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特許7280395データ・センタのための電流検出ベースの再生可能エネルギー・システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】データ・センタのための電流検出ベースの再生可能エネルギー・システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/12 20060101AFI20230516BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20230516BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
H02J1/12
H02J1/00 306F
H01M10/48 P
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022005199
(22)【出願日】2022-01-17
(65)【公開番号】P2022050642
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2022-01-17
(31)【優先権主張番号】17/157,633
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516357421
【氏名又は名称】バイドゥ ユーエスエイ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Baidu USA LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ティエンイ
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-164373(JP,A)
【文献】実開平07-020607(JP,U)
【文献】国際公開第2010/032300(WO,A1)
【文献】特開2013-218438(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0060100(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00 - 1/16
H02J 9/04
H01M 10/48
G05F 1/67
H02S 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
数のサーバ・クラスタを有するデータ・センタのための電力供給システムであって、
数の第1のスイッチを有するシステム間バスであって、それぞれの第1のスイッチが、前記システム間バスを前記複数のサーバ・クラスタのうちの1つに接続することになる、システム間バスと、
数の再生可能エネルギー・システムおよび複数の第2のスイッチであって、それぞれの第2のスイッチが、1つの再生可能エネルギー・システムに結合され、それぞれの第2のスイッチが、対応する再生可能エネルギー・システムを前記システム間バスに接続することになる、複数の再生可能エネルギー・システムおよび複数の第2のスイッチと、
数の電流検出回路であって、それぞれの電流検出回路が、1つの再生可能エネルギー・システムに結合されて、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流を検出する、複数の電流検出回路と、
前記システム間バスに結合された中央コントローラであって、前記対応する再生可能エネルギー・システムの前記出力電流が予め決められた閾値電流よりも高いことに応答して、再生可能電力を前記複数のサーバ・クラスタのうちの少なくとも1つに提供するために、前記対応する再生可能エネルギー・システムを前記システム間バスに接続するための対応する第2のスイッチをアクティブ化するように構成された、中央コントローラと
を含み、
前記複数の電流検出回路のうちの1つの電流検出回路が、閉回路モードで動作し、他の電流検出回路が、開回路モードから閉回路モードへと周期的に切り換わる、
電力供給システム。
【請求項2】
記複数の再生可能エネルギー・システムが、1つまたは複数の光起電力(PV)システムを含む、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記中央コントローラが、対応するサーバ・クラスタを前記システム間バスに接続するために、前記複数の第1のスイッチのうちの1つをアクティブ化するようにさらに構成される、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項4】
1つまたは複数の第3のスイッチと、1つまたは複数の第1のコンバータとをさらに含み、それぞれの第3のスイッチが、1つの再生可能エネルギー・システムと1つの第1のコンバータとの間に結合される、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項5】
1つまたは複数の第4のスイッチをさらに含み、それぞれの第4のスイッチが、1つの再生可能エネルギー・システムに結合されて、対応する電流検出回路に閉ループを形成する、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項6】
1つまたは複数のPVコントローラをさらに含み、それぞれのPVコントローラが、1つの再生可能エネルギー・システムに対応して、対応する再生可能エネルギー・システムの対応する電流検出回路からの出力電流を受信し、前記対応する再生可能エネルギー・システムを制御する、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項7】
数のサーバ・クラスタと、
数の第1のスイッチを有するシステム間バスであって、それぞれの第1のスイッチが、前記システム間バスを前記複数のサーバ・クラスタのうちの1つに接続することになる、システム間バスと、
数の再生可能エネルギー・システムおよび複数の第2のスイッチであって、それぞれの第2のスイッチが、1つの再生可能エネルギー・システムに結合され、それぞれの第2のスイッチが、対応する再生可能エネルギー・システムを前記システム間バスに接続することになる、複数の再生可能エネルギー・システムおよび複数の第2のスイッチと、
数の電流検出回路であって、それぞれの電流検出回路が、1つの再生可能エネルギー・システムに結合されて、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流を検出する、複数の電流検出回路と、
前記システム間バスに結合された中央コントローラであって、前記対応する再生可能エネルギー・システムの前記出力電流が予め決められた閾値電流よりも高いことに応答して、再生可能電力を前記複数のサーバ・クラスタのうちの少なくとも1つに提供するために、前記対応する再生可能エネルギー・システムを前記システム間バスに接続するための対応する第2のスイッチをアクティブ化するように構成された、中央コントローラと
を含み、
前記複数の電流検出回路のうちの1つの電流検出回路が、閉回路モードで動作し、他の電流検出回路が、開回路モードから閉回路モードへと周期的に切り換わる、
データ・センタ。
【請求項8】
記複数の再生可能エネルギー・システムが、1つまたは複数の光起電力(PV)システムを含む、請求項に記載のデータ・センタ。
【請求項9】
前記中央コントローラが、対応するサーバ・クラスタを前記システム間バスに接続するために、前記複数の第1のスイッチのうちの1つをアクティブ化するようにさらに構成される、請求項に記載のデータ・センタ。
【請求項10】
1つまたは複数の第3のスイッチと、1つまたは複数の第1のコンバータとをさらに含み、それぞれの第3のスイッチが、1つの再生可能エネルギー・システムと1つの第1のコンバータとの間に結合される、請求項に記載のデータ・センタ。
【請求項11】
1つまたは複数の第4のスイッチをさらに含み、それぞれの第4のスイッチが、1つの再生可能エネルギー・システムに結合されて、対応する電流検出回路に閉ループを形成する、請求項に記載のデータ・センタ。
【請求項12】
数のサーバ・クラスタを有するデータ・センタの電力供給システムを管理する方法であって、
対応する電流検出回路を通して対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流を検出するステップであって、前記電力供給システムが、複数の第1のスイッチを有するシステム間バス、複数の再生可能エネルギー・システム、複数の第2のスイッチ、および複数の電流検出回路を含み、それぞれの第1のスイッチが、前記システム間バスを前記複数のサーバ・クラスタのうちの1つに接続することになり、それぞれの第2のスイッチが、1つの再生可能エネルギー・システムに結合され、対応する再生可能エネルギー・システムを前記システム間バスに接続することになり、それぞれの電流検出回路が、1つの再生可能エネルギー・システムに結合されて、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流を検出する、検出するステップと、
前記対応する再生可能エネルギー・システムの前記出力電流が予め決められた閾値電流よりも高いかどうかを判定するステップと、
前記対応する再生可能エネルギー・システムの前記出力電流が前記予め決められた閾値電流よりも高いことに応答して、再生可能電力を前記複数のサーバ・クラスタのうちの少なくとも1つに提供するために、前記対応する再生可能エネルギー・システムを前記システム間バスに接続するための対応する第2のスイッチをアクティブ化するステップと、を含み、
前記方法は、
前記複数の電流検出回路のうちの1つの電流検出回路を、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流を検出するために閉回路モードで動作させるステップと、他の電流検出回路を開回路モードから閉回路モードへと周期的に切り換えるステップとさらに含む方法。
【請求項13】
記複数の再生可能エネルギー・システムが、1つまたは複数の光起電力(PV)システムを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
対応するサーバ・クラスタを前記システム間バスに接続するために、前記複数の第1のスイッチのうちの1つをアクティブ化するステップをさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ上で動作しているときに、請求項1214のいずれかに記載の方法を前記コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[開示の分野]
本開示の実施形態は、一般に、データ・センタに電力供給するためのアーキテクチャに関し、より詳細には、電流検出を伴って設計された、データ・センタのための再生可能エネルギー・システムに関する。
【0002】
[背景]
コンピュータ・サーバの大きなクラスタは、専用の設備(たとえば、データ・センタ)において、しばしば、ラック筐体に保持することができる。これらの専用の設備は、公益企業(たとえば、交流電流(AC)幹線)から引き出されるかなりの量の電力を要する。設備は、コンピュータ・サーバのクラスタを動作させるための電力を必要とすると共に、(たとえば、コンピュータ・ルーム・エア・コンディショニング(CRAC)ユニットの使用を通して)ほどよく調整された環境を維持するための電力もまた引き出す。AC幹線からそのような大量の電力を引き出すことは、設備を運用するコスト全体を増加させ、設備のカーボン・フットプリントを増加させる。
【0003】
AC幹線への依存を減少し、カーボン・フットプリントを低減するために、いくつかの設備は、光起電力(PV)システムなどの、再生可能エネルギー/電力システムへと転向している。コスト効率および動作効率を向上させるために、またカーボン排出を減少させ電力可用性を維持するために、PVシステムなどの再生可能電力システムをデータ・センタの中に効果的に実現することが重要である。現在のところ、出力ソーラー電力を貯蔵し、収集するには、PVシステム(またはPVパネル)に、バッテリ・システムまたはストレージ・システムが取り付けられることが必要とされている。ストレージ・システムまたはバッテリ・システムは、データ・センタのための電力供給システムの複雑さを著しく増加させる。コストも同様に増加する。再生可能エネルギーは使用前に貯蔵しなくてはならないので、ストレージ・システムまたはバッテリ・システムは、効率もまた減少させる。加えて、環境調整を考慮するために膨大な量の電力を消費する大規模データ・センタには、PVシステムが特に必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様は、1つまたは複数のサーバ・クラスタを有するデータ・センタのための電力供給システムであって、1つまたは複数の第1のスイッチを有するシステム間バスであって、それぞれの第1のスイッチが、前記システム間バスを前記1つまたは複数のサーバ・クラスタのうちの1つに接続することになる、システム間バスと、1つまたは複数の再生可能エネルギー・システムおよび1つまたは複数の第2のスイッチであって、それぞれの第2のスイッチが、1つの再生可能エネルギー・システムに結合され、それぞれの第2のスイッチが、対応する再生可能エネルギー・システムを前記システム間バスに接続することになる、1つまたは複数の再生可能エネルギー・システムおよび1つまたは複数の第2のスイッチと、1つまたは複数の電流検出回路であって、それぞれの電流検出回路が、1つの再生可能エネルギー・システムに結合されて、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流を検出する、1つまたは複数の電流検出回路と、前記システム間バスに結合された中央コントローラであって、前記対応する再生可能エネルギー・システムの前記出力電流が予め決められた閾値電流よりも高いことに応答して、再生可能電力を前記1つまたは複数のサーバ・クラスタのうちの少なくとも1つに提供するために、前記対応する再生可能エネルギー・システムを前記システム間バスに接続するための対応する第2のスイッチをアクティブ化するように構成された、中央コントローラとを含む電力供給システムである。
【0005】
本発明の実施形態は、付属する図面の図において、限定ではなく例として例証され、図面では、同種の参照記号が同様の要素を指し示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態による、データ・センタの1つまたは複数の再生可能エネルギー・システムを含むシステム・アーキテクチャの例を例証するブロック図である。
図2】一実施形態による、データ・センタの電力供給システムを制御する例を例証するフロー図である。
図3】一実施形態による、再生可能エネルギー・システムのための電流検出回路の例を例証するブロック図である。
図4A】一実施形態による、閉回路モードで動作する電流検出回路の例を例証するブロック図である。
図4B】一実施形態による、閉回路モードで動作する電流検出回路の例を例証するブロック図である。
図5A】一実施形態による、開回路モードで動作する電流検出回路の例を例証するブロック図である。
図5B】一実施形態による、開回路モードで動作する電流検出回路の例を例証するブロック図である。
図6】一実施形態による、統合された2つの異なるモードについて、データ・センタの電力供給システムを制御する例を例証するフロー図である。
図7】一実施形態による、データ・センタの複数の再生可能エネルギー・システムの例を例証するブロック図である。
図8】一実施形態による、データ・センタの再生可能エネルギー・システムのためのマルチ・レベル電力制御の例を例証するブロック図である。
図9】一実施形態による、データ・センタの電力供給システムを管理する方法の例を例証するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[詳細な説明]
本発明のさまざまな実施形態および態様が、下で議論される詳細を参照して説明され、付属する図面は、さまざまな実施形態を例証することになる。以下の説明および図面は、本発明を例証するものであり、本発明を限定するものとして解釈すべきではない。多数の具体的な詳細が、本発明のさまざまな実施形態の徹底した理解を提供するために説明される。しかしながら、一定の実例においては、本発明の実施形態の簡潔な議論を提供するために、よく知られた、または慣例的な詳細は説明していない。
【0008】
本明細書における「一実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態と併せて説明される個別の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書においてさまざまな箇所に現れる「一実施形態において」という語句は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すわけではない。
【0009】
本開示は、たとえば、バッテリの必要性をなくす(または取り除く)ことによって、再生可能エネルギー・システム、たとえば、光起電力(PV)システムを、データ・センタにおいて実現するコスト(たとえば、コンポーネント・コスト、運用コスト、サービス/メンテナンス・コスト、その他)および複雑さを低減させる問題を解決する。本明細書で開示される実施形態は、エネルギー・ストレージ・システム(またはバッテリ)をなくし、同時に、再生可能電力の可用性を判定する課題を解決する。エネルギー・ストレージ・システムなしに、再生可能エネルギー・システムを効率的に使用するための検出/感知方法もまた開示される。再生可能エネルギー・システム、たとえば、PVシステムの可用性は、リアル・タイムで検出される。その上、異なる可用性レベルのPVシステム電力があり得るという事実により、異なる条件において電力を効率的に管理し、調整するための、ハードウェアおよびソフトウェアの両方を含む制御方法が開示される。このようにして、再生可能エネルギーを高い効率で使用することができる。再生可能エネルギー・システム、たとえば、PVシステムは、グリーンフィールドのものおよびブラウンフィールドのもの両方の、今あるデータ・センタ電力インフラストラクチャの中に統合することができ、これらは、複数のデータ・センタ・ビルおよびコンテナ・データ・センタのそれを備えたハイパースケールを含む。再生可能電力が十分であると考えられるときにその電力を使用するための、マルチ・レベル制御論理が開示される。
【0010】
データ・センタのための、電流検出ベースの再生可能エネルギー・システム、たとえば、PVシステムが、本明細書で説明される。たとえば、電流検出回路は、PVシステムを電力供給システムに統合するために、ならびにPVシステムを制御して電力をデータ・センタに提供するために使用される。電流検出回路は、出力ソーラー電力をリアル・タイムで検出するための抵抗器および電流センサを有し、測定された電流は次いで、異なる動作シナリオについてのスイッチ動作ステータスを制御するために使用される。いくつかのスイッチが、電力フローを制御するために使用される。加えて、電流検出回路は、PVシステムのためのエネルギー・ストレージ・システムをなくすこと、およびPVシステムをデータ・センタ電力設備の中に効率的に統合することを可能にする。本解決策は、2つのレベルの制御方法を使用して、複数のITクラスタのための複数のPVシステムに拡張される。PVシステムおよび対応する電力出力は、バックアップ電力システムに接続されてもよいし、または、ITクラスタ用もしくは冷却システムにおける機器などの他の機器用の電力入力として直接使用されてもよい。異なるシナリオにおいて有利であり得る異なる動作モードが、検出回路のために構成される。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数のサーバ・クラスタを有するデータ・センタのための電力供給システムが本明細書で開示される。電力供給システムは、1つまたは複数の第1のスイッチを有するシステム間バスを含み、ここで、それぞれの第1のスイッチは、システム間バスを1つまたは複数のサーバ・クラスタのうちの1つに接続することになる。電力供給システムは、1つまたは複数の再生可能エネルギー・システムおよび1つまたは複数の第2のスイッチを含み、ここで、それぞれの第2のスイッチは、1つの再生可能エネルギー・システムに結合され、対応する再生可能エネルギー・システムをシステム間バスに接続することになる。電力供給システムは、1つまたは複数の電流検出回路をさらに含み、ここで、それぞれの電流検出回路は、1つの再生可能エネルギー・システムに結合されて、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流を検出する。電力供給システムは、システム間バスに結合された中央コントローラをさらに含み、中央コントローラは、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流が予め決められた閾値電流よりも高いことに応答して、再生可能電力を1つまたは複数のサーバ・クラスタのうちの少なくとも1つに提供するために、対応する再生可能エネルギー・システムをシステム間バスに接続するための対応する第2のスイッチをアクティブ化するように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、データ・センタは、1つまたは複数のサーバ・クラスタと、1つまたは複数の第1のスイッチを有するシステム間バスとを含み、ここで、それぞれの第1のスイッチは、システム間バスを1つまたは複数のサーバ・クラスタのうちの1つに接続することになる。データ・センタは、1つまたは複数の再生可能エネルギー・システムおよび1つまたは複数の第2のスイッチを含み、ここで、それぞれの第2のスイッチは、1つの再生可能エネルギー・システムに結合され、対応する再生可能エネルギー・システムをシステム間バスに接続することになる。データ・センタは、1つまたは複数の電流検出回路をさらに含み、ここで、それぞれの電流検出回路は、1つの再生可能エネルギー・システムに結合されて、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流を検出する。データ・センタは、システム間バスに結合された中央コントローラをさらに含み、中央コントローラは、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流が予め決められた閾値電流よりも高いことに応答して、再生可能電力を1つまたは複数のサーバ・クラスタのうちの少なくとも1つに提供するために、対応する再生可能エネルギー・システムをシステム間バスに接続するための対応する第2のスイッチをアクティブ化するように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数のサーバ・クラスタを有するデータ・センタの電力供給システムを管理する方法が本明細書で開示される。対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流が検出され、ここで、電力供給システムは、1つまたは複数の第1のスイッチを有するシステム間バス、1つまたは複数の再生可能エネルギー・システム、1つまたは複数の第2のスイッチ、および1つまたは複数の電流検出回路を含み、それぞれの第1のスイッチは、システム間バスを1つまたは複数のサーバ・クラスタのうちの1つに接続することになり、それぞれの第2のスイッチは、1つの再生可能エネルギー・システムに結合され、対応する再生可能エネルギー・システムをシステム間バスに接続することになり、それぞれの電流検出回路は、1つの再生可能エネルギー・システムに結合されて、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流を検出する。対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流が、予め決められた/再び特徴付けられた閾値電流よりも高いかどうかが判定される。対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流が予め決められた閾値電流よりも高いことに応答して、再生可能電力を1つまたは複数のサーバ・クラスタのうちの少なくとも1つに提供するために、対応する再生可能エネルギー・システムをシステム間バスに接続するための対応する第2のスイッチがアクティブ化される。
【0014】
一実施形態において、1つまたは複数の再生可能エネルギー・システムは、1つまたは複数の光起電力(PV)システムを含む。
【0015】
一実施形態において、中央コントローラは、対応するサーバ・クラスタをシステム間バスに接続するために、1つまたは複数の第1のスイッチのうちの1つをアクティブ化するようにさらに構成される。
【0016】
一実施形態において、電力供給システムは、1つまたは複数の第3のスイッチと、1つまたは複数の第1のコンバータとをさらに含み、ここで、それぞれの第3のスイッチは、1つの再生可能エネルギー・システムと1つの第1のコンバータとの間に結合される。
【0017】
一実施形態において、電力供給システムは、1つまたは複数の第4のスイッチをさらに含み、ここで、それぞれの第4のスイッチは、1つの再生可能エネルギー・システムに結合されて、対応する電流検出回路に閉ループを形成する。
【0018】
一実施形態において、電力供給システムは、1つまたは複数のPVコントローラをさらに含み、ここで、それぞれのPVコントローラは、1つの再生可能エネルギー・システムに対応して、対応する再生可能エネルギー・システムの対応する電流検出回路からの出力電流を受信し、対応する再生可能エネルギー・システムを制御する。
【0019】
一実施形態において、1つまたは複数の電流検出回路のうちの1つの電流検出回路は、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流を検出するために閉回路モードで動作し、他の電流検出回路は、開回路モードで動作する。
【0020】
一実施形態において、1つまたは複数の電流検出回路のうちの1つの電流検出回路は、閉回路モードで動作し、他の電流検出回路は、開回路モードから閉回路モードへと周期的に切り換える。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、コンピュータ上で動作しているときに、1つまたは複数のサーバ・クラスタを有するデータ・センタの電力供給システムを管理する方法を前記コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムが本明細書で開示される。
【0022】
図1は、一実施形態による、データ・センタの電力供給システムの1つまたは複数の再生可能エネルギー・システムを含むシステム・アーキテクチャの例を例証するブロック図である。データ・センタは、1つまたは複数のサーバ・クラスタ(たとえば、101、111、121)と、システム間バス150とを含む。システム間バス150は、1つまたは複数の第1のスイッチ、たとえば、スイッチS5、S10、S15を有することができ、ここで、それぞれのスイッチ可能な接続が、システム間バス150を1つまたは複数のサーバ・クラスタ(たとえば、101、111、121)のうちの1つに接続することになる。データ・センタは、1つまたは複数の再生可能エネルギー・システム(たとえば、106、116、126)、および1つまたは複数の第2のスイッチ(たとえば、S4、S9、S14)を含み、ここで、それぞれの第2のスイッチ(たとえば、S4、S9、またはS14)は、1つの再生可能エネルギー・システム(たとえば、106、116、または126)に結合され、それぞれの第2のスイッチ(たとえば、S4、S9、またはS14)は、対応する再生可能エネルギー・システム(たとえば、106、116、または126)をシステム間バス150に接続することになる。1つまたは複数の再生可能エネルギー・システム(たとえば、106、116、126)は、図1に例証するように、1つまたは複数のPVシステムであってよい。実施形態において、1つまたは複数のPVシステムは、第1のDC-DCコンバータ(たとえば、107)と、第2のDC-DCコンバータ(たとえば、108)との間のDCバスに接続されてよい。
【0023】
データ・センタは、1つまたは複数のサブシステム/モジュール、たとえば、モジュール100、110、および120を含むことができる。それぞれのサブシステム/モジュールは、対応する電力供給サブシステム、対応するサーバ・クラスタ、および対応するコントローラを含むことができる。1つまたは複数の再生可能エネルギー・システム(たとえば、106、116、126)のそれぞれは、1つまたは複数のサブシステム/モジュール(たとえば、100、110、120)のうちの1つに含まれてよい。電力供給システム全体は、サーバのすべてに応じるのに必要とされるだけの多くのモジュールを含むことができる。その上、モジュールの単純な追加によって、システムは、必要とされるときに容易に拡大することができる。モジュールのそれぞれは、3つのエネルギー・ソース、すなわち、公益企業電力、ストレージ電力、および再生可能エネルギー/電力(PVシステム)を含むことができる。たとえば、スイッチS1、S6、およびS11を閉じることによって、クラスタ(たとえば、101、111、121)のそれぞれは、公益企業電力から直接フィードされてよく、これは通常の動作モードである。同様に、スイッチS3、S8、およびS13を閉じることによって、クラスタ(たとえば、101、111、121)のそれぞれは、バッテリ・ストレージからフィードされてよい。最後に、スイッチS4、S9、およびS14を閉じることによって、クラスタ(たとえば、101、111、121)のそれぞれは、再生可能エネルギー/電力ソースからフィードされてよい。それぞれのクラスタが必要に応じて異なるソースからフィードされ得るように、コントローラ1、コントローラ2、およびコントローラ3として指し示すその各ローカル・コントローラによって、これらのスイッチのそれぞれを独立して制御することができる。ローカル・コントローラのそれぞれは、中央コントローラ130と通信している。
【0024】
1つまたは複数の電力供給サブシステム/モジュールはまた、システム間DCバス150を介して相互接続されている。すなわち、それぞれのモジュール内で、サーバ・クラスタは、スイッチS5、S10、およびS15を介して、システム間DCバス150に接続されていてよい。システム間DCバス150は、ストレージ・システム104、114、および/または124のいずれかもしくはすべてによって、ならびに再生可能エネルギー・システム106、116、および/または126のいずれかもしくはすべてによって、フィードされてよい。クラスタのうちのいずれかが任意のクラスタの利用可能なソースのうちのいずれかによって通電され得るように、システム間DCバス150のさまざまなスイッチは、中央コントローラ130によって制御されている。すなわち、システム間DCバス150を使用して、あるモジュールのサーバ・クラスタが、別のモジュールの電力ソースによって通電されてもよい。この方法において、一定の動作の間に利用可能なバックアップ・リソースを増加させる一方で、バックアップ・リソースがモジュール間で共有されて、サーバ・クラスタごとに物理的に構成されることを必要とする所要のバックアップ電力ソースの量を低減させる。
【0025】
一実施形態において、再生可能システム、たとえば、PVシステムのそれぞれは、第1のDC-DCコンバータ(たとえば、107)および第2のDC-DCコンバータ(たとえば、108)に接続される。第1のDC-DCコンバータ(たとえば、107)は、それぞれ個々のPVシステムによって供給される電圧を制御し、個々のPVパネルのすべての相互接続を制御するために使用される。第2のDC-DCコンバータ(たとえば、108)は、個々のPVシステムのそれぞれからシステム間DCバス150に適用される電圧を制御するために使用される。複数のレベルのコンバータが、さらなるシステム・アップグレードおよび調節のために、構成の柔軟性を向上させることができる。
【0026】
たとえば、スイッチS1、S6、およびS11が開いているとき、システム間DCバス150へのスイッチS5を閉じることによって、サーバ・クラスタ101に電力を供給することができる。次いで、任意のモジュールのストレージ・システムまたはPVシステムのいずれかから、システム間DCバス150にエネルギーを供給することができる。たとえば、システム間DCバス150への電力がストレージ・システム104、114、および/または124のいずれかもしくはすべてによって提供されるように、スイッチS3、S8、および/またはS13のいずれかもしくはすべてを閉じることによって、バックアップ電力を供給することができる。システム間DCバスへの電力はまた、スイッチS4、S9、および/またはS14を閉じることによって、PVシステムのいずれかもしくはすべてから供給されてもよい。ストレージ・システムに接続されている異なる線は、電力フローを表すものと理解することができることに触れておく必要がある。
【0027】
図1に例証するように、システム間バス150は、1つまたは複数の電力供給モジュールから、再生可能電力リソースとストレージ・システムとを接続するために使用される。ITクラスタ(101、111、121)のそれぞれは、専用の公益企業電力およびシステム間DCバスの、2つの電力ソースを有する。システムDCは、公益企業電力とストレージ・システムとを接続するために使用される。中央コントローラ130は、すべての電力供給モジュールにおけるストレージ・システムおよびPVシステムのスイッチを制御するために使用される。中央コントローラ130はまた、コントローラ1、コントローラ2、コントローラ3などのサブシステム・コントローラ(ローカル・コントローラ)と相互作用することができる。サブシステム/モジュールが公益企業電力の停止を有する、またはメンテナンスを必要とするときにはいつでも、再生可能電力リソースおよび電力ストレージ・システム両方のそれ自体、ならびに十分な電力を有する他のサブシステムを使用して、サブシステム/モジュールのクラスタに応じることができる。
【0028】
電力供給システムには3つのコンバータがあり、コンバータ1は、公益企業ACソースをDCソースに変換するために使用され、コンバータ2(たとえば、107)は、他の使用(バッテリを充電する、または他の作業負荷に接続されるなど)のために、PVシステムの出力を一定のレベルに正規化するために使用され、コンバータ3(たとえば、108)は、電圧を、システム間DCバス150の設計された要件に調整するために使用される。電力定格を含むPVシステムの詳細な構成は、異なってもよい。同一のPVシステムについて、出力は、わずかに異なることがあるが、あるいは同じデータ・センタに位置する場合は同一と考えられてもよい。
【0029】
図2は、一実施形態による、データ・センタの電力供給システムを制御する例を例証するフロー図200である。図1および図2を参照すると、初期状態201で、スイッチS4 134およびS5 135の両方は開いている。スイッチS4 134は、PVシステム106をシステム間バス150に接続することになる。スイッチS5 135は、サーバ・クラスタ101をシステム間バス150に接続することになる。このシナリオにおいて、ブロック202で、ソーラー電力を確認するための信号が検出される。PVシステム106の電流検出回路の可用性が取り込まれる。ブロック203で、PVシステム106の電流検出回路の出力電流が測定される。検出電流信号が可能にされると、PVシステム106のリアル・タイム電流出力が取得される。モジュール100は、例として使用されており、同様の制御方法は、モジュール110、120、その他などの他のモジュールに適用されてもよい。
【0030】
ブロック204で、専用の検出電流回路における出力電流が、予め決められた閾値電流よりも低いかどうか、または予め決められた要件に適合するかどうかが判定される。予め決められた閾値電流は、PVソースおよび負荷に基づいて、特徴付けられ、調整されてよい。たとえば、予め決められた閾値電流は、実際のPVシステムの性能および仕様、ならびに電流検出回路に基づくことができる。検出回路の予め決められた閾値電流は、PVシステムが負荷に接続されると、PVシステムがどのくらいの電力を対応する負荷に送り出すことができ得るかと相関する。この特徴付け手順は、システムが動作する前に行われる、または完了してよく、閾値電流は、動作中に調節されてよい。ブロック205で、出力電流が閾値電流よりも低い、または予め決められた要件に届かない場合、中央コントローラ130は、PVシステムとシステム間バスとの間の接続を切るように、スイッチ(たとえば、S4 134)を制御することができる。ブロック206で、出力電流が閾値電流よりも低くない、または予め決められた要件に届いている場合、中央コントローラは、スイッチ(たとえば、S4 134)を閉じて、PV電力をシステム間バス150に送信することができる。ブロック207で、中央コントローラは、クラスタとシステム間バスとの間のスイッチ(たとえば、S5 135)を閉じることができる。
【0031】
このようにして、ソーラー電力品質の正確な測定値が提供される。ITクラスタを含むデータ・センタの電力供給システムの管理は、ソーラー電力品質の正確な測定値に基づく。電流検出回路は、電力供給システムへの最小オーバーヘッドで、電力品質の正確な測定値を検出し、提供することができる。
【0032】
図3は、一実施形態による、再生可能エネルギー・システム106のための電流検出回路301の例を例証するブロック図300である。再生可能エネルギー・システム(たとえば、PVシステム)106は、再生可能エネルギー・システム106をシステム間バス150に接続するためのスイッチS4 134を有することができる。システムにはさらに2つのスイッチがあってよい。スイッチS6 136は、高電圧によるいかなる潜在的な衝撃または損傷も回避するために、PVシステムとコンバータ1(たとえば、107)とを絶縁するために使用される。スイッチS7 137は、検出回路ループを制御するために使用され、PVシステムがシステム間バスに接続されない限り閉じられている。PVシステムは検出ループおよび主要ループから容易に分離することができるので、スイッチS6 136とS7 137との組合せにより、PVシステムは、個々に役立つモジュールとなることが可能になる。スイッチS6 136およびS7 137により、PVモジュールは、検出回路から独立して切断されることが可能になる。同様に、スイッチS4 134により、PVシステム全体が電力供給モジュールとなって、システム間DCバス150を通して主要な電力システムに容易に結合または分離され得ることが可能になる。
【0033】
絶縁された回路ループが、電流検出回路301においてPVシステム106の出力電流308を測定するために設計される。電流検出回路301は、テスト抵抗304の使用条件下で、絶縁されたループの電流を検出することになる、電流センサ302を含むことができる。電流および抵抗のパラメータが、PVシステムについての実際の出力を計算するために使用される。PVシステム106に結合されたPVコントローラ303があってよく、PVコントローラ303は、PV電力可用性を確認するために中央コントローラ130によって送信された信号があるとき、PVシステムについての出力電流308をリアル・タイムで得ることができる。
【0034】
電流検出回路301は、2つの動作モード、すなわち、閉回路モードおよび開回路モードで動作することができる。開回路モードでは、検出回路からの測定値はなく、したがって、開回路モードは、待機モードと理解することができる。
【0035】
閉回路モードで、電流検出回路301は、不変のまたは継続的な閉ループ回路として保持されてよく、ここで、PVシステム(たとえば、106)の出力電流308は、PVシステム(たとえば、106)がシステム間DCバス150に接続されているときでさえ、電流検出回路301によって継続的に検出/測定されていて、PVコントローラ(たとえば、303)に提供される。このようにして、PV電力の測定値はリアル・タイムであり、それにより、PVシステムの着実かつ正確な電流出力検出を提供する。しかしながら、検出回路のいくらかの効率は失われることがあり、場合によっては、閾値電流を注意深く予め決めておく必要があることがある。
【0036】
開回路モードで、スイッチS7 137を開くことによってPVシステム106がシステム間バス150に接続されると、電流検出回路301は、開回路に変更される。このようにして、電流検出回路301上の効率損失をなくすことができる。しかしながら、PVシステム(たとえば、106)の出力電流308は、リアル・タイムでは検出されない。一実施形態において、コントローラ(たとえば、PVコントローラ303)は、電流検出回路301を(たとえば、スイッチS7 137を閉じることによって)10分ごとなど周期的にアクティブ化して、PVシステム(たとえば、106)の出力電流のリアル・タイム測定値を提供することができる。測定された出力電流は、PVコントローラ303および/または中央コントローラ130に送信されてよい。一実施形態において、電力供給システムが複数のPVシステム(たとえば、106、116、126)および複数の対応する電流検出回路を有するとき、複数の対応する電流検出回路のうちの1つの電流検出回路が、閉回路モードで動作することができ、他の電流検出回路は、開回路モードで動作することができる。閉回路モードでの1つの電流検出回路は、PVシステム(たとえば、106、116、126)がシステム間バス150に接続された後に、リアル・タイムでの出力電流検出のために使用されてよい。
【0037】
図4A図4Bは、一実施形態による、閉回路モードで動作する電流検出回路301の例を例証するブロック図である。図4Aを参照すると、電流検出回路301は、接続サブ・モードにおいて閉回路モードで動作していてよい。このサブ・モードにおいて、中央コントローラ130は、PVコントローラ303に信号を送信することができ、次いでPVコントローラ303は、スイッチS6 136を閉じ、電流センサ302から出力電流308を取得することができる。一実施形態において、利用可能なソーラー電力があるかどうかがPVコントローラ303によって判定されてよく、その情報は中央コントローラ130に再び送信されてよい。一実施形態において、電流センサ302からの出力電流は、中央コントローラ130に送信されてもよく、中央コントローラ130が、利用可能なソーラー電力があるかどうかを判定してもよい。中央コントローラ130は、PVシステム106をシステム間バス150に接続するために、スイッチS4 134をアクティブ化する、または閉じることができる。スイッチS7 137は、出力電流をリアル・タイムで収集するために、このサブ・モードにおいて閉じた状態で保持される。実線は、再生可能リソース106からシステム間バス150への電力フローを示し、点線は、制御信号を指し示している。
【0038】
図4Bを参照すると、電流検出回路301は、切断サブ・モードにおいて閉回路モードで動作していてよい。このサブ・モードにおいて、中央コントローラ130は、PVコントローラ303を開始し、PVコントローラ303は、PVシステム106の出力電流を測定することによって検出を開始するために、スイッチS6 136およびスイッチS7 137を閉じた状態に設定することができる。しかしながら、利用可能なソーラー電力がない、または可用性が要件を満たさない。したがって、中央コントローラ130は、スイッチS4 134を非アクティブ化する、または開くことができ、PVコントローラ303は、スイッチS6 136およびスイッチS7 137を閉じて、出力電流をリアル・タイムで測定することができる。点線は、制御信号を指し示している。検出回路出力の出力電流が電流閾値に適合しないとき、スイッチS4 134は、接続されない。
【0039】
図5A図5Bは、一実施形態による、開回路モードで動作する電流検出回路301の例を例証するブロック図である。図5Aを参照すると、電流検出回路301は、接続サブ・モードにおいて開回路モードで動作していてよい。このサブ・モードにおいて、PVシステム106がシステム間バス150に接続されると、PVコントローラ303は、同時にスイッチS7 137を非アクティブ化する、または開く。スイッチS4 134は、PVシステム106をシステム間バス150に接続するために、アクティブ化される、または閉じられる。実線は、再生可能リソース106からシステム間バス150への電力フローを示し、点線は、制御信号を指し示している。
【0040】
図5Bを参照すると、電流検出回路301は、切断サブ・モードにおいて開回路モードで動作していてよい。このサブ・モードにおいて、PVシステム106は、システム間バス150に接続されない。中央コントローラ130が許可信号を送信するまで、スイッチS4 134は閉じられていてよく、電流検出回路301は、図5Aに示すように、接続モードで動作していてよい。検出回路301が開回路モードにあるとき、検出回路301は、閉回路モードに切り換えるようにトリガされない。しかしながら、検出回路301は、閉じた検出モードにある他の検出回路(たとえば、図7の検出回路)によって直接、または中央コントローラ130を通して間接的にトリガされることがある。これは、図6におけるブロック611に関連してさらに説明することにする。図5Bにおける点線は、制御信号を指し示している。
【0041】
図6は、開回路モードと閉回路モードとの両方の組合せで統合された2つの異なる動作モードについて、データ・センタの電力供給システムを制御する例を例証するフロー図600である。図6は、複数のシステムが混合動作モードで動作しているときのシナリオを示す。図6に例証するように、電流検出回路は、スイッチを制御することを通して、開回路モードと閉回路モードとを切り換えることができる。
【0042】
図3図6を参照すると、初期状態601で、スイッチS4 134、S6 136、およびS7 137は開いている。スイッチS4 134は、対応するPVシステム(たとえば、106)をシステム間バス150に接続することになる。
【0043】
ブロック602で、中央コントローラ(たとえば、130)は、ソーラー電力可用性を確認するための信号を、PVコントローラ(たとえば、303)に送信することができる。PVシステム(たとえば、106)の電流検出回路(たとえば、301)の可用性が取り込まれる。
【0044】
ブロック603で、PVコントローラ(たとえば、303)は、対応するPVシステム(たとえば、106)と対応するコンバータ(たとえば、107)との間のスイッチS6 136を閉じるための信号、および閉回路ループを形成するためにスイッチS7 137を閉じるための信号を送信することができる。PVシステム(たとえば、106)の電流検出回路(たとえば、301)の出力電流が測定される。PVコントローラ(たとえば、303)は、電流検出回路(たとえば、301)の出力電流を受信することができる。
【0045】
ブロック604で、検出電流回路(たとえば、301)における出力電流が閾値電流よりも高いかどうかが判定される。
【0046】
ブロック605で、検出電流回路(たとえば、301)における出力電流が閾値電流よりも高い場合、電流検出回路(たとえば、301)が閉回路モードで動作しているかどうかが判定される。
【0047】
ブロック606で、電流検出回路(たとえば、301)が閉回路モードで動作している場合、PVコントローラ(たとえば、303)は、中央コントローラに、スイッチS6およびS7が閉じている間、対応するPVシステムが利用可能であることを通知することができる。
【0048】
ブロック607で、中央コントローラは、対応するPVシステム(たとえば、106)をシステム間バス150に接続するために、スイッチ(たとえば、S4 134)を閉じることができる。
【0049】
ブロック608で、電流検出回路(たとえば、301)が閉回路モードで動作しておらず、開回路モードで動作している場合、PVコントローラ(たとえば、303)は、中央コントローラに、スイッチS6およびS7が閉じている間、対応するPVシステムが利用可能であることを通知することができる。
【0050】
ブロック609で、中央コントローラは、対応するPVシステム(たとえば、106)をシステム間バス150に接続するために、スイッチ(たとえば、S4 134)をアクティブ化する、または閉じることができる。スイッチS7 137は、開かれてよい。たとえば、対応するPVシステム(たとえば、106)がシステム間バス150に接続されると、PVコントローラは、スイッチS7 137を開くことができる。
【0051】
ブロック610で、一実施形態において、検出電流回路(たとえば、301)における出力電流が閾値電流よりも高くない場合、PVコントローラは、PVシステム106とコンバータ107との間のスイッチ(たとえば、S6 136)を非アクティブ化する、または開くことができる。
【0052】
ブロック611で、一実施形態において、検出電流回路(たとえば、301)における出力電流が閾値電流よりも高くない場合、必要であれば、PVシステムの出力電流をリアル・タイムで検出するために、開回路モードで動作しているPVシステムを、閉回路モードに切り換え始めるためにアクティブ化することができる。
【0053】
このようにして、電力供給システムが複数のPVシステム(たとえば、106、116、126)および複数の対応する電流検出回路を有するとき、複数の対応する電流検出回路のうちの1つの電流検出回路が、閉回路モードで動作することができ、他の電流検出回路は、開回路モードで動作することができる。閉回路モードでの1つの電流検出回路は、PVシステム(たとえば、106、116、126)がシステム間バス150に接続された後に、リアル・タイムでの出力電流検出のために使用されてよい。
【0054】
図7は、一実施形態による、データ・センタの電流検出回路ベースの複数の再生可能エネルギー・システム(PVシステム)の例を例証するブロック図700である。複数の再生可能エネルギー・システム(PVシステム)は、同一のシステムまたは異なるシステムのどちらであってもよい。中央コントローラ130は、それぞれのPVシステム(たとえば、106、116)のPV電力可用性について、PVコントローラ(たとえば、303)に要求を送信するために使用される。中央コントローラ130はまた、PVシステム(たとえば、106、116)とシステム間バス150との間のスイッチ(たとえば、S1_4 134およびS2_4 234)の状態を制御する。PVコントローラ(たとえば、303)は、電流センサ(たとえば、302、322)からデータを受信し、PVパネル(たとえば、106、116)とセンサ(たとえば、302、322)との間のスイッチ(たとえば、S1_6 136およびS2_6 236)、ならびに検出回路ループ(たとえば、301、311)におけるスイッチ(たとえば、S1_7 137およびS2_7 237)の状態を制御する。電流センサ(たとえば、302、322)からのデータは、第1のPVシステム106のための第1の電流検出回路301における電流センサ302からの第1の出力電流308、および/または第2のPVシステム116のための第2の電流検出回路311における電流センサ322からの第2の出力電流328を含むことができる。
【0055】
複数のシステム(たとえば、106、116)のそれぞれは、対応する電流検出回路(たとえば、301または311)を有する。複数のシステムは、複数の検出回路で異なるタイプの制御モードを有することができる。たとえば、第1のPVシステム106および第2のPVシステム116は、2つの検出回路(たとえば、301、311)で2つの異なるタイプの制御モードを有することができる。一実施形態において、第1のPVシステム106は、対応する検出回路301を閉回路モードに保持することができ、第2のPVシステム116は、PVシステム116がシステム間バス150に接続されると、対応する検出回路311を開回路モードに切り換えることができる。2つのPVシステム(106、116)は、第1のPVシステム106の第1の電流検出回路301における出力電流308に基づいて制御される。たとえば、第1のPVシステム106の出力電流308が予め決められた閾値電流よりも高い場合、中央コントローラ130は、第1のPVシステム106および第2のPVシステム116の両方を、システム間バス150に接続するために、スイッチ134および234を閉じることができる。たとえば、PVシステム(106、116)が、もはや接続要件を満たしていない、たとえば、予め決められた閾値電流よりも低い場合、2つのPVシステム(106、116)における第1および第2の電流検出回路(301、311)の両方が、閉回路モードに再び切り換わることができる。このようにして、効率を向上させ、いくつかのケースでは冗長ユニットとして動作させるために、複数のPVシステムにおける電流検出回路の異なる動作モードを混合させることができる。
【0056】
別の実施形態において、第2のPVシステム116の第2の電流検出回路311は、第2のPVシステム116の第2の出力電流328を測定するために、開回路モードから再び閉回路モードへと周期的に切り換えられてよい。
【0057】
一実施形態において、複数のPVコントローラのうちのあるPVコントローラが、複数のPVシステムのうちの1つのPVシステムに結合されてよい。別の実施形態において、複数のPVコントローラのうちのあるPVコントローラは、複数のPVシステムのうちの2つ以上のPVシステムに結合されてもよい。
【0058】
図8は、一実施形態による、データ・センタの再生可能エネルギー・システムのためのマルチ・レベル電力制御の例を例証するブロック図800である。図8は、図1におけるモジュール100の電流検出回路における詳細を例証する。PVシステム106は、出力電流品質に基づいて、異なる制御目的のために使用されてよい。PVシステム106の出力電流は、異なるレベルにおける出力品質に従って相関させる必要があることがある。図8に示すように、出力電流308がバッテリ充電閾値よりも低いとき、スイッチS4 134、S3 133、およびS5 135は、開いたままであってよく、スイッチS7 137およびS6 136は、リアル・タイム検出モードでは閉じた状態を保持してよい。図8に例証するように、スイッチS3 133は、ストレージ・システム104をシステム間バス150に接続することになる。スイッチS4 134は、PVシステム106をシステム間バス150に接続することになる。スイッチS5 135は、サーバ・クラスタ101をシステム間バス150に接続することになる。スイッチS6 136は、PVシステム106をコンバータ107に接続することになる。スイッチS7 137は、電流検出回路301において閉電流検出ループを形成することになる。
【0059】
出力電流308がバッテリ充電閾値よりも大きく、しかしバス接続のための予め決められた電流閾値よりも低いとき、スイッチS3 133およびS4 134は、バッテリを充電するために閉じられてよいが、スイッチS5 135は、開いたままであってよい。
【0060】
出力電流308がバス接続のための予め決められた電流閾値よりも大きいとき、スイッチS5 135は閉じられる。このようにして、PVシステムのためのマルチ・レベル電力制御は、PVシステムをデータ・センタ電力アーキテクチャの中に統合するために可能にされる。有利なことに、マルチ・レベル電力制御は、PVシステムからのPV電力をデータ・センタの1つまたは複数のサーバ・クラスタに供給することにおいて、高い効率および高い柔軟性を提供する。
【0061】
図9は、一実施形態による、データ・センタの電力供給システムを管理する方法の例を例証するブロック図である。電力供給システムは、1つまたは複数の第1のスイッチを有するシステム間バス、1つまたは複数の再生可能エネルギー・システム、1つまたは複数の第2のスイッチ、および1つまたは複数の電流検出回路を含み、ここで、それぞれの第1のスイッチは、システム間バスを1つまたは複数のサーバ・クラスタのうちの1つに接続することになり、それぞれの第2のスイッチは、1つの再生可能エネルギー・システムに結合され、対応する再生可能エネルギー・システムをシステム間バスに接続することになり、それぞれの電流検出回路は、1つの再生可能エネルギー・システムに結合されて、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流を検出する。
【0062】
ブロック901で、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流が検出される。
【0063】
ブロック902で、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流が予め決められた閾値電流よりも高いかどうかが判定される。
【0064】
ブロック903で、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流が予め決められた閾値電流よりも高いことに応答して、再生可能電力を1つまたは複数のサーバ・クラスタのうちの少なくとも1つに提供するために、対応する再生可能エネルギー・システムをシステム間バスに接続するための対応する第2のスイッチがアクティブ化される。
【0065】
一実施形態において、1つまたは複数の再生可能エネルギー・システムは、1つまたは複数の光起電力(PV)システムを含む。
【0066】
一実施形態において、1つまたは複数の第1のスイッチのうちの1つは、対応するサーバ・クラスタをシステム間バスに接続するためにアクティブ化される。
【0067】
一実施形態において、1つまたは複数の電流検出回路のうちの1つの電流検出回路は、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流を検出するために閉回路モードで動作し、他の電流検出回路は、開回路モードで動作し、1つまたは複数の再生可能エネルギー・システムは、対応する再生可能エネルギー・システムの1つの電流検出回路の出力電流に基づいて制御される。
【0068】
一実施形態において、1つまたは複数の電流検出回路のうちの1つの電流検出回路は、対応する再生可能エネルギー・システムの出力電流を検出するために閉回路モードで動作し、他の電流検出回路は、開回路モードから閉回路モードへと周期的に切り換えられる。
【0069】
上述した明細書において、本発明の実施形態を、その特定の典型的な実施形態を参照して説明してきた。以下の特許請求の範囲に記述されるように本発明のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく、実施形態にさまざまな変更が行われてよいことが明らかであろう。それに応じて、本明細書および図面は、制限的な意味ではなく、例証的な意味においてみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9