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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20230406BHJP
【FI】
F24C3/12 E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019055439
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2020153644
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】竹内 直行
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-083594(JP,A)
【文献】特開2012-229847(JP,A)
【文献】特開2011-000315(JP,A)
【文献】特開2007-003151(JP,A)
【文献】特開2009-127879(JP,A)
【文献】特開2009-162442(JP,A)
【文献】特開2018-025329(JP,A)
【文献】特開平07-332662(JP,A)
【文献】特開平09-222226(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0080657(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/00- 3/14
F24C 15/00-15/36
F23N 5/00- 5/26
A47J 37/00-37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を加熱する加熱手段と、
加熱手段の点火動作及び消火動作を指示する点消火指示手段と、
加熱手段で形成される火炎に対する検出値を検出する炎検出手段と、
加熱手段の点火動作及び消火動作を実行する制御手段と、を備える加熱調理器であって、
制御手段は、点消火指示手段で点火指示がなされてからまたは点火動作が開始されてから所定の第1判定時間内に、炎検出手段で検出される検出値が所定の第1着火閾値以上になると、加熱手段が着火状態であると判定し、
点消火指示手段で消火指示がなされるかまたは消火動作が開始された後、炎検出手段で検出される検出値が第1着火閾値以下の所定の第1点火許可閾値を下回ると、加熱手段の再点火動作の開始を許可し、
点消火指示手段で再点火指示がなされたときまたは再点火動作が開始されたときの炎検出手段で検出される検出値を再点火判定基準値とし、点消火指示手段で再点火指示がなされてからまたは再点火動作が開始されてから所定の第2判定時間内に、炎検出手段で検出される検出値が再点火判定基準値に対して所定の第1変位閾値以上、上昇すると、加熱手段が着火状態であると判定する加熱調理器。
【請求項2】
被調理物を加熱する加熱手段と、
加熱手段の点火動作及び消火動作を指示する点消火指示手段と、
加熱手段で形成される火炎に対する検出値を検出する炎検出手段と、
加熱手段の点火動作及び消火動作を実行する制御手段と、を備える加熱調理器であって、
制御手段は、点消火指示手段で点火指示がなされてからまたは点火動作が開始されてから所定の第1判定時間内に、炎検出手段で検出される検出値が所定の第1着火閾値以上になると、加熱手段が着火状態であると判定し、
点消火指示手段で消火指示がなされるかまたは消火動作が開始された後、炎検出手段で検出される検出値が第1着火閾値より大きな所定の第2点火許可閾値を下回ると、加熱手段の再点火動作の開始を許可し、
点消火指示手段で再点火指示がなされたときまたは再点火動作が開始されたときの炎検出手段で検出される検出値を再点火判定基準値とし、点消火指示手段で再点火指示がなされてからまたは再点火動作が開始されてから所定の第3判定時間内に、炎検出手段で検出される検出値が再点火判定基準値に対して所定の第2変位閾値以上、上昇すると、加熱手段が着火状態であると判定する加熱調理器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の加熱調理器において、
制御手段は、加熱手段の再点火動作の開始が許可されていない状態で、点消火指示手段で再点火指示がなされると、加熱手段の再点火動作の開始が許可されるまで再点火動作の開始を待機し、
加熱手段の再点火動作の開始が許可された状態になると、再点火動作を開始する加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱手段の着火検出機能を有する加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスを燃焼させて、被調理物を加熱する加熱手段と、加熱手段に形成される火炎を検出する炎検出手段とを備える加熱調理器が知られている。この種の加熱調理器では、加熱手段の点火動作が行われ、炎検出手段の検出値が所定の着火閾値以上になると、加熱手段が正常に点火された着火状態と判定される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-000315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の加熱調理器では、炎検出手段の検出値に関わらず、加熱手段の再点火操作を行うことができる。そのため、加熱手段が消火された後、短時間内に使用者が再点火操作を行ったとき、炎検出手段の検出値が着火閾値以上になっている場合がある。その結果、実際には正常に加熱手段が着火されなかったにも関わらず、着火状態と誤って判定される虞がある。また、加熱手段を自動で点消火させる自動調理が実行される加熱調理器でも、炎検出手段の検出値が着火閾値以上のときに再点火動作が行われると、同様の問題が生じる。一般に、着火閾値は着火検出に適した低い値に設定されるため、着火不良の検出が遅れやすい。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、加熱手段の着火検出機能を備えた加熱調理器において、加熱手段が消火された後、再点火される場合に、正確に加熱手段の着火状態を検出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
被調理物を加熱する加熱手段と、
加熱手段の点火動作及び消火動作を指示する点消火指示手段と、
加熱手段で形成される火炎に対する検出値を検出する炎検出手段と、
加熱手段の点火動作及び消火動作を実行する制御手段と、を備える加熱調理器であって、
制御手段は、点消火指示手段で点火指示がなされてからまたは点火動作が開始されてから所定の第1判定時間内に、炎検出手段で検出される検出値が所定の第1着火閾値以上になると、加熱手段が着火状態であると判定し、
点消火指示手段で消火指示がなされるかまたは消火動作が開始された後、炎検出手段で検出される検出値が第1着火閾値以下の所定の第1点火許可閾値を下回ると、加熱手段の再点火動作の開始を許可し、
点消火指示手段で再点火指示がなされたときまたは再点火動作が開始されたときの炎検出手段で検出される検出値を再点火判定基準値とし、点消火指示手段で再点火指示がなされてからまたは再点火動作が開始されてから所定の第2判定時間内に、炎検出手段で検出される検出値が再点火判定基準値に対して所定の第1変位閾値以上、上昇すると、加熱手段が着火状態であると判定する加熱調理器である。
【0009】
上記加熱調理器によれば、点消火指示手段で消火指示がなされるかまたは消火動作が開始された後、炎検出手段で検出される検出値が第1着火閾値以下の所定の第1点火許可閾値を下回るかどうかから加熱手段の再点火動作の開始の許可を判定するから、炎検出手段の検出値が低下した着火検出が誤って判定される可能性が低い状態で再点火動作を開始させることができる。そして、上記加熱調理器によれば、点消火指示手段で再点火指示がなされたときまたは再点火動作が開始されたときの炎検出手段で検出される検出値を再点火判定基準値とし、点消火指示手段で再点火指示がなされてからまたは再点火動作が開始されてから第2判定時間内に、炎検出手段で検出される検出値が再点火判定基準値に対して所定の第1変位閾値以上、上昇するかどうかから加熱手段の着火状態を判定するから、再点火時の炎検出手段の検出値から検出値に一定の上昇があったかどうかを確実に判定することができる。
【0010】
また、本発明は、
被調理物を加熱する加熱手段と、
加熱手段の点火動作及び消火動作を指示する点消火指示手段と、
加熱手段で形成される火炎に対する検出値を検出する炎検出手段と、
加熱手段の点火動作及び消火動作を実行する制御手段と、を備える加熱調理器であって、
制御手段は、点消火指示手段で点火指示がなされてからまたは点火動作が開始されてから所定の第1判定時間内に、炎検出手段で検出される検出値が所定の第1着火閾値以上になると、加熱手段が着火状態であると判定し、
点消火指示手段で消火指示がなされるかまたは消火動作が開始された後、炎検出手段で検出される検出値が第1着火閾値より大きな所定の第2点火許可閾値を下回ると、加熱手段の再点火動作の開始を許可し、
点消火指示手段で再点火指示がなされたときまたは再点火動作が開始されたときの炎検出手段で検出される検出値を再点火判定基準値とし、点消火指示手段で再点火指示がなされてからまたは再点火動作が開始されてから所定の第3判定時間内に、炎検出手段で検出される検出値が再点火判定基準値に対して所定の第2変位閾値以上、上昇すると、加熱手段が着火状態であると判定する加熱調理器である
【0011】
上記加熱調理器によれば、点消火指示手段で消火指示がなされるかまたは消火動作が開始された後、炎検出手段で検出される検出値が第1着火閾値より大きな所定の第2点火許可閾値を下回るかどうかから加熱手段の再点火動作の開始の許可を判定するから、再点火を制限する所定の閾値が設けられない場合と比較して、炎検出手段の検出値が低下した着火検出が誤って判定される可能性が低い状態で再点火動作を開始させることができるとともに、早期に再点火動作を開始させることができる。そして、上記加熱調理器によれば、点消火指示手段で再点火指示がなされたときまたは再点火動作が開始されたときの炎検出手段で検出される検出値を再点火判定基準値とし、点消火指示手段で再点火指示がなされてからまたは再点火動作が開始されてから第3判定時間内に、炎検出手段で検出される検出値が再点火判定基準値に対して所定の第2変位閾値以上、上昇するかどうかから加熱手段の着火状態を判定するから、早期に再点火動作が開始される場合でも、再点火時の炎検出手段の検出値から検出値に一定の上昇があったかどうかを確実に判定することができる。
【0014】
好ましくは、上記加熱調理器において、
制御手段は、加熱手段の再点火動作の開始が許可されていない状態で、点消火指示手段で再点火指示がなされると、加熱手段の再点火動作の開始が許可されるまで再点火動作の開始を待機し、
加熱手段の再点火動作の開始が許可された状態になると、再点火動作を開始する。
【0015】
上記加熱調理器によれば、加熱手段が再点火可能な状態であると判定される前に点消火指示手段で再点火指示がなされた場合、加熱手段の再点火動作の開始が許可されるまで再点火動作が開始されないから、着火状態が誤って判定される可能性が低い状態で再点火動作を開始させることができる。そして、上記加熱調理器によれば、加熱手段の再点火動作の開始が許可されると、再点火動作を開始するから、再点火指示を再度、行う必要がない。これにより、利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明に係る加熱調理器によれば、加熱手段が消火された後、再点火される場合に、正確に加熱手段の着火状態を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の一例を示す概略斜視図である。
図2図2は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の制御動作の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の制御動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態に係る加熱調理器を、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
【0019】
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態に係る加熱調理器1は、天板11の上面に、五徳22上に載置される食材や調理容器などの被調理物を加熱する加熱手段として単数または複数のコンロバーナ21を備えたガスコンロである。なお、本明細書では、本体ケース10の前面(本体前面)13を加熱調理器1の正面とし、加熱調理器1を正面側から見たときの本体ケース10の奥行き方向を前後方向、幅方向を左右方向、高さ方向を上下方向という。
【0020】
天板11の上面におけるコンロバーナ21の外周には、鍋やフライパンなどの調理容器を下方から支持する五徳22が載置されている。コンロバーナ21の外周には、炎孔210から放出されるガスを火花放電により着火させて、炎孔210の外側に火炎を形成させる点火プラグ24と、炎孔210の外側に形成される上記火炎に対する検出値を検出する炎検出手段としての炎検出器25とが設けられている。炎検出器25は、例えば、火炎に炙られて加熱されると熱起電力を検出値として出力する熱電対が用いられる。
【0021】
本体前面13には、加熱調理器1の主電源のオンオフを手動で指示するための電源スイッチ43と、コンロバーナ21の点火や消火、設定火力を手動で指示入力するための点消火指示手段としてのコンロ点消火操作子44とが設けられている。
【0022】
コンロ点消火操作子44は、コンロ点消火操作子44を押して本体前面13から突出させる点火操作によりオンとなり、コンロ点消火操作子44を押して本体前面13に埋没させる消火操作によりオフとなるオルタネートスイッチと、複数(例えば、9つ)の接点を有するロータリースイッチとを有しており、上記点火操作によって本体前面13から突出させたコンロ点消火操作子44を周方向に回動させることで、その回動位置に対応するコンロバーナ21の火力が選択設定される。
【0023】
本体ケース10の内部には、加熱調理器1の種々の動作情報を表示する情報表示部41と、加熱調理器1の種々の動作情報を音声にて報知する音声出力部42とが組み込まれている。情報表示部41は、天板11の上面に設けられた表示窓110に表示面を臨ませた状態で配置されている。
【0024】
図2に示すように、本体ケース10の内部には、コンロバーナ21へのガスの供給や遮断、ガス供給量の調整を行うバルブユニット26と、各バルブユニット26へのガスの供給や遮断を行う元弁27と、点火プラグ24に所定電圧を印加して火花放電させるイグナイタ30と、コンロバーナ21の点火や消火、着火検出など加熱調理器1の装置全体の作動を制御する制御手段としての制御回路50とが組み込まれている。
【0025】
図示しないが、バルブユニット26は、電磁コイルにより駆動されて内部のガス流路を開閉し、それによってコンロバーナ21へのガスの供給及び遮断可能な電磁開閉弁や、ステッピングモータ等の電動アクチュエータにより駆動されて内部のガス流路の開度を調整し、それによってコンロバーナ21へのガス供給量を調整可能な流量調整弁などを備えている。
【0026】
元弁27は、電磁コイルにより駆動されて内部のガス流路を閉じ、それによってバルブユニット26へのガスの供給及び遮断可能な電磁開閉弁であり、本体ケース10内に配設されたガス供給管路20における各バルブユニット26の上流位置に設けられている。従って、元弁27が開弁されると、外部のガス配管から各バルブユニット26へガスを供給可能となり、元弁27が閉弁されると、各バルブユニット26へのガスの供給が一括して遮断される。
【0027】
上記した炎検出器25、バルブユニット26の電磁開閉弁及び電動アクチュエータ、元弁27の電磁コイル、イグナイタ30、情報表示部41、音声出力部42、電源スイッチ43、コンロ点消火操作子44は、制御回路50に電気配線を通じて接続されている。
【0028】
制御回路50は、図示しないCPU、ROM、RAM、インターフェース回路等からなる電子回路である。制御回路50には、炎検出器25やコンロ点消火操作子44から出力される検出信号が入力される。また、制御回路50から出力される制御信号により、バルブユニット26の電磁コイル及び電動アクチュエータ、元弁27の電磁コイル、イグナイタ30、情報表示部41、音声出力部42の作動が制御される。
【0029】
制御回路50は、コンロバーナ21の点火動作や消火動作、火力調整動作を制御するバーナ制御部、炎検出器25の出力に基づいてコンロバーナ21が着火状態であるか消火状態であるか判定する着火判定部、制御動作中の経過時間を計測するタイマ部、情報表示部41の表示動作を制御する表示制御部、音声出力部42からの音声出力動作を制御する音声制御部等の回路構成を有している。
【0030】
また、制御回路50は、手動調理中、コンロ点消火操作子44で消火操作がなされた後や、自動調理中、コンロバーナ21の消火動作が開始された後の炎検出器25の検出値Vdに基づいてコンロバーナ21が再点火可能な状態であるか再点火不可の状態であるかを判定する再点火可否判定部、再点火動作を開始するときの炎検出器25の検出値Vdを記憶するメモリ部等の回路構成を有している。なお、本明細書において、「点火動作の開始」及び「再点火動作の開始」とは、点火手段であるイグナイタ30によって加熱手段であるコンロバーナ21への放電またはバルブユニット26の電磁開閉弁によるコンロバーナ21へのガスの供給のいずれかが開始されることをいい、「消火動作の開始」とは、元弁27またはバルブユニット26の電磁開閉弁によるコンロバーナ21へのガスの供給の遮断が開始されることをいう。
【0031】
また、制御回路50のメモリ部には、コンロ点消火操作子44の点消火操作や火力調整操作に応じて、コンロバーナ21の点消火や火力調整を行う手動制御プログラム、湯沸し、煮物、揚物、炊飯、タイマ調理など、選択された調理モードに対応する制御シーケンスに基づいて自動でコンロバーナ21の点消火や火力調整を行う自動制御プログラム、及びコンロバーナ21の着火検出や再点火可否判定を行うための各種閾値を含むデータが格納されている。
【0032】
次に、本実施の形態における加熱調理器1の制御動作を図3のフローチャートに従って説明する。なお、以下では、使用者がコンロ点消火操作子44で点消火操作を行うことにより、コンロバーナ21が点消火される場合について説明するが、自動調理中、コンロバーナ21が点消火される場合でも、コンロ点消火操作子44で点消火操作が行われず、制御回路50からの指示により点消火動作が実行される以外は、同様である。
【0033】
電源スイッチ43にて主電源のオン操作がなされ、電源が投入されると、制御回路50に組み込まれた主制御プログラムが実行され、コンロバーナ21が手動で点火可能な状態となる。その後、コンロバーナ21の点火指示としてコンロ点消火操作子44により点火操作がなされると、上記手動制御プログラムに従ってコンロバーナ21の点火動作が実行される(ステップST1)。図示しないが、この点火動作では、制御回路50は、イグナイタ30を作動させて点火プラグ24から火花放電させるとともに、元弁27及びバルブユニット26の電磁開閉弁を開弁作動させ、さらにバルブユニット26の流量調整弁を所定の点火開度となるように作動させる。その結果、点火に適した量のガスがコンロバーナ21に供給され、上記火花放電によりコンロバーナ21が着火される。
【0034】
また、点火動作が開始された時間からの経過時間として着火判定時間Taの計測が開始される(ステップST2)。そして、着火判定時間Taが第1判定時間T1(例えば、10秒間)を経過するまでに、炎検出器25の検出値Vdが予め設定された第1着火閾値V1(例えば、3mV)以上になった場合(ステップST5で、No、ステップST3で、Yes)、制御回路50は、コンロバーナ21が正常に着火された状態であるとして、着火判定時間Taの計測を終了させるとともに、イグナイタ30の作動を停止させ、コンロ点消火操作子44で選択設定された火力に対応する開度となるようにバルブユニット26の流量調整弁を作動させる(ステップST4)。これにより、上記火力にてコンロバーナ21の燃焼が開始される。なお、第1判定時間T1が経過しても炎検出器25の検出値Vdが第1着火閾値V1以上にならなかった場合(ステップST3で、No、ステップST5で、Yes)、制御回路50は、バルブユニット26の故障や通信の不調などによりコンロバーナ21が正常に着火されなかった着火不良の状態であるとして、着火不良が生じたことを示すエラーメッセージを情報表示部41に表示させるとともに音声出力部42から音声にて報知させる(ステップST24)。また、図示しないが、着火判定時間Taの計測を終了させて、元弁27への電源供給を停止させ、コンロバーナ21へのガスの供給を強制的に遮断する。
【0035】
炎検出器25の検出値Vdが第1着火閾値V1以上になって、コンロバーナ21の着火が検出された後、コンロバーナ21の消火指示としてコンロ点消火操作子44により消火操作がなされた場合(ステップST6で、Yes)、制御回路50は、元弁27及びバルブユニット26の電磁開閉弁を閉弁作動させて消火動作を開始させるとともに、消火操作がなされてからの経過時間として消火判定時間Tbの計測を開始させる(ステップST7~ST8)。そして、炎検出器25の検出値Vdが第1着火閾値V1以下に設定された第1点火許可閾値A1(例えば、2mV)を下回ったか否か、コンロバーナ21の再点火指示としてコンロ点消火操作子44により再び点火操作がなされたか否か、及び上記消火判定時間Tbがタイムアップ時間Tu(例えば、30秒間)に達したか否かが判定される(ステップST9~ST11)。
【0036】
炎検出器25の検出値Vdが第1点火許可閾値A1を下回っておらず(ステップST9で、No)、且つコンロバーナ21の再点火指示もなされていない状態のまま(ステップST10で、No)、消火判定時間Tbがタイムアップ時間Tuに達した場合(ステップST11で、Yes)、消火動作が実行されたにも関わらず、バルブユニット26の故障や通信の不調などによりコンロバーナ21が正常に消火されなかった消火不良の状態であるとして、制御回路50は、消火不良が生じたことを示すエラーメッセージを情報表示部41に表示させるとともに音声出力部42から音声にて報知させる(ステップST12)。また、図示しないが、消火判定時間Tbの計測を終了させて、元弁27への電源供給を停止させ、コンロバーナ21へのガスの供給を強制的に遮断する(ステップST13)。
【0037】
消火判定時間Tbがタイムアップ時間Tuに達するまでの間に(ステップST11で、No)、炎検出器25の検出値Vdが第1点火許可閾値A1を下回った場合(ステップST9で、Yes)、コンロバーナ21が再点火可能な状態になったと判定され、制御回路50は、消火判定時間Tbの計測を終了させて、コンロバーナ21の再点火動作の開始を許可する(ステップST14)。そして、コンロバーナ21の再点火指示であるコンロ点消火操作子44によりコンロバーナ21の再点火操作がなされたか否かが判定される(ステップST15)。
【0038】
次いで、再点火指示がなされると(ステップST15で、Yes)、点火動作を開始させるときの炎検出器25の検出値Vdが再点火判定基準値Vxとしてメモリ部に記憶されるとともに(ステップST16)、上記初期の点火動作と同様にして、コンロバーナ21の点火動作が実行される(ステップST17)。なお、図示しないが、上記再点火指示が所定時間以上、なされなかった場合、電源投入後の最初のステップに戻る。上記ステップST16及びステップST17のステップは、いずれが先に行われてもよい。
【0039】
一方、消火判定時間Tbがタイムアップ時間Tuに達するまでの間に(ステップST11で、No)、再点火指示がなされると(ステップST10で、Yes)、炎検出器25の検出値Vdが第1点火許可閾値A1を下回ったか否かが判定されるとともに、消火判定時間Tbがタイムアップ時間Tuに達するかどうかが判定される(ステップST18~ST19)。このとき、炎検出器25の検出値Vdが第1点火許可閾値A1を下回っていなければ(ステップST18で、No)、再点火指示がなされていても、炎検出器25の検出値Vdが第1点火許可閾値A1を下回るまで、再点火動作の開始を待機する。これにより、コンロバーナ21の消火から短時間内に再点火指示がなされたときのように、着火検出が誤って判定されやすい検出値Vdが高い状態で再点火動作が開始されることを防止できる。
【0040】
消火判定時間Tbがタイムアップ時間Tuに達するまでの間に、炎検出器25の検出値Vdが第1点火許可閾値A1を下回ると(ステップST19で、No、ステップST18で、Yes)、図示しないが、消火判定時間Tbの計測が終了され、上記と同様に、点火動作を開始させるときの炎検出器25の検出値Vdが再点火判定基準値Vxとしてメモリ部に記憶される(ステップST16)。従って、炎検出器25の検出値Vdが第1点火許可閾値A1を下回り、コンロバーナ21が再点火可能な状態と判定されると、使用者が再度の再点火指示を行うことなく、再点火動作が開始される。
【0041】
なお、上記ステップST10にてコンロバーナ21の再点火指示がなされてから(ステップST10で、Yes)、炎検出器25の検出値Vdが第1点火許可閾値A1を下回る前に(ステップST18で、No)、消火判定時間Tbがタイムアップ時間Tuに達した場合(ステップST19で、Yes)、上記と同様に、消火不良のエラーメッセージが情報表示部41及び音声出力部42から報知されるとともに(ステップST12)、図示しないが、消火判定時間Tbの計測が終了されて、元弁27への電源供給が停止され、コンロバーナ21へのガスの供給が強制的に遮断される(ステップST13)。
【0042】
コンロバーナ21が再点火可能な状態と判定され、上記ステップST15またはステップST10にて再点火指示がなされて、コンロバーナ21の点火動作が実行されると(ステップST17)、上記初期の点火動作と同様にして、点火動作が開始されてからの経過時間として着火判定時間Taの計測が開始される(ステップST20)。そして、着火判定時間Taが第2判定時間T2(例えば、10秒間)を経過するまでに、炎検出器25の検出値Vdが第1点火許可閾値A1以上の第2着火閾値V2(例えば、4mV)を超え、且つ再点火判定基準値Vxからの変位量ΔVdが第1変位閾値ΔVs(例えば、3mV)以上の上昇を示したか否かが判定される(ステップST21~ST23)。なお、第2判定時間T2は、初期の着火判定における第1判定時間T1と同一であってもよいし、異なってもよい。
【0043】
炎検出器25の検出値Vdが第2着火閾値V2を超えないか(ステップST21で、No)、または上記変位量ΔVdが第1変位閾値ΔVs以上の上昇を示さない状態のまま(ステップST22で、No)、着火判定時間Taが第2判定時間T2に達した場合(ステップST23で、Yes)、コンロバーナ21が再点火可能な状態で点火動作が実行されたにも関わらず、コンロバーナ21が着火されなかったため、上記と同様に、着火不良のエラーメッセージが情報表示部41及び音声出力部42から報知される(ステップST24)。また、図示しないが、着火判定時間Taの計測が終了されるとともに、元弁27への電源供給が停止されて、コンロバーナ21へのガスの供給が強制的に遮断される。
【0044】
一方、着火判定時間Taが第2判定時間T2に達するまでの間に(ステップST23で、No)、炎検出器25の検出値Vdが第2着火閾値V2を超え、且つ上記変位量ΔVdも第1変位閾値ΔVs以上の上昇を示した場合(ステップST21及びST22で、Yes)、コンロバーナ21が正常に着火された状態、すなわち、再点火された状態であるとして、制御回路50は、着火判定時間Taの計測を終了させる(ステップST25)。
【0045】
以上のように、本実施の形態によれば、コンロバーナ21の消火指示がなされた後、炎検出器25の検出値Vdが第1点火許可閾値A1を下回った場合、すなわち、検出値Vdに所定の閾値を超える変化があった場合、コンロバーナ21が再点火可能な状態であると判定されて、再点火動作が許可される。従って、コンロバーナ21の消火後、再点火させる場合、着火検出が誤って判定される可能性が低い状態で再点火動作を開始させることができる。特に、本実施の形態によれば、コンロバーナ21の再点火動作の可否を判定するための第1点火許可閾値A1はコンロバーナ21の初期の着火を判定するための第1着火閾値V1以下に設定されているため、着火検出が誤って判定される可能性が低い炎検出器25の検出値Vdがより低下した状態から再点火動作を開始させることができる。これにより、再点火時に正確に着火検出することができる。
【0046】
一方、本実施の形態によれば、コンロバーナ21の消火動作が開始されたにも関わらず、炎検出器25の検出値Vdが第1点火許可閾値A1を下回らなかった場合、すなわち、所定の閾値を超える変化がなかった場合、再点火動作は許可されない。これにより、着火検出が誤って判定されやすい状態での再点火動作の開始を防止することができる。
【0047】
また、本実施の形態によれば、再点火動作を開始させてから第2判定時間T2内に、炎検出器25の検出値Vdが第1点火許可閾値A1以上の第2着火閾値V2を超え、且つ第1変位閾値ΔVs以上、上昇するかどうかからコンロバーナ21の着火状態を判定するから、再点火時にコンロバーナ21の着火を判定するにあたって、再点火時の炎検出器25の検出値Vd(すなわち、再点火判定基準値Vx)から検出値Vdに一定の上昇があったかどうかを確実に判定することができる。これにより、再点火における着火検出を確実に行うことができる。なお、再点火における着火判定は、第2判定時間T2内で、炎検出器25の検出値Vdが第2着火閾値V2を超えるか、または第1変位閾値ΔVs以上、上昇するかのいずれか一方により行ってもよい。また、第1変位閾値ΔVsは、単位時間あたりの検出値Vdの変位量であってもよい。
【0048】
また、本実施の形態によれば、コンロバーナ21が再点火可能な状態であると判定される前に再点火指示がなされた場合、上記のコンロバーナ21が再点火可能な状態であると判定されるまで再点火動作が開始されないから、着火検出が誤って判定される可能性がより低い状態で再点火動作を開始させることができる。しかも、本実施の形態によれば、コンロバーナ21の消火動作が開始されてから再点火可能な状態であると判定されるまでの間に再点火指示がなされた場合、再点火可能な状態であると判定された段階で自動的にコンロバーナ21の再点火動作が行われる。これにより、利便性を向上させることができる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、消火動作が開始されたにも関わらず、タイムアップ時間Tu以上、炎検出器25の検出値Vdが第1点火許可閾値A1を下回らなかった場合、消火不良が生じたことが表示及び音声にて報知されるとともに、コンロバーナ21へのガスの供給が強制的に遮断される。従って、コンロバーナ21が正常に消火されていないときに、安全にコンロバーナ21の作動を停止させることができる。なお、報知は、表示及び音声のいずれか一方のみにより行われてもよい。
【0050】
また、本実施の形態によれば、再点火動作が開始されたにも関わらず、第2判定時間T2以上、炎検出器25の検出値Vdが第2着火閾値V2等を超えなかった場合、着火不良が生じたことが表示及び音声にて報知されるとともに、コンロバーナ21へのガスの供給が強制的に遮断される。従って、再点火でコンロバーナ21が正常に着火されていないときに、安全にコンロバーナ21の作動を停止させることができる。なお、報知は、表示及び音声のいずれか一方のみにより行われてもよい。
【0051】
(実施の形態2)
本実施の形態における加熱調理器の構成は、実施の形態1における加熱調理器1のそれと同様であり、再点火における制御動作のみが異なる。このため、加熱調理器の構成については、同一の引用番号を使用して説明を省略し、異なる制御動作のみを説明する。
【0052】
図4は、本実施の形態における加熱調理器の制御動作を示すフローチャートである。実施の形態1と同様に、コンロバーナ21の点火指示としてコンロ点消火操作子44により点火操作がなされると、点火動作が実行される(ステップST41~ST45)。そして、コンロバーナ21の着火が検出された後、コンロバーナ21の消火指示としてコンロ点消火操作子44により消火操作がなされた場合(ステップST46で、Yes)、消火動作が開始されるとともに、消火操作がなされてからの経過時間として消火判定時間Tbの計測が開始される(ステップST47~ST48)。そして、炎検出器25の検出値Vdが第1着火閾値V1より大きな第2点火許可閾値A2(例えば、5mV)を下回ったか否か、コンロバーナ21の再点火指示としてコンロ点消火操作子44により再び点火操作がなされたか否か、及び上記消火判定時間Tbがタイムアップ時間Tu(例えば、30秒間)に達したか否かが判定される(ステップST49~ST51)。
【0053】
消火判定時間Tbがタイムアップ時間Tuに達するまでの間に(ステップST51で、No)、炎検出器25の検出値Vdが第2点火許可閾値A2を下回った場合(ステップST49で、Yes)、コンロバーナ21が再点火可能な状態になったと判定され、制御回路50は、消火判定時間Tbの計測を終了させて、コンロバーナ21の再点火動作の開始を許可する(ステップST54)。そして、コンロバーナ21の再点火指示がなされたか否かが判定される(ステップST55)。
【0054】
また、消火判定時間Tbがタイムアップ時間Tuに達するまでの間に、コンロバーナ21の再点火指示がなされたとき(ステップST50で、Yes)、実施の形態1と同様に、炎検出器25の検出値Vdが第2点火許可閾値A2を下回り、コンロバーナ21が再点火可能な状態と判定されるまで、再点火動作の開始が待機される(ステップST58~ST59)。
【0055】
なお、炎検出器25の検出値Vdが第2点火許可閾値A2を下回る前に(ステップST49及びST58で、No)、消火判定時間Tbがタイムアップ時間Tuに達した場合(ステップST51及びST59で、Yes)、実施の形態1と同様に、所定の報知がされるとともに、図示しない消火判定時間Tbの計測が終了され、ガスの供給が遮断される(ステップST52~S53)。
【0056】
コンロバーナ21が再点火可能な状態と判定され、上記ステップST55またはステップST50にて再点火指示がなされると、実施の形態1と同様に、点火動作を開始させるときの炎検出器25の検出値Vdが再点火判定基準値Vxとしてメモリ部に記憶されるとともに(ステップST56)、コンロバーナ21の点火動作が実行される(ステップST57)。また、点火動作が開始されてからの経過時間として着火判定時間Taの計測が開始される(ステップST60)。そして、着火判定時間Taが第3判定時間T3(例えば、10秒間)を経過するまでに、炎検出器25の検出値Vdが第2点火許可閾値A2以上の第3着火閾値V3(例えば、7mV)を超え、且つ再点火判定基準値Vxからの変位量ΔVdが第2変位閾値ΔVt(例えば、2mV)以上の上昇を示したか否かが判定される(ステップST61~ST63)。
【0057】
なお、本実施の形態における第2点火許可閾値A2及び第3着火閾値V3はそれぞれ、実施の形態1における第1点火許可閾値A1及び第2着火閾値V2と異なるが、第1着火閾値V1、第1及び第3判定時間T1,T3、タイムアップ時間Tu、並びに第2変位閾値ΔVtはそれぞれ、実施の形態1における第1着火閾値V1、第1及び第2判定時間T1,T2、タイムアップ時間Tu、並びに第1変位閾値ΔVsと同一であってもよいし、異なってもよい。
【0058】
炎検出器25の検出値Vdが第3着火閾値V3を超えないか(ステップST61で、No)、または上記変位量ΔVdが第2変位閾値ΔVt以上の上昇を示さない状態のまま(ステップST62で、No)、着火判定時間Taが第3判定時間T3に達した場合(ステップST63で、Yes)、実施の形態1と同様に、所定の報知がされるとともに(ステップST64)、図示しない着火判定時間Taの計測が終了され、ガスの供給が遮断される。
【0059】
一方、着火判定時間Taが第3判定時間T3に達するまでの間に(ステップST63で、No)、炎検出器25の検出値Vdが第3着火閾値V3を超え、且つ上記変位量ΔVdも第2変位閾値ΔVt以上の上昇を示した場合(ステップST61及びST62で、Yes)、コンロバーナ21が正常に着火された状態、すなわち、再点火された状態であるとして、制御回路50は、着火判定時間Taの計測を終了させる(ステップST65)。
【0060】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、コンロバーナ21の消火指示がなされた後、炎検出器25の検出値Vdが第2点火許可閾値A2を下回った場合、すなわち、検出値Vdに所定の閾値を超える変化があった場合、コンロバーナ21が再点火可能な状態であると判定されて、再点火動作が許可される。従って、コンロバーナ21の消火後、再点火させる場合、着火検出が誤って判定される可能性が低い状態で再点火動作を開始させることができる。特に、本実施の形態によれば、コンロバーナ21の再点火動作の可否を判定するための第2点火許可閾値A2が設定されているため、閾値が設定されておらず炎検出器25の検出値Vdが消火直後の非常に高い状態でも再点火可能な場合に比べて、炎検出器25の検出値Vdが低下した着火検出が誤って判定される可能性が低い状態で再点火動作を開始させることができる。また、コンロバーナ21の着火を判定するための第1着火閾値V1より大きな第2点火許可閾値A2が設定されているため、早期に再点火動作を開始させることができる。これにより、再点火時に正確に着火検出することができるとともに、利便性を向上させることができる。
【0061】
一方、本実施の形態によれば、コンロバーナ21の消火動作が開始されたにも関わらず、炎検出器25の検出値Vdが第2点火許可閾値A2を下回らなかった場合、すなわち、所定の閾値を超える変化がなかった場合、再点火動作は許可されない。これにより、着火検出が誤って判定されやすい状態での再点火動作の開始を防止することができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、再点火動作を開始させてから第3判定時間T3内に、炎検出器25の検出値Vdが第2点火許可閾値A2以上の第3着火閾値V3を超え、且つ第2変位閾値ΔVt以上、上昇するかどうかからコンロバーナ21の着火状態を判定するから、早期に再点火動作が開始される場合でも、再点火時にコンロバーナ21の着火状態を判定するにあたって、再点火時の炎検出器25の検出値Vd(すなわち、再点火判定基準値Vx)から検出値Vdに一定の上昇があったかどうかを確実に判定することができる。なお、再点火における着火判定は、第3判定時間T3内で、炎検出器25の検出値Vdが第3着火閾値V3を超えるか、または第2変位閾値ΔVt以上、上昇するかのいずれか一方により行ってもよい。また、第2変位閾値ΔVtは、単位時間あたりの検出値Vdの変位量であってもよい。
【0063】
また、本実施の形態によれば、コンロバーナ21が再点火可能な状態であると判定される前に再点火指示がなされた場合、上記のコンロバーナ21が再点火可能な状態であると判定されるまで再点火動作が開始されないから、着火状態が誤って判定される可能性がより低い状態で再点火動作を開始させることができる。しかも、本実施の形態によれば、コンロバーナ21の消火動作が開始されてから再点火可能な状態であると判定されるまでの間に再点火指示がなされた場合、再点火可能な状態であると判定された段階で自動的にコンロバーナ21の再点火動作が行われる。これにより、利便性を向上させることができる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、コンロバーナ21が正常に消火されていないときや再点火でコンロバーナ21が正常に着火されていないときに、安全にコンロバーナ21の作動を停止させることができる。
【0065】
(その他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、消火指示がなされるかまたは消火動作が開始された後の炎検出手段の検出値が第1または第2点火許可閾値を下回るかどうかに基づいて加熱手段が再点火可能な状態であるか否かが判定される。しかしながら、予め消火後の炎検出手段の検出値を測定することにより、炎検出手段の検出値の変位量が所定の第3変位閾値を超えて降下したり、経過時間が所定の再点火時間閾値を超えたりするかどうかに基づき、加熱手段が再点火可能な状態であるかどうかが判定されてもよい。これによれば、加熱手段の消火から比較的早い段階で再点火可能かどうかを判定することができる。従って、利便性を向上させることができる。
【0066】
(2)上記実施の形態では、コンロバーナの制御動作について説明したが、本発明は、グリル庫内に設けられたグリルバーナの制御動作についても適用することができる。また、両面焼きグリルの場合、上火バーナ及び下火バーナのそれぞれの制御動作について適用してもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 加熱調理器
21 コンロバーナ(加熱手段)
25 炎検出器(炎検出手段)
26 バルブユニット
27 元弁
44 点消火操作子(点消火指示手段)
50 制御回路(制御手段)
図1
図2
図3
図4