一部を形成する場合、例えば、細菌がそのガス透過性細胞培養表面を完全ではないが満足な程度に通過できないので、無菌であると考えられる。しかしながら、その細胞培養表面はガス透過性であるが、そのガス透過性細胞培養表面を通るガス透過速度は、通常の作動条件下でマイクロキャビティから気体を移動させるのに必要とされる速度より遅くあり得、したがって、その細胞培養表面を通って透過するのに許容できないほど長い時間がかかり得るので、材料の充填中にマイクロキャビティ中に気体がまだ捕捉され得る。それゆえ、いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティにゆっくりと充填すると、液体の前面がある角度で各マイクロキャビティに入り、それによって、液体がマイクロキャビティを充填するにつれて、気体を移動させることができる。いくつかの実施の形態において、そのマイクロキャビティに液体を充填した後、気体は、ガス透過性細胞培養表面を通って(ゆっくりと)透過することができる。
【0075】
特に明記のない限り、本開示の目的のために、「多孔質」細胞培養表面(例えば、多孔質細胞培養表面の材料)は、標準状態で固体に対して不透過性であり、液体と気体に対して透過性であると考えられる。したがって、多孔質細胞培養表面は、その多孔質細胞培養表面中に、その中を通じて、またはそこから外に、固体の移動を可能にせず、その多孔質細胞培養表面中に、その中を通じて、またはそこから外に、液体と気体の移動を可能にする。多孔質細胞培養表面は、細菌が多孔質細胞培養表面を通過でき、それゆえ、細胞培養チャンバにおける無菌問題を生じ得るので、容器の一部を形成することができない。それゆえ、多孔質細胞培養表面を使用する場合、その細胞培養表面は、容器の無菌細胞培養チャンバ内に密閉(完全に密閉)されなければならない。しかしながら、マイクロキャビティに材料を充填する最中に、気体は多孔質細胞培養表面を通って漏れ(例えば、通過)し得る。それゆえ、マイクロキャビティの充填は、そのマイクロキャビティ内に気体を捕捉する懸念なく迅速に行うことができる。いくつかの実施の形態において、液体は、圧力の増加または物理的接触および細胞培養表面の撹乱だけで、多孔質細胞培養表面を通過することができる。それゆえ、いくつかの実施の形態において、液体を含む材料は、細胞培養表面が圧力の増加または物理的接触および細胞培養表面の撹乱に曝されない限り、細胞培養表面のマイクロキャビティ内に収容することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、多孔質細胞培養表面を細胞培養チャンバ内に支持して、充填中、並びに培養中に、気体に細胞培養表面を通過させ、その細胞培養表面を、圧力の増加または物理的接触および外力(例えば、細胞培養チャンバの外の)からの撹乱から隔絶することができる。
【0076】
細胞培養容器および細胞を培養する方法の数多くの態様をここに開示してきた。いくつかの選択された態様の概要が、下記に提示されている。
【0077】
第1の態様において、本開示は、細胞培養容器であって、複数のマイクロキャビティから実質的になる細胞培養表面と;その細胞培養表面に取り付けられた壁とを備え、その細胞培養表面およびその壁の内面がこの容器の細胞培養チャンバを画成する、細胞培養容器を提供する。
【0078】
第2の態様において、本開示は、その複数のマイクロキャビティの各マイクロキャビティが、凹形底部および開口を含む、態様1の細胞培養容器を提供する。
【0079】
第3の態様において、本開示は、首付き開口をさらに備える、態様1または2の細胞培養容器を提供する。
【0080】
第4の態様において、本開示は、その首付き開口にダムをさらに備える、態様3の細胞培養容器を提供する。
【0081】
第5の態様において、本開示は、蓋をさらに備える、態様1または2の細胞培養容器を提供する。
【0082】
第6の態様において、本開示は、蓋をさらに備える、態様3または4の細胞培養容器を提供する。
【0083】
第7の態様において、本開示は、その蓋がヒンジ式開口を含む、態様6の細胞培養容器を提供する。
【0084】
第8の態様において、本開示は、その蓋がスライド式開口を含む、態様4の細胞培養容器を提供する。
【0085】
第9の態様において、本開示は、その首付き開口が曲げ部を含む、態様3、4、または6~8の細胞培養容器を提供する。
【0086】
第10の態様において、本開示は、その壁が凹部を含み、その細胞培養表面がその凹部に取り付けられている、態様1~9のいずれか1つの細胞培養容器を提供する。
【0087】
第11の態様において、本開示は、その壁が突起部を含み、その細胞培養表面がその突起部に取り付けられている、態様1~9のいずれか1つの細胞培養容器を提供する。
【0088】
第12の態様において、本開示は、細胞培養容器であって、平らではない正弦波形状を有する複数のマイクロキャビティを含む細胞培養表面と;その細胞培養表面に取り付けられた壁とを備え、その細胞培養表面およびその壁の内面がこの容器の細胞培養チャンバを画成し、その細胞培養表面が平らな区域を実質的に含まない、細胞培養容器を提供する。
【0089】
第13の態様において、本開示は、その複数のマイクロキャビティの各マイクロキャビティが、凹形底部および開口を含む、態様12の細胞培養容器を提供する。
【0090】
第14の態様において、本開示は、首付き開口をさらに備える、態様12または13の細胞培養容器を提供する。
【0091】
第15の態様において、本開示は、その首付き開口にダムをさらに備える、態様14の細胞培養容器を提供する。
【0092】
第16の態様において、本開示は、蓋をさらに備える、態様12または13の細胞培養容器を提供する。
【0093】
第17の態様において、本開示は、蓋をさらに備える、態様14または15の細胞培養容器を提供する。
【0094】
第18の態様において、本開示は、その蓋がヒンジ式開口を含む、態様17の細胞培養容器を提供する。
【0095】
第19の態様において、本開示は、その蓋がスライド式開口を含む、態様17の細胞培養容器を提供する。
【0096】
第20の態様において、本開示は、その首付き開口が曲げ部を含む、態様14、15、または17~19の細胞培養容器を提供する。
【0097】
第21の態様において、本開示は、その壁が凹部を含み、その細胞培養表面がその凹部に取り付けられている、態様12~17のいずれか1つの細胞培養容器を提供する。
【0098】
第22の態様において、本開示は、その壁が突起部を含み、その細胞培養表面がその突起部に取り付けられている、態様12~17のいずれか1つの細胞培養容器を提供する。
【0099】
様々な開示の実施の形態は、その特定の実施の形態に関して記載された特定の特徴構造、要素または工程を含んでも差し支えないことが認識されよう。特定の特徴構造、要素または工程は、1つの特定の実施の形態に関連して記載されているが、様々な図示されていない組合せまたは順序で、代わりの実施の形態と交換されても、または組み合わされても差し支えないことも認識されよう。
【0100】
ここに用いられているように、名詞は、「少なくとも1つ」の対象を指し、特に明記のない限り、「ただ1つ」に限定されるべきではないことを理解すべきである。それゆえ、例えば、「成分」に対する言及は、特に明記のない限りそのような成分を2つ以上有する実施の形態を含む。
【0101】
範囲は、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとここに表現することができる。そのような範囲が表現された場合、実施の形態は、その1つの特定の値から、および/または他方の特定の値までを含む。同様に、値が、先行詞「約」を使用して、近似として表現されている場合、その特定の値は別の態様を形成することが理解されよう。範囲の各々の端点は、他方の端点と関係して、および他方の端点と関係なくの両方で有意であることがさらに理解されよう。
【0102】
特に明記のない限り、ここに述べられたどの方法も、その工程が特定の順序で行われることを必要としていると解釈されることは決して意図されていない。したがって、方法の請求項が、その工程がしたがうべき順序を実際に列挙していない場合、またはその工程が、特定の順序に限定されることが、請求項または説明に他に具体的に述べられていない場合、どの特定の順序も暗示されることは決して意図されていない。
【0103】
特定の実施の形態の様々な特徴構造、要素または工程は、移行句「含む」を使用して開示することができるが、移行句「からなる」または「から実質的になる」を使用して記載できるものを含む代わりの実施の形態が暗示されることを理解すべきである。それゆえ、例えば、A+B+Cを含む装置に対して暗示される代替の実施の形態は、装置がA+B+Cからなる実施の形態、および装置がA+B+Cから実質的になる実施の形態を含む。
【0104】
本開示の精神および範囲から逸脱せずに、本開示に様々な改変および変更を行えることが、当業者に明白であろう。それゆえ、本開示は、本開示の改変および変更を、それらが付随の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に入るという前提で包含することが意図されている。
【0105】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0106】
実施形態1
細胞培養容器であって、
複数のマイクロキャビティから実質的になる細胞培養表面と、
前記細胞培養表面に取り付けられた壁と、
を備え、
前記細胞培養表面および前記壁の内面が前記容器の細胞培養チャンバを画成する、細胞培養容器。
【0107】
実施形態2
前記複数のマイクロキャビティの各マイクロキャビティが、凹形底部および開口を含む、実施形態1に記載の細胞培養容器。
【0108】
実施形態3
首付き開口をさらに備える、実施形態1または2に記載の細胞培養容器。
【0109】
実施形態4
前記首付き開口にダムをさらに備える、実施形態3に記載の細胞培養容器。
【0110】
実施形態5
蓋をさらに備える、実施形態1または2に記載の細胞培養容器。
【0111】
実施形態6
蓋をさらに備える、実施形態3または4に記載の細胞培養容器。
【0112】
実施形態7
前記蓋がヒンジ式開口を含む、実施形態6に記載の細胞培養容器。
【0113】
実施形態8
前記蓋がスライド式開口を含む、実施形態4に記載の細胞培養容器。
【0114】
実施形態9
前記首付き開口が曲げ部を含む、実施形態3、4、および6~8のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
【0115】
実施形態10
前記壁が凹部を含み、前記細胞培養表面が該凹部に取り付けられている、実施形態1~9のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
【0116】
実施形態11
前記壁が突起部を含み、前記細胞培養表面が該突起部に取り付けられている、実施形態1~9のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
【0117】
実施形態12
細胞培養容器であって、
平らではない正弦波形状を有する複数のマイクロキャビティを含む細胞培養表面と、
前記細胞培養表面に取り付けられた壁と、
を備え、
前記細胞培養表面および前記壁の内面がこの容器の細胞培養チャンバを画成し、
前記細胞培養表面が平らな区域を実質的に含まない、細胞培養容器。
【0118】
実施形態13
前記複数のマイクロキャビティの各マイクロキャビティが、凹形底部および開口を含む、実施形態12に記載の細胞培養容器。
【0119】
実施形態14
首付き開口をさらに備える、実施形態12または13に記載の細胞培養容器。
【0120】
実施形態15
前記首付き開口にダムをさらに備える、実施形態14に記載の細胞培養容器。
【0121】
実施形態16
蓋をさらに備える、実施形態12または13に記載の細胞培養容器。
【0122】
実施形態17
蓋をさらに備える、実施形態14または15に記載の細胞培養容器。
【0123】
実施形態18
前記蓋がヒンジ式開口を含む、実施形態17に記載の細胞培養容器。
【0124】
実施形態19
前記蓋がスライド式開口を含む、実施形態17に記載の細胞培養容器。
【0125】
実施形態20
前記首付き開口が曲げ部を含む、実施形態14、15、および17~19のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
【0126】
実施形態21
前記壁が凹部を含み、前記細胞培養表面が該凹部に取り付けられている、実施形態12~17のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
【0127】
実施形態22
前記壁が突起部を含み、前記細胞培養表面が該突起部に取り付けられている、実施形態12~17のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
【符号の説明】
【0128】
100、300 細胞培養容器
101 上部
103、303 細胞培養チャンバ
104 キャップ
105 開口部
107、301 壁
108 底部
112、507 開口
115、315 細胞培養表面
120、120a、120b、120c、320、320a、320b、320c マイクロキャビティ
121a、121b、121c、321a、321b、321c 凹面
122a、122b、122c、322a、322b、322c ウェル
123a、123b、123c、323a、323b、323c 開口
130 ダム
136 開口部
137、304 蓋
140、370 所定量の液体
150、150a、150b、150c、350 細胞、スフェロイド
158 曲げ部
180 溝
182 ヒンジ
200 細胞培養表面
330 全外周
335 凹部
337 突起部
555、555a 首部
801 多細胞3D集合体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35A
図35B
図36A
図36B