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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】硬質表面用液体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20230502BHJP
   C11D 7/10 20060101ALI20230502BHJP
   C11D 7/42 20060101ALI20230502BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20230502BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20230502BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20230502BHJP
   A47L 15/42 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D7/10
C11D7/42
C11D1/75
C11D3/04
C11D3/386
A47L15/42 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021183228
(22)【出願日】2021-11-10
(62)【分割の表示】P 2017078900の分割
【原出願日】2017-04-12
(65)【公開番号】P2022016501
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2021-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】川村 卓司
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/196874(WO,A1)
【文献】特表2016-518496(JP,A)
【文献】特表2001-515126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
A47L 15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A-B)塩化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化アンモニウム、及びヨウ化アンモニウムから選ばれる1種以上のハロゲン化塩(以下、(A-B)成分という)、(C)アミラーゼ(以下、(C)成分という)、及び水を配合してなる、硬質表面用液体洗浄剤組成物であって、
(A-B)成分が300mM以上2000mM以下、(C)成分が0.00001質量%以上0.005質量%以下、pH5以上10以下の条件で、該組成物を硬質表面と接触させて、硬質表面を洗浄する方法に用いられる、硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項2】
さらに、該洗浄剤組成物が(D)界面活性剤(以下、(D)成分という)を含有する、請求項1に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
(D)成分がアミンオキサイドである、請求項に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項4】
請求項に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物を用いて、(A-B)成分が300mM以上2000mM以下、(C)成分が0.00001質量%以上0.005質量%以下、pH5以上10以下の条件で、該組成物を硬質表面に接触させて洗浄する、硬質表面の洗浄方法。
【請求項5】
食器又は食品設備に付着したデンプン汚れを洗浄する、請求項に記載の、硬質表面の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は硬質表面用液体洗浄剤組成物及び硬質表面の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
硬質表面用洗浄剤組成物において、商業施設、病院、介護施設、学校、事業所などで食器類を洗浄する場合、あるいは、食品加工設備等でデンプン汚れを洗浄する場合、その多くは酵素や尿素類化合物を組み合わせたものを含有する洗浄剤組成物が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、(A)特定の構造を有する水溶性尿素類化合物を有効成分として含有するデンプン汚れ防止剤が記載されている。
特許文献2には、(a)酵素、(b)グリセリン、エチレングリコール、及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上の水溶性溶剤、(c)水溶性カルシウム塩、(d)アルカノールアミン化合物、及び水を含有しており、25℃におけるpHが8.0~11.0であり且つ界面活性剤含有量が特定量とすることにより、良好な酵素安定性と洗浄性能を兼ね備えた自動食器洗浄機用の液状洗浄剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-21143号公報
【文献】特開2008-133340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に記載の洗浄剤組成物は、いずれも硬質表面に対する汚れの洗浄性に優れているが、特許文献1では、尿素類化合物を用いているため、不快なアンモニア臭が発生するという課題がある。また特許文献2では、洗浄力を高めるために、アルカリ性にする必要があるという課題がある。
【0006】
本発明は、中性付近において、デンプン汚れ洗浄性に優れる硬質表面用液体洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(A)ハロゲンイオン(以下、(A)成分という)、(B)アンモニウムイオン及び/又はカリウムイオン(以下、(B)成分という)、(C)アミラーゼ(以下、(C)成分という)、及び水を含有する、硬質表面用液体洗浄剤組成物であって、(A)成分が1mM以上、(B)成分が1mM以上、pH5以上10以下の条件で、該組成物を硬質表面と接触させて、硬質表面を洗浄する方法に用いられる、硬質表面用液体洗浄剤組成物に関する。
また前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を用いて、(A)成分が1mM以上、(B)成分が1mM以上、pH5以上10以下の条件で、該組成物を硬質表面に接触させて洗浄する、硬質表面の洗浄方法に関する。
【0008】
また本発明は、(A-B)塩化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化アンモニウム、及びヨウ化アンモニウムから選ばれる1種以上のハロゲン化塩(以下、(A-B)成分という)、(C)アミラーゼ(以下、(C)成分という)、及び水を配合してなる、即ち含有する、硬質表面用液体洗浄剤組成物であって、(A-B)成分が1mM以上、pH5以上10以下の条件で、該組成物を硬質表面と接触させて、硬質表面を洗浄する方法に用いられる、硬質表面用液体洗浄剤組成物に関する。
また前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を用いて、(A-B)成分が1mM以上、pH5以上10以下の条件で、該組成物を硬質表面に接触させて洗浄する、硬質表面の洗浄方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、中性付近において、デンプン汚れ洗浄性に優れる硬質表面用液体洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<硬質表面用液体洗浄剤組成物>
硬質表面に付着した食品由来のデンプン汚れには、蛋白汚れが混在しており、蛋白の周りには水和層ができているため、それが防護壁となり、デンプン汚れに対するアミラーゼの働きを低下させているものと推定される。本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物では、アミラーゼに、特定の陽イオンと陰イオン、又はこれらの塩を組み合わせた組成物を用いることで、この蛋白による水和層を破壊することができるため、デンプン汚れへのアミラーゼの働きを高めることができ、デンプン汚れに対する洗浄力が向上したものと推定される。
【0011】
<(A)成分>
本発明の(A)成分は、ハロゲンイオンである。(A)成分は、塩素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、及び臭素イオンから選ばれる1種以上が挙げられ、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、塩素イオン及びフッ素イオンから選ばれる1種以上が好ましく、塩素イオンがより好ましい。
【0012】
(A)成分は、水に溶かした場合にハロゲンイオンを放出できる化合物由来のものであればよい。例えば、塩素イオンとしては、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化水素、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム等の化合物由来のものであってもよく、ヨウ素イオンとしては、ヨウ化カリウム、ヨウ化アンモニウム等の化合物由来のものであってもよい。
【0013】
(A)成分は、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、後述する(A-B)成分由来のハロゲンイオンであることが好適である。
【0014】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(A)成分を含有し、該(A)成分をデンプン汚れに対する洗浄力の観点から、1mM以上、好ましくは3mM以上、より好ましくは10mM以上、更に好ましくは20mM以上、より更に好ましくは50mM以上、より更に好ましくは80mM以上、より更に好ましくは100mM以上、より更に好ましくは300mM以上、より更に好ましくは500mM以上、より更に好ましくは700mM以上、より更に好ましくは800mM以上、そして、経済性の観点から、好ましくは2000mM以下、より好ましくは1500mM以下、更に好ましくは1250mM以下、より更に好ましくは1000mM以下、より更に好ましくは700mM以下、より更に好ましくは500mM以下、より更に好ましくは300mM以下の条件で、該組成物と硬質表面とを接触させて、硬質表面の洗浄に用いる。
本明細書において、各成分のイオン濃度は、例えば、電導度計等の測定器を用いることで定量できる。また、組成物中の各イオン成分に由来する化合物の配合量(仕込み量)からも計算することもできる。
【0015】
<(B)成分>
本発明の(B)成分は、アンモニウムイオン及び/又はカリウムイオンである。(B)成分は、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、カリウムイオンが好ましい。
【0016】
(B)成分は、水に溶かした場合にアンモニウムイオン及び/又はカリウムイオンを放出できる化合物由来のものであればよい。例えば、アンモニウムイオンとしては、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等の化合物由来のものであってもよく、カリウムイオンとしては、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、水酸化カリウム等の化合物由来のものであってもよい。
【0017】
(B)成分は、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、後述する(A-B)成分由来のハロゲンイオンであることが好適である。
【0018】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(B)成分を含有し、該(B)成分を、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、1mM以上、好ましくは3mM以上、より好ましくは10mM以上、更に好ましくは20mM以上、より更に好ましくは50mM以上、より更に好ましくは80mM以上、より更に好ましくは100mM以上、より更に好ましくは300mM以上、より更に好ましくは500mM以上、より更に好ましくは700mM以上、より更に好ましくは800mM以上、そして、経済性の観点から、好ましくは2000mM以下、より好ましくは1500mM以下、更に好ましくは1250mM以下、より更に好ましくは1000mM以下、より更に好ましくは700mM以下、より更に好ましくは500mM以下、より更に好ましくは300mM以下の条件で、該組成物と硬質表面とを接触させて、硬質表面の洗浄に用いる。
【0019】
<(A-B)成分>
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(A)成分と(B)成分は、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、(A-B)塩化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化アンモニウム、及びヨウ化アンモニウムから選ばれる1種以上のハロゲン化塩由来であることが好適である。
すなわち、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、(A-B)成分を配合してなること、即ち含有することが好ましい。
【0020】
(A-B)成分は、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、及び塩化アンモニウムから選ばれる1種以上がより好ましく、塩化カリウム、及びヨウ化カリウムから選ばれる1種以上が更に好ましく、塩化カリウムがより更に好ましい。
【0021】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(A-B)成分を配合してなり、即ち含有し、該(A-B)成分を、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、好ましくは1mM以上、より好ましくは3mM以上、更に好ましくは10mM以上、より更に好ましくは20mM以上、より更に好ましくは50mM以上、より更に好ましくは80mM以上、より更に好ましくは100mM以上、より更に好ましくは300mM以上、より更に好ましくは500mM以上、より更に好ましくは700mM以上、より更に好ましくは800mM以上、そして、経済性の観点から、好ましくは2000mM以下、より好ましくは1500mM以下、更に好ましくは1250mM以下、より更に好ましくは1000mM以下、より更に好ましくは700mM以下、より更に好ましくは500mM以下、より更に好ましくは300mM以下の条件で、該組成物と硬質表面とを接触させて、硬質表面の洗浄に用いる。
【0022】
<(C)成分>
本発明の(C)成分は、アミラーゼである。
アミラーゼとして使用できる市販の酵素としては、ラピダーゼ(ギスト-ブロカーズ)、及びターマミル、デュラミル、ステインザイム(ノボノルディスクバイオインダストリ
ー(株))、プラスターST、プラスターOxAm(ジェネンコア・インターナショナル社)を挙げることができる。
【0023】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(C)成分を含有し、該(C)成分を、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、好ましくは0.00001質量%以上、より好ましくは0.00005質量%以上、更に好ましくは0.0001質量%以上、経済性の観点から、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.005質量%以下、更に好ましくは0.001質量%以下の条件で、該組成物と硬質表面とを接触させて、硬質表面の洗浄に用いる。
なお(C)成分の含有量は、純分換算、すなわち酵素蛋白量として換算された値である。
【0024】
<(D)成分>
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、さらに(D)界面活性剤(以下、(D)成分という)を含有することができる。
【0025】
(D)成分としては、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、及びカチオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。
【0026】
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキサイド、脂肪酸アミドプロピルアミンオキサイド等のアミンオキサイド、アルキル-N,N-ジメチル酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピル-N,N-ジメチル酢酸ベタイン、アルキル-N,N-ジメチルエタンスルホベタイン、脂肪酸アミドプロピル-N,N-ジメチル-2-ヒドロキシプロピルスルホベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等のベタイン等が挙げられる。
【0027】
アミンオキサイドとしては、炭素数8以上22以下の炭化水素基、好ましくは直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、より好ましくはアルキル基を有するアミンオキサイドが好ましく、中でも一般式(d1)で表される化合物がより好ましい。
【0028】
【化1】
【0029】
〔式中、R1dは炭素数8以上22以下の炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基、より好ましくはアルキル基を示し、R2d及びR3dは、同一又は異なって、炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。Dは-NHC(=O)-基又は-C(=O)NH-基を示し、Eは炭素数1以上5以下のアルキレン基を示す。m及びpは、m=0かつp=0又はm=1かつp=1を示す。〕
【0030】
上記一般式(d1)において、R1dは、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、好ましくは炭素数10以上18以下のアルキル基であり、より好ましくは炭素数12以上16以下のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数12以上14以下のアルキル基であり、より更に好ましくは炭素数14のアルキル基である。R2d、R3dは、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、好ましくは炭素数1のメチル基である。Eは、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、炭素数2又は3が好ましい。
【0031】
アミンオキサイドの好ましい具体例としては、
(1)オクチルジメチルアミンオキサイド、デシルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド等のアルキル(炭素数8以上22以下)ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキサイド、
(2)ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド等の脂肪酸(炭素数8以上22以下)アミドプロピルジアルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキサイド
が挙げられ、洗浄力の観点から(1)アルキル(炭素数8以上22以下)ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキサイドがより好ましい。
【0032】
ノニオン界面活性剤としては、炭素数8以上22以下のアルキル基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル、炭素数8以上22以下のアルケニル基を有するポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、炭素数8以上22以下の脂肪酸基を有するポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、炭素数8以上22以下のアルキル基を有するアルキルポリグリコシド、炭素数8以上22以下の脂肪酸基を有するショ糖脂肪酸エステル、炭素数8以上22以下のアルキル基を有するアルキルポリグリセリルエーテル、アルキル基の炭素数が8以上22以下であるポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0033】
アニオン界面活性剤としては、炭素数8以上22以下の炭化水素基と、カルボン酸基又はその塩を有するアニオン界面活性剤、及び炭素数8以上22以下の炭化水素基と、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、及びそれらの塩から選択される1種以上を有するアニオン界面活性剤等が挙げられる。
【0034】
カチオン界面活性剤としては、アルキル基の炭素数が8以上22以下であるアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキル基の炭素数が8以上22以下であるジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキル基の炭素数が8以上22以下であるアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ベンゼトニウム塩等が挙げられる。
【0035】
(D)成分は、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、両性界面活性剤が好ましく、アミンオキサイドがより好ましく、一般式(d1)で表されるアミンオキサイドが更に好ましい。
【0036】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(D)成分を含有し、該(D)成分を、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、そして、経済性の観点から、好ましくは20質量%以下、好ましくは10質量%以下、好ましくは5質量%以下の条件で、該組成物と硬質表面とを接触させて、硬質表面の洗浄に用いる。
【0037】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(A-B)成分の含有量と、(D)成分の含有量との質量比(A-B)/(D)が、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上、そして、配合コスト及びすすぎ性の観点から、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは5以下の条件で、該組成物と硬質表面とを接触させて、硬質表面の洗浄に用いる。
尚、(A)成分、(B)成分として、別個に含有する場合は、(A-B)成分に換算して計算する。また(A)成分、(B)成分が等モルでない場合は、(A-B)成分の形成モル数として計算する。また複数の(A)成分あるいは(B)成分がある場合は、(A-B)の分子量が最も小さくなる組み合わせを優先して、計算する。例えば、塩素イオン1M、アンモニウムイオン1M、カリウムイオン1M含有する組成物の場合、塩化アンモニウム(分子量53.49)と塩化カリウム(分子量74.5)とを比較すると、分子量が小さいのは塩化アンモニウムであるから、(A-B)成分として塩化アンモニウムの含有量と、(D)成分の含有量との質量比で計算する。
【0038】
<その他成分>
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、(A)成分~(D)成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、アクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩、メタクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩、及びジイソブチレン-マレイン酸共重合体又はその塩等の汚れの再付着防止剤;EDTA,MGDA、クエン酸等のキレート剤;溶剤、ハイドロトロープ剤、分散剤、pH調整剤、増粘剤、粘度調整剤、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、漂白剤、漂白活性化剤などの他の成分を配合することができる。
【0039】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、水を含有する。すなわち、前記(A)~(C)成分及び任意成分以外の残部が水である。本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、水を、前記(A)~(C)成分の溶解度の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、そして、有効成分濃度の観点から、好ましくは99.999質量%以下、より好ましくは99.9質量%以下、更に好ましくは99質量%以下含有する。水は、イオン交換水、滅菌イオン交換水等を使用することが好ましい。
【0040】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、該組成物の25℃におけるpHが、デンプン汚れに対する洗浄力の観点から、好ましくは5以上、より好ましくは6以上、そして、皮膚への刺激を緩和する観点から、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下、より更に好ましくは7.8以下、より更に好ましくは7.5以下の条件で、該組成物と硬質表面とを接触させて、硬質表面の洗浄に用いる。
【0041】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(A)成分と(B)成分が1mM以上(又は(A-B)成分が1mM以上)、pHが5以上10以下の組成物をあらかじめ調製しておき、希釈せずに硬質表面の洗浄に用いてもよい。
すなわち、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(A)成分1mM以上、(B)成分1mM以上、(C)成分、及び水を含有し、pHが5以上10以下の硬質表面用液体洗浄剤組成物であって、該組成物を希釈せずに硬質表面と接触させて、硬質表面に用いられる、硬質表面用液体洗浄剤組成物であってもよい。
また本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(A-B)成分1mM以上、(C)成分、及び水を配合してなり、即ち含有し、pHが5以上10以下の硬質表面用液体洗浄剤組成物であって、該組成物を希釈せずに硬質表面と接触させて、硬質表面に用いられる、硬質表面用液体洗浄剤組成物であってもよい。
この場合、上記した(A)~(C)成分、及び任意成分の含有量、並びにpHの硬質表面に接触させる際の態様は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物の態様にそのまま適用できる。
【0042】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、硬質物品の硬質表面用、更に食器又は台所周りの硬質物品の硬質表面用、更に食器の硬質表面用であることが好ましい。また、硬質物品の硬質表面の手洗い洗浄用、更に食器又は台所周りの硬質物品の硬質表面の手洗い洗浄用、更に食器の硬質表面の手洗い洗浄用であることが好ましい。
具体的には、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、好ましくは硬質物品の硬質表面への塗布用洗浄剤、より好ましくは食器又は台所周りの硬質物品の硬質表面への塗布用洗浄剤、更に好ましくは食器の硬質表面への塗布用洗浄剤である。
また、具体的には、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、好ましくは硬質物品の浸漬用洗浄剤、より好ましくは食器又は台所周りの硬質物品の浸漬用洗浄剤、更に好ましくは食器の浸漬用洗浄剤である。
【0043】
硬質物品としては、パイプ、部品等の食品製造機器、台所周りの硬質物品、食器等が挙げられ、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、デンプン汚れに対する洗浄性に優れることから、硬質物品、好ましくは食器及び台所周りの硬質物品、より好ましくは食器を洗浄対象とする。
台所周りの硬質物品は、台所の周辺で使用される物品であり、具体的には、
(1)冷蔵庫、食器棚などの食品、食器、調理器具の保存場所、
(2)排水溝、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所、及び
(3)その周辺の床や壁等
である。本発明では、これらを便宜上「台所周りの硬質物品」とする。
また、食器としては、具体的には、
(i)皿、椀等のいわゆる食器、
(ii)タッパー、瓶等の保存容器、
(iii)包丁やまな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル等の調理器具、
(iv)フードプロセッサー、ミキサー等の調理家電等
の食材が接触する部材や器具が挙げられる。本発明では、これらを便宜上「食器」とする。
また、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、食器、保存容器、調理器具、及び調理家電から選ばれる物品用であることが好ましく、更に皿、椀、タッパー、ビン、包丁、まな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル、フードプロセッサー、及びミキサーから選ばれる物品用であることがより好ましい。
また、本発明の洗浄対象である硬質表面、更に食器及び台所周りの硬質表面、更に食器の硬質表面の材質は、プラスチック(シリコーン樹脂などを含む)、金属、陶器、木、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0044】
<硬質表面用液体洗浄剤組成物の製造方法>
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物の製造方法は、(A-B)塩化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化アンモニウム、及びヨウ化アンモニウムから選ばれる1種以上のハロゲン化塩、(C)アミラーゼ、及び水を混合し、pH5以上10以下に調整する、硬質表面用液体洗浄剤組成物の製造方法である。
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物の製造方法により、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物が製造されるのが、デンプン汚れに対する洗浄性の観点から好ましい。
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物の製造方法は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。
【0045】
<硬質表面の洗浄方法>
本発明の硬質表面の洗浄方法は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び水を含有する、硬質表面用液体洗浄剤組成物を用いて、(A)成分が1mM以上、(B)成分が1mM以上、pH5以上10以下の条件で、該組成物を硬質表面に接触させて洗浄する、硬質表面の洗浄方法である。
また本発明の硬質表面の洗浄方法は、(A-B)成分、(C)成分、及び水を含有する、硬質表面用液体洗浄剤組成物を用いて、(A-B)成分が1mM以上、pH5以上10以下の条件で、該組成物を硬質表面に接触させて洗浄する、硬質表面の洗浄方法である。
すなわち、本発明の硬質表面の洗浄方法では、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を用いる。該組成物の好ましい態様は、前記した本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物と同じである。
【0046】
本発明の硬質表面の洗浄方法は、前記本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、デンプン汚れが付着した硬質表面に接触させる、硬質表面の洗浄方法として好適に実施できる。これらの方法は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面に付着したデンプン汚れに接触させる、硬質表面の洗浄方法である。
【0047】
本発明の硬質表面の洗浄方法では、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面に接触させる。
具体的には、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、原液で、硬質表面に接触させる、又は前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、原液で、希釈せずに硬質表面に接触させる、つまり、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、希釈することなく、硬質表面に接触させる洗浄方法が好ましく挙げられる。更に、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、希釈することなく、デンプン汚れが付着した硬質表面に接触させる洗浄方法が挙げられる。
前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を希釈せずに硬質表面に接触させるとは、該洗浄剤組成物を、意図的に水などで希釈した後、硬質表面と接触させないことである。例えば、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を水滴等が付着した硬質表面と接触させたり、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を硬質表面に接触させた後、硬質表面に水滴が付着したりする場合は、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を希釈せずに、硬質表面に接触させると理解できる。
本発明では、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物の原液をそのまま、つまり上記特定の条件の組成を変動させることなく、硬質表面に付着させる。例えば、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、含水したスポンジに付着させることなく、デンプン汚れが付着した硬質表面に接触させる。硬質表面に接触した後は、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物の組成が変動してもよい。すなわち、硬質表面に接触した後は、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物の組成が希釈又は濃縮されてもよい。
【0048】
但し、本発明の(A)成分~(C)成分(又は(A-B)成分、及び(C)成分)、水及び任意成分を含む濃厚組成物を調製しておき、使用時に該濃厚組成物を水で希釈して、上記特定の条件となるように本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を調製し、硬質表面に接触させてもよい。すなわち、本発明の(A)成分~(C)成分(又は(A-B)成分、及び(C)成分)、水及び任意成分を含有する濃厚組成物を水で希釈して本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物に調製し、該硬質表面用液体洗浄剤組成物を希釈せずに硬質表面に接触させる、硬質表面の洗浄方法であってもよい。
即ち、本発明の洗浄方法では、(A)成分~(C)成分(又は(A-B)成分、及び(C)成分)及び水を含有(配合)する、硬質表面用液体洗浄剤組成物を製造しておき、水で希釈することなく、あるいは、水で希釈して、(A)成分が1mM以上、(B)成分が1mM以上、pH5以上10以下の条件で、該組成物を硬質表面と接触させる、硬質表面の洗浄方法である。
水で希釈することなく用いる場合には、該洗浄剤組成物は、前記洗浄濃度で(A)成分、(B)成分又は(A-B)成分を含有し、pH5以上10以下である。
尚、水で希釈する場合は、1を超えて100倍以下、2倍以上10倍以下程度の水で希釈して用いることが好ましい。
【0049】
また、本発明の硬質表面の洗浄方法は、硬質物品を、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物に浸漬させた後、機械力をかけず(付与せず)に放置する洗浄方法が挙げられる。つまり、スポンジ等の可撓性材料や手指等を用いることなく該組成物に浸漬させ、機械力をかけずにそのまま放置する洗浄方法が挙げられる。これにより、手や道具の届かない部位や届きにくい細部の洗浄に好適である。
機械力をかけずに放置するとは、例えば、組成物の接触以外に、洗浄のための意図的な操作を行わないことである。例えば、洗浄を意図しない振動が硬質表面に伝わることなどは、機械力をかけずに放置すると理解できる。
浸漬して放置した後は、通常、水ですすぐ。すすぐ際は、手などで機械力(物理的力)を掛けてもよく、単に水流ですすいでもよい。
【0050】
本発明の硬質表面の洗浄方法では、デンプン汚れに対する洗浄力を高める観点から、硬質物品を前記硬質表面用液体洗浄剤組成物に浸漬後、好ましくは1分以上、より好ましくは5分以上、更に好ましくは7分以上、より更に好ましくは10分以上、そして、同様の観点から、好ましくは60分以下、より好ましくは50分以下、更に好ましくは45分以下、より更に好ましくは40分以下、より更に好ましくは35分以下、放置する。この場合、最初に前記組成物が硬質表面に接触した時点を放置の開始としてよい。
なお、浸漬する際の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物の温度は、デンプン汚れに対する洗浄力を高める観点から、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上、そして、同様の観点から、好ましくは60℃以下、より好ましくは100℃以下である。
【0051】
また、本発明の硬質表面の洗浄方法は、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面に接触させた後、機械力をかけず(付与せず)に放置する洗浄方法が挙げられる。つまり、スポンジ等の可撓性材料や手指等を用いることなく接触させ、機械力をかけずにそのまま放置する洗浄方法が挙げられる。これにより、手や道具の届かない部位や届きにくい細部の洗浄に好適である。
機械力をかけずに放置するとは、例えば、組成物の接触以外に、洗浄のための意図的な操作を行わないことである。例えば、接触させた組成物が硬質表面を自然に流下することや、洗浄を意図しない振動が硬質表面に伝わることなどは、機械力をかけずに放置すると理解できる。
放置した後は、通常、水ですすぐ。すすぐ際は、手などで機械力(物理的力)を掛けてもよく、単に水流ですすいでもよい。
放置する時間は、前述の浸漬時間と同じ範囲が好ましい。
【0052】
本発明の硬質表面の洗浄方法では、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、対象物である硬質表面の面積100cmに対して、好ましくは0.1g以上、より好ましくは0.3g以上、更に好ましくは0.4g以上、そして、好ましくは5g以下、より好ましくは3g以下、更に好ましくは2g以下の割合で接触させる、更に、塗布又は噴霧することが好ましい。
【0053】
本発明の硬質表面の洗浄方法は、硬質物品の硬質表面、更に食器及び台所周りの硬質物品の硬質表面、更に食器の硬質表面の洗浄方法として好ましい。また、硬質物品の硬質表面の手洗い洗浄方法、更に食器及び台所周りの硬質物品の硬質表面の手洗い洗浄方法、更に食器の硬質表面の手洗い洗浄方法として好ましい。
【0054】
本発明の硬質表面の洗浄方法は、硬質物品の硬質表面、好ましくは食器及び台所周りの硬質物品の硬質表面、より好ましくは食器の硬質表面を洗浄対象とする。
食器及び台所周りの硬質物品は、前述のものが挙げられる。
また、本発明の硬質表面の浄剤方法は、食器、保存容器、調理器具、及び調理家電から選ばれる物品の硬質表面を対象とすることが好ましく、更に皿、椀、タッパー、ビン、包丁、まな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル、フードプロセッサー、及びミキサーから選ばれる物品の硬質表面を対象とすることがより好ましい。
本発明の硬質表面の洗浄方法の対象とする硬質表面の材質は、プラスチック(シリコーン樹脂などを含む)、金属、陶器、木、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
そして、本発明の硬質表面の洗浄方法は、これら硬質表面に付着したデンプン汚れを効果的に洗浄することができる。
【実施例
【0055】
下記配合成分を用いて、表1に示す硬質表面用液体洗浄剤組成物を調製し、以下の項目について評価を行った。結果を表1に示す。表1の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、常法により調製した。即ち、適量の硬度3°dHの水に(A-B)成分、(C)成分、(D)成分を添加し、室温(25℃)で溶解させた後、水酸化ナトリウム又は/及び塩酸を添加してpH(25℃)を7に調整した。
なお、表1中の配合成分の質量%及びモル濃度は、全て有効分に基づく数値である。また(C)成分の含有量は、純分換算、すなわち酵素蛋白量として換算された値を示している。
【0056】
<配合成分>
(A-B)成分((A)成分、(B)成分)
・塩化アンモニウム:和光純薬工業(株)製
・塩化カリウム:和光純薬工業(株)製
・ヨウ化カリウム:和光純薬工業(株)製
(A’-B’)成分((A-B)成分の比較成分であり、また(A)成分もしくは(B)成分の比較成分)
・硫酸ナトリウム:和光純薬工業(株)製
・塩化ナトリウム:和光純薬工業(株)製
・硫酸カリウム:和光純薬工業(株)製
(C)成分
・アミラーゼ:ノボザイム社製、stainzyme Plus Evity 24T、アミラーゼ含有量12質量%
(D)成分
・C12AO:アミンオキサイド(製品名「アンヒトール20N」、花王(株)製)、一般式(d1)中、R1dが炭素数12のアルキル基、R2d及びR3dはメチル基、m=0
かつp=0の化合物
・C14AO:アミンオキサイド(製品名「アンヒトール40N」、花王(株)製)、一般式(d1)中、R1dが炭素数14のアルキル基、R2d及びR3dはメチル基、m=0
かつp=0の化合物
【0057】
[デンプン汚れ洗浄性評価]
秋田産コシヒカリを150g取り、200gの水と共に炊飯ジャー(象印マホービン(株)製、型番NP-GE05)にて白米モードで炊飯した。炊飯した白米を、予め秤量したテストピース(材質SUS304、25mm(横)×70mm(縦)×1mm(厚み)、質量x)の片面全体に米粒が残らないように均等に擦りつけた。白米を擦りつけたテストピースを30分乾燥させ、固化していることを確認し、秤量した(y)。このテストピースをリーナッツ試験用ホルダーに6枚セットし、1Lガラスビーカーに、液温が25℃に調整された表1記載の各液体洗浄剤組成物700mLを注ぎ、そこに試験用ホルダーを浸漬させ、リーナッツ試験機を200rpmで回転させて、20分間洗浄した。洗浄後、別の1Lガラスビーカーに水700mL(硬度3°dH)を入れたものに、洗浄後の試験用ホルダーを浸漬させ、リーナッツ試験機を200rpmで回転させて、3分間濯ぎ処理を行った。水から試験用ホルダーを取り出し、各テストピースを一晩乾燥させ、固化していることを確認し、秤量した(z)。以下の式より各テストピースの洗浄率を求め、テストピース6枚の洗浄率の平均値を表1に示した。
洗浄率(%)={(y)-(z)}/{(y)-(x)}×100
【0058】
【表1】