(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】作業ヘッド及び製造装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20230331BHJP
B25J 15/06 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
H05K13/04 A
B25J15/06 D
(21)【出願番号】P 2018018702
(22)【出願日】2018-02-05
【審査請求日】2020-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡村 浩志
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-032773(JP,A)
【文献】特開2005-262351(JP,A)
【文献】特開2003-170377(JP,A)
【文献】特開2004-322240(JP,A)
【文献】特開平04-343692(JP,A)
【文献】特開平04-272501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
B25J 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1インレット及び第1アウトレットを有する第1バルブと、
第2インレット及び第2アウトレットを有する第2バルブと、
構造体とを備え、
前記構造体は、
前記第1バルブを保持する第1保持部と、
前記第2バルブを保持する第2保持部と、
前記第1アウトレットと前記第2インレットとを接続する流路の少なくとも一部を構成する内部流路と
、
流量センサを保持する第3保持部とを有し、
前記第1バルブと前記第2バルブは、鉛直方向に並んで前記構造体に保持さ
れ、
前記構造体の一側面に前記第1保持部と前記第2保持部と前記第3保持部がこの順に並んで配される、
作業ヘッド。
【請求項2】
前記第1インレットは2つの第1切換インレットを有し、
前記第2インレットは2つの第2切換インレットを有し、
前記流路は、前記2つの第2切換インレットの一方と、前記第1アウトレットとを接続する、
請求項1に記載の作業ヘッド。
【請求項3】
前記2つの第1切換インレットは、正圧源に通じる正圧インレット、及び大気に通じる大気圧インレットであって、
前記2つの第2切換インレットは、負圧源に通じる負圧インレット、及び前記流路を介して前記第1アウトレットに通じる中継インレットである、
請求項2に記載の作業ヘッド。
【請求項4】
前記内部流路は、チャンバを有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の作業ヘッド。
【請求項5】
前記チャンバは、前記流路において、前記第1アウトレットよりも前記第2インレットに近い位置に配される、
請求項4に記載の作業ヘッド。
【請求項6】
前記構造体は、
前記内部流路である第1流路とは別の第2流路を更に有し、
前記第2流路は、前記チャンバである第1チャンバとは別の第2チャンバを有する、
請求項4又は請求項5に記載の作業ヘッド。
【請求項7】
前記構造体は、負圧源に通じる接続口を有し、
前記第2流路は、前記接続口と前記第2インレットとを接続し、
前記第2チャンバは、前記第2流路において、前記接続口よりも前記第2インレットに近い位置に配される、
請求項6に記載の作業ヘッド。
【請求項8】
複数のバルブユニットを備え、
前記複数のバルブユニットの各々が、
前記第1バルブと、
前記第2バルブと、
前記構造体とを有し、
前記複数のバルブユニットの各々が有する前記構造体が、
前記チャンバを有する、
請求項4~7のいずれか1項に記載の作業ヘッド。
【請求項9】
前記チャンバは、
前記内部流路における他の部分よりも流路断面積が大きい、
請求項4~8のいずれか1項に記載の作業ヘッド。
【請求項10】
前記構造体が金属製である、
請求項1~9のいずれか1項に記載の作業ヘッド。
【請求項11】
前記構造体が樹脂製である、
請求項1~9のいずれか1項に記載の作業ヘッド。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか1項に記載の作業ヘッドと、
前記作業ヘッドを移動させる駆動機構とを備えた、
製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業ヘッド及び製造装置に関し、詳しくは、バルブを備えた作業ヘッド及びこれを備えた製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、部品実装装置が開示されている。この実装装置は、部品を吸着して搬送するための移載ヘッドを備えている。移載ヘッドは、ノズル、負圧供給弁及びマニホールドブロックを有している。
【0003】
負圧供給弁は、ノズルを負圧源に対して選択的に通じさせるための弁である。負圧供給弁は、マニホールドブロックに取り付けられている。ノズルに対して、負圧源から負圧供給弁を介して負圧が供給されることで、ノズルは、部品を吸着する。
【0004】
部品実装装置は、正圧供給弁を更に備えている。正圧供給弁は、ノズルに正圧を負圧供給弁を介して選択的に供給するための弁である。ノズルに対して、正圧源から正圧供給弁及び負圧供給弁を介して正圧が供給されることで、ノズルが部品をリリースして、部品が基板に実装される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の部品実装装置では、正圧供給弁が負圧供給弁から離れて位置する。このため、正圧供給弁と負圧供給弁とをつなぐ流路が長くなりやすい。したがって、部品実装装置及び移載ヘッドの小型化や軽量化を図り難い。
【0007】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、2つのバルブを接続する流路の長さを短くすることができる作業ヘッド及びこれを備えた製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る作業ヘッドは、以下に示す構成を有する。第1バルブ、第2バルブ及び構造体を備える。前記第1バルブは、第1インレット及び第1アウトレットを有する。前記第2バルブは、第2インレット及び第2アウトレットを有する。前記構造体は、第1保持部、第2保持部及び内部流路を有する。前記第1保持部は、前記第1バルブを保持する。前記第2保持部は、前記第2バルブを保持する。前記内部流路は、前記第1アウトレットと前記第2インレットとを接続する流路の少なくとも一部を構成する。
【0009】
また、本開示の一態様に係る製造装置は、前記作業ヘッドと、駆動機構とを備える。前記駆動機構は、作業ヘッドを移動させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様に係る作業ヘッド及び製造装置は、2つのバルブを接続する流路の長さを短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る作業ヘッドの斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の作業ヘッドを組み込んだ実装装置の平面図である。
【
図3】
図3は、同上の作業ヘッドのブロック図である。
【
図4】
図4は、同上の作業ヘッドが備える複数のバルブユニットを示す斜視図である。
【
図5】
図5Aは、作業ヘッドのバルブユニットを示した斜視図である。
図5Bは、同上のバルブユニットを
図5Aとは異なる位置から見たときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)概要
図1に示す本実施形態の作業ヘッド1は、対象物を移して載せる移載ヘッドである。より具体的に本実施形態の作業ヘッド1は、
図2に示す実装装置(表面実装機)8に組み込まれて用いられる。すなわち、本実施形態の作業ヘッド1は、基板90に部品を実装するために用いられる実装ヘッドである。
【0013】
なお、本開示の技術は、例えば、ダイボンダ又はワイヤボンダ等、実装装置8以外の製造装置にも適用可能である。また、本開示の技術は、例えば、作業ヘッド1を用いて対象物を搬送する機能のみを有する装置等にも適用可能である。
【0014】
本実施形態の作業ヘッド1は、
図3に示すように、第1バルブ11、第2バルブ12及び構造体2を備える。第1バルブ11は、第1インレット15及び第1アウトレット112を有する。第2バルブ12は、第2インレット16及び第2アウトレット122を有する。構造体2は、第1保持部21、第2保持部22及び内部流路32を有する。
【0015】
第1保持部21は、第1バルブ11を保持する。第2保持部22は、第2バルブ12を保持する。内部流路32は、第1アウトレット122と第2インレット16とを接続する流路の少なくとも一部を構成する。すなわち、内部流路32は、第1アウトレット122と第2インレット16とを接続する流路の全部を構成してもよいし、この流路の一部のみを構成してもよい。
【0016】
上記のように本実施形態の構造体2は、第1保持部21、第2保持部22及び内部流路32を有する。このため、第1バルブ11と第2バルブ12とを近づけて、第1バルブ11と第2バルブ12とを接続する流路(内部流路32によって少なくとも一部が構成される流路)の長さを短くすることができる。
【0017】
(2)構成
以下、
図1~
図5Bに基づいて、本実施形態の作業ヘッド1及び実装装置8の構成について詳しく説明する。なお、以下では、実装装置8が設置された状態を基準にした方向を用いて説明する。
【0018】
図2に示す本実施形態の実装装置8は、電源、正圧源91(
図3参照)及び負圧源92(
図3参照)に接続されて用いられる。電源、正圧源91及び負圧源92の各々は、実装装置8の動力の供給源となる。実装装置8は、搬送機構82、駆動機構80、作業ヘッド1、及び制御部81(
図3参照)を備える。搬送機構82は、例えば、ベルトコンベア等である。搬送機構82は、基板90を実装装置8内の所定位置に搬送する。
【0019】
駆動機構80は、例えば、リニア型モータを有する機構である。駆動機構80は、作業ヘッド1を、水平面に沿って、第1位置と第2位置との間で移動させる。第1位置は、作業ヘッド1が部品をピックアップする位置である。第2位置は、作業ヘッド1が上記所定位置に配された基板90に部品を実装する位置である。
【0020】
制御部81(
図3参照)は、搬送機構82、駆動機構80及び作業ヘッド1を制御する。制御部81は、例えば、プロセッサ及び記憶装置等を含むコンピュータである。プロセッサは例えばCPU(Central Processing Unit)等である。記憶装置は、例えば半導体メモリ又はハードディスク等である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の作業ヘッド1は、ベース10、複数の吸着ノズル5及び複数のバルブユニット6(
図4参照)を備える。ベース10は、駆動機構80に取り付けられる。複数の吸着ノズル5及び複数のバルブユニット6は、ベース10に取り付けられる。
【0022】
作業ヘッド1は、吸着ノズル5と同数のバルブユニット6を備える。本実施形態の作業ヘッド1は、吸着ノズル5及びバルブユニット6を2つずつ備える。複数のバルブユニット6は、複数の吸着ノズル5にそれぞれ一対一で対応する。複数のバルブユニット6は、
図3に示すように、共通の負圧源92及び共通の正圧源91に接続される。
【0023】
なお、複数のバルブユニット6の各々は、バルブユニット6毎に異なる負圧源に接続されてもよいし、バルブユニット6毎に異なる正圧源に接続されてもよい。負圧源92は、例えば、真空ポンプ又は真空発生器である。正圧源91は、例えば、コンプレッサ等である。
【0024】
バルブユニット6は、対応する吸着ノズル5への圧力の供給元を、負圧源92、正圧源91及び大気のうちのいずれか一つに選択的に切り換える。吸着ノズル5が対応するバルブユニット6を介して負圧源92に通じたとき、吸着ノズル5の内圧(内部の圧力)は負圧になり、吸着ノズル5は空気を吸い込む空気吸込状態となる。この空気により、吸着ノズル5に部品が吸着されて捕捉される。
【0025】
吸着ノズル5が対応するバルブユニット6を介して正圧源91に通じたとき、吸着ノズル5の内圧は正圧になり、吸着ノズル5は空気を吹き出す空気吹出状態となる。この空気により、吸着ノズル5に吸着された部品は、吸着ノズル5から離れて基板90(
図2参照)上に実装される。
【0026】
吸着ノズル5が対応するバルブユニット6を介して大気に通じたとき、吸着ノズル5の内圧が大気圧になる。これにより、吸着ノズル5は、空気の吸込みと吹出しとの両方を行わない待機状態となる。
【0027】
本実施形態のベース10は、
図1に示すように、複数の吸着ノズル5と同数のアクチュエータ14を有している。複数のアクチュエータ14は、複数の吸着ノズル5にそれぞれ一対一で対応する。
【0028】
各アクチュエータ14は、例えば、駆動源として、リニア型モータを有する。各アクチュエータ14は、対応する吸着ノズル5を、上下方向に移動させる。各吸着ノズル5は、
図3に示すように、対応するバルブユニット6に後述する管95を介して接続される。各吸着ノズル5は、負圧源92から対応するバルブユニット6を介して負圧が供給されることにより、部品を吸着する。
【0029】
図1に示す各アクチュエータ14は、制御部81(
図3参照)に電気的に接続される。作業ヘッド1が第1位置に配されて部品をピックアップするとき、この吸着ノズル5に対応するアクチュエータ14は、制御部81によって例えば以下のように制御される。
【0030】
作業ヘッド1が第1位置に配置された後、アクチュエータ14は、吸着ノズル5を下方に動かして、吸着ノズル5を基板90に実装される部品の近傍に位置させる。この後、吸着ノズル5の状態が、前述した空気吸込状態に切り換えられて、吸着ノズル5に部品が吸着される。
【0031】
続いてアクチュエータ14は、吸着ノズル5を上方に動かす。この後、作業ヘッド1は、駆動機構80(
図2参照)により、部品を実装する第2位置まで動かされる。作業ヘッド1が第2位置に配されて吸着ノズル5により部品を基板90に実装するとき、この吸着ノズル5に対応するアクチュエータ14は、制御部81によって例えば以下のように制御される。
【0032】
作業ヘッド1が第2位置に配された後、アクチュエータ14は、吸着ノズル5を下方に動かして、吸着ノズル5に吸着された部品を基板90の上面近傍に位置させる。この後、吸着ノズル5の状態が、空気吸込状態から前述した空気吹出状態に切り換えられ、部品が基板90に実装される。
【0033】
部品が基板90に実装された後、アクチュエータ14は、吸着ノズル5を上方に動かす。これにより、基板90に実装された部品から吸着ノズル5が外れる。この後、作業ヘッド1は、駆動機構80(
図2参照)により、次の部品をピックアップする第1位置まで動かされる。
【0034】
吸着ノズル5の状態は、部品が基板90に実装された後に、空気吹出状態から上述した待機状態に切り換えられる。この待機状態は、吸着ノズル5が次の部品を吸着するときまで維持される。すなわち、吸着ノズル5の状態は、待機状態、空気吸込状態及び空気吹出状態の順に切り換えられた後、再び待機状態に切り換えられ、以後、このサイクルが繰り返される。
【0035】
図3、
図5A及び
図5B示すように、各バルブユニット6は、第1バルブ11、第2バルブ12及び構造体2を備えている。第1バルブ11及び第2バルブ12は、構造体2に取り付けられる。以下、特に区別しない場合には、第1バルブ11及び第2バルブ12の各々を、バルブ11,12という。各バルブ11,12は、電気的駆動弁であり、詳しくは電磁弁である。なお、各バルブ11,12は、電動弁等の他の電気的駆動弁であってもよい。
【0036】
図3に示すように、第1バルブ11は、第1インレット15及び第1アウトレット112を有する。第2バルブ12は、第2インレット16及び第2アウトレット122を有する。
【0037】
本実施形態の第1バルブ11は、第2バルブ12と比較して、応答性の優れたバルブであり、第2バルブ12よりも大きい。本開示でいう「応答性」とは、入力に対して出力が対応する速さの性能である。
【0038】
第1バルブ11は、3ポートバルブであり、第1インレット15は、2つの第1切換インレットを有する。本実施形態の2つの第1切換インレットは、正圧インレット110及び大気圧インレット111である。正圧インレット110は、正圧源91に通じる。大気圧インレット111は大気に通じる。第1アウトレット112は、正圧インレット110及び大気圧インレット111のうちのいずれか1つに選択的に通じる。
【0039】
本実施形態の第2バルブ12は、3ポートバルブであり、第2インレット16は、2つの第2切換インレットを有する。本実施形態の2つの第2切換インレットは、負圧インレット120及び中継インレット121である。負圧インレット120は、負圧源92に通じる。中継インレット121は、第1アウトレット112に通じる。第2アウトレット122は、負圧インレット120及び中継インレット121のうちのいずれか1つに選択的に通じる。
【0040】
本実施形態の各バルブユニット6は、流量センサ13を更に備える。流量センサ13は、センサインレット130と、センサアウトレット131とを有している。センサインレット130は、第2アウトレット122に通じる。センサアウトレット131は、吸着ノズル5に通じる。
【0041】
流量センサ13は、第2アウトレット122と吸着ノズル5とを接続する流路(後述する第4内部流路34及び第5内部流路35)を通過する空気の流量を計測する。
【0042】
流量センサ13は、制御部81に電気的に接続される。流量センサ13を用いて計測された流量のデータは、例えば、対応する吸着ノズル5が、部品を正常に吸着しているか否かを検知するため等に用いられる。例えば、負圧源92から吸着ノズル5に負圧が供給されている状態で、流量センサ13により測定される流量が所定値を超えた場合、吸着ノズル5によって部品が正常に吸着されていない状態であることがわかる。
【0043】
構造体2は、単一の材料で形成されることで、全体が一体に形成された部材である。本開示において、「一体」とは、一つになって分けられない状態にあることを意味する。
【0044】
構造体2は、剛体である。本実施形態の構造体2は、金属製であり、詳しくは、アルミニウム合金で形成されている。構造体2が金属製であると、バルブ11,12等から構造体2に伝わった熱が、放散されやすい。このため、作業ヘッド1の放熱性が高まる。なお、構造体2は、例えば、鉄、真鍮、銅、銅合金等、アルミニウム合金以外の金属で形成されてもよい。また、構造体2は、例えば、アクリル樹脂等の合成樹脂で形成されてもよい。構造体2が合成樹脂製であると、構造体2を比較的容易に製造することができる。
【0045】
構造体2は、第1保持部21、第2保持部22及び第3保持部23を有する。第1保持部21、第2保持部22及び第3保持部23は、一体に形成されている。
【0046】
第1保持部21は、第1バルブ11を保持する。第2保持部22は、第2バルブ12を保持する。これにより、第2バルブ12は、第1保持部21で保持された第1バルブ11に対する位置が固定される。第3保持部23は、流量センサ13を保持する。これにより、流量センサ13は、第1保持部21で保持された第1バルブ11に対する位置と、第2保持部22で保持された第2バルブ12に対する位置が固定される。以下、特に区別しない場合には、第1保持部21、第2保持部22及び第3保持部23の各々を、保持部21~23という。
【0047】
本実施形態では、構造体2が縦長に形成されており、第1保持部21、第2保持部22及び第3保持部23は、この順序で、下方に向かって順に並んでいる。
【0048】
複数のバルブ11,12及び流量センサ13は、構造体2の一面に沿って配置される。複数のバルブ11,12及び流量センサ13は、対応する保持部21~23に、ねじ等の固着具を用いて取り付けられる。これにより、複数のバルブ11,12及び流量センサ13の各々は、対応する保持部21~23によって保持される。
【0049】
各バルブユニット6は、第1接続口41、第2接続口42及び第3接続口43を更に備える。以下、特に区別しない場合には、第1接続口41、第2接続口42、及び第3接続口43の各々を、接続口41~43という。
【0050】
各接続口41~43は、構造体2に設けられる。各接続口41~43は、例えば、継手である。各接続口41~43は、構造体2に取り付けられる。本実施形態の第1接続口41及び第2接続口42は、構造体2の上面に取り付けられる。また、第3接続口43は、構造体2の下面に取り付けられる。
【0051】
第1接続口41は、ホース等の可撓性を有する管93を介して正圧源91に接続される。第2接続口42は、ホース等の可撓性を有する管94を介して負圧源92に接続される。第3接続口43は、ホース等の可撓性を有する管95を介して吸着ノズル5に接続される。
【0052】
構造体2は、流体としての空気が流れる複数の内部流路を有している。本実施形態の構造体2は、複数の内部流路として、第1内部流路31、第2内部流路32、第3内部流路33、第4内部流路34及び第5内部流路35を有している。以下、特に区別しない場合には、第1内部流路31、第2内部流路32、第3内部流路33、第4内部流路34及び第5内部流路35の各々を、内部流路31~35という。
【0053】
各内部流路31~35は、構造体2の内部に形成されている。すなわち、本実施形態の構造体2は、第1保持部21、第2保持部22、第3保持部23及び複数の内部流路31~35を一体に有している。
【0054】
第1内部流路31は、第1接続口41と正圧インレット110とを接続する。第2内部流路32は、第1アウトレット112と中継インレット121とを接続する。すなわち、本実施形態において、第1アウトレット112と第2インレット16とを接続する流路は、第2内部流路32である。
【0055】
第3内部流路33は、第2接続口42と負圧インレット120とを接続する。第4内部流路34は、第2アウトレット122とセンサインレット130とを接続する。第5内部流路35は、センサアウトレット131と第3接続口43とを接続する。
【0056】
本実施形態の各バルブユニット6は、フィルタ60を更に有している。フィルタ60は、第5内部流路35に配置される。フィルタ60は、第3接続口43から第5内部流路35に吸い込まれる空気に含まれる塵及び埃等を捕集する。
【0057】
本実施形態では、構造体2に、大気圧インレット111に通じる切欠36が形成されている。大気圧インレット111は、この切欠36を通じて大気に開放される。なお、上記の「切欠」は、構造体2の一部を実際に切り欠いて形成された構成はもちろん、構造体2の形成と同時に形成される構成も含む。
【0058】
本実施形態の第2内部流路32は、チャンバ320を一部に有する。以下、このチャンバ320を第1チャンバ320という。
【0059】
第1チャンバ320の流路径は、第2内部流路32における第1チャンバ320以外の部分の流路径よりも大きい。つまり、第1チャンバ320は、第2内部流路32における他の部分よりも、流路断面積が大きい。本開示において、「流路断面積」とは、流路中を流体が流れる方向と直交する断面における流路の面積である。
【0060】
第2内部流路32は、第1チャンバ320を有することで、その容積が大きくなる。このため、第2アウトレット122が負圧インレット120に通じ、かつ、第1アウトレット112が正圧インレット110に通じた状態において、第2内部流路32に充填される正圧の空気の量が増す。
【0061】
第2内部流路32は、2つの接続流路321,322を有している。以下、接続流路321を第1接続流路321といい、接続流路322を第2接続流路322という。
【0062】
第1接続流路321は、第1アウトレット112と、第1チャンバ320の入口とを接続する。第2接続流路322は、第1チャンバ320の出口と、中継インレット121とを接続する。
【0063】
第2接続流路322は、第1接続流路321よりも短い。すなわち、第1チャンバ320は、第2内部流路32において、第1アウトレット112よりも第2インレット16に近い位置に配される。
【0064】
本実施形態の第3内部流路33は、チャンバ330を一部に有する。すなわち、構造体2は、第2内部流路32である第1流路とは別の第2流路として、第3内部流路33を有し、第3内部流路33は、第1チャンバ320とは別のチャンバ330を有する。以下、このチャンバ330を第2チャンバ330という。
【0065】
第2チャンバ330の流路径は、第3内部流路33における第2チャンバ330以外の部分の流路径よりも大きい。つまり、第2チャンバ330は、第3内部流路33における他の部分よりも、流路断面積が大きい。
【0066】
第3内部流路33は、第2チャンバ330を有することで、その容積が大きくなる。この第3内部流路33内の圧力は、第2アウトレット122が中継インレット121に通じて負圧インレット120と遮断された状態において、負圧になる。
【0067】
第3内部流路33は、2つの接続流路331,332を有している。以下、接続流路331を第1接続流路331といい、接続流路332を第2接続流路332という。第1接続流路331は、第2接続口42と、第2チャンバ330の入口とを接続する。第2接続流路332は、第2チャンバ330の出口と、負圧インレット120とを接続する。
【0068】
第2接続流路332は、第1接続流路331よりも短い。すなわち、第2チャンバ330は、第3内部流路33において、第2接続口42よりも第2バルブ12に近い位置に配される。
【0069】
各バルブユニット6の第1バルブ11及び第2バルブ12は、制御部81に電気的に接続される。各吸着ノズル5は、制御部81によって対応するバルブユニット6の第1バルブ11及び第2バルブ12が切り換えられることにより、上述した待機状態、空気吸込状態及び空気吹出状態のいずれかに切り換えられる。
【0070】
吸着ノズル5が待機状態にあるとき、第1アウトレット112は大気圧インレット111に通じ、かつ、第2アウトレット122は中継インレット121に通じる。このため、吸着ノズル5は、管95、第3接続口43、第5内部流路35、流量センサ13、第4内部流路34、第2バルブ12、第2内部流路32及び第1バルブ11を順に介して大気に通じる。したがって、吸着ノズル5は、空気の吸込みと吹出しとの両方を行わない状態となる。
【0071】
この待機状態では、第2アウトレット122が負圧インレット120と遮断される。このため、第3内部流路33内の空気は、第2接続口42、管94及び負圧源92を順に介して排出される。したがって、第2チャンバ330を有する第3内部流路33の全体は、負圧になる。
【0072】
待機状態から空気吸込状態への切換えは、第2アウトレット122が負圧インレット120に通じるように、第2バルブ12が制御部81によって切り換えられることにより行われる。また、このとき、第1バルブ11は、第1アウトレット112が正圧インレット110に通じるように、制御部81によって切り換えられる。
【0073】
これにより、吸着ノズル5は、管95、第3接続口43、第5内部流路35、流量センサ13、第4内部流路34、第2バルブ12、第3内部流路33、第2接続口42及び管94を順に介して負圧源92に通じる。このようにして、吸着ノズル5は、空気を吸い込む空気吸込状態となる。
【0074】
上記のように吸着ノズル5が空気吸込状態に切り換えられたとき、第4内部流路34の空気は、第3内部流路33における負圧により、第2バルブ12を介して第3内部流路33に引き込まれる。すなわち、第2バルブ12には、負圧源92で発生する負圧よりも先に、第3内部流路33における負圧が供給される。
【0075】
ここで、本実施形態の第3内部流路33は、一部に第2チャンバ330を有することで、容量が大きくなっている。このため、第2バルブ12には、負圧が速やかに供給されやすく、応答性が高い。
【0076】
また、上記の空気吸込状態では、第2アウトレット122が中継インレット121と遮断される。このため、第2内部流路32には、正圧源91から、管93、第1接続口41、第1内部流路31及び第1バルブ11を順に介して、正圧の空気が供給される。これにより、第1チャンバ320を有する第2内部流路32の全体に亘って、正圧の空気が充填される。
【0077】
吸着ノズル5の空気吸込状態から空気吹出状態への切換えは、第2アウトレット122が中継インレット121に通じるように、第2バルブ12が制御部81によって制御されることで行われる。このとき、第1バルブ11は切り換えられず、第1アウトレット112が正圧インレット110に通じた状態が維持される。
【0078】
これにより、吸着ノズル5は、管95、第3接続口43、第5内部流路35、流量センサ13、第4内部流路34、第2バルブ12、第2内部流路32、第1バルブ11、第1内部流路31、第1接続口41及び管93を順に介して正圧源91に通じる。このようにして、吸着ノズル5は、空気を吹き出す空気吹出状態となる。
【0079】
上記のように吸着ノズル5が空気吹出状態に切り換えられたとき、第2バルブ12には、正圧源91で発生する正圧の空気よりも先に、第2内部流路32に充填された正圧の空気が、供給される。
【0080】
また、上記の空気吹出状態では、第2アウトレット122が負圧インレット120と遮断される。このため、第3内部流路33の内部の圧力は、待機状態と同様、負圧になる。
【0081】
ここで、本実施形態の第2内部流路32は、一部に第1チャンバ320を有することで、容量が大きくなっている。このため、第2バルブ12には、正圧の空気が速やかに供給されやすく、応答性が高い。また、これにより、第1バルブ11として、比較的応答性の低い小型のバルブを用いることができる。更に、従来の作業ヘッドに比べて第1バルブ11と第2バルブ12を接続する流路の長さを短くした本開示の作業ヘッド1においても、空気吸込状態から空気吹出状態への切換時に、十分な量の正圧の空気を供給することができる。
【0082】
特に、本実施形態では、第2バルブ12に正圧を供給する第2内部流路32と、第2バルブ12に負圧を供給する第3内部流路33との各々が、チャンバ320,330を有している。このため、待機状態から空気吸込状態への切換時の応答性及び空気吸込状態から空気吹出状態への切換時の応答性を向上することができる。したがって、本実施形態のように、吸着ノズル5の状態を、待機状態、空気吸込状態及び空気吹出状態の順に切り換えることで、部品の実装を行う吸着ノズル5においては特に有用である。
【0083】
吸着ノズル5の空気吹出状態から待機状態への切換えは、第1アウトレット112が大気圧インレット111に通じるように、第1バルブ11が制御部81によって制御されることで行われる。このとき、第2バルブ12は切り換えられず、第2アウトレット122が中継インレット121に通じた状態が維持される。すなわち、第2アウトレット122と負圧インレット120とが遮断された状態が維持される。このため、第3内部流路33の内部の圧力は、負圧の状態で維持される。
【0084】
(4)補足
上記実施形態の作業ヘッド1及び製造装置は、適宜設計変更可能である。例えば、作業ヘッド1が備える、吸着ノズル5の数及びバルブユニット6の数は、限定されない。例えば、作業ヘッド1は、吸着ノズル5及びバルブユニット6を一つずつ備えてもよい。また、作業ヘッド1は、3以上の吸着ノズル5と、吸着ノズル5と同数のバルブユニット6を備えてもよい。
【0085】
また、作業ヘッド1は、アクチュエータ14を備えなくてもよい。この場合、作業ヘッド1は、例えば、駆動機構80によって、水平方向及び上下方向に動かされる。
【0086】
また、第1バルブ11の正圧インレット110に代えて、負圧源92につながる負圧インレットを設け、かつ、第2バルブ12の負圧インレット120に代えて、正圧源91につながる正圧インレットを設けてもよい。この場合も、第1バルブ11と第2バルブ12とを適宜切り換えることで、吸着ノズル5の内圧を、負圧、正圧又は大気圧のいずれかに選択的に切り換えることができる。また、バルブユニット6が備える各接続口41~43は、構造体2と一体に形成されてもよい。
【0087】
また、第2内部流路32は、第2接続流路322を有さなくてもよい。この場合、第1チャンバ320は、第2バルブ12の中継インレット121に直接接続される。また、第1チャンバ320は、第2内部流路32において、第2バルブ12よりも第1バルブ11に近い位置に配されてもよい。
【0088】
また、第1チャンバ320は、第2内部流路32の他の部分よりも、流路断面積が大きければよく、例えば、上記他の部分から分岐した、並列する複数の流路で構成されてもよい。また、第1チャンバ320は、蛇行した流路であってもよい。また、第2内部流路32は、第1チャンバ320を有さなくてもよい。
【0089】
また、第3内部流路33は、第2接続流路332を有さなくてもよい。この場合、第2チャンバ330は、第2バルブ12の負圧インレット120に直接接続される。また、第2チャンバ330は、第3内部流路33において、第2バルブ12よりも第2接続口42に近い位置に配されてもよい。
【0090】
また、第2チャンバ330は、第3内部流路33の他の部分よりも、流路断面積が大きければよく、例えば、上記他の部分から分岐した、並列する複数の流路で構成されてもよい。また、第2チャンバ330は、蛇行した流路であってもよい。また、第3内部流路33には、第2チャンバ330を有さなくてもよい。
【0091】
また、第2内部流路32は、第1バルブ11と第2バルブ12とを接続する流路の一部のみを構成してもよい。この場合、第1バルブ11と第2バルブ12とを接続する流路において、第2内部流路32以外の部分は、構造体2とは別の部材で構成される。
【0092】
また、構造体2の切欠36は、省略可能である。この場合、例えば、大気圧インレット111は、第1バルブ11において構造体2に対向しない面に形成されることで、大気に開放される。
【0093】
また、構造体2の第2内部流路32以外の内部流路31,33,34,35は、構造体2とは別の部材で構成されてもよい。また、バルブユニット6の流量センサ13及びフィルタ60は、省略可能である。
【0094】
(5)まとめ
以上説明したように、第1の態様に係る作業ヘッド(1)は、以下に示す構成を有する。作業ヘッド(1)は、第1バルブ(11)と、第2バルブ(12)と、構造体(2)とを備える。第1バルブ(11)は、第1インレット(15)及び第1アウトレット(112)を有する。第2バルブ(12)は、第2インレット(16)及び第2アウトレット(122)を有する。構造体(2)は、第1保持部(21)と、第2保持部(22)と、内部流路(32)とを有する。第1保持部(21)は、第1バルブ(11)を保持する。第2保持部(22)は、第2バルブ(12)を保持する。内部流路(32)は、第1アウトレット(112)と第2インレット(16)とを接続する流路の少なくとも一部を構成する。
【0095】
この態様によれば、構造体(2)が、第1保持部(21)と第2保持部(22)とを有する。このため、第1バルブ(11)と第2バルブ(12)とを近づけて、第1アウトレット(112)と第2インレット(16)とを接続する流路の長さを短くすることができる。したがって、作業ヘッド(1)の大型化が抑制され、かつ、作業ヘッド(1)が重くなることが抑制される。また、一つの構造体(2)によって、第1バルブ(11)及び第2バルブ(12)を保持し、かつ第1バルブ(11)と第2バルブ(12)とを接続する流路の少なくとも一部を構成することができる。このため、作業ヘッド(1)の部品点数を少なくすることができる。
【0096】
第2の態様に係る作業ヘッド(1)は、第1の態様において、以下に示す構成を有する。第1インレット(15)は、2つの第1切換インレットを有する。第2インレット(16)は、2つの第2切換インレットを有する。上記流路は、上記2つの第1切換インレットの一方と、上記第1アウトレット(112)とを接続する。
【0097】
この態様によれば、第1バルブ(11)及び第2バルブ(12)を切り換えることで、3種類の圧力を切り換えて出力することができる。
【0098】
また、第3の態様に係る作業ヘッド(1)は、第2の態様において、以下に示す構成を有する。上記2つの第1切換インレットは、正圧インレット(110)及び大気圧インレット(111)である。正圧インレット(110)は、正圧源(91)に通じる。大気圧インレット(111)は、大気に通じる。上記2つの第2切換インレットは、負圧インレット(120)及び中継インレット(121)である。負圧インレット(120)は、負圧源(92)に通じる。中継インレット(121)は、上記流路を介して第1アウトレット(112)に通じる。
【0099】
この態様によれば、第1バルブ(11)及び第2バルブ(12)を切り換えることで、負圧、正圧及び大気圧の3種類の圧力を切り換えて出力することができる。
【0100】
また、第4の態様に係る作業ヘッド(1)は、第1~第3のいずれかの態様において、以下に示す構成を有する。内部流路(32)は、チャンバ(320)を有する。
【0101】
この態様によれば、チャンバ(320)により、内部流路(32)の容積を大きくすることができる。このため、第2バルブ(12)から圧力を速やかに出力することができ、作業ヘッド(1)の応答性が良くなる。
【0102】
また、第5の態様に係る作業ヘッド(1)は、第4の態様において、以下に示す構成を有する。チャンバ(320)は、上記流路(32)において、第1アウトレット(112)よりも第2インレット(16)に近い位置に配される。
【0103】
この態様によれば、チャンバ(320)に供給された圧力を、第2バルブ(12)から速やかに出力することができる。このため、作業ヘッド(1)の応答性が一層良くなる。
【0104】
また、第6の態様に係る作業ヘッド(1)は、第4又は第5のいずれかの態様において、以下に示す構成を有する。構造体(2)は、内部流路(32)である第1流路とは別の第2流路(33)を更に有する。第2流路(33)は、チャンバ(320)である第1チャンバ(320)とは別の第2チャンバ(330)を有する。
【0105】
この態様によれば、第2チャンバ(330)により、第2流路(33)の容積を大きくすることができる。このため、第2流路(33)から圧力を速やかに出力することができ、応答性が良くなる。
【0106】
また、第7の態様に係る作業ヘッド(1)は、第6の態様において、以下に示す構成を有する。構造体(2)は、接続口(42)を有する。接続口(42)は、負圧源(92)に通じる。第2流路(33)は、接続口(42)と第2インレット(16)とを接続する。第2チャンバ(330)は、第2流路(33)において、接続口(42)よりも第2インレット(16)に近い位置に配される。
【0107】
また、第8の態様に係る作業ヘッド(1)は、第4~第7のいずれかの態様において、以下に示す構成を有する。作業ヘッド(1)は、複数のバルブユニット(6)を備える。複数のバルブユニット(6)の各々が、第1バルブ(11)と、第2バルブ(12)と、構造体(2)とを有する。複数のバルブユニット(6)の各々が有する構造体(2)が、チャンバ(320)を有する。
【0108】
この態様によれば、各バルブユニット(6)から、圧力を速やかに出力することができる。
【0109】
また、第9の態様に係る作業ヘッド(1)は、第4~第8のいずれかの態様において、以下に示す構成を有する。チャンバ(320)は、内部流路(32)における他の部分よりも流路断面積が大きい。
【0110】
この態様によれば、チャンバ(320)の構造を単純化できる。
【0111】
また、第10の態様に係る作業ヘッド(1)は、第1~第9のいずれかの態様において、以下に示す構成を有する。構造体(2)が金属製である。
【0112】
この態様によれば、第1バルブ(11)及び第2バルブ(12)等から、構造体(2)に伝わった熱が放散されやすくなり、作業ヘッド(1)の放熱性が高まる。
【0113】
また、第11の態様に係る作業ヘッド(1)は、第1~第9のいずれかの態様において、以下に示す構成を有する。構造体(2)が樹脂製である。
【0114】
この態様によれば、第1保持部(21)、第2保持部(22)及び内部流路(32)を構造体(2)を容易に製造できる。
【0115】
また、第12の態様に係る製造装置(8)は、第1~第11のいずれかの態様の作業ヘッド(1)と、駆動機構(80)とを備える。駆動機構(80)は、作業ヘッド(1)を移動させる。
【0116】
この態様によれば、作業ヘッド(1)が重くなることが抑制されことに伴い、駆動機構(80)による作業ヘッド(1)の移動性を高めたり、駆動機構(80)の構造を単純化したりすることができる。
【符号の説明】
【0117】
1 作業ヘッド
11 第1バルブ
110 正圧インレット
111 大気圧インレット
112 第1アウトレット
12 第2バルブ
120 負圧インレット
121 中継インレット
122 第2アウトレット
15 第1インレット
16 第2インレット
2 構造体
21 第1保持部
22 第2保持部
32 内部流路(第2内部流路)
320 第1チャンバ
33 第2流路(第3内部流路)
330 第2チャンバ
6 バルブユニット
8 製造装置
80 駆動機構
91 正圧源
92 負圧源