(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】澱粉系降温材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20230501BHJP
C08L 3/02 20060101ALI20230501BHJP
C08L 67/04 20060101ALI20230501BHJP
C08K 5/053 20060101ALI20230501BHJP
C08L 101/16 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
A24D1/20
C08L3/02
C08L67/04
C08K5/053
C08L101/16
(21)【出願番号】P 2020573428
(86)(22)【出願日】2019-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2019095703
(87)【国際公開番号】W WO2020258388
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-01-06
(31)【優先権主張番号】201910569047.2
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520510416
【氏名又は名称】チャイナ・タバコ・カントン・インダストリアル・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHINA TOBACCO GUANGDONG INDUSTRIAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】8-16F, No.186, Linhexiheng Road, Tianhe District Guangzhou, Guangdong 510500 China
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】フー チン
(72)【発明者】
【氏名】リウ イーポー
(72)【発明者】
【氏名】リー フォン
(72)【発明者】
【氏名】ツォン チェン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ ルイフォン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ホーチョウ
(72)【発明者】
【氏名】チェン トンコー
(72)【発明者】
【氏名】リウ シー
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0036366(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0137879(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102948924(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109393558(CN,A)
【文献】特表2016-518856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/20、3/17
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉系降温材料が、澱粉
8.0~9.0部、相変化材料
0.5~1.0部、ポリオール
0.5~1.0部を用いて製造され
、
前記相変化材料は、分子量15000~100000のポリ乳酸である、ことを特徴とする澱粉系降温材料の製造方法。
【請求項2】
前記澱粉の粒子径が10μm~200μmである、ことを特徴とする請求項1に記載の澱粉系降温材料の製造方法。
【請求項3】
前記澱粉の粒子径が10μm~100μmである、ことを特徴とする請求項
2に記載の澱粉系降温材料の製造方法。
【請求項4】
前記澱粉の粒子径が20μm~80μmであり、ポリ乳酸の分子量が20000~80000である、ことを特徴とする請求項
1に記載の澱粉系降温材料の製造方法。
【請求項5】
前記ポリオールはプロピレングリコール及び/又はグリセロールである、ことを特徴とする請求項1に記載の澱粉系降温材料の製造方法。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか1項に記載の製造方法で製造された澱粉系降温材料を用いる、ことを特徴とする加熱非燃焼式巻きタバコのフィルタロッドの製造方法。
【請求項7】
請求項1~
5のいずれかに記載の製造方法で製造された澱粉系降温材料を用いて製造された澱粉製マルチチャンネルユニットを備える、ことを特徴とする加熱非燃焼巻きタバコのフィルタロッドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱非燃焼式巻きタバコ用の降温材料の技術分野に関し、より具体的には、澱粉系降温材料及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱非燃焼式巻きタバコでは、巻きタバコの加熱温度が通常500℃以下であり、香味成分に大きな影響を与えずに煙中の複数種の有害成分を大幅に低下させることができ、さらに、一部の香味成分が熱分解の減少により増加することもあり、ニコチンや多数の香味成分が低温(250~500℃)でタバコから放出されて煙に移される。加熱非燃焼式巻きタバコはタバコマトリックスと加熱部分とを別々にしたものであるので、現在、主流となる加熱方式は電気加熱であり、電気加熱はタバコの点火によるリスクを回避できるが、喫煙するときの煙の温度が高いという問題が存在し、特に、現在の加熱非燃焼式巻きタバコの本体のほとんどの長さが短く、煙降温の時間や距離に限りがあるので、煙の温度が高く、熱による刺激感が強く、したがって、降温効果の高い加熱非燃焼式巻きタバコ用の降温材料の開発も加熱非燃焼式巻きタバコの研究の重点となっている。
【0003】
現在、ポリ乳酸PLA薄膜を煙降温材料として用いるシガレットがあり、ポリ乳酸薄膜は降温効果を有するものの、加熱されると収縮しやすく、また、他の多数の相変化材料も加熱非燃焼式巻きタバコの降温分野に適用されており、このような相変化材料は、巻きタバコのフィルタロッドに添加されると、巻きタバコの煙温度を効果的に低下できる反面、煙を遮断して、喫煙エクスペリエンスを損なうという欠陥がある。従来技術のCN109393558Aでは、PLA降温フィルタロッド及びその製造方法が開示されており、該降温フィルタロッドは、直接貫通式トレンチとタバコ用PLA糸条とからなるろ過段を通じて降温効果を果たすものであり、ただし、このようなデザインでは、降温効果は主に直接貫通式トレンチによって外界への散熱効率を高めることで達成させ、降温材料自体の降温効果の向上については改善していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、降温効果の向上、ろ過の低減を実現できないという従来の加熱非燃焼式巻きタバコ用の降温材料の欠陥及び不備を解決し、澱粉系降温材料及びその応用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記目的は以下の技術案によって達成される。
【0006】
澱粉系降温材料であって、澱粉5.0~15.0部、相変化材料0.2~5.0部、ポリオール0.3~3.0部を用いて製造される。
【0007】
本発明の澱粉系降温材料を製造する原料がすべて完全生分解性材料であるので、環境保全の価値が高い。水で濡れて膨張すると、澱粉自体は粘着性を持ち、相変化材料は熱を吸収して貯蔵する効果、気流温度を低下させる効果を示し、それによって、より良好な粘着性を材料に付与し、スクリューを用いた押出成形を容易にし、ポリオールを添加することにより、材料を軟化し、流動性を高め、また、ツインスクリューを用いた押出延伸プロセスによる成形を容易にし、構造の安定性及び降温効果の向上に有利である。
【0008】
本発明の澱粉系降温材料を、澱粉製マルチチャンネル気流ユニットに製造する場合、押出延伸プロセスによって製造することができ、具体的には、方法は以下のとおりである。
一)材料溶融及び混合
1)ポリ乳酸を加熱して溶融し、具体的には、4つの温度領域で温度を制御し、領域1-領域2では溶融するまで高速で昇温し、それにより、過程における分子構造の破壊を減らし、領域2-領域3では、低速で昇温し、分解することなく十分に溶融し、領域3-領域4では、溶融物の状態を安定化させる。
2)澱粉の添加:温度制御領域3で澱粉を加えて、十分に混合する。
3)ポリオールの添加:温度制御領域4でポリオールを添加する。
二)押し出し:ツインスクリュー押出
三)真空定型
四)冷却定型
五)牽引
六)切断:所定の長さにする。
【0009】
好ましくは、前記澱粉系降温材料は、澱粉8.0~9.0部、相変化材料0.5~1.0部、ポリオール0.5~1.0部を用いて製造される。
【0010】
たとえば澱粉8.0部、相変化材料0.8部、ポリオール0.8部、又は澱粉9.0部、相変化材料0.8部、ポリオール0.8部、又は澱粉9.0部、相変化材料0.6部、ポリオール0.6部、又は澱粉8.0部、相変化材料0.6部、ポリオール0.6部である。
【0011】
より好ましくは、前記澱粉系降温材料は、澱粉8.0部、相変化材料0.8~0.6部、ポリオール0.6~0.8部を用いて製造される。
【0012】
好ましくは、前記澱粉の粒子径が10μm~200μmである。
【0013】
好ましくは、前記澱粉の粒子径が10μm~100μmである。
【0014】
本発明の澱粉は、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、紫サツマイモ澱粉、リリー澱粉のうちの1種又は複数種であってもよい。
【0015】
好ましくは、前記相変化材料は、分子量10000~200000のポリ乳酸である。
【0016】
より好ましくは、前記ポリ乳酸の分子量が15000~100000である。
【0017】
材料の成形性及び降温効果を向上させるために、より好ましくは、前記澱粉の粒子径が20μm~80μm、ポリ乳酸の分子量が20000~80000である。
【0018】
たとえば、澱粉の粒子径が20μm、ポリ乳酸の分子量が50000であり、又は澱粉の粒子径が80μm、ポリ乳酸の分子量が30000であり、又は澱粉の粒子径が30μm、ポリ乳酸の分子量が30000であり、又は澱粉の粒子径が30μm、ポリ乳酸の分子量が50000である。
【0019】
さらに好ましくは、前記澱粉の粒子径が30μm、ポリ乳酸の分子量が50000である。
【0020】
好ましくは、前記ポリオールはプロピレングリコール及び/又はグリセロールである。
【0021】
加熱非燃焼式巻きタバコのフィルタロッドの製造における澱粉系降温材料の応用も本発明の特許範囲に含まれる。
【0022】
具体的な応用方式は、以下のようにしてもよい。23mmの澱粉製チューブ+7mmのアセテート繊維を1つの基本ユニットとして組み合わせ、1つの基本ユニットを加熱非燃焼式巻きタバコにスモックろ過段として適用し、ここで、アセテート繊維段は煙下流端(唇端)、澱粉製チューブは煙上流端に位置し、澱粉製チューブの両端の温度差が70~120℃であり、これは、澱粉製チューブユニットには高い降温作用を備えることを示す。
【0023】
本発明の澱粉系降温材料は、高速で降温し得るという高い降温効果を有し、煙の温度を70~120℃と低下できるだけでなく、基材の製造原料がすべて生分解性のものであり、環境にやさしく、この澱粉系降温材料は、加熱非燃焼式巻きタバコのフィルタロッドに適用されると、加熱非燃焼式巻きタバコの煙の温度が高く、熱による刺激感が強いという問題を効果的に緩和し、加熱非燃焼式巻きタバコ製品の喫煙時の快適さをさらに向上させ、そして香味物質を維持する。
【0024】
本発明は、上記澱粉系降温材料を用いて製造される澱粉製マルチチャンネルユニットを備える加熱燃焼巻きタバコのフィルタロッドをも保護する。
【発明の効果】
【0025】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0026】
(1)本発明の澱粉系降温材料は、澱粉、相変化材料及びポリオールの3つを配合して製造されるものであり、相変化材料は熱を吸収して貯蔵する効果を有するので、煙気流の温度を大幅に低下させ、温度を高速で大幅に下げる効果を果たし、降温効果が70~120℃に達し、加工成形が容易になり、しかも、巻きタバコ煙中の香り成分などの遮断を効果的に低減させる。
【0027】
(2)本発明の澱粉系降温材料を製造する原料がすべて生分解性材料であり、製造された加熱非燃焼式用巻きタバコのフィルタロッドは、使用後分解可能であるので、環境にやさしく、加熱非燃焼式巻きタバコ製品の製造分野に幅広く適用できる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、具体的な実施形態を参照しながら本発明をさらに説明するが、実施例は本発明を何ら限定するものではない。別に断らない限り、本発明の実施例で使用される原料試薬は一般的に購入できる原料試薬である。
【0029】
実施例1
澱粉5.0部、相変化材料0.2部、ポリオール0.3部を用いて製造される澱粉系降温材料であって、澱粉はコーンスターチであり、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリオールはグリセロールである。
製造プロセスは、具体的には、以下のとおりである。
一)材料溶融及び混合
1)ポリ乳酸を加熱して溶融し、具体的には、4つの温度領域で温度を制御し、領域1-領域2では溶融するまで高速で昇温し、それにより、過程における分子構造の破壊を減らし、領域2-領域3では、低速で昇温し、分解することなく十分に溶融し、領域3-領域4では、溶融物の状態を安定化させた。
2)澱粉の添加:温度制御領域3で澱粉を加えて、十分に混合した。
3)ポリオールの添加:温度制御領域4でポリオールを添加した。
二)押し出し:ツインスクリュー押出
三)真空定型
四)冷却定型
五)牽引
六)切断:所定の長さにした。
【0030】
実施例2
澱粉15.0部、相変化材料5.0部、ポリオール3.0部を用いて製造される澱粉系降温材料であって、澱粉はジャガイモ澱粉であり、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリオールはグリセロールである。
製造プロセスは、具体的には、以下のとおりである。
一)材料溶融及び混合
1)ポリ乳酸を加熱して溶融し、具体的には、4つの温度領域で温度を制御し、領域1-領域2では溶融するまで高速で昇温し、それにより、過程における分子構造の破壊を減らし、領域2-領域3では、低速で昇温し、分解することなく十分に溶融し、領域3-領域4では、溶融物の状態を安定化させた。
2)澱粉の添加:温度制御領域3で澱粉を加えて、十分に混合した。
3)ポリオールの添加:温度制御領域4でポリオールを添加した。
二)押し出し:ツインスクリュー押出
三)真空定型
四)冷却定型
五)牽引
六)切断:所定の長さにした。
【0031】
実施例3
澱粉7.0部、相変化材料3.0部、ポリオール2.0部を用いて製造される澱粉系降温材料であって、澱粉はジャガイモ澱粉であり、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリオールはグリセロールである。
製造プロセスは、具体的には、以下のとおりである。
一)材料溶融及び混合
1)ポリ乳酸を加熱して溶融し、具体的には、4つの温度領域で温度を制御し、領域1-領域2では溶融するまで高速で昇温し、それにより、過程における分子構造の破壊を減らし、領域2-領域3では、低速で昇温し、分解することなく十分に溶融し、領域3-領域4では、溶融物の状態を安定化させた。
2)澱粉の添加:温度制御領域3で澱粉を加えて、十分に混合した。
3)ポリオールの添加:温度制御領域4でポリオールを添加した。
二)押し出し:ツインスクリュー押出
三)真空定型
四)冷却定型
五)牽引
六)切断:所定の長さにした。
【0032】
実施例4
澱粉8.0部、相変化材料1.0部、ポリオール1.0部を用いて製造される澱粉系降温材料であって、澱粉はジャガイモ澱粉であり、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリオールはグリセロールであり、澱粉の粒子径は10μmであり、ポリ乳酸の分子量は15000である。
【0033】
実施例5
澱粉8.0部、相変化材料1.0部、ポリオール0.8部を用いて製造される澱粉系降温材料であって、澱粉はジャガイモ澱粉であり、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリオールはグリセロールであり、澱粉の粒子径は100μmであり、ポリ乳酸の分子量は200000である。
【0034】
実施例6
澱粉8.0部、相変化材料0.8部、ポリオール0.8部を用いて製造される澱粉系降温材料であって、澱粉はジャガイモ澱粉であり、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリオールはグリセロールであり、澱粉の粒子径は20μm、ポリ乳酸の分子量は50000である。
【0035】
実施例7
澱粉9.0部、相変化材料0.8部、ポリオール0.8部を用いて製造される澱粉系降温材料であって、澱粉はジャガイモ澱粉であり、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリオールはグリセロールであり、澱粉の粒子径は80μmであり、ポリ乳酸の分子量は30000である。
【0036】
実施例8
澱粉9.0部、相変化材料0.6部、ポリオール0.6部を用いて製造される澱粉系降温材料であって、澱粉はジャガイモ澱粉であり、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリオールはグリセロールであり、澱粉の粒子径は30μmであり、ポリ乳酸の分子量は30000である。
【0037】
実施例9
澱粉8.0部、相変化材料0.8部、ポリオール0.8部を用いて製造される澱粉系降温材料であって、澱粉はジャガイモ澱粉であり、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリオールはグリセロールであり、澱粉の粒子径は30μmであり、ポリ乳酸の分子量は50000である。
【0038】
実施例10
澱粉8.0部、相変化材料0.6部、ポリオール0.6部を用いて製造される澱粉系降温材料であって、澱粉はジャガイモ澱粉であり、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリオールはグリセロールであり、澱粉の粒子径は30μmであり、ポリ乳酸の分子量は50000である。
【0039】
比較例1
澱粉20部、相変化材料6部、ポリオール5部を用いて製造される澱粉系降温材料であって、澱粉はジャガイモ澱粉であり、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリオールはグリセロールであり、澱粉の粒子径は30μmであり、ポリ乳酸の分子量は50000である。
【0040】
比較例2
澱粉4部、相変化材料0.1部、ポリオール0.2部を用いて製造される澱粉系降温材料であって、澱粉はジャガイモ澱粉であり、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリオールはグリセロールであり、澱粉の粒子径は30μmであり、ポリ乳酸の分子量は50000である。
【0041】
比較例3
澱粉8.0部、相変化材料0.5部、ポリオール4.0部を用いて製造される澱粉系降温材料であって、澱粉はジャガイモ澱粉であり、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリオールはグリセロールであり、澱粉の粒子径は30μmであり、ポリ乳酸の分子量は50000である。
【0042】
比較例4
澱粉8.0部、相変化材料0.5部、ポリオール0.1部を用いて製造される澱粉系降温材料であって、澱粉はジャガイモ澱粉であり、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリオールはグリセロールであり、澱粉の粒子径は30μmであり、ポリ乳酸の分子量は50000である。
【0043】
比較例5
相変化降温材料であって、相変化材料はポリ乳酸であり、ポリ乳酸の分子量は50000である。
【0044】
結果の検出
(1)降温効果の検出
上記実施例1~10及び比較例1~4で製造された澱粉系降温材料を用いて、降温材料段とアセテート繊維段を備える加熱非燃焼式巻きタバコのフィルタロッドを製造し、このフィルタロッドを加熱非燃焼式巻きタバコに適用し、降温材料の両端の温度を検出し、関連する温度差の値を記録して降温効果とし、ここで、降温材料段の長さが23mm、アセテート繊維段の長さが7mmである。スモックの量について減量法によりテストし、ISO基準喫煙方法によって行い、つまり35ml/2s/30sとした。各タバコを7パフ吸った後、喫煙前後の品質の差を計算し、3本のタバコを吸って平均値としてスモック量の値を得て、各実施例のテスト結果を比較例5の結果で割って、煙量の相対値を得た。
検出結果を表1に示す。
【0045】
【0046】
上記表1のデータから分かるように、本発明の澱粉系降温材料のすべては、降温効果が70℃以上であり、優れた降温効果を示し、比較例から分かるように、ポリ乳酸材料単独では68℃程度の降温しか達成できず、本発明に記載の高い降温効果を実現できず、本発明の各成分の特許範囲外の他の具体的な形態も本発明の降温値に達することができず、このことから、本発明の技術案は顕著な有益な効果を有することが分かった。
【0047】
(2)喫煙の官能評価
検出
結果
検出結果を表2に示す。
表2
【0048】
上記表2のデータから分かるように、本発明の澱粉系降温材料のすべては、喫煙の官能評価が8.0以上であり、巻きタバコの煙中の香り成分などの遮断を効果的に低減させ、喫煙するときの煙中の香り物質の含有量を確保し、喫煙の官能品質を向上させることができた。比較例から分かるように、ポリ乳酸材料単独では、喫煙スコアは7.5しかなく、本発明の効果を達成できず、本発明の各成分の特許範囲外の他の具体的な形態も本発明の喫煙官能スコアの値に達することができず、このことから、本発明の技術案は顕著な有益な効果を有することが分かった。
【0049】
もちろん、本発明の上記実施例は、本発明を明確に説明するための例示に過ぎず、本発明の実施形態を限定するものではない。当業者であれば、上記説明に基づいて他のさまざまな形態の変化又は変更を行うことができる。ここですべての実施形態を挙げることが必要ではなく、また不可能なことである。本発明の精神及び原則を逸脱することなく行われるすべての修正、等同置換や改良などは、本発明の特許請求の範囲の特許範囲に含まれるものとする。