(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】車両制御方法及び車両制御装置
(51)【国際特許分類】
B60W 30/09 20120101AFI20230421BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20230421BHJP
B60W 40/04 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
B60W30/09
G08G1/16 C
B60W40/04
(21)【出願番号】P 2021562193
(86)(22)【出願日】2019-12-02
(86)【国際出願番号】 IB2019001353
(87)【国際公開番号】W WO2021111164
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】武井 翔一
(72)【発明者】
【氏名】田中 慎也
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-070900(JP,A)
【文献】特開2013-184563(JP,A)
【文献】特開2019-053646(JP,A)
【文献】特開2017-224237(JP,A)
【文献】特開2008-102690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両が走行する道路上の静止物体の位置を検出し、
前記自車両の速度を検出し、
前記自車両が走行する走行車線に隣接する対向車線を前記自車両の進行方向と逆方向に走行する対向車両の位置及び速度を検出し、
前記道路上の領域で、かつ、前記道路の延在方向に沿って前記静止物体を含んで形成される領域を設定し、
前記自車両の速度と前記対向車両の位置及び速度とに基づいて、前記自車両と前記対向車両がすれ違う位置を算出し、
前記静止物体と前記対向車両との距離が長いほど大きくなる車速閾値を設定し、
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記静止物体から所定距離だけ離れた前記対向車両の位置に対応する前記対向車両の速度が、前記静止物体から所定距離だけ離れた前記対向車両の位置に対応する前記車速閾値以上である場合、前記自車両を減速させ、
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記静止物体から所定距離だけ離れた前記対向車両の位置に対応する前記対向車両の速度が、前記静止物体から所定距離だけ離れた前記対向車両の位置に対応する前記車速閾値未満である場合、前記自車両の速度を維持するまたは前記自車両を加速させる
ことを特徴とする車両制御方法。
【請求項2】
自車両が走行する道路上の静止物体の位置を検出し、
前記自車両の速度を検出し、
前記自車両が走行する走行車線に隣接する対向車線を前記自車両の進行方向と逆方向に走行する対向車両の位置及び速度を検出し、
前記静止物体から、前記対向車線上で前記自車両の進行方向に所定距離離れた位置に車線幅方向に伸びる仮想の切り替えラインを設定し、
前記静止物体から、前記走行車線上で前記対向車両の進行方向に所定距離離れた位置に仮想の停止ラインを設定し、
前記道路上の前記切り替えラインと前記停止ラインの間の領域で、且つ前記切り替えライン及び前記停止ラインを含む領域を設定し、
前記自車両の速度と前記対向車両の位置及び速度とに基づいて、前記自車両と前記対向車両がすれ違う位置を算出し、
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、前記対向車両の速度が増加した場合には、前記自車両を減速させ、
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、前記対向車両の速度が増加していない場合には、前記自車両の速度を維持するまたは前記自車両を加速させる
ことを特徴とする車両制御方法。
【請求項3】
前記静止物体から、前記対向車線上で前記自車両の進行方向に所定距離離れた位置に車線幅方向に伸びる仮想の切り替えラインを設定し、
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で奥側であり、且つ、前記静止物体から所定距離だけ離れた前記対向車両の位置に対応する前記対向車両の速度が、前記静止物体から所定距離だけ離れた前記対向車両の位置に対応する前記車速閾値以上である場合、前記自車両を減速させ、
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で奥側であり、且つ、前記静止物体から所定距離だけ離れた前記対向車両の位置に対応する前記対向車両の速度が、前記静止物体から所定距離だけ離れた前記対向車両の位置に対応する前記車速閾値未満である場合、前記自車両の速度を維持するまたは前記自車両を加速させる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両制御方法。
【請求項4】
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、前記対向車両の速度が増加した場合には、前記自車両を減速させ、
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、前記対向車両の速度が増加していない場合には、前記自車両の速度を維持するまたは前記自車両を加速させる
ことを特徴とする請求項3に記載の車両制御方法。
【請求項5】
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、前記対向車両の速度が前記車速閾値以上である、もしくは、前記対向車両の速度が増加した場合には、前記自車両を減速させ、
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、前記対向車両の速度が前記車速閾値未満であり、且つ、前記対向車両の速度が増加していない場合には、前記自車両の速度を維持するまたは前記自車両を加速させることを特徴とする請求項3に記載の車両制御方法。
【請求項6】
前記静止物体から、前記対向車線上で前記自車両の進行方向に所定距離離れた位置に車線幅方向に伸びる仮想の切り替えラインを設定し、
前記静止物体から、前記走行車線上で前記対向車両の進行方向に所定距離離れた位置に仮想の停止ラインを設定し、
前記道路上の前記切り替えラインと前記停止ラインの間の領域で、且つ前記切り替えライン及び前記停止ラインを含む領域を設定し、
前記自車両の速度と前記対向車両の位置及び速度とに基づいて、前記自車両と前記対向車両がすれ違う位置を算出し、
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で奥側であり、且つ、前記対向車両の速度が所定速度以上である場合、もしくは前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、前記対向車両の速度が増加した場合には、前記自車両を減速させ、
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で奥側であり、且つ、前記対向車両の速度が所定速度未満である場合、もしくは前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、前記対向車両の速度が増加していない場合には、前記自車両の速度を維持するまたは前記自車両を加速させる
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の車両制御方法。
【請求項7】
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で奥側であり、且つ、前記対向車両の速度が所定速度以上である場合、もしくは前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、前記対向車両の速度が増加した場合には前記停止ラインで停止するように前記自車両を減速させる
ことを特徴とする請求項6に記載の車両制御方法。
【請求項8】
前記対向車両が停止可能な位置に基づいて前記切り替えラインを設定する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の車両制御方法。
【請求項9】
前記静止物体から、前記対向車線上で前記自車両の進行方向に第2所定距離離れた位置に仮想の第2停止ラインを設定し、
前記対向車両の位置及び速度を用いて、前記対向車両が前記第2停止ラインで停止するための速度プロファイルを取得または生成し、
前記速度プロファイルに係る速度が第2所定速度となる位置に前記切り替えラインを設定する
ことを特徴とする請求項8に記載の車両制御方法。
【請求項10】
前記静止物体の後方の前記対向車線上に実際の停止線が存在する場合、前記実際の停止線の位置に前記切り替えラインを設定する
ことを特徴とする請求項8に記載の車両制御方法。
【請求項11】
前記静止物体の後方に2つ以上の道路が交差する部分が存在する場合、前記対向車両が前記交差する部分に進入する手前の位置に前記切り替えラインを設定する
ことを特徴とする請求項8に記載の車両制御方法。
【請求項12】
前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で奥側である場合、前記対向車両の速度から前記速度プロファイルに係る速度を減算して速度差を算出し、
前記速度差が第1所定値以上である場合には前記自車両を減速させ、
前記速度差が第2所定値未満である場合には前記自車両の速度を維持するまたは前記自車両を加速させ、
前記速度差が前記第1所定値未満、且つ前記第2所定値以上である場合には、前記自車両の速度を維持するまたは前記自車両を加速させる
ことを特徴とする請求項9に記載の車両制御方法。
【請求項13】
前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で奥側である場合、所定時間における前記対向車両の速度と前記所定時間における前記速度プロファイルに係る速度とを比較し、
前記所定時間における前記対向車両の速度が前記所定時間における前記速度プロファイルに係る速度より速い場合には前記自車両を減速させ、
前記所定時間における前記対向車両の速度が前記所定時間における前記速度プロファイルに係る速度より遅い場合には前記自車両の速度を維持するまたは前記自車両を加速させる
ことを特徴とする請求項9に記載の車両制御方法。
【請求項14】
前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で奥側である場合、所定時間における前記対向車両の速度の平均値と前記所定時間における前記速度プロファイルに係る速度の平均値と算出し、
前記所定時間内における前記対向車両の速度の平均値から前記所定時間における前記速度プロファイルに係る速度の平均値を減算して第2速度差を算出し、
前記第2速度差が第3所定値以上である場合には前記自車両を減速させ、
前記第2速度差が第4所定値未満の場合には前記自車両の速度を維持するまたは前記自車両を加速させる
前記第2速度差が前記第3所定値未満であり、且つ前記第4所定値以上である場合には、前記自車両の速度を維持するまたは前記自車両を加速させる
ことを特徴とする請求項9に記載の車両制御方法。
【請求項15】
前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、前記対向車両の速度が増加した場合、または前記対向車両が前記走行車線と前記対向車線との境界を示す区画線に接近した場合には前記自車両を減速させ、
前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、前記対向車両の速度が増加していない場合、または前記対向車両が前記区画線に接近していない場合には前記自車両の速度を維持するまたは前記自車両を加速させる
ことを特徴とする請求項6~14のいずれか1項に記載の車両制御方法。
【請求項16】
前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ前記対向車両の加速度が所定加速度以上である場合には、前記自車両を減速させ、
前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、前記対向車両の加速度が前記所定加速度未満である場合には前記自車両の速度を維持し、
前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、所定時間内に前記対向車両の加速度が前記所定加速度に達しない場合には前記自車両を加速させる
ことを特徴とする請求項6~14のいずれか1項に記載の車両制御方法。
【請求項17】
前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、前記区画線と前記対向車両との距離が予め定められた第3所定距離以下の場合には前記自車両を減速させ、
前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、前記区画線と前記対向車両との距離が前記第3所定距離よりも長い場合には前記自車両の速度を維持し、
前記対向車両の位置が前記切り替えラインよりも前記自車両から見て前記自車両の進行方向で手前側であり、且つ、所定時間内に前記区画線と前記対向車両との距離が前記第3所定距離以下にならない場合に前記自車両を加速させる
ことを特徴とする請求項15に記載の車両制御方法。
【請求項18】
自車両が走行する道路上の静止物体の位置を検出する第1センサと、
前記自車両の速度を検出する第2センサと、
前記自車両が走行する走行車線に隣接する対向車線を前記自車両の進行方向と逆方向に走行する対向車両の位置を検出する第3センサと、
前記対向車両の速度を検出する第4センサと、
前記第1センサ、前記第2センサ、前記第3センサ、及び前記第4センサによって検出されたデータに基づいて、前記自車両の走行を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記道路上の領域で、かつ、前記道路の延在方向に沿って前記静止物体を含んで形成される領域を設定し、
前記自車両の速度と前記対向車両の位置及び速度とに基づいて、前記自車両と前記対向車両がすれ違う位置を算出し、
前記静止物体と前記対向車両との距離が長いほど大きくなる車速閾値を設定し、
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記静止物体から所定距離だけ離れた前記対向車両の位置に対応する前記対向車両の速度が、前記静止物体から所定距離だけ離れた前記対向車両の位置に対応する前記車速閾値以上である場合、前記自車両を減速させ、
前記すれ違う位置が前記領域内に存在する場合において、前記静止物体から所定距離だけ離れた前記対向車両の位置に対応する前記対向車両の速度が、前記静止物体から所定距離だけ離れた前記対向車両の位置に対応する前記車速閾値未満である場合、前記自車両の速度を維持するまたは前記自車両を加速させる
ことを特徴とする車両制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御方法及び車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、対向車両が対向レーンからはみ出してくる可能性がある場合に、その対向車両を回避するための運転支援装置が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載された発明は、対向レーン側の駐車車両とセンターラインとの距離とに基づいて、対向車両の通過経路が自車線側に干渉するか否かを判定する。そして、対向車両の通過経路が自車線側に干渉すると判定された場合、特許文献1に記載された発明は自車両を停車させる、または減速させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明は、対向車両の運転者の意図を反映していないため、自車両と対向車両が干渉することなくすれ違うことができる場合でも、自車両を不要に減速、あるいは停車させてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、対向車両の運転者の意図を反映した車両制御方法及び車両制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る車両制御方法は、自車両が走行する道路上の静止物体の位置を検出し、自車両の速度を検出し、自車両が走行する走行車線に隣接する対向車線を自車両の進行方向と逆方向に走行する対向車両の位置及び速度を検出し、道路上の領域で、かつ、道路の延在方向に沿って静止物体を含んで形成される領域を設定し、自車両の速度と対向車両の位置及び速度とに基づいて、自車両と対向車両がすれ違う位置を算出し、静止物体と対向車両との距離が長いほど大きくなる車速閾値を設定し、すれ違う位置が領域内に存在する場合において、静止物体から所定距離だけ離れた対向車両の位置に対応する対向車両の速度が、静止物体から所定距離だけ離れた対向車両の位置に対応する車速閾値以上である場合、自車両を減速させ、すれ違う位置が領域内に存在する場合において、静止物体から所定距離だけ離れた対向車両の位置に対応する対向車両の速度が、静止物体から所定距離だけ離れた対向車両の位置に対応する車速閾値未満である場合、自車両の速度を維持するまたは自車両を加速させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、対向車両の運転者の意図を反映することができ、急ブレーキ、または不要な加減速が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両制御装置の概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係る切り替えラインの設定方法の一例を説明する図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の第1実施形態に係る速度決定方法の一例を説明する図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の第1実施形態に係る速度決定方法の一例を説明する図である。
【
図3C】
図3Cは、本発明の第1実施形態に係る速度決定方法の一例を説明する図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態に係る狭路でのすれ違いを説明する図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態に係る切り替えラインの設定方法の他の例を説明する図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態に係る速度決定方法の他の例を説明する図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1実施形態に係る切り替えラインの設定方法の他の例を説明する図である。
【
図8】
図8は、本発明の第1実施形態に係る切り替えラインの設定方法の他の例を説明する図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1実施形態に係る切り替えラインの設定方法の他の例を説明する図である。
【
図10】
図10は、本発明の第1実施形態に係る車両制御装置の一動作例を説明するフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の第1実施形態に係る車両制御装置の一動作例を説明するフローチャートである。
【
図12】
図12は、本発明の第1実施形態に係る車両制御装置の一動作例を説明するフローチャートである。
【
図13】
図13は、本発明の第2実施形態に係る車両制御装置の概略構成図である。
【
図14】
図14は、本発明の第2実施形態に係る車速閾値について説明する図である。
【
図15】
図15は、本発明の第2実施形態に係る車速閾値について説明する図である。
【
図16】
図16は、本発明の第2実施形態に係る車速閾値について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
(車両制御装置の構成例)
図1を参照して、第1実施形態に係る車両制御装置1の構成例について説明する。
図1に示すように、車両制御装置1は、GPS受信機10と、センサ11と、地図データベース12と、コントローラ20と、各種のアクチュエータ30を備える。
【0011】
車両制御装置1は、自動運転機能を有する車両に搭載されてもよく、自動運転機能を有しない車両に搭載されてもよい。また、車両制御装置1は、自動運転と手動運転とを切り替えることが可能な車両に搭載されてもよい。なお、第1実施形態における自動運転とは、例えば、ブレーキ、アクセル、ステアリングなどのアクチュエータの内、少なくとも何れかのアクチュエータが乗員の操作なしに制御されている状態を指す。そのため、その他のアクチュエータが乗員の操作により作動していたとしても構わない。また、自動運転とは、加減速制御、横位置制御などのいずれかの制御が実行されている状態であればよい。また、第1実施形態における手動運転とは、例えば、ブレーキ、アクセル、ステアリングを乗員が操作している状態を指す。
【0012】
GPS受信機10は、人工衛星からの電波を受信することにより、地上における自車両の位置情報を検出する。GPS受信機10が検出する自車両の位置情報には、緯度情報、及び経度情報が含まれる。GPS受信機10は、検出した自車両の位置情報をコントローラ20に出力する。なお、自車両の位置情報を検出する方法は、GPS受信機10に限定されない。例えば、オドメトリと呼ばれる方法を用いて位置を推定してもよい。オドメトリとは、車両Aの回転角、回転角速度に応じて車両Aの移動量及びと移動方向を求めることにより、車両Aの位置を推定する方法である。
【0013】
センサ11は、自車両に搭載され、自車両の周囲の物体を検出する装置である。センサ11は、カメラ、ライダ、レーダ、ミリ波レーダ、レーザレンジファインダ、ソナーなどの複数のセンサで構成される。センサ11は、自車両の周囲の物体として、他車両、バイク、自転車、歩行者を含む移動物体、及び、障害物、落下物、駐車車両を含む静止物体を検出する。また、センサ11は、移動物体及び静止物体の自車両に対する位置、姿勢(ヨー角)、大きさ、速度、加速度、減速度、ヨーレートを検出する。さらに、センサ11は、車輪速センサ(第2センサ)、操舵角センサ、及びジャイロセンサなどを含んでもよい。車輪速センサは、自車両の車輪の回転速度を検出する。この回転速度により車速が得られる。センサ11は、検出した情報をコントローラ20に出力する。
【0014】
地図データベース12は、カーナビゲーション装置などに記憶されているデータベースであって、道路情報、施設情報など経路案内に必要となる地図情報が記憶されている。道路情報とは、例えば、道路の車線数、道路境界線、車線の接続関係などに関する情報である。地図データベース12は、コントローラ20の要求に応じて地図情報をコントローラ20に出力する。第1実施形態では、車両制御装置1が地図データベース12を有するものとして説明するが、必ずしも車両制御装置1が地図データベース12を有する必要はない。地図情報は、センサ11により取得されてもよく、また車車間通信、路車間通信を用いて取得されてもよい。また、地図情報が外部に設置されたサーバに記憶されている場合、車両制御装置1は、通信により随時地図情報などをサーバから取得してもよい。また、車両制御装置1は、サーバから定期的に最新の地図情報を入手して、保有する地図情報を更新してもよい。
【0015】
コントローラ20は、CPU(中央処理装置)、メモリ、及び入出力部を備える汎用のマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータには、車両制御装置1として機能させるためのコンピュータプログラムがインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータは、車両制御装置1が備える複数の情報処理回路として機能する。なお、ここでは、ソフトウェアによって車両制御装置1が備える複数の情報処理回路を実現する例を示すが、もちろん、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。コントローラ20は、複数の情報処理回路の一例として、切り替えライン設定部21と、停止ライン設定部22と、すれ違い禁止領域設定部23と、すれ違い位置算出部24と、速度決定部25と、車両制御部26と、を備える。
【0016】
切り替えライン設定部21はGPS受信機10から出力された自車両の位置情報、及びセンサ11から出力された移動物体及び静止物体の自車両に対する位置を、地図データベース12から出力された地図情報に統合して、自車両の位置、移動物体及び静止物体の位置が含まれた地図情報を生成する。切り替えライン設定部21は、地図上の自車両が走行する走行車線に隣接する対向車線上に、車線幅方向に伸びる仮想の切り替えラインを設定する。一例として、対向車線上に駐車車両が検出された場合、切り替えライン設定部21は地図上において、駐車車両から、対向車線上で自車両の進行方向に所定距離離れた位置に切り替えラインを設定する。なお、以下では位置とは特に説明しない限り地図上の位置として説明する。
【0017】
停止ライン設定部22は、自車両が走行する走行車線上に、車線幅方向に伸びる仮想の停止ラインを設定する。一例として、対向車線上に駐車車両が検出された場合、停止ライン設定部22は、駐車車両から、走行車線上で対向車両の進行方向に所定距離離れた位置に停止ラインを設定する。なお、対向車両とは、対向車線を走行する車両である。停止ラインは、自車両の現在の位置から所定の減速度で停止できる位置に設定される。さらに、停止ラインは、駐車車両を回避するために走行車線にはみ出して走行する対向車両との接触を回避できる位置に設定される。切り替えラインの設定で用いられる所定距離と、停止ラインの設定で用いられる所定距離は、同じ値でもよく、異なる値でもよい。
【0018】
すれ違い禁止領域設定部23は、切り替えライン設定部21及び停止ライン設定部22によって設定された切り替えライン及び停止ラインを用いてすれ違い禁止領域を設定する。すれ違い禁止領域設定部23は、切り替えライン及び停止ラインとの間の道路上の領域で、かつ切り替えライン及び停止ラインを含む領域をすれ違い禁止領域として設定する。すれ違い禁止領域は、駐車車両の周囲の道路上に設定される。第1実施形態において、すれ違い禁止領域とは、自車両と対向車両とのすれ違いを禁止する領域である。
【0019】
すれ違い位置算出部24は、自車両と対向車両とがすれ違う位置が、すれ違い禁止領域設定部23によって設定されたすれ違い禁止領域内に存在するか否かを判定する。具体的には、すれ違い位置算出部24は、自車両と対向車両との相対距離と、自車両の速度と、対向車両の速度とに基づいて、自車両と対向車両とがすれ違う位置を算出する。そして、すれ違い位置算出部24は、算出したすれ違う位置がすれ違い禁止領域内に存在するか否かを判定する。なお、自車両と対向車両との相対距離、自車両の速度、及び対向車両の速度は、センサ11によって検出される。
【0020】
速度決定部25は、すれ違い位置算出部24によってすれ違う位置がすれ違い禁止領域内に存在すると判定された場合、対向車両が手動運転の場合は対向車両の運転者の意図、あるいは対向車両が自動運転車両の場合は車両の走行制御装置が予定している行動内容(以下、対向車両の意図と記載する)を推定して自車両の速度を決定する。また、以下では説明簡略化のために、対向車両は運転者による手動運転が行われる車両であるものとして説明する。対向車両の意図については後述する。
【0021】
車両制御部26は、速度決定部25によって決定された速度で自車両が走行するように、各種のアクチュエータ30を制御する。各種のアクチュエータ30には、ブレーキアクチュエータ、アクセルペダルアクチュエータ、ステアリングアクチュエータなどが含まれる。
【0022】
次に
図2を参照して、切り替えラインの設定方法の一例を説明する。
図2に示す道路は、片側一車線の対面通行を示す道路である。
図2において自車両50は、左に向かって走行しており、対向車両51は、右に向かって走行している。つまり、自車両50の進行方向は、対向車両51の進行方向とは逆方向である。以下では、自車両50が走行する車線を走行車線と呼び、対向車両51が走行する車線を対向車線と呼ぶ。対向車線は、走行車線に隣接する。
【0023】
図2に示すシーンにおいて、駐車車両52及び対向車両51は、センサ11によって検出されているものとする。具体的には、駐車車両52の位置情報及び速度、対向車両51の位置情報及び速度が、センサ11によって検出されているものとする。駐車車両52の位置情報、及び対向車両51の位置情報については、一例としてレーザレンジファインダ(第1センサ、第3センサ)によって検出される。レーザレンジファインダは、電波を物体(ここでは駐車車両52及び対向車両51)に向けて走査し、その反射波を測定することにより、物体までの距離や方向を測定する。駐車車両52の位置、及び対向車両51の位置は、自車両50の位置に対する相対位置として検出されてもよく、自車両50の位置を原点とした座標上の位置として検出されてもよい。
【0024】
駐車車両52の速度、及び対向車両51の速度については、一例としてカメラ(第4センサ)によって検出される。カメラによって撮像された現在の画像と、1フレーム前の画像との差分を抽出することにより、駐車車両52の速度、及び対向車両51の速度が得られる。なお、カメラのフレームレートは、特に限定されないが、30fps(frames per second)または60fpsに設定されていればよい。第1実施形態では駐車車両52の速度はゼロとして検出されているため、駐車車両52は静止物体であると判定される。換言すれば、自車両50の周囲で検出された物体の速度がゼロ、またはほぼゼロとみなせるほど小さい速度であれば、その物体は静止物体であると判定される。第1実施形態では、静止物体を駐車車両52として説明するが、静止物体は駐車車両52に限定されない。例えば、静止物体には、落下物、パイロン(ロードコーンとも呼ばれる)などが含まれる。なお、駐車車両52は、対向車線上に駐車している。
【0025】
図2に示すように、切り替えライン設定部21は、駐車車両52から、対向車線上で自車両50の進行方向に所定距離離れた位置に車線幅方向に伸びる仮想の切り替えライン60を設定する。また、停止ライン設定部22は、駐車車両52から、走行車線上で対向車両51の進行方向に所定距離離れた位置に車線幅方向に伸びる仮想の停止ライン61を設定する。
【0026】
切り替えライン設定部21及び停止ライン設定部22によって切り替えライン60及び停止ライン61が設定された後、すれ違い禁止領域設定部23は、切り替えライン60及び停止ライン61の間の道路上の領域で、かつ切り替えライン60及び停止ライン61を含む領域をすれ違い禁止領域Rとして設定する。より詳しくは、すれ違い禁止領域Rは、
図2に示すように、切り替えライン60及び停止ライン61を含み、且つ切り替えライン60及び停止ライン61を用いて囲まれた、道路上の領域である。すれ違い禁止領域Rの形状は、特に限定されないが、例えば四角形状である。すれ違い禁止領域Rを設定する理由は、対向車両51が駐車車両52を回避して自車両50とすれ違う際に、対向車両51と自車両50との接触を回避するためである。したがって、すれ違い禁止領域Rには、駐車車両52が存在する。
【0027】
すれ違い禁止領域設定部23によってすれ違い禁止領域Rが設定された後、すれ違い位置算出部24は、自車両50と対向車両51とがすれ違う位置がすれ違い禁止領域R内に存在するか否かを判定する。具体的には、
図2に示すように、すれ違い位置算出部24は、自車両50と対向車両51との相対距離L(自車両50の位置を原点とした場合は、原点からの距離)と、自車両50の速度V1と、対向車両51の速度V2とを用いて、自車両50と対向車両51とがすれ違う位置P1を算出する。すれ違う位置P1を算出するための数式は、下記に示される。
P1=L÷(1+V2÷V1)
【0028】
すれ違い位置算出部24は、算出したすれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在するか否かを判定する。
図2では、すれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在する例が示される。
【0029】
すれ違い位置算出部24によってすれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在すると判定された場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図を推定して自車両50の速度を決定する。
図2に示すシーンにおいて、対向車両51の運転者の意図として、2つが想定される。対向車両51が自車両50より先に駐車車両52の側方を通過するか、自車両50が通過した後に対向車両51が駐車車両52の側方を通過するか、の2つである。換言すれば、対向車両51の運転者の意図は、自車両50の通過を待つか、待たないか、の2つである。
【0030】
対向車両51の運転者の意図を推定する理由は、対向車両51の運転者の意図を推定して自車両50の速度を決定できれば、急ブレーキ、または不要な加減速が抑制されるからである。例えば、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことである場合、自車両50は速度を維持して、もしくは加速させて通過すればよい。一方、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することである場合、自車両50は、駐車車両52を回避するために走行車線にはみ出す対向車両51との接触を回避できる位置(すれ違い禁止領域Rの外側の位置)でスムーズに停止できるように減速すればよい。
【0031】
対向車両51の運転者の意図を推定しない場合、自車両50が急ブレーキを行ったり、不要な加減速を行ったりすることが考えられる。例えば、駐車車両52による遮蔽領域が大きい場合、もしくは駐車車両52の周囲に横断歩道がある場合など、対向車両51が安全のため一時的に減速または停止した後に加速して駐車車両52の側方を通過する場合がある。このような場合、対向車両51の減速により一旦はすれ違い位置P1が対向車両51側に移動するため、自車両50は加速を開始する。しかし、その後、対向車両51が加速してすれ違い位置P1が自車両側に移動するため、自車両50は減速することになる。つまり、対向車両51が自車両50より先に駐車車両52の側方を通過する場合として、対向車両51が減速し、その後加速して駐車車両52の側方を通過するといった場合も含まれるが、このような対向車両51の運転者の意図を推定しない場合、自車両50の加減速制御が切り替わってしまい、急ブレーキ、または不要な加減速が発生するおそれがある。第1実施形態では、対向車両51の運転者の意図を推定して自車両50の速度を決定するため、急ブレーキ、または不要な加減速が抑制される。
【0032】
次に、
図3A~3Bを参照して、対向車両51の運転者の意図の推定方法、及び推定した意図を用いた自車両50の速度の決定方法の一例を説明する。なお、この推定方法及び決定方法は、すれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在する場合を前提とする。
【0033】
図3Aに示すように、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で奥側(自車両50の進行方向で前方側)であり、且つ、対向車両51の速度が所定速度以上である場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定する。この場合、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、速度決定部25は、自車両50が停止ライン61でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定する。
【0034】
また、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て奥側であり、且つ、対向車両51の速度が所定速度未満である場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定する。この場合、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、速度決定部25は、自車両50の現在の速度を維持する、もしくは自車両50を加速させることを決定する。
【0035】
図3Bに示すように、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で手前側(自車両50の進行方向で後方側)であり、且つ、対向車両51の速度が増加した場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定する。この場合、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、速度決定部25は、自車両50が停止ライン61でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定する。
【0036】
また、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側であり、且つ、対向車両51が走行車線と対向車線との境界を示す区画線62に接近した場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定する。この場合、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、速度決定部25は、自車両50が停止ライン61でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定する。
【0037】
また、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側であり、且つ、対向車両51の速度が増加していない場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定する。この場合、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、速度決定部25は、自車両50の速度を維持する、もしくは自車両50を加速させることを決定する。
【0038】
また、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側であり、且つ、対向車両51が区画線62に接近していない場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定する。この場合、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、速度決定部25は、自車両50の速度を維持する、もしくは自車両50を加速させることを決定する。
【0039】
なお、対向車両51が区画線62に接近したとは、例えば対向車両51の道路幅方向における位置が、切り替えライン60通過時の位置より区画線62に接近した場合を意味する。対向車両51が区画線62に接近していないとは、例えば対向車両51の道路幅方向における位置が、切り替えライン60通過時の位置と同じことを意味する。
【0040】
また、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側であり、且つ、区画線62と対向車両51との距離が所定距離以下の場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定する。この場合、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、速度決定部25は、自車両50が停止ライン61でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定する。ここでいう所定距離とは、一例として、対向車両51がまもなく区画線62を跨ぐと想定される距離に設定される。
【0041】
また、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側であり、且つ、区画線62と対向車両51との距離が所定距離(第3所定距離)より長い場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定する。この場合、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、速度決定部25は、自車両50の速度を維持することを決定する。さらに、所定時間内に区画線62と対向車両51との距離が所定距離以下にならない場合、速度決定部25は自車両50を加速させることを決定する。ここでいう所定時間とは、一例として、対向車両51の運転者の意図を推定するために必要な時間に設定される。
【0042】
なお、速度決定部25は、対向車両51の加速度を用いて自車両50の速度を決定してもよい。例えば、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側であり、且つ、対向車両51の加速度が所定加速度以上である場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定する。この場合、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、速度決定部25は、自車両50が停止ライン61でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定する。ここでいう所定加速度とは、一例として、対向車両51がまもなく区画線62を跨ぐと想定される加速度に設定される。
【0043】
また、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側であり、且つ、対向車両51の加速度が所定加速度未満である場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定する。この場合、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、速度決定部25は、自車両50の速度を維持することを決定する。さらに、所定時間内に対向車両51の加速度が所定加速度に達しない場合、速度決定部25は自車両50を加速させることを決定する。
【0044】
第1実施形態において、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て奥側とは、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも対向車両51の進行方向とは逆方向の位置であることを意味する。なお、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て奥側とは、対向車両51の位置がすれ違い禁止領域Rの外側に存在する、と表現されてもよい。
【0045】
第1実施形態において、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側とは、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも対向車両51の進行方向で前方の位置であることを意味する。なお、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側とは、対向車両51の位置がすれ違い禁止領域Rの内側に存在する、と表現されてもよい。
【0046】
速度決定部25によって自車両50の速度が決定された後、車両制御部26は、決定された速度で自車両50が走行するように、各種のアクチュエータ30を制御する。具体的には、車両制御部26は、速度決定部25によって決定された減速度で自車両50を減速させ、自車両50を停止ライン61にスムーズに停止させる。また、車両制御部26は、速度決定部25によって決定された加速度で自車両50を加速させる。このとき、車両制御部26は、すれ違い位置P1がすれ違い禁止領域Rの外側に移動するように徐々に自車両50を加速させる。このように、第1実施形態に係る車両制御装置1は、対向車両51の運転者の意図を推定し、推定した意図を反映して自車両50の速度を決定するため、急ブレーキ、または不要な加減速が抑制される。
【0047】
対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て奥側の一例を
図3Aに示し、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側の一例を
図3Bに示したが、自車両50から見て奥側であるか、もしくは自車両50から見て手前側であるかは、
図3A及び
図3Bに示した例に限定されない。例えば、
図3Cに示すように、対向車両51が切り替えライン60に重なる場合は、自車両50から見て奥側であると判定されてもよく、もしくは自車両50から見て手前側であると判定されてもよい。あるいは、対向車両51の全長の中心が切り替えライン60よりも自車両50から見て奥側である場合、奥側であると判定されてもよい。同様に、対向車両51の全長の中心が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側である場合、手前側であると判定されてもよい。
【0048】
なお、上述した例は、自車両50と対向車両51とが同時に駐車車両52の側方を通過できない状況、あるいは同時の通過は不可能ではないが、接触の可能性があるため同時の通過は避けるべき状況であることを想定している。ところで、道路幅、駐車車両52の車幅、自車両50の車幅、対向車両51の車幅によっては、駐車車両52の側方を安全に同時に通過できる場合も有り得る。自車両50及び対向車両51が駐車車両52の側方を安全に同時に通過するための必要な条件は、対向車両51と駐車車両52との接触、及び自車両50と対向車両51との接触を回避するための十分なスペースである。この点について
図4を参照して説明する。センサ11は、
図4に示すように、対向車両51が駐車車両52を回避して走行するための幅W1を検出する。幅W1は、対向車両51の車幅と、対向車両51と駐車車両52との接触を回避するためのスペースとの足し算によって求めることができる。次に、センサ11は、道路幅から駐車車両52の車幅(道路に重なっている部分の車幅)と幅W1を引き算した残りの車線幅W2を検出する。すれ違い位置算出部24は、残りの車線幅W2が、自車両50と対向車両51がすれ違った際の接触を回避するために十分か否かを判定する。残りの車線幅W2が、自車両50と対向車両51がすれ違った際の接触を回避するために十分であれば、自車両50と対向車両51は速度を下げて、狭路でのすれ違いを行えばよい。
【0049】
上述した例では、切り替えライン設定部21は、駐車車両52から、対向車線上で自車両50の進行方向に所定距離離れた位置に車線幅方向に伸びる仮想の切り替えライン60を設定する、と説明した。ただし、切り替えライン60の設定方法は、これに限定されない。例えば、切り替えライン設定部21は、速度プロファイルを用いて切り替えライン60を設定することもできる。速度プロファイルを用いた切り替えライン60の設定方法について、
図5を参照して説明する。なお、速度プロファイルとは、速度の時系列データを意味する。
【0050】
図5に示すように、切り替えライン設定部21は、切り替えライン60を設定する前に、第2停止ライン63を設定する。
【0051】
第2停止ライン63とは、対向車両51が駐車車両52の手前で停止すると予測される位置である。第2停止ライン63は、対向車両51が停止した状態から駐車車両52を回避して側方を通過可能な位置に設置される。対向車両51が停止した状態から駐車車両52を回避するためには、対向車両51は所定程度駐車車両52から離れて停止する必要がある。どの程度駐車車両52から離れて停止すればよいかは、駐車車両52の車幅、駐車位置などに依存する。つまり、第2停止ライン63は、駐車車両52の車幅、駐車位置などに応じて設定される位置であることが好ましいが、駐車車両52を充分回避可能な予め定められた距離であってもよい。
【0052】
切り替えライン設定部21は、第2停止ライン63を設定した後、対向車両51の現在位置から対向車両51が一定の減速度で減速して第2停止ライン63で停止するための速度プロファイルV3を生成する。第1実施形態において、速度プロファイルV3は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると想定して設定される。切り替えライン設定部21は、速度プロファイルV3に係る速度が所定速度V4となる位置P3に切り替えライン60を設定する。なお、
図5に示す位置P2は、第2停止ライン63が設定される位置である。
【0053】
速度プロファイルV3を用いて切り替えライン60が設定された場合、速度決定部25は、この速度プロファイルV3を用いて自車両50の速度を決定する。具体的には、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て奥側である場合、速度決定部25は、対向車両51の速度から速度プロファイルV3に係る速度を減算して速度差を算出する。そして、速度決定部25は、算出した速度差に基づいて自車両50の速度を決定する。切り替えライン60よりも自車両50から見て奥側に居る対向車両51の速度は、次の3つに分類される。対向車両51の速度は速度プロファイルV3に係る速度より速い、対向車両51の速度は速度プロファイルV3に係る速度より遅い、対向車両51の速度は速度プロファイルV3に係る速度とほぼ同じ、の3つである。
図5に示す速度V5は、切り替えライン60よりも自車両50から見て奥側に居る対向車両51の速度が速度プロファイルV3より速いことを意味する。一方、
図5に示す速度V6は、切り替えライン60よりも自車両50から見て奥側に居る対向車両51の速度が速度プロファイルV3より遅いことを意味する。速度決定部25が速度差を算出する目的は、対向車両51の速度が想定より速いのか、遅いのか、あるいはほぼ想定通りなのか分類するためである。分類結果に基づいて、対向車両51の運転者の意図が推定される。
【0054】
算出した速度差が第1所定値以上である場合、対向車両51の速度が想定より速いことを意味する。つまり、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定される。したがって、この場合、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、速度決定部25は、自車両50が停止ライン61でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定する。
【0055】
算出した速度差が第2所定値未満である場合、対向車両51の速度が想定より遅いことを意味する。つまり、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定される。したがって、この場合、速度決定部25は、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、自車両50の現在の速度を維持する、もしくは自車両50を加速させることを決定する。
【0056】
算出した速度差が第1所定値未満、且つ第2所定値以上である場合、対向車両51の速度がほぼ想定通りであることを意味する。つまり、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定される。したがって、この場合、速度決定部25は、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、自車両50の現在の速度を維持する、もしくは自車両50を加速させることを決定する。
【0057】
上述した速度差は、ある時刻における速度差を意味している。ところで、車両の速度は変動する場合があるため、ある時刻における速度差の比較では十分でないことが考えられる。そこで、速度決定部25は、所定時間における速度差を比較してもよい。例えば、
図5に示すように、速度決定部25は、所定時間、常に対向車両51の速度が速度プロファイルV3に係る速度より速い場合(例えば、速度V5)、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定する。この場合、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、速度決定部25は、自車両50が停止ライン61でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定する。一方、速度決定部25は、所定時間、常に対向車両51の速度が速度プロファイルV3に係る速度より遅い場合(例えば、速度V6)、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定する。この場合、速度決定部25は、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、自車両50の現在の速度を維持する、もしくは自車両50を加速させることを決定する。
【0058】
なお、速度決定部25は、所定時間における対向車両51の速度の平均値を算出し、算出した平均値を比較で用いてもよい。具体的には、速度決定部25は、対向車両51の速度の平均値から速度プロファイルV3に係る速度を減算して第2速度差を算出する。そして、速度決定部25は、算出した第2速度差に基づいて自車両50の速度を決定する。算出した第2速度差が第3所定値以上である場合、対向車両51の速度が想定より速いことを意味する。つまり、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定される。したがって、この場合、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、速度決定部25は、自車両50が停止ライン61でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定する。算出した第2速度差が第4所定値未満である場合、対向車両51の速度が想定より遅いことを意味する。つまり、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定される。したがって、この場合、速度決定部25は、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、自車両50の現在の速度を維持する、もしくは自車両50を加速させることを決定する。算出した第2速度差が第3所定値未満、且つ第4所定値以上である場合、対向車両51の速度がほぼ想定通りであることを意味する。つまり、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定される。したがって、この場合、速度決定部25は、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、自車両50の現在の速度を維持する、もしくは自車両50を加速させることを決定する。なお、平均値の代わりに、中央値、または最頻値が用いられてもよい。
【0059】
なお、上述した例では、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側であり、且つ、対向車両51の速度が増加した場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定する、と説明した。この場合における対向車両51の速度が増加したとは、例えば対向車両51の速度が、
図7に示す速度V7のように、所定速度V4より増加したことを意味する。
【0060】
また、上述した例では、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側であり、且つ、対向車両51の速度が増加していない場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定する、と説明した。この場合における対向車両51の速度が増加していないとは、例えば対向車両51の速度が、
図7に示す速度V8のように、所定速度V4と同じ速度であることを意味する。もしくは、対向車両51の速度が増加していないとは、対向車両51の速度が、
図7に示す速度V9のように、所定速度V4より減少したことを意味する。
【0061】
なお、切り替えライン設定部21は、速度プロファイルV3を生成したが、速度プロファイルV3は生成されるものに限定されない。例えば、多くの運転者のデータから得られた速度プロファイルモデルを予め用意しておき、速度プロファイルモデルを取得してもよい。多くの運転者のデータとは、例えば、
図2に示すシーンにおける対向車両51の速度データである。なお、速度プロファイルモデルは複数用意され、対向車両51の位置及び速度に応じて、適切な速度プロファイルモデルが取得される。
【0062】
次に、
図7~9を参照して、切り替えライン60の設定方法の他の例を説明する。
【0063】
図7に示すように、対向車両51の前方かつ駐車車両52の後方に停止線70を含む横断歩道が存在する場合、切り替えライン設定部21は、横断歩道の停止線70に重なるように切り替えライン60を設定してもよい。換言すれば、切り替えライン設定部21は、横断歩道の停止線70の位置に切り替えライン60を設定してもよい。
【0064】
また、切り替えライン設定部21は、対向車両51の前方かつ駐車車両52の後方に2つ以上の道路が交差する部分が存在する場合、対向車両51が交差する部分に進入する手前の位置に切り替えライン60を設定してもよい。具体的には、
図8に示すように、対向車両51の前方かつ駐車車両52の後方に三叉路が存在する場合、切り替えライン設定部21は、対向車両51が三叉路に進入する手前の位置に切り替えライン60を設定してもよい。また、
図9に示すように、対向車両51の前方かつ駐車車両52の後方に交差点が存在する場合、切り替えライン設定部21は、対向車両51が交差点に進入する手前の位置に切り替えライン60を設定してもよい。三叉路及び交差点とは、2つ以上の道路が交わる部分をいう。なお、三叉路には、丁字路及びY字路が含まれる。
【0065】
次に、
図10~12のフローチャートを参照して、車両制御装置1の一動作例を説明する。この処理は、所定の周期で繰り返し実施される。
【0066】
ステップS101において、コントローラ20は、地図データベース12から地図情報を取得する。処理は、ステップS103に進み、GPS受信機10、オドメトリなどの位置検出センサは、自車両50の位置情報を検出する。
【0067】
センサ11によって駐車車両52及び対向車両51が検出された場合(ステップS105でYes)、処理はステップS107に進む。一方、駐車車両52及び対向車両51が検出されない場合(ステップS105でNo)、一連の処理は終了する。
【0068】
ステップS107において、切り替えライン設定部21は、駐車車両52から、自車両50の進行方向に所定距離離れた対向車線上に車線幅方向に伸びる仮想の切り替えライン60を設定する(
図2参照)。なお、切り替えライン設定部21は、速度プロファイルV3を用いて切り替えライン60を設定してもよい(
図5参照)。処理はステップS109に進み、停止ライン設定部22は、駐車車両52から、対向車両51の進行方向に所定距離離れた走行車線上に車線幅方向に伸びる仮想の停止ライン61を設定する(
図2参照)。
【0069】
処理はステップS111に進み、すれ違い禁止領域設定部23は、ステップS107及びステップS109で設定された切り替えライン60及び停止ライン61を用いてすれ違い禁止領域Rを設定する(
図2参照)。処理はステップS113に進み、すれ違い位置算出部24は、自車両50と対向車両51とがすれ違う位置P1が、ステップS111で設定されたすれ違い禁止領域R内に存在するか否かを判定する。
【0070】
自車両50と対向車両51とがすれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在する場合(ステップS115でYes)、処理はステップS117に進む。一方、自車両50と対向車両51とがすれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在しない場合(ステップS115でNo)、処理はステップS123に進む。
【0071】
ステップS117において、センサ11は、対向車両51が駐車車両52を回避して走行するための幅W1を検出する(
図4参照)。次に、センサ11は、道路幅から駐車車両52の車幅と幅W1を引き算した残りの車線幅W2を検出する(
図4参照)。処理は、ステップS119に進み、すれ違い位置算出部24は、ステップS117で検出された車線幅W2が、自車両50と対向車両51がすれ違った際の接触を回避するために十分か否かを判定する(ステップS119)。ステップS119でYesの場合、処理はステップS121に進み、狭路でのすれ違いが実施される。自車両50と対向車両51とがすれ違った場合(ステップS123でYes)、一連の処理は終了する。一方、ステップS119でNoの場合、処理はステップS125に進む。
【0072】
対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て奥側である場合(ステップS125でYes)(
図3A参照)、処理はステップS127に進む。ステップS127において、速度決定部25は、対向車両51の速度から速度プロファイルV3に係る速度を減算して速度差を算出する。速度決定部25は、この速度差を用いて対向車両51の速度が想定より速いのか、遅いのか、あるいはほぼ想定通りなのか分類する。対向車両51の速度が速度プロファイルV3に係る速度より速い場合(ステップS129でYes)、処理はステップS131に進み、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定する。速度決定部25は、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、自車両50が停止ライン61でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定する。そして、車両制御部26は、ブレーキアクチュエータを用いて速度決定部25によって決定された減速度で自車両50を減速させる。その後、処理はステップS139に進む。
【0073】
一方、対向車両51の速度が速度プロファイルV3に係る速度より速くない場合(ステップS129でNo)、処理はステップS133に進む。対向車両51の速度が速度プロファイルV3に係る速度より遅い場合(ステップS133でYes)、処理はステップS135に進み、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定する。速度決定部25は、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、自車両50を加速させることを決定する。そして、車両制御部26は、アクセルアクチュエータを用いて自車両50を加速させる。その後、処理はステップS139に進む。ステップS139の処理は、ステップS123の処理と同じため、記載を省略する。
【0074】
一方、対向車両51の速度が速度プロファイルV3に係る速度と同じ、またはほぼ同じ場合(ステップS133でNo)、処理はステップS137に進み、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定する。速度決定部25は、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、自車両50の速度を維持することを決定する。その後、処理はステップS141に進む。また、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側である場合も(ステップS125でNo)(
図3B参照)、処理はステップS141に進む。なお、ステップS137の処理の後に、ステップS139に処理が進んでもよい。
【0075】
対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側であり、且つ、対向車両51の速度が増加した場合(ステップS141でYes)、処理はステップS143に進み、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定する。速度決定部25は、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、自車両50が停止ライン61でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定する。そして、車両制御部26は、ブレーキアクチュエータを用いて速度決定部25によって決定された減速度で自車両50を減速させる。その後、処理はステップS151に進む。
【0076】
一方、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側であり、且つ、対向車両51の速度が増加していない場合(ステップS141でNo)、処理はステップS145に進む。対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側であり、且つ、対向車両51が走行車線と対向車線との境界を示す区画線62に接近した場合(ステップS145でYes)、処理はステップS143に進む。一方、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て手前側であり、且つ、対向車両51が区画線62に接近していない場合(ステップS145でNo)、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定する。所定時間経過後(ステップS147でYes)、速度決定部25は、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、自車両50の速度を維持する、もしくは自車両50を加速させることを決定する(ステップS149)。なお、ステップS147の処理を行う理由は、推定した対向車両51の運転者の意図が変化していないことを確認するためである。ステップS149の後、処理はステップS151に進む。ステップS151の処理は、ステップS123の処理と同じため、記載を省略する。
【0077】
(作用効果)
以上説明したように、第1実施形態に係る車両制御装置1によれば、以下の作用効果が得られる。
【0078】
切り替えライン設定部21は、駐車車両52から、対向車線上で自車両50の進行方向に所定距離離れた位置に車線幅方向に伸びる仮想の切り替えライン60を設定する。また、停止ライン設定部22は、駐車車両52から、走行車線上で対向車両51の進行方向に所定距離離れた位置に仮想の停止ライン61を設定する。すれ違い禁止領域設定部23は、切り替えライン60及び停止ライン61を含むすれ違い禁止領域Rを道路上に設定する。すれ違い位置算出部24は、自車両50の速度と対向車両51の位置及び速度とに基づいて、自車両50と対向車両51がすれ違う位置P1を算出する。すれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在する場合において、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で奥側であり、且つ、対向車両51の速度が所定速度以上である場合、もしくは対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で手前側であり、且つ、対向車両51の速度が増加した場合には、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定する。この場合、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、速度決定部25は、自車両50が停止ライン61でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定する。
【0079】
また、すれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在する場合において、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で奥側であり、且つ、対向車両51の速度が所定速度未満である場合、もしくは対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で手前側であり、且つ、対向車両51の速度が増加していない場合には、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定する。この場合、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、速度決定部25は、自車両50の現在の速度を維持する、もしくは自車両50を加速させることを決定する。車両制御部26は、決定された速度で自車両50が走行するように、各種のアクチュエータ30を制御する。このように、第1実施形態に係る車両制御装置1は、対向車両51の運転者の意図を推定し、推定した意図を反映して自車両50の速度を決定するため、急ブレーキ、または不要な加減速が抑制される。
【0080】
対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で奥側であり、且つ、対向車両51の速度が所定速度以上である場合、もしくは対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で手前側であり、且つ、対向車両51の速度が増加した場合、車両制御部26は、自車両50を減速させて停止ライン61に停止させる。これにより、対向車両51の通過を妨げることがなくなり、円滑な走行が実現する。
【0081】
また、切り替えライン設定部21は、対向車両51が停止可能な位置に基づいて切り替えライン60を設定してもよい。対向車両51が停止可能な位置は、例えば、
図7に示す横断歩道の停止線70(実際の停止線)である。また、対向車両51が停止可能な位置は、
図8及び
図9に示すように、対向車両が2つ以上の道路が交差する部分に進入する手前の位置である。このような切り替えライン60の設定によれば、対向車両51が切り替えライン60に向けて減速しているのか、通過するつもりなのか、停止するつもりなのか、といった対向車両51の運転者の意図を反映した自車両50の走行制御が実現する。
【0082】
また、切り替えライン設定部21は、速度プロファイルを用いて切り替えライン60を設定してもよい。速度プロファイルを用いて切り替えライン60を設定する場合、切り替えライン設定部21は、駐車車両52から、対向車線上で自車両50の進行方向に所定距離(第2所定距離)離れた位置に仮想の第2停止ライン63を設定する。切り替えライン設定部21は、対向車両51の位置及び速度を用いて、対向車両51が第2停止ライン63で停止するための速度プロファイルV3を取得または生成する。そして、切り替えライン設定部21は、速度プロファイルV3に係る速度が所定速度V4(第2所定速度)となる位置に切り替えライン60を設定する。速度決定部25は、切り替えライン60を用いて対向車両51の運転者の意図を推定し、推定した意図を反映して自車両50の速度を決定する。これにより、対向車両51の運転者の意図を反映した自車両50の制御が可能となる。
【0083】
また、速度決定部25は、対向車両51の速度から速度プロファイルV3に係る速度を減算して速度差を算出し、算出した速度差に基づいて対向車両51の速度が想定より速いのか、遅いのか、あるいはほぼ想定通りなのか分類することができる。これにより、対向車両51の運転者の意図を反映した自車両50の制御が可能となり、急ブレーキ、または不要な加減速が抑制される。
【0084】
また、速度決定部25は、走行車線と対向車線との境界を示す区画線62と、対向車両51との位置関係、もしくは対向車両の加速度を用いて、対向車両51の運転者の意図を推定してもよい。これにより、対向車両51の運転者の意図を反映した自車両50の制御が可能となり、急ブレーキ、または不要な加減速が抑制される。
【0085】
(変形例)
上述した第1実施形態では、自車両50の速度を決定する際に、対向車両51の速度及び加速度を用いたが、これに限定されない。例えば、速度決定部25は、対向車両51の加速度のみを用いて自車両50の速度を決定してもよい。具体的には、すれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在する場合において、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で手前側であり、且つ、対向車両51の速度が増加した場合には、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定してもよい。この場合、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、速度決定部25は、自車両50が停止ライン61でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定してもよい。
【0086】
また、すれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在する場合において、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で手前側であり、且つ、対向車両51の速度が増加していない場合には、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定してもよい。この場合、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、速度決定部25は、自車両50の現在の速度を維持する、もしくは自車両50を加速させることを決定してもよい。このように変形例1に係る車両制御装置1は、対向車両51の加速度のみを用いて対向車両51の運転者の意図を推定し、推定した意図を反映して自車両50の速度を決定できる。これにより、急ブレーキ、または不要な加減速が抑制される。
【0087】
(第2実施形態)
次に、
図13~16を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態と重複する構成については符号を引用してその説明は省略する。以下、相違点を中心に説明する。なお、第2実施形態において、すれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在する場合を前提とする。
【0088】
図13に示すように、第2実施形態に係る車両制御装置2は、車速閾値設定部27と、速度比較部28とを備える。車両制御装置2は、第1実施形態に係る車両制御装置1とは異なり、ライン設定部21及び停止ライン設定部22を備えていない。
【0089】
車速閾値設定部27は、速度比較部28において用いられる車速閾値を設定する。具体的には、車速閾値設定部27は、
図14に示すように、対向車両51の任意の位置(現在位置でもよい)から対向車両51が一定の減速度で減速して駐車車両52の手前で停止するための速度プロファイルを生成する。つまり、車速閾値設定部27が生成する速度プロファイルに係る速度は、駐車車両52と対向車両51との距離が長いほど大きくなる。
【0090】
車速閾値設定部27は、設定した速度プロファイルを用いて車速閾値を設定する。具体的には、車速閾値設定部27は、
図15に示すように、駐車車両52から所定距離(距離L3)離れた対向車両51の位置に対応する速度プロファイルに係る速度を車速閾値として設定する。
図15に示す例では、車速閾値はV10となる。その他の例として、車速閾値設定部27は、
図16に示すように、駐車車両52から所定距離(距離L4)離れた対向車両51の位置に対応する速度プロファイルに係る速度を車速閾値として設定する。
図16に示す例では、車速閾値はV11となる。ここで、L3>L4であり、V10>V11である。つまり、車速閾値は、駐車車両52と対向車両51との距離が長いほど大きくなる。
【0091】
速度比較部28は、車速閾値設定部27によって設定された車速閾値と、対向車両51の速度とを比較する。
図15に示す例では、速度比較部28は、すれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在する場合において、駐車車両52から距離L3だけ離れた対向車両51の位置に対応する車速閾値V10と、駐車車両52から距離L3だけ離れた対向車両51の位置に対応する対向車両51の速度と、を比較する。速度比較部28は、比較結果を速度決定部25に出力する。
【0092】
対向車両51の速度が車速閾値V10以上の場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定する。この場合、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、速度決定部25は、自車両50が所定位置でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定する。
【0093】
一方、対向車両51の速度が車速閾値V10未満の場合、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定する。この場合、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、速度決定部25は、自車両50の現在の速度を維持する、もしくは自車両50を加速させることを決定する。このように、第2実施形態に係る車両制御装置2は、対向車両51の運転者の意図を推定し、推定した意図を反映して自車両50の速度を決定するため、急ブレーキ、または不要な加減速が抑制される。
【0094】
なお、第2実施形態において、禁止領域設定部23は、切り替えライン60及び停止ライン61を用いずにすれ違い禁止領域Rを設定する。一例として、禁止領域設定部23は、道路上の領域で、かつ、道路の延在方向に沿って駐車車両52を含んで形成される所定の領域をすれ違い禁止領域Rとして設定することができる(
図13参照)。
【0095】
(変形例1)
次に、第2実施形態に係る変形例1について説明する。車両制御装置2は、ライン設定部21を備えていないと説明したが、これに限定されない。車両制御装置2は、ライン設定部21を備えていてもよい。
【0096】
車両制御装置2がライン設定部21を備える場合、速度比較部28は切り替えライン60を用いて、車速閾値と対向車両51の速度とを比較することができる。具体的には、速度比較部28は、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で奥側である場合、車速閾値と対向車両51の速度とを比較する。比較結果に基づく速度の決定方法は、上記と同じであるため説明を省略する。変形例1に係る車両制御装置2は、対向車両51の運転者の意図を推定し、推定した意図を反映して自車両50の速度を決定するため、急ブレーキ、または不要な加減速が抑制される。
【0097】
(変形例2)
次に、第2実施形態に係る変形例2について説明する。変形例2に係る車両制御装置2もライン設定部21を備えているものとする。変形例2に係る車両制御装置2は変形例1に係る車両制御装置2と同様の機能を有する。変形例2に係る車両制御装置2は、対向車両51の速度の他に、対向車両51の加速度も用いて対向車両51の運転者の意図を推定する。
【0098】
具体的には、すれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在する場合において、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で手前側であり、且つ、対向車両51の速度が増加した場合には、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定してもよい。この場合、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、速度決定部25は、自車両50が所定位置でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定してもよい。
【0099】
また、すれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在する場合において、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で手前側であり、且つ、対向車両51の速度が増加していない場合には、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定してもよい。この場合、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、速度決定部25は、自車両50の現在の速度を維持する、もしくは自車両50を加速させることを決定してもよい。このように変形例2に係る車両制御装置2は、対向車両51の運転者の意図を推定し、推定した意図を反映して自車両50の速度を決定できる。これにより、急ブレーキ、または不要な加減速が抑制される。
【0100】
(変形例3)
次に、第2実施形態に係る変形例3について説明する。変形例3に係る車両制御装置2もライン設定部21を備えているものとする。変形例3に係る車両制御装置2は変形例1に係る車両制御装置2と同様の機能を有する。変形例3に係る車両制御装置2は、切り替えライン60の手前側において、対向車両51の速度及び加速度を用いて対向車両51の運転者の意図を推定する。
【0101】
具体的には、すれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在する場合において、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で手前側であり、且つ、対向車両51の速度が車速閾値以上である、もしくは、対向車両51の速度が増加した場合には、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50を待たずに駐車車両52の側方を通過することであると推定してもよい。この場合、対向車両51と自車両50との接触を回避するため、速度決定部25は、自車両50が所定位置でスムーズに停止できるように自車両50の減速度を決定してもよい。
【0102】
また、すれ違う位置P1がすれ違い禁止領域R内に存在する場合において、対向車両51の位置が切り替えライン60よりも自車両50から見て自車両50の進行方向で手前側であり、且つ、対向車両51の速度が車速閾値未満であり、且つ、対向車両51の速度が増加していない場合には、速度決定部25は、対向車両51の運転者の意図が自車両50の通過を待つことであると推定してもよい。この場合、自車両50を対向車両51より先に通過させるため、速度決定部25は、自車両50の現在の速度を維持する、もしくは自車両50を加速させることを決定してもよい。このように変形例3に係る車両制御装置2は、対向車両51の運転者の意図を推定し、推定した意図を反映して自車両50の速度を決定できる。これにより、急ブレーキ、または不要な加減速が抑制される。
【0103】
上述の実施形態に記載される各機能は、1または複数の処理回路により実装され得る。処理回路は、電気回路を含む処理装置等のプログラムされた処理装置を含む。処理回路は、また、記載された機能を実行するようにアレンジされた特定用途向け集積回路(ASIC)や回路部品等の装置を含む。また、車両制御装置1は、コンピュータの機能を改善しうる。
【0104】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0105】
例えば、上述した例では直線道路に例を説明したが、本発明はカーブにおいても適用できる。
【符号の説明】
【0106】
1、2 車両制御装置
10 GPS受信機
11 センサ
12 地図データベース
20 コントローラ
21 ライン設定部
22 停止ライン設定部
23 禁止領域設定部
24 位置算出部
25 速度決定部
26 車両制御部
27 車速閾値設定部
28 速度比較部
30 アクチュエータ