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特許7273497固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータ及びそれを用いてなる固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータ及びそれを用いてなる固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/02 20060101AFI20230508BHJP
   H01G 9/145 20060101ALI20230508BHJP
   H01G 9/15 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
H01G9/02
H01G9/145
H01G9/15
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018238980
(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公開番号】P2020102500
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005980
【氏名又は名称】三菱製紙株式会社
(72)【発明者】
【氏名】緑川 正敏
【審査官】清水 稔
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-047914(JP,A)
【文献】特開2004-146137(JP,A)
【文献】特開2006-135243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/02
H01G 9/145
H01G 9/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィブリル化耐熱性繊維とフィブリル化セルロースとバインダー繊維とを含有してなり、バインダー繊維として、融点160℃以上の樹脂を芯成分とし、湿熱接着性樹脂を鞘成分とする芯鞘型複合繊維を含み、湿熱接着性樹脂が、ビニルアルコール系樹脂及びエチレン-ビニルアルコール系樹脂の群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータ。
【請求項2】
セパレータに含まれる繊維全体に対し、該芯鞘型複合繊維の含有率が10~50質量%である請求項に記載の固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータを用いてなる固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータ(以下、「固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータ」を「セパレータ」と略記する場合がある)及び固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ(以下、「固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ」を「コンデンサ」と略記する場合がある)に関する。
【背景技術】
【0002】
「固体電解コンデンサ」は、導電性高分子を陰極材料に用いたアルミニウム電解コンデンサである。電解液のみを陰極材料に用いたアルミニウム電解コンデンサの伝導機構はイオン伝導であるが、固体電解コンデンサの伝導機構は電子伝導であり、高い周波数まで高い伝導度を有する。そのため、例えばCPUに電源を供給するための降圧回路に固体電解コンデンサを用いることで、低リップル化やコンデンサ個数の削減と言ったメリットを得ることができる。近年の電子機器の小型化、高性能化の要求に対応するため、固体電解コンデンサの使用が拡大している。
【0003】
固体電解コンデンサの欠点として、何らかの理由で陽極表面の酸化アルミニウム層が損傷した場合に、自己修復作用が無い点がある。この点について改良するため、陰極材料として、導電性高分子と電解液とを共に使用した、「ハイブリッド電解コンデンサ」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
導電性高分子をコンデンサ素子内に保持させる方法として、コンデンサ素子内にて導電性高分子の前駆体となるモノマーを酸化剤により酸化重合させる方法と、あらかじめモノマーを重合した導電性高分子をコンデンサ素子内に含浸させる方法とがある。
【0005】
コンデンサ素子内において、導電性高分子を酸化重合させる場合、モノマー及び酸化剤を含む溶液(以下、「重合液」と略記する場合がある)をコンデンサ素子に含浸後、加熱・乾燥して酸化重合させ、導電性高分子をコンデンサ素子内に形成させている。
【0006】
あらかじめ重合した導電性高分子を含浸させる場合、導電性高分子を水等の媒体に分散させた懸濁液(以下、「分散液」と略記する場合がある)をコンデンサ素子に含浸後、加熱・乾燥し、導電性高分子膜をコンデンサ素子内に形成させる。
【0007】
前記したいずれの方法で導電性高分子をコンデンサ素子内に保持させる場合においても、セパレータを構成する繊維の耐熱性と耐薬品性が重要である。従来、耐熱性に優れ、ESRの低い固体電解コンデンサ用セパレータとして、融点又は熱分解温度が250℃以上のフィブリル化耐熱性繊維とフィブリル化セルロースと芯鞘型複合繊維とを含有した湿式不織布からなる、固体電解コンデンサ用セパレータが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
特許文献2のセパレータでは、芯成分に融点255℃のポリエチレンテレフタレートを、鞘成分に融点110℃の共重合体ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートの共重合体)を配してなる芯鞘型複合繊維が用いられている。この芯鞘型複合繊維はバインダー繊維として使用されており、従来のコンデンサの使用環境下に対して、十分な耐電解液性を持ち、問題なく使用可能である。しかし、コンデンサの使用用途が、自動車用、特に自動車の駆動系近くに配置される機器に組み込まれる場合においては、従来よりも高い温度に耐えられるコンデンサが求められている。
【0009】
コンデンサ、特に電解液を用いるハイブリッド電解コンデンサにおいては、従来よりも高い温度の下で使用された場合、繊維が電解液溶媒等の作用により劣化して、寿命特性や信頼性に影響を及ぼすことが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開平11-186110号公報
【文献】特許第4163523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、耐電解液性に優れ、低抵抗で信頼性の高い固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサを実現することができる固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために鋭意研究した結果、下記発明を見出した。
【0013】
(1)フィブリル化耐熱性繊維とフィブリル化セルロースとバインダー繊維とを含有してなり、バインダー繊維として、融点160℃以上の樹脂を芯成分とし、湿熱接着性樹脂を鞘成分とする芯鞘型複合繊維を含み、湿熱接着性樹脂が、ビニルアルコール系樹脂及びエチレン-ビニルアルコール系樹脂の群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータ。
)セパレータに含まれる繊維全体に対し、該芯鞘型複合繊維の含有率が10~50質量%である(1)に記載の固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータ。
)上記(1)又は(2)に記載の固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータを用いてなる固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ。
【発明の効果】
【0014】
本発明の固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータは、微細で耐熱性の高いフィブリル化耐熱性繊維を含有することにより、セパレータの熱寸法安定性が向上し、耐熱性に優れたセパレータとすることができる。また、フィブリル化耐熱性繊維とフィブリル化セルロースによる緻密なネットワーク構造が形成され、導電性高分子膜の形成が均一となり、電解液の保持性に優れたセパレータが得られやすくなる。また、バインダー繊維として、融点160℃以上の樹脂を芯成分とし、耐薬品性と親水性に優れた湿熱接着性樹脂を鞘成分とする芯鞘型複合繊維を含有することにより、熱寸法安定性を損なうことなく、電解液により劣化しにくいセパレータとすることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維とフィブリル化セルロースとバインダー繊維とを含有してなり、バインダー繊維として、融点160℃以上の樹脂を芯成分とし、湿熱接着性樹脂を鞘成分とする芯鞘型複合繊維を含むことを特徴とする。
【0016】
固体電解コンデンサは、導電性高分子を陰極材料に用いたアルミニウム電解コンデンサである。ハイブリッド電解コンデンサは、陰極材料として導電性高分子と電解液とを共に使用したアルミニウム電解コンデンサであり、導電性高分子ハイブリッドアルミニウム電解コンデンサとも称される。固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサに用いられる導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、これらの誘導体が挙げられる。
【0017】
ハイブリッド電解コンデンサに用いられる電解液としては、非水系溶媒と有機塩とを含む電解液が好ましい。非水系溶媒として、γ-ブチロラクトン、スルホラン又はこれらの混合物を用いることができる。有機塩としては、ボロジサリチル酸トリエチルアミン等の有機アミン塩や環状アミジン塩を用いることができる。非水系溶媒中の有機塩の濃度は特に制限されるものではなく、例えば、5~50質量%とすることができる。
【0018】
本発明において、フィブリル化耐熱性繊維としては、融点又は熱分解温度が250℃以上であり、例えば、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ-p-フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ-p-フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリテトラフルオロエチレン等の耐熱性樹脂からなるフィブリル化繊維が用いられる。これらの中でも、フィブリル化しやすく、電解液や導電性高分子との親和性が高い、全芳香族ポリアミドが好ましく、パラ系全芳香族ポリアミドが特に好ましい。
【0019】
本発明において、フィブリル化耐熱性繊維とは、主に繊維軸と平行な方向に非常に細かく分割された部分を有する繊維で、少なくとも一部が繊維径1μm以下になっているものを指し、フィブリルは長さと幅のアスペクト比が20/1~100000/1の範囲に分布していることが好ましい。そのため、繊維本数が非常に多く存在するだけでなく、アスペクト比が非常に大きいため、フィブリル同士や他の繊維との絡み合う頻度が高く、緻密で細孔の小さな不織布を形成することができる。そのため、耐熱性に優れたセパレータが得られる。
【0020】
本発明におけるフィブリル化耐熱性繊維の変法濾水度は、0~700mlであることが好ましく、より好ましくは0~600mlであり、さらに好ましくは0~450ml未満である。変法濾水度が700mlを超えた場合、フィブリル化があまり進んでいないため、太い幹繊維が多く存在するため、細孔径が大きくなりやすく、導電性高分子の分布が不均一になる場合や電解液の保持性が悪化する場合がある。一方、変法濾水度が0ml未満である場合、平均繊維長が短くなりやすく、セパレータからフィブリル化耐熱性繊維が脱落する場合がある。フィブリル化耐熱性繊維のフィブリル化が進むと、変法濾水度は下がり続ける。そして、変法濾水度が0mlに達した後も、さらにフィブリル化すると、繊維がメッシュを通りすぎるようになり、変法濾水度が逆に上昇し始める。本発明では、このように、変法濾水度が逆上昇した状態を「変法濾水度が0ml未満」と称している。
【0021】
本発明において、変法濾水度とは、ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121-2:2012に準拠して測定した値のことである。
【0022】
フィブリル化耐熱性繊維において、質量加重平均繊維長は、0.10~2.00mmであることが好ましい。また、長さ加重平均繊維長は、0.05~1.50mm以下であることが好ましい。平均繊維長が好ましい範囲よりも短い場合、セパレータからフィブリル化耐熱性繊維が脱落する場合がある。平均繊維長が好ましい範囲よりも長い場合、分散不良が発生しやすく、坪量ムラが発生し、導電性高分子の分布が不均一になる場合や電解液の保持性が悪化する場合がある。
【0023】
本発明において、フィブリル化耐熱性繊維の質量加重平均繊維長と長さ加重平均繊維長は、KajaaniFiberLabV3.5(Metso Automation社製)を使用して、投影繊維長(Proj)モードにおいて測定した質量加重平均繊維長(L(w))と長さ加重平均繊維長(L(l))である。
【0024】
フィブリル化耐熱性繊維の平均繊維幅は、0.5~35μmが好ましく、1~30μmがより好ましく、4~28μm以下がさらに好ましい。平均繊維幅が35μmを超えた場合、導電性高分子に分布が不均一になる場合や電解液の保持性が悪化する場合がある。平均繊維幅が0.5μm未満の場合、セパレータから脱落する場合があり、電解液の保持性が悪化する場合がある。
【0025】
本発明において、フィブリル化耐熱性繊維の平均繊維幅は、KajaaniFiberLabV3.5(Metso Automation社製)を使用して測定した繊維幅(Fiber Width)である。
【0026】
フィブリル化耐熱性繊維は、耐熱性繊維をリファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃によりせん断力を与える回転式ホモジナイザー、高速の回転する円筒の内刃と固定された外刃との間でせん断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも20MPaの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより、繊維にせん断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いて処理することによって得ることができる。
【0027】
本発明のセパレータに含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維の含有率は、5~70質量%であることが好ましく、10~65質量%であることがより好ましく、20~60質量%であることがさらに好ましい。フィブリル化耐熱性繊維の含有率が5質量%未満である場合、セパレータの熱寸法安定性が低下し、耐熱性が不十分となるおそれがある。一方、フィブリル化耐熱性繊維の含有率が70質量%を超えた場合、セパレータの機械強度が不十分となるおそれがある。
【0028】
本発明におけるフィブリル化セルロースとしては、リヨセルやレーヨンなどの再生セルロース繊維、木材繊維や木材パルプ、リンター、リント、麻、柔細胞繊維などの非木材繊維及び非木材パルプをフィブリル化したものやバクテリアセルロースなどが挙げられる。柔細胞繊維とは植物の茎、葉、根、果実等に存在する柔細胞を主体とした部分を、アルカリで処理するなどして得られるセルロースを主成分とし、水に不溶な繊維を指す。
【0029】
本発明におけるフィブリル化セルロースの変法濾水度は、0ml以上700ml未満であることが好ましく、より好ましくは0ml以上600ml未満であり、さらに好ましくは0ml以上450ml未満である。変法濾水度が700ml以上の場合、フィブリル化があまり進んでいないため、太い幹繊維が多く存在するため、細孔径が大きくなりやすく、導電性高分子の分布が不均一になる場合や電解液の保持性が悪化する場合がある。一方、変法濾水度が0ml未満である場合、平均繊維長が短くなりやすく、セパレータからフィブリル化セルロースが脱落する場合がある。フィブリル化セルロースのフィブリル化が進むと、変法濾水度は下がり続ける。そして、変法濾水度が0mlに達した後も、さらにフィブリル化すると、繊維がメッシュを通りすぎるようになり、変法濾水度が逆に上昇し始める。本発明では、このように、変法濾水度が逆上昇した状態を「変法濾水度が0ml未満」と称している。
【0030】
本発明では、フィブリル化セルロースの平均繊維径は、好ましくは0.15~10μmであり、より好ましくは0.2~8μmであり、さらに好ましくは0.25~5μmであり、特に好ましくは0.25~1μmである。平均繊維径は、セパレータの表面や断面の走査型電子顕微鏡観察により、セパレータを形成する繊維から無作為に選んだ40本の繊維径を計測し、40本の繊維径の平均値である。
【0031】
フィブリル化セルロースの長さ加重平均繊維長は0.05~1.50mmであることが好ましく、0.10~1.40mmであることがより好ましく、0.20~1.30mmであることがさらに好ましい。長さ加重平均繊維長が0.05mm以上であることにより、湿式抄造の際に抄き網から抜け落ちて排水に流失する割合が多くなることを防ぐことができる。また、長さ加重平均繊維長が1.50mm以下であることにより、繊維がもつれてダマになることを防ぐことができ、その結果、厚みムラが生じることを防ぐことができる。
【0032】
本発明におけるフィブリル化セルロースの長さ加重平均繊維長は、KajaaniFiberLabV3.5(Metso Automation社製)を使用して、投影繊維長(Proj)モードにおいて測定した長さ加重平均繊維長(L(l))である。
【0033】
本発明のセパレータにおけるフィブリル化セルロースの含有率は、1~40質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましく、5~20質量%がさらに好ましい。フィブリル化セルロースの含有量が1質量%未満だと、導電性高分子膜が不均一となり、ESRが高くなる場合があり、40質量%より多いと、導電性高分子の重合を阻害し、ESRが高くなる場合がある。
【0034】
本発明におけるフィブリル化セルロースのフィブリル化は、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃によりせん断力を与える回転式ホモジナイザー、高速の回転する円筒の内刃と固定された外刃との間でせん断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも20MPaの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより、繊維にせん断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いて処理することによって得ることができるが、特に高圧ホモジナイザーで処理すると細かいフィブリルが得られるため好ましい。
【0035】
本発明のセパレータは、バインダー繊維として、融点160℃以上の樹脂を芯成分とし、湿熱接着性樹脂を鞘成分とする芯鞘型複合繊維を含有する。以下、特に断りのない限り、「融点160℃以上の樹脂を芯成分とし、湿熱接着性樹脂を鞘成分とする芯鞘型複合繊維」を「芯鞘型複合繊維」と略記する場合がある。
【0036】
本発明において、芯鞘型複合繊維の芯成分として用いられる融点160℃以上の樹脂としては、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエーテル、全芳香族ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ-p-フェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの樹脂を挙げることができる。
【0037】
これらの芯鞘型複合繊維は、単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。この中でも、芯成分として、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミドが好ましく、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレンがさらに好ましい。
【0038】
芯成分として用いられる樹脂の融点が160℃以上であることにより、鞘成分を熱融着さる高温処理においても芯成分が形状を保つことから、セパレータ表面の過剰なフィルム化を抑制することができる。樹脂の融点は163℃以上がより好ましい。融点は、JIS K7121:2012に準拠して測定した値である。
【0039】
本発明において、芯鞘型複合繊維の鞘成分として用いられる湿熱接着性樹脂とは、水分存在下で加熱することによって膨潤・ゲル化し、接着性を発現する樹脂を指し、本発明のセパレータの好ましい製造法である湿式抄造法において、湿式抄造時のドライヤー乾燥時に、湿熱接着性樹脂が膨潤・ゲル化した状態となり、この状態にてシートを熱圧乾燥することで、他の繊維を強固に固定する。
【0040】
本発明に用いる湿熱接着性樹脂としては、ビニルアルコール系樹脂、エチレン-ビニルアルコール系樹脂であることが好ましい。芯鞘型複合繊維の鞘成分として、耐薬品性に優れ、親水性に優れた、これらの湿熱接着性樹脂が鞘成分であることにより、電解液により劣化しにくいセパレータとすることが可能となり、吸水性に優れたセパレータとすることが可能となる。
【0041】
芯鞘型複合繊維の芯成分/鞘成分の体積比(「芯鞘比」とも称す)は、80/20~40/60が好ましく、70/30~50/50がより好ましい。芯成分は熱を付与された後も繊維形状を維持し、繊維の機械強度を維持する。鞘成分は熱を付与されると、溶融又は軟化して、構成繊維間を熱接着させる。鞘成分の熱接着により、構成繊維間の空隙が部分的に埋められ、より緻密なセパレータになる。
【0042】
芯鞘比が40/60より小さくて、鞘成分が多くなり過ぎると、構成繊維間が強く熱接着されるものの、芯成分の占める割合が少なくなり過ぎることによって、芯鞘型複合繊維そのものの単繊維強度が低下する場合がある。また、鞘成分が多いと、鞘成分の溶融によってセパレータの表面がフィルム化しやすくなり、ESRが悪化する場合がある。一方、芯鞘比が80/20よりも大きくて、芯成分が多くなり過ぎると、芯鞘型複合繊維自体の単繊維強度は高くなるものの、セパレータの構成繊維間が十分に熱接着されなくなる。そのため、繊維間が十分に熱接着されないことに起因して機械強度が低下するおそれがある。
【0043】
本発明において、セパレータに含まれる全繊維成分に対して、芯鞘型複合繊維の含有率は10~50質量%であることが好ましく、15~45質量%であることがより好ましく、15~40質量%であることがさらに好ましい。芯鞘型複合繊維の含有率が10質量%未満の場合、セパレータ表面の強度が低下し、コンデンサ素子作製工程において繊維の脱落が発生しやすくなり、コンタミとなるおそれがある。一方、芯鞘型複合繊維の含有率が50質量%より多い場合、セパレータ表面がフィルム化しやすく、導電性高分子の浸透性が悪化し、導電性高分子の分布が不均一になるため、ESRが高くなる場合がある。
【0044】
本発明において、芯鞘型複合繊維の繊維径は、好ましくは2~30μmであり、より好ましくは3~25μmであり、さらに好ましくは4~20μmである。繊維径が2μm未満の芯鞘型複合繊維を使用した場合には、セパレータの強度が不十分となる場合がある。一方、繊維径が30μmを超える芯鞘型複合繊維を使用した場合、抄紙の際の繊維分散が悪くなり、セパレータの地合が不均一となりやすく、導電性高分子膜が不均一となる場合がある。
【0045】
本発明において、芯鞘型複合繊維の繊維長は、好ましくは1~15mmであり、より好ましくは2~12mmであり、さらに好ましくは3~10mmである。繊維長が1mm未満の場合には、セパレータの強度が低下する場合があり、15mmを超える場合には、繊維分散性が低下しやすく、セパレータの地合が不均一となりやすく、導電性高分子膜が不均一となる場合がある。
【0046】
本発明のセパレータにおいては、必要に応じて、前記したフィブリル化耐熱性繊維、フィブリル化セルロース及び芯鞘型複合繊維以外の繊維を含有しても良い。例えば、合成繊維としては、ポリオレフィン、ポリエステル、全芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ジエン、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ-p-フェニレンベンゾビスオキサゾール、メラミン、フラン、尿素、アニリン、不飽和ポリエステル、フッ素、シリコーン、これらの誘導体等の合成樹脂からなる繊維が挙げられる。天然繊維としては、麻パルプ、コットンリンター、リント;再生繊維としては、リヨセル繊維、レーヨン、キュプラ;半合成繊維としては、アセテート、トリアセテート、プロミックス;無機繊維としては、アルミナ繊維、アルミナ・シリカ繊維、ロックウール、ガラス繊維、マイクロガラス繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナウィスカ、ホウ酸アルミウィスカなどの繊維が挙げられる。上記の繊維は、単一の樹脂からなる繊維(単繊維)であっても良いし、2種以上の樹脂からなる複合繊維であっても良い。複合繊維としては、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型が挙げられる。また、断面形状がT型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も含有できる。
【0047】
本発明のセパレータの厚みは、特に制限はないが、20μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、40μm以上がさらに好ましい。また、70μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましい。セパレータの厚みを上記の範囲とした場合においても、本発明のセパレータでは、ESRを低く抑えることができ、電極の積層工程で必要な引張強度を維持できるため、セパレータの抄造性も含め、各工程での作業性を損なうことがない。セパレータの厚みが70μmを超えると、セパレータのESRが高くなり過ぎる場合がある。また、コンデンサを高容量にすることができなくなる場合がある。セパレータの厚みが20μm未満であると、セパレータの強度が弱くなり過ぎて、セパレータの取り扱い時や細い幅に断裁する時に破損するおそれがある。
【0048】
本発明のセパレータの密度は、0.20g/cm以上0.50g/cm以下が好ましく、0.25g/cm以上0.40g/cm以下がより好ましい。密度が0.20g/cm未満である場合、セパレータの強度が弱くなり過ぎて、セパレータの取り扱い時や断裁時に破損するおそれがあり、0.50g/cmを超えた場合、導電性高分子や電解液の吸収性や保持性が低下し、ESRやサイクル特性が悪化する場合がある。
【0049】
本発明のセパレータは、湿式抄造法によって製造される湿式不織布であることが好ましい。湿式抄造法は繊維を水に分散して均一な抄紙スラリーとし、この抄紙スラリーを抄紙機で抄きあげて湿式不織布を製作する。抄紙機としては、円網抄紙機、長網抄紙機、傾斜型抄紙機、傾斜短網抄紙機、これらの複合機が挙げられる。湿式不織布を製造する工程において、必要に応じて水流交絡処理を施しても良い。湿式不織布の加工処理として、熱処理、カレンダー処理、熱カレンダー処理などを施しても良い。
【実施例
【0050】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りのない限り、すべて質量によるものである。
【0051】
<フィブリル化耐熱性繊維>
パラ系全芳香族ポリアミド繊維を、ダブルディスクリファイナーを用いて処理し、変法濾水度350ml、質量加重平均繊維長1.16mm、長さ加重平均繊維長0.78mm、平均繊維幅20μmのフィブリル化耐熱性繊維を作製した。
【0052】
<フィブリル化セルロース1>
リンターを、ダブルディスクリファイナーを用いて処理し、さらに高圧ホモジナイザーにて処理して、変法濾水度0ml、長さ加重平均繊維長0.22mm、平均繊維径0.30μmのフィブリル化セルロース1を作製した。
【0053】
<フィブリル化セルロース2>
リヨセル繊維を、ダブルディスクリファイナーを用いて処理し、変法濾水度90ml、長さ加重平均繊維長0.86mm、平均繊維径0.61μmのフィブリル化セルロース2を作製した。
【0054】
<芯鞘型複合繊維1>
芯成分がポリエチレンテレフタレート(融点:255℃)、鞘成分がエチレン-ビニルアルコール系樹脂であり、繊維径13μm、繊維長5mm、芯成分/鞘成分の体積比が50/50の芯鞘型複合繊維を、芯鞘型複合繊維1とした。
【0055】
<芯鞘型複合繊維2>
芯成分がポリエチレンテレフタレート(融点:255℃)、鞘成分がビニルアルコール系樹脂であり、繊維径11μm、繊維長5mm、芯成分/鞘成分の体積比が50/50の芯鞘型複合繊維を、芯鞘型複合繊維2とした。
【0056】
<芯鞘型PET複合繊維>
芯成分がポリエチレンテレフタレート(融点:255℃)、鞘成分がポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートの共重合体からなる非晶性の共重合ポリエステル(融点:115℃)であり、繊維径11μm、繊維長5mm、芯成分/鞘成分の体積比が50/50の芯鞘型ポリエステル複合繊維を、芯鞘型PET複合繊維とした。
【0057】
<PET単繊維>
ポリエチレンテレフタレートからなる、繊維径2μm、繊維長3mmの延伸ポリエステル繊維をPET単繊維とした。
【0058】
<PP単繊維>
ポリプロピレンからなる、繊維径5μm、繊維長5mmの延伸オレフィン繊維をPP単繊維とした。
【0059】
<セルロース単繊維>
繊維径9μm、繊維長3mmのレーヨン繊維を、セルロース単繊維とした。
【0060】
実施例1~8、比較例1及び2のセパレータを、以下の条件で製造した。
【0061】
(セパレータの製造)
2mの分散タンクに水を投入後、表1に示す原料配合比率(%)で配合し、分散濃度0.1質量%で15分間分散して、円網型抄紙機を用い、湿紙ウェブを得て、表面温度135℃のシリンダードライヤーによって熱圧乾燥し、幅1000mmの実施例1~8、比較例1及び2のセパレータを得た。
【0062】
【表1】
【0063】
実施例及び比較例のセパレータについて、下記物性の測定と評価を行い、結果を表2に示した。
【0064】
<セパレータの坪量>
JIS P8124:2011に準拠して、セパレータの坪量を測定した。
【0065】
<セパレータの厚さ>
JIS B7502:2016に規定された外側マイクロメーターを用いて、5N荷重時の厚さを測定した。
【0066】
<電解液浸漬後セパレータの質量維持率>
幅50mm×縦方向250mmの大きさの試験片を5枚採取し、水分平衡状態となした時の質量W(g)を測定した後、電解液の非水系溶媒として使用されるγ-ブチロラクトンに浸漬して、80±1℃の雰囲気下で7日間保存した。その後、γ-ブチロラクトンより取り出した試料を水洗乾燥し、再び水分平衡状態となしたものを電解液浸漬後セパレータとした。電解液浸漬後セパレータの質量W(g)を測定し、次の式により電解液浸漬後セパレータの質量維持率を求め、以下の指標で評価した。
電解液保存後のセパレータの質量維持率(%)=W/W×100
【0067】
A:95%以上。
B:95%未満、90%以上。
C:90%未満。
【0068】
<電解液浸漬後セパレータの強度維持率>
<電解液浸漬後セパレータの質量維持率>と同様の方法で、電解液浸漬後セパレータを作製した。卓上型材料試験機(株式会社オリエンテック製、商品名STA-1150)を用い、JIS P8113:2006に準じて、試験片幅50mm、つかみ間隔100mm、伸張速度200mm/minで電解液浸漬前後のセパレータについてMD方向の引張強度を測定し、電解液浸漬前の引張強度をT、電解液浸漬後の引張強度をTとし、次の式により電解液保存後セパレータの強度維持率を求め、以下の指標で評価した。
電解液保存後のセパレータの強度維持率(%)=T/T×100
【0069】
A:80%以上。
B:80%未満、70%以上。
C:70%未満。
【0070】
<セパレータの摩擦試験>
幅25mm、長さ250mmに切り揃えた試験片を、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社製、AB-301)にセットし、摩擦子に綿100%の黒布(ビリケンモス(登録商標))を用い、2ニュートン、毎分30往復の速度で6秒間、試験片の上面を摩擦した後、黒布に付着した繊維を目視判定し、以下の基準にてセパレータの表面強度を評価した。
【0071】
A:繊維長1mm以上の繊維が3本以下。
B:繊維長1mm以上の繊維が4~10本。
C:繊維長1mm以上の繊維が11本以上。
【0072】
<固体電解コンデンサの製作>
エッチング処理及び酸化皮膜形成処理を行った陽極箔と陰極箔とが接触しないように各実施例、及び比較例のセパレータを介在させて巻回し、コンデンサ素子を作製した。作製したコンデンサ素子は、再化成処理後、乾燥した。コンデンサ素子に、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸との導電性高分子水分散液を含浸後、加熱・乾燥させて導電性高分子を形成した。次に、所定のケースにコンデンサ素子を入れ、開口部を封口後、エージングを行い、定格電圧35V、定格静電容量100μFの固体電解コンデンサを得た。
【0073】
<ハイブリッド電解コンデンサの作製>
エッチング処理及び酸化皮膜形成処理を行った陽極箔と陰極箔とが接触しないように各実施例及び比較例のセパレータを介在させて巻回し、コンデンサ素子を作製した。作製したコンデンサ素子は、再化成処理後、乾燥した。コンデンサ素子に、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸との導電性高分子水分散液を含浸後、加熱・乾燥させて導電性高分子を形成した。続けて、コンデンサ素子に駆動用電解液を含浸させ、所定のケースにコンデンサ素子を入れ、開口部を封口後、エージングを行い、定格電圧35V、定格静電容量150μFのハイブリッド電解コンデンサを得た。
【0074】
<ESRの測定>
上記方法で作製した固体電解コンデンサとハイブリッド電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)は、温度20℃、周波数200kHzの条件にてLCRメーターで測定し、比較例1の測定値を1として相対値で評価した。
【0075】
【表2】
【0076】
表2に示した通り、実施例1~8で作製したセパレータは、フィブリル化耐熱性繊維とフィブリル化セルロースとバインダー繊維を含有し、バインダー繊維として、融点160℃以上の樹脂を芯成分とし、湿熱接着性樹脂を鞘成分とする芯鞘型複合繊維を含むことから、電解液の非水系溶媒であるγ-ブチロラクトンに高温(80±1℃)で保存した際の質量維持率と強度維持率が高く、耐電解液性に優れていた。
【0077】
実施例1と実施例2との比較から、セパレータに含まれる繊維全体に対し、芯鞘型複合繊維の含有率が50質量%以下である実施例1のセパレータは、芯鞘型複合繊維の含有率が50質量%を超える実施例2のセパレータよりも、固体電解コンデンサとハイブリッド電解コンデンサのESRが低く、好ましい結果となった。
【0078】
実施例3と実施例4との比較から、セパレータに含まれる繊維全体に対し、芯鞘型複合繊維の含有率が10質量%以上である実施例3のセパレータは、芯鞘型複合繊維の含有率が10質量%未満である実施例4のセパレータよりも、摩擦試験の結果からセパレータの表面強度に優れていた。
【0079】
実施例7と実施例8との比較から、鞘成分がエチレン-ビニルアルコール系樹脂である芯鞘型複合繊維をバインダー繊維とした実施例8のセパレータは、鞘成分がビニルアルコール系樹脂である芯鞘型複合繊維をバインダーとした実施例7のセパレータよりも、固体電解コンデンサとハイブリッド電解コンデンサのESRが低く、好ましい結果となった。
【0080】
芯鞘型PET複合繊維をバインダー繊維とした比較例1及び比較例2のセパレータは、電解液浸漬後セパレータの質量維持率及び電解液浸漬後セパレータの強度維持率が低く、耐電解液性に劣る結果となった。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の固体電解コンデンサ、又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータは、固体電解コンデンサ、ハイブリッド電解コンデンサに好適に使用できる。