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特許7272793バスバー、モーター、およびこれを含む動力伝達システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】バスバー、モーター、およびこれを含む動力伝達システム
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/50 20060101AFI20230502BHJP
   H02K 3/04 20060101ALI20230502BHJP
   H02K 3/18 20060101ALI20230502BHJP
   H02K 3/52 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
H02K3/50 Z
H02K3/04 J
H02K3/18 J
H02K3/52 E
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018522910
(86)(22)【出願日】2016-11-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-12-13
(86)【国際出願番号】 KR2016012644
(87)【国際公開番号】W WO2017078455
(87)【国際公開日】2017-05-11
【審査請求日】2019-10-30
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】10-2015-0155177
(32)【優先日】2015-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】コン,ボンペ
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】田合 弘幸
【審判官】長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-239772(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0076944(US,A1)
【文献】特開2007-267525(JP,A)
【文献】特開2014-30328(JP,A)
【文献】国際公開第2017/073092(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/00-11/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁本体;
前記絶縁本体に配置される複数個の中性ターミナル;および
前記絶縁本体に配置される複数個の第1駆動ターミナル、複数の第2駆動ターミナル、および複数の第3駆動ターミナルを含み、
前記複数個の中性ターミナル、第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルはそれぞれ電気的に絶縁され、
前記複数個の第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルの形状は同じであり、
前記複数個の第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナルおよび第3駆動ターミナルの一端部を連結した第1仮想円の直径は前記複数個の第1、第2および第3駆動ターミナルの他端部を連結した第2仮想円の直径より小さく、前記第1仮想円と前記第2仮想円の中心は同じであり、
前記複数個の第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルは
前記一端部と他端部を有する本体部、
前記本体部の一端部に配置された、コイルと電気的に連結されうる第1接続部、および
前記本体部の他端部に配置された、コイルと電気的に連結されうる第2接続部を含み、
前記第1接続部と前記第2接続部は前記第2仮想円の外側に突出し、
前記第2仮想円の中心を通る仮想線を基準に前記複数の第1接続部は一側に配置され、前記複数の第2接続部は他側に配置され、
前記複数個の第1駆動ターミナル、前記第2駆動ターミナル、および前記第3駆動ターミナルは、同一平面上に配置される、
バスバー。
【請求項2】
前記第1接続部と前記本体部との間に配置された延長部を含み、
前記延長部は、軸方向に突出した第1折り曲げ部と前記第1折り曲げ部から軸方向と垂直な方向に延びた第2折り曲げ部を含む
請求項1に記載のバスバー。
【請求項3】
前記複数個の中性ターミナルは、同じ形状であり、
前記本体部は、短冊状である、請求項1に記載のバスバー。
【請求項4】
前記複数個の第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、第3駆動ターミナルは、一端部と他端部の曲率半径が互いに異なる、請求項1に記載のバスバー。
【請求項5】
前記複数個の第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、第3駆動ターミナルは、一端部から他端部に行くほど曲率が変化する、請求項4に記載のバスバー。
【請求項6】
前記複数個の第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルは、
前記本体部から軸方向に突出する端子部をさらに含む、請求項1に記載のバスバー。
【請求項7】
前記絶縁本体は中央に形成された第1ホールを含み、
前記第1ホールの直径は前記第1仮想円の直径より小さく、
前記第1ホール、第1仮想円、および第2仮想円の中心は同じである、請求項1に記載のバスバー。
【請求項8】
第1コイル群、および第2コイル群を含むステーター部;および
前記第1コイル群に電気的に連結されて第1回路を構成する第1ターミナル集合体、前記第2コイル群に電気的に連結されて第2回路を構成する第2ターミナル集合体、および前記第1、第2ターミナル集合体を固定する絶縁本体を含むバスバーを含み、
前記第1ターミナル集合体および第2ターミナル集合体は、少なくとも一つ以上の第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルをそれぞれ含み、
前記第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルの形状は同じであり、
前記第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナルおよび第3駆動ターミナルの一端部を連結した第1仮想円の直径は前記第1、第2および第3駆動ターミナルの他端部を連結した第2仮想円の直径より小さく、
前記第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルは
前記一端部と他端部を有する本体部、
前記本体部の一端部に配置された、コイルと電気的に連結された第1接続部、および
前記本体部の他端部に配置された、コイルと電気的に連結された第2接続部を含み、
前記第1接続部と前記第2接続部は前記第2仮想円の外側に突出し、
前記第2仮想円の中心を通る仮想線を基準に前記複数の第1接続部は一側に配置され、前記複数の第2接続部は他側に配置され、
前記複数個の第1駆動ターミナル、前記第2駆動ターミナル、および前記第3駆動ターミナルは、同一平面上に配置される、
モーター。
【請求項9】
前記第1接続部と前記本体部との間に配置された延長部を含み、
前記延長部は、軸方向に突出した第1折り曲げ部と前記第1折り曲げ部から軸方向と垂直な方向に延びた第2折り曲げ部を含む請求項8に記載のモーター。
【請求項10】
第1回路と第2回路を含むモーター;
前記第1回路に電気的に連結される第1駆動ユニット、および前記第2回路に電気的に連結される第2駆動ユニット;
前記第1駆動ユニットと前記第2駆動ユニットを制御するコントロールユニット;および
第1ターミナル集合と第2ターミナル集合体を固定する絶縁本体を含むバスバーを含み、
前記第1回路は第1コイル群および前記第1コイル群を電気的に連結する前記第1ターミナル集合体を含み、
第2回路は第2コイル群および前記第2コイル群を電気的に連結する前記第2ターミナル集合体を含み、
前記第1ターミナル集合体と第2ターミナル集合体はそれぞれ少なくとも一つの第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルを含み、
前記第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルの形状は同じであり、
前記第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナルおよび第3駆動ターミナルの一端部を連結した第1仮想円の直径は前記第1、第2および第3駆動ターミナルの他端部を連結した第2仮想円の直径より小さく、
前記第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルは
前記一端部と他端部を有する本体部、
前記本体部の一端部に配置された、コイルと電気的に連結された第1接続部、
前記本体部の他端部に配置された、コイルと電気的に連結された第2接続部、及び、
前記第1接続部と前記本体部との間に配置された延長部を含み、
前記第1接続部と前記第2接続部は前記第2仮想円の外側に突出し、
前記第2仮想円の中心を通る仮想線を基準に前記複数の第1接続部は一側に配置され、前記複数の第2接続部は他側に配置され、
前記複数個の第1駆動ターミナル、前記第2駆動ターミナル、および前記第3駆動ターミナルは、同一平面上に配置される、
動力伝達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例はバスバー、モーター、およびこれを含む動力伝達システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電動式動力操向装置(Electronic Power Steering System、EPS)は車両の操向安定性を保障するための装置であって、モーターを利用して運転者が操向する方向に動力を提供することによってハンドリングが軽くなるようにするものである。
【0003】
このような電動式動力操向装置は、既存の油圧式操向補助装置(Hydraulic Power Steering、HPS)とは異なり、走行条件に応じてモーターの動作を制御して操舵性能と操舵感を向上させることができる。
【0004】
具体的には、電動式動力操向装置(EPS)は、電子制御ユニット(Electronic Control Unit、ECU)が車速センサ、トルクアングルセンサおよびトルクセンサなどで感知した走行条件に応じてモーターを駆動するようにインバータを制御する。したがって、旋回安定性を保障し、迅速な復原力を提供することによって運転者にとって安全な走行を可能とする。
【0005】
最近では自動車分野において安定に対する要求事項が増加している。したがって、電動式動力操向装置の一部構成(電子制御ユニットまたはインバータ)が作動不能状態である場合にも車両の安定性を維持できる技術が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施例は複数個の三相回路を具現できるバスバーを提供する。
【0007】
また、独立して制御される複数個の三相回路を有するモーターを提供する。
【0008】
また、複数個のインバータがモーターを制御する動力伝達システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例に係るバスバーは、絶縁本体;前記絶縁本体に配置される複数個の中性ターミナル;および前記絶縁本体に配置される複数個の第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルを含み、前記複数個の中性ターミナル、第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルはそれぞれ電気的に絶縁され、前記複数個の第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルの形状は同じであり得る。
【0010】
前記絶縁本体は前記複数個の第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、第3駆動ターミナルが配置される挿入溝を含むことができる。
【0011】
前記複数個の中性ターミナルは同じ形状であり得る。
【0012】
前記複数個の第1駆動ターミナル、前記第2駆動ターミナル、および前記第3駆動ターミナルは同一平面上に配置され得る。
【0013】
前記複数個の第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、第3駆動ターミナルは一端部と他端部の曲率半径が互いに異なり得る。
【0014】
前記複数個の第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、第3駆動ターミナルは一端部から他端部に行くほど曲率が変化し得る。
【0015】
前記複数個の第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルは、本体部;前記本体部に連結された接続部;および前記本体部から軸方向に突出する端子部を含むことができる。
【0016】
前記接続部は前記本体部の一端部に連結された第1接続部、および前記本体部の他端部に連結された第2接続部を含むことができる。
【0017】
前記接続部と本体部との間に配置された延長部を含み、前記延長部は軸方向と垂直な方向に延び、前記第1接続部と連結された延長部の長さは前記第2接続部に連結された延長部の長さと異なり得る。
【0018】
前記第1接続部と連結された延長部の長さは前記第2接続部に連結された延長部の長さより長く形成され得る。
【0019】
前記本体部は一端部から他端部に行くほど曲率が変化し得る。
【0020】
本発明の他の実施例に係るバスバーは、絶縁本体;および前記絶縁本体に配置される複数個の第1、第2、および第3駆動ターミナルを含み、前記複数個の第1、第2、および第3駆動ターミナルの一端を連結した第1仮想円の直径は前記複数個の第1、第2、および第3駆動ターミナルの他端を連結した第2仮想円の直径より小さくてもよい。
【0021】
前記絶縁本体は中央に形成された第1ホールを含み、前記第1ホールの直径は前記第1仮想円の直径より小さくてもよい。
【0022】
前記第1ホール、第1仮想円、および第2仮想円の中心は同じであり得る。
【0023】
本発明の一実施例に係るモーターは、第1コイル群、および第2コイル群を含むステーター部;および前記第1コイル群に電気的に連結されて第1回路を構成する第1ターミナル集合体、前記第2コイル群に電気的に連結されて第2回路を構成する第2ターミナル集合体、および前記第1、第2ターミナル集合体を固定する絶縁本体を含むバスバーを含み、前記第1ターミナル集合体および第2ターミナル集合体は、少なくとも一つ以上の第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルをそれぞれ含み、前記第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルの形状は同じであり得る。
【0024】
前記第1駆動ターミナル、第2駆動ターミナル、および第3駆動ターミナルは一端部から他端部に行くほど曲率が変化し得る。
【0025】
本発明の一実施例に係る動力伝達システムは、第1回路と第2回路を含むモーター;前記第1回路に電気的に連結される第1駆動ユニット、および前記第2回路に電気的に連結される第2駆動ユニット;および前記第1駆動ユニットと前記第2駆動ユニットを制御するコントロールユニットを含み、前記第1回路は第1コイル群および前記第1コイル群を電気的に連結する第1ターミナル集合体を含み、第2回路は第2コイル群および前記第2コイル群を電気的に連結する第2ターミナル集合体を含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
実施例によると、単一モーター内に複数個の三相回路を具現することができるため、信頼性を向上させることができる。
【0027】
また、ターミナルの形状が同じであるため、製作費用を低減させることができる。
【0028】
また、ターミナルが螺旋形状に形成されるため、複数個のターミナルを稠密に配置することができ、サイズを縮小させることができる。
【0029】
また、電源ターミナルを別途に分離するため、製作工程を簡単にすることができる。
【0030】
また、同じ形状のターミナルを組み立てるため、インシュレーターの構造が簡単となり得、組立工程の生産性を向上させることができる。
【0031】
本発明の多様かつ有益な長所と効果は前述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程で、より容易に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施例に係るモーターの断面図。
図2】本発明の一実施例に係るバスバーとステーターが電気的に連結される状態を説明するための図面。
図3】本発明の一実施例に係るモーターの三相回路を説明するための図面。
図4図3の変形例。
図5図4の回路構成による複数個の中性ターミナルの配置を説明するための図面。
図6】駆動ターミナルの形状を説明するための図面。
図7】複数個の駆動ターミナルの配置を説明するための図面。
図8図7の平面図。
図9】本発明の一実施例に係る動力伝達システムのブロック図。
図10図9の変形例。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して説明する。しかし、これは本発明の実施例を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、実施例の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
【0034】
第1、第2等のように序数を含む用語は、多様な構成要素の説明に使われ得るが、前記構成要素は前記用語によって限定されはしない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。例えば、実施例の権利範囲を逸脱することなく第2構成要素は第1構成要素と命名され得、同様に第1構成要素も第2構成要素と命名され得る。および/またはという用語は、複数の関連した記載された項目の組み合わせまたは複数の関連した記載された項目のうちいずれかの項目を含む。
【0035】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用したものであって、本発明の実施例を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0036】
実施例の説明において、いずれか一つのelementが他のelementの「上または下(on or under)」に形成されるものと記載される場合において、上または下(on or under)は二つのelementが互いに直接(directly)接触するか、一つ以上の他のelementが前記二つのelementの間に配置されて(indirectly)形成されるものをすべて含む。また「上または下(on or under)」と表現される場合、一つのelementを基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含み得る。
【0037】
以下、添付された図面を参照して実施例を詳細に説明するものの、図面符号にかかわらず、同一または対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0038】
図1は、本発明の一実施例に係るモーターの断面図である。
【0039】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係るモーター100は、ハウジング110、ハウジング110に配置されるステーター140、ローター130、回転軸150、およびバスバー160を含む。
【0040】
ハウジング110はステーター140とローター130を収容することができる。ハウジング110は、内部の熱を容易に排出できるように冷却構造(図示されず)をさらに含むことができる。冷却構造は空冷または水冷構造が選択され得るがこれに限定されない。
【0041】
ステーター140はハウジング110の内部空間に挿入される。ステーター140は、ステーターコア141、およびステーターコア141に巻かれるコイル142を含むことができる。ステーターコア141は複数個の分割コアを含むことができる。しかし、必ずしもこれに限定されず、ステーターコア141は一体型に製作されてもよい。
【0042】
ローター130はステーター140に対して回転可能に配置され得る。すなわち、ローター130はステーター140の内部で回転することができる。ローター130の外周面にはローターマグネット132が装着され得る。
【0043】
ローター130の中央部には回転軸150が結合され得る。したがって、ローター130と回転軸150は共に回転することができる。回転軸150は一側に配置された第1ベアリング171と他側に配置された第2ベアリング172により支持され得る。
【0044】
バスバー160はステーター140に巻かれたコイル142にそれぞれ電気的に連結され、U相V相W相を連結する複数個のターミナルを含むことができる。バスバー160の電源ターミナル164は外部に露出して外部電源またはインバータと電気的に連結され得る。
【0045】
図2は本発明の一実施例に係るバスバーとステーターが電気的に連結される状態を説明するための図面であり、図3は本発明の一実施例に係るモーターの三相回路を説明するための図面であり、図4図3の変形例であり、図5図4の回路構成による複数個の中性ターミナルの配置を説明するための図面である。
【0046】
図2を参照すると、ステーター140は、複数個の分割コア141aおよび各分割コア141aに巻かれた複数個のコイル142を含むことができる。コイル142は分割コア141aから軸方向(回転軸の長さ方向)に延びた一端142aおよび他端142bを含むことができる。一端142aは巻線が開始される地点であり得、他端142bは巻線が終了する地点であり得る。しかし、必ずしもこれに限定されない。例示的に一端142aは巻線が終了する地点であり得、他端142bは巻線が開始される地点であり得る。
【0047】
複数個のコイル142は、一端142aが中性ターミナル162と電気的に連結され、他端142bは駆動ターミナル163のうちいずれか一つと電気的に連結され得る。
【0048】
バスバー160は、絶縁本体161と、複数個の中性ターミナル162、および複数個の駆動ターミナル163を含むことができる。
【0049】
絶縁本体161は、複数個の中性ターミナル162と複数個の駆動ターミナル163をそれぞれ電気的に絶縁する。絶縁本体161は、複数個の駆動ターミナル163が装着され得る複数個の挿入溝161bを含むことができる。中性ターミナル162は絶縁本体161と一体に射出されるものを例示したが、必ずしもこれに限定されはしない。絶縁本体161は絶縁特性を有する材質であれば特に限定されない。例示的に、絶縁本体161はプラスチック樹脂を射出成形して製作することができる。
【0050】
複数個の挿入溝161bは、駆動ターミナル163が電気的に絶縁されるように所定の間隔を有して形成され得る。挿入溝161b間の間隔は0.5mm~2.0mmであり得るがこれに限定されない。複数個の挿入溝161bは同じ螺旋形状(Spiral shape)を有することができる。絶縁本体161は中央に第1ホール161aが形成された円板状であり得るが、これに限定されない。
【0051】
中性ターミナル162は複数個のコイル142の中性点を連結する役割を遂行することができる。この時、中性ターミナル162は電気的に絶縁された複数個の中性ターミナル162を含むことができる。したがって、モーター100は複数個の中性点を有することができ、複数個の中性点は電気的に絶縁され得る。
【0052】
複数個の駆動ターミナル163は電源ターミナル164と連結され得る。すなわち、駆動ターミナル163と電源ターミナル164とは分離された構造であり得る。このような構造によると、バスバー160の上側にインバータを直接連結することができ、モーターの構造により電源ターミナル164の構造を適切に変形することができる。しかし、必ずしもこれに限定されず、電源ターミナル164は電源ケーブルの形態でもよい。電源ターミナル164は複数個の駆動ターミナル163と電気的に連結される複数個の接続ピン164bおよび接続ピン164bが配置される固定部164aを含むことができる。
【0053】
複数個の駆動ターミナル163は3相電源をコイル142に供給する役割を遂行することができる。バスバー160のターミナルとコイル142の電気的連結によって三相回路を具現することができる。
【0054】
複数個の駆動ターミナル163は、複数個の第1駆動ターミナルUT1、UT2、第2駆動ターミナルVT1、VT2、および第3駆動ターミナルWT1、WT2を含むことができる。第1駆動ターミナルUT1、UT2はU相ターミナルであり得、第2駆動ターミナルVT1、VT2はV相ターミナルであり得、第3駆動ターミナルWT1、WT2はW相ターミナルであり得る。
【0055】
U相ターミナルUT1、UT2は第1U相ターミナルUT1と第2U相ターミナルUT2を含み、V相ターミナルVT1、VT2は第1V相ターミナルVT1と第2V相ターミナルVT2を含み、W相ターミナルWT1、WT2は第1W相ターミナルWT1と第2W相ターミナルWT2を含むことができる。このような構成は、モーター内に複数個の3相回路を構成することができる。しかし、各ターミナルの個数は限定されない。
【0056】
図3図4を参照すると、モーターは2個の独立した3相回路を含むことができる。第1回路は、第1U相ターミナルUT1、第1V相ターミナルVT1、第1W相ターミナルWT1が複数のコイルU1、U3、V1、V3、W1、W3に連結されて具現され得る。
【0057】
第2回路は、第2U相ターミナルUT2、第2V相ターミナルVT2、第2W相ターミナルWT2が複数のコイルU2、U4、V2、V4、W2、W4に連結されて具現され得る。第1回路は第1中性点(N1)に連結された独立回路であり得、第2回路は第2中性点(N2)に連結された独立回路であり得る。
【0058】
この時、第1回路を構成するコイルの集合体を第1コイル群U1、U3、V1、V3、W1、W3と定義し、第2回路を構成するコイルの集合体を第2コイル群U2、U4、V2、V4、W2、W4と定義することができる。
【0059】
図4を参照すると、モーターは4個の中性点(N1~N4)を有してもよい。第1回路は第1中性点(N1)と第2中性点(N2)を含むことができ、第2回路は第3中性点(N3)と第4中性点(N4)を含むことができる。必要に応じて各三相回路はより多くの中性点を含んでもよい。
【0060】
図5を参照すると、中性ターミナル162は、4個の中性点を有するために互いに電気的に絶縁された4個の中性ターミナル162が配置され得る。この時、各中性ターミナル162は同じ形状を有し得る。具体的には、中性ターミナルは曲率を有する本体部1621、軸方向に折り曲げられた延長部1622、および接続部1623を含むことができる。
【0061】
しかし、必ずしもこれに限定されず、図3のように2個の中性点を有するために、中性ターミナル162は2個であってもよく、これらの形状は互いに異なってもよい。
【0062】
図6は駆動ターミナルの形状を説明するための図面であり、図7は複数個の駆動ターミナルの配置を説明するための図面であり、図8図7の平面図である。
【0063】
図6を参照すると、複数個の駆動ターミナル163は、本体部1631、本体部1631に連結された接続部1634、および本体部1631から軸方向に突出する端子部1635を含むことができる。
【0064】
本体部1631は所定の長さに延びて複数個の接続部1634を連結する。本体部1631は曲率を有する短冊状であり得る。本体部1631の曲率半径は一端1632から他端1633に行くほど変化し得る。
【0065】
本体部1631は螺旋形状(Spiral shape)を有し得る。ここで、螺旋形状とは、一端1632から他端1633に行くほど曲率半径が変化する構造と定義することができる。曲率半径は一端1632から他端1633に行くほど大きくなり得る。しかし、これに限定されず、曲率半径は一端から他端に行くほど小さくなってもよい。一端1632の曲率半径は20mmであり、他端633の曲率半径は30mmであり得るがこれに限定されない。
【0066】
前述したように、実施例に係るモーターは各相を連結するターミナルを複数個配置する。したがって、既存のモーターに比べてターミナルの個数が倍に増加し得る。このような螺旋形状は、複数個のターミナルを制限された空間に配置するのに有利であり得る。本体部1631の厚さは0.5~2.0mmであり得るがこれに限定されない。
【0067】
接続部1634はコイルと電気的に連結される部分である。接続部1634はフック形状またはY形状であり得るが、これに限定されない。接続部1634は本体部1631の一端1632に連結された第1接続部1634a、および本体部1631の他端1633に連結された第2接続部1634bを含むことができる。必要に応じて接続部の個数はさらに多くてもよい。
【0068】
端子部1635は本体部1631から軸方向に突出され得る。端子部1635は外部電源またはインバータと連結されて接続部1634に電源を印加することができる。
【0069】
本体部1631と接続部1634の間には延長部1638が形成され得る。
【0070】
延長部1638は、軸方向に突出した第1折り曲げ部1637と第1折り曲げ部1637から軸方向と垂直な方向に延びた第2折り曲げ部1636を含むことができる。第1折り曲げ部1637の高さによって接続部1634の高さが決定され得る。端子部1635は延長部1638上に配置されてもよい。
【0071】
第1接続部1634aと連結された第2折り曲げ部1636の長さは第2接続部1634bに連結された第2折り曲げ部1636の長さより長くてもよい。
【0072】
このような構造は、螺旋形配置で接続部を絶縁本体の外側に露出させてコイルとの電気的連結を可能とすることができる。
【0073】
図7を参照すると、複数個のU相ターミナルUT1、UT2、V相ターミナルVT1、VT2、およびW相ターミナルWT1、WT2は、いずれも同じ形状であり得る。この場合、各ターミナルを別途製作する必要がないので製造費用が節減される効果があり、組み立てが単純となる長所がある。
【0074】
複数個のU相ターミナルUT1、UT2、V相ターミナルVT1、VT2、およびW相ターミナルWT1、WT2はいずれも同一平面上に配置され得る。すなわち、複数個のU相ターミナルUT1、UT2、V相ターミナルVT1、VT2、およびW相ターミナルWT1、WT2は、同じ高さでコイルと電気的に連結され得る。
【0075】
第1U相ターミナルUT1と第1V相ターミナルVT1、および第1W相ターミナルWT1は、第1回路を構成する第1ターミナル集合体163aであり得、第2U相ターミナルUT2、第2V相ターミナルVT2および第2W相ターミナルWT2は、第2回路を構成する第2ターミナル集合体163bであり得る。
【0076】
図8を参照すると、第1U相ターミナルUT1、第2U相ターミナルUT2、第1V相ターミナルVT1、第2V相ターミナルVT2、第1W相ターミナルWT1と第2W相ターミナルWT2の一端1632を連結した第1仮想円CL1の直径は、他端1633を連結した第2仮想円CL2の直径より小さくてもよい。したがって、制限された空間内で稠密な配置が可能となり得る。
【0077】
この時、絶縁本体に形成された第1ホール161aの直径は第1仮想円CL1の直径より小さくてもよく、第1ホール161a、第1仮想円CL1、および第2仮想円CL2の中心Pは同じであり得る。また、中心Pから各ターミナルの一端1632を連結した仮想直線L1~L6間の角度θはいずれも同じであり得る。
【0078】
図9は本発明の一実施例に係る動力伝達システムのブロック図であり、図10図9の変形例である。
【0079】
図9を参照すると、本発明の一実施例に係る動力伝達システムは、第1回路100aと第2回路100bを含むモーター100と、第1回路100aに電気的に連結される第1駆動ユニット30と第2回路100bに電気的に連結される第2駆動ユニット40、および第1駆動ユニット30と第2駆動ユニット40を制御するコントロールユニット10を含む。
【0080】
モーター100の第1回路100aと第2回路100bは前述した構成がそのまま含まれ得る。第1回路100aは第1コイル群および前記第1コイル群を電気的に連結する第1ターミナル集合体を含み、第2回路100bは第2コイル群および第2コイル群を電気的に連結する第2ターミナル集合体を含む。
【0081】
第1ターミナル集合体は第1U相ターミナルUT1、第1V相ターミナルVT1、および第1W相ターミナルWT1を含み、第2ターミナル集合体は第2U相ターミナルUT2、第2V相ターミナルVT2、および第2W相ターミナルWT2を含むことができる。
【0082】
第1駆動ユニット30と第2駆動ユニット40は電源部20から供給される直流電源を3相電源に変換するインバータであり得る。電源部20は車両のバッテリーであり得る。
【0083】
第1駆動ユニット30は第1回路100aのU相、V相、W相に連結されて3相電源を供給し、第2駆動ユニット40は第2回路100bのU相、V相、W相に連結されて3相電源を供給することができる。すなわち、第1駆動ユニット30と第2駆動ユニット40は独立して第1回路100aと第2回路100bを駆動することができる。したがって、第1駆動ユニット30または第2駆動ユニット40のうちいずれか一つが動作しない場合にも、残りの一つの駆動ユニットによってモーター100は動作することができる。したがって、車両のように高度の安定性が要求される分野に適合し得る。
【0084】
コントロールユニット10は、車速センサ、トルクアングルセンサおよびトルクセンサなどで感知した走行条件に応じて、第1駆動ユニット30と第2駆動ユニット40に制御信号を出力することができる。コントロールユニット10は電子制御ユニット(Electronic Control Unit、ECU)であり得る。
【0085】
図10を参照すると、コントロールユニット10は、第1駆動ユニット30を制御する第1コントロールユニット11と第2駆動ユニット40を制御する第2コントロールユニット12を含むことができる。この場合、第1コントロールユニット10と第2コントロールユニット10のうちいずれか一つが機能しない場合にも、残りのコントロールユニット10によりモーターを制御することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10