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特許7273613捕虫システム、サーバ、情報処理方法、および捕虫装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】捕虫システム、サーバ、情報処理方法、および捕虫装置
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/00 20060101AFI20230508BHJP
   A01M 1/02 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
A01M1/00 Q
A01M1/02 T
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019091889
(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公開番号】P2020184932
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 愛
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-169584(JP,A)
【文献】特開2008-167696(JP,A)
【文献】特開2019-054771(JP,A)
【文献】特開平11-318272(JP,A)
【文献】特開2001-061394(JP,A)
【文献】特開2003-304788(JP,A)
【文献】特開2017-192321(JP,A)
【文献】特開2011-004657(JP,A)
【文献】特開2009-195190(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0150744(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 - 1/24
F24F 7/00 - 7/10
G06Q 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕虫機構と、
制御部とを備える捕虫システムであって、
前記制御部は、温度および湿度を含む環境情報と虫の数との対応関係データを参照することによって、前記捕虫機構の周囲の環境情報に基づいて、現在または将来の前記捕虫機構の周囲の虫の数を計算して、当該虫の数に応じたメッセージを出力する、捕虫システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記環境情報と前記虫の数の組み合わせの履歴に基づいて、現在または将来の前記捕虫機構の周囲の虫の数を予測して、当該虫の数に応じたメッセージを作成して出力する、請求項1に記載の捕虫システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記捕虫機構の周囲の虫の数に基づいて、前記捕虫機構の誘因ランプを動作させ、または、ファンの強度を制御する、請求項1に記載の捕虫システム。
【請求項4】
前記捕虫機構は捕虫装置に搭載され、
前記制御部は、前記捕虫装置と通信可能なサーバに搭載され、
前記制御部は、前記現在または将来の前記捕虫機構の周囲の虫の数に関する情報を、インターネットを介して前記捕虫装置に出力させ、またはインターネットを介して前記捕虫装置に対応する通信端末に出力させる、請求項1から3に記載の捕虫システム。
【請求項5】
前記捕虫機構と、前記制御部と、スピーカまたはディスプレイと、が捕虫装置に搭載され、
前記制御部は、前記現在または将来の前記捕虫機構の周囲の虫の数に関する情報を前記スピーカまたは前記ディスプレイから出力させる、請求項1から3に記載の捕虫システム。
【請求項6】
複数の捕虫装置と通信するための通信インターフェイスと、
前記通信インターフェイスを利用することによって、温度および湿度を含む環境情報と虫の数との対応関係データを参照することによって、前記捕虫装置の周囲の環境情報を取得して、現在または将来の前記捕虫装置の周囲の虫の数を計算して、当該虫の数に応じたメッセージを、インターネットを介して前記捕虫装置に出力させ、またはインターネットを介して前記捕虫装置に対応する通信端末に出力させるためのプロセッサと、を備えるサーバ。
【請求項7】
温度および湿度を含む環境情報と虫の数との対応関係データをメモリに準備するステップと、
プロセッサが、通信インターフェイスを介して、捕虫装置から、前記捕虫装置の周囲の環境情報を取得するステップと、
プロセッサが、前記対応関係データを参照することによって、前記捕虫装置の周囲の環境情報に基づいて現在または将来の前記捕虫装置の周囲の虫の数を計算するステップと、
前記虫の数に対応するメッセージを、インターネットを介して前記捕虫装置に出力させ、またはインターネットを介して前記捕虫装置に対応する通信端末に出力させるステップと、を備える情報処理方法。
【請求項8】
捕虫機構と、
温度および湿度を含む環境情報と虫の数との対応関係データを記憶するメモリと、
プロセッサと、
スピーカまたはディスプレイと、を備える捕虫装置であって、
前記プロセッサは、前記対応関係データを参照することによって、前記捕虫機構の周囲の環境情報に基づいて、現在または将来の前記捕虫機構の周囲の虫の数を計算して、当該虫の数に対応するメッセージを前記スピーカまたは前記ディスプレイから出力させる、捕虫装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中から虫やホコリを取り除くための空気清浄機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気清浄機に関する様々な技術が提案されている。たとえば、特開2018-174939号公報(特許文献1)には、送風機が開示されている。特許文献1によると、吸込口及び吹出口を有する筐体と、該筐体内に配置してあり、前記吸込口から吸気し、前記吹出口から排気する送風ファンとを備える送風機において、前記筐体は前記第一筐体と、前記第一筐体に取り付けられた第二筐体とを備え、前記第一筺体に前記第二筺体が取り付けられることによって、虫を捕獲するための空間が形成されることを特徴とする送風機が提供される。
【0003】
また、国際公開第2018/235305号公報(特許文献2)には、送風装置が開示されている。特許文献2によると、送風装置は、空気の流入口および吹出口を有する筐体と、筐体の内部に配置された送風ファンと、流入口を覆って筐体に着脱可能に取り付けられ、流入口の外側に第1空間を規定し、第1空間への空気の吸込口を有するカバー部材と、第1空間内またはカバー部材の外側に配置された二酸化炭素発生剤とを備える。
【0004】
また、特開2014-183744号公報(特許文献3)には、画像読取方法、画像抽出方法、透明シート及び画像読取装置が開示されている。特許文献3によると、一端部回りに回動可能に設けられた棒状の挟持体を備える画像読取装置により、粘着シートに粘着した虫を分析するための画像を読み取る画像読取方法であって、粘着シートに設けられた粘着面と、粘着面の縁部に配置すべき図形を設けた透明シートとを、透明シートが粘着面を覆うように貼付け、画像読取装置の読取部と挟持体との間で透明シート及び粘着シートを挟持し、挟持した透明シート及び粘着シートの画像を読取部で読み取ることを特徴とする画像読取方法が提供される。
【0005】
また、特開2009-106300号公報(特許文献4)には、捕虫装置及び捕虫シートの検査方法が開示されている。特許文献4によると、虫が侵入可能な開口部を有する長尺な筐体の内部に、外部の虫を内部に誘引するための誘虫手段と、虫を捕獲するための粘着面が設けられる帯状の捕虫シートを筐体の長手方向に沿って保持可能な保持部とを備える捕虫装置において、捕虫シートの全長を撮像可能にすべく、捕虫シートの長手方向に沿って移動可能な撮像部を備えることを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-174939号公報
【文献】国際公開第2018/235305号パンフレット
【文献】特開2014-183744号公報
【文献】特開2009-106300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、装置の周囲の環境に応じた虫の数に関する情報をユーザに提供することができる捕虫システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様に従うと、捕虫機構と、制御部とを備える捕虫システムが提供される。制御部は、捕虫機構の周囲の環境情報に基づいて、現在または将来の捕虫機構の周囲の虫の数に関する情報を出力する。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、装置の周囲の環境に応じた虫の数に関する情報をユーザに提供することができる捕虫システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成と動作概要を示すイメージ図である。
図2】第1の実施の形態にかかるサーバ100の構成の一態様を示すブロック図である。
図3】第1の実施の形態にかかるユーザ情報データ121を示すイメージ図である。
図4】第1の実施の形態にかかる機器情報データ122を示すイメージ図である。
図5】第1の実施の形態にかかる環境と虫の対応関係データ123を示すイメージ図である。
図6】第1の実施の形態にかかるサーバ100における情報処理を示すフローチャートである。
図7】第1の実施の形態にかかる空気清浄機200の構成の一態様を示すブロック図である。
図8】第1の実施の形態にかかる通信端末300の構成の一態様を示すブロック図である。
図9】第2の実施の形態にかかる環境と虫の対応関係データ123Bを示すイメージ図である。
図10】第2の実施の形態にかかる環境と虫の対応関係データ123Cを示すイメージ図である。
図11】第3の実施の形態にかかる環境と虫の対応関係の履歴データ123Dを示すイメージ図である。
図12】第4の実施の形態にかかる操作情報データ124を示すイメージ図である。
図13】第4の実施の形態にかかるサーバ100における情報処理を示すフローチャートである。
図14】第7の実施の形態にかかる空気清浄機200における情報処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下では、捕虫装置の一例として、空気中からホコリや虫を取り除く空気清浄機に関して説明を行う。すなわち、捕虫システムの一例として空気清浄システムに関して説明を行い、捕虫機構の一例として空気清浄機構に関して説明を行う。つまり、捕虫装置には、虫を取り除くことに特化した機能を有しないタイプの空気清浄機や空気調和機やその他の装置、あるいは逆に、虫を取り除くための機能を有したり、補足した虫の数をフィードバックしたり、予測される虫の数に応じて、例えば、UVランプの強度または点灯パターン、ファンの回転数、および二酸化炭素を発生させるための光触媒に対する光の照射量を制御する捕虫装置や空気清浄機やその他の装置などが含まれる。
<第1の実施の形態>
<ネットワークシステム1の全体構成と動作概要>
【0012】
まず、図1(A)を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成について説明する。本実施の形態にかかるネットワークシステム1は、主に、空気清浄機制御用のサーバ100と、天気予報サーバ100Bと、インターネットやルータなどを介してサーバ100に接続可能な空気清浄機200と、インターネットやルータなどを介してサーバ100に接続可能な通信端末300とを含む。
【0013】
なお、空気清浄機200は、空気を清浄するための機能を有すればよく、床に置く空気清浄専用の装置に限らず、加湿機能を有する空気清浄機や、空気清浄機能を有するエアコンなどであってもよい。また、通信端末300も、スマートフォンに限らず、ユーザが持ち運び可能であって、通信機能を有すればよく、タブレット端末やウェアラブル端末やスピーカやロボットや自動式掃除機やゲーム機やパーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0014】
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の動作概要について説明する。まず、サーバ100は、温度や湿度に対応する虫の数に関する情報を参照可能である。
【0015】
そして、空気清浄機200は、自身の周囲の温度や湿度を測定して、当該温度や湿度をサーバ100に送信する。サーバ100は、空気清浄機200からの温度や湿度を取得して、当該温度や湿度に対応する虫の数に関する情報、たとえば、虫が多いか少ないかの情報や蚊が何匹いるかの予想値など、を特定して空気清浄機200やユーザの通信端末300などに送信する。空気清浄機200やユーザの通信端末300は、サーバ100からのデータに応じて、虫の数に関する情報を音声出力したり、表示したりする。以下、このような機能を実現するためのネットワークシステム1の具体的な構成について詳述する。
<サーバ100のハードウェア構成>
【0016】
図2を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成するサーバ100のハードウェア構成の一態様について説明する。サーバ100は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、操作部140と、通信インターフェイス160とを含む。
【0017】
CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ100の各部を制御する。たとえば、CPU110は、メモリ120に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する各種の処理を実行する。
【0018】
メモリ120は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read-Only Memory)などによって実現され、サーバ100に内包されているものであってもよいし、サーバ100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ100からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行されるプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、ユーザ情報データ121、機器情報データ122、環境と虫の数の対応関係データ123、その他の本実施の形態にかかるサービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
【0019】
図3を参照して、本実施の形態にかかるユーザ情報データ121は、本サービスに登録されているユーザ毎に、ユーザの識別情報と、ユーザ名と、ユーザが属するグループの識別情報と、ユーザの住所などの対応関係を含む。なお、ユーザが属するグループとは、ユーザの家族や、ユーザのルームメイトや、ユーザが属する部署などが上げられる。
【0020】
図4を参照して、本実施の形態にかかる機器情報データ122は、本サービスに登録されている空気清浄機200毎に、空気清浄機200の識別情報と、空気清浄機200の機種名と、空気清浄機200のユーザの識別情報と、空気清浄機200の動作状態と、空気清浄機200の周囲の環境情報などの対応関係を含む。
【0021】
図5を参照して、本実施の形態にかかる対応関係データ123は、温度と湿度と虫の数に関する情報などの対応関係を含む。
【0022】
図2に戻って、操作部140は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をCPU110に入力する。
【0023】
通信インターフェイス160は、CPU110からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して、空気清浄機200や通信端末300などの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して空気清浄機200や通信端末300などの他の装置からのデータを受信して、CPU110に受け渡す。
<サーバ100における情報処理>
【0024】
次に、図6を参照しながら、本実施の形態にかかるサーバ100における情報処理について説明する。サーバ100のCPU110は、通信インターフェイス160を介して、空気清浄機200からデータを受信すると以下の処理を実行する。
【0025】
CPU110は、受信したデータから空気清浄機200に関する温度や湿度などを読み出して機器情報データ122に格納する(ステップS102)。CPU110は、対応関係データ123を参照して、環境情報に対応する虫の数に関する情報を特定する(ステップS104)。CPU110は、数に関する情報を知らせるための音声データまたはテキストデータを作成する(ステップS106)。たとえば、「今日は蚊が多いみたいですよ。気を付けて。」という音声メッセージや、「今日は虫が少ないから窓を開けて空気を入れ替えましょう。」というテキストメッセージを作成する。
【0026】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して音声メッセージまたはテキストデータを空気清浄機200に送信する(ステップS108)。これによって、空気清浄機200は、音声データに基づいて音声メッセージを出力したり、テキストデータに基づいてメッセージを表示したりする。
【0027】
なお、CPU110は、ユーザ情報データ121や機器情報データ122を参照して、空気清浄機200のユーザや家族の通信端末300を特定し、通信インターフェイス160を介して音声メッセージまたはテキストデータを通信端末300に送信する(ステップS108)。これによって、通信端末300は、音声データに基づいて音声メッセージを出力したり、テキストデータに基づいてメッセージを表示したりする。
<空気清浄機200のハードウェア構成>
【0028】
図7を参照して、ネットワークシステム1を構成する空気清浄機200のハードウェア構成の一態様について説明する。本実施の形態にかかる空気清浄機200は、主たる構成要素として、CPU210と、メモリ220と、ディスプレイ230と、操作部240と、通信インターフェイス260と、スピーカ270と、マイク280と、機器駆動部290と、温度センサ291と、湿度センサ292と、誘引ランプ293とを含む。
【0029】
CPU210は、メモリ220あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、空気清浄機200の各部を制御する。
【0030】
メモリ220は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ220は、CPU210によって実行される調理プログラムまたは他のプログラムや、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ100やサーバ100から受信したデータ、操作部240を介して入力されたデータなどを記憶する。
【0031】
ディスプレイ230は、CPU110からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。操作部240は、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU210に入力する。なお、ディスプレイ230と操作部240とは、タッチパネル250を構成してもよい。
【0032】
通信インターフェイス260は、アンテナやコネクタなどの通信モジュールによって実現される。通信インターフェイス260は、ルータなどを介して有線通信あるいは無線通信によって他の装置との間でデータをやり取りする。本実施の形態においては、CPU210は、通信インターフェイス260を介して、サーバ100や通信端末300などの他の装置から各種の制御命令を受信したり、サーバ100や通信端末300などの他の装置に各種の情報を送信したりする。
【0033】
スピーカ270は、CPU210からの信号に基づいて、音声を出力する。マイク280は、外部からの音声に基づいて音声信号を作成し、CPU210に入力する。
【0034】
機器駆動部290は、CPU210からの信号に基づいて、電気機器の各部(モータやアクチュエータやヒータやリモコン用赤外線発信装置など)を制御することによって、空気を吸い込んだり吐き出したり、空気中のホコリや虫などをフィルタによって取り除いたり、イオンを放出したりするものである。
【0035】
温度センサ291は、空気清浄機200が吸い込む空気の温度を測定して、測定結果をCPU210に受け渡す。
【0036】
湿度センサ292は、空気清浄機200が吸い込む空気の湿度を測定して、測定結果をCPU210に受け渡す。
【0037】
誘引ランプ293は、空気清浄機200の空気の吸い込み口の近傍に設けられ、CPU210からの指示に従って、点灯したり、消灯したり、強度を変更したりする。
【0038】
なお、機器駆動部290や誘引ランプ293などの空気清浄のための主なユニットを合わせて「空気清浄機構」とも言う。
【0039】
本実施の形態においては、CPU210は、操作部240を介して通常の空気清浄運転を開始する命令や終了する命令や運転モードの設定命令や運転強度の設定命令を受け付けて、当該命令に基づいて機器駆動部290を制御する。あるいは、CPU210は、通信インターフェイス260を介してサーバ100から、通常の空気清浄運転を開始する命令や終了する命令や運転モードの設定命令や運転強度の設定命令を受け付けて、当該命令に基づいて機器駆動部290を制御する。
【0040】
特に本実施の形態においては、CPU210は、測定した温度や湿度を環境情報として、通信インターフェイス260を介してサーバ100に送信する。そして、CPU210は、通信インターフェイス260を介してサーバ100から音声データを受信して、スピーカ270に音声メッセージを出力させたり、通信インターフェイス260を介してサーバ100からテキストデータを受信して、ディスプレイ230にメッセージを表示させたりする。
<通信端末300の構成>
【0041】
次に、図8を参照して、ネットワークシステム1を構成する通信端末300の構成の一態様について説明する。本実施の形態にかかる通信端末300は、主たる構成要素として、CPU310と、メモリ320と、ディスプレイ330と、操作部340と、通信インターフェイス360と、スピーカ370と、マイク380などを含む。
【0042】
CPU310は、メモリ320に記憶されているプログラムを実行することによって、通信端末300の各部を制御する。
【0043】
メモリ320は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ320は、各種のアプリケーションプログラムなどのCPU310によって実行されるプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ100や空気清浄機200から受信したデータ、操作部340を介して入力されたデータ、通信端末300のユーザを特定するための情報などを記憶する。
【0044】
ディスプレイ330は、CPU310からのデータに基づいて、画像やテキストを表示する。たとえば、CPU310は、通信インターフェイス360を介してサーバ100からのテキストデータに基づいてディスプレイ330にメッセージを表示させる。操作部340は、ポインティングデバイスやスイッチなどから構成され、ユーザからの各種の命令をCPU310に入力する。なお、通信端末300は、ディスプレイ330と操作部340とを含むタッチパネル350を有してもよい。
【0045】
通信インターフェイス360は、インターネットやキャリア網やルータなどを介して、サーバ100や空気清浄機200などの他の装置との間でデータを送受信する。たとえば、CPU310は、メモリ320のアプリケーションプログラムに従って、通信インターフェイス360を介して、サーバ100から各種のデータを受信したり、タッチパネル350を介してユーザから受け付けた各種命令をサーバ100や空気清浄機200などの他の装置に送信したりする。
【0046】
スピーカ370は、CPU310からのデータに基づいて音声を出力する。たとえば、CPU310は、通信インターフェイス360を介してサーバ100からの音声データをスピーカ370に出力させる。マイク380は、取得した音声信号をCPU310に入力する。たとえば、CPU310は、マイク380から取得した音声データは通信インターフェイス360を介してサーバ100に送信する。
【0047】
そして、本実施の形態においては、CPU310は、通信インターフェイス360を介してサーバ100から音声データを受信して、スピーカ370に音声メッセージを出力させたり、通信インターフェイス360を介してサーバ100からテキストデータを受信して、ディスプレイ330にメッセージを表示させたりする。
<第2の実施の形態>
【0048】
上記の実施の形態においては、測定した温度および湿度と、虫の多少と、の対応関係に基づいて適切な情報を提供するものであった。しかしながら、たとえば、図9に示すように、温度と、虫の多少と、の対応関係データ123Bに基づいてメッセージを作成したり、出力したりしてもよい。
【0049】
あるいは、図10に示すように、季節毎や、月毎や、天気毎や、地域毎に、測定した温度および湿度と、虫の多少と、の対応関係データ123Cに基づいてメッセージを作成したり、出力したりしてもよい。
<第3の実施の形態>
【0050】
上記の実施の形態においては、温度や湿度などと、虫の多少と、の対応関係が、予め、メモリ120のデータベースとして準備されるものであった。しかしながら、たとえば、図11に示すように、サービスを提供する空気清浄機200毎に、温度や湿度と、虫の数と、虫の多少に関する情報などの対応関係の履歴データ123Dを蓄積してもよい。
【0051】
より詳細には、AI学習などを利用することによって空気清浄機200が捕まえた虫の数を自動的に計測したり、ユーザが虫の数や多少を示す情報を空気清浄機200に入力したりすることによって、空気清浄機200のCPU210が、通信インターフェイス260を介して、温度と湿度と虫の数との組み合わせをサーバ100に提供する。なお、捕まえた虫の数を計測する方法としては、空気清浄機が有する捕虫機構、たとえば捕虫かご、粘着性のある捕虫シート、捕虫網など、によってトラップした虫を、(1)ユーザが直接カウントする方法、(2)機器に内蔵する赤外カメラを利用する方法、捕虫シートに光を投影したりして空気清浄機200が自動的にカウントする方法などが考えられる(国際公開第2017/208491号パンフレットなど)。サーバ100のCPU110は、空気清浄機200からの温度と湿度と虫の数とを受け付けると、履歴データとしてメモリ120に蓄積する。これによって、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、空気清浄機200から温度や湿度を取得すると、当該温度や湿度に似通った履歴データに基づいて虫の数を予測することができる。
【0052】
なお、CPU110は、季節毎や、月毎や、天気毎や、地域毎に、複数の空気清浄機200から取得した、温度や湿度と、虫の数と、虫の多少に関する情報などの対応関係の履歴データ123Dを蓄積してもよい。これによって、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、空気清浄機200から温度や湿度を取得すると、当該空気清浄機200の地域の複数の空気清浄機200からの履歴データを蓄積することによって作成された対応関係を利用して、今回の温度や湿度に似通った履歴データに基づいて虫の数を予測することができる。
<第4の実施の形態>
【0053】
上記の実施の形態においては、測定した温度および湿度と、虫の多少と、の対応関係に基づいて適切な情報を提供するものであった。しかしながら、たとえば、測定した温度および湿度と、虫の多少と、の対応関係に基づいて、空気清浄機200に適切な動作を実行させてもよい。
【0054】
より詳細には、図12に示すような、サーバ100のメモリ120は、操作情報データ124を記憶してもよい。操作情報データ124は、虫の数と、適切な操作情報と、の対応関係を格納する。
【0055】
次に、図13を参照しながら、本実施の形態にかかるサーバ100における情報処理について説明する。サーバ100のCPU110は、上記の実施の形態の処理に加えて、CPU110は、操作情報データ124を参照して、虫の数に対応する空気清浄機200の動作を特定する(ステップS110)。CPU110は、通信インターフェイス160を介して特定した動作を実行させるための命令を空気清浄機200に送信する(ステップS112)。これによって、空気清浄機200のCPU210は、通信インターフェイス260を介してサーバ100から受信した命令に基づいて、機器駆動部290や誘引ランプ293などを動作させる。
<第5の実施の形態>
【0056】
上記の実施の形態においては、空気清浄機200で測定した温度および湿度に基づいて適切な情報を提供するものであった。しかしながら、別の装置からの情報、たとえば天気予報データなどに基づいて、虫の数に関する情報を提供してもよい。具体的には、図6のステップS102において、サーバ100のCPU110は、空気清浄機200毎に、ユーザ情報データ121や機器情報データ122を参照することによって空気清浄機200が置かれている地域を特定し、当該空気清浄機200の環境情報として、通信インターフェイス160を介して天気予報サーバ100Bから当該地域の天候や温度や湿度などを取得してもよい。
<第6の実施の形態>
【0057】
上記の実施の形態においては、取得した現在の温度および湿度と、虫の多少と、の対応関係に基づいて適切な現在の情報を提供するものであった。しかしながら、たとえば、翌日や翌々日などの将来の天気や温度や湿度などの環境情報と、虫の多少と、の対応関係に基づいて将来に関する情報を提供してもよい。
【0058】
図6を参照して、本実施の形態においては、サーバ100のCPU110は、空気清浄機200毎に、ユーザ情報データ121や機器情報データ122を参照することによって空気清浄機200が置かれている地域を特定し、通信インターフェイス160を介して、天気予報サーバ100Bから翌日や翌々日などの当該地域の将来の天候や温度や湿度などを空気清浄機200の環境情報として取得する(ステップS102)。
【0059】
CPU110は、対応関係データ123を参照して、環境情報に対応する虫の数に関する情報を特定する(ステップS104)。CPU110は、翌日や翌々日などの将来の虫の数に関する情報を知らせるための音声データまたはテキストデータを作成する(ステップS106)。たとえば、「明日は蚊が多いみたいですよ。気を付けて。」という音声メッセージや、「日曜日は虫が少ないから窓を開けて大掃除をしてはいかかですか。」というテキストメッセージを作成する。
【0060】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して音声メッセージまたはテキストデータを空気清浄機200に送信する(ステップS108)。これによって、空気清浄機200は、音声データに基づいて音声メッセージを出力したり、テキストデータに基づいてメッセージを表示したりする。
【0061】
なお、CPU110は、ユーザ情報データ121や機器情報データ122を参照して、空気清浄機200のユーザの通信端末300を特定し、通信インターフェイス160を介して音声メッセージまたはテキストデータを通信端末300に送信する(ステップS108)。これによって、通信端末300は、音声データに基づいて音声メッセージを出力したり、テキストデータに基づいてメッセージを表示したりする。
<第7の実施の形態>
【0062】
上記の実施の形態のネットワークシステム1の各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。たとえば、サーバ100や空気清浄機200や通信端末300の各々の役割の一部または全部を別の装置が担ったり、サーバ100や空気清浄機200や通信端末300の各々の役割の一部または全部を複数の装置で担ったり、サーバ100や空気清浄機200や通信端末300のいずれかがサーバ100や空気清浄機200や通信端末300のいずれかの役割の一部または全部を担ったりしてもよい。
【0063】
具体的な一例として、空気清浄機200がローカルで各種の処理を実行してもよい。この場合は、メモリ220が、対応関係データ123,123B,123C,123Dや操作情報データ124などを記憶する。そして、空気清浄機200のCPU210が、メモリ220のプログラムに従って、以下の処理を実行する。
【0064】
図14を参照して、CPU210は、温度センサ291を用いて温度を測定したり、湿度センサ292を用いて湿度を測定したりする(ステップS202)。CPU210は、対応関係データ123,123B,123Cを参照して、環境情報に対応する虫の数に関する情報を特定する(ステップS204)。CPU210は、数に関する情報を知らせるための音声データまたはテキストデータを作成する(ステップS206)。たとえば、「今日は蚊が多いみたいですよ。気を付けて。」という音声メッセージや、「今日は虫が少ないから窓を開けて空気を入れ替えましょう。」というテキストメッセージを作成する。
【0065】
CPU210は、音声データに基づいてスピーカ270に音声メッセージを出力させたり、テキストデータに基づいてディスプレイ230にメッセージを表示させたりする(ステップS208)。
【0066】
CPU210は、操作情報データ124を参照することによって、虫の数に基づいて空気清浄機構を操作する(ステップS210)。
【0067】
その他、空気清浄機200が天気予報をサーバ100Bから取得して虫の数をローカルで計算するような形態であってもよく、または、虫の数をサーバ100に送信して操作命令や音声メッセージをサーバ100から取得するような形態であってもよい。
<まとめ>
【0068】
上記の実施の形態においては、捕虫機構と、制御部とを備える捕虫システムが提供される。制御部は、捕虫機構の周囲の環境情報に基づいて、現在または将来の捕虫機構の周囲の虫の数に関する情報を出力する。
【0069】
好ましくは、制御部は、環境情報と虫の数の組み合わせの履歴に基づいて、現在または将来の捕虫機構の周囲の虫の数に関する情報を作成する。
【0070】
好ましくは、制御部は、捕虫機構の周囲の虫の数に基づいて、捕虫機構を操作する。
【0071】
好ましくは、捕虫機構は捕虫装置に搭載される。制御部は、捕虫装置と通信可能なサーバに搭載される。制御部は、現在または将来の捕虫機構の周囲の虫の数に関する情報を捕虫装置または通信端末に出力させる。
【0072】
好ましくは、捕虫機構と、制御部と、スピーカまたはディスプレイと、が捕虫装置に搭載される。制御部は、現在または将来の捕虫機構の周囲の虫の数に関する情報をスピーカまたはディスプレイから出力させる。
【0073】
上記の実施の形態においては、複数の捕虫装置と通信するための通信インターフェイスと、通信インターフェイスを利用することによって、捕虫装置の周囲の環境情報を取得して、現在または将来の捕虫装置の周囲の虫の数に関する情報を捕虫装置または通信端末に出力させるためのプロセッサと、を備えるサーバが提供される。
【0074】
上記の実施の形態においては、プロセッサが、通信インターフェイスを介して、捕虫装置の周囲の環境情報を取得するステップと、プロセッサが、当該環境情報に基づいて現在または将来の捕虫装置の周囲の虫の数に関する情報を捕虫装置または通信端末に出力させるステップと、を備える情報処理方法が提供される。
【0075】
上記の実施の形態においては、捕虫機構と、サーバと通信するための通信インターフェイスと、プロセッサと、スピーカまたはディスプレイと、を備える捕虫装置が提供される。プロセッサは、通信インターフェイスを介してサーバから、現在または将来の捕虫機構の周囲の虫の数に関する情報を受信してスピーカまたはディスプレイから出力させる。
【0076】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0077】
1 :ネットワークシステム
100 :サーバ
100B :天気予報サーバ
110 :CPU
120 :メモリ
121 :ユーザ情報データ
122 :機器情報データ
123 :対応関係データ
123B :対応関係データ
123C :対応関係データ
123D :履歴データ
124 :操作情報データ
140 :操作部
160 :通信インターフェイス
200 :空気清浄機
210 :CPU
220 :メモリ
230 :ディスプレイ
240 :操作部
250 :タッチパネル
260 :通信インターフェイス
270 :スピーカ
280 :マイク
290 :機器駆動部
291 :温度センサ
292 :湿度センサ
293 :誘引ランプ
300 :通信端末
310 :CPU
320 :メモリ
330 :ディスプレイ
340 :操作部
350 :タッチパネル
360 :通信インターフェイス
370 :スピーカ
380 :マイク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14