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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】車輪取付補助装置
(51)【国際特許分類】
   B62K 25/02 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
B62K25/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018206188
(22)【出願日】2018-10-31
(65)【公開番号】P2020069942
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】518149486
【氏名又は名称】株式会社オーシャンプロダクツ
(74)【代理人】
【識別番号】100136205
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 康
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼尾 洋
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-008536(JP,A)
【文献】特開2004-075004(JP,A)
【文献】特開2017-030669(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0054254(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クイックリリース方式のハブを有する車輪を、スルーアクスル方式の車体に取り付ける車輪取付補助装置であって、
前記車体に形成され、ネジ切り部を有するスルーアクスル固定円孔に挿入される外ネジ側調整部であって、前記スルーアクスル固定円孔の前記ネジ切り部に螺合するネジ切り部を表面に有し、一端面が前記クイックリリース方式のハブの第1のハブ端面に当接し、前記クイックリリース方式のハブの前記第1のハブ端面から突出する第1のハブ軸を配置するハブ軸配置空間を有する外ネジ側調整部、
前記車体に形成され、ネジ切り部を有さないスルーアクスル貫通円孔に挿入される内ネジ側調整部であって、ネジ切り部を有する軸シャフト配置円孔を内部に有し、一端面が前記第1のハブ端面とは異なる第2のハブ端面に当接し、さらに、前記車体に当接するフランジ部、及び、前記クイックリリース方式のハブの他の一のハブ軸であって、前記第2のハブ端面から突出する第2のハブ軸を配置するハブ軸配置空間を有する内ネジ側調整部、
前記外ネジ側調整部の前記軸シャフト配置円孔、及び、前記第1のハブ軸、及び、前記第2のハブ軸の内部を貫通する軸シャフト部であって、前記内ネジ側調整部の内部に形成される前記ネジ切り部に螺合するネジ切り部を一端部に有する軸シャフト部を有する軸部 、
を有する車輪取付補助装置。
【請求項2】
請求項1に係る車輪取付補助装置において、
前記外ネジ側調整部は、
ハブ側の端面が前記第1のハブ端面に当接し、車体側の端面が前記車体に当接するハブ-車体間調整部を有すること、
を特徴とする車輪取付補助装置。
【請求項3】
請求項1、又は、請求項2に係る車輪取付補助装置において、
前記内ネジ側調整部は、
ハブ側の端面が前記第2のハブ端面に当接し、車体側の端面が前記車体に当接するハブ-車体間調整部を有すること、
を特徴とする車輪取付補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車等の車輪を車体に取り付ける車輪取付補助装置に関し、特に、取付方法の異なる車輪を車体に取り付けるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自転車の車輪の取付方法としては、ボルト・ナット方式、クイックリリース方式、スルーアクスル方式等が存在する。このような、車輪の取り付け方法は、ランニングバイクにおいても同様である。
【0003】
ここで、ランニングバイクRBについて図15を用いて説明する。ランニングバイクRBとは、子供用の自転車の一種であり、足により地面を蹴ることによって推進力を得る乗り物ものである。一般的な自転車の構造から、ペダル、チェーン、ギアといった駆動機構、及び、ブレーキパッド、ブレーキレバー等の制動機構を取り除いた構造を有している(以上、非特許文献1参照)。
【0004】
クイックリリース方式について、図16を用いて説明する。図16Aに示すように、クイックリリース方式とは、クイックリリースQRと呼ばれる取付装置と、クイックリリース方式対応のハブQH(以下、クイックリリース対応ハブQHとする)とを用いて、一端が開放された取付溝QSを端部に有するフロントフォークQFFを有する車体に、車輪を取り付ける方式である。
【0005】
図16Bに示すように、クイックリリースQRは、クイックリリースレバーQRL、クイックリリースシャフトQRS、調整ナットQRN、及び、タケノコバネ(図示せず)を有している。クイックリリースシャフトQRSの調整ナットQRN側に位置する端部領域はネジ切りされており、調整ナットQRNの内部に形成されているネジ部に螺合する。クイックリリースシャフトQRSを調整ナットQRNに螺合させ、さらに、クイックリリースレバーQRLを所定方向に回転させることによって、クイックリリースレバーQRLと調整ナットQRNとを用いて、ハブQHを挟持し、フロントフォークQFF間に固定する。
【0006】
なお、図17に示すように、クイックリリース対応ハブQHは、フロントフォークQFFに形成されている取付溝QSに挿入される円筒形状の第1のハブ軸QH1、第2のハブ軸QH3(図示せず)を、左右両端に有している。第1のハブ軸QH1、第2のハブ軸QH3は、クイックリリースシャフトQRSが貫通する貫通孔を有している。なお、貫通孔は、クイックリリース対応ハブQH全体を貫通するように形成されている。
【0007】
前述のクイックリリース方式を用いた車輪の取り付け方法に対して、近年、より安全性、安定性が考慮されたスルーアクスル方式を用いた車輪の取り付け方法が登場している。図18Aに示すように、スルーアクスル方式とは、スルーアクスルTAと呼ばれる取付装置と、スルーアクスル方式対応のハブTH(以下、スルーアクスル対応ハブTHとする)を用いて、開放されていない円孔TCを端部に有するフロントフォークTFFを有する車体に車輪を取り付ける方式である。
【0008】
図18Bに示すように、スルーアクスルTAは、スルーアクスルレバーTAL、及び、スルーアクスルシャフトTASを有している。スルーアクスルシャフトTASは、スルーアクスルレバーTALとは異なる側の端部に位置するネジ切り部RTASを有し、フロントフォークTFFの円孔に形成されているネジ部に螺合する。なお、スルーアクスルシャフトTASは、クイックリリースシャフトQRSに比して、大きい径を有している。
【0009】
スルーアクスル対応ハブTHは、フロントフォークTFFの内側面に当接する円筒形状のハブ軸を、左右両端に有している。ハブ軸は、スルーアクスルシャフトTASが貫通する貫通孔を有している。なお、貫通孔は、スルーアクスル対応ハブTH全体を貫通するように形成されている。
【0010】
図19に示すように、スルーアクスル対応ハブTHをフロントフォークTFFの内側に配置し、スルーアクスルシャフトTASを、フロントフォークTFFに形成され、内側にネジ切りされていないスルーアクスル貫通円孔TC3、スルーアクスル対応ハブTHの貫通孔、及び、フロントフォークTFFに経営され、内側にネジ切りされているスルーアクスル固定円孔TC1(図示せず)に挿入し、スルーアクスルシャフトTASをフロントフォークTFFのネジ切りされたスルーアクスル固定円孔TC1に螺合させた後、スルーアクスルレバーTALを所定方向に回転させることによって、図18Aに示すように、スルーアクスルTAを用いて、スルーアクスル対応ハブTHをフロントフォークTFF間に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】株式会社豆魚雷、“STRIDER”[online]、2018年6月10日検索、インターネット<URL:http://www.strider.jp/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述のように、クイックリリース方式とスルーアクスル方式とでは、車輪の取り付け方法が異なり、取り付けに使用するものも異なる。このため、クイックリリース対応ハブQHを用いた車輪を、スルーアクスル方式の車体には取り付けることができない、という改善すべき点がある。
【0013】
そこで、本発明は、取付方法の異なる車輪を車体に取り付ける車輪取付補助装置を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明における課題を解決するための手段及び発明の効果を以下に示す。
【0015】
本発明に係る車輪取付補助装置は、クイックリリース方式のハブを有する車輪を、スルーアクスル方式の車体に取り付ける車輪取付補助装置であって、前記車体に形成され、ネジ切り部を有するスルーアクスル固定円孔に挿入される外ネジ側調整部であって、前記スルーアクスル固定円孔の前記ネジ切り部に螺合するネジ切り部を表面に有し、一端面が前記クイックリリース方式のハブの第1のハブ端面に当接し、前記クイックリリース方式のハブの前記第1のハブ端面から突出する第1のハブ軸を配置するハブ軸配置空間を有する外ネジ側調整部、前記車体に形成され、ネジ切り部を有さないスルーアクスル貫通円孔に挿入される内ネジ側調整部であって、ネジ切り部を有する軸シャフト配置円孔を内部に有し、一端面が前記第1のハブ端面とは異なる第2のハブ端面に当接し、さらに、前記車体に当接するフランジ部、及び、前記クイックリリース方式のハブの他の一のハブ軸を配置するハブ軸配置空間を有する内ネジ側調整部、前記外ネジ側調整部の前記軸シャフト配置円孔、及び、前記第1のハブ軸、及び、前記第2のハブ軸の内部を貫通する軸シャフト部であって、前記内ネジ側調整部の内部に形成される前記ネジ切り部に螺合するネジ切り部を一端部に有する軸シャフト部を有する軸部、を有する。
【0016】
これによりクイックリリース方式に対応したハブを有する車輪を、スルーアクスル方式の車体に取り付けることができる。つまり、取付方法の異なる車輪を車体に取り付けることができる。
【0017】
本発明に係る車輪取付補助装置では、前記外ネジ側調整部は、ハブ側の端面が前記第1の端面に当接し、車体側の端面が前記車体に当接するハブ-車体間調整部を有すること、を特徴とする。
【0018】
これにより、ハブと車体との間の距離を容易に調整できるため、より容易に、かつ、確実に車輪取付補助装置を用いて、車輪を車体に取り付けることができる。
【0019】
本発明に係る車輪取付補助装置では、前記内ネジ側調整部は、ハブ側の端面が前記第2の端面に当接し、車体側の端面が前記車体に当接するハブ-車体間調整部を有すること、を特徴とする。
【0020】
これにより、ハブと車体との間の距離を容易に調整できるため、より容易に、かつ、確実に車輪取付補助装置を用いて、車輪を車体に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る車輪取付補助装置の一実施例である車輪取付補助装置100を取り付けたランニングバイクRBを示す斜視図である。
図2】車輪取付補助装置100の全体の斜視図である。
図3】外ネジ嵌合部101aを示す図である。
図4】内ネジ嵌合部103aを示す図である。
図5】軸部105を示す図である。
図6】車輪取付補助装置100の使用法を示す図である。
図7】車輪取付補助装置100の使用法を示す図である。
図8】車輪取付補助装置100の使用法を示す図である。
図9】車輪取付補助装置100の使用法を示す図である。
図10】車輪取付補助装置100の使用法を示す図である。
図11】車輪取付補助装置100の使用法を示す図である。
図12】車輪取付補助装置100の使用法を示す図である。
図13】車輪取付補助装置100の使用法を示す図である。
図14】その他の車輪取付補助装置を示す図である。
図15】従来の車輪の取り付け方法を示す図である。
図16】従来の車輪の取り付け方法を示す図である。
図17】従来の車輪の取り付け方法を示す図である。
図18】従来の車輪の取り付け方法を示す図である。
図19】従来の車輪の取り付け方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
【実施例1】
【0023】
本発明に係る自転車脱輪防止装置の一実施形態である車輪取付補助装置100について説明する。車輪取付補助装置100は、クイックリリース方式に対応したハブQH(以下、クイックリリース対応ハブQHとする)を有するホイールを、スルーアクスル方式に対応した車体に取り付ける補助装置である。
【0024】
第1 車輪取付補助装置100の構造
図2に示すように、車輪取付補助装置100は、外ネジ側調整部101、内ネジ側調整部103、及び、軸部105を有している。
【0025】
1.外ネジ側調整部101の構造
外ネジ側調整部101は、外ネジ嵌合部101a、及び、ハブ-フォーク間調整部101bを有している。外ネジ嵌合部101aは、スルーアクスル方式のフロントフォークTFFに形成されており、内側にネジ切りされたスルーアクスル固定円孔TC1(図9参照)に挿入される。
【0026】
外ネジ嵌合部101aを図3に示す。図3Aは、外ネジ嵌合部101aを、フロントフォークTFF(図1参照)に取り付けた際の外側から見た状態を示し、図3Bは、外ネジ嵌合部101aを、フロントフォークTFFに取り付けた際の内側から見た状態を、それぞれ示す。
【0027】
図3Aに示すように、外ネジ嵌合部101aは、ネジ部101a1、軸頭部配置空間101a3、軸シャフト配置円孔101a5、及び、ハブ軸配置空間101a7(図3B参照)を有している。ネジ部101a1は、中空円筒形状を有している。ネジ部101a1の外表面は、ネジ切りされている。ネジ部101a1は、スルーアクスル方式のフロントフォークTFFのスルーアクスル固定円孔TC1に螺合する。つまり、ネジ部101a1は、スルーアクスル固定円孔TC1と同じ径を有している。なお、図3A、Bにおいては、ネジ切りされた状態を省略して記載している。
【0028】
図3Aに示すように、ネジ部101a1の内部には、軸頭部配置空間101a3、及び、軸シャフト配置円孔101a5、及び、ハブ軸配置空間101a7(図3B参照)が形成されている。軸頭部配置空間101a3、軸シャフト配置円孔101a5、及び、ハブ軸配置空間101a7は、一体として、ネジ部101a1の内部に形成される貫通孔として形成されている。
【0029】
軸頭部配置空間101a3は、外側の端部に形成される。軸頭部配置空間101a3は、軸シャフト配置円孔101a5の径よりも大きい径を有している。軸頭部配置空間101a3には、軸部105の軸頭部105a(後述)が配置される。
【0030】
図3Bに示すように、軸シャフト配置円孔101a5は、軸頭部配置空間101a3から内側に向かって、他方の端部に形成されるハブ軸配置空間101a7まで形成される。軸シャフト配置円孔101a5には、軸部105の軸シャフト部105b(後述)が配置される。
【0031】
ハブ軸配置空間101a7は、ネジ部101a1の内側の端部に形成される。ハブ軸配置空間101a7には、クイックリリース対応ハブQHの第1のハブ軸QH1(図17等参照)が配置される。
【0032】
図2に示すように、ハブ-フォーク間調整部101bは、薄い円環形状を有している。ハブ-フォーク間調整部101bは、クイックリリース方式に対応した長さを有するハブQHを、クイックリリース方式とは異なるスルーアクスル方式のフロントフォーク間にすき間無く配置できるように、図8Bに示すように、ハブQHの第1のハブ軸QH1が突出している第1の端面PQH1とフロントフォークTFFの第1の内側面PTFF1との間に位置する。
【0033】
2.内ネジ側調整部103の構造
図2に示すように、内ネジ側調整部103は、内ネジ嵌合部103a、及び、ハブ-フォーク間調整部103bを有している。内ネジ嵌合部103aは、スルーアクスル方式のフロントフォークに形成されており、ネジ切りされていないスルーアクスル貫通円孔TC3(図10参照)に挿入される。
【0034】
内ネジ嵌合部103aを図4に示す。図4Aは、内ネジ嵌合部103aを、フロントフォークTFFに取り付けた際の外側から見た状態を示し、図4Bは、内ネジ嵌合部103aを、フロントフォークTFFに取り付けた際の内側から見た状態を、それぞれ示す。
【0035】
図4Aに示すように、内ネジ嵌合部103aは、フランジ部103a1、軸部103a3、軸シャフト配置円孔103a5、及び、ハブ軸配置空間103a7を有している。フランジ部103a1は、薄い円盤形状を有している。フランジ部103a1は、スルーアクスル方式のフロントフォークTFFのスルーアクスル貫通円孔TC3の径よりも大きい外径を有している。つまり、フランジ部103a1は、軸部103a3をフロントフォークTFFのスルーアクスル貫通円孔TC3に挿入した際に、フロントフォークTFFに当接する。
【0036】
軸部103a3は、中空円筒形状を有している。軸部103a3は、スルーアクスル方式のフロントフォークTFFのスルーアクスル貫通円孔TC3の径と同じ外径を有している。
【0037】
フランジ部103a1、及び、軸部103a3の内部には、軸シャフト配置円孔103a5、及び、ハブ軸配置空間103a7が形成されている。軸頭部配置空間103a3、軸シャフト配置円孔103a5、及び、ハブ軸配置空間103a7は、一体として、フランジ部103a1、及び、軸部103a3の内部に形成される貫通孔として形成されている。
【0038】
軸シャフト配置円孔103a5は、軸部103a3の端部に形成されるハブ軸配置空間103a7から外側に向かって、他方の端部に位置するフランジ部103a1まで形成される。軸シャフト配置円孔103a5には、軸部105の軸シャフト部105b(後述)が配置される。また、軸シャフト配置円孔103a5のフランジ部103a1側の端部の所定の領域は、ネジ切りされている。なお、図4A、Bにおいては、ネジ切りされた状態を省略して記載している。
【0039】
図4Bに示すように、ハブ軸配置空間103a7は、軸部103a3の内側の端部に形成される。ハブ軸配置空間103a7は、外ネジ嵌合部101aのハブ軸配置空間101a7と同様であるため、詳細な記述を省略する。
【0040】
図2に示すハブ-フォーク間調整部103bは、外ネジ嵌合部101aのハブ-フォーク間調整部101bと同様であるため、詳細な記述を省略する。
3.軸部105の構造
軸部105は、外ネジ嵌合部101aの軸シャフト配置円孔101a5、及び、内ネジ嵌合部103aの軸シャフト配置円孔103a5の内部に挿入される。
【0041】
軸部105を図5に示す。軸部105は、軸頭部105a、及び、軸シャフト部105bを有している。軸頭部105aは、円筒形状を有している。軸頭部105aは、車輪取付補助装置100を用いて前輪FWをフロントフォークTFFに固定した状態で、外ネジ嵌合部101aの軸頭部配置空間101a3に位置する。軸頭部105aは、軸シャフト部105bよりも大きい径を有している。
【0042】
軸シャフト部105bは、細長い円筒形状を有している。軸シャフト部105bは、軸頭部105aが位置する側の端部とは異なる端部の領域R105bが、ネジ切りされている。軸シャフト部105bのネジ切りされている領域R105bは、内ネジ嵌合部103aの軸シャフト配置円孔103a5のフランジ部103a1側に形成されているネジ切りされている領域と螺合する。
【0043】
第2 車輪取付補助装置100の使用方法
車輪取付補助装置100の使用方法を、スルーアクスル方式のフロントフォークTFFを有するランニングバイクRBに、クイックリリース方式の前輪を取付ける場合を例に、図6?図13を用いて説明する。なお、スルーアクスル方式のフロントフォークTFFを有するランニングバイクRBの構造については、従来と同様である(図15等参照)。
【0044】
図6Aに示すように、使用者は、クイックリリース対応ハブQH、及び、スポークSを、リムRに組み付けたホイールWにタイヤTを取り付けた前輪FWを用意する。図6Bに示すように、クイックリリース対応ハブQHは、左右の第1の端面PQH1、第2の端面PQH3(図示せず)から外部に向かって突出する、左右一対の第1のハブ軸QH1、第2のハブ軸QH3(図示せず)を有している。
【0045】
図7Aに示すように、使用者は、用意した前輪FWに、ハブ-フォーク間調整部101bを取り付ける。なお、ハブ-フォーク間調整部101bを取り付ける際には、図7Bに示すように、ハブ-フォーク間調整部101bのクイックリリース方式対応ハブQH側端面P101b(図示せず:端面P103b参照)を、ハブQHの第1の端面PQH1に合わせ、第1のハブ軸QH1が、円環形状のハブ-フォーク間調整部101bの中心開口H101b内に位置するようにする(図8B参照)。ハブ-フォーク間調整部103b(図示せず)についても、同様に、前輪FWに取り付ける。
【0046】
そして、使用者は、図8Aに示すように、ハブ-フォーク間調整部101b、103bを取り付けた前輪FWを、フロントフォークTFF間に配置する。このとき、使用者は、図8Bに示すように、ハブ-フォーク間調整部101bの中心開口H101bがフロントフォークTFFのスルーアクスル固定円孔TC1に合うように、また、ハブ-フォーク間調整部103bの中心開口H103bが対向するフロントフォークTFFのスルーアクスル貫通円孔TC3に合うように、それぞれ配置する。
【0047】
使用者は、図9に示すように、フロントフォークTFFのスルーアクスル固定円孔TC1に、外ネジ嵌合部101aを挿入する。なお、図11Bに示すように、外ネジ嵌合部101aについては、外ネジ嵌合部101aのハブ軸配置空間101a7内にハブQHの第1のハブ軸QH1が配置されるまで、外ネジ嵌合部101aのネジ部101a1をスルーアクスル固定円孔TC1のネジ切り部に螺合させながらスルーアクスル固定円孔TC1に挿入する。
【0048】
また、使用者は、図10に示すように、フロントフォークTFFのスルーアクスル貫通円孔TC3に、内ネジ嵌合部103aを挿入する。なお、図11Bに示すように、内ネジ嵌合部103aについては、内ネジ嵌合部103aのハブ軸配置空間103a7内にハブQHのハブ軸QH3が配置されるように、内ネジ嵌合部103aの軸部103a3(図4参照)をスルーアクスル貫通円孔TC3に挿入する。
【0049】
使用者は、図12Aに示すように、フロントフォークTFFに取り付けられた外ネジ嵌合部101aから内ネジ嵌合部103aに向かって、軸部105を挿入し、取り付ける。軸部105を取り付ける際には、図12Bに示すように、軸部105の軸シャフト部105bを、外ネジ嵌合部101aの軸シャフト配置円孔101a5から、ハブQHの第1のハブ軸QH1、第2のハブ軸QH3、内ネジ嵌合部103aの軸シャフト配置円孔103a5と挿入し、軸部105の軸シャフト部105bのネジ切りされた領域R105bを、フロントフォークTFFのスルーアクスル貫通円孔TC3の内側のネジ切り部に螺合させ、軸頭部105aを外ネジ嵌合部101aの軸頭部配置空間101a3に配置する。軸部105を配置し、車輪取付補助装置100を用いて、前輪FWをフロントフォークTFFに取り付けた状態を図13に示す。
【0050】
これにより、軸部105の軸頭部105aと内ネジ嵌合部103aのフランジ部103a1とによって、外ネジ嵌合部101a、ハブ-フォーク間調整部101b、103b、及び、内ネジ嵌合部103aを介して、ハブQHを挟持し、フロントフォークTFF間に固定できる。つまり、車輪取付補助装置100を用いて、クイックリリース方式のハブQHを用いた前輪FWを、スルーアクスル方式のフロントフォークTFFに固定することができる。
【0051】
[その他の実施形態]
(1)ハブ-フォーク間調整部101b、103bの使用:前述の実施例1においては、ハブ-フォーク間調整部101b、103bを用いて、クイックリリース対応ハブQHをスルーアクスル方式のフロントフォークTFFに取り付けたが、外ネジ嵌合部101a、内ネジ嵌合部103aを用いて、クイックリリース対応ハブQHを挟持し、十分に固定できるものであれば、図14に示す車輪取付補助装置200のように、ハブ-フォーク間調整部101b、103bを使用せずともよい。
【0052】
(2)外ネジ嵌合部101a:前述の実施例1においては、外ネジ嵌合部101aは中空円筒形状としたが、フロントフォークTFFの外側端部に、フロントフォークTFFの外側面に当接するフランジ部を形成するようにしてもよい。これにより、外ネジ嵌合部101aのフロントフォークTFFの内側への突出長さを規定できるため、より容易に外ネジ嵌合部101a、及び、前輪FWを適切な位置に取り付けることができる。
【0053】
(3)フロントフォークTFF:前述の実施例1においては、スルーアクスル方式の車体の一部であるフロントフォークTFFに前輪FWを車輪取付補助装置100を用いて取り付けるとしたが、スルーアクスル方式の車体に後輪を取り付ける際に用いるようにしてもよい。
【0054】
(4)ランニングバイクRB:前述の実施例1においては、スルーアクスル方式のランニングバイクRBに、車輪取付補助装置100を用いて、車輪を取り付けるとしたが、スルーアクスル方式の車体に、クイックリリース対応ハブHQを用いて、車輪を取り付けるのであれば、これに限定されない
例えば、ロードバイクやマウンテンバイク等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明に係る車輪取付補助装置は、例えば、ランニングバイクに用いることができる。
【符号の説明】
【0056】
100 車輪取付補助装置
101 外ネジ側調整部
101a 外ネジ嵌合部
101a1 ネジ部
101a3 軸頭部配置空間
101a5 軸シャフト配置円孔
101a7 ハブ軸配置空間
101b ハブ-フォーク間調整部
103 内ネジ側調整部
103a 内ネジ嵌合部
103a1 フランジ部
103a3 軸部
103a5 軸シャフト配置円孔
103a7 ハブ軸配置空間
103b ハブ-フォーク間調整部
105 軸部
105a 軸頭部
105b 軸シャフト部
200 車輪取付補助装置

QH クイックリリース対応ハブ
QH1 第1のハブ軸
PQH1 第1のハブ端面
QH3 第2のハブ軸
QFF クイックリリース方式のフロントフォーク
TFF スルーアクスル方式のフロントフォーク
PTFF1 第1の内側面
TC1 スルーアクスル固定円孔
TC3 スルーアクスル貫通円孔
RB ランニングバイク
図1
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