(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】ウェアラブル端末及びウェアラブル端末システム
(51)【国際特許分類】
G04G 19/00 20060101AFI20230410BHJP
G04G 21/00 20100101ALI20230410BHJP
G04C 10/04 20060101ALI20230410BHJP
H04B 1/3827 20150101ALI20230410BHJP
【FI】
G04G19/00 F
G04G21/00 D
G04C10/04 C
H04B1/3827 110
(21)【出願番号】P 2019147384
(22)【出願日】2019-08-09
【審査請求日】2022-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】植村 隆太郎
(72)【発明者】
【氏名】永井 修平
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-156193(JP,A)
【文献】特開2000-332644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 3/00-99/00
G04C 1/00-99/00
H04B 1/38- 1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、
少なくともバッテリから供給される電力により動作する時計表示部と、
前記バッテリの充電量を検出する充電量検出部と、
外部に少なくとも前記充電量を送信する時計側通信部と、
を有するウェアラブル端末と、
少なくとも前記ウェアラブル端末との通信接続を制御する端末側制御部と、
前記通信接続が確立された状態において、前記充電量を受信する端末側通信部と、
少なくとも外部に情報を報知する端末側報知部と、
前記バッテリの充電を促す充電警告情報を前記端末側報知部により報知することを猶予する猶予期間をカウントする端末側カウント部と、
を有する端末機器と、
を備え、
前記端末側カウント部は、
非猶予期間中に前記充電量が報知しきい値以下となると、前記猶予期間のカウントを開始し、
カウント値が、予め設定した前記カウントの開始からの期間と等しくなるまで前記猶予期間のカウントを続け、前記カウント値が予め設定した前記カウントの開始からの期間と等しくなった時点で前記猶予期間のカウントを終了し、
前記端末側報知部は、
非猶予期間中に前記充電量が前記報知しきい値以下となると、充電警告情報を報知し、
前記猶予期間中に前記充電量が前記報知しきい値以下となっても、前記充電警告情報を報知しない、
ことを特徴とするウェアラブル端末システム。
【請求項2】
請求項1に記載のウェアラブル端末システムにおいて、
前記端末側カウント部は、前記猶予期間が終了したのち、前記猶予期間が終了する直前の前記充電量である直前充電量が前記報知しきい値以下であると、前記端末側カウント部により前記猶予期間のカウントを再度開始し、
前記端末側報知部は、前記猶予期間が終了したのち、前記直前充電量が前記報知しきい値以下であると、前記充電警告情報を報知する、
ウェアラブル端末システム。
【請求項3】
請求項2に記載のウェアラブル端末システムにおいて、
前記端末側報知部は、
前記猶予期間が終了したのち、前記直前充電量が前記報知しきい値を超えると、前記猶予期間が終了しても前記充電警告情報を報知しない、
ウェアラブル端末システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のウェアラブル端末システムにおいて、
前記端末側報知部は、
前記猶予期間中において前記ウェアラブル端末から前記充電量を受信しなかった場合に、前記猶予期間終了時において前記充電警告情報の報知をしない
ウェアラブル端末システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のウェアラブル端末システムにおいて、
前記ウェアラブル端末は、前記充電量を表示する充電量表示部をさらに有する、
ウェアラブル端末システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のウェアラブル端末システムにおいて、
前記端末機器は、複数のウェアラブル端末と通信接続することができ、
前記端末側報知部は、
1つの前記ウェアラブル端末に対応する前記猶予期間中に、他の前記ウェアラブル端末に対応する前記充電量が前記報知しきい値以下となると、前記充電警告情報を報知する、
ウェアラブル端末システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェアラブル端末及びウェアラブル端末システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーが所有する端末機器と、無線通信を介して、情報を送受信することができるウェアラブル端末、例えば電子時計が提案されている。電子時計は、ユーザーに現在時刻を認識させるための時計表示部を有する。時計表示部は、電子時計に搭載されたバッテリから供給される電力で駆動するものである。
【0003】
バッテリの充電量は、電子時計の制御部により監視されており、充電量が報知しきい値よりも低くなった場合には、ユーザーに対して電子時計の充電を促す充電警告情報を報知する。充電警告情報の報知は、電子時計自体で行う場合もあるが、端末機器にて行う場合もある(特許文献1参照)。端末機器にて、充電警告情報の報知を行う場合は、電子時計から受信した充電量が報知しきい値以下であると、表示部に充電警告情報を表示することで行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、端末機器は、電子時計と通信接続されるごとに、電子時計から充電量を受信する。このため、電子時計から受信した充電量が報知しきい値以下であると、充電警告情報を報知する場合は、通信接続されるごとに充電警告情報の報知が行われることとなる。ユーザーは、電子時計から受信した充電量が初めて報知しきい値以下となった場合において充電警告情報が報知されることで、電子時計を充電する必要性を認識することができる。従って、通信接続されるごとに端末機器により充電警告情報を報知することは、ユーザーにとって煩わしいというおそれがある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、充電警告情報の報知に関するユーザーの煩わしさを抑制することができるウェアラブル端末及びウェアラブル端末システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本実施形態におけるウェアラブル端末システムは、バッテリと、少なくともバッテリから供給される電力により動作する時計表示部と、前記バッテリの充電量を検出する充電量検出部と、外部に少なくとも前記充電量を送信する時計側通信部と、を有するウェアラブル端末と、少なくとも前記ウェアラブル端末との通信接続を制御する端末側制御部と、前記通信接続が確立された状態において、前記充電量を受信する端末側通信部と、少なくとも外部に情報を報知する端末側報知部と、前記バッテリの充電を促す充電警告情報を前記端末側報知部により報知することを猶予する猶予期間をカウントする端末側カウント部と、を有する端末機器と、を備え、前記端末側カウント部は、非猶予期間中に前記充電量が報知しきい値以下となると、前記猶予期間のカウントを開始し、カウント値が、予め設定した前記カウントの開始からの期間と等しくなるまで前記猶予期間のカウントを続け、前記カウント値が予め設定した前記カウントの開始からの期間と等しくなった時点で前記猶予期間のカウントを終了し、前記端末側報知部は、非猶予期間中に前記充電量が前記報知しきい値以下となると、充電警告情報を報知し、前記猶予期間中に前記充電量が前記報知しきい値以下となっても、前記充電警告情報を報知しない、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明におけるウェアラブル端末及びウェアラブル端末システムは、充電警告情報の報知に関するユーザーの煩わしさを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態におけるウェアラブル端末システムの全体構成図である。
【
図2】
図2は、実施形態におけるウェアラブル端末のブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態における端末機器のブロック図である。
【
図4】
図4は、ウェアラブル端末における充電情報送信処理のフロー図である。
【
図5】
図5は、端末機器における充電警告情報報知処理のフロー図である。
【
図6】
図6は、変形例におけるウェアラブル端末システムの全体構成図である。
【
図7】
図7は、端末機器における充電警告情報報知処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
〔実施形態〕
図1は、実施形態におけるウェアラブル端末システムの全体構成図である。
図2は、実施形態におけるウェアラブル端末のブロック図である。
図3は、実施形態における端末機器のブロック図である。
【0013】
実施形態にかかるウェアラブル端末システム1は、ユーザーが装着するウェアラブル端末である電子時計2と、端末機器3とを備える。ウェアラブル端末システム1は、電子時計2から端末機器3に充電量CAを送信し、端末機器3が充電量CAを受信し、端末機器3が充電量CAに基づいて充電警告情報を報知するものである。本実施形態におけるウェアラブル端末システム1は、電子時計2と端末機器3との間の通信手段として、近距離無線通信手段の1つであるBluetooth(登録商標)を用いる場合について説明するが、通信手段はこれに限定されるものではなく、他の近距離無線通信手段や広域通信網等を用いてもよい。
【0014】
電子時計2は、本実施形態では後述する時計表示部26を有する時計であり、
図1および
図2に示すように、時計表示部26における秒針26b、分針26c、時針26d、日板26e(以下、「以下、単に「指針群26b~26e」と称する」と、文字板26aとの位置関係に対応する時刻である表示時刻や、機能針26fと充電量マーク26iとの位置関係に対応する電子時計3の充電量CAなどをユーザーに認識させるものである。電子時計2は、アンテナ21と、時計側通信部22と、時計側制御部23と、時計側電源部24と、駆動機構部25と、時計表示部26と、操作部27と、時計側記憶部28とを有する。電子時計2は、電子時計2の最外郭を形成する外装ケース29の内部空間部に、アンテナ21、時計側通信部22、時計側制御部23、時計側電源部24、駆動機構部25、時計表示部26および時計側記憶部28が収容されている。ここで、外装ケース29は、環状部29eから外側に向かって突出して、複数のかん29a~29dが形成されている。かん29a~29dは、環状部29eの前方向の端部から離間して前方向に突出して2つ、後方向の端部から離間して後方向に突出して2つ形成されている。電子時計2は、前方向側の2つで一組のかん29a,29bの間にベルトの一端が連結され、後方向側の2つで一組のかん29c,29dの間にベルトの他端が連結され、外装ケース29に対してベルトが環状に連結される。本実施形態における電子時計2は、ユーザーが腕に装着する腕時計として説明するが、ユーザーが身に着けるものであれば、他の時計であってもよい。また、本実施形態におけるウェアラブル端末は、電子時計2であるがこれに限定されるものではなく、アイウェア端末、グローブ端末、ヘルメット端末、ウェア端末などであってもよい。
【0015】
アンテナ21は、時計側通信部の一部を構成するものであり、近距離無線通信規格の1つであるBluetooth(登録商標)規格の電波を受信するものである。アンテナ21は、時計側通信部22と接続されている。
【0016】
時計側通信部22は、時計側通信部の一部を構成するものであり、外部と少なくとも充電量CAを含む充電量CAに関す情報である充電量関連情報を送信することができるものである。時計側通信部22は、Bluetooth(登録商標)モジュール22aと変換部22bとを有する。Bluetooth(登録商標)モジュール22aは、アンテナ21を介して、外部である端末機器3との間でBluetooth(登録商標)通信を行うための通信制御モジュールである。変換部22bは、シリアル信号をパラレル信号に変換、あるいはパラレル信号をシリアル信号に変換するものである。時計側制御部23から出力され、外部に送信される送信情報(送信データ)は、変換部22bにおいてシリアル/パラレル変換等の信号処理が行われ、Bluetooth(登録商標)モジュール22aからアンテナ21を介して端末機器3に送信される。一方、アンテナ21を介して、Bluetooth(登録商標)モジュール22aが受信した受信情報(受信データ)は、変換部22bにおいてシリアル/パラレル変換等の信号処理が行われ、時計側制御部23に出力される。
【0017】
時計側制御部23は、電子時計2に含まれる各種の回路や機構等を制御するものであり、時計内部時刻に基づいて駆動機構部25による秒針26b、分針26c、時針26d、日板26eの回転を制御するものである。時計側制御部23は、充電量CAに基づいて機能針26fの回転を制御するものである。また、時計側制御部23は、秒針26b、分針26c、時針26d、日板26e、機能針26f(以下、端に「指針群26b~26f」と称する)の基準位置情報を記憶しており、基準位置情報を更新するものである。時計側制御部23は、マイクロコントローラ23aと、モータ駆動回路23bと、不揮発性メモリ23cと、RTC(Real Time Clock)23dとを有する。
【0018】
マイクロコントローラ23aは、演算部23eと、RAM(Random Access Memory)23fと、ROM(Read Only Memory)23gと、を有する。マイクロコントローラ23aは、1つの集積回路により構成されている。演算部23eは、RTC23dから出力されたクロック信号に含まれるパルスを図示しないカウンタによりカウントする。演算部23eは、ROM23gに格納されたプログラムにしたがって各種の情報処理を行う。本実施形態における演算部23eは、表示時刻補正処理を実行する。演算部23eは、カウントされたパルスの数に応じた時計内部時刻を決定する。RAM23fは、演算部23eのワークメモリとして機能し、演算部23eの処理対象となる情報が書き込まれる。また、RAM23fは、時計側制御部23により時計内部時刻に基づいて指針群26b~26fの回転を駆動機構部25により制御する指針群26b~26fの制御動作に基づく、それぞれの現在表示位置情報を記憶するものでもある。
【0019】
モータ駆動回路23bは、演算部23eにより決定された時計内部時刻に基づいて、駆動機構部25に含まれる後述するステップモータ25a~25cをそれぞれ駆動する駆動信号を出力する。
【0020】
不揮発性メモリ23cは、時計側電源部24により、時計側制御部23に電力が供給されていない場合や、電子時計2を再起動する場合等において、情報を保持するメモリである。不揮発性メモリ23cは、指針群26b~26fの基準位置情報が記憶されている。本実施形態における基準位置情報は、予め設定されている基準位置に基づく情報である。ここで、基準位置は、例えば、秒針26b、分針26c、時針26dが文字板26aの12時を指す位置であり、かつ、日板26eが文字板26aの日窓26hから「1」を視認できる位置であり、機能針26fが所定の位置である。基準位置情報は、基準時刻(1日午前12時00分00秒)における秒針26b、分針26c、時針26d、日板26eのそれぞれの位置に関する初期値情報であり、機能針26fの位置に関する初期値情報である。不揮発性メモリ23cは、例えば、フラッシュメモリやEEPROM等である。
【0021】
RTC23dは、電子時計2の内部で計時に使用されるクロック信号をマイクロコントローラ23aに出力するものである。
【0022】
時計側電源部24は、電子時計2の電力源であり、時計側通信部22、時計側制御部23、駆動機構部25等、電子時計2内の各部に対して電力を供給する。時計側電源部24は、発電回路24aと、バッテリ24bと、電源電圧検出回路24cとを有する。
【0023】
発電回路24aは、アナログ表示部26の後述する文字板26aの下側に配置される例えばソーラーパネルを構成する光発電素子を含むものである。発電回路24aは、文字板26aに対して照射される太陽光等の外光によって発電するものであり、発電した電力をバッテリ24bに供給するものである。
【0024】
バッテリ24bは、充放電可能な二次電池であり、時計表示部26を供給する電力により動作させるものである。バッテリ24bは、例えば、リチウムイオン電池等である。バッテリ24bは、充電および放電を管理する図示しないバッテリーマネジメント回路により、発電回路24aが発電した電力を充電、あるいは電子時計2内の各部に対して電力を供給するために放電する。
【0025】
電源電圧検出回路24cは、バッテリ24bの電圧を測定する回路である。電源電圧検出回路24cは、測定した電圧を電圧信号として、マイクロコントローラ23aに出力するものである。つまり電源電圧検出回路24cは、バッテリ24bの充電量を検出する充電量検出部である。電源電圧検出回路24cは、時計側制御部23が充電量CAを取得する。
【0026】
駆動機構部25は、モータ駆動回路23bから出力される駆動信号に応じて回転駆動(例えば、1制御パルスごとに180度)する複数のステップモータ25a,25b,25cと、図示しない輪列とを有する。駆動機構部25は、各ステップモータ25a~25cの回転力を輪列が伝達することで、指針群26b~26dfを予め設定されている1回の回転量ごとに回転させる。本実施形態においては、ステップモータ25aにより秒針26bが回転され、ステップモータ25bにより分針26cおよび時針26dが回転され、ステップモータ25cにより日板26e、機能針26fが回転される。ここで、分針26cおよび時針26dは、連動して回転するものであり、時針26dが分針26cの回転速度に対して1/12の比で連動して回転する。日板26eおよび機能針26fは、別々に回転するものである。ステップモータ25a~25cは、秒針26bに対して1分で1回転、分針26cに対して1時間で1回転、日板26eに対して1ヶ月で1回転となる回転量にて回転させ、機能針26fを電子時計2の充電量CAに基づいて回転させる。
【0027】
時計表示部26は、電子時計2のうち外部から視認可能な位置に配置されている。時計表示部26は、
図1および
図2に示すように、外装ケース29の収容空間部において、透過性を有する風防ガラスWSよりも下方向側に配置され、本実施形態ではアナログ表示部である。時計表示部26は、文字板26aと、秒針26bと、分針26cと、時針26dと、日板26eと、機能針26fとを有する。文字板26aは、円盤状に形成されており、外光を透過するものである。文字板26aは、インデックス26gと、日窓26hと、充電量マーク26iが形成されている。インデックス26gは、秒針26b、分針26cおよび時針26dとの相対位置により、ユーザーに現在時刻を認識させるものである。インデックス26gは、文字板26aに対して円周方向に等間隔に形成されている。本実施形態におけるインデックス26gは、6度ごとに等間隔に形成されるものと、30度ごとに等間隔に形成されるものとがある。日窓26hは、文字板26aの上下方向において日板26eと対向する位置に形成されており、文字板26aを上下に貫通するものである。本実施形態における日窓26hは、矩形形状であり、文字板26aにおいて「3時」の位置に形成されている。充電量マーク26iは、機能針26fとの相対位置により、ユーザーに電子時計2の充電量CAを認識させるものである。充電量マーク26iは、機能針26fの回転に伴って、機能針26fの半径方向における厚みが連続的に増加する形状である。秒針26b、分針26cおよび時針26dは、図示しないフレームに回転自在に支持されており、文字板26aの上側、例えば文字板26aの中心部において同軸上を回転する。秒針26b、分針26cおよび時針26dは、文字板26a上のインデックス26gに対する位置を指し示すことで、表示時刻の秒、分、時を指し示す。日板26eは、図示しないフレームに回転自在に支持されており、文字板26aの下側を回転する。日板26eは、日窓26hにより文字板26aの上側に露出可能であり、日窓26hを介して、時刻のうち「日」を指し示す。日板26eは、日を識別することができる識別パターン、本実施形態では1~31の数字が円周方向に等間隔に配置して形成されている。秒針26bは現在時刻のうち「秒」を指し、分針26cは現在時刻のうち「分」を指し、時針26dは現在時刻のうち「時」を指すものである。本実施形態における3針26b~26dは、時針26d、分針26c、秒針26bの順で、回転半径方向において文字板26aの中心からの長さが短く形成されている。機能針26fは、図示しないフレームに回転自在に支持されており、文字板26aの上側、例えば文字板26aの「6時」と「9時」の間においてを回転する。機能針26fは、文字板26a上の充電量マーク26iに対する位置を指し示すことで、充電量CAを指し示す。例えば機能針26fは、充電量マーク26iのうち厚みが薄い部分を指し示すことで充電量CAが少ないことを表示し、厚みが厚い部分を指し示すことで充電量CAが大きいことを示す。つまり、充電量マーク26iおよび機能針26fは、充電量を表示する充電量表示部である。
【0028】
操作部27は、ユーザーが操作することで、電子時計2に対して、操作に基づいた機能動作を実現するものである。操作部27は、リューズ27aと、プッシュボタン27bと、プッシュボタン27cとを有する。リューズ27aは、環状部29eの側面から突出して形成されており、ユーザーの操作により、突出方向に1段又は複数段引き出すことができ、軸心周りに回転することができる。リューズ27aは、突出方向に引き出されていない0段とは異なる段、例えば2段にした状態で、回転することで、時刻表示状態の秒針26bと、分針26cと、時針26dと、日板26eを強制的に回転させることができ、時刻表示を補正することができる。プッシュボタン27b,27cは、環状部29eの側面から突出して形成されており、ユーザーの操作により突出方向と反対方向に押圧することができる。プッシュボタン27b,27cは、外力が作用していない状態では、突出方向に突出した状態を維持する。操作部27は、電子時計2の時計側制御部23と接続されており、ユーザーによる操作状態を操作信号として、時計側制御部23に出力する。
【0029】
時計側記憶部28は、時計側制御部23が取得した充電量CAを記憶するものである。時計側記憶部28は、後述するペアリング用のパスキーや、電子時計2にアラーム機能がある場合にはアラーム情報を記憶するものである。時計側記憶部28は、例えば、フラッシュメモリやEEPROM等である。
【0030】
端末機器3は、電子時計2とは別個であり、ウェアラブル端末システム1の電子時計2に対する設定や、電子時計2の状態を監視するアプリケーション(以下、単に、「アプリ」ともいう)が、端末機器3の初期時(工場出荷時)から後述する端末側記憶部37に記憶、あるいはインターネット網100を介して外部サーバ200からダウンロードや接続された記録媒体から読み込むことで端末側記憶部37に記憶されるものである。本実施形態における端末機器3は、一部の機能として、ウェアラブル端末システム1としての機能を有し、他の機能、例えば、電話機能、インターネット接続機能などを有しているスマートフォン、タブレットなどの携帯端末であるがこれに限定されるものではなく、ノートパソコンなどのパーソナルコンピュータであってもよい。端末機器3は、
図1、
図3に示すように、撮像部31と、タッチパネル部32と、アンテナ33と、端末側通信部34と、端末側制御部35と、端末側電源部36と、端末側記憶部37と、音声入出力部38とを含んで構成されている。なお、端末機器3は、要求される機能に応じて、例えば、時計側報知部として振動発生部などが追加されてもよい。
【0031】
撮像部31は、端末機器3の少なくとも裏面(タッチパネル部32の後述する表示面32aが設けられている面と反対側の面)に配置されており、端末側電源部36からの電力により駆動する撮像素子が面状に配列されたCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの撮像センサ31aを有するものである。撮像部31は、撮像センサ31aの撮像条件、すなわち露光タイミング、露光時間、ホワイトバランスなどに基づいて、各撮像素子を駆動制御する。
【0032】
タッチパネル部32は、表示部および入力部として機能するディスプレイである。タッチパネル部32は、表示部の機能として、表示面32aを有し、後述する充電警告情報画像Pを表示面32aに表示する。タッチパネル部32は、端末機器3の表面に配置されており、端末側電源部36からの電力により駆動する液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイである。タッチパネル部32は、端末側制御部35から出力される画像データ信号に基づいて、充電警告情報画像Pを表示する。つまり、タッチパネル部32は、外部に情報を報知する端末側報知部である。ここで、充電警告情報画像Pは、ユーザーが視認することで、電子時計2を充電する必要性があると認識できる、例えば「時計を充電してください。」などの文字情報画像である。タッチパネル部32は、入力部の機能として、ユーザーが任意の位置を押圧することで、操作入力位置に対する操作入力信号が端末側制御部35に出力される。
【0033】
アンテナ33は、端末側通信部の一部を構成するものであり、少なくともBluetooth(登録商標)規格の電波を受信するものである。アンテナ33は、端末側通信部34と接続されている。
【0034】
端末側通信部34は、端末側通信部の一部を構成するものであり、少なくとも電子時計2との通信接続状態において電子時計2から充電量関連情報を受信することができるものである。充電量関連情報とは充電量CAを端末機器3に送信した電子時計2の識別情報と、充電量CAと、充電量CAを検出した時刻(充電量関連情報が端末機器3に送られた時刻であってもよい)とが関連づけられた情報である。端末側通信部34は、外部に少なくとも充電量関連情報を送信することができるものである。端末側通信部34は、時計側通信部22と同様に、アンテナ33を介して、少なくとも外部である電子時計2との間でBluetooth(登録商標)通信を行うための図示しないBluetooth(登録商標)モジュールおよび変換部を有する。端末側制御部35から出力される送信情報(送信データ)、例えば時刻情報は、端末側通信部34の変換部において信号処理が行われ、Bluetooth(登録商標)モジュールからアンテナ33を介して電子時計2に送信される。一方、アンテナ33を介して、端末側通信部34のBluetooth(登録商標)モジュールが受信した受信情報(受信データ)、充電量関連情報は、変換部において信号処理が行われ、端末側制御部35に出力される。また、端末側通信部34は、各地に設置されている基地局を含むインターネット網100と、無線通信により、情報の送受信を行うことができるものでもある。つまり、端末側通信部34は、インターネット網100を介して、外部サーバ200との間で充電量関連情報等の情報の送受信を行うことができる。
【0035】
端末側制御部35は、タッチパネル部32を含む端末機器3を構成する機器を制御するものである。端末側制御部35は、電子時計2および外部サーバ200との通信接続を制御するものである。端末側制御部35は、上記アプリを実行することで、充電量CAに基づいて端末側報知部に充電警告情報を報知させるものである。本実施形態における端末側制御部35は、充電量CAが報知しきい値CAT以下であるか否か、および猶予期間Xに基づいてタッチパネル部32の表示面32aに充電警告情報画像Pを表示させるか否かを判断するものである。端末側制御部35は、端末側カウント部35aと、内蔵時計部35bとを有する。ここで、端末側制御部35のハードウェア構成は、周知の端末機器における制御部のハードウェア構成と同一であり、例えば、図示しない演算部、RAM、ROMを有する。
【0036】
端末側カウント部35aは、猶予期間Xをカウントするものである。ここで、猶予期間Xとは、猶予期間X中でない非猶予期間において充電量CAが報知しきい値CAT以下となってからユーザーにとって十分な期間をいう。本実施形態における猶予期間Xは、猶予期間X終了時においてユーザーが充電警告情報画像Pを視認した際に、電子時計2の充電を実際に行うことができる可能性が高くなるように設定されており、例えば、猶予期間Xの終了が猶予期間Xの開始から2度目の土曜日の午前中(9:00)となるように設定されている。端末側カウント部35aは、端末側制御部35により非猶予期間中に充電量CAが報知しきい値CAT以下であると判断すると、猶予期間Xのカウントを開始する。なお、猶予期間Xは、ユーザーが端末機器3を操作すること、例えば、アプリが起動状態で、タッチパネルを操作することで、変更可能としてもよい。また、猶予期間Xは、非猶予期間において充電量CAが報知しきい値CAT以下となった時点での充電量CAによって、自動的に変更してもよい。例えば、充電量CAが報知しきい値CAよりも小さい所定の値より下回っている場合は、猶予期間Xを短くする。この場合、猶予期間Xの終了が猶予期間Xの開始から1度目の土曜日の午前中(9:00)となるように設定する。
【0037】
内蔵時計部35bは、端末内部時刻を計時して保持するカウンタである。端末機器3では、端末側制御部35により端末内部時刻が読み出され、タッチパネル部32の表示面32aに表示される。また、端末機器3では、端末側制御部35により、端末内部時刻に基づいて猶予期間Xの終了が猶予期間Xの開始から2度目の土曜日の午前中(9:00)となるように猶予期間Xを設定する。端末内部時刻は、端末側通信部34によって端末機器3と基地局との通信が行われている際に、基地局から取得される基地局側時刻情報に基づいて、端末側制御部35により随時更新が行われる。
【0038】
端末側電源部36は、端末機器3の電力源であり、撮像部31と、タッチパネル部32と、端末側通信部34と、端末側制御部35と、端末側記憶部37と、音声入出力部38等、端末機器3内の各部に対して電力を供給する。端末側電源部36は、少なくとも充放電可能なバッテリを有する。
【0039】
端末側記憶部37は、端末側制御部35が実行するアプリケーションに対応するプログラムを含む各種のプログラム、初期設定情報などを記憶するものである。端末側記憶部37は、充電量関連情報や、後述する猶予期間フラグのON/OFFを記憶するものでもある。端末側記憶部37は、例えば、フラッシュメモリやEEPROM等である。
【0040】
音声入出力部38は、主にユーザーと端末機器3との間で音声を介して情報を伝達するものである。音声入出力部38は、マイク38aと、スピーカー38bとを有する。マイク38aは、主に、ユーザーの音声を入力するものであり、音波を音声信号に変換し、端末側制御部35などに出力するものである。スピーカー38bは、主に、ユーザーに対して音声を出力するものであり、端末側制御部35などから出力された音声信号を音波に変換し、端末機器3の外部に出力するものである。なお、スピーカー38bは、端末側報知部として機能してもよい。例えば、上記充電警告情報画像Pに基づいた文字列情報を音声として出力してもよいし、他の警告音を出力してもよい。
【0041】
次に、実施形態におけるウェアラブル端末システム1による充電警告情報の報知について説明する。まず、電子時計2と端末機器3との通信確立処理および電子時計2における充電情報送信処理について説明する。
図4は、ウェアラブル端末における充電情報送信処理のフロー図である。
図5は、端末機器における充電警告情報報知処理のフロー図である。
【0042】
まず、ユーザーは、
図4に示すように、端末機器3への再接続要求を行う。ユーザーは、例えば、電子時計2の操作部27を操作することで端末機器3との再接続要求を行う。
【0043】
次に、電子時計2の時計側制御部23は、端末機器3との再接続要求が行われた否かを判断する(ステップST201)。
【0044】
次に、時計側制御部23は、端末機器3との再接続要求が行われたと判断する(ステップST201:Yes)と、端末機器3との通信を確立する(ステップST202)。なお、時計側制御部23は、端末機器3との再接続要求が行われていないと判断する(ステップST201:No)と、端末機器3との再接続要求が行われるまで、ステップST201を繰り返す。
【0045】
次に、時計側制御部23は、充電量CAを送信する(ステップST203)。ここでは、時計側制御部23は、端末機器3との通信が確立すると、時計側記憶部28に記憶されている充電量関連情報を時計側通信部22により端末機器3に送信する。時計側制御部23は、端末機器3との通信接続が確立された状態となるごとに、充電量関連情報を端末機器3に送信する。なお、端末機器3は、充電量関連情報を受信すると、受信ごとに端末側記憶部37に記憶するとともに、外部サーバ200に送信し、外部サーバ200でも記憶する。外部サーバ200においても充電量関連情報を記憶するのは、端末機器3の端末側記憶部37が何らかの理由で充電量関連情報を喪失した場合におけるバックアップのためである。
【0046】
次に、端末機器3における充電警告情報処理について、
図5を用いて説明する。まず、端末側制御部35は、猶予期間フラグがONであるか否かを判断する(ステップST301)。ここでは、端末側制御部35は、猶予期間X中であるか否かを判断する。
【0047】
次に、端末側制御部35は、猶予期間フラグがOFFであると判断する(ステップST301:No)と、充電量CAを取得するまで待機、すなわちステップST301を繰り返す。
【0048】
次に、端末側制御部35は、充電量CAを取得する(ステップST302)と、充電量CAが報知しきい値CAT以下であるか否かを判断する(ステップST303)。ここでは、端末側制御部35は、非猶予期間中に充電量CAが報知しきい値CAT以下となったか否かを判断する。なお、端末側制御部35は、充電量CAが報知しきい値CAT以下でないと判断すると(ステップST303:No)再び充電量CAを取得するまで待機する、すなわちステップST302を繰り返す。
【0049】
次に、端末側制御部35は、充電量CAが報知しきい値CAT以下であると判断する(ステップST303:Yes)と、端末側報知部に対して充電警告情報を報知させる(ステップST304)。ここでは、端末側制御部35は、電子時計2の充電量CAが初めて報知しきい値CAT以下となったと判断すると、タッチパネル部32に充電警告情報画像Pを表示する。ここでは、端末側制御部35は、非猶予期間中において電子時計2の充電量CAが電子時計2を充電する必要性がある場合は、再度充電警告情報を報知する。これにより、ユーザーは、電子時計2の充電量表示部、すなわち充電量マーク26iに対する機能針26fの位置を確認しなくても、電子時計2の充電の必要性を認識することができる。
【0050】
次に、端末側制御部35は、猶予期間フラグをONした(ステップST305)後、端末側カウント部35aにカウントを開始させる(ステップST306)。
【0051】
また、端末側制御部35は、猶予期間フラグがONであると判断する(ステップST301:Yes)と、猶予期間Xが終了したか否かを判断する(ステップST307)。
【0052】
次に、端末側制御部35は、猶予期間Xが終了したと判断する(ステップST307:Yes)と、充電量CAありか否か、すなわち猶予期間X中に充電量CAを取得したか否か判断する。(ステップST308)。
【0053】
また、端末側制御部35は、猶予期間Xが終了していないと判断する(ステップST307:No)と、充電量CAを取得する(ステップST310)。ここでは、制御側端末35は、猶予期間Xの開始から終了するまでの間、充電量CAの取得を繰り返し、充電量CAを取得したら、端末側記憶部37に記憶する。
【0054】
次に、端末側制御部35は、充電警告情報を報知しない(ステップST311)。ここでは、制御側端末35は、猶予期間X中に取得した充電量CAが報知しきい値CAT以下であっても、タッチパネル部32に充電警告情報画像Pを表示しない。
【0055】
また、端末側制御部35は、充電量CAありと判断、すなわち猶予期間X中に充電量CAを取得したと判断する(ステップST308:Yes)と、猶予期間X中の最後に取得した充電量CAである直前充電量CARが報知しきい値CAT以下か否かを判断する。(ステップST309)。ここでは、制御側端末35は、猶予期間Xが終了したのち、猶予期間Xが終了する直前の充電量CAである直前充電量CARが報知しきい値CAT以下であるか否かを判断する。
【0056】
次に、端末側制御部35は、直前充電量CARが報知しきい値CAT以下と判断する(ステップST309:Yes)と、端末側報知部に対して充電警告情報を報知させる。(ステップST304)。ここでは、端末側制御部35は、猶予期間X終了時において電子時計2の充電量CAが電子時計2を充電する必要性がある場合は、再度充電警告情報を報知する。これにより、ユーザーは、電子時計2の充電量表示部、すなわち充電量マーク26iに対する機能針26fの位置を確認しなくても、電子時計2の充電の必要性をしばらしてから認識することができる。
【0057】
次に、端末側制御部35は、端末側報知部に対して充電警告情報を報知させた(ステップST304)後は、猶予期間フラグを再びONとし(ステップST305)、端末側カウント部35aに再びカウントを開始させる。(ステップST306)。
【0058】
また、端末側制御部35は、猶予期間X中に充電量CAなし、すなわち猶予期間X中に充電量CAを取得していないと判断する(ステップST308:No)と、充電警告情報を報知せず(ステップST311)、端末機器3における充電警告情報処理のスタートである猶予期間フラグがONであるか否かを判断するステップST301に進む。ここでは、猶予期間中の充電量CAは不明であるため、あえて充電警告情報を報知しない。これにより、猶予期間X終了時における電子時計2の充電量CAが不明であっても充電警告情報を報知する場合と比較して、ユーザーが誤報であると認識しないので、充電警告情報の報知に関するユーザーの煩わしさを抑制することができる。
【0059】
また、端末側制御部35は、直前充電量CARが報知しきい値CAT以下でないと判断する(ステップST309:No)と、充電警告情報を報知せず(ステップST311)、端末機器3における充電警告情報処理のスタートである猶予期間フラグがONであるか否かを判断するステップST301に進む。ここでは、端末側制御部35は、猶予期間終了時において、電子時計2の充電量CAが電子時計2を充電する必要性がない場合は、充電警告情報を報知しない。
【0060】
以上のように、本実施形態におけるウェアラブル端末システム1は、非猶予期間中に充電量CAが報知しきい値CAT以下となると、充電警告情報画像Pを表示面32aに表示する、つまり充電警告情報を報知するが、猶予期間X中に充電量CAが報知しきい値CAT以下となっても、充電警告情報画像Pを表示面32aに表示しない。つまり、充電警告情報を報知しない。従って、電子時計2の充電量CAが高い状態から低い状態に移行し、電子時計2を充電する必要性が生じたことをユーザーに認識させた後、猶予期間X中は、電子時計2の充電量CAが低い状態であっても、一度、ユーザーに対して電子時計2を充電する必要性が生じたことを報知しているので、改めて電子時計2を充電する必要性が生じたことを報知しないので、充電警告情報の報知に関するユーザーの煩わしさを抑制することができる。また、電子時計2は、充電表示部として、機能針26fと充電量マーク26iとを有する。従って、猶予期間X中において、ユーザーが電子時計2を視認する際に充電量CAを視認することができるため、猶予期間X中においてユーザーが電子時計2の充電量CAを認識できる機会が存在する。これにより、猶予期間X中において、ユーザーが充電表示部を視認することで電子時計2の充電量CAを認識している状態で、電子時計2を充電する必要性が生じたことを報知しないので、充電警告情報の報知に関するユーザーの煩わしさをより抑制することができる。
【0061】
なお、本実施形態におけるウェアラブル端末システム1では、ウェアラブル端末として1つの電子時計2と端末機器3とが通信接続が可能な場合について説明したが、これに限定されるものではなく、複数のウェアラブル端末と端末機器3とが通信接続が可能であってもよい。
図6は、変形例におけるウェアラブル端末システムの全体構成図である。
【0062】
変形例におけるウェアラブル端末システム1は、
図6に示すように、複数のウェアラブル端末、ここでは2つの電子時計2、2´と、端末機器3とを備える。ウェアラブル端末システム1は、電子時計2、2´から端末機器3にそれぞれ充電量CA、CA´を送信し、端末機器3が充電量CA、CA´を受信し、端末機器3が充電量CA、CA´に基づいて充電警告情報を報知するものである。なお、電子時計2´の基本的構成および基本的動作は、電子時計2と同一であるので、その説明は省略する。
【0063】
端末機器3は、電子時計2´から充電量CA´を含む充電量関連情報を受信すると、端末側記憶部37に記憶するとともに、外部サーバ200に送信し、外部サーバ200でも記憶する。
【0064】
次に、端末機器3における充電警告情報処理について説明する。
図7は、端末機器における充電警告情報報知処理のフロー図である。同図における端末機器3による充電警告情報処理のうち、
図5における端末機器3による充電警告情報処理と同一部分は、省略または簡略化して省略する。
【0065】
また、端末側制御部35は、猶予期間Xが終了していないと判断する(ステップST307:No)と、充電量CAを取得する(ステップST310)とともに、充電量CA´を取得したか否かを判断する(ステップST312)。ここでは、制御側制御部35は、猶予期間X中に電子時計2とは異なる他の電子時計2´から充電量関連情報が送信され、端末機器3として充電量CA´を取得したか否かを判断する。
【0066】
次に、端末側制御部35は、充電量CA´を取得していると判断する(ステップST312:Yes)と、充電量CA´が報知しきい値CAT以下であるか否かを判断する(ステップST313)。ここでは、制御側制御部35は、猶予期間X中に電子時計2とは異なる他の電子時計2´の充電量CA´が報知しきい値CAT以下となったか否かを判断する。なお、端末側制御部35は、充電量CA´を取得していないと判断する(ステップST312:No)と、充電警告情報を報知せず(ステップST311)、端末機器3における充電警告情報処理のスタートである猶予期間フラグがONであるか否かを判断するステップST301に進む。
【0067】
次に、端末側制御部35は、充電量CA´が報知しきい値CAT以下であると判断する(ステップST313:Yes)と、端末側報知部に対して充電警告情報を報知させる(ステップST314)。ここでは、端末側制御部35は、猶予期間X中に電子時計2とは異なる他の電子時計2´の充電量CA´が初めて報知しきい値CAT以下となったと判断すると、タッチパネル部32に充電警告情報画像Pを表示する。ここでは、端末側制御部35は、電子時計2の猶予期間中において他の電子時計2´の充電量CA´が電子時計2´を充電する必要性がある場合は、充電警告情報を報知する。これにより、電子時計2の猶予期間X中であっても、他の電子時計2´の充電の必要性がある場合には、通常であれば猶予期間X中であれば端末側報知部により充電警告情報が報知されないのに、あえて端末側報知部により充電警告情報を報知することで、電子時計2とは異なる電子時計2´の充電の必要性をユーザーが認識することができる。なお、端末側制御部35は、充電量CA´が報知しきい値CATを超えると判断する(ステップST313:No)と、充電警告情報を報知せず(ステップST311)、端末機器3における充電警告情報処理のスタートである猶予期間フラグがONであるか否かを判断するステップST301に進む。
【0068】
なお、変形例におけるウェアラブル端末システム1においては、猶予期間X中において取得する充電量CAMの対象として、電子時計2´に対応する充電量関連情報に含まれる充電量CA´を含めてもよい。この場合、端末側制御部35は、電子時計2´に対応する直前充電量CAMRが報知しきい値CAT以下であると、端末側報知部により充電警告情報の報知を行わせる。
【0069】
また、本実施形態および変形例においては、端末機器3の端末側記憶部37に記憶されている充電量関連情報を用いて充電警告情報の報知の要否を行うが、これに限定されるものではない。例えば、端末機器3の端末側制御部35は、外部200に記憶されている充電量関連情報を受信し、充電警告情報の報知の要否を行っても、すなわち充電警告の制御を行ってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 ウェアラブル端末システム
2 電子時計(ウェアラブル端末)
21 アンテナ
22 時計側通信部
23 時計側制御部
24 時計側電源部
25 駆動機構部
26 時計表示部
27 操作部
28 時計側記憶部
29 外装ケース
3 端末機器
31 撮像部
32 タッチパネル部(端末側報知部)
33 アンテナ
34 端末側通信部
35 端末側制御部
35a 端末側カウント部
35b 内蔵時計部
36 端末側電源部
37 端末側記憶部
38 音声入出力部
100 インターネット網
200 外部サーバ
P 充電警告情報画像