IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカの特許一覧

特許7269955車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム
<>
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図1
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図2
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図3
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図4
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図5
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図6
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図7
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図8
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図9
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図10
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図11
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図12
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図13
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図14
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図15
  • 特許-車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバおよび車両ログ解析システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/30 20060101AFI20230427BHJP
   B60R 16/023 20060101ALI20230427BHJP
   G06F 11/07 20060101ALI20230427BHJP
   G06F 11/34 20060101ALI20230427BHJP
   H04L 41/16 20220101ALI20230427BHJP
   H04L 43/00 20220101ALI20230427BHJP
【FI】
G06F11/30 179
B60R16/023 P
G06F11/07 140R
G06F11/07 151
G06F11/30 140D
G06F11/34 176
H04L41/16
H04L43/00
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2020558112
(86)(22)【出願日】2019-09-09
(86)【国際出願番号】 JP2019035423
(87)【国際公開番号】W WO2020110415
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-06-20
(31)【優先権主張番号】P 2018224503
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】平野 亮
(72)【発明者】
【氏名】岸川 剛
【審査官】坂庭 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-111796(JP,A)
【文献】特開2017-144852(JP,A)
【文献】特開2010-097417(JP,A)
【文献】特開2002-163180(JP,A)
【文献】佐々木崇光、高橋良太、鶴見淳一、岸川 剛、芳賀智之、松島秀樹,車載向けセキュリティシステムの運用コストを削減する監視データ量削減方式,2017年 暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2017)予稿集[USBメモリ],一般社団法人電子情報通信学会,2017年01月24日,pp.1-7(1E1-1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/30
G06F 11/34
G06F 11/07
B60R 16/023
H04L 41/16
H04L 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを車両ログ解析サーバへ送信する車両ログ送信装置であって、
前記車両ログを取得する車両ログ取得部と、
取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで、1以上の分割ログを生成する車両ログ分割加工部と、
前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバとの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶する既存識別子保存部と、
前記1以上の分割ログのそれぞれに対して識別子を生成し、生成した識別子のうち、前記既存識別子リストに存在する識別子に対応する分割ログを第一の分割ログと判断し、前記既存識別子リストに存在しない識別子に対応する分割ログを第二の分割ログと判断する車両ログ送信要否判定部と、
前記第一の分割ログに対応する識別子を前記車両ログ解析サーバへ送信し、前記第二の分割ログを前記車両ログ解析サーバへ送信する車両側通信部と、を備え、
前記車両ログは、所定のIDを起点とする複数のIDを1周期として当該複数のIDが周期的に繰り返されるように並べられた前記複数のデータを含み、
前記車両ログ分割加工部は、取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで、前記1以上の分割ログを生成し、
前記既存識別子保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶する、
車両ログ送信装置。
【請求項2】
データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを車両ログ解析サーバへ送信する車両ログ送信装置であって、
前記車両ログを取得する車両ログ取得部と、
取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで、1以上の分割ログを生成する車両ログ分割加工部と、
前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバとの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶する既存識別子保存部と、
前記1以上の分割ログのそれぞれに対して識別子を生成し、生成した識別子のうち、前記既存識別子リストに存在する識別子に対応する分割ログを第一の分割ログと判断し、前記既存識別子リストに存在しない識別子に対応する分割ログを第二の分割ログと判断する車両ログ送信要否判定部と、
前記第一の分割ログに対応する識別子を前記車両ログ解析サーバへ送信し、前記第二の分割ログを前記車両ログ解析サーバへ送信する車両側通信部と、を備え、
前記車両ログは、時刻情報がそれぞれ対応付けられている前記複数のデータを含み、
前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれる時刻情報を時刻インデックス情報に置換する処理を実施し、
前記既存識別子保存部は、さらに、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶し、
前記車両側通信部は、さらに、前記車両ログ解析サーバへ時刻情報と時刻インデックス情報との対応関係を示す時刻リストを送信する、
車両ログ送信装置。
【請求項3】
データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを車両ログ解析サーバへ送信する車両ログ送信装置であって、
前記車両ログを取得する車両ログ取得部と、
取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで、1以上の分割ログを生成する車両ログ分割加工部と、
前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバとの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶する既存識別子保存部と、
前記1以上の分割ログのそれぞれに対して識別子を生成し、生成した識別子のうち、前記既存識別子リストに存在する識別子に対応する分割ログを第一の分割ログと判断し、前記既存識別子リストに存在しない識別子に対応する分割ログを第二の分割ログと判断する車両ログ送信要否判定部と、
前記第一の分割ログに対応する識別子を前記車両ログ解析サーバへ送信し、前記第二の分割ログを前記車両ログ解析サーバへ送信する車両側通信部と、を備え、
前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれるデータの値を所定値に置換する置換処理または前記データの値を丸める端数処理を実施し、
前記既存識別子保存部は、さらに、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶する、
車両ログ送信装置。
【請求項4】
前記車両ログ分割加工部は、取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDごとに分割することで、前記1以上の分割ログを生成し、
前記既存識別子保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログに対応するリストである前記既存識別子リストを記憶する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の車両ログ送信装置。
【請求項5】
前記車両ログは、時刻情報がそれぞれ対応付けられている前記複数のデータを含み、
前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれる時刻情報を時刻インデックス情報に置換する処理を実施し、
前記既存識別子保存部は、さらに、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶し、
前記車両側通信部は、さらに、前記車両ログ解析サーバへ時刻情報と時刻インデックス情報との対応関係を示す時刻リストを送信する、
請求項1、3、4のいずれか1項に記載の車両ログ送信装置。
【請求項6】
前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれるIDの値またはデータの値の大きさに応じて前記1以上の分割ログを並び替える処理を実施し、
前記既存識別子保存部は、さらに、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶する、
請求項2又は5に記載の車両ログ送信装置。
【請求項7】
前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれるデータの値を所定値に置換する置換処理または前記データの値を丸める端数処理を実施し、
前記既存識別子保存部は、さらに、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶する、
請求項1、2、4からのいずれか1項に記載の車両ログ送信装置。
【請求項8】
前記車両ログ送信装置は、さらに、前記車両ログ送信要否判定部が前記第二の分割ログと判断した分割ログに対応する識別子を前記既存識別子リストに登録する既存識別子登録部を備える、
請求項1からのいずれか1項に記載の車両ログ送信装置。
【請求項9】
データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを車両ログ送信装置から受信する車両ログ解析サーバであって、
前記車両ログ送信装置から、前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された1以上の分割ログのうちの第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログを除く第二の分割ログとを受信するサーバ側通信部と、
前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバとの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する既存分割ログ保存部と、
前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する車両ログ復元部と、
復元された前記車両ログを記憶する車両ログ保存部と、を備え、
前記車両ログは、所定のIDを起点とする複数のIDを1周期として当該複数のIDが周期的に繰り返されるように並べられた前記複数のデータを含み、
前記サーバ側通信部は、前記車両ログ送信装置から、前記車両ログを当該車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで生成された前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、
前記既存分割ログ保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶する、
車両ログ解析サーバ。
【請求項10】
データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを車両ログ送信装置から受信する車両ログ解析サーバであって、
前記車両ログ送信装置から、前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された1以上の分割ログのうちの第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログを除く第二の分割ログとを受信するサーバ側通信部と、
前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバとの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する既存分割ログ保存部と、
前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する車両ログ復元部と、
復元された前記車両ログを記憶する車両ログ保存部と、
復元された前記車両ログを監視し、当該車両ログに攻撃の痕跡が含まれる場合に異常ログとして検出する異常ログ検出部と、
所定の通知先に車両が異常であることを通知する異常通知部と、を備え、
前記異常ログ検出部は、さらに、過去に異常と判定された車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログに対応する識別子のリストである異常識別子リストを保持し、前記サーバ側通信部が前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合、当該識別子が前記異常識別子リストに含まれる場合に異常として検出し、前記サーバ側通信部が前記第二の分割ログを受信した場合に、前記第二の分割ログに攻撃の痕跡が含まれるときには、前記第二の分割ログを異常ログとして検出し、当該異常ログを当該異常ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログを前記異常識別子リストに登録する、
車両ログ解析サーバ。
【請求項11】
データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを車両ログ送信装置から受信する車両ログ解析サーバであって、
前記車両ログ送信装置から、前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された1以上の分割ログのうちの第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログを除く第二の分割ログとを受信するサーバ側通信部と、
前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバとの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する既存分割ログ保存部と、
前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する車両ログ復元部と、
復元された前記車両ログを記憶する車両ログ保存部と、を備え、
前記車両ログは、時刻情報がそれぞれ対応付けられている前記複数のデータを含み、
前記サーバ側通信部は、前記車両ログ送信装置から、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログと、時刻情報と時刻インデックス情報との対応関係を示す時刻リストとを受信し、
前記既存分割ログ保存部は、さらに、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶し、
前記車両ログ復元部は、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する前記既存分割ログを取得し、前記時刻リストを参照して前記既存分割ログに含まれる時刻インデックス情報を時刻情報に置換し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する、
車両ログ解析サーバ。
【請求項12】
データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを車両ログ送信装置から受信する車両ログ解析サーバであって、
前記車両ログ送信装置から、前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された1以上の分割ログのうちの第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログを除く第二の分割ログとを受信するサーバ側通信部と、
前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバとの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する既存分割ログ保存部と、
前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する車両ログ復元部と、
復元された前記車両ログを記憶する車両ログ保存部と、を備え、
前記サーバ側通信部は、データの値を所定値に置換する置換処理または前記データの値を丸める端数処理が実施された前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、
前記既存分割ログ保存部は、さらに、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶する、
車両ログ解析サーバ。
【請求項13】
前記サーバ側通信部は、前記車両ログ送信装置から、前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、
前記既存分割ログ保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶する、
請求項9から12のいずれか1項に記載の車両ログ解析サーバ。
【請求項14】
前記車両ログは、所定のIDを起点とする複数のIDを1周期として当該複数のIDが周期的に繰り返されるように並べられた前記複数のデータを含み、
前記サーバ側通信部は、前記車両ログ送信装置から、前記車両ログを当該車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで生成された前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、
前記既存分割ログ保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶する、
請求項10から12のいずれか1項に記載の車両ログ解析サーバ。
【請求項15】
前記車両ログ解析サーバは、さらに、復元された前記車両ログを監視し、当該車両ログに攻撃の痕跡が含まれる場合に異常ログとして検出する異常ログ検出部と、
所定の通知先に車両が異常であることを通知する異常通知部と、を備える、
請求項9、11から14のいずれか1項に記載の車両ログ解析サーバ。
【請求項16】
前記異常ログ検出部は、さらに、過去に異常と判定された車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログに対応する識別子のリストである異常識別子リストを保持し、前記サーバ側通信部が前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合、当該識別子が前記異常識別子リストに含まれる場合に異常として検出し、前記サーバ側通信部が前記第二の分割ログを受信した場合に、前記第二の分割ログに攻撃の痕跡が含まれるときには、前記第二の分割ログを異常ログとして検出し、当該異常ログを当該異常ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログを前記異常識別子リストに登録する、
請求項15記載の車両ログ解析サーバ。
【請求項17】
前記車両ログは、時刻情報がそれぞれ対応付けられている前記複数のデータを含み、
前記サーバ側通信部は、前記車両ログ送信装置から、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログと、時刻情報と時刻インデックス情報との対応関係を示す時刻リストとを受信し、
前記既存分割ログ保存部は、さらに、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶し、
前記車両ログ復元部は、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する前記既存分割ログを取得し、前記時刻リストを参照して前記既存分割ログに含まれる時刻インデックス情報を時刻情報に置換し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する、
請求項9、10、12から16のいずれか1項に記載の車両ログ解析サーバ。
【請求項18】
前記サーバ側通信部は、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、
前記既存分割ログ保存部は、さらに、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶し、
前記車両ログ復元部は、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する前記既存分割ログを取得し、前記時刻リストを参照して前記既存分割ログの時刻インデックス情報を時刻情報に置換し、置換された前記時刻情報を参照して前記既存分割ログを時刻が早い順に並び替え、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する、
請求項17記載の車両ログ解析サーバ。
【請求項19】
前記サーバ側通信部は、データの値を所定値に置換する置換処理または前記データの値を丸める端数処理が実施された前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、
前記既存分割ログ保存部は、さらに、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶する、
請求項から11、13から18のいずれか1項に記載の車両ログ解析サーバ。
【請求項20】
前記車両ログ解析サーバは、さらに、前記第二の分割ログを受信した場合に、前記第二の分割ログに対応する識別子を生成し、前記第二の分割ログと当該識別子とを前記既存分割ログリストに登録する既存分割ログ登録部を備える、
請求項から19のいずれか1項に記載の車両ログ解析サーバ。
【請求項21】
車両ログ送信装置と車両ログ解析サーバとから構成され、データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを前記車両ログ送信装置から前記車両ログ解析サーバへ送信する車両ログ解析システムであって、
前記車両ログ送信装置は、
前記車両ログを取得する車両ログ取得部と、
取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで、1以上の分割ログを生成する車両ログ分割加工部と、
前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶する既存識別子保存部と、
前記1以上の分割ログのそれぞれに対して識別子を生成し、生成した識別子のうち、前記既存識別子リストに存在する識別子に対応する分割ログを第一の分割ログと判断し、前記既存識別子リストに存在しない識別子に対応する分割ログを第二の分割ログと判断する車両ログ送信要否判定部と、
前記第一の分割ログに対応する識別子を前記車両ログ解析サーバへ送信し、前記第二の分割ログを前記車両ログ解析サーバへ送信する車両側通信部と、を備え、
前記車両ログ解析サーバは、
前記車両側通信部から送信された前記第一の分割ログに対応する識別子と前記第二の分割ログとを受信するサーバ側通信部と、
前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する既存分割ログ保存部と、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する車両ログ復元部と、
復元された車両ログを記憶する車両ログ保存部と、を備え、
前記車両ログは、所定のIDを起点とする複数のIDを1周期として当該複数のIDが周期的に繰り返されるように並べられた前記複数のデータを含み、
前記車両ログ分割加工部は、取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで、前記1以上の分割ログを生成し、
前記既存識別子保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶し、
前記サーバ側通信部は、前記車両側通信部から送信された、前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、
前記既存識別子保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶する、
車両ログ解析システム。
【請求項22】
車両ログ送信装置と車両ログ解析サーバとから構成され、データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを前記車両ログ送信装置から前記車両ログ解析サーバへ送信する車両ログ解析システムであって、
前記車両ログ送信装置は、
前記車両ログを取得する車両ログ取得部と、
取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで、1以上の分割ログを生成する車両ログ分割加工部と、
前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶する既存識別子保存部と、
前記1以上の分割ログのそれぞれに対して識別子を生成し、生成した識別子のうち、前記既存識別子リストに存在する識別子に対応する分割ログを第一の分割ログと判断し、前記既存識別子リストに存在しない識別子に対応する分割ログを第二の分割ログと判断する車両ログ送信要否判定部と、
前記第一の分割ログに対応する識別子を前記車両ログ解析サーバへ送信し、前記第二の分割ログを前記車両ログ解析サーバへ送信する車両側通信部と、を備え、
前記車両ログ解析サーバは、
前記車両側通信部から送信された前記第一の分割ログに対応する識別子と前記第二の分割ログとを受信するサーバ側通信部と、
前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する既存分割ログ保存部と、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する車両ログ復元部と、
復元された車両ログを記憶する車両ログ保存部と、を備え、
前記車両ログは、時刻情報がそれぞれ対応付けられている前記複数のデータを含み、
前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれる時刻情報を時刻インデックス情報に置換する処理を実施し、
前記既存識別子保存部は、さらに、時刻情報を時刻インデックス情報に置換された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶し、
前記車両側通信部は、さらに、前記車両ログ解析サーバへ時刻情報と時刻インデックス情報との対応関係を示す時刻リストを送信し、
前記サーバ側通信部は、さらに、前記車両側通信部から、前記時刻リストを受信し、
前記既存分割ログ保存部は、さらに、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶し、
前記車両ログ復元部は、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する前記既存分割ログを取得し、前記時刻リストを参照して前記既存分割ログに含まれる時刻インデックス情報を時刻情報に置換し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する、
車両ログ解析システム。
【請求項23】
車両ログ送信装置と車両ログ解析サーバとから構成され、データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを前記車両ログ送信装置から前記車両ログ解析サーバへ送信する車両ログ解析システムであって、
前記車両ログ送信装置は、
前記車両ログを取得する車両ログ取得部と、
取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで、1以上の分割ログを生成する車両ログ分割加工部と、
前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶する既存識別子保存部と、
前記1以上の分割ログのそれぞれに対して識別子を生成し、生成した識別子のうち、前記既存識別子リストに存在する識別子に対応する分割ログを第一の分割ログと判断し、前記既存識別子リストに存在しない識別子に対応する分割ログを第二の分割ログと判断する車両ログ送信要否判定部と、
前記第一の分割ログに対応する識別子を前記車両ログ解析サーバへ送信し、前記第二の分割ログを前記車両ログ解析サーバへ送信する車両側通信部と、を備え、
前記車両ログ解析サーバは、
前記車両側通信部から送信された前記第一の分割ログに対応する識別子と前記第二の分割ログとを受信するサーバ側通信部と、
前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する既存分割ログ保存部と、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する車両ログ復元部と、
復元された車両ログを記憶する車両ログ保存部と、を備え、
前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれるデータの値を所定値に置換する置換処理または前記データの値を丸める端数処理を実施し、
前記既存識別子保存部は、さらに、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶し、
前記サーバ側通信部は、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、
前記既存分割ログ保存部は、さらに、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する、
車両ログ解析システム。
【請求項24】
車両ログ送信装置と車両ログ解析サーバとから構成され、データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを前記車両ログ送信装置から前記車両ログ解析サーバへ送信する車両ログ解析システムであって、
前記車両ログ送信装置は、
前記車両ログを取得する車両ログ取得部と、
取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで、1以上の分割ログを生成する車両ログ分割加工部と、
前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶する既存識別子保存部と、
前記1以上の分割ログのそれぞれに対して識別子を生成し、生成した識別子のうち、前記既存識別子リストに存在する識別子に対応する分割ログを第一の分割ログと判断し、前記既存識別子リストに存在しない識別子に対応する分割ログを第二の分割ログと判断する車両ログ送信要否判定部と、
前記第一の分割ログに対応する識別子を前記車両ログ解析サーバへ送信し、前記第二の分割ログを前記車両ログ解析サーバへ送信する車両側通信部と、を備え、
前記車両ログ解析サーバは、
前記車両側通信部から送信された前記第一の分割ログに対応する識別子と前記第二の分割ログとを受信するサーバ側通信部と、
前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する既存分割ログ保存部と、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する車両ログ復元部と、
復元された車両ログを記憶する車両ログ保存部と、
復元された前記車両ログを監視し、当該車両ログに攻撃の痕跡が含まれる場合に異常ログとして検出する異常ログ検出部と、
所定の通知先に車両が異常であることを通知する異常通知部と、を備え、
前記異常ログ検出部は、さらに、過去に異常と判定された車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログに対応する識別子のリストである異常識別子リストを保持し、前記サーバ側通信部が前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合、当該識別子が前記異常識別子リストに含まれる場合に異常として検出し、前記サーバ側通信部が前記第二の分割ログを受信した場合に、前記第二の分割ログに攻撃の痕跡が含まれるときには、前記第二の分割ログを異常ログとして検出し、当該異常ログを当該異常ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログを前記異常識別子リストに登録する、
車両ログ解析システム。
【請求項25】
前記車両ログ分割加工部は、取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDごとに分割することで、前記1以上の分割ログを生成し、
前記既存識別子保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログに対応するリストである前記既存識別子リストを記憶し、
前記サーバ側通信部は、前記車両側通信部から送信された、前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、
前記既存分割ログ保存部は、前記既存の車両ログを前記既存の車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶する、
請求項21から24のいずれか1項に記載の車両ログ解析システム。
【請求項26】
前記車両ログは、所定のIDを起点とする複数のIDを1周期として当該複数のIDが周期的に繰り返されるように並べられた前記複数のデータを含み、
前記車両ログ分割加工部は、取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで、前記1以上の分割ログを生成し、
前記既存識別子保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶し、
前記サーバ側通信部は、前記車両側通信部から送信された、前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、
前記既存識別子保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶する、
請求項21から24のいずれか1項に記載の車両ログ解析システム。
【請求項27】
前記車両ログは、時刻情報がそれぞれ対応付けられている前記複数のデータを含み、
前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれる時刻情報を時刻インデックス情報に置換する処理を実施し、
前記既存識別子保存部は、さらに、時刻情報を時刻インデックス情報に置換された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶し、
前記車両側通信部は、さらに、前記車両ログ解析サーバへ時刻情報と時刻インデックス情報との対応関係を示す時刻リストを送信し、
前記サーバ側通信部は、さらに、前記車両側通信部から、前記時刻リストを受信し、
前記既存分割ログ保存部は、さらに、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶し、
前記車両ログ復元部は、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する前記既存分割ログを取得し、前記時刻リストを参照して前記既存分割ログに含まれる時刻インデックス情報を時刻情報に置換し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する、
請求項21から26のいずれか1項に記載の車両ログ解析システム。
【請求項28】
前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれるIDの値またはデータの値の大きさに応じて前記1以上の分割ログを並び替える処理を実施し、
前記既存識別子保存部は、さらに、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶し、
前記サーバ側通信部は、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、
前記既存分割ログ保存部は、さらに、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた前記既存分割ログと、既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶し、
前記車両ログ復元部は、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する前記既存分割ログを取得し、前記時刻リストを参照して、前記既存分割ログの時刻インデックス情報を時刻情報に置換し、置換された前記時刻情報を参照して前記既存分割ログを時刻が早い順に並び替え、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する、
請求項27記載の車両ログ解析システム。
【請求項29】
前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれるデータの値を所定値に置換する置換処理または前記データの値を丸める端数処理を実施し、
前記既存識別子保存部は、さらに、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶し、
前記サーバ側通信部は、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、
前記既存分割ログ保存部は、さらに、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する、
請求項21から28のいずれか1項に記載の車両ログ解析システム。
【請求項30】
前記車両ログ解析サーバは、さらに、復元された前記車両ログを監視し、当該車両ログに攻撃の痕跡が含まれる場合に異常ログとして検出する異常ログ検出部と、
所定の通知先に車両が異常であることを通知する異常通知部と、を備える、
請求項21から29のいずれか1項に記載の車両ログ解析システム。
【請求項31】
前記異常ログ検出部は、さらに、過去に異常と判定された車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログに対応する識別子のリストである異常識別子リストを保持し、前記サーバ側通信部が前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合、当該識別子が前記異常識別子リストに含まれる場合に異常として検出し、前記サーバ側通信部が前記第二の分割ログを受信した場合に、前記第二の分割ログに攻撃の痕跡が含まれるときには、前記第二の分割ログを異常ログとして検出し、当該異常ログを当該異常ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログを前記異常識別子リストに登録する、
請求項30記載の車両ログ解析システム。
【請求項32】
前記車両ログ送信装置は、さらに、前記車両ログ送信要否判定部が前記第二の分割ログと判断した分割ログに対応する識別子を前記既存識別子リストに登録する既存識別子登録部を備え、
前記車両ログ解析サーバは、さらに、前記第二の分割ログを受信した場合に、前記第二の分割ログに対応する識別子を生成し、前記第二の分割ログと当該識別子とを前記既存分割ログリストに登録する既存分割ログ登録部を備える、
請求項21から31のいずれか1項に記載の車両ログ解析システム。
【請求項33】
前記車両ログ取得部は、前記車両ログのIDとしてフレームIDを含むCANまたはCAN-FDプロトコルに従う車載ネットワークログと、前記車両ログのIDとしてスロットIDを含むFlexRay(登録商標)プロトコルに従う車載ネットワークログと、前記車両ログにIDとしてIPアドレスを含むEthernet(登録商標)プロトコルに従う車載ネットワークログと、前記車両ログにIDとしてプロセス番号を含むシステム動作ログとのうちの、少なくとも1つの前記車両ログを取得する、
請求項21から32のいずれか1項に記載の車両ログ解析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバ、車両ログ解析システムおよび車両ログ送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車に搭載されるシステムには、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)と呼ばれる装置が多数配置されている。これらのECUをつなぐネットワークは、車載ネットワークと呼ばれる。車載ネットワークには、多数の規格が存在する。その中でも最も主流な車載ネットワークの一つに、ISO11898-1で規定されているCAN(Controller Area Network)という規格が存在する。
【0003】
CANでは、通信路は2本のバスで構成され、バスに接続されているECUはノードと呼ばれる。バスに接続されている各ノードは、フレームと呼ばれるメッセージを送受信する。CANでは、送信先ノードや送信元ノードを指す識別子は存在せず、送信ノードはフレーム毎にメッセージIDと呼ばれるIDを付けて送信し、各受信ノードは予め定められたメッセージIDが付いたフレームのみを受信する。
【0004】
そのため、CANのバスにECUを接続し、異常な制御コマンドを含むフレームを正規のECUになりすまして送信することで、自動車を不正に制御できてしまうという脅威がある。
【0005】
この脅威に対して、車載ネットワークなどにおいて、不正なデータ、すなわち、異常な制御コマンドの侵入を検知する方法として、例えば、特許文献1に開示されている方法がある。
【0006】
しかしながら、車両の外部のサーバシステムが車載ネットワークシステムにおけるデータを監視する場合、大量のデータが車載ネットワークシステムから外部のサーバシステムへ送信される可能性がある。このような大量のデータを処理するための資源を準備することは容易ではない。
【0007】
この大量のデータに対して、所定のデータサイズごとに分割し、分割されたデータごとに、サーバに保存されているデータと比較し、データが一致する場合に分割されたデータのハッシュ値のみを送信し、データが一致しない場合に分割されたデータをサーバに送信することで、通信データ量を削減する方法が、特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2014-146868号公報
【文献】特開2012―79044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、車載ネットワークログは、自動車の走行状況によって変動するデータと時刻データを含むため、従来技術の所定のデータサイズごとに分割する方法では、現在取得したログの分割データが、過去に取得されてサーバに保存されているログの分割データと一致する確率は低い。そのため、分割データの多くをサーバに送信する必要があり、ログを分割しない状態で送信する場合と比較して、通信データ量を大きく削減することが難しいという課題がある。
【0010】
そこで、本開示では、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量を効果的に削減できる車両ログ送信装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本開示の車両ログ送信装置は、データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを車両ログ解析サーバへ送信する車両ログ送信装置であって、前記車両ログを取得する車両ログ取得部と、取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで、1以上の分割ログを生成する車両ログ分割加工部と、前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバとの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶する既存識別子保存部と、前記1以上の分割ログのそれぞれに対して識別子を生成し、生成した識別子のうち、前記既存識別子リストに存在する識別子に対応する分割ログを第一の分割ログと判断し、前記既存識別子リストに存在しない識別子に対応する分割ログを第二の分割ログと判断する車両ログ送信要否判定部と、前記第一の分割ログに対応する識別子を前記車両ログ解析サーバへ送信し、前記第二の分割ログを前記車両ログ解析サーバへ送信する車両側通信部と、を備える。
【0012】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本開示の一態様に係る車両ログ送信装置等は、車両と車両の外部のサーバの間で送信される車両ログの通信データ量を効果的に削減できる。その結果、大量の車両ログの通信が可能な資源を準備せずとも、車両ログを外部のサーバへ送信することができ、車両の外部サーバを用いて車両のネットワークへの不正なデータの侵入を検出することができ、車両の安全性に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本開示の実施の形態1における車両ログ解析システムの全体構成図である。
図2図2は、本開示の実施の形態1における車両ログ送信装置の構成図である。
図3図3は、本開示の実施の形態1における車両ログ解析サーバの構成図である。
図4図4は、本開示の実施の形態1における車両ログの一例を示す図である。
図5図5は、本開示の実施の形態1における車両ログ定義テーブルの一例を示す図である。
図6図6は、本開示の実施の形態1における車両ログ分割加工ルールの一例を示す図である。
図7図7は、本開示の実施の形態1における分割加工ログの一例を示す図である。
図8図8は、本開示の実施の形態1における分割加工ログの識別子の一例を示す図である。
図9図9は、本開示の実施の形態1における既存識別子リストの一例を示す図である。
図10図10は、本開示の実施の形態1における既存分割ログリストの一例を示す図である。
図11図11は、本開示の実施の形態1における車両ログ送信処理のシーケンスを示す図である。
図12図12は、本開示の実施の形態1における車両ログ受信処理のシーケンスを示す図である。
図13図13は、本開示の実施の形態1における異常ログ検出処理のシーケンスを示す図である。
図14図14は、本開示の実施の形態1における車両ログ分割加工処理のフローチャートである。
図15図15は、本開示の実施の形態1における分割加工ログ送信処理のフローチャートである。
図16図16は、本開示の実施の形態1における車両ログ復元処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の車載ログ送信装置は、データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを車両ログ解析サーバへ送信する車両ログ送信装置であって、前記車両ログを取得する車両ログ取得部と、取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで、1以上の分割ログを生成する車両ログ分割加工部と、前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバとの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶する既存識別子保存部と、前記1以上の分割ログのそれぞれに対して識別子を生成し、生成した識別子のうち、前記既存識別子リストに存在する識別子に対応する分割ログを第一の分割ログと判断し、前記既存識別子リストに存在しない識別子に対応する分割ログを第二の分割ログと判断する車両ログ送信要否判定部と、前記第一の分割ログに対応する識別子を前記車両ログ解析サーバへ送信し、前記第二の分割ログを前記車両ログ解析サーバへ送信する車両側通信部と、を備える。
【0016】
これにより、車両ログにおいて、特定のシステムの動作結果または特定のメッセージの送信結果等のデータにIDが対応付けられている場合、車両ログをIDを用いて分割することで、データの種類に応じて車両ログを分割でき、データの種類と関係なく単純にデータサイズに応じて分割する場合に比べて、分割ログと既存分割ログとが一致する確率が高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子が多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、データサイズが小さい、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバ(車両ログ解析サーバ)へ送信される車両ログの通信データ量を効果的に削減できる。
【0017】
また、前記車両ログ分割加工部は、取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDごとに分割することで、前記1以上の分割ログを生成し、前記既存識別子保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログに対応するリストである前記既存識別子リストを記憶するとしてもよい。
【0018】
これにより、車両ログをIDごとに分割することで、データの種類ごとに車両ログを分割でき、分割ログと既存分割ログとが一致する確率がさらに高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0019】
また、前記車両ログは、所定のIDを起点とする複数のIDを1周期として当該複数のIDが周期的に繰り返されるように並べられた前記複数のデータを含み、前記車両ログ分割加工部は、取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで、前記1以上の分割ログを生成し、前記既存識別子保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶するとしてもよい。
【0020】
これにより、車両ログにおいて、IDごとの特定のシステムの動作結果またはIDごとの特定のメッセージの送信結果等のデータが、所定のIDを起点とする複数のIDを1周期として当該複数のIDが周期的に繰り返されるように並べられる場合、分割ログのそれぞれが所定のIDから始まるように車両ログを分割することで、分割ログに含まれる1周期のIDと既存分割ログに含まれる1周期のIDとが同一になりやすい。そのため、分割ログと既存分割ログとが一致する確率がさらに高くなり、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0021】
また、前記車両ログは、時刻情報がそれぞれ対応付けられている前記複数のデータを含み、前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれる時刻情報を時刻インデックス情報に置換する処理を実施し、前記既存識別子保存部は、さらに、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶し、前記車両側通信部は、さらに、前記車両ログ解析サーバへ時刻情報と時刻インデックス情報との対応関係を示す時刻リストを送信するとしてもよい。
【0022】
時刻情報は、分割ログと既存分割ログとで確実に異なる情報となり、分割ログと既存分割ログとの一致を妨げる要因となる情報である。これに対して、分割ログおよび既存分割ログの時刻情報が時刻インデックス情報に置き換えられることで、時刻情報を分割ログと既存分割ログとの一致判定から除外することができるため、分割ログと既存分割ログとが一致する確率がさらに高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0023】
また、前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれるIDの値またはデータの値の大きさに応じて前記1以上の分割ログを並び替える処理を実施し、前記既存識別子保存部は、さらに、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶するとしてもよい。
【0024】
これにより、分割ログおよび既存分割ログに変動値データが含まれる場合、分割ログおよび既存分割ログが変動値データの値の大きい順や小さい順に並び替えられることで、分割ログと既存分割ログとが一致する確率が高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0025】
また、前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれるデータの値を所定値に置換する置換処理または前記データの値を丸める端数処理を実施し、前記既存識別子保存部は、さらに、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶するとしてもよい。
【0026】
これにより、カウンタやチェックサムなどの車両の特定の機能の動作時刻や動作回数に応じて変動するデータなど、車両の制御と関係しないデータ、または、センサなどの細かい値などを、分割ログと既存分割ログとの一致判定から除外することができるため、分割ログと既存分割ログとが一致する確率がさらに高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0027】
また、前記車両ログ送信装置は、さらに、前記車両ログ送信要否判定部が前記第二の分割ログと判断した分割ログに対応する識別子を前記既存識別子リストに登録する既存識別子登録部を備えるとしてもよい。
【0028】
これにより、送信車両ログ送信装置と車両ログ解析サーバとの間で事前に分割ログを共有する必要がなくなり、事前に既存分割ログを構築しなくてもよい分、開発コストを低減できる。また、車両ログ解析サーバに車両ログが集まるほど、既存分割ログの種類数が増え、分割ログと既存分割ログとが一致する確率が高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0029】
また、本開示の車両ログ解析サーバは、データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを車両ログ送信装置から受信する車両ログ解析サーバであって、前記車両ログ送信装置から、前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された1以上の分割ログのうちの第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログを除く第二の分割ログとを受信するサーバ側通信部と、前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバとの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する既存分割ログ保存部と、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する車両ログ復元部と、復元された前記車両ログを記憶する車両ログ保存部と、を備える。
【0030】
これにより、車両ログにおいて、特定のシステムの動作結果または特定のメッセージの送信結果等のデータにIDが対応付けられている場合、車両ログをIDを用いて分割することで、データの種類に応じて車両ログを分割でき、データの種類と関係なく単純にデータサイズに応じて分割する場合に比べて、分割ログと既存分割ログとが一致する確率が高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子が多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、データサイズが小さい、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量を効果的に削減できる。
【0031】
また、前記サーバ側通信部は、前記車両ログ送信装置から、前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、前記既存分割ログ保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶するとしてもよい。
【0032】
これにより、車両ログをIDごとに分割することで、データの種類ごとに車両ログを分割でき、分割ログと既存分割ログとが一致する確率がさらに高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0033】
また、前記車両ログは、所定のIDを起点とする複数のIDを1周期として当該複数のIDが周期的に繰り返されるように並べられた前記複数のデータを含み、前記サーバ側通信部は、前記車両ログ送信装置から、前記車両ログを当該車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで生成された前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、前記既存分割ログ保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶するとしてもよい。
【0034】
これにより、車両ログにおいて、IDごとの特定のシステムの動作結果またはIDごとの特定のメッセージの送信結果等のデータが、所定のIDを起点とする複数のIDを1周期として当該複数のIDが周期的に繰り返されるように並べられる場合、分割ログのそれぞれが所定のIDから始まるように車両ログを分割することで、分割ログに含まれる1周期のIDと既存分割ログに含まれる1周期のIDとが同一になる。そのため、分割ログと既存分割ログとが一致する確率がさらに高くなり、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0035】
また、前記車両ログ解析サーバは、さらに、復元された前記車両ログを監視し、当該車両ログに攻撃の痕跡が含まれる場合に異常ログとして検出する異常ログ検出部と、所定の通知先に車両が異常であることを通知する異常通知部と、を備えるとしてもよい。
【0036】
これにより、復元された車両ログからセキュリティ上の異常が検出された場合に、所定の通知先に車両が異常であることを通知できる。
【0037】
また、前記異常ログ検出部は、さらに、過去に異常と判定された車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログに対応する識別子のリストである異常識別子リストを保持し、前記サーバ側通信部が前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合、当該識別子が前記異常識別子リストに含まれる場合に異常として検出し、前記サーバ側通信部が前記第二の分割ログを受信した場合に、前記第二の分割ログに攻撃の痕跡が含まれるときには、前記第二の分割ログを異常ログとして検出し、当該異常ログを当該異常ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログを前記異常識別子リストに登録するとしてもよい。
【0038】
これにより、異常な分割ログの識別子を記憶しておくことで、車両ログをすべて復元することなく、分割ログの識別子のみで異常を検出することができる。そのため、車両ログを受信してから異常を検出するまでの時間が短くなり、異常への対策を素早く実施できる。
【0039】
また、前記車両ログは、時刻情報がそれぞれ対応付けられている前記複数のデータを含み、前記サーバ側通信部は、前記車両ログ送信装置から、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログと、時刻情報と時刻インデックス情報との対応関係を示す時刻リストとを受信し、前記既存分割ログ保存部は、さらに、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶し、前記車両ログ復元部は、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する前記既存分割ログを取得し、前記時刻リストを参照して前記既存分割ログに含まれる時刻インデックス情報を時刻情報に置換し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元するとしてもよい。
【0040】
時刻情報は、分割ログと既存分割ログとで確実に異なる情報となり、分割ログと既存分割ログとの一致を妨げる要因となる情報である。これに対して、分割ログおよび既存分割ログの時刻情報が時刻インデックス情報に置き換えられることで、時刻情報を分割ログと既存分割ログとの一致判定から除外することができるため、分割ログと既存分割ログとが一致する確率がさらに高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0041】
また、前記サーバ側通信部は、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、前記既存分割ログ保存部は、さらに、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶し、前記車両ログ復元部は、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する前記既存分割ログを取得し、前記時刻リストを参照して前記既存分割ログの時刻インデックス情報を時刻情報に置換し、置換された前記時刻情報を参照して前記既存分割ログを時刻が早い順に並び替え、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元するとしてもよい。
【0042】
これにより、分割ログおよび既存分割ログに変動値データが含まれる場合、分割ログおよび既存分割ログが変動値データの値の大きい順や小さい順に並び替えられることで、分割ログと既存分割ログとが一致する確率が高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0043】
また、前記サーバ側通信部は、データの値を所定値に置換する置換処理または前記データの値を丸める端数処理が実施された前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、前記既存分割ログ保存部は、さらに、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶するとしてもよい。
【0044】
これにより、カウンタやチェックサムなどの車両の特定の機能の動作時刻や動作回数に応じて変動するデータなど、車両の制御と関係しないデータ、または、センサなどの細かい値などを、分割ログと既存分割ログとの一致判定から除外することができるため、分割ログと既存分割ログとが一致する確率がさらに高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0045】
また、前記車両ログ解析サーバは、さらに、前記第二の分割ログを受信した場合に、前記第二の分割ログに対応する識別子を生成し、前記第二の分割ログと当該識別子とを前記既存分割ログリストに登録する既存分割ログ登録部を備えるとしてもよい。
【0046】
これにより、送信車両ログ送信装置と車両ログ解析サーバとの間で事前に分割ログを共有する必要がなくなり、事前に既存分割ログを構築しなくてもよい分、開発コストを低減できる。また、車両ログ解析サーバに車両ログが集まるほど、既存分割ログの種類数が増え、分割ログと既存分割ログとが一致する確率が高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0047】
また、車両ログ解析システムは、車両ログ送信装置と車両ログ解析サーバとから構成され、データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを前記車両ログ送信装置から前記車両ログ解析サーバへ送信する車両ログ解析システムであって、前記車両ログ送信装置は、前記車両ログを取得する車両ログ取得部と、取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで、1以上の分割ログを生成する車両ログ分割加工部と、前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶する既存識別子保存部と、前記1以上の分割ログのそれぞれに対して識別子を生成し、生成した識別子のうち、前記既存識別子リストに存在する識別子に対応する分割ログを第一の分割ログと判断し、前記既存識別子リストに存在しない識別子に対応する分割ログを第二の分割ログと判断する車両ログ送信要否判定部と、前記第一の分割ログに対応する識別子を前記車両ログ解析サーバへ送信し、前記第二の分割ログを前記車両ログ解析サーバへ送信する車両側通信部と、を備え、前記車両ログ解析サーバは、前記車両側通信部から送信された前記第一の分割ログに対応する識別子と前記第二の分割ログとを受信するサーバ側通信部と、前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する既存分割ログ保存部と、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する車両ログ復元部と、復元された車両ログを記憶する車両ログ保存部と、を備える。
【0048】
これにより、車両ログにおいて、特定のシステムの動作結果または特定のメッセージの送信結果等のデータにIDが対応付けられている場合、車両ログをIDを用いて分割することで、データの種類に応じて車両ログを分割でき、データの種類と関係なく単純にデータサイズに応じて分割する場合に比べて、分割ログと既存分割ログとが一致する確率が高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子が多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、データサイズが小さい、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量を効果的に削減できる。
【0049】
また、前記車両ログ分割加工部は、取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDごとに分割することで、前記1以上の分割ログを生成し、前記既存識別子保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログに対応するリストである前記既存識別子リストを記憶し、前記サーバ側通信部は、前記車両側通信部から送信された、前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、前記既存分割ログ保存部は、前記既存の車両ログを前記既存の車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶するとしてもよい。
【0050】
これにより、車両ログをIDごとに分割することで、データの種類ごとに車両ログを分割でき、分割ログと既存分割ログとが一致する確率がさらに高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0051】
また、前記車両ログは、所定のIDを起点とする複数のIDを1周期として当該複数のIDが周期的に繰り返されるように並べられた前記複数のデータを含み、前記車両ログ分割加工部は、取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで、前記1以上の分割ログを生成し、前記既存識別子保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれる前記所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶し、前記サーバ側通信部は、前記車両側通信部から送信された、前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、前記既存識別子保存部は、前記既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶するとしてもよい。
【0052】
これにより、車両ログにおいて、IDごとの特定のシステムの動作結果またはIDごとの特定のメッセージの送信結果等のデータが、所定のIDを起点とする複数のIDを1周期として当該複数のIDが周期的に繰り返されるように並べられる場合、分割ログのそれぞれが所定のIDから始まるように車両ログを分割することで、分割ログに含まれる1周期のIDと既存分割ログに含まれる1周期のIDとが同一になる。そのため、分割ログと既存分割ログとが一致する確率がさらに高くなり、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0053】
また、前記車両ログは、時刻情報がそれぞれ対応付けられている前記複数のデータを含み、前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれる時刻情報を時刻インデックス情報に置換する処理を実施し、前記既存識別子保存部は、さらに、時刻情報を時刻インデックス情報に置換された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶し、前記車両側通信部は、さらに、前記車両ログ解析サーバへ時刻情報と時刻インデックス情報との対応関係を示す時刻リストを送信し、前記サーバ側通信部は、さらに、前記車両側通信部から、前記時刻リストを受信し、前記既存分割ログ保存部は、さらに、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶し、前記車両ログ復元部は、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する前記既存分割ログを取得し、前記時刻リストを参照して前記既存分割ログに含まれる時刻インデックス情報を時刻情報に置換し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元するとしてもよい。
【0054】
時刻情報は、分割ログと既存分割ログとで確実に異なる情報となり、分割ログと既存分割ログとの一致を妨げる要因となる情報である。これに対して、分割ログおよび既存分割ログの時刻情報が時刻インデックス情報に置き換えられることで、時刻情報を分割ログと既存分割ログとの一致判定から除外することができるため、分割ログと既存分割ログとが一致する確率がさらに高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0055】
また、前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれるIDの値またはデータの値の大きさに応じて前記1以上の分割ログを並び替える処理を実施し、前記既存識別子保存部は、さらに、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶し、前記サーバ側通信部は、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、前記既存分割ログ保存部は、さらに、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた前記既存分割ログと、既存分割ログに対応する識別子とのリストである前記既存分割ログリストを記憶し、前記車両ログ復元部は、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する前記既存分割ログを取得し、前記時刻リストを参照して、前記既存分割ログの時刻インデックス情報を時刻情報に置換し、置換された前記時刻情報を参照して前記既存分割ログを時刻が早い順に並び替え、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元するとしてもよい。
【0056】
これにより、分割ログおよび既存分割ログに変動値データが含まれる場合、分割ログおよび既存分割ログが変動値データの値の大きい順や小さい順に並び替えられることで、分割ログと既存分割ログとが一致する確率が高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0057】
また、前記車両ログ分割加工部は、さらに、前記1以上の分割ログに含まれるデータの値を所定値に置換する置換処理または前記データの値を丸める端数処理を実施し、前記既存識別子保存部は、さらに、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記既存分割ログに対応する識別子のリストである前記既存識別子リストを記憶し、前記サーバ側通信部は、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記1以上の分割ログのうちの前記第一の分割ログに対応する識別子と、前記1以上の分割ログのうちの前記第二の分割ログとを受信し、前記既存分割ログ保存部は、さらに、前記置換処理または前記端数処理が実施された前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶するとしてもよい。
【0058】
これにより、カウンタやチェックサムなどの車両の特定の機能の動作時刻や動作回数に応じて変動するデータなど、車両の制御と関係しないデータ、または、センサなどの細かい値などを、分割ログと既存分割ログとの一致判定から除外することができるため、分割ログと既存分割ログとが一致する確率がさらに高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0059】
また、前記車両ログ解析サーバは、さらに、復元された前記車両ログを監視し、当該車両ログに攻撃の痕跡が含まれる場合に異常ログとして検出する異常ログ検出部と、所定の通知先に車両が異常であることを通知する異常通知部と、を備えるとしてもよい。
【0060】
これにより、復元された車両ログからセキュリティ上の異常が検出された場合に、所定の通知先に車両が異常であることを通知できる。
【0061】
また、前記異常ログ検出部は、さらに、過去に異常と判定された車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログに対応する識別子のリストである異常識別子リストを保持し、前記サーバ側通信部が前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合、当該識別子が前記異常識別子リストに含まれる場合に異常として検出し、前記サーバ側通信部が前記第二の分割ログを受信した場合に、前記第二の分割ログに攻撃の痕跡が含まれるときには、前記第二の分割ログを異常ログとして検出し、当該異常ログを当該異常ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログを前記異常識別子リストに登録するとしてもよい。
【0062】
これにより、異常な分割ログの識別子を記憶しておくことで、車両ログをすべて復元することなく、分割ログの識別子のみで異常を検出することができる。そのため、車両ログを受信してから異常を検出するまでの時間が短くなり、異常への対策を素早く実施できる。
【0063】
また、前記車両ログ送信装置は、さらに、前記車両ログ送信要否判定部が前記第二の分割ログと判断した分割ログに対応する識別子を前記既存識別子リストに登録する既存識別子登録部を備え、前記車両ログ解析サーバは、さらに、前記第二の分割ログを受信した場合に、前記第二の分割ログに対応する識別子を生成し、前記第二の分割ログと当該識別子とを前記既存分割ログリストに登録する既存分割ログ登録部を備えるとしてもよい。
【0064】
これにより、送信車両ログ送信装置と車両ログ解析サーバとの間で事前に分割ログを共有する必要がなくなり、事前に既存分割ログを構築しなくてもよい分、開発コストを低減できる。また、車両ログ解析サーバに車両ログが集まるほど、既存分割ログの種類数が増え、分割ログと既存分割ログとが一致する確率が高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0065】
また、前記車両ログ取得部は、前記車両ログのIDとしてフレームIDを含むCANまたはCAN-FDプロトコルに従う車載ネットワークログと、前記車両ログのIDとしてスロットIDを含むFlexRay(登録商標)プロトコルに従う車載ネットワークログと、前記車両ログにIDとしてIPアドレスを含むEthernet(登録商標)プロトコルに従う車載ネットワークログと、前記車両ログにIDとしてプロセス番号を含むシステム動作ログとのうちの、少なくとも1つの前記車両ログを取得するとしてもよい。
【0066】
これにより、特定のプロトコルに従うログを収集することで、車両ログのフォーマットが統一化され、分割ログと既存分割ログとが一致する確率が高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子がさらに多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量をより効果的に削減できる。
【0067】
また、本開示の車両ログ送受信方法は、車両ログ送信装置による車両ログ送信方法と車両ログ解析サーバによる車両ログ受信方法とから構成され、データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを前記車両ログ送信装置から前記車両ログ解析サーバへ送信する車両ログ送受信方法であって、前記車両ログ送信装置は、前記車両ログ送信装置と前記車両ログ解析サーバとの間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶する既存識別子保存部を備え、前記車両ログ解析サーバは、前記既存分割ログと、前記既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する既存分割ログ保存部を備え、前記車両ログ送信方法は、車両ログを取得する車両ログ取得ステップと、取得された前記車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで、1以上の分割ログを生成する車両ログ分割加工ステップと、前記1以上の分割ログのそれぞれに対して識別子を生成し、生成した識別子のうち、前記既存識別子リストに存在する識別子に対応する分割ログを第一の分割ログと判断し、前記既存識別子リストに存在しない識別子に対応する分割ログを第二の分割ログと判断する車両ログ送信要否判定ステップと、前記第一の分割ログに対応する識別子を前記車両ログ解析サーバへ送信し、前記第二の分割ログを前記車両ログ解析サーバへ送信する車両側通信ステップと、を含み、前記車両ログ受信方法は、前記車両側通信ステップにて送信された前記第一の分割ログに対応する識別子と前記第二の分割ログとを受信するサーバ側通信ステップと、前記第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に前記既存分割ログリストを参照して前記既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、前記第二の分割ログと前記既存分割ログとを結合して車両ログを復元する車両ログ復元ステップと、復元された前記車両ログを記憶する車両ログ保存ステップと、を含む。
【0068】
これにより、車両ログにおいて、特定のシステムの動作結果または特定のメッセージの送信結果等のデータにIDが対応付けられている場合、車両ログをIDを用いて分割することで、データの種類に応じて車両ログを分割でき、データの種類と関係なく単純にデータサイズに応じて分割する場合に比べて、分割ログと既存分割ログとが一致する確率が高くなる。そのため、既存分割ログに対応する識別子と一致する第一の分割ログに対応する識別子が多くなり、第二の分割ログが送信されにくく、データサイズが小さい、第一の分割ログに対応する識別子が送信されやすくなる。したがって、車両から車両の外部のサーバへ送信される車両ログの通信データ量を効果的に削減できる。
【0069】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータで読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されても良く、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0070】
以下、実施の形態に係る車両ログ送信装置、車両ログ解析サーバ、車両ログ解析システムおよび車両ログ送受信方法について図面を参照しながら説明する。ここで示す実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置および接続形態、並びに、処理の要素としてのステップおよびステップの順序等は、一例であって本開示を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0071】
(実施の形態1)
[車両ログ解析システムの全体構成]
図1は、本開示の実施の形態1における車両ログ解析システム100の全体構成図である。
【0072】
図1において、車両ログ解析システム100は、車両ログ解析サーバ20と車両200とで構成され、外部ネットワーク50を介して車両ログ解析サーバ20と車両200とが接続される。外部ネットワーク50は、例えば、インターネットである。外部ネットワーク50の通信方法は、有線であっても無線であっても良い。また、無線通信方式は既存技術であるWi-Fi(登録商標)や、3G/LTE(Long Term Evolution)であっても良い。
【0073】
車両200は、車両ログ送信装置10とECU30aとECU30bとECU30cとセンサ40aとエンジン40bとステアリング40cとを備える。
【0074】
車両ログ送信装置10は、車両ログ解析サーバ20と外部ネットワーク50を介して接続される。
【0075】
車両200において、車両ネットワーク60を介して車両ログ送信装置10と、ECU30aと、ECU30bと、ECU30cとが互いに接続される。車両ネットワーク60は、例えば、CANである。なお、車両ネットワーク60は、CAN-FD、FlexRay、Ethernet等の通信プロトコルであってもよい。
【0076】
ECU30aは、センサ40aに接続され、ECU30bは、エンジン40bに接続され、ECU30cは、ステアリング40cに接続されている。
【0077】
ECU30a、30bおよび30cは、それぞれが接続されている機器の状態を取得し、取得した状態を表すメッセージを周期的に車両ネットワーク60に送出する。
【0078】
ECU30aは、車両200の加速度を計測するセンサ40aによって計測されたセンサ情報を取得し、このセンサ情報を表すデータ値を含むメッセージを車両ネットワーク60に送出する。
【0079】
ECU30bは、エンジン40bの一状態である回転数を取得し、この回転数を表すデータ値を含むメッセージを車両ネットワーク60に送出する。また、ECU30bは、車両ネットワーク60から取得するエンジン40bに関する情報に基づいて、エンジン40bの回転数を制御する。
【0080】
ECU30cは、ステアリング40cの操舵角を取得し、この操舵角を表すデータ値を含むメッセージを車両ネットワーク60に送出する。また、ECU30cは、車両ネットワーク60から取得するステアリング40cに関する情報に基づいて、ステアリング40cの操舵角を制御する。
【0081】
以降、車両ネットワーク60に接続されるECU30a、ECU30bおよびECU30cと、センサ40a、エンジン40bおよびステアリング40cを総称して車両システム300とする。
【0082】
車両ログ送信装置10は、ECU30a、30bおよび30cから車両ログを取得し、車両ログ解析サーバ20へ、HTTPSなどの通信プロトコルを介して、取得した車両ログを送信する。車両ログの詳細は後述する。
【0083】
車両ログ解析サーバ20は、車両ログ送信装置10から車両ログを受信し、受信した車両ログを解析して、セキュリティ上の脅威を検出、すなわち、車両200の異常を検出する車両200の外部のサーバである。
【0084】
[車両ログ送信装置の構成]
次に、車両ログ送信装置10について説明する。
【0085】
図2は、本開示の実施の形態1における車両ログ送信装置10の構成図である。車両ログ送信装置10は、データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを車両ログ解析サーバ20へ送信する装置である。図2において、車両ログ送信装置10は、車両ログ取得部110と、車両ログ分割加工部120と、車両ログ分割加工ルール保存部130と、車両ログ送信要否判定部140と、既存識別子保存部150と、既存識別子登録部160と、車両側通信部170とを備える。
【0086】
車両ログ取得部110は、車両システム300と車両ネットワーク60を介して接続される。車両ログ取得部110は、車両200の動作に関わる車両ログ(具体的には、データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログ)を取得し、車両ログ分割加工部120に取得した車両ログを通知する。なお、車両ログは、所定のIDを起点とする複数のIDを1周期として当該複数のIDが周期的に繰り返されるように並べられた複数のデータを含んでいてもよい。また、車両ログは、時刻情報がそれぞれ対応付けられている複数のデータを含んでいてもよい。
【0087】
車両ログ分割加工部120は、車両ログ取得部110で取得された車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで、1以上の分割ログを生成する。例えば、車両ログ分割加工部120は、取得された車両ログを当該車両ログに含まれるIDごとに分割することで、1以上の分割ログを生成してもよい。また、例えば、車両ログ分割加工部120は、取得された車両ログを当該車両ログに含まれる所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで、1以上の分割ログを生成してもよい。また、例えば、車両ログ分割加工部120は、さらに、1以上の分割ログに含まれる時刻情報を時刻インデックス情報に置換する処理を実施して分割加工ログを生成してもよい。また、例えば、車両ログ分割加工部120は、さらに、1以上の分割ログに含まれるIDの値またはデータの値の大きさに応じて1以上の分割ログを並び替える処理を実施して分割加工ログを生成してもよい。また、例えば、車両ログ分割加工部120は、さらに、1以上の分割ログに含まれるデータの値を所定値に置換する置換処理またはデータの値を丸める端数処理を実施して分割加工ログを生成してもよい。車両ログ分割加工部120は、車両ログをルールに従って分割および加工して分割加工ログを生成し、生成した分割加工ログと、車両ログを分割する際に用いた番号を分割番号として、車両ログ送信要否判定部140に通知する機能を有する。車両ログ分割加工部120が分割加工ログを生成する際に使用したルールを車両ログ分割加工ルールとする。車両ログ分割加工ルールおよび分割加工ログの詳細は後述する。
【0088】
車両ログ分割加工ルール保存部130は、車両ログ分割加工部120が用いた車両ログ分割加工ルールを記憶する。
【0089】
既存識別子保存部150は、車両ログ送信装置10と車両ログ解析サーバ20との間で共有されている既存の車両ログを既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶する。識別子は、例えば、ハッシュ値である。例えば、既存識別子保存部150は、既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された既存分割ログに対応するリストである既存識別子リストを記憶してもよい。また、例えば、既存識別子保存部150は、既存の車両ログを既存の車両ログに含まれる所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで生成された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶してもよい。また、例えば、既存識別子保存部150は、さらに、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶してもよい。また、例えば、既存識別子保存部150は、さらに、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶してもよい。また、例えば、既存識別子保存部150は、さらに、置換処理または端数処理が実施された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶してもよい。既存識別子リストは、車両ログ送信装置10が過去に車両ログ解析サーバ20に送信した、分割加工ログの分割番号とハッシュ値との組で構成される。既存識別子リストは、車両ログ送信装置10と車両ログ解析サーバ20との間で共有される。
【0090】
車両ログ送信要否判定部140は、1以上の分割ログのそれぞれに対して識別子を生成し、生成した識別子のうち、既存識別子リストに存在する識別子に対応する分割ログを第一の分割ログと判断し、既存識別子リストに存在しない識別子に対応する分割ログを第二の分割ログと判断する。車両ログ送信要否判定部140は、車両ログ分割加工部120から受け取った分割加工ログに対するハッシュ値を識別子として分割番号ごとに生成する。生成した分割加工ログに対するハッシュ値が、既存識別子保存部150が記憶する既存識別子リストに含まれる場合に、車両ログ送信要否判定部140は、当該ハッシュ値に対応する分割加工ログは送信する必要がない第一の分割ログと判断する。生成した分割加工ログに対するハッシュ値が、既存識別子保存部150が記憶する既存識別子リストに含まれない場合に、車両ログ送信要否判定部140は、当該ハッシュ値に対応する分割加工ログは送信する必要がある第二の分割ログと判断する。
【0091】
既存識別子登録部160は、車両ログ送信要否判定部140が第二の分割ログと判断した分割ログ(分割加工ログ)に対応する識別子を既存識別子リストに登録する。具体的には、既存識別子登録部160は、車両ログ送信要否判定部140が分割加工ログを送信する必要があると判断した分割加工ログに対するハッシュ値を、既存識別子保存部150の既存識別子リストに追加登録する。
【0092】
車両側通信部170は、第一の分割ログに対応する識別子を車両ログ解析サーバ20へ送信し、第二の分割ログを車両ログ解析サーバ20へ送信する。具体的には、車両側通信部170は、車両ログ送信要否判定部140が送信する必要がないと判断した分割加工ログ(第一の分割ログ)のハッシュ値とその分割番号を、車両ログ解析サーバ20へ送信し、車両ログ送信要否判定部140が送信する必要があると判断した分割加工ログ(第二の分割ログ)を、車両ログ解析サーバ20へ送信する。さらに、車両側通信部170は、生成した車両ログ分割加工ルールを車両ログ解析サーバ20へ送信する。例えば、車両側通信部170は、車両ログ解析サーバ20へ車両ログ分割加工ルールとして時刻情報と時刻インデックス情報との対応関係を示す時刻リストを送信してもよい。
【0093】
[車両ログ解析サーバの構成]
図3は、本開示の実施の形態1における車両ログ解析サーバ20の構成図である。車両ログ解析サーバ20は、データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを車両ログ送信装置10から受信する装置である。図3において、車両ログ解析サーバ20は、サーバ側通信部210と、車両ログ復元部220と、既存分割ログ保存部230と、車両ログ分割加工ルール保存部240と、車両ログ保存部250と、既存分割ログ登録部260と、異常ログ検出部270と、異常通知部280とを備える。
【0094】
サーバ側通信部210は、外部ネットワーク50と接続され、外部ネットワーク50を介して車両ログ送信装置10から、車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された1以上の分割ログのうちの第一の分割ログに対応する識別子と、1以上の分割ログのうちの第一の分割ログを除く第二の分割ログとを受信する。具体的には、サーバ側通信部210は、分割加工ログまたは分割加工ログのハッシュ値と、その分割番号とを受信し、受信した分割加工ログまたは分割加工ログのハッシュ値と、その分割番号とを車両ログ復元部220へ通知する。さらにサーバ側通信部210は、車両ログ送信装置10から車両ログ分割加工ルールを受信し、車両ログ分割加工ルール保存部240に記憶する。例えば、サーバ側通信部210は、車両ログ送信装置10から、車両ログを当該車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された1以上の分割ログのうちの第一の分割ログに対応する識別子と、1以上の分割ログのうちの第二の分割ログとを受信してもよい。また、例えば、サーバ側通信部210は、車両ログ送信装置10から、車両ログを当該車両ログに含まれる所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで生成された1以上の分割ログのうちの第一の分割ログに対応する識別子と、1以上の分割ログのうちの第二の分割ログとを受信してもよい。また、例えば、サーバ側通信部210は、車両ログ送信装置10から、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された1以上の分割ログのうちの第一の分割ログに対応する識別子と、当該1以上の分割ログのうちの第二の分割ログと、時刻情報と時刻インデックス情報との対応関係を示す時刻リストとを受信してもよい。また、例えば、サーバ側通信部210は、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた1以上の分割ログのうちの第一の分割ログに対応する識別子と、1以上の分割ログのうちの第二の分割ログとを受信してもよい。また、例えば、サーバ側通信部210は、データの値を所定値に置換する置換処理またはデータの値を丸める端数処理が実施された1以上の分割ログのうちの第一の分割ログに対応する識別子と、1以上の分割ログのうちの第二の分割ログとを受信してもよい。
【0095】
既存分割ログ保存部230は、車両ログ送信装置10と車両ログ解析サーバ20との間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログと、既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する。例えば、既存分割ログ保存部230は、既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDごとに分割することで生成された既存分割ログと、既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶してもよい。また、例えば、既存分割ログ保存部230は、既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれる所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割することで生成された既存分割ログと、既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶してもよい。また、例えば、既存分割ログ保存部230は、さらに、時刻情報が時刻インデックス情報に置換された既存分割ログと、既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶してもよい。また、例えば、既存分割ログ保存部230は、さらに、IDの値またはデータの値の大きさに応じて並び替えられた既存分割ログと、既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶してもよい。また、例えば、既存分割ログ保存部230は、さらに、置換処理または端数処理が実施された既存分割ログと、既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶してもよい。
【0096】
車両ログ復元部220は、第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に既存分割ログリストを参照して既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、第二の分割ログと既存分割ログとを結合して車両ログを復元する。具体的には、車両ログ復元部220は、サーバ側通信部210から分割加工ログのハッシュ値とその分割番号とが通知された場合、既存分割ログ保存部230が記憶する既存分割ログリストから分割加工ログのハッシュ値と一致する既存分割ログを取得する。
【0097】
さらに、車両ログ復元部220は、既存分割ログを取得している場合に、サーバ側通信部210から分割加工ログ(第二の分割ログ)が通知された場合、既存分割ログと分割加工ログ(第二の分割ログ)とを、車両ログ分割加工ルール保存部240が記憶する車両ログ分割加工ルールを用いて、車両ログに復元する。例えば、車両ログ復元部220は、第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に既存分割ログリストを参照して既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、時刻リストを参照して既存分割ログに含まれる時刻インデックス情報を時刻情報に置換し、第二の分割ログと既存分割ログとを結合して車両ログを復元してもよい。また、例えば、車両ログ復元部220は、第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に既存分割ログリストを参照して既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、時刻リストを参照して既存分割ログの時刻インデックス情報を時刻情報に置換し、置換された時刻情報を参照して既存分割ログを時刻が早い順に並び替え、第二の分割ログと既存分割ログとを結合して車両ログを復元してもよい。さらに、車両ログ復元部220は、復元した車両ログを車両ログ保存部250に記録する。車両ログの復元方法の詳細は後述する。
【0098】
既存分割ログ登録部260は、第二の分割ログを受信した場合に、第二の分割ログに対応する識別子を生成し、第二の分割ログと当該識別子とを既存分割ログリストに登録する。具体的には、既存分割ログ登録部260は、サーバ側通信部210から分割加工ログ(第二の分割ログ)を通知された場合、分割加工ログ(第二の分割ログ)のハッシュ値を生成し、分割加工ログ(第二の分割ログ)と分割加工ログ(第二の分割ログ)のハッシュ値との組を既存分割ログ保存部230の既存分割ログリストに追加で記憶する。
【0099】
車両ログ分割加工ルール保存部240は、車両ログの分割方法および加工方法が記載される車両ログ分割加工ルールを記憶する。
【0100】
車両ログ保存部250は、復元された車両ログを記憶する。
【0101】
異常ログ検出部270は、車両ログ保存部250に記憶される復元された車両ログを監視し、当該車両ログに攻撃の痕跡が含まれる場合に異常ログとして検出し、異常通知部280に通知する。例えば、車両ログに、正常の処理シーケンスと異なるタイミングで車両装置が動作したログや正常範囲外の制御値を含むネットワーク通信が行われたログが含まれている場合に、異常ログ検出部270は、車両へのサイバー攻撃の痕跡があるとして、セキュリティ上の脅威として検出する機能を有する。また、例えば、異常ログ検出部270は、さらに、過去に異常と判定された車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログに対応する識別子のリストである異常識別子リストを保持し、サーバ側通信部210が第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合、当該識別子が異常識別子リストに含まれる場合に異常として検出し、サーバ側通信部210が第二の分割ログを受信した場合に、第二の分割ログに攻撃の痕跡が含まれるときには、第二の分割ログを異常ログとして検出し、当該異常ログを当該異常ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログを異常識別子リストに登録してもよい。
【0102】
異常通知部280は、所定の通知先に車両が異常であることを通知する。具体的には、異常検知部280は、異常ログ検出部270から異常な車両ログを受け取り、所定の通知先として、例えば、車両ログ解析サーバ20を利用するオペレータや異常なログを出力した車両のドライバーに異常を通知する。
【0103】
[車両ログ]
図4は、本開示の実施の形態1における車両ログ取得部110が取得する車両ログの一例を示す図である。車両ログは、データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む。図4における車両ログには、IDとして、ID1、ID2、ID3およびID4が含まれる。また、図4における車両ログには、それぞれが8バイトのデータである複数のデータが含まれる。8バイトのデータを1つのデータとしたときに、当該1つのデータに対してIDが対応付けられている。また、図4に示されるように、複数のデータは、所定のIDを起点とする複数のIDを1周期として当該複数のIDが周期的に繰り返されるように並べられる。例えば、所定のIDをID1とすると、ID1を起点とするID1、ID2、ID3およびID4を1周期としてID1、ID2、ID3およびID4が周期的に繰り返されるように複数のデータが並べられる。なお、所定のIDは、ID1に限らない。例えば、所定のIDをID2とすると、ID2を起点とするID2、ID3、ID4およびID1を1周期としてID2、ID3、ID4およびID1が周期的に繰り返されるように複数のデータが並べられる。また、図4に示されるように、複数のデータは、時刻情報がそれぞれ対応付けられている。例えば、「10:10:10」(10時10分10秒)等の時刻が時刻情報である。図4において、車両ログは、時刻と、IDと、8バイトのデータ(8つの1バイトのデータ)との組で構成される。時刻は、車両ログの発生時刻である。
【0104】
IDは、データの種類を示し、例えば、車両ログの発生元のイベントまたはメッセージを特定する識別子である。例えば、車両ログが、ECUのシステム動作を示すイベントの場合のIDは、プロセス番号であり、CANまたはCAN-FDの通信プロトコルに従うメッセージの場合のIDは、フレームIDであり、FlexRayの通信プロトコルに従うメッセージの場合のIDは、スロットIDであり、Ethernetの通信プロトコルに従うメッセージの場合のIDは、IPアドレスである。
【0105】
また、複数のデータのそれぞれは、例えば、1バイトごとに0x00から0xFFまでの16進数の数値からなる8バイトのデータである。図4において、データは、16進数表記の0xを省略して記載している。例えば、図4において、車両ログにおける1行目は、時刻「10:10:10」に発生したイベントまたはメッセージであり、IDは「ID1」であり、1バイト目に16進数表記で「01」、2バイト目に16進数表記で「50」、3バイト目に16進数表記で「40」、4バイト目に16進数表記で「30」、5バイト目に16進数表記で「30」、6バイト目に16進数表記で「30」、7バイト目に16進数表記で「30」、8バイト目に16進数表記で「30」であることを示している。
【0106】
車両ログの各バイトのデータ値が何を示しているかについては、車両ログ定義テーブルが参照される。車両ログ定義テーブルの詳細は、後述する。
【0107】
また図4において、IDが「ID1」である車両ログは、時刻「10:10:10」に発生した後、時刻「10:20:10」、「10:50:10」等にも発生しており、IDが「ID1」のイベントまたはメッセージが定期的に発生していることを示している。
【0108】
また図4において、IDが「ID2」である車両ログは、IDが「ID1」のイベントまたはメッセージの後に続いて発生していることを示している。つまり、複数のデータは、複数のID(ここでは、ID1、ID2、ID3およびID4)が周期的に繰り返されるように並べられる。
【0109】
このように、車両ログを参照することで、イベントやメッセージの発生時刻とデータを確認することができるため、車両ログを用いて、正常の処理シーケンスと異なるタイミングで車両システム300が動作したか否か、または、正常範囲外の制御値を含むネットワーク通信が行われたか否か等を判定でき、セキュリティ上の脅威を検出できる。
【0110】
[車両ログ定義テーブル]
図5は、本開示の実施の形態1における車両ログ分割加工部120で用いる車両ログ定義テーブルの一例を示す図である。車両ログ定義テーブルは、車両ログのID毎の各バイトのデータ値が何を示しているかを示すデータ種別を定義するテーブルである。
【0111】
図5においてIDが「ID1」の場合、1バイト目は「カウンタ」を定義し、2バイト目から8バイト目は、「車両番号」を定義している。
【0112】
IDが「ID2」の場合、1バイト目は、「カウンタ」を定義し、2バイト目は、「チェックサム」を定義し、3バイト目と4バイト目は、「速度」を定義し、5バイト目は、「シフト」を定義し、6バイト目から8バイト目は未使用であり、定義されていない。
【0113】
IDが「ID3」の場合、1バイト目は、「カウンタ」を定義し、2バイト目は、「チェックサム」を定義し、3バイト目と4バイト目は、「舵角」を定義し、5バイト目から8バイト目は、未使用であり、定義されていない。
【0114】
IDが「ID4」の場合、1バイト目は、「カウンタ」を定義し、2バイト目と3バイト目は、「位置情報」を定義し、4バイト目から8バイト目は未使用であり、定義されていない。
【0115】
定義された、「車両番号」は、7バイトの値であり、車両ごとに固定の値をとる。定義された、「速度」と「舵角」と「位置情報」は2バイトであり、0000からFFFFまでの値である。定義された、「チェックサム」と「カウンタ」は1バイトであり、00からFFまでの値である。定義された「シフト」は、「00」の値の場合、「パーキング」を示し、「01」の値の場合、「ドライブ」を示す。
【0116】
[車両ログ分割加工ルール]
次に車両ログ分割加工ルールについて説明する。車両ログ分割加工ルールは、車両ログ分割加工部120が車両ログから分割加工ログを生成する際にどのようなルールで生成したかを示すルールである。車両ログ分割加工ルールは、車両ログ分割加工部120が車両ログから分割加工ログを生成する際に生成される。
【0117】
図6は、本開示の実施の形態1における車両ログ分割加工ルール保存部130が記憶する車両ログ分割加工ルールの一例を示す図である。図6において、車両ログ分割加工ルールは、加工項目と、加工有無と、加工前の値と、加工後の値との組で構成される。
【0118】
加工項目は、「分割」、「時刻インデックス」、「ソート(昇順)」および「データ置換」のいずれかである。車両ログ分割加工ルールは、上から順に車両ログを加工するルールを示している。
【0119】
「分割」は、車両ログを分割するルールを表す。例えば、図6では、分割は、IDごとに車両ログを分割するルールを示している。
【0120】
「時刻インデックス」は、車両ログの時刻を時刻インデックス情報に置換する処理のルールを表す。例えば、図6では、時刻インデックスは、IDごとの時刻に対して通し番号(T11、T12、・・・、T54)を割り振るルールを示している。
【0121】
「ソート(昇順)」は、IDが同一のデータのうち特定のバイト、例えば、4バイト目のデータが小さい順番に並び替えられるように車両ログを加工する処理のルールを表す。なお、図6では、一例として「ソート(昇順)」を示しているが、IDが同一のデータのうち、特定のバイトのデータが大きい順番に並び替えられる場合は、「ソート(降順)」と表される。
【0122】
「データ置換」は、車両ログ定義テーブルに記載されている特定のデータ種別(例えばカウンタおよびチェックサム)に該当するデータ領域のすべてを特定の値(例えば00)に置換する処理のルールを表す。
【0123】
次に、加工有無は、「有効」および「無効」のいずれかであり、対応する加工項目のルールを実施したか否かを示す。対応する加工項目のルールが実施された場合、加工有無は「有効」となり、対応する加工項目のルールが実施されなかった場合、加工有無は「無効」となる。
【0124】
加工前の値は、対応する加工項目において車両ログの元の値であり、加工後の値は、対応する加工項目において車両ログの加工後の値(つまり分割加工ログにおける値)を示す。
【0125】
図6において、加工項目「分割」は、加工有無が「有効」である。加工前の値「ID1」に対し、加工後の値「分割番号1」であり、加工前の値「ID2」に対し、加工後の値「分割番号2」と続く。このルールでは、車両ログから、加工前の値に記載されたIDを含むデータが抽出され、加工後の値に記載された分割番号の分割ログに分割される。
【0126】
図6において、加工項目「時刻インデックス」は、加工有無が「有効」である。加工前の値「10:10:10」に対し、加工後の値「T11」であり、加工前の値「10:10:20」に対して、加工後の値「T12」と続く。
【0127】
図6において、加工項目「ソート(昇順)」は、加工有無が「有効」である。加工前の値と加工後の値は「-」となっており、「-」は値を置換しないルールであることを示す。「ソート(昇順)」では、データは並び変えられるが、データの値自体は置換されないためである。
【0128】
また、加工項目「データ置換」は、加工有無が「有効」であり、加工前の値は「カウンタ」および「チェックサム」の値を示しており、加工後の「カウンタ」および「チェックサム」の値を「00」に置換するルールを表す。
【0129】
車両ログ分割加工部120は、車両ログから分割加工ログを生成する際に、車両ログ分割加工ルールもあわせて生成し、分割加工ログまたは分割加工ログの識別子を送信する際に、車両ログ分割加工ルールをあわせて送信することで車両ログ送信装置10と車両ログ解析サーバ20との間で車両ログ分割加工ルールを共有する。これにより、車両ログ送信装置10で加工された分割加工ログを車両ログ解析サーバ20で元の車両ログに戻すことができる。なお、予め定められたルールを用いて分割加工ログが生成され、当該予め定められたルールを用いて既存分割ログが生成される場合に、当該予め定められたルールを車両ログ送信装置10と車両ログ解析サーバ20とが予め保有しているときには、車両ログ分割加工ルールとして少なくとも時刻情報と時刻インデックス情報との対応関係を示す時刻リストが車両ログ送信装置10から車両ログ解析サーバ20へ送信されればよい。車両ログ解析サーバ20は、時刻情報以外の情報については、予め定められたルールを用いて復元することができるためである。
【0130】
[分割加工ログ]
図7は、本開示の実施の形態1における車両ログ分割加工部120が生成する分割加工ログの一例を示す図である。図7は、図4で説明した車両ログを図6の車両ログ分割加工ルールで分割および加工したときの分割加工ログの一例である。図7において、分割加工ログは、分割番号ごとに、時刻と、IDと、8バイトのデータとの組で構成される。図7は、車両ログがIDごとに分割されたときに生成される分割加工ログの一例を示す。
【0131】
図7において、分割加工ログの時刻は、図6における車両ログ分割加工ルールでの「時刻インデックス」によるルールに従って、時刻インデックス(T11、T12、・・・、T54)に置換されている。例えば、分割番号「1」の時刻「T11」は、時刻「10:10:10」を置換したときの時刻インデックスである。
【0132】
また、図7において、分割番号「3」で時刻「T13」、「T23」、「T53」の行における4バイト目のデータの値はそれぞれ、「10」、「20」、「30」であり、図6における車両ログ分割加工ルールでの「ソート(昇順)」によるルールに従って、4バイト目のデータが小さい順にソートされている。
【0133】
分割加工ログの1バイト目は、図5の車両ログ定義テーブルによると、「カウンタ」であり、図6における車両ログ分割加工ルールでの「データ置換」によるルールに従って、データの値は全て「00」に置換されている。
【0134】
以上のように、分割加工ログでは、時刻、カウンタ、チェックサム、イベント発生時間などの車両ログが発生する度に変わる可能性の高い値が、インデックス化され、または「00」などに置換される。なお、分割加工ログでは、センサなどの細かい値などを丸める端数処理がされてもよい。
【0135】
なお、図7は、車両ログをIDごとに分割したときの分割ログ(分割加工ログ)の一例を示すが、車両ログが所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割されてもよい。例えば、ID1を所定のIDとして、ID1を起点とする複数のID(ID1、ID2、ID3およびID4)ごとに車両ログが分割されてもよい。なお、所定のIDは、ID1に限らず、例えば、所定のIDをID2とした場合、ID2を起点とする複数のID(ID2、ID3、ID4およびID1)ごとに車両ログが分割されてもよい。
【0136】
また、後述する既存分割ログについても同じように、所定のIDを起点とする複数のIDごとに分割されたものであってもよい。
【0137】
[分割加工ログの識別子]
次に、分割加工ログの識別子について、説明する。
【0138】
図8は、本開示の実施の形態1における車両ログ送信要否判定部140が生成する分割加工ログの識別子の一例を示す図である。図8において、分割加工ログの識別子は、分割番号と、識別子から構成される。車両ログ送信要否判定部140は、分割加工ログごとにハッシュ関数を用いて分割加工ログのハッシュ値を生成し、識別子とする。
【0139】
ここで、ハッシュ関数は、同一のデータであれば同一のハッシュ値を出力する特徴を有し、MD5やSHA256などのアルゴリズムを用いる。
【0140】
図8において、例えば、分割番号「1」の識別子は「11223344」である。
【0141】
[既存識別子リスト]
次に、既存識別子リストについて説明する。
【0142】
図9は、本開示の実施の形態1における既存識別子保存部150で記憶される既存識別子リストの一例を示す図である。図9において、既存識別子リストは、番号と識別子との組で構成される。番号は、既存識別子リストに登録された順番を表し、識別子は、車両ログ解析サーバ20に送信済の分割加工ログ(既存分割ログ)に対応するハッシュ値を表す。
【0143】
図9において、例えば、番号「1」の識別子は「11223344」である。
【0144】
[既存分割ログリスト]
次に、既存分割ログリストについて説明する。図10は、本開示の実施の形態1における既存分割ログ保存部230が記憶する既存分割ログリストの一例を示す図である。図10において、既存分割ログリストは、番号と識別子とファイルパスと異常有無との組で構成される。番号は、既存分割ログリストに登録された順番を表し、識別子は、既存分割ログに対応するハッシュ値を表し、ファイルパスは、既存分割ログが保存されている場所を表し、異常有無は既存分割ログの異常検知結果を「有」、「無」で示す。異常有無のリスト(異常識別子リスト)は、過去に異常と判定された車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された異常分割ログ(例えば、番号2または6に対応する既存分割ログ)に対応する識別子のリストである。
【0145】
図10において、例えば、番号「1」の識別子は「11223344」であり、既存分割ログのファイルパスは「/log/20180101A.log」であり、既存分割ログの異常有無が「無」である。
【0146】
車両ログ復元部220は、車両ログ送信装置10から車両ログ解析サーバ20に送信された、ハッシュ値と既存識別子リストに含まれるハッシュ値を比較し、一致するハッシュ値のファイルパスに既存分割ログが格納されているので、この既存分割ログを用いて、車両ログに復元する。
【0147】
[車両ログの送信処理のシーケンス]
次に、車両ログ送信装置10による車両ログの送信処理について説明する。
【0148】
図11は、本開示の実施の形態1における車両ログ送信装置10が車両ログを送信する処理シーケンスを示している。
【0149】
(S1101)車両ログ送信装置10の車両ログ取得部110は、車両ログを取得し、車両ログ分割加工部120へ車両ログを通知する。
【0150】
(S1102)車両ログ分割加工部120は、車両ログを取得し、車両ログ定義テーブルを用いて、車両ログから分割加工ログを生成する。分割加工ログを生成する際に用いたルールを車両ログ分割加工ルールとする。
【0151】
(S1103)車両ログ分割加工部120は、車両ログ送信要否判定部140へ分割加工ログ通知する。このとき、図示していないが、車両ログ分割加工部120は、車両ログ分割加工ルールを車両ログ分割加工ルール保存部130に記憶するとともに車両ログ分割加工ルールを車両側通信部170に通知する。
【0152】
(S1104)車両ログ送信要否判定部140は、分割加工ログを取得し、分割加工ログのハッシュ値を生成する。
【0153】
(S1105)車両ログ送信要否判定部140は、生成したハッシュ値が、既存識別子保存部150が記憶する既存識別子リストに含まれている場合、車両側通信部170へ分割加工ログのハッシュ値(第一の分割ログに対応する識別子)と分割番号とを通知する。
【0154】
(S1106)車両側通信部170は、取得したハッシュ値と分割番号とを受領する。
【0155】
(S1107)車両ログ送信要否判定部140は、生成したハッシュ値が、既存識別子保存部150が記憶する既存識別子リストに含まれていない場合、分割加工ログ(第二の分割ログ)を車両側通信部170に通知し、分割加工ログ(第二の分割ログ)のハッシュ値を既存識別子登録部160に通知する。
【0156】
(S1108)既存識別子登録部160は、受領したハッシュ値を、既存識別子保存部150の既存識別子リストに追加登録する。受領したハッシュ値は、後述する図12のステップS1205において、車両ログ解析サーバ20でも登録されることになり、車両ログ送信装置10と車両ログ解析サーバ20との間で共有される。
【0157】
(S1109)車両側通信部170は、分割加工ログ(第二の分割ログ)を取得する。
【0158】
(S1110)車両側通信部170は、取得した分割加工ログ(第一の分割ログ)のハッシュ値と分割番号と車両ログ分割加工ルールとを車両ログ解析サーバ20に送信する。
【0159】
(S1111)車両側通信部170は、取得した分割加工ログ(第二の分割ログ)と車両ログ分割加工ルールとを車両ログ解析サーバ20に送信する。
【0160】
[車両ログ受信処理のシーケンス]
次に、車両ログ解析サーバ20による車両ログの受信処理について説明する。
【0161】
図12は、本開示の実施の形態1における、車両ログ解析サーバ20が車両ログを受信する処理シーケンスを示している。
【0162】
(S1201)サーバ側通信部210は、車両ログ送信装置10から分割加工ログ(第一の分割ログ)のハッシュ値と分割番号と車両ログ分割加工ルールとを受信し、分割加工ログ(第一の分割ログ)のハッシュ値と分割番号と車両ログ分割加工ルールとを車両ログ復元部220へ通知する。また、図示していないが、サーバ側通信部210は、分割加工ログ(第一の分割ログ)のハッシュ値を異常ログ検出部270へ通知する。
【0163】
(S1202)車両ログ復元部220は、分割加工ログ(第一の分割ログ)のハッシュ値と分割番号と車両ログ分割加工ルールとを取得し、既存分割ログ保存部230が記憶する既存分割ログリストから、分割加工ログ(第一の分割ログ)のハッシュ値と同じハッシュ値の既存分割ログのファイルパスを取得し、そのファイルパスから既存分割ログを取得する。
【0164】
(S1203)サーバ側通信部210は、分割加工ログ(第二の分割ログ)と車両ログ分割加工ルールとを受領し、分割加工ログ(第二の分割ログ)と車両ログ分割加工ルールとを車両ログ復元部220へ通知する。
【0165】
(S1204)車両ログ復元部220は、分割加工ログ(第二の分割ログ)と分割番号と車両ログ分割加工ルールとを受信する。
【0166】
(S1205)既存分割ログ登録部260は、分割加工ログ(第二の分割ログ)を取得し、分割加工ログ(第二の分割ログ)のハッシュ値を生成し、分割加工ログ(第二の分割ログ)を記憶したファイルパスと生成したハッシュ値とを既存分割ログ保存部230の既存分割ログリストに追加登録する。今回サーバ側通信部210が受信した分割加工ログ(第二の分割ログ)が、以降は既存分割ログとなる。
【0167】
(S1206)車両ログ復元部220は、第一の分割ログのハッシュ値と同じハッシュ値の既存分割ログと、分割加工ログ(第二の分割ログ)と、車両ログ分割加工ルールとを用いて、車両ログを復元する。
【0168】
[異常ログ検出処理のシーケンス]
次に、車両ログ解析サーバ20による異常ログ検出処理について説明する。
【0169】
図13は、本開示の実施の形態1における、車両ログ解析サーバ20が異常ログを検出する処理シーケンスを示している。
【0170】
(S1301)異常ログ検出部270は、分割加工ログ(第一の分割ログ)のハッシュ値が、既存分割ログ保存部230が記憶する既存分割ログリストの識別子の項のハッシュ値と一致する行を特定し、異常有無が「有」の場合には、異常であると判断して、異常通知部280へ異常であることを通知する。
【0171】
(S1302)異常通知部280は、所定の通知先として、例えば、車両ログ解析サーバ20の利用者または異常な車両ログを発生した車両のドライバーへ異常を通知する。
【0172】
(S1303)異常ログ検出部270は、分割加工ログ(第二の分割ログ)に攻撃の痕跡が含まれている場合に、異常として判断して、異常通知部280へ異常であることを通知する。
【0173】
(S1304)異常通知部280は、所定の通知先として、例えば、車両ログ解析サーバ20の利用者または異常な車両ログを発生した車両のドライバーへ異常を通知する。
【0174】
(S1305)異常ログ検出部270は、検出した異常を既存分割ログ保存部230の既存分割ログリストに更新登録する。具体的には、異常ログ検出部270は、分割加工ログ(第二の分割ログ)を記憶したファイルパスと生成したハッシュ値とに異常有無として「有」を対応付けて、既存分割ログリストを更新する。
【0175】
[分割加工ログ生成処理のフローチャート]
次に、車両ログ分割加工部120による、ルールに従って車両ログから分割加工ログを生成する処理について説明する。当該ルールは、例えば車両ログ解析システム100のユーザまたは車両200のユーザ等による設定である。
【0176】
図14は、本開示の実施の形態1における車両ログ分割加工部120の分割加工ログ生成処理のフローチャートを示す。
【0177】
(S1401)車両ログ分割加工部120は、車両ログ取得部110から車両ログを取得する。
【0178】
(S1402)車両ログ分割加工部120は、車両ログをIDごとに分割するか否かをルールに応じて判断する。車両ログ分割加工部120は、車両ログをIDごとに分割すると判断する場合(YESの場合)、加工項目「分割」、加工有無「有効」として車両ログ分割加工ルールを生成する。車両ログ分割加工部120は、車両ログのIDを加工前の値とし、分割番号として通し番号を、加工後の値としてリスト化する。次に、車両ログ分割加工部120は、ステップS1403の処理を実施する。車両ログ分割加工部120は、車両ログをIDごとに分割しないと判断する場合(NOの場合)、加工項目「分割」、加工有無「無効」として車両ログ分割加工ルールを生成する。次に、車両ログ分割加工部120は、ステップS1404の処理を実施する。
【0179】
車両ログ分割加工部120が、車両ログをIDごとに分割すると判断する場合とは、例えば、上記ルールが車両ログをIDごとに分割するというルール(設定)になっていることを意味する。また、車両ログ分割加工部120が、車両ログをIDごとに分割しないと判断する場合とは、例えば、上記ルールが車両ログをIDごとに分割しないというルール(設定)になっていることを意味する。ステップS1402での判断の後に生成される車両ログ分割加工ルールは、図6における「分割」の行に対応する。
【0180】
(S1403)車両ログ分割加工部120は、車両ログをIDごとに分割し、分割番号ごとに分割ログを生成する。
【0181】
(S1404)車両ログ分割加工部120は、車両ログの「時刻」を加工するか否かをルールに応じて判断する。車両ログ分割加工部120は、車両ログの「時刻」を加工すると判断する場合(YESの場合)、S1405の処理を実施する。車両ログ分割加工部120は、車両ログの「時刻」を加工しないと判断する場合(NOの場合)、加工項目「時刻インデックス」、加工有無「無効」として車両ログ分割加工ルールを生成する。次に、車両ログ分割加工部120は、ステップS1407の処理を実施する。
【0182】
(S1405)車両ログ分割加工部120は、加工項目「時刻インデックス」、加工有無「有効」とし、車両ログの時刻を加工前の値とし、時刻インデックスの通し番号を加工後の値として時刻リストを生成する。
【0183】
車両ログ分割加工部120が、車両ログの「時刻」を加工すると判断する場合とは、例えば、上記ルールが車両ログの「時刻」を加工するというルール(設定)になっていることを意味する。また、車両ログ分割加工部120が、車両ログの「時刻」を加工しないと判断する場合とは、例えば、上記ルールが車両ログの「時刻」を加工しないというルール(設定)になっていることを意味する。ステップS1405で生成される車両ログ分割加工ルールは、図6における「時刻インデックス」の行に対応し、当該車両ログ分割加工ルールは、時刻情報と時刻インデックス情報との対応関係を示す時刻リストの一例である。当該時刻リストによって、例えば、時刻「10:10:10」と時刻インデックス「T11」とが対応していることがわかる。
【0184】
(S1406)車両ログ分割加工部120は、時刻リストにおける加工前の値と加工後の値とを参照し、車両ログの時刻を加工後の値である時刻インデックスの通し番号に置換する。
【0185】
(S1407)車両ログ分割加工部120は、車両ログの「データ」を小さい順にソートするか否かをルールに応じて判断する。車両ログ分割加工部120は、車両ログの「データ」をソートすると判断する場合(YESの場合)、加工項目「ソート(昇順)」、加工有無「有効」、加工前の値「-」、加工後の値「-」として車両ログ分割加工ルールを生成する。次に、車両ログ分割加工部120は、ステップS1408の処理を実施する。車両ログ分割加工部120は、車両ログの「データ」をソートしないと判断する場合(NOの場合)、加工項目「ソート(昇順)」、加工有無「無効」として車両ログ分割加工ルールを生成する。次に、車両ログ分割加工部120は、ステップS1411の処理を実施する。
【0186】
車両ログ分割加工部120が、車両ログの「データ」をソートすると判断する場合とは、例えば、上記ルールが車両ログの「データ」をソートするというルール(設定)になっていることを意味する。また、車両ログ分割加工部120が、車両ログの「データ」をソートしないと判断する場合とは、例えば、上記ルールが車両ログの「データ」をソートしないというルール(設定)になっていることを意味する。ステップS1407での判断の後に生成される車両ログ分割加工ルールは、図6における「ソート(昇順)」の行に対応する。
【0187】
(S1408)車両ログ分割加工部120は、車両ログのデータを小さい順に並び替える。
【0188】
(S1409)車両ログ分割加工部120は、車両ログの所定の「データ」を加工するか否かをルールに応じて判断する。車両ログ分割加工部120は、車両ログの所定の「データ」を加工すると判断する場合(YESの場合)、加工項目「データ置換」、加工有無「有効」、加工前の値「カウンタ」、加工後の値「00」、加工前の値「チェックサム」、加工後の値「00」として車両ログ分割加工ルールを生成する。次に、車両ログ分割加工部120は、ステップS1410の処理を実施する。車両ログ分割加工部120は、車両ログの所定の「データ」を加工しないと判断する場合(NOの場合)、加工項目「データ置換」、加工有無「無効」として車両ログ分割加工ルールを生成する。次に、車両ログ分割加工部120は、ステップS1411の処理を実施する。
【0189】
車両ログ分割加工部120が、車両ログの所定の「データ」を加工すると判断する場合とは、例えば、上記ルールが車両ログの所定の「データ」を加工するというルール(設定)になっていることを意味する。また、車両ログ分割加工部120が、車両ログの所定の「データ」を加工しないと判断する場合とは、例えば、上記ルールが車両ログの所定の「データ」を加工しないというルール(設定)になっていることを意味する。ステップS1409での判断の後に生成される車両ログ分割加工ルールは、図6における「データ置換」の行に対応する。
【0190】
(S1410)車両ログ分割加工部120は、車両ログのカウンタの値を「00」に、チェックサムの値を「00」に置換する。
【0191】
(S1411)車両ログ分割加工部120は、車両ログを分割および加工した分割加工ログを記憶する。
【0192】
[分割加工ログ送信処理のフローチャート]
次に、車両ログ送信要否判定部140による、分割加工ログを送信するか否かを決定する処理について説明する。
【0193】
図15は、本開示の実施の形態1における車両ログ送信要否判定部140の分割加工ログ送信処理のフローチャートを示す。
【0194】
(S1501)車両ログ送信要否判定部140は、車両ログ分割加工部120から分割番号ごとに分割加工ログを取得し、取得した分割加工ログを、分割加工ログ[i]とする。ここで、iは、分割番号を示し、1からNの整数をとり、Nは車両ログの分割数を示す。
【0195】
(S1502)車両ログ送信要否判定部140は、iを1とする。
【0196】
(S1503)車両ログ送信要否判定部140は、分割加工ログ[i]のハッシュ値を生成する。
【0197】
(S1504)車両ログ送信要否判定部140は、生成したハッシュ値が既存識別子保存部150の既存識別子リストの識別子(ハッシュ値)と一致するか否かを判定する。言い換えると、車両ログ送信要否判定部140は、生成したハッシュ値が既存識別子リストに存在するか否かを判定する。車両ログ送信要否判定部140は、生成したハッシュ値が既存識別子リストに存在する場合(YESの場合)に、ステップS1505の処理を実施し、生成したハッシュ値が既存識別子リストに存在しない場合(NOの場合)に、ステップS1507の処理を実施する。
【0198】
(S1505)車両ログ送信要否判定部140は、対象の分割加工ログ[i]を車両ログ解析サーバ20へ送信する必要がない第一の分割ログと判断する。
【0199】
(S1506)車両ログ送信要否判定部140は、対象の分割加工ログ[i]に対応するハッシュ値を生成し、生成したハッシュ値を車両ログ解析サーバ20へ送信するように車両側通信部170に通知する。
【0200】
(S1507)車両ログ送信要否判定部140は、対象の分割加工ログ[i]を車両ログ解析サーバ20へ送信する必要がある第二の分割ログと判断する。
【0201】
(S1508)車両ログ送信要否判定部140は、対象の分割加工ログ[i]を車両ログ解析サーバ20へ送信するように車両側通信部170に通知する。
【0202】
(S1509)車両ログ送信要否判定部140は、iがNか否かを判定し、iがNである場合(YESの場合)、処理を終了し、iがNでない場合(NOの場合)、ステップS1510の処理を実施する。
【0203】
(S1510)車両ログ送信要否判定部140は、iに1を加算する。ステップS1509およびステップS1510によって、車両ログの分割数分、ステップS1503からステップS1508での処理を行うことができる。
【0204】
[車両ログ復元処理のフローチャート]
次に、車両ログ復元部220による、受信した分割加工ログ(第二の分割ログ)またはハッシュ値(第一の分割ログに対応する識別子)を車両ログに復元する処理について説明する。
【0205】
図16は、本開示の実施の形態1における車両ログ復元部220の車両ログ復元処理のフローチャートを示す。車両ログ送信装置10から取得した分割加工ログを、分割加工ログ[i]とする。ここで、iは、分割番号を示し、1からNの整数をとり、Nは車両ログの分割数を示す。
【0206】
(S1601)車両ログ復元部220は、サーバ側通信部210からN個分の分割加工ログ[i]または分割加工ログ[i]のハッシュ値を取得する。
【0207】
(S1602)車両ログ復元部220は、iを1とする。
【0208】
(S1603)車両ログ復元部220は、取得したのはハッシュ値か否かを判定する。取得したものが、分割加工ログ[i]のハッシュ値である場合(YESの場合)、車両ログ復元部220は、ステップS1604の処理を実施する。取得したものが、分割加工ログ[i]のハッシュ値でない場合、すなわち、取得したものが分割加工ログ[i]の場合(NOの場合)、車両ログ復元部220は、ステップS1605の処理を実施する。
【0209】
(S1604)車両ログ復元部220は、分割加工ログ[i]のハッシュ値と一致する識別子を既存分割ログ保存部230の既存分割ログリストから見つけ、識別子に対応するファイルパスから既存分割ログ[i]を取得する。
【0210】
(S1605)車両ログ復元部220は、車両ログ分割加工ルール保存部240が記憶する車両ログ分割加工ルールの加工項目「時刻インデックス」の加工有無が「有効」であるか否かを判定する。車両ログ復元部220は、「有効」であると判断する場合(YESの場合)、ステップS1606の処理を実施し、「有効」でないと判断する場合(NOの場合)、ステップS1608の処理を実施する。
【0211】
(S1606)車両ログ復元部220は、分割加工ログ[i]または既存分割ログ[i]の時刻(時刻インデックス)が、車両ログ分割加工ルールの加工項目「時刻インデックス」の加工後の値が一致すれば、分割加工ログ[i]または既存分割ログ[i]の時刻を車両ログ分割加工ルールの加工項目「時刻インデックス」の加工前の値に置き換える。
【0212】
(S1607)車両ログ復元部220は、分割加工ログ[i]または既存分割ログ[i]を時刻の早い順番に並び替える。ステップS1606およびステップS1607によって、分割加工ログ[i]または既存分割ログ[i]は、車両ログ送信装置10の車両ログ分割加工部120による加工が行われる前の状態であって、IDを用いて分割された状態の分割ログ[i]に戻る。
【0213】
(S1608)車両ログ復元部220は、ステップS1606およびステップS1607での処理がなされた後の分割加工ログ[i]を分割ログ[i]として記憶する。
【0214】
(S1609)車両ログ復元部220は、iがNか否かを判定する。iがNである場合(YESの場合)、車両ログ復元部220はS1611の処理を実施し、iがNでない場合(NOの場合)、車両ログ復元部220はS1610の処理を実施する。
【0215】
(S1610)車両ログ復元部220は、iに1を加算する。ステップS1609およびステップS1610によって、車両ログの分割数分、ステップS1603からステップS1608での処理を行うことができる。
【0216】
(S1611)車両ログ復元部220は、N個の分割ログ[i]を、分割番号iが小さい順に結合し、時刻が早い順に並び替える。
【0217】
(S1612)車両ログ復元部220は、ステップS1611での処理がなされた後のN個の分割ログ[i]を車両ログとして記憶する。
【0218】
(他の実施の形態)
以上のように、本開示に係る技術の例示として実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示に係る技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適用可能である。例えば、以下のような変形例も本開示の一実施態様に含まれる。
【0219】
(1)上記実施の形態では、自動車等の車両に対するセキュリティ対策として説明したが、本開示の適用範囲はこれに限られない。本開示は、自動車に限らず、建機、農機、船舶、鉄道、飛行機などのモビリティにも適用してもよい。
【0220】
(2)上記の実施の形態では、車両ログ送信装置10は、車両内に設置されているとして説明したが、車両ログ送信装置10は、複数の車両ログを取りまとめて送信するエッジサーバであってもよいし、車両ログを収集しているクラウドサーバであってもよい。
【0221】
(3)上記の実施の形態では、車両ログ解析サーバ20は異常ログ検出部270と異常通知部280を備えると説明したが、異常ログ検出部270と異常通知部280は必須の構成要素ではない。車両ログ解析サーバ20が異常ログ検出部270と異常通知部280を備えない場合、例えば、収集した車両ログは人手によって解析され、攻撃の痕跡があった場合に異常として検出される。
【0222】
(4)上記の実施の形態では、車両ログは、ECUのシステム動作ログまたは、CAN、CAN-FD、Ethernet、FlexRayに従うネットワークログであるとして説明したが、ECUはIVI(In-Vehicle Infotaiment System)をであってもよいし、センサ装置であってもよいし、ネットワークはLINやMOSTであってもよいし、それぞれを組み合わせた構成であってもよい。
【0223】
(5)上記の実施の形態では、車両ログ送信装置10と車両ログ解析サーバ20は、車両ログ分割加工ルールを事前に共有すると説明したが、車両ログ分割加工ルールは車両ログ送信装置10が車両ログを送信する都度に更新されてもよいし、定期的に車両ログ解析サーバ20から更新されてもよい。この場合、既存分割ログ保存部230は、車両ログ送信装置10を搭載する車両の番号や、車種に応じて異なる車両ログ分割加工ルールを保持しても良い。
【0224】
(6)上記の実施の形態では、既存識別子保存部150は、既存識別子リストを事前に車両ログ送信装置10と車両ログ解析サーバ20の間で共有すると説明したが、車両ログ分割加工ルールは車両ログ送信装置10が車両ログを送信する都度に更新されてもよいし、定期的に車両ログ解析サーバ20から更新されてもよい。
【0225】
(7)上記の実施の形態では、車両側通信部170は、分割加工ログまたは分割加工ログのハッシュ値を送信すると説明したが、LHAやZIP、7z、RAR、AFA、CAB、GCA、DGCA、StuffIt、Compact Pro、pack、compress、bzip、bzip2、Zstandardなど圧縮アルゴリズムを用いて圧縮したデータを送信してもよい。
【0226】
(8)上記の実施の形態では、車両ログ送信要否判定部140は、車両ログ送信装置10に保存されている既存識別子リストを参照して、分割ログを送信する必要があるかないかを判断するとして説明したが、既存識別子リストは車両ログ解析サーバ20に保存されてもよい。この場合、車両ログ送信要否判定部140は、分割加工ログの識別子を車両ログ解析サーバ20へ送信し、車両ログ解析サーバ20が保持する既存分割ログの識別子のうち、いずれか一つの既存分割ログの識別子と一致した場合に、分割加工ログを送信不要であるとして車両ログ送信要否判定部140に応答し、車両ログ送信要否判定部140は分割加工ログの識別子を送信し、既存分割ログの識別子と一致しない場合に、分割加工ログを送信必要であるとして車両ログ送信要否判定部140に応答し、車両ログ送信要否判定部140は分割加工ログを送信する。また、車両ログ解析サーバ20は複数車両の既存ログリストを車両の種別ごとに保持してもよい。これにより、分割加工ログと既存分割ログが一致する可能性をより高くできる。
【0227】
(9)上記の実施の形態では、分割加工ログの識別子として、ハッシュ値を用いると説明したが、複数のハッシュ関数を用いて複数のハッシュ値の組み合わせを識別子としてもよいし、ハッシュ値とデータサイズの組を識別子としてもよい。これにより、異なるログの1つのハッシュ値が一致する場合であっても、識別子とログを対応づけることができる。
【0228】
(10)上記の実施の形態では、分割加工ログが既存識別子リストと一致しない場合であっても、時刻情報を時刻インデックス情報に置き換え、ソートし、データ置換を実施すると説明したが、必ずしも実施する必要はない。
【0229】
(11)上記の実施の形態では、分割加工ログは、時刻または時刻インデックスを含み、データは所定値に置換すると説明したが、異常ログ検出部270が異常なログを検出するために必要な情報に限定してもよい。例えば、異常ログ検出部270が、特定のデータ領域の値が所定値以上の場合に異常として検出する場合、時刻情報や詳細なデータは不要であり、時刻情報を削除またはデータを丸めるなどの処理を分割加工ログに施してもよい。また、異常ログ検出部270が機械学習を用いて、異常を検出する場合、機械学習で用いる時系列の差分情報などの特徴量を分割加工ログのデータとしてもよい。
【0230】
(12)上記の実施の形態では、異常通知部280は、異常を車両ログ解析サーバ20の利用者またはドライバーへ通知するとして説明したが、通知先は、警察でもよいし、交通省でもよいし、脆弱性情報の共有機関でもよい。
【0231】
(13)上記の実施の形態では、車両ログ分割加工ルールは、車両ログ分割加工部120が車両ログから分割加工ログを生成する際に作成され、車両ログ送信装置10と車両ログ解析サーバ20の間で共有すると説明したが、車両ログ分割加工ルールの加工項目が「分割」、「ソート(昇順)」または、「データ置換」である行において、「加工有無」と「加工前の値」と「加工後の値」は分割加工ログ生成時ではなく、事前に共有されてもよい。ただし、加工項目が「時刻インデックス」である「加工前の値」と「加工後の値」は、事前に共有できないため、車両ログ分割加工部120が分割加工ログを生成する際に作成し、動的に車両ログ解析サーバ20へ共有される必要がある。
【0232】
(14)上記実施の形態における各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしても良い。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等を含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記録されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。また、上記各装置を構成する構成要素の各部は、個別に1チップ化されていても良いし、一部または全部を含むように1チップ化されても良い。また、ここでは、システムLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。更には、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適用等が可能性としてあり得る。
【0233】
(15)上記各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしても良い。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等から構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0234】
(16)また、本開示は、車両ログ送信装置10、車両ログ解析サーバ20および車両ログ解析システム100として実現できるだけでなく、車両ログ解析システム100を構成する各要素が行う処理のステップを含む車両ログ送受信方法として実現できる。
【0235】
具体的には、車両ログ送信装置10による車両ログ送信方法と車両ログ解析サーバ20による車両ログ受信方法とから構成され、データの種類を示すIDがそれぞれ対応付けられている複数のデータを含む車両ログを車両ログ送信装置10から車両ログ解析サーバ20へ送信する車両ログ送受信方法であって、車両ログ送信装置10は、車両ログ送信装置10と車両ログ解析サーバ20との間で共有されている既存の車両ログを当該既存の車両ログに含まれるIDを用いて分割することで生成された既存分割ログに対応する識別子のリストである既存識別子リストを記憶する既存識別子保存部150を備え、車両ログ解析サーバ20は、既存分割ログと、既存分割ログに対応する識別子とのリストである既存分割ログリストを記憶する既存分割ログ保存部230を備え、車両ログ送信方法は、図11に示されるように、車両ログを取得する車両ログ取得ステップ(ステップS1101)と、取得された車両ログを当該車両ログに含まれるIDを用いて分割することで、1以上の分割ログを生成する車両ログ分割加工ステップ(ステップS1102)と、1以上の分割ログのそれぞれに対して識別子を生成し、生成した識別子のうち、既存識別子リストに存在する識別子に対応する分割ログを第一の分割ログと判断し、既存識別子リストに存在しない識別子に対応する分割ログを第二の分割ログと判断する車両ログ送信要否判定ステップ(ステップS1104、S1105、S1107)と、第一の分割ログに対応する識別子を車両ログ解析サーバへ送信し、前記第二の分割ログを前記車両ログ解析サーバへ送信する車両側通信ステップ(ステップS1110、S1111)と、を含み、車両ログ受信方法は、図12に示されるように、車両側通信ステップにて送信された第一の分割ログに対応する識別子と第二の分割ログとを受信するサーバ側通信ステップ(ステップS1201、S1203)と、第一の分割ログに対応する識別子を受信した場合に既存分割ログリストを参照して既存分割ログリストにおいて当該識別子に対応する既存分割ログを取得し、第二の分割ログと既存分割ログとを結合して車両ログを復元する車両ログ復元ステップ(ステップS1202、S1204、S1206)と、復元された車両ログを記憶する車両ログ保存ステップ(ステップS1206)と、を含む。
【0236】
(17)本開示の一態様としては、車両ログ送受信方法をコンピュータにより実現するプログラム(コンピュータプログラム)であるとしても良いし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。また、本開示の一態様としては、コンピュータプログラムまたはデジタル信号をコンピュータで読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blue―ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ等に記録したものとしても良い。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしても良い。また、本開示の一態様としては、コンピュータプログラムまたはデジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。また、本開示の一態様としては、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、メモリは、上記コンピュータプログラムを記録しており、マイクロプロセッサは、コンピュータプログラムに従って動作するとしても良い。また、プログラム若しくはデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、または、プログラム若しくはデジタル信号を、ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0237】
(18)上記実施の形態および上記変形例で示した各構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0238】
本開示の車載ネットワークシステムにおける車両ログ解析システムによれば、車両と車両の外部のサーバの間で送信される車両ログのデータ量を削減することができる。その結果、大量の車両ネットワークログの通信が可能な資源を準備せずとも、車両ネットワークログを外部のサーバへ送信することができ、車両の外部サーバを用いて車両のネットワークへの不正なデータの侵入を検出することができ、自動車の安全性に貢献できる。
【符号の説明】
【0239】
10 車両ログ送信装置
20 車両ログ解析サーバ
30a、30b、30c ECU
40a センサ
40b エンジン
40c ステアリング
50 外部ネットワーク
60 車両ネットワーク
100 車両ログ解析システム
110 車両ログ取得部
120 車両ログ分割加工部
130、240 車両ログ分割加工ルール保存部
140 車両ログ送信要否判定部
150 既存識別子保存部
160 既存識別子登録部
170 車両側通信部
200 車両
210 サーバ側通信部
220 車両ログ復元部
230 既存分割ログ保存部
250 車両ログ保存部
260 既存分割ログ登録部
270 異常ログ検出部
280 異常通知部
300 車両システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16