(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】コンバータ
(51)【国際特許分類】
H02M 3/00 20060101AFI20230426BHJP
【FI】
H02M3/00 Y
(21)【出願番号】P 2019551312
(86)(22)【出願日】2018-03-19
(86)【国際出願番号】 KR2018003148
(87)【国際公開番号】W WO2018174484
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-19
(31)【優先権主張番号】10-2017-0035354
(32)【優先日】2017-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0086430
(32)【優先日】2017-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(72)【発明者】
【氏名】キム クン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ペク チ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チョン チェ フ
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-004405(JP,A)
【文献】特開2000-340728(JP,A)
【文献】特開2011-178175(JP,A)
【文献】特開昭60-211288(JP,A)
【文献】特開2001-033179(JP,A)
【文献】特開2007-312502(JP,A)
【文献】特開平11-299220(JP,A)
【文献】特開2010-272870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00
H02M 7/48
H05K 7/20
H01L 23/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの一面に配置される複数の発熱素子と、
前記ハウジングに配置され、流入口及び吐出口を含み、内部で冷媒が流動するパイプと、を含み、
前記パイプは、前記流入口から前記吐出口まで垂直方向への断面積が一定なチューブ形状で形成され、
前記パイプは、前記複数の発熱素子と垂直方向にオーバーラップされる位置に配置され、
前記ハウジングは、前記パイプが配置される流路を含み、
前記流路は、前記ハウジングの他面に形成され、
前記パイプは、前記流入口及び前記吐出口を除いて前記流路に覆われ
、
前記ハウジングは、前記ハウジングの前記一面に隣接した第1内部空間と、前記ハウジングの前記他面に隣接した第2内部空間とを含み、
前記第1内部空間と前記第2内部空間とは、相互に区切られ、
前記複数の発熱素子は、さらに前記第1内部空間に配置され、
前記流路は、さらに前記第2内部空間に形成される、コンバータ。
【請求項2】
前記パイプは、
前記流入口から水平に延長される第1直線部と、
前記第1直線部の端部から内側に折り曲げられる第1折曲部と、
前記第1折曲部の端部から水平に延長される第2直線部と、を含む、請求項
1に記載のコンバータ。
【請求項3】
前記パイプは、両端部が前記流入口及び前記吐出口で前記ハウジングの外部に露出する、請求項
2に記載のコンバータ。
【請求項4】
前記パイプと前記ハウジングは、インサート射出方式によって一体で形成される、請求項
2に記載のコンバータ。
【請求項5】
前記流路を覆うカバーをさらに含む、請求項
1に記載のコンバータ。
【請求項6】
前記カバーは、
前記ハウジングと一体で形成され、
前記ハウジングと同じ材質である、請求項
5に記載のコンバータ。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記流路の形状に対応して形成される段差部を含む、請求項
5に記載のコンバータ。
【請求項8】
前記流路の内周面中で前記発熱素子と向かい合う面は、平面である、請求項
1に記載のコンバータ。
【請求項9】
前記パイプは、複数の直線部と前記直線部を連結する複数の折曲部を持ち、
前記直線部を流動する冷媒の流速は、一定である、請求項
1に記載のコンバータ。
【請求項10】
前記折曲部は、前記発熱素子と向かい合う領域に対向して配置される、請求項
9に記載のコンバータ。
【請求項11】
前記パイプは、平面部及び曲面部を含み、
前記平面部は、前記発熱素子と向かい合う前記パイプの外面に配置される、請求項
1に記載のコンバータ。
【請求項12】
前記発熱素子は、変圧器及びインダクタを含む、請求項
1に記載のコンバータ。
【請求項13】
前記ハウジングの側面には、
放熱フィンが配置される、請求項
1に記載のコンバータ。
【請求項14】
前記ハウジングの側面には、前記パイプの両端部が突出されるように貫通ホールが形成される、請求項
1に記載のコンバータ。
【請求項15】
前記ハウジングは、前記段差部以外の領域で突出して形成された複数の
放熱フィンが配置される、請求項
7に記載のコンバータ。
【請求項16】
ハウジングと、
前記ハウジングの一面に配置される複数の発熱素子と、
前記ハウジングの他面に配置される流路と、
前記流路内に配置され、内部で冷媒が流動するパイプと、を含み、
前記パイプは、前記複数の発熱素子と垂直方向にオーバーラップされるように配置され
、
前記ハウジングは、前記ハウジングの前記一面に隣接した第1内部空間と、前記ハウジングの前記他面に隣接した第2内部空間とを含み、
前記第1内部空間と前記第2内部空間とは、相互に区切られ、
前記複数の発熱素子は、さらに前記第1内部空間に配置され、
前記流路は、さらに前記第2内部空間に形成される、コンバータ。
【請求項17】
前記パイプは、流入口及び吐出口を含み、
前記パイプは、前記流入口から前記吐出口まで垂直方向への断面積が一定なチューブ形状で形成される、請求項
16に記載のコンバータ。
【請求項18】
前記パイプは、前記流入口及び前記吐出口から前記ハウジングの外部に露出される、請求項
17に記載のコンバータ。
【請求項19】
前記ハウジングは、前記流路の形状に対応して形成される段差部を含む、請求項
16に記載のコンバータ。
【請求項20】
前記ハウジングは、前記段差部以外の領域で突出して形成される複数の
放熱フィンが配置される、請求項
19に記載のコンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の電気装置としては、エンジンの電気装置(始動装置、点火装置、充電装置)と灯火装置が一般的であるが、近年車両がより電子制御化されることによってシャーシー電気装置を含むほとんどのシステムが電気電子化されている傾向にある。
【0003】
自動車に設置されるランプ、オーディオ、ヒーター、エアコン等の各種電装品は、自動車停止時にはバッテリーから電源の供給を受けて、走行時には発電機から電源の供給を受けるようになっているが、この際通常の電源電圧で14V系電源システムの発電容量が使われている。
【0004】
近年情報技術産業の発達と共に自動車の便宜性の増大を目的とする様々な新技術(モーター式パワーステアリング、インターネット等)が車両に組み合わされて、今後も現自動車システムを最大限利用できる新技術の開発が続くと予想される。
【0005】
ソフトまたはハードタイプの区分なしにハイブリッド電気車両(HEV)は、電装負荷(12V)供給のためのDC-DCコンバータ(Low Voltage DC-DC Converter)が設置されている。さらに、通常のガソリン車両の発電機(オルタネーター)の役割をするDC-DCコンバータは、メインバッテリー(通常144V以上の高電圧バッテリー)の高電圧をダウンさせて電装負荷用電圧12Vを供給している。
【0006】
DC-DCコンバータ(DC-DC Converter)とは、ある電圧の直流電源から別の電圧の直流電源に変換する電子回路装置のことであり、テレビ受像機、自動車の電装品等様々な分野で使われている。
【0007】
図1は、従来技術に係るコンバータの形態を示した分解斜視図である。
【0008】
図1を参照すると、従来技術に係るコンバータ1は、ハウジング8により外形が形成される。前記ハウジング8の一面には、熱を発生させる多数の発熱素子が備えられて、前記ハウジング8の他面には、前記発生した熱を吸収するための冷媒が流動するように冷媒流路2が形成される。
【0009】
前記冷媒流路2は、冷媒が前記ハウジング2の他面を循環するように、冷媒流入部4から冷媒流出部5まで定義される経路を形成する。前記冷媒流入部4と前記冷媒流出部5は、前記ハウジング2の側面に相互に離隔して形成される。従って、前記冷媒流入部4に流入した冷媒は、前記冷媒流路2に沿って前記コンバータ1の熱を吸収して前記冷媒流出部5に流出する。
【0010】
尚、ハウジング8の他面には、前記冷媒流路2をカバーするためのカバー3が結合される。冷媒が外部に流出されるのを防止するために、前記カバー3と前記ハウジング8との間には、シーリング部材(図示せず)が備えられてもよい。また、前記冷媒流入部4と前記冷媒流出部5にも別途のパイプが結合されたりまたはシーリングのためのコネクター6が備えられてもよい。
【0011】
前記の従来技術によると、冷媒が外部に流出されるのを防止するために別途のシーリング部材が追加で配置されるので、部品数が増加して製造単価が上昇する間題点がある。また、前記冷媒流路2をカバーするためのカバー3が前記ハウジング8とは別に備えられるので、各部品間組み立てのための別途の工程が要求される短所がある。
【0012】
尚、コンバータの内部または外面上には、熱を発生させる多数の発熱素子が配置される。発熱素子の例として、多数の電子部品が実装される印刷回路基板、電圧調節のための変圧器、インダクタンスを得るためのインダクタが含まれる。前記構成から発生する熱は、各電子部品の過負荷を起こして、設定機能に障害を発生させて、故障を誘発させるようになる。
【0013】
従って、コンバータの放熱のために多様な方式が提案されている。コンバータ自体に冷媒流路を形成して冷媒を循環させたり、冷媒が循環する別途の冷媒管を備えて発熱素子から発生する熱を冷媒が吸収したりする。また、コンバータの外面に面積増加のための放熱フィンを形成して、内部から発生する熱を外部に放出させる技術も提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本実施例は、部品数の減少により製造単価を削減させることができるコンバータを提供する。さらに、発熱素子から発生する熱を効率的に放熱させることができるコンバータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
一実施例として、コンバータは、ハウジングと、前記ハウジングの一面に配置される複数の発熱素子と、前記ハウジングの他面に配置される流路と、を含み、前記流路は、前記ハウジングの外部と内部を連通させる流入口及び吐出口を含み、前記流路は、前記流入口から前記吐出口まで単一ラインによって形成され、前記流路の断面積は、一定に形成され、前記流路は、前記複数の発熱素子と垂直方向にオーバーラップ(overlab)される位置に配置される。
【0016】
前記流路には、前記流路の形状に対応して冷媒が流動する冷却パイプが配置されることができる。
【0017】
前記冷却パイプは、両端部が前記流入口及び前記流出口で前記ハウジングの外部に露出することができる。
【0018】
前記冷却パイプと前記ハウジングは、インサート(insert)射出方式によって一体で形成されることができる。
【0019】
前記他面と結合して前記流路を覆うカバーをさらに含むことができる。
【0020】
前記カバーは、前記ハウジングと一体で形成され、前記ハウジングと同じ材質であり得る。
【0021】
前記ハウジングは、他面に前記流路の形状に対応して形成される段差部を含み、前記段差部以外の領域で突出して形成された複数の放熱フィンを含むことができる。
【0022】
前記流路の内周面中で前記発熱素子と向かい合う面は、平面であり得る。
【0023】
前記冷却パイプは、複数の直線部と前記直線部を連結する複数の折曲部を持ち、前記直線部を流動する冷媒の流速は、一定であってもよい。前記折曲部は、前記発熱素子と向かい合う領域に対向して配置されることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、ハウジングに冷媒流動のための冷却パイプがハウジングと一体で形成されるので、別途のカバーまたはシーリングのための部品が不要で部品数が減って製造単価が安くなる長所がある。
【0025】
さらに、冷却パイプ及び流路に複数の直線部及び折曲部を介して発熱素子が配置された領域を集中的に放熱することになるので、放熱効率が増加することができる長所がある。特に、前記発熱素子と向かい合う冷却パイプ及び流路の断面には、平面部が形成されるので、放熱のための断面積を増加させることができる長所がある。
【0026】
さらに、ブラケットがケースの複数の領域に接触するので、ケース内部から発生する熱を効率的に放熱することができる。
【0027】
特に、ケースと接触するブラケットの領域は、ケースの中心を基準に対称であるので、均一な放熱が可能な長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】従来技術に係るコンバータの形態を示した分解斜視図。
【
図3】本発明の実施例に係るコンバータの一面の形態を示した断面図。
【
図4】本発明の実施例に係るコンバータの他面の形態を示した断面図。
【
図5】本発明の実施例に係るコンバータの分解斜視図。
【
図6】本発明の実施例に係るハウジングの側面の形態を示した断面図。
【
図7】本発明の実施例に係る冷却パイプの断面を示した断面図。
【
図8】本発明の第2実施例に係るコンバータの斜視図。
【
図9】本発明の第2実施例に係るコンバータの構成を示した断面図。
【
図10】本発明の第2実施例に係るブラケットの断面図。
【
図11】本発明の第2実施例に係るケースの斜視図。
【
図12】本発明の第2実施例に係るケースとブラケットの結合の形態を示した断面図。
【
図13】本発明の第2実施例に係るブラケットの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下説明される本発明は、様々な変換を加えることができて、様々な実施例を持つことができるので、特定の実施例を図面に例示して詳細な説明で詳細に説明する。
【0030】
しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変換、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0031】
本発明を説明するに当たり関連した公示技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0032】
本出願で使った用語は、単に特定の実施例を説明するために使われたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、“含む”または“持つ”等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、工程、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の別の特徴や数字、工程、動作、構成要素、部品またはこれたちを組み合わせたもの等の存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されなければならない。
【0033】
また“第1、第2”等の用語は、様々な構成要素を区分して説明するために使われることができるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は、1つの構成要素を別の構成要素から区別する目的にだけ使われる。
【0034】
図2は、本発明の実施例に係るコンバータの斜視図であり、
図3は、本発明の実施例に係るコンバータの一面の形態を示した断面図であり、
図4は、本発明の実施例に係るコンバータの他面の形態を示した断面図である。
【0035】
図2乃至4を参照すると、本発明の実施例に係るコンバータ(Converter)100は、ハウジング10と、前記ハウジング10の一面12に配置される複数の発熱素子14、16、18と、前記ハウジング10の他面11に配置される流路30を含む。
【0036】
本実施例に係るコンバータ(Converter)は、自動車、エアコン等に備えられる電装品であって、ある電圧の電源から別の電圧の電源に変換を行う電子回路装置をいう。例えば、前記コンバータ100は、DC-DCコンバータであり得る。しかし、本実施例に係る構成がこれに限定されず、前述したタイプを含んだ様々な電装品に適用されることができる。
【0037】
前記ハウジング10は、長方形の断面形状を持って、内部に各々冷却パイプ20が配置される流路30と、多数の発熱素子14、16、18が備えられる。このうち前記発熱素子14、16、18は、前記コンバータ100の動作により熱を発生させる構成であって、前記ハウジング10の一面12に配置される。この時、前記ハウジング10の一面12には、前記発熱素子14、16、18をカバーするための別途のカバー(図示せず)が結合することができる。
【0038】
これとは異なって、前記ハウジング10に相互に区切られる複数の内部空間を形成して、前記一面12に隣接した内部空間に、前記多数の発熱素子14、16、18を配置して、前記他面11に隣接した内部空間に、前記流路30を形成するように構成することも可能である。
【0039】
前記発熱素子14、16、18には、多数の電子部品が実装される基板部14、電圧調節のための変圧器(Transformer)16、インダクタンスを得るためのインダクタ18が含まれることができる。これは例示的であり、本発明の実施例に発熱素子14、16、18としては、前記コンバータ100に配置されて動作により熱を発生させる構成であればこれに含まれるものと理解されることができる。
【0040】
前記ハウジング10の他面11には、冷媒が流動する冷媒パイプ20が配置される流路30が形成される。前記流路30により前記ハウジング10の他面11は、前記流路30形成領域が他の領域に比べて突出した形状で形成されることができる。一方、前記ハウジング10の他面11には、前記他面11と結合して前記流路30を覆うカバー11aが配置されることができる。前記カバー11aは、前記ハウジング10と同じ材質で備えられて、前記ハウジング10と一体で形成されることができる。
【0041】
前述した通り、前記ハウジング10の他面11には、前記流路30により他の領域より突出形成される段差部31が備えられてもよい。尚、前記段差部31を除いた前記ハウジング10の他面11には、前記他面11から突出する1つ以上の放熱フィン70が備えられる。前記放熱フィン70は、相互に間隔を形成して複数に配置されて、前記他面11の断面積を増加させることによって、前記発熱素子14、16、18から発生する熱がより容易に外部に放出されることができる。さらに、前記ハウジング10の側面にも断面積拡張のための別途の放熱フィン72が備えられてもよい。
【0042】
図5は、本発明の実施例に係るコンバータの分解斜視図であり、
図6は、本発明の実施例に係るハウジングの側面の形態を示した断面図である。
【0043】
図2、
図5及び
図6を参照すると、前記ハウジング10の内部には前記冷却パイプ20が配置される流路30が形成される。詳細には、前記流路30は、流入口19aから吐出口19bまで単一ラインによって形成される。つまり、前記ハウジング10の側面には、前記冷却パイプ20の両端部22、24を外部に露出させる貫通ホール19が形成される。前記貫通ホール19は、前記流入口19aと前記吐出口19bで定義される領域であって、前記流路30と前記ハウジング10の外部の境界を形成するものと理解される。尚、前記流路30は、単一ラインに形成されるので、前記流入口19aと前記吐出口19bと前記ハウジング10の内部で連通するのは自明である。
【0044】
前記流路30の断面積は、全区間で一定に形成される。言い換えれば、前記流路30の内周面幅は、全領域で一定に形成されることができる。これは、前記流路30に配置される前記冷却パイプ20の外周面断面積が一定に配置されるとも理解されることができる。尚、前記流路30上に前記冷却パイプ20が配置されるので、前記流路30の形状及び断面積は、前記冷却パイプ20の形状及び断面積に対応する。その結果、前記冷却パイプ20を流動する冷媒の流速は、全領域で割と一定である。従って、特定領域で冷媒が停滞しないため、前記ハウジング10は、全領域で均一な温度分布を持つことができる。
【0045】
前記流路30及び前記冷却パイプ20は、前記ハウジング10の一面12に配置される複数の発熱素子14、16、18と垂直方向にオーバーラップ(Overlab)できる。つまり、前記ハウジング10の一面12に配置される複数の発熱素子14、16、18と前記流路30及び前記冷却パイプ20は、相互に向かい合うように位置することができる。このために、前記流路30及び前記冷却パイプ20は、直線部と前記直線部を連結する複数の折曲部を含むことができる。
【0046】
詳細に、冷媒が流動する前記冷却パイプ20の両端には、冷媒が引き込まれる引込部22と、熱交換を行った冷媒が引き出される引き出し部24が各々形成される。ここで、前記流入部22は前記流入口19aを介して前記ハウジング10の外部に露出する前記冷却パイプ20の一端として理解され、前記流出部24は、前記吐出口19bを介して前記ハウジング10の外部に露出する前記冷却パイプ20の他端として理解される。
【0047】
尚、前記流入部22と前記流出部24との間に複数の直線部と複数の折曲部が配置される。例えば、前記冷却パイプ20は、前記流入部22から水平に延びる第1直線部25aと、前記第1直線部25aの端部から内側に折り曲げられる第1折曲部25bと、前記第1折曲部25bの端部から水平に延びる第2直線部26aを含むことができる。前記第2直線部26aの以後にも前記流出部24に向けて、第3直線部27a、第2折曲部27b、第4直線部28a、第3折曲部28b、第5直線部29a等がさらに含まれることができる。このうち断面積が相対的に大きく形成される前記折曲部が、前記発熱素子14、16、18と垂直方向にオーバーラップされる位置に配置されることによって、前記発熱素子14、16、18から発生する熱がより多く吸収されることができる。つまり、前記流路30及び前記冷却パイプ20は、相対的に温度が高い領域である前記発熱素子14、16、18の配置領域に集中的に配置されることによって、放熱効率がより増加することができる。
【0048】
一方、前記冷却パイプ20は、前記ハウジング10と一体で形成されることができる。つまり、前記冷却パイプ20と前記ハウジング10は、インサート(Insert)射出方式によって一体で製造されることができる。従って、前記冷却パイプ20をカバーするための別途のカバーが不要であるため、部品数が減る長所がある。
【0049】
図7は、本発明の実施例に係る冷却パイプの断面を示した断面図である。
【0050】
図7を参照すると、本発明の実施例に係る冷却パイプ20の断面には、平面部29aと曲面部29bが形成される。尚、前記平面部29aと前記曲面部29bに対応するように、前記流路30の内周面にも平面部及び曲面部が各々形成される。このうち前記平面部29aは、前記冷却パイプ20の外面中、前記発熱素子14、16、18と向かい合う面に形成される。これによって、前記発熱素子14、16、18と向かい合う前記流路30及び前記冷却パイプ20の外面に前記平面部29aを形成して、他領域に比べて相対的に断面積を増加させることによって、冷媒がより多量の熱を吸収することができる長所がある。
【0051】
前記のような構成のコンバータ100によると、ハウジングに冷媒流動のための冷却パイプがハウジングと一体で形成されるので、別途のカバーまたはシーリングのための部品が不要であり部品数が減って製造単価が安くなる長所がある。
【0052】
さらに、冷却パイプ及び流路に複数の直線部及び折曲部を介して発熱素子が配置された領域を集中的に放熱するようになるので、放熱効率が増加することができる長所がある。特に、前記発熱素子と向かい合う冷却パイプ及び流路の断面には平面部が形成されるので、放熱のための断面積を増加させることができる長所がある。
【0053】
以下では、本発明の第2実施例に係るコンバータについて説明する。
【0054】
本実施例では、他の部分においては第1実施例と同様であり、ただ放熱構造において差がある。以下では、第2実施例の特徴的な部分についてのみ説明して、その他の部分においては第1実施例に対する説明を援用する。
【0055】
図8は、本発明の第2実施例に係るコンバータの斜視図であり、
図9は、本発明の第2実施例に係るコンバータの分解斜視図であり、
図10は、本発明の第2実施例に係るコンバータの背面の形態を示した斜視図である。
【0056】
図8乃至10を参照すると、本発明の第2実施例に係るコンバータ(Converter)200は、ハウジング211と、前記ハウジング211の一面に配置される1つ以上の発熱素子114と、前記ハウジング211の他面に配置される冷媒流路222を含む。
【0057】
本実施例に係るコンバータ(Converter)10は、自動車、エアコン等に備えられる電装品であり、ある電圧の電源から他の電圧の電源に変換を行う電子回路装置をいう。例えば、前記コンバータ200は、DC-DCコンバータであり得る。しかし、本実施例に係る構成がこれに限定されず、前述したタイプを含む様々な電装品に適用されることができる。
【0058】
前記ハウジング211は、長方形の断面形状を持って、内部に各々冷媒が流動する冷媒流路222と、1つ以上の発熱素子114を備える。
図8では、1つの発熱素子が配置された例を示している。
【0059】
前記発熱素子の例として、多数の電子部品が実装される印刷回路基板、電圧を調節する変圧器(Transformer)、インダクタンスを得るためのインダクタ等が含まれることができる。
【0060】
詳細に、前記ハウジング211の一面には、前記発熱素子114が配置される安着部212が形成される。前記安着部212は、前記ハウジング211の一面に底面を有する溝形態で形成されて、前記発熱素子114が配置される空間を形成する。尚、前記安着部212の底面には、前記発熱素子114を収容するケース110が安着するための安着溝213が形成されることができる。前記安着溝213は、前記安着部212の底面から陥没形成されて、前記ケース110の下部側一部領域を収容することができる。前記安着部212に多数の発熱素子が配置された後には、別途のカバーが前記ハウジング211の一面に結合されて、前記安着部212をカバーすることができる。
【0061】
前記ハウジング211の他面には、冷媒が流動する前記冷媒流路222が形成される。前記冷媒流路222は、前記ハウジング211の他面から突出する1つ以上の区画部223を介して区画されることができる。尚、前記冷媒流路222の一端は、前記ハウジング211の側面に形成された冷媒流入部224と連通して、前記冷媒流路222の他端は、前記ハウジング211の側面中前記冷媒流入部224と離隔した領域に形成された冷媒流出部226と連通する。従って、前記冷媒流入部224から前記ハウジング211の内部に流入した冷媒は、前記冷媒流路222に沿って循環する。尚、熱交換を行った冷媒は、前記冷媒流出部226を介して前記ハウジング211の外部に放出されることができる。このように冷媒が前記ハウジング211の他面を流動することによって、前記ハウジング211の一面に配置された1つ以上の発熱素子114から発生した熱が放熱されることができる。
【0062】
一方、前記ハウジング211の他面には、前記冷媒流路222が形成される代わりに、第1実施例に係る冷却パイプ20が配置されることができる。この時、前記冷却パイプ20は、前記ハウジング211の内部に収容されて、前記ハウジング211の他面から突出することができる。つまり、前記第1実施例に係る冷却パイプ20は、本実施例に係るコンバータ200に適用されることができて、この構造も本願発明の技術思想に含まれると言える。
【0063】
図11は、本発明の第2実施例に係るケースの斜視図である。
【0064】
図11を参照すると、前述した通り前記コンバータ200の内部には1つ以上の発熱素子114が備えられる。前記発熱素子114は、前記ケース110の内部に収容されて、前記ケース110と一体のモジュール(module)として構成されることができる。
【0065】
詳細に、前記ケース110は、上部ケース115と下部ケース117を含む。前記上部ケース115と前記下部ケース117の結合によって、前記発熱素子114が配置される内部空間112が形成される。前記ケース110の両側面には開口が形成されて、前記発熱素子114が前記ケース110の外部に露出することができる。
【0066】
前記ケース110は前述した通り、前記ハウジング211の一面中、前記安着溝213に結合する。これによって、前記下部ケース117の下面及びの側面一部領域が前記安着溝213に収容されることができる。
【0067】
一方、前記ケース110にはブラケット120が結合することができる。
図11を基準に、前記ブラケット120は、前記ケース110の上側に結合する。より詳細には、前記ブラケット120は、前記ケース110の外周面中上面及び一側面をカバーするように結合することができる。
【0068】
前記ブラケット120は前記ケース110に結合されて、前記ケース110の内部から発生する熱を放熱させる。つまり、前記ブラケット120は、熱伝導性が高い金属材質で形成されて、前記ケース110との接触により前記ケース110の熱を外部に伝導すると理解されることができる。
【0069】
以下では、前記ブラケット120の構成について説明する。
【0070】
図12は、本発明の第2実施例に係るケースとブラケットの結合の形態を示した断面図であり、
図13は、本発明の第2実施例に係るブラケットの断面図である。
【0071】
図11乃至13を参照すると、本発明の第2実施例に係るブラケット120は、板形状のプレートが少なくとも8回以上折り曲げられて形成されることができる。前記ブラケット120が結合する前記ケース110の上面を横方向と縦方向に区分して、相対的に長さが短い方向を縦方向というと、前記ブラケット120の断面中、前記縦方向に対応する方向の長さは前記ケース110の縦方向の長さと対応することができる。尚、前記ブラケット120が結合時、前記ケース110の上面の少なくとも一部は、前記ブラケット120によりカバーされることができる。
【0072】
詳細に、前記ブラケット120は第1本体130と、一端が前記第1本体130と結合されて他端が上方に延びる第2本体140と、一端が前記第2本体140の他端と結合されて他端が前記ケース110の上面に接触するように延びる第3本体150と、一端が前記第3本体150の他端と結合されて他端が前記ケース110の上面から遠ざかる方向に延びる第4本体160と、一端が前記第4本体160の他端と結合されて他端が前記ケース110の上面の他の領域に接触するように延びる第5本体170と、一端が前記第5本体170の他端と結合されて他端が前記ケース110の上面から遠ざかるように延びる第6本体180を含む。この時、前記ブラケット120は一体で成形されて一体的に形成される。
【0073】
言い換えると、前記ブラケット120は複数の折曲部を持つ。前記複数の折曲部は、前記第1乃至第6本体180が相互の間に会う領域で形成されると理解されることができる。この時、複数の折曲部中、前記第3本体150と第4本体160との間、第5本体170と第6本体180との間には、前記ケース110の上面に接触する折曲部が配置されることができる。これについては後述する。
【0074】
前記第1本体130は、前記ケース110の上面と平行に配置されて、前記ハウジング211の安着部212に前記ブラケット120を固定させる。場合によっては、前記第1本体130は、前記ケース110の下面と同一平面を形成することができる。尚、前記安着部212中、前記第1本体130と向かい合う領域には、ブラケット結合部217(
図9)が備えられてもよい。前記ブラケット120は、前記ブラケット結合部217にねじ(P)結合されて、位置が固定されることができる。このために、前記第1本体130には前記ねじ(P)がねじ込まれるためのねじ孔132が形成されることができる。よって、前記ねじ(P)が前記ねじ孔132に挿入されて前記ブラケット結合部217に挿入されることによって、前記ブラケット120は、前記ケース110との相手位置が固定されることができて、前記安着部212の底面上に堅固に固定されることができる。
【0075】
前記第2本体140は、前記第1本体130の端部から上方に延びる。前記第2本体140は、前記ケース110の一側面をカバーするように配置される。この時、前記第2本体140によりカバーされる前記ケース110の側面と前記第2本体140との間には、空間部142が形成されることができる。前記空間部142は、前記ケース110の側面と前記第2本体140が相互に離隔することによって形成される領域と理解される。これによって、前記ケース110の内部から発生する熱が、前記空間部142を介して効率的に放出されることができる。
【0076】
前記第3本体150は、上方に延びた前記第2本体140の他端に一端が結合されて、他端が前記ケース110の上面に結合する。従って、前記第3本体150は、前記ブラケット120を側面から眺める時、傾斜面を形成することができる。前記第3本体150の傾斜角はθ1と定義することができる。さらに、前記ケース110の上面中、前記第3本体150の他端が接触する地点から前記ケース110の内側面までの直線距離はL1と定義されることができる。
【0077】
前記第4本体160は、一端が前記第3本体150の他端に結合する。従って、前記第4本体160の一端は、前記ケース110の上面に結合すると理解されることができる。尚、前記第4本体160の他端は、前記ケース110の上面から遠ざかる方向、つまり上方に延びることができる。この時、前記第4本体160の他端が延びる方向は、前記第2本体140と遠ざかる方向であり得る。従って、前記第4本体160も、前記ブラケット120を側面から眺める時、傾斜面を形成することができる。
【0078】
前記第5本体170は、一端が前記第4本体160の他端に結合されて、他端が前記ケース110の上面に結合する。従って、前記ブラケット120は、前記ケース110の上面と各々前記第5本体170の他端、前記第3本体150の他端を介して2ヶ所で接触領域を持つ。前記第5本体170も前記ケース110の上面から上方に離隔する一端から前記ケース110の上面に接触する他端を含むので、側面から眺める時、傾斜面が形成される。この時、前記第5本体170が前記ケース110の上面と形成される角度は、θ2と定義されることができる。この時、前記θ2は、前記θ1より大きく形成される。これによって、前記ケース110の上面と接触する前記ブラケット120の領域は、前記ケース110の中心を基準に対称になることができる。
【0079】
前記第6本体180は、一端が前記第5本体170の他端に結合されて、他端が前記ケース110の上面から遠ざかる方向に延びる。前記第6本体180も前記ブラケット120を側面から眺める時、傾斜面を形成することができる。前記第6本体180は、前記第1乃至5本体130、140、150、160、170に比べて相対的に最も短い長さを持つことができる。
【0080】
一方、
図9では、前記第3乃至6本体150、160、170、180により前記ケース110の上面一部領域だけがカバーされるのを図示しているが、これと異なって前記第3乃至6本体150、160、170、180の延長の長さは、前記ケース110の横方向の長さに対応するように形成されて、前記ケース110の上面全体をカバーすることができる。
【0081】
前述した通り、前記ブラケット120は、前記ケース110の上面と複数の領域で接触することができる。詳細に、前記ブラケット120は、前記第3本体150の他端と前記第4本体160の一端が結合する第1接触部124、前記第5本体170の他端と前記第6本体180の一端が結合する第2接触部122を含み、前記第1及び2接触部124、122が位置する2領域で前記ケース110の上面と接触する。前記第1接触部124と前記第2接触部122は、前記ケース110の上面に溶接されて固定されることができる。
【0082】
これにより、前記ブラケット120は、前記ケース110の複数の領域に接触するので、前記ケース110から発生する熱が前記ブラケット120により効率的に伝導することができる長所がある。尚、前記ブラケット120により冷却面が拡張されるので、前記コンバータ200の放熱効率が増加することができる長所がある。
【0083】
一方、前記第1接触部124と前記第2接触部122は、前記ケース110の中心を基準に相互に対称な位置に配置される。前記ケース110の上面中心と前記ケース110の下面中心を連結する仮想の線L0を基準に、前記第1接触部124と前記第2接触部122は、相互に対称な位置に配置される。言い換えると、前記第1接触部124から仮想の線L0までの直線距離は、前記第2接触部122から仮想の線L0までの直線距離と同じである。
【0084】
従って、前記ケース110の内部から発生する熱が、前記ブラケット120の前記第1接触部124及び前記第2接触部122を介して均一に伝導することができる長所がある。つまり、前記第1接触部124と前記第2接触部122は、前記ケース110の中心を基準に相互に対称に配置されるので、前記ブラケット120は、設置領域に比べてより広い範囲で前記コンバータ200の放熱を行うようになり、放熱効率を増加させることができる長所がある。
【0085】
一方、本図面に開示された実施例は、理解を助けるために特定の例を示したに過ぎず、本発明の範囲を限定しようとするものではない。ここに開示された実施例以外にも本発明の技術的思想に基づいた別の変形例が実施可能であることは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者には自明である。