(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230406BHJP
【FI】
A63F7/02 312A
(21)【出願番号】P 2020133480
(22)【出願日】2020-08-06
【審査請求日】2021-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和輝
【審査官】森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-204914(JP,A)
【文献】特開2005-066329(JP,A)
【文献】特開2019-041871(JP,A)
【文献】特開2009-011627(JP,A)
【文献】特開2018-075126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域を形成する遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、
前記遊技領域を流下した遊技球が回収される回収通路と、
前記回収通路に遊技球が到達可能な入球口の位置を前記回収通路より上方に設置可能な構造部材とを備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
遊技球の発射方向に沿って前記外レールが前記遊技盤に取り付けられた状態において、前記外レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲とし、前記外レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲とし、前記外レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲とすると、
前記所定の案内部は、前記第3の範囲には形成されていないことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技領域を遊技球が流下する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、発射装置により発射された遊技球が遊技盤の遊技領域を流下し、一般入賞口または始動入賞口に入球すると、所定個数の遊技球が賞球として払い出されるものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
また、このような遊技機において、遊技盤には外レールが設けられており、発射装置により発射された遊技球は、発射方向に延びる外レールに案内されて遊技領域に打ち込まれる(例えば、特許文献2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-99181号公報
【文献】特開2018-89073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、演出上の違和感を軽減させつつ、外レールを正確かつ容易に取り付けることができる斬新な遊技機が望まれている。
【0006】
そこで、本発明は、演出上の違和感を軽減させつつ、外レールを正確かつ容易に取り付けることができる斬新な遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の解決手段及び括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明は、以下の解決手段に示す各発明特定事項を少なくとも1つ含む発明とすることができる。さらに、以下の解決手段に示す各発明特定事項には、発明特定事項を限定する要素を追加して下位概念化することができ、発明特定事項を限定する要素を削除して上位概念化することもできる。
【0008】
解決手段1:本解決手段の遊技機は、遊技領域を流下した遊技球が回収される回収通路と、前記回収通路に遊技球が到達可能な入球口の位置を前記回収通路より上方に設置可能な構造部材(入球口部材)とを備えた遊技機である。
【0009】
通常、遊技球を媒体として行われる遊技では、遊技者が所持又は保有(借り球)した遊技球を遊技領域内に発射し、遊技球が遊技領域を流下することで各種の事象が発生し得る。発生し得る事象としては、例えば所定の入口に遊技球が入球することが挙げられ、場合によっては、遊技球の入球によって賞球(遊技球の払い出し)が付与される契機ともなり得る。この他にも発生し得る事象として、遊技球を流下した遊技球が回収通路を通じて回収されるということも挙げられる。これは、遊技領域内に発射された遊技球は、最終的に遊技機の内部(例えば、本体の裏側)に回収される必要があるからである。
【0010】
ただし、遊技領域内で流下や転動する遊技球は、最終的に何らかの事象を発生させるまでは遊技者の所持対象物であることから、事象が発生する前までは遊技球の存在が遊技者から視認可能な状態である必要がある。このため、例えば回収通路に遊技球が回収されるという事象が発生し得る場合、回収されるまでは遊技球が遊技者から視認可能でなければならないと一応は考えられる。
【0011】
その上で本解決手段の遊技機は、回収通路に到達可能な入球口の位置を回収通路より上方に設置可能な構造部材を備える。この場合、入球口に遊技球が入球したということをもって、当該遊技球が回収通路に到達することは既に確定しているため、入球口への入球という事象の発生は、そのまま遊技球が回収されるという事象の発生と同等である。そして、設置される入球口の位置が回収通路より上方であることは、遊技者にとって視認がより容易になることを意味する。これにより、回収という事象を発生させる際の遊技球の視認性を向上し、斬新な遊技を実現することができる。
【0012】
解決手段F1:本解決手段の遊技機は、遊技領域を形成する遊技盤と、前記遊技盤に設けられた外レールと、前記遊技領域を流下した遊技球が回収される回収通路と、前記回収通路に遊技球が到達可能な入球口の位置を前記回収通路より上方に設置可能な構造部材とを備え、前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、前記外レールが前記遊技盤に遊技球の発射方向に沿って取り付けられた状態において、前記外レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲とし、前記外レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲とし、前記外レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲とすると、前記所定の案内部の数は、前記第1の範囲では前記第2の範囲以上(例えば、第1の範囲では3個、第2の範囲では2個)であり、前記第1の範囲では前記第3の範囲以上である(例えば、第3の範囲では0個)ことを特徴とする遊技機である。
【0013】
本解決手段によれば、上記解決手段の斬新な特徴に加えて、発射された遊技球から外レールが受ける衝撃が最も大きく、かつ、外レールの配置について特に正確さが求められる発射装置側(発射装置により近い部分)に所定の案内部の数を多くし、発射装置側での外レールのずれや振動の発生を確実に防止することができる。また、外レールが遊技球から受ける衝撃が小さく、かつ、遊技に与える影響が少ない終端側では所定の案内部の数を少なくすることで、外レールの加工やレールベースへの取り付けを容易にすることができる。
さらに、本解決手段によれば、演出上の違和感を軽減させつつ、外レールを正確かつ容易に取り付けることができる。
なお、本解決手段には、上述した解決手段1による特徴を追加することができる。
そして、上述した各解決手段によれば、斬新な遊技機を提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、演出上の違和感を軽減させつつ、外レールを正確かつ容易に取り付けることができる斬新な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】遊技盤ユニットの一部を拡大して示す正面図である。
【
図5】遊技盤ユニットと下部アタッチメントとの位置関係を示す部分的な斜視図である。
【
図7】構造部材によるアウト口の設置を示す図である。
【
図8】遊技盤ユニットへの構造部材の取付構造を示す図である。
【
図9】下部アタッチメント及び遊技盤ユニットを遊技者の視点で示した斜視図である。
【
図12】パチンコ機に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。
【
図13】追加実施形態のパチンコ機の正面図である。
【
図14】追加実施形態のパチンコ機の背面図である。
【
図15】追加実施形態の遊技盤ユニットを単独で示す正面図である。
【
図18】遊技板、外レール及びレールベースを示す図である。
【
図19】外レールに遊技球が接触する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、
図2は、パチンコ機1の背面図である。以下、
図1及び
図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
ここで、本実施形態では、パチンコ機1に相対するようにして着席した遊技者から見て左側を左とし、遊技者から見て右側を右とし、遊技者から見て上側を上とし、遊技者から見て下側を下とし、遊技者から見て手前側を前とし、遊技者から見て奥側を後として説明している。
【0017】
パチンコ機1は、遊技を実行する遊技機であって、遊技媒体としての遊技球を用いて遊技を行うものである。遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1にて遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。
【0018】
〔全体構成〕
パチンコ機1は、外枠ユニット2、一体扉ユニット4(開閉可能な扉部材)及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠、枠部材)を備えている。一体扉ユニット4は、パチンコ機1の最も前面側に配置されており、一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が配置されており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
【0019】
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定される。
【0020】
一体扉ユニット4には、その下部位置に受皿ユニット6が配置されている。受皿ユニット6は、一体扉ユニット4の前方に設けられ、遊技球を貯留可能なユニットである。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の左側端部に沿って垂直方向に延びている。
【0021】
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部には、その内側に不図示の統一錠ユニットが設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。
図1に示すように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニットは施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
【0022】
また、内枠アセンブリ7の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニットが作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
【0023】
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで(内枠アセンブリ7が外枠ユニット2に固定されたままで)、一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。なお、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ移動する。
【0024】
上記の遊技盤ユニット8(遊技盤、遊技用ユニット)は、一体扉ユニット4の背後(内側)で内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、窓4aの形状をカバーできる大きさにカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。また、遊技盤ユニット8の前面には遊技領域が形成されており、この遊技領域は窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
【0025】
遊技盤ユニット8には、遊技に必要な要素が配置されており(
図1では省略されている)、例えば、普通図柄に対応する始動ゲートや特別図柄に対応する始動入賞口、一般入賞口(他穴入賞口)、電動役物(普通電動役物及び特別電動役物)、図柄表示装置(普通図柄表示装置及び特別図柄表示装置)、統合表示基板、演出表示装置(液晶表示器)等が配置されている。流下した遊技球が始動ゲートや始動入賞口に入球することにより、普通図柄抽選や特別図柄抽選が実行され、抽選結果に応じて特別遊技(大当り遊技、小当り遊技、普通図柄当り遊技等)が実行される。そして、特別遊技によって遊技者は多くの出球を獲得することができる。このような遊技の進行に関する内容は主制御装置が制御し、演出に関する内容は演出制御装置が主制御装置からのコマンドに基づいて制御する。
【0026】
受皿ユニット6は、一体扉ユニット4から前面側へ突出して配置されており、その上面に球皿6bが形成されている。この球皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の図示しない払出装置ユニットから受皿ユニット6(球皿6b)に払い出される。
【0027】
受皿ユニット6の上面には図示しない貸出操作部が設けられており、この貸出操作部には、球貸ボタン及び返却ボタンが配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタンを遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。また、貸出操作部の上面には図示しない度数表示部が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタンを操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。
【0028】
また、受皿ユニット6の上段左側には、図示しない第1球抜きボタンが設置されており、受皿ユニット6の上段右側には、図示しない第2球抜きボタンが設置されている。球皿6bが満杯になった場合、第1球抜きボタンや第2球抜きボタンを押し込み操作することで、球抜き孔が開放され、これにより遊技球をパチンコ機1の下方に流すことができる。第1球抜きボタンや第2球抜きボタンを押し込み操作すると、球皿6bに貯留された遊技球は下方に落下し、落下した遊技球は、図示しない球受け箱や遊技球計数装置等に受け止められる。
【0029】
受皿ユニット6の右下には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者がこのハンドルユニット16を操作すると、図示しない発射制御基板セットが作動し、遊技領域に向けて遊技球を発射することができる(発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、発射レール(参照符号なし、外レール及び内レールがあり、外レールを外バンドとも称する)に案内されて遊技領域内に放り込まれる。遊技領域内には多数の障害釘や風車(いずれも図示されていない)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域内を流下する。
【0030】
パチンコ機1には、上ランプ46、左ランプ48及び右ランプ50が設置されている。これらのランプは、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により光演出を実行する。
【0031】
〔スピーカ〕
パチンコ機1には、上ランプ46の左側に配置された左上スピーカ54aや、上ランプ46の右側に配置された右上スピーカ54b、受皿ユニット6の左側に配置された左中スピーカ54eや、受皿ユニット6の右側に配置された右中スピーカ54f、一体扉ユニット4の下部に配置された幕板スピーカ54gが組み込まれている。これらのスピーカは、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して音演出を実行する。
【0032】
〔上部アタッチメント〕
一体扉ユニット4の上部には、上部アタッチメント400が取り付けられている。上部アタッチメント400は、上ランプ46、左上スピーカ54a、右上スピーカ54b、センサ及びこれらの部品を制御するIC等を含んでいる。上部アタッチメント400は、一体扉ユニット4に取り付け可能(取り外し可能、交換可能)であり、上部アタッチメント認証ID(所定の識別情報)を有する取付部材である。上部アタッチメント400は、演出制御装置と通信可能である。
【0033】
例えば、A機種にはA機種用の上部アタッチメントを取り付ける必要がある。A機種にB機種用の上部アタッチメントを取り付けても、B機種用の上部アタッチメントは正常に動作しない。この点は、下部アタッチメントにおいても同様である。正しい組み合わせであるか否か(アタッチメント認証IDが正常であるか否か)は、アタッチメントから取得するアタッチメント認証IDと、演出制御装置のROM等に記憶されているアタッチメントのID情報とを比較することにより判断することができる。アタッチメント認証IDは、各種センサ(可動体等のセンサ)からの入力信号のように読み込めるようになっている。なお、アタッチメント認証IDは、固定値である。
【0034】
〔下部アタッチメント〕
一体扉ユニット4の下部中央には、下部アタッチメント500が取り付けられている。下部アタッチメント500は、演出切替ボタン510、レバー部材520、図示しない駆動機構及びこれらの部品を制御するIC等を含んでいる。下部アタッチメント500は、一体扉ユニット4に取り付け可能(取り外し可能、交換可能)であり、下部アタッチメント認証ID(所定の識別情報)を有する取付部材である。
【0035】
演出切替ボタン510は、下部アタッチメント500の中央に配置されており、複数種類の操作入力(1回押下、複数回押下、連打、長押し等)を受付可能である。レバー部材520は、演出切替ボタン510の左右に配置され、上下方向に延びた棒状の2つの部材である。レバー部材520は、単なる装飾物であってもよく、複数種類の操作入力(倒し込み、引き寄せ、1回押し込み、複数回押し込み、長押し等)を受付可能な部材であってもよい。
【0036】
そして、遊技者が演出切替ボタン510を操作することにより、入力信号が演出制御装置に入力される。これにより、演出制御装置は、演出内容(例えば液晶表示器に表示される演出の内容)を切り替えたり、図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、ボタン押下演出、レバー部材押し込み演出等)を発生させたりする。
【0037】
その他に、受皿ユニット6の上面には、貸出操作部に隣接して方向キー(不図示)が設置されている。方向キーは上下左右の方向を示す4つのキースイッチを十字形状に配列したものであり、各方向別のキースイッチは独立して押し込み操作可能である。遊技者は演出上の様々な場面で方向キーを押し込み操作することで、液晶表示器の画面上に表示されるカーソル等を任意に移動させることができる。
【0038】
〔裏側の構成〕
図2に示すように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、演出制御基板ユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図を参照しながらさらに後述する。
【0039】
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域に視認可能な態様で主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ200は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて視認可能である。
【0040】
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチであり、本実施形態においては、設定変更用のスイッチとしても兼用される。設定キー用鍵穴306は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更又は参照する上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
【0041】
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。したがって、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
【0042】
なお、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306の配設位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
【0043】
払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。払出制御基板ユニット176には、払出制御装置が内蔵されており、演出制御基板ユニット178には、演出制御装置が内蔵されている。
【0044】
また、外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
【0045】
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
【0046】
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に遊技領域8aが形成されている。なお、発射レールは遊技板8bの左下隅位置から遊技板8bの右上隅位置まで時計回り方向に延びている。
【0047】
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、特殊遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。なお、遊技領域8aの左側部分は、高確率非時間短縮状態(有利遊技状態)においても使用される。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が分布して設置されている。
【0048】
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。ここで、可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側で、かつ、可変始動入賞装置28の下方に配置されている。さらに、左側の4つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の2つの普通入賞口24(所定の入賞口)は、始動ゲート20の右側に1つと、可変入賞装置30の左方に1つが配置されている。なお、始動ゲート20の右側にある普通入賞口24がアウト口であってもよい。このうち、始動ゲート20、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30は、前面側が透明板で覆われている。このため、
図1では透明板に隠れて示されていないが、
図3では破線で示されている。
【0049】
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置30に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の可変入賞装置30に入球するか、普通入賞口24に入球する可能性がある。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
【0050】
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
【0051】
一方、可変始動入賞装置28や、可変入賞装置30、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
【0052】
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28a(所定の入球口)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28には、スライド式の開閉部材28bが設けられている。開閉部材28bは、盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式電チュー)。そして、この開閉部材28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材28bは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材28bの上面を右方へ転動することになるため、右始動入賞口28aへの入球は不能又は困難(可変始動入賞装置28は閉塞中)である。そして、可変始動入賞装置28が作動すると、開閉部材28bが盤面の内部に引き込まれ、右始動入賞口28aを開放する(開放状態)。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、右始動入賞口28aへの入球という事象を発生させることができる。なお、可変始動入賞装置28は、開閉部材がその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位して、右始動入賞口を開放する装置であってもよいし、舌片型の開閉部材が前後方向にスライドし、開閉部材が奥側に引っ込んだ状態では入球を困難にし、前方に突出した状態で入球を容易にするタイプであってもよい。
【0053】
可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、特別入球事象発生手段)。可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置された装置であり(いわゆる下アタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。可変入賞装置30は、開閉部材30aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材30aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材30aの上面を左方へ転動することになるため、大入賞口30bへの入球は不能又は困難(大入賞口30bは閉塞中)である。そして、可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。
【0054】
可変入賞装置30に入球した遊技球は、最初にカウントスイッチ85にて入球したことが検出される。そして、入球が検出された遊技球は、可変入賞装置30の下部位置で排出スイッチ81を通過し、可変入賞装置30から排出されたことが検出される。
【0055】
遊技盤ユニット8には、遊技領域8aの内側位置や遊技板8aの裏側に隠れた位置に演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
【0056】
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f,40gとともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40f,40gは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40f,40gを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
【0057】
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
【0058】
さらに、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は、最終的にアウト口32に入球する(遊技球の流下により発生可能な事象の1つとなる。)。アウト口32は、例えば中始動入賞口26の左右位置に1つずつ配置されており、左右いずれかのアウト口32に入球した遊技球は、最下方位置にある回収通路32aを通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。ただし、回収通路32aの前面側には構造部材32bが配置されており、回収通路32aは前面側から視認されなくなっている。上記2つのアウト口32は、構造部材32bの上縁部にて形成されている。なお、構造部材32b及びアウト口32については、さらに別の図面を参照しながら後述する。
【0059】
また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、右始動入賞口28a、可変入賞装置30に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
【0060】
図4は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。図示されるように、遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。
【0061】
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
【0062】
普通図柄作動記憶ランプ33aは、始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
【0063】
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
【0064】
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
【0065】
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
【0066】
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
【0067】
統合表示基板89に実装されたこれらのLEDランプは、その点灯又は消灯の切り替えを制御する目的で、異なる4つの制御領域(以下、「コモン」と称する)に区分けされている。見方を変えると、統合表示基板89には4つのコモンが存在し、個々のランプはいずれか1つのコモンに属している。本実施形態においてはダイナミック点灯方式が採用されており、ランプの駆動は割込周期(例えば4ms)の間隔をおいてコモン単位で順に行われる。したがって、統合表示基板89に実装された全てのランプが同時に駆動されることはない。
【0068】
〔遊技領域の視認性〕
図5は、遊技盤ユニット8と下部アタッチメント500との位置関係を示す部分的な斜視図である。
図5では、遊技盤ユニット8が一部(遊技板8bの前面側)のみ示されており、また、下部アタッチメント500は、一体扉ユニット4から分離した状態で単独で示されている。したがって、外枠ユニット2、一体扉ユニット4、受皿ユニット6、内枠アセンブリ7等は
図5に示されていない。
【0069】
パチンコ機1での遊技に際し、遊技者は主に遊技領域8a内を流下する遊技球を注意して視認したり、演出ユニット40で行われる各種の演出動作を視認したりする。また、一体扉ユニット4で行われる各種の演出動作も適宜視認する。さらには、演出の実行に際して下部アタッチメント500を遊技者が操作することもある。
【0070】
ここで、下部アタッチメント500は、演出切替ボタン510やレバー部材520の操作を通じて演出内容を遊技者に体感させやすくするため、操作性を考慮した大きさ、形状及び配置となっている。このような下部アタッチメント500は、遊技盤ユニット8に正対する矢印X方向から見ると、ちょうど遊技領域8aの手前側に重なるため、下部アタッチメント500越しの正面視(矢印X方向視)では、遊技領域8aの下部分が下部アタッチメント500に隠れることになる。ただし、遊技者の平均的な視点の位置は下部アタッチメント500よりも高い位置にあり、実際の視認範囲は異なっている。
【0071】
図6は、遊技者の視認範囲を示す図である。ここでは、
図5に示す位置関係で、遊技盤ユニット8及び下部アタッチメント500を右側方から示している。また、
図12では外枠ユニット2、一体扉ユニット4、受皿ユニット6、内枠アセンブリ7等が二点鎖線で示されている。
【0072】
例えば、平均的な体格の遊技者が遊技場の図示しない椅子に着座し、パチンコ機1で遊技する場合、遊技者の視点EPの位置は、概ね遊技領域8aの中央付近となる。この場合、遊技者が遊技領域8a全体を視認するためには、上下方向で角度αの範囲内に遮蔽物が存在していないことが条件となる。
【0073】
ただし、本実施形態では下部アタッチメント500が角度αの範囲内に一部入り込む位置関係にある。このため、遊技者の平均的な視点EPからの視認性は、上側大部分の角度Aの範囲内については何ら問題ないものの、下部アタッチメント500が入り込む角度Bの範囲内(主に演出切替ボタン510によって遮られる範囲内)については視認性に考慮する必要がある。以下、この点について説明する。
【0074】
図7は、構造部材32bによるアウト口32の設置を示す図である。
上記のように、遊技領域8aの最下部位置には回収通路32aが形成されており、回収通路32aは遊技盤ユニット8の裏側に通じている。このため、遊技領域8aを流下した遊技球のうち、普通入賞口22,24、中始動入賞口26、右始動入賞口28a、大入賞口30bに入球しなかった遊技球は、最終的に回収通路32aを通って回収されることになる。
【0075】
このとき、回収通路32aの手前側には構造部材32bが配置されており、この構造部材32bは、回収通路32aに遊技球が到達可能な入球口の位置を回収通路32aより上方に配置することで、アウト口32を遊技領域8aの最下部位置よりも上方位置(例えば高さH上方)に形成している。すなわち、遊技領域8aを流下してきた遊技球がアウト口32に入球した場合、その遊技球は回収通路32aに到達する(回収される)ことが確定しており、構造上、回収通路32a以外に到達することはないので、アウト口32への入球をもって、「回収通路32aを通じて裏側へ回収」という事象を発生させることが可能となっている。
【0076】
上記のような構造部材32bの構造及び機能を外見上でも明確化するため、構造部材32bの前面には、アウト口32に沿って例えば「OUT」の文字情報LTが付されている。これにより、アウト口32が遊技球の入球により「アウト球」となる構造物であることを明示し、遊技者にアウト口32の配置や存在を明確に認識させることができる。
【0077】
なお、本実施形態では、構造部材32bの上縁中央部分が中始動入賞口26を配置する構成を兼ねるものとなっている。
【0078】
〔取付構造〕
図8は、遊技盤ユニット8への構造部材32bの取付構造を示す図である。
図8中(A):上記のように構造部材32bは、回収通路32aの前面側を覆うようにして遊技盤ユニット8に取り付けられている。構造部材32bは、盤面に対して平行な板状材で構成されており、正面視では「凸」の文字を横長に変形させたような形状をなしている。また、盤面に対向する奥側面には板状の仕切部材32c,32dが突出して形成されている。
【0079】
図8中(B):取付状態において構造部材32bの上縁には、中央部分に中始動入賞口26が形成され、その両側に一対のアウト口32が形成される。そして、構造部材32bの両側縁部にある一対の仕切部材32cは、アウト口32に入球した遊技球を斜め下方(中央方向)へ誘導し、回収通路32aへの到達を円滑にする。また、中央上縁部に位置する一対の仕切部材32dは、構造部材32bの奥側位置で下方に延び、互いに連結されて「U」字形状をなしている。これにより、中始動入賞口26に入球した遊技球は、仕切部材32dによって盤面奥側へ誘導されるものとなっている。
【0080】
〔遊技者視点〕
図9は、下部アタッチメント500及び遊技盤ユニット8を遊技者の視点で示した斜視図である。
図9中(A):遊技者の平均的な視点からは、遊技領域8aの一部(中央下部)が下部アタッチメント500越しに視認される。このとき、演出切替ボタン510によって構造部材32bの一部(中央下部)は遮られるが、構造部材32bの上縁部は遮られることなく、良好に視認可能な範囲内にある。
【0081】
図9中(B):このため本実施形態によれば、構造部材32bの上縁で構成されるアウト口32は遊技者から確実に視認可能となる。これにより、遊技領域8a内を流下する遊技球がアウト口32に入球した場合、それによって「アウト球」となったことを遊技者に正しく認識させることができる。
【0082】
〔比較例〕
次に、比較例との比較をもって本実施形態の優位性を検証する。
図10は、比較例として挙げた下部アタッチメント500及び遊技盤ユニット8を同視点(遊技者の視点)で示した斜視図である。
図10中(A):比較例の場合、本実施形態で用いる構造部材32bは配置されていない。このため、中始動入賞口26は、例えばカバー部材26aで構成される。カバー部材26aは、中始動入賞口26に入球した遊技球を盤面奥側へ誘導する構造である。
【0083】
図10中(B):一方、遊技領域8aの最下部位置に回収通路32aが形成されているため、回収通路32aの入口(開口縁)が比較例ではアウト口となる。この場合、演出切替ボタン510によって回収通路32a全体が遮られるため、遊技者の視点からアウト口(回収通路32a)を視認することは困難である。したがって、遊技球が遊技領域8aの最下部位置まで流下した場合、遊技者はその遊技球を見失うことになり、「アウト球」となったのか「セーフ球」となったのかの結果を見届けることができないまま遊技球を回収されてしまうことになるため、遊技の公正が阻害されるという問題が生じる。
【0084】
この点、本実施形態では、アウト口32が演出切替ボタン510等で遮られることなく、その存在を明確に視認可能としているため、遊技領域8aの最下部近傍まで流下してきた遊技球がアウト口32に入球した場合、その遊技球が「アウト球」となったことを明確に認識させることができ、遊技の公正を保証することができる。
【0085】
〔別形態例〕
図11は、構造部材32bの別形態例を示す図である。
図11に示されているように、構造部材32は、上縁部が「凸」字形状でなくてもよい。ここでは、例えば三角形の頂部を切り取ったような形状(いわゆる富士山型)の上縁部形状を挙げている。この場合、アウト口32の位置がさらに上方(高さH上方)に位置付けられるため、より視認性の向上に寄与する。その他の点は先の実施形態と同じである。
【0086】
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。
図12は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
【0087】
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数回路75や割込コントローラ(割込CTR)192、パラレルI/Oポート79、タイマ回路(PTC)194、シリアル通信回路(SCU)196が装備されている。このうち乱数回路75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は主制御CPU72に入力される。また、割込コントローラ192は、パラレルI/Oポート79、タイマ回路194、シリアル通信回路196から各割込要求(XINT割込、PTC割込、SCU割込)を受け付け、これらの割込要求を優先順位に基づき制御する。その他にも主制御装置70には、図示しないクロック発生回路、様々な状態を監視し必要に応じてリセットを発生させるリセットコントローラ等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。なお、主制御装置70のI/Oポートはシリアル形式としてもよい。
【0088】
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300、設定キースイッチ302、RAMクリアスイッチ304が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する複数段階の設定値)を切り替える装置であり(設定変更手段)、RAMクリアスイッチ304等の操作により作動する。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更の手順は、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
【0089】
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)次いで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の裏側には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
【0090】
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
【0091】
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定の変更が可能な状態となる。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる。
【0092】
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、予め設けられた複数段階のうちいずれかの段階に設定を変更することができる。
設定値は、例えば、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)、性能表示モニタ200に表示することができる。
【0093】
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
【0094】
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キー用鍵穴306から設定キーを抜き取ることができる状態となる。また、設定の変更が確定したことに伴い、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38、性能表示モニタ200に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
【0095】
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
【0096】
〔設定変更状態〕
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源が投入されると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する。
【0097】
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)への表示はなされず、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。また、性能表示モニタ200において、左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示されるとともに、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「-1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチ304が押下されると、設定値が1~6の範囲で変化する。そして、「設定キーOFF」となると、設定が確定され、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「-」のセグが消灯する(非表示となる)。
【0098】
この状態で、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)には、設定変更中の状態が終了し、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
【0099】
なお、本実施形態では、RAMクリアスイッチ304が設定変更スイッチを兼ねる構成としているが、RAMクリアスイッチ304を兼用せずに設定変更スイッチを別途設ける構成としてもよい。
【0100】
〔設定確認状態〕
一方、「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源が投入されると、設定確認中の状態(設定確認状態、設定確認モード)に移行する。
【0101】
設定変更中の状態と同様に、設定確認中の状態では、メイン表示器への表示はなされず、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。また、性能表示モニタにおいて、左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示されるとともに、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。なお、設定確認中の状態では、RAMクリアスイッチ304が押下されても設定値は変化しない。
【0102】
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)には、設定確認中の状態が終了し、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
【0103】
なお、本実施形態では、遊技可能状態で設定確認を行うことはできないが、遊技可能状態で設定確認を実行可能にしてもよい。
【0104】
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ85が装備されている。また、可変入賞装置30内には上記の排出スイッチ81が設けられている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、カウントスイッチ85は、可変入賞装置30(大入賞口30b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。排出スイッチ81は、可変入賞装置30に入球した遊技球の排出数をカウントするためのものである。
【0105】
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ84とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
【0106】
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、排出スイッチ81、カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86及び第2入賞口スイッチ84からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
【0107】
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0108】
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチ99で検出された遊技球の数)で除算して算出されるベースを表示するためのモニタである。ベースは、遊技を進行させる制御に用いられる使用領域とは別の領域(使用外領域)を用いて予め設定された区間ごとに算出され、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔ごとに切り替わって表示される。性能表示モニタ200は、主制御CPU72からの制御信号に基づいてその表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ200に対する制御信号を出力し、各7セグメントの点灯状態を制御する。
【0109】
なお、性能表示モニタ200は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ200を配置してもよい。
【0110】
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0111】
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
【0112】
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
【0113】
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
【0114】
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
【0115】
また、パチンコ機1には、例えば球皿6bの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて球皿6bに放出され、球皿6bが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
【0116】
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている(球発射手段)。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
【0117】
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
【0118】
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
【0119】
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
【0120】
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126が回路基板(複合サブ制御基板)上に装備されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUコアとともにRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリを内蔵したLSIとして構成されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側に配置されている。
【0121】
その他にも演出制御装置124には、VDP152やドライバIC132、音声IC134等の演出を実現する上で必要となる様々な機能部品が搭載されている。このうちVDP152は、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面を描画するためのプロセッサである。ドライバIC132は、上ランプ46、左ランプ48、右ランプ50や盤面ランプ53、可動体モータ57、ランプ61(
図1には示されていない)、ランプモータ62、ボタンモータ63等のデバイスを制御するICを搭載している。また、音声IC134は、スピーカ54a~54gの駆動を制御する。
【0122】
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種演出用のコマンド(以下、「演出コマンド」と称する。)のバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバ(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
【0123】
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプに印加されている。また、サブ接続基板136には、方向キー66の他に図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者がこれらの操作部材を操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、方向キー66や音量調整スイッチは、下部アタッチメント500に接続するようにしてもよい。
【0124】
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ部138が設置されている。ドライバ部138は1つの基板により構成されていてもよく、拡張性を持たせるために複数の基板により構成されていてもよい。ドライバ部138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して可動体40fを駆動する。また、ドライバ部138には、上部アタッチメント400及び下部アタッチメント500が接続されている。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ部138を経由して盤面ランプ53、可動体モータ57、ランプモータ62、上部アタッチメント400及び下部アタッチメント500に送信される。
【0125】
上部アタッチメント400には、上ランプ46、左上スピーカ54a、右上スピーカ54b、ランプモータ62が接続されている。ランプモータ62は、例えば図示しないリンク機構を介して上ランプ46を駆動する。なお、上部アタッチメント400には、上ランプ46の可動位置を検出するセンサを配置してもよい。また、上ランプ46は可動式でなくてもよい。
【0126】
また、下部アタッチメント500には、下部アタッチメント500に内蔵されたランプ61、ボタンモータ63、演出切替ボタン510が接続されている。ボタンモータ63は、演出切替ボタン510を昇降させるためのステッピングモータである。ボタンモータ63は、演出制御装置124から送信される駆動信号に基づいて駆動され、演出切替ボタン510を通常の状態(初期位置)又は突出した状態(最大可動位置)のいずれかに切り替えることができる。また、遊技者が演出切替ボタン510を操作すると、演出切替ボタン510の接点信号がドライバ部138を通じて演出制御装置124に入力される。
このように、演出制御装置124(演出制御CPU、演出制御部)は、上部アタッチメント400や下部アタッチメント500と通信可能である(制御手段)。
【0127】
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
【0128】
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
【0129】
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
【0130】
以上説明したように、本実施形態(別形態例を含む)によれば、以下のような効果がある。
(1)アウト口32を構造部材32bの上縁部にて構成することで、アウト口32の位置を視認性の高い位置に設定することができる。これにより、遊技者の視点からアウト口32の視認性が向上し、より容易に遊技球が「アウト球」となったか「セーフ球」となったかの認識が可能となり、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
【0131】
(2)また、構造部材32bによってアウト口32の視認性を向上することにより、下部アタッチメント500のような比較的大型である演出用の部材を配置しても、遊技の公正を阻害することがなく、演出の多様性を広げ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
【0132】
(3)さらに、構造部材32bによってアウト口32の配置の自由度を高めることができる。これにより、下部アタッチメント500のような演出装置との位置関係だけに限らず、遊技領域8a内に配置されるその他の構造物との位置関係についても自由に設定することができるので、遊技性の幅が拡がり、結果として斬新な遊技機を提供することができる。
【0133】
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様や各種数値はあくまで例示であり、上述した内容に限定されるものではない。
【0134】
構造部材32bの形状は、一実施形態及び別形態例で挙げたものに限られず、種々の形状とすることができる。また、文字情報LTは英文字に限らず、片仮名文字の「アウト」とすることもできる。
【0135】
一実施形態及び別形態例は、アウト口32について構造部材32bを適用した例を挙げているが、回収通路32aを各種の入賞球(セーフ球)に関する通路とすることで、入賞口についても構造部材を適用することができる。この場合、始動入賞口を構造部材によって配置し、構造部材の奥側位置に入賞球の通路を形成することで、通路に到達可能な遊技球の入球口(つまり入賞口)の位置を通路より上方に設置することができる。
【0136】
一実施形態等では、アウト口32を中始動入賞口26の両側に2つ配置しているが、アウト口32はいずれか一方に1つだけ配置してもよい。また、構造部材32bが左右対称の形状でなくてもよい。
【0137】
その他の構成はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能である。
【0138】
〔追加実施形態〕
次に、上述した各種実施形態のパチンコ機1に追加して実施することが可能な構成を備えた追加実施形態について説明する。
【0139】
図13は、追加実施形態のパチンコ機の正面図である。また、
図14は、追加実施形態のパチンコ機の背面図である。なお、以下の説明では、基本的には、上述した各種実施形態と同様の説明は省略しているが、重複して説明している箇所もある。また、図中の符号については、上述した各種実施形態と同一の符号を付している部分もあれば、異なる符号を付している部分もある。上述した各種実施形態と追加実施形態との大きな相違点は、追加実施形態のパチンコ機の前方上部に、装飾ユニットが取り付けられている点である。また、説明中で「本実施形態」等と言うときは、追加実施形態について言及しているものとする。以下、追加実施形態のパチンコ機について説明する。
【0140】
パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、パチンコ機1の全体構成について説明する。
【0141】
ここで、本明細書では、パチンコ機1に相対するようにして着席した遊技者から見て左側を左とし、遊技者から見て右側を右とし、遊技者から見て上側を上とし、遊技者から見て下側を下とし、遊技者から見て手前側を前とし、遊技者から見て奥側を後として説明している。
【0142】
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
【0143】
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
【0144】
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
【0145】
パチンコ機1の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
【0146】
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
【0147】
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
【0148】
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(遊技球が流下する遊技領域、盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
【0149】
〔球皿の構成〕
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はカードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
【0150】
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではカードユニットに接続する機種の例で説明しているが、パチンコ機1は現金機(カードユニットに接続しない機種)であってもよい。
【0151】
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを後方へ押し込むことで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
【0152】
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外レールに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0153】
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の上側位置にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
【0154】
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54が組み込まれており、左右のガラス枠装飾ランプ52にはそれぞれガラス枠内スピーカ55が組み込まれている。一方、内枠アセンブリ7の右下位置(パチンコ機1の正面からみてハンドルユニット16の左上位置)には内枠スピーカ56が組み込まれており、また外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ58が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56,58は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
【0155】
〔操作部材〕
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bから前面側上方へ突出するようにして操作ユニット60が設置されている(操作手段)。操作ユニット60は、その中央部に大きなプッシュボタン64を有しており、プッシュボタン64の左側にはハンドルレバー62を有している。操作ユニット60は、演出上で示される様々な場面で操作を受け付けることが可能である。演出上のある場面ではハンドルレバー62が遊技者によって手前側に引き込み操作されたり、別の場面ではプッシュボタン64が押し込み操作されたりする。遊技者は、各種の態様で操作ユニット60を操作することにより、演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
【0156】
また、プッシュボタン64の周囲には、リング状部65がプッシュボタン64を取り囲むようにして設置されている。リング状部65は、ハンドルレバー62やプッシュボタン64とは異なり、装飾用として設けられた部材であり、ハンドルレバー62の引き込み操作に連動して反時計回りに回転動作する。また、リング状部65は、周方向に一定の間隔で区切られてなる複数のセルを有している。これらのセルは、遊技者による操作を受け付けることはできないが、遊技者に対し操作方法を知らせる場面で有効活用される。
【0157】
遊技者に何らかの操作を要求する場合、操作ユニット60の操作方法を表す縮小版画像が液晶表示器42の画面に表示される。このとき、指定した操作を行うことが可能な時間(操作有効時間)を併せて遊技者に知らせるために、縮小版画像におけるリング状部65は各セルがあたかもランプであるかのように表現される。より具体的には、縮小版画像中のリング状部65は、操作可能な状態になると全てのセルが点灯しているように表され、残り時間の減少に伴いセルが1つずつ消灯していくように表され、残り時間がなくなると全てのセルが消灯したように表される。実際のリング状部65は光源を有しておらず、画面に表示された縮小版画像に表されたリング状部65のように点灯/消灯することはないが、縮小版画像中のリング状部65の点灯/消灯をこのようにして切り替えることにより、遊技者に対して操作の残り時間を感覚的に把握させることができる。
【0158】
さらに、プッシュボタン64は、遊技の進行過程で所定の契機が発生すると、上方に大きく突出する構造に構成されている。プッシュボタン64の突出時には、通常時の約3倍の高さまで飛び出す。プッシュボタン64はその内部に光源を有している。プッシュボタン64は、通常時は1色(例えば青色)又は多色に発光するが、突出時にはさらにカラフルに発光して非常な存在感を発揮することができる。このようなプッシュボタン64の動作により、この場面で要求されているボタンの押し込み操作が特別に重要なものであることを遊技者に認識させることができる。
【0159】
なお、本実施形態では、ハンドルレバー62及びプッシュボタン64は同じ操作ユニット60に搭載されているが、ハンドルレバー62とプッシュボタン64とがそれぞれ独立した操作部材として設けられていてもよい。また、これらの操作部材は、近接した位置に配置されていてもよく、離れた位置に配置されていてもよい。
【0160】
その他に、受皿ユニット6の上面には、貸出操作部14に隣接して方向キー66が設置されている。方向キー66は上下左右の方向を示す4つのキースイッチを十字形状に配列したものであり、各方向別のキースイッチは独立して押し込み操作可能である。遊技者は演出上の様々な場面で方向キー66を押し込み操作することで、液晶表示器の画面上に表示されるカーソル等を任意に移動させることができる。
【0161】
〔装飾ユニット〕
パチンコ機1の前方上部には、装飾ユニット800が取り付けられている。装飾ユニット800は、所定の取り付け部材(ネジやフック等の機械的な機構)によってパチンコ機1に着脱可能である。なお、装飾ユニット800は、パチンコ機1から取り外し不能なものであってもよい。
装飾ユニット800(装飾物)は、箱型の部材であり、光を透過する透明又は半透明の部材により構成されている。装飾ユニット800は、所定の文字情報が表示された立方体形状の部材であり、後方の一体扉ユニット4に配置されたLED(例えば左トップレンズユニット47やガラス枠トップランプ46)が発光することにより発光する。
【0162】
〔裏側の構成〕
図14に示すように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
【0163】
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域に視認可能な態様で主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ200は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて視認可能である。
【0164】
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチであり、本実施形態においては、設定変更用のスイッチとしても兼用される。設定キー用鍵穴306は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更又は参照する上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
【0165】
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。したがって、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
【0166】
なお、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306の配設位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
【0167】
払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
【0168】
また、外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
【0169】
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
【0170】
図15は、追加実施形態の遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に遊技領域8aが形成されている。なお、発射レールは遊技板8bの左下隅位置から遊技板8bの右上隅位置まで時計回り方向に延びている。
【0171】
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域L)であり、遊技領域8aの右側部分は、特殊遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域R、特定の領域)である。なお、遊技領域8aの左側部分は、高確率非時間短縮状態(有利遊技状態)においても使用される。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
【0172】
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、第2可変入賞装置31及び第1可変入賞装置30は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。ここで、第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置されており、第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置されている。さらに、左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24(所定の入賞口)は第1可変入賞装置30の左下に配置されている。
【0173】
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球するか、普通入賞口24に入球する可能性がある。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
【0174】
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
【0175】
一方、可変始動入賞装置28や、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
【0176】
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28a(所定の入球口)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28には、舌片型(ベロタイプ)の開閉部材28bが設けられている。図示の状態にて、開閉部材28bは、盤面より奥に引っ込んだ位置(待避位置)にあり、遊技球が右始動入賞口28aに入球することを不能又は困難にしている。一方、開閉部材28bが盤面より手前側へ突出した位置(駆動位置)に移動すると、開閉部材28bは上方から流下してくる遊技球を受け止め、右始動入賞口28aに遊技球を案内する(右始動入賞口28aへの入球が可能又は容易となる)。なお、可変始動入賞装置28は、開閉部材がその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位して、右始動入賞口を開放する装置であってもよい。
【0177】
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)であって所定の第1条件(例えば大当り遊技の1ラウンド目から5ラウンド目、又は、7ラウンド目から10ラウンド目であるという条件、小当り遊技の開放状態であるという条件)が満たされた場合に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
【0178】
第1可変入賞装置30は、可変始動入賞装置28の下方に配置された装置であり(上アタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、閉位置から開放位置に向けて変位する。図示のように先端が上を向いた状態で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入賞は不能(第1大入賞口30bは閉塞中)である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして右側へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、第1大入賞口30bへの入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。第1大入賞口30bに入賞した遊技球は、第1カウントスイッチ84を通過して入賞を検出された後、回収通路(参照符号なし)を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
【0179】
第2可変入賞装置31は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)であって、所定の第2条件(例えば大当り遊技の6ラウンド目であるという条件)が満たされた場合に作動し、第2大入賞口31b(特定の入賞口)への入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入球事象発生手段)。
【0180】
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の下方に配置された装置であり(下アタッカ)、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は不能又は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
【0181】
また、第2可変入賞装置31の内部には、第2可変入賞装置31に入球した遊技球を誘導するための誘導通路31cが配置されている。誘導通路31cは、第2大入賞口31bから左下方に延び、その先で2又に分岐している。
【0182】
そして、誘導通路31cの上流には、第2カウントスイッチ85が配置されており、誘導通路31cの下方右側には、確変領域用羽根部材31d及び確変領域用孔31eが配置されており、誘導通路31cの下方左側には、排出口31f(排出領域)が配置されている。
【0183】
第2可変入賞装置31に入球した遊技球は、最初に第2カウントスイッチ85にて入球したことが検出される。ここで、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがONとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが、盤面より奥に引っ込んだ位置(開放位置)に移動し、遊技球を確変領域用孔31eに導く。一方、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがOFFとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが、盤面より手前側へ突出した位置(閉鎖位置)に移動するため、遊技球は確変領域用羽根部材31dの上部を通り抜けて、排出口31fに導かれる。
【0184】
〔確変領域(特定領域)〕
また、確変領域用孔31eの内部には、確変領域(参照符号なし)が設けられている。確変領域は、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過不能な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって確変領域用羽根部材31dが作動している場合は遊技球が通過可能な領域である。
【0185】
確変領域用羽根部材31dは、大当り遊技中に作動する可能性がある。確変領域用羽根部材31dの動作パターンは、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり確変領域を開放し、その後に数秒(2~3秒程度)閉鎖した後に確変領域を長期間(例えば20秒程度)にわたってロング開放するロング開放パターンと、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり確変領域を開放するだけのショート開放するショート開放パターンとのいずれかを適用する。いずれの動作パターンにより確変領域用羽根部材31dを動作させるかについては、当選図柄によって選択することができる。具体的には、確変図柄での当選時には確変領域をロング開放するロング開放パターンが選択され、通常図柄での当選時には確変領域をショート開放するショート開放パターンが選択される。
【0186】
なお、確変領域用羽根部材31dの動作パターンは、確変領域用羽根部材31dがロング開放するパターンのみを適用し、第1可変入賞装置30がショート開放してラウンドが終了する際には、確変領域用羽根部材31dがロング開放する機会を消滅させるようにしてもよい。また、ラウンドの開始と同時に実行される短期開放では遊技球は確変領域用羽根部材31dまで到達しないので、この作動によって遊技球が確変領域に導かれることは困難である。
【0187】
そして、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、大当り遊技の終了後に低確率状態から高確率状態に移行される。なお、この際、非時間短縮状態から時間短縮状態に合わせて移行させてもよい(高確率時間短縮状態)。一方、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、大当り遊技の終了後に低確率状態に移行する。なお、この際、非時間短縮状態から時間短縮状態に合わせて移行させてもよい(低確率時間短縮状態)。
【0188】
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。液晶表示器42の前方には、リング状のロゴLEDユニット900が配置されている。
【0189】
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えばスペードの形状を模した装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
【0190】
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。なお、球案内通路40dの入口に、図示しないソレノイドで常時可動する羽根部材を配置し、球案内通路40dの出口に、図示しないソレノイドで常時可動する振分装置(中始動入賞口26に遊技球を誘導するか否かの振り分けを行う装置)を配置してもよい。
【0191】
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
【0192】
〔外レールの上端部の視認性〕
図16は、
図13のA-A断面図を示す概略図である。
図16は、遊技領域8aの上端(頂部、外周面502(外レール)の上端)を通る上下方向及び前後方向に平行な面で切った断面を示すものである。
図16に示す断面は、内周面504(内レール)の上端(頂部)及び装飾ユニット800(意匠部材)の下面852の後端の上端(頂部)も通っている。
【0193】
装飾ユニット800の下面852の後端は、遊技領域8aの上端に対応する部分(遊技領域8a上端の前方部分)において、遊技領域8aの上端よりも下方に位置している。つまり、装飾ユニット800の下面852の後端は、誘導通路500の上面840aの上端よりも下方に位置している。また、装飾ユニット800の下面852の後端は、誘導通路500の下面840bの上端よりも上方に位置している。また、装飾ユニット800の下面852の後端は、遊技領域8aの上端に位置した状態の遊技球X(誘導通路500の上面840aの上端に接した状態の遊技球)の下端よりも上方に位置している。より具体的には、当該状態の遊技球Xの中心(
図16に一点鎖線Yで図示している位置)よりも上方に位置している。
【0194】
また、突出部856は、遊技領域8aの上端に位置した状態の遊技球Xの中心よりも下方に突出している。つまり、突出部856の下端は、当該状態の遊技球Xの中心よりも下方に位置している。より具体的には、突出部856の下端は、当該状態の遊技球Xの下端よりも下方に位置している。また、突出部856は、誘導通路500の下面840bの上端よりも下方に突出している。
【0195】
以上から明らかなように、装飾ユニット800は、前後方向(遊技盤ユニット8及びガラスユニットGに垂直な方向)において、遊技領域8aの上端に位置した状態の遊技球Xと重なり合うようになっており、当該状態の遊技球X全体を覆うようになっている。また、装飾ユニット800は、下面852の後端における遊技領域8aの上端に対応する部分(遊技領域8a上端の前方部分)が、前後方向(遊技盤ユニット8及びガラスユニットGに垂直な方向)において、遊技領域8aの上端に位置した状態の遊技球Xの少なくとも下半分と重ならないようになっており、当該状態の遊技球の少なくとも下半分を覆わないようになっている。また、下面852の後側部分は、傾斜面854となっている。このため、遊技球が遊技領域8aの上端に位置する場合であっても、遊技領域8aを転がる遊技球を遊技者が容易に視認できるようになっている。ここで、所定の位置、具体的には遊技者のアイポイントからは、遊技者が顔を上下左右に動かすことなく当該状態の遊技球の少なくとも下半分が見えるようになっていることが好ましい。遊技者のアイポイントとは、椅子に座って遊技をするときの遊技者の目の位置を意味する。具体的には、例えば、前後方向におけるガラスユニットGと遊技者の目との距離が50~90cm未満の場合に、遊技者が顔を上下左右に動かすことなく当該状態の遊技球の少なくとも一部(下半分)を視認することができるようになっているとよい。つまり、ガラスユニットGからの距離が50~90cm未満である所定点から遊技領域8aの上端に位置する遊技球X(遊技球Xの中心よりも下側の部分)までの直線上に装飾ユニット800がかからないようになっているとよい。
【0196】
図16の構成からは、以下の特徴を導き出すことができる。括弧書きで示す以下の構成のうち、少なくとも1つの構成を備える遊技機とすることができる。
(1)上部に意匠部(トップレンズ部、装飾ユニット800)がある前枠(一体扉ユニット4)と、遊技盤(遊技盤ユニット8)がある内枠(内枠アセンブリ7)と、を備えている遊技機である。
(2)遊技盤には、遊技領域8aが形成されている。
(3)遊技領域8aの上部には、遊技球を右打ち領域に案内する誘導通路500がある。
(4)誘導通路500には、外周面(外周面502、誘導通路500の上面840a)と内周面(内周面504、誘導通路500の下面840b)がある。
(5)遊技盤面に対して垂直方向に延びる線のうち、外周面の頂上を通る線を第1基準線L1とする。
(6)第1基準線L1と交わる鉛直線のうち(第1基準線L1に対する鉛直線が交わり得る部分のうち、第1基準線L1と交わる鉛直線が意匠部と交わる部分のうち)、意匠部の下面における最も後側の部分を第1意匠部D1とする。
(7)第1基準線L1と交わる鉛直線のうち(第1基準線L1に対する鉛直線が交わり得る部分のうち、第1基準線L1と交わる鉛直線が意匠部と交わる部分のうち)、意匠部の下面における最も下側の部分を第2意匠部D2とする。
(8)第1意匠部D1は、第1基準線L1よりも下方に位置するとともに、第1基準線L1からの距離(寸法A)が遊技球の直径以下(4mm)となっている。なお、遊技球の直径は約11mmである。
(9)第2意匠部D2は、第1基準線L1よりも下方に位置するとともに、第1基準線L1からの距離(寸法B)が遊技球の直径以上(40mm)となっている。
第2意匠部D2は、第1基準線L1よりも下方に位置するとともに、第1基準線L1からの距離(寸法B)が遊技球の直径以上となるので、意匠部を大型化することができる。
また、このように意匠部を大型化しつつも、第1基準線L1と第1意匠部D1との間隔を遊技球の直径以下としたことにより、遊技球が強く打ち出された場合(遊技球通路の上面に沿って遊技球が転がる場合)において、遊技球の視認性を確保することができる。
【0197】
(10)遊技盤面に対して垂直方向に延びる線のうち、内周面における外周面の頂上の直下に位置する部分(B地点より右側の部分、B地点より左側の部分、B地点となる部分)を通る線を第2基準線L2とする。
(11)第2基準線L2と交わる鉛直線のうち(第2基準線L2に対する鉛直線が交わり得る部分のうち、第2基準線L2と交わる鉛直線が意匠部と交わる部分のうち)、意匠部の下面における最も後側の部分を第1意匠部D1とする。
(12)第2基準線L2と交わる鉛直線のうち(第2基準線L2に対する鉛直線が交わり得る部分のうち、第2基準線L2と交わる鉛直線が意匠部と交わる部分のうち)、意匠部の下面における最も下側の部分を第2意匠部D2とする。
(13)第1意匠部D1は、第2基準線L2よりも上方に位置するとともに、第2基準線L2からの距離(寸法C)が遊技球の半径以上(14mm)となっている。
(14)第2意匠部D2は、第2基準線L2よりも下方に位置するとともに、第2基準線L2からの距離(寸法D)が遊技球の直径以上(22mm)となっている。
第2意匠部D2は、第2基準線L2よりも下方に位置するとともに、第2基準線L2からの距離(寸法D)が遊技球の直径以上となるので、意匠部を大型化することができる。また、このように意匠部を大型化しつつも、第2基準線L2と第1意匠部D1との間隔を遊技球の半径以上としたことにより、遊技球が弱く打ち出された場合(遊技球通路の下面に沿って遊技球が転がる場合)において、遊技球の視認性を確保することができる。
そして、このような構成を採用することにより、遊技盤面の視認性を構造により確保することができる。
【0198】
〔外レールの位置決め孔の配置〕
図17は、外レールを示す図である。
図18は、遊技板、外レール及びレールベースを示す図である。
図19は、外レールに遊技球が接触する様子を示す図である。
図20は、外レール及び遊技板を示す図である。
図17に示すように、外レール600は、湾曲可能な薄板状の横長の部材である。外レール600には、遊技盤(レールベース700)への取り付け位置を案内する所定の案内部601(孔)が複数形成されている。また、外レール600には、外レール600の加工の際に使用される孔602が複数形成されている。孔602は、案内部601よりもサイズが小さい。
【0199】
所定の案内部601(孔)の中心から外レール600の端(図中下端)までの距離Wcは、2.7mmに設定されている。つまり、所定の案内部601は、外レール600の内側の案内面を転がる遊技球が当たることのない位置に配置されている。より具体的には、外レール600の内側の案内面を転がる遊技球が当たることのない位置に、全ての所定の案内部601が配置されている。
【0200】
図18に示すように、遊技板8bの前方には、レールベース700が配置され、レールベース700の内側の湾曲したガイド面702には、湾曲した外レール600が配置される。ガイド面702には、所定の案内部601に対応する位置に、複数の突出部701が形成されている。
【0201】
図19に示すように、レールベース700のガイド面702には、外レール600が配置される。外レール600の所定の案内部601には、レールベース700の突出部701が挿入され、これにより、外レール600がレールベース700に位置決めされる。ここで、突出部701は遊技球Xに接触しない位置に配置されている。
【0202】
図20に示すように、外レール600は、遊技板8bの前方に配置されており、左下の外レール600の始端(PS)から、左側の外レール600の左端(PL)を通り、上側の外レール600の上端(PU)を通り、右上の外レール600の終端(PE)に到達するように湾曲して配置される。
【0203】
これらの図に示す構成からは、以下の特徴を導き出すことができる。括弧書きで示す以下の構成のうち、少なくとも1つの構成を備える遊技機とすることができる。
(1)遊技領域を形成する遊技盤(遊技盤ユニット8、遊技板8b、レールベース700)と、遊技盤に設けられた外レール600とを備えた遊技機である。
(2)外レール600には、遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部601(突出部701を挿入する孔(多数)、位置決めピンを取り付ける孔、突出部701を嵌め合わせる切り欠き)が複数形成されている。また、外レール600には、外レール600の加工の際に使用される孔602が形成されている。
(3)外レール600が遊技盤に設けられた状態において、外レール600の始端(PS)から左端(PL)までの範囲を第1の範囲(H1)とし、外レール600の左端(PL)から上端(PU)までの範囲を第2の範囲(H2)とし、外レール600の上端(PU)から終端(PE)までの範囲を第3の範囲(H3)とする。
(4)所定の案内部601の数は、第1の範囲(H1)(例えば3個)の方が第2の範囲(H2)(例えば2個)より多く、第2の範囲(H2)の方が第3の範囲(H3)(例えば0個)よりも多くなっている。
【0204】
これにより、遊技球から受ける衝撃が大きく、かつ、外レール600の配置について特に正確さが求められる球発射装置側に所定の案内部601を多く配置し、球発射装置側の外レール600のずれや振動を確実に防止することができる。
また、遊技球から受ける衝撃が小さく、かつ、遊技に与える影響が少ない外レール600の終端側は所定の案内部601を少なく配置し、外レール600の加工やレールベース700への取り付けを容易にすることができる。
【0205】
(5)上記(4)に代えて、所定の案内部601の数は、第1の範囲(H1)には第2の範囲(H2)以上あり、第2の範囲(H2)には第3の範囲(H3)以上ある。
(6)上記(4)に代えて、所定の案内部601の数は、第1の範囲(H1)には第3の範囲(H3)以上あり、第2の範囲(H2)には第3の範囲(H3)以上ある。
(7)上記(4)に代えて、所定の案内部601の数は、第1の範囲(H1)には第2の範囲(H2)以上あり、第1の範囲(H1)には第3の範囲(H3)以上ある。
(8)所定の案内部601は、外レール600の上頂点(PU)及び左頂点(PL)には形成されていない。
【0206】
(9)所定の案内部601は、第3の範囲(H3)には形成されていない。
(10)所定の案内部601は、遊技球が接触しない位置(例えば遊技球が接する軌道を避けた位置)に形成されている。
(11)外レール600は、レールベース700のガイド面702に沿うように支持されており、レールベース700のガイド面702は、遊技球が前方向に流れにくくなるように傾斜している。
(12)所定の案内部601は、それぞれの配置間隔が均等ではない。
【0207】
(13)上記(3)(4)に代えて、外レール600が遊技盤に設けられた状態において、外レール600の始端(PS)から左端(PL)までの範囲を第4の範囲(H4)とし、外レール600の左端(PL)から終端(PE)までの範囲を第5の範囲(H5)とすると、所定の案内部601の数は、第4の範囲(H4)(例えば、3個)の方が第5の範囲(H5)(例えば、2個)より多い。
(14)上記(3)(4)に代えて、外レール600が遊技盤に設けられた状態において、外レール600の始端(PS)から上端(PU)までの範囲を第6の範囲(H6)とし、外レール600の上端(PU)から終端(PE)までの範囲を第7の範囲(H7)とすると、所定の案内部601の数は、第6の範囲(H6)(例えば5個)の方が第7の範囲(H7)(例えば0個)より多い。
(15)上記(3)(4)に代えて、外レール600が遊技盤に設けられた状態において、外レール600の始端(PS)から中間(PM)までの範囲を第8の範囲(H8)とし、外レール600の中間(PM)から終端(PE)までの範囲を第9の範囲(H9)とすると、所定の案内部601の数は、第8の範囲(H8)(例えば、4個)の方が第9の範囲(H9)(例えば、1個)より多い。
そして、このような構成を採用することにより、遊技球の軌道を安定させ、設計値通りの遊技を行うことができる。
【符号の説明】
【0208】
1 パチンコ機
8 遊技盤ユニット
8a 遊技領域
20 始動ゲート
28 可変始動入賞装置
32 アウト口
32a 回収通路
32b 構造部材
33 普通図柄表示装置
33a 普通図柄作動記憶ランプ
34 第1特別図柄表示装置
35 第2特別図柄表示装置
34a 第1特別図柄作動記憶ランプ
35a 第2特別図柄作動記憶ランプ
38 遊技状態表示装置
42 液晶表示器
70 主制御装置
72 主制御CPU
76 RAM
124 演出制御装置
126 演出制御CPU
130 RAM
210 演出制御部
220 表示制御部
600 外レール
601 案内部