(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】乗馬面及び乗馬面を構築するための方法
(51)【国際特許分類】
E01C 13/04 20060101AFI20230328BHJP
【FI】
E01C13/04
(21)【出願番号】P 2019537383
(86)(22)【出願日】2017-12-28
(86)【国際出願番号】 DE2017200140
(87)【国際公開番号】W WO2018141321
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2020-12-21
(31)【優先権主張番号】102017201564.0
(32)【優先日】2017-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102017202251.5
(32)【優先日】2017-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102017212824.0
(32)【優先日】2017-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519245769
【氏名又は名称】バッヒャー,ウルフギャング
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】バッヒャー,ウルフギャング
(72)【発明者】
【氏名】ヘフラー,ロベルト
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3139880(JP,U)
【文献】米国特許第07993729(US,B2)
【文献】特開2016-196761(JP,A)
【文献】実開平05-064205(JP,U)
【文献】国際公開第00/062603(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド層(1)及び地面と前記トレッド層(1)との間に配置されたマット(2)を有する乗馬面であって、
前記前記トレッド層(1)は、砂の凝集体を含んだ砂から実質的に構成され、
前記トレッド層に注水するためのドリップホース(3)は、前記トレッド層(1)に面する前記マットの側面上に形成された溝(4)内に埋め込まれ、
前記マットは、前記マットが
PVC材料から製造され
、ある特定の圧力の分配で、かつ前記トレッド層が前記マット及び前記ドリップホースの上に直接に配置された状態で前記トレッド層の量が最小になる
という利点を有する、
乗馬面。
【請求項2】
前記マット(2)はロール状商品として提供可能であり、及び/又は個々のマット要素(2)は互いにスナップ嵌合することができることを特徴とする、請求項
1に記載の乗馬面。
【請求項3】
前記溝(4)は前記マット(2)の中に機械加工され、及び/又は前記マット(2)を生成する時に具体的には射出成形技術によって生成されることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の乗馬面。
【請求項4】
前記溝(4)は大部分が不透水性であり、具体的には不透水性材料で覆われ、及び/又は前記溝は不透水性材料内に構成されることを特徴とする、請求項1~
3のいずれか1項に記載の乗馬面。
【請求項5】
前記マット(2)は穴(7)を有し、前記穴(7)は水の侵入を可能にし、及び/又は比較的大量の砂及び他の粒子のいかなる侵入もほとんど回避することを特徴とする、請求項1~
4のいずれか1項に記載の乗馬面。
【請求項6】
前記トレッド層(1)に面する少なくともその側面上の前記マット(2)は、ある構造、具体的には網又はメッシュ構造を有することを特徴とする、請求項1~
5のいずれか1項に記載の乗馬面。
【請求項7】
プラスチック材料から生成される前記ドリップホース(3)は、前記トレッド層(1)に向けられた弁(5)を有することを特徴とする、請求項1~
6のいずれか1項に記載の乗馬面。
【請求項8】
前記ドリップホース(3)を安定化して保護するために、及び/又は圧力を分配するために、PVCから生成される中間マット(6)及び/又は中間網は、前記マット(2)と前記トレッド層(1)との間に配置されることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の乗馬面。
【請求項9】
前記トレッド層(1)はジオテキスタイル製品から構成され、直接又は間接的に前記マット(2)及び前記ドリップホース(3)に荷重をかけることを特徴とする、請求項1~
8のいずれか1項に記載の乗馬面。
【請求項10】
トレッド層(1)、地面と前記トレッド層(1)との間に配置されるマット(2)、及びドリップホース(3)を有し、前記ドリップホース(3)は、前記トレッド層(1)に面する前記マット(2)の側面上の溝(4)内に埋め込まれる、請求項1~
9のいずれか1項に記載の乗馬面を構築するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注水可能な乗馬面並びに乗馬面を構築するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乗馬面及び乗馬面に注水するためのシステムは、屋外馬場並びに屋内乗馬競技場の両方に対して実際に最も多様な実施形態において公知である。具体的には、領域に水分を均一に侵入させることを確実にすることを意図する、とりわけ所謂地下注水を有する多様な表面及びシステムが公知である。ドリップ管又はホースのそれぞれ、及びドリップホースが馬爪で損傷するのを防ぐためのその上のグランドグリッドは、通常裸地の上に設置される。グランドグリッドは、典型的にはトレッド層の砂に注水することができ、任意選択で排水することができるようにメッシュ形状に構築される。この目的のためにグランドグリッドは、トレッド層が形成されるために、砂で満たされて完全に砂で覆われる。砂の物理的特性のために、具体的には砂粒の毛細管現象のために、ドリップホースからの水分は上に向かってトレッド層の中に運ばれる。融合された浸潤を有するこのような乗馬面を使用することにより、トレッドの足元の堅さは増強される一方で、馬が滑る危険性は大幅に取り除かれる。その上、乗馬面の浸潤を分離するための時間は節約される。繊維又は不織布の小片が、乗馬面を解すために典型的には砂に加えられる。
【0003】
実際に公知の乗馬面の重大な問題は、ドリップホースが地面の上に直接設置され、水の大部分は、トレッド層を湿らすのではなく、実際にはむしろ漏出し又は流出し、どちらも地中に入るという点にある。その上、乗馬面に注水し排水するためのほとんどの場合の厚く開いたグランドグリッドの隙間は、極めて大きい。またトレッド層の砂、しかも凝集体が、グランドグリッドの中を満たさなければならないので、極めて大量の砂が必要である。換言すると、砂で満たす公知のグランドグリッドの量は極めて大きい。これにより必要な砂の量は増加する。公知の乗馬面の更に不都合な点は、その構築が、具体的には広い面積を有する実施形態の場合に生成がむしろ複雑であることにある。加えて、乗馬面を保存する時、構築する時、及び輸送する時の取り扱いが、大きさ及び面積のそれぞれに依存してむしろ複雑である。更に不都合な点は、例えば繊維又は不織布の小片の形の対応する添加物が、衝撃を吸収する表面又は馬に優しい適切な減衰のそれぞれを達成するためにほとんどの場合に必要であるが、前記添加物は効果の観点から単独では不十分であることにある。
【発明の概要】
【0004】
従って、本発明は、丈夫で単純な構造を有し、馬が負傷する危険性を大幅に取り除く一方で、最適な注水及び排水を保証する乗馬面を提供する目的に基づく。加えて、対応する乗馬面を構築するための改良された方法が特定されるべきである。
【0005】
乗馬面に関する上記の目的は請求項1の特徴によって達成される。従って、乗馬面は、トレッド層、地面とトレッド層との間に配置されたマット、及びドリップホースを有し、ドリップホースはマット内に、好ましくはトレッド層に面するマットの側面上の溝内に埋め込まれる。
【0006】
本発明による方法に関して、基本的な目的は請求項13の特徴によって達成され、詳細にはドリップホースは、マット内に好ましくはその場で、好ましくはトレッド層に面するマットの側面上の溝内に埋め込まれることである。
【0007】
ドリップホースは地面に配置されず、その構築に関して複雑であり、次にグランドグリッドを満たして覆うために大量の砂及び減衰添加物で満たされなければならない、嵩張るグランドグリッドによって保護されることが特に好都合であることが、本発明によって認識されてきた。それと完全に反対に、本発明は、マットが地面に直接又は間接的に置かれ、ドリップホースはトレッド層に面するマットの側面に配置されるという点で、全く異なる経路を辿る。詳細にはドリップホースは、トレッド層に面するマットの側面上の溝内に埋め込むことができる。溝のためにドリップホースは、マット上に固定して配置され、損傷から大幅に保護され、水をドリップホースから出させるあらゆる望ましくない漏出は同時に回避できる。ドリップホースは、例えば圧入によってマットに割り当てることができる。ドリップホースは、前記ドリップホースを踏む又は軽く叩くことにより、マット内に埋め込まれる又は詰められるそれぞれが、本明細書に必要である可能性がある。また掛金機構及び/又は凸部及び/又は溝連結の実施形態に類似した実施形態も考えられる。従ってトレッド層は、直接又は間接的にマット及びドリップホースに荷重をかける。極めて薄い乗馬面及びそれにもかかわらず丈夫な構造は、そのために実行可能である。トレッド層に必要な量は最小に低減することができる。またグランドグリッドの過剰に深い隙間による負傷のいかなる危険の可能性も除去される。ドリップホースは、マットの溝内に埋め込まれるので固定した位置を有し、乗馬面を構築中又は時間の経過にわたって位置が容易にずれる可能性はない。更なる利点は、単純な構造のため、具体的にはドリップホースの既定の埋込のために、乗馬面の構築は具体的にはいかなる特定の熟練者の知識なしに行うこともできるという点にある。
【0008】
それ故、丈夫で単純な構造を有し、馬が負傷する危険性を大幅に取り除きながら、最適な注水及び排水を保証する可能性は、本発明による乗馬面を介して、並びに本発明による乗馬面を構築するための方法を介して明示される。
【0009】
少なくとも領域内のマットは、好都合なことに透水性及び/又は柔らかい及び/又は減衰材料から生成される。好ましくは熱及び/又は燃焼の影響を受けて押圧されたPU発泡ゴムが、特にこの目的に適切である。具体的に再生された自動車のタイヤ由来のゴム顆粒の使用も同様に考えられる。マットは、ほとんどが固体であるように構築することができ、又はメッシュ構造を有することができる。それぞれ柔らかい材料又は減衰材料由来のマットの構成は、それぞれ具体的には馬の健康を促進し又は馬に優しく、砂に加える柔らかい添加物を節約することができる。ある特定の透水性は、乗馬面のいかなる残りの水及び過剰な水分を防ぐ。大部分が本来閉じているマットの場合、湿潤のために供給する水の望ましくない漏出は、回避され又は少なくとも低減される。別法として又は追加として、少なくとも領域内のマットは、堅い材料から、好ましくはPVCから作成される。ドリップホースの安定性の増加、並びに保護性の増加は、その理由で保証される。その上堅い材料の利用は、圧力のある特定の分配の利点に関連付けられる。少なくとも領域内、具体的には溝の領域内のマットは、ドリップホースから出る水のいかなる望ましくない漏出もほとんどを回避するように、不透水性材料から生成されると考えられる。マットは、極めて薄く、詳細にはまさに非常に薄いので保護及び任意選択で圧力の分配が保証されるように具現化することができる。
【0010】
マットの材料及び生成方法に依存して、保管、輸送、及び取り扱いの観点から、マットはロール状商品として提供可能であることが好都合である。その上個々のマット要素は、互いに部位の上にスナップ嵌合することができ、及び/又は任意の方式で延長できることが考えられる。従って乗馬面は任意の面積に、詳細には複数のマット及び任意選択で中間マットを並べることによって延長することができる。この目的で、更に1枚のマットを連結する度に、連結領域はマットの端部に構成することができる。単に互いに横に置くこと及び/又は複数のマットを重ねることも同様に考えられる。周辺のマットはトリミングによって適合させることができる。25mm~30mmのマットの厚さは、マット内にドリップホースを埋め込むために、又トレッド層のために安定した減衰基礎を形成するためにすでに十分である。グランドグリッドを有する乗馬面の構造で実際に公知であるような、極めて高い床構造は省くことができる。
【0011】
溝は、マットを生成する時に具体的には射出成形技術により、マットの中に機械加工される及び/又は生成されることが更に好都合である。本明細書における溝の幅及び深さは、使用するホースに適合させることができる。好ましくはドリップホースを埋め込むための溝は、規則的な間隔で互いに平行であるように走る。ドリップホース間の間隔は30cmが考えられる。
【0012】
具体的に透水性マットの場合、ドリップホースから出る水の一部はマットを通って漏出し、注水用に利用されないままである可能性がある。これを回避するために、トレッド層に向けられた溝の少なくとも表面は、ほとんどが不透水性であり、具体的には不透水性材料で覆われ、及び/又は溝は不透水性マット内、若しくはマットの少なくとも不透水性領域内に構成される。
【0013】
特に好都合なことに、マットは特定の間隔で通路、好ましくは穴を有し、穴は、水の侵入を可能にし、及び/又は比較的大量の砂及び他の粒子のいかなる侵入もほとんど回避する。そのために排水は、例えば豪雨の場合にドリップホースから出る水を失うことなく保証することができる。同時に理想的なことにはトレッド層からマットの下に漏出する砂はほとんどない。通路の円形及び/又は正方形の設計の実施形態も考えられる。通路は、直線的で、溝に平行であるように配置され、少なくともほとんどのドリップホースから進む水が通路を通って漏れないように、溝から特定の間隔を有することが本明細書では考えられる。
【0014】
トレッド層の砂のいかなる滑脱も回避するために、マットは、少なくともトレッド層に面するその側面上で、ある構造、具体的には網又はメッシュ構造を有することが特に好都合である。その上マットの表面の対応する構造も、例えば溝及び通路は異なる窪み内に配置され、又は少なくとも領域内で構造の上昇により互いに分離される、それぞれの点において、やはりドリップホースから出る水が通路を通って漏れることを防ぐことができる。ドリップホースから進む水は、通路を介して再び直接漏出するのではなく、むしろトレッド層の中に進むことが本明細書では重要である。通路は、過剰な量の水がトレッド層内に据えられるのを防ぎ、前記過剰な量をトレッド層の下に排出するように意図される。
【0015】
プラスチック材料から生成することが好ましいドリップホースは、更に好都合なことにトレッド面に注水するためにトレッド層に向けられた弁及び/又は膜を有する。従ってトレッドホースが埋め込まれた状態の前記弁及び/又は膜は、上方に向けられるように置かれる。トレッド層に向かう水分の理想的な輸送は、その理由で実行可能である。ドリップホースの直径は16mmが考えられる。ドリップホースは、好ましくは規則的な間隔で、例えば互いに平行であるように配置される。
【0016】
トレッドホースの安定性の増加及び保護性の増加のため、並びに圧力の分配のために、好ましくはPVCから生成される中間マット、及び/又はマットとトレッド層との間に配置される中間網が考えられる。中間マット又は中間網のそれぞれは、好都合なことに通路、好ましくは穴を特定の間隔で有することができる。前記通路は、ドリップホースからトレッド層への水の侵入を可能にできるが、トレッド層から中間層の下への比較的大量の砂及び他の粒子のいかなる侵入も回避することができる。個々の通路と任意選択でトレッド層の注水のために最適な中間マットの膜との間の間隔は10cmである。トレッド層の砂のいかなる滑脱も回避するために、少なくともトレッド層に面するその側面上の中間マットは、ある構造、具体的には網又はメッシュ構造を有することが考えられる。中間マットは、極めて薄く、詳細にはまさに非常に薄いので保護及び任意選択で圧力の分配が保証されるように具現化することができる。
【0017】
その上、マットは直接又は間接的に裸地及び/又は排水路、具体的には砂利の上に配置することが考えられる。その厚さが薄いにもかかわらず、マットは、前記マットも粗い心土に耐え、ある特定の地面の不均一を水平にさえするように頑丈であるように構成することができる。
【0018】
その上、マットは裸地及び/又は排水路、具体的には砂利の上に配置することが考えられる。その厚さが薄いにもかかわらず、マットは、前記マットも粗い心土に耐え、ある特定の地面の不均一を水平にさえするように頑丈であるように構成することができる。
【0019】
トレッド層は、好都合なことに実質的に砂から、しかも凝集体、具体的にはジオテキスタイル製品から構成され、直接又は間接的にマット及びドリップホースに荷重をかける。嵩張るグランドグリッドを充填して覆うことは、ここでは必要ない。トレッド層は、好都合なことにトレッド層の最適な浸潤並びに馬及び乗り手が負傷する危険を低減することを保証するように、10~12cmの厚さを有する。
【0020】
その上、マットの下に配置する透水性及び/又は柔らかい及び/又は減衰材料から生成される保護マットが考えられる。好ましくは熱及び/又は燃焼の影響で押圧されたPU発泡ゴムは、特にこの目的に適切である。具体的には再生された自動車のタイヤ由来のゴム顆粒の使用も同様に考えられる。保護マットは、ほとんどが固体であるように構築することができ、又はメッシュ構造を有することができる。それぞれ柔らかい材料又は減衰材料由来の保護マットの構成は、具体的には馬の健康を促進し又は馬に優しく、砂に加える柔らかい添加物をある程度節約することができる。
【0021】
構造上、トレッド層の湿度を測定する湿度センサ/プローブは、乗馬面内、具体的にはトレッド層内に一体化されることが考えられる。制御システムは、ドリップホースを介して供給する水の量及び/又は時間を調節することができる。
【0022】
本発明による乗馬面並びにそのような乗馬面を構築するための本発明による方法は、乗馬競技場、屋外馬場及び競馬場を含む適用するすべての領域に適している。例えば競馬場の場合のように超勾配曲線であっても、本発明による乗馬面並びに本発明による方法を使用して実行可能である。
【0023】
現在、本発明の教示を好都合に設計し改良する様々な可能性がある。この目的のために一方では請求項1の従属請求項を参照し、他方では図面を用いて本発明の2つの好ましい例示的実施形態に従って説明する。また本教示の好ましい設計の実施形態及び改良も、図面を用いて本発明の好ましい例示的実施形態の説明と併せて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明による乗馬面の構築の第1の例示的実施形態を概略図で示す。
【
図2】本発明による乗馬面の構築の第2の例示的実施形態を概略図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、トレッド層1、地面とトレッド層1との間に配置されたマット2、ここでは下部マット2と呼ぶ、及びトレッド層1に面する下部マット2の側面の溝4内に埋め込まれたドリップホース3を有する、本発明による乗馬面の構築の第1の例示的実施形態を概略図で示す。
【0026】
下部マット2は、透水性で、柔らかい減衰材料から、詳細にはPU発泡ゴムから生成される。マット2の減衰特性は、乗馬面上を動く馬の健康を特に非常に促進する。また再生された自動車のタイヤ由来のゴム顆粒から下部マット2を生成することもここでは考えられる。下部マット2は、ロール状商品として提供可能であり、下部マット2の個々のロール状原反は、互いにスナップ嵌合することができ、任意の方式で延長することができる。下部マット2の厚さは、約25~30mmである。前記下部マット2は、好ましくは裸地及び/又は排水路、例えば砂利(
図1には示されていない)上に配置することができる。過剰な水の最適な流出は、下部マット2の透水性によって実行可能である。下部マット2の柔らかいにもかかわらず安定した材料は、比較的粗い土の上であっても乗馬面に理想的な地面を供給する。
【0027】
ドリップホース3は、プラスチック材料から生成され、規則的な間隔でトレッド面に注入するためにトレッド層に向けられた弁5を有する。ドリップホースは16mmの直径を有することができ、下部マット2内の平行な原反内に埋め込まれる。
【0028】
PVCから生成された中間マット6は、ドリップホース3を安定化して保護する上に、下部マット2とトレッド層1との間の圧力を分配するために、下部マット2及びドリップホース3の上に配置される。中間マット6は、互いの間隔を10cmに配置された複数の穴7を有する。前記穴7は、中間マット6の下からトレッド層1への水の侵入を可能にするが、トレッド層1から中間マット6の下への比較的大量の砂及び他の粒子のいかなる侵入も回避する。トレッド層1に面する中間マット6の側面上の中間マット6は、トレッド層のいかなる滑脱も回避するメッシュ構造を有する。また中間マット6の代わりの中間網も考えられる。
【0029】
トレッド層1は、実質的に砂から、しかも凝集体、詳細にはジオテキスタイル製品から構成され、中間マット6に荷重をかける。前記トレッド層1は10~12cmの厚さを有する。
【0030】
図2、3、及び4は、それぞれが本発明による乗馬面の第2の例示的実施形態を概略図で示し、トレッド層1及び分離したマットという意味で地面8とトレッド層1との間に配置されたマット2を有し、トレッド層1に注水するためのドリップホース3は、トレッド層1に面するマット2の側面上の溝4内に埋め込まれている。
【0031】
マット2は、堅い材料から、詳細にはPVCから生成され、個々のマット要素2からスナップ嵌合することができる。トレッド層1に面するマット2の側面上の溝4は、マット2の中に機械加工され、幅並びに深さのいずれも18mmを有する。溝4及びひいてはドリップホース3は、互いに平行で互いに等しい間隔であるように配置される。
【0032】
水の侵入が可能で、比較的大量の砂及び他の粒子のいかなる侵入もほとんど回避する正方形の穴7は、ドリップホース3の間に直線的に、又ドリップホース3に平行であるように提供される。穴7は、例えば豪雨の場合にトレッド層内の望ましくない量の水を漏出するが、トレッド層に注水するためにトレッドホース3から出る水の量は漏出しないような丁度良い大きさであるような寸法にされる。
【0033】
トレッド層1に面するその側面上のマット2は、一方でマット2の安定性に向かって寄与し、望ましくない方式でトレッドホース3から出る水が穴7を通って漏出するのを防ぐメッシュ構造を有する。換言すると、ドリップホース3の領域及び穴7の領域は、メッシュ構造により少なくとも一部が互いに分離される。
【0034】
ドリップホース3はプラスチック材料から生成され、トレッド層1に注水するために規則的な間隔でトレッド層1に向けられた弁5を有する。ドリップホースは、前記ドリップホースが理想的なことには溝内に埋め込まれ又は詰め込まれるそれぞれが可能であるような寸法にされる。
【0035】
マット2は、裸地8の上に、詳細には砂利の上に配置される。過剰な水の最適な流出は、マット2の透水性によって実行可能である。
【0036】
トレッド層1は、実質的に砂から、しかも凝集体、詳細にはジオテキスタイル製品から構成され、マット2に荷重をかける。前記トレッド層1は10~12cmの厚さを有する。
【0037】
反復を避けるために、本発明による乗馬面及び乗馬面を構築するための方法の更に好都合な設計の実施形態については、説明の一般的部分並びに添付の特許請求の範囲で言及される。
【0038】
本発明による乗馬面及び乗馬面を構築するための方法の前述の例示的実施形態は、主張した教示を論じるためのみに提供するものであるが、前記教示を例示的実施形態に限定するものではないことを最後に明確に指摘しておく。
【符号の説明】
【0039】
参照符号の一覧
1 トレッド層
2 (下部)マット
3 ドリップホース
4 溝
5 弁
6 中間マット
7 穴
8 地面/砂利