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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-16
(45)【発行日】2023-05-24
(54)【発明の名称】RFタグ読取装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20230517BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20230517BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
G06K7/10 128
G06K7/10 240
G07G1/00 311D
G07G1/12 331D
G07G1/00 301G
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023043662
(22)【出願日】2023-03-18
【審査請求日】2023-03-18
(31)【優先権主張番号】P 2022066189
(32)【優先日】2022-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022076979
(32)【優先日】2022-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022194592
(32)【優先日】2022-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】706000975
【氏名又は名称】南 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】南 俊宏
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-077408(JP,A)
【文献】特開2018-136862(JP,A)
【文献】特開2021-068156(JP,A)
【文献】特開2021-028788(JP,A)
【文献】特開2015-064673(JP,A)
【文献】特開平09-013530(JP,A)
【文献】国際公開第2022/191153(WO,A1)
【文献】特開平06-252583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K7/10
G07G1/00
G07G1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッシブ型のRFタグが取り付けられた物品を出し入れ可能な開口が上部にあり、当該物品を内部に収容する収容部と制御部とを有し、当該開口が開いた状態で当該収容部の内部に収容されている当該物品に取り付けられたRFタグから情報を読み取るRFタグ読取装置であって、
前記収容部が、
前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する側部アンテナと、
電波を吸収する電波吸収層を含んでおり、前記側部アンテナが内面に設置されている一方の側板と、当該一方の側板と対向する他方の側板を含む他の複数の側板であって電波吸収層を含んでおり、当該一方の側板の上端および前記側部アンテナの上縁よりも上端が高く、前記側部アンテナが設置されていない当該各側板とから成る側部であって、当該収容部の内部に収容された前記物品を取り囲む側部と、
電波吸収層を含む底部と、
を備え、
前記制御部が、
前記側部アンテナに電波を放射させ、前記側部アンテナが前記RFタグから送信される応答電波を受信したときに当該応答電波からRSSIまたは当該応答電波の強度を取得する送受信部と、
前記送受信部によって取得されたRSSIまたは応答電波の強度に基づいて、当該RSSIまたは応答電波の強度が取得されたRFタグが前記収容部の内部にあるかまたは外部にあるかを判別する判別部と、
を備え、
前記他の複数の側板の上端が前記側部アンテナの上縁より高いことによって、前記側部アンテナから送信された電波であって前記開口から前記他の複数の側板の上端を超えて前記収容部の外部に漏れる当該電波の強度が、当該電波によって動作したRFタグから送信される応答電波を前記側部アンテナが受信したときに当該RFタグが外部にあると前記判別部が判別可能であるレベルに低下する、
RFタグ読取装置。
【請求項2】
前記一方の側板の上端と前記側部アンテナの上縁とが同程度の高さである請求項1に記載のRFタグ読取装置。
【請求項3】
前記収容部が、前記一方の側板と前記他方の側板との間に位置する収容制限部であって、前記側部アンテナから放射された電波が上下に広がりながら伝搬する空間である前記一方の側板と当該収容制限部の間の空間と、前記物品を収容可能な収容空間である当該収容制限部と前記他方の側板の間の空間とに当該収容部の内部を分ける当該収容制限部を備える請求項1または2に記載のRFタグ読取装置。
【請求項4】
前記開口が、前記物品が入った買物カゴを出し入れ可能であり、
前記収容空間が、前記買物カゴの一部または全部を収容可能であり、
前記側部が、前記収容空間に収容された前記買物カゴの中の物品を取り囲む、
請求項に記載のRFタグ読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッシブ型のRF(Radio Frequency)タグから情報を読み取るRFタグ読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物品に付されたRFタグから情報を読み取る据置式の読取装置であって、RFタグと交信するための電波を放射するアンテナと、そのアンテナを収容し、物品を囲み、該物品よりも広い開口が上向きに形成されたシールド部と、を備え、そのシールド部が上向きに開口した状態で、RFタグから情報を読み取る読取装置が記載されている。
特許文献1に記載の読取装置において、アンテナから放射される電波は読取装置の外部では上方にのみ放射される。シールド部によって電波は読取装置の周囲に広がることが抑制され、他の機器に対する電波の影響を低減させることができる。また、シールド部によって読取装置の周囲にある他の機器からの電波が読取装置の内部に進入することも抑制され、電波の干渉に起因する読取精度の低下を低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-190255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のRFタグは、パッシブ型である。パッシブ型のRFタグには、周波数860~960MHzのUHF(Ultra High Frequency)帯の電波を用いるものがある。このRFタグは、アパレルの棚卸しや物流の入出荷検品、製造業の固定資産管理等に使用される。読取装置は通信範囲内にある複数のRFタグを一括で読み取ることができる。
【0005】
特許文献1には、読取装置は衣料品などの商品を販売する店舗において用いられると記載されている。しかし、店舗には通常天井がある。一方、市販されているRFID(Radio Frequency IDentifier)リーダーは約10m以下の距離でこのRFタグから情報を読み取ることができる。このRFタグと特許文献1に記載の読取装置とを天井がある店舗で用いれば、天井における電波の反射に起因して、読取装置がその外部にあるRFタグから情報を誤って読み取るおそれがある。
【0006】
この他にもRFタグの読取漏れや誤読取を生じる原因が複数あるが、特許文献1にはこれらの原因について何ら記載されていない。従って、特許文献1にはこれらの原因に起因するRFタグの読取漏れや誤読取を抑える手段も記載されていない。
【0007】
本発明の目的は、上部に開口を有するRFタグ読取装置であって、パッシブ型のRFタグの読取漏れや誤読取をできる限り抑えることができるRFタグ読取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のRFタグ読取装置は、
パッシブ型のRFタグが取り付けられた物品を出し入れ可能な開口が上部にあり、当該物品を内部に収容する収容部と制御部とを有し、当該開口が開いた状態で当該収容部の内部に収容されている当該物品に取り付けられたRFタグから情報を読み取るRFタグ読取装置であって、
前記収容部が、
前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する側部アンテナと、
電波を吸収する電波吸収層を含んでおり、前記側部アンテナが内面に設置されている一方の側板と、当該一方の側板と対向する他方の側板を含む他の複数の側板であって電波吸収層を含んでおり、前記側部アンテナが設置されていない当該各側板とから成る側部であって、当該収容部の内部に収容された前記物品を取り囲む側部と、
電波吸収層を含む底部と、
を備え、
前記制御部が、
前記側部アンテナに電波を放射させ、前記側部アンテナが前記RFタグから送信される応答電波を受信したときに当該応答電波からRSSIまたは当該応答電波の強度を取得する送受信部と、
前記送受信部によって取得されたRSSIまたは応答電波の強度に基づいて、当該RSSIまたは応答電波の強度が取得されたRFタグが前記収容部の内部にあるかまたは外部にあるかを判別する判別部と、
を備え、
前記他の複数の側板の上端が前記側部アンテナの上縁より高いことによって、前記側部アンテナから送信された電波であって前記開口から前記他の複数の側板の上端を超えて前記収容部の外部に漏れる当該電波の強度が、当該電波によって動作したRFタグから送信される応答電波を前記側部アンテナが受信したときに当該RFタグが外部にあると前記判別部が判別可能であるレベルに低下する。
【0009】
好ましくは、本発明のRFタグ読取装置は、
前記収容部が、前記一方の側板と前記他方の側板との間に位置する収容制限部であって、前記側部アンテナから放射された電波が上下に広がりながら伝搬する空間である前記一方の側板と当該収容制限部の間の空間と、前記物品を収容可能な収容空間である当該収容制限部と前記他方の側板の間の空間とに当該収容部の内部を分ける当該収容制限部を備える。
【0010】
好ましくは、本発明のRFタグ読取装置は、
前記開口が、前記物品が入った買物カゴを出し入れ可能であり、
前記収容空間が、前記買物カゴの一部または全部を収容可能であり、
前記側部が、前記収容空間に収容された前記買物カゴの中の物品を取り囲む。
【0011】
また、本発明の部屋は、
パッシブ型のRFタグが取り付けられた物品を出し入れ可能な開口が上部にあり、当該物品を内部に収容する収容部を有し、当該開口が開いた状態で当該収容部の内部に収容されている当該物品に取り付けられたRFタグから情報を読み取るRFタグ読取装置が設置されている部屋であって、
前記収容部が、
前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する側部アンテナと、
電波を吸収する電波吸収層を含んでおり、前記側部アンテナが内面に設置されている一方の側板と、当該一方の側板と対向する他方の側板を含む他の複数の側板であって電波吸収層を含んでおり、前記側部アンテナが設置されていない当該各側板とから成る側部であって、当該収容部の内部に収容された前記物品を取り囲む側部と、
電波吸収層を含む底部と、
を備え、
当該部屋の壁が電波吸収層を有しており、前記他方の側板が当該壁に面するように前記RFタグ読取装置が設置されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上部に開口を有するRFタグ読取装置においてパッシブ型のRFタグの読取漏れや誤読取をできる限り抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係るRFタグ読取装置の一例の縦断面図を示す。
図2図1のRFタグ読取装置における収容部の一例の上面図である。
図3】底部アンテナがRFタグと交信可能な交信領域の一例を示す図である。
図4】天井がある室内で図1のRFタグ読取装置が使用される例を示す図である。
図5】4つの側板に含まれる平板の内面に、電波吸収層ではなく、電波反射層が形成されている、図1のRFタグ読取装置の比較例を示す図である。
図6】買物カゴが内部に収容された第1の実施形態に係るRFタグ読取装置の変形例を示す図である。
図7図6のRFタグ読取装置の収容部に買物カゴを入れる動作の一例を示す図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係るRFタグ読取装置の一例の縦断面図を示す。
図9図8のRFタグ読取装置における収容部の一例の上面図である。
図10】物品を収容可能な収容空間の一例を示す図である。
図11】側部アンテナがRFタグと交信可能な交信領域の一例を示す図である。
図12】買物カゴが内部に収容された第2の実施形態に係るRFタグ読取装置の変形例を示す図である。
図13図12のRFタグ読取装置の収容部に買物カゴを入れる動作の一例を示す図である。
図14】底板の上面と4つの側板に含まれる平板の内面とに、電波吸収層ではなく、電波反射層が形成されている、図8のRFタグ読取装置の比較例を示す図である。
図15】一方の側板と収容制限板との間の所定の間隔が、側部アンテナから放射されて上下に広がりながら伝搬する電波が収容空間の一部を含むように広がる間隔である一例を示す図である。
図16】他方の側板の上端が側部アンテナの上縁よりずっと高いRFタグ読取装置の一例を示す図である。
図17図16のRFタグ読取装置の斜視図である。
図18】他方の側板(平板)が部屋の壁に面するようにRFタグ読取装置が部屋の中に設置されており、他方の側板と壁との間の空間にRFタグが存在しない一例を示す図である。
図19】壁の表面が電波吸収層で覆われている部屋の中にRFタグ読取装置が設置されている一例を示す図である。
図20】一方の側板に2つの側部アンテナが設置されている図8のRFタグ読取装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係るRFタグ読取装置について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るRFタグ読取装置1の一例の縦断面図を示す。図2は、図1のRFタグ読取装置1における収容部100の上面図である。
RFタグ読取装置1は、収容部100と、制御部200とを有する。収容部100の上部には開口110がある。
【0016】
RFタグ読取装置1の収容部100の開口110は、RFタグ301が取り付けられた物品300を出し入れ可能である。物品300が収容部100の内部に収容されているとき、収容部100の側部は物品300を取り囲む。
RFタグ読取装置1は、生産、中間物流、販売を含むサプライチェーン全体において複数の物品300を一括管理するために使用される。RFタグ読取装置1は、例えば工場における商品の在庫管理(検品や棚卸)、中間物流における商品の検品や棚卸、店舗におけるセルフレジ等で使用される。
物品300は、例えば、書籍、衣料品、食料品等の商品である。商品は箱詰めされていてもよい。物品300は、電波を透過させやすい物が望ましい。例えば、物品300は、金属や水分を含まない物が望ましい。
【0017】
RFタグ301は、物品300を一意に識別できるように定められた固有のタグID(IDentifier)を記憶している。RFタグ読取装置1は、RFタグ301が取り付けられた物品300が収容部100の内部に収容されているときに、RFタグ301からタグIDを含む情報を読み取る。RFタグ301は、パッシブ型の周知のRFタグである。RFタグ読取装置1は、例えば、周波数860~960MHzのUHF帯の電波でRFタグ301と交信する。
【0018】
図1図2に示すように、収容部100は、底板120と、側板121と、側板122と、側板123と、側板124と、載置板150と、底部アンテナ160とを有する。
底板120は、収容部100の底部に配置されている。底板120は方形の平板である。
収容部100の側部は、側板121と側板122と側板123と側板124とで形成されている。4つの側板121、122、123、124はそれぞれ方形である。側板121は、平板131と電波吸収層141とを含む。電波吸収層141は、例えば、平板131の内面を覆っている。同様に、側板122は、平板132と電波吸収層142とを含む。電波吸収層142は、例えば、平板132の内面を覆っている。側板123は、平板133と電波吸収層143とを含む。電波吸収層143は、例えば、平板133の内面を覆っている。側板124は、平板134と電波吸収層144とを含む。電波吸収層144は、例えば、平板134の内面を覆っている。電波吸収層141,142,143,144は、電波を吸収する。
4つの側板121、122、123、124は、底板120の各縁から底板120に対して垂直に立設する。4つの側板121、122、123、124は、方形の囲いを形成する。底板120は、4つの側板121、122、123、124の下端に接着されている。4つの側板121、122、123、124と底板120によって、上向きに開口した筐体が形成される。
【0019】
側部に含まれる4つの電波吸収層141,142,143,144は、例えば、収容部100の側部全体に配置されており、側部全体を覆っている。4つの電波吸収層141,142,143,144は収容部100の内部に収容された物品300を取り囲む。4つの電波吸収層141,142,143,144の上縁は、上向きの開口を形成する。この開口が上述した開口110である。
4つの電波吸収層141,142,143,144は、例えば、電波吸収シートで構成される。電波吸収シートは電波を吸収する。電波吸収シートは、例えばゴム材に磁性金属粉が混合された素材から成るシートである。
なお、側板121に含まれる電波吸収層141は、平板131の内面を覆うのではなく、平板131の外面を覆っていてもよいし、2つの平板に挟まれていてもよい。ただし、この場合、電波吸収層141の内面側にある平板は電波を透過させる材質でなければならない。他の3つの側板122、123、124についても同様である。
また、底板120と平板131と平板132と平板133と平板134とは、一体的に形成されたものであってもよい。4つの電波吸収層141,142,143,144も一体的に形成されたものであってもよい。
【0020】
載置板150は方形の平板である。載置板150は、4つの側板121、122、123、124の内面に底板120と並行に取り付けられている。載置板150と4つの側板121、122、123、124とは、収容空間を形成する。収容空間に物品300が収容され、物品300は載置板150の上に載置される。
底部アンテナ160は、底板120の上面に設置された平面アンテナである。すなわち、底部アンテナ160は、底部の上面に設置された平面アンテナである。底部アンテナ160は、電波を放射する部分が載置板150の主面より小さい。底部アンテナ160は、円偏波された電波を放射するか、または水平偏波と垂直偏波を切り替えながら電波を放射する。なお、底部アンテナ160は、平面アンテナではなく、シートアンテナ等の他のアンテナであってもよい。
【0021】
図3は、底部アンテナ160がRFタグ301と交信可能な交信領域250の一例を示す。
載置板150は、底板120の上方に底板120と所定の間隔を空けて設けられている。底部アンテナ160から上方に向けて放射される電波は、徐々に広がって載置板150に達する。この所定の間隔は、底部アンテナ160から放射された電波が載置板150の主面全体を含むように広がる間隔である。
【0022】
底部アンテナ160は、交信領域250が載置板150の主面全体を含むように、RFタグ301と交信するための電波を上方に向けて放射するとともに、RFタグ301から送信される電波を受信する。底部アンテナ160から放射される電波は、収容部100の外部では開口110から上方のみに向けて放射される。従って、交信領域250は、収容部100の外部では、開口110の上方にのみ存在する。
また、図3において×印を付した領域は交信領域から外れる。従って、×印を付した領域(底部アンテナ160の斜め上の領域)にRFタグ301が存在する場合、底部アンテナ160はそのRFタグ301と交信することができない。しかし、RFタグ読取装置1ではこの領域にRFタグ301が存在することはない。
以下では、RFタグ301から送信される電波を応答電波という。すなわち、RFタグ301が底部アンテナ160の電波を受けたときに、RFタグ301が情報を載せて反射する電波を応答電波という。後述する側部アンテナ161についても同様である。
【0023】
なお、側部に含まれる4つの電波吸収層141,142,143,144は底部アンテナ160から放射される電波が収容部100の外部では開口110から上方のみに向けて放射されるように形成されていればよく、電波吸収層141,142,143,144は収容部100の側部の一部のみを覆っていてもよい。
また、仮に、4つの平板131、132、133、134の各内面にそれぞれ形成されている電波吸収層141,142,143,144が薄くて、電波吸収層が底部アンテナ160から放射される電波を完全に吸収できない場合、4つの側板121、122、123、124から収容部100の外部に底部アンテナ160の電波が漏れる可能性がある。しかし、この電波は弱い。このため、この電波を受信したことによって収容部100の外部のRFタグ301が応答電波を返したとしても、後述する判別部202は、そのRFタグ301が収容部100の外部にあると判別することができる。本発明では、電波吸収層141,142,143,144が薄くて4つの側板121、122、123、124から収容部100の外部に底部アンテナ160の電波が漏れる場合であっても、底部アンテナ160から放射される電波は収容部100の外部では開口110から上方のみに向けて放射されるものとみなす。
【0024】
制御部200は、送受信部201と、判別部202と、記録部203とを有する。
送受信部201は、底部アンテナ160に円偏波された電波を放射させるか、または直線偏波を用いる場合には水平偏波と垂直偏波を高速に切り替えながら電波を放射させる。これにより、RFタグ301のアンテナの長手方向が底部アンテナ160の面と垂直に近い場合を除き、RFタグ301がどのように配置されていても底部アンテナ160はRFタグ301から情報を読み取ることができる。ただし、RFタグ301のアンテナの長手方向が底部アンテナ160の面と垂直である場合、RFタグ読取装置1はRFタグ301から情報を読み取ることができない点に注意が必要である。
【0025】
RFタグ301がRSSI(Received Signal Strength Indicator,受信電波強度インジケーター)を送信する機能を持つ場合、送受信部201は、底部アンテナ160が応答電波を受信したときにそれらの各応答電波から各RSSIとタグIDを含む情報とを取得する。なお、RSSIは、底部アンテナ160から放射されてRFタグ301が受信した電波の強度を示す。
または、送受信部201は、底部アンテナ160が応答電波を受信したときにその応答電波から応答電波の強度とタグIDを含む情報とを取得する。
【0026】
判別部202は、送受信部201によって取得された情報に含まれるタグIDに基づいて、個々のRFタグ301を識別する。
そして、RFタグ301がRSSIを送信する機能を持つ場合、判別部202は、送受信部201によって取得された各RSSIに基づいて、個々のRFタグ301が収容部100の内部にあるかまたは外部にあるかを判別する。例えば、判別部202は、RFタグ301から送信されるRSSIが所定の閾値以上である場合にそのRFタグ301が収容部100の内部にあると判別する。
また、判別部202は、送受信部201によって取得された応答電波の強度に基づいて、個々のRFタグ301が収容部100の内部にあるかまたは外部にあるかを判別してもよい。例えば、判別部202は、応答電波の強度が所定の閾値以上である場合にそのRFタグ301が収容部100の内部にあると判別してもよい。
【0027】
記録部203は、判別部202によって収容部100の内部にあると判別されたRFタグ301に関する送受信部201によって取得された情報を記録する。
また、制御部200は、収容部100の内部にあると判別されたRFタグ301に関する情報を外部の装置(会計装置等)に送信したり、外部の装置から操作の指示を受信したりするためのインタフェース(図示無し)を有する。
なお、制御部200として市販のRFIDリーダライタ(RFIDリーダーともいう。)を用いることもできる。市販のRFIDリーダライタは、通常、RSSIに基づいてRFタグとRFIDリーダライタの交信範囲を制限する機能を有する。
【0028】
図4は、天井500がある室内でRFタグ読取装置1が使用される例を示す。
RFタグ読取装置1が例えばセルフレジに組み込まれて室内で使用される場合、収容部100の上部と天井500の間にRFタグ301が存在することはない。しかし、例えば、セルフレジを使用する順番を待って並んでいる人がいるとき、収容部100の近くの外部にRFタグ301が存在する場合がある。
底部アンテナ160から上方に向けて放射された電波が天井500で反射されると、反射された電波は収容部100の外部のRFタグ301に到達する。これによりそのRFタグ301は、応答電波を送信する場合がある。収容部100の外部のRFタグ301の応答電波は天井500で反射されて底部アンテナ160に届く。
しかし、底部アンテナ160から放射された電波はRFタグ301によって受信されたときには減衰している。更に、収容部100の外部にあるRFタグ301の応答電波は底部アンテナ160に到達したときには減衰している。判別部202は、RSSIに基づいて、または応答電波の強度に基づいて、RFタグ301が収容部100の内部にあるかまたは外部にあるかを判別することができる。
なお、送受信部201は、底部アンテナ160と天井500の間隔に応じて底部アンテナ160から放射される電波の強度を調整することとしてもよい。例えば、底部アンテナ160と天井500の間隔が小さい場合には、送受信部201は底部アンテナ160から放射される電波の強度を弱めることとしてもよい。
【0029】
図5は、4つの側板121,122,123,124に含まれる平板131、132、133、134の内面に、電波吸収層ではなく、電波反射層171,172,173,174が形成されている図1のRFタグ読取装置1の比較例2を示す。
図5のRFタグ読取装置2では、収容部101の4つの側板121、122、123、124に含まれる平板131、132、133、134の内面にそれぞれ電波反射層171,172,173,174が形成されている。電波反射層171,172,173,174は、電波を反射させる。
図5の例では、収容部101の近くの外部でRFタグ301が人等によって保持されており、RFタグ301が収容部101の開口110よりも高い位置に存在している。
【0030】
底部アンテナ160から放射された電波は、電波反射層171,172,173,174で反射する。収容部101の近くの外部にあるRFタグ301は電波反射層171,172,173,174で反射された電波により動作する。この外部のRFタグ301から送信される応答電波も電波反射層171,172,173,174で反射されて底部アンテナ160に届く場合がある。このため、判別部202は、RFタグ301が収容部100の外部にあるにも関わらず、収容部100の内部にあると誤って判別する場合があり得る。
【0031】
図6は、買物カゴ400が内部に収容された第1の実施形態に係るRFタグ読取装置の変形例3を示す。図7は、図6のRFタグ読取装置3の収容部102に買物カゴ400を入れる動作の一例を示す。
RFタグ読取装置3は、収容部102と制御部200とを有する。収容部102の上部には開口110がある。
【0032】
収容部102は、底板120と、側板121と、側板122と、側板123と、側板124と、当接部151と、底部アンテナ160とを有する。収容部102は、載置板150の代わりに当接部151を有する点がRFタグ読取装置1の収容部100と異なる。
制御部200は、RFタグ読取装置1の制御部200と同一である。
【0033】
例えば、RFタグ読取装置3がセルフレジに組み込まれて店舗において使用される場合、RFタグ301が取り付けられた物品302は、店舗内の棚やテーブルに陳列されている。図7に示すように、顧客は気に入った物品302を選択して買物カゴ400に入れる。
RFタグ読取装置3の収容部102の開口110は、買物カゴ400を出し入れ可能である。RFタグ読取装置3は、収容部102の内部(収容空間)に買物カゴ400の一部または全部を収容可能である。買物カゴ400の一部または全部が収容部102の内部(収容空間)に収容されているとき、収容部102の側部(電波吸収層141,142,143,144)は買物カゴ400に入れられた物品300を取り囲む。
【0034】
当接部151は、底板120の上方に底板120と所定の間隔を空けて設けられている。底部アンテナ160から上方に向けて放射される電波は、徐々に広がって当接部151に達する。この所定の間隔は、底部アンテナ160から放射された電波が当接部151の横断面全体を含むように広がる間隔である。
当接部151は、収容部102の内部に収容された買物カゴ400の底面が当接し、買物カゴ400を保持する。当接部151は、例えば、4つの側板121、122、123、124から収容部102の内面に突き出た突起である。当接部151の中心部分は空いている。
なお、当接部151は、買物カゴ400の一部に当接し、買物カゴ400を保持することができれば、他の構造であってもよい。例えば、当接部151は、載置板150であってもよい。
【0035】
底部アンテナ160は、電波を放射する部分が当接部151の横断面より小さい。底部アンテナ160は、RFタグ301と交信可能な交信領域が当接部151の横断面全体を含むように、RFタグ301と交信するための電波を上方に向けて放射するとともに、RFタグ301から送信される応答電波を受信する。
当接部151の横断面と4つの側板121、122、123、124の内面とは収容空間を形成する。買物カゴ400の一部または全部が収容空間に収容される。
【0036】
図8は、本発明の第2の実施形態に係るRFタグ読取装置4の一例の縦断面図を示す。図9は、図8のRFタグ読取装置4における収容部103の一例の上面図である。
RFタグ読取装置4は、収容部103と、制御部210とを有する。収容部103の上部には開口110がある。
【0037】
収容部103は、底板120と、側板125と、側板126と、側板127と、側板128と、電波吸収層140と、載置板150と、収容制限板152と、底部アンテナ160と、側部アンテナ161とを有する。
収容部103は、側板125の高さが側板126と側板127と側板128の高さより低い点、収容制限板152と側部アンテナ161とを有する点、および電波吸収層140が底板120の上面を覆っており、底部アンテナ160が電波吸収層140の上に配置されている点が第1の実施形態に係る収容部100と異なる。ただし、側部アンテナ161から放射された電波が上下に広がる幅が狭くて、その電波が底板120に到達しない場合には、底板120の上面に電波吸収層140が形成されていなくてもよい。
なお、底板120と電波吸収層140は底部を構成する。すなわち、底部は底板120と電波吸収層140を含む。
【0038】
第1の実施形態と同様に、側板125は、平板135と電波吸収層145とを含む。電波吸収層145は、例えば、平板135の内面を覆っている。同様に、側板126は、平板136と電波吸収層146とを含む。電波吸収層146は、例えば、平板136の内面を覆っている。側板127は、平板137と電波吸収層147とを含む。電波吸収層147は、例えば、平板137の内面を覆っている。側板128は、平板138と電波吸収層148とを含む。電波吸収層148は、例えば、平板138の内面を覆っている。電波吸収層145,146,147,148は、電波を吸収する。
4つの側板125、126、127、128は、底部(底板120と電波吸収層140)の各縁から底部に対して垂直に立設する。4つの側板125、126、127、128は、方形の囲いを形成する。底部は、4つの側板125、126、127、128の下端に接着されている。4つの側板125、126、127、128と底部によって、上向きに開口した筐体が形成される。
【0039】
側部に含まれる4つの電波吸収層145,146,147,148は、例えば、収容部103の側部全体に配置されており、側部全体を覆っている。側部は、収容部103の内部に収容された物品300を取り囲む。4つの電波吸収層145,146,147,148の上縁は、上向きの開口を形成する。この開口が上述した開口110である。
なお、側板125に含まれる電波吸収層145は、平板135の内面を覆うのではなく、平板135の外面を覆っていてもよいし、2つの平板に挟まれていてもよい。ただし、この場合、電波吸収層145の内面側にある平板は電波を透過させる材質でなければならない。他の3つの側板126、127、128についても同様である。同様に、底部に含まれる電波吸収層140は、底板120の上面を覆うのではなく、底板120の下面を覆っていてもよいし、2つの平板に挟まれていてもよい。ただし、この場合、底板120または上面側の平板は電波を透過させる材質でなければならない。
また、底板120と平板135と平板136と平板137と平板138とは、一体的に形成されたものであってもよい。5つの電波吸収層140,145,146,147,148も一体的に形成されたものであってもよい。
【0040】
側部アンテナ161は、側板125の内面に設置された平面アンテナである。側部アンテナ161は、RFタグ301と交信するための電波を側板127の方向に向けて放射するとともに、RFタグ301から送信される応答電波を受信する。側部アンテナ161は、円偏波された電波を放射するか、または水平偏波と垂直偏波を切り替えながら電波を放射する。なお、側部アンテナ161は、平面アンテナではなく、シートアンテナ等の他のアンテナであってもよい。
側板125と側板127とは、対向している。側板126と側板127と側板128には、側部アンテナは設置されていない。側板126と側板127と側板128の上端は側部アンテナ161の上縁より高い。このため、側部アンテナ161が電波を放射するときに開口110から3つの側板126,127,128の上端を超えて収容部103の外部に漏れる電波の強度は低下する。
なお、側板125と側板127はそれぞれ本発明における一方の側板と他方の側板の例である。また、側板126と側板127と側板128とは本発明における他の複数の側板の例である。
【0041】
収容制限板152は、側板125と側板127との間に位置する。収容制限板152は、側板125と所定の間隔だけ離れて、側部アンテナ161と底部アンテナ160との間に底部(底板120と電波吸収層140)から垂直に立設している。収容制限板152の幅は、例えば、側板126と側板128との間隔と同一である。RFタグ読取装置4では、載置板150は収容制限板152と側板126と側板127と側板128の内面に底板120と並行に取り付けられている。載置板150と収容制限板152と3つの側板126、127、128とは、収容空間を形成する。従って、収容制限板152は、物品300を収容可能な収容空間として収容制限板152と側板127との間を区画する。収容空間に物品300が収容され、物品300は載置板150の上に載置される。収容空間の上に開口110がある。収容制限板152は、収容制限板152と側板127との間に配置された載置板150の上にのみ物品300を収容可能に制限する。
なお、収容制限板152は本発明の収容制限部の例である。
【0042】
図10は、物品300を収容可能な収容空間252の一例を示す。図11は、側部アンテナ161がRFタグ301と交信可能な交信領域251の一例を示す。
側部アンテナ161は、交信領域251が収容空間252全体を含むように電波を放射するとともに、RFタグ301から送信される電波を受信する。すなわち、図10図11の例では、収容制限板152は、側部アンテナ161から放射されて上下に広がりながら伝搬する電波が収容空間252全体を含むように広がる所定の間隔を側板125との間に有する。従って、収容制限板152は、側板125と収容制限板152の間の空間と、収容制限板152と側板127の間の空間とに収容部103の内部を分ける。そして、側板125と収容制限板152の間の空間は、側部アンテナ161から放射された電波が上下に広がりながら伝搬する空間である。また、収容制限板152と側板127の間の空間は、物品300を収容可能な収容空間である。
また、側板125と収容制限板152との間の所定の間隔が、図11の例より狭く、側部アンテナ161から放射されて上下に広がりながら伝搬する電波が収容空間252の一部を含むように広がる間隔である例について、図15を参照して後で説明する。
なお、側部アンテナ161は交信領域251が収容空間252の全体または一部を含むように電波を放射できればよく、側部アンテナ161における電波を放射する部分は収容部103の内部においてRFタグ301を収容可能な収容空間252の縦断面より小さくてもよい。
RFタグ読取装置4でも、底部アンテナ160から放射される電波は、収容部100の外部では開口110から上方のみに向けて放射される。
また、図11において×印を付した領域は交信領域から外れる。従って、×印を付した領域(例えば、側部アンテナ161の右斜め下の領域)にRFタグ301が存在する場合、側部アンテナ161はそのRFタグ301から情報を読み取ることができない。しかし、RFタグ読取装置4ではこの領域にRFタグ301が存在することはない。
【0043】
制御部210は、送受信部211と、判別部212と、記録部203とを有する。
送受信部211は、第1の実施形態に係る送受信部201と同様に底部アンテナ160を制御する。送受信部211は、更に側部アンテナ161に円偏波された電波を放射させるか、または直線偏波を用いる場合には水平偏波と垂直偏波を高速に切り替えながら電波を放射させる。これにより、RFタグ301のアンテナの長手方向が側部アンテナ161の面と垂直に近い場合を除き、RFタグ301がどのように配置されていても側部アンテナ161はRFタグ301から情報を読み取ることができる。
送受信部211は、底部アンテナ160と側部アンテナ161を用いることにより、収容空間内でRFタグ301がどのように配置されていてもRFタグ301から情報を読み取ることができる。
送受信部211は、底部アンテナ160と側部アンテナ161にそれぞれ別々のタイミングで電波を放射させる。または、底部アンテナ160と側部アンテナ161から放射される電波の相互干渉を無視できる場合には、送受信部211は、底部アンテナ160と側部アンテナ161から同時に電波を放射させてもよい。
【0044】
RFタグ301がRSSIを送信する機能を持つ場合、送受信部211は、底部アンテナ160と側部アンテナ161が応答電波を受信したときにそれらの各応答電波から各RSSIとタグIDを含む情報とを取得する。
または、送受信部211は、底部アンテナ160と側部アンテナ161が応答電波を受信したときにその応答電波から応答電波の強度とタグIDを含む情報とを取得する。
【0045】
判別部212は、送受信部211によって取得された情報に含まれるタグIDに基づいて、個々のRFタグ301を識別する。
そして、RFタグ301がRSSIを送信する機能を持つ場合、判別部212は、送受信部211によって取得された各RSSIに基づいて、個々のRFタグ301が収容部103の内部にあるかまたは外部にあるかを判別する。例えば、判別部212は、RFタグ301から送信されるRSSIが所定の閾値以上である場合にそのRFタグ301が収容部103の内部にあると判別する。
また、判別部212は、送受信部211によって取得された応答電波の強度に基づいて、個々のRFタグ301が収容部103の内部にあるかまたは外部にあるかを判別してもよい。例えば、判別部212は、応答電波の強度が所定の閾値以上である場合にそのRFタグ301が収容部103の内部にあると判別してもよい。
また、制御部210は、制御部200と同様に、収容部103の内部にあると判別されたRFタグ301に関する情報を外部の装置(会計装置等)に送信したり、外部の装置から操作の指示を受信したりするためのインタフェース(図示無し)を有する。
【0046】
図12は、買物カゴ400が内部に収容された第2の実施形態に係るRFタグ読取装置の変形例5を示す。図13は、図12のRFタグ読取装置5の収容部104に買物カゴ400を入れる動作の一例を示す。
RFタグ読取装置5は、収容部104と制御部210とを有する。収容部104の上部には開口110がある。
【0047】
収容部104は、底板120と、側板125と、側板126と、側板127と、側板128と、電波吸収層140と、当接部151と、収容制限板152と、底部アンテナ160と、側部アンテナ161とを有する。
収容部104は、載置板150の代わりに当接部151を有する点がRFタグ読取装置4の収容部103と異なる。
制御部210は、RFタグ読取装置4の制御部210と同一である。
【0048】
図13に示すように、RFタグ読取装置5の収容部104の開口110は、買物カゴ400を出し入れ可能である。側板125の高さは、両脇の側板126、128の高さより低い。このため、買物カゴ400を側板125の側から出し入れすると、容易に出し入れすることができる。
RFタグ読取装置5は、収容部104の内部(収容空間)に買物カゴ400の一部または全部を収容可能である。買物カゴ400が収容部104の内部に収容されているとき、収容部104の側部は買物カゴ400に入れられた物品300を取り囲む。
【0049】
当接部151は、底板120の上方に底板120と所定の間隔を空けて設けられている。底部アンテナ160から上方に向けて放射される電波は、徐々に広がって当接部151に達する。この所定の間隔は、底部アンテナ160から放射された電波が当接部151の横断面全体を含むように広がる間隔である。
当接部151は、収容部102の内部に収容された買物カゴ400の底面が当接し、買物カゴ400を保持する。RFタグ読取装置5では、当接部151は、例えば、収容制限板152と3つの側板126、127、128から収容部104の内面に突き出た突起である。当接部151の中心部分は空いている。
なお、当接部151は、買物カゴ400の一部に当接し、買物カゴ400を保持することができれば、他の構造であってもよい。例えば、当接部151は、載置板150であってもよい。
【0050】
底部アンテナ160は、電波を放射する部分が当接部151の横断面より小さい。底部アンテナ160は、RFタグ301と交信可能な交信領域が当接部151の横断面全体を含むように、RFタグ301と交信するための電波を上方に向けて放射するとともに、RFタグ301から送信される応答電波を受信する。
当接部151の横断面と収容制限板152の内面と3つの側板126、127、128の内面とは収容空間を形成する。買物カゴ400の一部または全部が収容空間に収容される。
【0051】
RFタグ301が物品300に図13に示すように取り付けられている場合、すなわち、RFタグ301のアンテナの長手方向が底部アンテナ160の面と垂直に近い場合に、第1の実施形態に係るRFタグ読取装置1、3ではRFタグ301から情報を読み取ることができなかった。しかし、この場合でも、第2の実施形態に係るRFタグ読取装置4、5ではRFタグ301から情報を読み取ることができる。
【0052】
図14は、底板120の上面と4つの側板125,126,127,128に含まれる平板135、136、137、138の内面とに、電波吸収層ではなく、電波反射層170,175,176,177,178が形成されている、図8のRFタグ読取装置の比較例6を示す。
図14のRFタグ読取装置6では、底板120の上面に電波反射層170が形成されており、4つの側板125、126、127、128に含まれる平板135、136、137、138の内面にそれぞれ電波反射層175,176,177,178が形成されている。電波反射層170,175,176,177,178は、電波を反射させる。
図14の例では、側板125側で収容部105の近くの外部にあるRFタグ301が人等によって保持されており、RFタグ301が収容部105の開口110よりも高い位置に存在している。
【0053】
側部アンテナ161から放射された電波は、電波反射層177で反射する。この反射波の強度は大きい場合が有り得る。このため、この反射波が側板125の上端を超えて開口から外部に漏れたとき、側板125側で収容部105の近くの外部にあるRFタグ301がこの反射波により動作する場合がある。この場合、この外部のRFタグ301から送信される応答電波も電波反射層177で反射されて側部アンテナ161に届く。このため、判別部212は、RFタグ301が収容部100の外部にあるにも関わらず、収容部100の内部にあると誤って判別する場合があり得る。
【0054】
一方、第2の実施形態に係るRFタグ読取装置4,5では、側部アンテナ161から放射された電波は電波吸収層147で吸収される。このため、その電波は図14に示すような位置にあるRFタグ301には届かない。
仮に、側部アンテナ161から放射された電波が側板127の上端を超えて外部に漏れたとしてもその電波の強度は小さい。このため、判別部212は、送受信部211によって取得されたRSSIまたはRFタグ301からの応答電波の強度に基づいて、RFタグ301が収容部103,104の内部にあるかまたは外部にあるかを容易に判別することができる。
【0055】
また、側部アンテナ161によって放射された電波(直接波)が底部と3つの側板で反射すると、直接波と反射波によってマルチパスが生じる可能性がある。マルチパスが生じると、側部アンテナ161から放射された直接波と反射波が干渉し、電波の強度が小さくなる領域が生じるおそれがある。そして、この領域にRFタグがあると、側部アンテナはそのRFタグから情報を読み出すことができない場合が有り得る。この点からも収容部103、104の底部と側部は電波反射層ではなく電波吸収層を含むのが望ましい。
【0056】
また、図11では、側板125と収容制限板152との間の所定の間隔が、側部アンテナ161から放射される電波が収容空間252全体を含むように広がる間隔である例を示した。一方、図15は、側板125と収容制限板152との間の所定の間隔が、図11の例より狭く、側部アンテナ161から放射されて上下に広がりながら伝搬する電波が収容空間252の一部を含むように広がる間隔である例を示す。この例でも、側板125と収容制限板152の間の空間は、側部アンテナ161から放射された電波が上下に広がりながら伝搬する空間である。また、収容制限板152と側板127の間の空間は、物品300を収容可能な収容空間である。
この場合、収容制限板152の右上における△印を付した領域は、収容空間252に含まれるが、側部アンテナ161の交信領域251に含まれない。従って、△印を付した領域にRFタグ301が存在する場合、側部アンテナ161はそのRFタグ301から情報を読み取ることができない。しかし、△印を付した領域は底部アンテナ160の交信領域に含まれる。このため、底部アンテナ160はその領域にあるRFタグ301から情報を読み取ることができる。
【0057】
仮に、収容空間に存在する一部のRFタグ301から情報を読み取ることができなくとも、別のRFタグ301読取手段を併用することにより、読み取ることができなかったRFタグ301を検出することができる。例えば、RFタグ読取装置4が店舗内のセルフレジで使用される場合には、店舗の出入口等にRFIDリーダライタを設置すれば、そのRFIDリーダライタで会計が済んでいない商品に付されたRFタグ301、すなわちRFタグ読取装置4が情報を読み取ることができなかったRFタグ301を検出することができる。このように別のRFタグ301読取手段を併用することにより、側部アンテナ161では△印を付した領域に存在するRFタグ301から情報を読み出すことができないという図15のRFタグ読取装置4の欠点を補うことができる。
【0058】
図16は、他方の側板513の上端が側部アンテナ161の上縁よりずっと高いRFタグ読取装置7の一例を示す。図17は、図16のRFタグ読取装置7の斜視図である。
RFタグ読取装置7は、収容部106における側板511と側板512と側板513と側板514との構成が図8のRFタグ読取装置4と異なる。また、RFタグ読取装置7は、側板511と収容制限板152の間隔が図8のRFタグ読取装置4における側板125と収容制限板152の間隔より短い。これらの点を除き、RFタグ読取装置7の構成は図8のRFタグ読取装置4の構成と同一である。
側板511の上端は側部アンテナ161の上縁と同程度の高さである。一方、側板513の上端は側部アンテナ161の上縁よりずっと高い。側板512と側板514は、側板511と同じ高さから側板513と同じ高さまで、側板511側から側板513側に向けて徐々に高くなっている。
【0059】
側板511は、平板521と電波吸収層531とを含む。電波吸収層531は、例えば、平板521の内面を覆っている。同様に、側板512は、平板522と電波吸収層532とを含む。電波吸収層532は、例えば、平板522の内面を覆っている。側板513は、平板523と電波吸収層533とを含む。電波吸収層533は、例えば、平板523の内面を覆っている。側板514は、平板524と電波吸収層534とを含む。電波吸収層534は、例えば、平板524の内面を覆っている。電波吸収層521,522,523,524は、電波を吸収する。
なお、側板511に含まれる電波吸収層531は、平板521の内面を覆うのではなく、平板521の外面を覆っていてもよいし、2つの平板に挟まれていてもよい。ただし、この場合、電波吸収層531の内面側にある平板は電波を透過させる材質でなければならない。他の3つの側板512、513、514についても同様である。
【0060】
図16に示すように、側部アンテナ161から放射される電波が上下に大きく広がりながら伝搬する場合、側部アンテナ161と収容制限板152の間隔を短くすることができる。ただし、側部アンテナ161から放射される電波が側板513に達するとき、強度の大きい電波が高いところまで届く。しかし、それは電波吸収層532,533,534で吸収される。このため、側板512と側板513と側板514の上端が側部アンテナ161の上縁より高いことによって、側部アンテナ161から送信された電波であって開口110から3つの側板512,513,514の上端を超えて収容部106の外部に漏れる電波の強度が低下する。その電波の強度は、その電波によって動作したRFタグから送信される応答電波を側部アンテナ161が受信したときにそのRFタグが外部にあると判別部212が判別可能であるレベルである。これにより、側部アンテナ161から送信された電波が開口110から3つの側板512,513,514の上端を超えて収容部106の外部に漏れたとしても、判別部212はその電波によって動作したRFタグから送信される応答電波を側部アンテナ161が受信したときにそのRFタグが外部にあると判別することができる
なお、側板512と側板513と側板514とは本発明における他の複数の側板のもう一つの例である。
【0061】
図18は、他方の側板127(平板137)が部屋の壁501に面するようにRFタグ読取装置4が部屋の中に設置されており、他方の側板127と壁501との間の空間にRFタグ301が存在しない一例を示す。
図18の例では、他方の側板127と壁501との間の空間にRFタグ301は存在しない。ただし、側部アンテナ161から放射された電波が側板127の上端を超えて壁501に達し、壁501で反射して側板125側で収容部103の外部にあるRFタグ301に届く場合がある。しかし、この場合、側部アンテナ161とこのRFタグ301とは、少なくとも次の距離だけ離れている。
(側部アンテナ161と側板127との間隔+側板127と壁501との間隔)×2倍
一方、収容部103の内部に収容されている物品300に取り付けられているRFタグ301は、最大でも側部アンテナ161と側板127との間隔しか側部アンテナ161から離れていない。このため、側板127と壁501との間隔が大きくなるようにRFタグ読取装置4を設置すれば、判別部212は、RFタグ301が収容部103の外部にあると判別することができる。
なお、図18ではRFタグ読取装置4の例を示したが、RFタグ読取装置5についても同様である。
【0062】
図19は、壁501の表面が電波吸収層149で覆われている部屋の中にRFタグ読取装置8が設置されている一例を示す。
RFタグ読取装置8は、収容部107における側板515と側板516と側板517と側板518との構成が図8のRFタグ読取装置4と異なる。また、RFタグ読取装置8は、側板515と収容制限板152の間隔が図8のRFタグ読取装置4における側板125と収容制限板152の間隔より短い。これらの点を除き、RFタグ読取装置8の構成は図8のRFタグ読取装置4の構成と同一である。
側板515と側板516と側板517と側板518の上端の高さは全て同一であり、側部アンテナ161の上縁と同程度の高さである。
【0063】
側板515は、平板525と電波吸収層535とを含む。電波吸収層535は、例えば、平板525の内面を覆っている。同様に、側板516は、平板526と電波吸収層536とを含む。電波吸収層536は、例えば、平板526の内面を覆っている。側板517は、平板527と電波吸収層537とを含む。電波吸収層537は、例えば、平板527の内面を覆っている。側板518は、平板528と電波吸収層538とを含む。電波吸収層538は、例えば、平板528の内面を覆っている。電波吸収層535,536,537,538は、電波を吸収する。
なお、側板515に含まれる電波吸収層535は、平板525の内面を覆うのではなく、平板525の外面を覆っていてもよいし、2つの平板に挟まれていてもよい。ただし、この場合、電波吸収層535の内面側にある平板は電波を透過させる材質でなければならない。他の3つの側板516、517、518についても同様である。
【0064】
図19の例では、RFタグ読取装置8は、他方の側板517(平板527)が壁501に面するように設置されている。この例では、他方の側板517と壁501との間の空間にRFタグ301は存在しない。図19における側板517と壁501との間隔は、図18における側板127と壁501との間隔よりも小さい。
壁501の表面が電波吸収層149で覆われているので、側部アンテナ161から放射された電波は、壁501で吸収される。このため、側板517と壁501との間隔が小さくても、この電波は一方の側板515側で収容部107の外部にあるRFタグ301には届かない。
従って、このRFタグ301は側部アンテナ161に応答電波を返さない。側部アンテナ161から放射された電波によってRFタグ301が動作し、送受信部211によってRFタグ301のタグIDを含む情報が取得されたとき、RFタグ301は必ず収容部107の内部にある。このため、側部アンテナ161から放射された電波によってRFタグ301が動作したとき、判別部212は、送受信部211によって取得されたRSSIまたは応答電波の強度に基づいてタグIDを含む情報が取得されたRFタグ301が収容部107の内部にあるかまたは外部にあるかを判別する必要はない。
このように、壁501の表面が電波吸収層149で覆われていると、側板517と壁501との間の空間にRFタグ301が存在しない場合、側板517と壁501との間隔が小さくても、送受信部211が一方の側板515側で収容部107の外部にあるRFタグ301から情報を取得することはない。例えば、側板517と壁501との間にRFタグ301が存在できなくなるまで側板517と壁501との間隔を小さくしてRFタグ読取装置8を設置することもできる。
なお、壁501に含まれる電波吸収層149における側板517に対向する表面は、電波を透過させる素材で覆われていてもよい。
【0065】
図20に示すように、側板125に2つの側部アンテナ162と側部アンテナ163を設置してもよい。また、側板125に3つ以上の側部アンテナを設置してもよい。
【0066】
また、上述した第2の実施形態に係るRFタグ読取装置では、収容制限部(収容制限板152)によって、収容部の内部が一方の側板と収容制限部の間の空間と、収容制限部と他方の側板の間の空間とに分けられている例を示したが、本発明では、収容制限部は無くても良い。すなわち、本発明では、収容部の内部全体が物品を収容可能な収容空間であっても良い。
【0067】
また、上述した実施形態では、4つの側板によって方形の囲いが形成されている例を示したが、囲いの横断面の形状は他の多角形であってもよい。すなわち、一方の側板と対向する他方の側板を含む他の側板の数は、4つ以上であってもよい。
【0068】
また、電波吸収層は、シート材に限らず、板材により構成してもよい。この場合、第1の実施形態に係るRFタグ読取装置では、平板を省略してもよい。また、第2の実施形態に係るRFタグ読取装置では底板と4つの平板とを省略してもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、RFタグ読取装置とRFタグとは周波数860~960MHzのUHF帯の電波で交信するとしたが、RFタグ読取装置とRFタグとはそれ以外の周波数の電波で交信してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、商品を例にして説明したが、物品は、商品に限られず、見本品や書類など他の物であってもよい。
【0071】
特許文献1に記載の読取装置では、次の3つの場合に外部のRFタグの誤読取または内部のRFタグの読取漏れを生じるおそれがある。
(1)読取装置が天井のある室内で使われる場合に、収容部の底部のアンテナの電波とRFタグの応答電波が天井で反射することによって、外部のRFタグを誤って読み取るおそれがある。
(2)図3の×印を付した領域が載置板150の上にも存在する場合がある。この場合、この領域にRFタグが存在するとき、RFタグの読取漏れを生じる。しかも、特許文献1には、「アンテナ60は水平板32(本明細書の載置板150に相当)の下面側に取り付けられていても構わない。この場合には、水平板50を省略して構造を簡素化しても構わない。また、アンテナ60は水平板32の上面側に取り付けられていても構わない。」と記載されている。この構造では、明らかにアンテナ60の斜上にRFタグと交信できない領域が生じる。
(3)特許文献1には収容部の底部のアンテナから放射される電波の偏波方式が記載されていない。仮に、この電波が直線偏波(水平偏波または垂直偏波)されていると、RFタグのアンテナの長手方向と偏波方向とが直角に近い場合にRFタグの読取漏れが生じる。
本発明によれば、上述した(1)~(3)における外部のRFタグの誤読取または内部のRFタグの読取漏れを抑えることができる。
【0072】
さらに、(4)特許文献1に記載の読取装置では、仮に収容部底部のアンテナが円偏波された電波を放射するか、または水平偏波と垂直偏波を高速に切り替えながら電波を放射する場合でも、RFタグのアンテナの長手方向が収容部の底部のアンテナの面と垂直に近い場合にはRFタグの読取漏れが生じる。
本発明の第2の実施形態に係るRFタグ読取装置によれば、上述した(4)で指摘したRFタグ301の読取漏れも抑えることができる。そして、このRFタグ読取装置によれば、下方と側方の2方向からRFタグ301の情報を読み取るため、RFタグの読取漏れが減少する。
【0073】
以上説明したように、本発明によれば、上部に開口を有するRFタグ読取装置においてパッシブ型のRFタグの読取漏れや誤読取をできる限り抑えることができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、設計または製造上の都合やその他の要因によって必要となる様々な修正や組み合わせは、請求項に記載されている発明や発明の実施形態に記載されている具体例に対応する発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1,2,3,4,5,6,7,8…RFタグ読取装置、100,101,102,103,104,105,106,107…収容部、110…開口、120…底板、121,122,123,124,125,126,127,128,511,512,513,514,515,516,517,518…側板、131,132,133,134,135,136,137,138,521,522,523,524,525,526,527,528…平板、140,141,142,143,144,145,146,147,148,149,531,532,533,534,535,536,537,538…電波吸収層、150…載置板、151…当接部、152…収容制限板、160…底部アンテナ、161,162,163…側部アンテナ、170,171,172,173,174,175,176,177,178…電波反射層、200,210…制御部、201,211…送受信部、202,212…判別部、203…記録部、250,251…交信領域、252…収容空間、300,302…物品、301…RFタグ、400…買物カゴ、500…天井、501…壁
【要約】
【課題】上部に開口を有するRFタグ読取装置においてパッシブ型のRFタグの読取漏れや誤読取を抑える。
【解決手段】収容部103は、上部に開口110があり、RFタグ301が取り付けられた物品300を内部に収容する。側板125は、電波を吸収する電波吸収層を含んでおり、側部アンテナ161が内面に設置されている。他の3つの側板126,127,128は、電波吸収層を含んでおり、側部アンテナ161が設置されていない。他の3つの側板126,127,128の上端は側部アンテナ161の上縁より高い。側部アンテナ161から送信された電波が開口110から収容部103の外部に漏れても、その電波の強度は小さい。収容部103の外部に漏れた電波によって外部のRFタグが動作したとしても、そのRFタグから送信された応答電波を側部アンテナ161が受信したときに、判別部212はそのRFタグが外部にあると判別することができる。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20