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特許7278912直管型ランプの落下防止装置および照明装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】直管型ランプの落下防止装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20230515BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20230515BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20230515BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230515BHJP
【FI】
F21V19/00 110
F21S8/04 110
F21Y103:10
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019162245
(22)【出願日】2019-09-05
(65)【公開番号】P2021039921
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】高橋 富志雄
(72)【発明者】
【氏名】寺沢 徳晃
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-110955(JP,A)
【文献】特開2014-099335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F21S 8/04
F21Y 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部が開放端となった円弧形状を有し、内周面に口金装着側滑止めシートを有し、回転方式ソケットに取り付けられた直管型ランプの口金の外周面に装着され、前記口金装着側滑止めシートによって前記直管型ランプの回転を阻止する口金装着部と、
両端部が開放端となっており、前記口金装着部と連結され、前記回転方式ソケットに装着され、前記回転方式ソケットに対する自身の回転を阻止するソケット装着部と、を備え
前記回転方式ソケットは、前記直管型ランプとは反対側へ突出する棒状の取付け脚部を側面に有する形態であり、
前記ソケット装着部は、前記回転方式ソケットに装着されたときに、前記取付け脚部と嵌合して前記自身の回転を阻止する脚部嵌合部を有していることを特徴とする落下防止装置。
【請求項2】
上端部が開放端となった円弧形状を有し、内周面に口金装着側滑止めシートを有し、回転方式ソケットに取り付けられた直管型ランプの口金の外周面に装着され、前記口金装着側滑止めシートによって前記直管型ランプの回転を阻止する口金装着部と、
両端部が開放端となっており、前記口金装着部と連結され、前記回転方式ソケットに装着され、前記回転方式ソケットに対する自身の回転を阻止するソケット装着部と、を備え
前記ソケット装着部は、前記回転方式ソケットの外面と対向する面にソケット装着側滑止めシートを有し、前記回転方式ソケットの外面に装着されたときに、前記ソケット装着側滑止めシートによって前記自身の回転を阻止することを特徴とする落下防止装置。
【請求項3】
上端部が開放端となった円弧形状を有し、内周面に口金装着側滑止めシートを有し、回転方式ソケットに取り付けられた直管型ランプの口金の外周面に装着され、前記口金装着側滑止めシートによって前記直管型ランプの回転を阻止する口金装着部と、
両端部が開放端となっており、前記口金装着部と連結され、前記回転方式ソケットに装着され、前記回転方式ソケットに対する自身の回転を阻止するソケット装着部と、を備え
前記口金装着側滑止めシートは、前記口金装着部の内周面における前記開放端側の領域を除く領域に設けられていることを特徴とする落下防止装置。
【請求項4】
上端部が開放端となった円弧形状を有し、内周面に口金装着側滑止めシートを有し、回転方式ソケットに取り付けられた直管型ランプの口金の外周面に装着され、前記口金装着側滑止めシートによって前記直管型ランプの回転を阻止する口金装着部と、
両端部が開放端となっており、前記口金装着部と連結され、前記回転方式ソケットに装着され、前記回転方式ソケットに対する自身の回転を阻止するソケット装着部と、を備え
前記口金装着部は、外周面の外周方向に離れた位置に、前記外周面から突出した一対の掴持部を有していることを特徴とする落下防止装置。
【請求項5】
上端部が開放端となった円弧形状を有し、内周面に口金装着側滑止めシートを有し、回転方式ソケットに取り付けられた直管型ランプの口金の外周面に装着され、前記口金装着側滑止めシートによって前記直管型ランプの回転を阻止する口金装着部と、
両端部が開放端となっており、前記口金装着部と連結され、前記回転方式ソケットに装着され、前記回転方式ソケットに対する自身の回転を阻止するソケット装着部と、を備え
前記口金装着部と前記ソケット装着部との間に、前記口金装着部および前記ソケット装着部よりも板厚を薄くした薄厚部を有していることを特徴とする落下防止装置。
【請求項6】
前記回転方式ソケットと、
前記直管型ランプと、
請求項1からのいずれか1項に記載の落下防止装置とを備えていることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管型ランプの落下防止装置、およびそれを備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照明装置は、省電力化および長寿命化に優れているLEDを光源とする照明装置が主流となっている。特に、屋内用の照明装置としては、直管型蛍光灯と同一形状をした直管蛍光管型LEDランプが普及している。
【0003】
このLEDランプは、両端部の口金部に、直管型蛍光灯と同じ規格の給電ピンを有しており、直管型蛍光灯用の既存のソケットをそのまま使用可能である。また、上記既存のソケットとしては、上記給電ピンを横向きにソケットの挿入溝に挿入した後、ランプを90°回転させて設置し点灯可能とする回転方式ソケットが多用されている。
【0004】
しかしながら、回転方式ソケットでは、地震発生時や、日常の微振動等でランプが回転して、給電ピンがソケットの挿入溝と平行になり、ランプが落下する可能性が懸念されている。特に、直管蛍光管型LEDランプは、構造上、重心が発光面とは逆側(非発光側)に存在する。このため、直管蛍光管型LEDランプは、回転方式ソケットへの設置状態では、重心が天井側にあり、常に回転し易い状態となっている。
【0005】
特許文献1には、回転方式ソケットからの直管蛍光管型LEDランプの落下を防止する落下防止器具が提案されている。この落下防止器具は、一対の爪部を回転方式ソケットの開口部の内周面に係止片させることで、ランプの落下を防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-129216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の構成では、ランプは、微振動等により回転方式ソケット内にて回転した場合、落下は回避可能であるものの、給電ピンがソケット内部の電極と非接触状態となり、点灯することができない。また、落下防止器具は、ランプ自体を小さい爪部のみにて支えており、そのような爪部は大きな振動が生じた場合や経年劣化等で壊れ易く、ランプの保持状態が不安定であるという問題点を有している。
【0008】
本発明の一態様は、回転方式ソケットに取り付けられた状態での直管型ランプの回転を防止し、かつランプを安定に保持することができる直管型ランプの落下防止装置および照明装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る落下防止装置は、上端部が開放端となった円弧形状を有し、内周面に口金装着側滑止めシートを有し、回転方式ソケットに取り付けられた直管型ランプの口金の外周面に装着され、前記口金装着側滑止めシートによって前記直管型ランプの回転を阻止する口金装着部と、上端部が開放端となっており、前記口金装着部と連結され、前記回転方式ソケットに装着され、前記回転方式ソケットに対する自身の回転を阻止するソケット装着部とを備え、前記回転方式ソケットは、前記直管型ランプとは反対側へ突出する棒状の取付け脚部を側面に有する形態であり、前記ソケット装着部は、前記回転方式ソケットに装着されたときに、前記取付け脚部と嵌合して前記自身の回転を阻止する脚部嵌合部を有している
本発明の一態様に係る他の落下防止装置は、上端部が開放端となった円弧形状を有し、内周面に口金装着側滑止めシートを有し、回転方式ソケットに取り付けられた直管型ランプの口金の外周面に装着され、前記口金装着側滑止めシートによって前記直管型ランプの回転を阻止する口金装着部と、両端部が開放端となっており、前記口金装着部と連結され、前記回転方式ソケットに装着され、前記回転方式ソケットに対する自身の回転を阻止するソケット装着部と、を備え、前記ソケット装着部は、前記回転方式ソケットの外面と対向する面にソケット装着側滑止めシートを有し、前記回転方式ソケットの外面に装着されたときに、前記ソケット装着側滑止めシートによって前記自身の回転を阻止する
本発明の一態様に係る他の落下防止装置は、上端部が開放端となった円弧形状を有し、内周面に口金装着側滑止めシートを有し、回転方式ソケットに取り付けられた直管型ランプの口金の外周面に装着され、前記口金装着側滑止めシートによって前記直管型ランプの回転を阻止する口金装着部と、両端部が開放端となっており、前記口金装着部と連結され、前記回転方式ソケットに装着され、前記回転方式ソケットに対する自身の回転を阻止するソケット装着部と、を備え、前記口金装着側滑止めシートは、前記口金装着部の内周面における前記開放端側の領域を除く領域に設けられている
本発明の一態様に係る他の落下防止装置は、上端部が開放端となった円弧形状を有し、内周面に口金装着側滑止めシートを有し、回転方式ソケットに取り付けられた直管型ランプの口金の外周面に装着され、前記口金装着側滑止めシートによって前記直管型ランプの回転を阻止する口金装着部と、両端部が開放端となっており、前記口金装着部と連結され、前記回転方式ソケットに装着され、前記回転方式ソケットに対する自身の回転を阻止するソケット装着部と、を備え、前記口金装着部は、外周面の外周方向に離れた位置に、前記外周面から突出した一対の掴持部を有している
本発明の一態様に係る他の落下防止装置は、上端部が開放端となった円弧形状を有し、内周面に口金装着側滑止めシートを有し、回転方式ソケットに取り付けられた直管型ランプの口金の外周面に装着され、前記口金装着側滑止めシートによって前記直管型ランプの回転を阻止する口金装着部と、両端部が開放端となっており、前記口金装着部と連結され、前記回転方式ソケットに装着され、前記回転方式ソケットに対する自身の回転を阻止するソケット装着部と、を備え、前記口金装着部と前記ソケット装着部との間に、前記口金装着部および前記ソケット装着部よりも板厚を薄くした薄厚部を有している。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、回転方式ソケットに取り付けられた状態での直管型ランプの回転を防止し、かつランプを安定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態の照明装置を示す斜視図である。
図2図1に示した回転方式ソケットを示す斜視図である。
図3図2に示した回転方式ソケットへの直管LEDランプの取り付け作業、および取り付け完了状態を示す斜視図である。
図4図2に示した回転方式ソケットへの直管LEDランプの取り付け作業の際の回転方式ソケットでの直管LEDランプの動きを口金部分の縦断面によって示す説明図である。
図5図3に示した直管型LEDランプおよび回転方式ソケットに対する落下防止キャップの装着状態を示す斜視図、およびこの斜視図の状態を直管型LEDランプ側から見た場合の正面図である。
図6図5に示した落下防止キャップを口金装着部側から見た場合の斜視図、正面図およびソケット装着部側から見た場合の斜視図である。
図7図5に示した直管型LEDランプおよび回転方式ソケットに対する落下防止キャップの取り付け作業を示す斜視図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態の落下防止キャップを口金装着部側から見た場合の正面図および斜視図である。
図9】本発明のさらに他の実施形態の落下防止キャップを口金装着部側から見た場合の斜視図である。
図10】本発明のさらに他の実施形態の落下防止キャップを口金装着部側の斜め下方から見た場合の斜視図、および口金装着部側から見た場合の斜視図である。
図11図2に示した回転方式ソケットから取付け脚部を無くした形態の回転方式ソケットを示す斜視図である。
図12図10に示した落下防止キャップの、回転方式ソケットおよび直管型LEDランプに対する装着状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本実施形態の照明装置1を示す斜視図である。図2は、図1に示した回転方式ソケット3を示す斜視図である。図3は、回転方式ソケット3への直管蛍光管型LEDランプ2の取り付け作業、および取り付け完了状態を示す斜視図である。図4は、回転方式ソケット3への直管蛍光管型LEDランプ2の取り付け作業の際の回転方式ソケット3での直管型LEDランプ2の動きを口金21部分の縦断面によって示す説明図である。
【0013】
(照明装置1の概要)
図1に示すように、照明装置1は下方から見て例えば長方形であり、内部に反射板11をする。照明装置1は、2本の直管蛍光管型LEDランプ(以下、単に直管型LEDランプと称する)2を取り付ける形式であり、反射板11には二対の回転方式ソケット3が取り付けられている。回転方式ソケット3は、直管型LEDランプ(直管型ランプ)2を保持し、かつ直管型LEDランプ2に給電する。
【0014】
(回転方式ソケット3)
図2に示すように、回転方式ソケット3は、ソケット本体部31および取付け脚部32を有している。ソケット本体部31は、正面から見てU字形であり、下部が円弧形状部311、上部が箱形状部312となっている。ソケット本体部31は、ランプ保持部313および給電ピン挿入溝314を有している。
【0015】
給電ピン挿入溝314は、ソケット本体部31の下面からランプ保持部313の中央部を通過し、ランプ保持部313の上端部まで延びている。ランプ保持部313は、内部に電極を有し、直管型LEDランプ2を保持する。この保持状態では、ランプ保持部313は、直管型LEDランプ2に対して給電可能となる。また、回転方式ソケット3は、円弧形状部311の下面における給電ピン挿入溝314の左右の位置に、導通確認用穴315を有している。
【0016】
取付け脚部32は、ソケット本体部31の側面における円弧形状部311と箱形状部312との境界部付近に設けられ、ソケット本体部31の後方に突出する棒状の部分である。取付け脚部32は、照明装置1の反射板11に挿入される。回転方式ソケット3の筐体部分は、ポリカーボネート等の樹脂にて形成されている。
【0017】
(直管型LEDランプ2)
図3に示すように、直管型LEDランプ2は、両端部に口金21を有し、口金21から2本の給電ピン22が突出している。図4に示すように、直管型LEDランプ2は、管の内部にLED基板23を有している。LED基板23は、光源となる多数のLED24を搭載し、管の内部における管の中心よりも外周側の位置に設けられている。さらに、直管型LEDランプ2は、LED基板23と管の内周との間に、ヒートシンク25を有している。
【0018】
(回転方式ソケット3への直管型LEDランプ2の取り付け)
図3および図4に示すように、回転方式ソケット3への直管型LEDランプ2の取り付けは、直管型LEDランプ2を対向する回転方式ソケット3同士の対向方向と平行な状態に保持しながら、給電ピン22を給電ピン挿入溝314からランプ保持部313へ挿入する。その後、直管型LEDランプ2を90°回転させる。これにより、ランプ保持部313は給電ピン22すなわち直管型LEDランプ2を保持することができる。この場合、給電ピン22はランプ保持部313内の電極と接触し、電極から給電可能となる。
【0019】
(落下防止キャップ4)
図5は、直管型LEDランプ2および回転方式ソケット3に対する落下防止キャップ4の装着状態を示す斜視図、およびこの装着状態を直管型LEDランプ2側から見た場合の正面図である。図6は、図5に示した落下防止キャップ4を口金装着部41側から見た場合の斜視図、正面図およびソケット装着部42側から見た場合の斜視図である。
【0020】
照明装置1は、図5および図6に示す落下防止キャップ(落下防止装置)4をさらに備えている。落下防止キャップ4は、図5に示すように、回転方式ソケット3への直管型LEDランプ2の取り付けが完了した状態において、直管型LEDランプ2の口金21および回転方式ソケット3に装着される。これにより、回転方式ソケット3に対する直管型LEDランプ2の回転を阻止し、回転方式ソケット3からの直管型LEDランプ2の脱落を防止する。
【0021】
落下防止キャップ4は、ポリカーボネート等の樹脂にて形成され、口金装着部41、ソケット装着部42および掴持部43を有している。これらは、口金装着部41およびソケット装着部42上端部(両端部)が開放端となっている。
【0022】
口金装着部41は、直管型LEDランプ2の口金21の外形に対応した円弧形状を有している。この円弧形状の長さは、口金21の半円よりも長くなっている。口金装着部41の内周面には、例えばシリコンシートからなる滑止めシート(口金装着側滑止めシート)411が設けられている。滑止めシート411が設けられている口金装着部41の内周方向の領域は、口金装着部41の円弧形状の両方の端部412側の領域を除く領域である。また、滑止めシート411が設けられている口金装着部41の領域は、滑止めシート411の内面と端部412の内面とで段差が生じないように、凹部413となっている。
【0023】
ソケット装着部42は、口金装着部41と連結され、回転方式ソケット3の円弧形状部311の下面の形状に対応した円弧形状を有している。ソケット装着部42は、脚部嵌合部421および溝嵌合突部422を有している。脚部嵌合部421は、ソケット装着部42の両端部に形成され、回転方式ソケット3の取付け脚部32と嵌合する。脚部嵌合部421は、取付け脚部32の外形に対応した円弧形状を有している。
【0024】
溝嵌合突部422は、ソケット装着部42の中央部に位置し、ソケット装着部42の内周面から上方へ突出している。溝嵌合突部422は、ソケット装着部42を回転方式ソケット3に装着した場合に、給電ピン挿入溝314と嵌合する。これにより、溝嵌合突部422は、回転方式ソケット3に対するソケット装着部42すなわち落下防止キャップ4の回転を阻止する。
【0025】
掴持部43は、作業者が落下防止キャップ4を直管型LEDランプ2および回転方式ソケット3に取り付ける際に掴み持つ部分である。掴持部43は、口金装着部41およびソケット装着部42の並び方向に形成された板状の突出部である。掴持部43は、口金装着部41およびソケット装着部42の外周面の外周方向に離れた位置に一対形成されている。なお、掴持部43は、例えば口金装着部41のみに形成されていてもよい。作業者は、2つの掴持部43を例えば親指と人差し指にて挟み込むように持つことができる。
【0026】
また、落下防止キャップ4は、図6に示すように、口金装着部41とソケット装着部42との間に、これら口金装着部41およびソケット装着部42よりも板厚を薄くした溝形状の薄厚部44を有している。
【0027】
(落下防止キャップ4の取り付け)
図7は、直管型LEDランプ2および回転方式ソケット3に対する落下防止キャップ4の取り付け作業を示す斜視図である。
【0028】
図7に示すように、作業者は、回転方式ソケット3への直管型LEDランプ2の取り付けが完了した状態において、直管型LEDランプ2の口金21および回転方式ソケット3に落下防止キャップ4を装着する。この場合、作業者は、2つの掴持部43を親指と人差し指にて挟み込むように持ち、掴持部43同士が近づく方向に力を加える。このようにすれば、口金装着部41およびソケット装着部42の内径が広がるので、落下防止キャップ4の装着が容易となる。また、口金装着部41およびソケット装着部42の内径を広げることは、薄厚部44が存在することにより口金装着部41およびソケット装着部42が撓み易いので、さらに容易となる。
【0029】
(落下防止キャップ4の利点)
回転方式ソケット3への直管型LEDランプ2の取り付けが完了した状態では、図4に示すように、直管型LEDランプ2は、LED基板23およびヒートシンク25が直管型LEDランプ2の中心よりも上側(発光面とは逆側)に存在する。すなわち、直管型LEDランプ2の重心は、発光面とは逆側(非発光側)に存在する。このため、直管型LEDランプ2は、振動を受けた場合に、回転し易い状態となっている。
【0030】
一方、落下防止キャップ4を装着した状態では、口金装着部41の滑止めシート411は直管型LEDランプ2の口金21の外周面に密着した状態となる。これにより、落下防止キャップ4は、直管型LEDランプ2の回転を阻止し、かつこの状態を安定に保持することができる。また、ソケット装着部42の脚部嵌合部421は、回転方式ソケット3の取付け脚部32に嵌合する。これにより、落下防止キャップ4は、回転方式ソケット3に対する回転を阻止される。さらに、ソケット装着部42の溝嵌合突部422は、回転方式ソケット3の給電ピン挿入溝314に嵌合する。これによっても落下防止キャップ4は、回転方式ソケット3に対する回転を阻止される。したがって、落下防止キャップ4は、直管型LEDランプ2の回転を阻止し、直管型LEDランプ2が回転方式ソケット3から脱落する事態、および直管型LEDランプ2と回転方式ソケット3との電気的導通が遮断される事態を防止することができる。
【0031】
なお、回転方式ソケット3の取付け脚部32に嵌合する脚部嵌合部421、および回転方式ソケット3の給電ピン挿入溝314に嵌合する溝嵌合突部422は、いずれも回転方式ソケット3に対する落下防止キャップ4の回転を阻止する。したがって、落下防止キャップ4は、脚部嵌合部421または溝嵌合突部422のいずれか一方のみを備えている構成であってもよい。
【0032】
また、口金装着部41の滑止めシート411は、口金装着部41の両方の端部412側の領域を除く領域に設けられている。これにより、口金装着部41を直管型LEDランプ2の口金21に装着する際に、滑止めシート411が邪魔になって口金装着部41を口金21に装着し難くなる事態が生じ難い。すなわち、落下防止キャップ4は、口金装着部41に滑止めシート411を設けていても、ソケット装着部42を容易に口金21に装着することができる。
【0033】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0034】
(落下防止キャップ5)
図8は、本実施形態の落下防止キャップ5を口金装着部41側から見た場合の正面図および斜視図である。落下防止キャップ5は、図2に示した回転方式ソケット3に対応している。
【0035】
図8に示すように、落下防止キャップ5は、落下防止キャップ4のソケット装着部42に代えてソケット装着部52を有している。ソケット装着部52は、ソケット装着部42と同様、回転方式ソケット3の円弧形状部311の下面の形状に対応した円弧形状を有している。ソケット装着部52は、落下防止キャップ4の溝嵌合突部422に代えて2個の穴挿入突部521を有している。なお、ソケット装着部52は、ソケット装着部42の脚部嵌合部421を有していない。落下防止キャップ5のその他の構成は、落下防止キャップ4と同様である。
【0036】
(落下防止キャップ5の利点)
穴挿入突部521は、回転方式ソケット3の導通確認用穴315に対応する位置に形成されており、ソケット装着部52が回転方式ソケット3に装着された場合に、導通確認用穴315に挿入される。これにより、落下防止キャップ5は、回転方式ソケット3に対する回転を阻止される。落下防止キャップ5の口金装着部41の動作は、落下防止キャップ4の場合と同様である。したがって、落下防止キャップ5は、直管型LEDランプ2の回転を阻止し、直管型LEDランプ2が回転方式ソケット3から脱落する事態、および直管型LEDランプ2と回転方式ソケット3との電気的導通が遮断される事態を防止することができる。
【0037】
なお、図8では、落下防止キャップ5が穴挿入突部521を2個有する例を示した。しかしながら、落下防止キャップ5は穴挿入突部521を1個のみ有していてもよい。また、本実施形態では、穴挿入突部521が挿入される穴の一形態として、導通確認用穴315を有する構成を示した。しかしながら、穴挿入突部521が挿入される穴は、導通確認用穴315に限定されず、何等かの穴であってもよい。
【0038】
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0039】
(落下防止キャップ6)
図9は、本実施形態の落下防止キャップ6を口金装着部41側から見た場合の斜視図である。落下防止キャップ6は、図2に示した回転方式ソケット3に対応している。
【0040】
図9に示すように、落下防止キャップ6は、落下防止キャップ4のソケット装着部42に代えてソケット装着部62を有している。ソケット装着部62は、ソケット装着部42と同様、回転方式ソケット3の円弧形状部311の下面の形状に対応した円弧形状を有している。落下防止キャップ6は、回転方式ソケット3の外面と対向する、ソケット装着部62の内周面にも例えばシリコンシートからなる滑止めシート(ソケット装着側滑止めシート)621を有している。なお、ソケット装着部62はソケット装着部42の脚部嵌合部421を有していない。落下防止キャップ6のその他の構成は、落下防止キャップ4と同様である。
【0041】
(落下防止キャップ6の利点)
落下防止キャップ6は、ソケット装着部62が回転方式ソケット3に装着された場合に、滑止めシート621が回転方式ソケット3の下面に密着する。これにより、落下防止キャップ6は、回転方式ソケット3に対する回転を阻止される。落下防止キャップ6の口金装着部41の動作は、落下防止キャップ4の場合と同様である。したがって、落下防止キャップ6は、直管型LEDランプ2の回転を阻止し、直管型LEDランプ2が回転方式ソケット3から脱落する事態、および直管型LEDランプ2と回転方式ソケット3との電気的導通が遮断される事態を防止することができる。
【0042】
なお、図9では、口金装着部41の滑止めシート411とソケット装着部62の滑止めシート621とがそれぞれ独立している場合について示した。しかしながら、滑止めシート411と滑止めシート621とはつながった1枚のシートであってもよい。
【0043】
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0044】
(落下防止キャップ7)
図10は、本実施形態の落下防止キャップ7を口金装着部41側の斜め下方から見た場合の斜視図、および口金装着部41側から見た場合の斜視図である。図11は、図2に示した回転方式ソケット3から取付け脚部32を無くした形態の回転方式ソケット8を示す斜視図である。図12は、直管型LEDランプ2および回転方式ソケット8に対する落下防止キャップ7の装着状態を示す斜視図である。
【0045】
落下防止キャップ7は、回転方式ソケット8に対応している。なお、回転方式ソケット8における導通確認用穴315の存在の有無についてはどちらでもよい。
【0046】
図10に示すように、落下防止キャップ7は、落下防止キャップ4のソケット装着部42に代えてソケット装着部72を有している。ソケット装着部72は、図11に示す回転方式ソケット8の円弧形状部311の下面に装着されるソケット下面装着部721、および回転方式ソケット8の箱形状部312の側面に装着されるソケット側面装着部722を有している。ソケット側面装着部722は、ソケット装着部72の開放端側に位置し、ソケット下面装着部721は、左右のソケット側面装着部722の間に位置する。ソケット下面装着部721は、円弧形状部311の下面の形状に対応した円弧形状を有している。ソケット側面装着部722は、ソケット装着部72の左右の上端部に位置し、箱形状部312に装着可能となるように、隣の口金装着部41と分離されている。落下防止キャップ7のその他の構成は、落下防止キャップ4と同様である。
【0047】
(落下防止キャップ7の利点)
図12に示すように、落下防止キャップ7が直管型LEDランプ2および回転方式ソケット8に取り付けられた場合、ソケット装着部72は回転方式ソケット8に装着される。この場合、ソケット下面装着部721は回転方式ソケット8の円弧形状部311の下面に装着され、ソケット側面装着部722は回転方式ソケット8の箱形状部312の側面に装着される。したがって、ソケット装着部72は、ソケット側面装着部722およびソケット下面装着部721にて回転方式ソケット8を挟み込む状態となる。これにより、落下防止キャップ7は、回転方式ソケット8に対する回転を阻止される。落下防止キャップ7の口金装着部41の動作は、落下防止キャップ4の場合と同様である。したがって、落下防止キャップ7は、直管型LEDランプ2の回転を阻止し、直管型LEDランプ2が回転方式ソケット8から脱落する事態、および直管型LEDランプ2と回転方式ソケット8との電気的導通が遮断される事態を防止することができる。
【0048】
なお、以上の実施形態では、直管型ランプが直管型LEDランプ2である場合について説明した。しかしながら、落下防止キャップ4は、直管型ランプが直管型蛍光灯ランプである場合でも同様に適用可能である。
【0049】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る落下防止装置は、上端部が開放端となった円弧形状を有し、内周面に口金装着側滑止めシートを有し、回転方式ソケットに取り付けられた直管型ランプの口金の外周面に装着され、前記口金装着側滑止めシートによって前記直管型ランプの回転を阻止する口金装着部と、両端部が開放端となっており、前記口金装着部と連結され、前記回転方式ソケットに装着され、前記回転方式ソケットに対する自身の回転を阻止するソケット装着部とを備えている。
【0050】
本発明の態様2に係る落下防止装置は、上記態様1において、前記回転方式ソケットは、前記直管型ランプの給電ピンが挿入される給電ピン挿入溝を有し、前記ソケット装着部は、前記回転方式ソケットに装着されたときに、前記給電ピン挿入溝と嵌合して前記自身の回転を阻止する溝嵌合突部を有している構成としてもよい。
【0051】
本発明の態様3に係る落下防止装置は、上記態様1または2において、前記回転方式ソケットは、前記直管型ランプとは反対側へ突出する棒状の取付け脚部を側面に有する形態であり、前記ソケット装着部は、前記回転方式ソケットに装着されたときに、前記取付け脚部と嵌合して前記自身の回転を阻止する脚部嵌合部を有している構成としてもよい。
【0052】
本発明の態様4に係る落下防止装置は、上記態様1において、前記回転方式ソケットは、穴を有する形態であり、前記ソケット装着部は、前記回転方式ソケットに装着されたときに、前記穴に挿入されて前記自身の回転を阻止する穴挿入突部を有している構成としてもよい。
【0053】
本発明の態様5に係る落下防止装置は、上記態様1において、前記ソケット装着部は、前記回転方式ソケットの外面と対向する面にソケット装着側滑止めシートを有し、前記回転方式ソケットの外面に装着されたときに、前記ソケット装着側滑止めシートによって前記自身の回転を阻止する構成としてもよい。
【0054】
本発明の態様6に係る落下防止装置は、上記態様1において、前記ソケット装着部は、前記回転方式ソケットの側面に装着される左右のソケット側面装着部を前記開放端側の位置に有し、これら左右のソケット側面装着部の間に、前記回転方式ソケットの下面に装着されるソケット下面装着部を有し、前記ソケット装着部は、前記回転方式ソケットに装着されたときに、前記ソケット側面装着部および前記ソケット下面装着部にて前記回転方式ソケットを挟み込むことにより、前記自身の回転を阻止する構成としてもよい。
【0055】
本発明の態様7に係る落下防止装置は、上記態様1から6のいずれか1態様において、前記口金装着側滑止めシートは、前記口金装着部の内周面における前記開放端側の領域を除く領域に設けられている構成としてもよい。
【0056】
本発明の態様8に係る落下防止装置は、上記態様1から7のいずれか1態様において、前記口金装着部は、外周面の外周方向に離れた位置に、前記外周面から突出した一対の掴持部を有している構成としてもよい。
【0057】
本発明の態様9に係る落下防止装置は、上記態様1から8のいずれか1態様において、前記口金装着部と前記ソケット装着部との間に、前記口金装着部および前記ソケット装着部よりも板厚を薄くした薄厚部を有している構成としてもよい。
【0058】
本発明の態様10に係る照明装置は、前記回転方式ソケットと、前記直管型ランプと、前記いずれか1態様に記載の落下防止装置とを備えている。
【0059】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 照明装置
2 直管型LEDランプ(直管型ランプ)
3,8 回転方式ソケット
4~7 落下防止キャップ(落下防止装置)
21 口金
22 給電ピン
23 LED基板
25 ヒートシンク
31 ソケット本体部
32 取付け脚部
41 口金装着部
42,52,62,72 ソケット装着部
43 掴持部
44 薄厚部
311 円弧形状部
312 箱形状部
313 ランプ保持部
314 給電ピン挿入溝
315 導通確認用穴(穴)
411 滑止めシート(口金装着側滑止めシート)
412 端部
421 脚部嵌合部
422 溝嵌合突部
521 穴挿入突部
621 滑止めシート(ソケット装着側滑止めシート)
721 ソケット下面装着部
722 ソケット側面装着部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12