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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】餃子成形機における残皮の切断還元装置
(51)【国際特許分類】
   A21C 11/02 20060101AFI20230419BHJP
   A21C 11/00 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
A21C11/02 Z
A21C11/00 Z
A21C11/02 B
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021212897
(22)【出願日】2021-12-27
【審査請求日】2022-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】391005606
【氏名又は名称】トーセー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100069213
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 功
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 とよの
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 好重
(72)【発明者】
【氏名】村上 政仁
【審査官】松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第211211191(CN,U)
【文献】中国実用新案第215224335(CN,U)
【文献】特開2019-165699(JP,A)
【文献】特開2010-148479(JP,A)
【文献】特表2008-509702(JP,A)
【文献】特開2021-153462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 1/00-15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半練り状の麺皮原料を圧縮して帯状に成形し、得られた帯状の材料を所定形状に型抜きして餃子皮とし、餃子皮に餃子の具を載せるとともに、当該餃子皮で前記餃子の具を包んで餃子を得る餃子成形機において、前記型抜き後の帯状残皮をその送り部を介して所定長の残皮片に順次切断する切断部と、該切断部で切断された残皮片が連続して落下して供給される半練り状の麺皮原料との供給部と、前記供給部内において混合された前記残皮片及び麺皮原料を圧縮し一層構造の新麺帯とする麺帯成形部とを具備し、以って前記麺帯成形部で成形された新麺帯の型抜き後の帯状残皮を前記切断部で切断することで得られる残皮片を前記半練り状の麺皮原料の供給部へ還元させるように構成したことを特徴とする餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項2】
前記帯状残皮の切断部は、垂直に降下する帯状残皮を両面から挟持しつつ縦方向に間隔を置いて横断するよう対向配設する一対の回転刃と回転ローラとを具備してなることを特徴とする請求項1記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項3】
前記回転刃は、回転軸の外周に帯状残皮の横幅よりやや長目の板刃を複数等間隔に突設してなることを特徴とする請求項2記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項4】
前記回転刃と回転ローラ下方には、回転刃の板刃先端と回転ローラ外周面に付着した麺滓を掻き落すスクレーパを配設したことを特徴とする請求項2または請求項3記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項5】
前記帯状残皮の切断部は、垂直に降下する帯状残皮を両面から挟持しつつ縦方向に間隔を置いて横断するよう水平方向に進退する平刃及び受け板にて形成されていることを特徴とする請求項1記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項6】
前記供給部は、前記切断部の下方に配置され、半練り状の麺皮原料及び前記切断部で切断された残皮片が落下供給されるホッパと、該ホッパの下側に前記麺皮原料及び残皮片を混合しつつ前記麺帯成形部に搬送する搬送コンベアとを具備してなることを特徴とする請求項1、2、5の何れかに記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項7】
前記ホッパ内部に、前記搬送コンベアによって搬送される半練り状の麺皮原料及び残皮片を撹拌しつつ混合する撹拌機構を具備してなることを特徴とする請求項6記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項8】
前記麺帯成形部は、複数のビートローラを同一円周上へ回動自在に軸支した回転円板を支持枠下方で枢支された軸に固定してなる圧延機を具備し、前記供給部下側の搬送コンベア前方の駆動ローラ上部との間で、前記供給部内で混合された半練り状の麺皮原料及び残皮片が圧延され、一層状の新麺帯を形成するようにしたことを特徴とする請求項1または6記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項9】
前記麺帯成形部は、パイプローラを回動自在に支持枠下方で枢支された軸に固定してなる圧延機を具備し、前記供給部下側の搬送コンベア前方の駆動ローラ上部との間で、前記供給部内で混合された半練り状の麺皮原料及び残皮片が圧延され、一層状の新麺帯を形成するようにしたことを特徴とする請求項1または6記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項10】
前記送り部は、前部位置に配設された駆動ローラと、後部位置に配設された従動ローラと、両ローラ間に巻回された無端状のコンベアベルトと、前記コンベアベルトの上側水平部下面に沿って配設された支持板と、前記コンベアベルトの後方寄りおいて前記支持板の上下両面に前記コンベアベルトの上側水平部及び下側水平部を接触あるいは近接させる押圧ローラと押上げローラとを具備してなることを特徴とする請求項1記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項11】
前記無端状のコンベアベルトには、複数の餃子皮の型抜き孔が等間隔に開口されていることを特徴とする請求項10記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項12】
前記支持板には、その後方の型抜き部内において、前記コンベアベルトの型抜き孔と同形、同大の餃子皮の貫通孔が開口されていることを特徴とする請求項1または1に記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項13】
前記駆動ローラの両端外周には複数の係止突起が等間隔に突設されるとともに、前記無端状のコンベアベルトの両側には前記係止突起に係止される複数の係止孔が等間隔に穿設され、これによって前記駆動ローラの回転に伴って前記コンベアベルトが同方向へ回動するようにしたことを特徴とする請求項10記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項14】
前記型抜き部は、前記送り部の後方近傍において上方より被覆された下端開放のカバーと、該カバー内の略中央部に固定された基板と、該基板下方に昇降自在に配設された抜き型とを具備してなることを特徴とする請求項12記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項15】
前記抜き型は、前記カバー内において前記送り部の支持板の貫通孔およびコンベアベルトの上下両面を貫通した型抜き孔へ順次挿脱しつつ前記コンベアベルト上面に載置された新麺帯を型抜きすることによって得られる、複数の抜き孔が等間隔に形成された帯状残皮を前記送り部前方へ移行させるようにしたことを特徴とする請求項14記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【請求項16】
前記抜き型は、前記カバー内において前記送り部の支持板の貫通孔およびコンベアベルトの上下両面を貫通した型抜き孔へ順次挿脱しつつ前記コンベアベルト上面に載置された新麺帯を型抜きすることによって得られる餃子皮を前記型抜き部下方に待機する餃子成型器へ移行させるようにしたことを特徴とする請求項14記載の餃子成形機における残皮の切断還元装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、餃子成形機における残皮の切断還元装置、詳しくは帯状の麺皮を餃子の皮として型抜きした後の帯状残皮を再利用するための餃子成形機における残皮の切断還元装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、半練り状の材料を投入可能な投入部と、該投入部に投入された半練り状の材料を圧縮して帯状に成形する帯状成形部と、該帯状成形部で得られた帯状の材料を所定形状に型抜きして餃子の皮とし得る型抜き部と、該型抜き部で得られた餃子の皮に餃子の具を載せるとともに、当該餃子の皮で前記餃子の具を包んで餃子を得る餃子成形部と、前記型抜き部による型抜き後の残皮を前記帯状成形部に搬入させる搬入部とを具備した餃子の製造装置が存在する。
【0003】
この特許文献1の帯状成形部は、一方の面側に形成され、前記投入部に投入された半練り状の材料にて形成された第1層と、他方の面側に形成され、前記搬入部により前記帯状成形部に搬入された残り材料にて形成された第2層とを有した帯状の材料を成形し得るものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6727566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、残り材料を再利用して製造コストを低減させることができるものの、残り材料にて形成された第2層が餃子の具を載せる皮の内側にあるため、第一層の皮と比べて柔軟性に欠け、食感が悪くなる虞がある。すなわち、再利用する残り材料の水分と新たに投入される半練り状の材料の水分とに違いが生じているため、型抜き部で型抜きした残り材料を餃子の皮として再利用した場合、当該残り材料で得られた部分と半練り状の新材料で得られた部分とで硬さが異なり、その結果品質的にバラツキが生じ、食感、食味が低下するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、型抜き後の残り材料(残皮)を再利用して製造コストを低下させることができるとともに、当該残り材料による食感、食味の低下を抑制してバラツキのない品質を維持することができる一層構造の餃子皮が得られる餃子成形機における残皮の切断還元装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明にあっては、半練り状の麺皮原料を圧縮して帯状に成形し、得られた帯状の材料を所定形状に型抜きして餃子皮とし、餃子皮に餃子の具を載せるとともに、当該餃子皮で前記餃子の具を包んで餃子を得る餃子成形機において、前記型抜き後の帯状残皮をその送り部を介して所定長の残皮片に順次切断する切断部と、該切断部で切断された残皮片が連続して落下して供給される半練り状の麺皮原料との供給部と、前記供給部内において混合された前記残皮片及び麺皮原料を圧縮し一層構造の新麺帯とする麺帯成形部とを具備し、以って前記麺帯成形部で成形された新麺帯の型抜き後の帯状残皮を前記切断部で切断することで得られる残皮片を前記半練り状の麺皮原料の供給部へ還元させるように構成したことを特徴とする。
【0008】
前記帯状残皮の切断部は、垂直に降下する帯状残皮を両面から挟持しつつ縦方向に間隔を置いて横断するよう対向配設する一対の回転刃と回転ローラとを具備してなることを特徴とする。
【0009】
前記回転刃は、回転軸の外周に帯状残皮の横幅よりやや長目の板刃を複数等間隔に突設してなることを特徴とする。
【0010】
前記回転刃と回転ローラ下方には、回転刃の板刃先端と回転ローラ外周面に付着した麺滓を掻き落すスクレーパを配設したことを特徴とする。
【0011】
前記帯状残皮の切断部は、垂直に降下する帯状残皮を両面から挟持しつつ縦方向に間隔を置いて横断するよう水平方向に進退する平刃及び受け板にて形成されていることを特徴とする。
【0012】
前記供給部は、前記切断部の下方に配置され、半練り状の麺皮原料及び前記切断部で切断された残皮片が落下供給されるホッパと、該ホッパの下側に前記麺皮原料及び残皮片を混合しつつ前記麺帯成形部に搬送する搬送コンベアとを具備してなることを特徴とする。
【0013】
前記ホッパ内部に、前記搬送コンベアによって搬送される半練り状の麺皮原料及び残皮片を撹拌しつつ混合する撹拌機構を具備してなることを特徴とする。
【0014】
前記麺帯成形部は、複数のビートローラを同一円周上へ回動自在に軸支した回転円板を支持枠下方で枢支された軸に固定してなる圧延機を具備し、前記供給部下側の搬送コンベア前方の駆動ローラ上部との間で、前記供給部内で混合された半練り状の麺皮原料及び残皮片が圧延され、一層状の新麺帯を形成するようにしたことを特徴とする。
【0015】
前記麺帯成形部は、パイプローラを回動自在に支持枠下方で枢支された軸に固定してなる圧延機を具備し、前記供給部下側の搬送コンベア前方の駆動ローラ上部との間で、前記供給部内で混合された半練り状の麺皮原料及び残皮片が圧延され、一層状の新麺帯を形成するようにしたことを特徴とする。
【0016】
前記送り部は、前部位置に配設された駆動ローラと、後部位置に配設された従動ローラと、両ローラ間に巻回された無端状のコンベアベルトと、前記コンベアベルトの上側水平部下面に沿って配設された支持板と、前記コンベアベルトの後方寄りおいて前記支持板の上下両面に前記コンベアベルトの上側水平部及び下側水平部を接触あるいは近接させる押圧ローラと押上げローラとを具備してなることを特徴とする。
【0017】
前記無端状のコンベアベルトには、複数の餃子皮の型抜き孔が等間隔に開口されていることを特徴とする。
【0018】
前記支持板には、その後方の型抜き部内において、前記コンベアベルトの型抜き孔と同形、同大の餃子皮の貫通孔が開口されていることを特徴とする。
【0019】
前記駆動ローラの両端外周には複数の係止突起が等間隔に突設されるとともに、前記無端状のコンベアベルトの両側には前記係止突起に係止される複数の係止孔が等間隔に穿設され、これによって前記駆動ローラの回転に伴って前記コンベアベルトが同方向へ回動するようにしたことを特徴とする。
【0020】
前記型抜き部は、前記送り部の後方近傍において上方より被覆された下端開放のカバーと、該カバー内の略中央部に固定された基板と、該基板下方に昇降自在に配設された抜き型とを具備してなることを特徴とする。
【0021】
前記抜き型は、前記カバー内において前記送り部の支持板の貫通孔およびコンベアベルトの上下両面を貫通した型抜き孔へ順次挿脱しつつ前記コンベアベルト上面に載置された新麺帯を型抜きすることによって得られる、複数の抜き孔が等間隔に形成された帯状残皮を前記送り部前方へ移行させるようにしたことを特徴とする。
【0022】
前記抜き型は、前記カバー内において前記送り部の支持板の貫通孔およびコンベアベルトの上下両面を貫通した型抜き孔へ順次挿脱しつつ前記コンベアベルト上面に載置された新麺帯を型抜きすることによって得られる餃子皮を前記型抜き部下方に待機する餃子成型器へ移行させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
以下、本発明の効果について説明する。
【0024】
請求項1によると、半練り状の麺皮原料を圧縮して帯状に成形し、得られた帯状の材料を所定形状に型抜きして餃子皮とし、餃子皮に餃子の具を載せるとともに、当該餃子皮で前記餃子の具を包んで餃子を得る餃子成形機において、前記型抜き後の帯状残皮をその送り部を介して所定長の残皮片に順次切断する切断部と、該切断部で切断された残皮片が連続して落下して供給される半練り状の麺皮原料との供給部と、前記供給部内において混合された前記残皮片及び麺皮原料を圧縮し一層構造の新麺帯とする麺帯成形部とを具備し、以って前記麺帯成形部で成形された新麺帯の型抜き後の帯状残皮を前記切断部で切断することで得られる残皮片を前記半練り状の麺皮原料の供給部へ還元させるように構成したものであるから、残り材料である残皮を再利用して製造コストを低下させることができるとともに、二層構造の餃子皮の両面で硬さの違いがあることによる食感、食味の低下を新麺帯による一層構造とすることによって改善することができる。
【0025】
請求項2によると、前記帯状残皮の切断部は、垂直に降下する帯状残皮を両面から挟持しつつ縦方向に間隔を置いて横断するよう対向配設する一対の回転刃と回転ローラとを具備してなるものであるから、型抜き後の帯状残皮を連続して切断することが可能で、多数の残皮片が効率良く得られる。
【0026】
請求項3によると、前記回転刃は、回転軸の外周に帯状残皮の横幅よりやや長目の板刃を複数等間隔に突設してなるものであるから、型抜き後の帯状残皮を切り残すことなく確実に切断することが可能である。
【0027】
請求項4によると、前記回転刃と回転ローラ下方には、回転刃の板刃先端と回転ローラ外周面に付着した麺滓を掻き落すスクレーパを配設したものであるから、回転刃や回転ローラの動作による取り残しや切断作業に支障を来たすことがなく、且つ掻き落された麺滓を無駄にすることなくホッパ内部へ落下供給することが可能である。
【0028】
請求項5によると、前記帯状残皮の切断部は、垂直に降下する帯状残皮を両面から挟持しつつ縦方向に間隔を置いて横断するよう水平方向に進退する平刃及び受け板にて形成されているものであるから、型抜き後の帯状残皮を連続して切断することが可能で、多数の残皮片が効率良く得られる。
【0029】
請求項6によると、前記供給部は、前記切断部の下方に配置され、半練り状の麺皮原料及び前記切断部で切断された残皮片が落下供給されるホッパと、該ホッパの下側に前記麺皮原料及び残皮片を混合しつつ前記麺帯成形部に搬送する搬送コンベアとを具備してなるものであるから、前記半練り状の麺皮原料と残皮片をスムーズ且つ確実に移行させ、麺帯成形部に送り込むことが可能である。
【0030】
請求項7によると、前記ホッパ内部に、前記搬送コンベアによって搬送される半練り状の麺皮原料及び残皮片を撹拌しつつ混合する撹拌機構を具備してなるものであるから、前記ホッパ内において半練り状の麺帯原料及び残皮片をより一層確実に混合することができる。
【0031】
請求項8によると、前記麺帯成形部は、複数のビートローラを同一円周上へ回動自在に軸支した回転円板を支持枠下方で枢支された軸に固定してなる圧延機を具備し、前記供給部下側の搬送コンベア前方の駆動ローラ上部との間で、前記供給部内で混合された半練り状の麺皮原料及び残皮片が圧延され、一層状の新麺帯を形成するようにしたものであるから、複数のビートローラによる叩き動作により、一層構造の新麺帯を短時間で容易且つ確実に形成することができる。
【0032】
請求項9によると、前記麺帯成形部は、パイプローラを回動自在に支持枠下方で枢支された軸に固定してなる圧延機を具備し、前記供給部下側の搬送コンベア前方の駆動ローラ上部との間で、前記供給部内で混合された半練り状の麺皮原料及び残皮片が圧延され、一層状の新麺帯を形成するようにしたものであるから、パイプローラの圧延によって、一層構造の新麺帯を短時間で容易且つ確実に形成することができる。
【0033】
請求項10によると、前記送り部は、前部位置に配設された駆動ローラと、後部位置に配設された従動ローラと、両ローラ間に巻回された無端状のコンベアベルトと、前記コンベアベルトの上側水平部下面に沿って配設された支持板と、前記コンベアベルトの後方寄りおいて前記支持板の上下両面に前記コンベアベルトの上側水平部及び下側水平部を接触あるいは近接させる押圧ローラと押上げローラとを具備してなるものであるから、型抜き後の帯状残皮をスムーズに前方に移行しつつ前記駆動ローラ先端から垂下させ、下方に位置する前記切断部へ確実に送り込むことができる。
【0034】
請求項11によると、前記無端状のコンベアベルトには、複数の餃子皮の型抜き孔が等間隔に開口されているものであるから、コンベアベルト上に載置された新麺帯を餃子皮に間欠的に型抜きするのに好適である。
【0035】
請求項12によると、前記支持板には、その後方の型抜き部内において、前記コンベアベルトの型抜き孔と同形、同大の餃子皮の貫通孔が開口されているものであるから、前記コンベアベルトを水平状態に安定させることができるとともに、前記コンベアベルトの型抜き孔で新麺帯を型抜きする際に支障となることがなく確実に型抜きすることができる。
【0036】
請求項13によると、前記駆動ローラの両端外周には複数の係止突起が等間隔に突設されるとともに、前記無端状のコンベアベルトの両側には前記係止突起に係止される複数の係止孔が等間隔に穿設され、これによって前記駆動ローラの回転に伴って前記コンベアベルトが同方向へ回動するようにしたものであるから、前記コンベアベルトの回動がスムーズ且つ確実に行なえる。
【0037】
請求項14によると、前記型抜き部は、前記送り部の後方近傍において上方より被覆された下端開放のカバーと、該カバー内の略中央部に固定された基板と、該基板下方に昇降自在に配設された抜き型とを具備してなるものであるから、簡略な機構で新麺帯を餃子皮に確実且つ容易に型抜きすることができる。
【0038】
請求項15によると、前記抜き型は、前記カバー内において前記送り部の支持板の貫通孔およびコンベアベルトの上下両面を貫通した型抜き孔へ順次挿脱しつつ前記コンベアベルト上面に載置された新麺帯を型抜きすることによって得られる、複数の抜き孔が等間隔に形成された帯状残皮を前記送り部前方へ移行させるようにしたものであるから、前記同様に前記抜き型の昇降に伴う抜き操作時に支障となることがなく、前記抜き型はスムーズに動作し、型抜き後の帯状残皮の送り部前方への移行が容易となる。
【0039】
請求項16によると、前記抜き型は、前記カバー内において前記送り部の支持板の貫通孔およびコンベアベルトの上下両面を貫通した型抜き孔へ順次挿脱しつつ前記コンベアベルト上面に載置された新麺帯を型抜きすることによって得られる餃子皮を前記型抜き部下方に待機する餃子成型器へ移行させるようにしたものであるから、三層に重合されたベルトコンベアの上下両面と支持板の各孔が合致するため、前記抜き型の昇降に伴う抜き操作時に支障となることがなく、前記抜き型はスムーズに動作し、前記餃子皮の餃子成型器への移行が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明を実施するための一形態を示す餃子成形機の正面図である。
図2】同じく餃子成形機の残皮を含む餃子皮の搬送経路を詳細に示す正面図である。
図3】同じく餃子成形機における型抜き後の帯状残皮の送り部と切断部と残皮片及び半練り状の麺皮原料の混合供給部と麺帯成形部の各使用状態を示す説明図である。
図4】同じく餃子成形機における型抜き後の帯状残皮の送り部(正面側支持枠を取り外した状態)の拡大した正面図である。
図5】同じく送り部の平面図である。
図6】同じく餃子成形機における型抜き後の帯状残皮の切断部の拡大した平面図である。
図7】同じく餃子成形機における型抜き後の帯状残皮の切断部の他例を示すもので、図中(a)は帯状残皮切断前の説明図、(b)は帯状残皮切断時の説明図(c)は帯状残皮の切断部の平面図である。
図8】同じく残皮が切断部により切断された状態を示す説明図である。
図9】同じく餃子成形機における麺帯成形部のビートローラ全体を示す斜視図である。
図10】同じく餃子成形機における麺帯成形部のビートローラの押込板を示す正面図である。
図11】同じく餃子成形部の他例であるパイプローラ全体を示す正面図である。
図12】同じく餃子成形機における他例である型抜き後の帯状残皮の送り部と切断部と残皮片及び半練り状の麺皮原料の撹拌機構内蔵の混合供給部とパイプローラを使用した麺帯成形部の使用状態を示す説明図である。
図13】同じく撹拌機構の一例を示す撹拌バーの斜視図である。
図14】同じく餃子成形機における型抜き器を示すもので、図(a)は型抜き前の断面図、図(b)は型抜き後の断面図である。
図15】同じく型抜き器により型抜きした餃子皮により餃子を成形するための成形型の断面図であり、(a)は餃子皮と具を載せた成形型の開状態を示し、(b)は成形型の閉状態を示し、(c)は成形された餃子を成形型から押し出する状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明に係る餃子成形機における残皮の切断還元装置の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0042】
先ず、本実施形態における餃子成形機Pを包括的に説明すると、図1図2及び図3に示すように、小麦粉に水を混ぜて混錬することにより形成された半練り状の麺皮原料Fと、帯状残皮N(後述する新麺帯を材料とする)を切断して得られた残皮片N1とを混合した後圧縮して一層構造の新麺帯Wを形成し、この新麺帯Wを所定形状に型抜きして得られる餃子皮Mに具gを載せた後、当該餃子皮Mで前記具gを包んで餃子Gを成形するよう構成されている。
【0043】
具体的には、本発明に係る餃子成形機における残皮の切断還元装置は、前記新麺帯Wの型抜き後の帯状残皮Nを所定長に連続して切断する切断部1と、前記新麺帯Wを前記切断部1で切断して得られる残皮片N1が次々に落下して供給される前記半練り状の麺皮原料Fとの供給部2と、前記供給部2内において混合された残皮片N1及び半練り状の麺皮原料Fを圧縮して一層構造の新麺帯Wとする麺帯成形部3と、前記麺帯成形部3で形成された新麺帯Wを搬送コンベア8で移送し、当該新麺帯Wを圧延する圧延部4と、圧延後の新麺帯Wを搬送コンベア9で移送し当該新麺帯Wを餃子皮Mに型抜きする型抜き部5と、型抜き後の帯状残皮Nを前記切断部1へ導入する送り部6及び餃子成形器7とを主要部として具備する。
【0044】
さらに詳しくは、前記切断部1は、図1図2図3及び図6に示すように、回転刃10と回転ローラ11とが前後左右に緩接した状態で対向配設されるとともに、前記回転刃10と前記回転ローラ11の下方に、上端(先端)が前記回転刃10と前記回転ローラ11外周面に当接するよう略八字形状のスクレーパ12、12が、さらにその下方に逆八字形状のカバー13、13が各々配設されている。
【0045】
前記スクレーパ12、12は、前記送り部6の先端部から降下された帯状残皮Nを前記切断部1における回転刃10と回転ローラ11間で所定長の残皮片N1に切断する際、当該回転刃10の先端(後述する複数の板刃先端)と回転ローラ11の外周面に付着した麺滓を掻き落すためのものである。
【0046】
一方、前記カバー13、13は、前記切断部1を覆う役割の外に、前記スクレーパ12、12によって掻き落された麺滓とともに前記残皮片N1を下端隙間から下方の供給部2内に供給するためのガイドの役割も果す。
【0047】
前記切断部1において、前記回転刃10は、金属材にて形成されており、円柱状の回転軸10aの外周に複数(図示例では8枚)の板刃10b基部が等間隔に周設されている。
【0048】
一方、前記切断部1において、前記回転ローラ11は金属材にて形成されており、円柱状の回転軸11aの外周にパイプローラ11bが固着されている。このパイプローラ11bは金属材の代わりに硬質の弾性材、例えば硬質ゴムなどを使ってもよい。
【0049】
前記回転刃10は、図6に示すように、回転軸10aの両端が略矩形のフレーム14の両端にベアリング15を介して回転自在に軸支させているとともに、前記回転軸10aの一端が延長形成されており、該延長部にカップリング16を介してモータ等の駆動装置17の駆動軸17aに固着された回転板18の係止軸19に連動して回転する。尚、前記回転刃10の回転手段は前記部品に限定されるものではなく、例えばギヤやチェーン等を利用してもよい。さらに、前記回転軸10aをモータ等の駆動装置17の駆動軸17aへ直結して連動させるようにしても良い。
【0050】
前記回転ローラ11は、回転軸11aの両端が前記矩形のフレーム14の両端にベアリング20を介してフリーに回転するよう軸支されている。そして、前記矩形のフレーム14及びモータ等の駆動装置17は取付板21に各々取り付けられている。
【0051】
尚、前記回転ローラ11は前記ベアリング20を介してフリーに回転できるように設定されているが、不図示の駆動源を介して図3に示すように矢印方向(回転刃10とは反対方向)に回転駆動させるようにすることも可能である。
【0052】
また、前記切断部1において、回転刃10の板刃10bと回転ローラ11の横幅(軸方向の長さ)は切断対象物である帯状残皮Nのそれよりやや長めに設定する。これによって帯状残皮Nは前記回転刃10の板刃10b先端が間欠的に前記回転ローラ11の外周面に当接することによって切り残しなく次々と切り離される。
【0053】
次に、前記切断部1の他例について説明する。
前記した本例の切断部1は、複数の板刃10bを備える回転刃10と一本の回転ローラ11の組み合せによって形成されているが、他例の切断部1は、図7に示すように、いわば包丁とまな板との組み合せによって形成されるものである。
【0054】
すなわち、前記帯状残皮Nの送り部6の先端から垂直下方へ降下する当該帯状残皮Nの背面に受け板22を配設し、一方前記受け板22の正面側に横設されたシリンダー等の駆動装置23によって前後方向へ伸縮する軸部23aに水平に固定された1枚の平刃24が前記受け板22と所定の間隔を置いて対向配設されている。
【0055】
図中25は基板、26は前記基板25に前記駆動装置23を固定する保持バンドを各々示す。尚、前記水平な平刃24は上下方向に所定の間隔を置いて複数設けても良い。
【0056】
図中7の(a)は、前記駆動装置23の軸部23aが縮小され、該軸部23aに固定された平刃24が前記受け板22から離間した状態にある。このとき、前記送り部6から送り込まれる帯状残皮Nは前記受け板22の正面に位置するも、前記平刃24の対向位置まで降下していない。
【0057】
次いで、図7中の(b)は、前記駆動装置23の軸部23aが伸長され、該軸部23aに固定された平刃24が前記受け板22に当接した状態にある。このとき、前記送り部6から送り込まれる帯状残皮Nは、前記受け板22の正面に摺接しつつ降下しているため当該平刃24先端の刃先24aによって所定長の残皮片N1に次々と切断される。
【0058】
そして、前記平刃24は、前記駆動装置23の軸部23aが繰り返し伸縮することで前記受け板22の正面を沿って降下する途中帯状残皮Nを断続的に切断する。こうして切断された残皮片N1は下方の供給部2内へ連続して落下供給される。
【0059】
図8は、送り部6から下方に送り込まれた帯状残皮Nの切断状態を示すもので、当該帯状残皮Nには餃子皮Mを抜いた後の抜き孔N2が複数形成されているため切断後の残皮片N1は大小種々な大きさ及び形状に分散されて前記供給部2内へ次々と供給される。
【0060】
また、前記供給部2は、図1図2及び図3に示すように、前記切断部1の下方に配置されるもので、前記半練り状の麺皮原料F及び帯状残皮Nの切断後の残皮片N1を投入するホッパ27と、該ホッパ27内の下側に前記麺皮原料F及び残皮片N1を次工程の麺帯成形部3へ搬送する搬送コンベア28とを具備する。そして、前記搬送コンベア28は、前方の駆動ローラ28aと、後方の従動ローラ28bと両ローラ28a、28b間に巻回されたコンベアベルト28cとからなる。
【0061】
詳述すると、前記供給部2は、前記ホッパ27内後方の搬送コンベア28上面に半練り状の麺皮原料Fを供給した後、当該麺皮原料Fの上側に、前記切断部1によって切断された残皮片N1が連続的に降下投入されるよう形成されている。
【0062】
このようにしてホッパ27に供給される残皮片N1は、帯状残皮N全体に型抜き後の抜き孔N2が多数形成されているため、図8に示すように、大小種々な大きさ及び形状を有する多数の残皮片N1に分散されてホッパ27内の半練り状の麺皮原料Fの上方へ連続して落とし込まれ、同時に当該残皮片N1の上方へ半練り状の麺皮原料Fが投入される作業が順次繰り返されるため、搬送コンベア28によって後方から前方へ移送される途中で前記半練り状の麺皮原料Fと混合される。
【0063】
また、前記ホッパ27は、前後方向(搬送コンベア28の回転方向)に長い平面視長方形状で、且つ上下方向に開口している矩形枠27aにて形成されるとともに、該矩形枠27aの前方は開放され次工程の麺帯成形部3と連通してある。
【0064】
そして、図12に示すように、前記ホッパ27内のほぼ中央位置に前記残皮片N1と半練り状の麺皮原料Fを撹拌するためのモータ等の駆動装置(不図示)によって回転する撹拌機構29を設けることで、前記残皮片N1と半練り状の麺皮原料Fとは、より一層均等に混合されつつ前記ホッパ27内(矩形枠27a)前方の開放部を経て次の麺帯成形部3へ移行することが可能となる。
【0065】
前記撹拌機構29は、図13に示すように、一端がモータ等の駆動装置(不図示)に連動連結された中心軸29a外周に長手方向へ等間隔にして、且つ幅方向に2本を1セットとして90度ずらした状態で複数本の撹拌バー29bを正面視十字状となるように突設して形成されている。尚、前記撹拌機構29は、前記の撹拌バー29bの他に、同等の機能を有するものであれば板状の撹拌羽根、その他の構成のものでもよい。
【0066】
前記麺帯成形部3は、図1図2図3図9に示すように、前記供給部2の前方に配設され、前記ホッパ27内の搬送コンベア28の上面に供給された半練り状の麺皮原料F及び前記切断部1で切断された帯状残皮Nの残皮片N1の混合物を圧延して一層構造の新麺帯Wに成形するものである。
【0067】
すなわち、前記麺帯成形部3は、図9に詳細に示すように、複数のビートローラ30aを同一円周上へ回動自在に軸支した回転円板30bを支持枠30cの下方で枢支された軸30dに固定してなる圧延機30を具備し、前記供給部2下側の搬送コンベア28前方の駆動ローラ28a上部との間で、前記供給部2内で混合された半練り状の麺皮原料F及び残皮片N1を圧延する。そして、前記圧延機30には、前記軸30dを支点として複数のビートローラ30aの手前に、段付きの押圧板30eが揺動自在に軸支され、その2段の下端面で搬送コンベア28上の麺皮原料Fと残皮片N1の混合物を前記圧延機30へ移行する前に段階的に押し付けるようになっている。尚、図1及び図2において破線図で示す30kはカバー部分を示す。
【0068】
また、前記ビートローラ30aの内側には、前記供給部2から搬送コンベア28によって供給搬送される前記混合物が前記ビートローラ30aの周囲に進入して回転不具合を生じないように2枚の円弧状の仕切り板30f、30fが前後位置に対向配設されている。この状態で後方側の仕切り板30fは前記押圧板30eの内側に位置している。
【0069】
さらに、前記軸30dには、図10に示すように、押圧板30eの一端を固定した揺動部材30gが、前記押圧板30eとともに軸受30hを介して図中a位置及びb位置の間を揺動自在に軸支されている。前記揺動部材30gの他端にはクランクアーム30iが回転自在に連結され、且つ前記クランクアーム30iの他端は往復移動機構として、例えばクランク円板30jの偏心部に回転自在に連結されている。
【0070】
一方、図11及び図12に示すように、前記ビートローラ30aに替えてパイプローラ30lを使用することができる。このパイプローラ30lの駆動機構その他の部分は前記ビートローラ30aと同一なので省略する。
【0071】
前記圧延部4は、前記麺帯成形部3によって前記半練り状の麺皮原料Fと残皮片N1との混合物を圧縮して一層構造の新麺帯Wを成形した後、前記搬送コンベア8を介して前記新麺帯Wを展伸させる複数(本実施形態においては3個)の圧延手段(31a~31c)を具備する。
【0072】
具体的には、前記圧延手段(31a~31c)には、図1及び図2に示すように、それぞれ一対のローラ(r1、r2)が順次間隔を狭めて配設されており、これら一対のローラ(r1、r2)間を新麺帯Wが通過することにより、厚み方向に順次圧縮されて、最終的には所定厚みの餃子皮Mと同等の厚さの新麺帯Wが得られるものとなっている。
【0073】
そして、前記圧延手段(31a~31c)において、最後の一対のローラ(r1、r2)の下方には、既述の搬送コンベア9が配設されるとともに、前記両ローラ(r1、r2)間の直下にして、且つ前記搬送コンベア9の上部に、最後の両ローラ(r1、r2)間から垂下した新麺帯Wを正面視略L字状に折曲しつつ前記搬送コンベア9の先端方向へ搬送するガイドロール32が配設されている。
【0074】
こうして前記搬送コンベア9上を移行する新麺帯Wは当該搬送コンベア9の先端において下方に垂下され次工程の型抜き部5及び送り部6へ移送される。
【0075】
前記型抜き部5は、図14に記載されているように、前記麺帯成形部3、搬送コンベア8、圧延部4、搬送コンベア9を経て送り部6の後端側から導入される新麺帯Wを所定形状(例えば、円形や楕円形等)に型抜きして前記抜き孔N2を多数有する帯状残皮N及び餃子皮Mを得るためのものである。
【0076】
すなわち、前記型抜き部5は、前記送り部6の後方近傍において上方より被覆された下記開放の箱型のカバー33と、該カバー33内の略中央部に水平に固定された基板34と、該基板34の上部両側に配設された2個のシリンダー35、35と、両シリンダー35、35の駆動軸35a、35aの下端に連結固定された2個の抜き型36、36とを具備する。
【0077】
前記基板34は、上面が前記シリンダー35、35が垂直に固定されるようフラットに形成され、下面に前記2個の抜き型36、36が収容され同形状、同数の凹部37、37がそれぞれ下方に向って開口するよう形成されている。そして、前記抜き型36、36は、前記シリンダー35、35の駆動軸35a、35aの上下動により前記凹部37、37の内壁に周接しつつ昇降するようになっている。
【0078】
一方、前記カバー33の下方には、図14(a)に示すように、新麺帯Wが前記送り部6上に載置されるとともに、2個一対の餃子成形機7、7が待機している。
【0079】
このとき、前記送り部6は、送りコンベアの上部ベルト、中間部の支持板、下部ベルトの各孔が連通した状態となっており(この状態は後述する)、図14(b)に示すように、前記シリンダー35、35の駆動軸35a、35aが下降するのに伴って前記抜き型36、36が前記各孔を挿通して前記新麺帯Wから餃子皮Mを型抜きすることにより、帯状残皮Nが送り部6の前方へ移送される一方、餃子皮Mが待機中の前記餃子成形機7、7上面に落下して載置される。
【0080】
尚、本実施形態では、抜き型36、36の昇降動作を2個のシリンダー35、35によって行っているが、これに限られるわけではなく、その他の駆動機構を利用してもよいことは勿論である。
【0081】
前記送り部6は、図4図5及び図8に示すように、前部位置に配設された大径の駆動ローラ38と、後部位置に配設された小径の従動ローラ39と、両ローラ38、39間に巻回された無端状のコンベアベルト40と、該コンベアベルト40の上側水平部40aの下面に沿って配設された支持板41と、前記コンベアベルト40の下側傾斜部40bを前記支持板41下面に接触ないしは近接させるよう、前記コンベアベルト40の中央やや後方に配設された回転自在の小径の押上げローラ42と、前記従動ローラ39の手前上方において前記コンベアベルト40を前記支持板41の上面に接触ないし近接させるよう配設された回転自在の小径の押圧ローラ43と、該押圧ローラ43の手前近傍において回転自在に配設された前記新麺帯Wを上方より直角方向に折曲しつつコンベアベルト40の上側水平部40a上面に案内するガイドローラ44と、前記駆動ローラ38から従動ローラ39に至る各ローラ38、39、42、43、44を軸支しつつ前記コンベアベルト40及び支持板41の両側に対向配設された支持枠45、45及び片側の支持枠45の外面に前記駆動ローラ38を矢印方向(反時計方向)に間欠回転させるよう配設されたモータ等の駆動装置46とを主要部として具備する。
【0082】
また、前記駆動ローラ38の両端外周には複数(本実施例では8個)の係止突起38aが等間隔に突設されるとともに、前記無端状のコンベアベルト40の両端には前記駆動ローラ38の各係止突起38aに係止される複数の係止孔40dが等間隔に穿設されている。
【0083】
こうして前記駆動ローラ38が駆動装置46によって図中矢印方向(反時計方向)に回転するのに伴い、前記駆動ローラ38両端の係止突起38aが前記無端状のコンベアベルト40両端の係止孔40dに次々と係合されることで前記コンベアベルト40も同方向、すなわち図中矢印(反時計方向)方向に回動する。
【0084】
さらに、前記無端状のコンベアベルト40には、両側及び長手方向に複数の餃子皮Mの型抜き孔40eが2列に亘って且つ等間隔に開設してある。前記型抜き孔40eが1列であっても良いことは勿論である。因みに、前記コンベアベルト40の型抜き孔40eと支持板41の貫通孔41aは前記帯状残皮Nの各抜き孔N2と同形、同大である。
【0085】
ところで、前記送り部6の後方側には、図4及び図14に示したように、既述した通り型抜き部5が配設されているが、前記型抜き部5のカバー33の内部下方において前記送り部6を構成する無端状のコンベアベルト40の上側水平部40aと下側水平部40cと、両水平部40a、40c間に挟持されるよう前記支持板41とが重合するよう配設されている。
【0086】
そして、前記支持板41には、基板34下面に設けられた凹部37、37の内側、すなわちシリンダー35、35によって昇降する抜き型36、36外形及び前記コンベアベルト40の型抜き孔40e内形と同形、同大の貫通孔41aが開口しており、前記駆動ローラ38によって間欠回動する前記コンベアベルト40が停止したとき、上側水平部40aと下側水平部40cの両型抜き孔40e、40eが前記貫通孔41aと合致するようになっている。
【0087】
こうして前記ガイドローラ44に案内されて前記コンベアベルト40の上側水平部40aの後方上面に移載された新麺帯Wは、前記コンベアベルト40の回動停止に伴って前記抜き型36、36がコンベアベルト40上部の抜き孔40e、40e、支持板41の貫通孔41a、さらにコンベアベルト40下部の抜き孔40e、40eを順次貫通して降下することによって型抜きされた餃子皮M、Mが下方に位置する餃子成型器7、7に落下供給される。
【0088】
一方、再度コンベアベルト40が回動するのに伴って型抜き後の帯状残皮Nが、前記支持板41により支持されつつ前記コンベアベルト40の上側水平部40aを経て前方の駆動ローラ38上面へ移送され、当該駆動ローラ38の先端から垂下され、以下前記切断部
1により切断された残皮片N1となって前記供給部2におけるホッパ27内の搬送コンベア28上面後方に落下供給される。
【0089】
前記型抜き部5によって型抜きされた餃子皮Mを使って餃子Gを製造する餃子成型器7は、図15(a)に示すように受型47、中間型8、押型49、餃子成形凹部50及び基台51を主要部材として具備している。前記餃子成形凹部50は受型47、中間型48、押型49によって基台51上に形成される。
【0090】
そして、前記受型47、中間型48、押型49を開状態となし、前記成形凹部50及び基台51を含む前記中間型48と押型49の上面に餃子皮Mを前記型抜き部5を経て載置した後、前記餃子成形機Pの具充填用ホッパHより前記餃子皮Mの略中央部に具gを充填する。
【0091】
次いで、図15(b)に示すように、各開閉ガイド52、53、54をガイドレール55、56、57に沿って摺動させることによって、受型47、中間型48、押型49を閉状態となし、具gを内包した状態で餃子皮Mを二つ折りにし、成形凹部50内で餃子Gを成形する。
【0092】
最後に、図15(c)に示すように、中間型48を除く受型47と押型49だけを元位置に開型し、中間型48の成形凹部50内に収納されている餃子Gを押出し具58によって前方へ押し出す。こうして押し出された餃子Gは押型49のフラットな受面をスライドして搬出テーブル、搬出コンベア等に排出される。
尚、図1及び図2において、Lは各種機構の制御盤を示す。
【符号の説明】
【0093】
P 餃子成形機
F 半練り状の麺皮原料
N 帯状残皮
N1 残皮片
N2 抜き孔
W 新麺帯
M 餃子皮
g 具
G 餃子
H 具充填用ホッパ
L 制御盤
1 切断部
2 供給部
3 麺帯成形部
4 圧延部
5 型抜き部
6 送り部
7 餃子成形器
8 搬送コンベア
9 搬送コンベア
10 回転刃
10a 回転軸
10b 板刃
11 回転ローラ
11a 回転軸
11b パイプローラ
12 スクレーパ
13 カバー
14 フレーム
15 ベアリング
16 カップリング
17 駆動装置
17a 駆動軸
18 回転板
19 係止軸
20 ベアリング
21 取付板
22 受け板
23 駆動装置
23a 軸部
24 平刃
24a 刃先
25 基板
26 保持バンド
27 ホッパ
27a 矩形枠
28 搬送コンベア
28a 駆動ローラ
28b 駆動ローラ
28c コンベアベルト
29 撹拌機構
29a 中心軸
29b 撹拌バー
30 圧延機
30a ビートローラ
30b 回転円板
30c 支持枠
30d 軸
30e 押圧板
30f 仕切り板
30g 揺動部材
30h 軸受
30i クランクアーム
30j クランク円板
30k カバー
30l パイプローラ
31a~31c 圧延手段
r1、r2 一対のローラ
32 ガイドロール
33 カバー
34 基板
35 シリンダー
35a 駆動軸
36 抜き型
37 凹部
38 駆動ローラ
38a 係止突起
39 従動ローラ
40 コンベアベルト
40a 上側水平部
40b 下側傾斜部
40c 下側水平部
40d 係止孔
40e 型抜き孔
41 支持板
41a 貫通孔
42 押上げローラ
43 押圧ローラ
44 ガイドローラ
45 支持枠
46 駆動装置
47 受型
48 中間型
49 押型
50 成形凹部
51 基台
52 開閉ガイド
53 開閉ガイド
54 開閉ガイド
55 ガイドレール
56 ガイドレール
57 ガイドレール
58 押出し具
【要約】
【課題】餃子皮の残皮を再利用して製造コストを低下させることができるとともに、当該残皮による食感、食味の低下を抑制して品質を維持することができるようにした餃子成形機における残皮の切断還元装置を提供する。
【解決手段】半練り状の麺皮原料Fを圧縮して帯状に成形し、得られた帯状の材料を所定形状に型抜きして餃子皮Mとし、餃子皮に餃子の具gを包んで餃子Gを得る餃子成形機Pにおいて、前記型抜き後の帯状残皮Nを送り部6を経て所定長の残皮片N1に順次切断する切断部1と、該切断部1で切断された残皮片N1が連続して落下して供給される半練り状の麺皮原料Fとの供給部2と、前記供給部内において混合された前記残皮片及び麺皮原料を圧縮し一層構造の新麺帯Wとする麺帯成形部3とを具備してなる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15