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特許7268506粉粒体の充填方法および粉粒体の充填装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】粉粒体の充填方法および粉粒体の充填装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 1/22 20060101AFI20230426BHJP
   B65B 37/04 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
B65B1/22
B65B37/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019122695
(22)【出願日】2019-07-01
(65)【公開番号】P2021008300
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 康崇
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-039701(JP,U)
【文献】特開2016-155046(JP,A)
【文献】特開平06-122401(JP,A)
【文献】特開平07-048604(JP,A)
【文献】特開2013-119067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/22
B65B 37/04A
C02F 1/28G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の中に粉粒体を収容するための充填方法であって、
粉粒体が充填された容器を、弾性体を介して前記容器の上部を下向きに押さえた状態で、振動数30Hzから180Hzで上下方向に振動させる第1の充填工程と、
次いで、前記容器の底面を下側から支持し、弾性体を介して前記容器を上方から下向きに押さえた状態で、前記容器の底面を1回/秒から10回/秒のサイクルで叩く第2の充填工程と、
を行う、粉粒体の充填方法。
【請求項2】
容器の中に粉粒体を収容するための充填方法であって、
粉粒体が充填された容器を、弾性体を介して前記容器を上方から下向きに押さえた状態で、振動数30Hzから180Hzで上下方向に振動させる第1の充填工程と、
次いで、弾性体を介して前記容器の上面を、前記第1の充填工程で下向きに押さえる力よりも弱い力で押さえた状態で、前記容器を振動数30Hzから180Hzで上下方向に振動させる第2の充填工程と、
を行う、粉粒体の充填方法。
【請求項3】
容器の中に粉粒体を収容するための充填装置であって、
貫通する開口部が形成されたテーブルと、
前記テーブルを上下方向に振動させる振動手段と、
前記テーブルの上に置かれる容器を、弾性体を介して上方から下向きに押さえる押さえ機構と、
前記テーブルの前記開口部を通して、テーブルの上に置かれる前記容器の底面を叩くノック機構と、
前記振動手段、前記押さえ機構および前記ノック機構を制御する制御部と、
を備えた、粉粒体の充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性炭、トナー、薬品、化粧品などのように真比重に対する見掛け比重が低く充填性の悪い粉粒体を、容器内に高密度で精度良く定量充填させる粉粒体の充填方法と粉粒体の充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々な粉粒体を容器内に定量充填させることが行われており、粉粒体を容器内に高密度で効率よく充填させるための様々な方法が検討されていた。そして、このように粉粒体を容器内に高密度に充填させる方法の一つとして、容器内に粉粒体を充填する際に容器に振動を与えることが行われていた。
【0003】
容器に振動を与えて粉粒体を高密度で充填させるために、容器を振動させる振動条件等について種々検討されており、例えば特許文献1には特定条件の振動を容器に与えることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-39903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されているような特定条件で振動を容器に与えながら粉粒体を充填しても、活性炭、トナー、薬品、化粧品などのように真比重に対する見掛け比重が低く充填性の悪い粉粒体を、充填容積が定められた容器内に精度良く定量充填する必要がある場合には、充填密度を十分高めることができずに、容器から溢れてしまったり、充填後の輸送などによる振動により嵩が減ってしまい容器内に空きができてしまったりする問題がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、活性炭、トナー、薬品、化粧品などのように真比重に対する見掛け比重が低く充填性の悪い粉粒体を、充填容積が定められた容器内に精度良く定量充填する方法およびその際に使用する充填装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の粉粒体の充填方法は、容器の中に粉粒体を収容するための充填方法であって、
粉粒体が充填された容器を、弾性体を介して前記容器の上部を下向きに押さえた状態で、振動数30Hzから180Hzで上下方向に振動させる第1の充填工程と、
次いで、前記容器の底面を下側から支持し、弾性体を介して前記容器を上方から下向きに押さえた状態で、前記容器の底面を1回/秒から10回/秒のサイクルで叩く第2の充填工程と、を行う。
【0008】
上記課題を解決する本発明の別の粉粒体の充填方法は、容器の中に粉粒体を収容するための充填方法であって、
粉粒体が充填された容器を、弾性体を介して前記容器を上方から下向きに押さえた状態で、振動数30Hzから180Hzで上下方向に振動させる第1の充填工程と、
次いで、弾性体を介して前記容器の上面を、前記第1の充填工程で下向きに押さえる力よりも弱い力で押さえた状態で、前記容器を振動数30Hzから180Hzで上下方向に振動させる第2の充填工程と、を行う。
【0009】
上記課題を解決する本発明の粉粒体の充填装置は、容器の中に粉粒体を収容するための充填装置であって、
貫通する開口部が形成されたテーブルと、
前記テーブルを上下方向に振動させる振動手段と、
前記テーブルの上に置かれる容器を、弾性体を介して上方から下向きに押さえる押さえ機構と、
前記テーブルの前記開口部を通して、テーブルの上に置かれる前記容器の底面を叩くノック機構と、
前記振動手段、前記押さえ機構および前記ノック機構を制御する制御部と、を備えている。
【0010】
本願において「上」とは鉛直上方を意味し、「下」とは鉛直下方を意味する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、活性炭、トナー、薬品、化粧品などのように真比重に対する見掛け比重が低く充填性の悪い粉粒体を、充填容積が定められた容器内に精度良く定量充填することができる。よって、容器から溢れてしまったり、充填後の輸送などによる振動により嵩が減ってしまい容器内に空きができてしまったりすることを防止でき、高い生産性と品質が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の粉粒体の充填装置の一実施形態を示す正面図である。
図2図1の粉粒体の充填装置を使用した充填工程を説明する説明図である。
図3図1の粉粒体の充填装置を使用した充填工程を説明する説明図である。
図4】粉体ろ材を充填する前の円筒容器の状態を示す縦断面図である。
図5】粉体ろ材を充填した円筒容器の状態を示す縦断面図である。
図6】粉体ろ材を高密度に充填した円筒容器の状態を示す縦断面図である。
図7】浄水カートリッジの一実施形態を示す縦断面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明について、図7に示す浄水カートリッジ21を製造する場合を例示して説明する。図7の浄水カートリッジ21は、ABS樹脂などからなる円筒容器22の中に、ろ材として粉体ろ材23と中空糸膜24とが収納されたものである。粉体ろ材23は、平均粒子径が30~900μm、見かけ比重が0.4~0.6g/cm程度の活性炭やイオン交換体などの粉粒体を組み合わせたものであり、中空糸膜24を収容した中空糸膜モジュール25の外側の粉体ろ材収納部26に充填される。
【0014】
このような浄水カートリッジ21を製造するには、図4に示すように、粉体ろ材23を充填するための準備を行う。
【0015】
まず、円筒容器22に中空糸膜モジュール25と粉体ろ材収納容器27を挿入し、円筒容器22の上に、粉体ろ材23を粉体ろ材収納部26に導くための漏斗28を被せる。
【0016】
そして、図5に示すように、図示しない計量機で計量した粉体ろ材23を漏斗28を通して粉体ろ材収納部26に充填する。計量機では、粉体ろ材23を円筒容器22の粉体ろ材収納部26に高密度に充填した際に必要な量となるように充填量を設定する。漏斗28を通して粉体ろ材23を粉体ろ材収納部26に充填しただけでは、粉体ろ材23は粒子間に空気を噛み込んだ疎な状態であり、まだ粉体ろ材収納部26に収まり切ってない状態である。
【0017】
そこで、図1に示す粉粒体の充填装置1(以下、充填装置1とする)を使用して、粉体ろ材23が円筒容器22の粉体ろ材収納部26に収まるように粉体ろ材23を高密度に充填させる。
【0018】
[粉粒体の充填装置]
図1の充填装置1には、受台2を備えたテーブル3が、圧縮コイルばね4で上下方向に揺動可能に支持されており、テーブル3には振動数30Hzから180Hzでテーブル3を上下方向に振動させることができる振動手段5が備えられている。この受台2に、定量の粉体ろ材23が充填された円筒容器22が、漏斗28を装着した状態で載せられる。振動手段5には、エアー式バイブレータ、振動モータなどが用いられる。
【0019】
テーブル3には、テーブル3の表裏を貫通する開口部6が形成されており、充填装置1には、円筒容器22の底面をテーブル3の開口部6を通して、1回/秒から10回/秒のサイクルで叩くことができるノック機構7が備えられている。ノック機構7には、エアシリンダなどの往復運動装置が用いられる。
【0020】
充填装置1には、円筒容器22の上方から弾性体8を介して円筒容器22を下向きに押さえることができる押さえ機構9が備えられている。押さえ機構9が弾性体8を介して円筒容器22を上方から下向きに押さえることで、テーブル3の振動により円筒容器22がテーブル3の上で飛び跳ねることなく、テーブル3の振動が有効に円筒容器22に伝わる。さらには円筒容器22の底面をノック機構7で叩く際に、一旦、円筒容器22をテーブル3から浮き上がらせ、その直後に円筒容器22を下向きに押し返し、円筒容器22の底面をテーブル3に打ち付けることができる。弾性体8には圧縮コイルばね等を用い、押さえ板10を介して円筒容器22の上面を下向きに押さえるように構成されており、さらに押さえ力を任意に設定できるようにアクチュエータ11を用いて弾性体8の圧縮量を調整できるように構成されている。
【0021】
ここで、円筒容器22を水平方向に振動させたり叩いたりはせず、上下方向に振動させたり叩く理由は次のとおりである。先ず、円筒容器22を水平方向に振動させると、粉体ろ材23が横方向に移動しようとし、円筒容器22の壁面との摩擦力が大きくなり、粉体ろ材23の流動性が悪くなるからである。また、下から円筒容器22を叩くと、粉体ろ材23には下方向の加速度が働き、さらに、いったん浮き上がった円筒容器22が落下してテーブル3に衝突すると、粉体ろ材23には再び下方向の加速度が働き、効果的に粉体ろ材23を下方向に移動させ、密度を高めることができるからである。
【0022】
充填装置1には図示しない制御装置が備えられており、この制御装置で、振動手段5、押さえ機構9およびノック機構7が動作するタイミングを制御する。
【0023】
充填装置1には操作パネル12が備えられており、テーブル3の振動時間、円筒容器22の底面を叩くサイクルと作動時間、円筒容器22を下向きに押さえる力などを入力できる。
【0024】
[粉粒体の充填方法]
この充填装置1を使用して、粉体ろ材23が円筒容器22の粉体ろ材収納部26に収まるように粉体ろ材23を高密度に充填させる手順は以下のとおりである。
【0025】
先ず、図5に示した状態の円筒容器22を、テーブル3の受台2に載せ、操作パネル12で充填装置1を起動し、プログラムされた順序に従って、以下の第1の充填工程と第2の充填工程、または第1の充填工程と第2’の充填工程の動作を進行させる。
【0026】
[第1の充填工程]
図3に示すように、まず、弾性体8により押さえ力が付与されるように支持された押さえ板10で、漏斗28が被せられた円筒容器22を上方から下向きに押さえる。そして、この状態のまま、30Hzから180Hzの間の振動数でテーブル3を振動させる。その結果、漏斗28に溢れ出していた粉体ろ材23は円筒容器22の粉体ろ材収納部26に流れ落ちる。ただし、まだすべての粉体ろ材23が粉体ろ材収納部26に収まり切った状態にはならない。これは、振動により粉体ろ材23の流動性が高まると同時に、粉体ろ材23の粒子間に噛み込んでいた大半の空気が抜けて密な状態に変わったものの、粉体ろ材23が上下に振動していたことで、粉体ろ材23の粒子間にはまだ若干の空気を噛み込んでいる状態であり、十分高密度な状態にまでは達していないためである。
【0027】
[第2の充填工程]
そこで次に、テーブル3を振動させるのを止め、押さえ板10で円筒容器22を上方から下向きに押さえた状態のまま、テーブル3に形成された開口部6を通して、ノック機構7を用いて円筒容器22の底面を、1回/秒から10回/秒の間のサイクルで叩く。こうすることで、一旦、円筒容器22をテーブル3から浮き上がらせ、その直後に下向きに円筒容器22を押し返し、円筒容器22の底面をテーブル3に打ち付ける動作を繰り返すことができる。この動作により、上下振動とは異なり、粉体ろ材23に対し重力方向の加速度を連続して加えることができ、粉体ろ材23からは噛み込んだ空気が追い出され、図6に示すように、粉体ろ材23が高密度に充填された状態になる。
【0028】
そして、高密度に充填した後、粉体容器22を押さえていた押さえ板10を上昇させて、円筒容器22を取り出すことができる。
【0029】
[第2’の充填工程]
一方、テーブル3の上で円筒容器22を振動させた後、ノック機構7を用いて円筒容器22の底面を叩く代わりに、押さえ板10で円筒容器22を上方から下向きに押さえる力を弱めた状態で、再び円筒容器22を30Hzから180Hzの間の振動数でテーブル3の上で振動させてもよい。この方法でも、ノック機構7を用いる場合と同様に粉体ろ材23を高密度に充填することができる。つまり、円筒容器22を下向きに押さえる力を弱めることにより、テーブル3から円筒容器22を大きく跳ね上がらせることができ、一旦、円筒容器22をテーブル3から浮き上がらせ、その直後に下向きに円筒容器22を押し返し、円筒容器22の底面をテーブル3に打ち付ける動作を繰り返すことができる。この動作により、粉体ろ材23に対し重力方向の加速度を連続して加えることができ、粉体ろ材23からは噛み込んだ空気が追い出され、粉体ろ材23が高密度に充填された状態になる。
【実施例
【0030】
以下本発明について実施例を示して具体的に説明する。
【0031】
[実施例1]
図7に示した浄水カートリッジ21に用いる円筒容器22で、粉体ろ材収納部26の容量が47mlであるものを用意した。粉体ろ材収納容器27の上端から5mmまでの部分は、粉体ろ材収納容器27の蓋である弾性部材29を取り付ける部分であり、それより下の部分が粉体ろ材収納部26になる。弾性部材29にはポリオレフィン発泡体を用いた。
【0032】
粉体ろ材23は、平均粒径が120μmであり、見掛け密度が最大となるように高密度に充填した際の見掛け密度が0.57g/cmであるものを用意した。この粉体ろ材23を、用意した円筒容器22に見掛け密度が最大となるように高密度に充填すると、26.8g充填することができるので、図示しない計量機を用いて26.8gを量り取った。量り取った粉体ろ材23を、図5に示すように、漏斗28を取り付けた円筒容器22に漏斗28の上から充填した。なお、この量り取った26.8gの粉体ろ材23を、容量100mlのメスシリンダーに市販されている漏斗で移して体積を量ると54mlとなり、円筒容器22に移しただけでは粉体ろ材23は高密度に充填されないことが分かっていた。
【0033】
次いで、図2に示すように、この円筒容器22を粉粒体の充填装置1(以下、充填装置1)のテーブル3の上の受台2に2個セットした。
【0034】
充填装置1には、振動手段5として、エクセン(株)製のエアー式バイブレータをテーブル3の下に取り付けた。また、ノック機構7として、(株)コガネイ製のノックシリンダをテーブル3に形成された開口部6の下に取り付けた。さらに、アクチュエータ11としての(株)IAI製のロボシリンダー、アクチュエータ11の先端に治具を介して取り付けられた圧縮コイルばね4、及び圧縮コイルばね4の先端に取り付けられた押さえ板10で構成された押さえ機構9を、漏斗28を上から押さえられる位置に取り付けた。圧縮コイルばね4は、ばね定数が2.8N/mmであるものを用いた。押さえ板10による押さえ力は、アクチュエータ11で圧縮コイルばね4を縮める量を調整することで設定できた。
【0035】
次いで、操作パネル12で充填装置1を起動し、プログラムされた順序に従って、動作を進行させた。先ず、図3に示すように、押さえ機構9に設けられた押さえ板10で漏斗28の上を15Nの力で押さえた。
【0036】
次いで、振動手段5でテーブル3ごと円筒容器22を振動数108Hzで5秒間振動させた。円筒容器22は、漏斗28を介して、押さえ機構9の押さえ板10で押さえられているので、テーブル3の上で飛び跳ねることがなかった。
【0037】
次いで、振動手段5を停止させて、押さえ板10による押さえ力を、円筒容器22が受台2に載っている状態で押さえ板10が漏斗28に触れる程度に弱め、ノック機構7で円筒容器22の底面を5回/秒のサイクルで5秒間叩いた。この際、押さえ板10で、テーブル3から浮き上がった円筒容器22を下向きに押し返すことにより、円筒容器22の底面をテーブル3に打ち付け、再び円筒容器22の底面を叩く動作を繰り返し行った。
【0038】
その後、押さえ板10を上方に退避させ、円筒容器22を充填装置1から取り出し、漏斗28を円筒容器22から取り外した。
【0039】
以上のようにして充填した結果、図6に示すように、粉体ろ材23を粉体ろ材収納部26(容量47ml)に過不足なく充填することができ、弾性部材29で蓋をすることができた。
【0040】
[実施例2]
実施例1と同じ粉体ろ材23、円筒容器22、充填装置1を用意し、操作パネル12で充填装置1を起動させる前までは、実施例1と同じ準備を行った。
【0041】
次いで、操作パネル12で充填装置1を起動し、プログラムされた順序に従って、動作を進行させた。図3に示すように、押さえ機構9に設けられた押さえ板10で漏斗28の上を15Nの力で押さえた状態で、先ず、振動手段5でテーブル3ごと円筒容器22を振動数108Hzで5秒間振動させた。
【0042】
次いで、振動手段5を停止させて、押さえ板10による押さえ力を7Nに弱め、再び、振動手段5でテーブル3ごと円筒容器22を振動数108Hzで5秒間振動させた。押さえ板10による押さえ力を弱めたので、振動により円筒容器22は大きく跳ね上がり、さらにテーブル3から浮き上がった直後に下向きに押し返され、円筒容器22の底面がテーブル3に打ち付けられる動作を繰り返した。
【0043】
以上のようにして充填した結果、図6に示すように、粉体ろ材23を粉体ろ材収納部26(容量47ml)に過不足なく充填することができ、弾性部材29で蓋をすることができた。
【0044】
[比較例]
実施例1と同じ粉体ろ材23、円筒容器22、充填装置1を用意し、操作パネル12で充填装置1を起動させる前までは、実施例1と同じ準備を行った。
【0045】
次いで、操作パネル12で充填装置1を起動し、プログラムされた順序に従って、動作を進行させた。図3に示すように、押さえ機構9に設けられた押さえ板10で漏斗28の上を15Nの力で押さえた状態で、振動手段5でテーブル3ごと円筒容器22を振動させる動作のみを振動数108Hzで10秒間行った。
【0046】
その結果、粉体ろ材23を粉体ろ材収納部26(容量47ml)に充填し切れず溢れてしまい、弾性部材29で蓋をすることができなかった。
【符号の説明】
【0047】
1 粉粒体の充填装置
2 受台
3 テーブル
4 圧縮コイルばね
5 振動手段
6 開口部
7 ノック機構
8 弾性体
9 押さえ機構
10 押さえ板
11 アクチュエータ
12 操作パネル
21 浄水カートリッジ
22 円筒容器
23 粉体ろ材
24 中空糸膜
25 中空糸膜モジュール
26 粉体ろ材収納部
27 粉体ろ材収納容器
28 漏斗
29 弾性部材
30 蓋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7