(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】ネットワークシステム、通信端末、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/10 20180101AFI20230511BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20230511BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20230511BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20230511BHJP
H04W 92/08 20090101ALI20230511BHJP
【FI】
H04W76/10
H04L12/28 500A
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
H04W92/08 110
(21)【出願番号】P 2019063361
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2021-09-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【氏名又は名称】山内 聡
(72)【発明者】
【氏名】藤井 仰
(72)【発明者】
【氏名】野津 拓也
(72)【発明者】
【氏名】岩本 剛
【審査官】田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/110035(WO,A1)
【文献】特開2016-032168(JP,A)
【文献】特開2019-041309(JP,A)
【文献】特開2015-179885(JP,A)
【文献】特開2013-232950(JP,A)
【文献】特開2017-212676(JP,A)
【文献】国際公開第2015/107921(WO,A1)
【文献】特開2018-006998(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0218517(US,A1)
【文献】特開2017-134448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04L 12/28
H04M 11/00
H04Q 9/00
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器と通信端末とを備えるネットワークシステムであって、
前記電気機器は、電源がONされた際または所定の契機の際に、Bluetooth(登録商標)に準拠する第1の通信方式にて前記電気機器の識別情報を含む第1のビーコンを発信し、
前記通信端末は、前記第1のビーコンに基づいて前記電気機器との接続に関する通知を出力し、前記電気機器の所定のボタンを押すことを促す情報を出力し、
前記電気機器は、自身に対する直接のユーザ操作を受け付けることによって、前記第1の通信方式にて前記電気機器の識別情報を含む第2のビーコンを送信し、
前記通信端末は、前記通知に対するユーザからの応答があった後で前記第2のビーコンを受けた場合に、前記第2のビーコンに含まれる前記電気機器の識別情報が前記第1のビーコンに含まれる識別情報と同じであるか否かの判断を行い、両者が同じであることが確認できると前記第1の通信方式にて前記電気機器と接続する、ネットワークシステム。
【請求項2】
前記電気機器は、第1の時間間隔で前記第1のビーコンを発信し、前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で前記第2のビーコンを発信する、請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記電気機器は、前記第1のビーコンよりも高い出力で前記第2のビーコンを発信する、請求項1または2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記通信端末は、前記電気機器と前記第1の通信方式にて接続されると、所定の操作を受け付けることによって、前記電気機器にWiFi(登録商標)に準拠する第2の通信方式にてルータと接続するように指示する、請求項1から3のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
サーバをさらに備え、
前記電気機器が前記第2の通信方式にて前記ルータに接続されると、前記サーバが前記電気機器に識別IDを提供し、
前記通信端末が、前記電気機器から前記第1の通信方式にて前記識別IDを取得して前記サーバに送信することによって、前記サーバが前記電気機器と前記通信端末とをペアリングする、請求項4に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
サーバをさらに備え、
前記通信端末は、前記ユーザからの前記通知に対する応答があった場合に、前記電気機器を前記ルータと接続させるための手順を含む情報を前記サーバからダウンロードする、請求項4に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
第2の家電をさらに備え、
前記第1のビーコンに基づく通知から前記第2のビーコンによる接続までの期限が、前記
電気機器と前記第2の家電とで異なるように設定される、請求項1から6のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項8】
前記第1のビーコンに基づく通知から前記第2のビーコンによる接続までの期限を示す情報が、前記電気機器または前記通信端末に表示される、請求項1から7のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項9】
通信インターフェイスと、
ディスプレイまたはスピーカと、
操作部と、
プロセッサとを備え、前記プロセッサは、
前記通信インターフェイスを介して、Bluetooth(登録商標)に準拠する第1の通信方式にて電気機器からの前記電気機器の識別情報を含む第1のビーコンを受信し、
前記ディスプレイまたは前記スピーカを介して前記電気機器との接続に関する通知を出力し、前記電気機器の所定のボタンを押すことを促す情報を出力し、
前記操作部を介してユーザ操作を受け付けた後で前記電気機器から第2のビーコンを受けた場合に、前記第2のビーコンに含まれる前記電気機器の識別情報が前記第1のビーコンに含まれる識別情報と同じであるか否かの判断を行い、両者が同じであることが確認できると、前記通信インターフェイスを介して、前記電気機器と前記第1の通信方式にて接続する、通信端末。
【請求項10】
通信インターフェイスと、ディスプレイまたはスピーカと、操作部と、プロセッサとを備える通信端末のためのプログラムであって、前記プロセッサに、
前記通信インターフェイスを介して、Bluetooth(登録商標)に準拠する第1の通信方式にて電気機器からの前記電気機器の識別情報を含む第1のビーコンを受信するステップと、
前記ディスプレイまたは前記スピーカを介して前記電気機器との接続に関する通知を出力するステップと、
前記電気機器の所定のボタンを押すことを促す情報を出力するステップと、
前記操作部を介してユーザ操作を受け付けた後で前記電気機器から第2のビーコンを受けた場合に、前記第2のビーコンに含まれる前記電気機器の識別情報が前記第1のビーコンに含まれる識別情報と同じであるか否かの判断を行うステップと、
両者が同じであることが確認できると、前記通信インターフェイスを介して、前記電気機器と前記第1の通信方式にて接続するステップと、を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器間の無線通信の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気機器と通信端末とを紐づけることによって、通信端末によって電気機器を遠隔制御したり、通信端末が電気機器の情報を取得したりする技術が知られている。たとえば、特開2018-32917号公報(特許文献1)には、ネットワークシステム、情報処理方法、サーバ、電気機器、通信端末、およびプログラムが開示されている。特許文献1によると、LAN接続されている少なくとも1つの電気機器と、LAN接続されている少なくとも1つの電気機器を選択可能に表示するための通信端末と、通信端末に対する少なくとも1つの電気機器の選択命令に基づいて、選択された電気機器と通信端末とに関する所定の処理を実行するためのサーバとを備える、ネットワークシステムが提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来よりも簡単に電気機器と通信端末とのデータのやり取りを開始することができるネットワークシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のある態様に従うと、電気機器と通信端末とを備えるネットワークシステムが提供される。電気機器は、Bluetooth(登録商標)に準拠する第1の通信方式にてノンコネクタブル・ビーコン、たとえばペアリングできない一方的なデータなど、を発信する。通信端末は、ノンコネクタブル・ビーコンに基づいて接続用の通知を出力する。電気機器は、自身に対する直接のユーザ操作を受け付けることによって、第1の通信方式にてコネクタブル・ビーコンを送信する。通信端末が通知に対するユーザからの応答があった後でコネクタブル・ビーコンを受けた場合に、通信端末と電気機器とが第1の通信方式にて互いに接続する。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明によれば、従来よりも簡単に電気機器と通信端末とのデータのやり取りを開始することができるネットワークシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成を示すイメージ図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の動作概要を示すイメージ図である。
【
図3】第1の実施の形態にかかる電気機器100の構成を表わすブロック図である。
【
図4】第1の実施の形態にかかる通信端末200の構成を表わすブロック図である。
【
図5】第1の実施の形態にかかるサーバ300の構成を表わすブロック図である。
【
図6A】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の情報処理を示す第1のシーケンス図である。
【
図6B】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の情報処理を示す第2のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<ネットワークシステムの全体構成>
【0009】
まず、
図1および
図2を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の簡単な全体構成について説明する。ネットワークシステム1は、主に、家庭やオフィスなどに配置される洗濯機100Aや掃除機100Bやエアコン100Cなどの各種の電気機器と、電気機器を利用するユーザが有するスマートフォンなどの通信端末200と、通信端末200からの指示に応じて電気機器100を制御するための家電制御サーバ300などを含む。
【0010】
なお、電気機器に関しては、
図1に示すような洗濯機100Aや掃除機100Bやエアコン100Cに限らず、冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器などの家電、テレビ、ハードディスクレコーダ、音楽プレーヤー、プロジェクタ、スピーカ、ロボットなどのAV(オーディオ・ビジュアル)機器、太陽光発電機、インターホン、給湯器などの住宅設備、などであってもよい。これらの装置を総称して電気機器100ともいう。本実施の形態においては、電気機器100は、主にルータ400を介してインターネットに接続される。
【0011】
また、通信端末に関しても、
図1に示すようなスマートフォンに限らず、タブレット、パーソナルコンピュータ、スピーカ、ウェアラブル端末、ロボット、ゲーム機、電子書籍端末などであってもよく、これらの装置を総称して通信端末200ともいう。通信端末200は、ルータ400を介してインターネットに接続されてもよいし、LTEなどのキャリア網を介してインターネットに接続されてもよい。
<ネットワークシステムの動作概要>
【0012】
次に、
図1および
図2を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の動作概要について説明する。
【0013】
まず、ユーザが新しい電気機器100を購入して電源をONすると、電気機器100は、定期的に、たとえばBLE(Bluetooth Low Energy)に準拠した通信方式を利用して、ノンコネクタブル・ビーコンをブロードキャストし始める(ステップS002)。なお、電源のONのトリガ以外にも、ドアの開閉や人の接近などを検知して短時間だけビーコンを発信してもよい。当該ビーコンには、電気機器100の種類や識別番号が含まれているが、ペアリングできない一方的なデータである。なお、当該ビーコンの送信は、後述するステップS014の「長押し」がされるまで、またはルータ400とのWiFi(登録商標)接続に成功するまで、または電気機器100の電源がOFFされるまで、継続されることが好ましい。
【0014】
ユーザは、通信端末200に、家電制御用のアプリケーションプログラムをダウンロードしてインストールする(ステップS004)。ユーザは、家電制御サービスの利用規約を確認して、当該サービスにログインする(ステップS006)。なお、当該アプリケーションのインストールやサービスへのログインは、電気機器100を購入したり配置したりする前に既に完了していてもよい。
【0015】
通信端末200は、電気機器100からのビーコンを受信すると、電気機器100からのアクセスがあった旨をポップアップ通知する(ステップS008)。たとえば、電気機器100の発見した旨のメッセージや電気機器100の種類などを音声または表示することによってユーザに通知する。
【0016】
ユーザが接続処理の続行を許諾すると、通信端末200は、電気機器100をWPSモードでルータ400に接続させるか、手動入力によってルータ400に接続させるか、を選択するための命令をユーザから受け付ける(ステップS010)。
【0017】
そして、通信端末200は、サーバ300から、当該電気機器100の種類に応じた、ルータ400とWiFi(登録商標)接続するための説明書をダウンロードする(ステップS012)。通信端末200は、電気機器100のWiFi(登録商標)接続の方法を表示したり音声案内したりする。
【0018】
ユーザが説明書に従って、電気機器100の所定のボタンを「長押し」すると、電気機器100は、BLEに準拠した通信方式を利用して、ペアリング用のコネクタブル・ビーコンを通信端末200に送信する(ステップS014)。当該ビーコンには、電気機器100の種類や識別番号が含まれており、互いにペアリングするためのデータである。
【0019】
本実施の形態においては、通信端末200が、ステップS008の通知に対するユーザの肯定的な操作の後に、当該コネクタブル・ビーコンを電気機器100から受信すると、電気機器100とのBLEに準拠した通信方式のペアリングを行う。なお、暗号化を伴うペアリングに限らず、双方向にデータをやり取りする接続状態が確立できればよい。これによって、通信端末200は、電気機器100のWiFi(登録商標)接続に関し、WPSモードか手動入力モードの選択命令を電気機器100に送信する。
【0020】
電気機器100は、無線LAN機能をONして、WPSモードまたは手動入力モードに移行する。
【0021】
ユーザが、WiFi(登録商標)用の無線ルータ400のWPSボタンを押すと(ステップS016)、無線ルータ400と電気機器100とが必要な情報を交換して、WiFi(登録商標)接続を行う。
【0022】
その後、ユーザは、通信端末200を利用して、電気機器100と通信端末200との家電制御サービスに関するペアリングを行ったり、電気機器100に関する各種の情報の登録を行ったり(ステップS018)、その他の詳細なアプリケーションプログラムの紹介を閲覧したりすることができる(ステップS020)。
【0023】
なお、電気機器100がノンコネクタブル・ビーコンを発信したあとにコネクタブル・ビーコンを発信することによるBLEのペアリングだけでなく、ノンコネクタブル・ビーコンが止まっている状態で電気機器100の所定のボタンの長押しでコネクタブル・ビーコンが発信され、BLEのペアリングの処理が行われる機能を有してもよい。
【0024】
このように、本実施の形態にかかるネットワークシステム1においては、ユーザがWiFi(登録商標)接続に関して、電気機器100や通信端末200に対して複雑な処理を行う必要がない。以下、このような機能を実現するためのネットワークシステム1の構成について詳述する。
<電気機器100の構成>
【0025】
本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成する電気機器100の構成について説明する。
図3を参照して、本実施の形態にかかる電気機器100は、主たる構成要素として、CPU110と、メモリ120と、ディスプレイ130、操作部140と、通信インターフェイス160と、スピーカ170と、マイク180と、機器駆動部190とを含む。
【0026】
CPU110は、メモリ120あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、電気機器100の各部を制御する。
【0027】
メモリ120は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read‐Only Memory)などによって実現され、電気機器100に内包されているものであってもよいし、電気機器100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、電気機器100からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行されるプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、操作部140を介して入力されたデータ、リモコンから受信したデータ、ルータ400やインターネットを介してサーバ300から受信したデータ、電気機器100に対応するサーバのアドレスなど各種サービスを利用するために必要な情報などを記憶する。
【0028】
ディスプレイ130は、CPU210からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。なお、ディスプレイ130は、単にLEDライトなどであってもよい。
【0029】
操作部140は、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU110に入力する。たとえば、WiFi(登録商標)接続する際に必要なボタンなどを含む。なお、ディスプレイ130と操作部140とは、タッチパネル150を構成してもよい。
【0030】
通信インターフェイス160は、BLEに準拠した無線通信や、WiFi(登録商標)に準拠した無線通信を行うためのアンテナや、有線通信を行うためのコネクタなどによって実現される。なお、通信インターフェイス160は、電気機器100のメインの制御基板とは別に、通信用のアダプタ基板に設けられてもよい。
【0031】
そして、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、BLEに準拠した通信方式によって通信端末200と直接的にデータを送受信する。また、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、WiFi(登録商標)に準拠した通信方式によってルータ400や通信端末200や電気機器100とデータを送受信する。また、CPU110は、通信インターフェイス160やルータ400を介して、サーバ300やクラウドと通信したりする。
【0032】
スピーカ170は、CPU110からの音声データに基づいて音声メッセージなどを出力する。マイク180は、ユーザの声などを取得して音声データをCPU110に入力する。
【0033】
機器駆動部190は、CPU110からの信号に基づいて、電気機器100の各部(モータやヒータやセンサやアンテナなど)を制御する。たとえば、洗濯機100Aに関してはモータであったり、エアコン100Cに関しては圧縮機やファンであったり、電子レンジに関しては加熱調理のためのアンテナや回転テーブルであったりする。
<通信端末200の構成>
【0034】
次に、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成する通信端末200の構成について説明する。
図4を参照して、本実施の形態にかかる通信端末200は、主たる構成要素として、CPU210と、メモリ220と、ディスプレイ230と、操作部240と、通信インターフェイス260と、スピーカ270と、マイク280とを含む。
【0035】
CPU210は、メモリ220に記憶されているプログラムを実行することによって、通信端末200の各部を制御する。
【0036】
メモリ220は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ220は、各種サービスのためのアプリケーションプログラムや、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ300や電気機器100から受信したデータ、操作部240を介して入力されたデータ、通信端末200のユーザを特定するための情報などを記憶する。
【0037】
ディスプレイ230は、CPU210からのデータに基づいて、画像やテキストを表示する。操作部240は、ポインティングデバイスやスイッチなどから構成され、ユーザからの各種の命令をCPU210に入力する。なお、ユーザ端末は、ディスプレイ230と操作部240とを含むタッチパネル250を有してもよい。
【0038】
通信インターフェイス260は、BLEに準拠した無線通信や、WiFi(登録商標)に準拠した無線通信を行うためのアンテナや、USBなどの有線通信を行うためのコネクタなどによって実現される。CPU210は、通信インターフェイス260を介して、BLEに準拠した通信方式によって電気機器100と直接的にデータを送受信する。CPU210は、通信インターフェイス260を介して、WiFi(登録商標)に準拠した通信方式によってルータ400や電気機器100とデータを送受信する。また、CPU210は、通信インターフェイス260やルータ400を介して、インターネットやクラウド上のサーバ300と通信したりする。
【0039】
スピーカ270は、CPU210からの信号に基づいて、音声を出力する。マイク280は、音声を取得して音声信号をCPU210に入力する。
<サーバ300の構成>
【0040】
次に、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成する家電制御サーバ300の構成の一態様について説明する。
図5を参照して、サーバ300は、主たる構成要素として、CPU310と、メモリ320と、操作部340と、通信インターフェイス360とを含む。
【0041】
CPU310は、メモリ320に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ300の各部を制御する。
【0042】
メモリ320は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、サーバ300に内包されているものであってもよいし、サーバ300の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ300からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ320は、CPU310によって実行されるプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、電気機器100と通信端末200とのペアリング関係を示すデータ、その他の本実施の形態にかかる処理やサービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
【0043】
操作部340は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をCPU310に入力する。
【0044】
通信インターフェイス360は、CPU310からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータ400などを介して、電気機器100や通信端末200や他のサーバなどの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス360は、インターネット、キャリア網、ルータ400などを介して電気機器100や通信端末200や他のサーバなどの他の装置からのデータを受信して、CPU310に受け渡す。
【0045】
これによって、家電制御サーバ300に関しては、CPU310が、通信インターフェイス360を介して、ユーザの通信端末200からの制御命令やトークンに基づいて、対象となる電気機器100に制御命令を送信する。
<ネットワークシステム1の情報処理>
【0046】
次に、
図6Aおよび
図6Bを参照しながら、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の情報処理について説明する。まず、電気機器100が購入されて電源が投入される(ステップS102)。電気機器100のCPU110は、通信インターフェイス160を介してBLEに準拠した通信方式によってノンコネクタブル・ビーコンをブロードキャストする(ステップS104)。ノンコネクタブル・ビーコンは、電気機器100の機種名や、電気機器100を特定するための識別情報を含む。
【0047】
通信端末200のCPU210は、メモリ220のアプリケーションプログラムに従って、通信インターフェイス260を介してビーコンを受信して、電気機器100の機種名を選択可能にディスプレイ230に表示させる(ステップS106)。ユーザが操作部240を介して、電気機器100を選択する(ステップS108)。
【0048】
通信端末200のCPU210は、通信インターフェイス260を利用することによってインターネットを介して電気機器100のWiFi(登録商標)接続の手順を示す説明書をダウンロードする。通信端末200のCPU210は、説明書をディスプレイ230に表示する(ステップS110)。たとえば、電気機器100の操作部140の所定のボタンを「長押し」する旨を表示する。
【0049】
ユーザが電気機器100の操作部140の所定のボタンを「長押し」すると(ステップS112)、電気機器100のCPU110は、通信インターフェイス160を介してBLEに準拠した通信方式によってコネクタブル・ビーコンをブロードキャストする(ステップS114)。コネクタブル・ビーコンは、電気機器100の機種名や、電気機器100を特定するための識別情報を含む。
【0050】
通信端末200のCPU210は、ステップS008で選択した電気機器100の識別情報と、コネクタブル・ビーコンに含まれる識別情報とに基づいて、両者が同じであることを確認できると、通信インターフェイス160を介してBLEに準拠した通信方式によって電気機器100とペアリングする(ステップS116)。このとき、電気機器100も、通信端末200から、ステップS008で選択した電気機器100の識別情報を取得することによって、通信端末200とペアリングしてもよい。
【0051】
すなわち、本実施の形態においては、通信端末200が、ノンコネクタブル・ビーコンに含まれていた識別情報とコネクタブル・ビーコンに含まれている識別情報とが一致することを判断することによって、ユーザの確認操作を行わずに、すなわち自動的に、ペアリング処理に移行する。
【0052】
通信端末200のCPU210は、ディスプレイ230に、WPSによる接続か手動入力による接続か選択するための画面を表示させる(ステップS118)。
【0053】
なお、通信端末200のアプリケーションにとって、今回の電気機器100が、家電制御サービスに関する2台目の電気機器100であって、既に1台目の電気機器100との家電制御サービスのペアリングが完了している場合には、通信端末200のCPU210は、通信インターフェイス260を介してサーバ300に電気機器100とのペアリングを要求することができる。
【0054】
WPSが選択されると(ステップS120)、通信端末200のCPU210は、通信インターフェイス160を介して、BLEに準拠した通信方式によってWPSによるWiFi(登録商標)接続を開始するように電気機器100に指示する(ステップS122)。電気機器100のCPU110は、無線LANを有効にする。ユーザが、ルータ400のWPSボタンを押すと(ステップS124)、電気機器100のCPU110は、SSIDやパスワードの設定を行うことによって、WiFi(登録商標)接続する(ステップS126)。電気機器100のCPU110は、通信インターフェイス160を介して、ルータ400とのWiFi(登録商標)接続が完了した旨の通知を通信端末200に送信する(ステップS128)。なお、WPSでの接続に失敗した場合は、手動によるWiFi(登録商標)接続処理に移行する(ステップS130)。
【0055】
一方、手動入力モードが選択されると、通信端末200のCPU210は、操作部240を介して、SSIDやパスワードの入力を受け付ける(ステップS132)。CPU210は、2台目以降の電気機器100のペアリングのために、SSIDやパスワードをメモリ220に記憶させる(ステップS134)。
【0056】
CPU210は、通信インターフェイス260を介して、BLEに準拠した通信方式によって、SSIDやパスワードを電気機器100に送信する(ステップS136)。電気機器100のCPU110は、無線LANを有効にする。電気機器100のCPU110は、SSIDやパスワードの設定を行うことによって、WiFi(登録商標)接続する(ステップS138)。電気機器100のCPU110は、通信インターフェイス160を介して、ルータ400とのWiFi(登録商標)接続が完了した旨の通知を通信端末200に送信する(ステップS140)。
【0057】
次に、通信端末200のCPU210は、通信インターフェイス260を介して電気機器100のWiFi(登録商標)接続の完了通知を受けると、通信インターフェイス260を介して、BLEに準拠した通信方式によって、電気機器100にクラウド上のサーバ300への接続を行うように要求する(ステップS142)。
【0058】
電気機器100のCPU110は、接続要求に基づいて、通信インターフェイス160を利用して、WiFi(登録商標)ルータ400を介してサーバ300に接続する(ステップS144)。CPU110は、サーバ300に接続すると、通信インターフェイス160を介してBLEに準拠した通信方式によって、接続を完了した旨を通信端末200に送信する(ステップS146)。
【0059】
サーバ300のCPU310は、電気機器100にユニークな接続IDを電気機器100に発行する(ステップS148)。電気機器100のCPU110は、通信インターフェイス160を介してBLEに準拠した通信方式によって、接続IDを取得した旨を通信端末200に通知する(ステップS150)。
【0060】
通信端末200のCPU210は、通信インターフェイス260を介してBLEに準拠した通信方式によって、接続IDを要求する(ステップS152)。電気機器100のCPU110は、通信インターフェイス160を介してBLEに準拠した通信方式によって、電気機器100に接続IDを通知する(ステップS154)。
【0061】
通信端末200のCPU210は、通信インターフェイス260を利用して、インターネットを介してサーバ300に、家電制御サービスに関する電気機器100とのペアリングを要求する(ステップS156)。このとき、通信端末200は、電気機器100から取得した電気機器100にユニークな接続IDをサーバ300に提示する。
【0062】
サーバ300のCPU110は、当該接続IDに基づいて、通信端末200が電気機器100の相手であることを認証し、通信端末200と電気機器100とを家電制御サービスに関してペアリングする(ステップS158)。サーバ300は、ペアリングに終了した旨を通信端末200に通知する(ステップS158)。通信端末200のCPU210は、電気機器100とのBLEに準拠した通信方式の接続を切断する(ステップS160)。
【0063】
その後は、電気機器100が、BLEに準拠した通信方式によってノンコネクタブル・ビーコンをブロードキャストしても(ステップS162)、通信端末200は接続用のシーケンスには移行しない。
<第2の実施の形態>
【0064】
上記の実施の形態の構成に加えて、
図6AのS104の通知が開始されてから、S116の通信端末200と電気機器100とのペアリングが成功するまでの期間が定められていてもよい。なお、当該期間の開始のタイミングに関しては、電気機器100から始めてノンコネクタブル・ビーコンが発信されたタイミングを電気機器100が記憶するものであってもよいし、当該ビーコンを通信端末200が初めて受信したタイミングを通信端末200が記憶するものであってもよいし、当該ビーコンに対するユーザインターフェイスからのユーザに対する通知が出力されたタイミングを通信端末200が記憶するものであってもよいし、ユーザが応答したタイミングを通信端末200が記憶するものであってもよい。
【0065】
より詳細には、電気機器100のCPU110は、ステップS104からの経過時間や、残り時間を、通信端末200に送信したり、ディスプレイ130に表示したり、スピーカ170から音声出力したりしてもよい。そして、通信端末200のCPU210も、ステップS104からの経過時間や、残り時間を、ディスプレイ230に表示したり、スピーカ270から音声出力したりしてもよい。そして、当該期間内にペアリングが成功しなかった場合、通信端末200または電気機器100は、ペアリングが失敗した旨や、WiFi(登録商標)接続処理をはじめから手動で行うように促すメッセージを出力する。
【0066】
またさらに、電気機器100の種類毎に、当該期間の長さが異なることが好ましい。たとえば、専門の業者が設置することが多い冷蔵庫や洗濯機に関しては、当該期間を長め、たとえば5時間など、に設定し、ユーザが自分で設置することが多い洗濯機やテレビなどに関しては、当該期間を短め、たとえば1時間など、に設定されることが好ましい。
<第3の実施の形態>
【0067】
上記の実施の形態においては、ノンコネクタブル・ビーコンとコネクタブル・ビーコンは、その送信間隔や送信出力が異なっても良い。たとえば、電気機器100のCPU110は、通信インターフェイス160を介して、ノンコネクタブル・ビーコンは消費電力を抑えるために送信間隔を長く、たとえば3秒に1回など、設定し、コネクタブル・ビーコンはできるだけ早くペアリングするための機器を発見するために送信間隔を短く、たとえば100msに1回など、設定することが好ましい。
【0068】
また、同様に、通信端末300のCPU310も、
図2のステップS110の後は、通信インターフェイス360を介して、BLEのスキャン間隔を短くして、スキャンウインドウを広くすることが望ましい。
【0069】
また、電気機器100のCPU110は、通信インターフェイス160を介して、ノンコネクタブル・ビーコンは家庭の外の他者からの発見頻度を減らすために送信出力を低くすることが好ましく、コネクタブル・ビーコンは接続確率を上げるために送信出力を高くすることが望ましい。
<第4の実施の形態>
【0070】
上記の実施の形態においては、通信端末200と電気機器100との直接的なデータのやり取りにBLEに準拠した通信方式を利用したが、他の無線通信方式を利用してもよい。また、電気機器100とサーバ300との通信には、WiFi(登録商標)接続を利用したが、これも他の無線通信方式を利用してもよい。
<第5の実施の形態>
【0071】
上記の実施の形態のネットワークシステム1の各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。たとえば、電気機器100や通信端末200やサーバ300やルータ400の各々の役割の一部または全部を別の装置が担ったり、各々の役割の一部または全部を複数の装置で担ったりしてもよい。
<まとめ>
【0072】
上記の実施の形態においては、電気機器と通信端末とを備えるネットワークシステムが提供される。電気機器は、Bluetooth(登録商標)に準拠する第1の通信方式にてノンコネクタブル・ビーコンを発信する。通信端末は、ノンコネクタブル・ビーコンに基づいて接続用の通知を出力する。電気機器は、自身に対する直接のユーザ操作を受け付けることによって、第1の通信方式にてコネクタブル・ビーコンを送信する。通信端末が通知に対するユーザからの応答があった後でコネクタブル・ビーコンを受けた場合に、通信端末と電気機器とが第1の通信方式にて互いに接続する。
【0073】
好ましくは、電気機器からのノンコネクタブル・ビーコンには当該電気機器を識別するための情報が含まれる。電気機器からのコネクタブル・ビーコンにも当該電気機器を識別するための情報が含まれる。通信端末は、コネクタブル・ビーコンを受けたときに、当該コネクタブル・ビーコンに含まれる電気機器の識別情報が、先に受け付けたノンコネクタブル・ビーコンに含まれる電気機器の識別情報と一致した場合に、電気機器と第1の通信方式にて互いに接続する。
【0074】
好ましくは、電気機器は、第1の時間間隔でノンコネクタブル・ビーコンを発信し、第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔でコネクタブル・ビーコンを発信する。
【0075】
好ましくは、電気機器は、ノンコネクタブル・ビーコンよりも高い出力でコネクタブル・ビーコンを発信する。
【0076】
好ましくは、通信端末は、電気機器と第1の通信方式にて接続されると、所定の操作を受け付けることによって、電気機器にWiFi(登録商標)に準拠する第2の通信方式にてルータと接続するように指示する。
【0077】
好ましくは、ネットワークシステムは、サーバをさらに備える。電気機器が第2の通信方式にてルータに接続されると、サーバが電気機器に識別IDを提供する。通信端末が、電気機器から第1の通信方式にて識別IDを取得してサーバに送信することによって、サーバが電気機器と通信端末とをペアリングする。
【0078】
好ましくは、ネットワークシステムは、サーバをさらに備える。通信端末は、ユーザからの通知に対する応答があった場合に、電気機器をルータと接続させるための手順を含む情報をサーバからダウンロードする。
【0079】
好ましくは、ネットワークシステムは、第2の家電をさらに備える。ノンコネクタブル・ビーコンに基づく通知からコネクタブル・ビーコンによる接続までの期限が、第1の家電と第2の家電とで異なるように設定される。
【0080】
好ましくは、ノンコネクタブル・ビーコンに基づく通知からコネクタブル・ビーコンによる接続までの期限を示す情報が、電気機器または通信端末に表示される。
【0081】
上記の実施の形態においては、通信インターフェイスと、ディスプレイまたはスピーカと、操作部と、プロセッサとを備える通信端末が提供される。プロセッサは、通信インターフェイスを介して、Bluetooth(登録商標)に準拠する第1の通信方式にて電気機器からのノンコネクタブル・ビーコンを受信し、ディスプレイまたはスピーカを介して接続用の通知を出力し、操作部を介してユーザ操作を受け付けた後で電気機器からコネクタブル・ビーコンを受けた場合に、通信インターフェイスを介して、電気機器と第1の通信方式にて互いに接続する。
【0082】
好ましくは、プロセッサは、ノンコネクタブル・ビーコンに含まれる電気機器の識別情報と、コネクタブル・ビーコンに含まれる電気機器の識別情報が同じであるか否かを判断し、両者が同じである場合に、通信インターフェイスを介して、電気機器と第1の通信方式にて互いに接続する。
【0083】
上記の実施の形態においては、通信インターフェイスと、ディスプレイまたはスピーカと、操作部と、プロセッサとを備える通信端末のためのプログラムが提供される。プログラムは、プロセッサに、通信インターフェイスを介して、Bluetooth(登録商標)に準拠する第1の通信方式にて電気機器からのノンコネクタブル・ビーコンを受信するステップと、ディスプレイまたはスピーカを介して接続用の通知を出力するステップと、操作部を介してユーザ操作を受け付けた後で電気機器からコネクタブル・ビーコンを受けた場合に、通信インターフェイスを介して、電気機器と第1の通信方式にて互いに接続するステップと、を実行させる。
【0084】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0085】
1 :ネットワークシステム
100 :電気機器
100A :洗濯機
100B :掃除機
100C :エアコン
110 :CPU
120 :メモリ
130 :ディスプレイ
140 :操作部
150 :タッチパネル
160 :通信インターフェイス
170 :スピーカ
180 :マイク
190 :機器駆動部
200 :通信端末
210 :CPU
220 :メモリ
230 :ディスプレイ
240 :操作部
250 :タッチパネル
260 :通信インターフェイス
270 :スピーカ
280 :マイク
300 :家電制御サーバ
310 :CPU
320 :メモリ
340 :操作部
360 :通信インターフェイス
400 :無線ルータ