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特許7252747ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法、情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/822 20140101AFI20230329BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20230329BHJP
   A63F 13/56 20140101ALI20230329BHJP
【FI】
A63F13/822
A63F13/58
A63F13/56
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018226042
(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2020081793
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荻原 藤太
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-011894(JP,A)
【文献】特開2003-117241(JP,A)
【文献】整備・拡張、攻略チャート,信長の野望・創造攻略wiki,2013年12月21日,web.archive.org/web/20131221041353/http://smusou7.game-cmr.com:80/souzou/data/seibi/index.html
【文献】工業化(INDUSTRIALIZATION),Victoria's Wiki,2017年10月06日,http://vic.paradwiki.org/index.php?%B9%A9%B6%C8%B2%BD%A1%CAINDUSTRIALIZATION%A1%CB
【文献】三國志 Battlefield,電撃王 第10巻 第8号,株式会社メディアワークス,2002年07月01日,P132
【文献】三國志 Battlefield,週刊ファミ通 第17巻 第21号,株式会社エンターブレイン,2002年05月24日,P142
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を、
リソースを備えた複数の拠点のうち、ゲーム内の一の勢力に支配された一の拠点と、前記一の勢力又は前記一の勢力と協力関係にある勢力に支配された他の拠点を前記リソースを移動可能に接続する拠点接続処理部、
前記一の点と前記一の拠点接続された複数の前記他の拠点との間で前記リソースの量又は各拠点の耐久値を比較し、前記一の拠点から、複数の前記他の拠点のうち前記リソースの量又は前記耐久値が最も少ない拠点に所定量の前記リソースを移動させるリソース移動処理部、
として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記リソース移動処理部は、
前記一の拠点の前記リソースの量が前記一の拠点と接続された全ての前記他の拠点よりも少ない場合には、前記一の拠点から前記他の拠点への前記リソースの移動を実行しない、
請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記情報処理装置を、
プレイヤの入力に基づいて、前記一の拠点における前記リソースの量の最低基準を可変に設定する最低基準設定処理部、
としてさらに機能させ、
前記リソース移動処理部は、
前記一の拠点の前記リソースの量が前記最低基準以下である場合には、前記一の拠点から前記他の拠点への前記リソースの移動を実行しない、
請求項又はに記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記情報処理装置を、
プレイヤの入力に基づいて、前記リソースを優先的に供給する拠点である優先拠点を指定する優先拠点指定処理部、
としてさらに機能させ、
前記リソース移動処理部は、
前記優先拠点の前記リソースの量に関わらず、前記優先拠点に接続された少なくとも1つの拠点から前記優先拠点に所定量の前記リソースを移動させる、
請求項乃至のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記情報処理装置を、
プレイヤの入力に基づいて、前記リソース移動処理部による前記リソースの移動の有効化又は無効化を切り替える有効無効切替処理部、
としてさらに機能させる、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記情報処理装置を、
プレイヤの入力に基づいて、前記リソースの移動量を可変に設定するリソース移動量設定処理部、
としてさらに機能させる、請求項1乃至のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記録した、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
リソースを備えた複数の拠点のうち、ゲーム内の一の勢力に支配された一の拠点と、前記一の勢力又は前記一の勢力と協力関係にある勢力に支配された他の拠点を前記リソースを移動可能に接続するステップと、
前記一の点と前記一の拠点接続された複数の前記他の拠点との間で前記リソースの量又は各拠点の耐久値を比較し、前記一の拠点から、複数の前記他の拠点のうち前記リソースの量又は前記耐久値が最も少ない拠点に所定量の前記リソースを移動させるステップと、
を有する、ゲーム処理方法。
【請求項9】
リソースを備えた複数の拠点のうち、ゲーム内の一の勢力に支配された一の拠点と、前記一の勢力又は前記一の勢力と協力関係にある勢力に支配された他の拠点を前記リソースを移動可能に接続する拠点接続処理部と、
前記一の点と前記一の拠点接続された複数の前記他の拠点との間で前記リソースの量又は各拠点の耐久値を比較し、前記一の拠点から、複数の前記他の拠点のうち前記リソースの量又は前記耐久値が最も少ない拠点に所定量の前記リソースを移動させるリソース移動処理部と、
を有する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、当該ゲームプログラムが記録された記録媒体、ゲーム処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤが領主となって歴史上の有名大名に仕え、武将等の家来を集めて育成したり、領地を発展させたり、他の大名との合戦を行うことにより、プレイヤが仕える大名家の支配地を拡大する、戦国シミュレーションゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-184858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ゲームシステムでは、各拠点で例えば畑や建物を作ったり武器や防具の生産等を行うことにより、各拠点でリソース(例えば兵糧や兵力等)を生成することができる。しかしながら、各拠点間でリソースを移動することはできないため、例えば強大な補給線ネットワークを構築して大軍勢で攻勢をかけたり、例えばその補給線ネットワークを断ち切って寡兵での勝利を狙うといった戦略的な駆け引きを行うことはできず、戦略性の面で向上の余地があった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、単純な処理によって戦略性を高めることが可能なゲームプログラム、記録媒体、及びゲーム処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のゲームプログラムは、情報処理装置を、リソースを備えた複数の拠点において、所定の条件を満たした拠点同士を前記リソースを移動可能に接続する拠点接続処理部、一の前記拠点と当該一の拠点と接続された全ての前記拠点との間で前記拠点の所定の状態を表すパラメータを比較し、前記一の拠点から前記パラメータが所定の状態である度合いが最も大きい前記拠点に所定量の前記リソースを移動させるリソース移動処理部、として機能させる。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の記録媒体は、上記ゲームプログラムを記録した、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体である。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のゲーム処理方法は、情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、リソースを備えた複数の拠点において、所定の条件を満たした拠点同士を前記リソースを移動可能に接続するステップと、一の前記拠点と当該一の拠点と接続された全ての前記拠点との間で前記拠点の所定の状態を表すパラメータを比較し、前記一の拠点から前記パラメータが所定の状態である度合いが最も大きい前記拠点に所定量の前記リソースを移動させるステップと、を有する。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、リソースを備えた複数の拠点において、所定の条件を満たした拠点同士を前記リソースを移動可能に接続する拠点接続処理部と、一の前記拠点と当該一の拠点と接続された全ての前記拠点との間で前記拠点の所定の状態を表すパラメータを比較し、前記一の拠点から前記パラメータが所定の状態である度合いが最も大きい前記拠点に所定量の前記リソースを移動させるリソース移動処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゲームプログラム等によれば、単純な処理によって戦略性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を表すシステム構成図である。
図2】端末装置の構成の一例を表す装置構成図である。
図3】ゲームの概略内容の一例を表す説明図である。
図4】サーバの機能的構成の一例を表すブロック図である。
図5】拠点接続処理部による処理の一例を表す説明図である。
図6】リソース移動処理部による処理の一例を表す説明図である。
図7】リソース移動処理部による処理の他の例を表す説明図である。
図8】最低基準が設定された場合のリソース移動処理の一例を表す説明図である。
図9】優先拠点が設定された場合のリソース移動処理の一例を表す説明図である。
図10】優先拠点が設定された場合のリソース移動処理の他の例を表す説明図である。
図11】情報処理装置のCPUによって実行される処理手順の一例を表すフローチャートである。
図12】リソース移動量を可変に設定できる変形例におけるサーバの機能的構成の一例を表すブロック図である。
図13】リソース移動量の設定画面の一例を表す説明図である。
図14】情報処理装置のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<1.ゲームシステムの全体構成>
まず、図1及び図2を用いて、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例について説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、複数の端末装置3と、サーバ5を有する。複数の端末装置3とサーバ5は、例えばLANやインターネット等のネットワークNWを介して通信可能に接続されている。なお、図1ではサーバ5が1台のコンピュータで構成されているが、複数台のコンピュータで構成されてもよい。
【0014】
図2に示すように、各端末装置3は、入力装置7と表示装置9に有線又は無線により通信可能に接続されている。入力装置7は、例えばマウス11やキーボード13等であり、プレイヤは入力装置7を用いて各種の操作入力を行う。
【0015】
端末装置3は、例えばデスクトップ型コンピュータである。但しこれに限定されるものではなく、例えばノート型コンピュータや、タブレット型コンピュータ等でもよい。また、コンピュータとして製造、販売等されているもの以外にも、例えば据え置き型のゲーム機、入力部や表示部等を一体に備えた携帯型のゲーム機等、ゲーム機として製造、販売等されているものでもよい。また、携帯電話、スマートフォン、ファブレット等のように、電話機として製造、販売等されているものでもよい。
【0016】
表示装置9は、例えばブラウン管、液晶、プラズマ、有機EL、プロジェクター等によるディスプレイ装置である。表示装置9は、音声を出力するスピーカー(図示省略)等を一体又は別体として備えてもよい。
【0017】
サーバ5(情報処理装置の一例)は、ゲームサービスを受ける各ユーザの端末装置3からのネットワークNWを介したアクセスを受け付けて、各ユーザのゲーム情報を記憶装置に蓄積して管理し、各ユーザにネットワークNWを介したゲームサービス(オンラインゲーム)を提供する。
【0018】
サーバ5によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲームプログラム(アプリケーションソフトウェアともいう)がサーバ5に実装されており、端末装置3でゲームを実行するのではなく、端末装置3でのプレイヤの操作入力に応じてサーバ5でゲームを実行し、その実行結果を各プレイヤの端末装置3に送信する形態がある。例えば、各プレイヤの端末装置3に搭載されたウェブブラウザによってゲームをプレイできる、いわゆるブラウザゲームをサーバ5が提供してもよい。また、サーバ5でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式等で端末装置3に送信する、いわゆるクラウドゲームをサーバ5が提供してもよい。あるいは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)においてウェブブラウザ上で動作するAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)などの動作環境を基に作成されるアプリケーションソフトウェアによって実行される、いわゆるソーシャルゲームをサーバ5が提供してもよい。なお、端末装置3にゲームプログラムの一部をインストールし、サーバ5だけでなく端末装置3においても部分的にゲーム処理が実行されるようにしてもよい。
【0019】
<2.ゲームの概略内容>
次に、図3を用いて、本実施形態に係るゲーム、すなわち、本発明のゲームプログラム及びゲーム処理方法がサーバ5によって実行されることにより提供されるゲームの概略内容の一例について説明する。
【0020】
本実施形態に係るゲームは、複数のプレイヤが例えば歴史上の英雄等となり、武将や軍師等の家臣を集めて育成したり、領地を発展させたり、他のプレイヤとの間で合戦を行うことにより、支配地を拡大する、いわゆる戦国シミュレーションゲームである。
【0021】
各プレイヤは、自身の支配地の中に少なくとも1つの拠点を有する。各拠点には、例えば兵糧、兵力、金銭等のリソースが備えられている。リソースは、各拠点で所定の活動(例えば農業、工業、商業、人材教育等の内政)を行うことによって生成させることもできるし、本実施形態のゲームシステムにより自動的に他の拠点に移動させることもできる。またプレイヤは、他のプレイヤの拠点に攻撃を仕掛けることにより合戦を行う。内政や合戦はリアルタイムに行われる。
【0022】
なお、各プレイヤが家臣に対して移動や計略等を指示入力する入力フェイズ、及び、それらの入力された結果が各端末装置3の表示に反映される解決フェイズ、からなるターンが所定数繰り返される、いわゆるターン制システムが採用されてもよい。
【0023】
図3に、ゲーム画面の一例を示す。この例では、大陸15上に複数の拠点17が配置されている。拠点17同士は、河や山林等の地形を考慮して設けられた街道19により接続されている。本実施形態では、街道19により接続された隣り合う2つの拠点17を「隣接する拠点17」という。図3に示す例では、例えば3人のプレイヤが勢力を争っている。第1のプレイヤの支配地は、黒色の拠点17で示す範囲(図3中上部)であり、第2のプレイヤの支配地は、ハッチングの拠点17で示す範囲(図3中下部左側)であり、第3のプレイヤの支配地は、白色の拠点17で示す範囲(図3中下部右側)である。各プレイヤの支配地には、主要な拠点である主拠点17(旗21が表示されている)と、主拠点17以外の複数の拠点17がそれぞれ配置されている。
【0024】
各プレイヤは、自分の家臣に対して指示(内政、攻撃、移動等)を行うと、これらの指示情報は、サーバ5に逐次送信されて処理される。サーバ5は、各プレイヤによる指示入力の結果を表す情報を、各端末装置3に逐次送信する。端末装置3では、サーバ5から受信した情報に基づいて結果を表示する。
【0025】
合戦では、相手プレイヤの主拠点17を陥落させると自軍の勝利となる。反対に、自軍の主拠点17が陥落されると自軍の敗北となる。一のプレイヤにより他の全プレイヤの主拠点17が陥落されると、大陸15が統一されてゲームが終了する。
【0026】
以上が本実施形態に係るゲームの概略内容であるが、以下、その特徴部分の内容について詳細に説明する。
【0027】
<3.サーバの機能的構成>
次に、図4及び図5乃至図10を用いて、サーバ5の機能的構成の一例について説明する。
【0028】
図4に示すように、サーバ5は、拠点接続処理部23と、リソース移動処理部25と、最低基準設定処理部27と、優先拠点指定処理部29と、有効無効切替処理部31とを有する。
【0029】
拠点接続処理部23は、リソースを備えた複数の拠点において、所定の条件を満たした拠点同士をリソースを移動可能に接続する。「リソース」は、ゲーム中で利用しうる物資や人材であり、例えば兵糧、兵力、金銭、土地、水、馬、農民、商人、職人、天然資源、鉱物、木材、金属材料、その他の材料等である。「拠点」は、プレイヤがゲーム中で行う所定の活動の足場となる場所や施設等のことである。例えば、基地、砦、陣、部隊、城、町、村、都市、国、建物等も拠点に含まれる。「所定の条件」は、街道19により接続された隣り合う2つの拠点(隣接する拠点)が、同じプレイヤ(あるいは、複数のプレイヤが協力してプレイする場合には同じ味方勢力)により支配されること、である。また、拠点接続処理部23は、所定の条件が満たされなくなった拠点同士の接続を解除する処理も行う。
【0030】
これにより、プレイヤは、隣接する拠点を獲得することによって、複数の拠点の間でリソースを移動可能な補給線ネットワークを構築することができる。また、敵プレイヤの補給線ネットワークを構成する拠点を奪取することによって、補給線ネットワークを断ち切ることができる。
【0031】
図5に、拠点接続処理部23による処理の一例を示す。図5に示す例では、街道19により接続された拠点A,B,C,Dのうち、拠点B,C,D(白色)が前述の第3のプレイヤにより支配され、拠点A(ハッチング)が前述の第2のプレイヤにより支配されている。この状態では、拠点A,B,C,Dは上記条件を満たしていないため、リソースを移動可能に接続されていない。
【0032】
上記状態から、第3のプレイヤが合戦により第2のプレイヤから拠点Aを奪取すると、拠点Aと拠点B,C,Dのそれぞれとが上記条件を満たすこととなり、拠点接続処理部23により、拠点A,B、拠点A,C、拠点A,Dがそれぞれリソースを移動可能に接続される。ゲーム画面上では、例えば街道19上に別途の補給線ネットワークが表示されるか、あるいは、例えば街道19の表示態様が変更される等により、リソースが移動可能になったことが示される。表示態様を変更する場合は、例えば街道19の点灯、点滅、色や太さの変更等でもよいし、文字や記号等による表示を継続的又は一時的に付加してもよい。図5では、リソースの移動可否を区別するために、リソースが移動不能である街道19を破線で示し、リソースが移動可能である街道19を実線で示している。
【0033】
上記状態から、第2のプレイヤが合戦により第3のプレイヤから拠点Bを奪取すると、拠点Aと拠点Bが上記条件を満たさなくなり、拠点接続処理部23により、拠点A,B間の接続が解除される。その結果、拠点A,C、拠点A,Dはそれぞれリソースを移動可能に接続されたままであるが、拠点A,B間ではリソースは移動不能となる。
【0034】
図4に戻り、リソース移動処理部25は、一の拠点と当該一の拠点と接続された全ての拠点との間で拠点の所定の状態を表すパラメータを比較し、一の拠点からパラメータが所定の状態である度合いが最も大きい拠点に所定量のリソースを移動させる。本実施形態では、リソース移動処理部25は、一の拠点と当該一の拠点と接続された全ての拠点との間でリソースの量を比較し、一の拠点からリソースの量が最も少ない拠点に所定量のリソースを移動させる。「所定量」は、予め設定された固定値である。なお、後述するようにプレイヤにより可変に設定可能としてもよい。なお、リソース移動処理部25は、一の拠点のリソースの量が当該一の拠点と接続された全ての拠点よりも少ない場合には、一の拠点から他の拠点へのリソースの移動を実行しない。
【0035】
リソース移動処理部25は、上記のリソース移動処理を、処理対象である全ての拠点に対して順次実行する。これにより、構築した補給線ネットワークにおいて、リソースが不足している拠点に自動的にリソースを移動(供給、補給、輸送ともいう)することができる。なお、処理の順番は特に限定されるものではないが、例えば全ての拠点に対して予め振られた通し番号にしたがって行われてもよい。また、敵プレイヤの支配地と相対する最前線の拠点ではリソースの消費量が激しくリソースが不足しがちとなることから、例えば主拠点から最前線に向かう順番等、リソースが相対的に多い拠点から相対的に少ない拠点へ向かうような順番で行ってもよい。
【0036】
図6及び図7に、リソース移動処理部25による処理の一例を示す。図6及び図7では、リソースが兵糧である場合について説明し、また拠点A,B、拠点A,C、拠点A,Dがそれぞれリソースを移動可能に接続されている(後述の図8図10も同様)。図6に示す例では、リソース移動処理部25が拠点Aに対してリソース移動処理を実行する場合、拠点Aと当該拠点Aと接続された拠点B,C,Dとの間で兵糧の量をそれぞれ比較し、拠点Aから拠点A~Dの中で兵糧が最も少ない拠点Cに対して、所定量(この例では3000)の兵糧を移動させる。
【0037】
また、図7に示す例では、拠点Aの兵糧が当該拠点Aと接続された拠点B,C,Dのいずれよりも少ない(拠点A~Dの中で処理対象である拠点Aの兵糧が最も少ない)。この場合、リソース移動処理部25は、拠点Aから他の拠点への兵糧の移動を実行しない。
【0038】
図4に戻り、最低基準設定処理部27は、プレイヤの入力に基づいて、拠点におけるリソースの量の最低基準を可変に設定する。これにより、プレイヤはリソース量の最低基準を任意の量に設定することができる。なお、最低基準はリソースの種類(兵糧、兵力、金銭等)ごとに別々に設定可能としてもよい。そして、上記リソース移動処理部は、一の拠点のリソースの量が上記最低基準設定処理部27により設定された最低基準以下である場合には、一の拠点から他の拠点へのリソースの移動を実行しない。
【0039】
図8に、最低基準が設定された場合のリソース移動処理の一例を示す。図8に示す例では、兵糧の最低基準が10000に設定されており、拠点Aの兵糧が最低基準以下となっている。このため、リソース移動処理部25は、拠点Aから他の拠点への兵糧の移動を実行しない。
【0040】
図4に戻り、優先拠点指定処理部29は、プレイヤの入力に基づいて、リソースを優先的に供給する拠点を指定する。これにより、プレイヤは任意の拠点をリソースを優先的(強制的)に供給する拠点(以下「優先拠点」ともいう)として指定することができる。そして、リソース移動処理部25は、上記優先拠点指定処理部29により指定された拠点のリソースの量に関わらず、指定された拠点に接続された少なくとも1つの拠点から指定された拠点に所定量のリソースを移動させる。
【0041】
なお、優先拠点に隣接する拠点が複数ある場合には、例えば隣接する拠点の中で最もリソース量が多い拠点から優先拠点に対してリソースを移動させてもよいし、隣接する拠点のリソース量に関係なく全ての隣接拠点から優先拠点に対して均等にリソースを移動させてもよい。あるいは、隣接する拠点のリソース量に応じて移動量がそれぞれ設定され、全ての隣接拠点から設定された移動量だけリソースを移動させてもよい。
【0042】
図9及び図10に、優先拠点が設定された場合のリソース移動処理の一例を示す。図9に示す例では、拠点Aが優先拠点に設定されており、隣接する拠点B~Dの中で最も兵糧が多い拠点Dから優先拠点Aに対して所定量(この例では3000)の兵糧が移動されている。また、図10に示す例では、同様に拠点Aが優先拠点に設定されており、隣接する拠点B~Dの各々から優先拠点Aに対して均等量(この例では所定量3000を拠点数3で割った結果である1000)の兵糧が移動されている。
【0043】
図4に戻り、有効無効切替処理部31は、プレイヤの入力に基づいて、リソース移動処理部25によるリソースの移動の有効化又は無効化を切り替える。これにより、プレイヤはリソースの自動補給機能の有効化(オン)又は無効化(オフ)を自由に切り替えることができる。なお、リソースの移動の有効化又は無効化は、例えば兵糧は自動補給させるが兵力は自動補給させない等、リソースの種類(兵糧、兵力、金銭等)ごとに別々に設定可能としてもよい。
【0044】
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU501(後述の図14参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。さらに、以上説明した各処理部は、全部がサーバ5側に実装される場合に限定されるものではなく、その一部又は全部が端末装置3側に実装されてもよい。
【0045】
<4.サーバが実行する処理手順>
次に、図11を用いて、サーバ5のCPU501によって実行される処理手順の一例について説明する。
【0046】
ステップS5では、サーバ5は、プレイヤの入力内容に応じて、各拠点17における各種の内政や、敵プレイヤとの合戦等を実行し、ゲームを進行させる。
【0047】
ステップS10では、サーバ5は、同じプレイヤ(あるいは、複数のプレイヤが協力してプレイする場合には同じ味方勢力)により支配される隣接拠点が発生したか否かを判定する。隣接拠点が発生していない場合には(ステップS10:NO)、後述のステップS20に直接移る。一方、隣接拠点が発生した場合には(ステップS10:YES)、次のステップS15に移る。
【0048】
ステップS15では、サーバ5は、拠点接続処理部23により、隣接した拠点17同士をリソースを移動可能に接続する。
【0049】
ステップS20では、サーバ5は、同じプレイヤ(あるいは、複数のプレイヤが協力してプレイする場合には同じ味方勢力)により支配されていた隣接拠点が消滅したか否か(隣接拠点の一方が敵に奪取されたか否か)を判定する。隣接拠点が消滅していない場合には(ステップS20:NO)、後述のステップS30に直接移る。一方、隣接拠点が消滅した場合には(ステップS20:YES)、次のステップS25に移る。
【0050】
ステップS25では、サーバ5は、拠点接続処理部23により、隣接した拠点17同士のリソース移動可能な接続を解除する。
【0051】
ステップS30では、サーバ5は、リソース移動処理の開始タイミングになったか否かを判定する。この開始タイミングは、例えば所定の時間周期としてもよいし、例えばターン制システムを採用している場合にはターン毎としてもよい。開始タイミングとなっていない場合には(ステップS30:NO)、先のステップS5に戻る。一方、開始タイミングとなった場合には(ステップS30:YES)、次のステップS35に移る。
【0052】
ステップS35では、サーバ5は、リソース移動処理部25により、リソース移動処理の対象となる拠点17を特定する。
【0053】
ステップS40では、サーバ5は、上記ステップS35で特定した対象拠点が、前述の優先拠点指定処理部29により指定された優先拠点であるか否かを判定する。優先拠点でない場合には(ステップS40:NO)、後述のステップS50に直接移る。一方、優先拠点である場合には(ステップS40:YES)、次のステップS45に移る。
【0054】
ステップS45では、サーバ5は、リソース移動処理部25により、優先拠点に接続された少なくとも1つの拠点17から指定された優先拠点に所定量のリソースを移動させる。その後、後述のステップS70に直接移る。
【0055】
ステップS50では、サーバ5は、上記ステップS35で特定した対象拠点のリソース量が、前述の最低基準設定処理部27により設定された最低基準以下であるか否かを判定する。対象拠点のリソース量が最低基準以下である場合には(ステップS50:YES)、後述のステップS70に直接移る。一方、対象拠点のリソース量が最低基準より多い場合には(ステップS50:NO)、次のステップS55に移る。
【0056】
ステップS55では、サーバ5は、リソース移動処理部25により、上記ステップS35で特定した対象拠点のリソース量と、対象拠点に隣接する全ての隣接拠点のリソース量とを比較する。
【0057】
ステップS60では、サーバ5は、リソース移動処理部25により、対象拠点のリソース量が全ての隣接拠点のリソース量よりも少ないか否かを判定する。対象拠点のリソース量が最も少ない場合には(ステップS60:YES)、後述のステップS70に直接移る。一方、対象拠点のリソース量がいずれかの隣接拠点よりも多い場合には(ステップS60:NO)、次のステップS65に移る。
【0058】
ステップS65では、サーバ5は、リソース移動処理部25により、上記ステップS35で特定した対象拠点からリソースの量が最も少ない隣接拠点に所定量のリソースを移動させる。
【0059】
ステップS70では、サーバ5は、リソース移動処理部25により、処理対象である全拠点17についてリソース移動処理が完了したか否かを判定する。全拠点17についてリソース移動処理を完了していない場合には(ステップS70:NO)、先のステップS35に戻り、次の拠点17を処理対象に特定して同様の処理を繰り返す。一方、全拠点17についてリソース移動処理を完了している場合には(ステップS70:YES)、次のステップS75に移る。
【0060】
ステップS75では、サーバ5は、ゲームを終了するか否かを判定する。例えばプレイヤの間で勝敗が決定していない場合等、ゲームを終了しない場合には(ステップS75:NO)、先のステップS5に戻る。例えば一のプレイヤにより他の全プレイヤの主拠点17が陥落される等により、勝敗が決定してゲームを終了する場合には(ステップS75:YES)、本フローを終了する。
【0061】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除又は変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよいし、複数の手順が単一の手順にまとめられてもよい。
【0062】
<5.実施形態の効果>
本実施形態のゲームプログラムは、サーバ5を、リソースを備えた複数の拠点17において、所定の条件を満たした拠点同士をリソースを移動可能に接続する拠点接続処理部23、一の拠点17と当該一の拠点17と接続された全ての拠点17との間で拠点17の所定の状態を表すパラメータを比較し、一の拠点17からパラメータが所定の状態である度合いが最も大きい拠点17に所定量のリソースを移動させるリソース移動処理部25、として機能させる。
【0063】
本実施形態では、複数の拠点17をリソースを移動可能に接続することによって補給線ネットワークを構築することができる。これにより、例えば強大な補給線ネットワークを構築して大軍勢で攻勢をかけたり、例えばその補給線ネットワークを断ち切って寡兵での勝利を狙うといった戦略的な駆け引きを行うことが可能となるので、戦略性を高めることができる。
【0064】
またこのとき、拠点17から拠点17へのリソースの移動を、接続された拠点間で当該拠点の状態を表すパラメータを比較し、その比較結果に基づいて自動的に実行する。これにより、構築した補給線ネットワークにおいて各拠点17のパラメータに応じて自動的にリソースを補給することができるので、プレイヤがリソースの移動を指示する手間を省くことができる。特に本実施形態のようにリアルタイムに進行するゲームの場合には、プレイヤは内政や合戦等において色々な指示を行う必要があるため、リソースを拠点間で自動供給できる本発明は好適である
【0065】
また、AIなどにより全ての拠点17のパラメータを判断してリソースの流れを制御する等の複雑な処理をしなくても、接続された拠点17間のパラメータを比較するという単純な処理を繰り返すだけで補給線ネットワーク内での適正なリソースの配置を実現できるので、サーバ5の処理負担やゲームの開発コスト等を抑えることができる。
【0066】
また、本実施形態では特に、リソース移動処理部25は、一の拠点17と当該一の拠点17と接続された全ての拠点17との間でリソースの量を比較し、一の拠点17からリソースの量が最も少ない拠点17に所定量のリソースを移動させる。
【0067】
これにより、構築した補給線ネットワークにおいて、リソースが不足している拠点17に自動的にリソースを移動(補給)させることができる。したがって、補給線ネットワーク内での適正なリソースの配置(例えばリソース量が略均等となる配置)を容易に実現できる。
【0068】
また、本実施形態では特に、リソース移動処理部25は、一の拠点17のリソースの量が当該一の拠点17と接続された全ての拠点17よりも少ない場合には、一の拠点17から他の拠点17へのリソースの移動を実行しない。
【0069】
これにより、リソースの量が少ない拠点17から多い拠点17に向かってリソースが移動(逆流)することを防止できる。したがって、補給線ネットワーク内での適正なリソースの配置を容易に実現できる。
【0070】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、サーバ5を、プレイヤの入力に基づいて、拠点17におけるリソースの量の最低基準を可変に設定する最低基準設定処理部27、としてさらに機能させ、リソース移動処理部25は、一の拠点17のリソースの量が最低基準以下である場合には、一の拠点17から他の拠点17へのリソースの移動を実行しない。
【0071】
これにより、プレイヤはリソース量の最低基準を任意に設定して、リソースの量が当該最低基準以下である拠点17から他の拠点17へのリソースの移動が行われないようにすることができる。その結果、例えば戦略上最低限必要なリソースを各拠点17に対して自動的に確保することができるので、戦略性を高めることができる。
【0072】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、サーバ5を、プレイヤの入力に基づいて、リソースを優先的に供給する拠点17を指定する優先拠点指定処理部29、としてさらに機能させ、リソース移動処理部25は、指定された優先拠点17のリソースの量に関わらず、指定された優先拠点17に接続された少なくとも1つの拠点17から指定された優先拠点17に所定量のリソースを移動させる。
【0073】
これにより、プレイヤはリソースを優先的に供給する優先拠点17を任意に指定して、当該優先拠点17に対して、接続された拠点17から必ずリソースの移動が行われるようにすることができる。その結果、例えば最前線の拠点等のリソース(兵糧、兵力等)の消費が比較的大きい拠点17や、例えば拠点内で行われる活動(例えば兵糧を生産する農業、武器や防具等を生産する工業、色々な商品を生産する商業)に伴って特定のリソース(資源、材料、金銭等)が必要な拠点に対して、戦略的にリソースを補給することができる。したがって、補給線ネットワーク内での最適なリソースの配置を実現できる。
【0074】
また、本実施形態では特に、サーバ5を、プレイヤの入力に基づいて、リソース移動処理部25によるリソースの移動の有効化又は無効化を切り替える有効無効切替処理部31、としてさらに機能させる。
【0075】
例えば、ゲームに慣れていない初心者のプレイヤの場合、補給線ネットワークにおけるリソースの移動は自動で行わせて自身はその他のプレイに集中したい場合が考えられる。一方で、ゲームに慣れた上級者のプレイヤの場合、補給線ネットワークにおけるリソースの移動についても自分自身で指示したい場合が考えられる。本実施形態では、プレイヤがリソースの自動補給機能の有効化(オン)又は無効化(オフ)を切り替えることができるので、上述のような2種類のニーズのいずれにも対応することができ、ゲームの汎用性を向上できる。
【0076】
<6.変形例>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0077】
(6-1.リソースの移動量を可変に設定できる場合)
上記実施形態では、リソースの移動量(所定量)が予め設定された固定値である場合を一例として説明したが、プレイヤにより可変に設定可能としてもよい。
【0078】
図12に、本変形例のサーバ5Aの機能的構成の一例を示す。図12に示すように、サーバ5Aは、前述のサーバ5と同様の構成に加えて、リソース移動量設定処理部33を有する。
【0079】
リソース移動量設定処理部33は、プレイヤの入力に基づいて、リソースの移動量を可変に設定する。なお、リソースの移動量はリソースの種類ごとに別々に設定可能としてもよい。
【0080】
図13に、リソース移動量設定画面の一例を示す。図13に示す例では、プレイヤはカーソル35を操作してリソースの種類(この例では兵糧、兵力、金銭)ごとに別々にリソース移動量を設定することができる。
【0081】
これにより、プレイヤはリソースの移動量を任意に設定することができる。例えば、リソースの移動量を多めに設定した場合には、短い時間(少ないターン数)で一定量のリソースを補給できることとなり、補給速度を速くすることができる。反対に、リソースの移動量を少なめに設定した場合には、一定量のリソースの補給に長い時間(多いターン数)を要することとなり、補給速度を遅くすることができる。このように、リソースの移動量を可変させることで補給速度を調整することができるので、例えば戦況が目まぐるしく変動するような状況ではリソースの移動量を多めに設定して補給が素早く実行されるようにしたり、現状のリソース配置が戦況に適しているためあまり変動させたくないような場合にはリソースの移動量を少なめに設定して補給が遅く実行されるようにする等、戦況に応じた戦略をとることが可能となる。
【0082】
(6-2.その他)
以上では、各プレイヤの支配地においてリソースの自動供給が行われる場合について説明したが、例えば複数のプレイヤが同盟を組む等、複数のプレイヤが協力してプレイする場合には、異なるプレイヤ間(同じ味方勢力であるプレイヤ間)においてもリソースの自動供給を可能としてもよい。これにより、例えば強いプレイヤが弱いプレイヤをサポートしたり、プレイヤごとに役割を作って(例えば兵糧を供給するプレイヤ、武器を供給するプレイヤ等)協力プレイをする等が可能となり、戦略性、興趣性を向上できる。
【0083】
また、優先拠点を指定する際に、リソースの種類(兵糧、兵力、金銭等)ごとに拠点を指定可能としてもよい。これにより、例えば前線の拠点17には兵糧、兵力を供給、農業に力を入れている拠点17には農民を供給、商業に力を入れている拠点17には金銭や商人を供給、武器を生産している拠点17には資源や材料等を供給する等、きめ細かなリソースの配置指定が可能となる。
【0084】
また以上では、「拠点の所定の状態を表すパラメータ」はリソースの量であり、「パラメータが所定の状態である度合い」はリソースが不足している状態の度合いである場合を一例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、「拠点の所定の状態を表すパラメータ」は拠点の耐久値(いわゆる拠点の体力値(HP)であり、これが0になると拠点が陥落する)であり、「パラメータが所定の状態である度合い」は耐久値が不足している状態の度合い等でもよい。その他にも、多種多様な拠点の所定の状態を表すパラメータとその状態の度合いに対し本発明は適用可能である。
【0085】
また以上では、本発明が戦国シミュレーションゲームに適用される場合を一例に説明したが、その他のジャンルのゲーム、例えば、戦国系以外のシミュレーションゲーム(例えば街作りシミュレーション、農業シミュレーション、商業シミュレーション、経営シミュレーション等)、ロールプレイングゲーム、アドベンチャーゲーム等にも、本発明は適用可能である。
【0086】
また、以上では、本発明をオンラインゲームに適用した場合について説明したが、オフラインゲームにも適用可能である。
【0087】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0088】
<7.サーバのハードウェア構成>
次に、図14を用いて、上記で説明したCPU501が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現するサーバ5のハードウェア構成の一例について説明する。なお、端末装置3が同様のハードウェア構成を有してもよい。
【0089】
図14に示すように、サーバ5は、例えば、CPU501と、ROM503と、RAM505と、GPU506と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路507と、入力装置513と、出力装置515と、記録装置517と、ドライブ519と、接続ポート521と、通信装置523を有する。これらの構成は、バス509や入出力インターフェース511等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0090】
ゲームプログラムは、例えば、ROM503やRAM505、記録装置517等に記録しておくことができる。
【0091】
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体525に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体525は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体525に記録されたゲームプログラムは、ドライブ519により読み出されて、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0092】
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置523がこのプログラムを受信する。そして、通信装置523が受信したプログラムは、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0093】
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器527に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート521を介し転送され、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0094】
そして、CPU501が、上記記録装置517に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述の拠点接続処理部23、リソース移動処理部25等による処理が実現される。この際、CPU501は、例えば、上記記録装置517からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM505に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU501は、例えば、プログラムを通信装置523やドライブ519、接続ポート521を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置517に記録せずに直接実行してもよい。
【0095】
また、CPU501は、各端末装置3の入力装置7からネットワークNWを介して入力される信号に加えて、必要に応じて、例えばマウス、キーボード、マイク等の入力装置513から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0096】
GPU506は、CPU501からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
【0097】
そして、CPU501及びGPU506は、上記の処理を実行した結果を、ネットワークNWを介して各端末装置3の表示装置9に出力すると共に、必要に応じて、例えばスピーカーやヘッドフォン等の音声出力部(図示せず)を含む、出力装置515から出力する。さらにCPU501及びGPU506は、必要に応じてこの処理結果を通信装置523や接続ポート521を介し送信してもよく、上記記録装置517や記録媒体525に記録させてもよい。
【符号の説明】
【0098】
5 サーバ(情報処理装置)
5A サーバ(情報処理装置)
17 拠点
23 拠点接続処理部
25 リソース移動処理部
27 最低基準設定処理部
29 優先拠点指定処理部
31 有効無効切替処理部
33 リソース移動量設定処理部
125 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14