(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】ミルク試料のバイオマーカー分析のためのテープ
(51)【国際特許分類】
G01N 33/52 20060101AFI20230515BHJP
G01N 33/04 20060101ALI20230515BHJP
G01N 35/04 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
G01N33/52 B
G01N33/04
G01N35/04 F
(21)【出願番号】P 2020524436
(86)(22)【出願日】2018-12-18
(86)【国際出願番号】 SE2018051336
(87)【国際公開番号】W WO2019132761
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-03
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】500215931
【氏名又は名称】デラヴァル ホルディング アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ダレロプ ラスムセン, クラウス
(72)【発明者】
【氏名】カールセン, トーマス, ニコライ
【審査官】西浦 昌哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0124803(US,A1)
【文献】国際公開第2017/144913(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0260939(US,A1)
【文献】特表2009-509874(JP,A)
【文献】特開平05-045357(JP,A)
【文献】特開2007-178376(JP,A)
【文献】国際公開第2013/038691(WO,A1)
【文献】特開昭63-094159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/04
G01N 33/48-33/98
G01N 35/00-35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部フィルム(410)と、上部フィルム(310)とを含むテープ(170)であって、下部フィルム(410)の上に複数の乾燥棒(180a,180b,180c)が分離して配置され、複数の乾燥棒(180a,180b,180c)が、動物(100)のミルク試料の少なくとも一つバイオマーカー値を示すように構成され、上部フィルム(310)が、下部フィルム(410)の上に配置された複数の乾燥棒(180a,180b,180c)をカバーし、かつ複数の乾燥棒(180a,180b,180c)へのミルク試料の付与前に個々の乾燥棒(180a,180b,180c)から剥離されるように構成さ
れ、各々分離して配置された複数の乾燥棒(180a,180b,180c)が、溶接継目(181a,181b,181c)によって個々に封止され、封止された複数の乾燥棒(180a,180b,180c)が、互いに離れて配置されている、テープ(170)。
【請求項2】
複数の乾燥棒(180a,180b,180c)が、テープ(170)の長手方向軸(196)に直交する軸(197)に対して少なくとも10度の傾斜角度(α)を伴なって下部フィルム(410)の上に配置されている、請求項1に記載のテープ(170)。
【請求項3】
下部フィルム(410)が、下部層(411)、中間層(412)、及び上部層(413)を含む、請求項1又は2に記載のテープ(170)。
【請求項4】
上部フィルム(310)が、下部層(311)、中間層(312)、及び上部層(313)を含む、請求項1~3のいずれかに記載のテープ(170)。
【請求項5】
下部フィルム(410)及び/又は上部フィルム(310)の下部層(311,411)及び上部層(313,413)が、プラスチックから作られ、中間層(312,412)が、アルミニウムから作られる、請求項3又は4に記載のテープ(170)。
【請求項6】
下部フィルム(410)の上部層(413)が、ポリエチレンから作られる、請求項3~5のいずれかに記載のテープ(170)。
【請求項7】
上部フィルム(310)の下部層(311)が、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートポリエステルから作られる、請求項4~6いずれかに記載のテープ(170)。
【請求項8】
下部フィルム(410)の上部層(413)と上部フィルム(310)の下部層(311)の間に作られる溶接継目(181a,181b,181c)によって、各々分離して配置された複数の乾燥棒(180a,180b,180c)のまわりに封止が作られている、請求項3~7のいずれかに記載のテープ(170)。
【請求項9】
上部フィルム(310)の中間層(312)が、下部フィルム(410)の中間層(412)より薄い、請求項3~8のいずれかに記載のテープ(170)。
【請求項10】
下部フィルム(410)及び/又は上部フィルム(310)の中間層(312,412)が、9μm~25μmの厚さを有する、請求項3~9のいずれかに記載のテープ(170)。
【請求項11】
クリーニング時に液体を複数の乾燥棒(180a,180b,180c)から離れるように運搬するように構成された、下部フィルム(410)上の複数の乾燥棒(180a,180b,180c)の少なくとも幾つかの溶接継目(181a,181b,181c)の間に配置された開口(190a,190b,190c)を含む、請求項
1~10のいずれかに記載のテープ(170)。
【請求項12】
下部フィルム(410)が、複数の乾燥棒(180a,180b,180c)を見つける際にカメラ(210)を助けるように構成された参照マーク(185a,185b,185c)を含む、請求項1~
11のいずれかに記載のテープ(170)。
【請求項13】
参照マーク(185a,185b,185c)が、複数の乾燥棒(180a,180b,180c)からの上部フィルム(310)の剥離を調整する際にカメラ(210)を助けるように構成される、請求項
12に記載のテープ(170)。
【請求項14】
テープ(170)の少なくとも下部フィルム(410)が、テープ(170)の第一縁(171)に配置された前進開口(175)の第一群(173)と、テープ(170)の第二縁(172)に配置された前進開口(175)の第二群(174)とを含む、請求項1~
13のいずれかに記載のテープ(170)。
【請求項15】
スプール(131,132)の上に巻かれるように構成された、請求項1~
14のいずれかに記載のテープ(170)。
【請求項16】
約400~600個の乾燥棒(180a,180b,180c)を含む、請求項1~
15のいずれかに記載のテープ(170)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この文書は、テープを開示する。特に、動物のミルク試料の少なくとも一つのバイオマーカー値を測定する乾燥棒を保持するためのテープが記載される。
【背景技術】
【0002】
動物の飼育場では、ミルク/肉の生産を増大するために動物を健康に保つことが重要である。例えば、乳牛をうまく受精させるために最適なときに動物に精液を注入することが重要である。動物にうまく精液が注入されない場合には、ミルク生産に影響される。
【0003】
例えばプロゲステロン、LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)、BHB(β-ヒドロキシ酪酸)、及び尿素のレベルを測定するような複数のバイオマーカーの測定が動物に対してなされることができる。それによって、例えば個々の動物の発熱検出又は妊娠に関する重要な情報が(測定されたプロゲステロンレベルに基づいて)作られることができ、同様に(LDHに基づいて)乳腺炎、及び(BHBに基づいて)ケトーシスに関する情報が作られることができる。また、エネルギーバランスが(尿素に基づいて)推定されることができる。
【0004】
それによって、農家/オペレーターは、各個々の動物に関する重要な情報を与えられる。しかしながら、例えば調製された乾燥棒にミルク試料を付与し、これらの試料を分析することによって、農場で全ての個々の動物のバイオマーカーの測定を実施しかつ分析することは、農家にとって時間を消費している。それはまた、様々な動物からのバイオマーカーの測定を区別するために農家に対して高い管理技術を要求し、最初の動物のバイオマーカーの測定が別の動物の生物学的事項によって混乱しないように高い明確化を要求する。
【0005】
これらの理由のため、もし様々な動物のミルク試料のバイオマーカー測定をとることが自動化され、それにより農家の手作業の手間を最小化するか又は少なくとも低減することができるなら、農家にとって有利であるだろう。
【0006】
農家が彼らの動物を分析して農場での生産を増大させ、バイオマーカー測定値を検出するために調製された複数の個々の乾燥棒を取り扱う面倒な作業から解放されることを補助する方法を見い出すことが望ましいだろう。
【発明の概要】
【0007】
従って、本発明の目的は、上述の問題の少なくともいくつかを解決することであり、オペレーターが動物のミルク試料のバイオマーカー値を測定することを容易にすることである。
【0008】
本発明の第一態様によれば、この目的は、テープによって達成される。テープは、下部フィルム及び上部フィルムを含む。下部フィルムの上に、複数の乾燥棒が分離して配置される。これらの乾燥棒は、動物のミルク試料の少なくとも一つのバイオマーカー値を示すために構成される。上部フィルムは、複数の乾燥棒をカバーするために構成され、複数の乾燥棒は、下部フィルムの上に配置される。また、上部フィルムは、複数の乾燥棒へミルク試料を付与する前に個々の乾燥棒から剥離されるように構成される。
【0009】
バイオマーカー(biomarker)、又は生物学的マーカー(biological marker)は、一般的に、動物のある生物学的状態又は条件の測定可能な指標に関する。バイオマーカー値は、動物の妊娠/繁殖と関連させることができる。
【0010】
下部フィルム上で複数の乾燥棒を互いに分離するように保ち、それらを上部フィルムでカバーすることによって、使用されていない乾燥棒は、試験される動物以外の動物のミルクからの汚染からだけでなく、環境からの湿気、空気中の湿分、及び農業環境で出現しうる様々な不純物の影響からも保護される。試験のために使用される次の乾燥棒から上部フィルムを剥離することによって、自動的に、オペレーターは、必要なユーザーの努力を最小にしてバイオマーカー値の測定をなすための好都合な解決策を与えられ、それは、オペレーターの不足する農場においてもバイオマーカー値の測定を可能にし、オペレーターのいかなる特別な関与又は技術を必要としないものである。
【0011】
第一態様によるテープの第一の可能な実施では、複数の乾燥棒は、テープの長手方向軸に直交する軸に対して少なくとも10度の傾斜角度を伴なって下部フィルムの上に配置されることができる。
【0012】
傾斜角度を伴なって下部フィルムの上に複数の乾燥棒を配置することによって、下部フィルムから上部フィルムを剥離し、試験のために使用される次の乾燥棒を露出することがより容易になる。
【0013】
第一態様による、又はその第一の可能な実施によるテープの第二の可能な実施では、下部フィルムは、下部層、中間層、及び上部層を含むことができる。
【0014】
下部フィルムを異なる層に分割することによって、異なる特性を持つ異なる材料が、異なる層のために選択されることができ、それは、改良されたテープ特性に導く。
【0015】
第一態様による、又はそのいずれかの前に開示された可能な実施によるテープの第三の可能な実施では、上部フィルムは、下部層、中間層、及び上部層を含むことができる。
【0016】
第一態様による、又はそのいずれかの前に開示された可能な実施によるテープの第四の可能な実施では、下部フィルム及び/又は上部フィルムの下部層及び上部層は、プラスチックから作られることができ、中間層は、アルミニウムから作られることができる。
【0017】
中間層のアルミニウムは、テープに安定性を与えるが、流体バリヤーを形成することによって湿気から乾燥棒を保護する。一方、下部層及び上部層のプラスチックは、機械的衝撃からのアルミニウム層の保護を与え、テープ表面の摩擦を減少し、テープの滑らかな走行に導く。下部フィルムの上部層及び上部フィルムの下部層のプラスチックはまた、各乾燥棒のまわりの溶接を可能にする。
【0018】
第一態様による、又はそのいずれかの前に開示された可能な実施によるテープの第五の可能な実施では、下部フィルムの上部層は、ポリエチレンから作られることができる。
【0019】
ポリエチレンは、テープの上の各乾燥棒のまわりの封止を溶接するために特定の利点を伴なって利用されることができる。
【0020】
第一態様による、又はそのいずれかの前に開示された可能な実施によるテープの第六の可能な実施では、上部フィルムの下部層は、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートポリエステルから作られることができる。
【0021】
第一態様による、又はそのいずれかの前に開示された可能な実施によるテープの第七の可能な実施では、下部フィルムの上部層と上部フィルムの下部層の間に作られる溶接継目によって各々分離して配置された乾燥棒のまわりに封止が作られることができる。
【0022】
第一態様による、又はそのいずれかの前に開示された可能な実施によるテープの第八の可能な実施では、上部フィルムの中間層は、下部フィルムの中間層より薄くすることができる。
【0023】
上部フィルムのより薄いアルミニウム中間層を使用することによって、下部フィルムのより厚い中間層の特徴を強める希望の安定性を失わずにテープスプールの上により多くのテープを巻きとることができる。
【0024】
第一態様による、又はそのいずれかの前に開示された可能な実施によるテープの第九の可能な実施では、下部フィルム及び/又は上部フィルムの中間層が、9μm~25μmの厚さを有することができる。
【0025】
第一態様による、又はそのいずれかの前に開示された可能な実施によるテープの第十の可能な実施では、各々分離して配置された乾燥棒は、溶接継目によって個々に封止される。封止された乾燥棒は、互いに離れて配置される。
【0026】
それによって、使用されていない乾燥棒は、それらが使用され、上部フィルムが剥離されるまで、望まない湿分、湿気、汚れ、及び機械的損傷から保護され、それは、より信頼性のある測定値をもたらす。
【0027】
第一態様による、又はそのいずれかの前に開示された可能な実施によるテープの第十一の可能な実施では、テープは、クリーニング時に液体移動を可能にするように構成された、下部フィルムの上の乾燥棒の少なくとも幾つかの溶接継目の間に配置された開口を含む。
【0028】
カセットの後部分で液体排出器を受けるように構成された開口のおかげで、例えば異なる動物からのミルク試料間でミルク試料を付与する針の洗浄からの過剰の液体が収集されてカセットの外側に運搬されることができる。それによって、第一の動物のミルク試料から第二の動物のミルク試料にキャリーオーバーする危険が減少される。
【0029】
第一の動物のミルクは、別の続く試験動物のミルク試料を汚染するかもしれない。汚染又はキャリーオーバーを避けるためには、管及び針は、ミルク試料が乾燥棒に付与される前に試験される動物のミルクで洗い流されることができる。試験される動物の洗い流したミルクが他の使用されていない乾燥棒をぬらしたり及び/又は汚染したりすることを避けるために、洗い流しは、テープの開口を通して、例えば開口を通して針を下げ、液体排出器で洗い流したミルクを捕獲することによってなされることができる。液体排出器は、次いで管を介して液体をカセットから離れるように運搬することができる。
【0030】
第一態様による、又はそのいずれかの前に開示された可能な実施によるテープの第十二の可能な実施では、下部フィルムは、乾燥棒を見つける際にカメラを助けるように構成された参照マークを含むことができる。
【0031】
参照マークのおかげで、カメラは、参照マークが全くないものより容易でかつ迅速に乾燥棒を見つけることができ、それは、各試験のサンプリングに費やさなければならない時間を短くすることができ、それによってバイオマーカー値の測定の効率を高めることができる。
【0032】
第一態様による、又はそのいずれかの前に開示された可能な実施によるテープの第十三の可能な実施では、参照マークは、乾燥棒からの上部フィルムの剥離を調整する際にカメラを助けるように構成されることができる。
【0033】
それによって、参照マークのおかげで、上部フィルムは、乾燥棒へのミルク試料の付与を可能にするために十分であるが上部フィルムが隣りの乾燥棒を剥離するほどではない程度に剥離されることができる。それによって、隣りの乾燥棒は、先行する乾燥棒へのミルク試料の付与時に上部フィルムによって保護されたままである。
【0034】
第一態様による、又はそのいずれかの前に開示された可能な実施によるテープの第十四の可能な実施では、テープの少なくとも下部フィルムは、テープの第一縁に配置された前進開口の第一群と、テープの第二縁に配置された前進開口の第二群とを含むことができる。
【0035】
テープの縁に配置された前進開口の利点は、歯を持つキャプスタンリールがテープの前進開口と係合し、それによってテープの位置を調整できることである。
【0036】
第一態様による、又はそのいずれかの前に開示された可能な実施によるテープの第十五の可能な実施では、テープは、スプールの上に巻かれるように構成されることができる。
【0037】
第一態様による、又はそのいずれかの前に開示された可能な実施によるテープの第十六の可能な実施では、テープは、約400~600個の乾燥棒を含むことができる。
【0038】
これによって、約60~70頭の動物にサービスする搾乳ロボットと関連して使用されるとき、約1ヶ月間継続するためにカセットのテープの上に十分な乾燥棒が与えられる。
【0039】
記載された態様のおかげで、農場での動物のミルク試料のバイオマーカー値は、自動化された態様で測定されることができ、それは、オペレーターに要求する努力を最小にする。
【0040】
他の利点及び追加の新規な特徴は、続く詳細な記述から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照してさらに詳述されるだろう。
【0042】
【
図1】
図1は、動物のミルク試料のバイオマーカー値を測定するための装置の一例を示す。
【0043】
【
図2A-2B】
図2Aは、一実施形態による、サービスモジュール中に挿入されたカセットを示す。
図2Bは、一実施形態による、乾燥棒を含むテープの一区域を示す。
【0044】
【0045】
【
図4】
図4は、一実施形態による、乾燥棒を含むテープの横断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本明細書に記述される本発明の実施形態は、テープとして規定され、これらは、以下に記述される実施形態において実行に移されることができる。しかし、これらの実施形態は、例示的なものであり、多くの異なる形態で実現されることができ、本明細書に規定される実施例には限定されない。むしろ、これらの実施形態の例示的な実施例は、この開示を徹底的で完全なものにするために与えられる。
【0047】
さらに他の目的及び特徴は、以下の詳細な記述を添付の図面と関連して考慮することによって明らかになるだろう。しかし、図面は、例示の目的のためにのみ設計されており、本明細書で開示される実施形態を限定する定義としては設計されていないことは理解されるべきである。実施形態に対する参照は、添付の特許請求の範囲についてなされるべきである。さらに、図面は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。明示されない限り、図面は、本明細書に記述される構造及び手順を概念的に示すことを意図されているにすぎない。
【0048】
図1は、酪農場での酪農動物の群に含まれることができる動物100を用いたシナリオを示す。
【0049】
用語「動物」は、任意のタイプの家畜化されたメスのミルク生産及び/又は肉生産動物(例えば、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ラクダ、ヒトコブラクダ、霊長類、酪乳水牛、ロバ、トナカイ、ヤクなど)であることができる。
【0050】
動物100のミルクは、搾乳器具(例えば搾乳ロボット又は他の搾乳装置)によって抽出され、サービスモジュール120に与えられることができる。
【0051】
サービスモジュール120は、一部の実施形態では搾乳器具中に解放可能に挿入されることができる。従って、ミルク及びおそらく電気を搾乳器具を介してサービスモジュール120に与えるために搾乳器具とサービスモジュール120の間にインターフェースがあってもよい。
【0052】
サービスモジュール120は、カメラ、一つ又は複数のポンプ、搾乳器具へのインターフェースに取り付けるための管要素、モーター、通信ユニットなどの様々な電子部品及び器具を含む。
【0053】
カセット130は、サービスモジュール120中に脱着可能に挿入されることができる。カセット130は、動物100のミルク試料のバイオマーカー値を示すように構成された、乾燥棒を有するテープを含む。カセット130は、一部の実施形態では、サービスモジュール120中に脱着可能に挿入され、スナップロック、磁石、ねじなどの固定手段によって適所に保持されることができ、サービスモジュール120の扉は、サービスモジュール120内にカセット130を入れるために閉じられることができ、それによってカセット130をその位置にさらに固定することができる。
【0054】
それによって、動物100のミルク試料は、搾乳器具によって動物100から抽出され、サービスモジュール120を介してカセット130のテープの上の乾燥棒の一つに与えられることができる。乾燥棒は、例えば色又は色の強さを変えることによって、一つ又は複数のバイオマーカーの量及び/又は存在に反応することができる。サービスモジュール120中のカメラは、カセット130中の開口135を通して画像を捕獲することができる。乾燥棒の捕獲された画像は、次いで制御ユニットによって分析されることができ、色の強さに基づいて、ミルク試料中のバイオマーカーの量及び/又は存在が、それによって決定されることができる。
【0055】
測定されるバイオマーカーは、異なる実施形態では、例えばプロゲステロン、糖タンパク質、エストロゲン及び/又はゴナドトロピン放出ホルモン、又は動物100の繁殖と関連するいずれかの他の同種のバイオマーカーであることができる。
【0056】
プロゲステロンは、動物100の幾つかの生理学的機能を調節するホルモンである。プロゲステロンは、妊娠のために子宮を調整し、もし受精が行なわれたなら妊娠を維持し、動物100が妊娠時に発情・排卵の兆候を示すことを阻止することができる。プロゲステロンレベルは、例えば妊娠の初期に上昇し、動物100の妊娠全体を通して高レベルに維持されることができる。ミルク試料中のプロゲステロンレベルは、妊娠、発情サイクル(発熱検出)及び/又は産後の卵巣活動を監視するために使用されることができる。これらの理由のため、農場での動物100のプロゲステロンレベルをオペレーターが検出して跡をたどることは重要である。
【0057】
しかしながら、測定されるバイオマーカーは、一部の実施形態では、LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)、BHB(β-ヒドロキシブチラート)、尿素、及び/又は体細胞数計測;又は動物100の状態に関する他のバイオマーカーを含むことができる。一部の実施形態では、複数の上で挙げられたバイオマーカーを測定することができる。あるいは、一部の実施形態では、オペレーターは、農家によって選択されたバイオマーカー又は一組のバイオマーカーを測定するように構成された、テープの上の特定の乾燥棒を含むカセット130;及び/又は1年の異なる期間中に異なるバイオマーカー又は異なる組のバイオマーカーを測定するように構成された、テープの上の乾燥棒を含む異なるカセット130を予約することができる。
【0058】
一部の実施形態では、投薬モジュール137はまた、サービスモジュール120中に脱着可能に挿入されることができる。投薬モジュール137は、例えば針、及び/又は一つ又は複数のポンプを含むことができる。希釈剤を有する希釈剤容器は、投薬モジュール137の外部にあってもよい。
【0059】
図1及び
図2Aは、読者が大まかな概観を得るために、あまり詳細にせずに、与えられた解決策によるテープが操作することを意図される環境の一般的な概観を描く。関連する全体の詳細の優れた例、特にカセット130及びテープ、及びそれらが互いにどのように相互作用するかは、
図2B、
図3、及び
図4で十分に見ることができる。
【0060】
図2Aは、一実施形態による、サービスモジュール120、カセット130、及び投薬モジュール137を示すシナリオを示す。サービスモジュール120は、動物100から受けたミルク試料の生物学的値を決定するために使用される、例えばカメラ210、搾乳器具に取り付けるための管要素220、モーター、通信ユニット230などの器具及び電子要素を含む。一部の実施形態では、投薬モジュール137は、管要素220を通ってミルク試料を進めるための管要素220に作用するように構成された一つ又は複数のポンプを含むことができる。
【0061】
示された実施形態では、投薬モジュール137は、カセット130中の開口135を通してカセット130中のテープ170の上の乾燥棒180a,180b,180cにミルク試料を付与するための針350を含むことができる。カメラ210は、そのときカセット130のテープ170の上の乾燥棒180a,180b,180cと針350を整列することができる。
【0062】
サービスモジュール120のカメラ210は、開口135を通してキャリアテープ170の乾燥棒180a,180b,180cの画像を捕獲することができ、これらの画像に基づいて、カセット外部モーターは、新しい試験がなされる新しい乾燥棒180a,180b,180cを針350に対して位置づけるためにテープ170を調整することができる。
【0063】
通信ユニット230は、有線又は無線通信インターフェースを介して、制御ユニット150、データベース140、及び/又は出力ユニット160と通信することができる。
【0064】
かかる無線通信インターフェースは、Wi-Fi,3GPP LTE,Bluetooth(登録商標)(BT)などの無線通信技術を含むか又は少なくともこれらの技術によって影響を受けることができるが、これらは、一部の実施形態において無線通信のいくつかの可能な例にすぎない。
【0065】
サービスモジュール120のカメラ210は、カセット130の開口135を通して、カセット130のテープ170の上の一つの乾燥棒180a,180b,180cを検査するように構成される。カメラ210はまた、テープ170を調整することによって、テープ170の上の乾燥棒180a,180b,180cの位置、及び針350の整列を助けることができる。
【0066】
さらに、サービスモジュール120はまた、搾乳器具によって動物100のミルク試料を受け、ミルク試料を針350(針350は、投薬モジュール137に含まれる)に与えるように構成された管要素220を含む。
【0067】
投薬モジュール137は、一部の実施形態では、少なくとも一つのポンプをさらに含むことができ、ポンプは、ミルク試料を針350に与えるために管要素220に作用するように構成される。従って、ポンプは、管要素220に作用してミルク試料を管要素220を通して伝播し、針350又は針350の混合室355に到達させることができる。混合室355は、代替的に針350の外部にあってもよい。
【0068】
投薬モジュール137はまた、液体排出器又は排水器195を含むことができ、それは、針350によって出力された液体を収集することができる。液体は、ミルクだけを含むとき、一部の実施形態ではミルクラインに戻されることができる。他の実施形態では、ミルクが希釈剤と混合されたとき、液体は、カセット130の上のテープ170の他の使用していない乾燥棒180a,180b,180cをぬらしたり又は汚染したりしないようにカセット130から離れるように運搬されることができる。
【0069】
制御ユニット150は、カメラ210によって捕獲された画像の分析に基づいて、動物100のミルク試料のバイオマーカー値を決定するように構成される。制御ユニット150は、一部の実施形態ではサービスモジュール120に含められてもよく、又はサービスモジュール120の外部にあってもよい。
【0070】
データベース140は、動物100の身元参照及び/又は測定の時間スタンプと関連して、動物100の測定された生物学的値を記憶することができる。動物100に関連する他の測定値及び/又はデータ(例えばミルク流量計によって測定されるミルク収率、活動度、繁殖、出産経歴、反芻、授乳、休息、飼料摂取、エネルギーバランス、授乳日、ミルク生産、年齢、及び所望により他の同様の動物状態関連パラメーター)はまた、データベース140に記憶されることができる。
【0071】
出力ユニット160は、例えば携帯電話、固定又は携帯コンピューター装置、コンピュータータブレット、ディスプレイ、インテリジェントグラス、スマートコンタクトレンズ、拡張現実感装置、スマートウォッチ、又はユーザーインターフェース及び無線通信能力を有する同種装置であることができる。
【0072】
出力ユニット160を介して、オペレーターは、ミルク試料のバイオマーカー測定の結果の一部をとることができる。オペレーターは、それによって、例えばプロゲステロンが測定される場合において、動物100が発熱しているかどうかのような動物100の状態を分析することができる。
【0073】
第一しきい値限界を越える逸脱がバイオマーカー測定の結果と対応する参照値の間で検出されるなら、警告がオペレーターに出力されることができる。警告は、例えば視覚的情報、音声メッセージ、触覚信号、又はそれらの組み合わせを含むことができ、それらは、オペレーターが結果における検出された逸脱の理由をさらに調査することを促すことができる。複数の人々が家畜の群れと働いている場合には、一部の実施形態では、複数のオペレーター及び彼らのそれぞれの関連する出力ユニット160に対して放送を行なうことができる。
【0074】
図2Bは、一実施形態によるテープ170を示す。カセット130をサービスモジュール210中に取りはずし可能に挿入することができる。カセット130は、テープ170を含み、それは、複数の乾燥棒180a,180b,180cを含む。
【0075】
乾燥棒180a,180b,180cは、テープ170の長手方向軸196に直交する軸197に対して傾斜角度αを伴なって配置されることができる。傾斜角度αは、例えば約15度、又は一部の実施形態では例えば10~30度であることができる。
【0076】
テープ170の上の乾燥棒180a,180b,180cの少なくとも幾つかの間に、又はテープ170の下部フィルムの上に(即ち、下部フィルムの上の乾燥棒180a,180b,180cの少なくとも幾つかの溶接継目181a,181b,181cの間に)開口190a,190b,190cを配置することができる。開口190a,190b,190cは、クリーニング時に、又はミルク試料を乾燥棒180a,180b,180cに付与する前に液体を乾燥棒180a,180b,180cから離れるように運搬するように構成される。
【0077】
第一の動物100のミルクは、次に試験される別の動物のミルク試料を汚染するかもしれない。汚染を避けるため、又はキャリーオーバーを避けるため、管及び針350は、ミルク試料が乾燥棒180a,180b,180cに付与される前に、試験される動物のミルクで洗い流されることができる。試験される動物の洗い流されたミルクが他の使用していない乾燥棒180a,180b,180cを浸漬及び/又は汚染することを避けるために、洗い流しは、例えば開口190a,190b,190cを通して針350を下げることによってテープ170の開口190a,190b,190cを通してなされ、洗い流されたミルクを液体排出器195で捕獲することができる。液体排出器195は、次いで管を介して液体をカセット130から離れるように運搬することができる。
【0078】
テープ170、又はテープ170の下部フィルムは、乾燥棒180a,180b,180cを見つける際にカメラ210を助けるように構成された参照マーク185a,185b,185cをさらに含むことができる。参照マーク185a,185b,185cは、例えば穴、カラーマーク、バーコード、簡単な幾何学形状、又は同種物を含むことができる。
【0079】
参照マーク185a,185b,185cはまた、乾燥棒180a,180b,180cへのミルク試料の付与を可能とするのに十分なように乾燥棒180a,180b,180cの上部フィルムを剥離するが次の乾燥棒180a,180b,180cの上部フィルムを剥離しないようにするため、上部フィルムリールの前進を決定する際にカメラ210を助けることができる。
【0080】
さらに、テープ170、又はテープ170の下部フィルムは、テープ170の第一縁171に配置された前進開口175の第一群173;及びテープ170の第二縁172又はテープ170の下部フィルムに配置された前進開口175の第二群174を含むことができる。
【0081】
各乾燥棒180a,180b,180cは、溶接継目181a,181b,181cによって、テープ170、又はテープ170の下部フィルムの上に分離して配置されることができ、封止された乾燥棒180a,180b,180cは、互いに離れて配置される。
【0082】
図3は、乾燥棒180a,180b,180cを分離して有するテープ170を含むカセット130を示し、乾燥棒180a,180b,180cは、互いに離れてテープ170の上に個々に配置される。
【0083】
図示された実施形態では、テープ170は、テープ170の上の乾燥棒180a,180b,180cを封止するように構成された上部フィルム310でカバーされた乾燥棒180a,180b,180cを含む下部フィルムを含む。
【0084】
また、図示された実施形態では、テープ170の上部フィルム310を剥離及び収集するように配置された上部フィルムリール330が含められる。上部フィルム310は、ミルク試料が剥離された乾燥棒180a,180b,180cに付与される直前に剥離されることができる。
【0085】
さらに、カセット130は、テープ170の上の前進開口175と係合するために、歯375を含むキャプスタンリール370を含むことができる。
【0086】
カセット130は、上部フィルム310が剥離された乾燥棒180a,180b,180cの一つに動物100のミルク試料を付与するためにサービスモジュール120の針350が挿入されることが可能となるように構成された開口135を含む上蓋380をさらに含むことができる。
【0087】
上蓋380は、少なくとも一つの圧力行使部材382を含み、圧力行使部材382は、それを上蓋380から予め決められた距離に保つようにテープ170に作用するように配置される。それによって、カメラ210は、乾燥棒180a,180b,180cの上に合焦されることができる。なぜならそれらは、絶えずカメラ210から同じ距離に位置されるからである。圧力行使部材382は、ばね386、又は可撓性材料、及びテープインターフェースユニット384を含むことができる。
【0088】
また、上蓋380は、キャプスタンリール370の上の歯375の適所でテープ170の上の前進開口175を保つようにテープ170に作用することができる。従って、上蓋380の形態は、キャプスタンリール370の上の歯375の適所にテープ170の上の前進開口175を保つ形状を持つことができる。
【0089】
カセット130の一部の実施形態は、テープ供給スプール131とキャプスタンリール370の間の軌道にテープ170を案内するように配置されたテープ支持部材320を含むことができる。テープ支持部材320は、テープ170がカメラ210から予め決められた距離で保たれていることを確かめることができ、それによってカメラ210が乾燥棒180a,180b,180cの上に合焦されることを可能にする。
【0090】
一部の実施形態では、テープ170は、例えば300~700個の乾燥棒180a,180b,180c、好ましくは約400~600個の乾燥棒180a,180b,180cを含むことができる。それによって、カセット130のテープ170は、平均的な自動搾乳ロボットのミルク試料を約1ヶ月間試験するために十分な乾燥棒180a,180b,180cを含むことができる。テープ170及び乾燥棒180a,180b,180cを有するカセット130は、次いで消耗されると例えばサービス加入により別のものに交換されることができる。一部の実施形態では、カセット130は、リサイクルされることができる。即ち、使用済カセット130は、開放されることができ、使用済テープ170は、使用済カセット130から除去されることができる。次いで、新しい、乾燥棒180a,180b,180cを有する、利用されていないテープ170が、カセット130中に挿入されることができ、カセット130は、再組み立てされることができる。
【0091】
乾燥棒180a,180b,180cは、一回の使用のためにそれぞれ設計されることができる。一部の実施形態では、テープ170の乾燥棒180a,180b,180cは、バイオマーカーにさらされると色又は色調を変化するように構成されることができる。
【0092】
サービスモジュール120中のカメラ210は、予め決められた又は設定可能な時間期間の後、問題の乾燥棒180a,180b,180cの画像を捕獲することができる。捕獲された画像の上の乾燥棒180a,180b,180cの色又は色強度は、次いで、異なる色強度がミルク試料の特定のバイオマーカーレベルと関連することができる制御ユニット150によって分析されることができる。
【0093】
ミルク試料は、一部の実施形態では、テープ170の上の乾燥棒180a,180b,180cに付与される前に例えば混合室355で希釈剤と混合されることができる。
【0094】
希釈剤が別個の実在部中の別個の容器360に保持される実施形態では、オペレーターは、異なる時間間隔でカセット130、投薬モジュール137、及び/又は希釈剤容器360を交換してもよい。限定されない例では、カセット130は、1ヶ月に1回交換されてもよく、針350を含む投薬モジュール137は、1年に2回交換されてもよい。一部の実施形態では、希釈剤容器360は、例えば2ヶ月ごと、3ヶ月ごとなどで交換されてもよい。一部の実施形態では、オペレーターは、希釈剤を補充してもよく、それは、オペレーターのコスト全体を減少することができる。さらに、複数の交換可能な実在物、例えばカセット130、投薬モジュール137、希釈剤容器360などを有することによる利点は、例えば針350のような中に含まれた実在物の組み立てエラー又は輸送損傷が起こる場合には、欠陥物を含む特定の交換可能な実在物(カセット130、投薬モジュール137、希釈剤容器360など)のみが交換されれば十分であることであり、それは、資源を節約することである。
【0095】
一部の実施形態では、投薬モジュール137は、ミルク試料を針350に与えるために管要素220に作用するように構成された少なくとも一つのポンプ;及び希釈剤を混合室355に与えるように構成された第二のポンプを含むことができる。
【0096】
ミルクと希釈剤の比率は、各液体(ミルク/希釈剤)がそれぞれのポンプと関連する場合には、液体の一方又は両方のそれぞれのポンプスピードを変化することによって調整されることができる。
【0097】
投薬モジュール137に含まれる針350は、一部の実施形態では、混合されたミルク試料を一つの乾燥棒180a,180b,180cに付与する前に得られた希釈剤をミルク試料と混合するように構成された混合室355を含むことができる。あるいは、ミルク及び希釈剤は、一部の実施形態では、別個の混合室355で混合されることができる。
【0098】
一部の実施形態では、カセット130及び/又は投薬モジュール137は、環境から封止され、それによって気候室を作り出すことができ、カセット130/投薬モジュール137中では気候環境が広がる。これによって、カセット130/投薬モジュール137は、農場のゴミ、汚れ、液体などの環境衝撃から隔離されるようになる。
【0099】
テープ170が、使用される乾燥棒180a,180b,180cを針350と整列した位置に位置させるために移動されるとき、ミルク/希釈剤の混合物は、乾燥棒180a,180b,180cの上に付与されることができる。
【0100】
カメラ、モーター、ポンプ、及び他の電子機器及び/又は装置を含むサービスモジュール120と、使い捨て材料を含む一つ又は複数のカセット又はモジュール130,137,360とを分割することによる開示された解決策の利点は、解決策がオペレーターにとって極めて容易に使用することができるようになるということである。
【0101】
カセット130は、例えば1ヶ月、2ヶ月などの特定の予め決定された時間期間の間、農場を支援するための乾燥棒180a,180b,180cなどを含むことができる。この時間期間が終わる前に、供給者は、新しいカセット130を農場に供給することができる。オペレーターは、この新しいカセット130を、サービスモジュール120の繊細な電子機器と相互作用する必要なしにサービスモジュール120中に入れることができる。使用済のカセット130は、廃棄されることができる。
【0102】
ハードウェアの故障又は他の不調が生じた場合、オペレーターは、サービスモジュール120を搾乳器具から除去し(そしてまた、カセット130をサービスモジュール120から除去し)、除去したサービスモジュール120を修理/調整のためにサービスの供給者に与えることができる。サービスモジュール120が修理中の間、オペレーターは、例えば、別のサービスモジュール120をサービスの供給者から借りることができる。それによって、動物100のバイオマーカー値は、サービスモジュール120又はそのいずれかの一部分が不調の場合でも、中断なしに監視されることができる。また、外部の技術者が使い捨てカセット130又は投薬モジュール137の交換のためやサービスモジュール120のエラーを分析するために農場を訪問する必要はないので、サービス及びメンテナンスのための費用は最小限になるか、又は少なくとも低減される。
【0103】
図4は、一実施形態によるテープ170の横断面を示す。テープ170は、下部フィルム410の上で複数の乾燥棒180a,180b,180cを分離して保持するように操作可能な下部フィルム410を含み、それらの乾燥棒180a,180b,180cは、動物100のミルク試料の少なくとも一つのバイオマーカー値を示すように構成される。各乾燥棒180a,180b,180cは、互いに離れて配置された溶接継目181a,181b,181cによって個別に封止されることができる。
【0104】
さらに、テープ170はまた、下部フィルム410の上の複数の乾燥棒180a,180b,180cをカバーし、乾燥棒180a,180b,180cへミルク試料を付与する前に個々の乾燥棒180a,180b,180cから剥離されるように構成された上部フィルム310を含む。
【0105】
カセット130の上部フィルムリール330は、テープ170の上部フィルム310を剥離し、上部フィルム310を収集するように配置されることができる。
【0106】
上部フィルム310を付与する理由は、第一の動物100からのミルクが、続く動物がバイオマーカー試験のために使用することになる乾燥棒180a,180b,180cをぬらさないことが重要であるからである。なぜなら第一の動物からのミルクは、第二の動物の乾燥棒180a,180b,180cを汚染するかもしれないからである。この理由のため、カセット130は、一つの乾燥棒180a,180b,180cが針350と整列した位置に調整されるときに一つの乾燥棒180a,180b,180cから封止テープを除去するように構成された封止解除装置をさらに含むことができる。上部フィルム310は、一部の実施形態では下部フィルム410より薄く、例えば10%薄く、20%薄く、40%薄くなどすることができる。
【0107】
下部フィルム410は、下部層411、中間層412、及び上部層413を含むことができる。下部層411及び上部層413は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートポリエステル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、及び/又はポリスチレン又は熱可塑性ポリエステルのような同種材料のようなプラスチックから作られることができる。特に、上部層413は、ポリエチレンから作られることができる。一部の実施形態では、プラスチックは、バイオプラスチック又は植物性プラスチックを含むことができる。即ち、分解可能、生物分解可能、及び/又は堆肥可能であるプラスチック材料を含むことができる。
【0108】
下部フィルム410の中間層412は、アルミニウム又はアルミニウムベースの合金から作られることができ、例えば9μm~25μmの厚さを有することができる。
【0109】
テープ170の上部フィルム310は、下部層311、中間層312、及び上部層313を含む。下部層311及び上部層313は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、及び/又はポリスチレン又は同種材料のようなプラスチックから作られることができる。特に、下部層311は、ポリエチレンから有利に作られることができる。一部の実施形態では、プラスチックは、バイオプラスチック又は植物性プラスチックを含むことができる。即ち、分解可能、生物分解可能、及び/又は堆肥可能であるプラスチック材料を含むことができる。
【0110】
下部フィルム410の層411,412,413、及び上部フィルム310の層311,312,313は、それぞれ積層されることができる。
【0111】
上部フィルム310の中間層312は、アルミニウム又はアルミニウムベースの合金から作られることができ、例えば9μm~25μmの厚さを有することができる。
【0112】
下部フィルム410の中間層412及び/又は上部フィルム310の中間層312のためにアルミニウム箔の薄層(例えば約9μm厚)を使用することは、カセット130のスプール131,132の上により多くの(より長い)テープ170を可能にする利点を有する。また、厚い(例えば約25μm厚)アルミニウム箔を使用するよりも安価である。しかしながら、中間層412,312のために厚いアルミニウム箔を使用することは、テープ170を機械的損傷に対して敏感でないようにさせる。妥協は、一部の実施形態では、下部フィルム410の中間層412に対しては例えば約15~25μmの厚いアルミニウム箔を使用し、上部フィルム310の中間層312に対しては例えば約9~15μmの薄いアルミニウム箔を使用することであることができる。
【0113】
乾燥棒180a,180b,180cは、下部フィルム410と上部フィルム310の間に維持されることができ、個々に封止されることができる。各乾燥棒180a,180b,180cの個々の封止は、上部フィルム310の下部層311とともに下部フィルム410の上部層413を溶接することによって作られることができる。それによって、乾燥棒180a,180b,180cは、それらが順に針350からミルク試料を受けとらないとき、乾燥棒180a,180b,180cの操作に影響しうる湿分又はミルク汚染から極めて良好に保護される。溶接を容易にするために、下部フィルム410の上部層413及び/又は上部フィルム310の下部層311は、ポリエチレンから作られることができる。なぜならポリエチレンは、溶接するのが容易であるからである。
【0114】
中間層312,412の目的は、テープ170のスプール131,132の上に巻かれるのに十分な可撓性をテープ170になお与えながら、テープ170に堅さを与えることである。この目的のため、中間層312,412は、有利には、アルミニウム箔、又はアルミニウム合金から作られた箔から作られることができる。また、中間層312,412は、乾燥棒180a,180b,180cを湿気から保護する液体バリヤーを与える。
【0115】
下部フィルム410の下部層411の目的は、引っ掻き及び他の望ましくない機械的衝撃から中間層412を保護することである。なぜなら中間層412は、特にアルミニウム箔から作られるとき、破壊されやすく、引っ掻きに対して敏感であるからである。同じことは、上部フィルム310の上部層313についても言うことができる。下部フィルム410の下部層411及び上部フィルム310の上部層313は、有利には、上述のようにプラスチックから作られることができる。プラスチックはまた、低摩擦の利点を有し、それは、テープ170のスプール131,132の間に供給されるときにテープ170の滑らかな走行を確実にする。
【0116】
図1、
図2A、
図2B、
図3及び/又は
図4に示されている実施形態又はその一部は、さらなる利点を達成するために相互に有利に組み合わせられることができる。
【0117】
添付の図面に示されているような実施形態の記述において使用されている用語は、記述されたテープ170、カセット130、サービスモジュール120、及び/又は制御ユニット150を限定することを意図されない。添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の実施形態から離れることなく、様々な変化、置換、及び/又は変更を行なうことができる。
【0118】
本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連するリストに挙げられた項目の一つ以上のいかなる及び全ての組み合わせを含む。本明細書で使用される用語「又は」は、明記されない限り、数学的なOR(つまり、包括的な分離)として解釈されるべきであり、数学的な排他的OR(XOR)として解釈されるべきでない。加えて、単数形「a」、「an」及び「the」は、「少なくとも一つの」として解釈されるべきであり、従って、明記されない限り、同じ種類の複数の実体を含むことがあり得る。さらに、用語「含む」(「includes」、「comprises」、「including」及び/又は「comprising」)は、述べられた特徴、行動、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は成分の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、行動、整数、ステップ、操作、要素、成分、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが理解されるだろう。例えばプロセッサーなどの単数のユニットは、特許請求の範囲において言及されたいくつかの項目の機能を満たすことができる。特定の測定値又は特徴が相互に異なる従属項において言及されていたり、異なる図において示されていたり、又は異なる実施形態との関連で論じられていたりするという事実は、これらの測定値又は特徴の組み合わせが有利に使用できないということを示さない。コンピュータープログラムは、他のハードウェアと共に又はその一部として供給された好適な媒体(例えば、光学記憶媒体又は固体状態媒体)上に、記憶/分散されることができるが、インターネット又は他の有線もしくは無線通信システムなどを介して他の形で分散されることもできる。